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特許7557469APPの発現を低減するための化合物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】APPの発現を低減するための化合物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20240919BHJP
   A61K 31/7115 20060101ALI20240919BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20240919BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20240919BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240919BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
A61K31/7115
A61K31/712
A61K31/7125
A61P25/28
A61P43/00 105
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2021544144
(86)(22)【出願日】2020-01-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 US2020015701
(87)【国際公開番号】W WO2020160163
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】62/798,353
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/915,764
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/841,169
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595104323
【氏名又は名称】アイオーニス ファーマシューティカルズ, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Ionis Pharmaceuticals,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】フレアー,スーザン・エム
(72)【発明者】
【氏名】ブイ,フィン・ホア
(72)【発明者】
【氏名】コルダシェヴィッチ,ホリー
(72)【発明者】
【氏名】スウェイジ,エリック・イー
【審査官】上條 のぶよ
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-514158(JP,A)
【文献】国際公開第2005/042777(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2017/0044526(US,A1)
【文献】特表2016-533717(JP,A)
【文献】特表2016-531570(JP,A)
【文献】特表2016-521556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/113
A61K 31/7115
A61K 31/712
A61K 31/7125
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、
該修飾オリゴヌクレオチドは、15~30個の連結したヌクレオシドからなり、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1の核酸塩基652~697の等長部分の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、又は少なくとも21個の連続した核酸塩基に相補的であり、
該修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含み、
該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列全体にわたって測定した場合に、配列番号1~7の核酸塩基配列のうちのいずれかに、少なくとも90%相補的であり、
該オリゴマー化合物が、細胞または動物におけるAPP RNA及び/又はタンパク質の量を低下させることができる、
上記オリゴマー化合物。
【請求項2】
飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、
該修飾オリゴヌクレオチドは、15~30個の連結したヌクレオシドからなり、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、
)配列番号42、43、116、117、191、192、265、266、338、413、414、又は478~487の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、又は少なくとも18個の核酸塩基;または
b)配列番号505~507又は513~516の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、又は20個の核酸塩基;または
c)配列番号599の核酸塩基配列の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、又は23個の核酸塩基;
を含み、
該修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含み、
該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列全体にわたって測定した場合に、配列番号1~7の核酸塩基配列のうちのいずれかに、少なくとも90%相補的であり、
該オリゴマー化合物が、細胞または動物におけるAPP RNA及び/又はタンパク質の量を低下させることができる、
上記オリゴマー化合物。
【請求項3】
修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列全体にわたって測定した場合に、配列番号1~7の核酸塩基配列のうちのいずれかに、少なくとも95%相補的、又は100%相補的である、請求項1又は2に記載のオリゴマー化合物。
【請求項4】
修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分を含む少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項5】
修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが二環式糖部分を含む、または、該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、2’-4’橋を有する二環式糖部分を含み、該2’-4’橋が、-O-CH -又はO-CH(CH )-である、請求項4に記載のオリゴマー化合物。
【請求項6】
修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが非二環式修飾糖部分を含む、または、修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、2’-MOE修飾糖部分、2’-OMe修飾糖部分、又は2’-F修飾糖部分である非二環式修飾糖部分を含む、請求項4又は5に記載のオリゴマー化合物。
【請求項7】
a)修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、2’-4’橋を有する二環式糖部分を含み、該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが非二環式修飾糖部分を含む;または
b)修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、2’-4’橋を有する二環式糖部分を含み、該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、2’-MOE修飾糖部分、2’-OMe修飾糖部分、又は2’-F修飾糖部分である非二環式修飾糖部分を含む;
請求項4~6のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項8】
修飾オリゴヌクレオチドが、糖代替物を含む少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含む、または、修飾オリゴヌクレオチドが、モルホリノ及びPNAから選択される糖代替物を含む少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項9】
修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合を含む、請求項1~のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項10】
a)修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;または
b)修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合である;または
c)修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である;または
d)修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、ホスホジエステルヌクレオシド間結合及びホスホロチオエートヌクレオシド間結合から独立して選択される;
請求項1~9のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項11】
修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1個の修飾核酸塩基を含む、または、修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1個の修飾核酸塩基を含み、該修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、請求項1~10のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項12】
a)修飾オリゴヌクレオチドが、15~17、15~25、16~20、16~18、18~22、18~25、18~20、20~25、又は21~23個の連結したヌクレオシドからなる;または
b)修飾オリゴヌクレオチドが、18、20、21、又は23個の連結したヌクレオシドからなる
求項1~11のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項13】
オリゴマー化合物がRNase H化合物である、または、オリゴマー化合物がRNase H化合物であり、修飾オリゴヌクレオチドがギャップマーである、請求項1~12のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項14】
a)修飾オリゴヌクレオチドが、
1~6個の連結した5’-領域ヌクレオシドからなる5’-領域;
6~10個の連結した中央領域ヌクレオシドからなる中央領域;及び
1~6個の連結した3’-領域ヌクレオシドからなる3’-領域;
を含む糖モチーフを有し、
該5’領域の最も3’側のヌクレオシド及び該3’-領域の最も5’側のヌクレオシドが、修飾糖部分を含み、
該中央領域ヌクレオシドの各々が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシド及び2’-置換糖部分を含むヌクレオシドから選択され、該中央領域が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む少なくとも6個のヌクレオシド及び2’-置換糖部分を含む2つ以下のヌクレオシドを含む;または
b)修飾オリゴヌクレオチドが、
1~6個の連結した5’-領域ヌクレオシドからなる5’-領域;
6~10個の連結した中央領域ヌクレオシドからなる中央領域;及び
1~6個の連結した3’-領域ヌクレオシドからなる3’-領域;
を含む糖モチーフを有し、
該5’-領域ヌクレオシドの各々及び該3’-領域ヌクレオシドの各々が修飾糖部分を含み、該中央領域ヌクレオシドの各々が2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む;または
c)修飾オリゴヌクレオチドが、
5個の連結した5’-領域ヌクレオシドからなる5’-領域;
10個の連結した中央領域ヌクレオシドからなる中央領域;及び
5個の連結した3’-領域ヌクレオシドからなる3’-領域;
を含む糖モチーフを有し、
該5’-領域ヌクレオシドの各々及び該3’-領域ヌクレオシドの各々がcEt修飾糖部分又は2’-MOE修飾糖部分のいずれかを含み、該中央領域ヌクレオシドの各々が2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む;
請求項1~13のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項15】
オリゴマー化合物が、RNAi化合物である、請求項1~12のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項16】
オリゴマー化合物が、少なくとも15個の連続した核酸塩基を含む標的領域を含むアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含み、
a)該標的領域がAPP RNAの等長部分に少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%相補的である;および/または
b)アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの標的領域が、少なくとも19、20、21、又は25個の連続した核酸塩基を含む;および/または
c)APP RNAが、配列番号1~7のいずれかの核酸塩基配列を有する;および/または
d)アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、2’-F、2’-OMe、2’-NMA、LNA、及びcEtから選択される修飾糖部分、又はGNA及びUNAから選択される糖代替物を含む;および/または
e)アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドのヌクレオシドの少なくとも80%、少なくとも90%、又は100%が、2’-F及び2’-OMeから選択される修飾糖部分を含む;および/または
f)オリゴマー化合物が、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの最も5’側のヌクレオシドの5’位に結合した安定化したリン酸基を含む;および/または
g)オリゴマー化合物が、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの最も5’側のヌクレオシドの5’位に結合した安定化したリン酸基を含み、該安定化したリン酸基が、シクロプロピルホスホネート又は(E)-ビニルホスホネートを含む;
請求項1~15のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項17】
オリゴマー化合物が一本鎖オリゴマー化合物である、請求項1~16のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項18】
オリゴマー化合物が、修飾オリゴヌクレオチド、RNAi化合物、又はアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドからなる、請求項1~17のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項19】
a)オリゴマー化合物が、共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含む;または
b)オリゴマー化合物が、共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含み、該共役リンカーが単結合からなる;または
c)オリゴマー化合物が、共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含み、該共役リンカーが切断可能である;または
d)オリゴマー化合物が、共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含み、該共役リンカーが1~3個のリンカー-ヌクレオシドを含む;および/または
e)オリゴマー化合物が、共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含み、該共役基が、修飾オリゴヌクレオチド又はアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端に結合される;および/または
f)オリゴマー化合物が、末端基を含む;
請求項1~17のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項20】
オリゴマー化合物がリンカー-ヌクレオシドを含まない、請求項1~19のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項21】
請求項1620のいずれか1項に記載のアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物と、センスRNAiオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物と、を含むオリゴマー二重鎖であって、
該センスRNAiオリゴヌクレオチドは、17~30個の連結したヌクレオシドからなり、該センスRNAiオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、少なくとも15個の連続した核酸塩基を含むアンチセンスハイブリダイズ領域を含み、アンチセンスハイブリダイズ領域が、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの等長部分に少なくとも90%相補的である、上記オリゴマー二重鎖。
【請求項22】
a)センスRNAiオリゴヌクレオチドが、18~25、20~25、又は21~23個の連結したヌクレオシドからなる、又は、センスRNAiオリゴヌクレオチドが、21又は23個の連結したヌクレオシドからなる;および/または
b)アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個の最も3’側のヌクレオシド、もしくはセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個の最も3’側のヌクレオシドが、オーバーハングヌクレオシドである;および/または、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個の最も5’側のヌクレオシド、もしくはセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個の最も5’側のヌクレオシドが、オーバーハングヌクレオシドである;または
c)二重鎖がアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端で平滑末端を有する、または、二重鎖がアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端で平滑末端を有する;および/または
d)センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、2’-F、2’-OMe、LNA、及びcEtから選択される修飾糖部分、又はGNA及びUNAから選択される糖代替物を含む;または
e)センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、2’-F、2’-OMe、LNA、及びcEtから選択される修飾糖部分、又はGNA及びUNAから選択される糖代替物を含み、該センスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが、修飾糖部分又は糖代替物を含む;または
f)センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、2’-F、2’-OMe、LNA、及びcEtから選択される修飾糖部分、又はGNA及びUNAから選択される糖代替物を含み、該センスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが、修飾糖部分又は糖代替物を含み、該センスRNAiオリゴヌクレオチドのヌクレオシドの少なくとも80%、少なくとも90%、又は100%が、2’-F及び2’-OMeから選択される修飾糖部分を含む;および/または
g)センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、修飾核酸塩基を含む;および/または
h)センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合である;または
i)センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合であり、該センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である;および/または
j)化合物が、アンチセンス又はセンスRNAオリゴヌクレオチドの一端又は両端に結合した1~5個の脱塩基糖部分を含む;および/または
k)オリゴマー二重鎖が、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及びセンスRNAiオリゴヌクレオチドからなる;
請求項21に記載のオリゴマー二重鎖。
【請求項23】
a)第2のオリゴマー化合物が、共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含む;または
b)第2のオリゴマー化合物が、共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含み、該共役リンカーが結合からなる;または
c)第2のオリゴマー化合物が、共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含み、該共役リンカーが切断可能である;または
d)第2のオリゴマー化合物が、共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含み、該共役リンカーが、1~3個のリンカー-ヌクレオシドを含む;および/または
e)第2のオリゴマー化合物が、共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含み、該共役基が、センスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端に結合される、または、センスRNAiオリゴヌクレオチドの内部位置にあるリボシル糖部分の2’位を介して結合している;および/または
f)第2のオリゴマー化合物が末端基を含む;
請求項21又は22に記載のオリゴマー二重鎖。
【請求項24】
共役基がC16アルキル基を含む、請求項19に記載のオリゴマー化合物又は請求項23に記載のオリゴマー二重鎖。
【請求項25】
請求項1~20及び24のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物、又は請求項21~24のいずれか1項に記載のオリゴマー二重鎖、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項26】
薬学的に許容される希釈剤が、人工脳脊髄液、滅菌生理食塩水、又はPBSである;および/または、医薬組成物が、
(a)修飾オリゴヌクレオチド及び滅菌生理食塩水;または
(b)修飾オリゴヌクレオチド及び人工脳脊髄液
から本質的になる、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
動物におけるAPP関連疾患を治療するための、請求項25又は26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
a)APP関連疾患が、アルツハイマー病、ダウン症患者におけるアルツハイマー病、又は脳アミロイド血管症である;または
b)APP関連疾患が、アルツハイマー病、ダウン症患者におけるアルツハイマー病、又は脳アミロイド血管症であり、該APP関連疾患の少なくとも1つの症状又は特徴が改善される;および/または
c)APP関連疾患が、アルツハイマー病、ダウン症患者におけるアルツハイマー病、又は脳アミロイド血管症であり、該APP関連疾患の少なくとも1つの症状又は特徴が改善され、該症状又は特徴が、記憶及び言語能力の低下、無関心及び意欲の欠如などの行動及び心理症状、歩行障害及び発作、進行性認知症、及び/又は異常なアミロイド沈着を含む、認知障害である;
請求項27に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、電子形式の配列表とともに出願されている。配列表は、2020年1月22日に作成された、サイズが580KBのBIOL0351WOSEQ_ST25.txtと題されたファイルとして提供されている。配列表の電子形式の情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
細胞または動物におけるAPP RNAの量または活性を低下させ、場合によっては、細胞または動物におけるAPPタンパク質の量を低下させるための、化合物、方法、及び医薬組成物を提供する。特定のそのような化合物、方法、及び医薬組成物は、神経変性疾患の少なくとも1つの症状または特徴を改善するのに有用である。そのような症状及び特徴には、記憶及び言語能力の低下、無関心及び意欲の欠如などの行動及び心理症状、歩行障害及び発作、進行性認知症、ならびに異常なアミロイド沈着を含む、認知障害が含まれる。このような神経変性疾患には、アルツハイマー病、ダウン症患者におけるアルツハイマー病、及び脳アミロイド血管症が含まれる。
【背景技術】
【0003】
アルツハイマー病(AD)は、加齢性認知症の最も一般的な原因であり、年間推定570万人のアメリカ人に影響を及ぼしている(Alzheimer’s Association.2018 Alzheimer’s Disease Facts and Figures.Alzheimer’s Dement.2018;14(3):367-429)。ADは、顕在的な臨床症状が現れる前に、脳内にβ-アミロイド斑が蓄積することを特徴とする。このような顕在的な臨床症状には、記憶及び言語能力の低下、無関心及び意欲の欠如などの行動及び心理症状、歩行障害及び発作、ならびに進行性認知症を含む、認知障害が含まれる。
【0004】
ダウン症(DS)患者は、早期発症アルツハイマー病(AD in DS)を経験する可能性があり、DS患者の多くは40歳までにアミロイド斑の形成が観察され、ダウン症患者の50%超では50歳までにアルツハイマー型認知症が観察される。
【0005】
脳アミロイド血管症(CAA)は、CNSの血管にβ-アミロイドが沈着することを特徴とする関連疾患である。CAAは、剖検時にAD患者において観察されることが多いが、ADの臨床徴候がなくても加齢と関連している。
【0006】
AD、AD in DS、及びCAAは、いずれもβ-アミロイド斑の異常な蓄積を特徴とする。β-アミロイド(Aβ)は、APPがα-、β-、及びγ-セクレターゼによってプロセシングされる際の、アミロイド前駆体タンパク質(APP)に由来する。42のアミノ酸フラグメントAβに加えて、APPの他の様々なフラグメントも形成され、そのうちのいくつかは、ADにおける認知症の発症に寄与すると考えられている(Nhan,et al.,“The multifaceted nature of amyloid precursor protein and its proteolytic fragments: friends and foes”,Acta Neuropath.,2015,129(1):1-19に概説される)。AD in DS患者における発症率の増加は、21番染色体上に存在するAPP遺伝子のコピー数の増加に直接関係していると考えられている。
【0007】
特定のRNAi化合物について説明されてきた。RNAi化合物は、RNAサイレンシング複合体(RISC)と相互作用し、最終的に標的核酸を切断する。例えば、Sharp et al.,2001,Genes Dev.15:485;Bernstein,et al.,2001,Nature,409:363;Nykanen,et al.,2001,Cell,107:309;Elbashir,et al.,2001,Genes Dev.15:188;Lima et al.,(2012) Cell 150:883-894を参照のこと。
【0008】
現在、AD、AD in DS、及びCAAなどの神経変性疾患を治療するための許容可能な選択肢が不足している。したがって、そのような疾患を治療するための化合物、方法、及び医薬組成物を提供することが、本明細書の目的である。
【発明の概要】
【0009】
APP RNAの量または活性を低下させ、特定の実施形態においては、細胞または動物におけるAPPタンパク質の量を低下させるための、化合物、方法、及び医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、動物は、神経変性疾患に罹患する。特定の実施形態では、動物は、アルツハイマー病(AD)に罹患する。特定の実施形態では、動物は、ダウン症候群と関連したアルツハイマー病(AD in DS)に罹患する。特定の実施形態では、動物は、脳アミロイド血管症(CAA)に罹患する。特定の実施形態では、APP RNAの発現を減少させるのに有用な化合物は、オリゴマー化合物である。特定の実施形態では、APP RNAの発現を減少させるのに有用な化合物は、修飾オリゴヌクレオチドである。
【0010】
また、神経変性疾患の少なくとも1つの症状または特徴を改善するのに有用な方法も提供される。特定の実施形態では、神経変性疾患はアルツハイマー病である。特定の実施形態では、神経変性疾患はダウン症患者におけるアルツハイマー病である。特定の実施形態では、神経変性疾患は脳アミロイド血管症(CAA)である。特定の実施形態では、症状または特徴には、記憶及び言語能力の低下、無関心及び意欲の欠如などの行動及び心理症状、歩行障害及び発作、進行性認知症、または異常なアミロイド沈着を含む、認知障害が含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
当該一般的な説明及び以下の詳細な説明はどちらも例示的かつ説明的であるにすぎず、限定するものではないと理解すべきである。本明細書において、単数形の使用は、別段の明示がある場合を除き、複数形を含む。本明細書で使用される場合、「または(or)」の使用は、別段の言明がある場合を除き、「及び/または(and/or)」を意味する。さらに、「~を含む(including)」という用語、ならびに「~を含む(includes)」及び「含まれる(included)」などの他の形態の使用は、限定的ではない。また、「要素」または「成分」などの用語は、別段の言明がある場合を除き、1つのユニットを含む要素及び成分と2つ以上のサブユニットを含む要素及び成分をどちらも包含する。
【0012】
本明細書で使用する節の見出しは、構成上の目的のためだけにあり、記述の主題を限定するものとして解釈されるべきではない。本出願に挙げる全ての文書、または文書の部分は、これらに限定されないが、特許、特許出願、記事、書籍、及び論文を含み、本明細書で検討する文書の部分を参照することにより、その全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0013】
定義
特定の定義が与えられない限り、本明細書に記載する分析化学、合成有機化学、ならびに医化学及び製薬化学に関連して用いられる術語、ならびにそれらの手順及び技法は、周知であり、当技術分野で一般に使用されるものである。許可されている場合、本開示全体を通じて言及されている全ての特許、出願、公開出願及び他の刊行物、ならびに他のデータは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0014】
別段の指示がある場合を除き、以下の用語は、以下の意味を有する。
【0015】
定義
本明細書で使用される場合、「2’-デオキシヌクレオシド」は、2’-H(H)デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシドを意味する。特定の実施形態では、2’-デオキシヌクレオシドは、2’-β-D-デオキシヌクレオシドであり、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含み、これは、天然に存在するデオキシリボ核酸(DNA)に見られるようなβ-D配置を有する。特定の実施形態では、2’-デオキシヌクレオシド、または非修飾2’-デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含み得るか、またはRNA核酸塩基(ウラシル)を含み得る。
【0016】
本明細書で使用される場合、「2’-置換ヌクレオシド」は、2’-置換糖部分を含むヌクレオシドを意味する。本明細書で使用される場合、糖部分に関する「2’-置換」は、HまたはOH以外の少なくとも1つの2’-置換基を含む糖部分を意味する。
【0017】
本明細書で使用される場合、「3’標的部位」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的核酸にハイブリダイズされる場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドに相補的である標的核酸の最も3’側のヌクレオチドを指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「5’標的部位」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的核酸にハイブリダイズされる場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドに相補的である標的核酸の最も5’側のヌクレオチドを指す。
【0019】
本明細書で使用される場合、「5-メチルシトシン」は、5位に結合したメチル基で修飾されたシトシンを意味する。5-メチルシトシンは、修飾核酸塩基である。
【0020】
本明細書で使用される場合、「脱塩基糖部分」は、核酸塩基に結合していないヌクレオシドの糖部分を意味する。そのような脱塩基糖部分は、当技術分野では「脱塩基ヌクレオシド」と呼ばれることがある。
【0021】
本明細書で使用される場合、「投与」または「投与すること」は、動物に薬剤または組成物を提供することを意味する。
【0022】
本明細書で使用される場合、「動物」は、ヒトまたは非ヒト動物を意味する。
【0023】
本明細書で使用される場合、「アンチセンス活性」は、アンチセンス化合物のその標的核酸へのハイブリダイゼーションに起因する任意の検出可能及び/または計測可能な変化を意味する。特定の実施形態では、アンチセンス活性は、アンチセンス化合物の非存在下での標的核酸レベルまたは標的タンパク質レベルと比較した、かかる標的核酸によってコードされる標的核酸またはタンパク質の量または発現の減少である。
【0024】
本明細書で使用される場合、「アンチセンス化合物」は、少なくとも1つのアンチセンス活性を達成することができるオリゴマー化合物を意味する。
【0025】
本明細書で使用される場合、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸に相補的であり、少なくとも1つのアンチセンス活性を達成することができるオリゴマー化合物のオリゴヌクレオチド部分を含む、オリゴヌクレオチドを意味する。アンチセンスオリゴヌクレオチドには、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及びアンチセンスRNase Hオリゴヌクレオチドが含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書で使用される場合、治療に関する「改善」は、治療がない場合の同じ症状と比較して、少なくとも1つの症状に改善が見られることを意味する。特定の実施形態では、改善は、症状の重症度もしくは頻度の低下、または症状の重症度もしくは頻度における発症の遅延もしくは進行の遅延である。特定の実施形態では、症状または特徴は、記憶及び言語能力の低下、無関心及び意欲の欠如などの行動及び心理症状、歩行障害及び発作、進行性認知症、または異常なアミロイド沈着を含む、認知障害である。
【0027】
本明細書で使用される場合、「二環式ヌクレオシド」または「BNA」は、二環式糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0028】
本明細書で使用される場合、「二環式糖」または「二環式糖部分」は、2つの環を含む修飾糖部分を意味し、第2の環は、第1の環における原子の2つを接続する架橋を介して形成されることにより、二環式構造を形成する。特定の実施形態では、二環式糖部分の第1の環は、フラノシル部分である。特定の実施形態では、二環式糖部分は、フラノシル部分を含まない。
【0029】
本明細書で使用される場合、2つのオリゴヌクレオチドによって形成される二重鎖に関する「平滑」または「平滑末端」は、末端の対になっていないヌクレオチドがない(すなわち、オーバーハングヌクレオチドがない)ことを意味する。二本鎖RNAi化合物の一端または両末端は平滑であってもよい。
【0030】
本明細書で使用される場合、「切断可能な部分」は、生理学的条件下で、例えば、細胞、動物、またはヒトの内部で切断される結合または原子団を意味する。
【0031】
本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチドに関する「相補的」は、オリゴヌクレオチドまたはその1つ以上の領域の核酸塩基、及び別の核酸またはその1つ以上の領域の核酸塩基の少なくとも70%が、オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列及び他の核酸が対向する方向にアラインメントしている場合、互いに水素結合することができることを意味する。相補的核酸塩基とは、互いに水素結合を形成することができる核酸塩基を意味する。相補的な核酸塩基対には、アデニン(A)及びチミン(T)、アデニン(A)及びウラシル(U)、シトシン(C)及びグアニン(G)、5-メチルシトシン(mC)及びグアニン(G)が挙げられる。天然の核酸塩基または他の修飾核酸塩基と対になる特定の修飾核酸塩基は、当技術分野で知られている。例えば、イノシンは、アデノシン、シトシン、またはウラシルと対形成することができる。相補的オリゴヌクレオチド及び/または核酸は、各ヌクレオシドにおける核酸塩基相補性を有することを必要としない。むしろ、いくつかのミスマッチが許容される。本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチドに関して「完全に相補的な」または「100%相補的な」は、オリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドにおいて別のオリゴヌクレオチドまたは核酸に相補的であることを意味する。
【0032】
本明細書で使用される場合、「共役基」は、オリゴヌクレオチドに直接結合される原子団を意味する。共役基には、共役部分と、共役部分をオリゴヌクレオチドに結合する共役リンカーが含まれる。
【0033】
本明細書で使用される場合、「共役リンカー」は、共役部分をオリゴヌクレオチドに接続する少なくとも1つの結合を含む単結合または原子団を意味する。
【0034】
本明細書で使用される場合、「共役部分」は、共役リンカーを介してオリゴヌクレオチドに結合する原子団を意味する。
【0035】
本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチドの文脈における「連続した」は、互いに直接隣接するヌクレオシド、核酸塩基、糖部分、またはヌクレオシド間結合を指す。例えば、「連続した核酸塩基」は、配列において互いに直接隣接する核酸塩基を意味する。
【0036】
本明細書で使用される場合、「拘束エチル」または「cEt」または「cEt修飾糖部分」は、二環式糖の第2の環が、β-Dリボシル糖部分の4’炭素及び2’炭素を接続する架橋を介して形成されるβ-Dリボシル二環式糖部分を意味し、該架橋は式4’-CH(CH)-O-2’を有し、該架橋のメチル基はS配置にある。
【0037】
本明細書で使用される場合、「cEtヌクレオシド」は、cEt修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0038】
本明細書で使用される場合、「キラルが豊富な集団」は、同一の分子式の複数の分子を意味し、特定のキラル中心に特定の立体化学配置を含む集団内の分子の数またはパーセンテージが、特定のキラル中心がステレオランダムである場合、集団内の同じ特定のキラル中心に同じ特定の立体化学配置を含むと予想される分子の数またはパーセンテージよりも大きい。各分子内に複数のキラル中心を有する分子のキラルが豊富な集団は、1つ以上のステレオランダムキラル中心を含有することができる。特定の実施形態では、分子は修飾オリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、分子は修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物である。
【0039】
本明細書で使用される場合、「二本鎖」は、互いにハイブリダイズした核酸(オリゴヌクレオチドを含むが、これに限定されない)の相補鎖によって形成される二重鎖を意味する。特定の実施形態では、二本鎖領域の2本の鎖は別個の分子である。特定の実施形態では、2本の鎖は、それ自体の上に折りたたまれた同じ分子の領域である(例えば、ヘアピン構造)。
【0040】
本明細書で使用される場合、「二重鎖」または「二重鎖領域」は、互いにハイブリダイズする2つのオリゴヌクレオチドまたはその部分によって形成される構造を意味する。
【0041】
本明細書で使用される場合、「ギャップマー」は、1個以上のヌクレオシドを有する外部領域の間に配置されたRNase H切断を支持する複数のヌクレオシドを有する内部領域を含む修飾オリゴヌクレオチドを意味し、該内部領域を含むヌクレオシドの少なくとも1つが、各外部領域の少なくとも1個のヌクレオシドとは化学的に異なる。具体的には、内部領域と各外部領域の境界を定義するヌクレオシドは、化学的に異なる必要がある。内部領域は「ギャップ」と呼んでもよく、外部領域は「ウィング」と呼んでもよい。別段の指示がある場合を除き、「ギャップマー」は糖モチーフを指す。特定の実施形態では、ギャップの各ヌクレオシドの糖部分は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分である。特定の実施形態では、ギャップは、ギャップの1、2、3、4、または5位に1個の2’-置換ヌクレオシドを含み、ギャップのヌクレオシドの残りは2’-β-D-デオキシヌクレオシドである。別段の指示がある場合を除き、ギャップマーは、1個以上の修飾ヌクレオシド間結合及び/または修飾核酸塩基を含み得、そのような修飾は、必ずしも糖修飾のギャップマーパターンに従うとは限らない。本明細書で使用される場合、「混合ギャップマー」という用語は、2’-β-D-デオキシヌクレオシドを含むギャップと、少なくとも2つの異なる糖修飾を含む修飾ヌクレオシドを含むウィングを有するギャップマーを指す。
【0042】
本明細書で使用される場合、「ホットスポット領域」は、標的核酸上の核酸塩基の範囲であり、オリゴマー化合物の介在によるその標的核酸の量または活性の低下の影響を受けやすい範囲である。
【0043】
本明細書で使用される場合、「ハイブリダイゼーション」は、相補的なオリゴヌクレオチド及び/または核酸の対形成またはアニーリングを意味する。特定の機構に限定するわけではないが、ハイブリダイゼーションの最も一般的な機構では水素結合を伴い、これは、相補的な核酸塩基間のワトソン-クリック型、フーグスティーン型または逆フーグスティーン型の水素結合であり得る。
【0044】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシド間結合」は、オリゴヌクレオチド中の隣接したヌクレオシド間の共有結合である。本明細書で使用される場合、「修飾ヌクレオシド間結合」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合以外の任意のヌクレオシド間結合を意味する。「ホスホロチオエートヌクレオシド間結合」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の非架橋酸素原子のうちの1つが硫黄原子で置換された、修飾されたヌクレオシド間結合である。
【0045】
本明細書で使用される場合、「逆位ヌクレオシド(inverted nucleoside)」は、本明細書に示されるように、3’から3’及び/または5’から5’のヌクレオシド間結合を有するヌクレオチドを意味する。
【0046】
本明細書で使用される場合、「逆位糖部分(inverted sugar moiety)」は、3’から3’及び/または5’から5’のヌクレオシド間結合を有する、逆位ヌクレオシドの糖部分または脱塩基糖部分を意味する。
【0047】
本明細書で使用される場合、「リンカー-ヌクレオシド」は、オリゴヌクレオチドを共役部分に直接的または間接的に連結するヌクレオシドを意味する。リンカー-ヌクレオシドは、オリゴマー化合物の共役リンカー内に位置する。リンカー-ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドと連続している場合でも、オリゴマー化合物のオリゴヌクレオチド部分の一部とは見なされない。
【0048】
「脂質ナノ粒子」または「LNP」は、核酸分子、例えば、RNAiまたはRNAiが転写されるプラスミドなどの薬学的に活性な分子をカプセル化する脂質層を含む小胞である。LNPは、例えば、米国特許第6,858,225号、第6,815,432号、第8,158,601号、及び第8,058,069号に記載されており、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
本明細書で使用される場合、「非二環式修飾糖部分」は、第2の環を形成するための糖の2つの原子間に架橋を形成しない、置換基などの修飾を含む修飾糖部分を意味する。
