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特許7557138検知プログラム、検知方法、および検知装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】検知プログラム、検知方法、および検知装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/353 20060101AFI20240919BHJP
   G01K 11/32 20210101ALI20240919BHJP
   G01B 11/16 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
G01D5/353 B
G01K11/32 A
G01B11/16 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021029732
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131014
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】有岡 孝祐
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-169889(JP,A)
【文献】特開2020-160701(JP,A)
【文献】特開昭61-230024(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0342814(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 1/00-21/02
G01K 1/00-19/00
G01B 1/00-21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
所定の経路に沿って配置された光ファイバのサンプリング位置についての、前記光ファイバからの後方散乱光量の測定データを、照合用の周波数・波数空間図に変換する処理と、
前記照合用の周波数・波数空間図と、周波数・波数空間図のモデルとを照合する処理と、を実行させることを特徴とする検知プログラム。
【請求項2】
前記光ファイバにおける空間分解能に基づいて、前記測定データを前記照合用の周波数・波数空間図に変換することを特徴とする請求項1に記載の検知プログラム。
【請求項3】
前記照合する処理において、画像認識処理を用いて、前記照合用の周波数・波数空間図と前記モデルとを照合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検知プログラム。
【請求項4】
前記モデルは、異常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した異常モデルと、正常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した正常モデルとを含み、
前記照合する処理において、前記照合用の周波数・波数空間図と前記異常モデルとの類似度と、前記照合用の周波数・波数空間図と前記正常モデルとの類似度とを算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の検知プログラム。
【請求項5】
前記モデルは、正常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した正常モデルを含み、
前記照合する処理において、前記照合用の周波数・波数空間図と前記正常モデルとの乖離度を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の検知プログラム。
【請求項6】
前記モデルは、複数種類の異常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した複数の異常モデルを含み、
前記照合する処理において、前記照合用の周波数・波数空間図と前記複数の異常モデルのそれぞれとの類似度を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の検知プログラム。
【請求項7】
前記測定データは、温度測定データまたは歪み測定データであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の検知プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータに、
前記照合する処理の結果を表示装置に表示する処理を実行させることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の検知プログラム。
【請求項9】
所定の経路に沿って配置された光ファイバのサンプリング位置についての、前記光ファイバからの後方散乱光量の測定データを、照合用の周波数・波数空間図に変換し、
前記照合用の周波数・波数空間図と、周波数・波数空間図のモデルとを照合する、処理をコンピュータが実行することを特徴とする検知方法。
【請求項10】
