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特許7557318建築CAD装置、及び建築CADプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】建築CAD装置、及び建築CADプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/13 20200101AFI20240919BHJP
   G06F 30/12 20200101ALI20240919BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240919BHJP
   E04H 1/00 20060101ALN20240919BHJP
【FI】
G06F30/13
G06F30/12
G06Q50/08
E04H1/00 ESW
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020151374
(22)【出願日】2020-09-09
(65)【公開番号】P2022045669
(43)【公開日】2022-03-22
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】394024477
【氏名又は名称】福井コンピュータホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004244
【氏名又は名称】弁理士法人仲野・川井国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100096655
【弁理士】
【氏名又は名称】川井 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100091225
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 均
(72)【発明者】
【氏名】森廣 誠
(72)【発明者】
【氏名】松井 宏徳
(72)【発明者】
【氏名】小野 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 裕介
(72)【発明者】
【氏名】亀田 朋美
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-044736(JP,A)
【文献】特開平10-124547(JP,A)
【文献】特開2016-085695(JP,A)
【文献】特開2002-140385(JP,A)
【文献】特開平04-266166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/398
G06Q 50/08
G06Q 50/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CAD装置であって、
間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得手段と、
住宅設備の形状を表す設備情報が記憶された設備情報記憶手段と、
前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を前記設備情報記憶手段から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置手段と、
を具備し
前記住宅設備配置手段は、複数の部品がある1の部屋に設備のシステムキッチンを配置する場合、重なりのある部品を優先して前記設備情報の決定対象とする、
ことを特徴とする建築CAD装置。
【請求項2】
間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CAD装置であって、
間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得手段と、
住宅設備の形状を表す設備情報が記憶された設備情報記憶手段と、
前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を前記設備情報記憶手段から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置手段と、
を具備し
前記住宅設備配置手段は、複数の部品がある1の部屋に設備のシステムキッチンを配置する場合、壁際にある部品を優先して前記設備情報の決定対象とする、
ことを特徴とする建築CAD装置。
【請求項3】
各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件を記憶する配置条件記憶手段、を備え、
前記住宅設備配置手段は、前記決定した設備情報を、前記配置条件に従った方向と向きに配置する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建築CAD装置。
【請求項4】
前記住宅設備配置手段は、前記部品の中心が存在する部屋の情報を使用する、
ことを特徴とする請求項1請求項2又は請求項3に記載の建築CAD装置。
【請求項5】
間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CAD装置であって、
間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得手段と、
住宅設備の形状を表す設備情報が記憶された設備情報記憶手段と、
前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を前記設備情報記憶手段から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置手段と、
を具備し
各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件を記憶する配置条件記憶手段、を備え、
前記住宅設備配置手段は、前記決定した設備情報を、前記配置条件に従った方向と向きに配置し、
前記配置条件記憶手段は、システムキッチンの配置条件として、壁がある側にコンロを配置するように規定されている、
ことを特徴とする建築CAD装置。
【請求項6】
前記配置条件記憶手段は、システムキッチンの配置条件として、対応する部品の長辺の一方が壁際にある場合、前記壁の反対側が立ち位置側となる向きに配置するように規定されている、
ことを特徴とする請求項に記載の建築CAD装置。
【請求項7】
前記配置条件記憶手段は、システムキッチンの配置条件として、対応する部品の長辺の両側が壁際でない場合、部品から壁に近い側が立ち位置側となる向きに配置するように規定されている、
ことを特徴とする請求項に記載の建築CAD装置。
【請求項8】
間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CAD装置であって、
間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得手段と、
住宅設備の形状を表す設備情報が記憶された設備情報記憶手段と、
前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を前記設備情報記憶手段から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置手段と、
を具備し
各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件を記憶する配置条件記憶手段、を備え、
前記住宅設備配置手段は、前記決定した設備情報を、前記配置条件に従った方向と向きに配置し、
前記配置条件記憶手段は、トイレの配置条件として、対応する部品の長手方向を奥行きとし、前記部品がある部屋のスペースがある側が正面側となる向きに配置するように規定されている、
ことを特徴とする建築CAD装置。
【請求項9】
間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CAD装置であって、
間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得手段と、
住宅設備の形状を表す設備情報が記憶された設備情報記憶手段と、
