(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】羽根駆動装置付きカメラモジュール及び羽根駆動装置
(51)【国際特許分類】
G03B 9/08 20210101AFI20240919BHJP
G03B 11/04 20210101ALI20240919BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20240919BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240919BHJP
H04N 23/55 20230101ALI20240919BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20240919BHJP
【FI】
G03B9/08 Z
G03B11/04 B
G03B17/02
G03B30/00
H04N23/55
H04N23/57
(21)【出願番号】P 2019209493
(22)【出願日】2019-11-20
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 謙三
(72)【発明者】
【氏名】渡部 伸昭
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-288327(JP,A)
【文献】特開2006-064769(JP,A)
【文献】特開2011-248035(JP,A)
【文献】国際公開第2009/004975(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/036251(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 9/08-9/54
G03B 17/02
H04N 23/55
H04N 23/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板上に撮像ユニットを実装し、該撮像ユニット上にレンズユニットを配備したカメラモジュールと、
前記回路基板上に配備され、前記カメラモジュールにおける前記回路基板上の突出部分を収容する収容部を備え、前記レンズユニットの視野を開放又は遮蔽する羽根を具備する羽根駆動装置とを備え、
前記回路基板上には、前記羽根駆動装置を固着する固着面が設けられており、
前記収容部には、前記レンズユニットの上面との間に前記レンズユニットを取り付ける際のチルトを許容する間隙が設けられ、
前記間隙は、前記固着面により、前記収容部と前記レンズユニットに沿った一定の間隔に画定されている
ことを特徴とする羽根駆動装置付きカメラモジュール。
【請求項2】
回路基板上に撮像ユニットを実装し、該撮像ユニット上にレンズユニットを配備したカメラモジュールと、
前記回路基板上に配備され、前記カメラモジュールにおける前記回路基板上の突出部分を収容する収容部を備え、前記レンズユニットの視野を開放又は遮蔽する羽根を具備する羽根駆動装置とを備え、
前記収容部には、前記レンズユニットの一部を固着する固着面が設けられており、
前記回路基板と前記羽根駆動装置との間には前記レンズユニットを取り付ける際のチルトを許容する間隙が設けられ、
前記間隙は、前記固着面により、前記回路基板と前記羽根駆動装置に沿った一定の間隔に画定されている
ことを特徴とする羽根駆動装置付きカメラモジュール。
【請求項3】
前記羽根駆動装置は、前記回路基板上に突出する前記レンズユニットの高さ部分に並列して、前記羽根を駆動する駆動部が配備されていることを特徴とする請求項1または2に記載の羽根駆動装置付きカメラモジュール。
【請求項4】
前記羽根の片面には、前記駆動部の駆動レバーに係合する係合軸が突出して設けられていることを特徴とする請求項3に記載の羽根駆動装置付きカメラモジュール。
【請求項5】
前記係合軸は、前記羽根に一体成形されるか、或いはインサート成形又はアウトサート成形にて前記羽根に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の羽根駆動装置付きカメラモジュール。
【請求項6】
回路基板上に撮像ユニットを実装し、該撮像ユニット上にレンズユニットを配備したカメラモジュールの視野を開放又は遮蔽する羽根を駆動する羽根駆動装置であって、
カメラモジュールの回路基板上に固着される固着面を備えると共に、カメラモジュールにおける回路基板上の突出部分を収容する収容部を備え、
前記回路基板上には、前記羽根駆動装置を固着する固着面が設けられており、
