(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】移動体滞在数を用いて生産指数を予測する装置、プログラム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20240919BHJP
G06Q 50/02 20240101ALI20240919BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240919BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q50/02
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2021033972
(22)【出願日】2021-03-03
【審査請求日】2023-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】515303481
【氏名又は名称】金子 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100135068
【氏名又は名称】早原 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】金子 拓也
(72)【発明者】
【氏名】美嶋 勇太朗
(72)【発明者】
【氏名】和田 真弥
(72)【発明者】
【氏名】木村 塁
(72)【発明者】
【氏名】大角 良太
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 紀明
【審査官】山崎 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-046376(JP,A)
【文献】特開2020-064394(JP,A)
【文献】携帯電話GPSデータに基づく自動車生産量のナウキャスティングと株式投資戦略,[online],2020年10月10日,[2024年8月2日検索],インターネット,<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaisigtwo/2020/FIN-025/2020_09/_pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産指数を予測する予測装置であって、
所定期間t毎に、所定の生産地域における移動体滞在数を記録した移動体滞在数記録手段と、
所定期間t毎に、
前記所定の生産地域における実生産指数A(t)を記録した実生産指数記録手段と、
所定期間tの
前記移動体滞在数と、同一の所定期間tの
前記実生産指数A(t)とを対応付けた教師データを入力し、訓練によって相関係数を推定する相関係数推定手段と、
前記相関係数を用いて、対象期間tの
前記移動体滞在数から、同一の対象期間tの予測生産指数P(t)を算出する生産指数予測手段と
を有することを特徴とする予測装置。
【請求項2】
前記生産指数は、鉱工業生産指数であり、
前記生産地域は、鉱工業圏地域である
ことを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項3】
個人に所持される携帯端末、及び/又は、車両に設置された通信端末、に搭載された測位部から、位置情報を、無線ネットワークを介して収集して蓄積した位置情報データベースを更に有し、
前記移動体滞在数は、
前記位置情報データベースを用いて、
前記生産地域における
前記移動体滞在数を計数したものである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の予測装置。
【請求項4】
前記相関係数推定手段は、線形回帰に基づくものである
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の予測装置。
【請求項5】
前記生産指数予測手段で予測された対象期間tの
前記予測生産指数P(t)と、市場で見込まれた対象期間tの見込み生産指数C(t)とを比較する見込み変動予測手段を更に有し、
前記見込み変動予測手段は、
前記予測生産指数P(t)が、
前記見込み生産指数C(t)に対して、上側閾値U(t)よりも大きい場合(P(t)-C(t)>U(t))には、
前記見込み生産指数の上昇変動を予測し、
前記見込み生産指数C(t)が、
前記予測生産指数P(t)に対して、下側閾値D(t)よりも大きい場合(C(t)-P(t)>D(t))には、
前記見込み生産指数の下落変動を予測する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の予測装置。
【請求項6】
前記上側閾値U(t)及び
前記下側閾値D(t)を決定する予測変動閾値決定手段を更に有し、
前記予測変動閾値決定手段は、
対象期間tにおける
前記実生産指数A(t)と