前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を前記設備情報記憶手段から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置手段と、
を具備し
各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件を記憶する配置条件記憶手段、を備え、
前記住宅設備配置手段は、前記決定した設備情報を、前記配置条件に従った方向と向きに配置し、
前記配置条件記憶手段は、ユニットバスの配置条件として、対応する部品がある部屋の出入り口と、当該ユニットバスのドアが一致するように規定されている、
ことを特徴とする建築CAD装置。
【請求項10】
前記設備情報記憶手段は、前記住宅設備の形状として2次元の設備形状が保存されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1の請求項に記載の建築CAD装置。
【請求項11】
前記設備情報記憶手段は、前記住宅設備の形状として3次元の設備形状が保存されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1の請求項に記載の建築CAD装置。
【請求項12】
間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CADプログラムであって、
間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得機能と、
前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を、設備情報記憶手段に記憶された住宅設備の形状を表す設備情報から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置機能と、
をコンピュータに実行させるための建築CADプログラムであり、
前記住宅設備配置機能は、複数の部品がある1の部屋に設備のシステムキッチンを配置する場合、重なりのある部品を優先して前記設備情報の決定対象とする、
ことを特徴とする建築CADプログラム。
【請求項13】
間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CADプログラムであって、
間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得機能と、
前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を、設備情報記憶手段に記憶された住宅設備の形状を表す設備情報から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置機能と、
をコンピュータに実行させるための建築CADプログラムであり、
前記住宅設備配置機能は、複数の部品がある1の部屋に設備のシステムキッチンを配置する場合、壁際にある部品を優先して前記設備情報の決定対象とする、
ことを特徴とする建築CADプログラム。
【請求項14】
間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CADプログラムであって、
間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得機能と、
前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を、設備情報記憶手段に記憶された住宅設備の形状を表す設備情報から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置機能と、
をコンピュータに実行させるための建築CADプログラムであり、
前記住宅設備配置機能は、前記決定した設備情報を、配置条件記憶手段に記憶された各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件に従った方向と向きに配置し、
前記配置条件記憶手段は、システムキッチンの配置条件として、壁がある側にコンロを配置するように規定されている、
ことを特徴とする建築CADプログラム。
【請求項15】
間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CADプログラムであって、
間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得機能と、
前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を、設備情報記憶手段に記憶された住宅設備の形状を表す設備情報から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置機能と、
をコンピュータに実行させるための建築CADプログラムであり、
前記住宅設備配置機能は、前記決定した設備情報を、配置条件記憶手段に記憶された各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件に従った方向と向きに配置し、
前記配置条件記憶手段は、トイレの配置条件として、対応する部品の長手方向を奥行きとし、前記部品がある部屋のスペースがある側が正面側となる向きに配置するように規定されている、
ことを特徴とする建築CADプログラム。
【請求項16】
間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CADプログラムであって、
間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得機能と、
前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を、設備情報記憶手段に記憶された住宅設備の形状を表す設備情報から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置機能と、
をコンピュータに実行させるための建築CADプログラムであり、
前記住宅設備配置機能は、前記決定した設備情報を、配置条件記憶手段に記憶された各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件に従った方向と向きに配置し、
前記配置条件記憶手段は、ユニットバスの配置条件として、対応する部品がある部屋の出入り口と、当該ユニットバスのドアが一致するように規定されている、
ことを特徴とする建築CADプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築CAD装置、及び建築CADプログラムに係り、例えば手書き入力によって簡易に作成された簡易間取り情報を用いて建築図面の作成支援に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅や事務所等の各種建築物の建築図面の作成をコンピュータ処理により支援する各種建築CAD装置が広く使用されている。
例えば特許文献1記載技術では、予め印刷された、建具情報の説明区画と、互いに交差する多数の縦線と横線とを表示した方眼紙状に区分された記入区画とを含む調査用シートを使用し、記入区画に間取りを手書きし、この手書きした間取りを区画毎に画像認識して建築用のCAD情報を生成することで設計支援を行う技術が提供されている。
この技術によれば、建築図面を作成する前の段階で、建物の間取りなどを検討するプランニング作業を顧客(施主)との対面で容易に行うことができる。また、手書きした図面の間取りから建具を自動配置することも可能にしている。
【0003】
しかし、特許文献1に記載した技術では、手書きされた簡単な間取り図を画像認識するので、誤認識が多いという問題があると共に、書き込める情報が間取りや部屋の種類などに限定されていた。このため自動変換した後の建築図面は、必要な修正や追加が必要であった。
そこで、簡易間取り作成アプリを搭載することで、簡易な間取りを容易に作成することが可能な携帯端末が製品化されている。
この簡易間取りアプリでは、携帯端末のタッチパネルから入力ペンを使用して間取りを入力したり、間取りの部屋に対してLDKやトイレ等の部屋名を入力したり、位置を指定して窓やドアといった建具を入力することができる。
