(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240919BHJP
A63F 13/825 20140101ALI20240919BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240919BHJP
【FI】
A63F13/69 520
A63F13/825
A63F13/58
(21)【出願番号】P 2022017920
(22)【出願日】2022-02-08
(62)【分割の表示】P 2020142681の分割
【原出願日】2020-08-26
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】大脇 遼平
(72)【発明者】
【氏名】栗山 幸介
(72)【発明者】
【氏名】小牧 信貴
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅矩
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-146985(JP,A)
【文献】特開2019-181038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
プレイヤが所有するゲーム媒体としてプレイヤと関連付けられた第1ゲーム媒体の第1パラメータと
、プレイヤが所有するゲーム媒体としてプレイヤと関連付けられた第2ゲーム媒体の第2パラメータと、のそれぞれが所定値以上である場合に、プレイヤから第1指示を受け付け可能とし、前記第1ゲーム媒体の第1パラメータと前記第2ゲーム媒体の第2パラメータとのいずれかが所定値未満である場合に、プレイヤから第2指示を受け付け可能とし、
プレイヤから受け付けた前記第1指示に基づいて、
前記第1ゲーム媒体及び前記第2ゲーム媒体をプレイヤが所有するゲーム媒体として関連付けたまま前記第1ゲーム媒体の第1パラメータと前記第2ゲーム媒体の第2パラメータとを減少させ、プレイヤに関連付けて生成され
所定のパラメータ範囲の中からランダムに選択されるパラメータを有する第3ゲーム媒体の情報をプレイヤに提示し、
前記第3ゲーム媒体の情報をプレイヤに提示した後に、
所定のゲーム媒体を消費すること、あるいは、前記第2指示の回数が所定の上限回数以内であること、を条件に、プレイヤから受け付けた前記第2指示に基づいて、
前記第1ゲーム媒体及び前記第2ゲーム媒体をプレイヤが所有するゲーム媒体として関連付けたまま前記第1ゲーム媒体の第1パラメータと前記第2ゲーム媒体の第2パラメータの少なくとも一方を減少前の状態にし、前記第3ゲーム媒体とプレイヤとが関連付けられていない状態とする、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサが、
プレイヤが所有するゲーム媒体としてプレイヤと関連付けられた第1ゲーム媒体の第1パラメータと
、プレイヤが所有するゲーム媒体としてプレイヤと関連付けられた第2ゲーム媒体の第2パラメータと、のそれぞれが所定値以上である場合に、プレイヤから第1指示を受け付け可能とし、前記第1ゲーム媒体の第1パラメータと前記第2ゲーム媒体の第2パラメータとのいずれかが所定値未満である場合に、プレイヤから第2指示を受け付け可能とし、
プロセッサが、プレイヤから受け付けた前記第1指示に基づいて、
前記第1ゲーム媒体及び前記第2ゲーム媒体をプレイヤが所有するゲーム媒体として関連付けたまま前記第1ゲーム媒体の第1パラメータと前記第2ゲーム媒体の第2パラメータとを減少させ、プレイヤに関連付けて生成され
所定のパラメータ範囲の中からランダムに選択されるパラメータを有する第3ゲーム媒体の情報をプレイヤに提示し、
プロセッサが、前記第3ゲーム媒体の情報をプレイヤに提示した後に、
所定のゲーム媒体を消費すること、あるいは、前記第2指示の回数が所定の上限回数以内であること、を条件に、プレイヤから受け付けた前記第2指示に基づいて、
前記第1ゲーム媒体及び前記第2ゲーム媒体をプレイヤが所有するゲーム媒体として関連付けたまま前記第1ゲーム媒体の第1パラメータと前記第2ゲーム媒体の第2パラメータの少なくとも一方を減少前の状態にし、前記第3ゲーム媒体とプレイヤとが関連付けられていない状態とする、
情報処理方法。
【請求項3】
プロセッサに、
プレイヤが所有するゲーム媒体としてプレイヤと関連付けられた第1ゲーム媒体の第1パラメータと
、プレイヤが所有するゲーム媒体としてプレイヤと関連付けられた第2ゲーム媒体の第2パラメータと、のそれぞれが所定値以上である場合に、プレイヤから第1指示を受け付け可能とさせ、前記第1ゲーム媒体の第1パラメータと前記第2ゲーム媒体の第2パラメータとのいずれかが所定値未満である場合に、プレイヤから第2指示を受け付け可能とさせ、
プレイヤから受け付けた前記第1指示に基づいて、
前記第1ゲーム媒体及び前記第2ゲーム媒体をプレイヤが所有するゲーム媒体として関連付けたまま前記第1ゲーム媒体の第1パラメータと前記第2ゲーム媒体の第2パラメータとを減少させ、プレイヤに関連付けて生成され
所定のパラメータ範囲の中からランダムに選択されるパラメータを有する第3ゲーム媒体の情報をプレイヤに提示させ、
前記第3ゲーム媒体の情報をプレイヤに提示した後に、
所定のゲーム媒体を消費すること、あるいは、前記第2指示の回数が所定の上限回数以内であること、を条件に、プレイヤから受け付けた前記第2指示に基づいて、
前記第1ゲーム媒体及び前記第2ゲーム媒体をプレイヤが所有するゲーム媒体として関連付けたまま前記第1ゲーム媒体の第1パラメータと前記第2ゲーム媒体の第2パラメータの少なくとも一方を減少前の状態にさせ、前記第3ゲーム媒体とプレイヤとが関連付けられていない状態とさせる、
処理を実行させるプログラム。
【請求項4】
サーバ装置とクライアント装置とを備え、
前記サーバ装置は、
プレイヤが所有するゲーム媒体としてプレイヤと関連付けられた第1ゲーム媒体の第1パラメータと
、プレイヤが所有するゲーム媒体としてプレイヤと関連付けられた第2ゲーム媒体の第2パラメータと、のそれぞれが所定値以上である場合に、前記クライアント装置においてプレイヤから第1指示を受け付け可能とし、前記第1ゲーム媒体の第1パラメータと前記第2ゲーム媒体の第2パラメータとのいずれかが所定値未満である場合に、前記クライアント装置においてプレイヤから第2指示を受け付け可能とし、
前記クライアント装置においてプレイヤから受け付けた前記第1指示に基づいて、
前記第1ゲーム媒体及び前記第2ゲーム媒体をプレイヤが所有するゲーム媒体として関連付けたまま前記第1ゲーム媒体の第1パラメータと前記第2ゲーム媒体の第2パラメータとを減少させ、プレイヤに関連付けて生成され
所定のパラメータ範囲の中からランダムに選択されるパラメータを有する第3ゲーム媒体の情報を前記クライアント装置においてプレイヤに提示し、
前記第3ゲーム媒体の情報を前記クライアント装置においてプレイヤに提示した後に、
所定のゲーム媒体を消費すること、あるいは、前記第2指示の回数が所定の上限回数以内であること、を条件に、前記クライアント装置においてプレイヤから受け付けた前記第2指示に基づいて、
前記第1ゲーム媒体及び前記第2ゲーム媒体をプレイヤが所有するゲーム媒体として関連付けたまま前記第1ゲーム媒体の第1パラメータと前記第2ゲーム媒体の第2パラメータの少なくとも一方を減少前の状態にし、前記第3ゲーム媒体とプレイヤとが関連付けられていない状態とする、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャラクタ等のゲーム媒体を成長させてゲーム内イベントに出場させるゲームが知られている。例えば、特許文献1には、プレイヤが、種牡馬と繁殖牝馬とを配合して新規のゲーム媒体である競走馬(新生馬)を生成(生産)し、その生産した競走馬を育成(調教)してレースに出場させて順位を競うゲーム(競馬ゲーム)、が開示されている。
【0003】
特許文献1のように競走馬を生産して育成する競馬ゲームにおいては、競走馬の血統が能力に反映され、レース結果に大きく影響する。そのため、プレイヤは複数世代にわたり良い血統の馬を配合し、所望の競走馬を生産することを行う。例えば、プレイヤ自ら生産した能力の高い競走馬については、引退後に自家製繁殖馬(自家製種牡馬又は自家製繁殖牝馬)として、次世代の競走馬を生産するために使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような従来の一般的な競馬ゲームにおいては、競走馬を生産するために使用した種牡馬及び繁殖牝馬(特に自家製繁殖馬の場合)は、ゲーム性を維持するため、一度使用すると次回以降は使用不可能となる場合が多い。また、同じ種牡馬と繁殖牝馬とを配合したとしても、生産された競走馬の性別及び能力等のパラメータは、常に一定ではない。
そのため、競走馬の生産を行ったものの所望のパラメータが得られなかった場合(例えば、期待度が大きい種牡馬と繁殖牝馬を配合したのに能力が低い競走馬が誕生した場合、又は、その競走馬を引退させた後に配合させる予定の繁殖牝馬が既に存在していて、将来種牡馬と成り得る牡の競走馬を所望していたのに牝の競走馬が誕生した場合等)、プレイヤに不満が生じる虞がある。特に、複数世代を代重ねした自家製繁殖馬の場合は、改めて競走馬を生産するための繁殖馬作りからやり直す必要がある等の手間が掛かるため、さらにプレイヤに不満が生じ、競走馬を生産する意欲が損なわれる虞がある。そして、上記のようなプレイヤの不満が蓄積すると、ゲームのプレイ頻度が減少する虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、ゲーム性を損なうことなく、新規のゲーム媒体を生成する際のリスクを低減し、プレイヤに対して、新規のゲーム媒体の生成意欲を向上させ、ゲームのプレイ頻度を高める情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、プレイヤからの指示を受け付ける受付部と、プレイヤから受け付けた第1指示に基づいて、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とを消費して第3ゲーム媒体を生成する生成部と、第3ゲーム媒体を生成した後に、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体に基づく新たなゲーム媒体の生成ができない状態にある場合に、プレイヤから受け付けた第2指示に基づいて、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体の少なくとも一方を第3ゲーム媒体の生成前の状態に戻すとともに、第3ゲーム媒体の生成を取り消す取消部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ゲーム性を損なうことなく、新規のゲーム媒体を生成する際のリスクを低減し、プレイヤに対して、新規のゲーム媒体の生成意欲を向上させ、ゲームのプレイ頻度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る情報処理装置を含むシステムの概略構成図である。
