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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】ガス検知器のテスト及び較正方法と装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/00 20060101AFI20240919BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
G01M3/00 J
F25B49/02 520M
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020571807
(86)(22)【出願日】2020-05-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 US2020032634
(87)【国際公開番号】W WO2020236480
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】62/849,324
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/993,916
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003493
【氏名又は名称】キャリア コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CARRIER CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】オジアヌ,ステラ エム.
(72)【発明者】
【氏名】コンドルク,ジェイソン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ウェイナ,ポール ヴィー.
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-044577(JP,A)
【文献】特開2018-124180(JP,A)
【文献】特表2015-534190(JP,A)
【文献】特表2012-529097(JP,A)
【文献】特開平09-264641(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0363358(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0074575(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0299406(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0327179(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102013219101(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00~3/40
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱、換気及び空調または冷凍(HVAC/R)システムにおいて使用されるガス検知器をテストするための検知器テストシステムであって、
オリフィスを通して前記検知器テストシステムに前記ガス検知器を受け入れるように構成されたテストチャンバであって、前記テストチャンバの中に少なくとも部分的に前記ガス検知器を封入するように構成されている前記テストチャンバと、
前記テストチャンバに流体接続された受流口と、
前記受流口に流体接続しており既知濃度のターゲットガスを含む、ターゲットガスカートリッジと、を含み、
前記受流口が前記ターゲットガスを前記テストチャンバに送達するように構成されており、
前記ターゲットガスが冷媒であり、
前記ターゲットガスカートリッジの中の前記ターゲットガスは、前記ターゲットガスが前記テストチャンバに入る前に、希釈ガスカートリッジからの外部空気またはガスを用いて可燃性下限の前記ターゲットガスに希釈される、前記検知器テストシステム。
【請求項2】
前記オリフィスに対して封止して、前記ガス検知器を前記テストチャンバの中に完全に封入するように構成されているドア
をさらに含む、請求項1に記載の検知器テストシステム。
【請求項3】
前記オリフィスが、前記HVAC/Rシステムの取付面に対して封止して、前記ガス検知器を前記テストチャンバの中に封入するように構成されている、請求項1または2に記載の検知器テストシステム。
【請求項4】
前記ガス検知器の通信装置と電子通信する通信装置
をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の検知器テストシステム。
【請求項5】
前記ガス検知器によって検知された検知器測定値を表示するように構成されているディスプレイ装置
をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の検知器テストシステム。
【請求項6】
前記ターゲットガスが微燃性の冷媒である、請求項1~5のいずれか一項に記載の検知器テストシステム。
【請求項7】
前記ターゲットガスがA2冷媒、A2L冷媒またはA3冷媒である、請求項1~6のいずれか一項に記載の検知器テストシステム。
【請求項8】
前記テストチャンバの中の環境条件を調整するように構成されている環境制御部と、
前記テストチャンバの中の前記環境条件を検知するように構成されている環境センサと
をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の検知器テストシステム。
【請求項9】
前記環境条件が温度または湿度である、請求項8に記載の検知器テストシステム。
【請求項10】
前記ガス検知器の通信装置と電子通信する通信装置であって、前記ガス検知器によって検知された測定値を受信し、前記測定値をクラウドサーバに送信するように構成されている、前記通信装置
をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の検知器テストシステム。
【請求項11】
前記ガス検知器の通信装置と電子通信する通信装置であって、前記ガス検知器の再較正のために前記ガス検知器と通信するように構成されている前記通信装置
をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の検知器テストシステム。
【請求項12】
加熱、換気及び空調または冷凍(HVAC/R)システムのためのガス検知器をテストする方法であって、
オリフィスを通して検知器テストシステムに、そして前記検知器テストシステムの中のテストチャンバに少なくとも部分的に、前記ガス検知器を挿入することであって、前記テストチャンバが、少なくとも部分的に前記テストチャンバの中に前記ガス検知器を封入するように構成されている、前記挿入することと、
外部環境から離して前記テストチャンバを封止することと、
前記テストチャンバの中にターゲットガスを提供することと、
HVAC/Rシステムから1つ以上の測定値を受信することと
を含み、
前記ターゲットガスが冷媒であり、
前記ターゲットガスを前記テストチャンバに提供する前に、
希釈ガスカートリッジからの外部空気またはガスを用いて前記ターゲットガスを可燃性下限の前記ターゲットガスに希釈すること
をさらに含む、前記方法。
【請求項13】
外部環境から離して前記テストチャンバを封止することが、
前記HVAC/Rシステムから前記ガス検知器を取り除くことと、
前記ガス検知器を完全に前記テストチャンバに挿入することと、
前記テストチャンバのドアであって、前記オリフィスに対して封止して、前記テストチャンバの中に前記ガス検知器を完全に封入するように構成されている前記ドアを、閉めることと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
外部環境から離して前記テストチャンバを封止することが、
前記HVAC/Rシステムの取付面に対して前記オリフィスを封止することであって、前記ガス検知器は前記取付面に付着されたままである、前記封止することと、
前記テストチャンバの中に前記ガス検知器を封入することと
をさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記検知器テストシステムの中の前記ガス検知器によって検知された前記1つ以上の検知器測定値を表示すること
