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特許7557153情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/56 20140101AFI20240919BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240919BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20240919BHJP
   A63F 13/2145 20140101ALI20240919BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20240919BHJP
【FI】
A63F13/56
A63F13/53
A63F13/426
A63F13/2145
G06F3/04845
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023113915
(22)【出願日】2023-07-11
(62)【分割の表示】P 2021112075の分割
【原出願日】2019-02-26
(65)【公開番号】P2023139068
(43)【公開日】2023-10-03
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 優太
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-164282(JP,A)
【文献】特開2017-099934(JP,A)
【文献】特開2016-116810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
G06F 3/04845
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
仮想空間内にユーザの操作により移動可能な第1オブジェクトと前記仮想空間内を移動する第2オブジェクトを配置し、
前記第2オブジェクトの移動方向を前記第1オブジェクトとの位置関係に基づいて変更可能とし、
前記移動方向を変更する場合に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを結ぶ方向が所定の角度範囲にあるとき、前記移動方向を前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを結ぶ方向に変更し、
前記移動方向を変更する場合に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを結ぶ方向が前記角度範囲にないとき、前記移動方向を前記角度範囲に入るように変更する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを結ぶ方向が前記角度範囲にある場合に、特定のアイテムが使用されないときには、前記移動方向を前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトの位置に基づいて変更し、前記特定のアイテムが使用されるときには、前記移動方向を前記第2オブジェクトと異なる第3オブジェクトに向かう方向に変更する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサが、仮想空間内にユーザの操作により移動可能な第1オブジェクトと前記仮想空間内を移動する第2オブジェクトを配置し、
プロセッサが、前記第2オブジェクトの移動方向を前記第1オブジェクトとの位置関係に基づいて変更可能とし、
プロセッサが、前記移動方向を変更する場合に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを結ぶ方向が所定の角度範囲にあるとき、前記移動方向を前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを結ぶ方向に変更し、
プロセッサが、前記移動方向を変更する場合に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを結ぶ方向が前記角度範囲にないとき、前記移動方向を前記角度範囲に入るように変更する、
情報処理方法。
【請求項4】
プロセッサに、仮想空間内にユーザの操作により移動可能な第1オブジェクトと前記仮想空間内を移動する第2オブジェクトを配置し、
プロセッサに、前記第2オブジェクトの移動方向を前記第1オブジェクトとの位置関係に基づいて変更可能とし、
プロセッサに、前記移動方向を変更する場合に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを結ぶ方向が所定の角度範囲にあるとき、前記移動方向を前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを結ぶ方向に変更し、
プロセッサに、前記移動方向を変更する場合に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを結ぶ方向が前記角度範囲にないとき、前記移動方向を前記角度範囲に入るように変更する、
処理を実行させるプログラム。
