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特許7557228プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0204 20230101AFI20240919BHJP
【FI】
G06Q30/0204
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023223792
(22)【出願日】2023-12-29
【審査請求日】2024-01-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524005936
【氏名又は名称】合同会社MHDF
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】山中 良太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悠司
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-215679(JP,A)
【文献】特開2023-28051(JP,A)
【文献】国際公開第2016/016934(WO,A1)
【文献】特表2022-517052(JP,A)
【文献】特開2019-61525(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0320112(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが選択するコンテンツに関するコンテンツデータを取得し、
前記コンテンツデータを入力した場合に、前記ユーザの感性を表す複数種類の感性因子のそれぞれに対する値を出力するように学習された第1学習モデルに、取得した前記コンテンツデータを入力して、前記複数種類の感性因子のそれぞれに対する値を取得し、
前記複数種類の感性因子のそれぞれに対する値を入力した場合に、商品又はサービスの嗜好性に関する嗜好性情報を出力するように学習された第2学習モデルに、前記第1学習モデルから取得した前記複数種類の感性因子のそれぞれに対する値を入力して、前記ユーザの商品又はサービスの嗜好性に関する嗜好性情報を取得する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記コンテンツデータと、前記コンテンツデータから前記第1学習モデル及び第2学習モデルを用いて取得した前記ユーザの商品又はサービスの嗜好性に関する嗜好性情報とを含む訓練データを用いて、前記コンテンツデータを入力した場合に、前記コンテンツを選択したユーザの感性に基づく商品又はサービスの嗜好性に関する嗜好性情報を出力するように学習された第3学習モデルに、取得した前記コンテンツデータを入力して、前記嗜好性情報を取得する
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンテンツデータは、前記ユーザによって選択されたコンテンツ又はアーティストに関する情報を含む
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンテンツデータは、コンテンツのストリーミングサービスで提供されるプレイリスト又は視聴履歴に含まれるコンテンツ又はアーティストに関する情報を含む
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンテンツは、前記ユーザが選択した音楽コンテンツであり、
音楽コンテンツに関するコンテンツデータと、前記コンテンツデータから前記第1学習モデル及び第2学習モデルを用いて取得した前記ユーザの複数のブランドに対する選好度とを含む訓練データを用いて、音楽コンテンツに関するコンテンツデータを入力した場合に、前記音楽コンテンツを選択したユーザの感性に基づく複数のブランドに対する選好度を出力するように学習された第4学習モデルに、取得した前記コンテンツデータを入力して、前記複数のブランドに対する選好度を取得する
処理を前記コンピュータに実行させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
ユーザが選択するコンテンツに関するコンテンツデータを取得し、
取得した前記コンテンツデータに基づいて、前記ユーザの商品又はサービスの嗜好性に関する嗜好性情報を出力し、
前記嗜好性情報は、複数のブランドに対する選好度を含み、
前記複数のブランドのそれぞれについて、各ブランドを選好するユーザの感性を表す複数の感性因子のそれぞれに対する値を取得し、
前記複数のブランドのうちの2つのブランドにおける前記複数の感性因子に対する値の類似度を算出し、
前記2つのブランド間の前記類似度を出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
記複数のブランドのそれぞれについて、前記複数の感性因子に対する値を出力する
処理を前記コンピュータ実行させる請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
ユーザが選択するコンテンツに関するコンテンツデータを取得し、
前記コンテンツデータを入力した場合に、前記ユーザの感性を表す複数種類の感性因子のそれぞれに対する値を出力するように学習された第1学習モデルに、取得した前記コンテンツデータを入力して、前記複数種類の感性因子のそれぞれに対する値を取得し、
前記複数種類の感性因子のそれぞれに対する値を入力した場合に、商品又はサービスの嗜好性に関する嗜好性情報を出力するように学習された第2学習モデルに、前記第1学習モデルから取得した前記複数種類の感性因子のそれぞれに対する値を入力して、前記ユーザの商品又はサービスの嗜好性に関する嗜好性情報を取得する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項9】
制御部を有する情報処理装置であって、
前記制御部は、
ユーザが選択するコンテンツに関するコンテンツデータを取得し、
前記コンテンツデータを入力した場合に、前記ユーザの感性を表す複数種類の感性因子のそれぞれに対する値を出力するように学習された第1学習モデルに、取得した前記コンテンツデータを入力して、前記複数種類の感性因子のそれぞれに対する値を取得し、
前記複数種類の感性因子のそれぞれに対する値を入力した場合に、商品又はサービスの嗜好性に関する嗜好性情報を出力するように学習された第2学習モデルに、前記第1学習モデルから取得した前記複数種類の感性因子のそれぞれに対する値を入力して、前記ユーザの商品又はサービスの嗜好性に関する嗜好性情報を取得する
情報処理装置。
【請求項10】
ユーザが選択するコンテンツに関するコンテンツデータを取得し、
取得した前記コンテンツデータに基づいて、前記ユーザの商品又はサービスの嗜好性に関する嗜好性情報を出力し、
前記嗜好性情報は、複数のブランドに対する選好度を含み、
前記複数のブランドのそれぞれについて、各ブランドを選好するユーザの感性を表す複数の感性因子のそれぞれに対する値を取得し、
前記複数のブランドのうちの2つのブランドにおける前記複数の感性因子に対する値の類似度を算出し、
前記2つのブランド間の前記類似度を出力する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項11】
制御部を有する情報処理装置であって、
前記制御部は、
ユーザが選択するコンテンツに関するコンテンツデータを取得し、
取得した前記コンテンツデータに基づいて、前記ユーザの商品又はサービスの嗜好性に関する嗜好性情報を出力し、
前記嗜好性情報は、複数のブランドに対する選好度を含み、
前記複数のブランドのそれぞれについて、各ブランドを選好するユーザの感性を表す複数の感性因子のそれぞれに対する値を取得し、
前記複数のブランドのうちの2つのブランドにおける前記複数の感性因子に対する値の類似度を算出し、
前記2つのブランド間の前記類似度を出力する
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、商品又はサービスに対する顧客の選好度を数値化したポイントに基づいて、当該顧客にレコメンドする商品又はカテゴリーを決定するシステムが開示されている。特許文献1に開示された技術では、顧客が商品又はサービスを購入又は選択した場合に、当該商品又はサービスに対してポイントが加算されるだけでなく、当該商品又はサービスと同一のカテゴリーに属する商品又はサービスに対してもポイントが加算される。これにより、顧客が購入又は選択した商品又はサービスだけでなく、当該商品又はサービスのカテゴリーに対する顧客の嗜好も反映した商品又はサービスのレコメンドが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5944605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、顧客が過去に購入等した商品に応じて蓄積された各商品に対するポイントに基づいて、当該顧客にレコメンドする商品又はカテゴリーを決定する。従って、各商品に対するポイントが蓄積されていない顧客に対しては、レコメンドすべき商品又はカテゴリーを決定できないという問題がある。
【0005】
一つの側面では、各顧客の嗜好性を取得することが可能であるプログラム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面に係るプログラムは、ユーザが選択するコンテンツに関するコンテンツデータを取得し、取得した前記コンテンツデータに基づいて、前記ユーザの商品又はサービスの嗜好性に関する嗜好性情報を出力する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面では、各顧客の嗜好性を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図2】音楽コンテンツに関するアンケート画面例を示す説明図である。
