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特許7557363たばこ商品受注支援システム及びたばこ商品受注支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】たばこ商品受注支援システム及びたばこ商品受注支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20240919BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240919BHJP
【FI】
G06Q10/087
G06Q30/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020218362
(22)【出願日】2020-12-28
(65)【公開番号】P2022103619
(43)【公開日】2022-07-08
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】504393220
【氏名又は名称】TSネットワーク株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503069539
【氏名又は名称】株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・ウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】中島 良二
(72)【発明者】
【氏名】柿本 直人
(72)【発明者】
【氏名】橘高 博史
(72)【発明者】
【氏名】井上 勉
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/196032(WO,A1)
【文献】特開2018-097475(JP,A)
【文献】国際公開第2014/098039(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
たばこ商品の一般流通用の特定銘柄の銘柄識別子と、価格、タール量及びニコチン量が少なくとも該特定銘柄と同じであり流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子とが関連付けられた銘柄管理情報を格納する銘柄情報格納部を参照可能な参照手段と、
発注対象のたばこ商品の銘柄識別子を一以上含む発注銘柄情報及び発注元情報を取得する手段と、
前記取得された発注銘柄情報に含まれる一以上の銘柄識別子の中から前記特定銘柄の銘柄識別子を抽出する手段と、
前記銘柄管理情報において前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子に関連付けられている前記限定銘柄の銘柄識別子を特定する特定手段と、
前記取得された発注元情報が示す発注元の受注銘柄情報であって、前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子が前記特定された限定銘柄の銘柄識別子に置換された受注銘柄情報を生成する生成手段と、
を備えるたばこ商品受注支援システム。
【請求項2】
前記取得された発注元情報に基づいて、発注元が前記特定された限定銘柄の小売販売を許可されているか否かを判定する発注元判定手段、
を更に備え、
前記発注元判定手段による判定の結果に応じて、前記生成手段による前記特定銘柄の銘柄識別子の前記限定銘柄の銘柄識別子への置換の要否が決定される、
請求項1に記載のたばこ商品受注支援システム。
【請求項3】
前記取得された発注銘柄情報から抽出された銘柄識別子が流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子であるか否かを判定する手段を更に備え、
前記発注元判定手段は、前記抽出された銘柄識別子が流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子である場合には、前記発注元が該限定銘柄の小売販売を許可されているか否かの判定を行い、前記抽出された銘柄識別子が該限定銘柄を示さない場合には、該判定を行わない、
請求項2に記載のたばこ商品受注支援システム。
【請求項4】
前記生成された受注銘柄情報に基づいて納品情報を生成する納品情報生成手段、
を更に備え、
前記納品情報生成手段は、前記生成された受注銘柄情報に、置換された限定銘柄の銘柄識別子が含まれているか否かを判定し、置換された限定銘柄の銘柄識別子が含まれている場合には、該置換された限定銘柄の銘柄識別子を元の特定銘柄の銘柄識別子に戻した前記納品情報を生成する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のたばこ商品受注支援システム。
【請求項5】
前記参照手段は、前記特定銘柄及び前記限定銘柄を含むたばこ商品の銘柄ごとの在庫情報を格納する在庫情報格納部を更に参照可能であり、
前記特定手段は、前記銘柄管理情報において前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子に一以上の限定銘柄の銘柄識別子が関連付けられている場合には、前記在庫情報格納部に格納されている該一以上の限定銘柄の在庫情報及び前記取得された発注銘柄情報に含まれる該特定銘柄の発注数に基づいて、該一以上の限定銘柄の中に該発注数を満たす在庫数を持つ限定銘柄があるか否かを判定し、該一以上の限定銘柄のいずれもが該発注数を満たさない場合には、該特定銘柄に対して限定銘柄の銘柄識別子の特定を行わない、
請求項1から4のいずれか一項に記載のたばこ商品受注支援システム。
【請求項6】
前記参照手段は、前記特定銘柄及び前記限定銘柄を含むたばこ商品の銘柄ごとの在庫情報を格納する在庫情報格納部を更に参照可能であり、
前記銘柄管理情報では、前記特定銘柄の銘柄識別子に対して複数の限定銘柄の銘柄識別子が関連付けられている場合には、該複数の限定銘柄の銘柄識別子には優先順位が付されており、
前記特定手段は、前記銘柄管理情報において前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子に複数の限定銘柄の銘柄識別子が関連付けられている場合には、該複数の限定銘柄の銘柄識別子に付与されている優先順位及び前記在庫情報格納部に格納されている該複数の限定銘柄の在庫情報に基づいて、該複数の限定銘柄の銘柄識別子の中の一つを特定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のたばこ商品受注支援システム。
【請求項7】
前記銘柄管理情報では、前記限定銘柄の銘柄識別子に対して開始日若しくは廃止日の一方又は両方が設定されており、
前記特定手段は、前記銘柄管理情報に設定されている前記限定銘柄の銘柄識別子の開始日若しくは廃止日の一方又は両方を特定し、
前記取得された発注銘柄情報に含まれる発注日と前記特定された開始日若しくは廃止日の一方又は両方との関係により、前記生成手段による前記特定銘柄の銘柄識別子の前記限定銘柄の銘柄識別子への置換の有無が変わる、
請求項1から6のいずれか一項に記載のたばこ商品受注支援システム。
【請求項8】
たばこ商品の一般流通用の特定銘柄の銘柄識別子と、価格、タール量及びニコチン量が少なくとも該特定銘柄と同じであり流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子とが関連付けられた銘柄管理情報を格納する銘柄情報格納部を参照可能な一以上のコンピュータにより実行されるたばこ商品受注支援方法であって、
発注対象のたばこ商品の銘柄識別子を一以上含む発注銘柄情報及び発注元情報を取得し、
前記取得された発注銘柄情報に含まれる一以上の銘柄識別子の中から前記特定銘柄の銘柄識別子を抽出し、
前記銘柄管理情報において前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子に関連付けられている前記限定銘柄の銘柄識別子を特定し、
前記取得された発注銘柄情報に対応する受注銘柄情報であって、前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子が前記特定された限定銘柄の銘柄識別子に置換された受注銘柄情報を生成する、
