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特許7557260異物質検出方法及びそのための装置及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】異物質検出方法及びそのための装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/60 20160101AFI20240919BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240919BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20240919BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20240919BHJP
【FI】
H02J50/60
H02J7/00 301D
H02J50/10
H02J50/80
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018567818
(86)(22)【出願日】2017-06-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-12
(86)【国際出願番号】 KR2017006975
(87)【国際公開番号】W WO2018004304
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2019-05-13
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】10-2016-0083406
(32)【優先日】2016-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0090701
(32)【優先日】2016-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0093483
(32)【優先日】2016-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0095293
(32)【優先日】2016-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジェヒ
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ヨンイル
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】丸山 高政
【審判官】寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-46990(JP,A)
【文献】国際公開第2015/156628(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0285926(US,A1)
【文献】特表2017-511117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力送信機が、予め設定された動作周波数帯域内の第1周波数に対する第1品質因子値を測定する段階と、
前記無線電力送信機が、前記動作周波数帯域内の前記第1周波数より大きい第2周波数に対する第2品質因子値を測定する段階と、
前記無線電力送信機が、前記第1品質因子値と前記第2品質因子値の大きさを比較する段階と、
前記第1品質因子値より前記第2品質因子値が大きい場合、
前記無線電力送信機は、充電領域上に異物質が存在すると判断し、
電力伝送中の場合、電力伝送を中断するよう電力伝送部を制御し、
アラーム手段を介してアラーム信号を出力されるよう制御し、
所定期間経過後、選択段階に進入し、アナログピング信号を伝送し、送信コイル又は一時コイルの電流変化に基づいてインターフェース表面の活性領域に物体が存在するか否かを感知する、
ことを含む方法。
【請求項2】
前記無線電力送信機は、前記選択段階への侵入前に、前記第1周波数に対する第3品質因子値及び前記第2周波数に対する第4品質因子値を測定し、測定された前記第3品質因子値及び前記第4品質因子値を比較し、前記充電領域に配置された異物質が除去されたかを確認する、
ことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線電力送信機は、無線電力受信装置にパワーを伝送する無線パワー伝送手段を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
予め設定された動作周波数帯域内の第1周波数に対する第1品質因子値を測定する測定部と、
前記動作周波数帯域内の前記第1周波数より大きい第2周波数に対する第2品質因子値を測定する測定部と、
前記第1品質因子値と前記第2品質因子値の大きさを比較する比較部と、
前記第1品質因子値より前記第2品質因子値が大きい場合、
充電領域上に異物質が存在すると判断し、
電力伝送中の場合、電力伝送を中断するよう電力伝送部を制御し、
アラーム手段を介してアラーム信号を出力されるよう制御し、
所定期間経過後、選択段階に進入し、アナログピング信号を伝送し、送信コイル又は一時コイルの電流変化に基づいてインターフェース表面の活性領域に物体が存在するか否かを感知するよう制御する、
制御部と、
を備える無線電力送信機。
【請求項5】
無線電力を送信する機能を有する、
請求項4に記載の無線電力送信機。
【請求項6】
無線電力受信装置にパワーを伝送する無線パワー伝送手段を備える、
請求項4に記載の無線電力送信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線電力伝送技術に関し、より詳しくは、無線充電システム上での異物質検出方法及びそのための装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信技術が急速に発展するに従い、情報通信技術を基にするユビキタス社会が成り立っている。
【0003】
いつでもどこでも情報通信機器が接続するためには、社会の全ての施設に通信機能を有するコンピュータチップを内装したセンサーが取り付けられなければならない。したがって、これらの機器又はセンサーの電源供給問題は新しい課題となっている。また、携帯電話だけではなくブルートゥースハンドセットとアイポットのようなミュージックプレーヤーなどの携帯機器の種類が急激に増えるに従ってバッテリーを充電する作業が使用者に時間及び手数を要求している。このような問題を解決する方法として無線電力伝送技術が最近に関心を受けている。
【0004】
無線電力伝送技術(wireless power transmission又はwireless energy transfer)は磁場の誘導原理を用いて無線で送信機から受信機に電気エネルギーを伝送する技術であり、既に1800年代に電磁気誘導原理を用いた電気モーターや変圧器が使われ始めた。その後には、高周波、Microwave、レーザーなどの電磁波を放射して電気エネルギーを伝送する方法も試みられた。我々がよく使用する電動歯ブラシ又は一部の無線カミソリも実際には電磁気誘導原理で充電される。
【0005】
現在まで無線を用いたエネルギー伝達方式は、大別して磁気誘導方式、磁気共振(Electromagnetic Resonance)方式及び短波長無線周波数を用いたRF伝送方式などに区分できる。
【0006】
磁気誘導方式は、二つのコイルを互いに隣り合わせた後、一コイルに電流を流せば、このときに発生した磁束(Magnetic Flux)が他のコイルに起電力を引き起こす現象を用いる技術であり、携帯電話のような小型機器を中心に早く商用化している。磁気誘導方式は最大で数百キロワット(kW)の電力を伝送することができるし効率も高いが、最大伝送距離が1センチメートル(cm)以下であるため、一般的に充電器又は底面に隣り合わせなければならない欠点がある。
【0007】
磁気共振方式は、電磁気波、電流などを活用する代わりに、電場又は磁場を用いる特徴がある。磁気共振方式は電磁波問題の影響をほとんど受けないので、他の電子機器や人体に安全であるという利点がある。一方、限定された距離と空間でだけ活用することができ、エネルギー伝達効率がちょっと低いという欠点がある。
【0008】
短波長無線電力伝送方式、簡単に言えばRF伝送方式は、エネルギーがラジオ波(Radio Wave)の形態で直接送受信されることができるという点を活用したものである。この技術はレクテナ(rectenna)を用いるRF方式の無線電力伝送方式である。レクテナはアンテナ(antenna)と整流器(rectifier)の合成語で、RF電力を直接直流電力に変換する素子を意味する。すなわち、RF方式はACラジオ波をDCに変換して使用する技術であり、最近効率が向上するに従って商用化に対する研究が活発に進行されている。
【0009】
無線電力伝送技術は、モバイルだけでなく、IT、鉄道、家電産業などの産業全般にあたって多様に活用されることができる。
【0010】
無線充電可能領域に無線電力受信機ではない伝導体、つまりFO(Foreign Object)が存在する場合、FOには無線電力送信機から送出された電磁気信号が誘導されて温度が上昇することがある。一例として、FOは、銅銭、クリップ、ピン、ボールペンなどを含むことができる。
【0011】
仮に、無線電力受信機と無線電力送信機の間にFOが存在する場合、無線充電効率がめっきり落ちるだけでなく、FO周辺の温度上昇によって無線電力受信機と無線電力送信機の温度が一緒に上昇することがある。仮に、充電領域に位置するFOが除去されなかった場合、電力浪費をもたらすだけでなく、過熱によって無線電力送信機及び無線電力受信機の損傷を引き起こすことができる。
【0012】
したがって、充電領域に位置するFOを正確に検出することは無線充電技術分野で重要なイシューとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するために考案されたもので、本発明の目的は無線充電のための異物質検出方法及びそのための装置及びシステムを提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は基準品質因子値によって線形的又は指数的に決定される加重値を反映して動的に異物質を検出するための臨界値又は臨界範囲を決定することにより、より正確に異物質を検出することができる無線電力送信装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的はピング段階以前に測定された共振回路の品質因子値及びインダクタンス値に基づいて異物質を検出することが可能な無線電力送信装置を提供することである。
【0016】
本発明のさらに他の目的は充電領域に物体が感知されれば、ピング段階以前に共振回路の品質因子値だけではなくインダクタンス値を測定し、交渉段階でFOD状態パケットに基づいて決定された臨界値と測定値を比較することによってより正確に異物質を感知することが可能な異物質検出方法及びそのための装置及びシステムを提供することである。本発明の他の目的は動作周波数帯域内の特定周波数に相応して測定された品質因子値に基づいて異物質を検出することが可能な無線電力送信機を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は動作周波数帯域内の特定周波数に相応して測定された品質因子平均値に基づいて異物質を検出することが可能な無線電力送信機を提供することである。
【0018】
本発明で達成しようとする技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及しなかったさらに他の技術的課題は下記の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は異物質検出方法及びそのための装置及びシステムを提供することができる。
【0020】
本発明の一実施例による無線で電力を伝送するための共振回路を備えた無線電力送信機における異物質検出方法は、充電領域に配置された物体を感知する段階と、前記物体が感知されれば、前記共振回路の品質因子値を測定する段階と、感知信号を送出して無線電力受信機を識別する段階と、識別された前記無線電力受信機から受信された基準品質因子値に基づいて異物質検出のための臨界値を決定する段階と、前記測定された品質因子値と前記決定された臨界値を比較して異物質の存在有無を判断する段階とを含み、前記臨界値は前記基準品質因子値によって増加する加重値が適用されて決定されることができる。
【0021】
ここで、前記加重値は前記基準品質因子値によって線形的又は指数的に増加することができる。
【0022】
また、前記臨界値の決定に前記無線電力送信機に対応する構成因子及び予め定義された許容誤差がもっと適用され、前記臨界値は前記基準品質因子値と前記構成因子を掛けた値に前記許容誤差を足してから前記加重値を差し引くことによって決定されることができる。
【0023】
また、前記異物質検出方法は、前記判断結果、異物質が存在しなければ、前記識別された無線電力受信機への充電を開始する段階と、前記判断結果、異物質が存在すれば、前記共振回路を介しての電力伝送を中断し、異物質が感知されたことを指示する所定のアラーム信号を出力する段階とをさらに含むことができる。
【0024】
また、前記電力伝送が中断されれば、前記充電領域に配置された物体を感知する段階に回帰することができる。
【0025】
また、前記異物質検出方法は、前記回帰後、測定した前記共振回路の品質因子値を前記決定された臨界値と比較して、感知された前記異物質が前記充電領域から除去されたかを確認する段階をさらに含むことができる。
【0026】
また、前記確認結果、前記異物質が除去された場合、前記中断された電力伝送を再開することができる。
【0027】
また、前記基準品質因子値は交渉段階で受信される異物質検出状態パケットに含まれて受信されることができる。
【0028】
また、前記異物質の存在有無を判断する段階は、前記測定された品質因子値が前記臨界値を超えれば異物質が存在しないと判断する段階と、前記測定された品質因子値が前記臨界値以下であれば異物質が存在すると判断する段階とを含むことができる。
【0029】
本発明の他の実施例による無線で電力を伝送するための共振回路を備えた無線電力送信機における異物質検出方法は、充電領域に配置された物体を感知する段階と、前記物体が感知されれば、前記共振回路の品質因子値を測定する段階と、感知信号を送出して無線電力受信機を識別する段階と、識別された前記無線電力受信機から受信された基準品質因子値に基づいて異物質検出のための臨界範囲を決定する段階と、前記測定された品質因子値と前記決定された臨界範囲を比較して異物質の存在有無を判断する段階とを含み、前記臨界範囲は前記基準品質因子値によって増加する上限加重値と下限加重値が適用されて決定されることができる。
【0030】
本発明のさらに他の実施例による異物質検出装置は、共振キャパシター及び共振インダクターを含む共振回路と、充電領域に配置された物体を感知するセンシング部と、前記物体が感知されれば、前記共振回路の品質因子値を測定する測定部と、識別された無線電力受信機から受信される異物質検出状態パケットの基準品質因子値に基づいて異物質検出のための臨界値を決定し、前記測定された品質因子値と前記決定された臨界値を比較して異物質の存在有無を判断する制御部とを含み、前記臨界値は前記基準品質因子値によって増加する加重値が適用されて決定されることができる。
【0031】
ここで、前記加重値は前記基準品質因子値によって線形的又は指数的に増加し、前記臨界値は前記基準品質因子値と前記無線電力送信機に対応する構成因子を掛けた値に予め定義された許容誤差を足してから前記加重値を差し引くことによって決定されることができる。
【0032】
また、前記異物質が存在しないと判断されれば、前記制御部が前記識別された無線電力受信機への充電を開始し、前記異物質が存在すると判断されれば、前記制御部が前記共振回路を介しての電力伝送を中断し、異物質が感知されたことを指示する所定のアラーム信号を出力するように制御することができる。
【0033】
また、前記制御部が、前記電力伝送中断後、選択段階に回帰して測定した前記共振回路の品質因子値を前記決定された臨界値と比較して、感知された前記異物質が前記充電領域から除去されたかを確認することができる。
【0034】
また、前記確認結果、前記異物質が除去された場合、前記制御部が前記中断された電力伝送を再開するように制御することができる。
【0035】
また、前記異物質検出装置は、電源から印加された直流電力を特定の直流電力に変換する直流/直流変換器と、前記変換された直流電力を交流電力に変換するインバーターとをさらに含み、前記制御部が、前記測定部による測定が完了すれば、前記無線電力受信機を識別するためのデジタルピングが周期的に送出されるように前記直流/直流変換器及び前記インバーターを制御し、前記デジタルピングに対応する信号強度指示子が受信されれば、前記無線電力受信機を識別することができる。
【0036】
また、前記測定部が前記共振キャパシターの両端で測定された電圧に基づいて前記共振回路の品質因子値を測定することができる。
【0037】
本発明のさらに他の実施例による異物質検出装置は、共振キャパシター及び共振インダクターを含む共振回路と、充電領域に配置された物体を感知するセンシング部と、前記物体が感知されれば、前記共振回路の品質因子値を測定する測定部と、識別された無線電力受信機から受信される異物質検出状態パケットの基準品質因子値に基づいて異物質検出のための臨界範囲を決定し、前記測定された品質因子値と前記決定された臨界範囲を比較して異物質の存在有無を判断する制御部とを含み、前記臨界範囲は前記基準品質因子値によって増加する上限加重値と下限加重値が適用されて決定されることができる。
【0038】
本発明の一実施例による無線で電力を伝送するための共振回路を備えた無線電力送信機における異物質検出方法は、前記共振回路の第1インダクタンス値を測定する段階と、無線電力受信機から異物質検出状態パケットを受信する段階と、前記異物質検出状態パケットに基づいて異物質検出のための臨界値を決定する段階と、前記測定された第1インダクタンス値と前記決定された臨界値を比較して異物質の存在有無を判断する段階とを含むことができる。
【0039】
また、前記異物質検出方法は、充電領域に配置された物体を感知する段階と、前記無線電力受信機を識別する段階とをさらに含み、前記測定された第1インダクタンス値は前記感知された物体によって変化した前記共振回路のインダクタンス値を含むことができる。
【0040】
また、前記第1インダクタンス値は、前記物体が感知された後、前記無線電力受信機を識別する段階に進入する前に測定されることができる。
【0041】
また、前記異物質検出方法は、前記物体が感知された後、前記無線電力受信機を識別する段階に進入する前に前記共進回路の品質因子値を測定する段階をさらに含むことができる。
【0042】
また、前記異物質検出方法は、前記異物質存在有無の判断結果に基づいて前記無線電力受信機への電力伝送を中断する段階をさらに含むことができる。
【0043】
また、前記異物質検出方法は、前記異物質存在有無の判断結果に基づいて前記識別された無線電力受信機に伝送する電力を補正する段階をさらに含むことができる。
【0044】
また、前記異物質検出方法は、前記異物質存在有無の判断結果に基づいて異物質が感知されたことを指示するアラーム信号を出力する段階をさらに含むことができる。
【0045】
また、前記異物質検出方法は、前記電力伝送中断後、前記充電領域に配置された物体を感知する段階をさらに含むことができる。
【0046】
また、前記異物質検出方法は、前記電力伝送中断後、前記共振回路の第2インダクタンス値を測定する段階と、前記測定された第2インダクタンス値と前記決定された臨界値を比較して、感知された前記異物質が前記充電領域から除去されたかを判断する段階とをさらに含むことができる。
【0047】
また、前記異物質検出状態パケットは、基準品質因子値及び基準インダクタンス値の少なくとも一つを含むことができる。
【0048】
また、前記基準インダクタンス値は、異物質がない状態で前記無線電力受信機が前記充電領域に位置したときに測定された前記共振回路のインダクタンス値を含むことができる。
【0049】
一実施例で、前記異物質検出状態パケットはモードフィールドをさらに含み、前記モードフィールドは、前記異物質検出状態パケットが前記基準インダクタンス値を含むことを指示する第1モードを含むことができる。
【0050】
他の実施例で、前記異物質検出状態パケットはモードフィールドをさらに含み、前記モードフィールドは、前記異物質検出状態パケットが前記基準インダクタンス値及び前記基準品質因子値を含むことを指示する第2モードを含むことができる。
【0051】
また、前記決定された臨界値は品質因子臨界値及びインダクタンス臨界値を含み、前記品質因子臨界値及び前記インダクタンス臨界値は前記基準品質因子値及び前記基準インダクタンス値のそれぞれに対して既設定の比率だけ小さい値を含むことができる。
【0052】
また、前記決定された臨界値は前記基準インダクタンス値に対して既設定の比率だけ大きい値を含むことができる。
【0053】
また、前記異物質検出方法は、前記無線電力受信機から前記電力を補正するための受信パワー強度パケットを受信する段階をさらに含み、前記受信パワー強度パケットは、ライトロードに対応する前記無線電力受信機の受信電力又はロード連結状態に対応する前記無線電力受信機の受信電力を含むことができる。
【0054】
また、前記異物質の存在有無を判断する段階は、前記測定された品質因子値と前記品質因子臨界値を比較して異物質存在有無を判断する第1異物質判断段階と、前記測定された第1インダクタンス値と前記インダクタンス臨界値を比較して異物質存在有無を判断する第2異物質判断段階とを含むことができる。
【0055】
また、前記第1異物質判断段階及び前記第2異物質判断段階の少なくとも一つの異物質判断段階で異物質が存在すると判断されれば、最終的に異物質が存在すると判断することができる。
【0056】
本発明の他の実施例による異物質検出装置は、共振キャパシターとインダクターを含む共振回路と、前記インダクター上に配置される充電領域と、前記共振回路の第1インダクタンス値を測定する測定部と、無線電力受信機から受信された異物質検出状態パケットに基づいて異物質検出のための臨界値を決定し、前記測定された第1インダクタンス値と前記決定された臨界値を比較して異物質の存在有無を判断する制御部とを含むことができる。
【0057】
また、前記制御部は前記充電領域に位置する物体を感知するように設定され、前記測定された第1インダクタンス値は前記感知された物体によって変化した前記共振回路のインダクタンス値を含むことができる。
【0058】
また、前記測定部は前記共進回路の品質因子値を測定するように設定され、前記測定された品質因子値は前記感知された物体によって変化した前記共振回路の品質因子値を含むことができる。
【0059】
また、前記共進回路のインダクタンス値は前記インダクターのインダクタンス値を含むことができる。
【0060】
また、前記測定された第1インダクタンス値が前記決定された臨界値より大きければ、前記制御部は前記無線電力受信機に伝送する電力を補正することができる。
【0061】
また、前記測定された第1インダクタンス値が前記決定された臨界値と同じかそれより小さければ、前記制御部は前記無線電力受信機への電力伝送を中断するように制御することができる。
【0062】
また、前記異物質検出状態パケットは、基準品質因子値及び基準インダクタンス値の少なくとも一つを含むことができる。
【0063】
一実施例で、前記異物質検出状態パケットはモードフィールドをさらに含み、前記モードフィールドは、前記異物質検出状態パケットが前記基準インダクタンス値を含むことを指示する第1モードを含むことができる。
【0064】
他の実施例で、前記異物質検出状態パケットはモードフィールドをさらに含み、前記モードフィールドは、前記異物質検出状態パケットが前記基準インダクタンス値及び前記基準品質因子値を含むことを指示する第2モードを含むことができる。
【0065】
また、前記決定された臨界値は品質因子臨界値及びインダクタンス臨界値を含み、前記品質因子臨界値及び前記インダクタンス臨界値は前記基準品質因子値及び前記基準インダクタンス値のそれぞれに対して既設定の比率だけ小さい値を含むことができる。
【0066】
また、前記決定された臨界値は前記基準インダクタンス値に対して既設定の比率だけ大きい値を含むことができる。
【0067】
また、前記制御部が、前記測定された品質因子値と前記品質因子臨界値を比較して異物質存在有無を判断する第1異物質判断、及び前記測定されたインダクタンス値と前記インダクタンス臨界値を比較して異物質存在有無を判断する第2異物質判断を遂行することができる。
【0068】