図3】第1学習モデル及び第2学習モデルの構成例を示す説明図である。
図4】訓練データを生成するためのアンケート画面例を示す説明図である。
図5】学習モデルの生成処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6】ファッションブランドに対する選好度の推定処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7】ユーザのファッションブランドに対する選好度と、ユーザの音楽に対する感性から推定されるファッションブランドに対する選好度との比較を示す説明図である。
図8】実施形態2のファッションブランドに対する選好度の推定処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】第3学習モデルの構成例を示す説明図である。
図10】訓練データ用DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図11】第4学習モデルの構成例を示す説明図である。
図12】各ファッションブランドに対する選好度が高いユーザの感性の比較処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13】画面例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示のプログラム、情報処理方法、及び情報処理装置について、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
ユーザが選択(指定)するコンテンツに関するコンテンツデータに基づいて、当該ユーザの商品又はサービスに対する嗜好性(選好性)を推定する情報処理装置について説明する。ユーザは、文章、本、音楽(楽曲等)、映像(映画、テレビ番組、演劇、Youtube(登録商標)等)、写真、漫画、アニメーション、イラストレーション、コンピュータグラフィックス、ゲーム等の各種のコンテンツにおいて、所望のコンテンツ(好みのコンテンツ)を選択する場合、自身の感性に従った選択を行うことが多い。またユーザは、各種の商品及びサービスを購入する場合、自身の感性に従って購入対象の商品及びサービスを選択する。このようにユーザは、自身の感性に従って所望のコンテンツ、並びに、購入対象の商品及びサービスを選択しており、各種のコンテンツに対するユーザの嗜好性と、各種の商品及びサービスに対するユーザの嗜好性とは相関があると考えられている。従って、ユーザが選択するコンテンツ、例えばユーザが選択又は購入したコンテンツに関するデータに基づいて、当該ユーザの感性を推定することにより、推定した感性から、各種の商品又はサービスに対する当該ユーザの嗜好性(選好性)を推定することができる。なお、感性の推定に用いるコンテンツの種類と、推定した感性から嗜好性を推定する商品又はサービスの種類とは、ユーザのコンテンツに対するイメージ又は印象から推定される感性因子の各数値と、当該ユーザの商品又はサービスに対するイメージ又は印象から推定される感性因子の各数値との間に強い相関がある組合せを用いることが望ましい。本願発明者は、ユーザが好みの音楽コンテンツを選択する際の感性と、当該ユーザが好みのファッションブランドを選択する際の感性との間に強い相関があることを見出した。よって、本実施形態では、コンテンツを音楽コンテンツとし、商品又はサービスをファッションブランドとして、ユーザが選択する音楽コンテンツに関するコンテンツデータから当該ユーザの感性を推定し、推定した感性から、複数のファッションブランドに対する当該ユーザの嗜好性(選好性)を推定する情報処理装置について説明する。
【0011】
図1は情報処理装置の構成例を示すブロック図である。情報処理装置10は、種々の情報処理及び情報の送受信が可能なコンピュータであり、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、又はタブレット端末等である。情報処理装置10は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読取部16等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)、又はAIチップ(AI用半導体)等の1又は複数のプロセッサを用いて構成されている。制御部11は、記憶部12に記憶してあるプログラムPを適宜実行することにより、情報処理装置10が行うべき種々の情報処理及び制御処理を実行する。なお、制御部11が複数のプロセッサを含む場合、制御部11は、各処理を異なるプロセッサによって実行してもよい。
【0012】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部12は、制御部11が実行するプログラムP(プログラム製品)及びプログラムPの実行に必要な各種のデータを記憶している。また記憶部12は、制御部11がプログラムPを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。また記憶部12は、例えば機械学習によって訓練データを学習済みの学習モデルM1,M2を記憶している。学習モデルM1,M2は、人工知能ソフトウェアを構成するプログラムモジュールとしての利用が想定される。学習モデルM1,M2は、入力値に対して所定の演算を行い、演算結果を出力するものであり、記憶部12には、この演算を規定する関数の係数及び閾値等のデータが学習モデルM1,M2として記憶される。記憶部12は、複数の記憶装置により構成されてもよく、記憶部12の一部は、情報処理装置10に接続された他の記憶装置であってもよく、情報処理装置10が通信可能な他の記憶装置であってもよい。また、学習モデルM1,M2は、記憶部12に記憶される構成の代わりに、情報処理装置10が、学習モデルM1,M2を記憶するサーバにアクセスして読み出す構成でもよい。
【0013】
通信部13は、有線通信又は無線通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワークを介して他の装置との間で情報の送受信を行う。ネットワークは、インターネット又は公衆電話回線網であってもよく、情報処理装置10が設けられている施設内に構築されたLAN(Local Area Network)であってもよい。入力部14は、ユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部11へ送出する。入力部14は、例えばキーボード及びマウス、音声入力用のマイク等を含む。表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、制御部11からの指示に従って各種の情報を表示する。入力部14の一部及び表示部15は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
【0014】
読取部16は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード等の可搬型記憶媒体10aに記憶された情報を読み取る。記憶部12に記憶されるプログラムP及び各種のデータは、制御部11が読取部16を介して可搬型記憶媒体10aから読み取って記憶部12に記憶してもよい。また、プログラムP及び各種のデータは、情報処理装置10の製造段階において記憶部12に書き込まれてもよく、制御部11が通信部13を介して他の装置からダウンロードして記憶部12に記憶してもよい。
【0015】
本実施形態において、情報処理装置10は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであってもよく、1台の装置内にソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。また情報処理装置10をサーバコンピュータで構成する場合、情報処理装置10は、情報処理装置10が設けられている施設内に設置されたローカルサーバであってもよく、インターネット等のネットワークを介して通信接続されたクラウドサーバであってもよい。以下では、情報処理装置10が1台のコンピュータであるものとして説明する。また、プログラムPは、単一のコンピュータ上で、又は1つのサイトにおいて配置されてもよく、もしくは、複数のサイトにわたって分散され、ネットワークを介して相互に接続された複数のコンピュータ上で分散されて実行されてもよい。更に、情報処理装置10は、入力部14及び表示部15は必須ではなく、接続されたコンピュータを通じて操作を受け付ける構成でもよく、表示すべき情報を外部の表示装置へ出力する構成でもよい。
【0016】
本実施形態の情報処理装置10は、あるユーザについて、当該ユーザが最も好む音楽コンテンツ(楽曲)に関するアンケートに対する回答から、当該ユーザのファッションブランドに対する嗜好性(選好性)を推定する処理を行う。図2は音楽コンテンツに関するアンケート画面例を示す説明図である。図2に示す画面では、ユーザが最も好む楽曲(1番好きな楽曲)又は聴取頻度が1番多い楽曲(1番よく聴く楽曲)の楽曲名及びアーティスト名の入力欄が設けられている。また、図2に示す画面では、楽曲名及びアーティスト名の入力欄に入力された楽曲に関して、SD法(Semantic Differential Method)による複数のアンケート項目が表示されており、それぞれのアンケート項目について、1~5のいずれかの数値によって、ユーザが楽曲に対して持つイメージ又は印象を回答(入力)するように構成されている。なお、各アンケート項目に対して選択可能な数値は1~5の5個に限定されず、任意の個数とすることができる。またアンケート項目の個数は例えば50項目程度とすることができるが、任意の個数としてもよい。
【0017】