【請求項5】
情報処理装置と、前記情報処理装置とネットワークを通じて通信する他の情報処理装置とを含むシステムであって、
前記情報処理装置は、
仮想空間内にユーザの操作により移動可能な第1オブジェクトと前記仮想空間内を移動する第2オブジェクトを配置し、
前記第2オブジェクトの移動方向を前記第1オブジェクトとの位置関係に基づいて変更可能とし、
前記移動方向を変更する場合に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを結ぶ方向が所定の角度範囲にあるとき、前記移動方向を前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを結ぶ方向に変更し、
前記移動方向を変更する場合に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトを結ぶ方向が前記角度範囲にないとき、前記移動方向を前記角度範囲に入るように変更する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームなどのコンピュータプログラムと、それを実行可能な情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ブロック崩しでは、左右に移動可能に構成されたバーが画面下部に配置されており、このバーを操作してボールを打ち返すことによって、画面上部に配置されたブロックを破壊する。
【0003】
特許文献1に記載のように、このようなゲームでは、ボールがバーの中央に当たるとボールは正反射されるように跳ね返り、ボールがバーの端に当たると、水平線に対して浅い角度でボールが跳ね返るというルールになっているものが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-286673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなゲームでは、ユーザーがコントロールできるのは、ボールをバーのどの位置に当てるのかということだけであり、必ずしも趣向性が高いとは言えない。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、趣向性に優れたゲームを提供可能な情報処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、仮想空間内に配置されるプレーヤーオブジェクトをプレーヤーの操作に基づいて制御するプレーヤーオブジェクト制御部と、前記仮想空間内を移動する移動オブジェクトの移動を制御する移動オブジェクト制御部と、を備え、前記移動オブジェクト制御部は、前記プレーヤーによる転向操作が入力されたときに、前記転向操作の入力前の前記移動オブジェクトの移動方向である第1方向によらず、前記転向操作の入力時点での前記プレーヤーオブジェクトと前記移動オブジェクトの位置に基づいて前記移動オブジェクトの移動方向を第2方向に変更する、情報処理装置が提供される。
【0008】
本発明では、転向操作の入力前の移動オブジェクトの移動方向によらずに、転向操作の入力時点でのプレーヤーオブジェクトと移動オブジェクトの位置に基づいて移動オブジェクトの移動方向が決定されるので、移動オブジェクトの移動方向を高度に制御可能であり
、趣向性に優れている。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記移動オブジェクト制御部は、前記転向操作の入力時点において、前記プレーヤーオブジェクトと前記移動オブジェクトを結ぶ移動オブジェクト方向が所定の角度範囲にある場合に、前記移動オブジェクト方向を前記第2方向とする、前記記載の情報処理装置である。
好ましくは、前記移動オブジェクト制御部は、前記転向操作の入力時点において、前記移動オブジェクト方向が前記所定の角度範囲にない場合には、前記第2方向が前記所定の角度範囲に入るように前記第2方向を決定する、前記記載の情報処理装置である。
好ましくは、前記移動オブジェクト制御部は、前記プレーヤーオブジェクトに設定される転向領域内に前記移動オブジェクトがある場合に前記転向操作が入力されたときに、前記移動オブジェクトの移動方向を前記第2方向に変更する、前記記載の情報処理装置である。
好ましくは、前記仮想空間内に配置され、前記第2方向を示すガイドオブジェクトの表示を制御するガイドオブジェクト制御部をさらに備える、前記記載の情報処理装置である。
好ましくは、前記ガイドオブジェクト制御部は、前記プレーヤーオブジェクトを中心とする弧に沿って前記ガイドオブジェクトを移動させる、前記記載の情報処理装置である。
好ましくは、前記ガイドオブジェクトの少なくとも一部は、前記転向領域に重ねて配置される、前記記載の情報処理装置である。
好ましくは、前記移動オブジェクト制御部は、前記転向操作の入力時点における前記移動オブジェクトの前記転向領域内の位置に基づいて、前記移動オブジェクトの移動速度又は前記移動オブジェクトが発動する効果の少なくとも一方を制御する、前記記載の情報処理装置である。
好ましくは、前記移動オブジェクト制御部は、前記転向操作の入力時点において、前記移動オブジェクト方向が所定の角度範囲にある場合に、通常モードでは、前記移動オブジェクト方向を前記第2方向とし、特別モードでは、前記移動オブジェクト方向以外の方向を前記第2方向とする、前記記載の情報処理装置である。
