(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20240101AFI20240919BHJP
【FI】
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2021087124
(22)【出願日】2021-05-24
【審査請求日】2023-09-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和 2年12月29日に、株式会社ペースノートのウェブサイトにて公開(https://www.pacenote.jp/プロダクト) 令和 3年 1月10日に、日経 ヘルスケア,第375号,第56~58頁にて公開 令和 3年 3月 8日に、きらケア研究所のウェブサイトにて公開(https://job.kiracare.jp/lab/article/1535/)
(73)【特許権者】
【識別番号】521224343
【氏名又は名称】株式会社ペースノ-ト
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】由井 聖太
(72)【発明者】
【氏名】野尻 智洋
(72)【発明者】
【氏名】上甲 晋資
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-157210(JP,A)
【文献】特開2019-082772(JP,A)
【文献】特開2020-052762(JP,A)
【文献】特開2019-101675(JP,A)
【文献】特開2004-038898(JP,A)
【文献】特開2016-115096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のベッドを有する介護施設における短期入所の利用予約に係るベッド情報、利用者情報及び利用日を含む利用情報を複数取得し、
取得した複数の前記利用情報を記憶し、
記憶した複数の前記利用情報に基づき、
所定期間における前記利用予約のない定期利用者と、前記所定期間における前記利用予約のある新規利用者とを抽出し、
前記所定期間における各ベッドの利用予約状況
を示す表であって、第1軸を利用日、第2軸をベッドIDとし、同一の利用日及び同一のベッドIDに対応する複数の利用予約を前記第2軸方向に並べて表示可能に構成されている表と、
抽出した前記所定期間における前記利用予約のない定期利用者
の氏名を含む定期利用者リストと、前記所定期間における前記利用予約のある新規利用者
の氏名を含む新規利用者リストと、を出力する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記新規利用者リストは、前記所定期間の次の期間における前記利用予約のない前記新規利用者
の氏名を含むリストと、前記所定期間の次の期間における前記利用予約のある前記新規利用者
の氏名を含むリストと、を
含む
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記介護施設における前記ベッドのうち長期入所の利用に供する前記ベッドにおいて短期入所用に利用可能な空枠に関する情報を取得し、
取得した前記空枠に関する情報を出力する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記所定期間における前記利用予約のない定期利用者又は前記所定期間の次の期間における前記利用予約のない前記新規利用者に対する前記利用予約を受け付けるためのフォロー情報を出力する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
複数の前記利用情報に基づき算出される、前記ベッドの稼働率を出力する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
複数の前記利用情報に基づき算出される、同一の前記ベッド及び前記利用日に対し異なる前記利用予約の存在する被せ利用日に関する情報を出力する
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
複数の前記利用情報に基づき算出される、前記介護施設の利用予約状況が新規から定期へ変更された利用者数、定期から継続して定期である利用者数及び定期から休止へ変更された利用者数の少なくとも一つを含むコンバージョン情報を出力する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
複数の居宅介護支援事業所に関する居宅介護支援事業所情報を取得し、
取得した前記居宅介護支援事業所情報に基づき、複数の前記居宅介護支援事業所の中から新たな利用予約を受け付けるための営業対象となる居宅介護支援事業所を特定する
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記居宅介護支援事業所における要介護以上の利用者数、短期入所の有無、前記介護施設と前記居宅介護支援事業所との距離及び前記居宅介護支援事業所を介した前記介護施設の利用者数の少なくとも1つに基づき決定される順序に従い、複数の前記営業対象となる居宅介護支援事業所をソートする
請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記利用情報に基づき前記介護施設における前記ベッドの空状況を検索し、
検索結果に応じて前記介護施設における前記ベッドの空状況を示す情報を出力する
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
複数の前記介護施設における前記利用情報に基づき、複数の前記介護施設における前記ベッドの空状況を一覧で出力する
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記利用情報に基づき前記介護施設における前記ベッドの空状況を取得し、
取得した前記介護施設における前記ベッドの空状況を居宅介護支援事業所の担当者に通知するための通知情報を生成する
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項13】
複数のベッドを有する介護施設における短期入所の利用予約に係るベッド情報、利用者情報及び利用日を含む利用情報を複数取得する取得部と、
取得した複数の前記利用情報を記憶する記憶部と、
所定期間における前記利用予約のない定期利用者と、前記所定期間における前記利用予約のある新規利用者とを抽出し、
前記所定期間における各ベッドの利用予約状況
を示す表であって、第1軸を利用日、第2軸をベッドIDとし、同一の利用日及び同一のベッドIDに対応する複数の利用予約を前記第2軸方向に並べて表示可能に構成されている表と、
抽出した前記所定期間における前記利用予約のない定期利用者
の氏名を含む定期利用者リストと、前記所定期間における前記利用予約のある新規利用者
の氏名を含む新規利用者リストと、を出力する出力部と
を備える情報処理装置。
【請求項14】
複数のベッドを有する介護施設における短期入所の利用予約に係るベッド情報、利用者情報及び利用日を含む利用情報を複数取得し、
取得した複数の前記利用情報を記憶し、
記憶した複数の前記利用情報に基づき、
所定期間における前記利用予約のない定期利用者と、前記所定期間における前記利用予約のある新規利用者とを抽出し、
前記所定期間における各ベッドの利用予約状況
を示す表であって、第1軸を利用日、第2軸をベッドIDとし、同一の利用日及び同一のベッドIDに対応する複数の利用予約を前記第2軸方向に並べて表示可能に構成されている表と、
抽出した前記所定期間における前記利用予約のない定期利用者
の氏名を含む定期利用者リストと、前記所定期間における前記利用予約のある新規利用者
の氏名を含む新規利用者リストと、を出力する
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項15】
複数のベッドを有する介護施設
における短期入所の利用予約に係る所定期間における各ベッドの利用予約状況
を示す表であって、第1軸を利用日、第2軸をベッドIDとし、同一の利用日及び同一のベッドIDに対応する複数の利用予約を前記第2軸方向に並べて表示可能に構成されている表と、前記所定期間における利用予約のない定期利用者
の氏名を含む定期利用者リストと、前記所定期間における前記利用予約のある新規利用者
の氏名を含む新規利用者リストと、を受信し、
受信した前記利用予約状況
を示す表と、前記定期利用者
リストと、前記新規利用者
リストと、を表示する
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
前記利用予約のない前記定期利用者と、前記定期利用者に対する前記利用予約を受け付けるためのフォロー作業の完了を入力するチェックボックスとを対応付けて表示する
請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
新たな利用予約を受け付けるための営業対象となる居宅介護支援事業所を受信し、
受信した前記営業対象となる居宅介護支援事業所を表示する
請求項15又は請求項16に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化社会の進行に伴い介護施設を利用する被介護者が増加している。被介護者である利用者及びその家族は、例えばケアマネージャーと相談することにより介護施設の選択、介護施設との契約及び利用スケジュールの決定等を行う。利用スケジュールに沿って予め介護施設へ利用予約が行われ、利用予約当日に利用者は介護施設へ入所する。
【0003】
介護施設の担当者は、利用者に対する介護業務を行いながら、利用者の送迎、ケアマネージャーに対する営業、各種事務処理などを行う必要があり、負担が大きかった。このような介護施設における作業の効率化を図るための技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
介護施設の利用方法のうち短期入所療養介護事業、短期入所生活介護事業、介護予防短期入所療養介護事業及び介護予防短期入所生活介護事業(いわゆるショートステイ)では、1回の利用あたり1泊2日又は2泊3日等の短い期間を月に複数回といった入所形態で介護施設を利用する利用者が多い。このため、介護施設では数多くの利用予約を管理する必要があり、管理作業の効率性に関して改善の余地があった。
【0006】
