(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 7/18 20060101AFI20240919BHJP
G09F 13/02 20060101ALI20240919BHJP
F21S 9/02 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
G09F7/18 D
G09F13/02
F21S9/02 110
(21)【出願番号】P 2021027962
(22)【出願日】2021-02-24
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 司
(72)【発明者】
【氏名】根本 俊明
(72)【発明者】
【氏名】阿部 一博
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 正高
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 高志
(72)【発明者】
【氏名】皆藤 貴志
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 孝之
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-123170(JP,A)
【文献】国際公開第2009/113424(WO,A1)
【文献】特開2010-67412(JP,A)
【文献】特開2006-65229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 7/18
G09F 13/02
F21S 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示用のパネル部と、
天井に取り付けられる本体器具と、
前記パネル部と前記本体器具とをつなぐ連結器具と、
前記パネル部に対して光を照射する照射部と、を備え、
前記本体器具は、
長板状の底板部と、
前記底板部の短手方向の両端部分から延長され、前記底板部との間に収容空間を形成する一対の側板部と、を有し、
前記連結器具は、
前記底板部の前記短手方向の中央部分に固定される固定部と、
前記パネル部の上端部を前記収容空間で着脱可能に支持する支持部と、
前記固定部及び前記支持部の間に介在するワイヤと、を有する、
表示装置。
【請求項2】
前記パネル部は、
第1表示面と、
前記第1表示面に対して裏表の位置にある第2表示面と、を有し、
前記照射部は、
前記収容空間に配置される第1反射部材と、
前記第1反射部材に向けて光を照射し、前記第1反射部材を介して前記第1表示面を照らす第1光源部と、
前記収容空間に配置される第2反射部材と、
前記第2反射部材に向けて光を照射し、前記第2反射部材を介して前記第2表示面を照らす第2光源部と、を有する、
請求項1の表示装置。
【請求項3】
前記第1反射部材は、前記第1光源部が発する光を前記第1表示面に向けて反射させるための凹曲面を有し、
前記第2反射部材は、前記第2光源部が発する光を前記第2表示面に向けて反射させるための凹曲面を有する、
請求項2の表示装置。
【請求項4】
前記パネル部は、導光性を有し、
前記照射部は、前記パネル部の前記上端部に向けて光を照射するように設けられている、
請求項1の表示装置。
【請求項5】
前記固定部は、前記パネル部の揺動を許容する可動部を含む、
請求項1から4のいずれか一項の表示装置。
【請求項6】
前記パネル部は、案内表示用のパネルである、
請求項1から5のいずれか一項の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道の駅構内の天井等から吊り下げられた表示装置が、従来公知である。この種の表示装置は、パネル部と、パネル部の筐体に収納された光源とを備え、光源が発する光によってパネル部の側面(表示面)が照らされるようになっている(例えば特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の表示装置では、パネル部が筐体を有し、筐体の内側には光源等の各種の機器類が収納されていることから、パネル部のコンパクト化や軽量化を図ることが困難である。
【0005】
本開示は、パネル部のコンパクト化や軽量化を図ることができる表示装置を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、表示用のパネル部と、天井に取り付けられる本体器具と、前記パネル部と前記本体器具とをつなぐ連結器具と、前記パネル部に対して光を照射する照射部とを備える。前記本体器具は、長板状の底板部と、前記底板部の短手方向の両端部分から延長され、前記底板部との間に収容空間を形成する一対の側板部とを有する。前記連結器具は、前記底板部の前記短手方向の中央部分に固定される固定部と、前記パネル部の上端部を前記収容空間で着脱可能に支持する支持部と、前記固定部及び前記支持部の間に介在するワイヤとを有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、パネル部のコンパクト化や軽量化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態の表示装置の設置状態を示す一部破断図である。