【0050】
本明細書で使用される場合、「ミスマッチ」または「非相補的」は、第1及び第2の核酸配列がアラインメントされている場合に、第2の核酸配列または標的核酸の対応する核酸塩基と相補的ではない第1の核酸配列の核酸塩基を意味する。
【0051】
本明細書で使用される場合、「MOE」はO-メトキシエチルを意味する。「2’-MOE」または「2’-MOE修飾糖」は、リボシル糖部分の2’-OH基の代わりに2’-OCHCHOCH基を意味する。本明細書で使用される場合、「2’-MOEヌクレオシド」は、2’-MOE糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0052】
本明細書で使用される場合、「モチーフ」は、オリゴヌクレオチドにおける、非修飾及び/または修飾糖部分、核酸塩基、及び/またはヌクレオシド間結合のパターンを意味する。
【0053】
本明細書で使用される場合、「神経変性疾患」は、神経機能の喪失及びニューロンの死を含む、機能または構造の進行性の喪失によって特徴付けられる状態を意味する。特定の実施形態では、神経変性疾患はアルツハイマー病である。特定の実施形態では、神経変性疾患はダウン症患者におけるアルツハイマー病である。特定の実施形態では、神経変性疾患は脳アミロイド血管症である。
【0054】
本明細書で使用される場合、「核酸塩基」は、非修飾核酸塩基または修飾核酸塩基を意味する。核酸塩基は複素環式部分である。本明細書で使用される場合、「非修飾核酸塩基」は、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)、またはグアニン(G)である。本明細書で使用される場合、「修飾核酸塩基」は、少なくとも1つの他の核酸塩基と対形成することができる、非修飾A、T、C、U、またはG以外の原子団である。「5-メチルシトシン」は、修飾核酸塩基である。ユニバーサル塩基は、5つの非修飾核酸塩基の任意の1つと対形成できる修飾核酸塩基である。
【0055】
本明細書で使用される場合、「核酸塩基配列」は、任意の糖またはヌクレオシド間結合修飾と関係のない核酸またはオリゴヌクレオチドの連続した核酸塩基の順序を意味する。
【0056】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシド」は、核酸塩基及び糖部分を含む化合物または化合物のフラグメントを意味する。核酸塩基及び糖部分は、それぞれ独立して、非修飾であるか、または修飾される。
【0057】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシドオーバーハング」は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及びセンスRNAiオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによって形成された二重鎖の一方または両末端にある対になっていないヌクレオチドを指す。
【0058】
本明細書で使用される場合、「修飾ヌクレオシド」は、修飾核酸塩基及び/または修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0059】
本明細書で使用される場合、「連結ヌクレオシド」は、連続した配列で接続されているヌクレオシドである(すなわち、連結されたものの間に追加のヌクレオシドが存在しない)。
【0060】
本明細書で使用される場合、「オリゴマー化合物」は、オリゴヌクレオチド、及び任意選択で、共役基または末端基などの1つ以上の追加の特徴を意味する。オリゴマー化合物は、第1のオリゴマー化合物に相補的であるか、または対になっていない可能性がある第2のオリゴマー化合物と対形成し得る。「一本鎖オリゴマー化合物」は、対になっていないオリゴマー化合物である。「オリゴマー二重鎖」という用語は、相補的な核酸塩基配列を有する2つのオリゴマー化合物によって形成される二重鎖を意味する。オリゴマー二重鎖の各オリゴマー化合物は、「二重鎖オリゴマー化合物」と呼ばれることがある。
【0061】
本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」は、ヌクレオシド間結合を介して接続した連結ヌクレオシドのポリマーを意味し、各ヌクレオシド及びヌクレオシド間結合は修飾されても、または非修飾でもよい。別段の指示がある場合を除き、オリゴヌクレオチドは8~50個の連結ヌクレオシドからなる。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドに相補的な第2のオリゴヌクレオチドと対形成し得るか、または対にならない可能性がある。「一本鎖オリゴヌクレオチド」は、対になっていないオリゴヌクレオチドである。「二本鎖オリゴヌクレオチド」は、第2のオリゴヌクレオチドと対形成されるオリゴヌクレオチドである。「オリゴヌクレオチド二重鎖」は、相補的な核酸塩基配列を有する2つの対形成されたオリゴヌクレオチドによって形成される二重鎖を意味する。オリゴヌクレオチド二重鎖の各オリゴは、「二重鎖オリゴヌクレオチド」または「二本鎖オリゴヌクレオチド」である。
【0062】
本明細書で使用される場合、「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1個のヌクレオシドまたはヌクレオシド間結合が修飾されている、オリゴヌクレオチドを意味する。本明細書で使用される場合、「非修飾オリゴヌクレオチド」は、いずれのヌクレオシド修飾またはヌクレオシド間修飾も含まないオリゴヌクレオチドを意味する。したがって、非修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、DNAまたはRNAヌクレオシドであり、各ヌクレオシド間結合はホスホジエステル結合である。
【0063】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体または希釈剤」は、動物への投与に使用するのに好適な任意の物質を意味する。このような特定の担体は、対象による経口摂取用の医薬組成物、例えば、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤、及びロゼンジ剤の製剤化を可能にする。特定の実施形態では、薬学的に許容される担体または希釈剤は、滅菌水、滅菌生理食塩水、滅菌緩衝液、または滅菌人工脳脊髄液である。
【0064】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、化合物の生理学的及び薬学的に許容される塩を意味する。薬剤的に許容される塩は、親化合物の所望の生物学的活性を保持し、かつそれに望ましくない毒物学的影響を与えない。
【0065】
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」は、対象への投与に好適な物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は、オリゴマー化合物及び無菌水溶液を含み得る。特定の実施形態では、医薬組成物は、特定の細胞株におけるフリー取込みアッセイ(free uptake assay)において活性を示す。
【0066】
本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」は、動物またはその細胞内で第2の形態に変換される、体外にある第1の形態の治療薬を意味する。典型的には、プロドラッグの動物内での変換は、細胞または組織に存在する酵素(例えば、内因性またはウイルス性酵素)もしくは化学物質の作用によって、及び/または生理学的条件によって促進される。特定の実施形態では、プロドラッグの第1の形態は、第2の形態よりも活性が低い。
【0067】
本明細書で使用される場合、「量または活性を低下させるかまたは阻害する」は、未処置試料または対照試料における転写発現または活性と比べた、転写発現または活性の低下または遮断を指し、必ずしも転写発現または活性の完全消失を示すわけではない。
【0068】
本明細書で使用される場合、「RNAi化合物」は、少なくとも部分的に、RISCまたはAgo2を介して作用して、標的核酸及び/または標的核酸によってコードされるタンパク質を調節するアンチセンス化合物を意味する。RNAi化合物としては、二本鎖siRNA、一本鎖RNA(ssRNA)、及びマイクロRNA模倣物を含むマイクロRNAが挙げられるが、これに限定されるものではない。RNAi化合物は、共役基及び/または末端基を含み得る。特定の実施形態では、RNAi化合物は、標的核酸の量、活性、及び/またはスプライシングを調節する。RNAi化合物という用語では、RNase Hを介して作用するアンチセンス化合物は除外される。
【0069】
本明細書で使用される場合、「RNAiオリゴヌクレオチド」は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドまたはセンスRNAiオリゴヌクレオチドを意味する。
【0070】
本明細書で使用される場合、「アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド」は、標的配列に相補的であり、RNAiに好適な少なくとも1つの化学修飾を含む領域を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
【0071】
本明細書で使用される場合、「センスRNAiオリゴヌクレオチド」は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの領域に相補的であり、そのようなアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドと二重鎖を形成することができる領域を含むオリゴヌクレオチドを意味する。アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及びセンスRNAiオリゴヌクレオチドによって形成される二重鎖は、二本鎖RNAi化合物(dsRNAi)または短鎖干渉RNA(siRNA)と呼ばれる。
【0072】
本明細書で使用される場合、「RNase H化合物」は、少なくとも部分的に、RNase Hを介して作用して、標的核酸及び/または標的核酸によってコードされるタンパク質を調節するアンチセンス化合物を意味する。特定の実施形態では、RNase H化合物は一本鎖である。特定の実施形態では、RNase H化合物は二本鎖である。RNase H化合物は、共役基及び/または末端基を含み得る。特定の実施形態では、RNase H化合物は、標的核酸の量または活性を調節する。RNase H化合物という用語は、主にRISC/Ago2を介して作用するアンチセンス化合物を除外する。
【0073】
本明細書で使用される場合、「アンチセンスRNase Hオリゴヌクレオチド」は、標的配列に相補的であり、RNase Hの介在による核酸還元に好適な少なくとも1つの化学修飾を含む領域を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
【0074】
本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチドに関して「自己相補的な」は、それ自体に対して少なくとも部分的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを意味する。
【0075】
本明細書で使用される場合、「一本鎖」は、対になっておらず、二重鎖の一部ではない核酸(オリゴヌクレオチドを含むが、これに限定されない)を意味する。一本鎖化合物は、相補的な核酸とハイブリダイズして二重鎖を形成することができ、その時点で、それらはもはや一本鎖ではない。
【0076】
本明細書で使用される場合、「安定化したリン酸基」は、DNAまたはRNA上で天然に生じる5’-リン酸よりも代謝的により安定である5’-リン酸類似体を意味する。
【0077】
本明細書で使用される場合、「標準細胞アッセイ」は、実施例1または5に記載のアッセイ及びその合理的な変形を意味する。
【0078】
本明細書で使用される場合、同一の分子式の分子の集団の文脈における「ステレオランダムキラル中心」は、ランダムな立体化学的配置を有するキラル中心を意味する。例えば、ステレオランダムキラル中心を含む分子の集団において、ステレオランダムキラル中心の(S)配置を有する分子の数は、ステレオランダムキラル中心の(R)配置を有する分子の数と同じであり得るが、必ずしも同じではない。キラル中心の立体化学的配置は、立体化学的配置を制御するように設計されていない合成方法の結果である場合、ランダムであると見なされる。特定の実施形態では、ステレオランダムキラル中心は、ステレオランダムホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0079】
本明細書で使用される場合、「糖部分」は、非修飾糖部分または修飾糖部分を意味する。本明細書で使用される場合、「非修飾糖部分」は、RNAに見られるような2’-OH(H)リボシル部分(「非修飾RNA糖部分」)、またはDNAに見られるような2’-H(H)デオキシリボシル糖部分(「非修飾DNA糖部分」)を意味する。非修飾糖部分は、1’、3’、及び4’位の各々に1個の水素、3’位に1個の酸素、5’位に2個の水素を有する。本明細書で使用される場合、「修飾糖部分」または「修飾糖」は、修飾フラノシル糖部分または糖代替物を意味する。
【0080】
本明細書で使用される場合、「糖代替物」は、別の基(例えば、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合、共役基、または末端基)に核酸塩基を連結することができる、フラノシル糖部分以外を有する修飾糖部分を意味する。糖代替物を含む修飾ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチド内の1つ以上の位置に組み込むことができ、そのようなオリゴヌクレオチドは、相補的なオリゴマー化合物または標的核酸にハイブリダイズすることができる。
【0081】
本明細書で使用される場合、「症状または特徴」は、疾患または障害の存在または程度を示す物理的特徴または試験結果を意味する。特定の実施形態では、症状は、対象、または該対象を検査もしくは試験する医療専門家にとって明らかなものである。特定の実施形態では、特徴は、死後検査を含むが、これに限定されない侵襲的診断検査で明らかである。
【0082】
本明細書で使用される場合、「標的核酸」及び「標的RNA」は、アンチセンス化合物が影響を与えるように設計されている核酸を意味する。標的RNAとはRNA転写産物を意味し、別様に明記されない限り、プレmRNA及びmRNAが含まれる。
【0083】
本明細書で使用される場合、「標的領域」は、オリゴマー化合物がハイブリダイズするように設計される標的核酸の一部を意味する。
【0084】
本明細書で使用される場合、「末端基」は、オリゴヌクレオチドの末端に共有結合する、化学基または原子団を意味する。
【0085】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」は、動物に治療効果をもたらす薬剤または組成物の量を意味する。例えば、治療有効量は、病気の症状を改善する。
【0086】
特定の実施形態
本開示は、以下の非限定的な番号付けされた実施形態を提供する。
【0087】
実施形態1.12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がAPP RNAの等長部分に少なくとも80%相補的であり、該修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖、糖代替物、及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、該オリゴマー化合物。
【0088】
実施形態2.12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、配列番号12~501のいずれかの少なくとも12、13、14、15、16、17、または18の核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、オリゴマー化合物。
【0089】
実施形態3.12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、配列番号502~516のいずれかの少なくとも12、13、14、15、16、17、18、19または20の核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、オリゴマー化合物。
【0090】
実施形態4.12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、
配列番号1の核酸塩基40~78の等長部分、
配列番号1の核酸塩基69~146の等長部分、
配列番号1の核酸塩基83~129の等長部分、
配列番号1の核酸塩基194~231の等長部分、
配列番号1の核酸塩基194~238の等長部分、
配列番号1の核酸塩基236~268の等長部分、
配列番号1の核酸塩基258~284の等長部分、
配列番号1の核酸塩基285~311の等長部分、
配列番号1の核酸塩基296~321の等長部分、
配列番号1の核酸塩基307~330の等長部分、
配列番号1の核酸塩基339~383の等長部分、
配列番号1の核酸塩基415~439の等長部分、
配列番号1の核酸塩基415~477の等長部分、
配列番号1の核酸塩基477~506の等長部分、
配列番号1の核酸塩基477~523の等長部分、
配列番号1の核酸塩基477~541の等長部分、
配列番号1の核酸塩基530~557の等長部分、
配列番号1の核酸塩基636~661の等長部分、
配列番号1の核酸塩基652~697の等長部分、
配列番号1の核酸塩基920~950の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1152~1179の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1227~1265の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1227~1274の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1518~1543の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1531~1593の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1544~1593の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1635~1657の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1778~1800の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1882~1908の等長部分、または
配列番号1の核酸塩基2051~2074の等長部分の、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、または少なくとも20個の連続した核酸塩基に相補的な核酸塩基配列を有する、オリゴマー化合物。
【0091】
実施形態5.該修飾オリゴヌクレオチドが、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列全体にわたって測定した場合に、配列番号1~7の核酸塩基配列のいずれかに少なくとも80%、85%、90%、95%、または100%相補的である核酸塩基配列を有する、実施形態1~4のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0092】
実施形態6.該修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含む、実施形態1~5のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0093】
実施形態7.該修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分を含む少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含む、実施形態6に記載のオリゴマー化合物。
【0094】
実施形態8.該修飾オリゴヌクレオチドが、二環式糖部分を含む少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含む、実施形態7に記載のオリゴマー化合物。
【0095】
実施形態9.該修飾オリゴヌクレオチドが、2’-4’橋を有する二環式糖部分を含む少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含み、該2’-4’橋が、-O-CH-及び-O-CH(CH)-から選択される、実施形態8に記載のオリゴマー化合物。
【0096】
実施形態10.該修飾オリゴヌクレオチドが、非二環式修飾糖部分を含む少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含む、実施形態5~9のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0097】
実施形態11.該修飾オリゴヌクレオチドが、2’-4’橋を有する二環式糖部分を含む少なくとも1個のヌクレオシドと、非二環式修飾糖部分を含む少なくとも1個のヌクレオシドと、を含む、実施形態7に記載のオリゴマー化合物。
【0098】
実施形態12.該非二環式修飾糖部分が、2’-MOE修飾糖部分または2’-OMe修飾糖部分である、実施形態10または11に記載のオリゴマー化合物。
【0099】
実施形態13.該二環式修飾糖部分が、2’-4’橋を有し、該2’-4’橋が、-O-CH及び-O-CH(CH)-から選択される、実施形態11に記載のオリゴマー化合物。
【0100】
実施形態14.該修飾オリゴヌクレオチドが、糖代替物を含む少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含む、実施形態1~13のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0101】
実施形態15.該修飾オリゴヌクレオチドが、モルホリノ及びPNAから選択される糖代替物を含む少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含む、実施形態14に記載のオリゴマー化合物。
【0102】
実施形態16.該修飾オリゴヌクレオチドが、
1~5個の連結した5’領域ヌクレオシドからなる5’領域、
6~10個の連結した中央領域ヌクレオシドからなる中央領域、及び
1~5個の連結した3’領域ヌクレオシドからなる3’領域、を含む糖モチーフを有し、
該5’-領域ヌクレオシドの各々及び該3’-領域ヌクレオシドの各々が修飾糖部分を含み、該中央領域ヌクレオシドの各々が2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む、実施形態1~13のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0103】
実施形態17.該修飾オリゴヌクレオチドが、
5個の連結した5’-領域ヌクレオシドからなる5’-領域、
10個の連結した中央領域ヌクレオシドからなる中央領域、及び
5個の連結した3’-領域ヌクレオシドからなる3’-領域、を含む糖モチーフを有し、
該5’-領域ヌクレオシドの各々及び該3’-領域ヌクレオシドの各々がcEt修飾糖部分または2’-MOE修飾糖部分のいずれかを含み、該中央領域ヌクレオシドの各々が2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む、実施形態16に記載のオリゴマー化合物。
【0104】
実施形態18.該修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合を含む、実施形態1~17のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0105】
実施形態19.該修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合である、実施形態18に記載のオリゴマー化合物。
【0106】
実施形態20.少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態18または19に記載のオリゴマー化合物。
【0107】
実施形態21.該修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1個のホスホジエステルヌクレオシド間結合を含む、実施形態18または20に記載のオリゴマー化合物。
【0108】
実施形態22.各ヌクレオシド間結合が、ホスホジエステルヌクレオシド間結合またはホスホロチオエートヌクレオシド間結合から独立して選択される、実施形態18、20、または21のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0109】
実施形態23.該修飾オリゴヌクレオチドが、修飾核酸塩基を含む、実施形態1~22のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0110】
実施形態24.該修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、実施形態23に記載のオリゴマー化合物。
【0111】
実施形態25.該修飾オリゴヌクレオチドが、12~22、12~20、14~18、14~20、15~17、15~25、16~20、16~18、18~22、または18~20個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態1~24のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0112】
実施形態26.該修飾オリゴヌクレオチドが、18個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態1~25のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0113】
実施形態27.該修飾オリゴヌクレオチドが、20個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態1~25のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0114】
実施形態28.該修飾オリゴヌクレオチドからなる、実施形態1~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0115】
実施形態29.共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含む、実施形態1~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0116】
実施形態30.該共役リンカーが単結合からなる、実施形態29に記載のオリゴマー化合物。
【0117】
実施形態31.該共役リンカーが切断可能である、実施形態29に記載のオリゴマー化合物。
【0118】
実施形態32.該共役リンカーが1~3個のリンカー-ヌクレオシドを含む、実施形態29に記載のオリゴマー化合物。
【0119】
実施形態33.該共役基が、該修飾オリゴヌクレオチドの5’末端で該修飾オリゴヌクレオチドに結合される、実施形態29~32のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0120】
実施形態34.該共役基が、該修飾オリゴヌクレオチドの3’末端で該修飾オリゴヌクレオチドに結合される、実施形態29~32のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0121】
実施形態35.末端基を含む、実施形態1~27及び29~34のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0122】
実施形態36.該オリゴマー化合物が一本鎖オリゴマー化合物である、実施形態1~35のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0123】
実施形態37.該オリゴマー化合物がリンカー-ヌクレオシドを含まない、実施形態1~31または33~36のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0124】
実施形態38.実施形態1~27、29~35、または37のいずれかに記載のオリゴマー化合物を含むオリゴマー二重鎖。
【0125】
実施形態39.実施形態1~37のいずれかに記載のオリゴマー化合物または実施形態38に記載のオリゴマー二重鎖を含むか、またはそれらからなるアンチセンス化合物。
【0126】
実施形態40.実施形態1~37のいずれかに記載のオリゴマー化合物、または実施形態38に記載のオリゴマー二重鎖、及び薬学的に許容される担体もしくは希釈剤を含む、医薬組成物。
【0127】
実施形態41.該薬学的に許容される希釈剤が、人工脳脊髄液、滅菌生理食塩水、またはPBSである、実施形態40に記載の医薬組成物。
【0128】
実施形態42.該医薬組成物が、該修飾オリゴヌクレオチド及び滅菌生理食塩水から本質的になる、実施形態41に記載の医薬組成物。
【0129】
実施形態43.実施形態40~42のいずれかに記載の医薬組成物を動物に投与することを含む方法。
【0130】
実施形態44.APPに関連した疾患を治療する方法であって、APPに関連した疾患に罹患しているかまたは発症のリスクがある個体に、実施形態40~42のいずれかに記載の治療有効量の医薬組成物を投与し、それによりAPPに関連した該疾患を治療することを含む、該方法。
【0131】
実施形態45.該APP関連疾患が、アルツハイマー病、ダウン症患者におけるアルツハイマー病、または脳アミロイド血管症である、実施形態44に記載の方法。
【0132】
実施形態46.該APP関連疾患の少なくとも1つの症状または特徴が改善される、実施形態43~45のいずれかに記載の方法。
【0133】
実施形態47.該症状または特徴が、記憶及び言語能力の低下、無関心及び意欲の欠如などの行動及び心理症状、歩行障害及び発作、進行性認知症、及び/または異常なアミロイド沈着を含む、認知障害である、実施形態46に記載の方法。
【0134】
実施形態48.17~30個の連結したヌクレオシドからなるアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含むRNAi化合物であって、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、少なくとも15個の連続した核酸塩基を含む標的領域を含み、該標的領域は、APP RNAの等長部分に少なくとも90%相補的であり、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドは、修飾糖部分または糖代替物を含む修飾ヌクレオシドである、該RNAi化合物。
【0135】
実施形態49.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが18~25個の連結したヌクレオシドからなる、実施形態48に記載のRNAi化合物。
【0136】
実施形態50.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが20~25個の連結したヌクレオシドからなる、実施形態48に記載のRNAi化合物。
【0137】
実施形態51.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが21~23個の連結したヌクレオシドからなる、実施形態48に記載のRNAi化合物。
【0138】
実施形態52.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが21個の連結したヌクレオシドからなる、実施形態48に記載のRNAi化合物。
【0139】
実施形態53.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが23個の連結したヌクレオシドからなる、実施形態48に記載のRNAi化合物。
【0140】
実施形態54.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの標的領域が、APP RNAの等長部分に少なくとも95%相補的である、実施形態48~53のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0141】
実施形態55.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの標的領域が、APP RNAの等長部分に100%相補的である、実施形態48~53のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0142】
実施形態56.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの標的領域が、少なくとも19個の連続した核酸塩基を含む、実施形態48~55のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0143】
実施形態57.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの標的領域が、少なくとも21個の連続した核酸塩基を含む、実施形態48~55のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0144】
実施形態58.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの標的領域が、少なくとも25個の連続した核酸塩基を含む、実施形態48~55のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0145】
実施形態59.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの標的領域が、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列全体を構成する、実施形態48~55のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0146】
実施形態60.該アンチセンスオリゴヌクレオチドの標的領域が、配列番号1~7の等長部分に相補的である、実施形態48~59のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0147】
実施形態61.該APP RNAが配列番号1~3または配列番号4~7のいずれかの核酸塩基配列を有する、実施形態48~60のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0148】
実施形態62.該アンチセンスRNAi化合物の標的領域の核酸塩基配列が、配列番号517~665、815~840、または867~888のいずれかの少なくとも12、13、14、15、16、17、18、19、10、21個の核酸塩基である、実施形態48~61のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0149】
実施形態63.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、2’-F、2’-OMe、2’-NMA、LNA、及びcEtから選択される修飾糖部分、またはGNA及びUNAから選択される糖代替物を含む、実施形態48~62のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0150】
実施形態64.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが、修飾糖部分または糖代替物を含む、実施形態48~63のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0151】
実施形態65.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドのヌクレオシドの少なくとも80%が、2’-F及び2’-OMeから選択される修飾糖部分を含む、実施形態48~64のいずれかに記載の化合物。
【0152】
実施形態66.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドのヌクレオシドの少なくとも90%が、2’-F及び2’-OMeから選択される修飾糖部分を含む、実施形態65のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0153】
実施形態67.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが、2’-F及び2’-OMeから選択される修飾糖部分を含む、実施形態66に記載のRNAi化合物。
【0154】
実施形態68.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4ヌクレオシドが、2’-F修飾糖部分を含む、実施形態48~67のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0155】
実施形態69.2’-F修飾糖部分を含む該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドのヌクレオシドのうちの少なくとも2つが互いに隣接している、実施形態68に記載のRNAi化合物。
【0156】
実施形態70.2’-F修飾糖部分を含む該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも3個のヌクレオシドが連続している、実施形態69に記載のRNAi化合物。
【0157】
実施形態71.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1個のヌクレオシドが、GNA糖代替物を含む、実施形態48~66または68~70のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0158】
実施形態72.該GNA糖代替物が(S)-GNAである、実施形態71に記載のRNAi化合物。
【0159】
実施形態73.該GNA糖代替物を含むヌクレオシドが、5’末端から数えて該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの7位にある、実施形態71または72に記載のRNAi化合物。
【0160】
実施形態74.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドのうちの1個のヌクレオシドがUNAである、実施形態48~66または68~73のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0161】
実施形態75.該UNA糖代替物を含むヌクレオシドが、5’末端から数えて該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの7位にある、実施形態74に記載のRNAi化合物。
【0162】
実施形態76.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1個のヌクレオシドが、修飾核酸塩基を含む、実施形態48~75のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0163】
実施形態77.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1個の核酸塩基がイノシンである、実施形態76に記載のRNAi化合物。
【0164】
実施形態78.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合である、実施形態48~77のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0165】
実施形態79.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態78に記載のRNAi化合物。
【0166】
実施形態80.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、非修飾ホスホジエステルヌクレオシド間結合及びホスホロチオエートヌクレオシド間結合から選択される、実施形態48~79のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0167】
実施形態81.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各末端にある1~3個のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態79~80のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0168】
実施形態82.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各末端にある1~3個のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの残りのヌクレオシド間結合の全てがホスホジエステルヌクレオシド間結合である、実施形態81に記載のRNAi化合物。
【0169】
実施形態83.17~30個の連結したヌクレオシドからなるセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含む、実施形態48~82のいずれかに記載のRNAi化合物であって、該センスRNAiオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、少なくとも15個の連続した核酸塩基を含むアンチセンスハイブリダイズ領域を含み、該アンチセンスハイブリダイズ領域が、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの等長部分に少なくとも90%相補的であり、該センスRNAiオリゴヌクレオチド及び該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが、互いにハイブリダイズして二重鎖を形成する、該RNAi化合物。
【0170】
実施形態84.該センスRNAiオリゴヌクレオチドが18~25個の連結したヌクレオシドからなる、実施形態83に記載のRNAi化合物。
【0171】
実施形態85.該センスRNAiオリゴヌクレオチドが20~25個の連結したヌクレオシドからなる、実施形態83に記載のRNAi化合物。
【0172】
実施形態86.該センスRNAiオリゴヌクレオチドが21~23個の連結したヌクレオシドからなる、実施形態83に記載のRNAi化合物。
【0173】
実施形態87.該センスRNAiオリゴヌクレオチドが21個の連結したヌクレオシドからなる、実施形態83に記載のRNAi化合物。
【0174】
実施形態88.該センスRNAiオリゴヌクレオチドが23個の連結したヌクレオシドからなる、実施形態83に記載のRNAi化合物。
【0175】
実施形態89.該センスRNAiオリゴヌクレオチドのアンチセンスハイブリダイズ領域が、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの等長部分に少なくとも95%相補的である、実施形態83~88のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0176】
実施形態90.該センスRNAiオリゴヌクレオチドのアンチセンスハイブリダイズ領域が、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの等長部分に100%相補的である、実施形態83~88のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0177】
実施形態91.該センスRNAiオリゴヌクレオチドのアンチセンスハイブリダイズ領域が、少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む、実施形態83~90のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0178】
実施形態92.該センスRNAiオリゴヌクレオチドのアンチセンスハイブリダイズ領域が、少なくとも21個の連続した核酸塩基を含む、実施形態83~90のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0179】
実施形態93.該センスRNAiオリゴヌクレオチドのアンチセンスハイブリダイズ領域が、少なくとも25個の連続した核酸塩基を含む、実施形態83~90のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0180】
実施形態94.該センスRNAiオリゴヌクレオチドのアンチセンスハイブリダイズ領域が、該センスRNAiオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列全体を構成する、実施形態83~93のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0181】
実施形態95.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個の最も3’側のヌクレオシドが、オーバーハングヌクレオシドである、実施形態83~94のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0182】
実施形態96.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個の最も5’側のヌクレオシドが、オーバーハングヌクレオシドである、実施形態83~95のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0183】
実施形態97.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個の最も3’側のヌクレオシドが、オーバーハングヌクレオシドである、実施形態83~96のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0184】