前記収容部には、前記レンズユニットの上面との間に前記レンズユニットを取り付ける際のチルトを許容する間隙が設けられ、
前記間隙は、前記固着面により、前記収容部と前記レンズユニットに沿った一定の間隔に画定されている
ことを特徴とする羽根駆動装置。
【請求項7】
回路基板上に撮像ユニットを実装し、該撮像ユニット上にレンズユニットを配備したカメラモジュールの視野を開放又は遮蔽する羽根を駆動する羽根駆動装置であって、
カメラモジュールの回路基板上に固着される固着面を備えると共に、カメラモジュールにおける回路基板上の突出部分を収容する収容部を備え、
前記収容部には、前記レンズユニットの一部を固着する固着面が設けられており、
前記回路基板と前記羽根駆動装置との間には前記レンズユニットを取り付ける際のチルトを許容する間隙が設けられ、
前記間隙は、前記固着面により、前記回路基板と前記羽根駆動装置に沿った一定の間隔に画定されている
ことを特徴とする羽根駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、羽根駆動装置付きカメラモジュール及び羽根駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器、特に、携帯用電子機器(ノート型PC、スマートフォンやタブレット端末などの携帯情報端末など)には、カメラモジュールが装備されている。カメラモジュールは、プリント回路基板(PCB:printed circuit board)にイメージセンサなどの撮像ユニットが実装され、その上にレンズユニットが装備されている。また、レンズユニットの上にメカニカルシャッタを配備したカメラモジュールも知られている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の電子機器は、「IoT:Internet of Things(モノのインターネット)」という言葉で表現されているように、ネットワークに接続された状態で使用するものが多くなっている。IoTにおいて、電子機器は、常にクラッキング(悪意のあるハッキング)やサイバー攻撃の危機に曝されていると言え、そのためのセキュリティ対策が不可欠になっている。
【0005】
カメラモジュールが装備されている電子機器は、カメラモジュールに光を取り込む開口が常に開放された状態になっていると、IoTにおいて、悪意の外部操作でカメラ機能が作動された場合に、プライベート画像の流出や不正な画像取得による防犯機能の低下などと言った問題が生じる。
【0006】
また、IoTと切り離した場合にも、カメラモジュールの開口が常に開放されていると、携帯用電子機器などでは、意図しない画像が取り込まれて保存されてしまう可能性があり、このようなことになると、盗撮の疑いを掛けられるといった事態になりかねない問題が生じる。また、実際に画像が取り込まれることが無くても、カメラモジュールの開口が開放された状態になっていることで、周囲から盗撮されているのではないかという、あらぬ疑いをかけられるといった問題があった。
【0007】
これに対して、前述した従来技術のように、カメラモジュールにおけるレンズユニットの上にメカニカルシャッタを設ける構成は、未使用時にはユーザが意図的にメカニカルシャッタを閉じることで、ユーザが意図しない画像(映像)情報がカメラモジュールに取り込まれてしまう問題を解消することができる。しかしながら、前述した従来技術のように、レンズユニットの上にメカニカルシャッタを配備する構成では、従来技術のように、レンズユニットの一部をメカニカルシャッタの一部に収容したとしても、携帯用電子機器において求められる薄型化の高い要求には対応できない問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題に対処するために提案されたものである。すなわち、本発明は、カメラモジュールを電子機器に装備するに際して、ユーザが意図しない画像(映像)情報がカメラモジュールによって取り込まれてしまう問題を解決すること、更には、携帯用などの電子機器にて求められる高い薄型化の要求に対応できるようにすること、などが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