ことを含むたばこ商品受注支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たばこ販売店等からのたばこ商品の受注に関連する業務を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこの小売販売業を営むには財務大臣の許可が必要であり、小売価格についても認可された定価でなければならない等、たばこ小売販売には各種規制が設けられている。このため、たばこ流通事業者は、小売販売の許可を受けたたばこ販売店等からのみ発注を受け付け納品するようにしなければならない。なお、電子たばこ、加熱式たばこの使用に必要なデバイス・アクセサリのようなたばこの付属として提供されるたばこ付属商品には、上述のような小売販売許可は不要である。
【0003】
下記特許文献1には、たばこ小売店等において商品の注文業務を支援するシステムが開示されている。このシステムは、商品の発注先に設置されたセンター装置と、商品の発注元に設置された発注端末とからなり、この発注端末はタッチパネル式の入力手段と、商品データ、送受信人データ、入力手段のキー位置データなどのデータベースを格納し、入力手段から入力された注文情報を表示し、その注文情報及び送信人データをセンター装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-212740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たばこメーカは、地域限定、販売店限定のように流通を限定して或る特定のたばこ商品を販売する販売促進施策を採る場合がある。このような流通限定を利用した販売促進施策は、小売販売側で対応することもできるが、対象となるたばこ販売店等が多ければ多い程、その施策を浸透させることが難しくなる。
そこで、たばこ流通事業者側でそのような流通限定を利用した販売促進施策に対応する必要がある。しかしながら、たばこ流通事業者にとって流動的に行われる販売促進施策に都度対応するには多くの労力が必要となる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、流通制限を利用したたばこ商品の販売促進施策に適切かつ効率的に対応可能なたばこ商品の受注支援技術を提供する。
本明細書において用語「たばこ商品」は、紙巻たばこ、葉巻たばこ、噛みたばこ、嗅ぎたばこ、パイプたばこに加えて、電子たばこ、加熱式たばこ等と呼ばれるたばこに用いられるカートリッジ等を含み、更には、アクセサリのようなたばこの付属として提供されるたばこ付属商品をも包含する広い意味で用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、たばこ商品の一般流通用の特定銘柄の銘柄識別子と、価格、タール量及びニコチン量が少なくとも該特定銘柄と同じであり流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子とが関連付けられた銘柄管理情報を格納する銘柄情報格納部を参照可能な参照手段と、発注対象のたばこ商品の銘柄識別子を一以上含む発注銘柄情報及び発注元情報を取得する手段と、前記取得された発注銘柄情報に含まれる一以上の銘柄識別子の中から前記特定銘柄の銘柄識別子を抽出する手段と、前記銘柄管理情報において前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子に関連付けられている前記限定銘柄の銘柄識別子を特定する特定手段と、前記取得された発注元情報が示す発注元の受注銘柄情報であって、前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子が前記特定された限定銘柄の銘柄識別子に置換された受注銘柄情報を生成する生成手段とを備えるたばこ商品受注支援システムが提供され得る。
また、他の側面として、本発明によれば、たばこ商品の一般流通用の特定銘柄の銘柄識別子と、価格、タール量及びニコチン量が少なくとも該特定銘柄と同じであり流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子とが関連付けられた銘柄管理情報を格納する銘柄情報格納部を参照可能な一以上のコンピュータにより実行されるたばこ商品受注支援方法であって、発注対象のたばこ商品の銘柄識別子を一以上含む発注銘柄情報及び発注元情報を取得し、前記取得された発注銘柄情報に含まれる一以上の銘柄識別子の中から前記特定銘柄の銘柄識別子を抽出し、前記銘柄管理情報において前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子に関連付けられている前記限定銘柄の銘柄識別子を特定し、前記取得された発注銘柄情報に対応する受注銘柄情報であって、前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子が前記特定された限定銘柄の銘柄識別子に置換された受注銘柄情報を生成することを含むたばこ商品受注支援方法も提供され得る。
その他、例えば、上述のたばこ商品受注支援方法を一以上のコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが提供されてもよいし、このようなコンピュータプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、流通制御を利用したたばこ商品の販売促進施策に適切かつ効率的に対応可能なたばこ商品の受注支援技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るたばこ商品受注支援システムのシステム構成の概念図である。
図2】支援サーバのハードウェア構成を概念的に示すブロック図である。
図3】支援サーバのソフトウェア構成例を概念的に示すブロック図である。
図4】銘柄マスタテーブルの例を示す図である。
図5】子銘柄管理テーブルの例を示す図である。
図6】たばこメーカによる販売促進施策に応じた限定銘柄の例を示す図である。
図7】発注元マスタテーブルの例を示す図である。
図8】発注元限定テーブルの例を示す図である。
図9】本実施形態に係るたばこ商品受注支援方法の一部の工程を示すフローチャートである。
図10】本実施形態に係るたばこ商品受注支援方法の残りの一部の工程を示すフローチャートである。
図11】発注元限定テーブルの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に挙げる実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
【0011】
[概要]
本実施形態に係るたばこ商品受注支援システム(以降、本システムと表記する場合がある)1の詳細を説明する前に、本システム1の特徴の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係るたばこ商品受注支援システム1のシステム構成の概念図である。
本システム1は、図1に示されるように、たばこ商品の小売販売を行うたばこ販売店、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等からたばこ商品の発注を受け付ける業務(受注業務)等を支援する。以降、たばこ商品の小売販売を行う事業者(店舗)を小売店或いは発注元店舗と表記する。
本実施形態では、説明を分かり易くするために、主に紙巻たばこをたばこ商品の一例として挙げて説明するが、当然ながら、本システム1は、紙巻たばこ以外のたばこ商品に関しても同様に対応可能である。
本システム1は、主に、次のような手段を備えている。これら手段は、後述する支援サーバ10の動作により実現される。
【0012】
本システム1は、たばこ商品の一般流通用の特定銘柄の銘柄識別子と、価格、タール量及びニコチン量が少なくともその特定銘柄と同じであり流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子とが関連付けられた銘柄管理情報を格納する銘柄情報格納部を参照可能な参照手段を備えている。
本明細書で「銘柄」とは、定価認可を得たたばこ製品単位を示す意味のみでなく、流通や在庫管理の場面において管理される商品単位を示す意味で用いる。このため、上述の銘柄管理情報において関連付けられている特定銘柄と限定銘柄とは、定価認可を得たたばこ製品単位でみれば同一銘柄であり、流通や在庫管理の場面においては一般流通用の銘柄と流通が制限される銘柄とで異なる銘柄となる。
「一般流通用の特定銘柄」とは、たばこ商品の一般流通用の銘柄の中の、銘柄管理情報で限定銘柄と関連付けられている特定の銘柄である。
「流通が制限される限定銘柄」とは、たばこ商品の販売促進施策によって小売販売される期間、地域或いは小売店が限定される銘柄を意味する。本明細書では、流通が制限される銘柄を限定銘柄と表記する。
上述の銘柄情報格納部は、本システム1内における支援サーバ10又は他のサーバ装置に設けられていてもよいし、本システム1外に設けられていてもよい。