また、前記第1異物質判断及び前記第2異物質判断の少なくとも一つの判断によって異物質が存在すると判断されれば、前記制御部が最終的に異物質が存在すると判断することができる。
【0069】
また、前記異物質検出装置は、電源から印加された直流電力を特定の直流電力に変換する直流/直流変換器と、前記変換された直流電力を交流電力に変換するインバーターとをさらに含み、前記制御部が、前記測定部による測定が完了すれば、前記無線電力受信機を識別するためのデジタルピングが周期的に送出されるように前記直流/直流変換器及び前記インバーターを制御し、前記デジタルピングに対応する信号強度指示子が受信されれば、前記無線電力受信機を識別することができる。
【0070】
また、前記測定部が、前記共振キャパシターの両端で測定された電圧、電流及びインピーダンスの少なくとも一つに基づいて前記第1インダクタンス値を測定することができる。
【0071】
また、前記測定部は、前記共振キャパシターの両端で測定された電圧に基づいて前記品質因子値を算出する品質因子測定部と、前記インダクターの両端で測定された電圧及び電流に基づいて前記インダクタンス値を算出するインダクタンス測定部とを含むことができる。
【0072】
本発明の一実施例による無線電力送信機における異物質検出方法は、第1周波数に対する第1品質因子値を測定する段階と、第2周波数に対する第2品質因子値を測定する段階と、前記第1品質因子値及び前記第2品質因子値に基づいて充電領域上の異物質の存在状態を決定する段階とを含むことができる。
【0073】
一例として、前記第2周波数が前記第1周波数より大きく、前記第2品質因子値が前記第1品質因子値より大きければ、前記充電領域に異物質が存在すると判断することができる。
【0074】
他の例として、前記第2品質因子値が前記第1品質因子値より大きければ、前記充電領域に整列されていない無線電力受信機が存在すると判断することができる。
【0075】
また、前記異物質検出方法は、決定された前記異物質の存在状態によって無線電力を送信する段階をさらに含み、前記異物質存在有無状態は異物質存在状態及び異物質不在状態を含むことができる。
【0076】
また、前記異物質存在状態は、前記第2品質因子値が前記第1品質因子値より大きい状態を含むことができる。
【0077】
また、前記異物質不在状態は、前記第2品質因子値が前記第1品質因子値と同じかそれより小さい状態を含むことができる。
【0078】
また、前記異物質検出方法は、前記判断結果、前記充電領域に異物質の存在が感知されれば、所定のアラーム信号を出力する段階をさらに含むことができる。
【0079】
また、前記異物質検出方法は、前記異物質の存在が感知されたとき、電力伝送中の場合、電力伝送を一時中断させる段階をさらに含むことができる。
【0080】
また、前記異物質検出方法は、前記電力伝送が一時中断された状態で前記感知された異物質が充電領域から除去されたかを確認する段階をさらに含み、前記確認結果、前記感知された異物質が除去された場合、前記一時中断された電力伝送が再開することができる。
【0081】
また、前記異物質検出方法は、前記アラーム信号の出力後、選択段階に進入する段階をさらに含むことができる。
【0082】
また、前記異物質検出方法は、前記アラーム信号の出力後、前記選択段階への進入前、前記感知された異物質が充電領域から除去されたかを確認する段階をさらに含み、前記確認結果、前記異物質が除去された場合、前記選択段階に進入することができる。
【0083】
また、前記第2品質因子値から前記第1品質因子値を差し引いた値が所定の基準値を超えれば、前記充電領域に異物質が存在すると判断することができる。
【0084】
本発明の他の実施例による無線電力送信機における異物質検出方法は、動作周波数帯域内の所定の上限周波数帯域に相応する第1品質因子平均値を算出する段階と、前記動作周波数帯域内の所定の下限周波数帯域に相応する第2品質因子平均値を算出する段階と、前記第1品質因子平均値及び前記第2品質因子平均値に基づいて前記無線電力送信機の充電領域に異物質が存在するかを判断する段階とを含むことができる。
【0085】
一例として、前記第1品質因子平均値が前記第2品質因子平均値より大きければ、前記充電領域に異物質が存在すると判断することができる。
【0086】
他の例として、前記第1品質因子平均値から前記第2品質因子平均値を差し引いた値が所定の基準値を超えれば、前記充電領域に異物質が存在すると判断することもできる。
【0087】
本発明のさらに他の実施例による無線電力送信機に備えられる異物質検出装置は、予め設定された動作周波数帯域内の第1周波数に対する第1品質因子値を測定し、前記動作周波数帯域内の第2周波数に対する第2品質因子値を測定する品質因子測定部と、前記第1品質因子値及び前記第2品質因子値に基づいて充電領域に異物質が存在するかを判断する検出部とを含むことができる。
【0088】
一例として、前記第2周波数が前記第1周波数より大きく、前記第2品質因子値が前記第1品質因子値より大きければ、前記検出部が、前記充電領域に異物質が存在すると判断することができる。
【0089】
他の例として、前記第2周波数が前記第1周波数より大きく、前記第2品質因子値が前記第1品質因子値より大きければ、前記検出部が、前記充電領域に整列されていない無線電力受信機が存在すると判断することもできる。
【0090】
また、前記異物質検出装置は、前記判断結果、前記充電領域に異物質が存在することが感知されれば、所定のアラーム信号を出力するアラーム部をさらに含むことができる。
【0091】
また、前記異物質検出装置は、前記異物質の存在が感知されたとき、電力伝送中の場合、前記電力伝送を一時中断させる制御部をさらに含むことができる。
【0092】
また、前記制御部が、前記電力伝送が一時中断された状態で前記感知された異物質が充電領域から除去されたかを確認し、前記確認結果、前記感知された異物質が除去された場合、前記一時中断された電力伝送を再開することもできる。
【0093】
また、前記制御部が、前記アラーム信号の出力後、選択段階に進入するように制御することができる。
【0094】
また、前記アラーム信号の出力後、前記選択段階への進入前、前記制御部が、前記感知された異物質が充電領域から除去されたかを確認し、前記確認結果、前記異物質が除去された場合、前記選択段階に進入するように制御することができる。
【0095】
また、前記第2周波数が前記第1周波数より大きく、前記第2品質因子値から前記第1品質因子値を差し引いた値が所定の基準値を超えれば、前記検出部が、前記充電領域に異物質が存在すると判断することができる。
【0096】
本発明のさらに他の実施例による無線電力送信機に備えられる異物質検出装置は、所定の動作周波数帯域内の品質因子値を測定する品質因子測定部と、前記動作周波数帯域内の所定の上限周波数帯域に相応して測定された少なくとも一つの前記品質因子値に基づいて第1品質因子平均値を算出し、前記動作周波数帯域内の所定の下限周波数帯域に相応して測定された少なくとも一つの前記品質因子値に基づいて第2品質因子平均値を算出する平均算出部と、前記第1品質因子平均値及び前記第2品質因子平均値に基づいて前記無線電力送信機の充電領域に異物質が存在するかを判断する検出部とを含むことができる。
【0097】
一例として、前記検出部が、前記第1品質因子平均値が前記第2品質因子平均値より大きければ、前記充電領域に異物質が存在すると判断することができる。
【0098】
他の例として、前記検出部が、前記第1品質因子平均値から前記第2品質因子平均値を差し引いた値が所定の基準値を超えれば、前記充電領域に異物質が存在すると判断することもできる。
【0099】
本発明のさらに他の実施例は、前記異物質検出方法のいずれか一つの方法を実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ可読の記録媒体を提供することができる。
【0100】
前記本発明の態様は本発明の好適な実施例の一部に過ぎなく、本発明の技術的特徴が反映された多様な実施例が、当該技術分野の通常的な知識を有する者によって、以下で詳述する本発明の詳細な説明から導出されて理解されることができる。
【発明の効果】
【0101】
本発明による方法、装置及びシステムの効果について説明すれば次のようである。
【0102】
本発明は無線充電のための異物質検出方法及びそのための装置及びシステムを提供する利点がある。
【0103】
また、本発明はより正確に異物質を検出することが可能な異物質検出方法及びそのための装置及びシステムを提供する利点がある。
【0104】
また、本発明は不必要な電力浪費及び異物質による発熱現象を最小化することができる利点がある。
【0105】
また、本発明は基準品質因子値によって線形的又は指数的に決定される加重値を反映して動的に異物質を検出するための臨界値又は臨界範囲を決定することにより、より正確に異物質を検出することが可能な無線電力送信装置を提供する利点がある。
【0106】
また、本発明はピング段階以前に測定された共振回路の品質因子値及びインダクタンス値に基づいて異物質を検出することが可能な無線電力送信装置を提供するものである。
【0107】
また、本発明は、充電領域に物体が感知されれば、ピング段階以前に共振回路の品質因子値だけではなく、インダクタンス値を測定し、交渉段階でFOD状態パケットに基づいて決定された臨界値と測定値を比較することによってより正確に異物質を感知することが可能な異物質検出方法及びそのための装置及びシステムを提供する利点がある。
【0108】
また、本発明は受信機のタイプによって動的に異物質の存在有無を判断するための臨界値を決定することにより、より正確な異物質検出が可能な異物質検出方法及びそれを用いた装置及びシステムを提供する利点がある。
【0109】
また、本発明は動作周波数帯域内の特定周波数に相応して測定された品質因子値に基づいて異物質を検出することが可能な無線電力送信機を提供する利点がある。
【0110】
また、本発明は動作周波数帯域内の特定周波数に相応して測定された品質因子平均値に基づいて異物質を検出することが可能な無線電力送信機を提供する利点がある。
【0111】
また、本発明は異物質検出エラーを最小化する利点があるだけではなく、これによって不必要な電力浪費及び装備損傷を最小化することができる効果を期待することができる。
【0112】
本発明で得られる効果は以上で言及した効果に制限されず、言及しなかった他の効果は下記の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0113】
図1】本発明に一実施例による無線充電システムを説明するためのブロック図である。
【0114】
図2】本発明の一実施例による無線電力伝送過程を説明するための状態遷移図である。
【0115】
図3】無線電力送信機と連動する無線電力受信機の構造を説明するためのブロック図である。
【0116】
図4】本発明の一実施例によるパケットフォーマットを説明するための図である。
【0117】
図5】本発明の一実施例によるパケットの種類を説明するための図である。
【0118】
図6a】本発明の一実施例による異物質検出装置の構造を説明するためのブロック図である。
【0119】
図6b】本発明の他の実施例による異物質検出装置の構造を説明するためのブロック図である。
【0120】
図7a】本発明の一実施例による異物質検出状態パケット(Foreign Object Detection Status Packet)のメッセージ構造を説明するための図である。
【0121】
図7b】本発明の一実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0122】
図7c】本発明の他の実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0123】
図8a】本発明の一実施例による異物質検出装置での異物質検出のための状態遷移過程を説明するための図である。
【0124】
図8b】本発明の一実施例による異物質検出装置での異物質検出のための状態遷移過程を説明するための図である。
【0125】
図9a】本発明の他の実施例による無線電力送信装置での異物質感知方法を説明するためのフローチャートである。
【0126】
図9b】本発明の他の実施例による無線電力送信装置での異物質感知方法を説明するためのフローチャートである。
【0127】
図10】本発明の一実施例による充電領域に異物質が配置されたときの受信機タイプ別基準品質因子値に対して品質認知値が下がる程度を示す実験結果グラフである。
図11】本発明の一実施例による充電領域に異物質が配置されたときの受信機タイプ別基準品質因子値に対して品質認知値が下がる程度を示す実験結果グラフである。
【0128】
図12】共振回路に対する受信機タイプ別異物質存在有無による品質因子値及びインダクタンス値の測定結果を示す。
【0129】
図13a】本発明のさらに他の実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0130】
図13b】本発明のさらに他の実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0131】
図13c】本発明のさらに他の実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0132】
図13d】本発明の一実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
図13e】本発明の一実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
図13f】本発明の一実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
図13g】本発明の一実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0133】
図14】本発明の他の実施例によるFOD検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0134】
図15】本発明のさらに他の実施例によるFOD検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0135】
図16】本発明の一実施例による品質因子テーブルを示す。
【0136】
図17】本発明の一実施例によるFO検出装置の構成を説明するためのブロック図である。
【0137】
図18】本発明のさらに他の実施例によるFOD検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0138】
図19】本発明のさらに他の実施例によるFOD検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0139】
図20】本発明の一実施例による品質因子値に基づくFO検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0140】
図21図20の実施例に相応するFO検出装置の構造を説明するためのブロック図である。
【0141】
図22】本発明の他の実施例に品質因子値に基づくFO検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0142】
図23図22の実施例に相応するFO検出装置の構造を説明するためのブロック図である。
【0143】
図24a図14図23の実施例の論理的な根拠を説明するための実験結果グラフである。
図24b図14図23の実施例の論理的な根拠を説明するための実験結果グラフである。
図24c図14図23の実施例の論理的な根拠を説明するための実験結果グラフである。
図24d図14図23の実施例の論理的な根拠を説明するための実験結果グラフである。
図24e図14図23の実施例の論理的な根拠を説明するための実験結果グラフである。
【0144】
図25】無線電力送信機の充電領域の無線電力受信機と異物質の配置による品質因子値と最大品質因子ピーク(Peak)周波数間の関係を説明するための図である。
【0145】
図26】本発明の一実施例による異物質検出装置での異物質検出のための状態遷移過程を説明するための図である。
【0146】
図27】本発明の他の実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0147】
図28】本発明の一実施例による異物質検出装置での異物質検出のための状態遷移過程を説明するための図である。
【0148】
図29】本発明の一実施例による異物質検出装置での異物質検出のための状態遷移過程を説明するための図である。
【0149】
図30】本発明のさらに他の実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0150】
一実施例による無線で電力を伝送するための共振回路を備えた無線電力送信機における異物質検出方法は、充電領域に配置された物体を感知する段階と、前記物体が感知されれば、前記共振回路の品質因子値を測定する段階と、感知信号を送出して無線電力受信機を識別する段階と、識別された前記無線電力受信機から受信された基準品質因子値に基づいて異物質検出のための臨界値を決定する段階と、前記測定された品質因子値と前記決定された臨界値を比較して異物質の存在有無を判断する段階とを含み、前記臨界値は前記基準品質因子値によって増加する加重値が適用されて決定されることができる。
発明の実施のための形態
【0151】
以下、本発明の実施例が適用される装置及び多様な方法について図面を参照してより詳細に説明する。以下の説明で使う構成要素に対する接尾辞“モジュール”及び“部”は明細書作成の容易性のみを考慮して付与するとか混用するもので、そのものとして互いに区別される意味又は役割を有するものではない。
【0152】
実施例の説明において、各構成要素の“上又は下”に形成されるものとして記載する場合、上又は下は二つの構成要素が互いに直接接触するとか一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に配置されて形成されることを全て含む。また“上又は下”で表現する場合、一つの構成要素を基準に上方だけではなく下方の意味も含むことができる。
【0153】
実施例の説明において、無線充電システム上で無線電力を送信する機能が搭載された装置は、説明の便宜のために、無線パワー送信機、無線パワー送信装置、無線電力送信装置、無線電力送信機、送信端、送信機、送信装置、送信側、無線パワー伝送装置、無線パワー伝送器などを混用して使うことにする。また、無線電力送信装置から無線電力を受信する機能が搭載された装置に対する表現として、説明の便宜のために、無線電力受信装置、無線電力受信機、無線パワー受信装置、無線パワー受信機、受信端末機、受信側、受信装置、受信機などを混用して使うことができる。
【0154】
本発明による送信機は、パッド形態、据置形態、AP(Access Point)形態、小型基地局形態、スタンド形態、天井埋込形態、壁掛け形態などに構成されることができ、一つの送信機は複数の無線電力受信装置にパワーを伝送することもできる。このために、送信機は少なくとも一つの無線パワー伝送手段を備えることもできる。ここで、無線パワー伝送手段は、電力送信端コイルで磁場を発生させ、その磁場の影響によって受信端コイルで電気が誘導される電磁気誘導原理を用いて充電する電磁気誘導方式に基づいた多様な無線電力伝送標準が使われることができる。ここで、無線パワー伝送手段は、無線充電技術標準機構であるWPC(Wireless Power Consortium)及びPMA(Power Matters Alliance)で定義された電磁気誘導方式の無線充電技術を含むことができる。
【0155】
また、本発明の一実施例による受信機は少なくとも一つの無線電力受信手段を備えることができ、二つ以上の送信機から同時に無線パワーを受信することもできる。ここで、無線電力受信手段は、無線充電技術標準機構であるWPC(Wireless Power Consortium)及びPMA(Power Matters Alliance)で定義された電磁気誘導方式の無線充電技術を含むことができる。
【0156】
本発明による受信機は、携帯電話(mobile phone)、スマートフォン(smart phone)、ノートブック型パソコン(laptop computer)、デジタル放送用端末機、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)、ナビゲーション、MP3プレーヤー、電動歯ブラシ、電子タグ、照明装置、リモートコントローラー、浮き、スマートワッチのようなウェアラブルデバイスなどの小型電子機器などに使われることができるが、これに限られなく、本発明による無線電力受信手段が装着されてバッテリー充電が可能な機器であれば充分である。
【0157】
図1は本発明の一実施例による無線充電システムを説明するためのブロック図である。
【0158】
図1を参照すると、無線充電システムは、大きく無線で電力を送出する無線電力送信端10、前記送出された電力を受信する無線電力受信端20及び受信された電力が供給される電子機器30からなることができる。
【0159】
一例として、無線電力送信端10と無線電力受信端20は無線電力伝送に使われる動作周波数と同じ周波数帯域を用いて情報を交換する帯域内(In-band)通信を遂行することができる。
【0160】
帯域内通信において、無線電力送信端10によって送出された電力信号41が無線電力受信端20に受信されれば、無線電力受信端20は受信された電力信号を変調し、変調された信号42が無線電力送信端10に伝送されることができる。
【0161】
他の例として、無線電力送信端10と無線電力受信端20は無線電力伝送に使われる動作周波数と違う別途の周波数帯域を用いて情報を交換する帯域外(Out-of-band)通信を遂行することもできる。
【0162】
一例として、無線電力送信端10と無線電力受信端20の間に交換される情報は相互間の状態情報だけではなく制御情報も含むことができる。ここで、送受信端間に交換される状態情報及び制御情報は後述する実施例の説明によってより明確になるであろう。
【0163】
前記帯域内通信及び帯域外通信は両方向通信を提供することができるが、これに限定されなく、他の実施例においては、単方向通信又は半二重方式の通信を提供することもできる。
【0164】
一例として、単方向通信は無線電力受信端20が無線電力送信端10のみに情報を伝送するものであり得るが、これに限定されなく、無線電力送信端10が無線電力受信端20に情報を伝送するものでもあり得る。
【0165】
半二重通信方式は無線電力受信端20と無線電力送信端10間の両方向通信は可能であるが、任意の一時点に任意の一装置によってだけ情報伝送が可能な特徴がある。
【0166】
本発明の一実施例による無線電力受信端20は、電子機器30の各種の状態情報を獲得することもできる。一例として、電子機器30の状態情報は、現在電力使用量情報、実行中の応用を識別するための情報、CPU使用量情報、バッテリー充電状態情報、バッテリー出力電圧/電流情報などを含むことができるが、これに限定されず、電子機器30から獲得可能であり、無線電力制御に活用可能な情報であれば充分である。
【0167】
特に、本発明の一実施例による無線電力送信端10は高速充電支援可否を指示する所定のパケットを無線電力受信端20に伝送することができる。無線電力受信端20は、接続された無線電力送信端10が高速充電モードを支援するものであると確認された場合、これを電子機器30に知らせることができる。電子機器30は備えられた所定の表示手段、例えば液晶ディスプレイであり得る表示手段を介して高速充電が可能であることを表示することができる。
【0168】
また、電子機器30の使用者は液晶表示手段に表示された所定の高速充電要請ボタンを選択して、無線電力送信端10が高速充電モードで動作するように制御することもできる。この場合、電子機器30は、使用者によって高速充電要請ボタンが選択されれば、所定の高速充電要請信号を無線電力受信端20に伝送することができる。無線電力受信端20は受信された高速充電要請信号に相応する充電モードパケットを生成して無線電力送信端10に伝送することによって一般低電力充電モードを高速充電モードに転換させることができる。
【0169】
図2は本発明の一実施例による無線電力伝送過程を説明するための状態遷移図である。
【0170】
図2を参照すると、送信機から受信機へのパワー伝送は、大きく選択段階(Selection Phase)210、ピング段階(Ping Phase)220、識別及び構成段階(Identification and Configuration Phase)230、交渉段階(Negotiation Phase)240、補正段階(Calibration Phase)250、電力伝送段階(Power Transfer Phase)260及び再交渉段階(Renegotiation Phase)270に区分されることができる。
【0171】
