(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】布板固定部材
(51)【国際特許分類】
E04G 7/28 20060101AFI20240919BHJP
E04G 7/22 20060101ALI20240919BHJP
E04G 7/20 20060101ALI20240919BHJP
F16B 2/12 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
E04G7/28 302
E04G7/28 301B
E04G7/22 B
E04G7/20 A
F16B2/12 Z
(21)【出願番号】P 2024050308
(22)【出願日】2024-03-26
【審査請求日】2024-03-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524115981
【氏名又は名称】粟津 健太
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【氏名又は名称】笹沼 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100225026
【氏名又は名称】古後 亜紀
(74)【代理人】
【識別番号】100230248
【氏名又は名称】杉本 圭二
(72)【発明者】
【氏名】粟津 健太
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-167805(JP,A)
【文献】特開2011-246994(JP,A)
【文献】実公昭59-041189(JP,Y2)
【文献】実公昭58-000746(JP,Y2)
【文献】国際公開第2013/123601(WO,A1)
【文献】実公昭52-011386(JP,Y2)
【文献】特公昭57-028780(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 1/00 - 7/34
F16B 2/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一対の支柱と、前記少なくとも一対の支柱にそれぞれ両端が連結される横架材と、前記横架材に設置される布板とを有する仮設足場の前記布板を固定する布板固定部材であって、
第1の固定片と第1の固定片に摺動可能に接続する第2の固定片とを有し、
前記第1と第2の固定片にそれぞれ設けられて対向する一対のフック部と、
前記一対のフック部間の距離を調整するフック部間距離調整手段と、
前記第1の固定片と前記第2の固定片とを締結することにより前記一対のフック部間の距離を固定するフック部間距離固定手段とを備える布板固定部材。
【請求項2】
請求項1に記載の布板固定部材において、前記第1の固定片は、前記第2の固定片を摺動方向に案内する案内部を有する布板固定部材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の布板固定部材において、前記第1の固定片は、前記第2の固定片の上下方向の移動を抑制する抑制部を有する布板固定部材。
【請求項4】
請求項1または2に記載の布板固定部材において、前記フック部間距離調整手段は長孔であり、前記フック部間距離固定手段はボルトである布板固定部材。
【請求項5】
請求項1または2に記載の布板固定部材において、前記第1の固定片は、前記第2の固定片の摺動方向への移動を制限する制限部を有する布板固定部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物の建築やメンテナンス作業を行う際に用いられる仮設足場の布板固定部材に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物の建築時や建築後のメンテナンス作業時において、施工作業を行うために建築足場が仮設される。このような建築足場は、一般に、所定の間隔で立設された支柱と横架材とを縦横に組み合わせ、横架材に踏み板である布板を仮設して構築される。この布板は、強風等の外的な力により、横架材から外れ、落下するおそれがあった。
【0003】
従来の仮設足場では、隣接する布板同士を番線で結んで固定することにより、布板が横架材から外れるのを防止していた。しかしながら、布板の固定作業に相当の時間がかかること、および固定力不足により布板がぐらつくという問題があった。
【0004】
実開平1-90943号公報(特許文献1)の第6図などには、隣接する足場の一方における他方に対向する側の端部に設けられた凸部と、他方における一方に対向する側の端部に設けられた凹部とを嵌合させて組み付けることにより、足場板(布板)同士を固定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の発明によれば、隣接する足場の端部に設けられた凸部と凹部とによって、隣接する足場同士の嵌合を容易に行えるが、足場全体としてのぐらつきを抑制することは困難であった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、十分な布板固定力を有し、かつ、容易に設置することが可能な布板固定部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る布板固定部材は、少なくとも一対の支柱と、前記少なくとも一対の支柱にそれぞれ両端が連結される横架材と、前記横架材に設置される布板とを有する仮設足場の前記布板を固定するものであって、第1の固定片と第1の固定片に摺動可能に接続する第2の固定片とを有し、前記第1と第2の固定片にそれぞれ設けられて対向する一対のフック部と、前記一対のフック部間の距離を調整するフック部間距離調整手段と、前記一対のフック部間の距離を固定するフック部間距離固定手段とを備える。
