(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】ジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20240919BHJP
【FI】
G06Q30/015
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020044405
(22)【出願日】2020-03-13
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】520089705
【氏名又は名称】アパテックジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】孫 峰
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-156211(JP,A)
【文献】特開2018-077666(JP,A)
【文献】特開2018-005691(JP,A)
【文献】登録実用新案第3218348(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0188782(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0310744(US,A1)
【文献】国際公開第2019/038968(WO,A1)
【文献】特開2014-102587(JP,A)
【文献】特開2016-018438(JP,A)
【文献】特開2013-242419(JP,A)
【文献】中国実用新案第206025661(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムであって、互いに接続されたジェスチャー識別ユニットと棚展示ユニットとを含み、
前記ジェスチャー識別ユニットは顧客のジェスチャーアクションを取得して、それを前記棚展示ユニットに送信するよう構成され、
前記棚展示ユニットは前記ジェスチャーアクションに基づいて前記ジェスチャー識別ユニットが存在する衣類販売棚の衣類を画像形式で顧客に展示するよう構成され
、
前記ジェスチャー識別ユニットは、順番に接続された、ジェスチャー識別センサ、コントローラ及び第一ワイヤレストランシーバーを含み、
前記ジェスチャー識別センサは、顧客のジェスチャーアクションを検知し、該ジェスチャーアクション情報を前記コントローラに送信し、
前記コントローラは、前記ジェスチャーアクション情報とジェスチャー識別センサのIDコードとを関連付けた後で、前記第一ワイヤレストランシーバーを通して無線で前記棚展示ユニットに送信し、
前記棚展示ユニットは、順番に接続された、第二ワイヤレストランシーバー、プロセッサ、ディスプレイ及びメモリーを含み、
前記プロセッサは、第二ワイヤレストランシーバーを通して、ジェスチャーアクション情報とジェスチャー識別センサのIDコードとを受信し、
前記メモリー中に、ジェスチャー識別センサのIDコードと衣類販売棚の番号との対応関係表が予め保存されており、更に、衣類販売棚の番号を索引とする、当該番号の衣類販売棚のすべての衣類の衣類画像が保存されており、
前記プロセッサが、ジェスチャー識別センサのIDコードと前記対応関係表のジェスチャー識別センサのIDコードとを比較して、一致する場合に、前記対応関係表に基づいて、前記メモリー中から当該ジェスチャー識別センサのIDコードに対応する衣類販売棚の番号に対応する衣類画像を取り出して、当該衣類販売棚のすべての衣類の衣類画像を前記ディスプレイに送信して展示させるよう構成され、
前記衣類画像は、実際のモデルによる試着写真である、展示システム。
【請求項2】
請求項
1に記載のジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムであって、
前記ディスプレイの数量が衣類販売棚の数量と同じであり、前記衣類販売棚それぞれに一つのディスプレイが取り付けられていることを特徴とする、展示システム。
【請求項3】
請求項
1または
2に記載のジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムであって、
一枚の衣類画像は最大三点の衣類を示し、前記衣類販売棚の衣類が三点以上の場合に、複数の衣類画像がスクロール表示されることを特徴とする、展示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムに関するものであり、衣類販売設備の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
売り場において、顧客を引き付けて販売棚に足を止めさせ、潜在的な販売を形成するために、XBOX(登録商標)に基づくKINECT体感設備の体感ゲームを通して顧客とインタラクションすることは一般的である。しかし、そのようなインタラクションは往々にして、広い場所を必要とし、使用場面には大きな制約がある。同時に、インタラクションの内容をカスタマイズすることができず、通常、体感設備の供給者の実際の販売業務とは関係がなく、そのため、顧客が足を止めたとしても、好奇心を持つだけで、それによる消費行動にはつながりにくい。
【0003】