選択段階210はパワー伝送を始めるとかパワー伝送を維持するうちに特定のエラー又は特定のイベントが感知されれば遷移される段階であり得る。ここで、特定のエラー及び特定のイベントは以下の説明によって明らかになるであろう。また、選択段階210で、送信機はインターフェース表面に物体が存在するかをモニタリングすることができる。仮に、送信機がインターフェース表面に物体が置かれたことを感知すれば、ピング段階220に遷移することができる。選択段階210で、送信機は非常に短いパルスのアナログピング(Analog Ping)信号を伝送し、送信コイル又は1次コイル(Primary Coil)の電流変化に基づいてインターフェース表面の活性領域(Active Area)に物体が存在するかを感知することができる。
【0172】
ピング段階220で、送信機は、物体を感知すれば、受信機を活性化させ、受信機がWPC標準が互換される受信機であるかを識別するためのデジタルピング(Digital Ping)を伝送する。ピング段階220で、送信機はデジタルピングに対する応答シグナル、例えば信号強度パケットを受信機から受信することができなければ、再び選択段階210に遷移することができる。また、ピング段階220で、送信機は、受信機からパワー伝送が完了したことを指示する信号、すなわち充電完了パケットを受信すれば、選択段階210に遷移することもできる。
【0173】
ピング段階220が完了すれば、送信機は受信機を識別し、受信機構成及び状態情報を収集するための識別及び構成段階230に遷移することができる。
【0174】
識別及び構成段階230で、送信機は、望まないパケットが受信されるとか(unexpected packet)、予め定義された時間の間に所望のパケットが受信されないとか(time out)、パケット伝送エラーがあるとか(transmission error)、パワー伝送契約が設定されなければ(no power transfer contract)選択段階210に遷移することができる。
【0175】
送信機は、識別及び構成段階230で受信された構成パケット(Configuration packet)の交渉フィールド(Negotiation Field)値に基づいて交渉段階240への進入が必要であるかを確認することができる。
【0176】
確認結果、交渉が必要であれば、送信機は交渉段階240に進入して所定のFOD検出過程を遂行することができる。
【0177】
一方、確認結果、交渉が必要ではない場合、送信機は直ちに電力伝送段階260に進入することもできる。
【0178】
交渉段階240で、送信機は基準品質因子値が含まれたFOD(Foreign Object Detection)状態パケットを受信することができる。このとき、送信機は基準品質因子値に基づいてFO検出のための臨界値を決定することができる。一例として、送信機は、基準品質因子値を媒介変数とする所定の臨界生成関数を用いて異物質の存在有無を判断するための臨界値又は臨界範囲を決定することができる。ここで、臨界生成関数によって算出される臨界値又は臨界範囲は基準品質因子値より小さな値である。一実施例による異物質検出のための臨界値(FO_Threshold)は基準品質因子値(RQF_Value)、該当無線電力送信機に相応して予め設定された構成因子(Design_factor)、標準に定義された許容誤差(tolerence)及び加重値に基づいて決定されることができる。ここで、加重値は基準品質因子値によって線形的又は指数的に増加することができる。すなわち、異物質検出のための臨界値は下記の数式1:
【0179】
FO_Threshold=(RQF_Value*Design_factor)+tolerance-加重値(数式1)
【0180】
によって決定されることができる。
【0181】
一般に、充電領域に異物質が配置されれば、送信機の共振回路で測定される品質因子値は異物質が配置される前に比べて下がる。実際に無線充電システムにおいて充電領域に異物質が配置される場合、基準品質因子値に対して測定された品質因子値が減少する比率は充電領域に配置された受信機のタイプ、すなわち該当無線電力受信機の基準品質因子値によって違える。特に、基準品質因子値が大きいほど異物質配置による品質因子値の減少比率が急激に高くなる特徴がある。よって、本発明による送信機は、基準品質因子値が大きい無線電力受信機である場合、基準品質因子値に対する異物質検出のための臨界値の比率が低くなるように臨界値(又は臨界範囲)を決定することができる。これにより、送信機が異物質検出に失敗する確率が低くなることができる。
【0182】
送信機は、物体感知後に測定された品質因子値とFO検出のために決定された臨界値を比較して、充電領域にFOが存在するかを判断することができ、FO検出結果によって電力伝送を制御することができる。一例として、FOが検出された場合、送信機は電力伝送を中断することができ、FOが検出されたことを指示する所定の警告アラームを出力することができる。
【0183】
FOが検出された場合、送信機は選択段階210に回帰することができる。一方、FOが検出されなかった場合、送信機は補正段階250を経て電力伝送段階260に進入することもできる。詳細に、FOが検出されなかった場合、送信機は補正段階250で受信端に受信された電力の強度を決定し、送信端から伝送した電力の強度を決定するために、受信端と送信端での電力損失を測定することができる。すなわち、送信機は補正段階250で送信端の送信パワーと受信端の受信パワー間の差に基づいて電力損失を予測することができる。一実施例による送信機は予測された電力損失を反映してFOD検出のための臨界値を補正することもできる。
【0184】
電力伝送段階260で、送信機は望まないパケットが受信されるとか(unexpected packet)、予め定義された時間の間に所望のパケットが受信されないとか(time out)、既に設定されたパワー伝送契約に対する違反が発生するとか(power transfer contract violation)充電が完了した場合、選択段階210に遷移することができる。
【0185】
また、電力伝送段階260で、送信機は、送信機の状態変化などによってパワー伝送契約を再構成する必要がある場合、再交渉段階270に遷移することができる。このとき、再交渉が正常に完了すれば、送信機は電力伝送段階260に回帰することができる。
【0186】
前述したパワー伝送契約は送信機と受信機の状態及び特性情報に基づいて設定されることができる。一例として、送信機状態情報は最大伝送可能なパワー量についての情報、最大収容可能な受信機の個数についての情報などを含むことができ、受信機状態情報は要求電力についての情報などを含むことができる。
【0187】
図3は無線電力送信機と連動する無線電力受信機の構造を説明するためのブロック図である。
【0188】
図3を参照すると、無線電力受信機300は、受信コイル310、整流器320、直流/直流変換器(DC/DC Converter)330、負荷340、センシング部350、通信部360及び主制御部370を含んでなることができる。ここで、通信部360は、復調部361及び変調部362の少なくとも一つを含んでなることができる。
【0189】
前述した図3の例に示した無線電力受信機300は帯域内通信を介して無線電力送信機600と情報を交換することができるものとして示されているが、これは一実施例に過ぎなく、本発明の他の実施例による通信部360は無線電力信号伝送に使われる周波数帯域とは違う周波数帯域を介して近距離両方向通信を提供することもできる。
【0190】
受信コイル310を介して受信されるAC電力は整流部320に伝達することができる。整流器320はAC電力をDC電力に変換して直流/直流変換器330に伝送することができる。直流/直流変換器330は、整流器出力DC電力の強度を負荷340によって要求される特定の強度に変換した後、負荷340に伝達することができる。
【0191】
センシング部350は、整流器320出力DC電力強度を測定し、これを主制御部370に提供することができる。また、センシング部350は、無線電力受信によって受信コイル310に印加される電流の強度を測定し、測定結果を主制御部370に伝送することもできる。また、センシング部350は、無線電力受信機300の内部温度を測定し、測定された温度値を主制御部370に提供することもできる。
【0192】
一例として、主制御部370は、測定された整流器出力DC電力強度を所定の基準値と比較して過電圧発生有無を判断することができる。判断結果、過電圧が発生した場合、過電圧が発生したことを知らせる所定のパケットを生成して変調部362に伝送することができる。ここで、変調部362によって変調された信号は受信コイル310又は別途のコイル(図示せず)を介して無線電力送信機600に伝送されることができる。また、主制御部370は、整流器出力DC電力強度が所定の基準値以上の場合、感知信号が受信されたと判断することができ、感知信号の受信時、該当感知信号に対応する信号強度指示子が変調部362を介して無線電力送信機600に伝送されることができるように制御することができる。他の例として、復調部361は受信コイル310と整流器320間のAC電力信号又は整流器320出力DC電力信号を復調して感知信号の受信可否を識別した後、識別結果を主制御部370に提供することができる。このとき、主制御部370は感知信号に対応する信号強度指示子が変調部362を介して伝送されることができるように制御することができる。
【0193】
図4は本発明の一実施例による、パケットフォーマットを説明するための図である。
【0194】
図4を参照すると、無線電力送信端10と無線電力受信端20間の情報交換に使われるパケットフォーマット400は、該当パケットの復調のための同期獲得及び該当パケットの正確な開始ビットを識別するためのプリアンブル(Preamble)410フィールド、該当パケットに含まれたメッセージの種類を識別するためのヘッダー(Header)420フィールド、該当パケットの内容(又はペイロード(Payload))を伝送するためのメッセージ(Message)430フィールド及び該当パケットでエラーが発生したかを確認するためのチェックサム(Checksum)440フィールドを含んでなることができる。
【0195】
パケット受信端は、ヘッダー420値に基づき、該当パケットに含まれたメッセージ430の大きさを識別することもできる。
【0196】
また、ヘッダー420は無線電力伝送過程の各段階別に定義されることができ、一部のヘッダー420値は無線電力伝送過程の相異なる段階で同じ値を有するように定義されることもできる。一例として、図10を参照すると、ピング段階の電力伝送終了(End Power Transfer)及び電力伝送段階の電力伝送終了に対応するヘッダー値は0x02であって同一であることに気を付けなければならない。
【0197】
メッセージ430は該当パケットの送信端から伝送しようとするデータを含む。一例として、メッセージ430フィールドに含まれるデータは相手に対する報告事項(report)、要請事項(request)又は応答事項(response)であり得るが、これに限定されない。
【0198】
本発明の他の実施例によるパケット400は、該当パケットを伝送した送信端を識別するための送信端識別情報、該当パケットを受信する受信端を識別するための受信端識別情報の少なくとも一つがもっと含まれることもできる。ここで、送信端識別情報及び受信端識別情報は、IP住所情報、MAC住所情報、製品識別情報などを含むことができるが、これに限定されなく、無線充電システム上で受信端及び送信端を区分することができる情報であれば充分である。
【0199】
本発明のさらに他の実施例によるパケット400は、該当パケットが複数の装置によって受信されなければならない場合、該当受信グループを識別するための所定のグループ識別情報をさらに含むこともできる。
【0200】
図5は本発明の一実施例による無線電力受信機において無線電力送信機に伝送されるパケットの種類を説明するための図である。
【0201】
図5を参照すると、無線電力受信機から無線電力送信機に伝送するパケットは、感知されたピング信号の強度情報を伝送するための信号強度(Signal Strength)パケット、送信機が電力伝送を中断するように要請するための電力伝送種類(End Power Transfer)、制御のための制御エラーパケットの受信後、実際に電力を調整するまで待機する時間情報を伝送するための電力制御保留(Power Control Hold-off)パケット、受信機の構成情報を伝送するための構成パケット、受信機識別情報を伝送するための識別パケット及び拡張識別パケット、一般要求メッセージを伝送するための一般要求パケット、特別要求メッセージを伝送するための特別要求パケット、FO検出のための基準品質因子値を伝送するためのFOD状態パケット、送信機の送出電力を制御するための制御エラーパケット、再交渉開始のための再交渉パケット、受信電力の強度情報を伝送するための24ビット受信電力パケット及び8ビット受信電力パケット、及び現在負荷の充電状態情報を伝送するための充電状態パケットを含むことができる。
【0202】
前述した無線電力受信機から無線電力送信機に伝送するパケットは無線電力伝送に使われる周波数帯域と同じ周波数帯域を用いた帯域内通信を用いて伝送されることができる。
【0203】
図6aは本発明の一実施例による異物質検出装置の構造を説明するためのブロック図である。
【0204】
図6aを参照すると、異物質検出装置600は、電源部601、直流/直流変換器(DC-DC Converter)610、インバーター(Inverter)620、共振回路630、測定部640、通信部660、センシング部670及び制御部680を含んでなることができる。本実施例による異物質検出装置600は無線電力送信装置に装着されることができる。
【0205】
共振回路630は共振キャパシター631及び共振インダクター632を含んでなり、通信部660は復調部661及び変調部662の少なくとも一つを含んでなることができる。
【0206】
電源部601は、外部電源端子を介してDC電力の印加を受けて直流/直流変換器610に伝達することができる。
【0207】
直流/直流変換器610は、制御部680の制御によって電源部601から入力される直流電力の強度を特定強度の直流電力に変換することができる。一例として、直流/直流変換器610は電圧強度の調節が可能な可変電圧器からなることができるが、これに限定されない。
【0208】
インバーター620は、変換された直流電力を交流電力に変換することができる。インバーター620は備えられた複数のスイッチ制御によって入力される直流電力信号を交流電力信号に変換して出力することができる。
【0209】
一例として、インバーター620はフルブリッジ(Full Bridge)回路を含んでなることができるが、これに限定されなく、ハーフブリッジ(Half Bridge)を含んでなることもできる。
【0210】
他の例として、インバーター620はハーフブリッジ回路及びフルブリッジ回路の両者を含んでなることもできる。この場合、制御部680は、インバーター620をハーフブリッジとして動作させるかフルブリッジとして動作させるかを動的に決定して制御することができる。
【0211】
本発明の一実施例による無線電力送信装置は、無線電力受信装置によって要求される電力の強度によって適応的にインバーター620のブリッジモードを制御することができる。ここで、ブリッジモードはハーフブリジッモード及びフルブリッジモードを含む。
【0212】
一例として、無線電力受信装置が5Wの低電力を要求する場合、制御部680はインバーター620がハーフブリッジモードで動作するように制御することができる。一方、無線電力受信装置が15Wの電力を要求する場合、制御部680はフルブリッジモードで動作するように制御することができる。
【0213】
他の例として、無線電力送信装置は、感知された温度によって適応的にブリッジモードを決定し、決定されたブリッジモードによってインバーター620を駆動させることもできる。一例として、ハーフブリッジモードで無線電力を伝送しているうち無線電力送信装置の温度が所定の基準値を超える場合、制御部680はハーフブリッジモードを非活性化させ、フルブリッジモードを活性化させるように制御することができる。すなわち、無線電力送信装置は、同じ強度の電力伝送のために、フルブリッジ回路を介して電圧は上昇させ、共振回路630に流れる電流の強度は減少させることにより、無線電力送信装置の内部温度が所定の基準値以下を維持するように制御することができる。
【0214】
一般に、電子機器に装着される電子部品で発生する熱の量は該当電子部品に印加される電圧の強度よりは電流の強度にもっと敏感であり得る。
【0215】
また、インバーター620は直流電力を交流電力に変換することができるだけではなく交流電力の強度を変更させることもできる。
【0216】
一例として、インバーター620は、制御部680の制御によって交流電力の生成に使われる基準交流信号(Reference Alternating Current Signal)の周波数を調節して、出力される交流電力の強度を調節することもできる。このために、インバーター620は特定の周波数を有する基準交流信号を生成する周波数発振器を含んでなることができるが、これは一実施例に過ぎなく、他の例では周波数発振器がインバーター620と別個に構成されて異物質検出装置600の一側に装着されることができる。
【0217】
他の例として、異物質検出装置600はインバーター620に備えられたスイッチを制御するためのゲートドライバー(Gate Driver、図示せず)をさらに含んでなることができる。この場合、ゲートドライバーは制御部680から少なくとも一つのパルス幅変調信号を受信することができ、受信されたパルス幅変調信号によってインバーター620のスイッチを制御することができる。制御部680はパルス幅変調信号のデューティーサイクル(Duty Cycle)、すなわちデューティーレート(Duty Rate)、及び位相(Phase)を制御してインバーター620の出力電力の強度を制御することができる。制御部680は、無線電力受信装置から受信されるフィードバック信号に基づいて適応的にパルス幅変調信号のデューティーサイクル及び位相を制御することができる。
【0218】
測定部640は、制御部680の制御信号によって共振キャパシター631の両端の電圧、電流、インピーダンスの少なくとも一つを測定して共振回路630に対する品質因子値及び/又はインダクタンス値を算出することができる。このとき、算出された品質因子値及び/又はインダクタンス値は制御部680に伝達され、制御部680は所定の記録領域に測定部640から伝達された品質因子値及び/又はインダクタンス値を一時記憶することもできる。一例として、制御部680は、選択段階で充電領域上に物体が感知されれば、ピング段階に進入する前に測定部640が品質因子値及び/又はインダクタンス値を算出するように制御することができる。
【0219】
制御部680は、交渉段階で変調部662からFOD状態パケットが受信されれば、FOD状態パケットに含まれた情報に基づいて異物質の存在有無を判断するための臨界値(又は臨界範囲)を決定することができる。
【0220】
一実施例による異物質検出のための臨界値(FO_Threshold)は基準品質因子値(RQF_Value)、該当無線電力送信機に相応して予め設定された構成因子(Design_factor)、標準に定義された許容誤差(tolerence)及び加重値に基づいて決定されることができる。ここで、加重値は基準品質因子値によって線形的又は指数的に増加することができる。すなわち、制御部680は下記の数式1:
【0221】
FO_Threshold=(RQF_Value*Design_factor)+tolerance-加重値(数式1)
【0222】
によって異物質検出のための臨界値を決定することができる。
【0223】
一例として、加重値は基準品質因子値を媒介変数とする所定の一次関数によって算出されることができるが、これに限定されなく、2次以上の高次関数によって算出されることもできる。
【0224】
他の例として、加重値は無線電力受信機タイプ別に予め定義されて異物質検出装置600の所定記録領域、例えば非揮発性メモリに記録されて維持されることができる。ここで、無線電力受信機タイプ別加重値はマッピングテーブルの形態で維持されることができるが、これに限定されない。
【0225】
他の実施例による異物質検出のための臨界範囲は上限臨界値(FO_Theshold_Upper_Limit)と下限臨界値(FO_Theshold_Lower_Limit)によって識別され、基準品質因子値(RQF_Value)、該当無線電力送信機に相応して予め設定された構成因子(Design_factor)、標準に定義された許容誤差(tolerence)、上限加重値及び下限加重値に基づいて決定されることができる。ここで、上限加重値及び下限加重値は基準品質因子値によって線形的又は指数的に増加することができる。すなわち、制御部680は下記の数式2:
【0226】
FO_Threshold_Upper_Limit=(RQF_Value*Design_factor)+tolerance-上限加重値
【0227】
FO_Threshold_Lower_Limit=(RQF_Value*Design_factor)+tolerance-下限加重値(数式2)
【0228】
によって異物質検出のための臨界範囲を決定することができる。制御部680は、測定された品質因子値が上限臨界値と下限臨界値間の値の場合、異物質が存在すると判断することができる。
【0229】
本発明の他の実施例による異物質検出のための臨界値(FO_Threshold)は、下記の表1に示したように、基準品質因子(RQF)値の大きさによって差等的に比率が適用されて決定されることもできる。
【0230】
一例として、下記の表1を参照すると、基準品質因子(RQF)値が80を超えれば、差等比率(Diff Ratio)が40%として適用され、このときの異物質検出のための臨界値(FO_Threshold)はRQFx0.66+許容誤差(tolerance)によって計算されることができる。
【0231】
他の例として、下記の表1を参照すると、基準品質因子(RQF)値が50より大きくて60以下の場合、差等比率(Diff Ratio)が10%として適用され、このときの異物質検出のための臨界値(FO_Threshold)はRQFx0.69+許容誤差(tolerance)によって計算されることができる。
【0232】
【表1】
【0233】
無線電力送信機は、交渉段階でFOD状態パケットを介して基準品質因子値を受信し、受信された基準品質因子値によって適応的にFO_Thresholdを決定することができる。前記表1に示したRQF値が大きいほどRQF値とFO_Threshold間の差分値は該当RQF値に対応する差等比率によって増加する。一方、RQF値が小さくなるほどRQF値とFO_Threshold間の差分値は該当RQF値に対応する差等比率によって減少する。前記表1は一実施例に過ぎないだけで、RQF値による差等比率は当業者の設計及びデバイスの構成態様によって違うように決定されることもできることに気を付けなければならない。
【0234】
一般に、充電領域に異物質が配置されれば、送信機の共振回路で測定される品質因子値は異物質が配置される前に比べて下がる。実際に無線充電システムにおいて充電領域に異物質が配置される場合、基準品質因子値に対して測定された品質因子値が減少する比率は充電領域に配置された受信機のタイプ、すなわち該当無線電力受信機の基準品質因子値によって違える。
【0235】
特に、基準品質因子値が大きいほど異物質配置による品質因子値の減少比率は急激に高くなる特徴がある。よって、本発明による制御部680は、基準品質因子値が大きい無線電力受信機である場合、基準品質因子値に対する異物質を検出するための臨界値の比率が低くなるように臨界値(又は臨界範囲)を決定することができる。これにより、送信機が異物質検出に失敗する確率が低くなることができる。
【0236】
制御部680は、物体感知後に測定された品質因子値とFO検出のために決定された臨界値を比較して充電領域にFOが存在するかを判断することができ、FO検出結果によって電力伝送を制御することができる。
【0237】
一例として、FOが検出された場合、制御部680は電力伝送を中断することができ、FOが検出されたことを指示する所定の警告アラームを出力するように制御することができる。ここで、警告アラームは異物質検出装置600に備えられたビーパー、LEDランプ、振動素子及び液晶ディスプレイの少なくとも一つを介して出力されることができるが、これに限定されない。
【0238】
一例として、制御部680は、選択段階で物体感知後にピング段階に進入する前に測定された品質因子値が決定された臨界値より小さい場合、充電領域に異物質が存在すると判断することができる。
【0239】
他の例として、制御部680は、選択段階で物体感知後にピング段階に進入する前に測定された品質因子値が決定された臨界範囲に含まれる場合、充電領域に異物質が存在すると判断することもできる。