前記予測生産指数P(t)との間の誤差に基づく第1の分散V1(=1/(n-1)・Σ(P(t)-A(t))
2)と、
対象期間t
における前記実生産指数A(t)と
前記見込み生産指数C(t)との間の誤差に基づく第2の分散V2(=1/(n-1)・Σ(C(t)-A(t))
2)と
を算出し、
前記第1の分散V1と
前記第2の分散V2との和(V1+V2)における平方根(√(V1+V2))に基づいて、
前記上側閾値U(t)及び
前記下側閾値D(t)を決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の予測装置。
【請求項7】
前記予測変動閾値決定手段は、
前記上側閾値U(t)及び
前記下側閾値D(t)を同値として、以下のように決定する
U(t)=D(t)=σ×√(V1+V2)
σ:係数(誤差正規分布に基づく場合には1.96)
ことを特徴とする請求項6に記載の予測装置。
【請求項8】
所定期間t毎に、金融商品iの証券価格S(i,t)を記録した証券価格記録手段と、
所定期間tの
前記実生産指数A(t)と、同一の所定期間tの
前記証券価格S(i,t)とを対応付けた教師データを入力し、訓練によって回帰関数fi(S(i,t)=fi(A(t))+ε)を推定する回帰関数推定手段と、
前記回帰関数fiを用いて、対象期間tの
前記予測生産指数P(t)から、
前記対象期間tの予測証券価格SS
(i,t)(=fi(P(t)))を算出する証券価格予測手段と、
対象期間tにおける前記予測証券価格SS(
i,t)と
現に公開された実証券価格S(
i,t)との差分を、
前記実証券価格S(
i,t)の上昇又は下落の調整として指示する証券価格調整指示手段と
を更に有し、
前記証券価格調整指示手段は、
前記予測証券価格SS
(i,t)が、
前記実証券価格S(i,t)よりも所定閾値以上大きい場合には、当該証券価格が上昇することを予測し、
前記予測証券価格SS
(i,t)が、
前記実証券価格S(i,t)よりも所定閾値以上小さい場合には、当該証券価格が下落することを予測する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の予測装置。
【請求項9】
生産指数を予測する装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
所定期間t毎に、所定の生産地域における移動体滞在数を記録した移動体滞在数記録手段と、
所定期間t毎に、
前記所定の生産地域における実生産指数A(t)を記録した実生産指数記録手段と、
所定期間tの
前記移動体滞在数と、同一の所定期間tの
前記実生産指数A(t)とを対応付けた教師データを入力し、訓練によって相関係数を推定する相関係数推定手段と、
前記相関係数を用いて、対象期間tの
前記移動体滞在数から、同一の対象期間tの予測生産指数P(t)を算出する生産指数予測手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
所定期間t毎に、所定の生産地域における移動体滞在数を記録した移動体滞在数記録部と、
所定期間t毎に、
前記所定の生産地域における実生産指数A(t)を記録した実生産指数記録部と
を有
する装置が実行する生産指数予測方法であって、
所定期間tの
前記移動体滞在数と、同一の所定期間tの
前記実生産指数A(t)とを対応付けた教師データを入力し、訓練によって相関係数を推定する訓練ステップと、
前記相関係数を用いて、対象期間tの
前記移動体滞在数から、同一の対象期間tの予測生産指数P(t)を算出する予測ステップと
を実行することを特徴とする生産方法予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経済指標である生産指数を予測する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの投資家は、経済指標の数値の変動に応じて、ポートフォリオ(投資内容の組み合わせ)を調整する。投資家は、政府公表の経済指標が公表された時点で調整することは当然として、アナリストらによって日々予測されるその経済指標の予測値に対しても微調整を繰り返す。
【0003】
例えば1ヶ月毎に政府公表される生産指数や、四半期毎に政府公表されるGDP(Gross Domestic Product、国内総生産)の値には、多くの投資家が注目している。これらは、国内の景気状態を把握する上で、非常に重要な経済指標である。
例えば証券会社に所属するアナリストは、ミクロ・エコノミストと、マクロ・エコノミストとの2種類に大きく分けられる。
ミクロ・エコノミストは、産業毎に属する企業を専門的に分析する。一方で、マクロ・エコノミストは、国内外の景気における全体的な経済状況を専門に分析し、GDPをはじめとするマクロ指標を予測する。複数のマクロ・エコノミストによって予測された経済指標を金融情報ベンダーが取りまとめ、それらの平均値(又は正答率による加重平均)を「マーケットコンセンサス」としている。