【
図2】ゲーム中に表示される競走馬情報画面の一例を示す図である。
【
図3】ゲーム中に表示される生産指示画面の一例を示す図である。
【
図4】ゲーム中に表示される能力演出画面の一例を示す図である。
【
図5】ゲーム中に表示される馬名入力画面の一例を示す図である。
【
図6】ゲーム中に表示される取消指示画面の一例を示す図である。
【
図7】本発明に係る情報処理装置の機能を示すブロック図である。
【
図8】記憶部に記憶されるプレイヤ情報の一例を示す図である。
【
図9】記憶部に記憶される競走馬情報の一例を示す図である。
【
図10】記憶部に記憶される競走馬情報の一例を示す図である。
【
図11】本発明に係る情報処理フローを示す図である。
【
図12】本発明に係る情報処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて、添付の図面に示す好適な実施形態を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
【0011】
また、本明細書及び図面にて説明される画面の例も一例に過ぎず、画面構成及びデザイン、表示情報の内容、並びにGUI(Graphical User Interface)等は、システム設計の仕様及びプレイヤの好み等に応じて自由に設計することができ、また、適宜変更され得る。
【0012】
[本発明の適用ゲームについて]
本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて説明するにあたり、本発明が適用されるゲーム(以下、本件ゲームという。)ついて説明する。本件ゲームは、
図1に示される端末(以下、ユーザ端末12)をプレイヤが操作することでプレイ可能な電子ゲームであり、「ゲーム媒体」を用いてゲーム中の各種「イベント」をプレイすることによって進行する形式のゲームである。
【0013】
本件ゲームのプレイ方法について具体的に説明すると、プレイヤがユーザ端末12にてゲームプレイ用の操作を行うと、ユーザ端末12が、ゲーム提供会社のサーバコンピュータ(以下、サーバ10)から配信されるゲーム用のデータを受信する。ユーザ端末12では、受信したデータに応じた映像及び音声が出力され、プレイヤは、出力される映像及び音声を確認しながら、ゲーム媒体を利用することでゲームを進行させる。ユーザ端末12は、プレイヤの操作内容を示すデータをサーバ10に向けて送信し、サーバ10は、プレイヤの操作内容に応じたゲーム進行用のデータを送信する。このようなサーバ10とユーザ端末12との間のデータ送受信は、プレイヤが本件ゲームのプレイを終えるまで、繰り返し実施される。
【0014】
「ゲーム媒体」とは、本件ゲームのプレイヤがゲーム中の「イベント」をプレイするために用いるゲーム内資源である。具体的には、例えば、ゲーム内空間(仮想空間)においてプレイヤの操作に応じて動いたり能力を発揮したりするキャラクタ及びアバタ、並びに、ゲームの進行を有利に進めるためにプレイヤの操作に応じて消費されるアイテム等がゲーム媒体に該当する。また、ゲーム媒体には、キャラクタカード及びアイテムカードのようなカード形式の媒体であって、例えばゲーム内でデッキに組み入れられて使用され、あるいは複数収集してイベントのプレイ時に当該イベントの内容に応じて消費されるものも含まれる。なお、本件ゲームでは、プレイヤが使用するこのゲーム媒体に応じて、難易度(進め易さ)、進め方、又は、プレイできるイベントの種類数等が変化する。
【0015】
なお、本実施形態では、後述するように、ゲーム媒体の一例として、競走馬を挙げて説明することとするが、本発明は、競走馬以外のゲーム媒体を用いるゲームにも適用可能である。例えば、ゲーム媒体としては、人、動物及び植物等の生物、乗物及びロボット等の機械、機械以外の物、モンスター等の架空のキャラクタ、又はこれらに類するその他のキャラクタ又はアイテム等が挙げられる。
【0016】
「イベント」とは、例えば、ゲームの進行中に起きるアクシデント等の出来事、ゲーム媒体の生成(生産)又は育成、クリア目的でプレイされるクエスト、ステージ及びミッション等、並びにオブジェクトが出場するゲーム内競技が挙げられる。ゲーム内競技としては、着順を競うレース、及び、勝敗を競う試合や対戦等が挙げられる。
【0017】
本実施形態では、競馬を題材としたシミュレーションゲームであって、優秀な競走馬を所有して大レース又は数多くのレースに優勝することを目標とするゲームを、本件ゲームの一例として挙げて説明する。具体的には、プレイヤは、ゲーム媒体の一代表例である「競走馬」を「生産」又は「抽選」若しくは購買等により取得し、その競走馬を「育成」して各種「レース」に出場させて順位を競う。また、プレイヤは、競走馬を同時に複数所有してその複数の競走馬を並行して育成していくこともできる。さらに、レースへの出場から引退させた競走馬(育成を終了した競走馬)は、自家製の種牡馬又は繁殖牝馬として、次世代の競走馬の生産に使用することができる。
【0018】
「競走馬」とは、本件ゲームのプレイヤがゲーム中のイベントをプレイするために用いるゲーム媒体である。競走馬には、育成対象であってレースに出場させることができる現役の競走馬(以下、単に競走馬という。)と、競走馬の生産に使用することができる繁殖馬(親馬)としての生産用の競走馬(以下、種牡馬又は繁殖牝馬という。)の二種類が存在する。なお、以下、「競走馬等」と表現した場合には、競走馬、種牡馬又は繁殖牝馬を全て含むこととする。
さらに、種牡馬又は繁殖牝馬は、プレイヤが育成した競走馬を現役引退させた後に生産用として転用する自家製の種牡馬又は繁殖牝馬(以下、自家製馬という。)と、抽選等によりプレイヤが取得することができるカード形式の媒体としての種牡馬又は繁殖牝馬(以下、株券という。)とに分類される。株券は、それ自体を競走馬として育成又はレース等のイベントに使用することはできないが、後述する生産に用いることができ、他の株券又は自家製馬と配合することによって新たな競走馬(新生馬)を生産することができる。また、株券を素材として株券同士を合成することにより、株券をレベルアップして能力の高い競走馬を生産できる確率を向上させたり、後述する生産可能回数を回復させたりすることもできる。
【0019】
図2に示されるように、競走馬等には、本件ゲームの進行に関係する各種の情報、例えば、状態、性質、能力、属性、特徴及びパラメータ等のような、その競走馬等に固有の情報(以下、「競走馬情報」)を有している。プレイヤは、競走馬情報画面G1上でその競走馬情報を参照した上で、競走馬等をゲーム内で使用、例えば、競走馬情報を参照して利用対象の競走馬等を選択してゲーム内の各種イベントに用いる。
【0020】
「競走馬情報」とは、ゲーム媒体、すなわち、競走馬等に関連付けて設定されている競走馬等に関する複数種類の情報(ゲーム媒体情報)である。競走馬情報は、文字によって表されるもの、数値で表されるもの、ランク又は分類によって表されるもの、「〇」「×」等の記号によって表されるもの、グラフ又は目盛付きインジケータ等によって表されるもの、色等によってあらわされるもの、競走馬等の表情等によって表されるもの、及び、その他の表示形態(例えば、音声等)によって表されるものを含む。また、競走馬情報には、予め決められていてゲーム中は変動しない「不変パラメータ」と、ゲームの進行に応じて適宜変動する「可変パラメータ」とが含まれる。
【0021】
「不変パラメータ」は、主に、競走馬等の属性を示す情報等、その競走馬等に関連付けて設定されている固有の固定情報であって、競走馬の生産時に決定した後は変動しないパラメータ、すなわち、後述する育成結果、レース結果及びアイテムの使用等によっても変動しないパラメータである。不変パラメータの具体例としては、例えば、性別(牝牡)、毛色、模様(顔又は肢部のマーキング等)、血筋若しくは血縁関係等の続柄(血統)、及び、他の種牡馬若しくは繁殖牝馬との相性(配合時の相性)等が挙げられる。また、この不変パラメータには、性別のように、その組み合わせによって、後述する生産の可否に影響する重要な要素となるパラメータも含まれる。例えば、本実施形態においては、同性同士では配合することができず、牡と牝という性別が異なるパラメータの競走馬等を繁殖馬として組合わせなければ、新たな競走馬(新生馬)を生産することができない。
【0022】
「可変パラメータ」は、ゲームの進行に関係する競走馬等の能力等を数値又は記号等によって評価したものであって、後述する育成結果、レース結果及びアイテムの使用等を反映して変動する。可変パラメータの種類数は、特に限定されないが、本実施形態では、一頭の競走馬等に対して複数の可変パラメータが関連付けられている。可変パラメータの具体例としては、その競走馬等の能力又は状態等に関するものであって、レースでの勝敗結果に影響を及ぼすもの、例えば、スピード、スタミナ、パワー、気性、距離適性、馬場適性、競技場適正、馬体重、及び、疲労度等が含まれる。また、可変パラメータには、過去のレース出場数、レースでの勝利数及び勝率等のような過去のレースに関する実績(戦歴)等も含まれる。なお、可変パラメータには、競走馬等ごとに限界値(上限値)が設定されているものもあり、限界値が設定されている場合は、その限界値までの範囲内において、可変パラメータの値が変動する。
【0023】
競走馬情報(特に、可変パラメータ)には、ゲーム性を高める等の目的から、プレイヤが確認できる項目と、プレイヤが確認できない非表示の項目とがあってもよい。非表示とは、既に設定された情報の内容をプレイヤに見えないようにすることであり、具体的には、非表示にする情報を競走馬情報画面G1中から欠落させたり、競走馬情報画面G1中、非表示にする情報と対応する欄に「?」等の非表示用のマークを表示させたりすることが該当する。
【0024】
なお、本実施形態においては、ゲーム媒体の一例として、競走馬を挙げて説明しているが、競走馬以外のゲーム媒体であれば、上記以外の情報が、不変パラメータ又は可変パラメータに該当する場合がある。例えば、不変パラメータとしては、種族、出身地(出生地)、他のキャラクタ又は敵キャラクタとの相性等の情報も挙げられ、種族又は出身地等が所定の条件を満たす場合(例えば、同一の場合、異なる場合、又は所定の関係性にある場合等)でなければ、それらのゲーム媒体を組合わせて新たなゲーム媒体(第3ゲーム媒体)を生成できないこととしてもよい。また、可変パラメータとしては、レベル、ステータス、敵キャラクタからの攻撃に対する耐性、イベントの環境への適合性、好感度若しくは人気(評判)、得意若しくは不得意とする分野若しくはステージ、又は、ゲーム進行(特にイベントのプレイ結果)に影響を及ぼすその他の情報等も挙げられる。
【0025】