をさらに含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ターゲットガスが可燃性の冷媒である、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ターゲットガスがA2冷媒、A2L冷媒またはA3冷媒である、請求項12~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
環境センサを用いて前記テストチャンバの中の環境条件を検知することと、
環境制御部を使用して前記テストチャンバの中の前記環境条件を調整することと
をさらに含む、請求項12~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記ガス検知器からの測定値を受信することと、
前記測定値をクラウドサーバに送信することと
をさらに含む、請求項12~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記ガス検知器からの測定値を受信することと、
前記測定値に応答して前記ガス検知器の再較正が必要であると判定することと、
前記ガス検知器の再較正のための較正パラメータまたは調整値を前記ガス検知器に送信することと
をさらに含む、請求項12~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記HVAC/Rシステムからの応答データを受信することと、
前記HVAC/Rシステムが、前記テストチャンバへの前記ターゲットガスの導入後に隔離及びポンプダウン手順を実行したかまたは実行しているかどうかを判定することと
をさらに含む、請求項12~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記ターゲットガスを前記テストチャンバからターゲットガスタンクに輸送すること
をさらに含む、請求項12~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
加熱、換気及び空調または冷凍(HVAC/R)システムにおいて使用されるガス検知器をテストするための検知器テストシステムであって、
オリフィスを備えたカップ取付面を有するテストカップと、
前記カップ取付面の前記オリフィスから前記テストカップの中に伸びているテストチャンバと、
前記テストチャンバに流体接続しているターゲットガス送達ホースと、
前記ターゲットガス送達ホースを通して前記テストチャンバに流体接続しているターゲットガスタンクと、を含み、
前記ターゲットガス送達ホースは、ターゲットガスを前記ターゲットガスタンクから前記テストチャンバに送達するように構成され、
前記ターゲットガスが冷媒であり、
前記ターゲットガスタンク中の前記ターゲットガスは、前記ターゲットガスが前記テストチャンバに入る前に、希釈ガスカートリッジからの外部空気またはガスを用いて可燃性下限の前記ターゲットガスに希釈される、前記検知器テストシステム。
【請求項24】
前記カップ取付面が、前記HVAC/Rシステムの取付面に対して封止して、前記ガス検知器を前記テストチャンバの中に封入するように構成されている、請求項23に記載の検知器テストシステム。
【請求項25】
前記ターゲットガスが微燃性の冷媒である、請求項23または24のいずれか一項に記載の検知器テストシステム。
【請求項26】
前記ターゲットガスがA2冷媒、A2L冷媒またはA3冷媒である、請求項23~25のいずれか一項に記載の検知器テストシステム。
【請求項27】
前記テストチャンバと前記ターゲットガスタンクの間に挿入された前記ターゲットガス送達ホースの中に配置されたターゲットガス計量コンポーネント
をさらに含む、請求項23~26のいずれか一項に記載の検知器テストシステム。
【請求項28】
前記テストチャンバを前記ターゲットガスタンクに流体接続しているターゲットガス戻りホースと、
前記テストチャンバと前記ターゲットガスタンクの間に挿入された前記ターゲットガス戻りホースの中に配置されたターゲットガス再生利用コンポーネントと
をさらに含む、請求項23~27のいずれか一項に記載の検知器テストシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2019年5月17日に出願の米国特許出願第62/849,324号及び2020年3月24日に出願の米国特許出願第62/993,916号の利益を主張し、それは完全に本願明細書に引用したものとする。
【0002】
本明細書において開示される主題は、概してガス検知に関し、より具体的には、ガスセンサ及び検知システムをテストする装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
製品は、コンテナ、トラックまたはトレーラなどの空調スペースの中で出荷するかまたは保管することができる。これらの空調スペースは、内部容積内で冷却空気を循環させる冷凍ユニットを利用する。多くの場合、冷凍ユニットは冷凍サイクルを使用して空気を冷却する。冷凍ユニットからの冷媒は漏れる可能性があり、したがって、ガス検知システムがうまく漏れを検知するために正しく作動していることを検証する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態によれば、ガス検知器をテストするための検知器テストシステムは、加熱、換気及び空調または冷凍(HVAC/R)システムにおいて使用される。検知器テストシステムは、オリフィスを通して検知器テストシステムにガス検知器を受け入れるように構成されたテストチャンバであって、テストチャンバの中に少なくとも部分的にガス検知器を封入するように構成されているテストチャンバ、テストチャンバに流体接続された受流口、及び受流口に流体接続されたターゲットガスカートリッジであって、既知濃度のターゲットガスを含んでいるターゲットガスカートリッジを含み、受流口はターゲットガスをテストチャンバに分配するように構成されている。
【0005】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、オリフィスに対して封止してテストチャンバの中に完全にガス検知器を封入するように構成されたドアを含むことができる。
【0006】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、オリフィスがHVAC/Rシステムの取付面に対して封止して、テストチャンバの中にガス検知器を封入するように構成されている、ということを含むことができる。
【0007】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ガス検知器の通信装置と電子通信する通信装置を含むことができる。
【0008】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ガス検知器によって検知される検知器測定値を表示するように構成されているディスプレイ装置を含むことができる。
【0009】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ターゲットガスが冷媒であることを含むことができる。
【0010】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ターゲットガスが微燃性の冷媒であることを含むことができる。
【0011】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ターゲットガスがA2冷媒、A2L冷媒またはA3冷媒であることを含むことができる。
【0012】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ターゲットガスカートリッジの中の既知濃度のターゲットガスが可燃性下限のターゲットガスであることを含むことができる。
【0013】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ターゲットガスカートリッジの中のターゲットガスが、ターゲットガスがテストチャンバに入る前に可燃性下限のターゲットガスに希釈されることを含むことができる。
【0014】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、テストチャンバの中の環境条件を調整するように構成されている環境制御部と、テストチャンバの中の環境条件を検知するように構成されている環境センサとを含むことができる。