【
図3】
図3は、同上の表示装置の設置状態を天井の下方から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の表示装置からパネル部を外した状態を天井の下方から見た斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の表示装置の設置状態を天井の上方から見た斜視図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態の表示装置の設置状態を示す一部破断図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)第1実施形態
図1から
図5には、第1実施形態の表示装置1を示している。表示装置1は、例えば駅構内の天井9に設置される。表示装置1は、化粧室の方向を示す誘導サインとしての機能を有する(
図3参照)。
【0010】
表示装置1は、表面に文字、図形、記号等が付された長尺のパネル部2と、天井9を構成する天井パネル92に取り付けられる長尺の本体器具3と、パネル部2と本体器具3とをつなぐ複数の連結器具4と、複数の連結器具4を介して本体器具3から吊り下げられたパネル部2に対して光を照射する照射部8と備える。
【0011】
表示装置1が備える各構成について、図面に基づいて詳述する。以下の説明において、上下、水平等の方向を用いるときは、表示装置1が天井9に設置された状態(単に「設置状態」という。)を基準とする。
【0012】
(1-1)本体器具
本体器具3は、全体として長尺に形成されており、長板状の底板部31と、同じく長板状の一対の側板部32,33とを有する。底板部31は、長手方向D1及び短手方向D2を有する。長手方向D1及び短手方向D2は、天井9に対して平行な方向であり、言い換えれば、設置状態において上下方向と直交する方向である。長手方向D1及び短手方向D2は、互いに直交する。底板部31の長手方向D1及び短手方向D2は、本体器具3の全体の長手方向D1及び短手方向D2と一致する。
【0013】
一対の側板部32,33は、底板部31の短手方向D2の両端部分から、底板部31と直交する方向に延長されている。各側板部32,33が底板部31から延長されている方向は、設置状態において下方である。
【0014】
一対の側板部32,33は、底板部31との間に収容空間39を形成する。収容空間39は、複数の連結器具4,照射部8等の機器類が収容される空間であり、下方に開放されている。
【0015】
図2に示すように、一対の側板部32,33は略平行であるが、厳密に平行でなく、下方に位置する部分ほど互いに離れて位置するように、僅かにハ字状に開いた形状を有する。収容空間39は、下方に位置する部分ほど大きな水平断面を有する。
【0016】
更に、本体器具3は、一対の側板部32,33の先端部から延長された一対のフランジ部34,35を有する。一対のフランジ部34,35は、互いに離れる方向に延長されている。各フランジ部34,35が、対応する側板部32,33から延長されている方向は、設置状態において水平な方向である。
【0017】
本体器具3は、天井パネル92の裏面側に固定される少なくとも1つの取付金具95を介して、天井パネル92に取り付けられる。第1実施形態においては、長手方向D1に距離をあけて位置する2つの取付金具95を介して、本体器具3が天井パネル92に取り付けられている。
【0018】
取付金具95は、本体器具3の短手方向D2に伸びる長板状の横片部951と、横片部951の両端部分から延長された一対の長板状の縦片部952,953とを有する、コ字状の金具である。一対の縦片部952,953は、横片部951の両端部分から、横片部951と直交する方向に延長されており、互いに平行である。各縦片部952,953が横片部951から延長されている方向は、設置状態において下方である。
【0019】
更に、取付金具95は、一対の縦片部952,953の先端部から延長された一対のフランジ片954,955と、横片部951と一対の縦片部952,953のそれぞれから突出する複数の補強片956とを有する。
【0020】
一対のフランジ片954,955は、互いに離れる方向に延長されている。各フランジ片954,955が、対応する縦片部952,953から延長されている方向は、設置状態において水平な方向である。
【0021】
