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特許7557343パネル受け材、パネル吊り具及びパネル材の吊り上げ方法
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  • 特許-パネル受け材、パネル吊り具及びパネル材の吊り上げ方法 図1
  • 特許-パネル受け材、パネル吊り具及びパネル材の吊り上げ方法 図2
  • 特許-パネル受け材、パネル吊り具及びパネル材の吊り上げ方法 図3
  • 特許-パネル受け材、パネル吊り具及びパネル材の吊り上げ方法 図4
  • 特許-パネル受け材、パネル吊り具及びパネル材の吊り上げ方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】パネル受け材、パネル吊り具及びパネル材の吊り上げ方法
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/16 20060101AFI20240919BHJP
   B66C 1/24 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
B66C1/16
B66C1/24 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020185641
(22)【出願日】2020-11-06
(65)【公開番号】P2022075083
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】前川 敏晴
(72)【発明者】
【氏名】木内 智子
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-112883(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 1/00- 3/20
E04G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って延び、平面視でパネル材の第一辺に沿って設置されるパネル受け材であって、
前記パネル材の第一辺側の下面が載置される載置面部と、
前記パネル材の第一辺側の上面の上方に配置される上面部と、
前記載置面部と前記上面部とを連結する連結面部と、を備え、
前記載置面部、前記上面部及び前記連結面部によって、前記パネル材の第一辺側の部分が格納可能な格納空間が形成され
前記上面部には、作業者が把持可能な把持部が設けられているパネル受け材。
【請求項2】
第1方向に沿って延び、平面視でパネル材の第一辺に沿って設置されるパネル受け材であって、
前記パネル材の第一辺側の下面が載置される載置面部と、
前記パネル材の第一辺側の上面の上方に配置される上面部と、
前記載置面部と前記上面部とを連結する連結面部と、を備え、
前記載置面部、前記上面部及び前記連結面部によって、前記パネル材の第一辺側の部分が格納可能な格納空間が形成され、
前記連結面部には、前記第1方向に間隔を有して複数の凹部が形成され、
前記凹部に係止されるとともに、前記パネル材の第一辺と直交する第二辺側の部分を支持可能な支持部を備えるパネル受け材。
【請求項3】
第1方向に沿って延び、平面視でパネル材の第一辺に沿って設置されるパネル受け材であって、
前記パネル材の第一辺側の下面が載置される載置面部と、
前記パネル材の第一辺側の上面の上方に配置される上面部と、
前記載置面部と前記上面部とを連結する連結面部と、を備え、
前記載置面部、前記上面部及び前記連結面部によって、前記パネル材の第一辺側の部分が格納可能な格納空間が形成され、
前記上面部の端部には、前記載置面部から離隔する方向に傾斜する傾斜部が設けられているパネル受け材。
【請求項4】
請求項1からのいずれか一項に記載のパネル受け材である第1パネル受け材及び第2パネル受け材と、
前記第1パネル受け材及び前記第2パネル受け材に設けられた吊りワイヤと、を備えるパネル吊り具。
【請求項5】
請求項に記載のパネル吊り具を用いて、前記パネル材を吊り上げるパネル材の吊り上げ方法であって、
前記第1パネル受け材の前記格納空間に前記パネル材の一方の第一辺側の部分を格納する第1格納工程と、
前記第2パネル受け材の前記格納空間に前記パネル材の他方の第一辺側の部分を格納する第2格納工程と、