【0015】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、環境条件が温度または湿度であることを含むことができる。
【0016】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ガス検知器の通信装置と電子通信する通信装置であって、ガス検知器によって検知される測定値を受信して測定値をクラウドサーバに送信するように構成されている通信装置を含むことができる。
【0017】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態はガス検知器の通信装置と電子通信する通信装置を含むことができ、この通信装置はガス検知器の再較正のためにガス検知器と通信するように構成されている。
【0018】
別の実施形態によれば、加熱、換気及び空調または冷凍(HVAC/R)システム用のガス検知器をテストする方法が提供される。方法は、オリフィスを通して検知器テストシステムに、そして検知器テストシステムの中のテストチャンバに少なくとも部分的に、ガス検知器を挿入することであって、テストチャンバが、少なくとも部分的にテストチャンバの中にガス検知器を封入するように構成されている、挿入することと、外部環境から離してテストチャンバを封止することと、テストチャンバの中にターゲットガスを提供することと、HVAC/Rシステムから1つ以上の測定値を受信することとを含む。
【0019】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、外部環境から離してテストチャンバを封止することがさらに、HVAC/Rシステムからガス検知器を取り除くことと、ガス検知器を完全にテストチャンバに挿入することと、テストチャンバのドアであって、オリフィスに対して封止して、テストチャンバの中にガス検知器を完全に封入するように構成されているドアを、閉めることとを含む、ということを含むことができる。
【0020】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、外部環境から離してテストチャンバを封止することが、さらに、HVAC/Rシステムの取付面に対してオリフィスを封止することであって、ガス検知器は取付面に付着されたままである、封止することと、テストチャンバの中にガス検知器を封入することを含む、ということを含むことができる。
【0021】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、検知器テストシステムの中でガス検知器によって検知された1つ以上の検知器測定値を表示することを含むことができる。
【0022】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ターゲットガスが冷媒であることを含むことができる。
【0023】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ターゲットガスが可燃性の冷媒であることを含むことができる。
【0024】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ターゲットガスがA2冷媒、A2L冷媒またはA3冷媒であることを含むことができる。
【0025】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ターゲットガスをテストチャンバに提供する前に、方法が、さらに、ターゲットガスがテストチャンバに入る前にターゲットガスを可燃性下限のターゲットガスに希釈することを含む、ということを含むことができる。
【0026】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、環境センサを用いてテストチャンバの中の環境条件を検知することと、環境制御部を使用してテストチャンバの中の環境条件を調整することとを含むことができる。
【0027】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ガス検知器からの測定値を受信することと、測定値をクラウドサーバに送信することとを含むことができる。
【0028】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ガス検知器からの測定値を受信することと、測定値に応答してガス検知器の再較正が必要であると判定することと、ガス検知器の再較正のための較正パラメータまたは調整値をガス検知器に送信することとを含むことができる。
【0029】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、HVAC/Rシステムからの応答データを受信することと、HVAC/Rシステムが、テストチャンバへのターゲットガスの導入後に隔離及びポンプダウン手順を実行したかまたは実行しているかどうかを判定することとを含むことができる。
【0030】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ターゲットガスをテストチャンバからターゲットガスタンクに輸送することを含むことができる。
【0031】
別の実施形態によれば、加熱、換気及び空調または冷凍(HVAC/R)システムにおいて使われるガス検知器をテストするための検知器テストシステムが提供される。検知器テストシステムは、オリフィスを備えたカップ取付面を有するテストカップと、カップ取付面のオリフィスからテストカップの中に伸びているテストチャンバと、テストチャンバに流体接続しているターゲットガス送達ホースと、ターゲットガス送達ホースを通してテストチャンバに流体接続しているターゲットガスタンクとを含み、ターゲットガス送達ホースは、ターゲットガスをターゲットガスタンクからテストチャンバに送達するように構成されている。
【0032】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、カップ取付面が、HVAC/Rの取付面に対して封止して、ガス検知器をテストチャンバの中に封入するように構成されている、ということを含むことができる。
【0033】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ターゲットガスが冷媒であることを含むことができる。
【0034】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ターゲットガスが微燃性の冷媒であることを含むことができる。
【0035】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、ターゲットガスがA2冷媒、A2L冷媒またはA3冷媒であることを含むことができる。
【0036】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、テストチャンバとターゲットガスタンクの間に挿入されたターゲットガス送達ホースの中に配置されたターゲットガス計量コンポーネントを含むことができる。
【0037】
上記の特徴の1つ以上に加えて、または、代替として、さらなる実施形態は、テストチャンバをターゲットガスタンクに流体接続しているターゲットガス戻りホースと、テストチャンバとターゲットガスタンクの間に挿入されたターゲットガス戻りホースの中に配置されたターゲットガス再生利用コンポーネントを含むことができる。
【0038】
先述した特徴及び要素は、他に明確に示されない限り、排他性なしに様々な組み合わせで組み合わされてもよい。これらの特徴部及び要素ならびにそれらの動作は、次の説明及び添付の図面に照らせば、より明らかになるであろう。しかしながら、以下の説明及び図面は、本質的に例示的及び説明的であり、非限定的であることを意図していることを理解されたい。
【0039】
以下の説明は、いかなる形であれ制限的なものであるとみなされるべきではない。添付の図面に関し、同様の要素には同様の番号が付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本開示の一実施形態による、検知器テストシステムの一般的システム図である。
図2】本開示の一実施形態による、検知器テストシステムの中のガス検知器を示す図である。
図3】本開示の一実施形態による、加熱、換気及び空調または冷凍システムのためのセンサをテストする方法を示すフローチャートである。
図4】本開示の一実施形態による、検知器テストシステムの一般的システム図である。