【0013】
また、本システム1は、発注対象のたばこ商品の銘柄識別子を一以上含む発注銘柄情報及び発注元情報を取得する手段を備えている。
発注銘柄情報は、発注元店舗により発注された各銘柄のたばこ商品をそれぞれ識別し得る一以上の銘柄識別子を含む。
発注元情報は、その発注元店舗に関する情報であり、例えば、発注元店舗を識別し得る識別子を含む。
発注銘柄情報及び発注元情報の取得手法は何ら限定されず、その詳細は後述する。
【0014】
更に、本システム1は、取得された発注銘柄情報に含まれる一以上の銘柄識別子の中から当該特定銘柄の銘柄識別子を抽出する手段と、銘柄管理情報において当該抽出された特定銘柄の銘柄識別子に関連付けられている限定銘柄の銘柄識別子を特定する特定手段とを備えている。
これら手段により、取得された発注銘柄情報から、銘柄管理情報において限定銘柄の銘柄識別子と関連付けられている特定銘柄の銘柄識別子が検出され、その特定銘柄の銘柄識別子と関連付けられている限定銘柄の銘柄識別子が特定される。
【0015】
加えて、本システム1は、取得された発注元情報が示す発注元の受注銘柄情報であって、上述のように抽出された特定銘柄の銘柄識別子が上述のように特定された限定銘柄の銘柄識別子に置換された受注銘柄情報を生成する生成手段を備える。
生成手段は、発注銘柄情報を更新して受注銘柄情報としてもよいし、発注銘柄情報とは別に発注銘柄情報の一部を少なくとも含むように受注銘柄情報を生成してもよい。
このように生成された受注銘柄情報は、販売物流システム(図示せず)により参照されて、仕分業務、配達業務、決済業務等により利用される。
【0016】
このように本実施形態では、一般流通用の特定銘柄の銘柄識別子と流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子とが関連付けられた銘柄管理情報を格納する銘柄情報格納部が参照されて、発注銘柄情報からの特定銘柄の銘柄識別子の抽出、及びその特定銘柄の銘柄識別子に関連付けられている限定銘柄の銘柄識別子の特定が行われ、特定銘柄の銘柄識別子が限定銘柄の銘柄識別子に置換された受注銘柄情報が生成される。
これにより、発注元店舗が、たばこメーカによる販売促進施策を意識することなく一般流通用の特定銘柄の銘柄識別子を指定して発注をしても、特定銘柄と限定銘柄とが関係付けられた銘柄管理情報を準備しておくことで、その施策に応じた限定銘柄が自動で引き当てられることになる。
このように本実施形態によれば、受注業務において、流通制限を利用したたばこ商品の販売促進施策に適切かつ効率的に対応することができる。
【0017】
[たばこ商品受注支援システム]
以下、上述のような特徴を有する本実施形態に係るたばこ商品受注支援システム(本システム)1について詳細に説明する。
本システム1は、例えば、倉庫管理システム、仕分支援システム、配達管理システム等と共にたばこ商品の販売物流システムを構成し、図1に示されるように、発注元となる小売店2に対して様々な受注チャンネルを提供することができる。例えば、電話、FAX、WEB、電子メール、電子発注システム(EOS)等が受注チャンネルとして提供され得る。但し、本システム1によりサポートされる受注チャンネルはこのような例に限定されない。
【0018】
本システム1は、少なくとも支援サーバ10を有している。
図2は、支援サーバ10のハードウェア構成を概念的に示すブロック図である。
支援サーバ10は、いわゆるコンピュータであり、図2に示されるように、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、入出力インタフェース(I/F)13、通信ユニット14等を有する。CPU11は、他の各ユニットとバス等の通信線により接続される。
CPU11には、一般的なCPUに加えて、MCU(Micro Controller Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、特定用途向け集積回路(ASIC)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等も含まれる。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
【0019】
入出力I/F13は、表示装置15、入力装置16等のユーザインタフェース装置と接続可能である。表示装置15は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイのような、CPU11等により処理された描画データに対応する画面を表示する装置である。入力装置16は、キーボード、マウス等のようなユーザ操作の入力を受け付ける装置である。表示装置15及び入力装置16は一体化されたタッチパネルであってもよいし、接続されていなくてもよい。
通信ユニット14は、他のコンピュータとの有線通信又は無線通信や、他の機器との信号のやりとり等を行う。本実施形態では、通信ユニット14は、小売店2からFAXや電話で受け付けた発注情報が入力される電子受注システムや電子発注システム(EOS)等と通信することができる。なお、通信ユニット14には、可搬型記録媒体等も接続され得る。
【0020】
図2に示されるハードウェア構成は一例であり、支援サーバ10のハードウェア構成は、図2で示される例に限定されない。支援サーバ10は、図示されていない他のハードウェア要素を有することができるし、各ハードウェア要素の数も、図2の例に限定されない。例えば、支援サーバ10は複数のCPU11を有していてもよい。また、支援サーバ10は複数台のコンピュータにより構成されていてもよい。
【0021】
図3は、支援サーバ10のソフトウェア構成例を概念的に示すブロック図である。支援サーバ10は、ソフトウェア要素として、情報取得部21、銘柄判定部22、発注元判定部23、情報生成部24、データ参照部25、情報管理データベース(DB)26等を有する。これら各ソフトウェア要素は、例えば、CPU11によりメモリ12に格納されるコンピュータプログラムが実行されることによりそれぞれ実現される。また、当該コンピュータプログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから入出力I/F13又は通信ユニット14を介してインストールされ、メモリ12に格納されてもよい。
【0022】
情報管理DB26は、概要の項で述べた銘柄管理情報に加えて、小売店に関する情報やたばこ商品の各銘柄の在庫情報などを格納する。情報管理DB26は、銘柄情報格納部、在庫情報格納部等と表記することができる。本実施形態において情報管理DB26は、図4から図7に例示される各種データテーブルを格納する。
【0023】
図4は、銘柄マスタテーブルの例を示す図である。
銘柄マスタテーブルは、図4に示されるように、銘柄ID、銘柄名称、銘柄画像、価格、タール量、ニコチン量、個装本数、開始日、廃止日、限定フラグ等の銘柄情報(以降、銘柄レコードと表記する場合もある)をたばこ商品(本実施形態では紙巻きたばこ)の銘柄ごとに格納する。本実施形態では、銘柄マスタテーブルには、一般流通用の銘柄に加えて、たばこメーカによる販売促進施策に応じた限定銘柄に関する銘柄情報が格納される。但し、銘柄マスタテーブルには一般流通用銘柄の銘柄情報のみが格納されるようにしてもよい。銘柄マスタテーブルには、図4に例示されていない、喫味等の他の銘柄情報が格納されてもよい。
【0024】
銘柄IDは、たばこ商品の銘柄を識別し得る情報であり、受注引当或いは在庫引当の対象とされる商品単位となる銘柄ごとに付与される識別子である。銘柄IDは銘柄コードと呼ぶこともできる。銘柄マスタテーブルに格納される各銘柄レコードにはそれぞれユニークな銘柄IDが含まれている。本実施形態では、銘柄マスタテーブルに格納される各銘柄レコードは、定価認可を得たたばこ製品単位の銘柄をそれぞれ示すものとする。但し、別例として、銘柄マスタテーブルに個別の銘柄レコードとして格納される一般流通用銘柄と限定銘柄とが定価認可を得たたばこ製品単位でみた場合に同一の銘柄を示すものとされてもよい。
開始日は受注の受付を開始する年月日を示す。但し、別例として、この開始日は販売を開始する年月日とされてもよい。
廃止日は受注の受付を終了する年月日を示す。但し、別例として、この廃止日は販売を終了する年月日とされてもよい。
限定フラグは、一般流通用の銘柄か限定銘柄かのいずれであるかを示すフラグであり、図4の例では限定銘柄であればフラグが設定され(ONの設定)、一般流通用の銘柄であればフラグが解除される(OFFの設定)。図4の例では、銘柄IDが1000である銘柄「スタータバコ・オリジナル」、銘柄IDが1001である銘柄「スタータバコ・ライト」、銘柄IDが1002である銘柄「スタータバコ・スーパーライト」が一般流通用の銘柄であり、銘柄IDが9000である銘柄「リミットスタータバコ」が限定銘柄である。