「生産」とは、競走馬(新生馬)を生成するイベントの一種であり、具体的には、ゲーム内で所持する所定の「価値」を消費することにより、プレイヤが選択した性別が異なる繁殖馬同士、すなわち、本発明の「第1ゲーム媒体」に相当する種牡馬(牡)と、本発明の「第2ゲーム媒体」に相当する繁殖牝馬(牝)とを配合し、育成対象となる本発明の「第3ゲーム媒体」に相当する競走馬(新生馬)を生成するイベントである。上記のとおり、種牡馬及び繁殖牝馬としては、抽選等により取得した株券を使用することができる他、プレイヤ自身が育成した競走馬を現役引退させた後に自家製の種牡馬又は繁殖牝馬として使用することにより、代重ねをすることもできる。なお、後述するように、本件ゲームは、通信プレイ対応型のゲームであるので、他のプレイヤが所有する種牡馬又は繁殖牝馬を借りて、自身の競走馬の生産のために使用することもできる。
【0026】
本実施形態では、生産に使用した種牡馬及び繁殖牝馬の能力等は、生産した競走馬(新生馬)に引き継がれる傾向がある。そのため、能力の高い種牡馬又は繁殖牝馬を使用して競走馬を生産すれば、能力の高い競走馬、すなわち、優秀な産駒が誕生する可能性が高くなる。ただし、同一の種牡馬と繁殖牝馬を使用して生産したとしても、生産に使用した種牡馬及び繁殖牝馬に関連付けられたそれぞれの競走馬情報が反映されるものの、常に同一の能力等を備えた競走馬が規則的又は画一的に誕生するわけではなく、その能力にはバラつきが生じる。すなわち、同じ条件で配合して生産したとしても、その都度、生産された競走馬の不変パラメータ及び可変パラメータは異なる値となり、実際に生産してみないと、どのような性別及び能力等の競走馬が誕生するかはプレイヤにはわからない。
【0027】
「価値」とは、ゲーム内において所持数が増減する価値であり、具体的にはゲーム内で使用可能な通貨である「ゲーム内通貨」、又は、多く所持しているほどゲーム上有利になる「アイテム」等が該当する。
【0028】
「ゲーム内通貨」とは、メダル又はコイン等のようにゲーム内で金銭的側面を有するものであり、広義のアイテムに含まれる。ゲーム内通貨は、例えば、競走馬等又は他のアイテムと交換したり、ゲーム内の所定のイベント(生産、抽選、育成又はレース等)をプレイしたりする場合に費やされる。プレイヤが所持するゲーム内通貨の所持数は、例えば、プレイヤが本件ゲームにログインしてゲームを開始する場合又はレースに優勝した場合等に増やすことができる一方で、生産を行った場合、抽選を実施した場合、育成(調教)を行った場合、又は、レースに出場登録した場合等に減少する。また、プレイヤは、ゲーム内で課金することによりゲーム内通貨の所持数を増やすことができる。なお、ゲーム内での課金処理については、公知技術を利用することができるため、説明を省略することとする。
【0029】
「アイテム」とは、ゲームを有利に進めるために使用されるものであり、プレイヤは、生産、抽選、育成、レース等の場面において、使用することができる。アイテムには、競走馬の疲労若しくは馬体重を回復する飼葉、競走馬の外観若しくは能力を変化させる馬具、レースで能力の高い騎手に騎乗してもらう騎乗依頼券、特別な抽選を実行する抽選券、又は、所望する性別の競走馬若しくは特定の能力等が優れた競走馬を生産できる確率が向上する御札、等が含まれる。例えば、生産時に御札等の所定のアイテムを使用すれば、そのアイテムの種類により、プレイヤが所望する性別の競走馬が誕生したり、特定の能力等が優れた競走馬が誕生したりする確率が向上する。
【0030】
ここで、生産についてさらに具体的に説明する。
図3に示されるように、生産指示画面G2の種牡馬一覧領域71には、プレイヤが所有している種牡馬の一覧が表示される。また、生産指示画面G2の繁殖牝馬一覧領域72には、プレイヤが所有している繁殖牝馬の一覧が表示される。なお、ここで表示される種牡馬及び繁殖牝馬は、自家製馬と株券の双方を含む。また、種牡馬一覧領域71及び繁殖牝馬一覧領域72では、自家製馬又は株券のみを表示させることもできるし、能力又は血統等の一定の条件を設定して選別(フィルタ)又は並べ替え(ソート)することもできる。
【0031】
プレイヤは、種牡馬一覧領域71及び繁殖牝馬一覧領域72に表示されている種牡馬及び繁殖牝馬の中から、生産に使用する所望の種牡馬及び繁殖牝馬を選択する。選択された種牡馬及び繁殖牝馬は、それぞれ配合領域73に抽出されて表示される。配合領域73に表示された種牡馬及び繁殖牝馬については、外観、血統、各種パラメータ及び生産コスト(必要となるゲーム内通貨の量)等の競走馬情報が併せて表示される。なお、本実施形態では、上記の各種情報は、タブ74を指定することによって表示させる情報を切り替えることができる。また、種牡馬と繁殖牝馬とをそれぞれ選択すると、血統等に基づき設定された相性アイコン75が表示される。この相性のパターンによっては、両親の能力を参照しつつも、種々のタイプの競走馬が誕生することになる。
【0032】
プレイヤは、生産に使用する種牡馬及び繁殖牝馬を確定した後、生産ボタン76をタップ等して生産指示(本発明の「第1指示」に相当)を行うことにより、選択された種牡馬及び繁殖牝馬の生産可能回数がそれぞれ消費され、且つ、生産コストに応じたゲーム内通貨が消費され、競走馬(新生馬)が生産される。
【0033】
生産された競走馬については、先ず、
図4に示されるような能力演出画面G3にてその競走馬の能力値等に基づいてそれぞれ異なるパターンによる演出(例えば、ある能力が高い競走馬であれば太陽を浴びて競走馬が元気に跳びはねるような演出等)、すなわち、その能力値等を示唆する示唆演出77(画像、映像又は音声等)が行われる。そして、
図5に示されるような馬名入力画面G4に遷移し、性別に関する性別情報78を含む不変パラメータの少なくとも一部をプレイヤに開示し、プレイヤから馬名の入力を受け付ける。プレイヤは、馬名入力欄79に所望の馬名を入力し、決定ボタン80をタップ等することにより、その競走馬の馬名を決定する。なお、プレイヤは、自動命名ボタン81をタップ等すれば、コンピュータにより自動的に馬名の候補が選出されるので、馬名を考える手間を省略することもできる。なお、本実施形態では、能力演出画面G3を馬名入力画面G4よりも先に表示させることとしたが、能力演出画面G3と馬名入力画面G4は、どちらを先に表示してもよい。
【0034】
競走馬の馬名決定後、
図2に示されるような競走馬情報画面G1に遷移し、競走馬情報の全部又は一部が表示され、競走馬として登録される(生産完了)。競走馬情報画面G1は、馬名入力画面G4に連続して、又は、生産完了後にプレイヤが所定の操作を行うことによって、プレイヤのユーザ端末12のディスプレイに描画される。このとき、競走馬情報画面G1には、競走馬情報が全て表示されるわけではなく、少なくとも一部の可変パラメータは非表示となっているとよい。なお、プレイヤは、血統表示ボタン82をタップ等すれば、その競走馬の詳細な血統(例えば、5代前までの血統表)を確認することができる。また、プレイヤは、戦績表示ボタン83をタップ等すれば、今後その競走馬を育成してレースに出場させた場合等に蓄積される育成履歴及びレース成績の詳細等(生産完了時点では空白)を確認することができる。
【0035】
なお、上記のとおり、種牡馬及び繁殖牝馬には、生産可能回数がそれぞれ設定されており、生産時(厳密には、生産ボタン76のタップ時、すなわち、生産指示受付時)にその生産可能回数が消費される。つまり、生産には、生産可能回数が1以上の種牡馬及び繁殖牝馬を選択することができ、生産可能回数が0の場合は、生産に使用するために選択することができない。この生産可能回数は、株券の場合は、他の株券を素材として合成することにより、回復又は蓄積することができる。そのため、株券の場合は、同じ種牡馬及び繁殖牝馬を複数回使用できる場合がある。すなわち、株券の場合は、生産可能回数が2以上になる場合もあるし、一旦0になった後再び1になる場合もある。一方、自家製馬の場合は、生産可能回数を1とし、株券のように生産可能回数を回復又は蓄積することができない。つまり、自家製馬を生産に使用できる回数は一回限りとし、一度生産に使用すると、その自家製馬は消費されたこととなり、種牡馬一覧領域71及び繁殖牝馬一覧領域72の中から削除される。
【0036】
本実施形態では、プレイヤは、所定の条件のもと、競走馬の生産途中(生産指示を受け付けてから競走馬として登録されるまでの期間)又は生産後(競走馬登録後から育成開始又はレース初出走前までの期間)にその生産を取り消すこともできる。具体的には、生産指示画面G2から生産指示を行った後、その生産に使用した種牡馬と繁殖牝馬に基づいて、再度、競走馬の生産ができない状態にある場合、すなわち、種牡馬及び繁殖牝馬の両方又はいずれか一方の生産可能回数が0になった場合、一旦生産した競走馬(生産途中の競走馬を含む。)の生産を取り消すことができる。生産の取消は、
図6に示されるような生産取消指示画面G5において、行うことができる。生産取消指示画面G5は、能力演出画面G3(
図4)、馬名入力画面G4(
図5)又は競走馬情報画面G1(
図2)上の一部の領域(例えば、画面右端等)に表示されるダイアログボックスであって、プレイヤは、その生産取消指示画面G5において、取消ボタン84をタップ等することにより、生産取消指示(本発明の「第2指示」に相当)を行い、競走馬の生産を取り消すことができる。生産取消時(厳密には、取消ボタン84のタップ時、すなわち、生産取消指示受付時)に、競走馬の生産が取り消され、生産された競走馬に関する情報が削除されるとともに、種牡馬及び繁殖牝馬の両方又はいずれか一方の生産可能回数が、生産前の状態に戻される。すなわち、種牡馬及び繁殖牝馬の両方又はいずれか一方の生産可能回数が回復する。
【0037】
また、プレイヤは、生産を取り消す際には、取り消された生産と同じ内容(同じ配合)を一度に指示することもできる。この場合、プレイヤは、
図6に示されるような生産取消指示画面G5において、生産のやり直しを意味する再生産ボタン85をタップ等することにより、再生産指示(本発明の「第3指示」に相当)を行うことによって、生産の取消と取り消された生産と同条件の再生産が行うことができる。このように、再生産指示は、生産取消指示と生産指示の両方の機能を実質的に含むことになる。
【0038】
なお、生産を取り消すことができるのは、種牡馬又は繁殖牝馬が自家製馬の場合に限定し、種牡馬又は繁殖牝馬が株券の場合は、生産を取り消すことができないこととしてもよい。すなわち、自家製馬の場合は、生産に使用できるのは一度きりなので、生産取消を可能とする。一方、株券の場合は、他の株券と合成することにより生産可能回数を回復することができるので、生産取消は不可とする。
【0039】
また、生産取消ができるタイミングは、競走馬の生産途中又は生産後のいずれのタイミングであってもよいが、上記の競走馬情報の少なくとも一部をプレイヤに提示した後とするとよい。例えば、各競走馬情報がそれぞれ判明したタイミングで生産取消が可能であり、具体的には、以下に例示するような各タイミングで生産取消指示を受け付けることとする。
(a)能力演出画面G3(
図4)によって、競走馬の能力値を間接的に開示する示唆演出77を行っている途中又は行った後。
(b)馬名入力画面G4(
図5)によって、競走馬情報の中でも性別情報78等の不変パラメータを開示した後。