図5】本開示の一実施形態による、加熱、換気及び空調または冷凍システムのためのセンサをテストする方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本明細書では、図を参照して、開示した装置及び方法の1つ以上の実施形態の詳細な説明を限定ではなく例示を目的として示す。
【0042】
図1図2は、ガス検知器200をテストするように構成された検知器テストシステム100を概略的に示す。ガス検知器200は、例えばガスセンサ、診断アルゴリズムならびに、光、リレー及びスイッチなどの緩和メカニズムなどの検知器テストシステム100によってテストされる、様々なコンポーネントを含むことができる。特定のシステムは概略ブロック図において別々に定義されているが、システムのそれぞれまたはいずれかがハードウェア及び/またはソフトウェアを介して別の方法で結合されるかまたは分離され得ることが理解されるべきである。ガス検知器200は、ターゲットガスを検知するために加熱、換気及び空調または冷凍(HVAC/R)システム300で使用することができる。一実施形態では、ターゲットガスは、冷媒である。一実施形態では、ターゲットガスは、可燃性及び/または微燃性の冷媒である。一実施形態では、微燃性の冷媒は、0.3kg/m3を超える冷媒、19,000kj/kg未満の燃焼熱、及び/または10cm/s未満の炎伝播速度として定義することができる。一実施形態では、微燃性の冷媒は、A2L冷媒であってもよい。A2L冷媒には、R32、R-1234ze(E)、R134A、R454A及びR454Bが含まれ得るが、これらに限定はされない。別の実施形態では、ターゲットガスは、例えばA3冷媒などのより高可燃性の冷媒であってもよい。別の実施形態では、ターゲットガスは、A2冷媒、A2L冷媒またはA3冷媒である。A2冷媒は、R-152aを含み得るが、これに限定はされない。A3冷媒には、R-290(プロパン)及びR-600a(イソブテン)が含まれ得るが、これらに限定はされない。
【0043】
HVAC/Rシステム300は、商業用または住宅用の固定式HVACシステム、あるいは輸送または固定冷凍(R)システムであってもよい。ガス検知器200は、例えば、冷凍トラック、冷凍トレーラまたは冷凍コンテナなどの輸送HVAC/Rシステムと動作可能に関連付けて利用することができる。ガス検知器200はまた、例えば、冷凍キャビネット(例えば、ドアの有無にかかわらずセルフサービス冷凍食料雑貨キャビネット)などの固定HVAC/Rシステムと動作可能に関連付けて利用することもできる。輸送冷凍システムまたは商業用冷凍システムにおいて、ガス検知器200を冷凍制御システムの一部として使用して、換気、湿度、気温及び/または汚染物質洗浄システムを制御するかまたはその制御に影響を与えるために、腐りやすい商品(例えば、貨物/ストック/在庫品)の環境条件を調整することができる。一実施形態では、ガス検知器200を使用して、換気を起動させてガス検知器200周辺のターゲットガス濃度を下げるか、または、ターゲットガスの存在もしくは所有物や腐りやすい商品への損害の可能性に対して人員に警告することができる。別の実施形態では、ガス検知器200は、対応する冷凍システムまたは商業用冷凍システムとは独立して利用して、腐りやすい商品への損害の可能性に対して人員に警告し、ターゲットガスの存在に対して人員に警告し、及び/または換気速度を増減させることができる。
【0044】
検知器テストシステム100は、ガス検知器200から分離されて離れていてもよく、必要に応じて、定期的に、または、断続的にガス検知器200をテストするために利用することができる。検知器テストシステム100は、ガス検知器200をテストするために、現場に持ち込むことができる。ガス検知器200はHVAC/Rシステム300から取り除かれて、検知器テストシステム100の中でテストすることができるか、または、検知器テストシステム100はHVAC/Rシステム300に持ってこられて、本明細書に記載されているように、HVAC/Rシステム300でインストールされたままである間に、ガス検知器200をテストすることができる。
【0045】
検知器テストシステム100は、ガス検知器200を完全に及び/または部分的に封入することができるテストチャンバ110を含む。図1に示される実施形態では、ガス検知器200は、HVAC/Rシステム300から取り除かれて、ガス検知器200を完全に封入する検知器テストシステム100の中でテストされる。ガス検知器200は、HVAC/Rシステム300から取り除かれて、テストチャンバ110の中に配置され得る。検知器テストシステム100はドア112を含んで外部環境210からテストチャンバ110を環境的に封止することができ、したがってテストチャンバ110の中に制御された環境を作り出す。ドア112は検知器テストシステム100のオリフィス118に対して封止するように構成され、それはテストチャンバ110の中に通じる。
【0046】
図2に示される実施形態では、ガス検知器200は、HVAC/Rシステム300の取付面302から取り除かれず、まだ取付面302に取り付けられている間に、検知器テストシステム100の中でテストされる。図2に示すように、ガス検知器200は、検知器テストシステム100のオリフィス118に挿入される。オリフィス118は、テストチャンバ110の中に通じる。オリフィス118はHVAC/Rシステム300の取付面302に対して封止するように構成される一方で、テストチャンバ110はガス検知器200を封入する。HVAC/Rシステム300の取付面302に対して封止しているオリフィス118は、テストチャンバ110の中のガス検知器200を環境的に封止して(すなわち、隔離して)、テストチャンバ110とテストチャンバ110の外側の外部環境210の間のガス漏れを防止する。
【0047】
ガス検知器200がテストチャンバ110の中に封止されているとき、検知器テストシステム100は、テストチャンバ110に既知濃度のターゲットガスを放出してガス検知器200の健全性の状態をテストするように構成される。検知器テストシステム100は、ガス検知器200がテストチャンバ110の中に配置されているときに、ガス検知器200に有線及び/または無線で通信して、ガス検知器200から検知器測定値を受信することができる。検知器テストシステム100は通信装置114を含むことができ、ガス検知器200は通信装置114を含むことができる。一実施形態では、ガス検知器200の通信装置214は、着脱可能な接続線(図示せず)を通して検知器テストシステム100の通信装置114に配線接続されてもよい。別の実施形態では、ガス検知器200の通信装置214は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、赤外線などの短距離無線伝送を通して、検知器テストシステム100の通信装置114と無線通信してもよい。
【0048】
一実施形態では、検知器テストシステム100のコントローラ502のメモリ506または検知器テストシステム100の中の任意の他のメモリ装置を利用して、建物名、建物番号、部屋番号、HVAC/R識別番号、局番号、時間、テスト番号、ターゲットガス名、ターゲットガス濃度、検知器名、検知器位置、検知器ベースライン、ガス検知器200からの測定値、時間の関数としての検知器応答、ターゲットガスカートリッジ150の中のターゲットガスの既知濃度、テストチャンバ110に送達されたターゲットガスの濃度、テストチャンバ110の中の湿度及びテストチャンバ110の中の温度などを含むがこれに限らず、テストデータをローカルに格納することができる。
【0049】
一実施形態では、検知器テストシステム100のコントローラ502は、ローカルにテストデータを分析し、ガス検知器200に対する合格か不合格の決定を判断し、合格か不合格の決定を検知器テストシステム100に戻して表示するように構成することができる。
【0050】
別の実施形態では、ガス検知器200の通信装置214は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、赤外線、セルラ、衛星または他のネットワーク通信などの無線伝送を通してクラウドサーバ900と無線通信しもよい。通信装置214は、テストデータをクラウドサーバ900に送信するように構成することができる。クラウドサーバ900は、テストデータを分析し、ガス検知器200に対する合格か不合格の決定を判断し、合格か不合格の決定をローカルディスプレイ用に検知器テストシステム100に戻して送信するように構成することができる。