所定の経路に沿って配置された光ファイバのサンプリング位置についての、前記光ファイバからの後方散乱光量の測定データを、照合用の周波数・波数空間図に変換する変換部と、
前記照合用の周波数・波数空間図と、周波数・波数空間図のモデルとを照合する照合部と、備えることを特徴とする検知装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、検知プログラム、検知方法、および検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバに光パルスもしくは連続光を与えたときの後方散乱光から、光ファイバの温度や歪などの物理量をセンシングする技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-009629号公報
【文献】米国特許出願公開第2018/0100388号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では大量のデータを扱うため、予兆検知などの複雑な処理を必要とするソリューションにおいては、リアルタイムのデータ保存や処理が困難である。また、適用箇所によって、一つ一つのサンプル点個別にフィルタ周波数や閾値などを設定することも煩雑である。
【0005】
1つの側面では、本件は、容易に検知を行なうことができる検知プログラム、検知方法、および検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、検知プログラムは、コンピュータに、所定の経路に沿って配置された光ファイバのサンプリング位置についての、前記光ファイバからの後方散乱光量の測定データを、照合用の周波数・波数空間図に変換する処理と、前記照合用の周波数・波数空間図と、周波数・波数空間図のモデルとを照合する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
容易に検知を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)は温度分布測定装置0の全体構成を表す概略図であり、(b)は演算装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
図2】後方散乱光の成分を表す図である。
図3】(a)はレーザによる光パルス発光後の経過時間とストークス成分およびアンチストークス成分の光強度との関係を例示する図であり、(b)は(a)の検出結果を用いて算出した温度である。
図4】温度測定時刻と、測定された各サンプリング位置の温度とを例示する図である。
図5】F-k空間図と、画像にするデータとを説明した図である。
図6】検知装置が実行するモデル作成処理の一例を表すフローチャートである。
図7】検知装置が実行する異常検知処理の一例を表すフローチャートである。
図8】(a)は実施例2に係る検知装置の全体構成を表す概略図であり、(b)は演算装置20aのハードウェア構成図である。
図9】歪み測定の原理について説明するための図である。
図10】記憶部に記憶された時系列歪みデータを例示する図である。
図11】(a)は特定のサンプリング位置における位相差を例示する図であり、(b)は(a)の測定結果を各サンプリング位置における歪みに変換したものである。
図12】(a)はユーザが予め指定した正常状態の測定振動データのデータウォーターフォール図であり、(b)は(a)の測定振動データをF-k空間図に変換したものであり、(c)はユーザが予め指定した異常状態時の測定振動データのデータウォーターフォール図であり、(d)は(c)の測定振動データをF-k空間図に変換したものである。
図13】実施例2に係る検知装置が実行するモデル作成処理の一例を表すフローチャートである。
図14】実施例2に係る検知装置が実行する異常検知処理の一例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
図1(a)は、検知装置100の全体構成を表す概略図である。図1(a)で例示するように、検知装置100は、測定機10、演算装置20、光ファイバ30、表示装置40などを備える。測定機10は、レーザ11、ビームスプリッタ12、光スイッチ13、フィルタ14、複数の検出器15a,15bなどを備える。演算装置20は、指示部21、温度測定部22、記憶部23、空間変換部24、モデル作成部25、異常検知部26などを備える。本実施例においては、光ファイバ散乱位置の温度を後方ラマン散乱から測定する分布型光ファイバセンサ技術(DTS:Distributed Tempertaure Sensor)を用いる。
【0011】