本実施形態の情報処理装置10は、図2に示すようなアンケート画面を介して、ユーザが最も好む音楽コンテンツに関する複数のアンケート項目に対する回答を取得する。そして情報処理装置10は、取得した回答から、当該ユーザの感性を表す複数の感性因子に対する数値を推定し、推定した感性因子に対する数値から、複数のファッションブランドに対する当該ユーザの嗜好性(選好性)を推定する。推定された各ユーザのファッションブランドに対する嗜好性は、各ユーザに対するファッションブランドの宣伝等に利用することができる。従って、ユーザが好む音楽コンテンツに対して持つイメージ又は印象(アンケート項目に対する回答)を、ファッションブランドにおけるマーケティング情報に利用することができる。なお、本実施形態の情報処理装置10は、音楽コンテンツに関するアンケート項目に対する回答から、ユーザの感性を表す感性因子の数値を推定する際に第1学習モデルM1を用い、各感性因子の数値から、ファッションブランドに対する嗜好性(選好性)を推定する際に第2学習モデルM2を用いる。また情報処理装置10は、ユーザが最も好む音楽コンテンツ又はユーザの聴取頻度が最多の音楽コンテンツの代わりに、ユーザが任意に選択した音楽コンテンツに関するアンケート回答から、ユーザのファッションブランドに対する嗜好性を推定する構成でもよい。
【0018】
図3は第1学習モデルM1及び第2学習モデルM2の構成例を示す説明図である。第1学習モデルM1は、ユーザが選択する音楽コンテンツ(例えばユーザが最も好む音楽コンテンツ)に関するコンテンツデータとして、当該音楽コンテンツに関するアンケート項目に対する回答を入力とし、入力されたコンテンツデータに基づいて、ユーザの感性に関する複数種類の感性因子のそれぞれに対する数値を推定する演算を行い、演算した結果を出力するように学習してある。図3Aの例では、図2に示した第1のアンケート項目(下品な,上品な)に対する回答(第1項目の回答)、第2のアンケート項目(子どもっぽい,大人っぽい)に対する回答(第2項目の回答)等を含む複数のアンケート項目に対する回答が入力され、予め設定されている複数の感性因子のそれぞれに対する数値を出力するように構成されている。感性因子としては、例えばやさしい癒し感,快活感,独立独行感,オーセンティック感,熱血感,ワイルド感,サバサバ感,初々しい感,ギラギラ感等、ユーザの感性を表現できるものが用いられる。感性因子は、これらの一部又は全部を用いてもよく、また、これらに限定されない。感性因子の個数は例えば13個程度とするが、この数に限定されない。感性因子に対する数値は、例えば-1~1の数値(例えば小数第2位までの数値)とすることができる。
【0019】
第1学習モデルM1は例えば重回帰分析、SVM(Support Vector Machine)、ランダムフォレスト、決定木、XGBoost(eXtreme Gradient Boosting)、LightGBM(Light Gradient Boosting Machine)、ニューラルネットワーク、ディープラーニング等のアルゴリズムを用いて構成することができ、複数のアルゴリズムを組み合わせて構成してもよい。また第1学習モデルM1は、上述したアルゴリズムのほかに、因子分析、主成分分析(PCA:Principal ComponentAnalysis)、UMAP(Uniform Manifold Approximation and Projection)、LSI(Latent Semantic Indexing)、SVD(Singular Value Decomposition)、LDA(Linear Discriminant Analysis)、ICA(Independent Component Analysis)、PLS(Partial Least Squares)、t-SNE(t-distributed Stochastic Neighbor Embedding)等の次元圧縮アルゴリズムを用いて構成してもよい。第1学習モデルM1を次元圧縮アルゴリズムを用いて構成する場合、教師なし学習によって生成される。
【0020】
第1学習モデルM1は、音楽コンテンツに関するアンケート回答が入力される入力層と、各感性因子に対する数値を出力する出力層と、入力データに基づいて出力値を算出する中間層とを備える。第1学習モデルM1の入力層は、複数の入力ノードを有しており、各入力ノードを介して、ユーザが回答した音楽コンテンツに関するアンケート回答が入力される。第1学習モデルM1の中間層は、各種の関数及び閾値等を用いて、入力されたデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴値を出力層に出力する。第1学習モデルM1の出力層は、複数の出力ノードを有しており、各出力ノードには、予め設定されている感性因子、例えばやさしい癒し感,快活感,独立独行感,オーセンティック感,熱血感,ワイルド感,サバサバ感,初々しい感,ギラギラ感等が対応付けられており、各出力ノードから、対応付けられた感性因子に対する数値を出力する。このような構成により、第1学習モデルM1は、所定数のアンケート回答が入力された場合に、各感性因子について当該ユーザの数値を出力する。
【0021】
第1学習モデルM1は、訓練用のアンケート回答(音楽コンテンツに関するアンケート回答)と、当該アンケート回答に基づいて算出された、ユーザの感性を表す感性因子の各数値(正解の数値)とを関連付けた訓練データを用いて機械学習させることにより生成される。本実施形態の学習モデルM1,M2の訓練データは、ユーザによるアンケート回答に基づいて生成される。図4は訓練データを生成するためのアンケート画面例を示す説明図である。図4に示す画面では、図2に示す楽曲に関するアンケートに加え、ファッションブランドに対する選好度に関するアンケートを含む。ファッションブランドに関するアンケートは、予め設定されたファッションブランドが表示されており、それぞれのファッションブランドについて、1~7のいずれかの数値によって、ユーザがファッションブランドに対する選好度を回答(入力)するように構成されている。
【0022】
第1学習モデルM1の訓練データは、図4に示すアンケートを介して取得した楽曲に関するアンケート回答に、このアンケート回答に基づいて、予め設定された線形方程式等を用いた最尤推定法による演算によって算出された各感性因子に対する数値が対応付けられて生成される。各感性因子の数値を算出するための線形方程式は、各アンケート項目の回答(図4の例では1~5の数値)に対して、感性因子毎の係数が設定されている。第1学習モデルM1は、訓練データに含まれるアンケート回答が入力された場合に、各感性因子に対応する出力ノードから、各感性因子の正解の数値が出力されるように学習する。学習処理において第1学習モデルM1は、入力されたアンケート回答に基づく演算を行い、各出力ノードからの出力値を算出する。そして第1学習モデルM1は、算出した各出力ノードの出力値と正解の数値とを比較し、両者が近似するように、演算処理に用いるパラメータを最適化する。例えば、誤差逆伝播法、最急降下法等を用いて、第1学習モデルM1におけるノード間の重み(結合係数)等のパラメータを最適化する。これにより、あるユーザの楽曲に関するアンケート回答が入力された場合に、当該ユーザの感性を表す感性因子に対する数値を出力する第1学習モデルM1が得られる。
【0023】
第1学習モデルM1は、感性因子に対する数値として、例えば-1~1の連続値で表現される数値を出力する構成であるが、感性因子として選択可能な数値のいずれかを判別する構成としてもよい。この場合、第1学習モデルM1に、感性因子のそれぞれについて、感性因子の数値として選択可能な複数の数値に対応する複数の出力ノードを設け、各出力ノードから、対応付けられた数値に対する確信度を出力する構成としてもよい。この場合、それぞれの感性因子毎に、各出力ノードから例えば0~1の出力値が出力され、各出力ノードからの出力値の合計が1(100%)となる。このような構成では、第1学習モデルM1は、楽曲に関するアンケート回答が入力された場合に、それぞれの感性因子毎に、各出力ノードから、各出力ノードに割り当てられた数値に対する確信度を出力する。このような構成の第1学習モデルM1を用いる場合、情報処理装置10は、それぞれの感性因子について、最大の出力値(確信度)を出力した出力ノードに対応付けられている数値を、当該感性因子の数値と推定することができる。なお、このような構成の第1学習モデルM1は、各感性因子について、それぞれの数値に対する確信度を出力する複数の出力ノードを有する代わりに、確信度が最も高い数値を出力する1個の出力ノードを有する構成でもよい。また第1学習モデルM1は次元圧縮アルゴリズムを用いて構成することができ、この場合、教師なし学習によって、訓練用のアンケート回答(例えば2000人分の音楽コンテンツに関する50項目程度のアンケート回答)に対して因子分析を行うことによって、例えば13個程度の感性因子の各数値を出力するように学習する。なお、第1学習モデルM1は、50項目のアンケート回答の情報量を維持しつつ、ファッションブランドの選好度の推定に寄与できる感性因子を出力するように学習する。
【0024】
図3Bに示す第2学習モデルM2は、ユーザの感性を表す複数種類の感性因子のそれぞれに対する数値を入力とし、入力された各感性因子の数値に基づいて、複数種類のファッションブランドのそれぞれに対するユーザの選好度(嗜好性情報)を推定する演算を行い、演算した結果を出力するように学習してある。第2学習モデルM2に入力される感性因子に対する数値は、例えば図3Aの第1学習モデルM1を用いて推定された感性因子に対する数値を用いることができる。ファッションブランドに対する選好度は、例えば図4に示すアンケートで使用される1~7の数値とすることができる。第2学習モデルM2も、重回帰分析、SVM、ランダムフォレスト、決定木、XGBoost、LightGBM、ニューラルネットワーク、ディープラーニング等のアルゴリズムを用いて構成することができ、複数のアルゴリズムを組み合わせて構成してもよい。
【0025】