【0240】
FOD状態パケットに含まれる基準品質因子値は標準性能テストのために指定された無線電力送信機の充電ベッドの特定位置で該当無線電力受信機に対応して算出された品質因子値のうち最小値が決定されることができる。
【0241】
また、制御部680は、交渉段階で異物質が感知されれば、選択段階に回帰し、所定の周期で共振回路630の品質因子値を算出するように測定部640を制御することができる。
【0242】
このとき、制御部680は異物質が感知された状態で獲得された品質因子値を既に決定された臨界値(又は臨界範囲)と比較して、既に感知された異物質が充電領域から除去されたかを判断することができる。
【0243】
一例として、制御部680は、異物質が感知された状態で測定された品質因子値が既に決定された臨界値より大きければ、異物質が除去されたと判断することができる。他の例として、制御部680は、異物質が感知された状態で測定された品質因子値が上限臨界値を超えれば、異物質が除去されたと判断することもできる。
【0244】
また、制御部680は、前述した表1(以下、説明の便宜のために‘臨界値決定テーブル’という)を参照して異物質検出のための臨界値を適応的に決定することもできる。
【0245】
前述した表1は異物質検出装置680に備えられたメモリ(図示せず)の所定記録領域に維持されることができ、制御部680は、交渉段階で基準品質因子値が含まれたFOD状態パケットが受信されれば、受信された基準品質因子値及び臨界値決定テーブルを参照して異物質検出のための臨界値を決定し、決定された臨界値を既に測定された品質因子値と比較して異物質の存在有無を判断することができる。
【0246】
ここで、臨界値決定テーブルは更新されることができる。一例として、異物質検出装置は有線又は無線ネットワークを介して特定のサーバーと連結されることができ、該当サーバーと連動して臨界値決定テーブルを更新することができる。他の例として、異物質検出装置は接続された無線電力受信機から臨界値決定テーブルを受信するとか更新することもできる。
【0247】
臨界値決定テーブルは無線電力受信機のタイプ別に生成されることができ、異物質検出装置は識別された無線電力受信機のタイプに対応する臨界値決定テーブルを参照して異物質検出のための臨界値を決定することもできる。
【0248】
一実施例による無線電力受信機には無線電力送信機タイプ別臨界値決定テーブルが維持されることもできる。この場合、無線電力受信機は識別された無線電力送信機のタイプに対応する臨界値決定テーブルを該当無線電力送信機に伝送することもできる。無線電力送信機は受信された臨界値決定テーブルに基づいて異物質検出のための臨界値を決定することもできる。
【0249】
以上で説明したように、本発明の一実施例による異物質検出装置は、無線電力受信機のタイプ又は(及び)無線電力送信機のタイプに対応する臨界値決定テーブルを参照して適応的に異物質検出のための臨界値を決定することができる。
【0250】
判断結果、異物質が除去された場合、制御部680は電力伝送段階に再び進入して該当無線電力受信装置への充電が再開するように制御することができる。
【0251】
また、臨界値はインダクタンス臨界値と品質因子臨界値を含むことができる。決定された値が臨界範囲の場合、臨界範囲はインダクタンス臨界範囲と品質因子臨界範囲を含むことができる。二つの臨界値を一緒に使用して異物質を検出することもでき、それぞれ受信機が伝送する基準値の種類によって該当種類に対応する臨界値を決定し、異物質を検出することができる。
【0252】
ここで、FOD状態パケットには該当無線電力受信機に相応する基準品質因子値又は(及び)基準インダクタンス値が含まれることができる。制御部680は受信された基準品質因子値及び基準インダクタンス値に基づいて異物質存在有無を判断するための品質因子臨界値及び/又はインダクタンス臨界値を決定することができる。一例として、基準品質因子値と基準インダクタンス値の90%に当たる値が品質因子臨界値及び/又はインダクタンス臨界値として決定されることができるが、これに限定されなく、比率は当業者の設計によって違うように定義されることができる。
【0253】
一例として、制御部680は既に記憶された(ピング段階前に測定された)品質因子値が決定された品質因子臨界値より小さいかあるいは既に記憶されたインダクタンス値が決定されたインダクタンス臨界値より小さい場合、異物質が存在すると判断することができる。
【0254】
制御部680は、異物質が存在すると判断された場合、電力伝送を中断し、異物質が感知されたことを指示する所定の警告アラームを出力するように制御することができる。一例として、お知らせ手段はビーパー、LEDランプ、振動素子、液晶ディスプレイなどを含むことができるが、これに限定されない。
【0255】
FOD状態パケットに含まれる基準品質因子値は指定された無線電力送信機の充電ベッドの特定位置で該当無線電力受信機に対応して算出された品質因子値のうち最小値が決定されることができる。
【0256】
FOD状態パケットに含まれるインダクタンス値は標準性能テストのために指定された無線電力送信機の充電ベッドの特定位置で該当無線電力受信機に対応して算出されたインダクタンス値のうち最小値が決定されることができる。
【0257】
また、制御部680は、交渉段階で異物質が感知されれば、選択段階に回帰し、所定の周期で共振回路630の品質因子値及びインダクタンス値を算出するように測定部640を制御することができる。このとき、制御部680は、異物質が感知された状態で獲得された品質因子値及びインダクタンス値をそれぞれ既に決定された品質因子臨界値及びインダクタンス臨界値と比較して、既に感知された異物質が充電領域から除去されたかを判断することができる。追加の実施例として、判断結果、異物質が除去された場合、制御部680は電力伝送段階に進入して該当無線電力受信装置への充電が再開するように制御することができる。このとき、識別及び設定段階及び/又は交渉段階を飛ばして電力伝送段階に進入することができる。
【0258】
復調部661は無線電力受信装置から受信される帯域内信号を復調して制御部680に伝達する。一例として、復調部661は前述した図10で説明したパケットを復調して制御部680に伝達することができる。
【0259】
センシング部670は異物質検出装置600(又は無線電力送信装置)の特定の端子、特定の素子、特定の位置などでの電圧、電流、電力、インピーダンス及び温度などを測定することができる。
【0260】
一例として、センシング部670はDC変換された電力の電圧/電流などを測定して制御部680に提供することができる。また、センシング部670は、過熱発生有無の判断のために無線電力送信装置の内部温度を測定し、測定結果を制御部680に提供することもできる。この場合、制御部680はセンシング部670によって測定された電圧/電流値に基づいて適応的に電源からの電源供給を遮断するとか、共振回路630に電力が供給されることを遮断することができる。このために、異物質検出装置600の一側には電源部601から供給される電源を遮断するとか、インバーター620に供給される直流電力を遮断するための所定の電力遮断回路をさらに備えることもできる。
【0261】
センシング部670は、ホールセンサー、圧力センサーなどをさらに含むことができる。この場合、充電領域に物体が存在するかはホールセンサー又は圧力センサーなどで感知することができるが、これに限定されない。
【0262】
センシング部670は、選択段階でアナログピング信号を伝送しているうちに共振回路630の電流、電圧、インピーダンスなどの変化を感知して、充電領域に物体が存在するかを感知することもできる。
【0263】
以上で説明したように、本発明による異物質検出装置600は、選択段階で物体が感知されれば、ピング段階への進入前に共振回路の品質因子値を測定(又は算出)し、交渉段階で決定された臨界値(又は臨界範囲)と測定された品質因子値を比較して異物質の存在有無を判断することにより、異物質検出に失敗する確率をめっきり低めることができる利点がある。
【0264】
センシング部は測定部に取り替えられて省略される構成であり得る。
【0265】
また、本発明による異物質検出装置600は、異物質検出のための臨界値(又は臨界範囲)を該当無線電力受信機に対応する基準品質因子値によって動的に決定することにより、該当無線電力受信機に最適化した異物質検出を遂行することができる。
【0266】
図6bに示した残りの構成要素の詳細動作についての説明は前述した図6aの説明に取り替える。
【0267】
図7aは本発明の一実施例による異物質検出状態パケット(Foreign Object Detection Status Packet)のメッセージ構造を説明するための図である。
【0268】
図7aを参照すると、FOD状態パケットメッセージ700は2バイトの長さを有することができ、6ビット長さの予約(Reserved)701フィールド、2ビット長さのモード(Mode)702フィールド及び1バイト長さの基準品質因子値(Reference Quality Factor Value)703フィールドを含んでなることができる。ここで、予約701フィールドの総ビットは0と記録される。
【0269】
図面符号704で示すように、モード702フィールドが二進数‘00’に設定されれば、基準品質因子値703フィールドに該当無線電力受信機の電源がOFFとなった状態で測定されて決定された基準品質因子値が記録されたことを意味することができる。
【0270】
図7bは本発明の一実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0271】
図7bを参照すると、FOD状態パケットメッセージ700は2バイトの長さを有することができ、6ビット長さの第1データ701フィールド、2ビット長さのモード(Mode)702フィールド及び1バイト長さの基準品質因子値(Reference Quality Factor Value)703フィールドを含んでなることができる。
【0272】
図面符号704で示すように、モード702フィールドが二進数‘00’に設定されれば、第1データ701フィールドの総ビットは0と記録され、基準品質因子値703フィールドに該当無線電力受信機の電源がOFFとなった状態で測定されて決定された基準品質因子値が記録される。一方、モード702フィールドが二進数‘01’に設定されれば、第1データ701フィールドには該当無線電力受信機の電源がOFFとなった状態で測定されて決定された基準インダクタンス値が記録され、基準品質因子値703フィールドに該当無線電力受信機の電源がOFFとなった状態で測定されて決定された基準品質因子値が記録される。
【0273】
本実施例において、異物質検出装置(又は無線電力送信装置)は交渉段階で該当無線電力受信機に対応する基準品質因子値、基準インダクタンス値の少なくとも一つを獲得することができる。
【0274】
図7cは本発明の他の実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0275】
図7cを参照すると、FOD状態パケットメッセージ700は2バイトの長さを有することができ、6ビット長さの予約(Reserved)701フィールド、2ビット長さのモード(Mode)702フィールド及び1バイト長さの基準値(Reference Value)703フィールドを含んでなることができる。ここで、予約701フィールドの総ビットは‘0’と記録される。
【0276】
図面符号704で示すように、モード702フィールドが二進数‘00’に設定されれば、基準値703フィールドには該当無線電力受信機の電源がOFFとなった状態で測定されて決定された基準品質因子値が記録される。一方、モード702フィールドが二進数‘01’に設定されれば、基準値703フィールドには該当無線電力受信機の電源がOFFとなった状態で測定されて決定された基準インダクタンス値が記録される。
【0277】
本実施例において、異物質検出装置(又は無線電力送信装置)は、交渉段階で該当無線電力受信機に対応する基準品質因子値、基準インダクタンス値の少なくとも一つを獲得することができる。
【0278】
図8aは本発明の一実施例による異物質検出装置での異物質検出のための状態遷移過程を説明するための図である。
【0279】
図8aを参照すると、異物質検出装置は、選択段階810で物体が感知されれば、共振回路の品質因子値を測定及び記憶した後、ピング段階820に進入することができる。ピング段階820で、異物質検出装置は、無線電力受信機を識別するための所定電力信号、例えばデジタルピングを周期的に伝送することができる。
【0280】
異物質検出装置は、ピング段階820でデジタルピングに対応する信号強度指示子が受信されれば、識別及び構成段階830に進入して無線電力受信機を識別し、識別された無線電力受信機のための各種の構成パラメーターを設定することができる。
【0281】
無線電力受信機に対する識別及び構成が完了すれば、異物質検出装置は交渉段階840に進入し、基準品質因子値が含まれたFOD状態パケットを受信することができる。
【0282】
異物質検出装置は、FOD状態パケットに含まれた基準品質因子値に基づいて異物質存在有無を判断するための臨界値(又は臨界範囲)を決定し、記憶された品質因子値と決定された臨界値(又は臨界範囲)を比較して、充電領域に異物質が存在するかを判断することができる。
【0283】
図6aで説明したように、基準品質因子値が低い無線電力受信機である場合、充電領域に異物質が配置されれば、該当基準品質因子値に対する品質因子値が、降下の大きさ及び比率が大きな無線電力受信機に比べて相対的に小さいとか低い特徴がある。よって、本発明の一実施例による異物質検出装置は、無線電力受信機から受信された基準品質因子値によって適応的に異物質検出のための臨界値(又は臨界範囲)を決定することができる。
【0284】
判断結果、異物質が存在すれば、異物質検出装置は電力伝送を中断し、選択段階810に回帰することができる。一方、判断結果、異物質が存在しなければ、異物質検出装置は電力伝送段階850に進入して該当無線電力受信機に対する無線充電を開始することができる。
【0285】
図8bは本発明の一実施例による異物質検出装置での異物質検出のための状態遷移過程を説明するための図である。
【0286】
図8bを参照すると、異物質検出装置は、選択段階810で物体が感知されれば、共振回路の品質因子値及びインダクタンス値を測定及び記憶した後、ピング段階820に進入することができる。ピング段階820で、異物質検出装置は無線電力受信機を識別するための所定の電力信号、例えばデジタルピングを周期的に伝送することができる。
【0287】
異物質検出装置は、ピング段階820で信号強度指示子が受信されれば、識別及び構成段階830に進入して無線電力受信機を識別し、識別された無線電力受信機のための各種の構成パラメーターを設定することができる。
【0288】
無線電力受信機に対する識別及び構成が完了すれば、異物質検出装置は交渉段階840に進入し、基準品質因子値又は(及び)基準インダクタンス値が含まれたFOD状態パケットを受信することができる。
【0289】
異物質検出装置は、FOD状態パケットに含まれた基準値(等)に基づいて異物質存在有無を判断するための臨界値(又は臨界範囲)を決定し、決定された臨界値(又は臨界範囲)に基づいて充電領域に異物質が存在するかを判断することができる。
【0290】
判断結果、異物質が存在すれば、異物質検出装置は電力伝送を中断し、選択段階810に回帰することができる。一方、判断結果、異物質が存在しなければ、異物質検出装置は電力伝送段階850に進入し、該当無線電力受信機に対する無線充電を開始することができる。異物質検出装置は、電力伝送段階850への進入前、前述した図2で説明したように、補正段階250を遂行することもできる。
【0291】
図9aは本発明の他の実施例による無線電力送信装置での異物質感知方法を説明するためのフローチャートである。
【0292】
図9aを参照すると、無線電力送信装置は、選択段階で充電領域上に物体が感知されれば、共振回路の品質因子値を測定して所定記録領域に記憶することができる(S901)。
【0293】
無線電力送信装置は、以前に異物質が感知された状態であるかを確認することができる(S902)。
【0294】
確認結果、異物質が感知された状態ではない場合、無線電力送信装置はピング段階に進入し、無線電力受信機を識別するためのデジタルピング信号を無線で送出することができる(S903)。
【0295】
無線電力送信装置は、デジタルピング信号に対応して信号強度指示子が受信されれば、識別及び構成段階に進入し、無線電力受信機に対する識別及び構成が完了すれば、交渉段階に遷移することができる(S904)。
【0296】
無線電力送信装置は、交渉段階で受信されるFOD状態パケットに含まれた基準品質因子値に基づいて異物質存在有無を判断するための臨界値(又は臨界範囲)を決定することができる(S905)。ここで、臨界値及び臨界範囲を決定する方法は上述した図11図13の説明に取り替える。無線電力送信装置は交渉段階で所定の強度の電力信号を無線で送出することができる。
【0297】
無線電力送信装置は記憶された品質因子値と決定された臨界値(又は臨界範囲)を比較して、充電領域上に異物質が存在するかを判断することができる(S906)。
【0298】
判断結果、異物質が存在する場合、無線電力送信装置は電力信号送出を中断し、異物質が検出されたことを指示する所定の警告アラームを出力するように制御することができる(S907~S908)。その後、無線電力送信装置は前述した901段階に回帰することができる。
【0299】
前述した906段階の判断結果、異物質が存在しない場合、無線電力送信装置は電力伝送段階に進入し、該当無線電力受信機に対する充電を開始することができる(S909)。
【0300】
前述した902段階の確認結果、異物質が既に感知された状態の場合、無線電力送信装置は、感知された異物質が充電領域から除去されたかを判断することができる(S910)。ここで、感知された異物質が充電領域から除去されたかに対する判断方法は上述した図6a~図8bの説明に取り替える。
【0301】
判断結果、感知された異物質が除去された場合、無線電力送信装置は電力伝送段階に進入し、該当無線電力受信機への充電を再開することができる。
【0302】
前述した910段階の判断結果、感知された異物質が除去されなかった場合、無線電力送信装置は前述した901段階を遂行することができる。
【0303】
図9bは本発明の他の実施例による無線電力送信装置での異物質感知方法を説明するためのフローチャートである。
【0304】
図9bを参照すると、無線電力送信装置は、選択段階で充電領域上に物体が感知されれば、共振回路の品質因子値及び/又はインダクタンス値を測定して所定の記録領域に記憶することができる(S901)。
【0305】
無線電力送信装置は異物質が感知された状態であるかを確認することができる(S902)。
【0306】
確認結果、異物質が感知された状態ではない場合、無線電力送信装置はピング段階に進入し、無線電力受信機を識別するためのデジタルピング信号を無線で送出することができる(S903)。
【0307】
無線電力送信装置は、デジタルピング信号に対応して信号強度指示子が受信されれば、識別及び構成段階に進入し、無線電力受信機に対する識別及び構成が完了すれば、交渉段階に遷移することができる(S904)。
【0308】
無線電力送信装置は、交渉段階で受信されるFOD状態パケットに基づいて異物質存在有無を判断するための臨界値(又は臨界範囲)を決定することができる(S905)。ここで、臨界値はインダクタンス臨界値と品質因子臨界値を含むことができる。決定された値が臨界範囲内の場合、臨界範囲はインダクタンス臨界範囲と品質因子臨界範囲を含むことができる。無線電力送信装置は交渉段階で所定強度の電力信号を無線で送出することができる。
【0309】
無線電力送信装置は、記憶された測定値と決定された臨界値(又は臨界範囲)を比較して、充電領域上に異物質が存在するかを判断することができる(S906)。
【0310】
判断結果、異物質が存在する場合、無線電力送信装置は電力信号送出を中断し、異物質が検出されたことを指示する所定の警告アラームを出力するように制御することができる(オプション)(S907~S908)。その後、無線電力送信装置は前述した901段階に回帰することができる。
【0311】
前述した906段階の判断結果、異物質が存在しない場合、無線電力送信装置は電力伝送段階に進入し、該当無線電力受信機に対する充電を開始することができる(S909)。
【0312】
前述した902段階の確認結果、異物質が既に感知された状態の場合、無線電力送信装置は感知された異物質が充電領域から除去されたかを判断することができる(S910)。ここで、感知された異物質が充電領域から除去されたか否かは前記901段階で測定された共振回路の品質因子値及びインダクタンス値と前記905段階で決定された臨界値(又は臨界範囲)を比較して判断することができるが、これに限定されない。
【0313】
判断結果、感知された異物質が除去された場合、無線電力送信装置は電力伝送段階に進入し、該当無線電力受信機への充電を再開することができる。
【0314】
前述した910段階の判断結果、感知された異物質が除去されなかった場合、無線電力送信装置は前述した901段階を遂行することができる。
【0315】
以上で説明したように、本発明による無線電力送信装置は、選択段階で物体が感知されれば、ピング段階への進入前に共振回路の品質因子値及びインダクタンス値を測定(又は算出)し、交渉段階で受信されたFOD状態パケットに基づいて決定された臨界値と測定値を比較して異物質の存在有無を判断することにより、異物質検出に失敗する確率をめっきり低めることができる利点がある。
【0316】
図10は本発明の一実施例による充電領域に異物質が配置されたときの受信機タイプ別基準品質因子値に比べて品質認知値が下がる程度を示す実験結果グラフである。
【0317】
図10に示す実験結果は充電領域に10セント銅銭が配置されたときの実験結果である。
【0318】
図10の図面符号1010及び1030を参照すると、充電領域に10セント銅銭を配置した後、基準品質因子値に比べて品質因子値が下がる絶対的な量(diff1)は基準品質因子値が増加するに従って増加することを示す。このとき、異物質が配置されていないときに測定された品質因子(NO_FO)値、すなわち基準品質因子(RFQ)値とdiff1の関係は図面符号1011の数式で近似化させることができる。前述した図面符号1011は2次方程式で近似化されたが、これは一実施例に過ぎなく、1次方程式、他の高次方程式、指数方程式などで近似化されることもできることに気を付けなければならない。
【0319】
図10の図面符号1020及び1030を参照すると、充電領域に10セント銅銭を配置した後、基準品質因子値に比べて品質因子値が下がる比率(%diff1)は基準品質因子値が増加するに従って増加することを示す。このとき、異物質が配置されていないとき測定された品質因子(NO_FO)値、すなわち基準品質因子(RFQ)値と%diff1の関係は図面符号1021の数式で近似化させることができる。前述した図面符号1021は2次方程式で近似化されたが、これは一実施例に過ぎなく、1次方程式、他の高次方程式、指数方程式などで近似化されることもできることに気を付けなければならない。
【0320】
図11は本発明の他の実施例による充電領域に異物質が配置されたときの受信機タイプ別基準品質因子値に比べて品質認知値が下がる程度を示す実験結果グラフである。
【0321】
図11に示す実験結果は充電領域に25セント銅銭が配置されたときの実験結果である。
【0322】
図11の図面符号1110及び1130を参照すると、充電領域に25セント銅銭を配置した後、基準品質因子値に比べて品質因子値が下がる絶対的な量(diff2)は基準品質因子値が増加するに従って増加することを示す。このとき、異物質が配置されていないとき測定された品質因子(NO_FO)値、すなわち基準品質因子(RFQ)値とdiff2の関係は図面符号1111の数式で近似化させることができる。前述した図面符号1111は2次方程式で近似化されたが、これは一実施例に過ぎなく、1次方程式、他の高次方程式、指数方程式などで近似化されることもできることに気を付けなければならない。
【0323】
図11の図面符号1120及び1130を参照すると、充電領域に25セント銅銭を配置した後、基準品質因子値に比べて品質因子値が下がる比率(%diff2)は基準品質因子値が増加するに従って増加することを示す。このとき、異物質が配置されていないとき測定された品質因子(NO_FO)値、すなわち基準品質因子(RFQ)値とdiff2の関係は図面符号1121の数式で近似化させることができる。前述した図面符号1121は2次方程式で近似化されたが、これは一実施例に過ぎなく、1次方程式、他の高次方程式、指数方程式などで近似化されることもできることに気を付けなければならない。
【0324】