【0051】
別の実施形態では、ガス検知器200の通信装置214は、例えば、電話、ラップトップなどの別の装置と有線通信してもよい。合格または不合格を判断することに加えて、コントローラ502及び/またはクラウドサーバ900は、代わりに、ガス検知器200が検知器テストシステム100を用いて再較正されることを必要とすると判断することができる。検知器テストシステム100の通信装置114は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、赤外線などの短距離無線を通してガス検知器200の通信装置214と無線通信してもよい。検知器テストシステム100の通信装置114は、USBケーブル、Ethernet、ファイバーオプティックスなどを通してガス検知器200の通信装置214と有線通信してもよい。通信装置114、214を通して、検知器テストシステム100は、ガス検知器200の再較正のためにガス検知器200にその較正パラメータまたは調整値を渡すことが可能でもよく、そしてそれは自動的プロセスであってもよい。例えば、一旦ガス検知器200と接続されると、検知器テストシステム100はガス検知器200と対になって、それがテストチャンバ110に既知濃度のターゲットガスを送達する較正テストを始めることができる。ターゲットガスに応答してガス検知器200からの測定値を受信すると、次に、検知器テストシステム100は、ガス検知器200に更新された較正パラメータを送信することができ、それから、ガス検知器200が首尾よく再較正されたことを確認するために、テストを再び行うことができる。この再較正プロセスは、本明細書において述べられるように、様々な温度レベル及び湿度レベルで行うことができる。
【0052】
コントローラ502は、テストチャンバ110へのターゲットガスの入力を制御するように構成することができる。コントローラ502は、プロセッサ504と、プロセッサ504によって実行されるときにプロセッサ504に様々な動作を実行させるコンピュータ実行可能命令を含む関連メモリ506とを含んでいる、電子コントローラとすることができる。プロセッサ504は、限定するものではないが、可能なアーキテクチャの幅広い配列のいずれかのシングルプロセッサまたはマルチプロセッサシステムであってもよく、アーキテクチャには、同質または異質に配置した、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、中央演算処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)またはグラフィック処理装置(GPU)ハードウェアが含まれる。メモリ506は、限定するものではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)または他の電子、光学、磁気または他の任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0053】
ターゲットガスは、ターゲットガスカートリッジ150から受け取ることができる。ターゲットガスカートリッジ150は、検知器テストシステム100の受流口102に流体接続する出力口152を含むことができる。受流口102は、テストチャンバ110に流体接続していて、ターゲットガスをテストチャンバ110に送達するように構成される。ターゲットガスカートリッジ150は、例えば、0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%またはその間の任意の濃度などの、既知濃度のターゲットガスを含む。一実施形態では、ターゲットガスカートリッジ150は100%に等しい既知濃度のターゲットガスを含むことができ、検知器テストシステム100はターゲットガスカートリッジ150からテストチャンバ110へのターゲットガスのフローを調整するために流量計を含むことができる。
【0054】
1つだけしか示されていないが、検知器テストシステム100は、複数のターゲットガスカートリッジ150及び/または希釈ガスカートリッジ160に接続する複数の受流口102を含むことができる。複数のターゲットガスカートリッジ150が利用される場合には、複数のターゲットガスカートリッジ150のそれぞれは異なる既知濃度のターゲットガスを含むことができる。希釈ガスカートリッジ160はまた、検知器テストシステム100の受流口102に流体接続する出力口162を含むことができる。一実施形態では、検知器テストシステム100はターゲットガスを希釈するのを助けるために流量計を含むことができる。説明を簡単にするために、流量計は示されていない。
【0055】
一実施形態では、検知器テストシステム100は、ターゲットガスカートリッジ150から受け取ったターゲットガスを希釈することなく、ターゲットガスカートリッジ150からのターゲットガスをテストチャンバ110に直接導くことができる。別の実施形態では、検知器テストシステム100は、希釈ガスカートリッジ160からの外部空気またはガスを用いて、テストチャンバ110に入る前にターゲットガスカートリッジ150から受け取ったターゲットガスを希釈することができる。一実施形態では、ターゲットガスカートリッジ150の中の既知濃度のターゲットガスは、可燃性下限(LFL)のターゲットガスである。別の実施形態では、ターゲットガスカートリッジ150の中の既知濃度のターゲットガスは、テストチャンバ110に入る前に、LFLのターゲットガスに希釈することができる。
【0056】
検知器テストシステム100はまた、非ターゲットガスに対するガス検知器200の応答性をテストするように構成することができる。非ターゲットガスは、非ターゲットガスカートリッジ170から受け取ることができる。非ターゲットガスカートリッジ170は、検知器テストシステム100の受流口102に流体接続する出力口172を含むことができる。非ターゲットガスカートリッジ170は、例えば、0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%またはその間の任意の濃度などの、既知濃度の非ターゲットガスを含む。一実施形態では、検知器テストシステム100は、非ターゲットガスカートリッジ170から受け取った非ターゲットガスを希釈することなく、非ターゲットガスカートリッジ170からの非ターゲットガスをテストチャンバ110に直接導くことができる。別の実施形態では、検知器テストシステム100は、希釈ガスカートリッジ160からの外部空気またはガスを用いて、テストチャンバ110に入る前に非ターゲットガスカートリッジ170から受け取った非ターゲットガスを希釈することができる。都合のよいことに、非ターゲットガスを利用することによって、検知器テストシステム100はターゲットガス以外のガスに対するガス検知器200の交差感度をテストすることができる。
【0057】
検知器テストシステム100はまた、様々な温度及び湿度レベルでターゲットガスに対するガス検知器200の応答性をテストするように構成することができる。検知器テストシステム100は、テストチャンバ110の中の環境条件を調整するように構成された環境制御部510と、テストチャンバ110の中の環境条件を検知するように構成された環境センサ520とを含むことができる。環境制御部510は、限定するものではないが、ヒーター510a及び加湿器510bを含むことができる。環境センサ520は、限定するものではないが、温度センサ520a及び湿度センサ520bを含む。都合のよいことに、環境制御部510及び環境センサ520を含むことによって、検知器テストシステム100は、テストの間に生じた1つの環境条件ではなく、複数の他の温度条件または湿度条件でガス検知器200の精度をテストすることができる。検知器テストシステム100のコントローラ502は、ガス検知器200の出力を読み込んでそれをターゲットガス組成と比較する前に、環境制御部510及び環境センサ520を用いてテストチャンバ110の中の環境テスト条件を確立するように構成される。都合のよいことに、テストチャンバ110の中の温度及び湿度を調整することは、温度範囲及び湿度レベルにわたるマルチポイント較正を有するガス検知器200をテストするために用いることができる。
【0058】