【0009】
この構成によれば、フック部を布板等に引っ掛け、フック部間距離固定手段によりフック部間距離を固定するだけで布板を固定することができる。また、フック部間距離固定手段としてボルトを使用することにより、十分な布板固定力を確保し、かつ、容易に設置することができる。
【0010】
前記第1の固定片は、前記第2の固定片を摺動方向に案内する案内部を有していても良い。
【0011】
この構成によれば、第1の固定片に設けられた案内部によって、第2の固定片を摺動方向に滑らかに動かすことができるので、フック部間の距離を容易に調整できる。
【0012】
前記第1の固定片は、前記第2の固定片の上下方向の移動を抑制する抑制部を有していても良い。
【0013】
この構成によれば、第1の固定片に設けられた抑制部によって、第2の固定片の上下方向の移動が抑制されるので、布板固定部材を布板等に容易に取り付けることができる。
【0014】
前記フック部間距離調整手段は長孔であり、前記フック部間距離固定手段はボルトであっても良い。
【0015】
この構成によれば、簡易な構成でフック部間距離の調整および固定ができる。
【0016】
前記第1の固定片は、前記第2の固定片の摺動方向への移動を制限する制限部を有していても良い。
【0017】
この構成によれば、フック部間距離が所定の位置になるよう第2の固定片を容易に移動できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の布板固定部材によれば、フック部を布板等に引っ掛け、フック部間距離固定手段によりフック部間距離を固定するだけで布板を固定することができる。また、フック部間距離固定手段としてボルトを使用することにより、十分な布板固定力を確保し、かつ、容易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る布板固定部材が用いられる仮設足場の構造を示す斜視図である。
【
図2A】本発明の第1の実施形態に係る布板固定部材の前方斜視図である。
【
図2B】同実施形態に係る布板固定部材の後方斜視図である。
【
図3】同実施形態に係る布板固定部材を布板に取り付けた状態を示す側面図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る布板固定部材を布板および横架材に取り付けた状態を示す側面図である。
【
図5A】本発明の第3の実施形態に係る布板固定部材の前方斜視図である。
【
図5B】同実施形態に係る布板固定部材の後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る布板固定部材について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態にかかる布板固定部材と共に用いる仮設足場1の構造を示す斜視図である。仮設足場1は、図示しない建築物の周囲に組み立てられる。仮設足場1は、建築物の外周に沿って、所定間隔ごとに対で立設された複数の支柱2を有し、隣接する支柱2と、支柱2の間に架設された梁間方向の横架材3および桁行方向の横架材4とで枠組みされる。支柱2には、係止部材6が設けられる。係止部材6を介して横架材3,4が支柱2に接続される。布板5が固定される梁間方向の横架材3は、梁間方向に対をなす支柱2,2同士をつなぐように架設される。桁行方向の横架材4は、仮設足場1の補強のために、桁行方向に隣接する支柱2,2同士をつなぐように架設される。布板5は、仮設足場1の横架材3,3間に架け渡される。布板5は、横架材3,3間に一枚だけ設置されていてもよく、梁間方向に複数枚設置されていてもよい。ここで、「梁間方向」とは、建物の外周面と直交する方向をいい、「桁行方向」とは、建物の外周面に沿った方向をいう。
【0022】
支柱2は、例えば、直径45mm程度の金属パイプによって構成されており、支柱2の軸方向に複数本を連結して用いることができる。また、係止部材6は、支柱2の一定間隔ごと、例えば、45cmごとに設けられている。係止部材6は、複数の連結孔が設けられた板状の部材であり、横架材3,4の端部が当該係止部材6を挟んだ状態で配置され、係止部材6の連結孔にくさびを挿入することで、横架材3,4と支柱2とが固定される。図示の例では、横架材3,4は金属パイプであるが、これに限らず、例えば、板材であっても良い。
【0023】
なお、以下の説明において、支柱2の軸方向を「上下方向」とする。また、布板5の長手方向を「長さ方向」、短手方向を「幅方向」とする。
【0024】
<第1の実施形態>
図2A,2Bは、本発明の第1の実施形態に係る布板固定部材10を示す。この布板固定部材10は、下方から組み付けられる。