以上で説明したように、本発明による無線電力送信装置は、選択段階で物体が感知されれば、ピング段階への進入前に共振回路の品質因子値を測定(又は算出)し、交渉段階で受信されたFOD状態パケットに基づいて決定された臨界値と測定された品質因子値を比較して異物質の存在有無を判断することにより、異物質検出に失敗する確率をめっきり低めることができる利点がある。
【0325】
図12は共振回路に対する受信機タイプ別異物質存在有無による品質因子値及びインダクタンス値の測定結果を示す。
【0326】
図面符号1210は、充電領域に何も配置されていない状態1211、異物質のみが配置された状態1212及び受信機のみが配置された状態1213で測定された共振回路のインダクタンス値(Ls)、抵抗値(Rs)及び品質因子値(Q)を示す。
【0327】
図面符号1220は、充電領域に異物質と受信機が共に配置された状態で受信機タイプ別に測定された共振回路のインダクタンス値(Ls)、抵抗値(Rs)及び品質因子値(Q)を示す。
【0328】
図面符号1211を参照すると、無線電力送信装置の充電ベッドに何も配置されていない状態(Empty Pad)で測定された共振回路のインダクタンス値は25.20μHであり、品質因子値は133.8である。
【0329】
図面符号1210を参照すると、充電領域に何も配置されていない状態で異物質、例えばFO#4及び10セント銅銭を含む異物質が配置される場合、インダクタンス値は減少する。一方、充電領域に何も配置されていない状態で無線電力受信が可能な受信機、例えば無線充電モジュールが装着されたスマートフォンなどを含む受信機が配置される場合、インダクタンス値が増加する。
【0330】
また、図面符号1210を参照すると、充電領域に何も配置されていない状態で異物質又は受信機が配置される場合、品質因子値は全て減少する。特に、受信機2及び受信機4の場合、FO#4より品質因子値がもっと下がることを示す。
【0331】
図面符号1220を参照すると、充電領域に受信機が配置された状態で標準異物質であるFO#4と10セント銅銭がそれぞれさらに配置される場合、図面符号1221及び1222で示したように、インダクタンス値と品質因子値が共に低くなる。しかし、インダクタンス値と品質因子値が低くなる比率は受信機のタイプによって違う。一例として、図面符号1213、1221及び1222を参照すると、受信機1の場合、異物質がさらに配置される場合、インダクタンス値の変化より品質因子値の変化が大きいことを示す。よって、受信機1の場合、異物質の存在有無を判断するために、インダクタンス値より品質因子値の変化を感知することが有利であり得る。一方、受信機4の場合、異物質がさらに配置される場合、品質因子値の変化よりインダクタンス値の変化が大きいことを示す。よって、受信機4の場合、異物質の存在有無を判断するために、品質因子値よりインダクタンス値の変化を感知することが有利であり得る。
【0332】
充電領域に配置された受信機がどのタイプの受信機であるかを識別することは識別及び構成段階で可能である。よって、選択段階で物体を感知した後、ピング段階に進入する前に無線電力送信装置は受信機のタイプを識別することができない。
【0333】
したがって、本発明の一実施例による無線電力送信装置は、選択段階で物体が感知されれば、ピング段階に進入する前に共振回路のインダクタンス値と品質因子値を全て測定して記憶することができる。
【0334】
その後、無線電力送信装置は、交渉段階で受信されたFOD状態パケットに基づいて異物質感知のためのインダクタンス臨界値及び品質因子臨界値を決定することができる。無線電力送信装置は、決定された臨界値を既に記憶されたインダクタンス値及び品質因子値と比較して異物質の存在有無を判断することができる。
【0335】
一例として、無線電力送信装置は、記憶されたインダクタンス値と決定されたインダクタンス臨界値を比較して異物質が存在すると判断されるとか、記憶された品質因子値を決定された品質因子臨界値と比較して異物質が存在すると判断される場合、最終に充電領域に異物質が配置されていると判断することができる。
【0336】
前述した実施例では、無線電力送信装置がFOD状態パケットに基づいて異物質感知のための臨界値を決定するものとして説明しているが、これは一実施例に過ぎなく、臨界範囲を決定することもできる。この場合、無線電力送信装置は、記憶されたインダクタンス値又は(及び)品質因子値が決定された臨界範囲を外れる場合、異物質が存在すると判断することもできる。
【0337】
本発明の他の実施例による無線電力送信装置での異物質検出方法は、無線電力受信機から電力補正のための受信パワー強度パケットを受信する段階をさらに含むことができる。このとき、受信パワー強度パケットは、ライトロードに対応する無線電力受信機の受信電力又はロード連結状態に対応する無線電力受信機の受信電力を含むことができる。
【0338】
図13aは本発明のさらに他の実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0339】
図13aを参照すると、FOD状態パケットメッセージ1340は1バイトの長さを有することができ、6ビット長さの最大品質因子値のための動作周波数(Operating Frequency for Maximum Quality Factor Value)1340フィールド及び2ビット長さのモード(Mode)1342フィールドを含んでなることができる。
【0340】
本発明の一実施例による無線電力送信機は、最大品質因子値を有する動作周波数で測定された品質因子値より高い品質因子値が測定される上位帯域の動作周波数が存在すれば、充電領域に異物質が存在すると判断することができる。ここで、上位帯域の動作周波数は動作周波数帯域内の最大品質因子値を有する動作周波数より大きい任意の周波数を意味する。
【0341】
本発明のさらに他の実施例による無線電力送信機は、最大品質因子値を有する動作周波数より上位帯域の品質因子ピーク動作周波数(ピング段階前に測定された品質因子値のうち、最大品質因子値が測定される動作周波数)が存在すれば、充電領域に異物質が存在すると判断することができる。
【0342】
一例として、最大品質因子値のための動作周波数1341は図2識別及び構成段階230で確認された無線電力送信機のタイプに相応する最大品質因子値のための動作周波数であり得る。一例として、このために無線電力受信機には接続可能な無線電力送信機タイプ別最大品質因子値のための動作周波数情報が所定の記録領域に維持されることができる。最大品質因子値のための動作周波数は、無線電力送信機の電力等級、デザイン形態、製造社、適用された標準などによって違える。
【0343】
したがって、該当無線電力受信機に関連してどの動作周波数又はどの動作周波数範囲で最大品質因子値を有するかが確認されれば、該当無線電力送信機が異物質の存在有無を探索するために品質因子値を測定しなければならない周波数範囲が最小化することができる。すなわち、無線電力送信機は最大品質因子値のための動作周波数より低い周波数帯域に対する品質因子値測定を遂行しなくても良い。
【0344】
他の例として、最大品質因子値のための動作周波数1341はWPC標準に定義された特定のコイルタイプ、例えばMP-A1タイプであり得るがこれに限定されないコイルタイプの送信コイルが装着された無線電力送信機に相応する最大品質因子値のための動作周波数でもあり得る。これは、MP-A1タイプを基準に、他のタイプの無線電力送信機がデザイン的差と製品特性を考慮して、受信された最大品質因子値の大きさを調整(scaling)して異物質存在有無の判断に使うことができる。
【0345】
本発明の一実施例による無線電力送信機は、図2のピング段階220(又はピング段階前)で動作周波数帯域のうち特定の上限周波数に対する品質因子値a1を測定して記憶することができる。もしくは、既に設定された周波数範囲(動作周波数範囲内)で測定した品質因子のうち最大品質因子と前記最大品質因子が測定される周波数を記憶することができる。その後、無線電力送信機は、交渉段階240でFOD状態パケット1340を介して受信された最大品質因子値のための動作周波数1341で品質因子値a2を測定し、a1がa2より大きければ、充電領域に異物質が存在すると判断することもできる。もしくは、無線電力送信機は、交渉段階240でFOD状態パケット1340を介して受信された最大品質因子値のための動作周波数とピング段階220(又はピング段階前)で測定された最大品質因子と測定される周波数を比較して異物質存在有無を判断することができる。
【0346】
ピング段階220で測定された最大品質因子が測定される周波数が受信された最大品質因子動作周波数より大きければ、異物質が存在すると判断することができる。この原理については以下で詳細に説明する。
【0347】
本実施例では、無線電力送信機がピング段階220(又はピング段階前)で動作周波数帯域のうち上限周波数に対する品質因子値のみ測定することもできるが、これは一実施例に過ぎなく、他の実施例は下限周波数及び上限周波数に対する品質因子値を全て測定することもできる。さらに他の実施例は、下限周波数から上限周波数までスイーピングして各周波数別品質因子値を測定することができる。
【0348】
さらに他の実施例は、特定周波数領域内でスイーピングして各周波数別品質因子値を測定することができる。
【0349】
無線電力送信機がピング段階220で動作周波数帯域のうち下限周波数に対する品質因子値を測定するように定義されている。本実施例では、無線電力送信機がピング段階220で動作周波数帯域のうち上限周波数に対する品質因子値のみ測定することもできるが、これは一実施例に過ぎなく、他の実施例は下限周波数及び上限周波数に対する品質因子値を全て測定することもできる。
【0350】
一実施例による最大品質因子値のための動作周波数1341フィールドには動作周波数内下限周波数、すなわち最低周波数からの周波数オフセット値が記録されることができる。ここで、オフセット単位は実際に10KHzを意味することができるが、これに限定されなく、それより小さいか大きいこともある。一例として、該当無線電力送信機の動作周波数帯域が下限周波数100KHzと上限周波数300KHzの間であり、オフセット単位が10KHzであり、最大品質因子値のための動作周波数1341フィールドに記録された値が二進数000011であれば、実際に最大品質因子値のための周波数は130KHz(100KHz+3*10KHz)であり得る。
【0351】
さらに他の実施例で、無線電力送信機は、ピング段階前、全体動作周波数帯域又は全体動作周波数帯域のうち特定の周波数帯域をスイーピングして品質因子値を測定することができる。
【0352】
さらに他の実施例で、図13aの最大品質因子値のための動作周波数が挿入されるフィールド1341の代わりに基準品質因子値より既に設定された値(又は比率)だけ品質因子値が低くなる動作周波数値がフィールド1341に挿入されることもできる。
【0353】
無線電力送信機は、ピング段階220(又はピング段階前)で基準動作周波数(例えば、品質因子値を測定するための動作周波数は100kHzである)で測定された品質因子値B1と前記受信された動作周波数より大きい動作周波数で測定された品質因子値B2を比較して異物質存在有無を判断することができる。
【0354】
このとき、B1よりB2が大きければ、異物質が存在すると判断することができる。
【0355】
図13bは本発明のさらに他の実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0356】
図13bを参照すると、FOD状態パケットメッセージ1350は2バイトの長さを有することができ、6ビット長さの最大品質因子値のための動作周波数(Operating Frequency for Maximum Quality Factor Value)1351フィールド、2ビット長さのモード(Mode)1352フィールド及び1バイト長さの基準品質因子値(Reference Quality Factor Value)1353を含んでなることができる。
【0357】
無線電力送信機は、モード1352値によって受信されたFOD状態パケットに最大品質因子値のための動作周波数1351が含まれたかを確認することもできるが、これに限定されなく、モード1352値にかかわらず、FOD状態パケットにはいつも最大品質因子値のための動作周波数1351が含まれることもできる。
【0358】
無線電力送信機は、図7aのFOD状態パケットを受信すれば、基準品質因子値とピング段階220(又はピング段階前)で測定された品質因子値を比較して異物質の存在有無を判断することもでき(方法1)、あるいは最大品質因子値のための動作周波数とピング段階220(又はピング段階前)で測定された最大品質因子値に対応する最大動作周波数を比較して異物質の存在有無を判断することもできる(方法2、図13aの実施例)。
【0359】
もしくは、複合的な方法で異物質の存在有無を判断することもできる。
【0360】
一実施例で、無線電力送信機は方法1で異物質存在有無を判断することができる。このときに受信された基準品質因子値に基づいて二つの臨界値(臨界値1:Q_Threshold1及び臨界値2:Q_Threshold2)を決定することができる。臨界値1は臨界値2より高い値を有する。
【0361】
ピング段階220前に測定された品質因子値が臨界値2より小さければ、無線電力送信機は異物質が存在すると判断することができる。
【0362】
ピング段階220前に測定された品質因子値が臨界値1より小さくて臨界値2と同じかそれより大きければ、無線電力送信機は方法2で異物質の存在有無を判断することができる。
【0363】
図13cは本発明のさらに他の実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0364】
図13cを参照すると、FOD状態パケットメッセージ1360は2バイトの長さを有することができ、6ビット長さの無線電力送信機タイプ(Tx Type)1361、2ビット長さのモード(Mode)1362フィールド及び1バイト長さの最大品質因子値のための動作周波数(Operating Frequency for Maximum Quality Factor Value)1363フィールドを含んでなることができる。
【0365】
無線電力送信機はモード1362値によって受信されたFOD状態パケットに無線電力送信機タイプ1361情報及び最大品質因子値のための動作周波数1363情報が含まれたかを確認することができるが、これに限定されなく、モード1362値にかかわらず、FOD状態パケットにはいつも無線電力送信機タイプ1361情報と最大品質因子値のための動作周波数1363情報が含まれることもできる。
【0366】
一例として、無線電力送信機タイプ1361はWPC(Qi)認証時に登録された無線電力送信機を固有に識別するための所定の送信機デザイン番号(Tx Design Number)を指示する値(所定の分類番号)であり得る。
【0367】
他の例として、無線電力送信機タイプ1361は共通したデザイン的特徴及び性能特性を有する無線電力送信機を分類するための所定の分類番号でもあり得る。
【0368】
本発明の一実施例による無線電力送信機は、最大品質因子値を有する動作周波数で測定された品質因子値より高い品質因子値が測定される上位帯域の動作周波数が存在すれば、充電領域に異物質が存在すると判断することができる。ここで、上位帯域の動作周波数は動作周波数帯域内の最大品質因子値を有する動作周波数より大きい任意の周波数を意味する。
【0369】
本発明のさらに他の実施例による無線電力送信機は、最大品質因子値を有する動作周波数より上位帯域の品質因子ピーク(peak)動作周波数(ピング段階前に測定された品質因子値のうち最大品質因子値が測定される動作周波数)が存在すれば、充電領域に異物質が存在すると判断することができる。
【0370】
以下、説明の便宜のために、異物質が存在しないときに測定された基準品質因子値をRQF_NO_FO、特定の異物質が存在するときに測定された品質因子値をQF_FOと名付けることにする。一例として、特定の異物質は直径が22mm、厚さが1mmのアルミニウムディスクであるForeign Object #4(以下、説明の便宜のために、FO4と混用する)であり得るが、これに限定されなく、一般的な常用の銅銭のうちいずれか一つを使うこともできる。
【0371】
無線電力送信機がピング段階を遂行する前、すなわち選択段階で現在の品質因子値を測定する。無線電力送信機は、交渉段階で無線電力受信機から受信された基準品質因子値(Reference Quality Factor Value)と、送信機別デザイン的差を考慮するための生産及び測定誤差値(production and measurement tolerance)と、基準品質因子正確度(Accuracy of Reference Quality Factor)とを考慮して異物質の存在有無を判断するための品質因子臨界値を決定する。
【0372】
基準品質因子値はテスト電力伝送器(TPT:Test Power Transmitter)、例えばMP1(MP-A1)タイプの送信機の充電領域のうち5個領域(中間位置と5mmだけ左右上下に移動した四つ位置)で測定された品質因子値のうち最小値を意味する。テスト電力送信機であるMP1と商用無線電力送信機のデザイン的差、例えば送信コイルのインダクタンス値などの差によって実際に充電領域で測定される品質因子値は送信機別に違える。これを補正する誤差を生産及び測定誤差と言う。
【0373】
一例として、基準品質因子降下値1321は該当無線電力受信機に対応する基準品質因子値から特定の異物質の存在時に測定された品質因子値を差し引いた値と決定されることができる。
【0374】
他の例として、基準品質因子降下値1321は異物質が存在しないときに測定された基準品質因子値に対する、異物質が存在するときに測定された品質因子値の降下の比率であり得る。この場合、基準品質因子降下値1321は百分率(%)で算出されるか又は百分率を特定の単位値(STEP_VALUE)で割ることで算出される整数値であり得るが、これに限定されない。一例として、基準品質因子降下値1321は次の数式1で算出されることができる。
【0375】
数式1:
【0376】
[(RQF_NO_FO-QF_FO)/RQF_NO_FO]*100又は
【0377】
[((RQF_NO_FO-QF_FO)/RQF_NO_FO)*100]/STEP_VALUE
【0378】
(ここで、*100は%で表記するためであり、実際値は*100が反映されなかった値であり得る)
【0379】
無線電力受信機は、製造社又は(及び)製品種類によって基準品質因子降下値が違える。
【0380】
したがって、本発明の一実施例による無線電力送信機は、基準品質因子降下値を感知された無線電力受信機から獲得し、基準品質因子降下値を考慮して異物質存在有無を判断するための品質因子臨界値を適応的に決定することができる。
【0381】
これにより、本発明は実際に異物質が充電領域に位置するにもかかわらず異物質が正常に検出されなくて発熱するとか電力伝送効率がめっきり落ちる問題を最小化することができる。
【0382】
図13dは本発明の一実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0383】
図13dを参照すると、FOD状態パケットメッセージ1300は2バイトの長さを有することができ、6ビット長さの予約(Reserved)1301、2ビット長さのモード(Mode)1302フィールド及び1バイト長さの基準品質因子値(Reference Quality Factor Value)1303を含んでなることができる。
【0384】
予約1301フィールドを構成する全てのビットは0に設定されることができる。
【0385】
図面符号1304を参照すると、モード1302フィールドが二進数‘00’であればFOがない状態での基準品質因子(RQF_NO_FO、第1基準品質因子)値が基準品質因子値1303フィールドに記録されたことを意味し、モード1302フィールドが二進数‘01’であればFOがある状態での基準品質因子(RQF_FO、第2基準品質因子)値が基準品質因子値1303フィールドに記録されたことを意味することができる。
【0386】
図13eは本発明の他の実施例によるFO状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0387】
図13eを参照すると、FO状態パケットメッセージ1310は3バイトの長さを有することができ、6ビット長さの予約(Reserved)1311、2ビット長さのモード(Mode)1312フィールド、基準品質因子値(Reference Quality Factor Value)1313及び異物質存在時の基準品質因子値(Reference Quality Factor Value With Foreign Object)1314を含んでなることができる。
【0388】
予約1301フィールドを構成する全てのビットは0に設定されることができる。
【0389】
モード1312フィールドを介して該当基準品質因子値1313が適用された電力受信機の動作モードが識別されることができる。図面符号1315を参照すると、モード1312値が二進数‘00’であれば、無線電力受信機の電源がOFF状態で測定された基準品質因子値であることを意味する。
【0390】
無線電力受信機は、製造社別又は(及び)製品種類別異物質が存在しないときに測定された基準品質因子値及び異物質存在するときに測定された基準品質因子値が違える。
【0391】
本発明の一実施例による無線電力送信機は、異物質が存在しないときに測定された基準品質因子値及び異物質存在するときに測定された基準品質因子値を考慮して異物質存在有無を判断するための品質因子臨界値を適応的に決定することができる。これは、受信機ごとに異物質の存在によって品質因子値の変化量が違えるからである。これにより、本発明は、実際に異物質が充電領域に位置するにもかかわらず異物質が正常に検出されなくて発熱するとか電力伝送効率がめっきり落ちる問題を最小化することができる。
【0392】
図13fは本発明のさらに他の実施例によるFO状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0393】
図13fを参照すると、FO状態パケットメッセージ1120は2バイトの長さを有することができ、6ビット長さの基準品質因子降下値(Drop Value of Reference Quality Factor)1321フィールド、2ビット長さのモード(Mode)1322フィールド、基準品質因子値(Reference Quality Factor Value)1323フィールドを含んでなる。
【0394】
ここで、基準品質因子降下値1321は異物質が存在しないときに測定された基準品質因子値1223と特定異物質の存在ときに測定された品質因子値(Quality Factor Value With Foreign Object)に基づいて決定される値であり得る。
【0395】
モード1322フィールドは図13dの予約1301フィールドに基準品質因子降下値1321が記録されていることを指示するために使われることができる。一例として、図面符号1324を参照すると、モード1322フィールドの値が二進数‘01’であれば予約フィールドに基準品質因子降下値1321が記録されていることを意味することができるが、これは一実施例に過ぎなく、モード1322フィールドの他の値、例えば二進数‘10’又は二進数‘11’が予約フィールドに基準品質因子降下値1321が記録されていることを指示するために使われることもできる。
【0396】
ただ、モード1322フィールド値が二進数‘00’ではない他の値が設定された場合、基準品質因子値1323は電力受信機の電力がOFF状態で測定された値であることを自動で内包することができる。
【0397】
説明の便宜上、具体的な実施例でモードによって異物質状態パケットのフォーマットを区分して説明したが、モードにかかわらず異物質状態パケットは図13d~図13gの実施例の形態であり得る。
【0398】
図13gは本発明のさらに他の実施例によるFO状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0399】
図13gを参照すると、FO状態パケットメッセージ1330は2バイトの長さを有することができ、6ビット長さの基準品質因子正確度(Accuracy of Reference Quality Factor)1331フィールド、2ビット長さのモード(Mode)1332フィールド、及び基準品質因子値(Reference Quality Factor Value)1333フィールドを含んでなることができる。
【0400】
ここで、基準品質因子正確度1331は異物質が存在しないときに測定された基準品質因子値1333に対する誤差の許容値であり得る。一例として、誤差の許容値が適用された基準品質因子値は無線電力受信装置から受信された基準品質因子値1333に比べて増加するか減少する比率で設定されることができるが、これに限定されない。
【0401】