本開示の目的は、介護施設における利用予約管理作業の効率性を向上することのできる情報処理方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、複数のベッドを有する介護施設における短期入所の利用予約に係るベッド情報、利用者情報及び利用日を含む利用情報を複数取得し、取得した複数の前記利用情報を記憶し、記憶した複数の前記利用情報に基づき、所定期間における各ベッドの利用予約状況と、前記所定期間における前記利用予約のない定期利用者に関する情報と、前記所定期間における前記利用予約のある新規利用者に関する情報と、を出力する。
【0008】
本開示によれば、介護施設における利用予約管理作業の効率性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】利用者DBのレコードレイアウトを例示する説明図である。
【
図4】介護施設DBのレコードレイアウトを例示する説明図である。
【
図5】利用情報DBのレコードレイアウトを例示する説明図である。
【
図6】利用者履歴DBのレコードレイアウトを例示する説明図である。
【
図7】営業DBのレコードレイアウトを例示する説明図である。
【
図8】介護施設端末の構成を示すブロック図である。
【
図9】居宅介護支援事業所端末の構成を示すブロック図である。
【
図11】管理画面における利用予約の受け付けを説明する説明図である。
【
図13】ダッシュボード画面の第一例を示す模式図である。
【
図14】ダッシュボード画面の第二例を示す模式図である。
【
図15】予約状況の出力処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】ダッシュボードの出力処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17】第2実施形態における予約状況の出力処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】第2実施形態における利用予約表を含む画面233の一例を示す模式図である。
【
図19】第3実施形態における空状況の出力処理の一例を示すフローチャートである。
【
図20】空状況一覧画面の一例を示す模式図である。
【
図21】第4実施形態における空状況の通知の生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図22】通知情報に基づく空状況の通知の一例を示す模式図である。
【
図23】第5実施形態における営業先リストの一例を示す模式図である。
【
図24】第5実施形態における営業先リストの生成処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、情報処理システム100の概要図である。本実施形態における情報処理システム100は、情報処理装置1及び複数の介護施設端末2を含む。情報処理装置1及び介護施設端末2それぞれは、ネットワークNを介して情報の送受信が可能である。ネットワークNは、所謂インターネットである公衆通信網、キャリア事販売業者が提供するキャリアネットワーク、無線通信ネットワーク等を含む。
【0012】
情報処理装置1は、様々の情報処理、情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータである。情報処理装置1は、例えば利用予約管理サービスの提供者によって管理される。情報処理装置1は、利用予約管理サービスを享受する介護施設における利用者の利用予約に関する利用情報を取得し、取得した利用情報に基づき、利用予約状況を管理するための情報を介護施設端末2へ送信する。
【0013】
介護施設端末2は、通信機能を有する情報処理端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。介護施設端末2はそれぞれ、例えば介護施設における利用予約管理業務を行う生活相談員又は介護施設の全体を管理する管理者等により管理される。各介護施設は、複数のベッドを備え、介護保険制度に基づく介護サービスを提供する。介護施設は、介護老人保健施設及び特別養護老人ホームの機能を備え、当該施設における短期入所生活介護又は短期入所療養介護(ショートステイ)サービスの利用予約を受け付け可能である。なお本実施形態は限定されるものではなく、介護施設は短期入所の利用者のみを受け入れ可能な施設であってもよい。
【0014】
情報処理システム100はさらに、複数の居宅介護支援事業所端末3を含んでもよい。居宅介護支援事業所端末3は、通信機能を有する情報処理端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。居宅介護支援事業所端末3は、ネットワークNを介して情報処理装置1及び介護施設端末2と情報の送受信が可能である。居宅介護支援事業所端末3はそれぞれ、例えば居宅介護支援事業所のケアマネージャー(介護支援専門員)により管理される。
【0015】
介護施設への入所を希望する利用者は、予め介護施設に対し利用予約を申し込む。これらの申し込みは、利用者又はその関係者が直接行うこともできるが、多くの場合、居宅介護支援事業所のケアマネージャーと相談して、介護施設の利用日及び利用回数等を含むケアプランが作成され、作成されたケアプランに従って申し込みが行われている。このように、利用予約の際はケアマネージャーを介して行われることが多い。従って、介護施設の予約に空きがある場合、各介護施設の生活相談員は、ケアマネージャーに空状況を伝え、空きがある期間に入所を希望する利用者からの利用予約を受け付けるための営業活動を行う。
【0016】
従来、このような利用予約状況の管理、営業活動に関する作業の多くが人手により行われており、生活相談員の負担が大きかった。本情報処理システム100では、情報処理装置1により利用予約に関する利用情報を一元管理し、利用情報に基づき生成した利用予約管理や営業活動を支援するための情報を、情報処理装置1から介護施設端末2へ送信する。介護施設の生活相談員又は管理者等の担当者は、介護施設端末2を介して提供される各種の情報を用いることで、作業工数を低減することができる。
【0017】
このような情報処理システム100の構成及び詳細な処理内容について以下に説明する。
【0018】
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、制御部10、記憶部11、通信部12、表示部13及び操作部14を備える。情報処理装置1は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであってもよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。
【0019】
制御部10は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit )、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いたプロセッサである。制御部10は、内蔵するROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。
【0020】
記憶部11は、例えばハードディスク又はSSD(Solid State Drive )等の不揮発性の記憶媒体である。記憶部11には、プログラム1Pを含む制御部10が参照するプログラム及びデータが記憶されている。制御部10は、プログラム1Pを読み出して実行することによって、汎用的なサーバコンピュータを本開示特有の情報処理装置として機能させる。記憶部11は、複数の記憶装置により構成されていてもよく、情報処理装置1に接続された外部記憶装置であってもよい。
【0021】
記憶部11に記憶されるプログラム1Pは、記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されている態様であってもよい。記憶部11は、図示しない読出装置によって記録媒体1Aから読み出されたプログラム1Pを記憶する。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからプログラム1Pをダウンロードし、記憶部11に記憶させたものであってもよい。
【0022】
記憶部11には更に、利用者DB(Data Base:データベース)111、介護施設DB112、利用情報DB113、利用者履歴DB114及び営業DB115等が記憶されている。
【0023】
通信部12は、ネットワークNを介した通信を実現するための通信デバイスである。制御部10は、通信部12を介して介護施設端末2及び居宅介護支援事業所端末3それぞれとの情報の送受信を行う。
【0024】
表示部13は、例えば液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence )ディスプレイ等のディスプレイ装置である。表示部13は、制御部10からの指示に従って各種の情報を表示する。
【0025】
操作部14は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースである。入力装置は、例えばキーボード、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等である。操作部14は、ユーザからの操作入力を受け付け、操作内容に応じた制御信号を制御部10へ送出する。
【0026】
図3は、利用者DB111のレコードレイアウトを例示する説明図である。利用者DB111は、介護施設の利用予約を行う利用者に関する情報を格納するデータベースである。利用者DB111には、例えば複数の利用者それぞれの利用者IDに関連付けて、利用者名、性別、介護施設ID、担当ケアマネージャー名、介護支援事業名及び連絡先等が格納されている。利用者IDは、利用者を識別するための識別情報であり、利用者情報に対応する。介護施設IDは、利用者の利用する介護施設を識別するための識別情報である。担当ケアマネージャー名は、利用者を担当するケアマネージャーの名前である。介護支援事業名は、ケアマネージャーの属する居宅介護支援事業所の名称である。連絡先は、介護施設から利用者に関する連絡を行う場合の連絡先であり、例えば利用者、利用者の家族又は担当ケアマネージャー(居宅介護支援事業所)の電話番号、FAX番号、メールアドレス等を含んでよい。利用者DB111には、利用者の要介護度、利用限度額、介護保険被保険者番号等がさらに格納されていてもよい。利用者DB111の情報は、例えば利用者が初めて介護施設を利用する際に、介護施設端末2を介して生活相談員等による入力を受け付けることによって収集される。