【0004】
投資家が自らのポートフォリオの調整に利用する「生産指数」は、逐次、政府から公表されているわけではない。そのために、投資家は、逐次変化するマーケットコンセンサスに基づいて、自らのポートフォリオを適合させるべく微調整を繰り返す。この微調整を通じて、将来時点に公表される経済指標を、自動的に市場価格に織り込んでいく。
【0005】
政府公表の生産指数そのものが大きく変化したとしても、それがマーケットコンセンサスと近しい数値である場合には、既に予測されたとおりであって、変化に備えた調整は済んでいる。これについては「市場は変化を織り込み済み」と判断される。
一方で、政府公表が生産指数を公表した直後に、その生産指数がマーケットコンセンサスと大きく乖離している場合に、投資家は、政府公表の正しい数値に調整しようとする。このとき、多くの投資家が同時にポジションを調整するために、調整対象となる金融商品の証券価格が大きく変動する。これを「マーケットサプライズ」と称す。「マーケットサプライズ」とは、文字どおり「驚き」のことを意味する。多くの投資家が驚き、急激に自らのポートフォリオを同じように組み替えるために、金融商品の証券価格が大きく変動することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【文献】「鉱工業指数のしくみと見方」、[online]、[令和3年2月17日検索]、インターネット<URL:https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/pdf/iip_nyuumon.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したように、政府が生産指数を公表した直後に、その生産指数がマーケットコンセンサスと乖離している場合には、マーケットサプライズが発生する。本来、投資家にとって、マーケットサプライズは金融商品の価格が大きく変動するために、大きな収益機会となる。しかしながら、これを予見することはできない。
【0009】
これに対し、本願の発明者らは、マーケットコンセンサス以外のデータを用いて、生産指数を予め予測することはできないか、と考えた。これによって、マーケットサプライズが発生する潜在性も予測することができるのではないか、と考えた。
【0010】
そこで、本発明は、マーケットコンセンサス以外のデータを用いて、生産指数を予測することができる予測装置、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、生産指数を予測する予測装置であって、
所定期間t毎に、所定の生産地域における移動体滞在数を記録した移動体滞在数記録手段と、
所定期間t毎に、前記所定の生産地域における実生産指数A(t)を記録した実生産指数記録手段と、
所定期間tの前記移動体滞在数と、同一の所定期間tの前記実生産指数A(t)とを対応付けた教師データを入力し、訓練によって相関係数を推定する相関係数推定手段と、
前記相関係数を用いて、対象期間tの前記移動体滞在数から、同一の対象期間tの予測生産指数P(t)を算出する生産指数予測手段と
を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の予測装置における他の実施形態によれば、
前記生産指数は、鉱工業生産指数であり、
前記生産地域は、鉱工業圏地域である
ことも好ましい。
【0013】
本発明の予測装置における他の実施形態によれば、
個人に所持される携帯端末、及び/又は、車両に設置された通信端末、に搭載された測位部から、位置情報を、無線ネットワークを介して収集して蓄積した位置情報データベースを更に有し、
前記移動体滞在数は、前記位置情報データベースを用いて、前記生産地域における前記移動体滞在数を計数したものである
ことも好ましい。
【0014】
本発明の予測装置における他の実施形態によれば、
前記相関係数推定手段は、線形回帰に基づくものである
ことも好ましい。
【0015】
本発明の予測装置における他の実施形態によれば、
前記生産指数予測手段で予測された対象期間tの前記予測生産指数P(t)と、市場で見込まれた対象期間tの見込み生産指数C(t)とを比較する見込み変動予測手段を更に有し、
前記見込み変動予測手段は、
前記予測生産指数P(t)が、前記見込み生産指数C(t)に対して、上側閾値U(t)よりも大きい場合(P(t)-C(t)>U(t))には、前記見込み生産指数の上昇変動を予測し、
前記見込み生産指数C(t)が、前記予測生産指数P(t)に対して、下側閾値D(t)よりも大きい場合(C(t)-P(t)>D(t))には、前記見込み生産指数の下落変動を予測する
ことも好ましい。
【0016】
本発明の予測装置における他の実施形態によれば、
前記上側閾値U(t)及び前記下側閾値D(t)を決定する予測変動閾値決定手段を更に有し、
前記予測変動閾値決定手段は、