【0025】
図5は、子銘柄管理テーブルの例を示す図である。
子銘柄管理テーブルは、たばこメーカによる販売促進施策に応じた限定銘柄に関する情報を格納する。子銘柄管理テーブルに銘柄情報が格納される各限定銘柄は、銘柄マスタテーブルに銘柄情報が格納されるいずれか一つの特定銘柄に関連付けられる。このように子銘柄管理テーブルに格納される情報は銘柄管理情報と表記することができる。
本明細書では、子銘柄管理テーブルに銘柄情報が格納される銘柄を子銘柄と表記し、その子銘柄に関連付けられて銘柄マスタテーブルに格納される銘柄を親銘柄と表記する場合がある。親銘柄と子銘柄とは、定価認可を得たたばこ製品単位でみた場合に同一の銘柄を示し、少なくとも価格、タール量及びニコチン量が同じ銘柄となる。
子銘柄管理テーブルは、子銘柄ごとに、関連付けられた親銘柄の銘柄ID(親銘柄ID)、子銘柄の銘柄ID(子銘柄ID)、銘柄画像、開始日、廃止日、限定フラグ、引当順位等の情報(以降、子銘柄レコードと表記する場合がある)を格納する。
【0026】
親銘柄IDは、その子銘柄に関連付けられる親銘柄の銘柄IDを示し、銘柄マスタテーブルに格納されるいずれか一つの銘柄IDを示す。
子銘柄の銘柄IDは、その子銘柄を識別し得る情報であり、銘柄マスタテーブルに格納される銘柄IDと重複しないようにユニークな識別子とされる。即ち、子銘柄の銘柄IDは、定価認可を得たたばこ製品単位でみた場合に同一の銘柄を示すものの親銘柄とは異なる銘柄IDとなる。
開始日は、その子銘柄の受注の受付を開始する年月日を示す。但し、別例として、この開始日は販売を開始する年月日とされてもよい。
廃止日は、その子銘柄の受注の受付を終了する年月日を示す。但し、別例として、この廃止日は販売を終了する年月日とされてもよい。
限定フラグは、小売店を限定するか否かを示すフラグであり、図5の例では小売店を限定する場合にはフラグが設定され(ONの設定)、小売店を限定しない場合にはフラグが解除される(OFFの設定)。図5の例では、銘柄IDが5000である子銘柄は小売店が限定されず、銘柄IDが5001である子銘柄は小売店が限定される。限定フラグが設定されている子銘柄レコードが示す子銘柄は、期間限定でありかつ小売店限定或いは地域限定の銘柄と言える。一方で、限定フラグが解除されている子銘柄レコードが示す子銘柄は、小売店が限定されない期間限定銘柄と言える。
引当順位は、一つの親銘柄に対して複数の子銘柄が関連付けられる場合に、各子銘柄の銘柄IDに付与される優先順位である。引当順位が高い(小さい数値)である程、優先的に引き当てられることになる。
【0027】
図6は、たばこメーカによる販売促進施策に応じた限定銘柄の例を示す図である。銘柄マスタテーブル及び子銘柄管理テーブルを用いることで、図6に示されるような、たばこメーカによる販売促進施策に応じた限定銘柄の情報を管理することができる。
図6(a)は、一般流通用の特定銘柄と同一の定価認可を得たたばこ製品として二つの銘柄を期間限定販売する販売促進施策の例を示している。即ち、一般流通用の特定銘柄(銘柄ID=1000)と同一の定価認可を得たたばこ製品として、二つの子銘柄(銘柄ID=5001)及び(銘柄ID=5002)が期間限定銘柄としてその特定銘柄に関連付けられる。この例では、パッケージのみが親銘柄と子銘柄とで変えられている。
この例においてたばこ商品の受注業務では、小売店から一般流通用の親銘柄の銘柄ID(1000)が指定された発注がなされた場合には、その親銘柄の銘柄ID(1000)が販売促進施策に応じた二つの子銘柄のいずれか一方の銘柄ID(5001又は5002)に自動で置き換えられて受注受付がなされる。
【0028】
図6(b)は、地域限定で販売される限定銘柄(地域限定銘柄と表記される場合もある)と同一の定価認可を得たたばこ製品として一つの銘柄を地域限定かつ期間限定で販売する販売促進施策の例を示している。即ち、限定銘柄(銘柄ID=9000)と同一の定価認可を得たたばこ製品として、一つの子銘柄(銘柄ID=9501)が地域限定かつ期間限定の銘柄としてその親銘柄となる限定銘柄に関連付けられる。この例においても、パッケージのみが親銘柄と子銘柄とで変えられている。
この例においてたばこ商品の受注業務では、小売店から地域限定銘柄の銘柄ID(9000)が指定された発注がなされた場合には、その銘柄ID(9000)が販売促進施策に応じた一つの子銘柄の銘柄ID(9501)に自動で置き換えられて受注受付がなされる。
【0029】
本実施形態では、発注元となる各小売店には、銘柄マスタテーブルに銘柄情報が格納されている一般流通用銘柄及び限定銘柄に関して発注に必要となる情報(銘柄ID等)が知らされており、各小売店は、銘柄マスタテーブルに格納されている銘柄IDを用いて発注対象となるたばこ商品の銘柄を指定して発注するものとする。
詳細は後述するが、子銘柄と関連付けられた親銘柄の銘柄IDが発注対象とされる場合には上述したとおり子銘柄の銘柄IDに自動引当されるため、子銘柄IDを含む子銘柄管理テーブルに格納される子銘柄の情報は、各小売店に知らせなくてもよい。
【0030】
図7は、発注元マスタテーブルの例を示す図である。
発注元マスタテーブルは、発注元となり得る小売店に関するマスタ情報を格納する。発注元マスタテーブルは、小売店ごとに、店舗ID、店舗名称、店舗所在地、取引開始日等の情報(以降、発注元レコードと表記する場合がある)を格納する。
店舗IDは発注元となり得る小売店を識別する情報(識別子)である。例えば、コンビニエンスストアやスーパー等のようなフランチャイズ加盟店となる各小売店についても個別の店舗IDが付される。
店舗名称はその小売店の名称を示し、店舗所在地はその小売店の所在地を示し、取引開始日はその小売店と取引を開始する日である。
【0031】
図8は、発注元限定テーブルの例を示す図である。
発注元限定テーブルは、銘柄マスタテーブル又は子銘柄管理テーブルに銘柄情報が格納される各限定銘柄について、販売促進施策において小売販売を許可する小売店リストをそれぞれ格納する。具体的には、発注元限定テーブルには限定銘柄の各銘柄ID(限定銘柄IDと表記)と、小売販売が許可される小売店の店舗IDとが関連付けられて格納されている。
本明細書において、限定銘柄のたばこ商品に関して「小売販売の許可」と表記した場合には、法的規制の許可(認可)ではなく、販売促進施策の対象とするか否かの許可を意味する。
図8の例では、銘柄IDが9000である「リミットスタータバコ」の銘柄の小売販売は、店舗IDが「0035」、「0036」及び「0037」である小売店に対して許可されており、銘柄IDが5001である「スタータバコ・オリジナル」の子銘柄の小売販売は、店舗IDが「0110」及び「0111」である小売店に対して許可されている。
発注元限定テーブルにおいて特定地域内の小売店の店舗ID群が限定銘柄IDと関連付けられている場合には、その限定銘柄IDが示す銘柄は、地域限定銘柄と呼ぶこともできる。また、発注元限定テーブルにおいて特定の小売店の店舗IDのみが限定銘柄IDと関連付けられている場合には、その限定銘柄IDが示す銘柄は、店舗を限定して販売する店舗限定銘柄と呼ぶこともできる。
【0032】
更に、情報管理DB26は、たばこ商品の銘柄ごとの在庫情報を格納する。この在庫情報では銘柄IDごとにその銘柄のたばこ商品の在庫数が含まれる。このような在庫情報は、例えば、倉庫管理システムのような他のシステムから通信等により取得されて情報管理DB26に格納される。
【0033】
支援サーバ10は、たばこメーカが運用するシステム等のような外部システムから最新の銘柄情報を入手し、銘柄マスタテーブル及び子銘柄管理テーブルにその銘柄情報を自動で反映させることができる。
また、最新の銘柄情報や小売店情報、限定銘柄ごとの小売店の許可情報等が入手された後、それら情報に基づいて人手により支援サーバ10の情報管理DB26に上述の各種情報が反映されてもよい。
図3には、情報管理DB26が支援サーバ10内に設けられる例が示されたが、情報管理DB26は、本システム1内の他のサーバ装置内に設けられてもよいし、本システム1外のサーバ装置内に設けられてもよい。
【0034】
データ参照部25は、情報管理DB26に格納される各種情報を参照可能であり、概要の項で述べた参照手段に相当する。
ここで情報管理DB26が支援サーバ10とは異なる他のサーバ装置に設けられる場合には、データ参照部25は通信で当該他のサーバ装置にアクセスし、情報管理DB26を参照することができる。
【0035】