【0004】
しかし、特許文献1記載技術では、間取りや建具を自動配置することができても、住宅では必ず設置される、システムキッチンやトイレといった住宅設備については処理対象外であった。
一方、簡易間取りアプリの場合、システムキッチンやトイレ等の設備についても、円形や方形等の簡易形状の部品としてペン入力できるようになっている。しかし、各部品の簡易形状を使用して配置位置を指定しているだけであり、その部品に対応する設備の配置方向や向きを決めることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-38582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、簡易間取りアプリで作成された簡易間取り情報から、部品に対応する設備を建築図面に反映させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)請求項1に記載の発明では、間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CAD装置であって、間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得手段と、住宅設備の形状を表す設備情報が記憶された設備情報記憶手段と、前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を前記設備情報記憶手段から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置手段と、を具備し、前記住宅設備配置手段は、複数の部品がある1の部屋に設備のシステムキッチンを配置する場合、重なりのある部品を優先して前記設備情報の決定対象とする、ことを特徴とする建築CAD装置を提供する。
(2)請求項に記載の発明では、間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CAD装置であって、間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得手段と、住宅設備の形状を表す設備情報が記憶された設備情報記憶手段と、前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を前記設備情報記憶手段から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置手段と、を具備し、前記住宅設備配置手段は、複数の部品がある1の部屋に設備のシステムキッチンを配置する場合、壁際にある部品を優先して前記設備情報の決定対象とする、ことを特徴とする建築CAD装置を提供する。
(3)請求項に記載の発明では、各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件を記憶する配置条件記憶手段、を備え、前記住宅設備配置手段は、前記決定した設備情報を、前記配置条件に従った方向と向きに配置する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建築CAD装置を提供する。
(4)請求項に記載の発明では、前記住宅設備配置手段は、前記部品の中心が存在する部屋の情報を使用する、ことを特徴とする請求項1請求項2又は請求項3に記載の建築CAD装置を提供する。
(5)請求項に記載の発明では、間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CAD装置であって、間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得手段と、住宅設備の形状を表す設備情報が記憶された設備情報記憶手段と、前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を前記設備情報記憶手段から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置手段と、を具備し、各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件を記憶する配置条件記憶手段、を備え、前記住宅設備配置手段は、前記決定した設備情報を、前記配置条件に従った方向と向きに配置し、前記配置条件記憶手段は、システムキッチンの配置条件として、壁がある側にコンロを配置するように規定されている、ことを特徴とする建築CAD装置を提供する。
(6)請求項に記載の発明では、前記配置条件記憶手段は、システムキッチンの配置条件として、対応する部品の長辺の一方が壁際にある場合、前記壁の反対側が立ち位置側となる向きに配置するように規定されている、ことを特徴とする請求項に記載の建築CAD装置を提供する。
(7)請求項に記載の発明では、前記配置条件記憶手段は、システムキッチンの配置条件として、対応する部品の長辺の両側が壁際でない場合、部品から壁に近い側が立ち位置側となる向きに配置するように規定されている、ことを特徴とする請求項に記載の建築CAD装置を提供する。
(8)請求項に記載の発明では、間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CAD装置であって、間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得手段と、住宅設備の形状を表す設備情報が記憶された設備情報記憶手段と、前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を前記設備情報記憶手段から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置手段と、を具備し、各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件を記憶する配置条件記憶手段、を備え、前記住宅設備配置手段は、前記決定した設備情報を、前記配置条件に従った方向と向きに配置し、前記配置条件記憶手段は、トイレの配置条件として、対応する部品の長手方向を奥行きとし、前記部品がある部屋のスペースがある側が正面側となる向きに配置するように規定されている、ことを特徴とする建築CAD装置を提供する。
(9)請求項に記載の発明では、間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CAD装置であって、間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得手段と、住宅設備の形状を表す設備情報が記憶された設備情報記憶手段と、前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を前記設備情報記憶手段から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置手段と、を具備し、各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件を記憶する配置条件記憶手段、を備え、前記住宅設備配置手段は、前記決定した設備情報を、前記配置条件に従った方向と向きに配置し、前記配置条件記憶手段は、ユニットバスの配置条件として、対応する部品がある部屋の出入り口と、当該ユニットバスのドアが一致するように規定されている、ことを特徴とする建築CAD装置を提供する。
(10)請求項10に記載の発明では、前記設備情報記憶手段は、前記住宅設備の形状として2次元の設備形状が保存されている、ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1の請求項に記載の建築CAD装置を提供する。
(11)請求項11に記載の発明では、前記設備情報記憶手段は、前記住宅設備の形状として3次元の設備形状が保存されている、ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1の請求項に記載の建築CAD装置を提供する。