好ましくは、前記プレーヤーオブジェクト制御部は、タッチパネル上でのスライド操作を、前記プレーヤーオブジェクトを移動させる移動操作として受け付け、前記移動オブジェクト制御部は、前記タッチパネルへのタッチを解除するタッチ解除操作を前記転向操作として受け付ける、前記記載の情報処理装置である。
好ましくは、コンピュータに、プレーヤーオブジェクト制御ステップと、移動オブジェクト制御ステップを実行させる、コンピュータプログラムであって、前記プレーヤーオブジェクト制御ステップでは、仮想空間内に配置されるプレーヤーオブジェクトをプレーヤーの操作に基づいて制御し、前記移動オブジェクト制御ステップでは、前記仮想空間内を移動する移動オブジェクトの移動を制御し、前記移動オブジェクト制御ステップでは、前記プレーヤーによる転向操作が入力されたときに、前記転向操作の入力前の前記移動オブジェクトの移動方向である第1方向によらず、前記転向操作の入力時点での前記プレーヤーオブジェクトと前記移動オブジェクトの位置に基づいて前記移動オブジェクトの移動方向を第2方向に変更する、コンピュータプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報処理装置10のハードウェア構成図である。
図2】情報処理装置10の電気的構成を示す機能ブロック図である。
図3】情報処理装置10の主制御部24の機能ブロック図である。
図4】タッチパネルディスプレイ14に表示される仮想空間1を示す。
図5】転向操作後の移動オブジェクト3の移動方向の説明図である。
図6】転向操作後の移動オブジェクト3の移動方向の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0012】
1.情報処理装置10の構成
本発明の一実施形態のコンピュータプログラムを実行可能な情報処理装置10について説明する。図1に示すように、情報処理装置10の筐体12には、その正面12Aに、画面に画像を表示する画像表示手段であるタッチパネルディスプレイ14が備えられる。タッチパネルディスプレイ14は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)及びタッチセンサを備える。LCDは、各種画像を表示し、タッチセンサは、指、スタイラス、又はペン等の指示体を用いて行われる各種入力操作を受け付ける。
【0013】
また、情報処理装置10の正面12Aには、音が入力されるマイクロフォン16、音を出力するスピーカ18、及び被写体を撮像するカメラ20が備えられる。カメラ20は、筐体12の正面12Aだけでなく筐体12の背面にも備えられる。さらに、筐体12の側面12Bには、情報処理装置10を起動又は停止させるための電源ボタンやスピーカ18が出力する音のボリューム調整ボタン等の操作ボタン22が備えられる。
【0014】
また、情報処理装置10の筐体12には、メモリカードが挿入されるスロットやUSB(Universal Serial Bus)端子等が備えられる。
【0015】
図2は、情報処理装置10の電気的構成を示す機能ブロック図である。
【0016】
情報処理装置10は、上記構成に加え、主制御部24、主記憶部26、補助記憶部28、通信部30を備える。
【0017】
主制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)等であり、情報処理装置10の全体の動作を制御する。
【0018】
主記憶部26は、例えば、RAM(Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されており、主制御部24による各種プログラムに基づく処理の実行時のワークエリア等として用いられる。
【0019】
補助記憶部28は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、画像等の各種データ及び主制御部24の処理に利用されるプログラム等を保存する。補助記憶部28に記憶されるプログラムは、例えば、情報処理装置10の基本的な機能を実現するためのOS(Operating System)、各種ハードウェア制御するためのドライバ、電子メールやウェブブラウジング、その他各種機能を実現するためのアプリケーションプログラム等である。また、補助記憶部28には、詳細を後述する本実施形態に係るゲームを実行するためのプログラムが予め記憶されている。
【0020】
通信部30は、例えばNIC(Network Interface Controller)であり、携帯電話網等の通信網に接続する機能を有する。なお、通信部30は、NICに代えて又はNICと共に、無線LAN(Local Area Network)に接続する機能、無線WAN(Wide Area Network)に接続する機能
、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等を可能とする機能を有してもよい。
【0021】