第2学習モデルM2は、複数の感性因子に対する数値が入力される入力層と、各ファッションブランドに対する選好度を出力する出力層と、入力データに基づいて出力値を算出する中間層とを備える。第2学習モデルM2の入力層は、複数の入力ノードを有しており、各入力ノードを介して、複数の感性因子に対する数値が入力される。第2学習モデルM2の中間層は、各種の関数及び閾値等を用いて、入力されたデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴値を出力層に出力する。第2学習モデルM2の出力層は、複数の出力ノードを有しており、各出力ノードには、予め設定されているファッションブランドが対応付けられており、各出力ノードから、対応付けられたファッションブランドに対する選好度を出力する。具体的には、第2学習モデルM2の出力層は、各ファッションブランドについて、選好度として選択可能な各数値(例えば1~7の選好度)が対応付けられた複数(ここでは7個)の出力ノードを有し、各出力ノードから、対応付けられた各選好度に対する確信度を出力する。それぞれのファッションブランドについて、各出力ノードから例えば0~1の出力値が出力され、各出力ノードからの出力値の合計が1(100%)となる。このような構成の第2学習モデルM2を用いる場合、情報処理装置10は、それぞれのファッションブランドについて、最大の出力値(確信度)を出力した出力ノードに対応付けられている選好度(例えば1~7のいずれか)を、当該ファッションブランドに対する選好度と推定することができる。なお、このような構成の第2学習モデルM2は、それぞれのファッションブランドについて、それぞれの選好度に対する確信度を出力する複数の出力ノードを有する代わりに、確信度が最も高い選好度を出力する1個の出力ノードを有する構成でもよい。
【0026】
第2学習モデルM2は、訓練用の感性因子の各数値と、当該感性因子の各数値の算出に用いたアンケート回答と同じユーザによるファッションブランドに対する選好度(正解の選好度)とを関連付けた訓練データを用いて機械学習させることにより生成される。具体的には、第2学習モデルM2の訓練データは、楽曲に関するアンケート回答に基づいて算出された各感性因子に対する数値に、図4に示すアンケートを介して取得されたファッションブランドに対する選好度(図4の例では1~7の数値)が対応付けられて生成される。第2学習モデルM2は、訓練データに含まれる各感性因子の数値が入力された場合に、各ファッションブランドに対応する出力ノードから、各ファッションブランドに対する正解の選好度が出力されるように学習する。学習処理において第2学習モデルM2は、入力された各感性因子の数値に基づく演算を行い、各出力ノードからの出力値を算出する。そして第2学習モデルM2は、それぞれのファッションブランドについて、算出した各出力ノードの出力値と正解の選好度に応じた値(正解の選好度に対応する出力ノードに対しては1、他の出力ノードに対しては0)とを比較し、両者が近似するように、演算処理に用いるパラメータを最適化する。ここでも、誤差逆伝播法、最急降下法等を用いて、第2学習モデルM2におけるノード間の重み(結合係数)等のパラメータを最適化する。これにより、あるユーザの感性を表す感性因子の各数値が入力された場合に、当該ユーザのファッションブランドに対する選好度を出力する第2学習モデルM2が得られる。
【0027】
学習モデルM1,M2の学習は、情報処理装置10で行われてもよく、他の学習装置で行われてもよい。他の学習装置で学習が行われて生成された学習済みの学習モデルM1,M2は、ネットワーク経由又は可搬型記憶媒体10a経由で学習装置から情報処理装置10にダウンロードされて記憶部12に記憶される。
【0028】
以下に、上述したような訓練データを学習して学習モデルM1,M2を生成する処理について説明する。図5は学習モデルM1,M2の生成処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、情報処理装置10の制御部11が、記憶部12に記憶してあるプログラムPに従って実行するが、他の学習装置で行われてもよい。以下の処理では、制御部11はまず、図4に示したアンケートに対する回答に基づいて訓練データを生成し、生成した訓練データを用いて学習モデルM1,M2の学習を行う。なお、訓練データの生成に用いるアンケート回答は、多数の回答者によって回答されて記憶部12の所定領域(所定のDB)に記憶してあるものとする。
【0029】
情報処理装置10の制御部11は、記憶部12に記憶してある1人分のアンケート回答を取得する(S11)。アンケート回答は、記憶部12から読み出すほかに、例えばネットワーク経由でアンケート回答者の端末、アンケート回答の回収を行う端末等から取得する構成でもよい。取得したアンケート回答には、楽曲に対するアンケート回答と、ファッションブランドの選好度に対するアンケート回答とが含まれる。
【0030】
制御部11は、アンケート回答のうちの楽曲に対するアンケート回答を抽出し、楽曲に対するアンケート回答に基づいて、このアンケート回答者の感性を表す各感性因子に対する数値を算出する(S12)。ここでは制御部11は、アンケート回答者の感性について、最尤推定法によって当該感性を表す各感性因子の数値(最尤推定量)を算出する。具体的には、制御部11は、各アンケート項目に対して予め設定された係数による線形方程式により、当該アンケート回答者の感性を表す感性因子の数値を算出する。制御部11は、抽出した楽曲に対するアンケート回答と、算出した各感性因子の数値(正解の数値)とを対応付けて、第1学習モデルM1の学習に用いる訓練データを生成し、記憶部12に記憶する(S13)。制御部11は、生成した訓練データを、例えば記憶部12に用意された第1学習モデルM1用の訓練DB(図示せず)に記憶しておく。
【0031】
制御部11は、アンケート回答のうちのファッションブランドの選好度に対するアンケート回答を抽出し、ステップS12で算出した各感性因子の数値と、抽出したファッションブランドに対する選好度(正解の選好度)とを対応付けて、第2学習モデルM2の学習に用いる訓練データを生成し、記憶部12に記憶する(S14)。ここでも制御部11は、生成した訓練データを、例えば記憶部12に用意された第2学習モデルM2用の訓練DB(図示せず)に記憶しておく。
【0032】
制御部11は、記憶部12に記憶してあるアンケート回答のうちで、訓練データの生成処理に用いられていない未処理のアンケート回答があるか否かを判断する(S15)。未処理のアンケート回答があると判断した場合(S15:YES)、制御部11は、ステップS11の処理に戻り、未処理のアンケート回答についてステップS11~S14の処理を行う。制御部11は、未処理のアンケート回答がないと判断するまでステップS11~S15の処理を繰り返す。これにより、記憶部12に記憶してあるアンケート回答に基づいて、学習モデルM1,M2の学習に用いる訓練データが生成されて訓練DB(第1学習モデルM1用の訓練DB、第2学習モデルM2用の訓練DB)に蓄積される。
【0033】
制御部11は、未処理のアンケート回答がないと判断した場合(S15:NO)、上述したように訓練DBに蓄積した訓練データを用いて、学習モデルM1,M2の学習を行う。例えば制御部11は、第1学習モデルM1用の訓練DBに蓄積した訓練データのうちの1つを読み出し、読み出した訓練データに基づいて、第1学習モデルM1の学習処理を行う(S16)。ここでは、制御部11は、訓練データに含まれる楽曲に対するアンケート回答を第1学習モデルM1に入力し、当該アンケート回答が入力されることによって第1学習モデルM1から出力される出力値を取得する。制御部11は、第1学習モデルM1から出力された各出力ノードの出力値と、訓練データに含まれる各感性因子の正解の数値とを比較し、両者が近似するように第1学習モデルM1を学習させる。学習処理において、制御部11は、第1学習モデルM1におけるノード間の重み等のパラメータを、出力層から入力層に向かって順次更新する誤差逆伝播法を用いて最適化する。
【0034】
制御部11は、第1学習モデルM1用の訓練DBに記憶してある訓練データのうちで、学習処理が行われていない未処理の訓練データがあるか否かを判断する(S17)。未処理の訓練データがあると判断した場合(S17:YES)、制御部11は、ステップS16の処理に戻り、学習処理が未処理の訓練データを用いて第1学習モデルM1の学習処理を行う。未処理の訓練データがないと判断した場合(S17:NO)、制御部11は、第2学習モデルM2用の訓練DBに蓄積した訓練データのうちの1つを読み出し、読み出した訓練データに基づいて、第2学習モデルM2の学習処理を行う(S18)。ここでは、制御部11は、訓練データに含まれる各感性因子の数値を第2学習モデルM2に入力し、各感性因子の数値が入力されることによって第2学習モデルM2から出力される出力値を取得する。制御部11は、第2学習モデルM2から出力された各出力ノードの出力値と、訓練データに含まれる各ファッションブランドに対する正解の選好度とを比較し、両者が近似するように第2学習モデルM2を学習させる。具体的には、制御部11は、各ファッションブランドについて、各出力ノードの出力値と、正解の選好度に応じた値(正解の選好度に対応する出力ノードに対しては1、他の出力ノードに対しては0)とを比較し、両者が近似するように学習させる。ここでも制御部11は、第2学習モデルM2におけるノード間の重み等のパラメータを、出力層から入力層に向かって順次更新する誤差逆伝播法を用いて最適化する。
【0035】
制御部11は、第2学習モデルM2用の訓練DBに記憶してある訓練データのうちで、学習処理が行われていない未処理の訓練データがあるか否かを判断する(S19)。未処理の訓練データがあると判断した場合(S19:YES)、制御部11は、ステップS18の処理に戻り、学習処理が未処理の訓練データを用いて第2学習モデルM2の学習処理を行う。未処理の訓練データがないと判断した場合(S19:NO)、制御部11は、一連の処理を終了する。
【0036】