実施形態98.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個の最も4’側のヌクレオシドがオーバーハングヌクレオシドである、実施形態83~97のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0185】
実施形態99.該二重鎖が、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端で平滑末端を有する、実施形態83~94のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0186】
実施形態100.該二重鎖が、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端で平滑末端を有する、実施形態83~94、または99のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0187】
実施形態101.少なくとも1つのオーバーハングヌクレオシドがデオキシリボヌクレオシドである、実施形態95~97のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0188】
実施形態102.該センスRNAiオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1個のヌクレオシドが、修飾ヌクレオシドである、実施形態83~101のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0189】
実施形態103.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、2’-F、2’-OMe、LNA、cEtから選択される修飾糖部分、またはGNA及びUNAから選択される糖代替物を含む、実施形態102に記載のRNAi化合物。
【0190】
実施形態104.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが、修飾糖部分または糖代替物を含む、実施形態83~103のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0191】
実施形態105.該センスRNAiオリゴヌクレオチドのヌクレオシドの少なくとも80%が、2’-F及び2’-OMeから選択される修飾糖部分を含む、実施形態83~104のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0192】
実施形態106.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが、2’-F及び2’-OMeから選択される修飾糖部分を含む、実施形態105に記載のRNAi化合物。
【0193】
実施形態107.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個のヌクレオシドが2’-F修飾糖部分を含む、実施形態83~106のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0194】
実施形態108.2’-F修飾糖部分を含む該センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも2個のヌクレオシドが互いに隣接している、実施形態83~107のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0195】
実施形態109.2’-F修飾糖部分を含む該センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも3個のヌクレオシドが連続している、実施形態108に記載のRNAi化合物。
【0196】
実施形態110.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドがGNAである、実施形態83~105または107~109のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0197】
実施形態111.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの1個のヌクレオシドがGNAである、実施形態83~105または107~109のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0198】
実施形態112.該GNA糖代替物が、(S)-GNAである、実施形態110または111に記載のRNAi化合物。
【0199】
実施形態113.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドがUNAである、実施形態83~105または107~109のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0200】
実施形態114.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの1個のヌクレオシドがUNAである、実施形態83~105または107~109のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0201】
実施形態115.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む、実施形態83~114のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0202】
実施形態116.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個の核酸塩基がヒポキサンチンである、実施形態115に記載のRNAi化合物。
【0203】
実施形態117.該センスRNAiオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合である、実施形態83~116のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0204】
実施形態118.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態117に記載のRNAi化合物。
【0205】
実施形態119.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、非修飾ホスホジエステルヌクレオシド間結合及びホスホロチオエートヌクレオシド間結合から選択される、実施形態118に記載のRNAi化合物。
【0206】
実施形態120.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの各末端にある1~3個のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態117~119のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0207】
実施形態121.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各末端の1~3個のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの残りのヌクレオシド間結合の全てがホスホジエステルヌクレオシド間結合である、実施形態120に記載のRNAi化合物。
【0208】
実施形態122.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの最も5’側のヌクレオシドの5’位に結合した安定化したリン酸基を含む、実施形態48~121のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0209】
実施形態123.該安定化したリン酸基が、(E)-ビニルホスホネートを含む、実施形態122に記載のRNAi化合物。
【0210】
実施形態124.該安定化したリン酸基が、シクロプロピルホスホネートを含む、実施形態122に記載のRNAi化合物。
【0211】
実施形態125.該化合物が、該アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドの一端または両端に結合した1~5個の脱塩基糖部分を含む、実施形態48~124のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0212】
実施形態126.該化合物が、該アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドの一端または両端に結合した1個の脱塩基糖部分を含む、実施形態125に記載のRNAi化合物。
【0213】
実施形態127.各脱塩基糖部分が逆位である、実施形態125または126に記載のRNAi化合物。
【0214】
実施形態128.該脱塩基糖部分が、ホスホロチオエート結合を介して該アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドに結合している、実施形態125~127のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0215】
実施形態129.該化合物が、該センスRNAオリゴヌクレオチドの一端または両端に結合した1~5個の脱塩基糖部分を含む、実施形態48~128のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0216】
実施形態130.該化合物が、該センスRNAオリゴヌクレオチドの一端または両端に結合した1個の脱塩基糖部分を含む、実施形態129に記載のRNAi化合物。
【0217】
実施形態131.各脱塩基糖部分が逆位である、実施形態129または130に記載のRNAi化合物。
【0218】
実施形態132.該脱塩基糖部分が、ホスホロチオエート結合を介して該センスRNAオリゴヌクレオチドに結合している、実施形態129~131のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0219】
実施形態133.該RNAi化合物がプロドラッグである、実施形態48~132のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0220】
実施形態134.該化合物が共役基を含む、実施形態48~132のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0221】
実施形態135.該共役基が、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドに共役される、実施形態134に記載のRNAi化合物。
【0222】
実施形態136.該共役基が、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に共役される、実施形態135に記載のRNAi化合物。
【0223】
実施形態137.該共役基が、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に共役される、実施形態135に記載のRNAi化合物。
【0224】
実施形態138.該共役基が、該センスRNAiオリゴヌクレオチドに共役される、実施形態134に記載のRNAi化合物。
【0225】
実施形態139.該共役基が、該センスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に共役される、実施形態138に記載のRNAi化合物。
【0226】
実施形態140.該共役基が、該センスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に共役される、実施形態138に記載のRNAi化合物。
【0227】
実施形態141.該共役基が、該センスRNAiオリゴヌクレオチドに直接結合している、実施形態138~140のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0228】
実施形態142.該共役基が1~5個の脱塩基糖部分を介して該センスRNAiオリゴヌクレオチドに結合している、実施形態138~141のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0229】
実施形態143.該1~5個の脱塩基糖部分が逆位である、実施形態142に記載のRNAi化合物。
【0230】
実施形態144.該共役基がピロリジンリンカーを含む、実施形態134~143のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0231】
実施形態145.該共役基が細胞標的部分を含む、実施形態134~144のいずれかに記載のRNAi化合物。
【0232】
実施形態146.該細胞標的部分が神経伝達物質受容体リガンドである、実施形態145に記載のRNAi化合物。
【0233】
実施形態147.該標的リガンドがGABAトランスポーターを標的とする、実施形態146に記載のRNAi化合物。
【0234】
実施形態148.実施形態48~147のいずれかに記載のRNAi化合物、及び薬剤的に許容される担体または希釈剤を含む、医薬組成物。
【0235】
実施形態149.該薬学的に許容される希釈剤が、人工脳脊髄液、滅菌生理食塩水、またはPBSである、実施形態148に記載の医薬組成物。
【0236】
実施形態150.該医薬組成物が、該RNAi化合物及び滅菌生理食塩水から本質的になる、実施形態149に記載の医薬組成物。
【0237】
実施形態151.脂質を含む、実施形態148または149に記載の医薬組成物。
【0238】
実施形態152.脂質ナノ粒子を含む、実施形態151に記載の医薬組成物。
【0239】
実施形態153.実施形態148~152のいずれかに記載の医薬組成物を動物に投与することを含む方法。
【0240】
実施形態154.APPに関連した疾患を治療する方法であって、APPに関連した疾患に罹患しているかまたは発症のリスクがある個体に、実施形態148~152のいずれかに記載の治療有効量の医薬組成物を投与し、それによりAPPに関連した該疾患を治療することを含む、該方法。
【0241】
実施形態155.該APP関連疾患が、アルツハイマー病、ダウン症患者におけるアルツハイマー病、または脳アミロイド血管症である、実施形態154に記載の方法。
【0242】
実施形態156.該APP関連疾患の少なくとも1つの症状または特徴が改善される、実施形態155に記載の方法。
【0243】
実施形態157.該症状または特徴が、記憶及び言語能力の低下、無関心及び意欲の欠如などの行動及び心理症状、歩行障害及び発作、進行性認知症、及び/または異常なアミロイド沈着を含む、認知障害である、実施形態156に記載の方法。
【0244】
実施形態158.12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がAPP RNAの等長部分に少なくとも80%相補的であり、該修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖、糖代替物、及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、該オリゴマー化合物。
【0245】
実施形態159.12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号12~501のうちのいずれかの少なくとも12、13、14、15、16、17、または18個の核酸塩基を含み、該修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、該オリゴマー化合物。
【0246】
実施形態160.12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号502~516のうちのいずれかの少なくとも12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の核酸塩基を含み、該修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、該オリゴマー化合物。
【0247】
実施形態161.12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号517~665、815~840、または867~888のうちのいずれかの少なくとも12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23個の核酸塩基を含み、該修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、該オリゴマー化合物。
【0248】
実施形態162.12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、
配列番号1の核酸塩基40~78の等長部分、
配列番号1の核酸塩基69~146の等長部分、
配列番号1の核酸塩基83~129の等長部分、
配列番号1の核酸塩基83~246の等長部分、
配列番号1の核酸塩基94~225の等長部分、
配列番号1の核酸塩基194~231の等長部分、
配列番号1の核酸塩基194~238の等長部分、
配列番号1の核酸塩基236~268の等長部分、
配列番号1の核酸塩基258~288の等長部分、
配列番号1の核酸塩基285~311の等長部分、
配列番号1の核酸塩基296~321の等長部分、
配列番号1の核酸塩基307~330の等長部分、
配列番号1の核酸塩基329~352の等長部分、
配列番号1の核酸塩基330~352の等長部分、
配列番号1の核酸塩基339~383の等長部分、
配列番号1の核酸塩基415~439の等長部分、
配列番号1の核酸塩基413~477の等長部分、
配列番号1の核酸塩基415~477の等長部分、
配列番号1の核酸塩基477~506の等長部分、
配列番号1の核酸塩基477~523の等長部分、
配列番号1の核酸塩基477~541の等長部分、
配列番号1の核酸塩基530~557の等長部分、
配列番号1の核酸塩基581~638の等長部分、
配列番号1の核酸塩基636~661の等長部分、
配列番号1の核酸塩基652~697の等長部分、
配列番号1の核酸塩基728~821の等長部分、
配列番号1の核酸塩基770~821の等長部分、
配列番号1の核酸塩基920~950の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1006~1049の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1152~1179の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1227~1265の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1227~1274の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1268~1332の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1268~1311の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1289~1332の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1518~1543の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1531~1593の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1544~1593の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1634~1657の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1778~1800の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1882~1908の等長部分、
配列番号1の核酸塩基2051~2074の等長部分、
配列番号1の核酸塩基2360~3117の等長部分、
配列番号1の核酸塩基2402~3117の等長部分、
配列番号1の核酸塩基2360~2655の等長部分、
配列番号1の核酸塩基2402~2655の等長部分、
配列番号1の核酸塩基2675~3054の等長部分、または
配列番号3の核酸塩基3192~3277の等長部分の、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、または少なくとも21個の連続した核酸塩基に相補的であり、該修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、該オリゴマー化合物。
【0249】
実施形態163.該修飾オリゴヌクレオチドが、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列全体にわたって測定した場合に、配列番号1~7の核酸塩基配列のいずれかに少なくとも80%、85%、90%、95%、または100%相補的である核酸塩基配列を有する、実施形態158~162のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0250】
実施形態164.該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、修飾ヌクレオシドである、実施形態158~162のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0251】
実施形態165.該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、修飾糖部分を含む、実施形態164に記載のオリゴマー化合物。
【0252】
実施形態166.該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが二環式糖部分を含む、実施形態165に記載のオリゴマー化合物。
【0253】
実施形態167.該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、2’-4’橋を有する二環式糖部分を含み、該2’-4’橋が、-O-CH-及び-O-CH(CH)-から選択される、実施形態166に記載のオリゴマー化合物。
【0254】
実施形態168.該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、非二環式修飾糖部分を含む、実施形態162~167のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0255】
実施形態169.該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、2’-4’橋を有する二環式糖部分を含み、該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、非二環式修飾糖部分を含む、実施形態168に記載のオリゴマー化合物。
【0256】
実施形態170.該非二環式修飾糖部分が2’-MOE修飾糖部分、2’-OMe修飾糖部分、または2’-F修飾糖部分である、実施形態168または169に記載のオリゴマー化合物。
【0257】
実施形態171.該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、糖代替物を含む、実施形態158~170のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0258】
実施形態172.該修飾オリゴヌクレオチドが、モルホリノ及びPNAから選択される糖代替物を含む少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含む、実施形態171に記載のオリゴマー化合物。
【0259】
実施形態173.該修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合を含む、実施形態158~172のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0260】
実施形態174.該修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合である、実施形態173に記載のオリゴマー化合物。
【0261】
実施形態175.少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態173または174に記載のオリゴマー化合物。
【0262】
実施形態176.該修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1個のホスホジエステルヌクレオシド間結合を含む、実施形態173または175に記載のオリゴマー化合物。
【0263】
実施形態177.各ヌクレオシド間結合が、ホスホジエステルヌクレオシド間結合またはホスホロチオエートヌクレオシド間結合から独立して選択される、実施形態173、175、または176のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0264】
実施形態178.該修飾オリゴヌクレオチドが、修飾核酸塩基を含む、実施形態158~177のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0265】
実施形態179.該修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、実施形態178に記載のオリゴマー化合物。
【0266】
実施形態180.該修飾オリゴヌクレオチドが、12~22、12~20、14~18、14~20、15~17、15~25、16~20、16~18、18~22、18~25、18~20、20~25、または21~23個の連結したヌクレオシドからなる、実施形態158~179のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0267】
実施形態181.該修飾オリゴヌクレオチドが、18個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態158~180のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0268】
実施形態182.該修飾オリゴヌクレオチドが、20個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態158~180のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0269】
実施形態183.該修飾オリゴヌクレオチドが、21個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態158~180のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0270】
実施形態184.該修飾オリゴヌクレオチドが、23個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態158~180のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0271】
実施形態185.該オリゴマー化合物がRNase H化合物である、実施形態158~184のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0272】
実施形態186.該修飾オリゴヌクレオチドがギャップマーである、実施形態185に記載のオリゴマー化合物。
【0273】
実施形態187.該修飾オリゴヌクレオチドが、
1~6個の連結した5’-領域ヌクレオシドからなる5’-領域、
6~10個の連結した中央領域ヌクレオシドからなる中央領域、及び
1~6個の連結した3’-領域ヌクレオシドからなる3’-領域、を含む糖モチーフを有し、
該5’領域の最も3’側のヌクレオシド及び該3’-領域の最も5’-側のヌクレオシドは、修飾糖部分を含み、
該中央領域ヌクレオシドの各々が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシド及び2’-置換糖部分を含むヌクレオシドから選択され、該中央領域が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む少なくとも6個のヌクレオシド及び2’-置換糖部分を含む2つ以下のヌクレオシドを含む、請求項158~186のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0274】
実施形態188.該修飾オリゴヌクレオチドが、
1~6個の連結した5’-領域ヌクレオシドからなる5’-領域、
6~10個の連結した中央領域ヌクレオシドからなる中央領域、及び
1~6個の連結した3’-領域ヌクレオシドからなる3’-領域、を含む糖モチーフを有し、
該5’-領域ヌクレオシドの各々及び該3’-領域ヌクレオシドの各々が修飾糖部分を含み、該中央領域ヌクレオシドの各々が2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む、実施形態158~183または185~187のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0275】
実施形態189.該修飾オリゴヌクレオチドが、
5個の連結した5’-領域ヌクレオシドからなる5’-領域、
10個の連結した中央領域ヌクレオシドからなる中央領域、及び
5個の連結した3’-領域ヌクレオシドからなる3’-領域、を含む糖モチーフを有し、
該5’-領域ヌクレオシドの各々及び該3’-領域ヌクレオシドの各々がcEt修飾糖部分または2’-MOE修飾糖部分のいずれかを含み、該中央領域ヌクレオシドの各々が2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む、実施形態188に記載のオリゴマー化合物。
【0276】
実施形態190.該オリゴマー化合物がRNAi化合物である、実施形態158~184のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0277】
実施形態191.該オリゴマー化合物が、少なくとも15個の連続した核酸塩基を含む標的領域を含むアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含み、該標的領域がAPP RNAの等長部分に少なくとも90%相補的である、実施形態158~190のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0278】
実施形態192.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの標的領域が、APP RNAの等長部分に対して少なくとも95%相補的であるか、または100%相補的である、実施形態191に記載のオリゴマー化合物。
【0279】
実施形態193.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの標的領域が、少なくとも19、20、21、または25個の連続した核酸塩基を含む、実施形態191~192のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0280】
実施形態194.該APP RNAが配列番号1~7のいずれかの核酸塩基配列を有する、実施形態191~193のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0281】
実施形態195.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、2’-F、2’-OMe、2’-NMA、LNA、及びcEtから選択される修飾糖部分、またはGNA及びUNAから選択される糖代替物を含む、実施形態191~194のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0282】
実施形態196.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが修飾糖部分または糖代替物を含む、実施形態191~195のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0283】
実施形態197.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドのヌクレオシドの少なくとも80%、少なくとも90%、または100%が、2’-F及び2’-OMeから選択される修飾糖部分を含む、実施形態191~196のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0284】
実施形態198.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの最も5’側のヌクレオシドの5’位に結合した安定化したリン酸基を含む、実施形態191~197のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0285】
実施形態199.該安定化したリン酸基がシクロプロピルホスホネートまたは(E)-ビニルホスホネートを含む、実施形態198に記載のオリゴマー化合物。
【0286】
実施形態200.該オリゴマー化合物が一本鎖オリゴマー化合物である、実施形態158~199のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0287】
実施形態201.該修飾オリゴヌクレオチドまたは該RNAiアンチセンスオリゴヌクレオチドからなる、実施形態158~200のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0288】
実施形態202.共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含む、実施形態158~200のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0289】
実施形態203.該共役リンカーが単結合からなる、実施形態202に記載のオリゴマー化合物。
【0290】
実施形態204.該共役リンカーが切断可能である、実施形態202に記載のオリゴマー化合物。
【0291】
実施形態205.該共役リンカーが1~3個のリンカー-ヌクレオシドを含む、実施形態202に記載のオリゴマー化合物。
【0292】
実施形態206.該共役基が該修飾オリゴヌクレオチドまたは該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に結合される、実施形態202~205のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0293】
実施形態207.該共役基が該修飾オリゴヌクレオチドまたは該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に結合される、実施形態202~205のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0294】
実施形態208.末端基を含む、実施形態158~200または202~206のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0295】
実施形態209.該オリゴマー化合物がリンカー-ヌクレオシドを含まない、実施形態158~204または206~208のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0296】
実施形態210.実施形態188~209のいずれかのアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物と、17~30個の連結したヌクレオシドからなるセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物と、を含むオリゴマー二重鎖であって、該センスRNAiオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、少なくとも15個の連続した核酸塩基を含むアンチセンスハイブリダイズ領域を含み、該アンチセンスハイブリダイズ領域が、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの等長部分に少なくとも90%相補的である、該オリゴマー二重鎖。
【0297】
実施形態211.該センスRNAiオリゴヌクレオチドが、18~25、20~25、または21~23個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態210に記載のオリゴマー二重鎖。
【0298】
実施形態212.該センスRNAiオリゴヌクレオチドが、21または23個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態211に記載のオリゴマー二重鎖。
【0299】
実施形態213.該アンチセンスまたは該センスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個の最も3’側のヌクレオシドが、オーバーハングヌクレオシドである、実施形態210~212のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
【0300】
実施形態214.該アンチセンスまたはセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個の最も5’側のヌクレオシドが、オーバーハングヌクレオシドである、実施形態210~213のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
【0301】
実施形態215.該二重鎖が、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端で平滑末端を有する、実施形態210~214のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
【0302】
実施形態216.該二重鎖が、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端で平滑末端を有する、実施形態210~214のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
【0303】
実施形態217.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、2’-F、2’-OMe、LNA、cEtから選択される修飾糖部分、またはGNA及びUNAから選択される糖代替物を含む、実施形態210~216のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
【0304】
実施形態218.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが、修飾糖部分または糖代替物を含む、実施形態217に記載のオリゴマー二重鎖。
【0305】
実施形態219.該センスRNAiオリゴヌクレオチドのヌクレオシドの少なくとも80%、少なくとも90%、または100%が、2’-F及び2’-OMeから選択される修飾糖部分を含む、実施形態218に記載のオリゴマー二重鎖。
【0306】
実施形態220.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、修飾核酸塩基を含む、実施形態210~219のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
【0307】
実施形態221.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合である、実施形態210~220のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
【0308】
実施形態222.該センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態221に記載のオリゴマー二重鎖。
【0309】
実施形態223.該化合物が、該アンチセンスまたはセンスRNAオリゴヌクレオチドの一端または両端に結合した1~5個の脱塩基糖部分を含む、実施形態210~222のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
【0310】
実施形態224.該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及び該センスRNAiオリゴヌクレオチドからなる、実施形態210~223のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
【0311】
実施形態225.該第2のオリゴマー化合物が、共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含む、実施形態210に記載のオリゴマー二重鎖。
【0312】
実施形態226.該共役リンカーが単結合からなる、実施形態225に記載のオリゴマー二重鎖。
【0313】
実施形態227.該共役リンカーが切断可能である、実施形態225に記載のオリゴマー二重鎖。
【0314】
実施形態228.該共役リンカーが1~3個のリンカー-ヌクレオシドを含む、実施形態225に記載のオリゴマー二重鎖。
【0315】
実施形態229.該共役基が該センスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に結合される、実施形態225~228のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
【0316】
実施形態230.該共役基が該センスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に結合される、実施形態225~225のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0317】
実施形態231.該共役基が該センスRNAiオリゴヌクレオチド内の内部位置でリボシル糖部分の2’位を介して結合される、実施形態225~225のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0318】
実施形態232.少なくとも1つの共役基がC16アルキル基を含む、実施形態202~207のいずれかに記載のオリゴマー化合物または実施形態225~231のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
【0319】
実施形態233.該第2のオリゴマー化合物が末端基を含む、実施形態210に記載のオリゴマー二重鎖。
【0320】
実施形態234.実施形態158~209のいずれかに記載のオリゴマー化合物または実施形態210~233に記載のオリゴマー二重鎖、及び薬学的に許容される担体もしくは希釈剤を含む、医薬組成物。
【0321】
実施形態235.該薬学的に許容される希釈剤が、人工脳脊髄液、滅菌生理食塩水、またはPBSである、実施形態234に記載の医薬組成物。
【0322】
実施形態236.該医薬組成物が、該修飾オリゴヌクレオチド及び滅菌生理食塩水から本質的になる、実施形態234に記載の医薬組成物。
【0323】
実施形態237.実施形態234~236のいずれかに記載の医薬組成物を、動物に投与することを含む方法。
【0324】
実施形態238.APPに関連した疾患を治療する方法であって、APPに関連した疾患に罹患しているかまたは発症のリスクがある個体に、実施形態234~236のいずれかに記載の治療有効量の医薬組成物を投与し、それによりAPPに関連した該疾患を治療することを含む、該方法。
【0325】
実施形態239.該APP関連疾患が、アルツハイマー病、ダウン症患者におけるアルツハイマー病、または脳アミロイド血管症である、実施形態238に記載の方法。
【0326】
実施形態240.該APP関連疾患の少なくとも1つの症状または特徴が改善される、実施形態238~239のいずれかに記載の方法。
【0327】
実施形態241.該症状または特徴が、記憶及び言語能力の低下、無関心及び意欲の欠如などの行動及び心理症状、歩行障害及び発作、進行性認知症、及び/または異常なアミロイド沈着を含む、認知障害である、実施形態240に記載の方法。
【0328】
I.特定のオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、連結ヌクレオシドからなる、オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物が本明細書に提供される。オリゴヌクレオチドは、非修飾オリゴヌクレオチド(RNAまたはDNA)であり得るか、または修飾オリゴヌクレオチドであり得る。修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾RNAまたはDNAと比較して少なくとも1つの修飾を含む。すなわち、修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも1個の修飾ヌクレオシド(修飾糖部分及び/または修飾核酸塩基を含む)及び/または少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態では、APPに相補的なアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド、及び任意にアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドに相補的なセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含むRNAi化合物が本明細書に提供される。アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及びセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、典型的には、少なくとも1個の修飾ヌクレオシド及び/または少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合を含む。修飾オリゴヌクレオチドにおける使用に好適な特定の修飾ヌクレオシド及び修飾ヌクレオシド間結合は、以下に記載のとおりである。
【0329】
A.特定の修飾ヌクレオシド