情報取得部21は、発注銘柄情報及び発注元情報を取得する。発注銘柄情報及び発注元情報については概要の項で述べたとおりである。本実施形態において発注銘柄情報には、発注日、発注対象となるたばこ商品の銘柄ごとに銘柄ID、発注個数等が含まれており、発注元情報には発注元となる小売店の店舗IDが含まれる。当然ながら、取得される発注銘柄情報及び発注元情報にはその他の情報が含まれていてもよい。
また、情報取得部21によるそれら情報の取得手法は何ら限定されない。情報取得部21は、電子メールによりそれら情報を取得してもよいし、EDI(Electronic Data Interchange)によりそれら情報を取得してもよい。また、情報取得部21は、小売店からの電話やFAX等により発注を受け付けるコールセンタ等のオペレータが利用するコンピュータに入力画面を表示させ、その入力画面で入力された情報に基づいてそれら情報を取得することもできる。また、情報取得部21は、他のサーバ装置からそれら情報を受信することで取得してもよい。
【0036】
銘柄判定部22は、情報取得部21により取得された発注銘柄情報に基づいて、一般流通用銘柄に関連付けられた限定銘柄或いは限定銘柄の子銘柄の特定等を行う。
具体的には、銘柄判定部22は、概要の項で述べたように、情報取得部21により取得された発注銘柄情報に含まれる一以上の銘柄IDの中から子銘柄と関連付けられた親銘柄を示す銘柄IDを抽出し、その抽出された親銘柄IDと関連付けられた子銘柄IDを特定する。このため、銘柄判定部22は概要の項で述べた特定手段に相当する。このとき、銘柄判定部22は、発注銘柄情報に含まれる銘柄IDの中から子銘柄管理テーブルの親銘柄IDと一致する銘柄IDを抽出し、子銘柄管理テーブルにおいてその抽出された銘柄IDを親銘柄IDとする子銘柄IDを特定する。
【0037】
ここで子銘柄管理テーブルの各子銘柄レコードには上述したとおり開始日及び廃止日が含まれている。そこで、銘柄判定部22は、上述のように子銘柄IDを特定するにあたり、その子銘柄IDに対応する開始日及び廃止日を特定し、発注銘柄情報に含まれる発注日とその特定された開始日及び廃止日との関係を判定する。銘柄判定部22は、発注日が開始日と廃止日との期間内に含まれる場合にはその子銘柄IDを特定し、発注日が開始日と廃止日との期間内に含まれない場合にはその子銘柄IDを特定しない。
銘柄判定部22により子銘柄IDが特定されない場合には、発注銘柄情報に含まれる対応する親銘柄IDは子銘柄IDに置換されることなくそのまま受注銘柄情報に含められることになる。
このように子銘柄ごとに開始日及び廃止日を管理することで、親銘柄から子銘柄への自動引当を行う期間を制御することができる。結果、販売促進施策による期間限定銘柄の受注受付を適切かつ効率的に行うことができる。
【0038】
図5の例において、親銘柄ID(1000)に関連付けられている子銘柄ID(5000)の開始日は2016年5月10日であり、その廃止日は2016年12月31日である。このため、発注銘柄情報に含まれる発注日が2020年2月10日である場合には、銘柄判定部22は、その発注日が子銘柄の開始日と廃止日との期間内に該当しないため、その発注銘柄情報に含まれる親銘柄ID(1000)に対して子銘柄ID(5000)を特定しない。
一方で、親銘柄ID(1000)に関連付けられている子銘柄ID(5001)及び(5002)の開始日は共に2019年9月1日であり、その廃止日も共に2020年5月31日である。このため、銘柄判定部22は、その発注日(2020年2月10日)がその開始日と廃止日との期間内におさまるため、その発注銘柄情報に含まれる親銘柄ID(1000)に対して子銘柄ID(5001)又は(5002)のいずれか一方を特定する。
【0039】
この例のように子銘柄管理テーブルにおいて一つの親銘柄IDに対して複数の子銘柄IDが関連付けられている場合がある。
銘柄判定部22は、発注銘柄情報から抽出された親銘柄IDに対して子銘柄管理テーブルにおいて複数の子銘柄IDが関連付けられている場合には、それら子銘柄IDに付与されている引当順位(優先順位)及び在庫情報に格納されているそれら子銘柄IDの在庫数に基づいて、当該複数の子銘柄IDの中の一つを特定する。具体的には、銘柄判定部22は、引当順位が高い順に子銘柄IDを順次選択し、選択された子銘柄IDの在庫数が発注銘柄情報に含まれるその子銘柄IDに対応する親銘柄IDの発注数を満たすか否かを順次判定する。そして、銘柄判定部22は、対応する親銘柄IDの発注数を満たす在庫数を持つ子銘柄IDを特定する。これにより、引当順位が高く、かつ発注数を満たす在庫数を有する子銘柄の銘柄IDが特定されることになる。
これにより販売促進施策において複数の限定銘柄を優先付けしてリリースするような場合にも適切かつ効率的に対応することができる。
【0040】
図5の例では、上述のように開始日及び廃止日と発注日との関係から発注銘柄情報に含まれる親銘柄ID(1000)に対して子銘柄ID(5001)及び(5002)が候補とされる。銘柄判定部22は、まず、引当順位が高い子銘柄ID(5001)を選択し、その子銘柄IDの在庫数が発注銘柄情報に含まれる親銘柄ID(1000)の発注数を満たす場合には、その子銘柄ID(5001)を特定する。一方で、その在庫数が発注数を満たさない場合には、銘柄判定部22は、次の子銘柄ID(5002)を選択し、その子銘柄ID(5002)の在庫数が親銘柄ID(1000)の発注数を満たす場合には、その子銘柄ID(5002)を特定する。
【0041】
ところが、発注銘柄情報から親銘柄の銘柄IDが抽出されたとしても、その親銘柄IDに関連付けられているいずれの子銘柄IDにおいても在庫数が親銘柄IDの発注数を満たさない場合がある。この場合には、銘柄判定部22は、子銘柄IDの特定をやめる。即ち、銘柄判定部22は、発注銘柄情報から抽出された親銘柄IDに子銘柄管理テーブルにおいて一以上の子銘柄IDが関連付けられている場合には、情報管理DB26に格納されている当該一以上の子銘柄IDの在庫情報及び当該発注銘柄情報に含まれる親銘柄IDの発注数に基づいて、当該一以上の子銘柄IDの中にその発注数を満たす在庫数を持つ子銘柄IDがあるか否かを判定し、当該一以上の子銘柄IDのいずれもがその発注数を満たさない場合には、その親銘柄IDに対して子銘柄IDの特定を行わない。
上述したとおり、銘柄判定部22により子銘柄IDが特定されない場合には、発注銘柄情報に含まれる対応する親銘柄IDは子銘柄IDに置換されることなくそのまま受注銘柄情報に含められることになる。
これにより限定銘柄の在庫数に応じて販売促進施策への対応を適宜停止させることができる。
【0042】
また、情報取得部21で取得された発注銘柄情報に限定銘柄IDが発注対象として直接指定されている場合がある。このため、銘柄判定部22は、当該発注銘柄情報から抽出された銘柄IDが限定銘柄IDであるか否かの判定も行う。この判定は、銘柄マスタテーブルにおける限定フラグを用いて行うことができる。
【0043】
発注元判定部23は、情報取得部21により取得された発注元情報に基づいて、発注元となる小売店が限定銘柄の小売販売を許可されているか否かを判定する。このため発注元判定部23は発注元判定手段に相当する。
具体的には、銘柄判定部22により発注銘柄情報から抽出された銘柄IDが限定銘柄IDであると判定された場合には、発注元判定部23は、発注元情報に含まれる発注元の店舗IDが発注元限定テーブルにおいてその限定銘柄IDに関連付けられているか否かを判定する。発注元判定部23は、発注元の店舗IDが発注元限定テーブルでその限定銘柄IDに関連付けられている場合にその発注元となる小売店がその限定銘柄の小売販売を許可されていると判定し、関連付けられていない場合には許可されていないと判定する。
また、発注銘柄情報から抽出された親銘柄IDに対して子銘柄管理テーブルから特定された子銘柄IDに限定フラグが設定されている場合においても、発注元判定部23は、発注元情報に含まれる発注元の店舗IDが発注元限定テーブルにおいてその子銘柄IDに関連付けられているか否かを判定する。
【0044】
一方で、発注銘柄情報から抽出された銘柄IDが限定銘柄IDではなく一般流通用銘柄の銘柄IDである場合には、発注元判定部23は、その銘柄IDに関して上述の発注元判定を行わない。また、発注銘柄情報から抽出された親銘柄IDに対して子銘柄管理テーブルから特定された子銘柄IDに限定フラグが設定されていない場合においても、発注元判定部23は、その子銘柄IDに関して上述の発注元判定を行わない。
このように銘柄マスタテーブル若しくは子銘柄管理テーブルの限定フラグを用いることで、発注対象として指定された銘柄又はその銘柄に関連付けられた子銘柄が小売販売する地域或いは店舗が限定される銘柄か否かを容易に判定することができる。更に、その判定結果で発注元の店舗が小売販売を許可されているか否かの判定の要否を決定することができる。