基準品質因子正確度1331は該当無線電力受信機の製造社(又は)及び製品種類によって違う値を有することができる。一例として、A社の無線電力受信機とB社の無線電力受信機は同じ無線電力送信機と連動し、測定された基準品質因子値の正確度は互いに違える。よって、無線電力送信機は無線電力受信機別基準品質因子正確度についての情報を獲得する必要があり、基準品質因子正確度を考慮して異物質存在有無を判断するための品質因子臨界値を決定することができる。また、無線電力送信機は、以下で説明の便宜のために、異物質存在有無を判断するための品質因子臨界値を簡単にFO_QF_THRESHOLDと名付けることにする。
【0402】
一例として、同じ無線電力送信機に対するテスト結果、A社の無線電力受信機に対して測定された基準品質因子値は100、B社の無線電力受信機に対して測定された基準品質因子値は70であり得る。この場合、B社の無線電力受信機に対応する基準品質因子正確度、例えば+/-7%以内がA社の無線電力受信機に対応する基準品質因子正確度、例えば+/-10%以内より高く設定されることができる。すなわち、誤差に対する敏感度がA社よりB社の無線電力受信機に高く設定されることができる。
【0403】
このように、品質因子正確度は受信機が設置された完製品の構成によって差があり得る。たとえば、前記完製品に装着されるPCB、カメラモジュール、アンテナ及びその他の部品によって、異物質がない状態でも品質因子が他の完製品に比べて低く測定されることができる。これにより、異物質とともに充電領域に位置する前記完製品の場合、他の完製品に比べて品質因子値の差が小さいことがあり得、そのためもっと高い測定正確度が要求される。
【0404】
モード1332フィールドは図13dの予約1301フィールドに基準品質因子正確度1331が記録されていることを指示するために使われることができる。一例として、図面符号1334を参照すると、モード1332フィールドの値が二進数‘01’であれば予約フィールドに基準品質因子正確度1331が記録されていることを意味することができるが、これは一実施例に過ぎなく、モード1332フィールドの他の値、例えば二進数‘10’又は二進数‘11’が予約フィールドに基準品質因子正確度1331が記録されていることを指示するために使われることもできる。
【0405】
ただ、モード1332フィールド値が二進数‘00’ではない他の値が設定された場合、基準品質因子値1333は電力受信機の電力がOFF状態で測定された値であることを自動で内包することができる。
【0406】
図14は本発明の他の実施例によるFOD検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0407】
図14を参照すると、交渉段階で、無線電力受信機1410は第2基準品質因子値(Second Reference Quality Factor Value、RQF_FO)が含まれたFOD状態パケットを無線電力送信機1420に伝送することができる(S1401)。このとき、FOD状態パケットのモード(Mode)値は二進数“01”に設定されることができる。
【0408】
第2基準品質因子値は指定された特定無線電力送信機の充電領域上の複数の地点で測定された品質因子値のうち最小値を有する値が決定されて無線電力受信機に維持されることができる。
【0409】
一例として、第2基準品質因子値(RQF_FO)は充電領域に置かれた無線電力受信機の辺りにFOが存在する状態で送信コイル(Primary Coil)と受信コイル(Secondary Coil)がよく整列される中央位置で測定された第1品質因子値と無線電力受信機の辺りにFOが存在する状態で無線電力受信機の回転なしに中央から一定距離のオフセット(例えば、x軸及びy軸方向にそれぞれ+/-5mmであり得るが、これに限定されない)で移動しながら測定された第2品質因子値のうち最小値が決定されることができる。ここで、第2品質因子値は少なくとも四つの相異なる位置で測定された品質因子値を含むことができる。
【0410】
無線電力送信機1420は受信された第2基準品質因子値及び無線電力送信機1420に相応して予め記憶された構成因子(Design factor)に基づいてFO検出のための臨界値を決定することができる(S1403)。以下、説明の便宜のために、構成因子に基づいて補正された第2基準品質因子値を補正品質因子臨界値(Q_threshold_correct)と名付けることにする。
【0411】
第2基準品質因子値は指定された特定無線電力送信機(以下、テスト用無線電力送信機と名付ける)上で測定された品質因子値に基づいて決定されるので、特定の製造社によって商業用に製造された無線電力送信機(以下、説明の便宜のために、商業用無線電力送信機と名付ける)はテスト用無線電力送信機とは構成及び特性において違うことがある。よって、同じ条件で測定される品質因子値は商業用無線電力送信機とテスト用無線電力送信機で違うことがある。よって、図20の実施例でFO検出のための臨界値として使用された第2基準品質因子値は商業用無線電力送信機の構成及び特性、すなわち構成因子を考慮して補正される必要がある。
【0412】
一例として、構成因子は該当商業用無線電力送信機に対応する電力クラス(Power Class)、送信コイルの特性及び配置構造、送信機に搭載された電力制御アルゴリズム、電力伝達損失(Power Transfer Loss)、該当無線電力送信機の形状及び構造の少なくとも一つのパラメーターに基づいて決定される補正定数値であり得るが、これに限定されなく、テスト用無線電力送信機に対する品質因子値の測定誤差を補正することができる値であれば充分である。
【0413】
無線電力送信機1420は現在品質因子値(Q_current)を測定し、現在品質因子値(Q_current)が補正品質因子臨界値(Q_threshod_correct)より大きいか同一であるかを比較することができる(S1403~S1404)。
【0414】
参考として、現在品質因子値はデジタルピン(Digital Ping)段階前に測定されることもでき、交渉(再交渉)段階前に測定されることもでき、周期的に測定されることもできる。
【0415】
比較結果、現在品質因子値(Q_current)が補正品質因子臨界値(Q_threshod_correct)と同じかそれより大きければ、無線電力送信機1420はFOが検出されないと判断し、無線電力受信機1410にACK応答を伝送することができる(S1405)。このとき、無線電力送信機1420の状態は交渉段階から電力伝送段階に遷移することができる。
【0416】
前述した1404段階の比較結果、現在品質因子値(Q_current)が補正品質因子臨界値(Q_threshod_correct)より小さければ、無線電力送信機1420はFOが検出されたと判断し、無線電力受信機1410にNAK応答を伝送することができる(S1406)。このとき、無線電力送信機1420の状態は交渉段階から選択段階に遷移することができる。
【0417】
図15は本発明のさらに他の実施例によるFOD検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0418】
図15を参照すると、交渉段階で、無線電力受信機1510は基準品質因子値(Reference Quality Factor Value、Q_reference)が含まれた第1及び第2FOD状態パケットを無線電力送信機1520に伝送することができる(S1501~S1502)。
【0419】
ここで、第1FOD状態パケットは、モードが二進数‘00’であるときの第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)を含むことができる。第2FOD状態パケットは、モードが1であるときの第2基準品質因子値(RQF_FO)、すなわちFOが充電領域に存在する状態で測定された品質因子値に基づいて決定された基準品質因子値を含むことができる。
【0420】
ここで、第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)は第2基準品質因子値(RQF_FO)より大きい。
【0421】
第1及び第2基準品質因子値はそれぞれFOが受信機の辺りにない状態とFOが受信機の辺りに存在する状態で測定された品質因子値に基づいて決定されることができる。一例として、第1及び第2基準品質因子値は特定テスト用無線電力送信機の充電領域上の複数の地点で測定された品質因子値のうち最小値を有する値が決定されることができる。
【0422】
無線電力送信機1520は、受信された第1及び第2基準品質因子値に基づいてFO検出のための品質因子臨界比率(Quality Factor Threshold Rate、Q_threshold_rate)を決定することができる(S1503)。
【0423】
ここで、品質因子臨界比率(Q_threshold_rate)は、第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)と第2基準品質因子値(RQF_FO)の差分値を第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)で割ることで算出されることができる。一例として、第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)が80、第2基準品質因子値(RQF_FO)が50の場合、品質因子臨界比率(Q_threshold_rate)は(80-50)/80=0.6375と計算されることができる。
【0424】
無線電力送信機1520は、現在品質因子値(Q_current)を測定し、測定された現在品質因子値と第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)に基づいて品質因子減少比率(Q_decrease_rate)を計算することができる(S1404)。
【0425】
参考として、現在品質因子値はデジタルピン(Digital Ping)段階前に測定されることもでき、交渉(再交渉)段階直前に測定されることもでき、周期的に測定されることもできる。
【0426】
無線電力送信機1520は品質因子減少比率(Q_decrease_rate)が品質因子臨界比率(Q_threshold_rate)より小さいかを比較することができる(S1505)。
【0427】
比較結果、小さければ、無線電力送信機1520はFOが検出されないと判断し、無線電力受信機1510にACK応答を伝送することができる(S1506)。このとき、無線電力送信機1520の状態は交渉段階から電力伝送段階に遷移することができる。
【0428】
前述した1505段階の比較結果、品質因子減少比率(Q_decrease_rate)が品質因子臨界比率(Q_threshold_rate)と同じかそれより大きければ、無線電力送信機1520はFOが検出されたと判断し、無線電力受信機1510にNAK応答を伝送することができる(S1507)。このとき、無線電力送信機1520の状態は交渉段階から選択段階に遷移することができる。
【0429】
図15の実施例では品質因子減少比率(Q_decrease_rate)と品質因子臨界比率(Q_threshold_rate)を比較してFO検出を行うものとして説明しているが、これは一実施例に過ぎなく、本発明の他の実施例による無線電力送信機は、該当無線電力送信機に対応する構成因子に基づいて補正品質因子臨界比率(Q_threshold_rate_correct)を算出し、品質因子減少比率(Q_decrease_rate)と補正品質因子臨界比率(Q_threshold_rate_correct)を比較してFOが充電領域に存在するかを判断することもできる。
【0430】
さらに他の実施例で、品質因子臨界値は次のように決定されることができる。
【0431】
受信された基準品質因子値(Reference Quality Factor Value)に品質因子測定誤差範囲(ex±10%(0.61*基準品質因子値)、又はAccuracy of Quality Factor Value(図19g))と送信機特性(送信機タイプ(デザイン)、製造社、製品又は測定誤差など)を考慮して決定されることができる。
【0432】
図16は本発明の一実施例による品質因子テーブルを示す。
【0433】
図16に示した品質因子テーブル1600は無線電力送信機のメモリに維持されることができる。無線電力送信機は受信されたFO状態パケットに基づいて品質因子テーブル1600を更新することができる。一例として、品質因子テーブル1600は、受信機識別子1601フィールド、一番最近に測定された品質因子値(Latest Measured Quality Factor Value)1602フィールド、第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)1603フィールド、第2基準品質因子値(RQF_FO)1604フィールド及び補正品質因子臨界値(Q_threshold_correct)1605)フィールドの少なくとも一つを含んでなることができる。
【0434】
ここで、受信機識別子1601は、識別及び構成段階で獲得される製造社コード(manufacturer code)、基本デバイス識別子(Basic Device Identifier)及び拡張デバイス識別子(Extended Device Identifier)のいずれか一つ又は少なくとも一つを組み合わせて構成されることができる。一例として、受信機識別子は、製造社コードと基本デバイス識別子を連接して構成することができる。他の例として、受信機識別子は、製造社コード、基本デバイス識別子及び拡張デバイス識別子を連接して構成されることもできる。
【0435】
一番最近に測定された品質因子値1602フィールドには、該当受信機識別子1601に対応して一番最近に測定された品質因子値が記録されることができる。このとき、該当受信機識別子1601に対応する無線電力受信機に対する充電が正常に完了するとか交渉段階で電力伝送状態への定常的な状態遷移がなされた場合、無線電力送信機は該当交渉段階で測定された品質因子値を品質因子テーブル1600に記録することができる。
【0436】
また、無線電力送信機は、交渉段階でFOD状態パケットを受信すれば、FOD状態パケットに含まれた第2基準品質因子値(RQF_FO)又は(及び)第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)を品質因子テーブル1600に記録することもできる。
【0437】
また、無線電力送信機は、該当無線電力受信機との最初交渉段階でFO検出のために計算された補正品質因子臨界値(Q_threshold_correct)を品質因子テーブル1600に記録することもできる。
【0438】
無線電力送信機は、以後に品質因子テーブル1600に記録された受信機識別子に対応する無線電力受信機が検出されれば、品質因子テーブル1600を参照してFOを検出することができる。
【0439】
本発明の他の実施例による品質因子テーブル1600は、前記図13fで説明した基準品質因子降下値1321及び前記図13dで説明した基準品質因子正確度1331の少なくとも一つをさらに含んでなることができる。
【0440】
図17は本発明の一実施例によるFO検出装置の構成を説明するためのブロック図である。
【0441】
本発明の一実施例によるFO検出装置1700は無線電力送信機に装着されるとか搭載されることができる。
【0442】
図17を参照すると、FO検出装置1700は、通信部1710、決定部1720、測定部1730、検出部1740、制御部1750及び電力伝送部1760を含んでなることができる。
【0443】
通信部1710は、交渉段階で接続された無線電力受信機から基準品質因子値が含まれたFOD状態パケットを受信することができる。ここで、基準品質因子値は、FOが充電領域に存在しないときの基準品質因子値(RQF_NO_FO、第1基準品質因子値)及びFOが充電領域に存在するときの基準品質因子値(RQF_FO、第2基準品質因子値)の少なくとも一つを含むことができ、交渉段階で一つのFOD状態パケット又は複数のFOD状態パケットを介して受信されることができる。
【0444】
決定部1720は受信された基準品質因子値に基づいてFO検出時に使う臨界値を決定することができる。一例として、FO検出時に使われる臨界値が第2基準品質因子値(RQF_FO)と決定されることができるが、これは一実施例に過ぎなく、本発明の他の実施例によるFO検出時に使われる臨界値は該当無線電力送信機に相応する構成因子に基づいて補正された第2基準品質因子値と決定されることもできる。
【0445】
本発明のさらに他の実施例によるFO検出時に使われる臨界値は第1乃至第2基準品質因子値に基づいて算出された品質因子臨界比率(Quality Factor Threshold Rate、Q_threshold_rate)と決定されることもできる。
【0446】
第1実施例で、品質因子臨界比率(Q_threshold_rate)は第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)と第2基準品質因子値(RQF_FO)の差分値を第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)で割って算出されることができる。一例として、第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)が80、第2基準品質因子値(RQF_FO)が50の場合、品質因子臨界比率(Q_threshold_rate)は(80-50)/80=0.6375に計算されることができる。
【0447】
第2実施例で、品質因子臨界比率(Q_threshold_rate)は第2基準品質因子値(RQF_FO)を第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)で割った値と決定されることもできる。第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)が80、第2基準品質因子値(RQF_FO)が50の場合、品質因子臨界比率(Q_threshold_rate)は50/80=0.6625に計算されることができる。
【0448】
本発明のさらに他の実施例によるFO検出時に使われる臨界値は第1乃至第2基準品質因子値を該当無線電力送信機に相応して予め決定された構成因子を適用して計算された第1補正基準品質因子と第2補正基準品質因子に基づいて算出された補正品質因子臨界比率(Q_threshold_rate_correct)と決定されることもできる。
【0449】
測定部1730はFO検出時に前述した臨界値と比較される現在品質因子に関する値を測定するとか計算することができる。
【0450】
一例として、測定部1730は交渉段階で現在品質因子値(Q_current)を測定することができる。
【0451】
また、測定部1730は、測定された現在品質因子値(Q_current)と第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)に基づいて品質因子減少比率(Q_decrease_rate)を計算することができる。ここで、品質因子減少比率(Q_decrease_rate)は[RQF_NO_FO-Q_current]/[RQF_NO_FO]によって計算されることができる。
【0452】
また、測定部1730は、測定された現在品質因子値(Q_current)と第1基準品質因子値(RQF_NO_FO)に基づいて現在品質因子の比率(Q_current_rate)を計算することができる。ここで、現在品質因子の比率(Q_current_rate)は[Q_current]/[RQF_NO_FO]によって計算されることができる。
【0453】
検出部1740は、決定部1720によって決定された臨界値と測定部1730によって測定又は計算された値を比較して、FOが充電領域に存在するかを検出することができる。
【0454】
一例として、検出部1740は、前述した図20に示したように、現在品質因子値(Q_current)が第2基準品質因子値(RQF_FO)より小さい場合、充電領域にFOが存在すると判断することができる。
【0455】
他の例として、検出部1740は、前述した図14に示したように、現在品質因子値(Q_current)が補正品質因子臨界値(Q_threshold_correct)より小さい場合、充電領域にFOが存在すると判断することもできる。
【0456】
さらに他の例として、検出部1740は、前述した図15に示したように、品質因子減少比率(Q_decrease_rate)と品質因子臨界比率(Q_threshold_rate)を比較して、充電領域にFOが存在するかを判断することができる。
【0457】
さらに他の例として、検出部1740は、品質因子減少比率(Q_decrease_rate)と該当無線電力送信機に対応する構成因子に基づいて算出された補正品質因子臨界比率を比較して、充電領域にFOが存在するかを判断することができる。
【0458】
さらに他の例として、検出部1740は品質因子臨界値を次のように決定することができる。
【0459】
受信された基準品質因子値(Reference Quality Factor Value)に品質因子測定誤差範囲(ex±10%(0.61*referenceQ-FactorValue)、又は品質因子値正確度(Accuracy of Quality Factor Value(図11d))と送信機特性(送信機タイプ(デザイン)、製造社、製品又は測定誤差など)を考慮して決定されることができる。
【0460】
制御部1750はFO検出装置1700の全体的な動作及び入出力を制御することができる。一例として、制御部1750は、検出部1740によってFOが検出されなかった場合、該当無線電力送信機の状態を交渉段階から電力伝送段階に遷移し、電力伝送部1760が負荷充電に必要な電力を送出するように制御することができる。他の例として、制御部1750は、検出部1740によってFOが検出された場合、該当無線電力送信機の状態を交渉段階から選択段階に遷移して、電力伝送部1760の電力送出が遮断されるように制御することができる。
【0461】
本発明の他の実施例によるFO検出装置1700は、前記図16に示した品質因子テーブル1600を維持するためのメモリ(図示せず)をさらに含んでなることもできる。
【0462】
本発明のさらに他の実施例によるFO検出装置1700は、前記検出部1740によってFOが検出されなかった場合、電力伝送段階に遷移する前に該当無線電力受信機と自ら(無線電力送信機)間の電力損失を計算する補正部(図示せず)をさらに含むことができる。
【0463】
図18は本発明の一実施例によるFOD検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0464】
図18を参照すると、交渉段階で、無線電力受信機1810は、基準品質因子値(Reference Quality Factor Value)及び基準品質因子降下値(Drop Value of Reference Quality Factor)が含まれたFOD状態パケットを無線電力送信機1820に伝送することができる(S1801)。このとき、FOD状態パケットのモード(Mode)値は二進数“01”に設定されることができるが、これに限定されない。
【0465】
ここで、基準品質因子値は性能テストのために指定された特定無線電力送信機の充電領域上の複数の地点で測定された品質因子値のうち最小値を有する値と決定されて無線電力受信機に維持されることができる。
【0466】
無線電力送信機1820は、受信された基準品質因子値と基準品質因子降下値を用いて品質因子臨界値(Quality Factor Threshold Value、Q_threshold)を決定することができる(S1803)。
【0467】
一例として、無線電力送信機1820は基準品質因子値から基準品質因子降下値を差し引いた値を品質因子臨界値と決定することができるが、これに限定されない。他の例は、基準品質因子値と基準品質因子降下値が入力変数である所定の品質因子臨界値生成関数を用いて品質因子臨界値が決定されることもできる。
【0468】
無線電力送信機1820は、現在品質因子値(Q_current)を測定し、現在品質因子値(Q_current)が品質因子臨界値(Q_threshod)と同じかそれより大きいかを比較することができる(S1803~S1804)。
【0469】
参考として、現在品質因子値はデジタルピング(Digital Ping)段階以前に測定されこともでき、交渉(再交渉)段階直前に測定されることもでき、デジタルピング段階以後に周期的に測定されることもできる。
【0470】
比較結果、現在品質因子値(Q_current)が品質因子臨界値(Q_threshod)と同じかそれより大きければ、無線電力送信機1820はFOが検出されなかったと判断し、無線電力受信機1810にACK応答を伝送することができる(S1805)。このとき、無線電力送信機1820の状態は交渉段階から電力伝送段階に遷移することができる。