対象期間tにおける前記実生産指数A(t)と前記予測生産指数P(t)との間の誤差に基づく第1の分散V1(=1/(n-1)・Σ(P(t)-A(t))2)と、
対象期間tにおける前記実生産指数A(t)と前記見込み生産指数C(t)との間の誤差に基づく第2の分散V2(=1/(n-1)・Σ(C(t)-A(t))2)と
を算出し、前記第1の分散V1と前記第2の分散V2との和(V1+V2)における平方根(√(V1+V2))に基づいて、前記上側閾値U(t)及び前記下側閾値D(t)を決定する
ことも好ましい。
【0017】
本発明の予測装置における他の実施形態によれば、
前記予測変動閾値決定手段は、前記上側閾値U(t)及び前記下側閾値D(t)を同値として、以下のように決定する
U(t)=D(t)=σ×√(V1+V2)
σ:係数(誤差正規分布に基づく場合には1.96)
ことも好ましい。
【0018】
本発明の予測装置における他の実施形態によれば、
所定期間t毎に、金融商品iの証券価格S(i,t)を記録した証券価格記録手段と、
所定期間tの前記実生産指数A(t)と、同一の所定期間tの前記証券価格S(i,t)とを対応付けた教師データを入力し、訓練によって回帰関数fi(S(i,t)=fi(A(t))+ε)を推定する回帰関数推定手段と、
前記回帰関数fiを用いて、対象期間tの前記予測生産指数P(t)から、前記対象期間tの予測証券価格SS(i,t)(=fi(P(t)))を算出する証券価格予測手段と、
対象期間tにおける前記予測証券価格SS(i,t)と現に公開された実証券価格S(i,t)との差分を、前記実証券価格S(i,t)の上昇又は下落の調整として指示する証券価格調整指示手段と
を更に有し、
前記証券価格調整指示手段は、
前記予測証券価格SS(i,t)が、前記実証券価格S(i,t)よりも所定閾値以上大きい場合には、当該証券価格が上昇することを予測し、
前記予測証券価格SS(i,t)が、前記実証券価格S(i,t)よりも所定閾値以上小さい場合には、当該証券価格が下落することを予測する
ことも好ましい。
【0019】
本発明によれば、生産指数を予測する装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
生産指数を予測する装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
所定期間t毎に、所定の生産地域における移動体滞在数を記録した移動体滞在数記録手段と、
所定期間t毎に、前記所定の生産地域における実生産指数A(t)を記録した実生産指数記録手段と、
所定期間tの前記移動体滞在数と、同一の所定期間tの前記実生産指数A(t)とを対応付けた教師データを入力し、訓練によって相関係数を推定する相関係数推定手段と、
前記相関係数を用いて、対象期間tの前記移動体滞在数から、同一の対象期間tの予測生産指数P(t)を算出する生産指数予測手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、
所定期間t毎に、所定の生産地域における移動体滞在数を記録した移動体滞在数記録部と、
所定期間t毎に、前記所定の生産地域における実生産指数A(t)を記録した実生産指数記録部と
を有する装置が実行する生産指数予測方法であって、
所定期間tの前記移動体滞在数と、同一の所定期間tの前記実生産指数A(t)とを対応付けた教師データを入力し、訓練によって相関係数を推定する訓練ステップと、
前記相関係数を用いて、対象期間tの前記移動体滞在数から、同一の対象期間tの予測生産指数P(t)を算出する予測ステップと
を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の予測装置、プログラム及び方法によれば、移動体滞在数を用いて生産指数を予測することができる。これによって、マーケットサプライズが発生する潜在性も予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】本発明における予測装置の機能構成図である。
【
図3】移動体滞在数記録部における移動体滞在数の集計を表す説明図である。
【
図4】時間経過に応じた工業圏地域人数及び実生産指数の相関関係を表すグラフである。
【
図5】実生産指数が公開される前に見込み生産指数の変動を予測する機能構成図である。
【
図6】実生産指数が現に公開された直後における証券価格変動を予測する機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0024】
本発明の実施形態で説明する「生産指数」とは、例えば「鉱工業生産指数」であり、その生産地域は、「鉱工業圏地域」であるとする。
鉱工業生産指数とは、日本国内の鉱工業の生産状況を総合的に表す経済指標である(例えば非特許文献1参照)。これは、国全体の生産のカバー率が高く、且つ、速報性が高いことから、景気動向指数の採用系列となっている。
勿論、本発明によれば、それに限定されるものではなく、工場出荷指数、在庫指数、稼働率指数、生産能力指数など様々な生産指数に適用することができる。特に、付加価値額ベースとなる指標に適する。