回路基板上に撮像ユニットを実装し、該撮像ユニット上にレンズユニットを配備したカメラモジュールと、前記回路基板上に配備され、前記カメラモジュールにおける前記回路基板上の突出部分を収容する収容部を備え、前記レンズユニットの視野を開放又は遮蔽する羽根を具備する羽根駆動装置とを備え、前記回路基板上には、前記羽根駆動装置を固着する固着面が設けられており、前記収容部には、前記レンズユニットの上面との間に前記レンズユニットを取り付ける際のチルトを許容する間隙が設けられ、前記間隙は、前記固着面により、前記収容部と前記レンズユニットに沿った一定の間隔に画定されていることを特徴とする羽根駆動装置付きカメラモジュール。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る羽根駆動装置付きカメラモジュールの外観斜視図。
【
図2】本発明の実施形態に係る羽根駆動装置付きカメラモジュールの部分断面図。
【
図4】カメラモジュールへの羽根駆動装置の取り付け例を示した説明図((a)が回路基板上に羽根駆動装置を固着した例、(b)が羽根駆動装置の収容部内にカメラモジュールのレンズユニットを固着した例)。
【
図5】羽根駆動装置の要部を示した説明図((a)が側面図、(b)が底面図)。
【
図6】羽根駆動装置の羽根の開閉を示した説明図((a)が開状態、(b)が閉状態)。
【
図7】羽根駆動装置における羽根に対する係止軸の構成を示した説明図((a)が一体形成の例、(b)がインサート又はアウトサート成形の例)。
【
図8】羽根の遮蔽部の例を示した説明図((a)が網目状の遮蔽部、(b)が同心スリット状の遮蔽部、(c)がモザイクフィルタ)。
【
図9】羽根の外表面の意匠を示した説明図((a)が絵柄の意匠、(b)が文字の意匠)。
【
図10】羽根駆動装置付きカメラモジュールが内部に装備された電子機器を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0012】
図1及び
図2に示すように、羽根駆動装置付きカメラモジュール1は、カメラモジュール1Aと羽根駆動装置1Bを備えるものである。カメラモジュール1Aは、回路基板(PCB)2上に、イメージセンサを含む撮像ユニット3を実装し、撮像ユニット3上にレンズユニット4を配備している。
図2に示した例では、撮像ユニット3は、回路基板2に設けた凹部2Aに実装されており、レンズユニット4は、回路基板2の表面2B上に取り付けられている。これにより、カメラモジュール1Aは、回路基板2上にレンズユニット4の高さH分の突出部分を有している。なお、他の実施形態では、回路基板2に凹部2Aを設けずに撮像ユニット3が回路基板2に実装されてもよい。
【0013】
これに対して、羽根駆動装置1Bは、回路基板2上に配備されており、前述したカメラモジュール1Aにおける回路基板2上の突出部分を収容する収容部5を備えている。収容部5は、羽根駆動装置1Bの枠体6内に設けられており、枠体6が回路基板2上に配備されている。なお、 本明細書での「配備」とは、羽根駆動装置1Bの少なくとも一部が回路基板2に接触するように固定されている状態と、羽根駆動装置1Bが回路基板2には接触せずに他の部材を介して固定されている状態を含んでいる。
【0014】
羽根駆動装置1Bは、カメラモジュール1Aにおけるレンズユニット4の視野FOV(Field Of View)を開放又は遮蔽する羽根10を備えている。また、羽根駆動装置1Bの枠体6には、羽根10を開閉駆動する駆動部20が装備されている。羽根駆動装置1Bの駆動部20は、回路基板2上に突出するレンズユニット4の高さH部分に並列して配備されている。
【0015】
図3にて、羽根駆動装置1Bの構造の具体例を説明する。羽根駆動装置1Bの枠体6は、前述した収容部5を備えると共に、収容部5に連通する枠開口6Aを有している。枠体6は、樹脂などで一体成形することでき、その表面に組み付け突起6Bや回転軸6Cや支持軸6Pなどが一体に設けられている。
【0016】
羽根駆動装置1Bの駆動部20は、枠体6において収容部5の側方部分に収納される。駆動部20は、駆動レバー21が一体に回転するロータマグネット22が、枠体6の回転軸6Cに回転自在に軸支されており、そのロータマグネット22を囲むようにU字型のヨーク23が配備されている。ヨーク23の片側は、コイル24の巻き芯に挿入され、コイル24は、通電端子25Aが一体になったボビン25に巻かれている。
【0017】
羽根駆動装置1Bの駆動部20上には、仕切り板12が設けられている。仕切り板12には、カメラモジュール1Aの視野FOVに対応する開口12Aが設けられている。また、仕切り板12には、羽根10に設けた係合軸11を通す孔部12Bと、枠体6の組み付け突起6Bを通す組み付け孔12Cなどが設けられている。
【0018】