【0471】
前述した1804段階の比較結果、現在品質因子値(Q_current)が品質因子臨界値(Q_threshod)より小さければ、無線電力送信機1820はFOが検出されたと判断し、無線電力受信機1810にNAK応答を伝送することができる(S1806)。このとき、無線電力送信機1820の状態は交渉段階から選択段階に遷移することができる。
【0472】
図19は本発明の他の実施例によるFOD検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0473】
図19を参照すると、交渉段階で、無線電力受信機1910は、基準品質因子正確度(Accuracy of Reference Quality Factor)及び基準品質因子値(Reference Quality Factor Value)が含まれたFOD状態パケットを無線電力送信機1920に伝送することができる(S1901)。このとき、FOD状態パケットのモード(Mode)値は二進数“01”に設定されることができるが、これに限定されない。
【0474】
無線電力送信機1920は、受信された基準品質因子正確度と基準品質因子値を用いて品質因子臨界値(Quality Factor Threshold Value、Q_threshold)を決定することができる(S1903)。
【0475】
本発明の一実施例による無線電力送信機1920は、予め記憶された生産及び測定誤差(production and measurement tolerance)をもっと用いて品質因子臨界値を決定することもできる。
【0476】
一例として、無線電力送信機1920は、基準品質因子値から基準品質因子正確度と生産及び測定誤差を差し引いた値を品質因子臨界値と決定することができるが、これに限定されない。他の例は、基準品質因子正確度と基準品質因子値が入力変数である所定の品質因子臨界値生成関数を用いて品質因子臨界値が決定されることもできる。
【0477】
無線電力送信機1920は、現在品質因子値(Q_current)を測定し、現在品質因子値(Q_current)が品質因子臨界値(Q_threshod)と同じかそれより大きいかかを比較することができる(S1903~S1904)。
【0478】
本発明の一実施例による現在品質因子値はデジタルピング(Digital Ping)段階以前に測定されることもでき、交渉(再交渉)段階直前に測定されることもでき、デジタルピング段階以後に周期的に測定されることもできる。
【0479】
比較結果、現在品質因子値(Q_current)が品質因子臨界値(Q_threshod)と同じかそれより大きければ、無線電力送信機1920はFOが検出されなかったと判断し、無線電力受信機1910にACK応答を伝送することができる(S1905)。このとき、無線電力送信機1920の状態は交渉段階から電力伝送段階に遷移することができる。
【0480】
前述した1904段階の比較結果、現在品質因子値(Q_current)が品質因子臨界値(Q_threshod)より小さければ、無線電力送信機1920はFOが検出されたと判断し、無線電力受信機1910にNAK応答を伝送することができる(S1906)。このとき、無線電力送信機1920の状態は交渉段階から選択段階に遷移することができる。
【0481】
本発明のさらに他の実施例による無線電力送信機は、複数のFOD状態パケットを介して基準品質因子値、基準品質因子正確度及び基準品質因子降下値を全て獲得することもできる。このとき、無線電力送信機は、基準品質因子値、基準品質因子正確度、基準品質因子降下値、生産及び測定誤差の少なくとも一つを用いて品質因子臨界値を決定することもできる。
【0482】
一例として、無線電力送信機は、基準品質因子値、基準品質因子正確度、基準品質因子降下値を入力変数とする所定の品質因子臨界値生成関数の出力値を品質因子臨界値と決定することもできる。
【0483】
本発明のさらに他の実施例による無線電力送信機は、複数のFOD状態パケットを介して異物質が存在しない状態で測定された品質因子値、基準品質因子正確度及び基準品質因子降下値を無線電力受信機から獲得することもできる。
【0484】
一例として、無線電力送信機は、異物質が存在しない状態で測定された品質因子値から基準品質因子正確度及び基準品質因子降下値を差し引いた値で品質因子臨界値を決定することもできる。
【0485】
他の例として、無線電力送信機は、異物質が存在しない状態で測定された品質因子値、基準品質因子正確度、基準品質因子降下値を入力変数とする所定の品質因子臨界値生成関数の出力値を品質因子臨界値と決定することもできる。
【0486】
図20は本発明の一実施例による品質因子値に基づくFO検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0487】
図20を参照すると、無線電力送信機は、予め設定された動作周波数帯域内の第1周波数に対する第1品質因子値を測定することができる(S2001)。ここで、動作周波数帯域は100KHzと210KHz間の周波数帯域に予め設定されることができるが、これは一実施例に過ぎなく、該当無線電力送信機の設定及び構成態様、又は(及び)適用された標準規格によって違う動作周波数帯域が設定されることができることに気を付けなければならない。したがって、S2001段階が省略され、S2003段階に取り替えられて特定の周波数に対する品質因子値を測定することができる。
【0488】
無線電力送信機は、動作周波数帯域内の第1周波数より大きい第2周波数に対する第2品質因子値を測定することができる(S2003)。
【0489】
無線電力送信機は、第1品質因子値と第2品質因子値の大きさを比較することができる(S2005)。
【0490】
一実施例として、第1周波数は12~11gの最大品質因子値のための動作周波数(Operating frequency for peak Q Factor value)であり得る。このために、S2005段階は、交渉段階でFOD status packetを受信して第1周波数を確認し、確認された第1周波数に対応する第1品質因子値と第1周波数より大きい第2周波数に対応する第2品質因子値を比較することができる。
【0491】
さらに他の実施例で、第1周波数は100khzであり得る。無線電力送受信機間の予め約束された周波数を100kHzに決定しておき、基準品質因子値を測定、送受信するため、第1周波数は100kHzであり得る。
【0492】
比較結果、第1品質因子値が第2品質因子値より大きければ、無線電力送信機は、無線電力受信機が充電領域上に整列されて配置されたと判断することができる(S2007)。ここで、送信共振コイル(1次コイル)と受信共振コイル(2次コイル)間の結合係数が高い状態はよく整列された状態を意味することができる。
【0493】
前記2005段階の比較結果、第1品質因子値より第2品質因子値が大きければ、無線電力送信機は充電領域上に異物質が存在するとか整列されなかった無線電力受信機が配置されたと判断することができる(S2009)。
【0494】
他の実施例で、前記2005段階の比較結果、第1品質因子値より第2品質因子値が大きければ、充電領域に異物質が存在することのみを指示することもできる。
【0495】
異物質が存在する状態でミスアラインメント(整列されていない)状態より第2周波数に対応する品質因子値が第1周波数に対応する品質因子値よりもっと大きく現れることができる。小さな影響を与える異物質は整列されていないものと類似した品質因子値を有することができるが、比較的大きな影響を与える異物質が存在するときに測定される品質因子値は整列されなかった受信機が存在するときに測定された品質因子値と比較的大きな差を現すことができる。
【0496】
一実施例による無線電力送信機は、異物質又は整列されていない無線電力受信機が配置されたと判断されれば、現在電力伝送中の場合、電力伝送を中断させ、異物質又は整列されていない無線電力受信機が配置されたことを指示する所定のアラーム信号を出力することができる。
【0497】
無線電力送信機は、アラーム信号の出力後、一定時間待機してから選択段階に進入して受信機をまた探索することができる。充電領域に配置された異物質が使用者によって除去されるとか整列されていない無線電力受信機が使用者によって正常に再配置されるのにかかる時間を考慮して、前記選択段階への進入前に待機する時間が決定されることができる。
【0498】
本発明の他の実施例による無線電力送信機は、前記選択段階への進入前に前記第1周波数及び第2周波数に対する品質因子値を測定し、これを比較して充電領域に配置された異物質が除去されたかを確認することができる。異物質の除去が確認された場合、無線電力送信機は選択段階に進入することができる。
【0499】
本発明のさらに他の実施例による無線電力送信機は、前記選択段階への進入前に前記第1周波数及び第2周波数に対する品質因子値を測定し、これを比較して無線電力受信機が整列されたかを確認することができる。確認結果、無線電力受信機が整列された場合、無線電力送信機は選択段階に進入することもできる。
【0500】
一実施例による無線電力送信機は前述した2701段階~2709段階を前述した図2の選択段階210で遂行することができるが、これは一実施例に過ぎなく、交渉段階240以前のいずれか段階、例えば選択段階210、ピング段階220及び識別及び構成段階230のいずれか一つの段階で遂行することもできる。
【0501】
他の実施例による無線電力送信機は前述した2701段階~2709段階を前記図2の電力伝送段階260で遂行することもできる。この場合、無線電力送信機は動作周波数調節を用いた電力制御が行われるうちに周波数別に品質因子値を測定し、これを比較して充電領域に異物質が存在するかを判断することもできる。
【0502】
本発明のさらに他の実施例による無線電力送信機は、予め設定された動作周波数帯域内で最大品質因子値が測定される品質因子ピーク周波数を決定(又は獲得)することができる(S2001、S2003)。予め設定された動作周波数帯域(又は特定の周波数帯域)内の周波数をスイーピングして最大品質因子値が測定される動作周波数を捜すことができる。無線電力送信機は無線電力受信機から基準ピーク周波数を含むFOD Statusパケット受信し、基準ピーク周波数と獲得された品質因子ピーク動作周波数を比較して異物質存在有無を判断することができる。基準ピーク周波数と直接比較することができ、送信コイル又はデザイン、製品の誤差などを考慮して臨界周波数を決定し、獲得された品質因子ピーク動作周波数と臨界周波数を比較することもできる。
【0503】
図21図20の実施例に相応するFO検出装置の構造を説明するためのブロック図である。
【0504】
図21を参照すると、FO検出装置2100は、第1品質因子測定部2110、第2品質因子測定部2120、検出部2130、アラーム部2140及び制御部2150を含んでなることができる。さらに他の実施例で、第1品質因子測定部と第2品質因子測定部が一つのモジュール又は装置に統合して構成されることができる。この場合、同じ測定部が制御部2150の動作周波数調整によって第1品質因子値及び第2品質因子値を測定することができる。もしくは、同じ測定部が制御部の動作周波数調整によって最大品質因子値を測定し、該当最大品質因子値に対応する品質因子ピーク動作周波数をメモリに記憶することができる。
【0505】
第1品質因子測定部2110は、予め設定された動作周波数帯域内の第1周波数に対応する第1品質因子値を測定することができる。
【0506】
第2品質因子測定部2120は、予め設定された動作周波数帯域内の第2周波数に対応する第2品質因子値を測定することができる。ここで、第2周波数は第1周波数より大きく、第1周波数と第2周波数間の周波数差は動作周波数帯域の帯域幅に基づいて決定されることができるが、これに限定されない。一例として、第1周波数と第2周波数はそれぞれ動作周波数帯域の下限周波数と上限周波数と決定されることができる。
【0507】
検出部2130は、第1品質因子値及び第2品質因子値に基づいて充電領域に異物質が存在するかを判断することができる。もしくは、品質因子ピーク動作周波数と無線電力受信部から受信した基準品質因子ピーク動作周波数に基づいて充電領域に異物質が存在するかを判断することができる。
【0508】
一例として、検出部2130は、第2品質因子値が第1品質因子値より大きければ、充電領域上に異物質が配置されるとか整列されていない無線電力受信機が配置されたと判断することができる。一方、検出部2130は、第2品質因子値が第1品質因子値より小さければ、充電領域上に整列された無線電力受信機が配置されたと判断することができる。
【0509】
他の例として、検出部2930は、第2品質因子値が第1品質因子値より所定の基準値以上大きければ、充電領域上に異物質が配置されるとか整列されていない無線電力受信機が配置されたと判断することもできる。一方、検出部2130は、第1品質因子値が第2品質因子値より大きいとか第2品質因子値と第1品質因子値の差が所定の基準値より小さければ、充電領域上に整列された無線電力受信機が配置されたと判断することができる。
【0510】
さらに他の例として、検出部2130は、動作周波数帯域内の周波数変化による品質因子値の変化の比率に基づいて充電領域上に異物質が配置されるとか整列されていない無線電力受信機が配置されたと判断することもできる。
【0511】
ここで、変化比率は第2品質因子値から第1品質因子値を差し引いた値を第1品質因子値で割って算出されることができるが、これに限定されなく、周波数変化による品質因子値の変化比率を算出することができる数式であれば十分である。
【0512】
検出部2130は、算出された変化比率が0より大きいとか、所定の正数である第1臨界値以上の場合、充電領域上に異物質が配置されるとか整列されていない無線電力受信機が配置されたと判断することができる。
【0513】
一方、検出部2130は、算出された変化比率が0より小さいとか、所定の負数である第2臨界値以下の場合、充電領域上に整列された無線電力受信機が配置されたと判断することができる。
【0514】
検出部2130は、異物質又は整列されていない無線電力受信機が検出された場合、検出結果を制御部2150に伝達することができる。
【0515】
アラーム部2140は、制御部2150の制御によって充電領域上に異物質が存在するとか整列されていない無線電力受信機が存在することを指示する所定のアラーム信号を備えられたアラーム手段を介して出力することができる。ここで、アラーム手段はブザー(buzzer)、LEDランプ、振動、液晶ディスプレイなどを含むことができるが、これに限定されない。
【0516】
一実施例による制御部2150は異物質又は整列されていない無線電力受信機が配置されたと判断されれば、現在電力伝送中の場合、電力伝送中断されるように前述した図20の電力伝送部2160を制御し、異物質又は整列されていない無線電力受信機が配置されたことを指示する所定のアラーム信号が出力されるようにアラーム部2140を制御することができる。
【0517】
制御部2150は、アラーム信号の出力後、一定時間待機してから選択段階に進入して受信機をまた探索することができる。
【0518】
充電領域に配置された異物質が使用者によって除去されるとか整列されていない無線電力受信機が使用者によって正常に再配置されるのにかかる時間を考慮して、前記選択段階への進入前に待機する時間が決定されることができる。
【0519】
本発明の他の実施例による制御部2150は、前記選択段階への進入前に前記第1周波数及び第2周波数に対する品質因子値を測定するように前記第1及び第2品質因子測定部2110、2120を制御し、測定された第1及び第2品質因子値を比較して、充電領域に配置された異物質が除去されたかを確認することもできる。異物質除去が確認された場合、制御部2150は選択段階に進入することができる。
【0520】
本発明のさらに他の実施例による制御部2150は、前記選択段階への進入前に前記第1周波数及び第2周波数に対する品質因子値を測定するように制御し、測定された第1及び第2品質因子値に基づいて無線電力受信機が正常に整列されたかを確認することができる。確認結果、無線電力受信機が正常に整列された場合、制御部2150は選択段階に進入することもできる。
【0521】
さらに他の実施例で、前記異物質検出段階は選択段階で、すなわちピング段階以前に遂行されることができる。この場合、選択段階で異物質が検出されれば、無線電力送信機はピング段階に進入しないで選択段階を維持することができる。
【0522】
本発明のさらに他の実施例による制御部2150は、無線電力受信機への電力伝送中に、すなわち前記図2の電力伝送段階260で異物質が感知されれば、電力伝送を一時中断させ、異物質が感知されたことを指示する所定のアラーム信号を出力することができる。アラーム信号出力中で感知された異物質が充電領域から除去されたことが確認された場合、制御部2150は電力伝送が再開するように制御することができる。
【0523】
図22は本発明の他の実施例に品質因子値に基づくFO検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0524】
図22を参照すると、無線電力送信機は、予め設定された動作周波数帯域を一定の周波数間隔を有する第1周波数~第N周波数に区分することができる(S2201)。ここで、動作周波数帯域は、大きく下限周波数帯域、中間周波数帯域及び上限周波数帯域に区分されることができる。ここで、それぞれの周波数帯域の大きさは使用者の設定によって変わることができることに気を付けなければならない。一例として、動作周波数帯域が100KHzと210KHzの間であり、該当動作周波数帯域内の特定の周波数を区分するための周波数間隔が10KHzに設定された場合、該当動作周波数帯域は第1~第12周波数に区分されることができる。ここで、第1~第3周波数は下限周波数帯域(100KHz~130KHz)、第4~第9周波数は中間周波数帯域(130KHz~180KHz)、第10~第12周波数は上限周波数帯域(180KHz~210KHz)に区分されることができる。これは一実施例に過ぎなく、該当無線電力送信機の設定及び構成態様、又は(及び)適用された標準規格によって違う動作周波数帯域及び周波数間隔が設定されることができることに気を付けなければならない。
【0525】
無線電力送信機は、上限周波数帯域に含まれた第N-K+1周波数~第N周波数に対して測定された品質因子値(等)の平均値(a1)を算出することができる(S2203)。
【0526】
また、無線電力送信機は、上限周波数帯域に含まれた第1周波数~第N周波数に対して測定された品質因子値(等)の平均値(a2)を算出することができる(S2205)。
【0527】
無線電力送信機はa1とa2の大きさを比較することができる(S2207)。
【0528】
比較結果、下限周波数帯域に対する品質因子平均値(a2)が上限周波数帯域に対する品質因子値平均値(a1)より大きければ、無線電力送信機は充電領域上に整列された無線電力受信機が配置されたと判断することができる(S2209)。ここで、送信共振コイル(1次コイル)と受信共振コイル(2次コイル)間の結合係数が高い状態がよく整列された状態を意味することができる。
【0529】
前述した2207段階の比較結果、a2がa1と同じかそれより小さければ、無線電力送信機は充電領域上に異物質又は整列されていない無線電力受信機が配置されたと判断することができる(S2211)。
【0530】
無線電力送信機は、充電領域上に異物質又は整列されていない無線電力受信機が配置されたことを指示する所定のアラーム信号を出力することができる(S2213)。
【0531】
一実施例による無線電力送信機は前述した2201段階~2213段階を前述した図2の選択段階210で遂行することができるが、これは一実施例に過ぎなく、交渉段階240以前のいずれか段階、例えば選択段階210、ピング段階220及び識別及び構成段階230のいずれか一つの段階で遂行することもできる。
【0532】
他の実施例による無線電力送信機は前述した2201段階~2213段階を前記図2の電力伝送段階260で遂行することもできる。この場合、無線電力送信機は、動作周波数調節による電力制御を行ううちに周波数別に品質因子値を測定することができる。また、無線電力送信機は、前記測定された周波数別品質因子値を用いて上限周波数帯域の品質因子平均値と下限周波数帯域の品質因子平均値を算出した後、これを比較して充電領域に異物質が存在するかを判断することもできる。
【0533】
以上の図21の実施例では単に上限周波数帯域の品質因子平均値(a1)と下限周波数帯域の品質因子平均値(a2)の大きさを比較して異物質の存在有無を判断するものとして説明しているが、これは一実施例に過ぎなく、本発明の他の実施例による無線電力送信機は周波数変化による品質因子平均値の増加又は減少有無だけではなく品質因子平均値の増加量/減少量にもっと基づいて異物質又は整列されていない無線電力受信機が充電領域に配置されたかを判断することもできる。一例として、a2からa1を差し引いた値が負数であり、a2とa1間の差分値の絶対値が所定の臨界値を超える場合、無線電力送信機は異物質又は整列されていない無線電力受信機が充電領域上に配置されたと判断することができる。
【0534】
図23図22の実施例に相応するFO検出装置の構造を説明するためのブロック図である。
【0535】
図23を参照すると、FO検出装置2300は、動作周波数分割部2310、品質因子測定部2320、平均算出部2330、検出部2340、アラーム部2350及び制御部2360を含んでなることができる。
【0536】
動作周波数分割部2310は、予め定義された動作周波数帯域を所定周波数間隔で分割して、品質因子値を測定すべき第1~第N周波数に区分し、区分された周波数を下限周波数帯域、中間周波数帯域、上限周波数帯域に区分することができる。ここで、下限周波数帯域及び下限周波数帯域に含まれる測定対象周波数の個数は予め定義されて所定の記録領域に維持されることができる。動作周波数帯域、周波数間隔、下限/上限周波数帯域に含まれる測定対象周波数の個数などは無線電力送信機に搭載された所定の使用者インターフェース手段又は(及び)該当無線電力送信機と有線又は無線通信網を介して連動する外部サーバーによって変更されることができることに気を付けなければならない。
【0537】
品質因子測定部2320は第1~第N周波数に対応する品質因子値を測定することができる。一実施例による品質因子測定部2340は下限周波数帯域及び上限周波数帯域に含まれた測定対象周波数に対する品質因子値のみ測定することもできる。
【0538】
平均算出部2330は下限周波数帯域に対して測定された品質因子値(等)の平均値(a2)と上限周波数帯域に対して測定された品質因子値(等)の平均値(a1)を算出することができる。
【0539】
検出部2340は、a1及びa2に基づいて充電領域上に配置された異物質又は整列されていない無線電力受信機を検出し、検出結果を制御部2360に伝達することができる。一例として、検出部2340は、a1からa2を差し引いた値が正数の場合、すなわち動作周波数帯域内の周波数が増加するほど品質因子値の平均が増加する場合、充電領域上に異物質又は整列されていない無線電力受信機が存在すると判断することができる。一方、検出部2340は、a1からa2を差し引いた値が負数の場合、すなわち動作周波数帯域内の周波数が増加するほど品質因子値の平均が減少する場合、充電領域上に整列された無線電力受信機が存在すると判断することができる。
【0540】
他の例として、検出部2340は、動作周波数帯域内の周波数変化による品質因子平均値の増加又は減少有無だけではなく、品質因子平均値の増加量/減少量をもっと考慮して異物質又は整列されていない無線電力受信機が充電領域に配置されたかを判断することもできる。一例として、a2からa1を差し引いた値が負数であり、a2とa1間の差分値の絶対値が所定の臨界値を超える場合、無線電力送信機は異物質又は整列されていない無線電力受信機が充電領域上に配置されたと判断することができる。
【0541】
アラーム部2350は、制御部2360の制御によって充電領域上に異物質が存在するとか整列されていない無線電力受信機が存在することを指示する所定のアラーム信号を備えられたアラーム手段を介して出力することができる。ここで、アラーム手段は、ブザー(buzzer)、LEDランプ、振動、液晶ディスプレイなどを含むことができるが、これに限定されない。
【0542】
図24a~図24dは前記図20図23の実施例の論理的な根拠を説明するための実験結果グラフである。
【0543】
図24aの図面符号2411を参照すると、充電領域上に第1受信機のみが配置された場合、無線電力送信機で測定された品質因子値は動作周波数帯域(100KHz~210KHz)内の周波数が増加するに従って減少することを示す。一方、図面符号2412を参照すると、充電領域上に第1受信機と異物質であるFO4が配置された場合、無線電力送信機で測定された品質因子値は動作周波数帯域内の周波数が増加するに従って増加することを示す。