前記吊りワイヤを吊り上げる吊り上げ工程と、を備えるパネル材の吊り上げ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パネル受け材、パネル吊り具及びパネル材の吊り上げ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建築現場では、外壁パネル、間仕切りやコンクリート板等のパネル材がストックヤード等に仮置きされていて、使用時にクレーン等の機械装置で所定の高さまでパネル材を吊り上げるようなっている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、パネル材の両側の短辺にパネル受け枠が設置され、パネル受け枠に吊りワイヤーが係止され、吊りワイヤーに吊り天秤が取り付けられ、吊り天秤に設けられた係止部を機械装置で吊り上げるようにしたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平5-5788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、機械装置で吊り上げられて吊りワイヤーに引張力が作用すればパネル材が安定するが、それまではパネル材が安定せず、パネル材がパネル受け枠からずれ落ちたりしてしまう可能性がある。このため、パネル材の両側(パネル受け枠が設置される両側)で作業者がパネル材やパネル受け枠を支える必要があり、2人以上で作業する必要がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、パネル受け材のパネル材への設置作業が一人で可能なパネル受け材、パネル吊り具及びパネル材の吊り上げ方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係るパネル受け材は、第1方向に沿って延び、平面視でパネル材の第一辺に沿って設置されるパネル受け材であって、前記パネル材の第一辺側の下面が載置される載置面部と、前記パネル材の第一辺側の上面の上方に配置される上面部と、前記載置面部と前記上面部とを連結する連結面部と、を備え、前記載置面部、前記上面部及び前記連結面部によって、前記パネル材の第一辺側の部分が格納可能な格納空間が形成され、前記上面部には、作業者が把持可能な把持部が設けられている。
【0008】
このように構成されたパネル受け材では、作業者は、載置面部、上面部及び連結面部によって形成される格納空間にパネル材の第一辺側の部分を格納するように、パネル材を配置する。パネル材の上方には上面部が配置されているため、パネル材に力が作用しても上面部によってパネル材の上方への移動が規制され、パネル材がパネル受け材からずれ落ちたりすることがない。よって、作業者は、一人でパネル受け材にパネル材を設置することができる。
また、パネル材にパネル受け材を設置する際には、作業者は上面部に設けられた把持部を把持して作業をすればよいため、作業性が良い。
【0011】
また、本発明に係るパネル受け材は、第1方向に沿って延び、平面視でパネル材の第一辺に沿って設置されるパネル受け材であって、前記パネル材の第一辺側の下面が載置される載置面部と、前記パネル材の第一辺側の上面の上方に配置される上面部と、前記載置面部と前記上面部とを連結する連結面部と、を備え、前記載置面部、前記上面部及び前記連結面部によって、前記パネル材の第一辺側の部分が格納可能な格納空間が形成され、前記連結面部には、前記第1方向に間隔を有して複数の凹部が形成され、前記凹部に係止されるとともに、前記パネル材の第一辺と直交する第二辺側の部分を支持可能な支持部を備えていてもよい。
【0012】
このように構成されたパネル受け材では、支持部を連結面部に形成された凹部に係止すれば、支持部は連結面部に取り付けられる。支持部は、パネル材の第一辺と直交する第二辺側の部分を支持可能であるため、パネル材が第一辺の延在方向に沿う方向へ移動して位置ずれすることがが抑制される。
【0013】
また、本発明に係るパネル受け材は、第1方向に沿って延び、平面視でパネル材の第一辺に沿って設置されるパネル受け材であって、前記パネル材の第一辺側の下面が載置される載置面部と、前記パネル材の第一辺側の上面の上方に配置される上面部と、前記載置面部と前記上面部とを連結する連結面部と、を備え、前記載置面部、前記上面部及び前記連結面部によって、前記パネル材の第一辺側の部分が格納可能な格納空間が形成され、前記上面部の端部には、前記載置面部から離隔する方向に傾斜する傾斜部が設けられていてもよい。
【0014】
このように構成されたパネル受け材では、上面部の端部には載置面部から離隔する方向に傾斜する傾斜部が設けられているため、格納空間にパネル材の第一辺側の部分を格納する際に、パネル材の第一辺が上面部に接触して損傷することが抑制される。