上述した学習処理により、楽曲に関するアンケート回答が入力された場合に、当該アンケート回答者における感性因子の数値を出力する第1学習モデルM1と、各感性因子の数値が入力された場合に、当該アンケート回答者のファッションブランドに対する選好度を出力する第2学習モデルM2とが生成される。なお、上述した処理において、ステップS11~S15による訓練データの生成処理と、ステップS16~S19による学習モデルM1,M2の生成処理とは、各別の装置で行われてもよい。学習モデルM1,M2は、上述したような訓練データを用いた学習処理を繰り返し行うことにより更に最適化することが可能である。また、既に学習済みの学習モデルM1,M2についても、上述した学習処理で再学習させることにより、判別精度が更に向上した学習モデルM1,M2を生成できる。なお、第1学習モデルM1が次元圧縮アルゴリズムで構成されている場合、ステップS13で制御部11は、楽曲に対するアンケート回答を第1学習モデルM1の訓練データとして記憶する。そして、ステップS16で制御部11は、訓練データ(アンケート回答)に対して因子分析を行うことによって第1学習モデルM1の学習を行う。
【0037】
以下に、本実施形態の情報処理装置10が、任意のユーザによる楽曲に関するアンケート回答に基づいて当該ユーザのファッションブランドに対する選好度を推定する処理について説明する。図6はファッションブランドに対する選好度の推定処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0038】
本実施形態では、ユーザが音楽のストリーミングサービス(音楽配信サービス)の利用を開始する際に又は利用中に、あるいは、ユーザがネットワーク経由で各種のサイトにアクセスした際等、任意のタイミングで、図2に示すようなアンケートを行う。情報処理装置10は、任意のタイミングで行われたアンケートに対する回答から当該ユーザのファッションブランドに対する選好度を推定する。
【0039】
情報処理装置10の制御部11は、任意のユーザによるアンケート回答を取得する(S21)。制御部11は、アンケート回答と共に、アンケート回答者の連絡先等を含むユーザ情報を取得してもよい。なお、アンケート回答は、予め通信部13又は入力部14を介して取得して記憶部12に記憶されていてもよく、この場合、制御部11は、記憶部12からアンケート回答を読み出す。また制御部11は、アンケート回答を、ネットワーク経由でアンケート回答者の端末、アンケート回答の回収を行う端末等から取得する構成でもよい。制御部11は、取得した楽曲に関するアンケート回答に基づいて、当該アンケート回答者の感性を表す各感性因子の数値を推定する(S22)。ここでは、制御部11は、楽曲に関するアンケート回答を第1学習モデルM1に入力し、第1学習モデルM1の各出力ノードからの出力値を、各出力ノードに対応付けられている感性因子の数値として取得する。
【0040】
次に制御部11は、推定した各感性因子の数値に基づいて、当該アンケート回答者の各ファッションブランドに対する選好度を推定する(S23)。ここでは、制御部11は、各感性因子の数値を第2学習モデルM2に入力し、第2学習モデルM2の各出力ノードからの出力値に基づいて、各ファッションブランドに対する選好度を取得する。具体的には、制御部11は、各ファッションブランドについて、最大の出力値(確信度)を出力した出力ノードに対応付けられている選好度を、当該ファッションブランドに対する選好度として取得する。制御部11は、アンケート回答と共にユーザ情報を取得している場合、ユーザ情報と、ステップS23で推定した各ファッションブランドに対する選好度を含むブランド情報とを対応付けて記憶部12に記憶する(S24)。なお、制御部11は、ユーザ情報及びファッション情報に加えて、ステップS21で取得したアンケート回答及びステップS22で推定した各感性因子の数値の少なくとも一方を記憶部12に記憶してもよい。
【0041】
制御部11は、ファッションブランドに対するユーザの選好度が推定されていない未処理のアンケート回答があるか否かを判断する(S25)。未処理のアンケート回答があると判断した場合(S25:YES)、制御部11は、ステップS21の処理に戻り、未処理のアンケート回答についてステップS21~S24の処理を行う。これにより、楽曲に関するアンケートに回答した各ユーザについて、ファッションブランドに対する選好度を推定することができる。制御部11は、未処理のアンケート回答がないと判断するまでステップS21~S25の処理を繰り返し、未処理のアンケート回答がないと判断した場合(S25:NO)、一連の処理を終了する。これにより、任意のユーザから取得した楽曲に関するアンケート回答に基づいて、当該ユーザのファッションブランドに対する選好度が推定される。なお、ステップS23で推定された各ファッションブランドに対する選好度は、1~7(1:とても嫌い,7:とても好き)の数値で表され、各ファッションブランドに対する選好度の高低を比較することができる。
【0042】
上述した処理により、ユーザが選択した音楽コンテンツ(例えば、最も好む音楽コンテンツ)に対するアンケート回答から、当該ユーザのファッションブランドに対する選好度を推定することができる。よって、ユーザに対しては、例えば、選好度が高いファッションブランドに関する宣伝及び広告、商品のレコメンド情報等を提供することが可能となり、ファッションブランドの販売店等に対しては、例えば、各ファッションブランドに対する選好度が高いユーザの情報を提供することが可能となる。なお、ユーザは、ファッションブランドに対する選好度を意識することなく、楽曲に関するアンケートに回答するだけで、ユーザが選好するファッションブランドを推定することができる。
【0043】
図7は、ユーザのファッションブランドに対する選好度と、ユーザの音楽に対する感性から推定されるファッションブランドに対する選好度との比較を示す説明図である。図7に示すグラフは、横軸に、ファッションブランドに対するユーザの実際の選好度を示し、縦軸に、ユーザが選択した楽曲に対するアンケート回答から推定した感性(各感性因子の数値)から推定したファッションブランドに対する選好度を示し、各ユーザの実際の選好度と、音楽に対する感性から推定した選好度とがプロットされたグラフである。実際の選好度は、各ユーザが、複数のブランドに対して好みの順位を決定し、各ブランドに対して順位に応じたスコア(順位が高いほど大きいスコア)を割り当て、第1ブランドのスコアから第2ブランドのスコアを減算(第1ブランドのスコア-第2ブランドのスコア)した値を示す。即ち、図7のグラフの横軸で示す実際の選好度は、各ユーザの2つのブランドに対する選好度の差異を示し、右側ほど第1ブランドの選好度が高いこと、左側ほど第2ブランドの選好度が高いことを示している。音楽に対する感性から推定した選好度は、本実施形態の処理により、楽曲に関するアンケート回答から算出したユーザの感性(各感性因子の数値)から推定した当該ユーザの複数のブランドに対する選好度から各ブランドに対する好みの順位を決定し、各ブランドに対して順位に応じたスコア(順位が高いほど大きいスコア)を割り当て、第1ブランドのスコアから第2ブランドのスコアを減算した値を示す。即ち、図7のグラフの縦軸で示す推定した選好度は、各ユーザの音楽に対する感性から推定した2つのブランドに対する選好度の差異を示し、上側ほど第1ブランドの選好度が高いこと、下側ほど第2ブランドの選好度が高いことを示している。
【0044】
図7のグラフから、ファッションブランドに対するユーザの実際の選好度と、ユーザの音楽に対する感性から推定したファッションブランドに対する選好度との間には強い相関があることが分かる。よって、本実施形態では、ユーザが選択した楽曲に対するアンケート回答から、当該ユーザの音楽に関する感性を複数の感性因子の数値で表し、ユーザの感性を表した複数の感性因子の数値を用いて、当該ユーザのファッションブランドに対する選好度を推定することにより、当該ユーザのファッションブランドに対する選好度(嗜好性)を精度よく推定することが可能である。
【0045】
上述したように、ユーザは自身の感性に従って各種の選択を行うので、音楽コンテンツに限らず各種のコンテンツに対するユーザの嗜好性(選好度)から感性を推定する構成としてもよい。また、ファッションブランドに限らず、ユーザの感性に基づいて各種の商品及びサービスに対するユーザの嗜好性(選好度)を推定する構成としてもよい。例えば、映像コンテンツ(映画、テレビ番組、演劇、Youtube等)、文章、本、写真、漫画、アニメーション、イラストレーション、コンピュータグラフィックス、ゲーム等のコンテンツのいずれか又は複数に対するアンケート回答から、当該ユーザの感性を表す感性因子の数値を推定する構成としてもよい。また、感性の推定に用いるアンケート回答には、図2に示すように最も好む音楽コンテンツに関するアンケート回答のほかに、ユーザ自身の音楽感性又は音楽価値観に関するアンケート回答、感性因子のスコア(数値)に影響を及ぼす楽曲又はアーティストに対するイメージ及び印象に関するアンケート回答、感性因子のスコアに影響を及ぼす所定数の楽曲、アーティスト又はメロディーライン等に対する好みの順での並べ替え結果等を用いてもよい。
【0046】
また、上述したように推定されたユーザの感性に基づいて、レストラン、ショッピングセンタ、ショッピングモール、ランドマーク等の建物、場所、街、観光地等の旅行先、ペットの種類等を含む各種の商品及びサービスに対するユーザの選好度(嗜好性)を推定する構成としてもよい。また、ユーザの感性(感性因子の各数値)に基づいて、職場の同僚、友人、異性等の人に対するユーザの選好度を推定する構成としてもよく、この場合、他の人との選好度に基づいて他の人との相性を推定することが可能となる。なお、感性(感性因子の各数値)の推定に用いるコンテンツと、推定された感性を用いてユーザの嗜好性(選好度)を推定する商品又はサービスとの組合せは、コンテンツに対するアンケート回答から推定される感性因子の各数値と、商品又はサービスに対する同様のアンケート回答から推定される感性因子の各数値との間に強い相関がある組合せであることが好ましい。
【0047】