(12)請求項12に記載の発明では、間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CADプログラムであって、間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得機能と、前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を、設備情報記憶手段に記憶された住宅設備の形状を表す設備情報から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置機能と、をコンピュータに実行させるための建築CADプログラムであり、前記住宅設備配置機能は、複数の部品がある1の部屋に設備のシステムキッチンを配置する場合、重なりのある部品を優先して前記設備情報の決定対象とする、ことを特徴とする建築CADプログラムを提供する。
(13)請求項13に記載の発明では、間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CADプログラムであって、間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得機能と、前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を、設備情報記憶手段に記憶された住宅設備の形状を表す設備情報から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置機能と、をコンピュータに実行させるための建築CADプログラムであり、前記住宅設備配置機能は、複数の部品がある1の部屋に設備のシステムキッチンを配置する場合、壁際にある部品を優先して前記設備情報の決定対象とする、ことを特徴とする建築CADプログラムを提供する。
(14)請求項14に記載の発明では、間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CADプログラムであって、間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得機能と、前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を、設備情報記憶手段に記憶された住宅設備の形状を表す設備情報から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置機能と、をコンピュータに実行させるための建築CADプログラムであり、前記住宅設備配置機能は、前記決定した設備情報を、配置条件記憶手段に記憶された各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件に従った方向と向きに配置し、前記配置条件記憶手段は、システムキッチンの配置条件として、壁がある側にコンロを配置するように規定されている、ことを特徴とする建築CADプログラムを提供する。
(15)請求項15に記載の発明では、間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CADプログラムであって、間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得機能と、前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を、設備情報記憶手段に記憶された住宅設備の形状を表す設備情報から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置機能と、をコンピュータに実行させるための建築CADプログラムであり、前記住宅設備配置機能は、前記決定した設備情報を、配置条件記憶手段に記憶された各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件に従った方向と向きに配置し、前記配置条件記憶手段は、トイレの配置条件として、対応する部品の長手方向を奥行きとし、前記部品がある部屋のスペースがある側が正面側となる向きに配置するように規定されている、ことを特徴とする建築CADプログラムを提供する。
(16)請求項16に記載の発明では、間取りを含む簡易間取り情報から、建築用間取りを含む建築図面の作成を支援する建築CADプログラムであって、間取りと、部屋に配置される部品の情報が含まれる簡易間取り情報を取得する簡易間取り情報取得機能と、前記簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を、設備情報記憶手段に記憶された住宅設備の形状を表す設備情報から決定し、前記建築用間取りの対応する部屋に配置する住宅設備配置機能と、をコンピュータに実行させるための建築CADプログラムであり、前記住宅設備配置機能は、前記決定した設備情報を、配置条件記憶手段に記憶された各設備を配置する方向と向きについて規定する配置条件に従った方向と向きに配置し、前記配置条件記憶手段は、ユニットバスの配置条件として、対応する部品がある部屋の出入り口と、当該ユニットバスのドアが一致するように規定されている、ことを特徴とする建築CADプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易間取り情報の部品が配置されている部屋の情報を使用して、当該部品に対応する設備情報を設備情報記憶手段から決定し、建築用間取りの対応する部屋に配置するので、簡易間取りアプリで作成された簡易間取りの部品を建築図面に反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】簡易間取りアプリを搭載した携帯端末と建築CAD装置によるシステム構成を表した図である。
図2】携帯端末の構成図である。
図3】本実施形態における建築CAD装置の構成図である。
図4】建築CAD装置に記憶された配置条件データの説明図である。
図5】簡易間取りアプリを使用して携帯端末で簡易間取りを入力する入力操作についての説明図である。
図6】建築CAD装置による建築図作成処理の処理内容を表したフローチャートである。
図7】簡易間取り情報の部品から、配置条件に従ってシステムキッチンを配置する処理の説明図である。
図8】簡易間取り情報の部品から、配置条件に従ってシステムキッチンを配置する他の処理の説明図である。
図9】簡易間取り情報の部品から、配置条件に従ってシステムキッチンを配置する更に他の処理の説明図である。
図10】簡易間取り情報の部品から、配置条件に従ってトイレを配置する処理の説明図である。
図11】簡易間取り情報の部品から、配置条件に従ってUBを配置する処理の説明図である。
図12】簡易間取り情報の部品から、配置条件に従って洗面台を配置する処理の説明図である。
図13】簡易間取り情報の部品から、配置条件に従って玄関収納を配置する処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の建築CAD装置および建築CADプログラムの公的な実施形態について、図1から図13を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態の建築CAD装置では、携帯端末の簡易間取りプログラムで作成した簡易間取り情報を取得する。そして取得した簡易間取り情報とユーザの選択操作により、建築CAD装置が記憶している建築図面の作成に必要な部屋マスタ、建具マスタ等の各種データを使用して、建築用間取りや建具の配置を含む建築図面の作成を支援する。
更に、建築CAD装置は、簡易間取り情報に含まれる部品と、その部品が配置されている部屋の情報を使用して、部品に対応する設備を設備マスタから決定し、建築図面の間取りに配置する。例えば、長方形状の部品に対して、その部品が台所(部屋タイプ)に入力されていれれば、その部品に対する設備としてシステムキッチンを設備マスタから特定して、建築用間取りの対応する部屋に配置する。
システムキッチンを建築図面に配置する際には、部品が描かれた形状(長方形状)の長手方向を幅としたり、システムキッチンの左右で壁がある側にコンロを配置にしたり、部品の長辺が壁に接している場合には、壁がない側をシステムキッチンの立ち位置とする。このように、システムキッチンやトイレ、ユニットバス(UB)などの設備を配置する方向と向きについて、配置条件データに記憶されている配置条件に基づいて決定する。
【0011】