図1(b)は、演算装置20のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図1(b)で例示するように、演算装置20は、CPU101、RAM102、記憶装置103、インタフェース104などを備える。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。CPU(Central Processing Unit)101は、中央演算処理装置である。CPU101は、1以上のコアを含む。RAM(Random Access Memory)102は、CPU101が実行するプログラム、CPU101が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置103は、不揮発性記憶装置である。記憶装置103として、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。CPU101が記憶装置103に記憶されている検知プログラムを実行することによって、演算装置20に指示部21、温度測定部22、記憶部23、空間変換部24、モデル作成部25、異常検知部26などが実現される。なお、演算装置20の各部は、専用の回路などのハードウェアであってもよい。
【0012】
レーザ11は、半導体レーザなどの光源であり、指示部21の指示に従って所定の波長範囲のレーザ光を出射する。本実施形態においては、レーザ11は、所定の時間間隔で光パルス(レーザパルス)を出射する。ビームスプリッタ12は、レーザ11が出射した光パルスを光スイッチ13に入射する。光スイッチ13は、入射された光パルスの出射先(チャネル)を切り替えるスイッチである。ダブルエンド方式では、光スイッチ13は、指示部21の指示に従って、光ファイバ30の第1端および第2端に一定周期で交互に光パルスを入射する。シングルエンド方式では、光スイッチ13は、指示部21の指示に従って、光ファイバ30の第1端または第2端のいずれか一方に光パルスを入射する。光ファイバ30は、温度測定対象の所定の経路に沿って配置されている。
【0013】
光ファイバ30に入射した光パルスは、光ファイバ30内を伝搬する。光パルスは、伝搬方向に進行する前方散乱光および帰還方向に進行する後方散乱光(戻り光)を生成しながら徐々に減衰して光ファイバ30内を伝搬する。後方散乱光は、光スイッチ13を通過してビームスプリッタ12に再度入射する。ビームスプリッタ12に入射した後方散乱光は、フィルタ14に対して出射される。フィルタ14は、WDMカプラなどであり、後方散乱光から長波長成分(後述するストークス成分)と短波長成分(後述するアンチストークス成分)とを抽出する。検出器15a,15bは、受光素子である。検出器15aは、所定の周期でストークス成分の受光強度を電気信号に変換して記憶部23に記憶させる。それにより、記憶部23は、ストークス成分の光量の時系列データを記憶する。検出器15bは、検出器15aと同じ周期でアンチストークス成分の受光強度を電気信号に変換して記憶部23に記憶させる。それにより、記憶部23は、アンチストークス成分の光量の時系列データを記憶する。温度測定部22は、記憶部23に記憶されているストークス成分の光量およびアンチストークス成分の光量を用いて、光ファイバ30の温度測定対象範囲の各サンプリング位置の温度を測定することで、光ファイバ30の延伸方向の温度分布を測定する。
【0014】
以下、温度分布の測定の詳細について説明する。図2は、後方散乱光の成分を表す図である。図2で例示するように、後方散乱光は、大きく3種類に分類される。これら3種類の光は、光強度の高い順かつ入射光波長に近い順に、OTDR(光パルス試験器)や動的歪み測定などに使用されるレイリー散乱光、静的歪み測定などに使用されるブリルアン散乱光、温度測定などに使用されるラマン散乱光である。ラマン散乱光は、温度に応じて変化する光ファイバ30内の格子振動と光との干渉で生成される。強めあう干渉によりアンチストークス成分と呼ばれる短波長成分が生成され、弱めあう干渉によりストークス成分とよばれる長波長成分が生成される。
【0015】
図3(a)は、レーザ11による光パルス発光後の経過時間と、ストークス成分およびアンチストークス成分の光強度との関係を例示する図である。経過時間は、光ファイバ30における伝搬距離(光ファイバ30における位置)に対応している。図3(a)で例示するように、ストークス成分およびアンチストークス成分の光強度は、両方とも経過時間とともに低減する。これは、光パルスが前方散乱光および後方散乱光を生成しながら徐々に減衰して光ファイバ30内を伝搬することに起因する。
【0016】
図3(a)で例示するように、アンチストークス成分の光強度は、光ファイバ30において高温になる位置ではストークス成分と比較して増加率が高くなる。したがって、両成分を検出器15a,15bで検出し、両成分の特性差を利用することによって、光ファイバ30内の各位置の温度を検出することができる。なお、図3(a)において、横軸の経過時間は光ファイバ位置に対応している。極大を示す領域は、相対的に高温の領域である。また、極小を示す領域は、相対的に低温の領域である。
【0017】
本実施形態においては、温度測定部22は、記憶部23に記憶されているストークス成分の光量およびアンチストークス成分の光量の時系列データから、光ファイバ30内の温度測定対象区間における各サンプリング位置(各区画)の温度を測定する。すなわち、温度測定部22は、光ファイバ30の延伸方向において、温度測定対象区間の温度分布を測定する。なお、両成分の特性差を利用することから、距離に応じて両成分の光強度が減衰しても、高精度で温度を測定することができる。図3(b)は、図3(a)の検出結果を用いて算出した温度である。図3(b)で例示するように、ストークス成分およびアンチストークス成分を検出することによって、光ファイバ30の温度測定対象区間の各サンプリング位置の温度を測定することができる。