修飾ヌクレオシドには、修飾糖部分もしくは修飾核酸塩基、または修飾糖部分及び修飾核酸塩基の両方が含まれる。特定の実施形態では、以下の修飾糖部分及び/または以下の修飾核酸塩基を含む修飾ヌクレオシドは、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及び/またはセンスRNAiオリゴヌクレオチドに組み込まれ得る。
【0330】
1.特定の糖部分
特定の実施形態では、修飾糖部分は、非二環式修飾糖部分である。特定の実施形態では、修飾糖部分は、二環式または三環式糖部分である。特定の実施形態では、修飾糖部分は、糖代替物である。そのような糖代替物は、他の種類の修飾糖部分のものに対応する1つ以上の置換を含み得る。
【0331】
特定の実施形態では、修飾糖部分は、1つ以上の置換基を有するフラノシル環を含む非二環式修飾糖部分であり、そのいずれも、フラノシル環の2つの原子を架橋して二環式構造を形成しない。そのような非架橋置換基は、2’、3’、4’、及び/または5’位にある置換基を含むがこれらに限定されない、フラノシルの任意の位置にあってもよい。特定の実施形態では、非二環式修飾糖部分の1つ以上の非架橋置換基は分岐している。非二環式修飾糖部分に好適な2’-置換基の例としては、2’-F、2’-OCH(「OMe」または「O-メチル」)、及び2’-O(CHOCH(「MOE」)が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、2’-置換基は、ハロ、アリル、アミノ、アジド、SH、CN、OCN、CF、OCF、O-C~C10アルコキシ、O-C~C10置換アルコキシ、O-C~C10アルキル、O-C~C10置換アルキル、S-アルキル、N(R)-アルキル、O-アルケニル、S-アルケニル、N(R)-アルケニル、O-アルキニル、S-アルキニル、N(R)-アルキニル、O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリル、O-アラルキル、O(CHSCH、O(CHON(R)(R)またはOCHC(=O)-N(R)(R)の中から選択され、式中、各R及びRは、独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換のC~C10アルキル、-O(CH2)2ON(CH3)2(「DMAOE」)、2’-OCH2OCH2N(CH2)2(「DMAEOE」)、ならびにCook et al.,U.S.6,531,584;Cook et al.,U.S.5,859,221、及びCook et al.,U.S.6,005,087に記載されている2’-置換基である。これらの2’-置換基の特定の実施形態は、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ(NO)、チオール、チオアルコキシ、チオアルキル、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、及びアルキニルの中から独立して選択される1つ以上の置換基でさらに置換され得る。特定の実施形態では、非二環式修飾糖部分は、3’位に置換基を含む。修飾糖部分の3’位に好適な置換基の例には、アルコキシ(例えば、メトキシ)、アルキル(例えば、メチル、エチル)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、非二環式修飾糖部分は、4’位に置換基を含む。非二環式修飾糖部分に好適な4’-置換基の例には、アルコキシ(例えば、メトキシ)、アルキル、及びManoharan et al.,WO 2015/106128に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。非二環式修飾糖部分に好適な5’-置換基の例には、5’-メチル(RまたはS)、5’-ビニル、エチル、及び5’-メトキシが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、非二環式修飾糖部分は、Migawa et al.,WO 2008/101157及びRajeev et al.,US2013/0203836に記載の、2つ以上の非架橋糖置換基、例えば、2’-F-5’-メチル糖部分、ならびに修飾糖部分及び修飾ヌクレオシドを含む。
【0332】
特定の実施形態では、2’-置換非二環式修飾ヌクレオシドは、F、NH、N、OCF、OCH、O(CHNH、CHCH=CH、OCHCH=CH、OCHCHOCH、O(CHSCH、O(CHON(R)(R)、O(CHO(CHN(CH、及びN-置換アセトアミド(OCHC(=O)-N(R)(R))から選択される非架橋2’-置換基を含む糖部分を含み、式中、各R及びRは、独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換のC~C10アルキルである。
【0333】
特定の実施形態では、2’-置換ヌクレオシド非二環式修飾ヌクレオシドは、F、OCF、OCH、OCHCHOCH、O(CHSCH、O(CHON(CH、O(CHO(CHN(CH、O(CH2)2ON(CH3)2(「DMAOE」)、OCH2OCH2N(CH2)2(「DMAEOE」)、及びOCHC(=O)-N(H)CH(「NMA」)から選択される非架橋2’-置換基を含む糖部分を含む。
【0334】
特定の実施形態では、2’-置換非二環式修飾ヌクレオシドは、F、OCH、及びOCHCHOCHから選択される非架橋2’置換基を含む糖部分を含む。
【0335】
天然に存在する核酸では、糖は3’と5’で互いに連結している。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、代替位置、例えば2’において連結された、または5’から3’に逆に連結した、1個以上のヌクレオシドもしくは糖部分を含む。例えば、連結が2’位にある場合、2’-置換基は、代わりに3’位にあり得る。
【0336】
特定の修飾糖部分は、第2の環を形成して二環式糖部分をもたらすフラノシル環の2つの原子を架橋する置換基を含む。そのような二環式糖部分を含むヌクレオシドは、二環式ヌクレオシド(BNA)、ロックドヌクレオシド、または立体配座が制限された(conformationally restricted)ヌクレオチド(CRN)と呼ばれている。特定のそのような化合物は、米国特許公開第2013/0190383号及びPCT公開WO2013/036868に記載されている。特定のそのような実施形態では、二環式糖部分は、4’及び2’フラノース環原子との間に架橋を含む。特定のそのような実施形態では、フラノース環はリボース環である。そのような4’と2’を架橋する糖置換基には、4’-CH-2’、4’-(CH-2’、4’-(CH-2’、4’-CH-O-2’(「LNA」)、4’-CH-S-2’、4’-(CH-O-2’(「ENA」)、4’-CH(CH)-O-2’(S配置の場合に「拘束エチル」または「cEt」と称される)、4’-CH-O-CH-2’、4’-CH-N(R)-2’、4’-CH(CHOCH)-O-2’(「拘束MOE」または「cMOE」)及びその類似体(例えば、Seth et al.,U.S.7,399,845,Bhat et al.,U.S.7,569,686,Swayze et al.,U.S.7,741,457、及びSwayze et al.,U.S.8,022,193を参照のこと)、4’-C(CH)(CH)-O-2’及びその類似体(例えば、Seth et al.,U.S.8,278,283を参照のこと)、4’-CH-N(OCH)-2’及びその類似体(例えば、Prakash et al.,U.S.8,278,425を参照のこと)、4’-CH-O-N(CH)-2’(例えば、Allerson et al.,U.S.7,696,345及びAllerson et al.,U.S.8,124,745を参照のこと)、4’-CH-C(H)(CH)-2’(例えば、Zhou,et al.,J.Org.Chem.,2009,74,118-134を参照のこと)、4’-CH-C(=CH)-2’及びその類似体(例えば、Seth et al.,U.S.8,278,426を参照のこと)、4’-C(R)-N(R)-O-2’、4’-C(R)-O-N(R)-2’、4’-CH-O-N(R)-2’、及び4’-CH-N(R)-O-2’が挙げられるが、これらに限定されず、式中、各R、R、及びRは、独立して、H、保護基、またはC~C12アルキルである(例えば、Imanishi et al.,U.S.7,427,672を参照のこと)。
【0337】
特定の実施形態では、このような4’と2’の架橋は、独立して、-[C(Ra)(Rb)]n-、-[C(Ra)(Rb)]n-O-、C(Ra)=C(Rb)-、C(Ra)=N-、C(=NRa)-、-C(=O)-、-C(=S)-、-O-、-Si(Ra)2-、-S(=O)x-、及びN(Ra)-から独立して選択される1~4個の連結基を含み、
式中、
xは、0、1、または2であり、
nは、1、2、3、または4であり、
各Ra及びRbは、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C1~C12アルキル、置換C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、置換C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、置換C2~C12アルキニル、C5~C20アリール、置換C5~C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C5~C7脂環式ラジカル、置換C5-C7脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、COOJ1、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)2-J1)、またはスルホキシル(S(=O)-J1);ならびに各J1及びJ2は、独立して、H、C1~C12アルキル、置換C1-C12アルキル、C2~C12アルケニル、置換C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、置換C2~C12アルキニル、C5~C20アリール、置換C5~C20アリール、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C1~C12アミノアルキル、置換C1~C12アミノアルキル、または保護基である。
【0338】
追加の二環式糖部分が当技術分野で知られている、例えば、Freier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429-4443,Albaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731-7740,Singh et al.,Chem.Commun.,1998,4,455-456;Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607-3630;Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633-5638;Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219-2222;Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035-10039;Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129,8362-8379;Elayadi et al.,Curr.Opinion Invens.Drugs,2001,2,558-561;Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8,1-7;Orum et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.,2001,3,239-243;Wengel et al.,U.S.7,053,207,Imanishi et al.,U.S.6,268,490,Imanishi et al.U.S.6,770,748,Imanishi et al.,U.S.RE44,779;Wengel et al.,U.S.6,794,499,Wengel et al.,U.S.6,670,461;Wengel et al.,U.S.7,034,133,Wengel et al.,U.S.8,080,644;Wengel et al.,U.S.8,034,909;Wengel et al.,U.S.8,153,365;Wengel et al.,U.S.7,572,582;and Ramasamy et al.,U.S.6,525,191,Torsten et al.,WO 2004/106356,Wengel et al.,WO 1999/014226;Seth et al.,WO 2007/134181;Seth et al.,U.S.7,547,684;Seth et al.,U.S.7,666,854;Seth et al.,U.S.8,088,746;Seth et al.,U.S.7,750,131;Seth et al.,U.S.8,030,467;Seth et al.,U.S.8,268,980;Seth et al.,U.S.8,546,556;Seth et al.,U.S.8,530,640;Migawa et al.,U.S.9,012,421;Seth et al.,U.S.8,501,805;Allerson et al.,US2008/0039618;及びMigawa et al.,US2015/0191727を参照のこと。特定の実施形態では、二環式糖部分及びそのような二環式糖部分を組み込むヌクレオシドは、異性体配置によってさらに定義される。例えば、LNAヌクレオシド(本明細書に記載の)は、α-L配置またはβ-D配置であってもよい。
【0339】
【化1】
【0340】
α-L-メチレンオキシ(4’-CH-O-2’)またはα-L-LNA二環式ヌクレオシドは、アンチセンス活性を示したオリゴヌクレオチドに組み込まれている(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365-6372)。ロックド核酸をsiRNAに添加すると、血清中のsiRNAの安定性が高まり、オフターゲット効果が減少することが示されている(Elmen,J.et al.,(2005)Nucleic Acids Research 33(1):439-447;Mook,OR.et al.,(2007)Mal Cane Ther 6(3):833-843;Grunweller,A.et al.,(2003)Nucleic Acids Research 31(12):3185-3193)。本明細書では、二環式ヌクレオシドの一般的な説明に両方の異性体配置が含まれる。特定の二環式ヌクレオシド(例えば、LNAまたはcEt)の位置が本明細書の例示的な実施形態で特定される場合、別様に明記されない限り、それらはβ-D配置である。
【0341】
特定の実施形態では、修飾糖部分は、1つ以上の非架橋糖置換基及び1つ以上の架橋糖置換基(例えば5’-置換基及び4’-2’架橋糖)を含む。
【0342】
特定の実施形態では、修飾糖部分は、糖代替物である。特定のそのような実施形態では、糖部分の酸素原子は、例えば硫黄、炭素または窒素原子で置き換えられる。特定のそのような実施形態では、このような修飾糖部分は、本明細書に記載の架橋及び/または非架橋置換基も含む。例えば、特定の糖代替物には、4’-硫黄原子ならびに2’位(例えばBhat et al.,U.S.7,875,733及びBhat et al.,U.S.7,939,677を参照のこと)及び/または5’位に置換が含まれる。
【0343】
特定の実施形態では、糖代替物は5原子以外を有する環を含む。例えば、特定の実施形態では、糖代替物は6員のテトラヒドロピラン(「THP」)を含む。そのようなテトラヒドロピランは、さらに修飾または置換され得る。このような修飾テトラヒドロピランを含むヌクレオシドには、これらに限定されないが、ヘキシトール核酸(「HNA」)、アニトール核酸(「ANA」)、マニトール核酸(「MNA」)(例えば、Leumann,CJ.Bioorg.&Med.Chem.2002,10,841-854を参照のこと)、フルオロHNA:
【0344】
【化2】
【0345】
(「F-HNA」,例えば、Swayze et al.,U.S.8,088,904;Swayze et al.,U.S.8,440,803;Swayze et al.,U.S.8,796,437;及びSwayze et al.,U.S.9,005,906を参照のこと;F-HNAは、F-THPまたは3’-フルオロテトラヒドロピランとも称すことができる)、及び、以下の式を有する追加の修飾THP化合物を含むヌクレオシドが挙げられる:
【0346】
【化3】
【0347】
式中、上記の修飾THPヌクレオシドの各々について、独立して
Bxは、核酸塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、修飾THPヌクレオシドをオリゴヌクレオチドの残りに連結するヌクレオシド間連結基であるか、またはT及びTのうちの一方が修飾THPヌクレオシドをオリゴヌクレオチドの残りに連結するヌクレオシド間連結基であり、T及びTのうちの他方がH、ヒドロキシル保護基、連結共役基、または5’もしくは3’末端基であり、
、q、q、q、q、q、及びqは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル、置換C~Cアルキル、C~Cアルケニル、置換C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、または置換C~Cアルキニルであり、
及びRの各々は、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換アルコキシ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、OC(=X)NJ、NJC(=X)NJ、及びCNの中から独立して選択され、式中、XはO、S、またはNJであり、各J、J、及びJは、独立して、HまたはC~Cアルキルである。
【0348】
特定の実施形態では、修飾THPヌクレオシドが提供され、q、q、q、q、q、q、及びqはそれぞれHである。特定の実施形態では、q、q、q、q、q、q、及びqのうちの少なくとも1つはH以外である。特定の実施形態では、q、q、q、q、q、q、及びqのうちの少なくとも1つはメチルである。特定の実施形態では、R及びRの1つがFである修飾THPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態では、RはFであり、RはHであり、特定の実施形態では、Rはメトキシであり、RはHであり、特定の実施形態では、Rはメトキシエトキシであり、RはHである。
【0349】
特定の実施形態では、糖代替物が、5超の原子及び2つ以上のヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルホリノ糖部分を含むヌクレオシド、及びオリゴヌクレオチドにおけるそれらの使用が報告されている(例えば、Braasch et al.,Biochemistry,2002,41,4503-4510及びSummerton et al.,U.S.5,698,685;Summerton et al.,U.S.5,166,315;Summerton et al.,U.S.5,185,444;ならびにSummerton et al.,U.S.5,034,506を参照のこと)。本明細書で使用される場合、用語「モルホリノ」は以下の構造を有する糖代替物を意味する:
【0350】
【化4】
【0351】
特定の実施形態では、モルホリノは、例えば、様々な置換基を付加するか、または改変することによって、上記モルホリノ構造から修飾されてもよい。そのような糖代替物を本明細書では「修飾モルホリノ」と称する。
【0352】
特定の実施形態では、糖代替物は非環式部分を含む。そのような非環式糖代替物を含むヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドの例には、ペプチド核酸(「PNA」)、非環式ブチル核酸(例えば、Kumar et al.,Org.Biomol.Chem.,2013,11,5853-5865を参照のこと)、ならびにManoharan et al.,WO2011/133876に記載のヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドが含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、糖代替物は非環式部分を含む。そのような非環式糖代替物を含むヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドの例には、ペプチド核酸(「PNA」)、非環式ブチル核酸(例えば、Kumar et al.,Org.Biomol.Chem.,2013,11,5853-5865を参照のこと)、ならびにManoharan et al.,US2013/130378に記載のヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドが含まれるが、これらに限定されない。PNA化合物の調製を教示する代表的な米国特許としては、米国特許第5,539,082号;同第5,714,331号;及び同第5,719,262号が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のRNAiオリゴヌクレオチドでの使用に好適な追加のPNA化合物は、例えば、Nielsen et al.,Science,1991,254,1497-1500に記載されている。
【0353】
特定の実施形態では、糖代替物は、UNA(アンロックド核酸)ヌクレオシドの「アンロックド」糖構造である。UNAは、アンロックド非環式核酸であり、糖の結合のいずれもが除去されており、アンロックド糖代替物が形成される。UNAの調製を教示する代表的な米国刊行物には、これらに限定されるわけではないが、米国特許第8,314,227号、及び米国特許公開番号第2013/0096289号、同第2013/0011922号、及び同第2011/0313020号が挙げられ、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0354】
特定の実施形態では、糖代替物は、以下に示されるように、GNA(グリコール核酸)ヌクレオシドに見られるようなグリセロールであり;
(S)-GNA
【0355】
【化5】
【0356】
式中、Bxは任意の核酸塩基を表す。
【0357】
多くの他の二環式糖及び三環式糖ならびに糖代替物が当技術分野で知られており、これらは修飾ヌクレオシドに使用することができる。
【0358】
2.特定の修飾核酸塩基
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾核酸塩基を含む1個以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含む1個以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、脱塩基ヌクレオシドと称される核酸塩基を含まない、1個以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、1つ以上のイノシンヌクレオシド(すなわち、ヒポキサンチン核酸塩基を含むヌクレオシド)を含む。
【0359】
特定の実施形態では、修飾核酸塩基は、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、アルキルまたはアルキニル置換ピリミジン、アルキル置換プリン、ならびにN-2、N-6及びO-6置換プリンから選択される。特定の実施形態では、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシン、2-アミノプロピルアデニン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-N-メチルグアニン、6-N-メチルアデニン、2-プロピルアデニン、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-プロピニル(-C≡C-CH)ウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-リボシルウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル、8-アザ及び他の8-置換プリン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、5-ハロウラシル、及び5-ハロシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、2-N-イソブチリルグアニン、4-N-ベンゾイルシトシン、4-N-ベンゾイルウラシル、5-メチル4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチル4-N-ベンゾイルウラシル、ユニバーサル塩基、疎水性塩基、広域塩基(promiscuous base)、サイズ拡張塩基(size-expanded base)及びフッ素化塩基から選択される。さらなる修飾核酸塩基としては、三環式ピリミジン、例えば1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン、1,3-ジアザフェノチアジン-2-オン、及び9-(2-アミノエトキシ)-1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン(G-クランプ)が挙げられる。修飾核酸塩基としては、プリンまたはピリミジン塩基が他の複素環により置き換えられているもの、例えば7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン及び2-ピリドンを挙げることもできる。さらなる核酸塩基としては、Merigan et al.,U.S.3,687,808に開示されているもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,Kroschwitz,J.I.,Ed.,John Wiley&Sons,1990,858-859;Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613;Sanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Eds.,CRC Press,1993,273-288に開示されているもの、ならびにChapters 6及び15,Antisense Drug Technology,Crooke S.T.,Ed.,CRC Press,2008,163-166及び442-443に開示されているものが挙げられる。
【0360】
上述の修飾核酸塩基及び他の修飾核酸塩基のうちのいくつかについて調製を教示する刊行物には、Manohara et al.,US2003/0158403、Manoharan et al.,US2003/0175906、Dinh et al.,U.S.4,845,205、Spielvogel et al.,U.S.5,130,302、Rogers et al.,U.S.5,134,066、Bischofberger et al.,U.S.5,175,273、Urdea et al.,U.S.5,367,066、Benner et al.,U.S.5,432,272、Matteucci et al.,U.S.5,434,257、Gmeiner et al.,U.S.5,457,187、Cook et al.,U.S.5,459,255、Froehler et al.,U.S.5,484,908、Matteucci et al.,U.S.5,502,177、Hawkins et al.,U.S.5,525,711、Haralambidis et al.,U.S.5,552,540、Cook et al.,U.S.5,587,469、Froehler et al.,U.S.5,594,121、Switzer et al.,U.S.5,596,091、Cook et al.,U.S.5,614,617、Froehler et al.,U.S.5,645,985、Cook et al.,U.S.5,681,941、Cook et al.,U.S.5,811,534、Cook et al.,U.S.5,750,692、Cook et al.,U.S.5,948,903、Cook et al.,U.S.5,587,470、Cook et al.,U.S.5,457,191、Matteucci et al.,U.S.5,763,588、Froehler et al.,U.S.5,830,653、Cook et al.,U.S.5,808,027、Cook et al.,6,166,199、及びMatteucci et al.,U.S.6,005,096が挙げられるが、これに限定されない。
【0361】
3.特定の修飾ヌクレオシド間結合
RNA及びDNAの天然に存在するヌクレオシド間結合は、3’から5’へのホスホジエステル結合である。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、1個以上の修飾ヌクレオシド間結合を使用して一緒に連結され得る。ヌクレオシド間結合基の2つの主なクラスは、リン原子の存在または非存在により規定される。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合としては、限定されるものではないが、ホスホジエステル結合(「P=O」)を含有するホスフェート(非修飾または天然存在結合とも称される)、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホラミデート、及びホスホロチオエート(「P=S」)、及びホスホロジチオエート(「HS-P=S」)が挙げられる。代表的な非リン酸を含有するヌクレオシド間結合基には、メチレンメチルイミノ(-CH-N(CH)-O-CH-)、チオジエステル、チオノカルバメート(-O-C(=O)(NH)-S-)、シロキサン(-O-SiH-O-)、及びN,N’-ジメチルヒドラジン(-CH-N(CH)-N(CH)-)が含まれるが、これらに限定されない。天然のリン酸結合と比較して、修飾ヌクレオシド間結合は、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を変える(通常は増加させる)ために使用され得る。特定の実施形態では、キラル原子を有するヌクレオシド間結合は、ラセミ混合物として、または別個の鏡像異性体として調製され得る。リン含有及び非リン含有ヌクレオシド間結合の調製方法は、当業者に周知である。
【0362】
キラル中心を有する代表的ヌクレオシド間結合には、アルキルホスホネート及びホスホロチオエートが含まれるが、これに限定されるものではない。キラル中心を有するヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドは、ステレオランダムなヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドの集団としても、また特定の立体化学配置をしたホスホロチオエート結合を含む修飾オリゴヌクレオチドの集団としても調製することができる。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合はいずれもステレオランダムである。そのような修飾オリゴヌクレオチドは、各ホスホロチオエート結合の立体化学配置がランダムに選択される合成方法を使用して作製することができる。それにもかかわらず、それぞれ個々のオリゴヌクレオチド分子の各々個々のホスホロチオエートには定義された立体配置がある。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、独立して選択される特定の立体化学配置にある特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を1つ以上含む修飾オリゴヌクレオチドが豊富である。特定の実施形態では、特定の立体配置の特定のホスホロチオエート結合は、集団内分子の少なくとも65%に存在する。特定の実施形態では、特定の立体配置の特定のホスホロチオエート結合は、集団内分子の少なくとも70%に存在する。特定の実施形態では、特定の立体配置の特定のホスホロチオエート結合は、集団内分子の少なくとも80%に存在する。特定の実施形態では、特定の立体配置の特定のホスホロチオエート結合は、集団内分子の少なくとも90%に存在する。特定の実施形態では、特定の立体配置の特定のホスホロチオエート結合は、集団内分子の少なくとも99%に存在する。修飾オリゴヌクレオチドのそのようなキラルが豊富な集団は、当該技術分野で公知の合成方法、例えば、Oka et al.,JACS 125,8307(2003)、Wan et al.Nuc.Acid.Res.42,13456(2014)、及びWO2017/015555などに記載の方法を使用して作製することができる。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、(Sp)立体配置にある指示されたホスホロチオエートを少なくとも1つ有する修飾オリゴヌクレオチドが豊富である。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、(Rp)立体配置にあるホスホロチオエートを少なくとも1つ有する修飾オリゴヌクレオチドが豊富である。特定の実施形態では、(Rp)ホスホロチオエート及び/または(Sp)ホスホロチオエートを含む修飾オリゴヌクレオチドは、それぞれ、以下の式:の1つ以上を含み、式中、「B」は核酸塩基を示す。
【0363】
【化6】
【0364】
別段の指示がある場合を除き、本明細書に記載する修飾オリゴヌクレオチドのキラルなヌクレオシド間結合は、ステレオランダムでも、特定の立体化学配置でもあり得る。
【0365】
中性ヌクレオシド間結合には、限定することなく、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、MMI(3’-CH-N(CH)-O-5’)、アミド-3(3’-CH-C(=O)-N(H)-5’)、アミド-4(3’-CH-N(H)-C(=O)-5’)、ホルムアセタール(3’-O-CH-O-5’)、メトキシプロピル(MOP)、及びチオホルムアセタール(3’-S-CH-O-5’)が含まれる。さらなる中性ヌクレオシド間結合には、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボン酸エステル、カルボキサミド、硫化物、スルホン酸エステル及びアミドを含む非イオン性結合が含まれる(例えば、Carbohydrate Modifications in Antisense Research;Y.S.Sanghvi and P.D.Cook,Eds.,ACS Symposium Series 580;Chapters 3及び4,40-65を参照のこと)。さらなる中性ヌクレオシド間結合には、N、O、S及びCHの構成成分部を混合で含む非イオン結合が含まれる。
【0366】
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチド(アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及び/またはセンスRNAiオリゴヌクレオチドなど)は、以下に示すように、1つ以上の逆位ヌクレオシドを含み:
【0367】
【化7】
【0368】
式中、各Bxは、独立して任意の核酸塩基を表す。
【0369】
特定の実施形態では、逆位ヌクレオシドは末端(すなわち、オリゴヌクレオチドの一端の最後のヌクレオシド)であり、したがって、上に示したヌクレオシド間結合は1個だけ存在する。特定のそのような実施形態では、追加の特徴(共役基など)を逆位ヌクレオシドに結合させてもよい。そのような末端逆位ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの一端または両末端に結合させることができる。
【0370】
特定の実施形態では、そのような基は核酸塩基を欠き、本明細書では逆位糖部分と呼ばれる。特定の実施形態では、逆位糖部分は末端(すなわち、オリゴヌクレオチドの一端の最後のヌクレオシドに結合している)であり、したがって、上記ヌクレオシド間結合は1個だけ存在する。特定のそのような実施形態では、追加の特徴(共役基など)は、逆位糖部分に結合させてもよい。このような末端逆位糖部分は、オリゴヌクレオチドの一端または両末端に結合させることができる。
【0371】
特定の実施形態では、核酸は、標準的な3’から5’への連結ではなく、2’から5’への連結であり得る。このような結合を以下に示す。
【0372】
【化8】
【0373】
式中、各Bxは任意の核酸塩基を表す。
【0374】
B.特定のモチーフ
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾糖部分を含む修飾ヌクレオシドを1つ以上含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含む修飾ヌクレオシドを1つ以上含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾ヌクレオシド間結合を1つ以上含む。そのような実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの、修飾、非修飾、及び異なる修飾の、糖部分、核酸塩基、及び/またはヌクレオシド間結合がパターンまたはモチーフを定義する。特定の実施形態では、糖部分、核酸塩基、及びヌクレオシド間結合のパターンはそれぞれ互いに独立している。したがって、修飾オリゴヌクレオチドは、その糖モチーフ、核酸塩基モチーフ、及び/またはヌクレオシド間結合モチーフによって表され得る(本明細書で使用する場合、核酸塩基モチーフは、核酸塩基の配列とは関係のない核酸塩基に対する修飾を表す)。
【0375】
1.特定の糖モチーフ
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、定義されたパターンまたは糖モチーフでオリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って配置された1種以上の修飾糖及び/または非修飾糖部分を含む。特定の例では、そのような糖モチーフには本明細書で論じる糖修飾のうち任意のものが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0376】
均一に修飾されたオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、完全に修飾された糖モチーフを有する領域を含むか、またはそれからなる。そのような実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの完全に修飾された領域の各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチド全体の各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、完全に修飾された糖モチーフを有する領域を含むか、またはそれからなり、完全に修飾された領域内の各ヌクレオシドは、本明細書において均一に修飾された糖モチーフと呼ばれる同じ修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、完全に修飾されたオリゴヌクレオチドは、均一に修飾されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、均一に修飾されたヌクレオチドの各ヌクレオシドは、同じ2’修飾を含む。
【0377】
ギャップマーオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、2つの外部領域、すなわち「ウィング」及び中央もしくは内部領域、すなわち「ギャップ」によって定義される、ギャップマーモチーフを有する領域を含むか、またはそれからなる。ギャップマーモチーフの3つの領域(5’ウィング、ギャップ、及び3’ウィング)は、ヌクレオシドの連続した配列を形成し、各ウィングのヌクレオシドの糖部分の少なくともいくつかは、ギャップのヌクレオシドの糖部分の少なくともいくつかとは異なる。具体的には、少なくともギャップに最も近い各ウィングのヌクレオシドの糖部分(5’-ウィングの最も3’側のヌクレオシド及び3’-ウィングの最も5’-側のヌクレオシド)は、隣接するギャップヌクレオシドの糖部分とは異なり、したがって、ウィングとギャップの間の境界(すなわち、ウィング/ギャップ接合部)を定義する。特定の実施形態では、ギャップ内の糖部分は、互いに同一である。特定の実施形態では、ギャップは、ギャップの1個以上の他のヌクレオシドの糖部分とは異なる糖部分を有する1個以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、2個のウィングの糖モチーフは、互いに同一である(対称性ギャップマー)。特定の実施形態では、5’-ウィングの糖モチーフは、3’-ウィングの糖モチーフとは異なる(非対称性ギャップマー)。
【0378】
特定の実施形態では、ギャップマーのウィングは、1~6個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、ギャップマーの各ウィングの各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、ギャップマーの各ウィングの少なくとも1個のヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、ギャップマーの各ウィングの少なくとも2個のヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、ギャップマーの各ウィングの少なくとも3個のヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、ギャップマーの各ウィングの少なくとも4個のヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。
【0379】
特定の実施形態では、ギャップマーのギャップは、7~12個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、ギャップマーのギャップの各ヌクレオシドは、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。特定の実施形態では、ギャップマーのギャップの少なくとも1個のヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。
【0380】
特定の実施形態では、ギャップマーはデオキシギャップマーである。特定の実施形態では、各ウィング/ギャップ接合部のギャップ側のヌクレオシドは、2’-デオキシリボシル糖部分を含み、各ウィング/ギャップ接合部のウィング側のヌクレオシドは修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、ギャップの各ヌクレオシドは、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。特定の実施形態では、ギャップマーの各ウィングの各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、ギャップマーのギャップの少なくとも1個のヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、ギャップマーのギャップの少なくとも1個のヌクレオシドは、2’-OMe糖部分を含む。
【0381】
本明細書では、ギャップマーの3つの領域の長さ(ヌクレオシドの数)は、表記法[5’-ウィング中のヌクレオシドの数]-[ギャップ中のヌクレオシドの数]-[3’-ウィング中のヌクレオシドの数]を用いて提供されてもよい。したがって、3-10-3ギャップマーは、各ウィング中の3個の連結ヌクレオシドと、ギャップ中の10個の連結ヌクレオシドからなる。そのような用語が特定の修飾を伴う場合、この修飾は各ウィングの各糖部分の修飾であり、ギャップヌクレオシドは2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。したがって、5-10-5MOEギャップマーは、5’-ウィング中の5個の連結2’-MOEヌクレオシドと、ギャップ中の10個の連結2’-β-D-デオキシヌクレオシドと、3’-ウィング中の5個の連結2’-MOEヌクレオシドからなる。3-10-3cEtギャップマーは、5’ウィング中の3個の連結cEtヌクレオシドと、ギャップ中の10個の連結2’-β-D-デオキシヌクレオシドと、3’ウィング中の3個の連結cEtヌクレオシドからなる。5-8-5ギャップマーは、5’ウィング中の修飾糖部分を含む5個の連結ヌクレオシドと、ギャップ中の8個の連結2’-β-D-デオキシヌクレオシドと、3’ウィング中の修飾糖部分を含む5個の連結ヌクレオシドからなる。5-8-5混合ギャップマーは、5’-及び/または3’-ウィングに少なくとも2つの異なる修飾糖部分を有する。
【0382】
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、5-10-5MOEギャップマーである。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、3-10-3BNAギャップマーである。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、3-10-3cEtギャップマーである。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、3-10-3LNAギャップマーである。
【0383】
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、5’ウィング中の5個の連結2’-MOEヌクレオシド、ギャップ中の8個の連結2’-β-D-デオキシヌクレオシド、ならびに3’-ウィング中のcEt及び2’-MOEヌクレオシドの混合物からなる5-8-5混合ギャップマーである。特定の実施形態では、修飾ヌクレオシドは、eeeeeddddddddkkeeeの糖モチーフを有し、各「e」は、2’-MOE修飾糖部分を含むヌクレオシドを表し、各「d」は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシドを表し、各「k」は、cEt修飾糖部分を含むヌクレオシドを表す。特定の実施形態では、修飾ヌクレオシドは、eeeeeddddddddkeeeeの糖モチーフを有し、各「e」は、2’-MOE修飾糖部分を含むヌクレオシドを表し、各「d」は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシドを表し、各「k」は、cEt修飾糖部分を含むヌクレオシドを表す。