【0025】
【0026】
図1によれば、工業圏地域では、不特定多数の人や車両(移動体)がリアルタイムに流動している。工業圏地域の範囲は、住所の県市町村単位であってもよいし、工業中心位置からの所定半径内であってもよい。本発明について重要な点としては、工業圏地域に人や車両がどの程度滞在しているか、及び、どの程度流動しているか、にある。
【0027】
図1によれば、ユーザや車両はそれぞれ、携帯端末2を所持しており、携帯通信事業者設備と常に通信している。そのために、携帯通信事業者は、携帯端末2を所持したユーザや車両のID(例えば加入者ID)毎に、時刻及び位置を対応付けて蓄積している。
【0028】
ユーザの位置とは、例えば以下のようなものである。
(1)ユーザに所持された携帯端末2によって測位された端末測位位置
携帯端末2が自ら、GPS(Global Positioning System)によって測位した緯度経度情報である。
(2)通信事業者の基地局やアクセスポイントに接続した携帯端末の基地局測位位置
携帯端末2を配下とする基地局やアクセスポイントの位置情報から、携帯端末2の位置を推定したものであってもよい。但し、この位置情報は、空間的粒度が粗いものとなる。
これら位置情報は、緯度経度又は地図座標によって表記されるものであってもよいし、住所名や地図メッシュ番号に変換されたものであってもよい。
【0029】
ここで、重要な点として、工業圏地域の移動体滞在数は、特定の通信事業者の通信事業設備による捕捉ユーザであって、現実のユーザ全てでなくてもよい。即ち、特定の通信事業者による捕捉人数は、その地域における実際の滞在人数よりも、少数しかカウントできない。即ち、全ての通信事業者から、全てのユーザの位置情報を収集できるわけでもない。
本発明によれば、工業圏地域における絶対的な移動体滞在数を特定する必要はない。後述する本発明によれば、あくまで、工業圏地域の「移動体滞在数」に対する「生産指数」との相関性を判断できればよい。
【0030】
本発明は、「移動体滞在数」を用いて「生産指数」を予測するものである。
ここで、経済指標の予測(具体的には鉱工業生産指数の予測)として、移動体の位置情報を用いる理由について詳述する。
当然ながら、移動体の位置情報は、その時点における人や車両の存在を表す。例えば鉱工業に従事する労働者(現場作業員)の収入には大きな差はないという自然な仮定を置く。そのとき、工業圏地域における移動体滞在数は、当該工業圏地域から生産される製品の付加価値の総和と、間接的に強い相関性を持つ。即ち、付加価値の高い産業は、多くの労働者に働く場を提供し、そうでない産業は、付加価値に合わせた労働者数しか提供しない。逆に言えば、多くの労働力を必要とする産業は、付加価値が高いということを意味する。
【0031】
例えば、先の時間間隔t~t+Tに、工業圏地域A及びBで、以下のように位置情報が捕捉されたとする。
工業圏地域A:3万人の位置情報
工業圏地域B:30万人の位置情報
この場合、工業圏地域Bで生産される製品の付加価値は、工業圏地域Aの10倍であると推定される。
また、後の時間間隔s~s+Tに、工業圏地域A及びBで、以下のように位置情報が捕捉されたとする。
工業圏地域A:1万人の位置情報
工業圏地域B:2万人の位置情報
この場合、工業圏地域A及びBで生産される製品から生み出される付加価値は、減少しているものと推定できる。特に工業圏地域Bで生産される製品の付加価値が、工業圏地域Aで生産される製品の付加価値よりも大きく低下したことが推定される。
【0032】
鉱工業生産指数とは、簡単には、政府が各工業製品の付加価値を推定し、その付加価値で生産量を加重平均した値である(例えば非特許文献1参照)。そのために、工業圏地域の移動体滞在数の総和は、鉱工業生産指数と強い相関性があることは当然であり、実際にデータ分析の結果からも確認されている。
【0033】
図2は、本発明における予測装置の機能構成図である。
【0034】
予測装置1は、生産指数を予測するものである。
図2によれば、予測装置1は、位置データベース100と、移動体滞在数記録部101と、実生産指数記録部102と、相関係数推定部11と、生産指数予測部12とを有する。これら機能構成部は、装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムとして実現される。また、これら機能構成部の処理の流れは、生産指数の予測方法としても理解できる。
【0035】
[位置データベース100]
位置データベース100は、人によって所持された携帯端末、及び/又は、車両に設置された通信端末、に搭載された測位部(例えばGPS)から、位置情報を、無線ネットワークを介して収集して蓄積したものである。
【0036】
[移動体滞在数記録部101]
移動体滞在数記録部101は、位置情報データベース100を用いて、所定期間t毎に、所定の生産地域(例えば工業圏地域)における「移動体滞在数」を計数して記録したものである。