【0018】
レーザ11が光パルスを出力するたびに同様の温度測定を繰り返すことで、温度測定部22は、光パルスの出力周期で、光ファイバ30の温度測定対象区間の温度分布の測定を繰り返すことができる。それにより、温度測定部22は、温度測定対象区間の温度分布の経時変化を取得することができる。
【0019】
図4は、温度測定時刻と、測定された各サンプリング位置の温度とを例示する図である。温度測定時刻と、測定された各サンプリング位置の温度との関係は、記憶部23が記憶する。
【0020】
空間変換部24は、記憶部23が記憶する測定温度を周波数・波数(F-k)空間図に変換し画像認識する。例えば、空間変換部24は、所定の時間周期で、所定の時間窓の範囲の測定温度をF-k空間図に変換する。または、空間変換部24は、ユーザによって指定された時間窓の範囲の測定温度をF-k空間図に変換する。
【0021】
図5は、F-k空間図と、画像にするデータとを説明した図である。CNN(Convolutional Neural Network)などに用いる画像データは、2次元配列のデータであり、ピクセルごとの濃淡もしくはRGB値が重要である。すなわち、F-k空間図画像の作成においては、分布型光ファイバセンサの空間分解能など測定原理やマシンパラメータなどに関する値を考慮することが求められる。F-k空間図は、例えば2次元フーリエ変換によって計算される。
【0022】
このF-k空間図の一部を画像データとして抽出し、異常に係る情報の検知を行なう。例えば、異常検知、または異常の予兆の検知を行なう。ピクセル数が多くなると計算量が増えるため、なるべくピクセル数を少なくしかつ有用な画像にすることが好ましい。周波数、波数ともに0を中心にシフトさせると、第3象限と第4象限は時間として未来から過去への周波数成分になるため除外する。波数については光ファイバ30の空間分解能よりも高い分解能は必要がないので、光ファイバ30の空間分解能をLとすれば、-LからLまでの範囲を画像にするデータとする。
【0023】
ここで、光ファイバ30の空間分解能とは、レーザパルスの幅によって決まる応答関数の半値幅である。さらに、空間的に周期的な敷設の場合は、それに対応するファイバ長が考慮される。例えば、巻回部や蛇行のような敷設がそれにあたる。周波数の最大値(Fm)は観測したい周波数の上限とするが、ピクセル数と時間の窓幅(T)により調整してもよい。行列計算用意のために縦横のピクセル数を合わせると、下記式(1)となる(Lは、光ファイバ30の全長)。また、計算処理速度などの場合によっては、圧縮率(α、β)を導入して下記式(2)としてもよい。しかしながら、圧縮する場合は、画像データとして重要なデータの欠損を抑制する観点から、例えばデータα×β個のうち最大値もしくは最小値、または平均値、中央値などを代表点とする処理を行なうことが好ましい。
【数1】
【数2】
【0024】
(モデル作成処理)
図6は、検知装置100が実行するモデル作成処理の一例を表すフローチャートである。図6で例示するように、空間変換部24は、記憶部23に記憶されている測定温度データを取得する(ステップS1)。この測定温度データは、ユーザが予め指定した正常状態の測定温度データおよび異常状態の測定温度データである。各測定温度データは、時間窓範囲を有する。
【0025】
次に、空間変換部24は、ステップS1で取得した正常状態の測定温度データおよび異常状態の測定温度データから、F-k空間図をそれぞれ作成する(ステップS2)。モデル作成部25は、正常状態の測定温度データから作成されたF-k空間図から正常モデルを作成し、異常状態の測定温度データから作成されたF-k空間図から異常モデルを作成する(ステップS3)。例えば、モデル作成部25は、ステップS2で作成されたF-k空間図の一部をモデルとする。記憶部23は、ステップS3で作成された正常モデルおよび異常モデルを記憶する(ステップS4)。以上の処理によって、正常モデルおよび異常モデルを予め記憶しておくことができる。
【0026】
(異常検知処理)
図7は、検知装置100が実行する異常検知処理の一例を表すフローチャートである。まず、空間変換部24は、記憶部23に記憶されている測定温度データを取得する(ステップS11)。次に、空間変換部24は、ある時間窓幅でF-k空間図を作成する(ステップS12)。それにより、照合用のF-k空間図が得られる。
【0027】
次に、異常検知部26は、記憶部23が記憶している正常モデルおよび異常モデルと、ステップS12で作成された照合用のF-k空間図とを照合する。具体的には、異常検知部26は、記憶部23が記憶している正常モデルおよび異常モデルを用いて、ステップS12で作成された照合用のF-k空間図が異常状態であるか否かを判定する(ステップS13)。例えば、異常検知部26は、ステップS12で作成されたF-k空間図と、正常モデルおよび異常モデルそれぞれとの類似度を算出する。類似度の算出には、画像認識処理を用いることができる。例えば、F-k空間図の濃淡分布の類似の程度を類似度として算出することができる。異常検知部26は、正常モデルとの類似度が異常モデルとの類似度以上であれば、正常状態であると判定する。異常検知部26は、異常モデルとの類似度が正常モデルとの類似度を上回っていれば異常状態であると判定する。