【0015】
また、本発明に係るパネル吊り具は、上記のいずれか一に記載のパネル受け材である第1パネル受け材及び第2パネル受け材と、前記第1パネル受け材及び前記第2パネル受け材に設けられた吊りワイヤと、を備える。
【0016】
このように構成されたパネル吊り具では、作業者は、第1パネル受け材の載置面部、上面部及び連結面部によって形成される格納空間にパネル材の一方の第一辺側の部分を格納する。同様に、第2パネル受け材の格納空間にパネル材の他方の第一辺側の部分を格納する。パネル材の上方には上面部が配置されているため、パネル材に力が作用しても上面部によってパネル材の上方への移動が規制され、パネル材がパネル受け材からずれ落ちたりすることがない。よって、作業者は、一人でパネル受け材にパネル材を設置することができる。
【0017】
また、本発明に係るパネル材の吊り上げ方法は、上記に記載のパネル吊り具を用いて、前記パネル材を吊り上げるパネル材の吊り上げ方法であって、前記第1パネル受け材の前記格納空間に前記パネル材の一方の第一辺側の部分を格納する第1格納工程と、前記第2パネル受け材の前記格納空間に前記パネル材の他方の第一辺側の部分を格納する第2格納工程と、前記吊りワイヤを吊り上げる吊り上げ工程と、を備える。
【0018】
このように構成されたパネル材の吊り上げ方法では、作業者は、第1パネル受け材の載置面部、上面部及び連結面部によって形成される格納空間にパネル材の一方の第一辺側の部分を格納する。同様に、第2パネル受け材の格納空間にパネル材の他方の第一辺側の部分を格納する。パネル材の上方には上面部が配置されているため、パネル材に力が作用しても上面部によってパネル材の上方への移動が規制され、パネル材がパネル受け材からずれ落ちたりすることがない。よって、作業者は、一人でパネル受け材にパネル材を設置することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るパネル受け材、パネル吊り具及びパネル材の吊り上げ方法によれば、パネル受け材のパネル材への設置作業が一人で可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係るパネル吊り具の使用状態を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るパネル受け材を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るパネル吊り具の使用状態を示す図である。
図4図3のA部拡大図である。
図5】作業者が本発明の一実施形態に係るパネル受け材をパネル材に設置する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係るパネル吊り具及びパネル材の吊り上げ方法について、図面を参照して説明する。
【0022】
まず、パネル吊り具について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るパネル吊り具の使用状態を示す斜視図である。
図1に示すように、パネル吊り具100は、一対のパネル受け枠ユニット101と、吊りフック102と、を備えている。パネル吊り具100は、建物の外壁パネル(パネル材)Pを、クレーン等の機械装置(不図示)で所定の高さまで吊り上げる際に使用されるものである。なお、パネル吊り具100は、外壁パネルPの他、間仕切りやコンクリート板等のパネル材を吊り上げる際にも使用可能である。
【0023】
パネル受け枠ユニット101は、パネル受け枠(パネル受け材)1と、2本の吊りワイヤー5と、吊り天秤6と、を有している。一方のパネル受け枠ユニット101のパネル受け枠1が第1パネル受け材とされ、他方のパネル受け枠ユニット101のパネル受け枠1が第2パネル受け材とされている。
【0024】
図2は、パネル受け材1を示す斜視図である。
パネル受け枠1は、枠本体10と、ワイヤー係止体20と、上側体30と、把手(把持部)40と、を備えている。
【0025】
枠本体10は、所定の方向に長い形状をなしている。枠本体10は、載置プレート(載置面部)11と、立設プレート(連結面部)12と、を有している。
【0026】
図1に示すように、以下の説明において、枠本体10の延在方向(第1方向)をX方向とすることがある。平面視で、矩形状をなす外壁パネルPの短辺(第一辺)P1に枠本体10の延在方向(X方向)が沿うように配置して、外壁パネルPの長辺(第一辺と直交する第二辺)P2に沿う方向をY方向とすることがある。X方向及びY方向と直交する方向をZ方向とすることがある。また、枠本体10の載置プレート11が水平面に沿って配置された状態で、上下方向を説明する。