(c)競走馬情報画面G1(
図2)によって、可変パラメータを含むさらに多くの競走馬情報を開示した後。
【0040】
また、生産を取り消す際には、所定量のゲーム内通貨又は所定のアイテムを消費することを条件としてもよい。この場合、種牡馬及び繁殖牝馬のうちいずれか一方に基づく新たな競走馬の生産ができる状態にある場合よりも、種牡馬と繁殖牝馬のそれぞれに基づく新たな競走馬の生産ができない状態にある場合に、ゲーム内通貨又はアイテムの消費量を多くしてもよい。例えば、種牡馬と繁殖牝馬の両方とも自家製馬の場合は、種牡馬と繁殖牝馬の両方又は片方が株券の場合よりも、ゲーム内通貨又はアイテムの消費量を多くしてもよい。また、生産した競走馬について判明した情報量に応じて、ゲーム内通貨又はアイテムの消費量を変更してもよい。例えば、表示された競走馬情報(特に、可変パラメータの数)が多い場合には、ゲーム内通貨又はアイテムの消費量を多くしてもよい。具体的には、競走馬の能力値を間接的に開示する示唆演出77を行う能力演出画面G3(
図4)の時点で生産を取り消す場合よりも、その後に遷移した競走馬の性別(不変パラメータ)まで開示した馬名入力画面G4(
図5)の時点で生産を取り消す場合の方が、ゲーム内通貨又はアイテムの消費量が多くなる。また、馬名入力画面G4(
図5)の時点よりも、さらに多くの競走馬情報が開示される競走馬情報画面G1(
図2)の時点で生産を取り消す場合の方が、ゲーム内通貨又はアイテムの消費量がさらに多くなる。すなわち、生産時の画面遷移が進行する程、判明するパラメータの数(情報量)が増加するので、その判明したパラメータの数に応じてゲーム内通貨又はアイテムの消費量も多くなる。
【0041】
また、生産取消ができる回数に制限を設けてもよい。この回数の制限は、プレイヤごとに、所定期間内に所定回数しか生産取消できないこととしてもよいし(例えば1日3回まで)、種牡馬又は繁殖牝馬ごとに上限となる所定回数を設定してもよい(例えば、1頭につき3回まで)。また、生産取消の回数に応じて、ゲーム内通貨又はアイテムの消費量を変更し、例えば、取消回数が増えると、ゲーム内通貨又はアイテムの消費量も増えることとしてもよい。
【0042】
なお、生産取消にあたっては、生産が取り消されるだけであって、生産に関すること以外、すなわち、他の競走馬の育成状況及びレース結果等については、何ら影響を受けることがない。その点において、従来から既知のセーブポイントに戻すこと、すなわち、セーブした後、一旦リセットして再びロードするというプレイ方式とは異なる。
【0043】
「抽選」とは、所謂ガチャと呼ばれるイベントの一種であり、ゲーム内で所持する所定の価値を消費することにより、競走馬、種牡馬若しくは繁殖牝馬等のゲーム媒体又はアイテム等をプレイヤが取得することができるイベントである。抽選は、ゲームのプレイ中、プレイヤからの抽選申込に応じて実施される。抽選では、当選確率の異なる複数のゲーム媒体等が候補として用意されており、その候補となる複数のゲーム媒体等の中から一又は所定数のゲーム媒体等が選択され、プレイヤは、その選択されたゲーム媒体等を抽選結果として取得することができる。
【0044】
「育成」とは、ゲーム内で所持する価値を消費する操作等により、可変パラメータである競走馬パラメータを変化させることであり、本件ゲームでは、育成の形態として調教が用意されている。本実施形態では、競走馬ごとに育成可能期間が設定されており、プレイヤは、育成可能期間が残存している競走馬を育成することができる。育成可能期間は、ゲーム内時間として設定された日数等であり、例えばゲーム内でのN週間(Nは、任意の自然数)である。ここで、ゲーム内時間とは、本件ゲーム内で経過する時間であり、現実の時間よりも早い速度で経過し、例えば、プレイヤが所定の操作(以下、週課操作という。)を一回行うことにより、現実の時間では数分程度であるが、ゲーム内では1週間が経過する。なお、育成可能期間が経過した競走馬は、引退することとなるが、上記のとおり、自家製の種牡馬又は繁殖牝馬として生産に使用することができる。
【0045】
本件ゲームでは、一回の週課操作、つまり、ゲーム内時間での1週間あたりに育成の回数を一回行うことができる。そして、通常、育成が行われた週数(以下、育成週数ともいう。)の増加に伴って、競走馬のパラメータが次第に上昇する。一方で、例えば、育成中の競走馬に対して怪我等のアクシデントがゲーム内で発生する場合があり、その場合には、当該競走馬のパラメータが下がったり育成前の状態に戻ったりすることがある。なお、一回の週課操作において行うことができる育成の回数は、特に限定されるものではなく、二回以上の育成が行えるようにしてもよい。
【0046】
調教を行う場合には、プレイヤは、育成対象の競走馬を指定し、育成コースと育成の強度等の育成条件を選択する。育成コースとは、育成の種類を表しており、育成に応じて変化する項目(具体的には競走馬パラメータ)がコースに応じて異なる。育成の強度は、例えば「強」、「中」及び「弱」等のように複数の段階に設定されており、プレイヤが指定した強度にて育成が行われる。一回の育成における競走馬パラメータの各々の変更量又は変更度合いは、プレイヤが育成指示を行う際に指定した育成条件及びゲーム内通貨の消費量等に応じて決まるが、同じ育成条件及び同じゲーム内通貨の消費量であっても、競走馬の血統等の固有情報、各パラメータの初期値若しくは現在地、並びに、パラメータ間のバランス等に応じて変わり得る。
【0047】
「レース」とは、本件ゲームの主幹イベントであり、原則として、レースカレンダーに基づいてゲーム内時間で毎週開催される。プレイヤは、調教により育成した競走馬(育成途中の競走馬も含む。)をそれらのレースに出場させる場合、所有する競走馬の中からレースに出場させる競走馬を指定し(複数所有している場合)、出場を希望するレースへの出走登録を行い、ゲーム内時間でのレース開催日に登録された競走馬を当該レースに出場させる。レースにおける競走馬の勝敗結果(着順)は、当該競走馬を含むレース出走馬の各々のレース時点での競走馬パラメータ、レース開催日の天候、コースの種類(芝又はダート等)、及び、馬場状況等の環境条件に基づいて決定される。
【0048】
プレイヤが所有する競走馬がレースで優勝(1着)したり所定の順位以内に入賞したりすると、その競走馬を育成するプレイヤに対して、所定数のゲーム内通貨又はアイテム等の価値が賞金又は副賞として付与される。なお、付与されるゲーム内通貨の量又はアイテムの種類等は、例えば、出場したレースの種類及び着順(成績)等に応じて決められる。また、上記の価値の他、通常では出場することができない特別なレース(限定レース)に出場するための権利が付与されることとしてもよい。なお、本実施形態では、レースに出場しても競走馬を育成したことにはならない(疲労度等のパラメータは変化するが、スタミナ、スピード及びパワー等のパラメータは少なくとも向上はしない)こととするが、レース出場も育成の一形態として含めても構わない。
【0049】
なお、本件ゲームでは、プレイヤのグレード(プレイヤランク)が設定されており、プレイヤランクが高くなるほど、所有できる競走馬等の数が増加する。例えば、所有できる種牡馬及び繁殖牝馬の数が増えれば、その分、生産時の選択肢が増えることになる。また、プレイヤランクが高くなる程、生産を取り消すことができる回数が増加する。さらに、プレイヤランクが高くなる程、育成設備が増加する等し、調教によるパラメータ上昇量が増加する。さらに、プレイヤランクが高くなる程、出場可能なレースが増える。このプレイヤランクは、変更可能であり、例えば、プレイヤが本件ゲームに課金したり、プレイヤが所定の操作(例えば、ゲーム内でゲーム内通貨を消費する操作)を行ったりすることによりプレイヤランクをグレードアップさせることができる。
【0050】
また、本件ゲームは、通信プレイ対応型のゲームであり、複数のプレイヤが、インターネット及びモバイル通信回線等の通信ネットワークを通じて本件ゲームを一緒にプレイすることができる。例えば、本件ゲームにおいて、複数のプレイヤは、ゲーム内時間で毎週開催されているレースの他、プレイヤが育てた馬同士を対戦させることができるレース(オンライン型対戦レース)において、各自の競走馬を同一のレースに出場させて競い合うことができる。ただし、通信プレイ対応型のゲームに限らず、一人のプレイヤが個々にプレイする単独プレイ型のゲームであっても構わない。
【0051】
[本発明の一実施形態に係る情報処理装置及びユーザ端末の構成]
次に、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置及びユーザ端末12の構成について説明する。第1実施形態に係る情報処理装置は、ゲームデータ配信用のコンピュータ、厳密にはサーバコンピュータ(以下、サーバ10という。)によって構成されている。サーバ10は、コンピュータの一例であり、
図1に示すように、ユーザ端末12とネットワーク14を介して通信可能に接続されており、ユーザ端末12とともにゲーム用の情報処理システムSを構築している。
【0052】
なお、サーバ10は、1台のコンピュータで構成されてもよく、並列分散された複数台のコンピュータによって構成されてもよい。また、サーバ10は、ASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)又はIaaS(Infrastructure as a Service)用のサーバコンピュータであってもよい。この場合、後述する情報処理フロー中の一連の工程(ただし、情報の入力及び表示を除く)が上記のサーバコンピュータによって実行されるので、ユーザ端末12側では、サーバコンピュータに引き渡す情報の入力、及びサーバコンピュータから配信される情報の表示等を行えばよい。
【0053】
サーバ10は、
図1に示すように、プロセッサ21、メモリ22、通信用インタフェース23、及びストレージ24を有し、これらの機器がバス25を介して電気的に接続されている。また、サーバ10には、ソフトウェアとして、オペレーティングシステム(OS)と、本件ゲームに関する情報処理用の専用プログラムとがインストールされている。これらのプログラムは、本発明の「プログラム」に相当する。プロセッサ21が上記のプログラムにしたがって動作することで、サーバ10は、本発明の情報処理装置として機能し、本件ゲームの進行に関する一連の処理を実行する。
なお、本発明のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(メディア)から読み込むことで取得してもよく、あるいは、インターネット又はイントラネット等のネットワークを介して取得(ダウンロード)することで取得してもよい。
【0054】
プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、TPU(Tensor Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成されるとよい。
【0055】