【0028】
ステップS13で「No」と判定された場合、ステップS11から再度実行される。この場合、ステップS12では、次の時間窓を対象とする。ステップS13で「Yes」と判定された場合、異常検知部26は、異常に係る信号を表示装置40に出力する(ステップS14)。それにより、表示装置40は、警報などを表示する。
【0029】
なお、モデル作成処理において、異常モデルは必ずしも作成しておかなくてもよい。異常モデルを作成しない場合には、ステップS12で作成されたF-k空間図と正常モデルとの乖離度が閾値以上となった場合に異常状態であると判定することができる。
【0030】
または、モデル作成処理において、正常モデルを必ずしも作成しておかなくてもよい。正常モデルを作成しない場合には、モデル作成処理において、想定される複数種類の異常モデルを作成しておく。ステップS12で作成された周波数・波数空間図といずれかの異常モデルとの類似度が閾値以上となった場合に、異常状態であると判定することができる。この場合、異常原因が、類似度が閾値以上となる異常モデルの異常原因であると特定することができる。また、モデルが劣化する場合は、随時モデルを更新してもよい。
【0031】
本実施例によれば、光ファイバ30のサンプリング位置ごと連続してデータを収集することができる。そのため、時空間データの2次元フーリエ変換を行うことで、F-k空間図を作成することができる。逆フーリエ変換を行うことで所望の信号を得るF-kフィルタを用いることで、環境ノイズなど不要な信号と所望の信号とを分けて同時に見ることができる。それにより、画像認識処理を行うことで、位置ごとに設定を必要とせずに、あらゆる環境で使用できる検知手法を実現できる。またデータとしては画像データのみを扱うため、データ容量が小さく処理が簡単である。
【0032】
以上のように、本実施例によれば、容易に検知を行なうことができる。例えば、光ファイバ30の温度測定対象に、異常が生じているか否かを判定することができる。光ファイバ30の温度測定対象に、異常の予兆が生じているか否かを判定することができる。光ファイバ30の温度測定対象が正常状態であるか否かを判定することができる。
【実施例2】
【0033】
図8(a)は、実施例2に係る検知装置100aの全体構成を表す概略図である。図8(b)は、後述する演算装置20aのハードウェア構成図である。図8(a)で例示するように、検知装置100aが図1(a)の検知装置100と異なる点は、測定機10の代わりに測定機10aが備わり、演算装置20の代わりに演算装置20aが備わっている点である。演算装置20aが図1(a)の演算装置20と異なる点は、温度測定部22の代わりに歪み測定部22aを備える点である。本実施例においては、光ファイバ散乱位置の変形を伴う振動をコヒーレンスから測定する分布型光ファイバセンサ技術(DAS:Distributed Acoustic Sensor)を用いる。
【0034】
本実施例においては、CPU101が記憶装置103に記憶されている検知プログラムを実行することによって、演算装置20aに、指示部21、歪み測定部22a、記憶部23、空間変換部24、モデル作成部25、異常検知部26などが実現される。なお、演算装置20aの各部は、専用の回路などのハードウェアであってもよい。
【0035】
測定機10aは、レーザ16、光サーキュレータ17、検出器18などを備える。レーザ16は、半導体レーザなどの光源であり、指示部21の指示に従って所定の波長範囲のレーザ光を出射する。本実施形態においては、レーザ16は、所定の時間間隔で光パルス(レーザパルス)を出射する。光サーキュレータ17は、レーザ11が出射した光パルスを歪み測定対象の光ファイバ30に導き、光ファイバ30から戻ってきた後方散乱光を検出器18に導く。
【0036】
光ファイバ30に入射した光パルスは、光ファイバ30内を伝搬する。光パルスは、伝搬方向に進行する前方散乱光および帰還方向に進行する後方散乱光(戻り光)を生成しながら徐々に減衰して光ファイバ30内を伝搬する。後方散乱光は、光サーキュレータ17に再度入射する。光サーキュレータ17に入射した後方散乱光は、検出器18に対して出射される。検出器18は、例えば、局部発信光との位相差を得るための受信機などである。
【0037】
図9は、歪み測定の原理について説明するための図である。図9で例示するように、レーザパルスが入射光として光ファイバ30に入射される。後方散乱光のうち入射光と同じ周波数であるレイリー散乱光である戻り光のコヒーレント光が、振動により位相がずれて光サーキュレータ17に戻ってくる。歪み測定部22aは、検出器18の検出結果に基づいて、各サンプリング位置における、光ファイバ30の伸縮により生じた位相差の時系列データ(以下、時系列位相データと称する。)を作成する。光ファイバ30の伸縮により生じる位相差は、例えば、時間的な変化で生じる位相差、場所の変化で生じる位相差、入射光の位相と後方散乱光の位相差等である。記憶部23は、歪み測定部22aが作成した各サンプリング位置における時系列位相データを記憶する。サンプリング位置とは、光ファイバ30の延伸方向において所定の間隔で定められた点または所定の間隔で定められた区画のことである。例えば、サンプリング位置とは、光ファイバ30の延伸方向において、1.25mごとに定められた点、または1.25mごとに定められ1.25m以下の長さを有する区画のことである。時系列位相データの各位相差は、各点で検出された位相差から得られたものであってもよく、各区画で検出された位相差の合計や平均から得られたものであってもよい。なお、光ファイバ30の端部で散乱した戻り光が戻ってくる前に次のレーザパルスを発振すると、戻り光が混ざって正しい測定が行えなくなるので、レーザパルスの最小周期は測定する光ファイバの長さによって決定される。