【0027】
図4は、介護施設DB112のレコードレイアウトを例示する説明図である。介護施設DB112は、利用予約管理サービスを享受する介護施設に関する情報を格納するデータベースであり、介護施設情報テーブル及びベッド情報テーブルを含む。
【0028】
介護施設情報テーブルには、例えば複数の介護施設それぞれについて、グループID、グループ名、介護施設ID、事業所番号、介護施設名、介護施設の所在地、アカウント情報等が関連付けて格納されている。
【0029】
グループIDとは、例えば複数の介護施設を統括する法人等、介護施設の属するグループ毎に付与される識別情報である。介護施設IDは、介護施設を識別する識別情報である。事業所番号は、地方自治体等の指定権者から付与された番号である。アカウント情報は、情報処理システム100におけるサービスを用いる際に使用するアカウントに関する情報である。アカウント情報は、例えば介護施設における複数の担当者毎に発行される。アカウント情報は、アカウントID、アカウント名、編集可能介護施設ID及び閲覧可能介護施設ID等を含んでよい。編集可能介護施設ID及び閲覧可能介護施設IDは、アカウントIDの権限であり、後述する利用予約等の編集処理の可能な介護施設、利用予約状況の閲覧の可能な介護施設の介護施設IDを含む。
【0030】
ベッド情報テーブルには、例えば複数のベッドそれぞれについて、ベッドID、介護施設ID、部屋種類、利用可能期間、年月等が関連付けて格納されている。ベッドIDは、ベッドを特定するための情報であり、例えばベッド番号である。なお各ベッドは、ベッド単位で管理されるものに限定されず、複数のベッドを有する部屋単位で管理されるものであってもよい。この場合、ベッド情報は、例えばベッドの設置される部屋を特定するための部屋番号であってもよい。介護施設IDは、ベッドIDのベッドを有する介護施設の介護施設IDである。部屋種類は、ベッドIDのベッドが設置される部屋に関する情報を含む。部屋種類は、例えば個室/多床室、当該部屋の利用可能な性別、ベッドの利用種類(短期利用又は長期利用)に関する情報を含む。利用可能期間は、ベッドの利用可能な期間(利用予約の受け付け可能な期間)である。年月は、ベッド情報の対象期間となる年月である。ベッド情報は、例えばベッドID及び年月毎に生成され、格納される。
【0031】
介護施設DB112の情報は、例えば介護施設の担当者が初めて情報処理システム100におけるサービスを用いる際に情報処理装置1にて提供される登録用の画面上において、担当者が介護施設端末2で登録操作をすることによって収集される。介護施設DB112の情報はまた、介護施設に対して発行されているアカウント情報に対応させて登録することが可能である。
【0032】
図5は、利用情報DB113のレコードレイアウトを例示する説明図である。利用情報DB113は、介護施設における利用予約に関する利用情報を格納するデータベースである。利用情報DB113には、例えば利用ID、利用者ID、介護施設ID、ベッドID、利用開始日、利用終了日、利用日数、被せ日数、空床日数、迎え時間、送り時間、迎え有無、送り有無及び年月等が関連付けて格納されている。各利用情報は、例えばベッドID毎、利用開始日及び年月の時系列順に格納されている。
【0033】
利用IDは、利用情報の識別情報である。利用者IDは、利用予約に係る利用者の利用者IDである。介護施設IDは、利用予約に係る介護施設の介護施設IDである。ベッドIDは、利用予約に係るベッドのベッドIDである。利用開始日は、利用予約に係る短期入所の開始日(入所日)である。利用終了日は、利用予約に係る短期入所の終了日(退所日)である。利用日数は、利用予約に係る日数(利用日数)である。
【0034】
被せ日数は、ベッドの被せ利用日に関する情報を含む。被せ利用日とは、同一ベッドに対し同日に異なる2つの利用予約が存在する日を意味する。被せ日数とは、被せ利用日の日数を意味する。利用者がショートステイで介護施設を利用する場合、所定のベッドを利用した利用者が午前中に介護施設を退所した後、同日午後から入所する別の利用者が同じベッドを利用するといったベッドの稼働形態が可能である。被せ日数列には、このように同一ベッドに対する利用終了日と利用開始日とが重なる2つの利用情報が存在する被せ利用日をカウントした被せ日数が格納される。制御部10は、同一のベッド番号を含み時系列で隣接する前後の利用情報間においてカウントした被せ日数を、時系列順で後の利用情報の被せ日数列に格納する。
【0035】
例えば
図5に示す例において、2行目の利用情報は、ベッド番号101号室、利用開始日2021年1月4日、利用終了日同年1月6日である。3行目の利用情報は、ベッド番号101号室、利用開始日2021年1月6日、利用終了日同年1月8日である。ベッド番号101号室について、2021年1月4日以降同年1月6日までを利用開始日とする利用情報は存在しないことから、2行目及び3行目の利用情報は時系列で隣接する。2行目の利用情報における利用終了日と、3行目の利用情報における利用開始日とが一致することから、2021年1月6日が被せ利用日となる。従って、被せ日数1がカウントされ、時系列で後(3行目)の利用情報における被せ日数列に1が格納される。なお被せ利用日に関する情報は被せ日数に限定されず、例えば被せ利用率等を含んでもよい。
【0036】
空床日数は、ベッドの空床日に関する情報を含む。空床日とは、ベッドに対する利用予約が無く、ベッドが空いている日を意味する。空床日数とは、空床日の日数を意味する。制御部10は、同一のベッド番号を含み時系列で隣接する前後の利用情報間においてカウントした空床日数を、時系列順で後の利用情報の空床情報列に格納する。
【0037】
例えば
図5に示す例において、1行目の利用情報は、ベッド番号101号室、利用開始日2021年1月1日、利用終了日同年1月2日である。2行目の利用情報は、上記と同様である。ベッド番号101号室について、2021年1月1日以降同年1月4日までを利用開始日とする利用情報は存在しないことから、1行目及び2行目の利用情報は時系列で隣接する。1行目の利用情報における利用終了日以降、2行目の利用情報における利用開始日までの間に利用情報が存在しないことから、前の利用終了日の翌日から後の利用開始日の前日までの期間(
図5の例では2021年1月3日)が空床日となる。従って、空床日数1がカウントされ、時系列で後(2行目)の利用情報における空床日数列に1が格納される。なお空床日に関する情報は空床日数に限定されず、例えば空床率等を含んでもよい。
【0038】
迎え時間は、利用者の介護施設への入所時の迎え時間である。送り時間は、利用者の介護施設からの退所時の送り時間である。迎え有無及び送り有無は、介護施設による利用者の送迎の必要の有無を示す情報である。なお、送迎無しの利用者の場合、送迎時間には利用予約時に受け付けた介護施設へのチェックイン及びチェックアウト時間が格納される。年月は、利用開始日及び利用終了日の年月である。
【0039】
介護施設の担当者は、利用者の利用予約を受け付けた場合、介護施設端末2を用いて、利用者ID、介護施設ID、ベッド番号、利用開始日、利用終了日、送迎情報等の利用予約に関する利用情報を登録することが可能である。情報処理装置1の制御部10は、各介護施設端末2を介して新たな利用情報を取得する都度、取得した利用情報及びそれに応じて導出される情報を利用情報DB113に追加、変更又は削除し、利用情報DB113の情報を随時更新する。
【0040】
図6は、利用者履歴DB114のレコードレイアウトを例示する説明図である。利用者履歴DB114は、利用者の利用予約の履歴に関する情報を格納するデータベースである。利用者履歴DB114には、例えば利用者履歴ID、利用者ID、年月、最終利用日、利用者種類、コンバージョン情報、フォロー要否、フォローチェック、及びフォロー日等が関連付けて格納されている。年月は、履歴状況の判定対象となる期間である。
図6の例では1か月毎に利用者履歴情報が格納される。最終利用日は、利用年月中における、利用者の介護施設の最終利用日である。
【0041】
利用者種類は、利用予約に係る利用者の種類に関する情報であり、例えば定期利用者を示す定期、新規利用者を示す新規、及び休止の利用者を示す休止等が格納される。定期利用者とは、対象介護施設を定期的に利用している利用者であり、過去に対象介護施設の利用予約履歴のある既存の利用者を意味する。定期利用者は、例えば2か月連続して利用予約がある、過去3か月間で5回以上の利用予約がある等の利用条件を満たす利用者であってよい。新規利用者とは、初めて対象介護施設の利用予約を行った利用者を意味する。休止とは、例えば前年月(対象期間)において1回以上の利用予約があり、且つ当年月(次の対象期間)において1回も利用予約がない状態を意味する。制御部10は、利用情報DB113に記憶する情報に基づき利用者種類を決定する。時系列順に記憶される対象介護施設の介護施設IDに係る利用情報において、過去に同一の利用者IDが記憶されていない場合、制御部10は、利用種類列に新規を記録する。過去に同一の利用者IDが記憶されおり、且つ所定の利用条件を満たす場合、制御部10は、利用種類列に定期を記録する。なお利用者種類は新規及び定期の2種類に限定されず、例えば不定期、長期等を含んでもよい。
【0042】
コンバージョン種類は、利用者の利用履歴に関するコンバージョン情報である。コンバージョン種類は、例えば新規から定期、定期から定期、新規から休止、及び定期から休止等を含む。新規から定期とは、当月期間(対象期間)の新規利用者が翌利用年月(次の対象期間)において利用予約を行い、利用者種類が新規から定期へ変更されたことを意味する。定期から定期とは、利用者種類が継続して定期であることを意味する。新規から休止とは、当月期間の新規利用者が翌利用年月において利用予約を行わなかったことを意味する。定期から休止とは、当月期間の定期利用者が翌利用年月において利用予約を行わなかったことを意味する。情報処理装置1の制御部10は、利用情報DB113に収集した情報に基づき、利用履歴に関する情報を導出し利用者履歴DB114に格納する。
【0043】
フォロー要否は、後述の処理により利用者の利用履歴に応じて判定される、フォロー作業の要否に関する情報である。フォローチェックは、フォローが必要である利用者へのフォロー作業の状況を示す情報であり、例えばフォロー済みであることを示す「済」、又は未フォローであることを示す「未」を含む。フォロー日は、フォロー済みとなった日付を含む。
【0044】