【0384】
アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドの糖部分は、修飾糖部分である。
【0385】
特定のそのような実施形態では、少なくとも1個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも2個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも5個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも8個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも10個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも12個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも14個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも15個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも17個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定のそのような実施形態では、少なくとも18個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定のそのような実施形態では、少なくとも20個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定のそのような実施形態では、少なくとも21個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。
【0386】
特定の実施形態では、少なくとも1個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも2個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも3個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも4個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、1個ではあるが1個以下のヌクレオシドは、2’-F修飾糖を含む。特定の実施形態では、1または2個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、1~3個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも1~4個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、2~4個の連続した2’-F修飾ヌクレオシドのブロックを有する。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの4個のヌクレオシドは2’-F修飾ヌクレオシドであり、それらの2’-F修飾ヌクレオシドのうちの3個は連続している。特定のそのような実施形態では、ヌクレオシドの残りは2’OMe修飾されている。
【0387】
センスRNAiオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1個のヌクレオシドの糖部分は、修飾糖部分である。
【0388】
特定のそのような実施形態では、少なくとも1個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも2個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも5個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも8個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも10個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも12個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも14個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも15個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも17個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定のそのような実施形態において、少なくとも18個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定のそのような実施形態において、少なくとも20個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。特定のそのような実施形態において、少なくとも21個のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含む。
【0389】
特定の実施形態では、少なくとも1個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも2個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも3個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも4個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、1個ではあるが1個以下のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、1または2個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖を含む。特定の実施形態では、1~3個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、少なくとも1~4個のヌクレオシドは、2’-F修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは、2~4個の連続した2’-F修飾ヌクレオシドのブロックを有する。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドの4個のヌクレオシドは2’-F修飾ヌクレオシドであり、それらの2’-F修飾ヌクレオシドのうちの3個は連続している。特定のそのような実施形態では、ヌクレオシドの残りは2’OMe修飾されている。
【0390】
2.特定の核酸塩基モチーフ
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、定義されたパターンまたはモチーフでオリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って配置された修飾及び/または非修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態では、各核酸塩基が修飾される。特定の実施形態では、核酸塩基のうちのいずれも修飾されない。特定の実施形態では、各プリンまたは各ピリミジンが修飾される。特定の実施形態では、各アデニンが修飾される。特定の実施形態では、各グアニンが修飾される。特定の実施形態では、各チミンが修飾される。特定の実施形態では、各ウラシルが修飾される。特定の実施形態では、各シトシンが修飾される。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドのシトシン核酸塩基の一部または全ては、5-メチルシトシンである。特定の実施形態では、全てのシトシン核酸塩基は5-メチルシトシンであり、修飾オリゴヌクレオチドの他の全ての核酸塩基は非修飾核酸塩基である。
【0391】
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基のブロックを含む。特定のそのような実施形態では、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端に存在する。特定の実施形態では、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端の3個のヌクレオチド内に存在する。特定の実施形態では、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端に存在する。特定の実施形態では、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端の3個のヌクレオチド内に存在する。
【0392】
ギャップマーオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含むヌクレオシドを含む。特定のそのような実施形態では、修飾核酸塩基を含む1個のヌクレオシドは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドの中央ギャップにある。特定のそのような実施形態では、該ヌクレオシドの糖部分は、2’-デオキシリボシル糖部分である。特定の実施形態では、修飾核酸塩基は、2-チオピリミジン及び5-プロピンピリミジンから選択される。
【0393】
アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1個のヌクレオシドは、UNAである。
特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1個のヌクレオシドは、GNAである。
特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個のヌクレオシドは、DNAである。特定のそのような実施形態では、1~4個のDNAヌクレオシドは、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの一端または両端にある。
【0394】
センスRNAiオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドの1個のヌクレオシドは、UNAである。
【0395】
特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドの1個のヌクレオシドは、GNAである。
【0396】
特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個のヌクレオシドは、DNAである。特定のそのような実施形態において、1~4個のDNAヌクレオシドは、センスRNAiオリゴヌクレオチドの一端または両端にある。
【0397】
3.特定のヌクレオシド間結合モチーフ
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、定義されたパターンまたはモチーフでオリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って配置された修飾及び/または非修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態では、各ヌクレオシド間結合基は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合(P=O)である。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合基は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合(P=S)である。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合及びホスホジエステルヌクレオシド間結合から独立して選択される。特定の実施形態では、各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、ステレオランダムホスホロチオエート(Sp)ホスホロチオエート、及び(Rp)ホスホロチオエートから独立して選択される。
【0398】
ギャップマーオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフはギャップマーであり、ギャップ内のヌクレオシド間結合は全て修飾されている。特定のそのような実施形態では、ウィングにおけるヌクレオシド間結合のいくつかまたは全ては、非修飾ホスホジエステルヌクレオシド間結合である。特定の実施形態では、末端ヌクレオシド間結合は修飾されている。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフはギャップマーであり、ヌクレオシド間結合モチーフは、少なくとも1つのウィングに少なくとも1個のホスホジエステルヌクレオシド間結合を含み、少なくとも1つのホスホジエステル結合は、末端ヌクレオシド間結合ではなく、残りのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。特定のそのような実施形態では、全てのホスホロチオエート結合はステレオランダムである。特定の実施形態では、ウィング内の全てのホスホロチオエート結合は、(Sp)ホスホロチオエートであり、ギャップは少なくとも1つのSp、Sp、Rpモチーフを含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、そのようなヌクレオシド間結合モチーフを含む修飾オリゴヌクレオチドが豊富である。
【0399】
特定の実施形態では、修飾ヌクレオチドは、sososssssssssosssのヌクレオシド間結合モチーフを有し、各「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」はリン酸ヌクレオシド間結合を表す。特定の実施形態では、修飾ヌクレオチドは、sooosssssssssoossのヌクレオシド間結合モチーフを有し、各「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」は、リン酸ヌクレオシド間結合を表す。特定の実施形態では、修飾ヌクレオチドは、sooosssssssssoossのヌクレオシド間結合モチーフを有し、各「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」は、リン酸ヌクレオシド間結合を表す。
【0400】
アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの結合は、修飾結合である。特定の実施形態では、最も5’側の結合(すなわち、5’末端から最初のヌクレオシドを5’末端から第2のヌクレオシドに結合する)は、修飾されている。特定の実施形態では、2つの最も5’側の結合は、修飾されている。特定の実施形態では、3’末端からの最初の1つまたは2つの結合は、修飾されている。特定のそのような実施形態では、修飾結合は、ホスホロチオエート結合である。特定の実施形態では、残りの結合は、全て非修飾のホスホジエステル結合である。
【0401】
特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの結合は、逆位結合である。
【0402】
センスRNAiオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの結合は、修飾結合である。特定の実施形態では、最も5’側の結合(すなわち、5’末端から最初のヌクレオシドを5’末端から第2のヌクレオシドに結合する)は、修飾されている。特定の実施形態では、2つの最も5’側の結合は、修飾されている。特定の実施形態では、3’末端からの最初の1つまたは2つの結合は、修飾されている。特定のそのような実施形態では、修飾結合は、ホスホロチオエート結合である。特定の実施形態では、残りの結合は、全て非修飾のホスホジエステル結合である。
【0403】
特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの結合は、逆位結合である。
【0404】
C.特定の長さ
活性を失わずに、オリゴヌクレオチドの長さを増減することが可能である。例えば、Woolf et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7305-7309,1992)において、卵母細胞注射モデルにおいて標的RNAの切断を誘導するそれらの能力について、13~25核酸塩基長の一連のオリゴヌクレオチドを試験した。オリゴヌクレオチドの末端近くに8または11のミスマッチ塩基を有する25核酸塩基長のオリゴヌクレオチドは、ミスマッチを含まないオリゴヌクレオチドほどではなかったものの、標的RNAの特異的切断を導くことができた。同様に、標的特異的切断が、13核酸塩基オリゴヌクレオチド(1つまたは3つのミスマッチを有するものを含む)を使用して達成された。
【0405】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド(修飾オリゴヌクレオチドを含む)は、任意の様々な長さ範囲を有し得る。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、X~Y個の連結ヌクレオシドからなり、Xは、当該範囲のヌクレオシドの最小数を表し、Yは、当該範囲のヌクレオシドの最大数を表す。特定のそのような実施形態では、X及びYは、X≦Yの条件で、それぞれ独立して、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49及び50から選択される。例えば、特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、12~13個、12~14個、12~15個、12~16個、12~17個、12~18個、12~19個、12~20個、12~21個、12~22個、12~23個、12~24個、12~25個、12~26個、12~27個、12~28個、12~29個、12~30個、13~14個、13~15個、13~16個、13~17個、13~18個、13~19個、13~20個、13~21個、13~22個、13~23個、13~24個、13~25個、13~26個、13~27個、13~28個、13~29個、13~30個、14~15個、14~16個、14~17個、14~18個、14~19個、14~20個、14~21個、14~22個、14~23個、14~24個、14~25個、14~26個、14~27個、14~28個、14~29個、14~30個、15~16個、15~17個、15~18個、15~19個、15~20個、15~21個、15~22個、15~23個、15~24個、15~25個、15~26個、15~27個、15~28個、15~29個、15~30個、16~17個、16~18個、16~19個、16~20個、16~21個、16~22個、16~23個、16~24個、16~25個、16~26個、16~27個、16~28個、16~29個、16~30個、17~18個、17~19個、17~20個、17~21個、17~22個、17~23個、17~24個、17~25個、17~26個、17~27個、17~28個、17~29個、17~30個、18~19個、18~20個、18~21個、18~22個、18~23個、18~24個、18~25個、18~26個、18~27個、18~28個、18~29個、18~30個、19~20個、19~21個、19~22個、19~23個、19~24個、19~25個、19~26個、19~29個、19~28個、19~29個、19~30個、20~21個、20~22個、20~23個、20~24個、20~25個、20~26個、20~27個、20~28個、20~29個、20~30個、21~22個、21~23個、21~24個、21~25個、21~26個、21~27個、21~28個、21~29個、21~30個、22~23個、22~24個、22~25個、22~26個、22~27個、22~28個、22~29個、22~30個、23~24個、23~25個、23~26個、23~27個、23~28個、23~29個、23~30個、24~25個、24~26個、24~27個、24~28個、24~29個、24~30個、25~26個、25~27個、25~28個、25~29個、25~30個、26~27個、26~28個、26~29個、26~30個、27~28個、27~29個、27~30個、28~29個、28~30個、または29~30個の連結ヌクレオシドからなる。
【0406】
アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは17~30個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは17~25個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは17~23個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは17~21個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは18~30個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは20~30個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは21~30個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは23~30個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは18~25個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは20~22個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは21~23個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは23~24個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは20個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは21個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは22個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは23個の連結ヌクレオシドからなる。
【0407】
センスRNAiオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは17~30個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは17~25個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは17~23個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは17~21個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは18~30個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは20~30個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは21~30個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは23~30個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは18~25個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは20~22個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは21~23個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは23~24個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは20個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは21個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは22個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは23個の連結ヌクレオシドからなる。
【0408】
D.特定の修飾オリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、上記の修飾(糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合)は、修飾オリゴヌクレオチドに組み込まれる。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、それらの修飾モチーフ及び全長によって特徴付けられる。特定の実施形態では、そのようなパラメータはそれぞれ、互いに独立している。したがって、別段の指示がある場合を除き、ギャップマー糖モチーフを有するオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、修飾されても修飾されなくてもよく、糖修飾のギャップマー修飾パターンに従っても従わなくてもよい。例えば、糖ギャップマーのウィング領域内のヌクレオシド間結合は、互いに同一であるか、または異なり得、糖モチーフのギャップ領域のヌクレオシド間結合と同一であるか、または異なり得る。同様に、そのような糖ギャップマーオリゴヌクレオチドは、糖修飾のギャップマーパターンとは関係なく、1個以上の修飾核酸塩基を含み得る。別段の指示がある場合を除き、全ての修飾は、核酸塩基配列とは無関係である。
【0409】
E.修飾オリゴヌクレオチドの特定の集団
集団の修飾オリゴヌクレオチドの全てが同一の分子式を有する修飾オリゴヌクレオチドの集団は、ステレオランダム集団またはキラルが豊富な集団とすることができる。修飾オリゴヌクレオチドの全てのキラル中心のうちの全ては、ステレオランダム集団においてステレオランダムである。キラルが豊富な集団において、少なくとも1つの特定のキラル中心は、集団の修飾オリゴヌクレオチドにおいてステレオランダムではない。特定の実施形態では、キラルが豊富な集団の修飾オリゴヌクレオチドは、β-Dリボシル糖部分が豊富であり、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の全てがステレオランダムである。特定の実施形態では、キラルが豊富な集団の修飾オリゴヌクレオチドは、特定の立体化学的配置において、β-Dリボシル糖部分、及び少なくとも1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合の両方が豊富である。
【0410】
F.核酸塩基配列
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド(非修飾または修飾オリゴヌクレオチド)は、それらの核酸塩基配列によってさらに説明される。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、第2のオリゴヌクレオチド、または標的核酸などの同定された参照核酸に相補的な核酸塩基配列を有する。特定のそのような実施形態では、オリゴヌクレオチドの領域は、第2のオリゴヌクレオチド、または標的核酸などの同定された参照核酸に相補的な核酸塩基配列を有する。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの領域または全長の核酸塩基配列は、第2のオリゴヌクレオチドまたは標的核酸などの核酸に、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相補的である。
【0411】
II.特定のオリゴマー化合物
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド(修飾または非修飾)及び任意選択で1つ以上の共役基及び/または末端基からなるオリゴマー化合物が本明細書に提供される。共役基は、1つ以上の共役部分と、共役部分をオリゴヌクレオチドに連結する共役リンカーとからなる。共役基は、オリゴヌクレオチドの一端または両末端、及び/または任意の内部位置に結合し得る。特定の実施形態では、共役基は修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドの2’位に結合する。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの一端または両末端に結合する共役基は、末端基である。特定のそのような実施形態では、共役基または末端基は、オリゴヌクレオチドの3’及び/または5’末端に結合する。特定のそのような実施形態では、共役基(または末端基)は、オリゴヌクレオチドの3’末端に結合する。特定の実施形態では、共役基は、オリゴヌクレオチドの3’末端付近に結合する。特定の実施形態では、共役基(または末端基)は、オリゴヌクレオチドの5’末端に結合する。特定の実施形態では、共役基は、オリゴヌクレオチドの5’末端付近に結合する。
【0412】
末端基の例には、共役基、キャッピング基、リン酸部分、保護基、修飾または非修飾のヌクレオシド、及び独立して修飾または非修飾である2つ以上のヌクレオシドが含まれるが、これらに限定されない。
【0413】
A.特定のRNAi化合物
RNAi化合物は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及び任意選択でセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含む。RNAi化合物はまた、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドまたはセンスRNAiオリゴヌクレオチド(存在する場合)に結合し得る末端基及び/または共役基を含み得る。
【0414】
二重鎖
アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及びセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含むRNAi化合物は、センスRNAiオリゴヌクレオチドがアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドに相補的なアンチセンスハイブリダイズ領域を含むため、二重鎖を形成する。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及びセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各核酸塩基は、互いに相補的である。特定の実施形態では、2つのRNAiオリゴヌクレオチドは、互いに相対した少なくとも1つのミスマッチを有する。
【0415】
特定の実施形態では、アンチセンスハイブリダイズ領域は、センスRNAiオリゴヌクレオチド及びアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの全長を構成する。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及びセンスRNAiオリゴヌクレオチドのうちの一方または両方は、ハイブリダイズしない一端または両末端に追加のヌクレオシド(オーバーハングヌクレオシド)を含む。特定の実施形態では、オーバーハングヌクレオシドはDNAである。特定の実施形態では、オーバーハングヌクレオシドは、互いに(2つ以上が存在する場合)、ホスホロチオエート結合を有する第1の非オーバーハングヌクレオシドに連結されている。
【0416】
B.特定の共役基
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは1つ以上の共役基に共有結合する。特定の実施形態では、共役基は、薬力学的特性、薬物動態学的特性、安定特性、結合特性、吸収特性、組織分布特性、細胞分布特性、細胞取り込み特性、電荷特性、及びクリアランス特性を含むが、これらに限定されない、結合オリゴヌクレオチドの1つ以上の特性を修飾する。
【0417】
特定の実施形態では、1つ以上の炭水化物部分の修飾オリゴヌクレオチドへの共役は、修飾オリゴヌクレオチドの1つ以上の特性を最適化することができる。特定の実施形態では、炭水化物部分は、修飾オリゴヌクレオチドの修飾サブユニットに結合している。例えば、修飾オリゴヌクレオチドのうちの1つ以上のリボヌクレオチドサブユニットのリボース糖は、別の部分、例えば、炭水化物リガンドが結合している非炭水化物(好ましくは環状)担体で置き換えることができる。サブユニットのリボース糖がそのように置換されたリボヌクレオチドサブユニットは、本明細書では、修飾糖部分であるリボース置換修飾サブユニット(RRMS)と呼ばれる。環状担体は、炭素環系であり得る、すなわち、1つ以上の環原子は、ヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、硫黄であり得る。環状担体は、単環式環系であり得るか、または2つ以上の環、例えば、縮合環を含み得る。環状担体は、完全に飽和した環系であり得るか、または、それは1つ以上の二重結合を含み得る。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーである。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドはアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドはセンスRNAiオリゴヌクレオチドである。
【0418】
特定の実施形態では、共役基は、結合オリゴヌクレオチドに新たな特性、例えばオリゴヌクレオチドの検出を可能にするフルオロフォアまたはレポーター基を付与する。特定の共役基及び共役部分は、以前から説明されてきた、例えば、コレステロール部分(Letsingeret al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86,6553-6556)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1994,4,1053-1060)、チオエーテル、例えば、ヘキシル-S-トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660,306-309;Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1993,3,2765-2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20,533-538)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオールまたはウンデシル残基(Saison-Behmoaras et al.,EMBO J.,1991,10,1111-1118;Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259,327-330;Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75,49-54)、リン脂質、例えば、ジヘキサデシル-rac-グリセロールまたはトリエチルアンモニウム1,2-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-3-H-ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651-3654;Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18,3777-3783)、ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides & Nucleotides,1995,14,969-973)、またはアダマンタン酢酸、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264,229-237)、オクタデシルアミンまたはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277,923-937)、トコフェノール基(Nishina et al.,Molecular Therapy Nucleic Acids,2015,4,e220;及びNishina et al.,Molecular Therapy,2008,16,734-740)、またはGalNAcクラスター(例えば、WO2014/179620)。
【0419】
特定の実施形態では、共役基は、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル、C5アルキル、C22アルケニル、C20アルケニル、C16アルケニル、C10アルケニル、C21アルケニル、C19アルケニル、C18アルケニル、C15アルケニル、C14アルケニル、C13アルケニル、C12アルケニル、C11アルケニル、C9アルケニル、C8アルケニル、C7アルケニル、C6アルケニル、またはC5アルケニルのいずれかから選択され得る。
【0420】
特定の実施形態では、共役基は、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル、及びC5アルキルのいずれかから選択され得、該アルキル鎖は1つ以上の不飽和結合を有する。
【0421】
1.共役部分
共役部分には、インターカレーター、レポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、糖(例えば、GalNAc)、ビタミン部分、ポリエチレングリコール、チオエーテル、ポリエーテル、コレステロール、チオコレステロール、コール酸部分、葉酸、脂質、リン脂質、ビオチン、フェナジン、フェナントリジン、アントラキノン、アダマンタン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、フルオロフォア、及び色素が含まれるが、これらに限定されない。
【0422】
特定の実施形態では、共役部分には、有効成分、例えばアスピリン、ワーファリン、フェニルブタゾン、イブプロフェン、スプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、(S)-(+)-プラノプロフェン、カルプロフェン、ダンシルサルコシン、2,3,5-トリヨード安息香酸、フィンゴリモド、フルフェナム酸、フォリン酸、ベンゾチアジアジン、クロロチアジド、ジアゼピン、インドメタシン(indo-methicin)、バルビツレート、セファロスポリン、サルファ薬、抗糖尿病薬、抗菌薬、または抗生物質が含まれる。
【0423】
2.共役リンカー
共役部分は、共役リンカーを介してオリゴヌクレオチドに結合する。特定のオリゴマー化合物では、共役リンカーは単結合である(すなわち、共役部分は単結合を介してオリゴヌクレオチドに直接結合している)。特定の実施形態では、共役リンカーは、ヒドロカルビル鎖、またはエチレングリコール、ヌクレオシド、もしくはアミノ酸単位などの繰り返し単位のオリゴマーなどの鎖構造を含む。
【0424】
特定の実施形態では、共役リンカーは、ピロリジンを含む。
【0425】
特定の実施形態では、共役リンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、ジスルフィド、ポリエチレングリコール、エーテル、チオエーテル、及びヒドロキシルアミノから選択される1つ以上の基を含む。特定のそのような実施形態では、共役リンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、及びエーテル基から選択される基を含む。特定の実施形態では、共役リンカーは、アルキル及びアミド基から選択される基を含む。特定の実施形態では、共役リンカーは、アルキル及びエーテル基から選択される基を含む。特定の実施形態では、共役リンカーは、少なくとも1つのリン部分を含む。特定の実施形態では、共役リンカーは、少なくとも1つのリン酸基を含む。特定の実施形態では、共役リンカーは、少なくとも1つの中性結合基を含む。
【0426】
特定の実施形態では、上記の共役リンカーを含む共役リンカーは、二官能性の連結部分、例えば本明細書で提供されるオリゴヌクレオチドなど、化合物への結合共役基として有用であることが当分野で知られているものである。一般に、二官能性連結部分には少なくとも2つの官能基が含まれる。官能基のうち一方は、化合物の特定の部位に結合するために選択され、他方は共役基に結合するために選択される。二官能性連結部分に使用される官能基の例としては、求核性基と反応するための求電子基、及び求電子基と反応するための求核性基が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、二官能性連結部分には、アミノ、ヒドロキシル、カルボン酸、チオール、アルキル、アルケニル、及びアルキニルから選択される1つ以上の基が含まれる。
【0427】
共役リンカーの例としては、ピロリジン、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(ADO)、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)、及び6-アミノヘキサン酸(AHEXまたはAHA)が含まれるが、これらに限定されない。他の共役リンカーには、置換もしくは非置換のC~C10アルキル、置換もしくは非置換のC~C10アルケニル、または置換もしくは非置換のC~C10アルキニルが含まれるが、これらに限定されず、好ましい置換基の非限定的な一覧には、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、及びアルキニルが挙げられる。
【0428】
特定の実施形態では、共役リンカーは1~10個のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、共役リンカーは2~5個のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、共役リンカーは正確に3個のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、共役リンカーは、TCAモチーフを含む。特定の実施形態では、そのようなリンカー-ヌクレオシドは修飾ヌクレオシドである。特定の実施形態では、そのようなリンカー-ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、リンカー-ヌクレオシドは非修飾である。特定の実施形態では、リンカー-ヌクレオシドは、プリン、置換プリン、ピリミジン、または置換ピリミジンから選択される任意に保護された複素環式塩基を含む。特定の実施形態では、切断可能な部分は、ウラシル、チミン、シトシン、4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチルシトシン、4-N-ベンゾイル-5-メチルシトシン、アデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、グアニン、及び2-N-イソブチリルグアニンから選択されるヌクレオシドである。リンカー-ヌクレオシドは、標的組織に到達した後、オリゴマー化合物から切断されることが一般的に望ましい。したがって、リンカー-ヌクレオシドは、典型的には、互いに、及び切断可能な結合を介してオリゴマー化合物の残りの部分に、連結されている。特定の実施形態では、そのような切断可能な結合は、ホスホジエステル結合である。
【0429】
本明細書では、リンカー-ヌクレオシドはオリゴヌクレオチドの一部とは見なされない。したがって、オリゴマー化合物が、特定の数または範囲の連結ヌクレオシド及び/または参照核酸に対する特定の相補性パーセントからなるオリゴヌクレオチドを含み、該オリゴマー化合物が、リンカー-ヌクレオシドを含む共役リンカーを含む共役基も含む実施形態において、これらのリンカー-ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの長さにはカウントされず、参照核酸に対するオリゴヌクレオチドの相補性パーセントの決定にも使用されない。例えば、オリゴマー化合物は、(1)8~30個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド、及び(2)修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドと連続する1~10個のリンカー-ヌクレオシドを含む共役基を含み得る。そのようなオリゴマー化合物中の連続する連結ヌクレオシドの総数は30を超える。あるいは、オリゴマー化合物は、8~30個のヌクレオシドからなり、共役基を含まない修飾オリゴヌクレオチドを含み得る。そのようなオリゴマー化合物中の連続する連結ヌクレオシドの総数は30以下である。特に明記しない限り、共役リンカーは10個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、共役リンカーは、5個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、共役リンカーは、3個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、共役リンカーは、2個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、共役リンカーは、1個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。
【0430】
特定の実施形態では、共役基がオリゴヌクレオチドから切断されることが望ましい。例えば、特定の状況では、特定の共役部分を含むオリゴマー化合物は、特定の細胞型によりよく取り込まれるが、オリゴマー化合物が取り込まれると、共役基が切断されて、非共役または親オリゴヌクレオチドが放出されることが望ましい。したがって、特定の共役リンカーは、1つ以上の切断可能な部分を含み得る。特定の実施形態では、切断可能な部分は、切断可能な結合である。特定の実施形態では、切断可能な部分は、少なくとも1つの切断可能な結合を含む原子団である。特定の実施形態では、切断可能な部分は、1個、2個、3個、4個、または5個以上の切断可能な結合を有する原子団を含む。特定の実施形態では、切断可能な部分は、リソソームなどの細胞内部または細胞内区画で選択的に切断される。特定の実施形態では、切断可能な部分は、ヌクレアーゼなどの内因性酵素によって選択的に切断される。