【0027】
図3は、パネル吊り具100の使用状態を示す図であり、X方向から見た図である。図4は、図3のA部拡大図である。
図2に示すように、載置プレート11は、板状に形成されている。載置プレート11の板厚方向は、Z方向を向いている。図4に示すように、載置プレート11上には、外壁パネルPの短辺P1側の下面Pdが載置可能とされている。
【0028】
図2に示すように、立設プレート12は、載置プレート11のY方向の端部から立設されている。立設プレート12は、板状に形成されている。立設プレート12の板厚方向は、Y方向を向いている。
【0029】
立設プレート12のZ方向の端部(上端部)には、下方に凹む係合凹部(凹部)14が形成されている。係合凹部14は、X方向に間隔を有して複数形成されている。
【0030】
係合凹部14には、支持プレート(支持部)16が係止されている。支持プレート16に形成された不図示の凹部が係合凹部14に係止されている。ピン17が締め付けられて、支持プレート16は固定されている。図1に示すように、支持プレート16は、外壁パネルPの長辺P2に対応する位置に配置され、外壁パネルPの長辺P2側の部分を支持(当接)可能とされている。
【0031】
図2に示すように、立設プレート12における載置プレート11側を向く面12aには、Y方向に突出する緩衝材18が設けられている。緩衝材18は、X方向に間隔を有して複数設けられている。Y方向から見て、緩衝材18は、環状をなしている。図4に示すように、載置プレート11上に外壁パネルPの短辺P1側が載置された状態で、緩衝材18は、短辺P1に当接可能とされている。これによって、外壁パネルPの短辺P1の損傷や欠け等が抑制される。
【0032】
図2に示すように、ワイヤー係止体20は、枠本体10のX方向の両端部に設けられている。ワイヤー係止体20は、一対の係止プレート21と、連結軸部22と、を有している。
【0033】
一対の係止プレート21は、X方向に間隔を有して配置されている。連結軸部22は、一対の係止プレート21どうしを連結している。
【0034】
図4に示すように、上側体30は、接合プレート31と、上側プレート(上面部)32と、を有している。上側体30は、パネル受け枠1の長手方向(延在方向)の略中央に配置されている。
【0035】
接合プレート31は、枠本体10の立設プレート12における載置プレート11側と反対側に配置されている。接合プレート31は、立設プレート12に接合されている。接合プレート31は板状に形成されている。接合プレート31の板厚方向は、Y方向を向いている。
【0036】
上側プレート32は、接合プレート31のZ方向の端部(上端部)からY方向に延びている。上側プレート32は、枠本体10の載置プレート11の上方に配置されている。枠本体10の立設プレート12は、載置プレート11と上側プレート32とを接合プレート31を介して連結している。
【0037】
載置プレート11、立設プレート12及び上側プレート32によって、格納空間s1が形成されている。格納空間s1には、外壁パネルPの短辺P1及び短辺P1側の部分が格納可能とされている。
【0038】
載置プレート11上に外壁パネルPが載置された状態で、上側プレート32は、外壁パネルPの短辺P1の上面Puの上方に配置されている。
【0039】
上側プレート32の端部(接合プレート31と反対側の端部)には、Y方向における立設プレート12側と反対側に向かうにしたがって、載置プレート11から離隔する方向に傾斜する傾斜壁部(傾斜部)33が設けられている。
【0040】
図2に示すように、把手40は、上側体30の上側プレート32の上面32uに設けられている。把手40は、作業者が把持可能な形状をしている。
【0041】
吊りワイヤー5の下端部は、各ワイヤー係止体20の連結軸部22に係止されている。図1に示すように、吊り天秤6は、パネル受け枠1の両端に設けられた吊りワイヤー5を連結している。吊り天秤6は、パネル受け枠1を水平に維持する機能を有している。吊りフック102には、4本の吊りワイヤー5の上端部が係止されている。
【0042】
次に、パネル吊り具100を用いて、外壁パネルPを吊り上げるパネル材の吊り上げ方法について説明する。
【0043】
まず、第1格納工程を行う。