図7は、営業DB115のレコードレイアウトを例示する説明図である。営業DB115は、利用者の利用予約を受け付けるための営業活動に利用する情報を格納するデータベースである。営業DB115は、営業先となる居宅介護支援事業所に関する情報と、当該居宅介護支援事業所に対する介護施設の利用状況に関する情報とを含む。営業DB115は、例えば介護施設ID毎に生成されてよい。
【0045】
居宅介護支援事業所に関する情報は、例えば居宅介護支援事業所の事業所番号、名称、ケアマネージャー数、要介護者以上の利用者数、居宅介護支援事業所の系列法人におけるショートステイサービス(短期入所)提供の有無、所在地、電話番号、FAX番号、及び介護施設から居宅介護支援事業所までの距離等を含む。介護施設の利用状況に関する情報は、例えば当月新規利用者数、過去新規利用者数及び定期利用者等を含む。営業DB115の詳細は他の実施形態で詳述する。
【0046】
上記
図3から
図7にて示した各データベースの記憶内容は一例であり限定されるものではない。
【0047】
図8は、介護施設端末2の構成を示すブロック図である。介護施設端末2は、制御部20、記憶部21、通信部22、表示部23及び操作部24を備える。制御部20は、一又は複数のCPU、GPU等を用いたプロセッサであり、内蔵するROM又はRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。
【0048】
記憶部21は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶部21には、プログラム2Pを含む制御部20が参照するプログラム及びデータが記憶されている。記憶部21は、複数の記憶装置により構成されていてもよく、介護施設端末2に接続された外部記憶装置であってもよい。記憶部21はまた、介護施設端末2を識別するための装置情報を記憶している。装置情報は、介護施設端末2に固有の情報であり、介護施設を特定するため情報である。
【0049】
記憶部21に記憶されるプログラム2Pは、記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されている態様であってもよい。記憶部21は、図示しない読出装置によって記録媒体2Aから読み出されたプログラム2Pを記憶する。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからプログラム2Pをダウンロードし、記憶部21に記憶させたものであってもよい。プログラム2Pは、情報処理装置1からダウンロードしたスクリプトプログラムを、制御部20がブラウザプログラム上で実行することにより機能するものであってもよい。
【0050】
通信部22は、ネットワークNを介した通信を実現するための通信デバイスである。制御部20は、通信部22を介して情報処理装置1との間の情報の送受信を行う。
【0051】
表示部23は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置である。操作部24は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースである。操作部24は、例えばディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等である。
【0052】
図9は、居宅介護支援事業所端末3の構成を示すブロック図である。居宅介護支援事業所端末3は、当該居宅介護支援事業所端末3の各構成部の動作を制御する制御部30、記憶部31、通信部32、表示部33及び操作部34を備える。記憶部31は不揮発性の記憶媒体であり、制御部30が参照するプログラム及びデータを記憶する。居宅介護支援事業所端末3のハードウェア構成は介護施設端末2と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0053】
なおプログラム1P及び2Pそれぞれは、単一のコンピュータ上で、または1つのサイトにおいて配置されるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。
【0054】
情報処理装置1は、収集した利用情報に基づき、利用予約を管理するための各種画面情報を介護施設端末2へ提供する。介護施設端末2の制御部20は、情報処理装置1から取得した画面情報に基づき、各種画面を表示部23に表示する。
図10は管理画面231の第一例を示す模式図、
図11は管理画面231における利用予約の受け付けを説明する説明図、
図12は管理画面231の第二例を示す模式図である。
【0055】
図10に示す如く、管理画面231には、利用予約表欄231a、指標欄231b及びフォローリスト欄231cが含まれている。利用予約表欄231aには、利用者の利用予約状況を示す利用予約表が表示される。指標欄231bには、予約状況に関する各種指標が表示される。フォローリスト欄231cには、利用予約に関する管理作業を支援するための情報が表示される。
【0056】
利用予約表は、所定期間(表示対象期間)における利用予約状況を一見して把握することのできる表であり、横軸方向に表示対象期間の日付、縦軸に各ベッドのベッド番号を配置してある。
図10の例にて利用予約表は、2021年1月の1か月間を表示対象期間とし、表示対象期間の前後1日を含む予約状況を一覧表示する。
【0057】
図11を用いて、利用予約表を用いた利用予約の受け付けの流れを説明する。
図11では、説明の簡易のため、管理画面231における利用予約表の一部を示している。情報処理装置1の制御部10は、管理画面231の要求を受け付け、横軸に1か月間の日付、縦軸にベッド番号(ベッドID)を含む利用予約表を生成し、介護施設端末2を介して表示させる。
【0058】
介護施設の担当者は、利用者の利用予約を受け付けると、利用予約表を用いて受け付けた利用予約の内容を入力する。担当者は、
図11の上側に示す如く、利用予約表が表示されている状態で、操作部24を用いて利用予約表上の利用予約対象となるベッド番号及び利用期間に対応する予約枠を選択する。介護施設端末2の制御部20は、例えば選択された予約枠に対し色付け、枠線表示等の処理を施す。この場合において、制御部20は、予約枠の表示色を利用者IDに応じて変更するなど、利用者毎に表示態様を異ならせることが好ましい。制御部20は、予め情報処理装置1から取得した使用可能な表示色を用いることができる。表示色は、予め設定される使用可能な色の中から、ユーザの選択に応じて決定されてもよい。さらに、利用者の選択候補として一覧表示される利用者の中から、予約対象の利用者名を選択する。利用者一覧は、情報処理装置1との通信により介護施設IDに対応付けて登録済みの利用者名を取得することにより表示される。制御部20は、選択された利用者名を色付けした予約枠に重畳表示する。このようにして、利用予約がなされた日付及びベッド番号の交差する予約枠に、予約済みであることを示す色付け等及び利用者名が表示される。
【0059】
制御部20は、操作部24を介して、指定された利用者名の利用者ID、表示色、ベッド番号、利用開始日及び利用終了日を含む利用情報を取得し、情報処理装置1へ送信する。制御部20はまた、管理画面231を介して、利用者の送迎時間、送迎有無の入力を受け付けた場合、受け付けた利用者の送迎時間、送迎有無を情報処理装置1へ送信する。
【0060】
情報処理装置1の制御部10は、受信した利用情報を利用情報DB113に記憶する。新たな利用予約が行われる度、上述の処理が繰り返されることで、表示対象期間における複数の利用情報が記憶される。利用予約表は、利用情報DB113が記憶される都度更新される。なお制御部20は、担当者による入力を受け付けることにより利用情報を取得するものに限定されず、例えば利用予約受付システム等を介して利用予約を受け付けることにより、自動で利用情報を取得してもよい。
【0061】
複数の利用情報を記憶後、任意のタイミングで介護施設端末2から管理画面231の表示要求を受け付けると、情報処理装置1は、
図10に示すような管理画面231を表示するための画面情報を生成し出力する。
【0062】
情報処理装置1の制御部10は、利用情報DB113を参照し、管理画面情報の出力対象となる介護施設の介護施設IDを含む利用情報の中から、利用開始日が表示対象期間内である利用情報を抽出する。制御部10は、横軸に表示対象期間(例えば1か月間)の日付、縦軸にベッド番号を含む利用予約表を生成する。制御部10は、抽出した利用情報に基づき、ベッド番号毎に、利用予約表の利用開始日から利用終了日に対応する日付の予約枠に対し、利用者IDに応じた色付けを施す。また制御部10は、当該利用情報の利用者IDに係る利用者名を利用者DB111から読み出し、利用予約表の予約枠に重畳して表示する。制御部10はまた、送迎有が記憶される利用者については、利用予約と送迎時間とを対応付けて表示する。制御部10は、生成した利用予約表を利用予約表欄231aに表示する。
【0063】
管理画面231にはさらに、指標欄231b及びフォローリスト欄231cが表示される。指標欄231bには、利用情報に基づき算出される予約状況に関する各種指標が含まれる。指標欄231bに含まれる指標には、例えばベッド毎の稼働日数、被せ日数及び空床日数と、ベッド全体(介護施設全体)の稼働率、被せ日数、空床日数等が含まれる。
【0064】
制御部10は、利用情報DB113から抽出した利用情報及び利用者履歴DB114の情報に基づき、表示対象期間におけるベッド毎の稼働日数(利用日数)、被せ日数及び空床日数の合計数を算出する。また制御部10は、各ベッドの日数に基づき、介護施設の有する全ベッドの平均値を算出することで、介護施設に対する総合指標(例えば稼働率、一部屋当たりの被せ日数、一部屋当たりの空床日数、定期顧客数、定期顧客稼働率等)を求める。制御部10は、各指標を指標欄231bに表示する。
【0065】
フォローリスト欄231cには、表示対象期間(当月)の各利用者の利用状況を把握すると共に、所定利用者へのフォロー作業を行うための利用者リストが表示される。利用者リストは、定期利用者に関する情報を含む定期利用者リスト231dと、新規利用者に関する情報を含む新規利用者リスト231e,231fとを含む。
【0066】
新規利用者リスト231e,231fは、表示対象期間において新規の利用予約がなされた全ての新規利用者名及び最終利用日を、フォロー作業の必要の有無に応じて区別して表示する。フォロー作業とは、利用者に対する次回以降の利用予約を受け付けるための作業である。フォロー作業の必要な新規利用者リスト231eには、翌月の利用予約のない新規利用者が含まれる。フォロー作業の必要でない新規利用者リスト231fには、翌月の利用予約済みの新規利用者が含まれる。定期利用者リスト231dは、フォロー作業の必要な定期利用者名を表示する。フォロー作業の必要な定期利用者には、例えば介護施設に登録される定期利用者のうち、当月の利用予約のない定期利用者が含まれる。フォロー作業の必要な新規利用者リスト231e及び定期利用者リスト231dは、各利用者名と、フォロー作業を支援するためのチェックボックスとを対応付けて表示する。