メモリ22は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成されるとよい。
【0056】
通信用インタフェース23は、例えばネットワークインターフェースカード、又は通信インタフェースボード等によって構成されるとよい。通信用インタフェース23によるデータ通信の規格については、特に限定されるものではなく、Wi-fi(登録商標)に基づく無線LANによる通信、3G~5G若しくはそれ以降の世代の移動通信システムによる通信、又はLTE(Long Term Evolution)に基づく通信等が挙げられる。
【0057】
ストレージ24は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されるとよい。また、ストレージ24は、サーバ10内に内蔵されてもよく、外付け形式でサーバ本体に取り付けてもよい。さらに、ストレージ24は、サーバ本体と通信可能に接続された外部コンピュータ(例えば、データベースサーバ)等によって構成されてもよい。なお、各種データを記録する技術としては、不正なデータ改竄等を回避する目的からブロックチェーンのような分散型台帳技術を用いてもよい。
【0058】
サーバ10は、本件ゲームの進行に必要な情報を各プレイヤへ配信し、また、各プレイヤから情報を収集して記憶する。サーバ10が記憶する情報には、各プレイヤの識別情報、各プレイヤの本件ゲームのプレイ履歴に関する情報、各プレイヤが取得した競走馬(種牡馬及び繁殖牝馬を含む。)に関する情報(競走馬情報)、並びに、ゲーム内通貨及びアイテム等の所持数等が含まれる。
【0059】
また、サーバ10は、下記の処理をはじめ、本件ゲームの進行に関する様々な情報処理を実行する。
(a)競走馬を生産(種牡馬と繁殖牝馬とを配合して競走馬を生成)する処理。
(b)競走馬の生産を取り消す処理。
(c)競走馬に関する競走馬情報(競走馬パラメータを含む。)を設定する処理。
(d)競走馬に関する競走馬パラメータを変更する処理。
(e)競走馬に関する競走馬情報(競走馬パラメータを含む。)を直接又は間接的に、その競走馬を利用するプレイヤのユーザ端末12に表示させる処理。
(f)競走馬に関する競走馬情報(競走馬パラメータを含む。)の表示の有無を設定する処理。
(g)各プレイヤの価値の量(ゲーム内通貨又はアイテムの所持数等)を変更する処理。
(h)抽選、育成及びレース等を含むその他各種のゲーム内イベントを発生又は開催させる処理。
【0060】
ユーザ端末12は、プレイヤが本件ゲームをプレイするために操作するクライアント端末であり、具体的にはパソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ゲーム機、情報入力が可能なテレビ受像機、及びウェアラブル端末等によって構成される。なお、
図1には、図示の都合上、1台のユーザ端末12のみを図示しているが、ユーザ端末12の台数は、任意の台数であり、2台以上であってもよい。
【0061】
ユーザ端末12は、サーバ10からゲーム進行用のデータを受信し、そのデータが示す画像(映像)をユーザ端末12のディスプレイ又はユーザ端末12に接続されたTV等の表示器に表示したり、音声をスピーカ等から出力したりする。すなわち、本実施形態において、ユーザ端末12は、表示部及び音声出力部として機能する。例えば、プレイヤがゲームプレイ中に所定の操作を行うと、ユーザ端末12に競走馬表示画面が描画され、その競走馬表示画面に、そのプレイヤが取得した競走馬の競走馬情報等が表示される。
【0062】
また、ユーザ端末12は、本件ゲームのプレイ中に行われるプレイヤの操作を受け付け、その操作内容に応じた情報をサーバ10に向けて送信する。例えば、プレイヤは、本件ゲームにて競走馬を生産する際にはユーザ端末12にて生産指示操作を行う。生産指示操作は、競走馬の生産に関する操作であり、生産に使用する種牡馬及び繁殖牝馬を選択して指定する操作である。一方、プレイヤは、本件ゲームにて競走馬の生産を取り消す際にはユーザ端末12にて生産取消指示操作を行う。生産取消指示操作は、所定の条件を満たす場合、競走馬の生産を取り消すために行う操作である。なお、プレイヤは、生産取消指示操作とその生産取消指示操作によって取り消された生産と同じ内容を示す生産指示操作とを同時に行う再生産指示操作を行うこともできる。また、競走馬を育成するための操作(育成に必要な情報を入力したり複数の項目の中から選択したり等する操作)である育成指示操作、及び、競走馬をレースに出場させるための操作(希望するレースを選択する操作)である登録指示操作を行う。
【0063】
[本発明の一実施形態の情報処理装置の機能]
本実施形態に係る情報処理装置であるサーバ10の構成について、機能面から改めて説明する。サーバ10は、
図7に示すように受付部30、配信部40、記憶部50及び情報処理部60を有する。これらのうち、記憶部50は、メモリ22又はストレージ24によって実現され、それ以外の機能部は、サーバ10を構成するハードウェア機器と、サーバ10にインストールされたプログラムとが協働することで実現される。
以下、各機能部について、それぞれ詳しく説明する。
【0064】
(受付部)
受付部30は、プレイヤが本件ゲームのプレイ中にユーザ端末12にて行った操作を受け付け、厳密には、当該操作の内容を示すデータをユーザ端末12から受信する。例えば、受付部30は、プレイヤから、生産指示操作、生産取消指示操作、再生産指示操作、育成指示操作及び登録指示操作等の本件ゲームに関する操作を受け付ける。
【0065】
生産指示操作は、第3ゲーム媒体として競走馬を生産するための操作であり、本発明の「第1指示」に相当する。生産指示操作は、生産に使用する種牡馬(第1ゲーム媒体)と繁殖牝馬(第2ゲーム媒体)とを指定する。受付部30は、生産指示操作の内容として、指定された上記の内容を示すデータをユーザ端末12から受信する。なお、受付部30は、後述する生産取消指示操作を受け付けた場合、その生産取消指示操作により取り消された生産指示操作の内容と同内容、すなわち、同じ種牡馬と繁殖牝馬とを使用した同一配合の生産指示を示す内容の再生産指示操作を、生産取消指示操作を受け付けると同時(厳密には連続していてもよい)に受け付けることとしてもよい。この場合、再生産指示操作は、本発明の「第3指示」に相当する。
【0066】
生産取消指示操作は、第3ゲーム媒体として生産した競走馬の生産を取り消すための操作であり、本発明の「第2指示」に相当する。生産取消指示操作では、取消対象となる生産指示操作が指定されることになる。受付部30は、生産取消指示操作の内容として、指定された上記の内容を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0067】
生産取消指示操作は、第3ゲーム媒体として競走馬を生産した後、以下のいずれか又は全ての条件に基づいて、受付部30によって受け付けの可否が判断される。
(a)種牡馬又は繁殖牝馬の生産可能回数が0になった場合、すなわち、その種牡馬又は繁殖牝馬に基づいて新たな競走馬の生産ができない状態にある場合は、受け付け可能とする。そのため、種牡馬又は繁殖牝馬の生産可能回数が0になっていない場合、すなわち、その種牡馬又は繁殖牝馬に基づいて新たな競走馬の生産が再びできる状態にある場合は、生産取消指示操作を受け付けない。
(b)後述する情報提示部41により、生産した競走馬に関する競走馬情報をプレイヤに提示した後、受け付け可能とする。このとき、不変パラメータである競走馬の性別等の競走馬固有の情報をプレイヤに提示した後であれば、受け付け可能としてもよいし、可変パラメータである競走馬の能力値等の競走馬パラメータをプレイヤに提示した後、受け付け可能としてもよい。
(c)生産取消指示操作の受付回数が、その種牡馬又は繁殖牝馬に規定された所定回数に到達するまで、受け付け可能とする。例えば、同一の種牡馬につき3回まで受け付け可能とする。
(d)生産取消指示操作の受付回数が、所定時間内において規定された所定回数に到達するまで、受け付け可能とする。例えば、1日につき1回だけ受け付け可能とする。
【0068】
育成指示操作は、競走馬の育成、厳密には調教用の指定操作であり、育成指示操作では育成対象の競走馬、育成コース、及び育成に費やす価値等を指定する。受付部30は、育成指示操作の内容として、指定された上記の内容を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0069】
登録指示操作は、プレイヤが希望するレースに育成した競走馬(育成中の競走馬を含む。)を出場させるために行う操作であり、登録指示操作では、出場希望のレース、レースの開催日、及び出場させる競走馬を指定する。受付部30は、登録指示操作の内容として、指定された上記の内容を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0070】
(配信部)
配信部40は、本件ゲームの進行に必要な情報を各プレイヤのユーザ端末12に向けて配信するものであり、
図7に示すように、情報提示部41と、イベント用情報配信部42とを有する。
【0071】
情報提示部41は、競走馬等に関する競走馬情報を、各プレイヤのユーザ端末12に配信する。ここでの競走馬等としては、第1ゲーム媒体としての種牡馬、第2ゲーム媒体としての繁殖牝馬、及び、第3ゲーム媒体としての新たに生産した競走馬(新生馬)を含む。また、競走馬情報には、不変パラメータである競走馬の性別等の競走馬固有の情報、及び、可変パラメータである競走馬の能力値等の競走馬パラメータの他、第3ゲーム媒体として新たに生産した競走馬に関しては、その競走馬の能力値等を示唆する画像、映像又は音声等の示唆演出77(
図4)を含む。
【0072】
情報提示部41により提示される競走馬情報(特に競走馬パラメータ)は、表示有りに設定される競走馬パラメータと、表示無しに設定される競走馬パラメータとが含まれており、ユーザ端末12には、表示無しに設定されたパラメータは非表示とされる(例えば、「?」等の非表示用マークを表示する)。なお、表示無しに設定された競走馬パラメータは、表示有りに切り替えられることもある。また、競走馬パラメータは、現在値とともに、当該パラメータの限界値(具体的には上限値)を表示することとしてもよい。
このように、情報提示部41により提示される競走馬情報は、必ずしも一律ではなく、情報量が異なる場合がある。情報量が多い場合は、判明する競走馬情報(特に競走馬パラメータ)の量(数)が多くなり、プレイヤにとっては有利な状況となる。なお、ここでいう情報量には、単に提示される情報の多寡に限らず、情報の質も含まれる。例えば、提示される競走馬情報が、プレイヤが競走馬の能力値を判断することに直結するような情報であれば、競走馬の能力値を間接的に暗示又は示唆するような情報よりも質の高い情報となり、結果的に、判明する情報量が多くなる。
【0073】
イベント用情報配信部42は、生産、抽選、育成及びレース等の各種イベントに関する情報(イベント演出のためのデータを含む。)を、各プレイヤのユーザ端末12に配信する。イベント用情報配信部42によって配信された情報を受信したユーザ端末12側では、イベント演出の映像及び音声が出力(表示及び再生等)される。