【0431】
特定の実施形態では、切断可能な結合は、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、一方または両方のホスホジエステルのエステル結合、リン酸エステル結合、カルバメート結合、またはジスルフィド結合の中から選択される。特定の実施形態では、切断可能な結合は、一方または両方のホスホジエステルのエステルである。特定の実施形態では、切断可能な部分は、リン酸またはホスホジエステルを含む。特定の実施形態では、切断可能な部分は、オリゴヌクレオチドと共役部分または共役基との間のリン酸結合である。
【0432】
特定の実施形態では、切断可能な部分は、1つ以上のリンカー-ヌクレオシドを含むか、またはそれからなる。特定のそのような実施形態では、1つ以上のリンカー-ヌクレオシドは、互いに、及び/または切断可能な結合を介してオリゴマー化合物の残りの部分に連結される。特定の実施形態では、そのような切断可能な結合は、非修飾ホスホジエステル結合である。特定の実施形態では、切断可能な部分は、リン酸ヌクレオシド間結合によってオリゴヌクレオチドの3’または5’末端ヌクレオシドのいずれかに結合し、リン酸またはホスホロチオエート結合によって共役リンカーまたは共役部分の残りに共有結合する2’-デオキシヌクレオシドである。特定のそのような実施形態では、切断可能な部分は、2’-デオキシアデノシンである。
【0433】
3.細胞標的部分
特定の実施形態では、共役基は細胞標的部分を含む。特定の実施形態では、共役基は、以下の一般式を有し:
【0434】
【化9】
【0435】
式中、nは1~約3であり、nが1の場合mは0、nが2以上の場合mは1、jは1または0、及びkは1または0である。
【0436】
特定の実施形態では、nは1であり、jは1であり、kは0である。特定の実施形態では、nは1であり、jは0であり、kは1である。特定の実施形態では、nは1であり、jは1であり、kは1である。特定の実施形態では、nは2であり、jは1であり、kは0である。特定の実施形態では、nは2であり、jは0であり、kは1である。特定の実施形態では、nは2であり、jは1であり、kは1である。特定の実施形態では、nは3であり、jは1であり、kは0である。特定の実施形態では、nは3であり、jは0であり、kは1である。特定の実施形態では、nは3であり、jは1であり、kは1である。
【0437】
特定の実施形態では、共役基は少なくとも1つのテザーリガンドを有する細胞標的部分を含む。特定の実施形態では、細胞標的部分は、分枝基に共有結合する2つのテザーリガンドを含む。特定の実施形態では、細胞標的部分は、分枝基に共有結合する3つのテザーリガンドを含む。
【0438】
特定の実施形態では、細胞標的部分の各リガンドは、標的細胞上の少なくとも1つの受容体型に親和性を有する。特定の実施形態では、各リガンドは、哺乳動物の肝臓細胞の表面上の少なくとも1つの受容体型に親和性を有する。特定の実施形態では、各リガンドは、肝臓のアシアロ糖タンパク質受容体(ASGP-R)に親和性を有する。特定の実施形態では、各リガンドは、炭水化物である。
【0439】
特定の実施形態では、細胞標的部分は、ニューロンを標的とする。特定の実施形態では、細胞標的部分は、神経伝達物質受容体を標的とする。特定の実施形態では、細胞標的部分は、神経伝達物質トランスポーターを標的とする。特定の実施形態では、細胞標的部分は、GABAトランスポーターを標的とする。例えば、WO2011/131693、WO2014/064257を参照のこと。
【0440】
C.特定の末端基
特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、1個以上の末端基を含む。特定のそのような実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾オリゴヌクレオチドの5’末端にリン含有基を含む。特定の実施形態では、リン含有基は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及び/またはセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端にある。特定の実施形態では、末端基は、リン酸安定化リン酸基である。5’末端リン含有基は、5’末端リン酸(5’-P)、5’末端ホスホロチオエート(5’-PS)、5’末端ホスホロジチオエート(5’-PS)、5’末端ビニルホスホネート(5’-VP)、5’末端メチルホスホネート(MePhos)、または5’-デオキシ-5’-C-マロニルがあり得る。5’末端リン含有基が5’末端ビニルホスホネートである場合、5’VPは5’-E-VP異性体(すなわち、トランス-ビニルホスホネート)、5’-Z-VP異性体(すなわち、シス-ビニルホスホネート)、またはそれらの混合物のいずれかであり得る。そのようなリン酸基は、任意の修飾オリゴヌクレオチドに結合することができるが、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドへのそのような基の結合が特定のRNAi化合物の活性を改善することが特に示されている。例えば、Prakash et al.,Nucleic Acids Res.,43(6):2993-3011,2015;Elkayam,et al.,Nucleic Acids Res.,45(6):3528-3536,2017;Parmar,et al.ChemBioChem,17(11)985-989;2016;Harastzi,et al.,Nucleic Acids Res.,45(13):7581-7592,2017を参照のこと。特定の実施形態では、リン酸安定化基は、5’-シクロプロピルホスホネートである。例えば、WO/2018/027106を参照のこと。
【0441】
特定の実施形態では、末端基は、1つ以上の脱塩基ヌクレオシド及び/または逆位ヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、末端基は、1つ以上の2’連結ヌクレオシドを含む。特定のそのような実施形態では、2’連結ヌクレオシドは脱塩基ヌクレオシドである。
【0442】
D.特定のRNAiモチーフ
RNAi化合物は、モチーフまたは特定の機能によって説明することができる。
【0443】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)3’末端に結合した共役部、及び
(iii)1、3、5、7、9~11、13、17、19、及び21位での2’-F修飾、ならびに2、4、6、8、12、14~16、18、及び20位での2’-OMe修飾(5’末端から数えて)、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)23ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3、5、9、11~13、15、17、19、21、及び23位での2’-OMe修飾、ならびに2、4、6~8、10、14、16、18、20、及び22位での2’F修飾(5’末端から数えて)、ならびに、
(iii)21と22位ヌクレオシドの間、及び22と23位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、を含み、
該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端の2つのヌクレオチドはオーバーハングヌクレオシドであり、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端及びセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端を構成するRNAi化合物二重鎖の末端は平滑末端を有する(すなわち、どちらのオリゴヌクレオチドもその末端にオーバーハングヌクレオシドを有しておらず、代わりにセンスRNAiオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ領域はセンスRNAiオリゴヌクレオチドの最も3’側のヌクレオシドを含み、そのヌクレオシドはアンチセンスオリゴヌクレオチドの最も5’側のヌクレオシドとハイブリダイズする)。
【0444】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)3’末端に結合した共役部、
(iii)1、3、5、7、9~11、13、17、19、及び21位での2’-F修飾、ならびに2、4、6、8、12、14、16、18、及び20位での2’-OMe修飾(5’末端から数えて)、ならびに、
(iv)1と2位ヌクレオシドの間、及び2と3位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)23ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3、5、7、9、11~13、15、17、19、及び21~23位での2’-OMe修飾、ならびに2、4、6、8、10、14、16、18、及び20位での2’F修飾(5’末端から数えて)、ならびに
(iii)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、21と22位ヌクレオシドの間、及び22と23位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、を含み、
該RNAi二重鎖は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に2つのヌクレオチドオーバーハングを含み、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に平滑末端を含む。
【0445】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)3’末端に結合した共役部、
(iii)1~6、8、10、及び12~21位での2’-OMe修飾、ならびに7及び9位での2’-F修飾、ならびに11位でのデオキシヌクレオチド(5’末端から数えて)、ならびに、
(iv)1と2位ヌクレオシドの間、及び2と3位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)23ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3、7、9、11、13、15、17、及び19~23位での2’-OMe修飾、ならびに2、4~6、8、10、12、14、16、及び18位での2’F修飾(5’末端から数えて)、ならびに
(iii)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、21と22位ヌクレオシドの間、及び22と23位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、を含み、
該RNAi二重鎖は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に2つのヌクレオチドオーバーハングを有し、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に平滑末端を有する。
【0446】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)3’末端に結合した共役部、
(iii)1~6、8、及び12~21位での2’-OMe修飾、ならびに7、及び9~11位での2’-F修飾、ならびに、
(iv)1と2位ヌクレオシドの間、及び2と3位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)23ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3~5、7、8、10~13、15、及び17~23位での2’-OMe修飾、ならびに2、6、9、14、及び16位での2’F修飾(5’末端から数えて)、ならびに
(iii)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、21と22位ヌクレオシドの間、及び22と23位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、を含み、
該RNAi二重鎖は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に2つのヌクレオチドオーバーハングを有し、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に平滑末端を有する。
【0447】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)3’末端に結合した共役部、
(iii)1~6、8、及び12~21位での2’-OMe修飾、ならびに7、及び9~11位での2’-F修飾、ならびに、
(iv)1と2位ヌクレオシドの間、及び2と3位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)23ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3~5、7、10~13、15、及び17~23位での2’-OMe修飾、ならびに2、6、8、9、14、及び16位での2’F修飾(5’末端から数えて)、ならびに
(iii)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、21と22位ヌクレオシドの間、及び22と23位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、を含み、
該RNAi二重鎖は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に2つのヌクレオチドオーバーハングを有し、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に平滑末端を有する。
【0448】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)19ヌクレオチドの長さ、
(ii)3’末端に結合した共役部、
(iii)1~4、6、及び10~19位での2’-OMe修飾、ならびに5、及び7~9位での2’-F修飾、ならびに、
(iv)1と2位ヌクレオシドの間、及び2と3位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3~5、7、10~13、15、及び17~21位での2’-OMe修飾、ならびに2、6、8、9、14、及び16位での2’F修飾(5’末端から数えて)、ならびに
(iii)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、19と20位ヌクレオシドの間、及び20と21位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、を含み、
該RNAi二重鎖は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に2つのヌクレオチドオーバーハングを有し、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に平滑末端を有する。
【0449】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)6位で結合した共役部(5’末端から数えて)、
(iii)7及び9~11位での2’-F修飾、ならびに1~5、8、及び12~21位での2’-OMe修飾(5’末端から数えて)、ならびに
(iv)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、19と20位ヌクレオシドの間、及び20と21位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)23ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3~5、7、10~13、15、及び17~23位での2’-OMe修飾、ならびに2、6、8、9、14、及び16位での2’F修飾(5’末端から数えて)、
(iii)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、21と22位ヌクレオシドの間、及び22と23位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、ならびに、
(iv)最も5’側のヌクレオシドの5’位に結合した安定化したリン酸基を含み、
該RNAi二重鎖は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に2つのヌクレオチドオーバーハングを含み、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に平滑末端を含む。
【0450】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)3’末端に結合した共役部、
(iii)7及び9~11位での2’-F修飾、ならびに1~6、8、及び12~21位での2’-OMe修飾(5’末端から数えて)、
(iv)1と2位ヌクレオシドの間、及び2と3位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)23ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3~5、7~13、15、及び17~23位での2’-OMe修飾、6位での(S)-GNA修飾、ならびに2、14、及び16位での2’F修飾(5’末端から数えて)、ならびに、
(iii)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、21と22位ヌクレオシドの間、及び22と23位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、を含み、
該RNAi二重鎖は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に2つのヌクレオチドオーバーハングを含み、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に平滑末端を含む。
【0451】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)3’末端に結合した共役部、
(iii)7及び9~11位での2’-F修飾、ならびに1~6、8、及び12~21位での2’-OMe修飾(5’末端から数えて)、
(iv)1と2位ヌクレオシドの間、及び2と3位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)23ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3~6、8~13、15、及び17~23位での2’-OMe修飾、7位での(S)-GNA修飾、ならびに2、14、及び16位での2’F修飾(5’末端から数えて)、ならびに、
(iii)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、21と22位ヌクレオシドの間、及び22と23位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、を含み、
該RNAi二重鎖は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に2つのヌクレオチドオーバーハングを含み、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に平滑末端を含む。
【0452】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)6位で結合した共役部(5’末端から数えて)、ならびに
(iii)7及び9~11位での2’-F修飾、ならびに1~5、8、及び12~21位での2’-OMe修飾(5’末端から数えて)、
(iv)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、19と20位ヌクレオシドの間、及び20と21位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)23ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3~5、7~13、15、及び17~23位での2’-OMe修飾、6位での(S)-GNA修飾、ならびに2、14、及び16位での2’F修飾(5’末端から数えて)、
(iii)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、21と22位ヌクレオシドの間、及び22と23位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、ならびに、
(iv)最も5’側のヌクレオシドの5’位に結合した安定化したリン酸基を含み、
該RNAi二重鎖は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に2つのヌクレオチドオーバーハングを含み、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に平滑末端を含む。
【0453】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)6位で結合した共役部(5’末端から数えて)、
(iii)7及び9~11位での2’-F修飾、ならびに1~5、8、及び12~21位での2’-OMe修飾(5’末端から数えて)、ならびに
(iv)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、19と20位ヌクレオシドの間、及び20と21位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)23ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3~6、8~13、15、及び17~23位での2’-OMe修飾、7位での(S)-GNA修飾、ならびに2、14、及び16位での2’F修飾(5’末端から数えて)、
(iii)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、21と22位ヌクレオシドの間、及び22と23位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、ならびに、
(iv)最も5’側のヌクレオシドの5’位に結合した安定化したリン酸基を含み、
該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端の2つのヌクレオチドはオーバーハングヌクレオシドであり、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端及びセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端を構成するRNAi化合物二重鎖の末端は平滑末端を有する(すなわち、どちらのオリゴヌクレオチドもその末端にオーバーハングヌクレオシドを有しておらず、代わりにセンスRNAiオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ領域はセンスRNAiオリゴヌクレオチドの最も3’側のヌクレオシドを含み、そのヌクレオシドはアンチセンスオリゴヌクレオチドの最も5’側のヌクレオシドとハイブリダイズする)。
【0454】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)5’末端に結合した共役部、
(iii)1~8、及び12~21位での2’-OMe修飾、ならびに9~11位での2’-F修飾、ならびに、
(iv)最も5’側のヌクレオシドと最も3’側のヌクレオシドの両方に結合した逆位の脱塩基糖部分、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、及び21位での2’-OMe修飾、ならびに2、4、6、8、10、12、14、16、18、及び20位での2’F修飾(5’末端から数えて)、ならびに、
(iii)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、3と4位ヌクレオシドの間、及び20と21位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、を含む。
【0455】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)5’末端に結合した共役部、
(iii)1~8、及び12~21位での2’-OMe修飾、ならびに9~11位での2’-F修飾、
(iv)1と2位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、ならびに、
(v)最も3’側のヌクレオシドに結合した逆位の脱塩基糖部分、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)21ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、及び21位での2’-OMe修飾、ならびに2、4、6、8、10、12、14、16、18、及び20位での2’F修飾(5’末端から数えて)、ならびに、
(iii)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、3と4位ヌクレオシドの間、及び20と21位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、を含む。
【0456】
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAi化合物は、
(a)以下を有するセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)19ヌクレオチドの長さ、
(ii)5’末端に結合した共役部、
(iii)2、4、6、8、10、12、14、16、18、及び20位での2’-OMe修飾、ならびに1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、及び21位での2’F修飾(5’末端から数えて)、ならびに、
(iv)17と18位ヌクレオシドの間、及び18と19位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、
ならびに、
(b)以下を有するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド:
(i)19ヌクレオチドの長さ、
(ii)1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、及び21位での2’-OMe修飾、ならびに2、4、6、8、10、12、14、16、18、及び20位での2’F修飾(5’末端から数えて)、ならびに、
(iii)1と2位ヌクレオシドの間、2と3位ヌクレオシドの間、17と18位ヌクレオシドの間、及び18と19位ヌクレオシドの間のホスホロチオエートヌクレオシド間結合(5’末端から数えて)、を含む。
【0457】
上記の実施形態のいずれにおいても、センスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端の共役部は、標的部分を含み得る。特定のそのような実施形態では、標的部分は、神経伝達物質受容体を標的とする。特定の実施形態では、細胞標的部分は、神経伝達物質トランスポーターを標的とする。特定の実施形態では、細胞標的部分は、GABAトランスポーターを標的とする。例えば、WO2011/131693、WO2014/064257を参照のこと。
【0458】
特定の実施形態では、RNAi化合物は、21ヌクレオチドのセンスRNAiオリゴヌクレオチド及び23ヌクレオチドのアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含み、該センスRNAiオリゴヌクレオチドは、5’末端から9、10、11位に3つの連続した2’-F修飾ヌクレオシドの少なくとも1つのモチーフを含み、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、5’末端から11、12、13位に3個の連続したヌクレオチドに3個の2’-O-メチル修飾のモチーフを少なくとも1つ含み、該RNAi化合物の一端は平滑末端を有し、他方の端は2個のヌクレオチドオーバーハングを含む。好ましくは、2ヌクレオチドのオーバーハングは、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端にある。
【0459】
特定の実施形態では、2個のヌクレオチドオーバーハングがアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端にある場合、末端3個のヌクレオチド間に2個のホスホロチオエートヌクレオシド間結合があり得、該3個のヌクレオチドのうちの2個はオーバーハングヌクレオチドであり、第3のヌクレオチドはオーバーハングヌクレオチドの隣にある対をなすヌクレオチドである。特定の実施形態では、RNAi化合物は、センスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端及びアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端の両方で、末端3個のヌクレオチド間に2個のホスホロチオエートヌクレオシド間結合をさらに有する。特定の実施形態では、RNAi化合物のセンスRNAiオリゴヌクレオチド及びアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの全てのヌクレオチドは、修飾ヌクレオチドである。特定の実施形態では、各ヌクレオチドは、例えば、交互モチーフにおいて、2’-O-メチルまたは3’-フルオロで独立して修飾される。任意選択で、RNAi化合物は共役部を含む。
【0460】
特定の実施形態では、モチーフの一部であるヌクレオチドを含む、RNAi化合物のセンスRNAiオリゴヌクレオチド及びアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドにおける全てのヌクレオチドは、修飾され得る。各ヌクレオチドは、同じまたは異なる修飾で修飾することができ、これは、非連結リン酸酸素の一方または両方の1つ以上の変化、リボース糖、例えば、リボース糖上の2’ヒドロキシルの構成成分の変化、「脱ホスホ」リンカーによるリン酸部分の大規模置換、天然に存在する塩基の修飾または置換、及び、リボース-リン酸骨格の置換または修飾を含むことができる。
【0461】
特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチド及びアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、LNA、cEt、UNA、HNA、CeNA、2’-MOE、2’-OMe、2’-O-アリル、2’-C-アリル、2’-デオキシ、2’-ヒドロキシル、または2’-フルオロで独立して修飾される。RNAi化合物は、2つ以上の修飾を含むことができる。一実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチド及びアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、2’-O-メチルまたは2’-Fで独立して修飾される。特定の実施形態では、修飾は2’-NMA修飾である。
【0462】
本明細書で使用される「交互モチーフ」という用語は、1つ以上の修飾を有するモチーフを指し、各修飾は、1つのRNAiオリゴヌクレオチドの交互ヌクレオチド上で起こる。交互ヌクレオチドとは、1ヌクレオチドおきに1つ、または3ヌクレオチドおきに1つ、または同様のパターンを指し得る。例えば、A、B、及びCがそれぞれヌクレオチドに対する1つのタイプの修飾を表す場合、交互モチーフは、「ABABABABABAB...」、「AABBAABBAABB...」、「AABAABAABAAB...」、「AAABAAABAAAB...」、「AAABBBAAABBB...」、または「ABCABCABCABC...」、などであり得る。
【0463】
交互モチーフに含まれる修飾のタイプは、同じであっても異なっていてもよい。例えば、A、B、C、Dがそれぞれヌクレオチドの1つのタイプの修飾を表す場合、交互パターン、すなわち1ヌクレオチドおきの修飾が同じである可能性があるが、センスRNAiオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各々は、「ABABAB...」、「ACACAC...」、「BDBDBD...」、または「CDCDCD...」など、交互モチーフ内の修飾のいくつかの可能性から選択され得る。
【0464】
特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド上の交互モチーフの修飾パターンと比較した、センスRNAiオリゴヌクレオチド上の交互モチーフの修飾パターンは、シフトされる。このシフトは、センスRNAiオリゴヌクレオチドの修飾ヌクレオチドのグループがアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの異なって修飾されたヌクレオチドのグループに対応するようなものであり得、逆もまた同様である。例えば、センスRNAiオリゴヌクレオチドは、RNAi二重鎖においてアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドと対にされた場合、センスRNAiオリゴヌクレオチドの交互モチーフは、RNAiオリゴヌクレオチドの5’-3’から「ABABAB」で始まってもよく、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの交互モチーフは、二重鎖領域内のRNAiオリゴヌクレオチドの5’-3’から「BABABA」で始まってもよい。別の例として、センスRNAiオリゴヌクレオチドの交互モチーフは、RNAiオリゴヌクレオチドの5’-3’から「AABBAABB」で始まってもよく、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの交互モチーフは、二重鎖領域内のRNAiオリゴヌクレオチドの5’-3’から「BBAABBAA」で始まってもよく、その結果、センスRNAiオリゴヌクレオチドとアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドとの間に10個の修飾パターンの完全または部分的なシフトが存在する。
【0465】
特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドの2’-O-メチル修飾と2’-F修飾の交互モチーフのパターンを含むRNAi化合物は、最初にアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの2’-O-メチル修飾と2’-F修飾の交互モチーフのパターンと比較したシフトを最初に有する、すなわち、センスRNAiオリゴヌクレオチドの2’-O-メチル修飾ヌクレオチドは、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの2’-F修飾ヌクレオチドと塩基対形成し、逆もまた同様である。センスRNAiオリゴヌクレオチドの1位は2’-F修飾で始まってもよく、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1位は2’-O-メチル修飾で始まってもよい。
【0466】
センスRNAiオリゴヌクレオチド及び/またはアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドへの3つの連続したヌクレオチド上の3つの同一の修飾の1つ以上のモチーフの導入は、センスRNAiオリゴヌクレオチド及び/またはアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドに存在する初期修飾パターンを中断する。センス及び/またはアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドへの3つの連続したヌクレオチド上の3つの同一の修飾の1つ以上のモチーフを導入することによるセンス及び/またはアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの修飾パターンのこの中断は、驚くべきことに、標的遺伝子に対する遺伝子サイレンシング活性を増強する。一実施形態では、3つの連続した25ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフがRNAiオリゴヌクレオチドのいずれかに導入される場合、モチーフの隣のヌクレオチドの修飾は、モチーフの修飾とは異なる修飾である。例えば、モチーフを含む配列の部分は、「...NaYYYNb...」であり、ここで「Y」は3つの連続したヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフの修飾を表し、「Na」及び「Nb」は、Yの修飾とは異なる、モチーフ「YYY」の隣のヌクレオチドの修飾を表し、Na及びNbは同じ修飾でも異なる修飾でもよい。あるいは、ウィング修飾が存在する場合、Na及び/またはNbが存在するか、または存在しない可能性がある。
【0467】
特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは、式(I)によって表され得る:
5’n-N-(X X X )i-N-Y Y Y -N-(Z Z Z )-n3’(I)
式中、
i及びjは、それぞれ独立して0または1であり、
p及びqは、それぞれ独立して0~6であり、
各Nは、独立して、少なくとも2つの異なる修飾ヌクレオシドを含む0~25個の連結ヌクレオシドを表し、
各Nは、独立して0~10個の連結ヌクレオシドを表し、
各n及びnは、独立してオーバーハングヌクレオシドを表し、
式中、N及びYは同じ修飾を有さず、
XXX、YYY、及びZZZはそれぞれ独立して修飾ヌクレオシドを表し、各Xヌクレオシドは同じ修飾を有し、各Yヌクレオシドは同じ修飾を有し、各Zヌクレオシドは同じ修飾を有する。特定の実施形態では、各Yは2’-F修飾を含む。
【0468】
特定の実施形態では、N及びNは、交互パターンの修飾を含む。
【0469】
特定の実施形態では、YYYモチーフは、標的核酸の切断部位に、またはその近くに存在する。例えば、RNAi化合物が17~23ヌクレオチド長の二重鎖領域を有する場合、YYYモチーフは、センスRNAiのオリゴヌクレオチドの切断部位に、またはその近くに存在し得る(例えば、6、7、8;7、8、9;8、9、10;9、10、11;10、11、12;または11、12、13位に存在し得る)、その順番は、5’末端から1番目のヌクレオチドから数え始めるか、または必要に応じて、5’末端から、二重鎖領域内の1番目の対をなすヌクレオチドから始める。
【0470】
特定の実施形態では、RNAiのアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、次の式によって表され得る:
5’n-N’-(Z’Z’Z’)-N’-Y’Y’Y’-N’-(X’X’X’)-N’-n3’(II)
式中、
k及びlは、それぞれ独立して0または1であり、
p’及びq’は、それぞれ独立して0~6であり、
各N’は、独立して、少なくとも2個の異なって修飾されたヌクレオチドを含む0~25個の連結ヌクレオチドを表し、
各N’は、独立して、0~10の連結ヌクレオチドを表し、
各n’及びn’は、独立して、オーバーハングヌクレオシドを表し、
式中、N’及びY’は同じ修飾を有さず、
X’X’X’、Y’Y’Y’、及びZ’Z’Z’は、それぞれ独立して修飾ヌクレオシドを表し、各X’ヌクレオシドは同じ修飾を有し、各Y’ヌクレオシドは同じ修飾を有し、各Z’ヌクレオシドは同じ修飾を有する。特定の実施形態では、各Y’は2’-F修飾を含む。特定の実施形態では、各Y’は2’-OMe修飾を含む。
【0471】
特定の実施形態では、N’及び/またはN’は、交互パターンの修飾を含む。
【0472】
特定の実施形態では、Y’Y’Y’モチーフは、標的核酸の切断部位に、またはその近くに存在する。例えば、RNAi化合物が17~23ヌクレオチド長の二重鎖領域を有する場合、Y’Y’Y’モチーフは、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの9、10、11;10、11、12;11、12、13;12、13、14;または13、14、15位に存在し得る、その順番は、5’末端から1番目のヌクレオチドから数え始めるか、または必要に応じて、5’末端から、二重鎖領域内の1番目の対をなすヌクレオチドから始める。好ましくは、Y’Y’Y’モチーフは、11、12、13位に存在する。
【0473】
特定の実施形態では、kが1でlが0、またはkが0でlが1、またはk及びlの両方が1である。
【0474】
したがって、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは次の式で表すことができる:
5’n’-N’-Z’Z’Z’-N’-Y’Y’Y’-N’-n’3’(IIb);
5’n’-N’-Y’Y’Y’-N’-X’X’X’-n’3’(IIc)または、
5’n’-N’-Z’Z’Z’-N’-Y’Y’Y’-N’-X’X’X’-N’-n’3’(IId)。
【0475】
アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが式IIbで表される場合、N’は0~10、0~7、0~5、0~4、0~2、または0個の連結ヌクレオシドを表す。各N’は、独立して2~20、2~15、または2~10個の連結ヌクレオシドを表す。
【0476】
アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが式IIcで表される場合、N’は0~10、0~7、0~5、0~4、0~2、または0個の連結ヌクレオシドを表す。各N’は、独立して2~20、2~15、または2~10個の連結ヌクレオシドを表す。
【0477】
アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが式IIdで表される場合、N’は0~10、0~7、0~5、0~4、0~2、または0個の連結ヌクレオシドを表す。各N’は、独立して2~20、2~15、または2~10個の連結ヌクレオシドを表す。好ましくは、N’は0、1、2、3、4、5、または6である。
【0478】
特定の実施形態では、kが0でlが0であり、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、以下の式で表すことができる:
5’n’-Na’-Y’Y’Y’-N’-n’3’(Ia)。
【0479】
アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが式IIaで表される場合、各N’は、独立して2~20、2~15、または2~10個の連結ヌクレオシドを表す。
【0480】
各X’、Y’、及びZ’は、互いに同じでも異なっていてもよい。
【0481】
センスRNAiオリゴヌクレオチド及びアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオチドは、LNA、UNA、cEt、HNA、CeNA、2’-メトキシエチル、2’-O-メチル、2’-O-アリル、2’-C-アリル、2’-ヒドロキシル、または2’-フルオロで独立して修飾することができる。例えば、センスRNAiオリゴヌクレオチド及びアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオチドは、2’-O-メチルまたは2’-フルオロで独立して修飾される。特に、各X、Y、Z、X’、Y’、及びZ’は、2’-O-メチル修飾または2’-フルオロ修飾を表し得る。特定の実施形態では、修飾は2’-NMA修飾である。
【0482】
特定の実施形態では、RNAi化合物のセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、二重鎖領域が21ヌクレオチドの場合、RNAiオリゴヌクレオチドの9、10、及び11位に存在するYYYモチーフを含み得、その順番は、5’末端から1番目のヌクレオチドから数え始めるか、または必要に応じて5’末端から、二重鎖領域内の1番目の対をなすヌクレオチドから数え始め、Yは2’-F修飾を表す。センスRNAiオリゴヌクレオチドは、二重鎖領域の反対側の末端にウィング修飾としてXXXモチーフまたはZZZモチーフをさらに含み得、XXX及びZZZは、それぞれ独立して2’-O-メチル修飾または2’-フルオロ修飾を表す。
【0483】
特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、RNAiオリゴヌクレオチドの11、12、13位に存在するY’Y’Y’モチーフを含み得、その順番は、5’末端から1番目のヌクレオチドから数え始めるか、または必要に応じて5’末端から、二重鎖領域内の1番目の対をなすヌクレオチドから数え始め、Yは2’-O-メチル修飾を表す。アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、二重鎖領域の反対側の末端にウィング修飾としてX’X’X’モチーフまたはZ’Z’Z’モチーフをさらに含み得、X’X’X’またはZ’Z’Z’は、それぞれ独立して2’-O-メチル修飾または2’-フルオロ修飾を表す。
【0484】
上記の式Ia、Ib、Ic、及びIdのいずれか1つによって表されるセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、それぞれ式IIa、IIb、IIc、及びIIdのいずれか1つによって表されるアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドと二重鎖を形成する。
【0485】
したがって、本明細書に記載のRNAi化合物は、センスRNAiオリゴヌクレオチド及びアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含み得、各RNAiオリゴヌクレオチドは、14~30ヌクレオチドを有し、該RNAi二重鎖は、式(III)によって表され:
センス: 5’n-N-(XXX)-N-YYY-N-(ZZZ)-N-n3’