【0067】
制御部10は、利用者履歴DB114に記憶される情報に基づき、月別にフォローリスト対象となる利用者を特定する。具体的には、制御部10は、利用者履歴DB114に記憶される情報に基づき、年月欄に表示対象期間を含み、フォロー要否欄に「要」が格納されている利用者IDを特定する。
【0068】
制御部10は、利用情報DB113に記憶される情報に基づき、フォロー作業の必要となる利用者IDを特定する。制御部10は、利用者種類が定期である利用者IDのうち、利用情報DB113から抽出した対象年月(表示対象期間)分の利用情報に含まれる利用者IDを除く利用者IDを特定し、特定した利用者IDのフォロー要否欄に「要」を記録する。制御部10は、特定した利用者IDの利用者名を利用者履歴DB114より抽出し、表示対象期間に利用予約のない定期利用者として定期利用者リスト231dに表示する。制御部10は、各月の利用者種類に対応付けて、フォロー作業の完了入力を受け付けるためのチェックボックスを表示する。
【0069】
また制御部10は、抽出した表示対象期間分の利用情報に含まれる利用者種類が新規である利用者IDのうち、表示対象期間の次の表示対象期間を利用開始日とする利用情報が取得されていない利用者IDを特定し、特定した利用者IDのフォロー要否欄に「要」を記録する。制御部10は、特定した利用者IDの利用者名を利用者履歴DB114より抽出し、表示対象期間の次の期間に利用予約のない新規利用者として、フォロー作業の必要な新規利用者リスト231eに表示する。制御部10は、各利用者名に対応付けて、フォロー作業の完了入力を受け付けるためのチェックボックスを表示する。
【0070】
制御部10は、抽出した表示対象期間分の利用情報に含まれる利用者種類が新規である利用者IDのうち、表示対象期間の次の表示対象期間を利用開始日とする利用情報が取得済みの利用者IDを特定し、特定した利用者IDのフォロー要否欄に「否」を記録する。制御部10は、特定した利用者IDの利用者名を利用者履歴DB114より抽出し、表示対象期間の次の期間に利用予約済みの新規利用者として、フォロー作業の必要でない新規利用者リスト231fに表示する。
【0071】
図12は、フォロー情報欄231gを示す管理画面231の例を示す。管理画面231は更に、フォロー作業の必要な利用者に対する利用予約の受け付けを支援するためのフォロー情報を表示可能である。フォロー情報は、例えば各利用者を担当するケアマネージャー名、支援事業所名、連絡先等、利用予約の受け付け作業に用いるための情報を含んでよい。フォロー情報は、利用者又は利用者の家族の連絡先等を含んでもよい。
【0072】
介護施設端末2の制御部20は、例えば
図10に示す如く利用者リストが表示されている状態で、いずれかのフォロー作業の必要な新規利用者名又は定期利用者名の選択を受け付けた場合、受け付けた利用者名の利用者IDを情報処理装置1へ送信する。情報処理装置1の制御部10は、介護施設端末2から送信された利用者IDを受信し、利用者DB111を参照して、受信した利用者IDに対応するケアマネージャー名等のフォロー情報を取得する。制御部10は、
図12に示す如く、取得したフォロー情報を含むフォロー情報欄231gを利用者名の近傍に表示させる画面情報を介護施設端末2へ提供する。
【0073】
生活相談員は、管理画面231に表示されるフォローリストに従い、フォロー作業を実施する。生活相談員は、例えば次回利用予約のない定期利用者の担当ケアマネージャーに連絡を入れるといった利用者へのフォロー作業が完了した場合、当該利用者に対応付けられたチェックボックスへフォロー作業の完了を示すチェックマークを入力する。フォロー作業後、新たな利用予約が行われることによりフォロー対象外となった定期利用者は、定期利用者リスト231dから削除される。フォロー作業後、新たな利用予約が行われることによりフォロー対象外となった新規利用者は、フォロー作業の必要な新規利用者リスト231eからフォロー作業の必要でない新規利用者リスト231fに移動される。なお、フォロー作業後、新たな利用予約が行われない利用者については、チェックボックスを有効化した状態で引き続きフォローリスト欄231cに表示してもよく、チェックボックスへのチェック入力を確認後、フォローリストから削除してもよい。制御部10は、利用者リストの利用者IDと、チェックボックスへの入力履歴(フォローチェック、フォロー日)とを対応付けて利用者履歴DB114に記憶しておく。制御部10は、利用者履歴DB114に記憶する情報に基づき、チェックボックスへの入力履歴に応じて定期利用者リスト231d及び新規利用者リスト231eの表示内容を変更させる。
【0074】
利用予約表の表示対象期間及びフォローリストの対象となる利用者の条件は、介護施設毎に、介護施設の利用予約状況、フォロー作業内容に応じて適宜設定することが可能である。例えば、利用予約表の表示対象期間は当月及び翌月の2か月間であり、当月に利用予約のない定期利用者を示す定期利用者リスト231dと、当月の新規利用者のうち翌月に利用予約のない新規利用者を示す新規利用者リスト231eとが表示されてもよい。定期利用者リスト231d及び新規利用者リスト231eは、当月又は翌月等、所定期間における利用予約回数が所定数未満の利用者を含んでもよい。
【0075】
利用予約状況は、その統計指標を表示するダッシュボードとしても提供される。
図13はダッシュボード画面232の第一例を示す模式図、
図14はダッシュボード画面232の第二例を示す模式図である。
図13に示す如く、ダッシュボードは、横軸を所定期間、縦軸を各種指標とする表形式で示される。指標は、例えば介護施設全体、利用者タイプ別、コンバージョン及び宿泊傾向等の複数カテゴリに区分して表示される。
【0076】
介護施設全体の指標は、ベッド稼働率、ベッド稼働率(定期利用者のみ)、一床当たり被せ日数、及び一床当たり空床日数を含む。ベッド稼働率は、所定期間におけるベッドの稼働可能日数に対する、介護施設の有する全ベッドの総稼働日数である。稼働率は、空床日数が少ない程、被せ日数が多い程、高くなる。制御部10は、利用情報DB113及び利用者履歴DB114を参照し、所定期間毎(
図13の例では1か月毎)の全利用情報を読み出し、読み出した利用情報の被せ日数及び空床日数の合計数を算出する。制御部10は、算出した各合計数に基づき得られる各指標をダッシュボードに表示する。所定期間毎の全利用情報とは、例えば利用情報DB113における利用開始日又は利用終了日が所定期間内に含まれる全ての利用情報であってよい。
【0077】
利用者タイプ別の指標は、新規利用者数、定期利用者数、及び総利用者数を含む。制御部10は、利用情報DB113及び利用者履歴DB114を参照し、所定期間毎における全利用情報における利用者ID及び利用者種類に基づき、新規利用者及び定期利用者の合計数と、両利用者の総数とを算出する。
【0078】
コンバージョンの指標は、利用者に関するコンバージョン情報であり、例えば利用者種類が新規、新規から定期、定期から定期、定期から休止、及び定期の利用者数を含む。新規は、対象期間における新規の利用者数を意味する。新規から定期とは、前月と比較して、新規から定期へ変更された利用者数を意味する。定期から定期とは、前月と比較して、継続して定期である利用者数を意味する。定期から休止とは、前月と比較して、定期から利用がなくなった利用者数を意味する。定期は、対象期間における定期利用者数を意味する。制御部10は、利用情報DB113及び利用者履歴DB114を参照し、所定期間毎における全利用情報における利用者ID及び利用者種類に基づき、各利用者数を算出する。コンバージョン情報は、各種利用者数に限定されず、例えば全利用者数に対する各種利用者数の割合を含んでもよい。
【0079】
宿泊傾向の指標は、ロング本数及び平均日数を含む。ロング本数とは、利用期間が所定入所日数(例えば15日)以上である利用予約数を意味する。平均日数とは、全利用者における入所日数の平均を意味する。制御部10は、利用情報DB113を参照し、所定期間毎における全利用情報における利用日数に基づき、これらロング本数及び平均日数を算出する。平均日数は、所定入所日数(例えば利用日数が15日未満)に限定した平均日数等を含んでもよい。より短期入所(ショートステイ)特有の宿泊傾向を正確に把握することができる。
【0080】
ダッシュボードは、例えば数値が所定値未満(又は所定値以上)である場合、アラート情報を表示する。制御部10は、アラート出力対象となる各指標と、閾値とを対応付けて予め記憶しておき、算出した数値が閾値未満であると判定した場合、当該数値に対し、色付け、枠線、点滅等の処理を施すことで、アラート情報を認識可能に示すダッシュボードを生成する。制御部10は、例えば一床当たりの空床日数が所定値以上となった場合、当該所定値以上のセルに対しアラート情報を表示する。制御部10は、一床当たりの被せ日数が所定値未満となった場合、当該所定値未満のセルに対しアラート情報を表示する。制御部10は、定期利用者数が所定値未満となった場合、当該所定値未満のセルに対しアラート情報を表示する。制御部10は、平均日数が所定値以上となった場合、当該所定値未満のセルに対しアラート情報を表示する。
図13に示す例において、アラート対象となる数値には色付けを示すハッチングが施されている。制御部10は、予め各指標とアドバイス情報とを対応付けて記憶しておき、算出結果に応じて例えば「新規→定期利用者率を向上させましょう」等のアドバイス情報を出力してもよい。
【0081】
またダッシュボードは、日次の稼働率推移に関する情報を含んでもよい。
図14は、日次稼働率データを含むダッシュボード画面232の一例を示す。
図14に示す如く、日次稼働率データは、基準時点から先の所定期間に亘る、日毎の稼働率を含む。稼働率は、介護施設全体における稼働率であってよい。
図14に示す例にて、日次稼働率データは、表示日から4か月先までの稼働率を表示する。日次稼働率データは、その数値を日毎に示す日次稼働率推移表と、横軸を日付、縦軸を稼働率とする日次稼働率推移グラフとによって表示される。
【0082】