移動体滞在数は、携帯通信事業者によって日々集計され、確定的な数値であっても短期間に取りまとめられる。現状、集計のために数日を要するものであっても、計算速度の進化に伴い短縮化されつつある。
【0037】
図3は、移動体滞在数記録部における移動体滞在数の集計を表す説明図である。
【0038】
図3によれば、固有(ユニーク)番号を持つ全てのユーザについて、特定の工業圏地域に滞在した人や車両の数である「移動体滞在数」を日々集計する。鉱工業生産指数のような実生産指数は、月毎の集計値であるが、本発明に基づく移動体滞在数は、日毎(時間帯毎)に集計される。
【0039】
[実生産指数記録部102]
実生産指数記録部102は、所定期間t(例えば1ヶ月)毎に、実生産指数A(t)を記録したものである。ここで、実生産指数とは、鉱工業生産指数であってもよい。
【0040】
鉱工業生産指数は、毎月、「速報値」及び「確報値」の2種類が政府から公表される。「速報値」の公表時期は翌月末であり、「確報値」の公表時期は翌々月中旬である。勿論、この他、年間補正が翌年4月に公表される(但し投資家の注目度合いは低い)。
例えば1月の鉱工業生産指数の速報値は、2月末に公表される。その後、速報の算出時点に、集計が間に合わないものや、報告が間に合わないもの、報告が訂正されたものが、確報値として3月中旬に公表される。
【0041】
[相関係数推定部11]
相関係数推定部11は、過去の所定期間t'の移動体滞在数M(t')と、同一の所定期間t'の実生産指数A(t')とを対応付けた教師データを入力し、訓練によって相関係数を推定する。相関係数推定部11は、線形回帰に基づく機械学習エンジンであってもよい。
【0042】
図4は、時間経過に応じた工業圏地域人数及び実生産指数の相関関係を表すグラフである。
図4によれば、左縦軸は、工業圏地域における移動体の滞在数を表し、右縦軸は、鉱工業生産指数(実生産指数)を表し、横軸は、時間経過を表す。
図4からも明らかなとおり、鉱工業生産指数は、移動体滞在数に対して、時間経過に応じて同じように変化している。
「相関係数」とは、2つの確率変数の間にある線形な関係の強弱を測る指標をいう。相関係数は、-1~+1の実数値をとる。相関係数が正のときは、2つの確率変数は正比例となる。
【0043】
相関係数推定部11は、過去の所定期間t'(例えば月単位で過去n(>0)月分)における、以下のような教師データを入力する。
所定期間t'の移動体滞在数M(t')
同一の所定期間t'の実生産指数A(t')
過去の所定期間t’は、現在の所定期間tより前のある1ヶ月を表す(t'=t-N,・・・,t-1、Nは過去期間)。
ここで、M(t')とA(t')とは非常に強い相関があるために、単純な線形回帰で訓練することによって、以下のような関係式における相関係数α、β及びγを推定することができる。
A(t')=α*γ*M(t')+β
γ:A(t')とM(t')との相関係数の比
推定された相関係数α及びβは、生産指数予測部12へ出力される。
【0044】
[生産指数予測部12]
生産指数予測部12は、相関係数α及びβを用いて、対象期間tの移動体滞在数M(t)から、同一の対象期間tの予測生産指数P(t)を算出する。
P(t)=α*γ*M(t)+β
予測生産指数P(t)は例えば、期間tにおける予測された鉱工業生産指数である。
これによって、実生産指数A(t)が公表される前に、予測生産指数P(t)を予測することができる。
【0045】
ここで、生産指数予測部12に入力される対象期間tの移動体滞在数M(t)は、予測時刻sから過去に遡った期間tにおける移動体滞在数の累積数M(t,s)である。本来、予測時刻sに基づくものであるので、予測生産指数P(t,s)とすべきであるが、説明上煩雑とるために省略している。
【0046】
速報値の実生産指数A(t)は、月単位でしか公表されないのに対して、本発明によれば、速報値が公表されるまでの間、工業圏地域における移動体滞在数M(t)から予測生産指数P(t)を予測することができる。
例えば1月の鉱工業生産指数(実生産指数A(t))の速報値は、2月末に公表される。これに対して、本発明によれば、例えば2月初旬であっても予測生産指数P(t)を予測することができる。即ち、鉱工業生産指数は、従来技術によれば月単位の速報値でしか知ることができないのに対して、本発明によれば、移動体滞在数の日々の累積数から、逐次予測することができる。投資家は、予測生産指数から、ポートフォリオを微調整することができる。
【0047】
図5は、実生産指数が公開される前に見込み生産指数の変動を予測する機能構成図である。
【0048】
図5によれば、
図2と比較して、見込み生産指数記録部103と、見込み変動予測部13と、予測変動閾値決定部14とを更に有する。これら機能構成部も、装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムとして実現される。また、これら機能構成部の処理の流れは、見込み生産指数の変動予測方法としても理解できる。