【0038】
図10は、記憶部23に記憶された時系列位相データを例示する図である。図10で例示するように、光ファイバ30の各位置(サンプリング位置)における位相差データ(ラジアン)が時刻ごとに記憶されている。
【0039】
各サンプリング位置における時系列位相データを用いて、歪み測定を行うことができる。例えば、時系列位相データから、光ファイバ30の各サンプリング位置が単位時間当たりどれだけ変位したのかを表す歪みデータを計算することができる。この手法は、自己干渉法として知られている。干渉させる光を局部発信光にする場合と、後方散乱光同士にする場合で測定する物理量が異なる。前者は歪みに相当する位相差であり、後者は時間的な差をとることで歪み速度に対する位相差となる。位相差をレーザパルスの周期で取得することにより光ファイバ位置に対応した時系列の歪みデータに変換できる。
【0040】
図11(a)は、特定のサンプリング位置における、上述した歪みに相当するゲージ長で発生した位相差を例示する図である。横軸は経過時間を示し、縦軸は歪みに相当する位相差を示す。図11(b)は、図11(a)の測定結果を、光ファイバ30の各サンプリング位置と、各サンプリング位置における歪みに変換したものである。経過時間から各サンプリング位置が算出されている。位相差から歪み量が算出されている。本実施例において、光ファイバ30の空間分解能とは、ゲージ長に対応する。
【0041】
図12(a)は、ユーザが予め指定した正常状態の測定振動データのデータウォーターフォール図である。横軸は光ファイバ30における入射端からの距離を示し、縦軸は経過時間を示し、濃淡は歪みの正負すなわち伸縮を表している。図12(b)は、図12(a)の測定振動データをF-k空間図に変換したものである。図12(c)は、ユーザが予め指定した異常状態の測定振動データのデータウォーターフォール図である。図12(d)は、図12(c)の測定振動データをF-k空間図に変換したものである。これらのように、図12(a)および図12(c)のデータウォーターフォール図では正常状態および異常状態を視覚的にとらえにくいが、図12(b)および図12(d)のF-k空間図では正常状態および異常状態を視覚的にとらえやすくなっている。
【0042】
(モデル作成処理)
図13は、検知装置100aが実行するモデル作成処理の一例を表すフローチャートである。図13で例示するように、空間変換部24は、記憶部23に記憶されている測定歪みデータを取得する(ステップS21)。この測定歪みデータは、ユーザが予め指定した正常状態の測定歪みデータおよび異常状態の測定歪みデータである。各測定歪みデータは、時間窓範囲を有する。
【0043】
次に、空間変換部24は、ステップS1で取得した正常状態の測定歪みデータおよび異常状態の測定歪みデータから、F-k空間図をそれぞれ作成する(ステップS22)。モデル作成部25は、正常状態の測定歪みデータから作成されたF-k空間図から正常モデルを作成し、異常状態の測定歪みデータから作成されたF-k空間図から異常モデルを作成する(ステップS23)。例えば、モデル作成部25は、ステップS22で作成されたF-k空間図の一部をモデルとする。記憶部23は、ステップS23で作成された正常モデルおよび異常モデルを記憶する(ステップS24)。以上の処理によって、正常モデルおよび異常モデルを予め記憶しておくことができる。
【0044】
(異常検知処理)
図14は、検知装置100aが実行する異常検知処理の一例を表すフローチャートである。まず、空間変換部24は、記憶部23に記憶されている測定歪みデータを取得する(ステップS31)。次に、空間変換部24は、ある時間窓幅でF-k空間図を作成する(ステップS32)。それにより、照合用のF-k空間図が得られる。
【0045】
次に、異常検知部26は、記憶部23が記憶している正常モデルおよび異常モデルと、ステップS32で作成された照合用のF-k空間図とを照合する。具体的には、異常検知部26は、記憶部23が記憶している正常モデルおよび異常モデルを用いて、ステップS32で作成された照合用のF-k空間図が異常状態であるか否かを判定する(ステップS33)。例えば、異常検知部26は、ステップS32で作成されたF-k空間図と、正常モデルおよび異常モデルそれぞれとの類似度を算出する。類似度の算出には、例えば、画像認識処理を用いる。異常検知部26は、正常モデルとの類似度が異常モデルとの類似度以上であれば、正常状態であると判定する。異常検知部26は、異常モデルとの類似度が正常モデルとの類似度を上回っていれば異常状態であると判定する。