制御部10は、利用情報DB113に基づき、算出日から4か月先までの各日における稼働率を算出する。制御部10は、日毎に稼働率を算出し、算出した日次稼働率データを記憶部11に記憶しておく。制御部10は、記憶した日次稼働率データに基づき、表示対象日に応じた日次稼働率推移表及び日次稼働率推移グラフを生成する。表示対象日は、ユーザの選択に応じて適宜変更可能である。日次稼働率データにより、各期間のどの時点において稼働率が高くなるかを把握することができる。介護施設における利用予約の受け付け傾向を解析することで、稼働率を高め、より早期に稼働率のピークを発生させることにつながる。なお日次データは稼働率に限定されず、他の指標に関する日次データであってもよい。
【0083】
図15は、予約状況の出力処理の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、情報処理装置1の記憶部11に記憶してあるプログラム1Pに従って制御部10によって実行されると共に、介護施設端末2の記憶部21に記憶してあるプログラム2Pに従って制御部20によって実行される。
【0084】
介護施設端末2の制御部20は、生活相談員等の担当者が操作部24を操作することによるプログラム2Pの選択及びアカウント情報を用いたログインを受け付け、受け付けたアカウント情報を情報処理装置1へ送信する(ステップS11)。
【0085】
情報処理装置1の制御部10は、アカウント情報を受信する(ステップS12)。制御部10は、介護施設DB112に記憶する情報に基づき、ログインした対象アカウントに対応する介護施設IDを特定する。この場合においてアカウント情報に権限が設定されている場合、制御部10は、アカウント情報に応じた編集可能介護施設IDを特定する。なお、制御部10は、介護施設端末2の装置情報等に基づき介護施設IDを特定してもよい。
【0086】
制御部10は、利用情報DB113に記憶する情報に基づき、特定した介護施設IDを含む利用情報の中から、利用開始日及び利用終了日が表示対象期間に含まれる利用情報を抽出する(ステップS13)。表示対象期間は、例えばアカウント情報を受信した日を含む1か月間である。表示対象期間は、ユーザの選択に応じて適宜変更可能である。
【0087】
制御部10は、抽出した利用情報及び利用者履歴DB114に記憶する情報に基づき、介護施設IDに係る介護施設の利用予約表及びフォローリスト等を含む画面情報を生成する(ステップS14)。画面情報には、利用者の利用予約状況を一覧で示す利用予約表と、次の利用予約を取得していない新規及び定期の利用者へのフォロー作業を支援するためのフォローリストとが含まれている。制御部10は、生成した画面情報を介護施設端末2へ送信する(ステップS15)。
【0088】
介護施設端末2の制御部20は、利用予約表及びフォローリストを含む画面情報を受信する(ステップS16)。制御部20は、受信した画面情報に基づき、利用予約表及びフォローリスト等を含む管理画面231を表示部23に表示する(ステップS17)。
【0089】
制御部20は、管理画面231を用いて、新たな利用予約に関する利用情報の入力を受け付ける(ステップS18)。具体的には制御部20は、操作部24を介して、指定された利用者名の利用者ID、ベッド番号、利用開始日及び利用終了日を受け付ける。制御部20は、受け付けた利用者ID、ベッド番号、利用開始日及び利用終了日を含む利用情報を情報処理装置1へ送信する(ステップS19)。
【0090】
情報処理装置1の制御部10は、利用情報を受信する(ステップS20)。制御部10は、受信した利用情報に応じて利用日数、被せ日数、空床日数、利用者種類を導出する(ステップS21)。制御部10は、導出した情報を含む利用者情報を利用情報DB113に記憶し、利用情報DB113及び利用者履歴DB114を更新する(ステップS22)。この場合において、制御部10は、1か月(所定期間)毎のデータ管理を容易にするため、利用期間が2か月にまたがる利用情報について、前月最終日を利用終了日とする利用情報と、翌月初日を利用開始日とする利用情報とに分割して利用情報DB113に記憶してよい。制御部10は、更新した利用情報DB113及び利用者履歴DB114の内容に基づき、更新後の利用予約表及びフォローリストを含む画面情報を生成する(ステップS23)。制御部10は、生成した更新後の画面情報を介護施設端末2へ送信する(ステップS24)。
【0091】
介護施設端末2の制御部20は、更新後の利用予約表及びフォローリストを含む画面情報を受信する(ステップS25)。制御部20は、受信した画面情報に基づき、更新後の利用予約表及びフォローリストを含む管理画面231を表示部23に表示し(ステップS26)、一連の処理を終了する。制御部20は、処理をステップS18に戻し、利用情報の受け付けを繰り返してもよい。
【0092】
上述の処理において、制御部10は、利用予約表欄231a、指標欄231b及びフォローリスト欄231cを1つの管理画面情報により出力するものに限定されない。制御部10は、例えば利用予約表欄231a、指標欄231b及びフォローリスト欄231cをそれぞれ含む、複数の画面情報を生成してもよい。制御部10は、例えばユーザからの表示要求に応じて、異なるタイミングで、利用予約表欄231aを含む画面情報、指標欄231bを含む画面情報、又はフォローリスト欄231cを含む画面情報をそれぞれ生成し、介護施設端末2へ出力してもよい。
【0093】
図16は、ダッシュボードの出力処理の一例を示すフローチャートである。介護施設端末2の制御部20は、例えばアカウント情報を用いたログイン受け付け後、操作部24を介してダッシュボードの表示要求を受け付けると以下の処理を開始する。
【0094】
介護施設端末2の制御部20は、ダッシュボード要求を情報処理装置1へ送信する(ステップS31)。
【0095】
情報処理装置1の制御部10は、ダッシュボード要求を受信する(ステップS32)。制御部10は、介護施設DB112に記憶する情報に基づき、ログインした対象アカウントに対応する介護施設IDを特定する。この場合においてアカウント情報にダッシュボードの閲覧権限が設定されている場合、制御部10は、アカウント情報に応じた閲覧可能介護施設IDを特定する。制御部10は、利用情報DB113及び利用者履歴DB114に記憶する情報に基づき、特定した介護施設IDを含む利用情報に応じた各種指標を示す数値を算出する(ステップS33)。
【0096】
制御部10は、算出した数値を示すダッシュボードを含むダッシュボード画面情報を生成する(ステップS34)。ダッシュボード画面情報には、介護施設における稼働率、被せ日数、空床日数、コンバージョン情報等の各種指標に関する数値が含まれる。制御部10は、生成したダッシュボード画面情報を介護施設端末2へ送信する(ステップS35)。
【0097】
介護施設端末2の制御部20は、ダッシュボード画面情報を受信する(ステップS36)。制御部20は、受信したダッシュボード画面情報に基づき、ダッシュボード画面232を表示部23に表示し(ステップS37)、一連の処理を終了する。
【0098】
本実施形態によれば、介護施設の担当者は、介護施設端末2を用いて簡易な方法で利用予約に関する利用情報を入力することができる。入力された利用情報は、情報処理装置1にて収集・管理される。情報処理装置1は、利用情報に応じた利用予約状況を示す管理画面231及びダッシュボード画面232を提供する。担当者は、管理画面231により、各ベッドの利用予約状況を一見して容易に把握できる。また、利用情報に基づき、フォロー作業を実施すべき利用者名が自動で表示されるため、フォロー作業漏れを防止し、稼働率の向上につながる。フォロー作業が自動で表示されることで、業務に未熟な担当者であっても実施すべき作業及び対象者を容易に把握することができ、担当者の業務レベルを統一することができる。
【0099】
介護施設の担当者及び管理者は、各種指標を数値化して提示するダッシュボードにより、利用予約状況の現状を正確に把握することができる。担当者及び管理者は、予約状況に応じた営業に関する情報を共有でき、今後の対策や目標値を具体的に検討できる。
【0100】
(第2実施形態)
第2実施形態では、長期入所用のベッドにおける空状況を含む利用予約表を出力する構成を説明する。以下の各実施形態では主に第1実施形態との相違点を説明し、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0101】
第2実施形態において、介護施設は特別養護老人ホームとしての機能を有し、短期入所サービスと共に長期入所サービスを提供する。長期入所サービスの利用者の利用に供するベッドは、通常長期的に利用されるが、例えば長期入所利用者の入院、退所等により、一時的に空床となることがある。情報処理装置1は、このような長期入所サービス用のベッドの空状況を取得し、短期入所サービス(ショートステイ)用として空状況を可視化した利用予約表を提供することで、介護施設全体での効率的なベッド稼働を実現する。ベッドの空状況とは、ベッドの空床状況であり、利用予約の受け付けが可能な空枠に関する情報に対応する。
【0102】
図17は、第2実施形態における予約状況の出力処理の一例を示すフローチャートである。介護施設端末2の制御部20は、例えば生活相談員等の担当者が操作部24を操作することによるアカウント情報を用いたログイン受け付け後、以下の処理を開始する。
【0103】
介護施設端末2の制御部20は、担当者が操作部24を操作することによる長期入所サービス用のベッドの空床情報を受け付ける(ステップS40)。ステップS40では、制御部20は、例えば空床情報を受け付けるための受付用画面を表示部23に表示し、受付用画面を利用して担当者から空床情報の入力を受け付けてよい。制御部20は、長期入所サービス用のベッドに係るベッドID、部屋種類、ベッドの利用可能期間等を受け付ける。制御部20は、受け付けたベッドID、部屋種類、ベッドの利用可能期間等を含む空床情報を情報処理装置1へ送信する(ステップS41)。
【0104】
情報処理装置1の制御部10は、空床情報を受信する(ステップS42)。制御部10は、受信した空床情報に応じた情報を介護施設DB112に記憶する(ステップS43)。長期入所サービス用のベッドに空床が発生する度、上述の処理が繰り返されることにより、介護施設における長期入所サービス用のベッドの空床情報が収集される。
【0105】
なお制御部10は、ベッドの利用可能期間に代えて、長期入所者の入院日(一時退所日)及び退院日(再入所日)等、ベッドの利用可能期間を特定するための情報を受信してもよい。入院日及び退院日を受信した場合、制御部10は、入院日と退院日との間の期間を利用可能期間と特定してよい。制御部10は、入院日のみを受信した場合、受信した入院日以降、予め規定される所定期間(例えば2週間)を利用可能期間と特定してもよい。