このように、本発明は携帯端末で入力されることで、また、用紙に手書きされた間取りを認識することで得られる簡易間取り情報を外部から取得して、建築図面を作成することができる。
そして、簡易間取り情報に含まれる部品を単に設備を引き当てて配置するのではなく、設備の向きや方向、位置も考慮した配置の建築用図面を自動で作成することができる。
これにより、簡易間取りアプリを搭載した携帯端末を使用することで、顧客のイメージに合致したプランニングを対面処理で行うことができると共に、作成した簡易間取り情報から建築図面に自動変換する際に、簡易間取り情報の部品に対応する適切な設備を、適切な方向や向きに配置することができる。
【0012】
(2)実施形態の詳細
図1は、本実施形態の建築CAD装置を利用した建築CADシステムの構成を表した図である。
この建築CADシステムは、複数の携帯端末10a、10b、…と、3Dカタログサイト20と、本実施形態の建築CAD装置30等から構成されている。
各携帯端末10a、10b、…には簡易間取りアプリが搭載されている。例えば、建築CAD装置30を有する建築会社の社員が顧客との間で携帯端末10(携帯端末10a、10b、…のうちのいずれか1つをさす、以下同じ)を使用して、建築の初期プランニング作業やリフォーム現況調査等において、対面操作により顧客の希望を取り入れた間取りを順次入力して簡易間取りを作成したり、間取りを提案したりする際に使用される。
この携帯端末10で作成された間取りによる簡易間取り情報は、インターネット等の各種通信手段により3Dカタログサイト20上のクラウドストレージに中間ファイルとしてアップロードされる。アップロードした簡易間取り情報は、作成した顧客や社員、建築会社の建築CAD装置30からダウンロードして、編集したり、建築図面を作成したりすることができる。
【0013】
3Dカタログサイト20は、建築用の建具(窓やドアなど)、住宅用の設備(システムキッチンやトイレ、ユニットバスなど)、壁や屋根などの各種建材、建物の外装仕様などの各種カタログ情報が保存されている。このカタログ情報は、平面図(2次元図)や立体図(3次元図)や、実写真などの形式で保存され、いずれも、携帯端末10や建築CAD装置30と連携して使用される。
3Dカタログサイト20にはまた、各携帯端末10で作成された簡易間取り情報が保存されている。
【0014】
建築CAD装置30は、本実施形態の建築図面作成プログラムや、物件マスタ、部屋マスタ、配置条件データなどの各種データが保存されている。
建築CAD装置30は携帯端末10で作成された簡易間取り情報を取得し、各種マスタを使用して簡易間取り情報から建築図面を作成することができる。
【0015】
図2は、携帯端末10の具体的な構成を表したものである。
図2に示されるように、携帯端末10は、コンピュータシステムで構成され、全体を制御する制御部11を備え、データバス等のバスラインを介して、入力装置としてのタッチパネル12や入力ペン(図示せず)、表示装置13、記憶装置14、通信制御装置15が接続されている。
制御部11は、CPU111、ROM112、RAM113を備えている。
ROM112は、読み取り専用のメモリであって、CPU111が動作する上での基本的なプログラムやパラメータが記憶されている。RAM113は、CPU111にワーキングメモリとして使用されるランダムアクセスメモリである。このRAM113には、簡易間取りアプリにより簡易間取り作成処理を行うための各種エリアや、作成途中の間取り情報等の各種データを保存するエリアなどが確保可能になっている。
【0016】
携帯端末10は、ノートパソコンやタブレット形式の携帯端末が使用可能であるが、図1の建築CADシステムで説明したように、顧客との対面操作によるプランニングを効率的に行うためにタブレット形式の携帯端末が使用されている。
そのため携帯端末10は、装置の略全面に表示画面が配設された出力手段としての表示装置13と、表示装置13の上面に配設された入力手段としてのタッチパネル12を備えている。
なお携帯端末10には、図示しないが入力ペンを備えている。入力ペンはタッチパネル12上をタッチすることで位置を指定したり、線を引いたりするための入力手段である。また、入力手段としてのマウス(図示しない)を接続可能である。携帯端末10としてノートパソコンを使用する場合にはキーボードを入力手段として備える。
表示装置13は、例えば液晶ディスプレイ等が使用され、入力ペンでなぞられた手描きの線が直ちに直線等に変換され、順次作成される簡易間取りが画面表示される。
【0017】
記憶装置14は、例えば、ハードディスクや半導体記憶装置によって構成された大容量の記憶媒体を備えており、簡易間取りアプリ141等の各種プログラムや、作成された簡易間取りから抽出された簡易間取り情報142等の各種データが保存されている。簡易間取りアプリ141については、例えばプログラムサーバ等からインターネットを介してダウンロードされる。
通信制御装置15は、無線回線の電波を送受信するアンテナ(図示しない)を備えており、他の携帯端末やパーソナルコンピュータ、サーバ等との間で無線通信を行う。本実施形態における通信制御装置15は、インターネットにより、3Dカタログサイト20と接続されているが、建築CAD装置30との接続も可能である。
通信制御装置15は、ユーザ操作に基づいて、簡易間取り情報142に保存される簡易間取り情報を3Dカタログサイト20にアップロードする。
【0018】
簡易間取り情報142には、例えば次の各情報が保存される。
(a)「グリッド(grid)」の間隔
(b)「部屋」の座標、名称、タイプ
(c)「建具」の座標、種類
(d)「壁」の座標、タイプ
(e)「開口」の座標
(f)「部品」の座標、サイズ
(g)「バルコニー」の座標、名称
【0019】
図3は、本実施形態における建築CAD装置30の構成を表したものである。
図3に示されるように、建築CAD装置30は、パーソナルコンピュータやサーバ装置等を含むコンピュータシステムによって構成され、全体を制御する制御部31を備えている。この制御部31には、データバス等のバスラインを介して、入力装置32、表示装置33、記憶装置34、通信制御装置35が接続されている。
制御部31は、CPU311、ROM312、RAM313を備えている。
ROM312は、読み取り専用のメモリであって、CPU311が動作する上での基本的なプログラムやパラメータが記憶されている。
RAM313は、CPU311にワーキングメモリとして使用されるランダムアクセスメモリである。このRAM313には、建築図作成プログラムが建築図面を作成する処理を行うための各種エリアや、建築図面の作成に使用される簡易間取り情報を保存するエリア等の各種エリアが確保可能になっている。
【0020】
入力装置32は、図示しないが、キーボードやマウスを備えている。キーボードは、仮名文字やローマ字等を入力するための仮名キーや数字を入力するためのテンキー、各種機能を実行するための機能キー、カーソルキー、等の各種キーが配置されている。マウスは、ポインティングデバイスであり、表示装置33に表示されたキーやアイコン等をクリックすることで対応する機能の指定を行ったり、範囲を指定したりするための入力装置である。
また、入力装置32は、他の入力手段として携帯端末10と同様に、表示装置33上面に配置されるタッチパネルや、入力ペンを備えるようにしてもよい。
【0021】
表示装置33は、例えばCRTや液晶ディスプレイ等が使用される。この表示装置33には、外部から取得した簡易間取り情報で作成された簡易間取り図や、この簡易間取り情報を元に作成された建築図面や、この建築図面を作成する途中においてユーザが選択する情報(各マスタの内容)等が表示される。また、作成途中や完成した建築図面に基づいて作成された建物の外観斜視図や、建物内部の鳥瞰図、特定点を視点とした室内の3次元表示図や、仮想的に人を移動させた場合の視線変化にあわせて変化する室内の変化図(動画)等の、3次元画像が表示されたりするようになっている。
また表示装置33には、キーボードやマウスによる入力結果が表示されたり、最終的に作成されたイメージ情報が表示されたりするようになっている。
【0022】
記憶装置34は、例えば、ハードディスクや半導体記憶装置によって構成された大容量の記憶媒体を備えており、プログラム格納部341、及び、各種データ格納部342~348を備えている。
