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  • 特許-個包装ウエットシート等加温容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】個包装ウエットシート等加温容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/18 20060101AFI20240919BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20240919BHJP
   A47K 7/00 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
B65D81/18 E
B65D77/04 D
A47K7/00 101
A47K7/00 103
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023096486
(22)【出願日】2023-06-12
【審査請求日】2023-11-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第11回日本感染管理ネットワーク学会学術集会 令和5年5月20,21日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591240685
【氏名又は名称】ハクゾウメディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102048
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 光司
(74)【代理人】
【識別番号】100146503
【弁理士】
【氏名又は名称】高尾 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】藤本 賢二
(72)【発明者】
【氏名】三溝 祥敬
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-137395(JP,U)
【文献】米国特許第04004711(US,A)
【文献】特開平08-183572(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102005000792(DE,A1)
【文献】特開平09-276174(JP,A)
【文献】登録実用新案第3243854(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-425321(KR,Y1)
【文献】中国特許第100434028(CN,C)
【文献】特開平11-197047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/18
B65D 77/04
A47K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個包装されたウエットシート、おしぼり(以下、「個包装ウエットシート等」)を収納する容器本体と収納された個包装ウエットシート等を加温するヒーターと個包装ウエットシート等の取出口とを有する個包装ウエットシート等加温容器であって、
前記容器本体は平面視長方形の略直方体であり、
前記取出口を前記容器本体の下部で且つ前記平面視長方形の短辺側の直立面に設けてあり、
前記ヒーターを前記容器本体の下部及び前記平面視長方形の長辺側の直立面のそれぞれに設けてあり、
前記個包装ウエットシート等は平面視長方形の扁平形状のものを備え、その長辺を前記容器本体の前記平面視長方形の長辺に配向して積み重ねて前記容器本体内に収容されるものであり、
前記取出口を開閉する下蓋部を設け、
さらに、前記容器本体の上部に上蓋部で開閉可能な個包装ウエットシート等を供給する供給口を設けてある個包装ウエットシート等加温容器。
【請求項2】
前記下蓋部は、下辺を前記容器本体に支持されて揺動開閉可能であり、閉じ状態を維持するマグネット式固定手段を備えており、取っ手を前記取出口を設けた直立面と同一面に設けてある請求項1記載の個包装ウエットシート等加温容器。
【請求項3】
前記取出口は、横方向の切込み開口と、この切込み開口の上方に局所的に突出する突出開口とを有し、この突出開口を前記切込み開口の横方向中間位置に設けてある請求項1又は2記載の個包装ウエットシート等加温容器。
【請求項4】
前記ヒーターは、蛇行して配線された電線がサーモスタットを介して直列に接続されて構成されてあり、ACアダプタのプラグが差し込まれるジャック及びスイッチを備える請求項2記載の個包装ウエットシート等加温容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個包装ウエットシート等加温容器に関する。さらに詳しくは、個包装されたウエットシート、おしぼり(以下、「個包装ウエットシート等」)を収納する容器本体と収納された個包装ウエットシート等を加温するヒーターと個包装ウエットシート等の取出口とを有する個包装ウエットシート等加温容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、ウエットティッシュ等のウェット製品の加温容器として、特許文献1に記載の如きものが知られている。この加温容器では、容器本体上部に設けた蓋体の内側に電気発熱体を設けてあるため、蓋体を開けてウエットティッシュを取り出さなければならず、取り出す際にウエットティッシュが冷めてしまう場合があった。