【0106】
制御部10は、介護施設DB112及び利用情報DB113に記憶する情報に基づき、ログインした対象アカウントに対応する介護施設IDに応じた、表示対象期間における長期入所用ベッドの空状況を取得する(ステップS44)。具体的には、制御部10は、介護施設DB112のベッド情報を参照し、介護施設IDに係る長期入所サービス用のベッド(部屋種類が長期であるベッド)のうち、利用可能期間が表示対象期間に含まれるベッドIDを特定する。また制御部10は、利用情報DB113を参照し、介護施設IDに係る利用情報であって、特定したベッドIDを含む利用情報を抽出する。制御部10は、抽出した利用情報から、利用情報の空床日数列に0以外が含まれる利用情報及び当該利用情報と時系列で連続する1つ前の利用情報を検索する。制御部10は、前の利用情報における利用終了日の翌日から、後の利用情報(空床日数列に0以外が含まれる利用情報)における利用開始日の前日までの期間を空床日として特定することにより、ベッドの空状況を取得する。制御部10は、被せ日数を加味し、被せ利用可能日を空床日に含めた空状況を取得してもよい。
【0107】
制御部10は、取得した空状況を含む長期入所サービス用のベッドに関する利用予約表を含む画面情報を生成する(ステップS45)。制御部10は、生成した長期入所サービス用のベッドの空枠に関する利用予約表を含む画面情報を介護施設端末2へ送信する(ステップS46)。
【0108】
介護施設端末2の制御部20は、長期入所サービス用のベッドの空枠に関する利用予約表を含む画面情報を受信する(ステップS47)。制御部20は、受信した画面情報に基づき、長期入所サービス用のベッドの空枠に関する利用予約表を含む画面233を表示部23に表示する(ステップS48)。以降、介護施設端末2の制御部20及び情報処理装置1の制御部10は、
図15に示したステップS18~ステップS26の処理を実行することにより、長期入所サービス用のベッドに対する短期入所の利用予約の受け付け処理を行う。
【0109】
図18は、第2実施形態における利用予約表を含む画面233の一例を示す模式図である。
図18に示す如く、画面233には、長期入所サービス用のベッドに関する利用予約表が含まれる。利用予約表は、例えば各ベッドの空床日に対し色付け及び「空」と示すテキストを表示させることにより、空状況を認識可能に示す。
【0110】
情報処理装置1の制御部10は、介護施設DB112及び予め記憶する長期入所サービスの利用者情報等に基づき、空枠の生じている長期入所サービス用のベッドのベッド番号、ベッド種類、長期入所サービスの利用者名を含む利用予約表を生成する。また制御部10は、利用情報DB113に記憶する情報に基づき、各ベッドIDのベッド及び空床日の交差する欄に対し、予め記憶する表示態様にて空床を示す色付け、テキスト表示等の処理を施す。利用者の入院日及び退院日等に関する情報を取得した場合、制御部10は、取得した入院日及び退院日等の情報を利用予約表に併せて表示する。利用予約表により、長期入所サービス用のベッドにおける空枠、即ち短期入所用として利用可能な空床日を容易に把握することができる。
【0111】
介護施設端末2の制御部20は、利用予約表を用いて第1実施形態と同様の処理を実行することにより、長期入所サービス用のベッドに対する利用予約を受け付ける。制御部10は、長期入所サービス用のベッドに対する利用予約を受け付けた場合、利用予約表を更新し、利用予約情報に応じた利用予約日、利用予約者名等を利用予約表に表示する。なお制御部10は、長期入所サービス用のベッドに関する空状況として、長期入所サービス用のベッドに対する利用予約の受け付け状況に関わらず、ステップS42において取得した長期入所サービス用のベッドの利用可能期間を認識可能に表示してもよい。
【0112】
上述した長期入所サービス用のベッドに関する空状況を含む利用予約表の表示タイミングは限定されるものでなく、介護施設端末2の表示要求に応じて表示されてよい。長期入所サービス用のベッドに関する空状況を含む利用予約表は、短期入所用の利用予約表と共に表示されてもよい。情報処理装置1の制御部10は、例えば
図10に示した短期入所用の利用予約表の下側に、
図18に示した長期入所サービス用の利用予約表を並べて表示する画面情報を生成してもよい。なお、制御部10は、表示対象期間において、空床日数がカウントされているベッドIDが存在する場合のみ、その空状況を示す利用予約表を生成し、出力するものであってもよい。
【0113】
本実施形態によれば、短期入所サービス及び長期入所サービスの利用情報を統合して提供することで、介護施設全体におけるベッドの空状況を適切に把握することができる。短期入所用のベッドに空床がない場合であっても、利用可能な長期入所用のベッドの空枠を活用することで、介護施設全体としてのベッド稼働率を向上させることができる。
【0114】
(第3実施形態)
第3実施形態では、空状況の検索結果を出力する構成を説明する。第3実施形態における情報処理装置1の制御部10は、空状況の問い合わせに対し、利用情報に基づきリアルタイムで介護施設における各ベッドの空状況を検索し、検索結果を介護施設端末2へ提供する。
【0115】
図19は、第3実施形態における空状況の出力処理の一例を示すフローチャートである。介護施設端末2の制御部20は、操作部24を介してアカウント情報を用いたログイン受け付け後、空状況の問い合わせを受け付ける(ステップS51)。制御部20は、受け付けた空状況の問い合わせを情報処理装置1へ送信する(ステップS52)。
【0116】
情報処理装置1の制御部10は、空状況の問い合わせを受信する(ステップS53)。制御部10は、介護施設DB112に記憶する情報に基づき、ログインした対象アカウントに対応する介護施設IDと、当該介護施設IDの属するグループIDとを特定する。制御部10は、特定したグループIDに属する全ての介護施設IDに対し空状況の検索処理を実行し、法人グループに属する各介護施設におけるベッドの空状況を取得する(ステップS54)。具体的には、制御部10は、
図17に示したステップS44と同様の処理を実行することにより、所定期間における、各介護施設IDに係る各ベッドの空床日を特定する。制御部10は、1つ以上のベッドに空床日の存在する日を空枠と認定することで空状況を取得する。制御部10は、所定数以上のベッドが空床である日を空枠と認定してもよい。制御部10は、空床日に加えて空床数を取得してもよい。制御部10は、部屋をまたがって連続する空床日を一括で取得し表示してもよい。制御部10は、特定したグループIDに属する全ての介護施設IDに対し上記の空床検索処理を実行し、各介護施設IDに係る空状況を取得する。
【0117】
制御部10は、取得した複数の介護施設における空状況を一覧で表示する空状況一覧画面情報を生成する(ステップS55)。制御部10は、生成した空状況一覧画面情報を介護施設端末2へ送信する(ステップS56)。
【0118】
介護施設端末2の制御部20は、空状況一覧画面情報を受信する(ステップS57)。制御部20は、受信した空状況一覧画面情報に基づき、空状況を一覧で表示する空状況一覧画面234を表示部23に表示し(ステップS58)、一連の処理を終了する。
【0119】
図20は、空状況一覧画面234の一例を示す模式図である。空状況一覧画面234には、同一法人に属する複数の介護施設における空状況が一覧で表示される。
図20の例において、空床の存在する日(空枠)には「〇」が表示され、満床の日には黒塗りが施されている。情報処理装置1の制御部10は、横軸を日付、縦軸を同一グループIDに係る介護施設IDの介護施設名とする一覧表を生成する。制御部10は、空床検索結果に応じて、空枠と認定した空床日及び介護施設名の交差するセルに「〇」を、他のセルに黒塗りを施した空状況一覧画面情報を生成する。制御部10は、空床日と共に空床数を取得した場合には、空床数を含む空状況一覧画面情報を生成する。なお、空状況一覧画面234は、同一法人における複数の介護施設に関する情報を含むものに限定されず、単一の介護施設における空状況のみを表示するものであってもよい。空状況一覧画面234は、複数期間における空状況を表示するものであってもよい。
【0120】
なお、アカウント情報に空状況の閲覧権限が設定されている場合、制御部10は、アカウント情報に応じた閲覧可能介護施設IDに係る空状況のみを表示するものであってよい。
【0121】
本実施形態によれば、情報処理装置1から出力される空状況一覧画面234により、介護施設の空状況を一見して容易に把握できる。例えば居宅介護支援事業所からの利用予約の問い合わせに対し、介護施設の担当者は瞬時に空状況を回答することができる。また複数の介護施設を有する同一法人における利用情報を一元管理し、リアルタイムで空状況を共有することで、介護施設間の連携を高めることができる。
【0122】
第3実施形態と第2実施形態とは組み合わせて実施されてもよい。例えば、空状況一覧画面234は、短期入所用及び長期入所用の両方におけるベッドの空状況をまとめて表示するものであってもよい。
【0123】
(第4実施形態)
第4実施形態では、空状況の通知情報を生成する構成を説明する。第4実施形態における情報処理装置1は、利用情報に基づき、介護施設の空状況を通知する通知情報を生成する。
【0124】
図21は、第4実施形態における空状況の通知の生成処理の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部10は、例えば所定のタイミング(例えば毎月1日)、又は所定条件を満たしたタイミング(例えば空床日数が所定値以上となった場合、稼働率が所定値未満となった場合等)にて以下の処理を開始する。制御部10は、任意のタイミングにて、アカウントIDに対応するユーザによる通知生成要求の受け付けに応じて以下の処理を開始してもよい。
【0125】
情報処理装置1の制御部10は、例えば
図19に示したステップS54と同様の処理を実行することにより、介護施設における空状況を検索し、空状況を取得する(ステップS61)。制御部10は、取得した空状況に基づき、空状況を通知するための通知情報を生成する(ステップS62)。
【0126】
図22は、通知情報に基づく空状況の通知の一例を示す模式図である。空状況の通知には、所定期間において、介護施設の各ベッドに空枠の存在する空床日が表示される。制御部10は、取得した空状況に基づき、所定期間における空床日を表示する。