【0074】
(記憶部)
記憶部50は、ゲーム進行に必要な情報を記憶し、
図7に示すように、プレイヤ情報記憶部51と、競走馬情報記憶部52とを有する。
【0075】
プレイヤ情報記憶部51は、本件ゲームの各プレイヤに関するプレイヤ情報をプレイヤごとに記憶する。プレイヤ情報は、
図8に示すように、各プレイヤの識別ID(又はゲーム用のアカウント名)等と紐付けられて記憶される。具体的には、プレイヤランク、所有する競走馬を特定する情報(種牡馬ID、繁殖牝馬ID及び現役馬ID)、ゲーム内通貨の所持数、及び、アイテムの種類と所持数等がプレイヤ情報として記憶される。なお、上記以外の情報、例えば、本件ゲームの総プレイ時間(ゲームプレイ時間)、ログイン回数(ゲームプレイ回数)、課金額、プレイヤがフレンドとして登録している他のプレイヤに関する情報(フレンドの識別ID等)の情報が、プレイヤ情報に含まれていてもよい。
【0076】
競走馬情報記憶部52は、各プレイヤが所有する競走馬等(現役馬、種牡馬及び繁殖牝馬を含む。)に関する競走馬情報を競走馬等ごとに記憶する。競走馬情報記憶部52には、各競走馬等について、
図9又は
図10に示す競走馬情報が、その所有者であるプレイヤの識別IDと紐付けられて記憶される。
【0077】
現役の競走馬、すなわち、育成途中又は育成は完了したがまだ引退していない競走馬については、例えば、
図9に示すように、識別ID、名前、性別(牝牡)、馬齢、可変パラメータ(具体的にはスピード、スタミナ及びパワー等の能力値)の現時点での値(現在値)と限界値(上限値)、現時点での育成週数、育成可能期間の残り数(残週数)、過去のレース実績(レース出場回数、勝利回数及び獲得賞金)等が競走馬情報として記憶される。なお、上記以外の情報、例えば、親馬の名前又はID等の血統に関する情報、及び、育成履歴(具体的には、育成回数、各回の育成における育成条件、及びゲーム内通貨の消費数等)等が、競走馬情報に含まれてもよい。また、競走馬情報の中には、上記のとおり、プレイヤが確認できないように、ユーザ端末12等に表示しない情報が含まれていてもよい。
【0078】
一方、種牡馬又は繁殖牝馬については、例えば、
図10に示すように、識別ID、名前、性別(牝牡)、競走馬パラメータ(具体的にはスピード、スタミナ及びパワー等の能力値)の現時点での値(現在値)と限界値(上限値)、過去のレース実績(レース出場回数、勝利回数及び獲得賞金)、自家製馬と株券との区分、及び、生産可能回数等が競走馬情報として記憶される。なお、上記以外の情報、例えば、親馬の名前又は識別ID等の血統に関する情報、及び、能力の遺伝のし易さ(遺伝力)等が、競走馬情報に含まれてもよい。また、現役の競走馬の場合と同様、競走馬情報の中には、上記のとおり、プレイヤが確認できないように、ユーザ端末12等に表示しない情報が含まれていてもよい。
なお、自家製の競走馬、すなわち、プレイヤ自身が育成した後に引退させて繁殖に上げた競走馬ではなく、株券の場合、過去のレース実績等の項目には、本件ゲーム内におけるプレイヤの育成実績が反映されることがない。そのため、現実に存在した競走馬の場合等は、史実通りの実績が予め設定されていたり、漫画又は小説等の創作物に登場した競走馬の場合は、その創作物内での実績が予め設定されたりしている。また、育成に関連する項目については、空白の値であってもよい。
【0079】
(情報処理部)
情報処理部60は、本件ゲームの進行に必要な情報処理を実行するものであり、
図7に示すように、生成部61、取消部62、パラメータ変更部63、レース結果決定部64、及び、価値付与部65を有する。
【0080】
生成部61は、受付部30がプレイヤからの生産指示操作又は再生産指示操作を受け付けた場合に、第1ゲーム媒体である種牡馬と、第2ゲーム媒体である繁殖牝馬とを配合し、育成対象となる第3ゲーム媒体である競走馬(新生馬)を生成(生産)する。具体的には、記憶部50に記憶されている種牡馬及び繁殖牝馬の競走馬情報を読み出し、それらの競走馬情報をもとに、所定の確率に基づいて、競走馬(新生馬)に関連付けられる競走馬情報、すなわち、性別、毛色及び各種能力等が設定される。例えば、種牡馬及び繁殖牝馬のそれぞれの競走馬情報によって設定された範囲内(選択され得る不変パラメータ及び可変パラメータの範囲内)における複数の可能性の中から、所定の選択手段により選択された不変パラメータ及び可変パラメータを有する新たな競走馬(新生馬)が生産される。なお、新たに生産された競走馬(新生馬)の競走馬情報は、当該プレイヤのプレイヤ情報に関連付けられて記憶部50に記憶される。また、生産に使用された種牡馬及び繁殖牝馬については、当該種牡馬及び繁殖牝馬に関連付けて記憶部50に記憶されている競走馬情報に含まれる生産可能回数を1つ減らして競走馬情報を更新する。
【0081】
取消部62は、受付部30がプレイヤからの生産取消指示操作又は再生産指示操作を受け付けた場合に、その競走馬(新生馬)の生産を取り消し、生産された競走馬に関する競走馬情報を記憶部50から削除する。また、同時に、種牡馬及び繁殖牝馬の両方又はいずれか一方に関連付けられて記憶部50に記憶されている競走馬情報の生産可能回数を生産前の状態に戻す。すなわち、種牡馬及び繁殖牝馬の両方又はいずれか一方の生産可能回数を回復させて競走馬情報を更新する。
【0082】
また、取消部62は、競走馬(新生馬)の生産を取り消す際(厳密には、種牡馬及び繁殖牝馬の両方又はいずれか一方の生産可能回数を生産前の状態に戻す際)に、所定量のゲーム内通貨又は所定のアイテムを消費する。具体的には、プレイヤに関連付けられて記憶部50に記憶されているプレイヤ情報のゲーム内通貨又はアイテムの所持数を所定量減算してプレイヤ情報を更新する。
【0083】
パラメータ変更部63は、受付部30がプレイヤからの育成指示操作を受け付けた場合に、その操作内容に応じて、競走馬情報記憶部52に記憶された育成対象の競走馬の可変パラメータ、具体的にはスピード、スタミナ及びパワー等の能力値を変更する処理を実行する。この際、各可変パラメータの変更量(上昇量)は、育成指示操作にてプレイヤが指定した育成コース及び消費した価値の量等に応じて変化する。なお、パラメータ変更部63は、レース結果に基づいて、可変パラメータを適宜変更することとしてもよい。
【0084】
レース結果決定部64は、本件ゲームでの各レースの勝敗結果、すなわちレースにおける各出走馬の着順を競走馬情報(特に可変パラメータ)に基づいて決定し、決定したレース結果に応じたイベント演出のデータを生成する。生成されたイベント演出のデータは、イベント用情報配信部42によって、そのレースに競走馬を出場させたプレイヤに向けて配信される。
【0085】
価値付与部65は、競走馬を出場させたレースの結果に応じて、ゲーム内通貨又はアイテム等の価値を賞金又は副賞として競走馬を出場させたプレイヤに対して付与する。価値が付与されると、プレイヤ情報記憶部51記憶された各プレイヤのプレイヤ情報に、賞金に相当するゲーム内通貨等の価値量を加算する。
【0086】
以上、サーバ10及びユーザ端末12のそれぞれの構成について説明した。なお、一般的に、サーバ10及びユーザ端末12は、上記以外にも種々の機能を有しているが、ここでは、本発明における情報処理システムSにおいて作用効果を奏する特徴的な機能のみを説明することとし、その他の既知の機能等については図示及び説明を省略する。
【0087】
[本発明の一実施形態に係る情報処理フロー]
次に、
図11及び
図12を参照しながら、上記構成からなる情報処理システムSによる情報処理フローのうち、競走馬の生産に関するフロー(以下、競走馬生産フローという。)について説明する。競走馬生産フローは、本発明の情報処理方法を採用しており、換言すると、競走馬生産フロー中の各ステップは、本発明の情報処理方法の構成要素に該当する。なお、以下では、競走馬生産フローについて分かり易く説明するために具体的なケースを挙げ、プレイヤPが、種牡馬X(第1ゲーム媒体)と繁殖牝馬Y(第2ゲーム媒体)とを使用して競走馬Z(第3ゲーム媒体)を生産する場合を例に挙げて説明することとする。
【0088】
競走馬生産フローの実行にあたり、プレイヤPは、本件ゲームにログインしてプレイを開始する。ゲーム内において、プレイヤPは、種牡馬及び繁殖牝馬をそれぞれ少なくとも一頭以上所有しており、また、生産に必要となるゲーム内通貨又はアイテム等の価値を所持している。
【0089】
競走馬生産フローは、例えば、
図11に示す流れに沿って進行する。
図11に示されるように、先ず、コンピュータであるサーバ10(詳しくは、受付部30)は、ネットワーク14を通じて、プレイヤPのユーザ端末12から生産指示(第1指示)を受け付ける(S201)。具体的には、生産指示操作により指定された内容、すなわち、生産に使用する種牡馬Xと繁殖牝馬Yとが指定されたデータを取得する。
【0090】
次に、サーバ10(詳しくは、生成部61)は、プレイヤPにより指定された種牡馬Xと繁殖牝馬Yに関連付けて記憶部50(ストレージ24)に記憶されている競走馬情報を記憶部50(ストレージ24)から読み出し、その競走馬情報に含まれる生産可能回数を減算する(S102)。具体的には、種牡馬X及び繁殖牝馬Yの生産可能回数をそれぞれ1ずつ減算して(例えば、1→0又は2→1等)、記憶部50(メモリ22)に記憶する。また、サーバ10(詳しくは、生成部61)は、種牡馬Xと繁殖牝馬Yとを配合することによって生産される競走馬Z(新生馬)に関連付けられる競走馬情報、すなわち、性別等の不変パラメータ及び各種能力等の可変パラメータを設定する(S103)。そして、サーバ10(詳しくは、情報提示部41)は、種牡馬Xと繁殖牝馬Yとを配合することによって誕生した競走馬Z(新生馬)、すなわち、競走馬情報を設定した競走馬Zについて、競走馬情報の全部又は一部(例えば、競走馬Zの能力を示唆する演出を含む。)をプレイヤPに提示する(S104)。具体的には、ネットワーク14を通じて、競走馬Zの競走馬情報をプレイヤPのユーザ端末12に向けて配信する。なお、この時点では、競走馬Zに設定された競走馬情報は、ストレージ24ではなくメモリ22上の記憶部50に記憶されている。
【0091】
続いて、サーバ10(詳しくは、受付部30)は、種牡馬X若しくは繁殖牝馬Yの生産可能回数が0になった場合、又は、生産取消指示の受付回数が所定回数以内の場合等、プレイヤPが上記の生産取消可能条件を満たすと判断し(S105:YES)、ネットワーク14を通じて、プレイヤPのユーザ端末12から生産取消指示(第2指示)を受け付けた場合(S106:YES)、具体的には、競走馬Zの生産を取り消すことを示すデータを取得した場合、サーバ10(詳しくは、取消部62)は、所定量のゲーム内通貨又は所定のアイテムを消費し(S107)、記憶部50(メモリ22)に記憶されている競走馬Zの競走馬情報を削除し(S108)、種牡馬Xと繁殖牝馬Yに関連付けて記憶部50(メモリ22)に記憶されている競走馬情報に含まれる生産可能回数を生産前の状態に戻す(S109)。具体的には、プレイヤPに関連付けて記憶部50(ストレージ24)に記憶されているプレイヤ情報を読み出し、そのプレイヤ情報に含まれるゲーム内通貨又はアイテムの所持数から、生産取消のために必要とされる所定量に応じて、ゲーム内通貨又はアイテムの所持数を減算する。また、記憶部50(メモリ22)に記憶されている競走馬Zの競走馬情報を削除することにより競走馬Zの生産を取り消したうえで、種牡馬Xと繁殖牝馬Yに関連付けて記憶部50(メモリ22)に記憶されている競走馬情報に含まれる生産可能回数をそれぞれ1ずつ加算する(例えば、0→1、1→2等)。