取付金具95は、一対の縦片部952,953のそれぞれに固定される一対の受け金具96を介して、天井パネル92が有する開口920の開口縁部921に、固定される。受け金具96は、取付金具95が有する一対の縦片部952,953の一方に固定される縦片部962と、縦片部962の下端部から水平方向に延長されたフランジ片964とを有する、L字状の金具である。
【0022】
図2に示すように、取付金具95のフランジ片954,955が、天井パネル92の開口縁部921に対して上方から当たり、受け金具96のフランジ片964が、天井パネル92の開口縁部921に対して下方から当たった状態で、取付金具95の一対の縦片部952,953に対して、対応する受け金具96が固定具97を介して固定されることで、取付金具95は天井パネル92に対して強固に固定される。この状態において、天井パネル92の開口縁部921は、取付金具95のフランジ片954,955と、一対の受け金具96のそれぞれのフランジ片964とによって、上下に挟み込まれている。
【0023】
本体器具3の短手方向D2の中央部分と、これの上方に距離をあけて位置する取付金具95の横片部951の中央部分とは、ボルト981及びナット982を介して固定されている。取付金具95を介して天井パネル92に固定された本体器具3のフランジ部34,35は、天井パネル92の開口縁部921をその下方から覆い、かつ、一対の受け金具96のそれぞれのフランジ片964を下方から覆い隠すように位置する。
【0024】
本体器具3が天井パネル92に固定された状態において、本体器具3の底板部31を含んだ大部分は、天井パネル92の開口920を通じて、天井パネル92よりも上方に突出して位置する。
【0025】
(1-2)連結器具
連結器具4は、本体器具3が有する底板部31の短手方向D2の中央部分から、パネル部2を吊り下げるための器具である。第1実施形態においては、長手方向D1に距離をあけて位置する3つの連結器具4を介して、パネル部2が本体器具3に吊り下げられている。
【0026】
連結器具4は、底板部31の短手方向D2の中央部分に固定される固定部5と、パネル部2の上端部25を収容空間39で着脱可能に支持する支持部6と、固定部5及び支持部6の間に介在するワイヤ7とを有する。
【0027】
固定部5は、ワイヤ7が挿入されるワイヤグリップ51と、ワイヤグリップ51を底板部31の短手方向D2の中央部分に取付固定する固定金具52とを有する。
【0028】
ワイヤグリップ51は、挿入されたワイヤ7の任意の位置を掴んで保持するように構成されており、ワイヤグリップ51には、可動部515が含まれている。可動部515は、例えば40度の範囲内で全方向に首振り可能に構成されており、可動部515の首振りによって、パネル部2の揺動が所定範囲内で許容される。
【0029】
固定金具52は、底板部31の短手方向D2の中央部分に固定される金具であって、ワイヤグリップ51が固定される底板部521と、底板部521のうち短手方向D2の両端部分から、上方に向けて延長された側板部522,523とを有する。側板部522,523の上端部は、互いに近づく方向に延長されており、この延長部分が本体器具3の底板部31に固定されている。
【0030】
支持部6は、パネル部2を吊り下げ支持するための金具で構成されており、ワイヤ7の下端部が引っ掛かるように構成された金具本体61と、金具本体61に保持された支持棒62とを有する。支持棒62は、ナット63を介して金具本体61に固定されるボルトで、構成されている。支持棒62は、パネル部2の上端部25に対して、パネル部2の厚み方向に挿し通されることで、パネル部2の上端部25ひいてはパネル部2の全体を支持する。パネル部2の厚み方向は、パネル部2が真っすぐ垂下された状態において、本体器具3の短手方向D2と一致する。
【0031】
(1-3)パネル部
本体器具3から連結器具4を介して吊り下げ支持されるパネル部2には、化粧室に関する文字、図形及び記号が付されている。
図3に示すように、パネル部2に記載された文字は、「化粧室」及び「Restrooms」の文字である。パネル部2に記載された図形は、化粧室のピクトグラム及び国際シンボルマーク(車いすマーク)である。パネル部2に記載された記号は、化粧室の方向を示す矢印記号である。
【0032】
パネル部2は、4mm程度の厚みを有する合成樹脂製(例えばアクリル製)のパネルであり、非常に薄型かつ軽量に構成されている。パネル部2は、その厚み方向の一側の側面を構成する第1表示面21と、パネル部2の厚み方向の別側の側面を構成する第2表示面22とを有する。第1表示面21と第2表示面22は、パネル部2の厚み方向において裏表の位置にある。第1実施形態においては、第1表示面21と第2表示面22に、化粧室に関する同様の文字、図形及び記号が付されているが、第1表示面21と第2表示面22の一方にだけ、化粧室に関する文字、図形及び記号が付されていてもよい。また、第1実施形態では、パネル部2に文字、図形及び記号の全てが付されているが、これに限定されず、文字、図形及び記号のうち少なくとも1つが付されていればよい。