図22に示すように、制御部10は、異なるベッドにおける空床日が連続する場合、それらの空床日を連続させることで、介護施設全体としての空状況を総合的に表示するとよい。制御部10は、空床日と共に、各空床日における空床数を表示してもよい。
【0127】
図21に戻り説明を続ける。制御部10は、例えばメール機能、インターネットFAX機能、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)機能等により、生成した通知情報を居宅介護支援事業所端末3へ送信する(ステップS63)。制御部10は、予め記憶する送信先リストに従い、介護施設の顧客である居宅介護支援事業所に係る各居宅介護支援事業所端末3へ通知を送信してよい。通知情報は、例えば音声情報を含み、自動音声案内機能等により出力されてもよい。
【0128】
居宅介護支援事業所端末3の制御部30は、通知情報を受信する(ステップS64)。制御部30は、受信した通知情報に基づく空状況の通知を表示部33等を介して表示し(ステップS65)、一連の処理を終了する。
【0129】
上述の処理において、情報処理装置1の制御部10は、居宅介護支援事業所端末3へ通知情報を送信するものに限定されない。制御部10は、例えば介護施設端末2へ通知情報を送信してもよい。この場合、介護施設の担当者は、介護施設端末2により受信した通知情報に基づく通知を所望の居宅介護支援事業所へ送信する。また制御部10は、予め通知情報の送信対象となる居宅介護支援事業所端末3に対し通知可否の問い合わせを送信し、通知可の回答を取得した居宅介護支援事業所端末3に対し通知情報を送信してもよい。さらにまた制御部10は、制御を許可された居宅介護支援事業所端末3からの情報処理装置1へのアクセスに応じて、居宅介護支援事業所端末3へ通知情報を提供してもよい。
【0130】
通知情報は、フォロー作業の必要な新規利用者及び定期利用者の少なくとも一方を担当するケアマネージャーの属する居宅介護支援事業所端末3にのみ送信されてもよい。この場合、情報処理装置1の制御部10は、利用者リストにおけるフォロー作業の必要な利用者に基づき、フォロー作業の必要な利用者に対応付けられる居宅介護支援事業所を特定し、特定した居宅介護支援事業所に係る居宅介護支援事業所端末3へ通知情報を送信する。通知情報は、フォロー作業の必要な利用者に対するフォロー情報にも対応する。
【0131】
本実施形態によれば、情報処理装置1により、介護施設の空状況を自動で収集し居宅介護支援事業所の担当者に通知することができる。利用予約の受け付けのための営業活動における空床日の確認、通知作成、電話連絡等といった工数を低減し、担当者の作業負担を軽減することができる。
【0132】
(第5実施形態)
第5実施形態では、営業対象となる居宅介護支援事業所のリストを提供する構成を説明する。第5実施形態における情報処理装置1は、利用情報に基づき、介護施設に応じた営業対象となる居宅介護支援事業所を特定し、特定した居宅介護支援事業所を表示する営業先リストを生成する。
【0133】
図23は、第5実施形態における営業先リスト235の一例を示す模式図である。第5実施形態の情報処理装置1は、
図2及び
図7に示す如く営業DB115を記憶部11に記憶している。情報処理装置1は、営業DB115の情報に基づき、
図23に示す如く営業リストを生成する。営業先リスト235は、例えば表形式であり、居宅介護支援事業所に関する居宅介護支援事業所情報と、介護施設の利用状況に関する情報とを含む。営業先リスト235に表示される情報の各項目は、営業DB115に格納されるデータ項目と同様である。営業先リスト235はまた、各介護施設事業所に対応付けて、所定の営業作業の完了を受け付けるためのチェックボックスを含む。
【0134】
居宅介護支援事業所情報は、例えば国や地方自治体の提供する居宅介護支援事業所の公開情報から収集することができる。情報処理装置1は、地方自治体の外部サーバ等から提供される居宅介護支援事業所一覧を取得し、取得した居宅介護支援事業所一覧から各種属性情報を抽出することにより居宅介護支援事業所に関する情報を取得する。距離は、例えば各居宅介護支援事業所の所在地及び介護施設の所在地並びに地図情報等に基づき、両施設間における移動距離(移動経路に沿った距離)又は両施設間の直線距離等を算出することで得られる。なお、両施設間における距離に変えて又は距離に加えて、例えば両施設間における自動車等の移動手段による移動時間を算出してもよい。
【0135】
当月新規利用者数、過去新規利用者数及び定期利用者数はそれぞれ、各居宅介護支援事業所を介して介護施設を利用した当月新規、過去新規及び定期の利用者数をカウントしたものである。具体的には、情報処理装置1は、利用者情報DB111、利用情報DB113及び利用者履歴DB114を参照して、例えば判定時点を含む所定期間(当月)における介護施設全体の利用情報を抽出し、抽出した利用情報に含まれる利用者IDを特定する。制御部10は、利用者DB111を参照し、特定した利用者IDに対応付けられる居宅介護支援事業所名を取得する。制御部10は、取得した居宅介護支援事業所名又は事業所番号と、居宅介護支援事業所情報の居宅介護支援事業所名又は事業所番号とを比較することにより、所定期間において居宅介護支援事業所情報の各居宅介護支援事業所を介した利用者数を導出する。この場合において、利用者数は新規利用者数と定期利用者数とに区別して導出するとよい。さらに、制御部10は、判定時点を含む所定期間よりも前、すなわち過去の利用情報に対し同様の処理を実行し、過去において居宅介護支援事業所を介した新規利用者数を導出する。情報処理装置1は、得られた情報を営業DB115に格納する。情報処理装置1は、営業DB115を用いて、これらの情報を一覧で表示する営業先リスト235を生成する。
【0136】
情報処理装置1は、営業先リストの所定項目に基づいて、抽出した複数の居宅介護支援事業所を営業先候補順にソートする機能を有する。ソート項目は、例えば要介護者以上の利用者数、同一法人内におけるショートステイサービス提供の有無、距離、当月新規利用者数及び過去新規利用者数、定期利用者等である。情報処理装置1は、ソート項目について、昇順又は降順、あるいは有無に応じて居宅介護支援事業所をソートし、ソートされた居宅介護支援事業所を一覧で閲覧可能な営業先リスト235を介護施設端末2へ提供する。介護施設端末2は、
図23に示す如く、営業候補順に居宅介護支援事業所名を並べた営業先リスト235を表示部23に表示する。
【0137】
例えば、居宅介護支援事業所における要介護者以上の利用者数が多い程、当該居宅介護支援事業所を介して新たな利用予約を受け付けられる可能性が高く、順位が高くなる。同様に、距離が近い程順位が高く、居宅介護支援事業所において同一法人内におけるショートステイサービスの提供がない場合程、順位が高くなる。また当月新規利用者数、過去新規利用者数及び定期利用者数が少ない程、順位が高くなる。過去新規利用者数が多く且つ当月新規利用者数が少ない程、以前顧客であったが現在利用が減少していると考えられるため、順位が高くなる。なお、ソート基準は一例であり、限定されるものではない。
【0138】
図24は、第5実施形態における営業先リストの生成処理の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部10は、例えば国や地方自治体の外部サーバ等と通信することにより、外部サーバから提供される居宅介護支援事業所一覧から抽出した複数の居宅介護支援事業所に関する情報を含む居宅介護支援事業所情報を取得する(ステップS71)。制御部10は、全ての居宅介護支援事業所の中から、営業リストの送信対象となる介護施設の所在地をサービス提供区域に含む居宅介護支援事業所を、新たな利用予約を受け付けるための営業対象として特定する(ステップS72)。
【0139】
制御部10は、利用者情報DB111、利用情報DB113及び利用者履歴DB114を参照して、特定した各居宅介護支援事業所における介護施設の利用状況に関する情報(当月新規利用者数、過去新規利用者数及び定期利用者数)を取得する(ステップS73)。制御部10はまた、居宅介護支援事業所の所在地及び介護施設の所在地に基づき、両施設間の距離を算出する。制御部10は、取得した居宅介護支援事業所情報と、介護施設の利用状況に関する情報とを含む居宅介護支援事業所情報を営業DB115に記憶する(ステップS74)。なお、居宅介護支援事業所一覧の公開情報は都度更新されるため、制御部10は、定期的に営業DB115の情報を取得及び更新するものであってよい。
【0140】
制御部10は、営業DB115を参照し、複数の居宅介護支援事業所に係る居宅介護支援事業所情報及び介護施設の利用状況に関する情報を取得する(ステップS75)。制御部10は、ソート処理を実行し、予め規定されるソート項目に応じて居宅介護支援事業所をソートする(ステップS76)。制御部10は、介護施設端末2から送信されたソート項目を受信した場合、担当者によって指定されたソート項目について居宅介護支援事業所をソートするものであってよい。制御部10は、ソートされた所定数の居宅介護支援事業所を営業先と特定し、特定した営業先となる居宅介護支援事業所を示す営業先リストを生成する(ステップS77)。制御部10は、生成した営業先リストを介護施設端末2へ送信する(ステップS78)。
【0141】
介護施設端末2の制御部20は、営業先リストを受信する(ステップS79)。制御部20は、受信した営業先リストを表示部23に表示し(ステップS80)、一連の処理を終了する。情報処理装置1の制御部10は、営業先リストにおける順位の高い居宅介護支援事業所に対し、上述の空状況の通知を送信してもよい。
【0142】
本実施形態によれば、情報処理装置1は、公開情報と介護施設毎の利用情報とに基づき、営業活動に適した居宅介護支援事業所を効率的且つ効果的にリスト化できる。介護施設の利用情報に応じて特定された営業先リストを提供することで、介護施設の実態に応じた効果的な営業活動を支援する。
【0143】
本実施形態の各フローチャートにて説明した処理において、情報処理装置1の制御部10により実行される処理の一部は、介護施設端末2の制御部20で実行されてもよい。
【0144】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0145】
100 情報処理システム
1 情報処理装置
2 介護施設端末
3 居宅介護支援事業所端末
10,20,30 制御部
11,21,31 記憶部
12,22,32 通信部
13,23,33 表示部
14,24,34 操作部
111 利用者DB
112 介護施設DB
113 利用情報DB
1P,2P プログラム
1A,2A 記録媒体