アンチセンス: 3’n’-N’-(X’X’X’)-N’-Y’Y’Y’-N’-(Z’Z’Z’)-N’-n’5’
式中、
i、j、k、及びlは、それぞれ独立して0または1であり、
p、p’、q、及びq’は、それぞれ独立して0~6であり、
各N及びN’は、独立して0~25個の連結ヌクレオシドを表し、各配列は少なくとも2個の異なって修飾されたヌクレオチドを含み、
各N及びN’は、独立して0~10個の連結ヌクレオシドを表し、
式中、それぞれが存在する場合も存在しない場合もある各n’、n、n’、及びnは、独立してオーバーハングヌクレオチドを表し、
XXX、YYY、X’X’X’、Y’Y’Y’、及びZ’Z’Z’は、それぞれ、3つの連続したヌクレオチド上の3つの同一の修飾の1つのモチーフを独立して表す。
【0486】
特定の実施形態では、iが0でjが0である、またはiが1でjが0である、またはiが0でjが1である、またはi及びjの両方が0である、またはi及びjの両方が1である。別の実施形態では、kが0でlが0である、またはkが1でlが0である、またはkが0でlが1である、またはk及びlの両方が0である、またはk及びlの両方が1である。
【0487】
RNAi二重鎖を形成するセンスRNAiオリゴヌクレオチドとアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの例示的な組み合わせには、以下の式が含まれる:
5’n-N-Y Y Y-N-n3’
3’np’-N’-Y’Y’Y’-N’n’5’
(IIIa)
5’n-N-Y Y Y-N-Z Z Z-N-n3’
3’n’-N’-Y’Y’Y’-Nb’-Z’Z’Z’-N’n’5’
(IIIb)
5’np-N-X X X-N-Y Y Y-N-n3’
3’np’-N’-X’X’X’-N’-Y’Y’Y’-N’-n’5’
(IIIc)
5’np-N-X X X-N-Y Y Y-N-Z Z Z-N-n3’
3’np’-N’-X’X’X’-N’-Y’Y’Y’-N’-Z’Z’Z’-N-n’5’
(Illd)
【0488】
RNAi化合物が式IIIaで表される場合、各Nは、独立して2~20、2~15、または2~10個の連結ヌクレオシドを表す。
【0489】
RNAi化合物が式IIIbで表される場合、各Nは、独立して1~10、1~7、1~5、または1~4個の連結ヌクレオシドを表す。各Nは、独立して2~20、2~15、または2~10個の連結ヌクレオシドを表す。
【0490】
RNAi化合物が式IIIcで表される場合、各N、N’は、独立して0~10、0~7、0~10、0~7、0~5、0~4、0~2、または0個の連結ヌクレオシドを表す。各Nは、独立して2~20、2~15、または2~10個の連結ヌクレオシドを表す。
【0491】
RNAi化合物が式IIIdで表される場合、各N、N’は、独立して0~10、0~7、0~10、0~7、0~5、0~4、0~2、または0個の連結ヌクレオシドを表す。各N、N’は、独立して、2~20、2~15、または2~10個の連結ヌクレオシドである。各N、N’、N、N’は、独立して交互パターンの修飾を含む。
【0492】
式III、IIIa、IIIb、IIIc、及びIIIdのX、Y、及びZの各々は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0493】
RNAi化合物が式III、IIIa、IIIb、IIIc、及び/またはIIIdによって表される場合、Yヌクレオチドの少なくとも1つは、Y’ヌクレオチドの1つと塩基対を形成し得る。あるいは、Yヌクレオチドのうちの少なくとも2つは、対応するY’ヌクレオチドと塩基対を形成し得る、または、3つのYヌクレオチド全てが、対応するY’ヌクレオチドと塩基対を形成し得る。
【0494】
RNAi化合物が式IIIbまたはIIIdによって表される場合、Zヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、Z’ヌクレオチドのうちの1つと塩基対を形成し得る。あるいは、Zヌクレオチドのうちの少なくとも2つは、対応するZ’ヌクレオチドと塩基対を形成し得る、または、3つのZヌクレオチド全てが、対応するZ’ヌクレオチドと塩基対を形成し得る。
【0495】
RNAi化合物が式IIIcまたはIIIdによって表される場合、Xヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、X’ヌクレオチドのうちの1つと塩基対を形成し得る。あるいは、Xヌクレオチドのうちの少なくとも2つは、対応するX’ヌクレオチドと塩基対を形成し得る、または、3つのXヌクレオチド全てが、対応するX’ヌクレオチドと塩基対を形成し得る。
【0496】
特定の実施形態では、Yヌクレオチドの修飾はY’ヌクレオチドの修飾とは異なり、Zヌクレオチドの修飾はZ’ヌクレオチドの修飾とは異なり、及び/またはXヌクレオチドの修飾はX’ヌクレオチドの修飾とは異なる。
【0497】
特定の実施形態では、RNAi化合物が式IIIdによって表される場合、N修飾は、2’-O-メチルまたは2’-フルオロ修飾である。別の実施形態では、RNAi化合物が式IIIdによって表される場合、N修飾は2’-O-メチルまたは2’-フルオロ修飾であり、n’>0であり、少なくとも1つのn’は隣接ヌクレオチドにホスホロチオエート結合を介して連結されている。他の実施形態では、RNAi化合物が式IIIdで表される場合、N修飾は2’-O-メチルまたは2’-フルオロ修飾であり、n’>0であり、少なくとも1つのn’が隣接ヌクレオチドにホスホロチオエート結合を介して連結されており、センスRNAiオリゴヌクレオチドは、2価または3価の分岐リンカーを通じて結合した1つ以上の細胞標的化基に共役する。特定の実施形態では、RNAi化合物が式IIIdで表される場合、N修飾は2’-O-メチルまたは2’-フルオロ修飾であり、n’>0であり、少なくとも1つのn’が隣接ヌクレオチドにホスホロチオエート結合を介して連結されており、センスRNAiオリゴヌクレオチドは少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含み、センスRNAiオリゴヌクレオチドは2価または3価の分岐リンカーを通じて結合した1つ以上の細胞標的化基に共役する。
【0498】
特定の実施形態では、RNAi化合物が式IIIaで表される場合、N修飾は2’-O-メチルまたは2’-フルオロ修飾であり、n’>0であり、少なくとも1つのn’が隣接ヌクレオチドにホスホロチオエート結合を介して連結されており、センスRNAiオリゴヌクレオチドは少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含み、センスRNAiオリゴヌクレオチドは2価または3価の分岐リンカーを通じて結合した1つ以上の細胞標的化基に共役する。
【0499】
特定の実施形態では、修飾は2’-NMA修飾である。
【0500】
特定の実施形態では、アンチセンス鎖は、最も5’側のヌクレオシドの5’位に結合した安定化したリン酸基を含み得る。特定の実施形態では、安定化したリン酸基は、(E)-ビニルホスホネートを含む。特定の実施形態では、安定化したリン酸基は、シクロプロピルホスホネートを含む。
【0501】
特定の実施形態では、アンチセンス鎖は、シードペアリング不安定化修飾を含み得る。特定の実施形態では、シードペアリング不安定化修飾は、6位(5’末端から数えて)に位置する。特定の実施形態では、シードペアリング不安定化修飾は、7位(5’末端から数えて)に位置する。特定の実施形態では、シードペアリング不安定化修飾は、GNA糖代替物である。特定の実施形態では、シードペアリング不安定化修飾は、(S)-GNAである。特定の実施形態では、シードペアリング不安定化修飾は、UNAである。特定の実施形態では、シードペアリング不安定化修飾は、モルホリノである。
【0502】
特定の実施形態では、センス鎖は、最も5’側のヌクレオシドに結合した逆位の脱塩基糖部分を含み得る。特定の実施形態では、センス鎖は、最も3’側のヌクレオシドに結合した逆位の脱塩基糖部分を含み得る。特定の実施形態では、センス鎖は、最も5’側及び最も3’側のヌクレオシドの両方に結合した逆位の脱塩基糖部分を含み得る。
【0503】
特定の実施形態では、センス鎖は、6位(5’末端から数えて)に結合した共役部を含み得る。特定の実施形態では、共役部は、ヌクレオシドの2’位に結合している。特定の実施形態では、共役部は、C16脂質共役部である。特定の実施形態では、センス鎖の6位にある修飾ヌクレオシドは、2’-O-ヘキサデシル修飾糖部分を有する。
【0504】
IV.アンチセンス活性
特定の実施形態では、オリゴマー化合物及びオリゴマー二重鎖は、標的核酸にハイブリダイズすることができ、少なくとも1つのアンチセンス活性をもたらし、そのようなオリゴマー化合物及びオリゴマー二重鎖はアンチセンス化合物である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、それらが標準的な細胞アッセイにおいて標的核酸の量または活性を25%以上減少または阻害する場合、アンチセンス活性を有する。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、1個以上の標的核酸に選択的に影響を及ぼす。そのようなアンチセンス化合物は、1つ以上の標的核酸にハイブリダイズして1つ以上の所望のアンチセンス活性をもたらし、1つ以上の非標的核酸にハイブリダイズしないか、または重大な望ましくないアンチセンス活性をもたらすような方法で1つ以上の非標的核酸にハイブリダイズしない、核酸塩基配列を含む。
【0505】
特定のアンチセンス活性において、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸を切断するタンパク質の動員をもたらす。例えば、特定のアンチセンス化合物は、RNase Hの介在による標的核酸の切断をもたらす。RNase Hは、RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を切断する細胞性エンドヌクレアーゼである。このようなRNA:DNA二重鎖のDNAは、非修飾DNAである必要はない。特定の実施形態では、RNase H活性を誘発するのに十分に「DNA様」であるアンチセンス化合物が、本明細書に記載される。特定の実施形態では、ギャップマーのギャップにおける1つ以上の非DNA様ヌクレオシドは許容される。
【0506】
特定のアンチセンス活性では、アンチセンス化合物またはアンチセンス化合物の一部がRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)にロードされ、最終的に標的核酸の切断をもたらす。例えば、特定のアンチセンス化合物は、アルゴノートによる標的核酸の切断をもたらす。RISCにロードされるアンチセンス化合物はRNAi化合物である。RNAi化合物は、二本鎖(siRNAまたはdsRNAi)または一本鎖(ssRNA)の場合がある。
【0507】
特定の実施形態では、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、その標的核酸を切断するタンパク質の動員をもたらさない。特定の実施形態では、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸のスプライシングの変化をもたらす。特定の実施形態では、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸とタンパク質または他の核酸との間の結合相互作用の阻害をもたらす。特定の実施形態では、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸の翻訳の変化をもたらす。
【0508】
アンチセンス活性は、直接的または間接的に観察される可能性がある。特定の実施形態では、アンチセンス活性の観察または検出は、そのような標的核酸によってコードされる標的核酸またはタンパク質の量の変化、核酸もしくはタンパク質のスプライスバリアントの比率の変化、及び/または細胞もしくは動物の表現型の変化、の観察または検出を含む。
【0509】
V.特定の標的核酸
特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、標的核酸に相補的な領域を含むオリゴヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。特定の実施形態では、標的核酸は、内因性RNA分子である。特定の実施形態では、標的核酸は、タンパク質をコードする。特定のそのような実施形態では、標的核酸は、イントロン、エクソン、及び非翻訳領域を含む、成熟mRNA及びプレmRNAから選択される。特定の実施形態では、標的RNAは成熟mRNAである。特定の実施形態では、標的核酸はプレmRNAである。特定の実施形態では、標的領域は完全にイントロン内にある。特定の実施形態では、標的領域はイントロン/エクソン接合部にまたがる。特定の実施形態では、標的領域はイントロン内で少なくとも50%である。特定の実施形態では、標的核酸はレトロジーンのRNA転写産物である。特定の実施形態では、標的核酸は非コードRNAである。特定の実施形態では、標的非コードRNAは、長い非コードRNA、短い非コードRNA、イントロンRNA分子から選択される。
【0510】
A.標的核酸及び二重鎖相補性に対する相補性/ミスマッチ
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの全長にわたって標的核酸に相補的である。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的核酸に99%、95%、90%、85%、または80%相補的である。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの全長にわたって標的核酸に対して少なくとも80%相補的であり、標的核酸に対して100%または完全に相補的である領域を含む。特定の実施形態では、完全な相補性の領域は、6~20、10~18、または18~20の核酸塩基長である。
【0511】
ギャップマーオリゴヌクレオチド
活性を失わずに、ミスマッチ塩基を導入することは可能である。例えば、Gautschi et al(J.Natl.Cancer Inst.93:463-471,March 2001)は、bcl-2 mRNAに対して100%の相補性を有し、かつbcl-xL mRNAに対して3つのミスマッチを有するオリゴヌクレオチドが、in vitro及びin vivoでbcl-2及びbcl-xL両方の発現を低減できることを実証した。さらに、このオリゴヌクレオチドは、in vivoで強力な抗腫瘍活性を示した。Maher及びDolnick(Nuc.Acid.Res.16:3341-3358,1988)は、一連のタンデム14核酸塩基オリゴヌクレオチド、ならびにそれぞれ2つまたは3つの該タンデムオリゴヌクレオチドの配列で構成される28及び42核酸塩基オリゴヌクレオチドを、ヒトDHFRの翻訳を停止させるその能力について、ウサギ網状赤血球アッセイで試験した。3つの14核酸塩基オリゴヌクレオチドの各々は単独で、28または42核酸塩基オリゴヌクレオチドよりもレベルは低かったものの、翻訳を阻害することができた。
【0512】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的核酸に対して1つ以上のミスマッチな核酸塩基を含む。特定の実施形態では、標的に対するアンチセンス活性は、そのようなミスマッチによって減少するが、非標的に対する活性は、より大きな量だけ減少する。したがって、特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの選択性が改善される。特定の実施形態では、ミスマッチは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチド内に特異的に配置される。特定の実施形態では、ミスマッチは、ギャップ領域の5’末端から1、2、3、4、5、6、7、または8位にある。特定の実施形態では、ミスマッチは、ギャップ領域の3’末端から9、8、7、6、5、4、3、2、1位にある。特定の実施形態では、ミスマッチは、ウィング領域の5’末端から1、2、3、または4位にある。特定の実施形態では、ミスマッチは、ウィング領域の3’末端から4、3、2、または1位にある。
【0513】
アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、標的核酸に対して1つ以上のミスマッチ核酸塩基を含む。特定の実施形態では、標的に対するRNAi活性は、そのようなミスマッチによって減少するが、非標的に対する活性は、より大きな量だけ減少する。したがって、特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの選択性が改善される。
【0514】
特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、標的核酸に相補的な標的領域を含む。特定の実施形態では、標的領域は、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも25、または少なくとも25の連続したヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。特定の実施形態では、標的領域は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドのヌクレオシドの70%、80%、85%、90%、95%を構成する。特定の実施形態では、標的領域は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの全てのヌクレオシドを構成する。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの標的領域は、標的核酸に対して少なくとも99%、95%、90%、85%、または80%相補的である。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの標的領域は、標的核酸に対して100%相補的である。
【0515】
センスRNAiオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、RNAi化合物は、センスRNAiオリゴヌクレオチドを含む。そのような実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドに相補的なアンチセンスハイブリダイズ領域を含む。特定の実施形態では、アンチセンスハイブリダイズ領域は、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも25、または少なくとも25の連続したヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。特定の実施形態では、アンチセンスハイブリダイズ領域は、センスRNAiオリゴヌクレオチドのヌクレオシドの70%、80%、85%、90%、95%を構成する。特定の実施形態では、アンチセンスハイブリダイズ領域は、センスRNAiオリゴヌクレオチドの全てのヌクレオシドを構成する。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドのアンチセンスハイブリダイズ領域は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドに対して少なくとも99%、95%、90%、85%、または80%相補的である。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドのアンチセンスハイブリダイズ領域は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドに対して100%相補的である。
【0516】
センスRNAiオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ領域は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドとハイブリダイズして二重鎖領域を形成する。特定の実施形態では、そのような二重鎖領域は、ヌクレオシドの7つのハイブリダイズしたペアからなる(各ペアの一方はアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド上にあり、各ペアの他方はセンスRNAiオリゴヌクレオチド上にある)。特定の実施形態では、二重鎖領域は、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも25、または少なくとも25の連続したハイブリダイズしたペアを含む。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、二重鎖領域において対をなしている(すなわち、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、オーバーハングヌクレオシドを有さない)。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、3’末端及び/または5’末端に対をなしていないヌクレオシド(オーバーハングヌクレオシド)を含む。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、二重鎖領域において対をなしている(すなわち、センスRNAiオリゴヌクレオチドは、オーバーハングヌクレオシドを有さない)。特定の実施形態では、センスRNAiオリゴヌクレオチドは、3’末端及び/または5’末端において対をなしていないヌクレオシド(オーバーハングヌクレオシド)を含む。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及びセンスRNAiオリゴヌクレオチドによって形成される二重鎖は、一端または両端にオーバーハングを含まない。オーバーハングのないこのような末端は、平滑末端と呼ばれる。アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドがオーバーハングヌクレオシドを有する特定の実施形態では、それらのオーバーハングヌクレオシドのうちの1つ以上は、標的核酸に相補的である。アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドがオーバーハングヌクレオシドを有する特定の実施形態では、それらのオーバーハングヌクレオシドのうちの1つ以上は、標的核酸に相補的ではない。
【0517】
B.APP
特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、標的核酸に相補的な領域を含むオリゴヌクレオチドを含むか、またはそれからなり、該標的核酸は、APPである。特定の実施形態では、APP核酸は、配列番号1(Ensembl転写物ENST00000346798.7のcDNA)に記載の配列または配列番号2の相補体(ヌクレオチド25878001~26174000が切断されたGENBANK受入番号NC_00021.9が)を有する。特定の実施形態では、APP核酸は、配列番号3(Ensembl転写物ENST00000357903.7のcDNA)、配列番号4(Ensembl転写物ENST00000348990.9のcDNA)、配列番号5(Ensembl転写物ENST00000440126.7のcDNA)、配列番号6(Ensembl転写物ENST00000354192.7のcDNA)、及び/または配列番号7(Ensembl転写物ENST00000358918.7のcDNA)を含むがこれらに限定されない、APPの既知のスプライスバリアントのいずれかに記載される配列を有する。特定の実施形態では、細胞を、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、または配列番号7に相補的なオリゴマー化合物と接触させることにより、APP RNAの量が減少し、特定の実施形態では、APPタンパク質の量を減少させる。特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、修飾オリゴヌクレオチドからなる。特定の実施形態では、細胞を、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、または配列番号7に相補的なオリゴマー化合物と接触させることにより、β-アミロイドの凝集の減少をもたらす。特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、修飾オリゴヌクレオチドからなる。特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、修飾オリゴヌクレオチド及び共役基からなる。
【0518】
C.特定の組織における特定の標的核酸
特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、標的核酸に相補的な領域を含むオリゴヌクレオチドを含むか、またはそれからなり、該標的核酸は、薬理学的に関連する組織において発現される。特定の実施形態では、薬理学的に関連する組織は、中枢神経系を構成する細胞及び組織である。このような組織には、皮質、脊髄、及び海馬が含まれる。
【0519】
VI.特定の医薬組成物
特定の実施形態では、1つ以上のオリゴマー化合物を含む医薬組成物が本明細書に記載される。特定の実施形態では、1つ以上のオリゴマー化合物は、それぞれ修飾オリゴヌクレオチドからなる。特定の実施形態では、医薬組成物には、薬学的に許容される希釈剤または担体が含まれる。特定の実施形態では、医薬組成物は、滅菌生理食塩溶液及び1つ以上のオリゴマー化合物を含む、またはそれからなる。特定の実施形態では、滅菌生理食塩水は、医薬品グレードの生理食塩水である。特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のオリゴマー化合物及び滅菌水を含む、またはそれからなる。特定の実施形態では、滅菌水は、医薬品グレードの水である。特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のオリゴマー化合物及びリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む、またはそれからなる。特定の実施形態では、滅菌PBSは医薬品グレードのPBSである。特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のオリゴマー化合物及び人工脳脊髄液を含むか、またはそれからなる。特定の実施形態では、人工脳脊髄液は、医薬品グレードである。
【0520】
特定の実施形態では、医薬組成物には修飾オリゴヌクレオチド及び人工脳脊髄液が含まれる。特定の実施形態では、医薬組成物は、修飾オリゴヌクレオチド及び人工脳脊髄液からなる。特定の実施形態では、医薬組成物は、本質的に、修飾オリゴヌクレオチド及び人工脳脊髄液からなる。特定の実施形態では、人工脳脊髄液は、医薬品グレードである。
【0521】
特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のオリゴマー化合物及び1つ以上の賦形剤を含む。特定の実施形態では、賦形剤は、水、食塩水、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンから選択される。
【0522】
特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、医薬組成物または製剤を調製するために薬剤的に許容される活性及び/または不活性物質と混合され得る。組成物及び医薬組成物を製剤化するための方法は、投与経路、疾患の程度、または投与される用量を含むが、これらに限定されないいくつかの基準によって決まる。
【0523】
特定の実施形態では、オリゴマー化合物を含む医薬組成物は、オリゴマー化合物の任意の薬学的に許容される塩、オリゴマー化合物のエステル、またはそのようなエステルの塩を包含する。特定の実施形態では、オリゴマー化合物を含む医薬組成物は、ヒトを含む動物への投与時に、生物学的に活性な代謝物またはその残渣を(直接的または間接的に)提供することができる1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む。したがって、例えば、本開示は、オリゴマー化合物の薬剤的に許容される塩、プロドラッグ、そのようなプロドラッグの薬剤的に許容される塩、及び他の生物学的等価物を対象とする。好適な薬剤的に許容される塩には、ナトリウム塩及びカリウム塩が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、プロドラッグは、オリゴヌクレオチドに結合した1つ以上の共役基を含み、該共役基は、体内の内因性ヌクレアーゼによって切断される。
【0524】
脂質部分は、様々な方法で核酸療法において用いられている。特定のそのような方法において、核酸、例えばオリゴマー化合物は、カチオン性脂質と中性脂質の混合物から作られた事前形成されたリポソームまたはリポプレックスに導入される。特定の方法において、モノまたはポリカチオン性脂質とのDNA複合体は、中性脂質の存在なしで形成される。特定の実施形態では、脂質部分は、特定の細胞または組織への医薬品の分布を増加させるように選択される。特定の実施形態では、脂質部分は、脂肪組織への医薬品の分布を増加させるように選択される。特定の実施形態では、脂質部分は、筋肉組織への医薬品の分布を増加させるように選択される。
【0525】
特定の実施形態では、医薬組成物は、送達系を含む。送達系の例として、リポソーム及びエマルジョンが挙げられるが、これらに限定されない。特定の送達系は、疎水性化合物を含む医薬組成物を含む、特定の医薬組成物の調製に有用である。特定の実施形態では、ジメチルスルホキシドなどの特定の有機溶媒が用いられる。
【0526】
特定の実施形態では、医薬組成物は、本発明の1つ以上の薬剤を特定の組織または細胞型に送達するように設計された1つ以上の組織特異的送達分子を含む。例えば、特定の実施形態では、医薬組成物は、組織特異的抗体でコーティングされたリポソームを含む。
【0527】
特定の実施形態では、医薬組成物は、共溶媒系を含む。そのような共溶媒系のいくつかは、例えば、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、及び水相を含む。特定の実施形態では、そのような共溶媒系は、疎水性化合物に用いられる。そのような共溶媒系の非限定的な例にはVPD共溶媒系があり、これは、3w/v%のベンジルアルコール、8w/v%の非極性界面活性剤ポリソルベート80(商標)、及び65w/v%のポリエチレングリコール300を含む無水エタノールの溶液である。そのような共溶媒系の割合は、それらの溶解度及び毒性特性を著しく変化させることなく大幅に変化し得る。さらに、共溶媒成分の同一性は変化し得、例えば、他の界面活性剤をポリソルベート80(商標)の代わりに使用してもよく、ポリエチレングリコールの画分サイズは変化し得、他の生体適合性ポリマーは、ポリエチレングリコール、例えば、ポリビニルピロリドンに取って代わり得、他の糖または多糖は、デキストロースと置き換わり得る。
【0528】
特定の実施形態では、医薬組成物は、口腔投与のために調製される。特定の実施形態では、医薬組成物は、バッカル投与のために調製される。特定の実施形態では、医薬組成物は、注入による投与(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、髄腔内(IT)、脳室内(ICV)など)のために調製される。ある特定のそのような実施形態では、医薬組成物は、担体を含み、水溶液、例えば、水または生理学的に相溶性の緩衝液、例えば、ハンクス溶液、リンガー溶液、または生理学的生理食塩水緩衝液などの中で製剤化される。特定の実施形態では、他の成分(例えば、溶解に役立つか、または防腐剤の役目を果たす成分)が含まれる。特定の実施形態では、注入可能な懸濁液は、適切な液体担体、懸濁化剤などを用いて調製される。注入用の特定の医薬組成物は、単位剤形で、例えば、アンプル単位で提供されるか、または多回投与容器内に提供される。注入用の特定の医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルジョンであり、懸濁化剤、安定化剤、及び/または分散剤などの製剤化剤を含有し得る。注入用の医薬組成物における使用に好適な特定の溶媒には、親油性溶媒及び脂肪油、例えば、ゴマ油、合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチルまたはトリグリセリド、及びリポソームが含まれるが、これらに限定されない。
【0529】
特定の条件下で、本明細書に開示される特定の化合物は酸として作用する。そのような化合物は、プロトン化(遊離酸)形態で、またはイオン化されて、及び陽イオン(塩)形態と会合して、描写または記載され得るが、そのような化合物の水溶液は、そのような形態の間で平衡状態で存在する。例えば、水溶液中のオリゴヌクレオチドのリン酸結合は、遊離酸、陰イオン、及び塩形態の間で平衡状態で存在する。別段の指示がある場合を除き、本明細書に記載の化合物は、そのような全ての形態を含むことを意図している。さらに、特定のオリゴヌクレオチドは、いくつかのそのような結合を有し、それらの各々は平衡状態にある。したがって、溶液中のオリゴヌクレオチドは、全て平衡状態にある複数の位置に形態の集合として存在する。「オリゴヌクレオチド」という用語は、そのような全ての形態を含むことを意図している。描写された構造は、必然的に単一の形態を表す。それにもかかわらず、別段の指示がある場合を除き、そのような図面は同様に対応する形態を含むことを意図している。本明細書において、「またはその塩」という用語が後に続く化合物の遊離酸を示す構造は、完全にまたは部分的に、プロトン化し得る/脱プロトン化し得る/カチオンと会合し得る、全てのそのような形態を明示的に含む。特定の場合には、1つ以上の特定の陽イオンが識別される。
【0530】
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物は、ナトリウムを含む水溶液中にある。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物は、カリウムを含む水溶液中にある。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物は、PBS中にある。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物は、水中にある。特定のそのような実施形態では、溶液のpHは、所望のpHを達成するために、NaOH及び/またはHClで調整される。
【0531】
本明細書では、ある特定の用量について説明する。用量は、用量単位の形態であり得る。明確にするために、ミリグラム単位の修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物の用量(または投与単位)は、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物の遊離酸形態の質量を示す。上記のように、水溶液中で、遊離酸は陰イオン形態及び塩形態と平衡状態にある。しかしながら、用量を計算する目的で、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物は、無溶媒、酢酸ナトリウムを含まない、無水、遊離酸として存在すると想定されている。例えば、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物がナトリウムを含む溶液中にある場合(例えば、生理食塩水)、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物は、部分的または完全に脱プロトン化され、Na+イオンと会合し得る。しかしながら、プロトンの質量は、なお用量の重量にカウントされ、Na+イオンの質量は用量の重量にカウントされない。したがって、例えば、いくつかの完全にプロトン化された分子10mgの用量または投与単位は、10mgと計量される。これは、10.58mgの無溶媒、酢酸ナトリウムを含まない、無水ナトリウム化(sodiated)化合物番号699467、または10.65mgの無溶媒、酢酸ナトリウムを含まない、無水ナトリウム化化合物番号1381709に相当する。オリゴマー化合物が共役基を含む場合、共役基の質量は、そのようなオリゴマー化合物の用量の計算に含まれる。共役基も酸を有する場合、その共役基は同様に用量を計算する目的で完全にプロトン化されると想定される。
【0532】
VII.特定のホットスポット領域
1.配列番号3の核酸塩基3192~9277
特定の実施形態では、配列番号3の核酸塩基3192~3277は、ホットスポット領域を含む。特定の実施形態では、オリゴマー化合物またはオリゴマー二重鎖は、配列番号3の核酸塩基3192~3277内で相補的である修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、23核酸塩基長である。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、以下の糖モチーフ(5’から3’):mfmfmfmfmfmfmfmfmfmfmmmを有し、「m」は2’-Oメチルリボシル糖を表し、「f」は2’-フルオロリボシル糖を表し、及びssoooooooooooooooooossの連結モチーフ(5’から3’)を有し、「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0533】
配列番号821~824の核酸塩基配列は、配列番号3の核酸塩基3192~3277内で相補的である。
【0534】
RNAi化合物1382120、1382123、1382124、及び1382128は、配列番号3の核酸塩基3192~3277内で相補的であるアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含む。
【0535】
特定の実施形態では、配列番号3の核酸塩基5635~5677内で相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、標準的な細胞アッセイにおいて、in vitroでAPP RNAの少なくとも92%の減少を達成する。特定の実施形態では、配列番号3の核酸塩基5635~5677内で相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、標準的な細胞アッセイにおいて、in vitroでAPP RNAの平均94%の減少を達成する。
【0536】
2.追加のホットスポット領域
特定の実施形態では、以下の表に記載されている範囲は、ホットスポット領域を含む。各ホットスポット領域は、「開始部位配列番号1」列として識別される配列番号1の核酸塩基で始まり、「停止部位配列番号1」列として識別される配列番号1の核酸塩基で終わる。特定の実施形態では、オリゴマー化合物またはオリゴマー二重鎖は、以下の表に定義されるように、ホットスポット領域1~47のいずれか内に相補的である修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは18核酸塩基長である。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは20核酸塩基長である。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは23核酸塩基長である。特定の実施形態では、以下の表に示されるように、RNAseHベースのアンチセンスオリゴヌクレオチド及びRISCベースのRNAiオリゴマー二重鎖の両方が、所与のホットスポット領域内で活性である。
【0537】
特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、ギャップマーである修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、糖モチーフeeeeeddddddddkkeeeを有し、各「e」は、2’-MOE糖部分を含むヌクレオシドであり、各「k」は、cEt糖部分を含むヌクレオシドであり、各「d」は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシドである。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、糖モチーフeeeeeddddddddkeeeeを有し、各「e」は、2’-MOE糖部分を含むヌクレオシドであり、各「k」は、cEt糖部分を含むヌクレオシドであり、各「d」は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシドである。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、5-10-5MOEギャップマーである。
【0538】
特定の実施形態では、オリゴマー二重鎖は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及びセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含み、該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、所与のホットスポット領域内に相補的である。特定の実施形態では、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは23ヌクレオシド長であり、以下の糖モチーフ(5’から3’):mfmfmfmfmfmfmfmfmfmfmmmを有し、「m」は2’-Oメチルリボシル糖を表し、「f」は2’-フルオロリボシル糖を表し、及びssoooooooooooooooooossの連結モチーフ(5’から3’)を有し、「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。いずれの場合もセンスRNAiオリゴヌクレオチドは21ヌクレオシド長であり、以下の糖モチーフ(5’から3’):fmfmfmfmfmfmfmfmfmfmfを有し、「m」は2’-Oメチルリボシル糖を表し、「f」は2’-フルオロリボシル糖を表し、及びssoooooooooooooooossの連結モチーフ(5’から3’)を有し、「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0539】
以下の表の「ギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチド」/「範囲内の化合物ID」列にリストされているギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、指定されたホットスポット領域内の配列番号1に相補的である。以下の表の「ギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチド」/「範囲内の配列番号」列にリストされているギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、指定されたホットスポット領域内の標的配列、配列番号1に相補的である。
【0540】
以下の表の「RNAi化合物」/「範囲内のRNAi化合物ID」列にリストされているRNAi化合物IDに対応するアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、指定されたホットスポット領域内の配列番号1に相補的である。「RNAi化合物」/「範囲内の配列番号」列にリストされているアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドリストの核酸塩基配列は、指定されたホットスポット領域内の標的配列、番号1に相補的である。
【0541】
特定の実施形態では、ホットスポット領域内の核酸塩基に相補的なギャップマーは、以下の表に示すように、標準細胞アッセイにおけるin vitroでのAPP RNAの、少なくとも「ギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチド」/「最小減少率(%)」(未処理の対照細胞と比較した最小減少率(%))を達成する。特定の実施形態では、ホットスポット領域内の核酸塩基に相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、以下の表に示すように、標準細胞アッセイにおけるin vitroでのAPP RNAの、「ギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチド」/「平均減少率(%)」(未処理の対照細胞と比較した平均減少率(%))の平均を達成する。特定の実施形態では、ホットスポット領域内の核酸塩基に相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、以下の表に示すように、標準細胞アッセイにおけるin vitroでのAPP RNAの、「ギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチド」/「最大減少率(%)」(未処理の対照細胞と比較した最大減少率(%))の最大を達成する。
【0542】
特定の実施形態では、ホットスポット領域内の核酸塩基に相補的なアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを有するRNAiオリゴマー二重鎖は、以下の表に示すように、標準細胞アッセイにおけるin vitroでのAPP RNAの、少なくとも「RNAi化合物」/「RNAi最小減少率(%)」(未処理の対照細胞と比較した最小減少率(%))を達成する。特定の実施形態では、ホットスポット領域内の核酸塩基に相補的なアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを有するRNAiオリゴマー二重鎖は、以下の表に示すように、標準細胞アッセイにおけるin vitroでのAPP RNAの、「RNAi化合物」/「平均減少率(%)」(未処理の対照細胞と比較した平均減少率(%))の平均を達成する。特定の実施形態では、ホットスポット領域内の核酸塩基に相補的なアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを有するRNAiオリゴマー二重鎖は、以下の表に示すように、標準細胞アッセイにおけるin vitroでのAPP RNAの、「RNAi化合物」/「RNAi最大減少率(%)」(未処理の対照細胞と比較した最大減少率(%))の最大を達成する。
【0543】
【表1a-1】
【0544】
【表1a-2】
【0545】
【表1b-1】
【0546】
【表1b-2】
【0547】
【表1b-3】
【0548】
【表1b-4】
【0549】
【表1b-5】
【0550】
【表1b-6】
【0551】
【表1b-7】
【0552】
【表1b-8】
【0553】
参照による非限定的な開示及び組み込み