これら主制御部24、主記憶部26、補助記憶部28、通信部30、タッチパネルディスプレイ14、マイクロフォン16、スピーカ18、カメラ20、及び操作ボタン22は、システムバス33を介して相互に電気的に接続されている。従って、主制御部24は、主記憶部26及び補助記憶部28へのアクセス、タッチパネルディスプレイ14に対する画像の表示、ユーザーによるタッチパネルディスプレイ14や操作ボタン22に対する操作状態の把握、マイクロフォン16への音の入力、スピーカ18からの音の出力、カメラ20に対する制御、及び通信部30を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行える。
【0022】
2.本実施形態に係るゲームに関する機能ブロック図
図3は、本実施形態に係るゲームに関する機能ブロック図である。
【0023】
主制御部24は、プレーヤーオブジェクト制御部24aと、移動オブジェクト制御部24bと、ガイドオブジェクト制御部24cを備える。制御部24a~24cは、それぞれ、プレーヤーオブジェクト2、移動オブジェクト3、ガイドオブジェクト4を制御する(図4を参照)。
【0024】
主制御部24が備える各機能ブロックは、補助記憶部28に記憶されているコンピュータプログラムによって実現される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよく、このコンピュータプログラムを主記憶部26に読み出して実行してもよく、補助記憶部28にインストールした後に補助記憶部28から主記憶部26に読み出して実行してもよい。ネットワークを通じてダウンロードしたコンピュータプログラムをインストールすることによって本実施形態のゲームを実行可能な情報処理装置10を構成することができる。
【0025】
3.ゲームの詳細
本発明が対象とするゲームでは、図4に示すように、タッチパネルディスプレイ14上に表示される仮想空間1内にプレーヤーオブジェクト2と移動オブジェクト3が配置される。仮想空間1は、ゲームに関連するオブジェクトが配置される空間であり、二次元空間であってもよく、三次元空間であってもよい。以下の説明中でのプレーヤーオブジェクト2及び移動オブジェクト3の位置(座標)は、プレーヤーオブジェクト2及び移動オブジェクト3内の所定の基準点(例えば中心)の位置を意味する。
【0026】
プレーヤーオブジェクト2は、ゲームを実行するプレーヤーによって操作可能なオブジェクトであり、プレーヤーオブジェクト制御部24aによって制御される。プレーヤーオブジェクト2に対する操作としては、プレーヤーオブジェクト2を移動させる移動操作や、移動オブジェクト3の移動方向を変える転向操作等が例示される。転向操作は、例えば、ボールなどの移動体を打ち返す打ち返し操作である。
【0027】
プレーヤーオブジェクト2の移動の自由度は、ゲーム内容によって適宜設定され、移動不可、一次元移動のみ可能、二次元移動のみ可能、三次元移動可能のいずれであってもよい。移動操作は、例えば、タッチパネルディスプレイ14上で指示体をスライド移動させるスライド操作によって行うことができる。転向操作は、例えば、タッチパネルディスプレイ14へのタッチを解除するタッチ解除動作によって行うことができる。従って、例えば、タッチパネルディスプレイ14で指をスライドさせることによってプレーヤーオブジェクト2を移動させ、所定のタイミングで指をタッチパネルディスプレイ14から離すことによって転向操作を行うことができる。
【0028】
移動オブジェクト3は、プレーヤーオブジェクト2のプレーヤーの操作に関わらずに、仮想空間1内を移動するオブジェクトであり、移動オブジェクト制御部24bによって制御される。移動オブジェクト3は、好ましくはボールなどの移動体である。移動オブジェクト3の移動は、好ましくは直線移動であるが、曲線移動するものであってもよい。また、移動オブジェクト3は、好ましくは、壁や画面の端などの反射オブジェクト5に衝突すると反射して移動方向が変化する。この際、移動オブジェクト3が正反射するように移動方向が変化することが好ましい。
【0029】
プレーヤーオブジェクト2には、転向領域2aが設定される。転向領域2aは、好ましくはプレーヤーオブジェクト2に隣接した領域であり、さらに好ましくはプレーヤーオブジェクト2から所定の距離内の円形又は扇形の領域である。プレーヤーオブジェクト2の移動に伴って、転向領域2aも移動する。転向領域2aは、打ち返しが可能な領域に設定されることが好ましく、例えばテニスゲームでは、ラケットが届く範囲に設定されることが好ましい。
【0030】
図5に示すように、移動オブジェクト3が転向領域2a上に位置しているときに、プレーヤーによる転向操作が入力されると、移動オブジェクト制御部24bは、転向操作の入力前の移動オブジェクト3の移動方向である第1方向D1によらず、転向操作の入力時点でのプレーヤーオブジェクト2と移動オブジェクト3の位置に基づいて移動オブジェクト3の移動方向を第2方向D2に変更する。第2方向D2は、例えば、プレーヤーオブジェクト2の中心と移動オブジェクト3の中心を結ぶ方向(以下、「移動オブジェクト方向」)である。
【0031】
転向操作が入力されると、プレーヤーオブジェクト制御部24aは、プレーヤーオブジェクト2がラケットを振る等の打ち返し動作をするように制御することが好ましい。移動オブジェクト3が転向領域2a上に位置していないときに転向操作が入力された場合、入力を無視してもよく、空振りなどの動作をさせるようにしてもよい。
【0032】