プログラム格納部341には、本実施形態における建築図作成プログラムをはじめ、建築CAD装置として機能するための各種プログラムが保存されている。建築図作成プログラムには、サブルーチンプログラムとして、例えば、外部から取得した簡易間取り情報を使用して、建築図面用の間取りを自動作成するプログラム、建築用の建具を自動配置するプログラム、設備(住宅設備)をその方向や向きを考慮して自動配置するプログラム、作成した建築図面に基づく3次元画像表示処理プログラム、その他の各種設計支援プログラムが含まれている。
【0023】
物件マスタ342~3Dカタログ346、配置条件データ347は、取得した簡易間取り情報を建築図面に変換する際に使用するデータである。
物件マスタ342~3Dカタログ346には、各マスタ、カタログから決定した対象物(壁、建具、設備など)を建築図面に反映させる場合や、反映させた建築図面に従って3次元画像表示を行う場合に必要な画像データ等や、平面図、立体図として表示するための各種情報が格納されている。
【0024】
物件マスタ342には、基本となる建物仕様について規定する情報が保存されている。建物仕様として、階高、床厚、窓高等の高さ情報や、構造/工法/性能・地域条件や、外壁、断熱、屋根形状等の外部仕様等が規定されている。
この建物仕様については、ユーザが、木造・2階、木造根太レス・2階、2×4造・2階、RC造・2階、等の各仕様のいずれかを選択することで、選択仕様の建築図面が簡易間取り情報から作成される。
【0025】
部屋マスタ343は、玄関、ホール、廊下、キッチン、リビング、ダイニング、DK、LDK、勝手口、洋室、階段、ホール、EV(エレベータ)、…などの建築図面に使用する部屋タイプ(部屋名)の情報が保存されている。
簡易間取り情報に保存された部屋タイプ(部屋名)は、この部屋マスタ343に保存された部屋タイプ(部屋名)に引き当てられる。
このように部屋タイプ(部屋名)を簡易間取り情報と部屋マスタ343間で関連づけることで、各部屋に関連する仕上(天井仕上・床仕上・壁仕上)などの自動設定をする際の基本パターンを決定することができる。
【0026】
建具マスタ344には、玄関や各部屋のドア、窓、障子などの各種建具について種々の種形状や材料、メーカの建具に関する平面図や立体図の情報が保存されている。
携帯端末10で作成された簡易間取り情報に建具の配置位置と形状が指定されている場合には、指定された形状に対応する建具が建具マスタ344から読み出されて、簡易間取り情報上の配置位置に対応する建築図面に配置される。
建具マスタ344には、クイック建具マスタも保存されている。簡易間取り情報で建具が指定されていない場合であっても、参照建具テーブルを使用することで、適切な位置に適切な建具を建築図面に配置することができるようになっている。
【0027】
設備マスタ345には、システムキッチン、トイレ、ユニットバス、洗面台、玄関収納などの設備に関する設備情報として、平面図や立体図が保存されている。
設備マスタ345の各設備情報は、簡易間取り情報で指定された部品の位置に対応する建築図面の位置に配置される。各部品と配置する設備との対応については、簡易間取り情報で指定されている部屋の情報(部屋タイプや部屋名)に基づいて後述する配置条件データ347に従って決定される。例えば、簡易間取り情報で指定されている部品が台所に配置されている場合には、設備マスタ345からシステムキッチンが選択され、建築図面の台所に配置される。
例えば、携帯端末10で作成された簡易間取り情報等のように、部品の形状や配置位置以上の情報が得られない場合、本実施形態では、後述する配置条件データ347を参照して部品に対応する設備を適切な方向や向きに配置するようになっている。
【0028】
3Dカタログ346には、建具マスタ344と設備マスタ345に保存された各建具や設備に対応する実製品の製品情報や、製品に対応する絵柄の画像データ(3D画像の高精細パース)が保存されている。
この3Dカタログ346は、通信制御装置35を介して3Dカタログサイト20からダウンロードして記憶装置34に保存したものである。従って、3Dカタログ346を記憶装置34に保存せずに、必要な建具情報や設備情報を3Dカタログサイト20から取得することも可能である。
【0029】
配置条件データ347には、簡易間取り情報の部品に対応して設備マスタ345で特定した設備が建築図面に使用されるが、この設備の決定と、決定した設備を建築図面に配置する向きと方向を決定するための条件が規定されている。
なお、特定した設備の配置位置については、基の簡易間取り情報において対応する部品が配置されている位置である。
【0030】
図4は、配置条件データ347で規定されている各種条件を表したものである。
図4に示すように、配置条件データ347には、簡易間取り情報における部品が配置されている部屋タイプ(部屋名)と、この部屋タイプに対応して決定される3Dカタログ346の設備と、各設備に対応する配置条件について規定されている。
例えば、台所、DK、LDK等の部屋タイプ(部屋名)に配置されている場合の部品は、設備としてシステムキッチンが選択され、その配置条件が次のように規定されている。
(a)部品の長手方向を設備の幅とする。
(b)重なりのある部品は1つの部品とみなして扱う。例えば、大きな部品の中に並んで小さな部品が2つ記載されている場合には、キッチン本体とシンクとコンロと判断する。
(c)システムキッチンの左右で壁がある方をコンロにする
(d)システムキッチンの前後で壁のない方を立ち位置側にする
(e)システムキッチンの前後にスペースがある場合は、狭い方を立ち位置側にする。
(f)キッチン収納や冷蔵庫、テーブルなどの部品と想定される部品は除外する。
例えば、複数の部品が重なっている他の部品がある場合、その他の部品はキッチン収納や冷蔵庫と考えられるため除外する。
また、壁際に配置されていない部品は、テーブルと判断して除外する。
【0031】
なお、規定されている配置条件データ347としては、図4に示していないが、次の条件も規定されている。
部品から設備を決定するための部屋として、部品の中心がある部屋を使用する。
また部品形状から幅/奥行きを判断して、線描きされた部品にサイズが近い設備を選択するための条件とする。
更に、極端に細かい部品は判断対象から外す。例えば、選択する設備の標準サイズの1/2以下の部品については対象外となる。
【0032】
図3に戻り、通信制御装置35は、無線回線の電波を送受信するアンテナ(図示しない)を備えており、他の携帯端末やパーソナルコンピュータ、サーバ等との間で無線通信を行う。本実施形態における通信制御装置35は、インターネットを介して、3Dカタログサイト20と接続されているが、携帯端末10と直接接続することも可能である。
また通信制御装置35は、無線に限らず、有線によって他の機器と接続するようにし、有線接続された他のコンピュータや携帯端末装置10などから、簡易間取り情報等の各種データやプログラムを取得するようにしてもよい。
通信制御装置35は、ユーザ操作に基づいて、3Dカタログサイト20にアップロードされている簡易間取り情報を指定して取得し、これをRAM313の所定エリアに保存するようになっている。この場合の通信制御装置35は、簡易間取り情報取得手段として機能する。
なお、ダウンロードした簡易間取り情報については、その他のデータ348に保存することも可能である。
【0033】
その他のデータ348には、簡易間取り情報から建築図面を作成するために必要な他のデータや、各携帯端末10の登録ID、携帯端末10の仕様者のIDなどの機器特定情報、更に、外部から取得した簡易間取り情報、作成した建築図面等が保存される。
【0034】
入出力I/F(インターフェイス)36は、USBメモリ、光ディスクドライブ等の外部機器を接続するためのインターフェイスである。
本実施形態では、建築図面に変換する簡易間取り情報を、通信制御装置35を介して3Dカタログサイト20から取得するが、例えば、入出力I/F36に接続されたUSBメモリから取得することも可能である。
【0035】
次に、携帯端末10の簡易間取りアプリ141を使用して簡易間取りを入力する入力操作の概要について説明する。
図5は、簡易間取り入力操作の各状態を表したものである。
上述したように携帯端末10の表示装置13の表面にはタッチパネル12が配置され、表示装置13の表示画面の上部には入力項目を指定する複数のアイコン(機能キー)がアイコン欄161に表示されている。