【0092】
一方、サーバ10(詳しくは、受付部30)が、生産取消可能条件を満たしていないと判断した場合(S105:NO)、又は、生産取消指示を受け付けていない場合(S106:NO)は、そのまま競走馬Zの生産を取り消すことなく、以降の処理に進む。
【0093】
上記の処理を経た後、サーバ10(詳しくは、生成部61又は取消部62)は、種牡馬X、繁殖牝馬Y及び競走馬Z(競走馬Zの競走馬情報が存在する場合に限る。)それぞれの競走馬情報を更新して(S110)、処理を終了する。具体的には、競走馬Zを生産した場合(生産を取り消していない場合)には、競走馬Zに関連付けて記憶部50(メモリ22)に記憶されている競走馬情報を、記憶部50(ストレージ24)に記憶する。また、内容が変更、すなわち、生産可能回数が減算された状態で種牡馬Xと繁殖牝馬Yに関連付けて記憶部50(メモリ22)に記憶されている競走馬情報を、記憶部50(メモリ22)から読み出し、その読み出した種牡馬Xと繁殖牝馬Yに関連する競走馬情報を記憶部50(ストレージ24)に記憶する。一方、競走馬Zの生産を取り消した場合には、生産可能回数が変更されていない状態で種牡馬Xと繁殖牝馬Yに関連付けて記憶部50(メモリ22)に記憶されている競走馬情報を、記憶部50(メモリ22)から読み出し、その読み出した種牡馬Xと繁殖牝馬Yに関連する競走馬情報を記憶部50(ストレージ24)に記憶する。
【0094】
なお、本実施形態では、プレイヤPは、競走馬Zの生産を取り消す際に、取り消された生産と同じ内容(同じ配合)で、再生産を指示することもできる。この場合は、生産の取消と取り消された生産と同条件の再生産が行われることになる。
【0095】
具体的には、
図12に示されるように、先ず、コンピュータであるサーバ10(詳しくは、受付部30)は、ネットワーク14を通じて、プレイヤPのユーザ端末12から生産指示(第1指示)を受け付ける(S201)。
【0096】
次に、サーバ10(詳しくは、生成部61)は、プレイヤPにより指定された種牡馬Xと繁殖牝馬Yに関連付けて記憶部50(ストレージ24)に記憶されている競走馬情報を記憶部50(ストレージ24)から読み出し、その競走馬情報に含まれる生産可能回数を減算する(S202)。また、サーバ10(詳しくは、生成部61)は、種牡馬Xと繁殖牝馬Yとを配合することによって生産される競走馬Z(新生馬)に関連付けられる競走馬情報、すなわち、性別等の不変パラメータ及び各種能力等の可変パラメータを設定する(S203)。そして、サーバ10(詳しくは、情報提示部41)は、種牡馬Xと繁殖牝馬Yとを配合することによって誕生した競走馬Z(新生馬)、すなわち、競走馬情報を設定した競走馬Zについて、競走馬情報の全部又は一部(例えば、競走馬Zの能力を示唆する演出を含む。)をプレイヤPに提示する(S204)。
【0097】
続いて、サーバ10(詳しくは、受付部30)は、プレイヤPが上記の生産取消可能条件を満たすと判断し(S205:YES)、ネットワーク14を通じて、プレイヤPのユーザ端末12から再生産指示(第3指示)を受け付けた場合(S206:YES)、具体的には、競走馬Zの生産を一旦取り消して、同じ種牡馬Xと繁殖牝馬Yとによる配合で再度生産を行うことを示すデータを取得した場合、サーバ10(詳しくは、取消部62)は、所定量のゲーム内通貨又は所定のアイテムを消費し(S207)、記憶部50(メモリ22)に記憶されている競走馬Zの競走馬情報を一旦削除する(S208)。
【0098】
次に、サーバ10(詳しくは、生成部61)は、種牡馬Xと繁殖牝馬Yとを配合することによって生産される競走馬Z(新生馬)に関連付けられる競走馬情報を再度設定する(S209)。そして、サーバ10(詳しくは、情報提示部41)は、競走馬情報を再設定した競走馬Zについて、競走馬情報の全部又は一部(例えば、競走馬Zの能力を示唆する演出を含む。)をプレイヤPに提示する(S210)。
【0099】
一方、サーバ10(詳しくは、受付部30)が、生産取消可能条件を満たしていないと判断した場合(S205:NO)、又は、再生産指示を受け付けていない場合(S206:NO)は、そのまま競走馬Zの生産を取り消して再生産することなく、以降の処理に進む。
【0100】
上記の処理を経た後、サーバ10(詳しくは、生成部61又は取消部62)は、種牡馬X、繁殖牝馬Y及び競走馬Z(競走馬Zの競走馬情報が存在する場合に限る。)それぞれの競走馬情報を更新して(S211)、処理を終了する。具体的には、生産又は再生産された競走馬Zに関連付けて記憶部50(メモリ22)に記憶されている競走馬情報を、記憶部50(ストレージ24)に記憶する。また、内容が変更、すなわち、生産可能回数が減算された状態で種牡馬Xと繁殖牝馬Yに関連付けて記憶部50(メモリ22)に記憶されている競走馬情報を、記憶部50(メモリ22)から読み出し、その読み出した種牡馬Xと繁殖牝馬Yに関連する競走馬情報を記憶部50(ストレージ24)に記憶する。
【0101】
[その他の実施形態]
以上までに、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関して、具体例を挙げて説明してきたが、上記の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態も考えられ得る。
【0102】
上記の実施形態では、ゲームデータ配信用のサーバコンピュータ(すなわち、サーバ10)が本発明の情報処理装置として機能しているが、これに限定されるものではなく、サーバ10が有する機能のうちの一部が、ユーザ端末12に備わっていてもよい。例えば、生成部61又は取消部62の機能等がユーザ端末12に備わっていてもよい。
【0103】
また、本実施形態では、受付部30において、生産取消可能条件に基づいて、生産取消指示操作の受け付けの可否を判断することとしたが、受付部30が生産取消指示操作を受け付けた後、取消部62において、生産取消可能条件に基づいて、生産を取り消すか否かを判断することとしてもよい。
【0104】
また、本実施形態では、プレイヤ情報及び競走馬情報は、ゲームデータ配信用のサーバコンピュータ(すなわち、サーバ10)に記憶して所持することとしたが、不図示のデータベースサーバを別途設けて、そのデータベースサーバに一括して記憶することとしてもよいし、ユーザ端末12側に記憶することとしてもよい。
【0105】
なお、本実施形態においては、プレイヤは、原則として無料で全ての機能を享受することができるが、一部の機能を限定し、所定の料金を支払うことによって、その限定された機能が利用できることとしてもよい。また、所定の料金を支払ったプレイヤについては、競走馬等を所有できる数が増加したり、一回の週課操作において行うことができる育成の回数が増加したり、特定の株券又はアイテム等を取得できたり、育成におけるパラメータの変化量が大きくなったりする等、プレイするうえで有利になるように各種条件等を設定してもよい。なお、この料金については、従量課金制としてもよいし、一度支払えば一定期間(例えば、一か月間又は一年間等)、そのプレイヤに対して効果を有することとしてもよい(サブスクリプション)。
【0106】
[まとめ]
以上説明した本実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの主な特徴は以下の通りである。
【0107】
[1]本実施形態に係る情報処理装置は、プレイヤからの指示を受け付ける受付部と、プレイヤから受け付けた第1指示に基づいて、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とを消費して第3ゲーム媒体を生成する生成部と、第3ゲーム媒体を生成した後に、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体に基づく新たなゲーム媒体の生成ができない状態にある場合に、プレイヤから受け付けた第2指示に基づいて、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体の少なくとも一方を第3ゲーム媒体の生成前の状態に戻すとともに、第3ゲーム媒体の生成を取り消す取消部と、を有する。
上記の情報処理装置によれば、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体が新たにゲーム媒体の生成ができない状態になってしまう状況で、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とを合成して新たに生成した第3ゲーム媒体が、所望の能力を備えていない場合であっても、プレイヤは、手間を省いて合成のやり直しをすることができる。これにより、ゲーム性を損なうことなく、新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体を生成する際のリスクが低減されるため、プレイヤに対して、第3ゲーム媒体の生成意欲を向上させ、ゲームのプレイ頻度を高めることができる。
【0108】
[2]上記の情報処理装置において、受付部は、第3ゲーム媒体を生成した後に、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とに基づく新たなゲーム媒体の生成ができない状態にある場合に、第2指示を受け付け、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とに基づく新たなゲーム媒体の生成ができる状態にある場合には、第2指示を受け付けない。
このように、第2指示を受け付ける場合と受け付けない場合とを条件分けすることにより、ゲーム性を好適に維持することできるため、プレイヤに対して、新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体の生成意欲をさらに向上させ、ゲームのプレイ頻度をより一層高めることができる。
【0109】
[3]上記の情報処理装置において、取消部は、第3ゲーム媒体を生成した後に、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体のそれぞれに基づく新たなゲーム媒体の生成ができない状態にある場合に、第2指示に基づいて、第1ゲーム媒体及び第2ゲーム媒体を第3ゲーム媒体の生成前の状態に戻すとともに、第3ゲーム媒体の生成を取り消す。