また、この加温容器を個包装されたウエットシートやおしぼりに使用した場合、先に収納したものが底になってしまい、先入れ先出しを徹底することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-89742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、構造が簡素ながら、適切に加温された個包装ウエットシート等を先入れ先出しで取り出すことが可能な個包装ウエットシート等加温容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る個包装ウエットシート等加温容器の特徴は、個包装されたウエットシート、おしぼり(以下、「個包装ウエットシート等」)を収納する容器本体と収納された個包装ウエットシート等を加温するヒーターと個包装ウエットシート等の取出口とを有する構成において、前記容器本体は平面視長方形の略直方体であり、前記取出口を前記容器本体の下部で且つ前記平面視長方形の短辺側の直立面に設けてあり、前記ヒーターを前記容器本体の下部及び前記平面視長方形の長辺側の直立面のそれぞれに設けてあり、前記個包装ウエットシート等は平面視長方形の扁平形状のものを備え、その長辺を前記容器本体の前記平面視長方形の長辺に配向して積み重ねて前記容器本体内に収容されるものであり、前記取出口を開閉する下蓋部を設け、さらに、前記容器本体の上部に上蓋部で開閉可能な個包装ウエットシート等を供給する供給口を設けてあることにある。
【0006】
上記構成によれば、取出口を容器本体の下部で且つ平面視長方形の短辺側の直立面に設け、その取出口に開閉する下蓋部を設け、さらに、容器本体の上部を上蓋部で開閉可能としてあるので、個包装ウエットシート等は容器本体の上部から補充(収容)され容器本体の下部から取り出される。そして、ヒーターを容器本体の下部及び平面視長方形の長辺側の直立面のそれぞれに設けてあり、個包装ウエットシート等は平面視長方形の扁平形状のものを備え、その長辺を容器本体の平面視長方形の長辺に配向して積み重ねて容器本体内に収容される。よって、個包装ウエットシート等の先入れ先出しが徹底され、且つ、適切に加温された個包装ウエットシート等を取り出して使用することができる。
【0007】
上記構成において、前記下蓋部は、下辺を前記容器本体に支持されて揺動開閉可能であり、閉じ状態を維持するマグネット式固定手段を備えており、取っ手を前記取出口を設けた直立面と同一面に設けてあるとよい。
【0008】
また、上記構成において、前記取出口は、横方向の切込み開口と、この切込み開口の上方に局所的に突出する突出開口とを有し、この突出開口を前記切込み開口の横方向中間位置に設けてあるとよい。上方に局所的に突出する突出開口により、ウエットシート等を取り出す際に指が切込み開口に当たらずに取出口近くまで近づけることができるので、ウエットシート等を取り出しやすくなる。また、例えば、ウェットシート等の略直方体の個包装体とおしぼり等の略円柱の個包装体のいずれのものにも利用(併用)することも可能となる。
【0010】
上記構成において、前記ヒーターは、蛇行して配線された電線がサーモスタットを介して直列に接続されて構成されてあり、ACアダプタのプラグが差し込まれるジャック及びスイッチを備えるとよい。
【発明の効果】
【0011】
上記本発明に係る個包装ウエットシート等加温容器の特徴によれば、構造が簡素ながら、適切に加温された個包装ウエットシート等を先入れ先出しで取り出すことが可能となった。
【0012】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る個包装ウエットシート等加温容器の斜視図である。
図2】取出口近傍の拡大斜視図である。
図3】個包装されたウエットシートの収納状態を模式的に示す図である。
図4】ヒーターの模式図である。
図5】取出口を有する第1側面の正面図であり、(a)は個包装ウエットシート等が個包装されたウエットシート、(b)は個包装ウエットシート等が個包装されたおしぼりである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
(加温容器1概要)
本発明に係る個包装ウエットシート等加温容器1(以下、「加温容器」と略する。)は、図1に示すように、大略、個包装されたウエットシートP(以下、「個包装ウエットシート」と略する。)を収納する容器本体2と、収納された個包装ウエットシートPを加温するヒーター3と、個包装ウエットシートPの取出口4とを有する。
【0015】
(容器本体2)
本実施形態において、容器本体2は、図1,2に示すように、平面視長方形の略直方体を呈し、内部に個包装ウエットシートPを収納する収納空間20が形成されている。容器本体2の上面21及び下面22並びに直立面としての側面23は、収納空間20を保温する保温材料により形成されている。各面を形成する保温材料としては、例えば、内側面及び外側面がアルミシートで構成され、これらアルミシートの間にさらにアルミシートを備え、内側面のアルミシートと内部のアルミシートの間に後述するヒーター3が挟持され、外側面のアルミシートと内部のアルミシートの間にはフェルトやスポンジ等の保温材が充填(積層)された6層構造のものが挙げられる。なお、直立面としての側面23は、容器本体2の平面視長方形の短辺を含む側面を第1側面23a、長辺を含む側面を第2側面23bとする。
【0016】
さらに、容器本体2の上部には、個包装ウエットシートPを供給(補充)する供給口5が設けられてあり、容器本体2の下部の直立面23には取出口4が設けられている。これにより、個包装ウエットシート等の先入れ先出しが徹底されるので、常に適切に加温された個包装ウエットシート等を取り出して使用することができる。このように、本発明に係る加温容器1は、個包装されたウエットシートPや、個包装されたおしぼりP’等の個包装ウエットシート等の加温容器として特に有用である。