顧客が衣料品店で衣類の具体的な情報を確認する必要がある場合、棚に衣類を吊るすという形式上の制約により、常に商品棚にあるすべての衣類のデザインと詳細を、即座に直観的に確認することはできない。試着室に行って試着してはじめて、実際に人が衣類を着たときの効果を見ることができるのは、非常に不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムを提供し、顧客のジェスチャーによって衣類販売棚の衣類情報のマルチメディア展示をアクティベートして、顧客のショッピング体験を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を実現するために、本発明は、一種のジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムであって、互いに接続されたジェスチャー識別ユニットと棚展示ユニットとを含み、前記ジェスチャー識別ユニットは顧客のジェスチャーアクションを取得し、それを前記棚展示ユニットに送信するよう構成され、前記棚展示ユニットは前記ジェスチャーアクションに基づいて前記ジェスチャー識別ユニットの存在する衣類販売棚の衣類を画像形式で顧客に展示するよう構成される。
【0006】
さらに、前記ジェスチャー識別ユニットは、順番に接続されたジェスチャー識別センサ、コントローラ及び第一ワイヤレストランシーバーを含み、前記ジェスチャー識別センサは顧客のジェスチャーアクションを検知し、該ジェスチャーアクション情報を前記コントローラに送信するよう構成され、前記コントローラは前記ジェスチャーアクション情報とジェスチャー識別センサのIDコードとを関連付けた後で前記第一ワイヤレストランシーバーを通して無線で前記棚展示ユニットに送信するよう構成される。
【0007】
さらに、前記棚展示ユニットは、順番に接続された第二ワイヤレストランシーバー、プロセッサ、ディスプレイ及びメモリーを含み、前記プロセッサは前記第二ワイヤレストランシーバーを通して前記ジェスチャーアクション情報とジェスチャー識別センサのIDコードとを受信し、前記メモリー中にはジェスチャー識別センサのIDコードと衣類販売棚の番号との対応関係表が予め保存されており、更に、前記衣類販売棚の番号を索引とする、当該番号の衣類販売棚のすべての衣類の画像が保存されており、プロセッサが、受信したジェスチャー識別センサのIDコードと、前記対応関係表のジェスチャー識別センサのIDコードとを比較し、一致する場合に、前記対応関係表に基づいて、前記メモリーの中から当該ジェスチャー識別センサのIDコードに対応する衣類販売棚の番号に対応する衣類画像を取り出して、当該衣類画像を前記ディスプレイに送信して展示させるよう構成される。
【0008】
さらに、前記ディスプレイの数量は衣類販売棚の数量と同じであり、前記衣類販売棚それぞれに一つのディスプレイが取り付けられている。
さらに、一枚の衣類画像は最大三点の衣類を示し、前記衣類販売棚にある衣類が三点以上の場合、複数の衣類画像がスクロール表示される。
さらに、前記衣類画像は、実際のモデルによる試着写真である。
【0009】
本発明の上述の技術方案によれば、顧客が衣類販売棚の付近で手を振るだけで、ジェスチャー識別ユニットはジェスチャーアクションを取得して、前記棚展示ユニットに送信することができ、棚のすべての衣類の試着画像をディスプレイによって顧客に直観的に展示して、顧客が衣類情報を閲覧する速度を上げて、ショッピング体験を向上させ、最終的に顧客の衣類購入意欲を有効に高める。
本発明の実施形態の他の特徴と利点を、以下の具体的な実施方式の部分で詳細に説明する。
【0010】
添付の図面は、本発明の実施形態のさらなる理解を提供するために使用され、明細書の一部を構成して、以下の具体的な実施方式とともに本発明の実施形態を説明するために使用されるが、本発明の実施形態を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一つの実施形態の原理を示すブロック図である。
【
図2】本発明のもう一つの実施形態の原理を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一つの実施形態におけるコントローラのインターフェースの回路図である。
【
図4】本発明の一つの実施形態における第一/第二ワイヤレストランシーバーのインターフェースの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
これから添付の図面を参照して、本発明の実施形態の具体的な実施方式を詳細に説明する。理解すべきなのは、ここで表した具体的な実施方式は、本発明の実施形態の説明と解釈のためだけに用いられ、本発明の実施形態を限定するのには使用されないことである。
【0013】
図1に示す通り、本発明のジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムの一つの実施形態は、互いに接続されたジェスチャー識別ユニットと棚展示ユニットとを含み、前記ジェスチャー識別ユニットは顧客のジェスチャーアクションを取得し、それを前記棚展示ユニットに送信するよう構成され、前記棚展示ユニットは前記ジェスチャーアクションに基づいて前記ジェスチャー識別ユニットの存在する衣類販売棚の衣類を画像形式で顧客に展示するよう構成される。
【0014】
図2に示す通り、本発明のジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムの一つの実施形態において、前記ジェスチャー識別ユニットは、順番に接続されたジェスチャー識別センサ、コントローラ及び第一ワイヤレストランシーバーを含み、前記ジェスチャー識別センサは顧客のジェスチャーアクションを検知し、該ジェスチャーアクション情報を前記コントローラに送信するのに用いられ、前記コントローラは前記ジェスチャーアクション情報とジェスチャー識別センサのIDコードとを関連付けた後で前記第一ワイヤレストランシーバーを通して無線で前記棚展示ユニットに送信する。
【0015】