このように、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体のそれぞれに基づく新たなゲーム媒体の生成ができない状態にある場合に限定して、第1ゲーム媒体及び第2ゲーム媒体を第3ゲーム媒体の生成前の状態に戻すことにより、ゲーム性を好適に維持することができるため、プレイヤに対して、新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体の生成意欲をさらに向上させ、ゲームのプレイ頻度をより一層高めることができる。
【0110】
[4]上記の情報処理装置において、取消部は、第1ゲーム媒体又は第2ゲーム媒体の少なくとも一方を第3ゲーム媒体の生成前の状態に戻すときに所定の価値を消費し、第1ゲーム媒体及び第2ゲーム媒体のうちいずれか一方に基づく新たなゲーム媒体の生成ができる状態にある場合よりも、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体のそれぞれに基づく新たなゲーム媒体の生成ができない状態にある場合に、消費する価値の量を多くする。
このように、条件によって消費する価値の量を変えることにより、ゲーム性を好適に維持することができるため、プレイヤに対して、新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体の生成意欲をさらに向上させ、ゲームのプレイ頻度をより一層高めることができる。
【0111】
[5]上記の情報処理装置は、プレイヤに第3ゲーム媒体に関する情報を提示する情報提示部をさらに有し、受付部は、第3ゲーム媒体に関する情報をプレイヤに提示した後、第2指示を受け付け可能とする。
このように、第2指示を受け付け可能とするタイミングを指定することにより、ゲーム性を好適に維持することができるうえ、新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体を生成する際のリスクがより低減されるため、プレイヤに対して、第3ゲーム媒体の生成意欲をさらに向上させ、ゲームのプレイ頻度をより一層高めることができる。
【0112】
[6]上記の情報処理装置において、第3ゲーム媒体は第1ゲーム媒体又は第2ゲーム媒体として消費することが可能であり、受付部は、第3ゲーム媒体の不変パラメータであって、第3ゲーム媒体を第1ゲーム媒体又は第2ゲーム媒体のいずれかとして消費することが可能か否かをプレイヤに識別させるための情報を情報提示部によりプレイヤに提示した後、第2指示を受け付け可能とする。
このように、第2指示を受け付け可能とするタイミングを生成の可否に関する不変パラメータの提示後にすることにより、ゲーム性を好適に維持することができるうえ、特に不変パラメータに関して新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体を生成する際のリスクがより低減されるため、プレイヤに対して、第3ゲーム媒体の生成意欲をさらに向上させ、ゲームのプレイ頻度をより一層高めることができる。
【0113】
[7]上記の情報処理装置において、受付部は、情報提示部により第3ゲーム媒体の可変パラメータをプレイヤに提示した後、第2指示を受け付け可能とする。
このように、第2指示を受け付け可能とするタイミングを可変パラメータの提示後にすることにより、ゲーム性を好適に維持することができるうえ、特に可変パラメータに関して新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体を生成する際のリスクがより低減されるため、プレイヤに対して、第3ゲーム媒体の生成意欲をさらに向上させ、ゲームのプレイ頻度をより一層高めることができる。
【0114】
[8]上記の情報処理装置において、取消部は、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体の少なくとも一方を第3ゲーム媒体の生成前の状態に戻すときに、情報提示部により提示された第3ゲーム媒体に関する情報量に応じて所定の価値を消費する。
このように、判明した情報量に応じて消費する価値の量を変えることにより、ゲーム性を好適に維持することができるため、プレイヤに対して、新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体の生成意欲をさらに向上させ、ゲームのプレイ頻度をより一層高めることができる。
【0115】
[9]上記の情報処理装置において、受付部は、第2指示と、第2指示により取り消された第1指示と同内容の第3指示と、を同時に受け付ける。
このように、生成の取消と再生成を同時に受け付けることにより、ゲーム性を好適に維持することができるうえ、プレイヤの利便性が増し、新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体を生成する際のリスクがより低減されるため、プレイヤに対して、第3ゲーム媒体の生成意欲をさらに向上させ、ゲームのプレイ頻度をより一層高めることができる。
【0116】
[10]上記の情報処理装置において、取消部は、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体の少なくとも一方を第3ゲーム媒体の生成前の状態に戻すときに、第2指示の受付回数に応じて所定の価値を消費する。
このように、条件によって消費する価値の量を変えることにより、ゲーム性を好適に維持することができるため、プレイヤに対して、新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体の生成意欲をさらに向上させ、ゲームのプレイ頻度をより一層高めることができる。
【0117】
[11]上記の情報処理装置において、受付部は、第2指示の受付回数が第1ゲーム媒体又は第2ゲーム媒体に規定された所定回数に到達するまで、第2指示を受け付け可能とする。
このように、第2指示を受け付け可能とする条件を設定することにより、ゲーム性を好適に維持することができるため、プレイヤに対して、新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体の生成意欲をさらに向上させ、ゲームのプレイ頻度をより一層高めることができる。
【0118】
[12]上記の情報処理装置において、受付部は、第2指示の受付回数が所定時間内において規定された所定回数に到達するまで、第2指示を受け付け可能とする。
このように、第2指示を受け付け可能とする条件を設定することにより、ゲーム性を好適に維持することができるため、プレイヤに対して、新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体の生成意欲をさらに向上させ、ゲームのプレイ頻度をより一層高めることができる。
【0119】
[13]また、本発明に係る情報処理方法によれば、コンピュータが、プレイヤからの指示を受け付け、コンピュータが、プレイヤから受け付けた第1指示に基づいて、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とを消費して第3ゲーム媒体を生成し、コンピュータが、第3ゲーム媒体を生成した後に、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体に基づく新たなゲーム媒体の生成ができない状態にある場合に、プレイヤから受け付けた第2指示に基づいて、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体の少なくとも一方を第3ゲーム媒体の生成前の状態に戻すとともに、第3ゲーム媒体の生成を取り消す。
上記の情報処理方法によれば、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体が新たにゲーム媒体の生成ができない状態になってしまう状況で、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とを合成して新たに生成した第3ゲーム媒体が、所望の能力を備えていない場合であっても、プレイヤは、手間を省いて合成のやり直しをすることができる。これにより、ゲーム性を損なうことなく、新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体を生成する際のリスクが低減されるため、プレイヤに対して、第3ゲーム媒体の生成意欲を向上させ、ゲームのプレイ頻度を高めることができる。
【0120】
[14]また、本発明に係るプログラムによれば、コンピュータに、プレイヤからの指示を受け付けさせ、プレイヤから受け付けた第1指示に基づいて、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とを消費して第3ゲーム媒体を生成させ、第3ゲーム媒体を生成した後に、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体に基づく新たなゲーム媒体の生成ができない状態にある場合に、プレイヤから受け付けた第2指示に基づいて、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体の少なくとも一方を第3ゲーム媒体の生成前の状態に戻すとともに、第3ゲーム媒体の生成を取り消させる。
上記のプログラムによれば、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体が新たにゲーム媒体の生成ができない状態になってしまう状況で、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とを合成して新たに生成した第3ゲーム媒体が、所望の能力を備えていない場合であっても、プレイヤは、手間を省いて合成のやり直しをすることができる。これにより、ゲーム性を損なうことなく、新規のゲーム媒体である第3ゲーム媒体を生成する際のリスクが低減されるため、プレイヤに対して、第3ゲーム媒体の生成意欲を向上させ、ゲームのプレイ頻度を高めることができる。
【符号の説明】
【0121】
10 サーバ
12 ユーザ端末
14 ネットワーク
21 プロセッサ
22 メモリ
23 通信用インタフェース
24 ストレージ
25 バス
30 受付部
40 配信部
41 情報提示部
42 イベント用情報配信部
50 記憶部
51 プレイヤ情報記憶部
52 競走馬情報記憶部
60 情報処理部
61 生成部
62 取消部
63 パラメータ変更部
64 レース結果決定部
65 価値付与部
71 種牡馬一覧領域
72 繁殖牝馬一覧領域
73 配合領域
74 タブ
75 相性アイコン
76 生産ボタン
77 示唆演出
78 性別情報
79 馬名入力欄
80 決定ボタン
81 自動命名ボタン
82 血統表示ボタン
83 戦績表示ボタン
84 取消ボタン
85 再生産ボタン
G1 競走馬情報画面
G2 生産指示画面
G3 能力演出画面
G4 馬名入力画面
G5 生産取消指示画面
S 情報処理システム