【0033】
(1-4)照射部
パネル部2に対して光を照射するために本体器具3に設置された照射部8は、光源部81と、光源部81が発する光をパネル部2に向けて反射するための反射部材82とを有する。光源部81と反射部材82は、ともに収容空間39に位置する。
【0034】
第1実施形態において、光源部81は、取付板85を介して本体器具3に固定される第1光源部811及び第2光源部812を有する。取付板85は、固定金具52の底板部521に対してその下側から固定される金具であり、第1側板部851と第2側板部852とを有する。第1側板部851と第2側板部852は、上側の部分ほど互いに離れるように傾斜している。
【0035】
第1光源部811は、第1側板部851に固定されたLEDユニットで構成されており、斜め下方に向けて光を照射するように構成されている。第2光源部812は、第2側板部852に固定されたLEDユニットで構成されており、斜め下方に向けて光を照射するように構成されている。第1光源部811と第2光源部812は、連結器具4の中心軸を挟んで互いに反対側に位置し、該中心軸を挟んで互いに対称な方向に光を照射するように構成されている。
【0036】
反射部材82は、収容空間39に位置するように、本体器具3に固定されている。第1実施形態において、反射部材82は複数設けられている。複数の反射部材82は、収容空間39に位置するように本体器具3に固定された第1反射部材821と、収容空間39のうち第1反射部材821とは別の部分に位置するように本体器具3に固定された第2反射部材822とを含む。
【0037】
第1反射部材821は、第1光源部811が発する光をパネル部2の第1表示面21に向けて反射させるための凹曲面を有する。第1反射部材821の一部は本体器具3の底板部31に固定され、第1反射部材821の別の部分は本体器具3の側板部32に固定されている。
【0038】
第2反射部材822は、第2光源部812が発する光をパネル部2の第2表示面22に向けて反射させるための凹曲面を有する。第2反射部材822の一部は本体器具3の底板部31に固定され、第2反射部材822の別の部分は本体器具3の側板部33に固定されている。湾曲したアルミ板によって構成された第1反射部材821と第2反射部材822は、連結器具4の中心軸を挟んで互いに反対側に位置し、該中心軸を挟んで互いに対称な形状を有する。
【0039】
第1実施形態において、第1光源部811は、第1反射部材821の凹曲面に向けて光を照射し、第1反射部材821を介して第1表示面21を全体的に照らすように構成されている。第2光源部812は、第2反射部材822の凹曲面に向けて光を照射し、第2反射部材822を介して第2表示面22を全体的に照らすように構成されている。
【0040】
上記した第1実施形態の表示装置1では、パネル部2の内側に光源等の機器類が収容されることがなく、パネル部2は薄型コンパクトに形成されており、また、軽量に形成されている。そのため、天井パネル92の上方に、表示装置1を支持するための支持鋼材等を別途設置することなく、天井パネル92に対して表示装置1を直接的に支持させることが可能である。また、パネル部2は軟質の樹脂製パネルで構成されているので、パネル部2に対して通行人の荷物等が衝突したときにも、その衝撃をパネル部2の軟性である程度吸収することができ、パネル部2の破損等が抑えられる。
【0041】
また、第1実施形態の表示装置1では、天井面(天井パネル92の下面)よりも上方に位置する収容空間39に、連結器具4や照射部8が収容されるので、設置状態においてはパネル部2以外の構成が視認されにくく、全体的にスマートな外観が得られる。
【0042】
加えて、第1実施形態の表示装置1では、連結器具4の一部を構成する固定部5が、首振り可能な可動部515を含み、パネル部2の全体が可動部515を中心として揺動可能である。そのため、パネル部2に対して通行人の荷物等が衝突したときにも、その衝撃をパネル部2の揺動によって吸収することができ、パネル部2の破損等が抑えられる。
【0043】
(2)第2実施形態
図6及び
図7には、第2実施形態の表示装置1を示している。以下において、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付し、説明を一部省略する。
【0044】
第2実施形態の表示装置1は、第1実施形態のようにパネル部2をその外部から照らす方式(外照式)ではなく、パネル部2の内部に導光することでパネル部2の全体を発光させる方式(導光式)である。
【0045】
表示装置1は、表面に文字、図形、記号等を付すことができる長尺のパネル部2と、天井9を構成する天井パネル92に取り付けられる長尺の本体器具3と、パネル部2と本体器具3とをつなぐ複数の連結器具4と、複数の連結器具4を介して本体器具3から吊り下げられたパネル部2に対して光を照射する照射部8と備える。