【0049】
[見込み生産指数記録部103]
見込み生産指数記録部103は、証券サーバから、マーケットコンセンサスとなる「見込み生産指数」を受信して記憶する。具体的には、マーケットコンセンサスとして見込まれた鉱工業生産指数である。
「見込み生産指数」は、複数のマクロ・エコノミストによって予測された経済指標の平均値(又は正答率による加重平均)であって、証券サーバから日々配信されるものである。一般的には、多くの投資家は、配信される見込み生産指数C(t)の変動に応じて、自らのポートフォリオを逐次、微調整する。
【0050】
ここで、政府公表となる実生産指数A(t)(公表された現実の鉱工業生産指数)は、予測生産指数P(t)(
図2で予測された鉱工業生産指数)と近しい値となることが期待される。但し、政府公表時には、実生産指数A(t)と見込み生産指数とが大きく乖離するというマーケットサプライズが生じる場合がある。そこで、政府公表前に、日々予測された予測生産指数P(t)と、日々見込まれる見込み生産指数C(t)とが、大きく乖離している場合に、マーケットサプライズが発生する潜在性が高いと予測することができる。
【0051】
[見込み変動予測部13]
見込み変動予測部13は、日々予測された「予測生産指数P(t)」と、日々見込まれる「見込み生産指数C(t)」との間に生じる乖離によって、マーケットサプライズの発生を予測する。
具体的には、見込み変動予測部13は、生産指数予測部12で予測された対象期間tの予測生産指数P(t)と、マーケットコンセンサスとして見込まれた対象期間tの見込み生産指数C(t)とを比較する。
【0052】
見込み変動予測部13は、以下のように予測する。
(1)予測生産指数P(t)が、見込み生産指数C(t)に対して、上側閾値U(t)よりも大きい場合には、見込み生産指数の上昇変動を予測する。即ち、上昇変動のマーケットサプライズが発生する潜在性が高いことを意味する。
P(t)-C(t)>U(t)、U(t)>0
(2)見込み生産指数C(t)が、予測生産指数P(t)に対して、下側閾値D(t)よりも大きい場合には、見込み生産指数の下落変動を予測する。即ち、下落変動のマーケットサプライズが発生する潜在性が高いことを意味する。
C(t)-P(t)>D(t)、D(t)>0
【0053】
[予測変動閾値決定部14]
予測変動閾値決定部14は、見込み変動予測部13における上側閾値U(t)及び下側閾値D(t)を決定する。これは、過去n月に遡って決定される。
【0054】
予測変動閾値決定部は、以下のように2つの分散を算出する。
(1)対象期間tにおける実生産指数A(t)と予測生産指数P(t)との間の誤差に基づく第1の分散V1
V1=1/(n-1)・Σ(P(t)-A(t))2
(2)対象期間tの実生産指数A(t)と見込み生産指数C(t)との間の誤差に基づく第2の分散V2
V2=1/(n-1)・Σ(C(t)-A(t))2
そして、第1の分散V1と第2の分散V2との和(V1+V2)における平方根(√(V1+V2))に基づいて、上側閾値U(t)及び下側閾値D(t)を決定する。
【0055】
尚、予測生産指数P(t)と見込み生産指数C(t)とは、根本的に予測方法が異なることから、互いに独立であると仮定する。本発明によれば、予測生産指数P(t)と見込み生産指数C(t)との直接的な差分から分散を算出せず、分散V1及びV2に分けている。その理由としては、(a)マーケットコンセンサスの見込み生産指数C(t)が、政府公表の実生産指数A(t)と乖離することが常態化する場合には、市場参加者は、その見込み生産指数C(t)が外れることが当然と捉えるためにマーケットサプライズが発生しにくくなることを想定している。また、(b)本発明に基づく予測精度が悪化する場合にも、マーケットサプライズの発生を補足することが困難になることも想定している。
【0056】
他の実施形態として、予測変動閾値決定部14は、上側閾値U(t)及び下側閾値D(t)を同値として、以下のように決定するものであってもよい。
U(t)=D(t)=σ×√(V1+V2)
σ:係数(誤差正規分布に基づく場合には1.96)
勿論、U(t)とD(t)の間に差をつけてもよい。
係数σは、例えば2又は1.96とする。σ=1.96で、誤差が正規分布に従う場合には、片側2.5%の確率で、マーケットサプライズが発生する潜在性が高いと予測することができる。
【0057】
図6は、実生産指数が現に公開された直後における証券価格変動を予測する機能構成図である。
【0058】
図6によれば、
図2と比較して、証券価格記録部103と、回帰関数推定部15と、証券価格予測部16と、証券価格調整指示部17とを更に有する。これら機能構成部も、装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムとして実現される。また、これら機能構成部の処理の流れは、証券価格調整指示方法としても理解できる。
【0059】
[証券価格記録部103]