図5に示すように、作業者は、作業台Qの上に外壁パネルPを載置する。外壁パネルPの一方の短辺P1側を作業台Qよりも手前に突出させて(引き出した)状態で、対をなす一方のパネル受け枠1の把手40を把持して、格納空間s1(図4参照)に一方の短辺P1側の部分を格納するように、短辺P1に対して斜め下方からパネル受け枠1を差し込む。枠本体10の載置プレート11上に外壁パネルPの下面Pdを載置して、外壁パネルPをパネル受け枠1の長手方向の略中央に配置する。外壁パネルPの長辺P2側の部分に支持プレート16が当接(またはわずかに離間して)配置される位置に、支持プレート16を枠本体10の係合凹部14に係止させる。これによって、一方のパネル受け枠1が外壁パネルPの一方の短辺P1側に設置される。
【0044】
次に、第2格納工程を行う。
上記の第1格納工程と同様の作業を、他方の短辺P1側についても行う。対をなす他方のパネル受け枠1の格納空間s1に他方の短辺P1側の部分を格納するように、他方のパネル受け枠1を外壁パネルPの他方の短辺P1側に設置する。
【0045】
次に、吊り上げ工程を実施する。
クレーン等の機械装置の係止フック(不図示)にフック102を係止させて、パネル吊り具100を吊り上げる。外壁パネルPの短辺P1側の上方にはパネル受け枠1の上側プレート32が配置されているため、外壁パネルPに力が作用しても上側プレート32によって外壁パネルPの上方への移動が規制される。よって、作業者は、一対のパネル受け枠1全てを抑えておく必要がない。
【0046】
所定の位置に外壁パネルPが到達すると、機械装置の係止フックからフック102を外す。
【0047】
このように構成されたパネル吊り具100及びパネル材の吊り上げ方法では、作業者は、枠本体10の載置プレート11、上側プレート32及び立設プレート12によって形成される格納空間s1に外壁パネルPの短辺P1側の部分を格納するように、外壁パネルPを配置する。外壁パネルPの上方には上側プレート32が配置されているため、外壁パネルPに力が作用しても上側プレート32によって外壁パネルPの上方への移動が規制され、外壁パネルPがパネル受け枠1からずれ落ちたりすることがない。よって、作業者は、一人でパネル受け枠1に外壁パネルPを設置することができる。
【0048】
また、外壁パネルPにパネル受け枠1を設置する際には、作業者は上側プレート32に設けられた把手40を把持して作業をすればよいため、作業性が良い。
【0049】
また、支持プレート16を立設プレート12に形成された係合凹部14に係止すれば、支持プレート16は立設プレート12に取り付けられる。支持プレート16は、外壁パネルPの短辺P1と直交する長辺P2側の部分を支持可能であるため、外壁パネルPがX方向へ移動して位置ずれすることがが抑制される。
【0050】
また、上側プレート32の端部には枠本体10の載置プレート11から離隔する方向に傾斜する傾斜壁部33が設けられているため、格納空間s1に外壁パネルPの短辺P1側の部分を格納する際に、外壁パネルPの短辺P1が上側プレート32に接触して損傷することが抑制される。
【0051】
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0052】
例えば、上記に示す実施形態では、枠本体10の長手方向の略中央に上側体30の上側プレート32が配置されているが、本発明はこれに限られない。上側プレート32は、枠本体10の長手方向に離間して複数配置されていてもよい。
【0053】
また、上記に示す実施形態では、上側体30に把手40が設けられているが、本発明はこれに限られない。把持部は、枠本体10に直接設けられていてもよく、あるいは設けられていなくてもよい。
【0054】
また、上記に示す実施形態では、支持プレート16は、枠本体10の係合凹部14に係止されることで、枠本体10に取り付けられる構成であるが、本発明はこれに限られない。支持部をボルト及びナット等の周知の固定手段で固定する構成であってもよく、あるいは支持部が設けられていなくてもよい。
【0055】
また、上記に示す実施形態では、上側体30には傾斜壁部33が設けられているが、本発明はこれに限られない。上面部の端部に傾斜部が設けられていなくてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 パネル受け枠(パネル受け材)
5 吊りワイヤー
11 載置プレート(載置面部)
12 立設プレート(連結面部)
14 係合凹部(凹部)
16 支持プレート(支持部)
32 上側プレート(上面部)
33 傾斜壁部(傾斜部)
40 把手(把持部)
100 パネル吊り具
101 パネル受け枠ユニット
P 外壁パネル(パネル材)
P1 短辺(第一辺)
P2 長辺(第一辺と直交する第二辺)
s1 格納空間
図1
図2
図3
図4
図5