アイコン欄161に表示されているアイコンは、左側から順番に、ホームアイコン、簡易間取りアイコン、建具アイコン、部品アイコン、部屋名アイコン、マーカーアイコン、線アイコン、視点アイコンが表示されている。これら機能キーが選択されると、入力ペン162で入力された線や指定された位置において、アイコンに対応した入力が行われる。
例えば、建具アイコンを指定した後、入力済みの壁線上の一部を入力ペン162でなぞると、なぞった壁線に対応して窓や扉の建具候補が表示され、ユーザが入力ペン162で選択した建具が、なぞられた位置と範囲に自動配置される。
なお、図示していないが、表示画面には、指定された間隔のグリッドを表示/非表示することができるようになっている。
【0036】
図5(a)は、簡易間取りアイコンを選択した後に、入力ペン162で間取りを入力している状態を表している。
図5(a)に示すように、ユーザは入力ペン162をタッチパネル12に接触させ、画面表示されたグリッド(図示しない)に沿ってなぞっている(移動させている)途中の状態である。この状態ではまだ入力ペン162がタッチパネル12に接した状態なので、入力ペン162がなぞった軌跡163が表示されている。
【0037】
図5(b)は、図5(a)の状態から入力ペン162を移動し、閉領域を形成した後にタッチパネル12から離した状態を表している。
図5(b)に示すように、入力ペン162をタッチパネル12から離すと、軌跡163に対応する太い直線や太い折れ線による壁線164に変換されて表示される。
そして、入力ペン162でなぞった軌跡163が閉領域を構成している場合には、なぞった領域が部屋であると認識されて、間取り(部屋)の外側に寸法線165が表示される。また、部屋の内部には自動的に部屋の面積166が自動計算されて表示される。
【0038】
図5(c)は、入力した間取りに部屋名167、建具168、部品169を入力した状態を表している。
例えば、部屋タイプ(部屋名)167を入力する場合、ユーザはアイコン欄161の左から5番目の部屋名アイコンを選択する。その後、該当する部屋内部に入力ペン162で記入すると、記入された文字が自動認識されて、該当する文字を含む部屋名の候補が画面表示される。ユーザが所望の部屋名を選択することで部屋名167が画面表示される。
同様に、建具168を入力する場合、ユーザは、アイコン欄161の左から3番目に表示された建具アイコンを選択する。その後、建具を配置する壁線164上を入力ペン162でなぞると、その壁(内壁か外壁か等)に応じた建具の候補(窓や戸等)が表示される。ユーザ所望の建具を入力ペン162で選択すると、選択された建具が該当位置に配置される。
【0039】
さらに、部品169の入力は同様にして次のように行われる。
ここで、部品169は、入力した間取り内に配置される応接セット、書棚、食器棚、冷蔵庫などの家具や、建築図面への変換対象である設備(システムキッチンやトイレ)をイメージするためのもので、方形、円形、楕円等の簡易図形で表される。
部品169を入力する場合、ユーザはアイコン欄161の左から4番目の部品アイコンを選択する。その後、該当する壁に沿った位置や部屋の内部に入力ペン162で部品169の簡易形状を線描きすると、線描きされた形状に対応する方形や円形等の簡易形状が画面表示される。
【0040】
以上の各操作は、携帯端末10の簡易間取りアプリに従って処理され、最終的に完成した簡易間取りは、簡易間取り情報142に保存される。
また簡易間取り情報142は、ユーザ操作により通信制御装置15を介して3Dカタログサイト20にアップロードされる。
【0041】
このように携帯端末10では、入力ペン162を使用したペン入力による手描き感で直線を引きながら形状をなぞることで部屋や部材を入力したり、手描き文字を認識して部屋名を設定したりすることができる。これにより、あたかも紙に手描きしているかのような「直感性」でマニュアルを見ずにすぐに使える「利便性」が実現されている。
【0042】
次に、建築CAD装置30により、簡易間取り情報から建築図面を作成する動作について説明する。
図6は、建築CAD装置30による建築図作成処理の処理内容を表したフローチャートである。
この建築図作成処理は、ユーザ操作に従って制御部31がプログラム格納部341の建築図作成プログラムを起動した後に実行される。
プログラムの起動後、制御部31は、簡易間取り情報を取得する(ステップ11)。すなわち、制御部31は、基になる簡易間取り情報を通信制御装置35を介して3Dカタログサイト20からダウンロードし、RAM313の所定エリアに保存する。
【0043】
次に制御部31は、作成する建築図面の建物仕様を決定する(ステップ12)。
すなわち制御部31は、取得した簡易間取り情報から、標準高さ情報や構造情報を取得し、物件マスタ342との関連づけを行うことで、木造二階等の仕様が決定される。
【0044】
次に制御部31は、部屋関連仕上げの自動設定を行う(ステップ13)。
すなわち制御部31は、簡易間取り情報に保存された部屋タイプ(部屋名)を、部屋マスタ343に保存された部屋タイプ(部屋名)に引き当てる。
このように部屋タイプ(部屋名)を簡易間取り情報と部屋マスタ343間で関連づけることで、各部屋に関連する仕上(天井仕上・床仕上・壁仕上)などの自動設定をする際の基本パターンを決定することができる。
【0045】
次に制御部31は、建具の自動設定を行う(ステップ14)。
すなわち制御部31は、取得した簡易間取り情報に建具の配置位置と形状が指定されている場合には、指定された形状に対応する建具を建具マスタ344から読み出し、簡易間取り情報上の配置位置に対応する建築図面に配置する。
一方、制御部31は、簡易間取り情報で建具が指定されていない場合には、建具マスタ344のクイック建具マスタを使用し、例えば、部屋線(壁)が部屋と部屋を仕切る場合であれば、両部屋の種類と部屋線の長さに対応して規定された建具を選択して建築図面に配置する。また、部屋線(壁)が部屋と外部とを仕切る場合であれば、部屋の種類と、部屋線で仕切られる面(壁)の方向と、部屋線の長さとに対応して規定されている建具を選択、配置する。
【0046】
次に制御部31は、建築図面に部材を自動追加する(ステップ15)。
すなわち制御部31は、ステップ12で決定した建物仕様に従い、物件マスタ342を参照して柱、内壁仕上、外壁仕上、床仕上、カマチ、畳、床の間、床柱、などの部材を建築図面に自動配置する。
【0047】
次に制御部31は、設備の自動配置を行う(ステップ16)。
すなわち制御部31は、取得した簡易間取り情報の部品に対応して建築図面に配置する設備を、当該部品が配置されている部屋の情報(部屋タイプや部屋名)に基づいて、配置条件データ347に従って決定する。
そして制御部31は、決定した設備を設備マスタ345から読み出し、当該設備に対応して配置条件データ347の規定に従った向きと配置により建築図面に配置する。設備の配置位置は、当該部品の簡易間取り情報における配置位置に対応する位置である。
なお、配置条件データ347の規定により、各設備の向きと配置を決定する場合の具体例については図面を参照して後述する。
【0048】
次に制御部31は、図面化処理を行う(ステップ17)。
すなわち制御部31は、柱壁一括設定、柱壁包絡処理、目地ぬき処理、建具一括設定、作図範囲、部屋寸法線の設定等を行うことで建築図面を完成させ、処理を終了する。
なお、作成した建築図面は、その他のデータ348等に保存される。
【0049】
図7から図13は、簡易間取り情報の部品から、配置条件データ347の規定に従って設備の向きと配置を決定して建築図面に配置した具体例を表したものであり、各図の(a)は元の簡易間取り情報を、(b)は設備を配置した建築図面を表している。説明の都合上、各図(a)の簡易間取り情報では、建具の表示を省略している。
図7図13では、(a)に表した各部を示す符号にaを付し、(b)に示した符号にはbを付し、(a)と(b)で同一符号の部分は同一対象を表している。
また、図7(a)~図13(a)に表示した点線で表した領域は説明のために記載したものであって、簡易間取り情報にはない情報である。
なお、図7図13の各具体例における判断・決定の主体は制御部31である。
【0050】
図7は、システムキッチンの配置についての具体例である。