移動オブジェクト制御部24bは、転向操作の入力時点における移動オブジェクト3の転向領域2a内の位置に基づいて、移動オブジェクト3の移動速度又は移動オブジェクトが発動する効果の少なくとも一方を制御することが好ましい。「移動オブジェクトが発動する効果」とは、例えば、ゲームを有利に進めるための特定の効果であり、燃える、凍る、ダメージ2倍などが例示される。転向領域2aには、転向操作の最適タイミングを示す最適領域2bが設けられており、例えば、移動オブジェクト3が最適領域2b上に位置しているときに転向操作が行われると、移動オブジェクト3の移動速度が高まったり、移動オブジェクト3が上記効果を発動したりするようにすることができる。最適領域2bは、プレーヤーオブジェクト2を中心とする弧状に設けることが好ましい。
【0033】
通常、移動オブジェクト3とプレーヤーオブジェクト2は、動き続けているので、移動オブジェクト方向は絶えず変化しており、転向操作によって移動オブジェクト3がどの方向に向かって転向されるのか(つまり、どの方向に打ち返されるのか)が直感的に分かりにくい場合がある。この問題を解消するために、移動オブジェクト3の転向操作後の移動方向である第2方向D2を示すガイドオブジェクト4が設けられている。ガイドオブジェクト4の表示は、ガイドオブジェクト制御部24cによって制御される。
【0034】
ガイドオブジェクト4は、少なくとも一部が転向領域2aに重ねて配置されており、移動オブジェクト3又はプレーヤーオブジェクト2が移動すると、ガイドオブジェクト制御部24cは、プレーヤーオブジェクト2を中心とする弧に沿ってガイドオブジェクト4を移動させる。これによって、移動オブジェクト3が転向操作後に移動する方向が直感的に
分かりやすくなって趣向性が向上する。ガイドオブジェクト4は、最適領域2bに沿って移動させることが好ましい。なお、本実施形態の一態様においては、プレーヤーオブジェクト2とガイドオブジェクト4とを結ぶ方向が、移動オブジェクト3の転向操作後の移動方向である第2方向D2となる。
【0035】
ガイドオブジェクト制御部24cは、転向操作のタイミングの最適度合いに応じて、ガイドオブジェクト4の表示を変化させることが好ましい。例えば、最適なポイントに近づくほど、ガイドオブジェクト4の表示が強調される(色の変化、大きさの変化、点滅など)ことが好ましい。移動オブジェクト3が複数存在する場合には、ガイドオブジェクト4も複数設けることが好ましい。
【0036】
ところで、図6に示すように、移動オブジェクト3がプレーヤーオブジェクト2の真横に近い位置にあるときに転向操作がなされる場合があり、この場合に、移動オブジェクト3を移動オブジェクト方向に転向させると、移動オブジェクト3がほぼ真横に向かって移動することになり、ゲームの内容によってはこのような方向への移動が好ましくない場合がある。この場合、移動オブジェクト制御部24bは、転向操作の入力時点において、移動オブジェクト方向が方向αとβで挟まれた所定の角度範囲にある場合に移動オブジェクト方向を第2方向D2とし、移動オブジェクト方向が所定の角度範囲にない場合には、第2方向D2が所定の角度範囲に入るように第2方向D2を決定することが好ましい。後者の場合、例えば、方向αとβのうち移動オブジェクト3に近い方を第2方向D2とすることが好ましい。このとき、ガイドオブジェクト4を方向αとβのうち移動オブジェクト3に近い方に配置することが好ましい。
【0037】
移動オブジェクト制御部24bは、通常モードと特別モードで、転向操作による移動オブジェクト3の転向方向を異ならせてもよい。具体的には、移動オブジェクト制御部24bは、転向操作の入力時点において移動オブジェクト方向が所定の角度範囲にある場合に、通常モードでは、移動オブジェクト方向を第2方向D2とし、特別モードでは、移動オブジェクト方向以外の方向を第2方向D2とすることができる。例えば、敵を倒すことを目的とするゲームでは、特別モードでは、移動オブジェクト方向に関わらず、敵に向かう方向を第2方向D2とすることができる。例えば、ゲームにおいて特定の条件が充足されたときに特別モードが開始されるようにすることができる。特定の条件としては、特定アイテムの使用や、必殺技の使用などが挙げられる。
【0038】
4.その他の実施形態
・上記実施形態は、タッチパネルディスプレイ14でのタッチ操作を前提として説明したが、ボタン式のコントローラを用いて操作してもよい。その場合、方向キー(例:十字キー)の操作によってプレーヤーオブジェクト2を移動させ、ボタンへの入力によって転向操作を行うことができる。
・上記実施形態では、情報処理装置10として、携帯型の情報処理装置を主に想定しているが、情報処理装置10は、据置式の情報処理装置であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 :仮想空間
2 :プレーヤーオブジェクト
2a :転向領域
2b :最適領域
3 :移動オブジェクト
4 :ガイドオブジェクト
5 :反射オブジェクト
10 :情報処理装置
12 :筐体
12A :正面
12B :側面
14 :タッチパネルディスプレイ
16 :マイクロフォン
18 :スピーカ
20 :カメラ
22 :操作ボタン
24 :主制御部
24a :プレーヤーオブジェクト制御部
24b :移動オブジェクト制御部
24c :ガイドオブジェクト制御部
26 :主記憶部
28 :補助記憶部
30 :通信部
33 :システムバス
図1
図2
図3
図4
図5
図6