前記棚展示ユニットは、順番に接続された第二ワイヤレストランシーバー、プロセッサ、ディスプレイ及びメモリーを含み、前記プロセッサは前記第二ワイヤレストランシーバーを通してジェスチャーアクション情報とジェスチャー識別センサのIDコードとを受信し、前記メモリー中にはジェスチャー識別センサのIDコードと衣類販売棚の番号との対応関係表が予め保存されており、更に、前記衣類販売棚の番号を索引とする、当該番号の衣類販売棚のすべての衣類の画像が保存されており、プロセッサは、受信したジェスチャー識別センサのIDコードと前記対応関係表のジェスチャー識別センサのIDコードとを比較し、一致する場合に、前記対応関係表に基づいて、前記メモリーの中から当該ジェスチャー識別センサのIDコードに対応する衣類販売棚の番号に対応する衣類画像を取り出して、当該衣類画像を前記ディスプレイに送信して展示させるよう構成される。
【0016】
本発明のジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムの一つの実施形態において、前記ディスプレイの数量は衣類販売棚の数量と同じであり、前記衣類販売棚それぞれに一つのディスプレイが取り付けられて、ある棚のディスプレイはその棚の衣類の情報のみを表示することで、展示効果を保証する。ディスプレイには、テレビなどを選択できる。
【0017】
本発明のジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムの一つの実施形態において、一枚の衣類画像は最大三点の衣類を示し、前記衣類販売棚の衣類が三点以上の場合、複数の衣類画像がスクロール表示される。また、前記衣類画像は、実際のモデルによる試着写真であることが望ましい。
【0018】
本発明のジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムの一つの実施形態において、ジェスチャー識別ユニットのジェスチャー識別センサにはPAJ7620が使用される。これは3Dジェスチャー識別とモーショントラッキングを一体化したインターラクティブ・センサであり、ジェスチャー情報はI2Cバスによって容易にアクセス可能である。当該センサはジェスチャー識別機能と汎用のI2Cインターフェースとを組合せ、内部に上向き(Up)、下向き(Down)、左向き(Left)、右向き(Right)、前向き(Forward)、後ろ向き(Backward)、時計回り(Clockwise)、反時計回り(Counterclockwise)、及び振る(Wave)の9種類のジェスチャーを設け、それらのジェスチャー情報にI2Cバスにより容易にアクセス可能である。
【0019】
図3に示す通り、本発明のジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムの一つの実施形態において、ジェスチャー識別ユニットのコントローラ・チップにはSTM32F103モノリシック・メインコントロール・チップが使用される。これはARM(登録商標)、Cortex(登録商標)をコアとする32ビットマイクロ・コントローラで、高性能、リアルタイム性、デジタル信号処理、低消費電力、低電圧の特性を有すると同時に、高い集積度と開発しやすい特徴を持っている。当該モノリシック・メインコントロール・チップは、ジェスチャー識別センサPAJ7620が生成したジェスチャー情報をI
2Cバスを通して受信し、該ジェスチャー情報をモノリシック・チップのデータ出力端子を通して第一ワイヤレストランシーバーの入力端子に送信する。
【0020】
図4に示す通り、本発明のジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムの一つの実施形態において、第一ワイヤレストランシーバーと第二ワイヤレストランシーバーには、ともにNRF24L01モノリシック・ワイヤレス・トランシーバーが使用される。第一ワイヤレストランシーバーのデータ入力端子が、モノリシック・メインコントロール・チップのジェスチャー情報データとジェスチャー識別センサのIDコードとを受信して、第一ワイヤレストランシーバーのデータ出力端子が、それらのデータを第二ワイヤレストランシーバーのデータ入力端子に無線で伝送し、第二ワイヤレストランシーバーのデータ出力端子がデータを棚展示ユニットのプロセッサに送信する。
本発明に関する制御ソフトウェアには、既存の技術が使用される。
【0021】
以上において、添付の図面を参照して、本発明の実施形態において選択可能な実施方式を説明した。しかしながら、本発明の実施形態は上で述べられた実施方式の詳細に限定されるものではなく、本発明の実施形態の技術構想の範囲内で、本発明の実施形態の技術方案に対して様々な簡単な変更を行うことができ、それらの簡単な変更は全て本発明の実施形態の保護範囲に属する。
【0022】
また、説明する必要があることとして、上述の具体的な実施方式に示された様々な具体的な技術特徴は、矛盾しない状況において、任意の方式で組み合わせることができる。不必要な重複を避けるために、本発明の実施形態の様々な可能な組み合わせ方式について、別途説明することはしない。
また、本発明の実施形態の様々な実施方式間での任意の組み合わせが可能であり、本発明の実施形態の思想に反しない限りにおいて、それらも同様に、本発明の実施形態として公開された内容とみなされるべきである。
【0023】
本発明は、衣類販売設備の分野に属し、ジェスチャーアクション識別に基づく衣類販売棚の展示システムを公開している。該システムは、互いに接続されたジェスチャー識別ユニットと棚展示ユニットとを含み、ジェスチャー識別ユニットは顧客のジェスチャーアクションを取得して棚展示ユニットに送信するよう構成され、棚展示ユニットはジェスチャーアクションに基づいて、ジェスチャー識別ユニットの存在する衣類販売棚の衣類を画像形式で顧客に展示するよう構成される。本発明において、顧客が衣類販売棚付近で手を振るだけで、ジェスチャー識別ユニットはジェスチャーアクション情報を取得して棚展示ユニットに送信することができ、棚のすべての衣類の試着画像をディスプレイによって顧客に直観的に展示して、顧客が衣類情報を閲覧する速度を上げて、ショッピング体験を向上させ、最終的に顧客の衣類購入意欲を有効に高める。