【0045】
情報生成部24は、情報取得部21により取得された発注銘柄情報に対応する受注銘柄情報を生成する。このため情報生成部24は受注銘柄情報の生成手段に相当する。上述したとおり、情報生成部24は、取得された発注銘柄情報を更新して受注銘柄情報としてもよいし、その発注銘柄情報とは別に発注銘柄情報の一部を少なくとも含むように受注銘柄情報を生成してもよい。
本実施形態における情報生成部24は、発注銘柄情報とは別に、発注銘柄情報に含まれる発注対象の銘柄ID及び発注数を少なくとも含む受注銘柄情報を生成する。このとき、情報生成部24は、銘柄判定部22により発注銘柄情報に含まれる親銘柄ID及びその親銘柄IDに関連付けられた子銘柄IDが特定されている場合には、受注銘柄情報ではその親銘柄IDをその子銘柄IDに置換する。
これにより、発注銘柄情報において一般流通用銘柄の銘柄IDが指定されていたとしても、販売促進施策に応じた限定銘柄の銘柄ID(子銘柄ID)をその一般流通用銘柄の銘柄IDに替えて自動引当することができる。結果、本実施形態によれば、受注業務において流通制限を利用したたばこ商品の販売促進施策に適切かつ効率的に対応可能となるように支援することができる。
【0046】
但し、発注元判定部23により発注元の小売店がその限定銘柄の小売販売を許可されていないと判定された場合には、仮に発注銘柄情報に子銘柄IDと関連付けられた銘柄ID(親銘柄ID)が含まれていたとしても、子銘柄IDへの置換が行われることなく、受注銘柄情報においても発注銘柄情報に含まれる親銘柄IDが指定されることになる。即ち、発注元判定部23による判定の結果に応じて、情報生成部24による親銘柄IDの子銘柄IDへの置換の要否が決定される。
このように本実施形態において受注銘柄情報の生成過程で行われる銘柄IDの置換は単なる銘柄管理コードの置換ではなく、たばこメーカ等による販売促進施策に応じたたばこ商品の銘柄の自動引当を実現するための一手法である。
【0047】
また、仮に発注銘柄情報に子銘柄IDと関連付けられた銘柄ID(親銘柄ID)が含まれていたとしても、銘柄判定部22により親銘柄IDの発注数を満たす在庫数を持つ子銘柄IDが存在しないと判定されて子銘柄IDが特定されなかった場合には、子銘柄IDへの置換が行われることなく、受注銘柄情報においても発注銘柄情報に含まれる親銘柄IDが指定されることになる。
また、仮に発注銘柄情報に子銘柄IDと関連付けられた銘柄ID(親銘柄ID)が含まれていたとしても、銘柄判定部22により発注銘柄情報に含まれる発注日がその子銘柄IDの開始日と廃止日との期間内でないと判定されてその子銘柄IDが特定されなかった場合にも、子銘柄IDへの置換が行われない。
【0048】
更に、情報生成部24は、上述のように生成した受注銘柄情報に基づいて納品情報を生成する。このため情報生成部24は納品情報生成手段に相当する。
情報生成部24は、生成した受注銘柄情報に、置換された子銘柄IDが含まれているか否かを判定し、置換された子銘柄IDが含まれている場合には、その子銘柄IDを元の親銘柄IDに戻して納品情報を生成する。情報生成部24は、受注銘柄情報に含まれる銘柄IDの中から、子銘柄管理テーブルに格納される銘柄ID(子銘柄ID)と一致する銘柄IDを当該置換された子銘柄IDとして特定することができる。
このように納品情報では販売促進施策に応じて自動引当した限定銘柄の銘柄IDを元の親銘柄の銘柄IDに戻すことで、発注元である小売店が誤発注或いは誤受注と困惑するのを防ぐことができる。
【0049】
情報生成部24により生成された受注銘柄情報は、本システム1から仕分支援システムや配達管理システム等に送られて、仕分業務、配達業務、決済業務等により利用される。
また、情報生成部24により生成された納品情報は、本システム1又は他のシステムにより納品伝票として出力される。
【0050】
[たばこ商品受注支援方法]
以下、本実施形態に係るたばこ商品受注支援方法(以下、本方法と略称する場合もある)について図9及び図10を用いて説明する。
図9は、本実施形態に係るたばこ商品受注支援方法の一部の工程を示すフローチャートであり、図10は、本実施形態に係るたばこ商品受注支援方法の残りの一部の工程を示すフローチャートである。
本方法は、上述の支援サーバ10のような一以上のプロセッサ及びメモリを少なくとも備えるコンピュータにより実行される。なお、本方法に含まれる各工程の具体的内容は、上述した支援サーバ10の各ソフトウェア要素の処理内容と同様であるため、適宜省略する。
【0051】
まず、支援サーバ10は、或る小売店からの発注内容を示す発注銘柄情報及びその小売店に関する発注元情報を取得する(S101)。これら情報の内容やそれの取得手法については情報取得部21の説明等で述べたとおりである。
【0052】
支援サーバ10は、(S101)で取得された発注銘柄情報から、発注対象となるたばこ商品の銘柄をそれぞれ示す銘柄ID群の中の一つの銘柄ID及びその銘柄の発注数を抽出する(S102)。
【0053】
続いて、支援サーバ10は、その抽出された銘柄IDが限定銘柄を示すか否かを判定する(S103)。具体的には、支援サーバ10は、銘柄マスタテーブルにおいてその抽出された銘柄IDを含む銘柄レコードを特定し、特定された銘柄レコードの限定フラグを参照することより、その判定を行うことができる。
【0054】
抽出された銘柄IDが限定銘柄を示す場合には(S103;YES)、支援サーバ10は、(S101)で取得された発注元情報に基づいて発注元の小売店がその限定銘柄の小売販売を許可されているか否かを判定する(S104)。支援サーバ10は、発注元限定テーブルにおいてその抽出された銘柄IDを限定銘柄IDとして含むレコードを特定し、特定されたレコードの中に発注元情報が示す小売店の店舗IDを含むレコードが存在するか否かを判定することで(S104)の判定を行うことができる。
【0055】
発注元の小売店が許可されていないと判定すると(S104;NO)、支援サーバ10は、その銘柄IDを受注銘柄情報に設定することなく、発注銘柄情報に未だ抽出していない銘柄IDが残っているか否かを判定する(S109)。その判定で残っていると判定された場合には(S109;YES)、支援サーバ10は、発注銘柄情報から次の銘柄ID及びその銘柄の発注数を抽出し(S102)、工程(S103)以降の処理を行う。
一方で、未だ抽出していない銘柄IDが残っていない、即ち発注対象の全ての銘柄IDが抽出されたと判定すると(S109;NO)、支援サーバ10は、本方法の処理を終える。
【0056】
一方で、(S102)で抽出された銘柄IDが限定銘柄を示さない場合、即ちその銘柄IDが一般流通用銘柄を示す場合には(S103;NO)、支援サーバ10は、発注元に関する判定(S104)を実行することなく、工程(S105)に進む。
また、発注元の小売店が許可されていると判定すると(S104;YES)、支援サーバ10は、工程(S105)に進む。
【0057】
工程(S105)では、支援サーバ10は、その銘柄IDに関連付けられた子銘柄IDの存在を判定する。
具体的には、支援サーバ10は、子銘柄管理テーブルにおいて、その銘柄IDを親銘柄IDとして含む子銘柄レコードであって発注日が開始日と廃止日との期間内に収まる子銘柄レコードを検索する。発注日については(S101)で取得された発注銘柄情報から取得することができる。支援サーバ10は、該当する一以上の子銘柄レコードが検出できた場合には、子銘柄IDが存在すると判定し(S105;YES)、検出できなかった場合には、子銘柄IDが存在しないと判定する(S105;NO)。
【0058】
子銘柄IDが存在しない場合(S105;NO)、支援サーバ10は、(S102)で抽出された銘柄IDの在庫数を情報管理DB26に格納される在庫情報から取得する(S106)。
支援サーバ10は、その銘柄IDの在庫数がその発注数を満たすか否かを判定し(S107)、在庫数が発注数以上であると判定すると(S107;YES)、その銘柄ID及び発注数を受注銘柄情報に設定する(S108)。
その後、支援サーバ10は、上述した(S109)の判定以降の処理を行う。
一方で、抽出された銘柄IDの在庫数がその発注数を満たさないと判定すると(S107;NO)、その銘柄IDを受注銘柄情報に設定することなく、上述した(S109)の判定以降の処理を行う。
【0059】
一方で、子銘柄IDが存在すると判定された場合(S105;YES)、支援サーバ10は、(S102)で抽出された銘柄IDに関連付けられた一つの子銘柄IDを選択する(S111)。具体的には、支援サーバ10は、その銘柄IDを親銘柄IDとして含む子銘柄レコードであって発注日が開始日と廃止日との期間内に収まる一以上の子銘柄レコードを子銘柄管理テーブルから抽出し、抽出された一以上の子銘柄レコードの中から引当順位に従って一つの子銘柄レコードを選択し、その選択された子銘柄レコードに含まれる銘柄ID(子銘柄ID)を選択する(S111)。このとき、引当順位が高い子銘柄レコードが優先的に選択される。