【0017】
また、本実施形態において、供給口5は容器本体2の上部の全面が開口部50として構成され、その開口部50にはスライドファスナー52により開閉可能な上蓋部51が設けられている。なお、直立面23には、取っ手24が設けられている。
【0018】
(ヒーター3)
ヒーター3は、図1,2に示すように、容器本体2の下面22(底面)の内部に設けられた第1ヒーター31と対向する第2側面23b,23bの内部にそれぞれ設けられた第2ヒーター32,32よりなる。これにより、図3に示すように、個包装ウエットシートPは、収納空間20に収容されている間、一対の第2側面23b,23bの間で第2ヒーター32,32により加温され、さらに一番下の個包装ウエットシートPは下面22内の第1ヒーター31によっても加温される。また、面積の大きい第2側面23b,23bに第2ヒーター32,32を設けるので、収納された個包装ウエットシートP各々の中心部分まで熱が伝わりやすい。よって、適切に加温された個包装ウエットシート等を取り出して使用することができる。さらに、ヒーター3は、図示省略するACアダプタのプラグが差し込まれるジャック36及びヒーター3のスイッチ35を備え、持ち運び可能に構成されている。
【0019】
本実施形態において、第1、第2ヒーター31,32は、図4に示すように、各ヒータ本体内を蛇行して配線された電線33がサーモスタット34を介して直列に接続されている。これにより、所定温度以上になると第1、第2ヒーター31,32をオフにし、所定温度以下になると第1、第2ヒーター31,32をオンにする温度制御が可能となる。
【0020】
(取出口4)
本実施形態において、取出口4は、図1,2,5に示すように、直立面23の内、容器本体2の短辺を含む第1側面23aの一方に設けられている。この取出口4は、横方向(水平方向)の切込み開口41と、この切込み開口41の上方に局所的に突出する突出開口42とを有している。突出開口42は、切込み開口41の横方向中間位置に設けられている。また、突出開口42の上縁は、円弧状に形成されている。この突出開口42により、図1に示すように、使用者が個包装ウエットシートPを取り出す際に、指が切込み開口41の縁に接触せずに取出口4近傍まで指を近づけることができるので、個包装ウエットシートPを取り出しやすい。
【0021】
また、突出開口42の上縁を円弧状に形成してあるので、図5(a)に示す個包装ウエットシートPの他、同図(b)に示す如く個包装されたおしぼりP’でも取り出すことができる。よって、本発明に係る加温容器1は、個包装ウエットシートPの如き略直方体の個包装体及び個包装されたおしぼりP’の如き略円柱の個包装体のいずれの個包装ウエットシート等にも利用(併用)することができ、汎用性が高い。
【0022】
そして、図1,2,5に示すように、取出口4には、切込み開口41及び突出開口42を覆うように、取出口4を開閉する下蓋部43が設けられている。この下蓋部43は、下辺を容器本体2に支持されて揺動開閉可能に構成されている。本実施形態では、下蓋部43及び第1側面23aにマグネット44,44が配置(内蔵)されてあり、これらが下蓋部43の閉じ状態を維持するマグネット式固定手段を構成する。
【0023】
次に、本発明の他の実施形態の可能性について言及する。なお、上述の実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
上記実施形態において、取出口4を容器本体2の短辺を含む第1側面23aの一方に設けた。また、突出開口42を省略することも可能である。但し、作業性の点で突出開口42を設けた上記実施形態が優れている。
【0024】
また、上記実施形態において、下蓋部43の固定手段をマグネット式固定手段とした。しかし、開閉作業が容易であれば、固定手段はこれに限られるものではない。また、上蓋部51の開閉手段もスライドファスナーに限られるものではない。
【0025】
上記実施形態において、ヒーター3を第1ヒーター31と一対の第2ヒーター32,32により構成し、第1ヒーター31を容器本体2の下面22の全面に設け且つ第2ヒーター32を取出口4に直交する側面23の全面にそれぞれ設けた。しかし、ヒーター3の構成や大きさ、配置等は上記に限られるものではなく、例えば取出口4の周囲や下面22のみや側面23,23の下側部分のみなど、個包装ウエットシート等が取り出される際に加温されている態様であればよい。
【符号の説明】
【0026】
1:個包装ウエットシート等加温容器(加温容器)、2:容器本体、3:ヒーター、4:取出口、5:供給口、20:収納空間、21:上面、22:下面、23:側面(直立面)、23a:第1側面(短辺)、23b:第2側面(長辺)、24:取っ手、31:第1ヒーター、32:第2ヒーター、33:電線、34:サーモスタット、35:スイッチ、36:ジャック、41:切込み開口、42:突出開口、43:下蓋部、44:マグネット、50:開口部、51:上蓋部、52:スライドファスナー、P:個包装されたウエットシート、P’:個包装されたおしぼり
【要約】
【課題】 構造が簡素ながら、適切に加温された個包装ウエットシート等を先入れ先出しで取り出すことが可能な個包装ウエットシート等加温容器を提供すること。
【解決手段】 個包装ウエットシート等Pを収納する容器本体2と収納された個包装ウエットシート等Pを加温するヒーター3と個包装ウエットシート等Pの取出口4とを有する。取出口4は容器本体2の下部の直立面23に設けてあり、取出口4を開閉する下蓋部43を設けてある。さらに、容器本体2の上部に上蓋部51で開閉可能な個包装ウエットシート等を供給する供給口52を設けてある。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5