【0046】
ステップS33で「No」と判定された場合、ステップS31から再度実行される。この場合、ステップS32では、次の時間窓を対象とする。ステップS33で「Yes」と判定された場合、異常検知部26は、異常に係る信号を表示装置40に出力する(ステップS34)。それにより、表示装置40は、警報などを表示する。
【0047】
なお、モデル作成処理において、異常モデルは必ずしも作成しておかなくてもよい。異常モデルを作成しない場合には、ステップS32で作成されたF-k空間図と正常モデルとの乖離度が閾値以上となった場合に異常状態であると判定することができる。
【0048】
または、モデル作成処理において、正常モデルを必ずしも作成しておかなくてもよい。正常モデルを作成しない場合には、モデル作成処理において、想定される複数種類の異常モデルを作成しておく。ステップS12で作成された周波数・波数空間図といずれかの異常モデルとの類似度が閾値以上となった場合に、異常状態であると判定することができる。この場合、異常原因が、類似度が閾値以上となる異常モデルの異常原因であると特定することができる。また、モデルが劣化する場合は、随時モデルを更新してもよい。
【0049】
本実施例によれば、光ファイバ30のサンプリング位置ごと連続してデータを収集することができる。そのため、時空間データの2次元フーリエ変換を行うことで、F-k空間図を作成することができる。逆フーリエ変換を行うことで所望の信号を得るF-kフィルタを用いることで、環境ノイズなど不要な信号と所望の信号とを分けて同時に見ることができる。それにより、画像認識処理を行うことで、位置ごとに設定を必要とせずに、あらゆる環境で使用できる検知手法を実現できる。またデータとしては画像データのみを扱うため、データ容量が小さく処理が簡単である。
【0050】
以上のように、本実施例によれば、容易に検知を行なうことができる。例えば、光ファイバ30の歪み測定対象に、異常が生じているか否かを判定することができる。光ファイバ30の歪み測定対象に、異常の予兆が生じているか否かを判定することができる。光ファイバ30の歪み測定対象が正常状態であるか否かを判定することができる。
【0051】
上記各例において、空間変換部24が、所定の経路に沿って配置された光ファイバのサンプリング位置についての、前記光ファイバからの後方散乱光量の測定データを、照合用の周波数・波数空間図に変換する変換部の一例である。異常検知部26が、照合用の周波数・波数空間図と、周波数・波数空間図のモデルとを照合する照合部の一例である。表示装置40が、照合処理の結果を表示する表示装置の一例である。
【0052】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
(付記)
(付記1)
コンピュータに、
所定の経路に沿って配置された光ファイバのサンプリング位置についての、前記光ファイバからの後方散乱光量の測定データを、照合用の周波数・波数空間図に変換する処理と、
前記照合用の周波数・波数空間図と、周波数・波数空間図のモデルとを照合する処理と、を実行させることを特徴とする検知プログラム。
(付記2)
前記光ファイバにおける空間分解能に基づいて、前記測定データを前記照合用の周波数・波数空間図に変換することを特徴とする付記1に記載の検知プログラム。
(付記3)
前記照合する処理において、画像認識処理を用いて、前記照合用の周波数・波数空間図と前記モデルとを照合することを特徴とする付記1または付記2に記載の検知プログラム。
(付記4)
前記モデルは、異常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した異常モデルと、正常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した正常モデルとを含み、
前記照合する処理において、前記照合用の周波数・波数空間図と前記異常モデルとの類似度と、前記照合用の周波数・波数空間図と前記正常モデルとの類似度とを算出することを特徴とする付記1から付記3のいずれか一項に記載の検知プログラム。
(付記5)
前記モデルは、正常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した正常モデルを含み、
前記照合する処理において、前記照合用の周波数・波数空間図と前記正常モデルとの乖離度を算出することを特徴とする付記1から付記3のいずれか一項に記載の検知プログラム。
(付記6)
前記モデルは、複数種類の異常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した複数の異常モデルを含み、
前記照合する処理において、前記照合用の周波数・波数空間図と前記複数の異常モデルのそれぞれとの類似度を算出することを特徴とする付記1から付記3のいずれか一項に記載の検知プログラム。
(付記7)
前記測定データは、温度測定データまたは歪み測定データであることを特徴とする付記1から付記6のいずれか一項に記載の検知プログラム。
(付記8)
前記コンピュータに、
前記照合する処理の結果を表示装置に表示する処理を実行させることを特徴とする付記1から付記7のいずれか一項に記載の検知プログラム。