【0060】
続いて、支援サーバ10は、その選択された子銘柄IDが店舗限定(地域限定を含む)された銘柄であるか否かを判定する(S112)。具体的には、支援サーバ10は、子銘柄管理テーブルにおいてその選択された子銘柄IDを含む子銘柄レコードを特定し、特定された子銘柄レコードの限定フラグを参照することより、その判定を行うことができる。
【0061】
選択された子銘柄IDが店舗限定(地域限定を含む)された銘柄を示す場合には(S112;YES)、支援サーバ10は、(S101)で取得された発注元情報に基づいて発注元の小売店がその子銘柄IDが示す限定銘柄の小売販売を許可されているか否かを判定する(S113)。支援サーバ10は、発注元限定テーブルにおいてその選択された子銘柄IDを限定銘柄IDとして含むレコードを特定し、特定されたレコードの中に発注元情報が示す小売店の店舗IDを含むレコードが存在するか否かを判定することで(S113)の判定を行うことができる。
【0062】
発注元の小売店が許可されていないと判定すると(S113;NO)、支援サーバ10は、(S111)で未だ選択されていない他の子銘柄IDが残っているか否かを判定する(S116)。その判定で残っていると判定された場合には(S116;YES)、支援サーバ10は、引当順位が次に高い子銘柄IDを選択し(S111)、工程(S112)以降の処理を行う。
【0063】
一方で、未だ選択されていない子銘柄IDが残っていない、即ち必要な全ての子銘柄IDが選択されたと判定されると(S116;NO)、支援サーバ10は、選択されたいずれの子銘柄IDも受注銘柄情報に設定することなく、(S102)で抽出された親銘柄の銘柄IDに基づいて上述した(S106)以降の処理を行う。
【0064】
発注元の小売店が許可されていると判定すると(S113;YES)、支援サーバ10は、(S111)で選択された子銘柄IDの在庫数を情報管理DB26に格納される在庫情報から取得する(S114)。
支援サーバ10は、その子銘柄IDの在庫数が(S102)で抽出された発注数を満たすか否かを判定し(S115)、在庫数が発注数以上であると判定すると(S115;YES)、発注数と共に、(S102)で抽出された親銘柄の銘柄IDに替えてその子銘柄IDを受注銘柄情報に設定する(S117)。
その後、支援サーバ10は、上述した(S109)の判定以降の処理を行う。
【0065】
一方で、選択された子銘柄IDの在庫数がその発注数を満たさないと判定すると(S115;NO)、その子銘柄IDを受注銘柄情報に設定することなく、上述した(S116)の判定以降の処理を行う。
また、子銘柄IDが店舗限定(地域限定を含む)された銘柄を示さないと判定された場合には(S112;NO)、支援サーバ10は、(S113)の判定を行うことなく、(S114)以降の処理を行う。
【0066】
図9及び図10は本方法のフローの一例を示すに過ぎず、図9及び図10に示される各工程の実行順などは適宜変更可能である。
また、上述の例では、発注銘柄情報から抽出された銘柄IDが限定銘柄を示しており(S103;YES)、かつ発注元の小売店がその限定銘柄の小売販売を許可されていない場合には(S104;NO)、その銘柄IDは受注銘柄情報に設定されなかったが、その銘柄IDは受注状態「保留」或いは「受注不可」として受注銘柄情報に設定されるようにしてもよい。これは、(S102)で抽出された銘柄IDの在庫数が対応する発注数を満たさない場合(S107;NO)についても同様である。
【0067】
[変形例]
上述の実施形態は例示であり、趣旨を逸脱しない範囲で上述の内容は適宜変形可能である。
例えば、上述の実施形態では、紙巻きたばこ商品を対象としていたが、電子たばこ或いは加熱式たばこのカートリッジや葉巻たばこのようなその他のたばこ、及びアクセサリのようなたばこ付属商品の一部又は全部を対象に加えることもできる。また、加熱式たばこのカートリッジやその他のたばこ商品については、上述の実施形態と同様の別システムで扱うようにしてもよい。
【0068】
また、上述の実施形態では、発注対象となるたばこ商品の銘柄に子銘柄が関連付けられている場合に、子銘柄の在庫数が発注数を満たさない場合には、子銘柄へ置換されることなく親銘柄の銘柄IDが受注銘柄情報に設定された。しかしながら、在庫数が足りなくても子銘柄の在庫引当を行い、子銘柄と親銘柄とで発注数を満たすようにしてもよい。
また、発注対象となるたばこ商品の銘柄に複数の子銘柄が関連付けられている場合に、複数の子銘柄で発注数を満たすようにしてもよい。
【0069】
また、情報管理DB26に格納される各種テーブルの構造はあくまで例示に過ぎず、支援サーバ10の各処理或いは各動作を実現することができるのであれば、テーブル構造についても適宜変更可能である。
例えば、子銘柄管理テーブルから開始日及び廃止日の情報が除かれてもよい。この場合には、或る子銘柄の受注開始日になったときに子銘柄管理テーブルにその子銘柄のレコードが格納されるようにし、その子銘柄の受注停止日になったときに子銘柄管理テーブルからその子銘柄のレコードが削除されるようにしてもよい。
また、発注元限定テーブルにおいて限定銘柄のたばこ商品の小売販売が許可される小売店の店舗IDが設定されたが、その小売販売が許可されない小売店の店舗IDが設定されるようにしてもよい。
【0070】
更に言えば、図11に示されるように、発注元限定テーブルにも開始日及び廃止日の情報が付加されてもよい。図11は、発注元限定テーブルの変形例を示す図である。
この場合、発注元限定テーブルの開始日及び廃止日には、銘柄マスタテーブル又は子銘柄管理テーブルにおける開始日及び廃止日で示される期間内の各日付が小売店ごとにそれぞれ設定される。そして、図9の(S104)及び図10の(S113)の各判定において、支援サーバ10(発注元判定部23)は、発注元限定テーブルにおいて当該抽出された銘柄IDを限定銘柄IDとして含むレコードを特定し、その特定されたレコードの中に発注元情報が示す小売店の店舗IDを含みかつ発注日が発注元限定テーブルの開始日及び廃止日で示される期間内におさまるレコードが存在するか否かを判定する。
この変形例によれば、同一の限定銘柄のたばこ商品を小売店ごとに期間をずらして販売するという販売促進施策に容易かつ効率的に対応することができる。
また、説明を分かり易くするために、銘柄マスタテーブルに銘柄画像、タール、ニコチン及び本数が格納され、子銘柄管理テーブルに銘柄画像が格納される例を示したが、それら情報は省かれてもよい。上述の処理において利用されない他の情報についても各テーブルから省かれてもよい。
【0071】
上記の実施形態及び変形例の一部又は全部は、次のようにも特定され得る。但し、上述の実施形態及び変形例が以下の記載に制限されるものではない。
(1)
たばこ商品の一般流通用の特定銘柄の銘柄識別子と、価格、タール量及びニコチン量が少なくとも該特定銘柄と同じであり流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子とが関連付けられた銘柄管理情報を格納する銘柄情報格納部を参照可能な参照手段と、
発注対象のたばこ商品の銘柄識別子を一以上含む発注銘柄情報及び発注元情報を取得する手段と、
前記取得された発注銘柄情報に含まれる一以上の銘柄識別子の中から前記特定銘柄の銘柄識別子を抽出する手段と、
前記銘柄管理情報において前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子に関連付けられている前記限定銘柄の銘柄識別子を特定する特定手段と、
前記取得された発注元情報が示す発注元の受注銘柄情報であって、前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子が前記特定された限定銘柄の銘柄識別子に置換された受注銘柄情報を生成する生成手段と、
を備えるたばこ商品受注支援システム。
(2)
前記取得された発注元情報に基づいて、発注元が前記特定された限定銘柄の小売販売を許可されているか否かを判定する発注元判定手段、
を更に備え、
前記発注元判定手段による判定の結果に応じて、前記生成手段による前記特定銘柄の銘柄識別子の前記限定銘柄の銘柄識別子への置換の要否が決定される、
(1)に記載のたばこ商品受注支援システム。
(3)
前記取得された発注銘柄情報から抽出された銘柄識別子が流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子であるか否かを判定する手段を更に備え、