検知器テストシステム100はまた、ガス検知器200からの検知器測定値、テストチャンバ110の中に封入されるガス検知器200によって検知されているターゲットガスまたは非ターゲットガスの濃度、テストチャンバ110の中の温度及びテストチャンバ110の中の湿度条件を表示するように構成された、ディスプレイ装置120を含むことができる。ディスプレイ装置120は、テストされているガス検知器200の中のセンサが必要とされる精度レベルを超えるかどうか(例えば、合格か不合格か)、ガス検知器200において、例えば、ライトまたはスイッチなどを含むリレーまたは他のシステムレベル緩和メカニズムが作動しているかまたは正しく作動しているかどうか、などの検知器測定値を含むことができる。検知器テストシステム100はまた、異なるリレー信号がターゲットガスまたは非ターゲットガスに応答してガス検知器200によって起動されるときに明るくなることができる異なるリレーインジケータライト130を含むことができる。例えば、ガス検知器200が特定の濃度のターゲットガスを検出すると、次にガス検知器200はHVAC/Rシステム300に対してリレー信号を作り出してタスク(例えば、スイッチ、ファンオン/オフスイッチ、アラームの起動、HVAC/Rシステムの遮断など)を実行することができ、そしてガス検知器200からのリレー信号は通信装置114、214を通して検知器テストシステム100に伝えられて、リレーインジケータライト130が明るくなり、結果はディスプレイ装置120に表示することができる。
【0059】
ここで図3を参照し、図1図2を引き続き参照すると、本開示の実施形態による、HVAC/Rシステム300のためのガス検知器200をテストする方法400のフローチャートが示されている。一実施形態では、方法400は、検知器テストシステム100によって実行される。ブロック404において、ガス検知器200は、オリフィス118を通して検知器テストシステム100に、そして、少なくとも部分的に検知器テストシステム100の中のテストチャンバ110に挿入される。テストチャンバ110は、ガス検知器200をテストチャンバ110の中に少なくとも部分的に封入するように構成されている。一実施形態では、テストチャンバ110は、ガス検知器200を、テストチャンバ110の中に少なくとも全体として、または完全に封入するように構成される。
【0060】
ブロック406において、テストチャンバ110は、テストチャンバ110及び/または検知器テストシステム100の外側の外部環境210から封止される。テストチャンバ110は、HVAC/Rシステム300からガス検知器200を取り除く(例えば、取り外す)ことと、ガス検知器200をテストチャンバ110に完全に挿入することと、テストチャンバ110のドア112を閉めることとによって、外部環境210から離して封止することができる。ドア112は、オリフィス118に対して封止して、ガス検知器200をテストチャンバ110の中に完全に封入するように構成される。テストチャンバ110はまた、ガス検知器200が取付面302に取り付けられたままの間にHVAC/Rシステム300の取付面302に対してオリフィス118を封止することと、テストチャンバ110の中のガス検知器200を部分的に封入することとによって、外部環境210から離して封止することができる。
【0061】
ブロック408において、ターゲットガスは、既知濃度のターゲットガスを含んでいるターゲットガスカートリッジ150から、テストチャンバ110の中に供給される。一実施形態では、ターゲットガスは、冷媒である。別の実施形態では、ターゲットガスは、微燃性の冷媒である。別の実施形態では、ターゲットガスは、A2冷媒、A2L冷媒またはA3冷媒である。別の実施形態では、ターゲットガスカートリッジの中の既知濃度のターゲットガスは、可燃性下限のターゲットガスである。
【0062】
ブロック410において、1つ以上の測定値が、ガス検知器200から受信される。方法400は、ディスプレイ装置120またはリレーインジケータライト130を通してガス検知器200によって検知された1つ以上の検知器測定値を表示することをさらに含むことができる。加えて、方法400はさらに、テストチャンバ110に入る前にターゲットガスを可燃性下限のターゲットガスに希釈することを含むことができる。
【0063】
方法400はまた、環境センサ520を使用してテストチャンバ110の中の環境条件を検知することと、環境制御部510を使用してテストチャンバ110の中の環境条件を調整することとを含むことができる。方法400はさらに、ガス検知器200からの測定値を受信して測定値をクラウドサーバ900に送信することを含むことができる。方法400はまたさらに、ガス検知器200からの測定値を受信することと、測定値に応答して、ガス検知器200の再較正が必要であると判定することと、ガス検知器の再較正のための較正パラメータまたは調整値をガス検知器200に送信することとを含むことができる。
【0064】
上記の説明では図3のフロー処理を特定の順序で記載したが、添付の請求項において特に必要であると要求されない限り、ステップの順序は変化してもよいということが理解されるべきである。
【0065】
図4は、ガス検知器200及び関連するHVAC/Rシステム300をテストするように構成された検知器テストシステム600を概略的に示す。ガス検知器200は、検知器テストシステム600によってテストされる様々なコンポーネントを含むことができ、それは例えば、ガスセンサ、診断アルゴリズムならびに、ライト、リレー及びスイッチなどの緩和メカニズムである。特定のシステムは概略ブロック図において別々に定義されているが、システムのそれぞれまたはいずれかがハードウェア及び/またはソフトウェアを介して別の方法で結合されるかまたは分離され得ることが理解されるべきである。ガス検知器200は、ターゲットガスを検知するためにHVAC/Rシステム300で使用される。一実施形態では、ターゲットガスは、冷媒である。一実施形態では、ターゲットガスは、可燃性及び/または微燃性の冷媒である。一実施形態では、微燃性の冷媒は、0.3kg/m3を超える冷媒、19,000kj/kg未満の燃焼熱、及び/または10cm/s未満の炎伝播速度として定義することができる。一実施形態では、微燃性の冷媒は、A2L冷媒であってもよい。A2L冷媒には、R32、R-1234ze(E)、R134A、R454A及びR454Bが含まれ得るが、これらに限定はされない。別の実施形態では、ターゲットガスは、例えばA3冷媒などのより高可燃性の冷媒であってもよい。別の実施形態では、ターゲットガスは、A2冷媒、A2L冷媒またはA3冷媒である。A2冷媒は、R-152aを含み得るが、これに限定はされない。A3冷媒には、R-290(プロパン)及びR-600a(イソブテン)が含まれ得るが、これらに限定はされない。
【0066】
HVAC/Rシステム300は、商業用または住宅用の固定式HVACシステムあるいは輸送または固定冷凍(R)システムであってもよい。ガス検知器200は、例えば、冷凍トラック、冷凍トレーラまたは冷凍コンテナなどの輸送HVAC/Rシステムと動作可能に関連付けて利用することができる。ガス検知器200はまた、例えば、冷凍キャビネット(例えば、ドアの有無にかかわらずセルフサービス冷凍食料雑貨キャビネット)などの固定HVAC/Rシステムと動作可能に関連付けて利用することもできる。輸送冷凍システムまたは商業用冷凍システムにおいて、ガス検知器200を冷凍制御システムの一部として使用して、換気、湿度、気温及び/または汚染物質洗浄システムを制御するかまたはその制御に影響を与えるために、腐りやすい商品(例えば、貨物/ストック/在庫品)の環境条件を調整することができる。一実施形態では、ガス検知器200を使用して、換気を起動させてガス検知器200周辺のターゲットガス濃度を下げるか、または、ターゲットガスの存在もしくは所有物や腐りやすい商品への損害の可能性に対して人員に警告することができる。別の実施形態では、ガス検知器200は、対応する冷凍システムまたは商業用冷凍システムとは独立して利用して、腐りやすい商品への損害の可能性に対して人員に警告し、ターゲットガスの存在に対して人員に警告し、及び/または換気速度を増減させることができる。
【0067】
検知器テストシステム600は、ガス検知器200から分離されて離れていてもよく、必要に応じて、定期的に、または、断続的にガス検知器200をテストするために利用することができる。検知器テストシステム600は、ガス検知器200をテストするために、現場に持ち込むことができる。検知器テストシステム600は、HVAC/Rシステム300に持ってこられて、本明細書に記載されているように、HVAC/Rシステム300でインストールされたままである間に、ガス検知器200をテストすることができる。
【0068】
検知器テストシステム600は、ガス検知器200を部分的に封入することができるテストチャンバ610を備えたテストカップ508を含む。テストチャンバ610は、図4に示すように、テストカップ508のカップ取付面612に始まって、テストカップ508内に伸びる。