(付記9)
所定の経路に沿って配置された光ファイバのサンプリング位置についての、前記光ファイバからの後方散乱光量の測定データを、照合用の周波数・波数空間図に変換し、
前記照合用の周波数・波数空間図と、周波数・波数空間図のモデルとを照合する、処理をコンピュータが実行することを特徴とする検知方法。
(付記10)
前記光ファイバにおける空間分解能に基づいて、前記測定データを前記照合用の周波数・波数空間図に変換することを特徴とする付記9に記載の検知方法。
(付記11)
前記照合する処理において、画像認識処理を用いて、前記照合用の周波数・波数空間図と前記モデルとを照合することを特徴とする付記9または付記10に記載の検知方法。
(付記12)
前記モデルは、異常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した異常モデルと、正常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した正常モデルとを含み、
前記照合する処理において、前記照合用の周波数・波数空間図と前記異常モデルとの類似度と、前記照合用の周波数・波数空間図と前記正常モデルとの類似度とを算出することを特徴とする付記9から付記11のいずれか一項に記載の検知方法。
(付記13)
前記モデルは、正常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した正常モデルを含み、
前記照合する処理において、前記照合用の周波数・波数空間図と前記正常モデルとの乖離度を算出することを特徴とする付記9から付記11のいずれか一項に記載の検知方法。
(付記14)
前記モデルは、複数種類の異常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した複数の異常モデルを含み、
前記照合する処理において、前記照合用の周波数・波数空間図と前記複数の異常モデルのそれぞれとの類似度を算出することを特徴とする付記9から付記11のいずれか一項に記載の検知方法。
(付記15)
前記測定データは、温度測定データまたは歪み測定データであることを特徴とする付記9から付記14のいずれか一項に記載の検知方法。
(付記16)
前記コンピュータが、
前記照合する処理の結果を表示装置に表示する処理を実行することを特徴とする付記9から付記15のいずれか一項に記載の検知方法。
(付記17)
所定の経路に沿って配置された光ファイバのサンプリング位置についての、前記光ファイバからの後方散乱光量の測定データを、照合用の周波数・波数空間図に変換する変換部と、
前記照合用の周波数・波数空間図と、周波数・波数空間図のモデルとを照合する照合部と、備えることを特徴とする検知装置。
(付記18)
前記変換部は、前記光ファイバにおける空間分解能に基づいて、前記測定データを前記照合用の周波数・波数空間図に変換することを特徴とする付記17に記載の検知装置。
(付記19)
前記照合部は、画像認識処理を用いて、前記照合用の周波数・波数空間図と前記モデルとを照合することを特徴とする付記17または付記18に記載の検知装置。
(付記20)
前記モデルは、異常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した異常モデルと、正常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した正常モデルとを含み、
前記照合部は、前記照合用の周波数・波数空間図と前記異常モデルとの類似度と、前記照合用の周波数・波数空間図と前記正常モデルとの類似度とを算出することを特徴とする付記17から付記19のいずれか一項に記載の検知装置。
(付記21)
前記モデルは、正常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した正常モデルを含み、
前記照合部は、前記照合用の周波数・波数空間図と前記正常モデルとの乖離度を算出することを特徴とする付記17から付記19のいずれか一項に記載の検知装置。
(付記22)
前記モデルは、複数種類の異常状態の前記測定データを周波数・波数空間図に変換した複数の異常モデルを含み、
前記照合部は、前記照合用の周波数・波数空間図と前記複数の異常モデルのそれぞれとの類似度を算出することを特徴とする付記17から付記19のいずれか一項に記載の検知装置。
(付記23)
前記測定データは、温度測定データまたは歪み測定データであることを特徴とする付記17から付記22のいずれか一項に記載の検知装置。
(付記24)
前記照合する処理の結果を表示する表示装置を備えることを特徴とする付記17から付記23のいずれか一項に記載の検知装置。
【符号の説明】
【0053】
10,10a 測定機
11 レーザ
12 ビームスプリッタ
13 光スイッチ
14 フィルタ
15a,15b 検出器
16 レーザ
17 光サーキュレータ
18 検出器
20,20a 演算装置
21 指示部
22 温度測定部
23 記憶部
24 空間変換部
25 モデル作成部
26 異常検知部
30 光ファイバ
100,100a 検知装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14