本明細書に列挙される文献及び特許公報の各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0554】
本明細書に記載のある特定の化合物、組成物及び方法が、ある特定の実施形態に従った特異性を持って記載されたが、以下の実施例は、本明細書に記載の化合物を例示するためだけに機能し、その化合物を限定することを意図するものではない。本出願に引用される参考文献、GenBank受入番号、ENSEMBL識別番号などの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0555】
本出願に添付される配列表が必要に応じて各配列を「RNA」または「DNA」のいずれか一方と特定するが、実際には、それらの配列は、化学修飾の任意の組み合わせで修飾され得る。当業者であれば、修飾オリゴヌクレオチドを説明するための「RNA」または「DNA」のそのような指定が、ある特定の事例において、任意であることを容易に認識するであろう。例えば、2’-OH糖部分及びチミン塩基を含むヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドは、修飾糖を有するDNA(DNAの1つの2’-Hに代えて2’-OH)または修飾塩基を有するRNA(RNAのウラシルに代えて、チミン(メチル化ウラシル))と記載され得る。したがって、配列表中のものを含むが、これらに限定されない本明細書に提供される核酸配列は、修飾核酸塩基を有するそのような核酸を含むが、これらに限定されない天然または修飾RNA及び/またはDNAの任意の組み合わせを含有する核酸を包含するよう意図される。さらなる例であって制限するものではなく、核酸塩基配列「ATCGATCG」を有するオリゴマー化合物は、修飾または非修飾にかかわらず、RNA塩基、例えば、配列「AUCGAUCG」を有するオリゴマー化合物、ならびに「AUCGATCG」などのいくつかのDNA塩基及びいくつかのRNA塩基を有するオリゴマー化合物、ならびに「ATCGAUCG」などの他の修飾核酸塩基を有するオリゴマー化合物を含むそのような化合物を含むが、これらに限定されないそのような核酸塩基配列を有する任意のオリゴマー化合物を包含し、式中、Cは、5位にメチル基を含むシトシン塩基を示す。
【0556】
本明細書に記載の特定の化合物(例えば、修飾オリゴヌクレオチド)は、1つ以上の不斉中心を含有し、それ故に、絶対立体化学の点で、(R)もしくは(S)、糖アノマーなどの場合、αもしくはβ、またはアミノ酸などの場合(D)もしくは(L)と定義され得る、鏡像異性体、ジアステレオマー、及び他の立体異性体配置を生じさせる。特定の立体異性体配置を有すると描写または記載される本明細書に提供される化合物には、指示された化合物のみが含まれる。未定義の立体化学を用いて描写または記載される本明細書に提供される化合物には、別途指定されない限り、それらのステレオランダム及び任意に純粋な形態を含む全てのそのような可能な異性体が含まれる。同様に、本明細書に記載の化合物の互変異性形態も、別途記載のない限り含まれる。別段の指示がある場合を除き、本明細書に記載の化合物は、対応する塩形態を含むことが意図される。
【0557】
本明細書に記載の化合物は、1つ以上の原子が、指示した元素の非放射性同位体または放射性同位体で置き換えられている変形例を含む。例えば、水素原子を含む本明細書に記載の化合物は、H水素原子の各々に対する全ての可能な重水素置換を包含する。本明細書に記載の化合物によって包含される同位体置換としては、Hの代わりにHまたはH、12Cの代わりに13Cまたは14C、14Nの代わりに15N、16Oの代わりに17Oまたは18O、及び32Sの代わりに33S、34S、35S、または36Sが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、非放射性同位体置換は、治療用または研究用ツールとして使用するために有益である新しい特性をオリゴマー化合物に付与することができる。特定の実施形態では、放射性同位体置換は、化合物を撮像などの研究または診断目的に好適なものにすることができる。
【実施例
【0558】
以下の実施例は、本開示の特定の実施形態を例示するものであり、限定するものではない。さらに、特定の実施形態が提供される場合、本発明者らは、それらの特定の実施形態の一般的適用を企図している。例えば、特定のモチーフを有するオリゴヌクレオチドの開示は、そのモチーフまたは同様のモチーフを有するさらなるオリゴヌクレオチドへの合理的な支持を提供する。同様に、例えば、特定の高親和性修飾が特定の位置に出現する場合、同一の位置での他の高親和性修飾は、別途示されない限り、好適であると見なされる。
【0559】
実施例1:in vitroでのヒトAPP RNAの単回投与に対する混合ウィング及び混合バックボーン修飾オリゴヌクレオチドの効果
ヒトAPP核酸に相補的な修飾オリゴヌクレオチドを、in vitroでAPP RNAレベルにおける効果について試験した。
【0560】
以下の表では、修飾オリゴヌクレオチドは18ヌクレオシド長であり、糖モチーフeeeeeddddddddkkeeeを有し、各「e」は、2’-MOE糖部分を含むヌクレオシドであり、各「k」は、cEt糖部分を含むヌクレオシドであり、各「d」は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシドである。ヌクレオシド間結合モチーフはsooosssssssssoossであり、各「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す。全てのシトシン残基は5-メチルシトシンである。
【0561】
「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドがヒト遺伝子配列において相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドがヒト遺伝子配列において相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。以下の表に記載されている各修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1(Ensembl転写物ENST00000346798.7のcDNA)、配列番号2の相補体(ヌクレオチド25878001~26174000が切断されたGENBANK受入番号NC_00021.9)、配列番号3(Ensembl転写物ENST00000357903.7のcDNA)、配列番号4(Ensembl転写物ENST00000348990.9のcDNA)、配列番号5(Ensembl転写物ENST00000440126.7のcDNA)、配列番号6(Ensembl転写物ENST00000354192.7のcDNA)、及び/または配列番号7(Ensembl転写物ENST00000358918.7のcDNA)に100%相補的である。修飾オリゴヌクレオチドが配列番号1及び/または配列番号2に100%相補的である場合、それはまた、配列番号3~7のいずれかに100%相補的であり得るが、この情報は以下の表には表示されない。「N/A」は、修飾オリゴヌクレオチドが、その特定の遺伝子配列に100%相補的ではないことを示す。
【0562】
ウェルあたり20,000細胞の密度で培養されたSH-SY5Y細胞を、エレクトロポレーションによって7,000nMの修飾オリゴヌクレオチドで処理した。約24時間の処理期間の後、全RNAが細胞から分離され、APP RNAレベルを定量的リアルタイムRTPCRによって測定した。ヒトAPPプライマープローブセットHTS96(順方向配列CCTTCCCGTGAATGGAGAGTT、本明細書で配列番号910と指定;逆配列CACAGAGTCAGCCCCAAAAGA、本明細書で配列番号911と指定;プローブ配列CCTGGACGATCTCCAGCCGTGG、本明細書で配列番号912と指定)を使用してRNAレベルを測定した。APP RNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)で測定された全RNA含有量に応じて調節した。結果は、未処理の対照細胞と比較したAPP RNAレベル(%)として以下の表に示される。
【0563】
【表2-1】
【0564】
【表2-2】
【0565】
【表2-3】
【0566】
【表2-4】
【0567】
【表3-1】
【0568】
【表3-2】
【0569】
【表3-3】
【0570】
【表3-4】
【0571】
【表4-1】
【0572】
【表4-2】
【0573】
【表5-1】
【0574】
【表5-2】
【0575】
【表6-1】
【0576】
【表6-2】
【0577】
【表6-3】
【0578】
【表7-1】
【0579】
【表7-2】
【0580】
【表7-3】
【0581】
【表7-4】
【0582】
【表8】
【0583】
【表9】
【0584】
実施例2:in vitroでのヒトAPPの複数回投与に対する修飾オリゴヌクレオチドの効果
上記の例から選択された修飾オリゴヌクレオチドは、SH-S5Y細胞において様々な用量で試験した。ウェルあたり20,000細胞の密度でプレーティングされた細胞を、以下の表に示されるように、エレクトロポレーションによって様々な修飾オリゴヌクレオチドで処理した。約24時間の処理期間の後、全RNAが細胞から分離され、APP RNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。本明細書で上記に記載されたヒトAPPプライマープローブセットHTS96を使用して、RNAレベルを測定した。APP RNAレベルはGADPHに対して正規化した。結果は、未処理の対照細胞と比較したAPP RNAレベル(%)として以下の表に示されている。各修飾オリゴヌクレオチドの最大阻害濃度の半分(IC50)も示されている。IC50は、excelのデータの対数/線形プロットで線形回帰を使用して計算した。「N.D.」(「データなし」)は、その特定の実験において、その特定の修飾オリゴヌクレオチドについて阻害率(%)が決定されなかったことを示す。「N.C.」(「計算なし」)は、試験された濃度の範囲がIC50の正確な計算に十分ではなかったことを示す。
【0585】
【表10】
【0586】
【表11】
【0587】
実施例3:in vitroでのヒトAPP RNAの単回投与に対する混合ウィング及び混合バックボーンまたはMOE及び混合バックボーン修飾オリゴヌクレオチドの効果 ヒトAPPに相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、以下の表に示す化学修飾パターンで合成した。以下の表の修飾オリゴヌクレオチドはギャップマーである。ギャップマーは、2’-デオキシヌクレオシドを含む中央ギャップセグメントを有し、cEtヌクレオシド及び/または2’-MOEヌクレオシドを含む5’末端及び3’末端の両方にウィングセグメントが隣接している。各ギャップマー全体の全てのシトシン残基は5-メチルシトシンである。ヌクレオシド間結合は、混合ホスホジエステルヌクレオシド間結合及びホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0588】
ウェルあたり20,000細胞の密度で培養されたSH-SY5Y細胞を、エレクトロポレーションによって4,000nMの修飾オリゴヌクレオチドで処理した。約24時間の処理期間の後、全RNAが細胞から分離され、APP RNAレベルを定量的リアルタイムRTPCRによって測定した。ヒトAPPプライマープローブセットRTS35571(順方向配列CCCACTTTGTGATTCCCTACC、本明細書で配列番号913と指定;逆配列ATCCATCCTCTCCTGGTGTAA、本明細書で配列番号914と指定;プローブ配列TGATGCCCTTCTCGTTCCTGACAA、本明細書で配列番号915と指定)を使用してRNAレベルを測定した。APP RNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)で測定された全RNA含有量に応じて調節した。結果は、未処理の対照細胞と比較したAPP RNAレベル(%)として以下の表に示される。
【0589】
以下の表12の修飾オリゴヌクレオチドは18ヌクレオシド長であり、糖モチーフeeeeeddddddddkeeeeを有し、各「e」は、2’-MOE糖部分を含むヌクレオシドであり、各「k」は、cEt糖部分を含むヌクレオシドであり、各「d」は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシドである。ヌクレオシド間結合モチーフは、sososssssssssosssであり、各「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す。全てのシトシン残基は5-メチルシトシンである。「開始部位」は、ギャップマーがヒト核酸配列において相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、ギャップマーがヒト核酸配列において相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【0590】
【表12-1】
【0591】
【表12-2】
【0592】
以下の表13の修飾オリゴヌクレオチドは、20ヌクレオシド長であり、5-10-5MOEギャップマーである。ヌクレオシド間結合モチーフは、sososssssssssssosssであり、各「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す。全てのシトシン残基は5-メチルシトシンである。「開始部位」は、ギャップマーがヒト核酸配列において相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、ギャップマーがヒト核酸配列において相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【0593】
【表13】
【0594】
実施例4:ヒトAPP核酸に相補的なアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを有するRNAi化合物の設計
ヒトAPP核酸に相補的なアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド、及びアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドに相補的なセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含むRNAi化合物を以下のように設計した。
【0595】
以下の表のRNAi化合物は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及びセンスRNAiオリゴヌクレオチドからなり、いずれの場合も該アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは23ヌクレオシド長であり、以下の糖モチーフ(5’から3’):mfmfmfmfmfmfmfmfmfmfmmmを有し、「m」は2’-Oメチルリボシル糖を表し、「f」は2’-フルオロリボシル糖を表し、及びssoooooooooooooooooossの連結モチーフ(5’から3’)を有し、「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。いずれの場合もセンスRNAiオリゴヌクレオチドは21ヌクレオシド長であり、以下の糖モチーフ(5’から3’):fmfmfmfmfmfmfmfmfmfmfを有し、「m」は2’-Oメチルリボシル糖を表し、「f」は2’-フルオロリボシル糖を表し、及びssoooooooooooooooossの連結モチーフ(5’から3’)を有し、「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。各アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、標的核酸(APP)に相補的であり、各センスRNAiオリゴヌクレオチドは、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの21個のヌクレオシド(5’から3’)の最初のものに相補的であり、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの最後の2つの3’-ヌクレオシドは、センスRNAiオリゴヌクレオチドとペアになっていない(オーバーハングヌクレオシドである)。
【0596】
「開始部位」は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドがヒト遺伝子配列において相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドがヒト遺伝子配列において相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。以下の表に記載されている各修飾アンチセンスRNAiオリゴヌクレオシドは、以下の表に示されているように、配列番号1(本明細書に記載)、配列番号2(本明細書に記載)、または配列番号3(本明細書に記載)のいずれかに100%相補的である。
【0597】
【表14-1】
【0598】
【表14-2】
【0599】
【表14-3】
【0600】
【表14-4】
【0601】
【表14-5】
【0602】
【表14-6】
【0603】
【表14-7】
【0604】
【表14-8】
【0605】
【表15-1】
【0606】
【表15-2】
【0607】
【表16-1】
【0608】
【表16-2】
【0609】
実施例5:in vitroでのヒトAPP RNAの単回投与に対するRNAi化合物の効果
上記の二本鎖RNAi化合物は、同じ培養条件下で一連の実験で試験した。各実験の結果は、以下の個別の表に示されている。
【0610】
ウェルあたり6000細胞の密度で培養されたHeLa細胞は、20nMの二本鎖RNAiを含むRNAiMAXを使用してトランスフェクトした。約24時間の処理期間の後、RNAが細胞から分離され、APP RNAレベルを定量的リアルタイムRTPCRによって測定した。ヒトプライマープローブセットRTS35571(本明細書で上記に記載された)を使用してRNAレベルを測定した。APP RNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)で測定された全RNA含有量に対して正規化した。結果は、PBS対照と比較して、APP RNAの変化率(%)として表される。記号「
【0611】
【化10】
【0612】
」は、修飾オリゴヌクレオチドがプライマープローブセットのアンプリコン領域内の標的転写物に相補的であり、したがって関連データが信頼できないことを示す。そのような場合、そのような修飾オリゴヌクレオチドの効力及び有効性を正確に評価するために、代替のプライマープローブを使用する追加のアッセイを実施しなければならない。
【0613】
【表17-1】
【0614】
【表17-2】
【0615】
【表17-3】
【0616】
【表18-1】
【0617】
【表18-2】
【0618】
【表18-3】
【0619】
【表19-1】
【0620】
【表19-2】
【0621】
実施例6:トランスジェニックマウスにおけるヒトAPPに相補的な修飾オリゴヌクレオチドの活性
上記の化合物は、APPを含む全ての既知のヒト21番染色体(Hsa21)遺伝子の92%を含む自由に分離するほぼ完全なHsa21を含有するTc1トランスジェニックマウスモデルにおいて試験する(O’Doherty et al.,Science 2005 309(5743):2033-2037)。化合物は、Lamb et al.,Human Mol Genetics 1997,6(9):1535-41に記載されているように、スウェーデンの突然変異(K670N/M671L)を含むヒトAPP遺伝子全体を含有するR1.40 YACトランスジェニックマウスモデルにおいても試験する。2~3匹のマウスの群に300μgのASOまたはPBS対照をICV注射し、投与後2週間で屠殺した。様々なCNS組織を収集した。APP RNAは、上記の実施例1に記載されているように、RT-PCRによって測定した。
ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がAPP RNAの等長部分に少なくとも80%相補的であり、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
[態様2]12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号12~501のうちのいずれかの少なくとも12、13、14、15、16、17、または18個の核酸塩基を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
[態様3]12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号502~516のうちのいずれかの少なくとも12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の核酸塩基を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
[態様4]12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号517~665、814~840、または867~888のうちのいずれかの少なくとも12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23個の核酸塩基を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
[態様5]12~30個の連結したヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、
配列番号1の核酸塩基40~78の等長部分、
配列番号1の核酸塩基69~146の等長部分、
配列番号1の核酸塩基83~129の等長部分、
配列番号1の核酸塩基83~246の等長部分、
配列番号1の核酸塩基94~225の等長部分、
配列番号1の核酸塩基194~231の等長部分、
配列番号1の核酸塩基194~238の等長部分、
配列番号1の核酸塩基236~268の等長部分、
配列番号1の核酸塩基258~288の等長部分、
配列番号1の核酸塩基285~311の等長部分、
配列番号1の核酸塩基296~321の等長部分、
配列番号1の核酸塩基307~330の等長部分、
配列番号1の核酸塩基329~352の等長部分、
配列番号1の核酸塩基330~352の等長部分、
配列番号1の核酸塩基339~383の等長部分、
配列番号1の核酸塩基415~439の等長部分、
配列番号1の核酸塩基413~477の等長部分、
配列番号1の核酸塩基415~477の等長部分、
配列番号1の核酸塩基477~506の等長部分、
配列番号1の核酸塩基477~523の等長部分、
配列番号1の核酸塩基477~541の等長部分、
配列番号1の核酸塩基530~557の等長部分、
配列番号1の核酸塩基581~638の等長部分、
配列番号1の核酸塩基636~661の等長部分、
配列番号1の核酸塩基652~697の等長部分、
配列番号1の核酸塩基728~821の等長部分、
配列番号1の核酸塩基770~821の等長部分、
配列番号1の核酸塩基920~950の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1006~1049の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1152~1179の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1227~1265の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1227~1274の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1268~1332の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1268~1311の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1289~1332の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1518~1543の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1531~1593の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1544~1593の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1634~1657の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1778~1800の等長部分、
配列番号1の核酸塩基1882~1908の等長部分、
配列番号1の核酸塩基2051~2074の等長部分、
配列番号1の核酸塩基2360~3117の等長部分、
配列番号1の核酸塩基2402~3117の等長部分、
配列番号1の核酸塩基2360~2655の等長部分、
配列番号1の核酸塩基2402~2655の等長部分、
配列番号1の核酸塩基2675~3054の等長部分、または
配列番号3の核酸塩基3192~3277の等長部分の、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、または少なくとも21個の連続した核酸塩基に相補的であり、
前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
[態様6]前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列全体にわたって測定した場合に、配列番号1~7の核酸塩基配列のうちのいずれかに、少なくとも80%、85%、90%、95%、または100%相補的である、態様1~5のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様7]前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、修飾ヌクレオシドである、態様1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様8]前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、修飾糖部分を含む、態様7に記載のオリゴマー化合物。
[態様9]前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、二環式糖部分を含む、態様8に記載のオリゴマー化合物。
[態様10]前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、2’-4’橋を有する二環式糖部分を含み、前記2’-4’橋が、-O-CH-及び-O-CH(CH)-から選択される、態様9に記載のオリゴマー化合物。
[態様11]前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、非二環式修飾糖部分を含む、態様5~10のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様12]前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、2’-4’橋を有する二環式糖部分を含み、少なくとも1個のヌクレオシドが非二環式修飾糖部分を含む、態様11に記載のオリゴマー化合物。
[態様13]前記非二環式修飾糖部分が、2’-MOE修飾糖部分、2’-OMe修飾糖部分、または2’-F修飾糖部分である、態様11または12に記載のオリゴマー化合物。
[態様14]前記修飾オリゴヌクレオチドが、糖代替物を含む少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含む、態様1~13のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様15]前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾ヌクレオシドが、モルホリノ及びPNAから選択される糖代替物を含む、態様14に記載のオリゴマー化合物。
[態様16]前記修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合を含む、態様1~15のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様17]前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合である、態様16に記載のオリゴマー化合物。
[態様18]少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、態様17または18に記載のオリゴマー化合物。
[態様19]前記修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1個のホスホジエステルヌクレオシド間結合を含む、態様16または18に記載のオリゴマー化合物。
[態様20]各ヌクレオシド間結合が、ホスホジエステルヌクレオシド間結合またはホスホロチオエートヌクレオシド間結合から独立して選択される、態様16、18、または19のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様21]前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾核酸塩基を含む、態様1~20のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様22]前記修飾核酸塩基が、5-メチルシトシンである、態様21に記載のオリゴマー化合物。
[態様23]前記修飾オリゴヌクレオチドが、12~22、12~20、14~18、14~20、15~17、15~25、16~20、16~18、18~22、18~25、18~20、20~25、または21~23個の連結したヌクレオシドからなる、態様1~22のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様24]前記修飾オリゴヌクレオチドが、18個の連結したヌクレオシドからなる、態様1~23のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様25]前記修飾オリゴヌクレオチドが、20個の連結したヌクレオシドからなる、態様1~23のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様26]前記修飾オリゴヌクレオチドが、21個の連結したヌクレオシドからなる、態様1~23のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様27]前記修飾オリゴヌクレオチドが、23個の連結したヌクレオシドからなる、態様1~23のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様28]前記オリゴマー化合物が、RNase H化合物である、態様1~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様29]前記修飾オリゴヌクレオチドが、ギャップマーである、態様28に記載のオリゴマー化合物。
[態様30]前記修飾オリゴヌクレオチドが、
1~6個の連結した5’-領域ヌクレオシドからなる5’-領域、
6~10個の連結した中央領域ヌクレオシドからなる中央領域、及び
1~6個の連結した3’-領域ヌクレオシドからなる3’-領域、を含む糖モチーフを有し、
前記5’領域の最も3’側のヌクレオシド及び前記3’-領域の最も5’側のヌクレオシドが、修飾糖部分を含み、
前記中央領域ヌクレオシドの各々が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシド及び2’-置換糖部分を含むヌクレオシドから選択され、前記中央領域が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む少なくとも6個のヌクレオシド及び2’-置換糖部分を含む2つ以下のヌクレオシドを含む、態様1~29のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様31]前記修飾オリゴヌクレオチドが、
1~6個の連結した5’-領域ヌクレオシドからなる5’-領域、
6~10個の連結した中央領域ヌクレオシドからなる中央領域、及び
1~6個の連結した3’-領域ヌクレオシドからなる3’-領域、を含む糖モチーフを有し、
前記5’-領域ヌクレオシドの各々及び前記3’-領域ヌクレオシドの各々が修飾糖部分を含み、前記中央領域ヌクレオシドの各々が2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む、態様1~26または28~29のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様32]前記修飾オリゴヌクレオチドが、
5個の連結した5’-領域ヌクレオシドからなる5’-領域、
10個の連結した中央領域ヌクレオシドからなる中央領域、及び
5個の連結した3’-領域ヌクレオシドからなる3’-領域、を含む糖モチーフを有し、
前記5’-領域ヌクレオシドの各々及び前記3’-領域ヌクレオシドの各々がcEt修飾糖部分または2’-MOE修飾糖部分のいずれかを含み、前記中央領域ヌクレオシドの各々が2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む、態様31に記載のオリゴマー化合物。
[態様33]前記オリゴマー化合物が、RNAi化合物である、態様1~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様34]前記オリゴマー化合物が、少なくとも15個の連続した核酸塩基を含む標的領域を含むアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含み、前記標的領域がAPP RNAの等長部分に少なくとも90%相補的である、態様1~33のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様35]前記アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの標的領域が、APP RNAの等長部分に対して少なくとも95%相補的であるか、または100%相補的である、態様34に記載のオリゴマー化合物。
[態様36]前記アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの標的領域が、少なくとも19、20、21、または25個の連続した核酸塩基を含む、態様34~35のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様37]前記APP RNAが、配列番号1~7のいずれかの核酸塩基配列を有する、態様34~36のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様38]前記アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、2’-F、2’-OMe、2’-NMA、LNA、及びcEtから選択される修飾糖部分、またはGNA及びUNAから選択される糖代替物を含む、態様34~37のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様39]前記アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが、修飾糖部分または糖代替物を含む、態様34~35のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様40]前記アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドのヌクレオシドの少なくとも80%、少なくとも90%、または100%が、2’-F及び2’-OMeから選択される修飾糖部分を含む、態様34~39のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様41]前記アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの最も5’側のヌクレオシドの5’位に結合した安定化したリン酸基を含む、態様34~40のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様42]前記安定化したリン酸基が、シクロプロピルホスホネートまたは(E)-ビニルホスホネートを含む、態様41に記載のオリゴマー化合物。
[態様43]前記オリゴマー化合物が一本鎖オリゴマー化合物である、態様1~42のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様44]前記修飾オリゴヌクレオチドまたは前記RNAiアンチセンスオリゴヌクレオチドからなる、態様1~43のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様45]共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含む、態様1~44のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様46]前記共役リンカーが単結合からなる、態様45に記載のオリゴマー化合物。
[態様47]前記共役リンカーが切断可能である、態様45に記載のオリゴマー化合物。
[態様48]前記共役リンカーが、1~3個のリンカー-ヌクレオシドを含む、態様45に記載のオリゴマー化合物。
[態様49]前記共役基が、前記修飾オリゴヌクレオチドまたは前記アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に結合される、態様45~48のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様50]前記共役基が、前記修飾オリゴヌクレオチドまたは前記アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に結合される、態様45~48のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様51]末端基を含む、態様1~50のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様52]前記オリゴマー化合物がリンカー-ヌクレオシドを含まない、態様1~47または49~51のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
[態様53]態様34~52のいずれかに記載のアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物と、17~30個の連結したヌクレオシドからなるセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物と、を含むオリゴマー二重鎖であって、前記センスRNAiオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、少なくとも15個の連続した核酸塩基を含むアンチセンスハイブリダイズ領域を含み、前記アンチセンスハイブリダイズ領域が、前記アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの等長部分に少なくとも90%相補的である、前記オリゴマー二重鎖。
[態様54]前記センスRNAiオリゴヌクレオチドが、18~25、20~25、または21~23個の連結したヌクレオシドからなる、態様53に記載のオリゴマー二重鎖。
[態様55]前記センスRNAiオリゴヌクレオチドが、21または23個の連結したヌクレオシドからなる、態様53に記載のオリゴマー二重鎖。
[態様56]前記アンチセンスまたは前記センスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個の最も3’側のヌクレオシドが、オーバーハングヌクレオシドである、態様53~55のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様57]前記アンチセンスまたはセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1~4個の最も5’側のヌクレオシドが、オーバーハングヌクレオシドである、態様53~56のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様58]前記二重鎖が前記アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端で平滑末端を有する、態様53~55のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様59]前記二重鎖が前記アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端で平滑末端を有する、態様53~55のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様60]前記センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、2’-F、2’-OMe、LNA、cEtから選択される修飾糖部分、またはGNA及びUNAから選択される糖代替物を含む、態様53~59のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様61]前記センスRNAiオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが、修飾糖部分または糖代替物を含む、態様60に記載のオリゴマー二重鎖。
[態様62]前記センスRNAiオリゴヌクレオチドのヌクレオシドの少なくとも80%、少なくとも90%、または100%が、2’-F及び2’-OMeから選択される修飾糖部分を含む、態様61に記載のオリゴマー二重鎖。
[態様63]前記センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、修飾核酸塩基を含む、態様53~62のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様64]前記センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合である、態様53~63のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様65]前記センスRNAiオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、態様64に記載のオリゴマー二重鎖。
[態様66]前記化合物が、前記アンチセンスまたはセンスRNAオリゴヌクレオチドの一端または両端に結合した1~5個の脱塩基糖部分を含む、態様53~65のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様67]前記アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド及び前記センスRNAiオリゴヌクレオチドからなる、態様53~66のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様68]前記第2のオリゴマー化合物が、共役部分及び共役リンカーを含む共役基を含む、態様53~66のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様69]前記共役リンカーが単結合からなる、態様68に記載のオリゴマー二重鎖。
[態様70]前記共役リンカーが切断可能である、態様69に記載のオリゴマー二重鎖。
[態様71]前記共役リンカーが1~3個のリンカー-ヌクレオシドを含む、態様69に記載のオリゴマー二重鎖。
[態様72]前記共役基が前記センスRNAiオリゴヌクレオチドの5’末端に結合される、態様69~71のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様73]前記共役基が前記センスRNAiオリゴヌクレオチドの3’末端に結合される、態様69~71のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様74]前記共役基が、前記センスRNAiオリゴヌクレオチドの内部位置にあるリボシル糖部分の2’位を介して結合している、態様69~71のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様75]少なくとも1つの共役基がC16アルキル基を含む、態様45~50のいずれかに記載のオリゴマー化合物または態様68~74のいずれかに記載のオリゴマー二重鎖。
[態様76]前記第2のオリゴマー化合物が末端基を含む、態様53に記載のオリゴマー二重鎖。
[態様77]態様1~52のいずれかに記載のオリゴマー化合物、または態様53~76に記載のオリゴマー二重鎖、及び薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、医薬組成物。
[態様78]前記薬学的に許容される希釈剤が、人工脳脊髄液、滅菌生理食塩水、またはPBSである、態様77に記載の医薬組成物。
[態様79]前記医薬組成物が、前記修飾オリゴヌクレオチド及び滅菌生理食塩水から本質的になる、態様78に記載の医薬組成物。
[態様80]態様77~79のいずれかに記載の医薬組成物を動物に投与することを含む方法。
[態様81]APPに関連した疾患を治療する方法であって、APPに関連した疾患に罹患しているかまたは発症のリスクがある個体に、態様77~79のいずれかに記載の治療有効量の医薬組成物を投与し、それによりAPPに関連した前記疾患を治療することを含む方法。
[態様82]前記APP関連疾患が、アルツハイマー病、ダウン症患者におけるアルツハイマー病、または脳アミロイド血管症である、態様81に記載の方法。
[態様83]前記APP関連疾患の少なくとも1つの症状または特徴が改善される、態様80~82のいずれかに記載の方法。
[態様84]前記症状または特徴が、記憶及び言語能力の低下、無関心及び意欲の欠如などの行動及び心理症状、歩行障害及び発作、進行性認知症、及び/または異常なアミロイド沈着を含む、認知障害である、態様83に記載の方法。
【配列表】
0007557469000001.app