【0069】
図4に図示される実施形態では、ガス検知器200はHVAC/Rシステム300の取付面302から取り除かれておらず、むしろ、ガス検知器200は、まだ取付面302に取り付けられている間に、テストカップ508のテストチャンバ610の中でテストされる。図4に示すように、ガス検知器200は、検知器テストシステム600のオリフィス618に挿入される。オリフィス618は、テストチャンバ610の中に通じる。カップ取付面612はHVAC/Rシステム300の取付面302に対して封止するように構成されると共に、テストチャンバ610はガス検知器200を封入する。HVAC/Rシステム300の取付面302に対して封止しているカップ取付面612は、テストチャンバ610の中のガス検知器200を環境的に封止して(すなわち、隔離して)、テストチャンバ610とテストチャンバ610の外側の外部環境210の間のガス漏れを防止する。
【0070】
ガス検知器200がテストチャンバ610の中に封止されているとき、検知器テストシステム600は、テストチャンバ610に既知濃度のターゲットガスを放出してガス検知器200の健全性の状態及びHVAC/Rシステム300の応答をテストするように構成される。
【0071】
検知器テストシステム600は、ガス検知器200がHVAC/Rシステム300の応答データに対してテストチャンバ610の中に配置されているとき、HVAC/Rシステム300と有線及び/または無線通信してもよい。検知器テストシステム600は通信装置714を含むことができ、HVAC/Rシステム300は通信装置314を含むことができる。一実施形態では、HVAC/Rシステム300の通信装置314は、着脱可能な接続線(図示せず)を通して検知器テストシステム600の通信装置714に配線接続されてもよい。別の実施形態では、HVAC/Rシステム300の通信装置314は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、赤外線などの短距離無線伝送を通して、検知器テストシステム600の通信装置714と無線通信してもよい。あるいは、検知器テストシステム600とHVAC/Rシステム300の間に通信がない場合もあり、技術者は検知器システムテストシステム600によるテストに対するHVAC/Rシステム300の応答を検証することができる。
【0072】
一実施形態では、検知器テストシステム600のコントローラ702のメモリ706または検知器テストシステム600の中の任意の他のメモリ装置を利用して、建物名、建物番号、部屋番号、局番号、時間、テスト番号、ターゲットガス名、ターゲットガス濃度、検知器名、検知器位置、検知器ベースライン、ガス検知器200からの測定値、時間の関数としての検知器応答、ターゲットガスタンク750の中のターゲットガスの既知濃度、テストチャンバ610に送達されたターゲットガスの濃度、テストチャンバ610の中の湿度及びテストチャンバ610の中の温度などを含むがこれに限らず、テストデータをローカルに格納することができる。一実施形態では、コントローラ702は、テストのための正しい量のターゲットガスを分配するように構成される。
【0073】
一実施形態では、検知器テストシステム600のコントローラ702は、ローカルにテストデータを分析し、ガス検知器200に対する合格か不合格の決定を判断し、合格か不合格の決定を検知器テストシステム600に戻して表示するように構成することができる。別の実施形態では、通信装置314は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、赤外線、セルラ、衛星または他のネットワーク通信などの無線伝送を通してクラウドサーバ900と無線通信しもよい。通信装置314は、テストデータをクラウドサーバ900に送信するように構成することができる。クラウドサーバ900は、テストデータを分析し、ガス検知器200に対する合格か不合格の決定を判断し、合格か不合格の決定をローカルディスプレイ用に検知器テストシステム600に戻して送信するように構成することができる。テストデータは、分析のために、HVAC/ Rシステム300からコントローラ702または任意の他のコンピューティング装置にダウンロードされ得る。
【0074】
合格または不合格を判断することに加えて、コントローラ702及び/またはクラウドサーバ900は、代わりに、ガス検知器200が検知器テストシステム600を用いて再較正されることを必要とすると判断することができる。検知器テストシステム100の通信装置114は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、赤外線などの短距離無線を通してガス検知器200の通信装置214と無線通信してもよい。検知器テストシステム100の通信装置114は、USBケーブル、Ethernet、ファイバーオプティックスなどを通してガス検知器200の通信装置214と有線通信してもよい。通信装置714、214を通して、検知器テストシステム600は、ガス検知器200の再較正のためにガス検知器200にその較正パラメータまたは調整値を渡すことが可能でもよく、そしてそれは自動的プロセスであってもよい。例えば、一旦ガス検知器200と接続されると、検知器テストシステム600はガス検知器200と対になって、それがテストチャンバ610に既知濃度のターゲットガスを送達する較正テストを始めることができる。ターゲットガスに応答してガス検知器200からの測定値を受信すると、次に、検知器テストシステム600は、ガス検知器200に更新された較正パラメータを送信することができ、それから、ガス検知器200が首尾よく再較正されたことを確認するために、テストを再び行うことができる。
【0075】
コントローラ702は、ターゲットガス計量コンポーネント760を使用したテストチャンバ610へのターゲットガスの入力、またはターゲットガス再生利用コンポーネント770を使用したテストチャンバ610からのターゲットガスの除去を制御するように構成することができる。コントローラ702は、プロセッサ704と、プロセッサ704によって実行されるときにプロセッサ704に様々な動作を実行させるコンピュータ実行可能命令を含む関連メモリ706とを含んでいる、電子コントローラとすることができる。プロセッサ704は、限定するものではないが、可能なアーキテクチャの幅広い配列のいずれかのシングルプロセッサまたはマルチプロセッサシステムであってもよく、アーキテクチャには、同質または異質に配置した、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、中央演算処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)またはグラフィック処理装置(GPU)ハードウェアが含まれる。メモリ706は、限定するものではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)または他の電子、光学、磁気または他の任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0076】
検知器テストシステム600はまた、テストチャンバ610に流体接続しているターゲットガス送達ホース752を含むことができる。ターゲットガスタンク750は、テストチャンバ610にターゲットガス送達ホース752経由で流体接続することができる。ターゲットガス計量コンポーネント760は、テストチャンバ610とターゲットガスタンク750の間に挿入されたターゲットガス送達ホース752の中に配置することができる。ターゲットガス計量コンポーネント760は、当業者に知られている計量弁、電磁弁、ステッパーモータ弁または類似のコンポーネントであってもよい。ターゲットガス計量コンポーネント760は、どれだけの量のターゲットガスがターゲットガスタンク750からテストチャンバ610に送達されるかを調整するかまたは計量することができる。一実施例では、ターゲットガス計量コンポーネント760によって実行されるターゲットガス計量は、特定の時間の間電磁弁を開いているコントローラによって行うことができ、その時間は冷媒の量と相関している。別の実施例では、ターゲットガス計量コンポーネント760によって実行されるターゲットガス計量は、ステッパーモータ弁を開き、流量計によって流量を測定し、そしてその流量を冷媒の量に相関させることによって行うことができる。
【0077】