【0544】
図面符号2413を参照すると、充電領域に第1受信機のみが配置されたとき、動作周波数100KHzで測定された品質因子値は44であり、動作周波数210KHzで測定された品質因子値は40であることが分かる。一方、充電領域に第1受信機と異物質であるFO4が配置された場合、動作周波数100KHzで測定された品質因子値は27.1であり、動作周波数210KHzで測定された品質因子値は30.65であることが分かる。ここで、FO4はWPC標準に定義された標準規格の異物質を意味する。
【0545】
前述した図24aに示した実験結果は、充電領域に無線電力受信機が整列されて配置された場合、動作周波数帯域内の周波数が増加するに従って品質因子値が減少するが、充電領域に異物質が配置される場合、動作周波数帯域内の周波数が増加するに従って品質因子値が増加することを示す。
【0546】
図24bは図24aの第1受信機とは違う製造社によって生成された第2受信機に対する実験結果である。
【0547】
図24bの図面符号2421を参照すると、充電領域上に第2受信機のみが配置された場合、無線電力送信機で測定された品質因子値は動作周波数帯域(100KHz~210KHz)内の周波数が増加するに従って品質因子値が減少することを示す。一方、図面符号2422を参照すると、充電領域上に第2受信機と異物質であるFO4が配置された場合、無線電力送信機で測定された品質因子値は動作周波数帯域内の周波数が増加するに従って増加することを示す。
【0548】
実際に、図面符号2423を参照すると、充電領域に第2受信機のみが配置されたとき、動作周波数100KHzで測定された品質因子値は39.5であり、動作周波数210KHzで測定された品質因子値は31.1であることが分かる。一方、充電領域に第2受信機と異物質であるFO4が配置された場合、動作周波数100KHzで測定された品質因子値は24.9であり、動作周波数210KHzで測定された品質因子値は26.1であることが分かる。
【0549】
前述した図24bに示した実験結果は、前記図24aの実験結果と同様に、充電領域に無線電力受信機が整列されて配置された場合、動作周波数帯域内の周波数が増加するに従って品質因子値が減少するが、充電領域に異物質が配置される場合、動作周波数帯域内の周波数が増加するに従って品質因子値が増加することを示す。
【0550】
図24cは動作周波数帯域で標準に定義された異物質であるFO4と10セント銅銭に対して測定された品質因子値を示す。
【0551】
図24cの図面符号2431と2432はそれぞれ10セント銅銭とFO4に対して測定された品質因子値の変化パターンを示す。図面符号2431と2432で示したように、無線電力受信機ではない異物質が充電領域に置かれた場合、動作周波数帯域内の周波数が増加するに従って品質因子値が増加することが分かる。
【0552】
ただ、10セント銅銭の場合、中間周波数帯域で測定された一部品質因子値が上限周波数帯域で測定された品質因子値より大きいことを示す。よって、誤った測定結果によって誤った判断が発生することを最小化するために、上述した図22及び図23で説明したように、下限周波数帯域と上限周波数帯域のそれぞれに対して算出される品質因子平均値に基づいて異物質存在有無を判断することができる。
【0553】
図24dは前述した第1及び第2受信機とは違う製造社によって販売された第3受信機に対する実験結果を示す。
【0554】
図24dの図面符号2441を参照すると、第3受信機のみが充電領域に配置された場合、周波数増加によって品質因子値が減少するが、図面符号2442及び2443のように、充電領域に異物質、例えばFO4又は10cent銅銭がさらに配置される場合、周波数増加によって品質因子値が増加することを示す。
【0555】
図24eは製品認証に使われる標準無線電力送信機と標準無線電力受信モジュールに対する実験結果を示す。
【0556】
図24eの図面符号2452を参照すると、標準無線電力送信機に標準無線電力受信モジュールが配置された場合、動作周波数帯域内の周波数が増加するに従って品質因子値が減少することが分かる。もちろん、図面符号2451で示したように、標準無線電力送信機の充電領域に何も配置されていない場合にも、動作周波数帯域内の周波数が増加するに従って品質因子値が減少することが分かる。ただ、図面符号2453を参照すると、標準無線電力送信機の充電領域に標準無線電力受信モジュールが配置された状態で測定された品質因子値が充電領域に何も配置されていない場合に比べて全体的に一定の水準だけ小さくなることが分かる。
【0557】
図25は無線電力送信機の充電領域に無線電力受信機と異物質の配置による品質因子値と最大品質因子ピーク(Peak)周波数間の関係を説明するための図である。
【0558】
図25に示したテーブルは無線電力受信機のみ充電領域に配置されたときと無線電力受信機と異物質が一緒に充電領域に配置されたときの最大品質因子ピーク周波数がいくらシフト(shift)されるかを示す。このとき、最大品質因子ピーク周波数を用いて異物質存在有無を判断することができる。
【0559】
無線電力送信機は、無線電力受信機から基準品質因子ピーク周波数についての情報を受信し、受信された情報に基づいて臨界周波数を決定することができる。ここで、臨界周波数は、コイルのデザイン、回路特性、誤差などを考慮して決定されることができる。臨界周波数と前記図25のピーク周波数を比較することで、無線電力送信機は異物質の存在有無を決定することができる。
【0560】
図26は本発明の一実施例による異物質検出装置での異物質検出のための状態遷移過程を説明するための図である。
【0561】
図26を参照すると、異物質検出装置は選択段階2610で物体が感知されれば、複数の動作周波数に対する共振回路の品質因子値を測定することができる(S2601)。ここで、品質因子値が測定される動作周波数の個数は2~6個であり得るが、これに限定されなく、それより多くの個数であってもよい。品質因子値が測定される動作周波数値は予め定義された動作周波数範囲内で選択された値であり、一定の周波数間隔を有するように選択されることができる。一例として、異物質検出装置の動作周波数範囲が100KHzから220KHzであり、測定される動作周波数の個数が5である場合、品質因子値が測定される動作周波数値は100KHz、130KHz、160KHz、190KHz及び220KHzであり得る。
【0562】
異物質検出装置は、測定された品質因子値に基づいて充電領域に異物質が配置されたかを、すなわち異物質の存在有無を判断することができる(S2602)。
【0563】
一例として、異物質検出装置は、動作周波数が増加するに従って品質因子値が増加すれば、充電領域に異物質が存在すると判断することができる。一方、異物質検出装置は、動作周波数が増加するに従って品質因子値が減少すれば、充電領域に異物質が存在しないと判断することができる。
【0564】
他の例として、異物質検出装置は、隣接動作周波数に対する品質因子値変化量を算出し、算出された変化量の平均が所定の基準値(例えば、基準値は0であり得るが、これに限定されない)を超える場合、充電領域に異物質が存在すると判断することができる。ここで、隣接動作周波数は品質因子値が測定される動作周波数のうち一番近接した二つの動作周波数を意味する。
【0565】
さらに他の例として、異物質検出装置は、隣接動作周波数に対する品質因子値の傾きを算出し、算出された傾きの平均が所定第1基準値を超える場合、充電領域に異物質が存在すると判断することができる。一方、算出された傾きの平均が所定の第2基準値以下の場合、充電領域に異物質が存在しないと判断することができる。ここで、第1基準値と第2基準値は相異なる値を有することができる。この場合、第1基準値が第2基準値より大きい。
【0566】
異物質検出装置は、異物質存在有無に対する判断が完了すれば、ピング段階2620に進入することができる。
【0567】
ピング段階2620で、異物質検出装置は、無線電力受信機を識別するための所定の電力信号、例えばデジタルピングを周期的に伝送することができる。
【0568】
異物質検出装置は、ピング段階2620で信号強度指示子が受信されれば、識別及び構成段階2630に進入して無線電力受信機を識別し、識別された無線電力受信機のための各種の構成パラメーターを設定することができる。
【0569】
無線電力受信機に対する識別及び構成が完了すれば、異物質検出装置は交渉段階2640に進入し、識別された無線電力受信機から異物質感知状態パケット(FOD Status Packet)を受信することができる(S2603)。ここで、異物質感知状態パケットには基準品質因子値が含まれることができる。
【0570】
異物質検出装置は、前述した2602段階の判断結果によって、識別された無線電力受信機にNAK応答信号又はACK応答信号を伝送することができる(S2604)。このとき、異物質検出装置は、受信された異物質感知状態パケットに基づいて異物質存在有無を判断するための臨界値(又は臨界範囲)を決定しなくてもよい。前記2602段階の判断結果、異物質が存在する場合、異物質検出装置は、NAK応答信号を識別された無線電力受信機に伝送した後、選択段階2610に遷移することができる。このとき、異物質検出装置は、電力伝送を中断し、異物質が検出されたことを指示する所定の警告アラームを出力することができる。
【0571】
一例として、前記2602段階の判断結果、異物質が存在しない場合、異物質検出装置は、ACK応答信号を伝送した後、電力伝送段階2650に遷移することができる。他の例として、異物質検出装置は、前記2602段階の判断結果、異物質が存在しない場合、前述した図2の補正段階250を経て電力伝送段階2650に遷移することもできる。
【0572】
異物質検出装置は、電力伝送段階2650に進入して該当無線電力受信機に対する無線充電を開始することができる。
【0573】
異物質検出によって選択段階2610に遷移した異物質検出装置は、周期的に複数の動作周波数に対する共振回路の品質因子値を測定し、測定された品質因子値に基づいて異物質が除去されたかを判断することもできる。判断結果、異物質が除去された場合、異物質検出装置は電力伝送段階2650に進入して該当無線電力受信機への電力伝送を再開することができる。一方、異物質検出によって選択段階2610に遷移した後、所定の時間の間に感知された異物質が除去されなかった場合、異物質検出装置は感知された異物質が除去されなかったことを指示する所定の警告アラームを出力することができる。
【0574】
本発明の他の実施例による異物質検出装置は、前記2601段階の判断結果に相応する異物質状態情報(FO Status Information)を含む所定の異物質存在状態パケット(FO Presence Status Packet)を該当無線電力受信機にもっと伝送することもできる。一例として、異物質状態情報が‘0’であれば異物質が感知されなかったことを意味し、‘1’であれば異物質が感知されたことを意味することができるが、これに限定されない。
【0575】
さらに他の実施例で、S2603パケットは省略されることができる。
【0576】
図27は本発明の他の実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0577】
図27を参照すると、FOD状態パケットメッセージ2700は2バイトの長さを有することができ、6ビット長さの第1データ2701フィールド、2ビット長さのモード(Mode)2702フィールド及び1バイト長さの基準品質因子値(Reference Quality Factor Value)2703フィールドを含んでなることができる。
【0578】
図面符号2704で示すように、モード2702フィールドが二進数‘00’に設定されれば、第1データ2701フィールドの全てのビットは0と記録され、基準品質因子値2703フィールドに該当無線電力受信機の電源がOFFされた状態で測定されて決定された基準品質因子値が記録される。一方、モード2702フィールドが二進数‘01’に設定されれば、第1データ2701フィールドには該当無線電力受信機の電源がOFFされた状態で測定された品質因子値が基準品質因子値に比べて5%低い動作周波数が記録されることができる。基準品質因子値2703フィールドに該当無線電力受信機の電源がOFFされた状態で測定されて決定された基準品質因子値が記録されることができる。一例として、前記図20を参照すると、受信機2の基準品質因子値は、動作周波数が100KHzのときに測定された39.5であり得る。ここで、基準品質因子値に比べて5%低い品質因子値は37.525である。したがって、基準品質因子値に比べて5%低い品質因子値を有する動作周波数は120KHzと130KHz間のいずれか値であり得る。
【0579】
前述した図27の実施例では基準品質因子値に比べて5%低い品質因子値を有する動作周波数に相応する値が第1データ2701フィールドに記録されるものとして説明しているが、これは一実施例に過ぎなく、当業者の設計によって5%ではない他の値、例えば7%に設定されることもできる。
【0580】
図28は本発明の一実施例による異物質検出装置での異物質検出のための状態遷移過程を説明するための図である。
【0581】
図28を参照すると、異物質検出装置は、選択段階2810で物体が感知されれば、動作周波数帯域の下限周波数を含む複数の動作周波数に対する共振回路の品質因子値を測定することができる(S2801)。ここで、品質因子値が測定される動作周波数の個数は2~8個であり得るが、これに限定されなく、それより多くの個数であってもよい。品質因子値が測定される動作周波数は予め定義された動作周波数範囲内で選択される値であり、一定の周波数間隔を有するように選択されることができるが、これに限定されなく、動作周波数範囲内で任意に選択されることもできる。一例として、異物質検出装置の動作周波数範囲が100KHzから220KHzであり得る。このとき、下限周波数は100KHzであり、測定される動作周波数の個数が7である場合、品質因子値が測定される動作周波数値は100KHz、120KHz、140KHz、160KHz、180KHz、200KHz及び220KHzであり得る。
【0582】
異物質検出装置は動作周波数別に測定された品質因子値を所定の記録領域に記録することができる。
【0583】
異物質検出装置は、品質因子値の測定が完了すれば、ピング段階2820に進入することができる。
【0584】
ピング段階2820で、異物質検出装置は、無線電力受信機を識別するための所定の電力信号、例えばデジタルピングを周期的に伝送することができる。
【0585】
異物質検出装置は、ピング段階2820で信号強度指示子が受信されれば、識別及び構成段階2830に進入して無線電力受信機を識別し、識別された無線電力受信機のための各種の構成パラメーターを設定することができる。
【0586】
無線電力受信機に対する識別及び構成が完了すれば、異物質検出装置は交渉段階2840に進入し、識別された無線電力受信機から異物質感知状態パケット(FOD Status Packet)を受信することができる(S2802)。ここで、異物質感知状態パケットには、基準品質因子値に比べて5%低い品質因子値を有する動作周波数(以下、説明の便宜のために、‘臨界周波数’と言う)についての情報が含まれることができる。
【0587】
異物質検出装置は、前述した2801段階で測定された下限周波数に対応する品質因子値(Q1)と臨界周波数より大きい動作周波数で測定された品質因子値(Q2)を比較して異物質存在有無を判断することができる(S2803)。ここで、Q2は臨界周波数より大きい動作周波数で測定された品質因子値のうち最大値を有する品質因子値であり得る。
【0588】
仮に、Q2がQ1より大きければ、異物質検出装置は充電領域に異物質が配置されたと判断することができる。一方、Q2がQ1より小さければ、異物質検出装置は充電領域に異物質が配置されていないと判断することができる。
【0589】
他の実施例による異物質検出装置は、2801段階で測定された動作周波数別品質因子値に基づいて臨界周波数に対応する品質因子値を決定(又は推定)することができる。一例として、2801段階で品質因子値の測定に使用された複数の動作周波数のうち臨界周波数と同じ周波数が含まれた場合、該当動作周波数で測定された品質因子値が臨界周波数で測定された品質因子値となる。しかし、2801段階で品質因子値の測定に使用された複数の動作周波数のうち臨界周波数と同じ周波数が含まれていない場合、臨界周波数と一番近接した動作周波数で測定された少なくとも一つの品質因子値に基づいて臨界周波数に対応する品質因子値が推定されることもできる。一例として、臨界周波数と一番近接した二つの動作周波数で測定された品質因子値を用いて線形関数を誘導し、誘導された線形関数に臨界周波数を代入して臨界周波数に対応する品質因子値を推正することができるが、これに限定されない。
【0590】
異物質検出装置は、前述した2803段階の判断結果によって、識別された無線電力受信機にNAK応答信号又はACK応答信号を伝送することができる(S2804)。このとき、異物質検出装置は、受信された異物質感知状態パケットに基づいて異物質存在有無を判断するための臨界値(又は臨界範囲)を決定しなくてもよい。前記2803段階の判断結果、異物質が存在する場合、異物質検出装置は、NAK応答信号を識別された無線電力受信機に伝送した後、選択段階2810に遷移することができる。このとき、異物質検出装置は、電力伝送を中断し、異物質が検出されたことを指示する所定の警告アラームを出力することができる。
【0591】
一例として、前記2802段階の判断結果、異物質が存在しない場合、異物質検出装置は、ACK応答信号を伝送した後、電力伝送段階2850に遷移することができる。他の例として、異物質検出装置は、前記2803段階の判断結果、異物質が存在しない場合、前述した図2の補正段階250を経て電力伝送段階2850に遷移することもできる。
【0592】
異物質検出装置は電力伝送段階2850に進入して該当無線電力受信機に対する無線充電を開始することができる。
【0593】
異物質検出によって選択段階2810に遷移した異物質検出装置は、周期的に複数の動作周波数に対する共振回路の品質因子値を測定し、測定された品質因子値に基づいて異物質が除去されたかを判断することもできる。判断結果、異物質が除去された場合、異物質検出装置は電力伝送段階2850に進入して該当無線電力受信機への電力伝送を再開することができる。一方、異物質検出によって選択段階2810に遷移した後、所定時間の間に感知された異物質が除去されなかった場合、異物質検出装置は感知された異物質が除去されなかったことを指示する所定の警告アラームを出力することができる。
【0594】
本発明の他の実施例による異物質検出装置は、前記2801段階の判断結果に相応する異物質状態情報(FO Status Information)を含む所定の異物質存在状態パケット(FO Presence Status Packet)を該当無線電力受信機にもっと伝送することもできる。一例として、異物質状態情報が‘0’であれば異物質が感知されなかったことを意味し、‘1’であれば異物質が感知されたことを意味することができるが、これに限定されない。
【0595】
図29は本発明の一実施例による異物質検出装置での異物質検出のための状態遷移過程を説明するための図である。
【0596】
本実施例による異物質検出装置は、選択段階2910で物体が感知されれば、複数の動作周波数に対する共振回路の品質因子値を測定することができる(S2901)。
【0597】
異物質検出装置は、交渉段階で臨界周波数が含まれたFOD状態パケットが受信されれば、臨界周波数と同じかそれより大きい少なくとも二つ以上の動作周波数を識別し、識別された動作周波数で測定された品質因子値を抽出することができる(S2903)。
【0598】
異物質検出装置は、臨界周波数と同じかそれより大きい動作周波数のそれぞれに対応する品質因子値を比較して異物質の存在有無を判断することができる(S2904)。一例として、動作周波数が増加するに従って品質因子値が増加する場合、異物質検出装置は充電領域に異物質が存在すると判断することができる。一方、動作周波数が増加するに従って品質因子値が減少する場合、異物質検出装置は充電領域に異物質が存在しないと判断することができる。
【0599】
本発明のさらに他の実施例による異物質検出装置は、選択段階で物体が感知されれば、動作周波数帯域内の品質因子値をスキャンすることもできる。
【0600】
ここで、動作周波数帯域は互いに重複しない複数の下部周波数領域に区分されることができる。一例として、動作周波数帯域は下限周波数を含む第1周波数領域及び上限周波数を含む第2周波数領域に区分されることができる。
【0601】
一例として、動作周波数帯域が100KHz~200KHzの場合、第1周波数領域は下限周波数100KHzを含む100KHz~150KHzであり、第2周波数領域は上限周波数200KHzを含む151KHz~200KHzであり得る。
【0602】
異物質検出装置は、第1周波数領域内の周波数を一定の周波数単位で変更しながら品質因子値をスキャンし、最高の品質因子値が測定される動作周波数(第1周波数)を識別することができる。また、異物質検出装置は、第2周波数領域内の周波数を変更しながら品質因子値をスキャンし、最高の品質因子値が測定される動作周波数(第2周波数)を識別することができる。異物質検出装置は、第1周波数に対応する品質因子値(Q4)と第2周波数に対応する品質因子値(Q5)を比較して、充電領域に異物質が存在するかを判断することができる。一例として、Q5がQ4より大きければ、異物質検出装置は異物質が存在すると判断することができる。反対に、Q5がQ4より小さければ、異物質検出装置は異物質が存在しないと判断することができる。
【0603】
図30は本発明のさらに他の実施例によるFOD状態パケットのメッセージ構造を説明するための図である。
【0604】
図30を参照すると、FOD状態パケットメッセージ3000は2バイトの長さを有することができ、6ビット長さの予約3001フィールド、2ビット長さのモード(Mode)3002フィールド、第1データ3003フィールド及び第2データフィールド3004を含んでなることができる。前述した図30の実施例では、第1データ3003フィールドの大きさが3ビットであり、第2データ3004のフィールドの大きさが5ビットであるものとして示されているが、これは一実施例に過ぎなく、これに限定されない。予約3001フィールドの全てのビットは0と記録される。
【0605】
図面符号3005で示すように、モード3002フィールドが二進数‘00’に設定されれば、第1データ3003フィールド及び第2データ3004フィールドには該当無線電力受信機の電源がOFFされた状態で測定されて決定された基準品質因子値が記録される。一方、モード3002フィールドが二進数‘01’に設定されれば、第1データ3003フィールドには臨界周波数情報が、第2データ3004フィールドには下限周波数に相応する品質因子値に対する臨界周波数に相応する品質因子値の比率情報がそれぞれ記録されることができる。
【0606】
上述した実施例による方法はコンピュータで実行されるためのプログラムに製作されてコンピュータ可読の記録媒体に記憶されることができ、コンピュータ可読の記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などがあり、さらにキャリアウェーブ(例えば、インターネットを介しての伝送)の形態に具現されるものも含む。
【0607】
コンピュータ可読の記録媒体はネットワークを介して連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータが読めるコードが記憶されて実行されることができる。そして、上述した方法を具現するための機能的な(function)プログラム、コード及びコードセグメントは実施例が属する技術分野のプログラマーによって容易に推論可能である。
【0608】
本発明は本発明の精神及び必須の特徴を逸脱しない範囲内で他の特定の形態に具体化されることができるのは当業者に明らかである。
【0609】
したがって、前記の詳細な説明は全ての面で制限的に解釈されてはいけなく、例示的なものと考慮されなければならない。本発明の範囲は添付の請求項の合理的解釈によって決定されなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0610】
実施例による異物質検出方法は、品質因子値を用いて、ピング段階以前、交渉段階及び電力伝送段階で無線電力送信機と無線電力送信機の間に位置する異物質を検出する無線充電システムに適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13a
図13b
図13c
図13d
図13e
図13f
図13g
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24a
図24b
図24c
図24d
図24e
図25
図26
図27
図28
図29
図30