【0046】
(2-1)本体器具
本体器具3は、第1実施形態と同様の構成を有し、第1実施形態と同様の取付金具95や受け金具96を介して、天井パネル92に取り付けられる。
【0047】
(2-2)連結器具
連結器具4は、本体器具3が有する底板部31の短手方向D2の中央部分から、パネル部2を吊り下げるための器具であり、第2実施形態においては、長手方向D1に距離をあけて位置する2つの連結器具4を介して、パネル部2が本体器具3に吊り下げられている。
【0048】
連結器具4は、底板部31の短手方向D2の中央部分に固定される固定部5と、パネル部2の上端部25を収容空間39で着脱可能に支持する支持部6と、固定部5及び支持部6の間に介在するワイヤ7とを有する。
【0049】
固定部5は、ワイヤ7が挿入されるワイヤグリップ51を有し、ワイヤグリップ51が、底板部31の短手方向D2の中央部分に取付固定されている。ワイヤグリップ51には、例えば40度の範囲内で全方向に首振り可能な可動部515が含まれており、可動部515の首振りによって、パネル部2の揺動が所定範囲内で許容される。
【0050】
支持部6は、ワイヤ7の下端部が引っ掛かるように構成された第1の取付具64と、第1の取付具64の下面に固定されたフレーム65と、フレーム65に固定された第2及び第3の取付具66,67と、第3の取付具67に支持された支持棒68とを有する。
【0051】
第1の取付具64は、長手方向D1に長尺の金具である。第1の取付具64には、電源ユニット89が載置されている。
【0052】
第2の取付具66は、光源部81を支持する金具である。光源部81は、電源ユニット89からの供給電力で発光するように構成されたLEDユニットである。
【0053】
第3の取付具67は、支持棒68を介してパネル部2を吊り下げ支持する金具である。支持棒68は、ナット69を介して第3の取付具67に固定されるボルトで、構成されている。支持棒68は、パネル部2の上端部25に対して、パネル部2の厚み方向に挿し通されることで、パネル部2の上端部25ひいてはパネル部2の全体を支持する。このように吊り下げ支持されたパネル部2の上端部25の上方に、光源部81が位置する。
【0054】
(2-3)パネル部
パネル部2は、導光性を有するパネルであり、第1導光パネル26と第2導光パネル27が反射シート28を挟んで重ね合わさった構造を有する。第1導光パネル26と第2導光パネル27は、例えば例えば3mmから4mmの範囲内の厚みを有するアクリル製の透明パネルである。反射シート28は、例えばポリエチレンテレフタレート製の白色シートである。パネル部2が真っすぐ垂下された状態において、光源部81はパネル部2の真上に位置し、より詳細には、反射シート28の真上に位置する。
【0055】
パネル部2の第1表示面21は、第1導光パネル26の表面で構成され、第2表示面22は、第2導光パネル27の表面で構成されている。第1表示面21と第2表示面22には、第1実施形態と同様の文字、図形及び記号が付される。
【0056】
(2-4)照射部
パネル部2に対して光を照射するために本体器具3に設置された照射部8は、上述のLEDユニットで構成された光源部81を含む。光源部81は、パネル部2の上端面に対してその上方から光を照射するように構成されている。
【0057】
パネル部2の上端面は、第1導光パネル26の上端面と、第2導光パネル27の上端面とを含む。光源部81から下方に照射された光は、第1導光パネル26と第2導光パネル27のそれぞれの上端面に入射し、互いに反対側を向く第1表示面21と第2表示面22のそれぞれを、全面にわたって略均一に発光させる。
【0058】
上記した第2実施形態の表示装置1では、パネル部2の内側に光源等の機器類が収容されることがなく、パネル部2は薄型コンパクトに形成されており、また、軽量に形成されている。そのため、天井パネル92の上方に、表示装置1を支持するための支持鋼材等を別途設置することなく、天井パネル92に対して表示装置1を直接的に支持させることが可能である。
【0059】
また、表示装置1では、天井面(天井パネル92の下面)よりも上方に位置する収容空間39に、連結器具4や照射部8が収容されるので、設置状態においてはパネル部2以外の構成が視認されにくく、全体的にスマートな外観が得られる。
【0060】
加えて、パネル部2の全体が可動部515を中心として揺動可能であるため、パネル部2に対して通行人の荷物等が衝突したときにも、その衝撃をパネル部2の揺動によって吸収することができ、パネル部2の破損等が抑えられる。
【0061】
(3)変形例
上記した第1及び第2実施形態の表示装置1は、駅の案内表示用のパネルであり、目的地の方向や距離を示す誘導サインの機能を有するが、表示装置1の機能はこれに限定されない。例えば、表示装置1が、番線数字、停車駅、所要時間等の情報を示すゲートサインの機能を有してもよい。また、表示装置1が、コンコース等において、乗換えや各種の施設に関する情報(駅構内図、出口案内、のりば案内、路線図等)を示す案内サインの機能を有してもよい。