ターゲットガス送達ホース752は、ターゲットガスをテストチャンバ610に送達するように構成される。ターゲットガスタンク750は、例えば、0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%またはその間の任意の濃度などの、既知濃度のターゲットガスを含む。一実施形態では、ターゲットガスタンク750は、約100%に等しい既知濃度のターゲットガスを含むことができる。検知器テストシステム600は、ターゲットガスタンク750からテストチャンバ610へのターゲットガスのフローを調整するためのターゲットガス計量コンポーネント760を含む。
【0078】
検知器テストシステム600はまた、テストチャンバ610に流体接続しているターゲットガス戻りホース772を含むことができる。ターゲットガスタンク750は、テストチャンバ610にターゲットガス戻りホース772経由で流体接続することができる。ターゲットガス再生利用コンポーネント770は、テストチャンバ610とターゲットガスタンク750の間に配置されたターゲットガス戻りホース772の中に配置することができる。ターゲットガス再生利用コンポーネント770は、弁、ポンプ、可燃性の冷媒用の定格の密閉ポンプ、または当業者に知られている任意の類似の装置でもよい。ターゲットガス再生利用コンポーネント770は、一旦テストが完了すると、ターゲットガスをターゲットガス戻りホース772を通してテストチャンバ610からターゲットガスタンク750までポンプで移送するように構成することができる。テストチャンバ610の圧力は測定されて、0psigまで、ポンプダウンされる。
【0079】
検知器テストシステム600はまた、HVAC/Rシステム300の応答データを表示するように構成されたディスプレイ装置720を含むことができる。応答データは、HVAC/Rシステム300がテストチャンバ610へのターゲットガスの導入後に隔離及びポンプダウン手順を実行した(または実行している)かどうか示すことができる。ディスプレイ装置720は、例えば、VissimまたはMATLAB(登録商標)などの計算プログラムによって制御することができる。ディスプレイ装置720は、コンピュータモニタまたは異なる意味(例えば、赤=テスト不合格;緑=テスト合格)を有する1つ以上のライトでもよい。
【0080】
ここで図5を参照し、図4を引き続き参照すると、本開示の実施形態による、HVAC/Rシステム300のためのガス検知器200をテストする方法800のフローチャートが示されている。方法800は、安全システムテストの合格または不合格を示すことができる。一実施形態では、方法800は、検知器テストシステム600によって実行される。ブロック804において、ガス検知器200は、オリフィス618を通して検知器テストシステム600に、そして、少なくとも部分的に検知器テストシステム600の中のテストチャンバ610に挿入される。テストチャンバ610は、ガス検知器200をテストチャンバ610の中に少なくとも部分的に封入するように構成されている。一実施形態では、テストチャンバ610は、ガス検知器200を、テストチャンバ610の中に少なくとも全体として、または完全に封入するように構成される。
【0081】
ブロック806において、テストチャンバ610は、テストチャンバ610の外側の外部環境210から封止される。テストチャンバ610は、ガス検知器200が取付面302に取り付けられたままの間にHVAC/Rシステム300の取付面302に対してカップ取付面612を封止することと、テストチャンバ610の中のガス検知器200を部分的に封入することとによって、外部環境から離して封止することができる。
【0082】
ブロック808において、ターゲットガスは、既知濃度のターゲットガスを含んでいるターゲットガスタンク750から、テストチャンバ610の中に供給される。一実施形態では、ターゲットガスは、冷媒である。別の実施形態では、ターゲットガスは、微燃性の冷媒である。別の実施形態では、ターゲットガスは、A2冷媒、A2L冷媒またはA3冷媒である。別の実施形態では、ターゲットガスカートリッジの中の既知濃度のターゲットガスは、可燃性下限のターゲットガスである。
【0083】
ブロック810において、応答データは、HVAC/Rシステム300から受信される。応答データは、HVAC/Rシステム300がテストチャンバ610へのターゲットガスの導入後に隔離及びポンプダウン手順を実行したか、または実行しているかどうか示すことができる。HVAC/Rシステム300がターゲットガスの導入後に隔離及びポンプダウン手順を実行した(または実行している)場合、HVAC/Rシステム300は安全システムテストに合格したと見なされる。HVAC/Rシステム300がターゲットガスの導入後に隔離及びポンプダウン手順を実行した(または実行している)場合、HVAC/Rシステム300は安全システムテストに不合格であったと見なされる。
【0084】
方法800は、ターゲットガスがテストチャンバ610からターゲットガスタンク750に輸送されることをさらに含むことができる。ターゲットガスは、ターゲットガス戻りホース772を通してターゲットガス再生利用コンポーネント770を使用して、テストチャンバ610からターゲットガスタンク750に輸送することができる。
【0085】
上記の説明では図5のフロー処理を特定の順序で記載したが、添付の請求項において特に必要であると要求されない限り、ステップの順序は変化してもよいということが理解されるべきである。
【0086】
上記のように、実施形態は、プロセッサによって実装されるプロセス及び、プロセッサなどのそれらのプロセスを実施するための装置の形態であり得る。実施形態はまた、フロッピーディスク、CD-ROM、ハードドライブ、または任意の他の非一時的なコンピュータ可読媒体などの有形媒体に具体化された命令を含むコンピュータプログラムコード(例えば、コンピュータプログラム製品)の形態であり得て、コンピュータプログラムコードがコンピュータにロードされて実行されると、コンピュータは実施形態を実行するための装置となる。実施形態はまた、コンピュータプログラムコードの形態であり得て、例えば、記憶媒体に格納されてコンピュータにロード及び/または実行されるか、何らかの伝送媒体を介して送信されてコンピュータにロード及び/または実行されるか、電気配線またはケーブル上、光ファイバー経由、もしくは電磁放射などを介して何らかの伝送媒体によって送信されるものであり、コンピュータプログラムコードがコンピュータにロードされて実行されると、コンピュータは例示的な実施形態を実行するための装置になる。汎用マイクロプロセッサに実装されると、コンピュータプログラムコードのセグメントは、特定の論理回路を作り出すようにマイクロプロセッサを構成する。
【0087】
「約」という用語は、出願時に利用可能な装置に基づく特定の量の測定に関連する誤差の程度を含むことを意図している。
【0088】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本開示を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別段に明示されていない限り、複数形も同様に含むことが意図されている。本明細書で使用される場合、用語「含む(comprises)」及び/または「含んでいる(comprising)」は、記載された機能、整数、ステップ、動作、要素、及び/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の機能、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0089】
本開示は、例示の1つ以上の実施形態を参照して説明したが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行ってもよく、等価物がその要素の代わりをする場合もあることは当業者によって理解されるであろう。さらに、本開示の本質的な範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況または材料を適合させるために、多くの修正を行ってもよい。したがって、本開示は、本開示を実施するために企図された最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されるのではなく、本開示は、特許請求の範囲内に収まる全ての実施形態を含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5