上述した処理において、第1学習モデルM1を用いて楽曲に関するアンケート回答から回答者の感性を表す感性因子の各数値を推定する処理、及び/又は、第2学習モデルM2を用いて感性因子の各数値から回答者のファッションブランドに対する選好度を推定する処理は、情報処理装置10がローカルで行う構成に限定されない。例えば、これらの処理を、学習モデルM1,M2を提供するサーバで実行する構成でもよい。例えば、情報処理装置10は、受け付けたアンケート回答をサーバへ送信し、サーバでアンケート回答から推定された感性因子の各数値を受信するように構成することができる。また、情報処理装置10は、回答者の感性を表す感性因子の各数値をサーバへ送信し、サーバで感性因子の各数値から推定されたファッションブランドに対する回答者の選好度を受信するように構成することができる。
【0048】
(実施形態2)
上述した実施形態1において、楽曲に対するアンケート回答の代わりに、音楽のストリーミングサービス(音楽配信サービス)で提供されるプレイリストに含まれる楽曲に基づいて、ユーザの感性を表す感性因子の数値を推定する情報処理装置について説明する。本実施形態の情報処理装置は、図1に示す実施形態1の情報処理装置10の構成と同様の構成を有するので、構成についての説明は省略する。
【0049】
図8は実施形態2のファッションブランドに対する選好度の推定処理手順の一例を示すフローチャートである。図8に示す処理は、図6に示す処理において、ステップS21の代わりにステップS31~S32を追加し、ステップS25の代わりにステップS33を追加したものである。図6と同じステップについては説明を省略する。本実施形態では、情報処理装置10の制御部11は、ユーザが音楽配信サービスで利用しているプレイリストを取得する(S31)。例えば情報処理装置10が、音楽配信サービスを提供するサーバである場合、制御部11は、ネットワーク経由でユーザの端末との間で情報の送受信を行うことにより、ユーザの端末からプレイリストを取得することができる。またユーザの端末がネットワーク経由でプレイリストを送信できる場合、制御部11は、ネットワーク経由でユーザの端末からプレイリストを取得してもよい。プレイリストは、各楽曲の楽曲名及びアーティスト名を含む。なお、制御部11は、プレイリストの代わりに、音楽配信サービスにおいて、お気に入り登録された各楽曲の情報、再生履歴(聴取履歴)に含まれる各楽曲の情報を取得する構成でもよい。
【0050】
制御部11は、取得したプレイリストに基づいて、図2に示すようなアンケート項目に対する回答を推定する(S32)。例えば、楽曲自体、又は、楽曲のテンポ、リズム、音程、メロディーライン等の楽曲情報に対して、当該楽曲を好むユーザが回答する可能性の高い各アンケート項目に対する回答(例えば1~5の数値)を対応付けておく。そして、制御部11はプレイリストに含まれる楽曲、又は当該楽曲のテンポ、リズム、音程、メロディーライン等の楽曲情報の傾向を抽出し、抽出した楽曲又は楽曲情報の傾向に対応する各アンケート回答を特定することにより、プレイリストを利用するユーザによるアンケート回答を推定する。また、プレイリストに再生回数(聴取回数)が含まれる場合、制御部11は再生回数が最多の楽曲を抽出し、この楽曲又は当該楽曲の楽曲情報に対応付けられている各アンケート回答を特定することにより、当該ユーザによるアンケート回答を推定してもよい。
【0051】
その後、制御部11は、ステップS22以降の処理を実行する。これにより、本実施形態においても、プレイリストから推定したアンケート回答に基づいて、プレイリストの利用者の感性を表す各感性因子の数値を推定し、プレイリストの利用者の各ファッションブランドに対する選好度を推定できる。本実施形態の制御部11は、未処理のプレイリストがあるか否かを判断し(S33)、あると判断した場合(S33:YES)、ステップS31に戻り、ないと判断した場合(S33:NO)、処理を終了する。
【0052】
上述した処理により、本実施形態では、ユーザが利用するプレイリストに基づいて、当該ユーザの感性を複数の感性因子の数値で表し、ユーザの感性に基づいて当該ユーザのファッションブランドに対する選好度を推定することができる。よって、ユーザの感性(嗜好性)に適合したファッションブランドに対する選好度を推定することができる。また本実施形態では、ユーザが音楽配信サービスで利用するプレイリストに基づいて、当該ユーザのファッションブランドに対する選好度を推定するので、ユーザは音楽配信サービスを利用すればよく操作負担が増加しない。
【0053】
本実施形態においても、音楽配信サービスにおける楽曲のプレイリストに限らず、例えば動画配信サービスにおける映像コンテンツ等、各種のコンテンツのプレイリスト、再生履歴又はお気に入り登録等によるユーザの嗜好性から感性を推定する構成としてもよい。この場合、各種のコンテンツ、又は各コンテンツに関する情報に対して、各アンケート項目に対する回答を対応付けておき、ユーザのプレイリスト、再生履歴又はお気に入り登録等に登録されているコンテンツ、又はコンテンツに関する情報に対応する各アンケート回答を特定するように構成される。また、各種のコンテンツのプレイリスト、再生履歴又はお気に入り登録等によるユーザの嗜好性から推定された当該ユーザの感性に基づいて、各種の商品及びサービスに対するユーザの嗜好性(選好度)を推定する構成としてもよい。本実施形態においても、第1学習モデルM1を用いて楽曲に関するアンケート回答(プレイリストから推定されたアンケート回答)からユーザの感性を表す感性因子の各数値を推定する処理、及び/又は、第2学習モデルM2を用いて感性因子の各数値からユーザのファッションブランドに対する選好度を推定する処理は、情報処理装置10がローカルで行う構成に限定されない。これらの処理を、学習モデルM1,M2を提供するサーバで実行する構成でもよい。
【0054】
本実施形態では、ユーザのプレイリスト、再生履歴又はお気に入り登録に登録されている楽曲(コンテンツ)に基づいて、楽曲(コンテンツ)に関するアンケート項目に対するユーザの回答を推定し、推定したアンケート回答からユーザの感性を表す感性因子の各数値を推定する処理以外は、実施形態1と同様の処理であり、実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態においても、上述した実施形態1で適宜説明した変形例の適用が可能である。
【0055】
(実施形態3)
上述した実施形態1~2の情報処理装置10は、第1学習モデルM1及び第2学習モデルM2を用いて、ユーザによるアンケート回答、又は、ユーザのプレイリストから推定されたアンケート回答から、当該ユーザのファッションブランドに対する選好度を推定する構成である。本実施形態では、1つの第3学習モデルを用いて、ユーザによるアンケート回答、又は、ユーザのプレイリストから推定されたアンケート回答から、当該ユーザのファッションブランドに対する選好度を推定する情報処理装置について説明する。本実施形態の情報処理装置は、図1に示す実施形態1の情報処理装置10の構成と同様の構成を有するので、構成についての詳細な説明は省略する。なお、本実施形態の情報処理装置10は、記憶部12に、第1学習モデルM1及び第2学習モデルM2の代わりに第3学習モデルM3を記憶している。
【0056】
図9は第3学習モデルM3の構成例を示す説明図である。第3学習モデルM3は、第1学習モデルM1の入力データと同様に、ユーザが選択した音楽コンテンツ(例えばユーザが最も好む音楽コンテンツ)に関するアンケート回答を入力とし、入力されたデータに基づいて、複数種類のファッションブランドのそれぞれに対するユーザの選好度(嗜好性情報)を推定する演算を行い、第2学習モデルM2の出力データと同様に、ユーザのファッションブランドに対する選好度を出力するように学習してある。第3学習モデルM3は、重回帰分析、SVM、ランダムフォレスト、決定木、XGBoost、LightGBM、ニューラルネットワーク、ディープラーニング等のアルゴリズムを用いて構成することができ、また、実施形態1~2の第1学習モデルM1及び第2学習モデルM2を組み合わせる等、複数のアルゴリズムを組み合わせて構成してもよい。
【0057】
第3学習モデルM3は、第1学習モデルM1と同様に音楽コンテンツに関するアンケート回答が入力される入力層と、第2学習モデルM2と同様に各ファッションブランドに対する選好度を出力する出力層と、入力データに基づいて出力値を算出する中間層とを備える。このような構成により、第3学習モデルM3は、楽曲に関するアンケート回答が入力された場合に、各ファッションブランドについて、各出力ノードから、対応付けられた各選好度に対する確信度を出力する。このような第3学習モデルM3を用いる場合、情報処理装置10は、各ファッションブランドについて、最大の出力値(確信度)を出力した出力ノードに対応付けられている選好度(例えば1~7のいずれか)を、当該ファッションブランドに対する選好度として取得する。
【0058】
第3学習モデルM3は、訓練用の楽曲に関するアンケート回答と、アンケート回答者によるファッションブランドに対する選好度(正解の選好度)とを関連付けた訓練データを用いて機械学習させることにより生成される。第3学習モデルM3の訓練データは、アンケートを介して取得した音楽コンテンツに関するアンケート回答(図4の例では各アンケート項目に対して1~5の数値)に、アンケートを介して取得したファッションブランドに対する選好度(図4の例では1~7の数値)が対応付けられて生成される。なお、訓練データに用いる選好度は、実施形態1の第1学習モデルM1及び第2学習モデルM2を用いてアンケート回答から推定された各ファッションブランドに対する選好度であってもよい。第3学習モデルM3は、訓練データに含まれるアンケート回答が入力された場合に、各ファッションブランドに対応する出力ノードから、各ファッションブランドに対する正解の選好度が出力されるように学習する。学習処理において第3学習モデルM3は、入力されたアンケート回答に基づく演算を行い、各出力ノードからの出力値を算出する。そして第3学習モデルM3は、それぞれのファッションブランドについて、算出した各出力ノードの出力値と正解の選好度に応じた値(正解の選好度に対応する出力ノードに対しては1、他の出力ノードに対しては0)とを比較し、両者が近似するように、演算処理に用いるパラメータを最適化する。ここでも、誤差逆伝播法、最急降下法等を用いて、第3学習モデルM3におけるノード間の重み等のパラメータを最適化する。これにより、あるユーザの楽曲に関するアンケート回答が入力された場合に、当該ユーザのファッションブランドに対する選好度を出力する第3学習モデルM3が得られる。第3学習モデルM3の学習も、情報処理装置10で行われてもよく、他の学習装置で行われてもよい。