前記発注元判定手段は、前記抽出された銘柄識別子が流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子である場合には、前記発注元が該限定銘柄の小売販売を許可されているか否かの判定を行い、前記抽出された銘柄識別子が該限定銘柄を示さない場合には、該判定を行わない、
(2)に記載のたばこ商品受注支援システム。
(4)
前記生成された受注銘柄情報に基づいて納品情報を生成する納品情報生成手段、
を更に備え、
前記納品情報生成手段は、前記生成された受注銘柄情報に、置換された限定銘柄の銘柄識別子が含まれているか否かを判定し、置換された限定銘柄の銘柄識別子が含まれている場合には、該置換された限定銘柄の銘柄識別子を元の特定銘柄の銘柄識別子に戻した前記納品情報を生成する、
(1)から(3)のいずれか一つに記載のたばこ商品受注支援システム。
(5)
前記参照手段は、前記特定銘柄及び前記限定銘柄を含むたばこ商品の銘柄ごとの在庫情報を格納する在庫情報格納部を更に参照可能であり、
前記特定手段は、前記銘柄管理情報において前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子に一以上の限定銘柄の銘柄識別子が関連付けられている場合には、前記在庫情報格納部に格納されている該一以上の限定銘柄の在庫情報及び前記取得された発注銘柄情報に含まれる該特定銘柄の発注数に基づいて、該一以上の限定銘柄の中に該発注数を満たす在庫数を持つ限定銘柄があるか否かを判定し、該一以上の限定銘柄のいずれもが該発注数を満たさない場合には、該特定銘柄に対して限定銘柄の銘柄識別子の特定を行わない、
(1)から(4)のいずれか一つに記載のたばこ商品受注支援システム。
(6)
前記参照手段は、前記特定銘柄及び前記限定銘柄を含むたばこ商品の銘柄ごとの在庫情報を格納する在庫情報格納部を更に参照可能であり、
前記銘柄管理情報では、前記特定銘柄の銘柄識別子に対して複数の限定銘柄の銘柄識別子が関連付けられている場合には、該複数の限定銘柄の銘柄識別子には優先順位が付されており、
前記特定手段は、前記銘柄管理情報において前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子に複数の限定銘柄の銘柄識別子が関連付けられている場合には、該複数の限定銘柄の銘柄識別子に付与されている優先順位及び前記在庫情報格納部に格納されている該複数の限定銘柄の在庫情報に基づいて、該複数の限定銘柄の銘柄識別子の中の一つを特定する、
(1)から(5)のいずれか一つに記載のたばこ商品受注支援システム。
(7)
前記銘柄管理情報では、前記限定銘柄の銘柄識別子に対して開始日若しくは廃止日の一方又は両方が設定されており、
前記特定手段は、前記銘柄管理情報に設定されている前記限定銘柄の銘柄識別子の開始日若しくは廃止日の一方又は両方を特定し、
前記取得された発注銘柄情報に含まれる発注日と前記特定された開始日若しくは廃止日の一方又は両方との関係により、前記生成手段による前記特定銘柄の銘柄識別子の前記限定銘柄の銘柄識別子への置換の有無が変わる、
(1)から(6)のいずれか一つに記載のたばこ商品受注支援システム。
(8)
たばこ商品の一般流通用の特定銘柄の銘柄識別子と、価格、タール量及びニコチン量が少なくとも該特定銘柄と同じであり流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子とが関連付けられた銘柄管理情報を格納する銘柄情報格納部を参照可能な一以上のコンピュータにより実行されるたばこ商品受注支援方法であって、
発注対象のたばこ商品の銘柄識別子を一以上含む発注銘柄情報及び発注元情報を取得し、
前記取得された発注銘柄情報に含まれる一以上の銘柄識別子の中から前記特定銘柄の銘柄識別子を抽出し、
前記銘柄管理情報において前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子に関連付けられている前記限定銘柄の銘柄識別子を特定し、
前記取得された発注銘柄情報に対応する受注銘柄情報であって、前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子が前記特定された限定銘柄の銘柄識別子に置換された受注銘柄情報を生成する、
ことを含むたばこ商品受注支援方法。
(9)
前記取得された発注元情報に基づいて、発注元が前記特定された限定銘柄の小売販売を許可されているか否かを判定する発注元判定を行う、
ことを更に含み、
前記発注元判定の結果に応じて、前記特定銘柄の銘柄識別子の前記限定銘柄の銘柄識別子への置換の要否が決定される、
(8)に記載のたばこ商品受注支援方法。
(10)
前記取得された発注銘柄情報から抽出された銘柄識別子が流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子であるか否かを判定する、
ことを更に含み、
前記発注元判定では、前記抽出された銘柄識別子が流通が制限される限定銘柄の銘柄識別子である場合には、前記発注元が該限定銘柄の小売販売を許可されているか否かの判定を行い、前記抽出された銘柄識別子が該限定銘柄を示さない場合には、該判定を行わない、
(9)に記載のたばこ商品受注支援方法。
(11)
前記生成された受注銘柄情報に基づいて納品情報を生成する、
ことを更に含み、
前記納品情報の生成では、前記生成された受注銘柄情報に、置換された限定銘柄の銘柄識別子が含まれているか否かを判定し、置換された限定銘柄の銘柄識別子が含まれている場合には、該置換された限定銘柄の銘柄識別子を元の特定銘柄の銘柄識別子に戻した前記納品情報を生成する、
(8)から(10)のいずれか一つに記載のたばこ商品受注支援方法。
(12)
前記一以上のコンピュータは、前記特定銘柄及び前記限定銘柄を含むたばこ商品の銘柄ごとの在庫情報を格納する在庫情報格納部を更に参照可能であり、
前記銘柄管理情報において前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子に一以上の限定銘柄の銘柄識別子が関連付けられている場合には、前記在庫情報格納部に格納されている該一以上の限定銘柄の在庫情報及び前記取得された発注銘柄情報に含まれる該特定銘柄の発注数に基づいて、該一以上の限定銘柄の中に該発注数を満たす在庫数を持つ限定銘柄があるか否かを判定し、該一以上の限定銘柄のいずれもが該発注数を満たさない場合には、該特定銘柄に対して限定銘柄の銘柄識別子の特定を行わない、
(8)から(11)のいずれか一つに記載のたばこ商品受注支援方法。
(13)
前記一以上のコンピュータは、前記特定銘柄及び前記限定銘柄を含むたばこ商品の銘柄ごとの在庫情報を格納する在庫情報格納部を更に参照可能であり、
前記銘柄管理情報では、前記特定銘柄の銘柄識別子に対して複数の限定銘柄の銘柄識別子が関連付けられている場合には、該複数の限定銘柄の銘柄識別子には優先順位が付されており、
前記銘柄管理情報において前記抽出された特定銘柄の銘柄識別子に複数の限定銘柄の銘柄識別子が関連付けられている場合には、該複数の限定銘柄の銘柄識別子に付与されている優先順位及び前記在庫情報格納部に格納されている該複数の限定銘柄の在庫情報に基づいて、該複数の限定銘柄の銘柄識別子の中の一つを特定する、
ことを更に含む(8)から(12)のいずれか一つに記載のたばこ商品受注支援方法。
(14)
前記銘柄管理情報では、前記限定銘柄の銘柄識別子に対して開始日若しくは廃止日の一方又は両方が設定されており、
前記銘柄管理情報に設定されている前記限定銘柄の銘柄識別子の開始日若しくは廃止日の一方又は両方を特定する、
ことを更に含み、
前記取得された発注銘柄情報に含まれる発注日と前記特定された開始日若しくは廃止日の一方又は両方との関係により、前記生成手段による前記特定銘柄の銘柄識別子の前記限定銘柄の銘柄識別子への置換の有無が変わる、
(8)から(13)のいずれか一つに記載のたばこ商品受注支援方法。
(15)
(8)から(14)のいずれか一つに記載のたばこ商品受注支援方法を一以上のコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0072】
1 たばこ商品受注支援システム(本システム)
2 小売店
10 支援サーバ
11 CPU
12 メモリ
13 入出力I/F
14 通信ユニット
15 表示装置
16 入力装置
21 情報取得部
22 銘柄判定部
23 発注元判定部
24 情報生成部
25 データ参照部
26 情報管理データベース(DB)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11