図7(a)に示すように、簡易間取り情報では、対象となる部屋に部品51aが1つだけ記載されているので、この部品51aが判断対象となる。そして、部品51aの中心がある部屋の部屋タイプ(部屋名)がLDK50aなので、対応する設備はシステムキッチンであると判定し、部品51aのサイズに近い設備を設備マスタ345から選択する。その際、部屋の幅と部品51aの幅から求めた部品51aの幅に近い幅サイズのシステムキッチンを選択する。
【0051】
選択されたシステムキッチンを建築図面に配置する場合には、部品51aの長手方向を設備(システムキッチン)の幅とし、短手方向が前後方向になる。
そしてシステムキッチンの条件として、部品の左右で壁がある側をコンロ側とすることが規定されているが、図7(a)の例では、腰壁53aと袖壁54aで囲まれた位置に部品51aがあるので、腰壁53a側の位置をコンロ511aの位置に決定する。この決定は、袖壁などで、両方に壁がある場合は、部屋線側の壁を優先してコンロにする、という配置条件による。
更に、部品51aの前後方向(短手方向)のうち、腰壁53aでない方が立ち位置55aとなる向きで配置が決まる。
以上の決定により、図7(b)に示すように、部屋線を表している壁52b側をコンロ511b、袖壁54b側を流し512bとするシステムキッチン51bを、腰壁53bの反対側向きに配置する。
【0052】
図8は、システムキッチンの配置についての他の具体例である。
図8(a)に示した簡易間取り情報は、図7(a)の場合と比べて腰壁53aと袖壁54aがない場合の例である。
この場合も図7(a)と同様にして、部品51aに対応するシステムキッチンが選択され、コンロ(図示しない)は壁52a側の配置となる。
そして、部品51aの前後(短手方向の両側)に壁がないので、スペースが狭い側を立ち位置55aに決定する。
以上の決定に基づいて、図8(b)に示すように、部品51aに対応するシステムキッチン51bを、コンロ511bを壁52b側にして、スペースが狭い側向きに建築図面に配置する。
【0053】
図9は、システムキッチンの配置についての更に他の具体例である。
図9(a)に示した簡易間取り情報は、図7(a)と同様な間取りに、部品51a以外に複数の部品513a、514a、56a、57a、58a、591a~594aが線描きされている場合の例である。
この場合にも、各部品が線描きされている部屋タイプがLDK50aなのでシステムキッチンが選択されるが、どの部品に対応させてシステムキッチンを配置するかを、配置条件データ347から決定する。
まず、重なりのある部品は1つの部品(例えば、システムキッチン本体+シンク+コンロ)と判断したうえで、壁際の部品を優先する、という配置条件から部品58a、591a~594aは対象から除かれる。
そして、重なりのある部品を優先する、という配置条件から部品56aと部品57aが対象から除かれる。その結果、重なりのある部品51a、513a、514aを、システムキッチンに対応させる部品と最終決定する。
【0054】
なお、部品513a、514aが線描きされておらず、部品51aが単独で線描きされていた場合、部品51a、56a、57aから次のようにして決定する。
すなわち、対象の部品が1つの部屋で複数ある場合は、サイズが大きい部品を優先する、という配置条件から、サイズが最大の部品51aに決定される。
【0055】
以上の決定に基づいて、図9(b)に示すように、部品51aに対応するシステムキッチン51bを、コンロ513bを壁52b側にし、スペースが狭い側向きにして建築図面に配置する。
【0056】
図10は、トイレの配置についての具体例である。
図10(a)に示すように、簡易間取り情報では、対象となる部屋に部品61aが1つだけ記載されているので、この部品61aが判断対象となる。
そして、部品61aの中心がある部屋の部屋タイプ(部屋名)がトイレ60aなので、対応させる設備をトイレに決定し、設備マスタ345からトイレを選択する。
なお、トイレのサイズはほぼ同一なので、部品61aのサイズを参考にしないで選択する。
【0057】
そして、決定したトイレに対する配置条件データ347から、部品61aの長手方向をトイレ(設備)の奥行方向に決定すると共に、部品61aの前後でスペースのある側をトイレ(設備)の正面62aに決定する。
以上の決定に基づいて、図10(b)に示すように、部品61aに対応するトイレ61bが、トイレ(部屋)の奥行方向で、ドア63b側のスペースを正面にして建築図面に配置される。
【0058】
なお、簡易間取り情報を表した図10(a)において、部品61aが正面62aの位置(ドア側や、扉と重なる位置)に線描きされていた場合、部品61aをドアと反対側(奥側)に移動した上で、上述の配置条件を判断するようにしてもよい。これにより、ドア側に部品61aが配置されていた場合であっても、図10(b)に示すように正しい位置と向きでトイレ(設備)61bを建築図面に配置することができる。
【0059】
図11は、UB(ユニットバス)の配置についての具体例である。
図11(a)に示すように、簡易間取り情報では、対象となる部屋に部品71a、72aが線描きされている部屋の部屋タイプ(部屋名)がUB70aなので、対応させる設備をユニットバスに決定し、設備マスタ345からユニットバスを選択する。
各部品のうち一番大きいサイズの部品71aを浴槽に、小さい部品72aをカウンタに決定する。
また、部屋線と重なりのある建具(出入口)73aをユニットバスドアとする。
そして、部品(浴槽)71aと建具(ドア)73aの位置から決定したユニットバスタイプのユニットバスを設備マスタ345から選択する。
【0060】
以上の決定に基づいて、図11(b)に示すように、部品71a位置に対応する浴槽71bがあり、部品72aの位置に対応するカウンタ72bがあり、建具(ドア)73aの位置に対応するドア73bがあるユニットバス74bが建築図面に配置される。
【0061】
図12は、洗面台の配置についての具体例である。
図12(a)に示すように、簡易間取り情報では、対象となる部屋に部品81aが記載されている部屋の部屋タイプ(部屋名)が洗面脱衣室80aなので、対応させる設備を洗面台に決定し、設備マスタ345から洗面台を選択する。
そして、決定した洗面台に対する配置条件データ347から、部品81aの長手方向を洗面台の幅方向に決定すると共に、部品81aの前後で壁のない側を洗面台の正面82aに決定する。
以上の決定に基づいて、図12(b)に示すように、部品81aに対応する洗面台81bが、壁のない側を正面にして建築図面に配置される。
【0062】
図13は、玄関収納の配置についての具体例である。
図13(a)に示すように、部品91aは、部屋名が玄関90aの部屋とホール93aの部屋にまたがって線描きされているが、図4に示す、玄関部屋領域と部品が重なっていれば玄関収納の配置対象にする、という配置条件から、対応させる設備を玄関収納に決定し、設備マスタ345から玄関収納を選択する。
そして、決定した玄関収納に対する配置条件データ347から、部品91aの長手方向を玄関収納の幅方向に決定すると共に、部品91aの前後で壁のない側を玄関収納の正面92aに決定する。
以上の決定に基づいて、図13(b)に示すように、部品91aに対応する玄関収納91bが、壁のない側を正面にして建築図面に配置される。
【0063】
以上説明したように本実施形態によれば、簡易間取り情報の部品に対応する設備を決定する場合に、部品が配置されている部屋の情報を使用して決定しているので、簡易間取りアプリで作成された簡易間取り情報の部品に対して、より適切な設備を選択して建築図面に反映させることができる。
また、決定した設備に対応して規定された配置条件に従って、当該設備の配置方向と向きを決定しているので、より適切に設備を配置することができる。
【符号の説明】
【0064】
10 携帯端末
11 制御部
12 タッチパネル
13 表示装置
14 記憶装置
15 通信制御装置
161 アイコン欄
162 入力ペン
20 3Dカタログサイト
30 建築CAD装置
31 制御部
32 入力装置
33 表示装置
34 記憶装置
341 プログラム格納部
342 物件マスタ
343 部屋マスタ
344 建具マスタ
345 設備マスタ
346 3Dカタログ
347 配置条件データ
348 その他のデータ
35 通信制御装置
36 入出力I/F
図1
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