【0059】
上述した構成の本実施形態の情報処理装置10は、図6に示す処理と同様の処理の実行が可能である。なお、本実施形態の情報処理装置10では、制御部11は、ステップS22の処理を行わず、ステップS21で取得した楽曲に関するアンケート回答に基づいて、当該アンケート回答者の各ファッションブランドに対する選好度を推定する(S23)。ここでは、制御部11は、アンケート回答を第3学習モデルM3に入力し、第3学習モデルM3の各出力ノードからの出力値に基づいて、各出力ノードに対応付けられているファッションブランドに対する選好度として取得する。具体的には、制御部11は、各ファッションブランドについて、最大の出力値(確信度)を出力した出力ノードに対応付けられている選好度(例えば1~7のいずれか)を、ファッションブランドに対する選好度に推定する。
【0060】
上述した処理により、本実施形態においても、ユーザが最も好む音楽コンテンツに対するアンケート回答から、当該ユーザのファッションブランドに対する選好度を推定することができる。よって、ユーザは選択した楽曲(例えば、好きな楽曲)に関するアンケートに回答するだけで、ユーザの感性(嗜好性)に適合したファッションブランドに対する選好度を推定できる。
【0061】
本実施形態の構成は、上述した実施形態1~2の情報処理装置10に適用可能であり、実施形態1~2の情報処理装置10に適用した場合であっても同様の効果が得られる。また、本実施形態においても、上述した実施形態1~2で適宜説明した変形例の適用が可能である。
【0062】
(実施形態4)
実施形態3の第3学習モデルM3の変形例について説明する。本実施形態の情報処理装置は、記憶部12に第3学習モデルM3の代わりに第4学習モデルを記憶している構成のほかは、実施形態3の情報処理装置10と同様の構成を有する。なお、本実施形態の情報処理装置10は、記憶部12に、第4学習モデルの学習に用いる訓練データに利用できるデータが記憶してあるDB(以下では訓練データ用DBと記載する)を記憶している。
【0063】
図10は訓練データ用DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。図10に示す訓練データ用DBは、データID列、アーティスト列、楽曲列、楽曲のアンケート回答列、感性因子列、ブランドのアンケート回答列等を含み、各ユーザから収集したデータに割り当てられたデータIDに対応付けて、各ユーザに関する情報を記憶する。アーティスト列、楽曲列、楽曲のアンケート回答列、ブランドのアンケート回答列は、例えば図4に示すアンケートを介してユーザが回答した、好みの楽曲のアーティスト名、楽曲名、当該楽曲に関する各アンケート項目に対する回答(例えば1~5の数値)、各ファッションブランドに対する選好度に関するアンケート回答(例えば1~7の数値)を記憶する。感性因子列は、楽曲に関するアンケート回答に基づいて所定の演算によって算出された各感性因子に対する数値、又は、実施形態1における第1学習モデルM1を用いて推定された各感性因子に対する数値を記憶する。なお、ブランドのアンケート回答列は、各ファッションブランドの選好度に対するアンケート回答のほかに、実施形態1における第2学習モデルM2を用いて各ユーザについて推定された各ファッションブランドに対する選好度を記憶してもよい。また、第2学習モデルM2を用いて各ファッションブランドに対する選好度を推定する場合、第2学習モデルM2に入力する各感性因子の数値は、楽曲に関するアンケート回答に基づいて、予め設定された所定の演算によって算出された各感性因子に対する数値であってもよく、第1学習モデルM1を用いて楽曲に関するアンケート回答から推定された各感性因子の数値であってもよい。
【0064】
図11は第4学習モデルM4の構成例を示す説明図である。第4学習モデルM4は、第3学習モデルM3において、音楽コンテンツに関するアンケート回答の代わりに、ユーザが選択(指定)する音楽コンテンツに関するコンテンツデータを入力データとする。コンテンツデータは、例えばユーザが好む音楽コンテンツ又は聴取頻度が多い音楽コンテンツの楽曲名及びアーティスト名を含む。第4学習モデルM4は、入力されたコンテンツデータに基づいて、複数種類のファッションブランドのそれぞれに対するユーザの選好度(嗜好性情報)を推定する演算を行い、ユーザのファッションブランドに対する選好度を出力するように学習してある。第4学習モデルM4は、重回帰分析、SVM、ランダムフォレスト、決定木、XGBoost、LightGBM、ニューラルネットワーク、ディープラーニング等のアルゴリズムを用いて構成することができ、また、複数のアルゴリズムを組み合わせて構成してもよい。
【0065】
第4学習モデルM4は、コンテンツデータが入力される入力層と、各ファッションブランドに対する選好度を出力する出力層と、入力データに基づいて出力値を算出する中間層とを備える。第4学習モデルM4の入力層は、例えば2つの入力ノードを有しており、各入力ノードを介して、ユーザが好む音楽コンテンツ又は聴取頻度が多い音楽コンテンツの楽曲名及びアーティスト名が入力される。第4学習モデルM4の入力層は、楽曲名又はアーティスト名のいずれかが入力される構成でもよい。第4学習モデルM4の中間層は、各種の関数及び閾値等を用いて、入力されたデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴値を出力層に出力する。第4学習モデルM4の出力層は、複数の出力ノードを有しており、各出力ノードには、予め設定されているファッションブランドが対応付けられており、各出力ノードから、対応付けられたファッションブランドに対する選好度(例えば1~7のいずれか)を出力する。具体的には、第4学習モデルM4の出力層は、それぞれのファッションブランドに対して、例えばソフトマックス関数(図示せず)と、選好度として選択可能な各数値(例えば1~7)が対応付けられた複数(ここでは7個)の出力ノードとを有しており、各出力ノードから、対応付けられた各選好度に対する確信度を出力する。それぞれのファッションブランドについて、各出力ノードから例えば0~1の出力値が出力され、各出力ノードからの出力値の合計が1(100%)となる。このような構成の第4学習モデルM4では、それぞれのファッションブランドについて、最大の出力値(確信度)を出力した出力ノードに対応付けられている選好度(例えば1~7のいずれか)を、ファッションブランドに対する選好度に推定できる。このような構成の第4学習モデルM4を用いることにより、情報処理装置10は、ユーザが選択した音楽コンテンツのコンテンツデータを入力した場合に第4学習モデルM4から出力された各出力値に基づいて、各ファッションブランドに対する当該ユーザの選好度を特定できる。なお、第4学習モデルM4は、それぞれのファッションブランドについて、それぞれの選好度に対する確信度を出力する複数の出力ノードを有する代わりに、確信度が最も高い選好度を出力する1個の出力ノードを有する構成でもよい。
【0066】
第4学習モデルM4は、訓練用の音楽コンテンツに関するコンテンツデータと、当該音楽コンテンツを選択したユーザの各ファッションブランドに対する選好度(正解の選好度)とを関連付けた訓練データを用いて機械学習させることにより生成される。第4学習モデルM4の訓練データは、記憶部12の訓練データ用DBに記憶してあるデータを用いて生成される。具体的に、第4学習モデルM4の訓練データは、訓練データ用DBに記憶してある各データにおけるアーティスト名及び楽曲名に、ファッションブランドに対するアンケート回答が対応付けられて生成される。学習処理において第4学習モデルM4は、訓練データに含まれるアーティスト名及び楽曲名(コンテンツデータ)が入力された場合に、入力されたデータに基づく演算を行い、各出力ノードからの出力値を算出する。そして第4学習モデルM4は、それぞれのファッションブランドについて、算出した各出力ノードの出力値と、正解の選好度に応じた値(正解の選好度に対応する出力ノードに対しては1、他の出力ノードに対しては0)とを比較し、両者が近似するように、演算処理に用いるパラメータを最適化する。ここでも、誤差逆伝播法、最急降下法等を用いて、第4学習モデルM4におけるノード間の重み等のパラメータを最適化する。これにより、あるユーザが好む楽曲のコンテンツデータが入力された場合に、各ファッションブランドの出力ノードから、各選好度に対する確信度を出力する第4学習モデルM4が得られる。第4学習モデルM4の学習も、情報処理装置10で行われてもよく、他の学習装置で行われてもよい。
【0067】
第4学習モデルM4の入力データであるコンテンツデータは、ユーザが好む音楽コンテンツの楽曲名及びアーティスト名のほかに、当該音楽コンテンツのテンポ、リズム、音程、メロディーライン等の情報を含んでもよく、また、感性に影響を及ぼす複数の楽曲、アーティスト、又はメロディーライン等をユーザが好みの順に並び替えた結果等を含んでもよい。また、第4学習モデルM4の入力データは、音楽配信サービスで利用されるプレイリスト、再生履歴又はお気に入り登録等に登録されている楽曲(音楽コンテンツ)の楽曲情報であってもよい。このような構成の第4学習モデルM4は、上述したようなコンテンツデータを訓練データ用DBに記憶しておくことにより、訓練データ用DBに記憶されたコンテンツデータと、対応するファッションブランドに対するアンケート回答とによる訓練データを用いた学習によって得られる。
【0068】