仕切り板12の上には、羽根10とカバー板13が配備されており、仕切り板12とカバー板13との間の空間が羽根室になり、その中に羽根10が摺動自在に配備される。カバー板13には、仕切り板12の開口12Aと同軸の開口13Aが設けられ、仕切り板12の孔部12Bに対応した孔部13Bと、組み付け孔12Cに対応する孔部13Cが設けられている。
【0019】
羽根駆動装置付きカメラモジュール1は、例えば、
図4(a),(b)に示すように、カメラモジュール1Aに対して羽根駆動装置1Bが取り付けられる。
図4(a)に示す例では、回路基板2と羽根駆動装置1Bの枠体6とが固着部P1にて固着されており、固着部P1における回路基板2上には、羽根駆動装置1Bを固着する固着面2Pが設けられている(同様に、羽根駆動装置1Bの枠体の下面には、回路基板2を固着する固着面が設けられている)。
【0020】
この例では、枠体6における収容部5に、レンズユニット4の上面との間に間隙G1が設けられている。このような間隙G1を設けることで、レンズユニット4を取り付ける際のチルト(傾き)を許容することが可能になる。また、このような間隙G1を設けた場合であっても、収容部5の上方には、レンズユニット4の視野FOVを制限しない大きさの開口(開口12A又は開口13A)が設けられている。
【0021】
図4(b)に示す例では、枠体6に設けた収容部5に、レンズユニット4の一部を固着する固着部P2が設けられており、この固着部P2において、収容部5の内面に固着面が設けられている。この例では、回路基板2と羽根駆動装置1Bの枠体6との間に間隙G2が設けられている。このような間隙G2を設けることで、この例においても、レンズユニット4の傾きを許容することが可能になる。なお、固着部P1,P2における固着には、接着剤などを用いることができる。
【0022】
図5に示すように、羽根10の片面には、駆動部20の駆動レバー21に係合する係合軸11が突出して設けられている。係合軸11は、駆動レバー21におけるレール部21Aに係合している。図示の例では、レール部21Aは櫛歯状であるが、このレール部21Aは長孔状であっても良い。
【0023】
羽根10は、前述したように、仕切り板12とカバー板13との間に形成される羽根室の薄厚空間内に摺動自在に配置されている。仕切り板12の開口12Aとカバー板13の開口13Aは同軸上にあり、若干小径の開口12Aが羽根駆動装置1Bの開口になっている。羽根10の片面から突出するように設けられる係合軸11は、仕切り板12の孔部12Bを通って、駆動レバー21のレール部21Aに係合している。
【0024】
羽根10は、軸孔10Pにて、枠体6に設けた支持軸6Pに軸支されている。支持軸6Pは、仕切り板12の軸孔12Pと羽根10の軸孔10Pを通って、カバー板13の軸孔13Pに通される。
【0025】
羽根10の開閉動作は、駆動部20におけるコイル24への通電で行われる。コイル24へ通電すると、ロータマグネット22が回転軸6C周りに揺動して、駆動レバー21が左右に振れ、駆動レバー21に係合してる係合軸11を揺動させて、羽根10が支持軸6P周りに揺動する。
図6(a)に示す状態が、羽根10の開状態であり、開口12Aを開放することで、カメラモジュール1Aの視野を開放している。
図6(b)に示す状態が、羽根10の閉状態であり、開口12Aを遮蔽することで、カメラモジュール1Aの視野を遮蔽している。なお、 コイル24に通電されていない状態ではロータマグネット22がヨーク23に吸引される。これにより、無通電状態でも羽根10の開状態および閉状態を保持することができる。
【0026】
羽根10の片面側から突起する係合軸11は、
図7(a)に示すように、羽根10と同一材料で一体成形されるか、或いは、
図7(b)に示すように、羽根10とは異なる部材で、インサート成形又はアウトサート成形にて羽根10に取り付けられる。このように、羽根10の片側に係合軸11を突出させて、駆動レバー21のレール部21Aに係合させることで、係合軸11と駆動レバー21の係合の抜け止めを効果的に行いながら、羽根10の上方への突起を抑えることができる。これによって、羽根駆動装置1B自体の薄型化が可能になる。
【0027】
ここで用いられる羽根10は、
図8及び
図9に示すように、羽根駆動装置1Bの開口を塞ぐ遮蔽部10Aを有している。この遮蔽部10Aは、開口に入射する光の全部を遮光する遮光部であってもよいが、それ以外に、
図8(a),(b)に示すように、開口に入射する光の一部を遮光して撮影を阻害するものであってもよい。
図8(a)に示す例は、網目状の遮蔽部であり、
図8(b)に示す例は、同心スリット状の遮蔽部であって、これらを設けることで、開口に入射する光の一部を遮光して撮影を阻害することができる。また、羽根部材10の遮蔽部10Aは、