図2Aに示すように、布板固定部材10は、第1の固定片11および第2の固定片21からなる。第1の固定片11は、布板5に引っ掛ける部分となるフック部12を有する。フック部12は、第1の固定片11の主壁13の一方の端部13aから垂直上方に延びる垂直部12aと、垂直部12aの端部から主壁13に平行、かつ内側である主壁13側に延びる平行部12bとからなる。第2の固定片21は、布板5に引っ掛ける部分となるフック部22を有する。フック部22は、第2の固定片21の主壁23の一方の端部23aから垂直上方に延びる垂直部22aと、垂直部22aの端部から主壁23に平行、かつ内側である主壁23側に延びる平行部22bとからなる。
【0025】
第1の固定片11の主壁13には、ボルトの掛かり代を確保するための肉厚部14が溶接のような固定手段で固定されており、さらに、第1の固定片11の主壁13には、横架材3との当接部に、布板固定部材10が滑ることを防止するためのゴム製の滑り止め部材15が設けられているが、これら肉厚部14および滑り止め部材15は、設けられていなくてもよい。横架材3との当接部とは、布板固定部材10を布板5に取り付けた際に横架材3と当接する部分をいい、具体的には、第1の固定片11の主壁13上で、主壁13の長手方向(長さ方向)における中央付近を意味する。
【0026】
また、第1の固定片11と第2の固定片21の各垂直部12a,22aにおける布板5との当接部に、布板固定部材10が滑ることを防止するための滑り止め部材16,26が設けられているが、これら滑り止め部材16,26は、設けられていなくてもよく、
図2Bでは省略している。布板5との当接部とは、布板固定部材10を布板5に取り付けた際に布板5と当接する部分をいい、具体的には、
図2Aの平行部12b,22bの下面である。
【0027】
滑り止め部材15,16,26は、ねじ止めによって各固定片11,21に接続されているが、ねじ止めに限らず、例えば、接着剤等によって接着されていても良い。
【0028】
第1の固定片11と第2の固定片21は、第2の固定片21の主壁23の上に、第1の固定片11の主壁13が載った状態で、主壁13,23の長さ方向に摺動可能に接続されている。第1の固定片11と第2の固定片21とを接続する際、第1の固定片11の主壁13の他方の端部13b側に第2の固定片21のフック部22が位置し、第2の固定片21の主壁23の他方の端部23b側に第1の固定片11のフック部12が位置することで、一対のフック部12,22が対向する位置関係となる。
【0029】
図2Bに示すように、第1の固定片11には、第2の固定片21を摺動方向に案内する案内部17,17が設けられている。案内部17,17は、主壁13の幅方向両端部を曲げ加工により下方に略90度曲げることにより形成される。なお、案内部17,17は、曲げ加工に限らず、例えば、板材の溶接等を行うことにより形成してもよい。
【0030】
また、第1の固定片11には、第2の固定片21が上下方向に移動するのを抑制する抑制部18が設けられている。抑制部18は、両案内部17,17間に板材を溶接することにより形成される。なお、抑制部18は、溶接に限らず、例えば、ボルト等により接続して設けてもよい。
【0031】
第2の固定片21には、一対のフック部12,22間の距離を調整するフック部間距離調整手段24が設けられている。フック部間距離調整手段24は、例えば、調整方向が第1の固定片11と第2の固定片21の長手方向である摺動方向と一致する長孔である。フック部間距離調整手段24によりフック部12,22間の距離を任意に調整した後、フック部間距離固定手段30によりフック部12,22間の距離を固定し、調整完了とする。フック部間距離固定手段30は、例えば、ボルトである。図示の例では、第2の固定片21側から座金31を介してボルト30を挿入し、第1の固定片11に形成されたねじ孔19(
図2A)と螺合させることにより、第1の固定片11と第2の固定片21とを締結している。
【0032】
第2の固定片21の主壁23の他方の端部23bには、第2の固定片21の強度向上のために、斜め下側に曲げられた曲げ部25が形成されているが、曲げ部25は、形成されていなくてもよい。
【0033】
図3は、本実施形態に係る布板固定部材10を布板5に取り付けた状態を示す。
布板5は、長手方向の端部が内側下方に折れ曲がって延びており、その先端に上方へ立ち上がった係止部5aが形成されている。布板5は、長手方向の端部が横架材3に載せられ、長さ方向に並ぶ2枚の布板5,5の係止部5a,5aのそれぞれに、布板固定部材10のフック部12,22が引っ掛かるように第1の固定片11と第2の固定片21を摺動させてフック部間距離を調整し、ボルト30をインパクトレンチ等で締めることにより、布板5,5を横架材3に固定する。
【0034】
第1および第2の固定片11,21は、例えば、鉄系金属等で構成されている。鉄系金属材としては、冷間圧延鋼や熱間圧延鋼等の一般構造用圧延鋼材が挙げられる。また、第1および第2の固定片11,21には、耐食性向上のため、三価クロメートやユニクロメッキ等の表面処理を施しても良い。
【0035】
滑り止め部材15,16,26は、例えば、樹脂材料等で構成されている。樹脂材料としては、ゴムが挙げられる。
【0036】
本発明に係る布板固定部材10によれば、布板5,5にフック部12,22を引っ掛け、ボルト30でフック部間距離を固定することにより、簡易な構成で十分な布板固定力を与えることができるので、布板5が強風等の外的な力により、横架材3から外れることを防止できる。布板固定部材10の取り付け作業においても、持ち上げた布板5を下方から横架材3に設置した後、下方から布板固定部材10を取り付け、布板固定部材10に備えたボルト30をインパクトレンチ等で締めるだけで作業が完了するため、従来の布板同士を番線で結んで固定する方法と比べて、作業効率を大幅に改善することができる。