【0062】
表示装置1のその他の構成においても、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更を行うことや、各種の実施形態及び変形例の構成を適宜に組み合わせて適用することが可能である。
【0063】
(4)態様
以上、各種の実施形態及び変形例に基づいて説明したように、本開示の第1の態様の表示装置(1)は、表示用のパネル部(2)と、天井(9)に取り付けられる本体器具(3)と、パネル部(2)と本体器具(3)とをつなぐ連結器具(4)と、パネル部(2)に対して光を照射する照射部(8)とを備える。本体器具(3)は、長板状の底板部(31)と、底板部(31)の短手方向(D2)の両端部分から延長され、底板部(31)との間に収容空間(39)を形成する一対の側板部(32,33)とを有する。連結器具(4)は、底板部(31)の短手方向(D2)の中央部分に固定される固定部(5)と、パネル部(2)の上端部(25)を収容空間(39)で着脱可能に支持する支持部(6)と、固定部(5)及び支持部(6)の間に介在するワイヤ(7)とを有する。
【0064】
第1の態様の表示装置(1)によれば、パネル部(2)の内側に光源等の機器類が収納される構造ではないため、パネル部(2)のコンパクト化や軽量化が図られる。
【0065】
本開示の第2の態様の表示装置(1)は、第1の態様において、下記の構成を更に備える。第2の態様において、パネル部(2)は、第1表示面(21)と、第1表示面(21)に対して裏表の位置にある第2表示面(22)とを有する。照射部(8)は、収容空間(39)に配置される第1反射部材(821)と、第1反射部材(821)に向けて光を照射し、第1反射部材(821)を介して第1表示面(21)を照らす第1光源部(811)と、収容空間(39)に配置される第2反射部材(822)と、第2反射部材(822)に向けて光を照射し、第2反射部材(822)を介して第2表示面(22)を照らす第2光源部(812)とを有する。
【0066】
第2の態様の表示装置(1)によれば、パネル部(2)の第1表示面(21)と第2表示面(22)をそれぞれ外部から照らして、第1表示面(21)と第2表示面(22)のそれぞれの表示内容を、通行人が視認しやすくなるように際立たせることができる。
【0067】
本開示の第3の態様の表示装置(1)は、第2の態様において、下記の構成を更に備える。第3の態様において、第1反射部材(821)は、第1光源部(811)が発する光を第1表示面(21)に向けて反射させるための凹曲面を有する。第2反射部材(822)は、第2光源部(812)が発する光を第2表示面(22)に向けて反射させるための凹曲面を有する。
【0068】
第3の態様の表示装置(1)によれば、パネル部(2)の第1表示面(21)の全面を効果的に照らすことができ、かつ、第2表示面(22)の全面を効果的に照らすことができる。
【0069】
本開示の第4の態様の表示装置(1)は、第1の態様において、下記の構成を更に備える。第2の態様において、パネル部(2)は導光性を有する。照射部(8)は、パネル部(2)の上端部(25)に向けて光を照射するように設けられている。
【0070】
第4の態様の表示装置(1)によれば、パネル部(2)の上端部(25)に向けて照射した光によって、導光性を有するパネル部(2)を発光させ、パネル部(2)の表示内容を、通行人が視認しやすくなるように際立たせることができる。
【0071】
本開示の第5の態様の表示装置(1)は、第1から第4のいずれか一つの態様において、下記の構成を更に備える。第5の態様において、固定部(5)は、パネル部(2)の揺動を許容する可動部(515)を含む。
【0072】
第5の態様の表示装置(1)によれば、連結器具(4)によって支持されるパネル部(2)が、連結器具(4)に含まれる固定部(5)の可動部(515)を中心として揺動可能である。そのため、パネル部(2)に対して例えば通行人の荷物等が衝突したときにも、その衝撃をパネル部(2)の揺動によって吸収することができ、パネル部(2)の破損等が抑えられる。
【0073】
本開示の第6の態様の表示装置(1)は、第1から第5のいずれか一つの態様において、下記の構成を更に備える。第6の態様において、パネル部(2)は、案内表示用のパネルである。
【0074】
第6の態様の表示装置(1)によれば、案内表示用のパネル部(2)のコンパクト化や軽量化が図られる。
【符号の説明】
【0075】
1 表示装置
2 パネル部
21 第1表示面
22 第2表示面
25 上端部
3 本体器具
39 収容空間
4 連結器具
5 固定部
515 可動部
6 支持部
7 ワイヤ
8 照射部
811 第1光源部
812 第2光源部
821 第1反射部材
822 第2反射部材
9 天井
D2 短手方向