図8(c)に示すように、開口に入射する光をフィルタリングして撮影を阻害するフィルタ部であってもよい。
図8(c)に示す例は、モザイクフィルタによって、開口に入射する光をフィルタリングして撮影を阻害することができる。
【0028】
羽根10は、閉状態になっているときに、その状態が外観視できて、カメラモジュール1への画像取り込みがなされないことをユーザや他人が確認できることが好ましい。このため、羽根10の外表面は、視認性の高い赤色などで着色しておくことが好ましい。また、羽根10の遮蔽部10Aの外表面に、
図9(a)に示すような絵柄の意匠を設けたり、
図9(b)に示すように文字の意匠を設けたりして、外観性を高めることが好ましい。
【0029】
本発明の実施形態に係る羽根駆動装置付きカメラモジュール1は、羽根駆動装置1Bを回路基板2上に配備して、枠体6にカメラモジュール1Aのレンズユニット4を収容する収容部5を設けることで、レンズユニット4上に羽根駆動装置1Bの駆動部20を重ねることを避けて、回路基板2上に配備されるレンズユニット4の突出高さのスペースに、羽根駆動装置1Bの駆動部20を配備している。これによって、羽根駆動装置付きカメラモジュール1の薄型化を可能にしている。
【0030】
また、羽根駆動装置付きカメラモジュール1は、回路基板2上に、羽根駆動装置1Bを固着する固着面2Pを設けることで、羽根駆動装置1Bを安定して固着することができ、更に、収容部5に、レンズユニット4の上面との間に間隙G1を設けることで、レンズユニット4のチルトを効果的に許容することができる。
【0031】
また、羽根駆動装置付きカメラモジュール1は、収容部5に、レンズユニット4の一部を固着する固着面を設けることで、レンズユニット4の姿勢に応じて羽根駆動装置1Bを配備することができる。この際、回路基板2と羽根駆動装置1Bとの間に間隙G2を設けることで、レンズユニット4のチルトを効果的に許容することができる。
【0032】
また、羽根駆動装置付きカメラモジュール1は、羽根10の片面に、駆動部20の駆動レバー21に係合する係合軸11を突出して設けているので、羽根10と駆動部20との連結において、羽根10の上への突出を抑えることができる。これによって、羽根駆動装置1B自体の薄型化が可能になる。
【0033】
図10は、羽根駆動装置付きカメラモジュール1を備える電子機器の一例として、カメラ機能を備えたPC(ノート型PC)100を示している。羽根駆動装置付きカメラモジュール1は、このようなPCだけでなく、スマートフォンなどの携帯情報端末、カメラ機能を備えたAIスピーカ(スマートスピーカ)、ホームセキュリティーカメラ、など、カメラ機能を備えたIoT全般に適用することができる。
【0034】
羽根駆動装置付きカメラモジュール1は、回路基板2上に羽根駆動装置1Bを配備することで、全体の薄型化が可能になり、電子機器100の筐体Tの内側に大きなスペースを要すること無く配備することができる。この例では、羽根駆動装置付きカメラモジュールの1の開口が筐体Tに設けた筐体開口T1に重なるように配備されている。
【0035】
このような羽根駆動装置付きカメラモジュール1を備える電子機器100は、羽根駆動装置1Bの羽根10を閉状態にすることで、ユーザが意図していない画像(映像)が電子機器100内に取り込まれることを未然に防止することができるので、プライバシー画像の流出や盗撮の疑いを掛けられることを回避することができ、IoT環境下であっても安心してカメラ機能を有する電子機器を使用することができる。なお、他の実施の形態では、駆動部20として、マグネットまたはコイルをリニアに移動させるVCM(Voice Coil Motor)などが採用されてもよい
【0036】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1:羽根駆動装置付きカメラモジュール,
1A:カメラモジュール,1B:羽根駆動装置,
2:回路基板(PCB),2A:凹部,2B:表面,2P:固着面,
3:撮像ユニット,4:レンズユニット,
5:収容部,6:枠体,6A:枠開口,6B:組み付け突起,
6C:回転軸,6P:支持軸,
10:羽根,10P:軸孔,
11:係合軸,12:仕切り板,12A:開口,12B:孔部,
12C:組み付け孔,12P:軸孔,
13:カバー板,13A:開口,13B,13C:孔部,13P:軸孔,
20:駆動部,21:駆動レバー,21A:レール部,
22:ロータマグネット,23:ヨーク,
24:コイル,25:ボビン,25A:通電端子,
P1:固着部,G1,G2:間隙,
100:電子機器(ノートPC),T:筐体,T1:筐体開口