【0037】
第1の固定片11には、第2の固定片21を摺動方向に案内する案内部17,17が設けられているので、フック部間の距離を容易に調整することができる。
【0038】
第1の固定片11には、第2の固定片21が上下方向に移動するのを抑制する抑制部18が設けられているから、取付作業中に第2の固定片21の姿勢が安定するので、布板固定部材10を布板5,5に容易に取り付けることができる。
【0039】
フック部間距離調整手段24に長孔を採用し、フック部間距離固定手段30にボルトを採用しているので、簡易な構成でフック部間距離の調整および固定ができる。
【0040】
第1の固定片11には、横架材3との当接部に滑り止め部材15が設けられているので、布板5に取り付けた布板固定部材10の位置が振動や衝撃等によりずれるのを抑制することができる。また、横架材3および第1の固定片11に傷がつくのを防止することができる。
【0041】
第1と第2の固定片11,21には、布板5との当接部に滑り止め部材16,26がそれぞれ設けられているので、布板5に取り付けた布板固定部材10の位置が振動や衝撃等によりずれるのを抑制することができる。また、布板5および第1の固定片11に傷がつくのを防止することができる。
【0042】
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している実施形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0043】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る布板固定部材10Aについて説明する。
図4に示すように、本実施形態における布板固定部材10Aは、横架材3および布板5に取り付けられる。図示の例では、第2の固定片21の垂直部22aおよび平行部22bの長さが、第1の実施形態と比べて長く、これにより、フック部22を横架材3に引っ掛けることができる。なお、本構成に限らず、第1の固定片11のフック部12を横架材3に引っ掛け、第2の固定片21のフック部22を布板5に引っ掛ける構成であっても良い。
【0044】
本構成によれば、布板5を横架材3に固定することができるので、仮設足場1の端部の布板5に対しても、簡易な構成で十分な布板固定力を与えることができる。
【0045】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係る布板固定部材10Bについて説明する。
図5Aに示すように、本実施形態における布板固定部材10Bでは、第1の固定片11のフック部12が、第1および第2の実施形態に係るフック部12とは逆向きに形成されている。すなわち、平行部12bが、垂直部12aの端部から主壁13に平行、かつ内側である主壁13とは反対側に延びている。
【0046】
第1の固定片11の主壁13の他方の端部13b側には、第2の固定片21の摺動方向への移動を制限する制限部40が設けられている。制限部40は、主壁13を曲げ加工により下方に略90度曲げることにより形成される。制限部40は、設けられていなくても良い。
【0047】
図5Bに示すように、第2の固定片21の主壁23の他方の端部23b側には、第2の固定片21の強度向上のために、下方に略90度曲げられた曲げ部41が形成されているが、曲げ部41は、形成されていなくてもよい。
【0048】
本構成によれば、第1の固定片11のフック部12が逆向きに形成されているので、一対のフック部12,22の間にはフック部間固定手段30が存在していない。これにより、フック部間距離が短い場合でも、フック部間固定手段30が布板5に干渉することなく布板固定部材10を取り付けることができる。このような布板固定部材10は、例えば、幅方向に複数枚設置された布板5,5を固定する場合に用いられる。
【0049】
以上、実施形態に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0050】
1…仮設足場、2…支柱、3,4…横架材、5…布板、10,10A,10B…布板固定部材、11…第1の固定片、12,22…フック部、17…案内部、18…抑制部、21…第2の固定片、24…フック部間距離調整手段、30…フック部間距離固定手段、40…制限部
【要約】
【課題】十分な布板固定力を有し、かつ、容易に設置することが可能な布板固定部材を提供する。
【解決手段】この布板固定部材(10)は、少なくとも一対の支柱(2)と、前記少なくとも一対の支柱(2)にそれぞれ両端が連結される横架材(3,4)と、前記横架材(3)に設置される布板(5)とを有する仮設足場(1)の前記布板(5)を固定するものである。さらに、布板固定部材(10)は、第1の固定片(11)と第1の固定片(11)に摺動可能に接続する第2の固定片(21)とを有し、前記第1と第2の固定片(11,21)にそれぞれ設けられて対向する一対のフック部(12,22)と、前記一対のフック部(12,22)間の距離を調整するフック部間距離調整手段(24)と、前記一対のフック部(12,22)間の距離を固定するフック部間距離固定手段(30)とを備える。
【選択図】
図3