証券価格記録部103は、所定期間t毎に、金融商品iの証券価格S(i,t)を記録したものである。具体的には、証券サーバから、例えば鉱工業生産指数に関連した金融商品の株価(証券価格)を受信して記憶する。
【0060】
[回帰関数推定部15]
回帰関数推定部15は、実生産指数記録部102における所定期間tの実生産指数A(t)と、証券価格記録部103における同一の所定期間tの証券価格S(i,t)とを対応付けた教師データを入力し、訓練によって回帰関数fiを推定する。
S(i,t)=fi(A(t))+ε
ε:誤差
推定された回帰関数fiは、証券価格予測部16へ出力される。
【0061】
ここで、実生産指数A(t)と証券価格S(i,t)との間の相関係数ρを、以下のように表す。
ρ(S(i,t),A(t))
相関係数の絶対値abs(ρ(S(i,t),A(t)))が高い金融商品ほど、鉱工業生産指数との関連性が高く、前述した回帰関数fiに従う。
【0062】
[証券価格予測部16]
証券価格予測部16は、回帰関数fiを用いて、対象期間tの予測生産指数P(t)から、当該対象期間tの予測証券価格SS(t)を算出する。
SS(t)=fi(P(t))
予測証券価格SS(t)は、工業圏地域の移動体滞在数から予測された予測生産指数P(t)に基づくものである。即ち、予測証券価格SSは、工業圏地域の移動体滞在数から予測された証券価格と言える。
【0063】
[証券価格調整指示部17]
証券価格調整指示部17は、予測証券価格SS(t)と実証券価格S(t)との差分を、実証券価格S(t)の上昇又は下落の調整として指示する。
一般的に、実生産指数A(t)が現に公開された直後に、その実生産指数A(t)に関連する実証券価格S(t)の上昇又は下落に基づく調整が発生する。そのために、予測証券価格SS(t)と実証券価格S(t)との差分が、実生産指数A(t)が現に公開された直後に調整されるものとし、投資家に指示することができる。この予測証券価格SS(t)と実証券価格S(t)との差分が、投資家にとって予想可能な調整量であって、収益機会と捉えることができる。マーケットサプライズが発生する潜在性が高いほど、大きな収益機会を得ることができる。
【0064】
証券価格調整指示部17は、以下のように予測する。
(1)予測証券価格SS(t)が実証券価格S(t)よりも所定閾値以上大きい場合には、当該証券価格の上昇のマーケットサプライズが発生する潜在性が高いことを指示することができる。
SS(i,t) >> S(i,t)
(2)予測証券価格SS(t)が実証券価格S(i)よりも所定閾値以上小さい場合には、当該証券価格の下落のマーケットサプライズが発生する潜在性が高いことを指示することができる。
SS(i,t) << S(i,t)
マーケットサプライズ直後の調整で当該株価は下落することが予想される。
【0065】
投資家としては、
図5の見込み変動予測部13の出力結果や、
図6の証券価格調整指示部17の出力結果に応じて、自らの投資ポートフォリオに組み込まれた商品について調整することができる。特に、例えば鉱工業生産指数に基づく生産指数と関連する商品について見直すことができる。勿論、投資ポートフォリオに組み込まれていない商品についても、生産指数との関連性に応じて、マーケットサプライズが発生する潜在性が高い時点のみに投資をすることもできる。但し、本発明のサービスを契約したアナリストによって、マーケットサプライズを引き起こすインセンティブが働かないようにするべく留意すべきである。
【0066】
以上、詳細に説明したように、本発明の予測装置、プログラム及び方法によれば、移動体滞在数を用いて生産指数を予測することができる。これによって、マーケットサプライズが発生する潜在性を予測することができる。
【0067】
本発明によれば、アナリストらにおける「相場感」でしかないマーケットコンセンサスに、地域圏における移動体滞在数というビッグデータを適用することによって、信頼性の高い生産指数を予測することできる。また、市場が大きく変動するマーケットサプライズの潜在性を事前に予測することもでき、特に投資家や市場関係者に、それに備えた準備や投資を行わせることもできる。
【0068】
尚、これにより、例えば「移動体滞在数を用いて生産指数を予測することができる」ことから、国連が主導する持続可能な開発目標8(SDGs)の「すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセント・ワークを推進する」に貢献することが可能となる。
【0069】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0070】
1 予測装置
100 位置データベース
101 移動体滞在数記録部
102 実生産指数記録部
103 証券価格記録部
11 相関係数推定部
12 生産指数予測部
13 見込み変動予測部
14 予測変動閾値決定部
15 回帰関数推定部
16 証券価格予測部
17 証券価格調整指示部
2 携帯端末