上述した構成の第4学習モデルM4を用いる場合、情報処理装置10は、図6に示す処理と同様の処理の実行が可能である。なお、本実施形態の情報処理装置10では、制御部11は、ステップS22の処理を行わず、ステップS21で取得した楽曲に関するアンケート回答のうちのユーザが好む楽曲のアーティスト名及び楽曲名に基づいて、当該ユーザの各ファッションブランドに対する選好度を推定する(S23)。ここでは、制御部11は、ユーザが好む楽曲のアーティスト名及び楽曲名(コンテンツデータ)を第4学習モデルM4に入力し、第4学習モデルM4の各出力ノードからの出力値に基づいて、各ファッションブランドに対する選好度を取得する。具体的には、制御部11は、それぞれのファッションブランドについて、各出力ノードからの出力値のうちで最大の出力値を出力した出力ノードを特定し、特定した出力値に対応付けられている選好度を、当該ファッションブランドに対する選好度に特定する。
【0069】
上述した処理により、第4学習モデルM4を用いる場合、ユーザが好む楽曲のアーティスト名及び楽曲名から、当該ユーザのファッションブランドに対する選好度を推定することができる。なお、本実施形態では、ステップS21で、図2に示すようなアンケートに対する回答を取得する必要はなく、ユーザが好む楽曲のアーティスト名及び楽曲名のみを取得すればよい。また、ユーザが好む楽曲のアーティスト名及び楽曲名は、例えば音楽配信サービスのプレイリスト、再生履歴、又はお気に入り登録から抽出してもよい。この場合、ユーザは、音楽配信サービスを利用するだけで、ユーザの感性(嗜好性)に適合したファッションブランドに対する選好度を推定できる。本実施形態においても、上述した実施形態1~3で適宜説明した変形例の適用が可能である。
【0070】
(実施形態5)
上述した実施形態1~4では、ユーザの音楽に関するアンケート回答又はユーザが選択した楽曲の情報から当該ユーザのファッションブランドに対する選好度が推定される。よって、ユーザのファッションブランドに対する選好度を考慮して商品又はサービスのレコメンド情報を提供することができる。このほかに、本実施形態では、複数のファッションブランドのそれぞれについて、各ファッションブランドに対する選好度が高いユーザの感性(感性因子の各数値)を比較できる情報処理装置について説明する。本実施形態の情報処理装置は、図1に示す実施形態1の情報処理装置10の構成と同様の構成を有するので、構成についての説明は省略する。
【0071】
図12は各ファッションブランドに対する選好度が高いユーザの感性の比較処理手順の一例を示すフローチャート、図13は画面例を示す説明図である。本実施形態の情報処理装置10は、図5に示す処理と同様の処理の実行が可能であり、図5中のステップS14で、アンケート回答者の感性を表す各感性因子に対する数値と、ファッションブランドに対するアンケート回答者の選好度とを対応付けて記憶部12に記憶している。本実施形態では、このように記憶部12に記憶された各感性因子に対する数値、及びファッションブランドに対するアンケート回答者の選好度(即ち、第2学習モデルM2用の訓練データ)を用いて、各ファッションブランドに対する選好度が高いユーザの感性を比較する。なお、情報処理装置10が図10に示す訓練データ用DBを記憶部12に記憶している場合、訓練データ用DBに記憶してある各感性因子に対する数値、及びファッションブランドに対するアンケート回答を用いてもよい。
【0072】
情報処理装置10の制御部11は、ファッションブランドのうちの1つを選択し(S41)、選択したファッションブランドの選好度が高いアンケート回答者の各感性因子の数値を取得する(S42)。ここでは、制御部11は、複数のファッションブランドのうちで、選択したファッションブランドの選好度が最高であるアンケート回答者を抽出し、抽出した各アンケート回答者の各感性因子の数値を記憶部12から読み出す。そして、制御部11は、読み出した各アンケート回答者の各感性因子の数値に基づいて、各感性因子の数値の平均値を算出する(S43)。なお、制御部11は、ファッションブランドの情報に対応付けて、各感性因子の数値の平均値を記憶部12に記憶しておく。制御部11は、上述した処理が行われていない未処理のファッションブランドがあるか否かを判断する(S44)。未処理のファッションブランドがあると判断した場合(S44:YES)、制御部11は、ステップS41の処理に戻り、未処理のファッションブランドのうちの1つを選択し(S41)、選択したファッションブランドについてステップS42~S43の処理を行う。制御部11は、未処理のファッションブランドがないと判断するまでステップS41~S44の処理を繰り返す。これにより、各ファッションブランドについて、選好度が最高であるアンケート回答者における各感性因子の数値の平均値を取得することができる。
【0073】
制御部11は、未処理のファッションブランドがないと判断した場合(S44:NO)、ステップS43で算出して記憶部12に記憶した各ファッションブランドに対応する各感性因子の数値の平均値を、ファッションブランド毎に表示する(S45)。例えば制御部11は、図13Aに示すような画面を生成して表示部15に表示する。図13Aの画面は、ファッションブランド毎に、第1~第15感性因子の数値(各感性因子の数値の平均値)を表示している。これにより、各ファッションブランドについて、当該ファッションブランドの選好度が高いユーザの平均的な感性(各感性因子の数値)をグラフで表示することができる。図13Aに示すグラフによって、各ファッションブランドを好むユーザが有する感性(各感性因子の数値)を比較することができ、例えば図13Aの例では、第1ブランドと第3ブランドとにおいて、各ブランドを好むユーザの感性が類似していることが分かる。また、第4ブランドを好むユーザの感性と、第1~第3ブランドを好むユーザの感性とは類似していないことが分かる。
【0074】
次に制御部11は、ファッションブランドのうちの2つを選択し(S46)、選択した2つのファッションブランドの選好度が高いアンケート回答者の各感性因子の数値を取得する(S47)。ここでも、制御部11は、選択した2つのファッションブランドのそれぞれについて、選好度が最高であるアンケート回答者を抽出し、抽出した各アンケート回答者の各感性因子の数値を記憶部12から読み出し、各感性因子の数値の平均値を算出する。そして、制御部11は、2つのファッションブランド間において、各感性因子の数値の平均値の類似度を算出する(S48)。類似度は、例えば相関係数又はコサイン類似度を用いることができるが、その他の類似度を用いてもよい。制御部11は、ファッションブランドのペアに対応付けて、各感性因子の平均値の類似度を記憶部12に記憶しておく。
【0075】
制御部11は、感性因子の類似度の算出処理が行われていない未処理のファッションブランドのペア(2つのファッションブランド)があるか否かを判断し(S49)、未処理のファッションブランドのペアがあると判断した場合(S49:YES)、ステップS46の処理に戻る。そして制御部11は、未処理のファッションブランドのペアを選択し(S46)、選択したファッションブランドのペアについてステップS47~S48の処理を行う。制御部11は、未処理のファッションブランドのペアがないと判断するまでステップS46~S49の処理を繰り返す。これにより、ファッションブランドの各ペアについて、各ファッションブランドの選好度が最高であるアンケート回答者における感性因子の類似度(感性の類似度)を取得することができる。
【0076】
制御部11は、未処理のファッションブランドのペアがないと判断した場合(S49:NO)、ステップS48で算出して記憶部12に記憶したファッションブランドの各ペアに対応する感性因子の類似度をペア毎に表示する(S50)。例えば制御部11は、図13Bに示すような画面を生成して表示部15に表示する。図13Bの画面は、ファッションブランドのペア毎に感性因子の類似度を表示している。これにより、ファッションブランドの各ペアについて、それぞれのファッションブランドに対する選好度が高いユーザの感性(各感性因子の数値)の類似度を一覧表示することができる。図13Bに示す表によって、各ファッションブランドを好むユーザが有する感性(各感性因子の数値)の類似度を把握することができる。
【0077】
上述した処理により、本実施形態では、各ファッションブランドを好むユーザ(各ファッションブランドの選好度が高いユーザ)の感性の類似度を把握することができる。よって、例えばユーザによる楽曲に対するアンケート回答から、当該ユーザの選好度が高いファッションブランドが推定できた場合に、推定されたファッションブランドのほかに、当該ユーザが好む可能性の高い他のファッションブランドを、各ファッションブランドを好むユーザの感性の類似度から推定することができる。よって、ユーザの選好度が高いファッションブランドだけでなく、当該ユーザが好む可能性が高い他のファッションブランドも推定でき、マーケティング情報に利用できる。
【0078】
本実施形態の構成は、上述した実施形態1~4の情報処理装置10に適用可能であり、実施形態1~4の情報処理装置10に適用した場合であっても同様の効果が得られる。また、本実施形態においても、上述した実施形態1~4で適宜説明した変形例の適用が可能である。
【0079】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0080】
上述した各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0081】
10 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 表示部
M1 第1学習モデル
M2 第2学習モデル
M3 第3学習モデル
M4 第4学習モデル
【要約】
【課題】各顧客の嗜好性を取得することが可能であるプログラム等を提供する。
【解決手段】コンピュータは、プログラムに従って、ユーザが選択するコンテンツに関するコンテンツデータを取得する。そして、コンピュータは、取得したコンテンツデータに基づいて、前記ユーザの商品又はサービスの嗜好性に関する嗜好性情報を出力する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13