(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20240919BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20240919BHJP
H01L 23/14 20060101ALI20240919BHJP
H01L 23/48 20060101ALI20240919BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/14 R
H01L23/48 Q
H01L23/36 C
(21)【出願番号】P 2021553500
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(86)【国際出願番号】 JP2020039584
(87)【国際公開番号】W WO2021079913
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2023-10-16
(31)【優先権主張番号】P 2019193437
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】畑野 舞子
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-071399(JP,A)
【文献】特開2018-074089(JP,A)
【文献】特開2016-115810(JP,A)
【文献】国際公開第2010/150297(WO,A1)
【文献】特開2018-174252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 23/14
H01L 23/48
H01L 23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向において離間する第1主面および第1裏面を有する絶縁基板と、
各々が前記第1主面に配置され、かつ、互いに離間した第1主面金属層および第2主面金属層と、
各々が前記第1裏面に配置され、かつ、互いに離間した第1裏面金属層および第2裏面金属層と、
前記第1主面金属層上に配置された第1導電層と、
前記第2主面金属層上に配置された第2導電層と、
前記第1導電層上に配置され、前記第1導電層に導通する第1半導体素子と、
前記第2導電層上に配置され、前記第2導電層に導通する第2半導体素子と、を備えており、
前記第1主面金属層と前記第1裏面金属層とは、前記第1方向に見て互いに重なり、
前記第2主面金属層と前記第2裏面金属層とは、前記第1方向に見て互いに重なり、
前記第1主面金属層と前記第2主面金属層とは、前記第1方向に直交する第2方向に並んでおり、
前記第1導電層および前記第2導電層はそれぞれ、線膨張係数に異方性があり、相対的に線膨張係数の大きい方向が、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿っており、
前記第3方向における前記第1裏面金属層および前記第2裏面金属層の各寸法は、前記第3方向における前記第1主面金属層および前記第2主面金属層の各寸法よりも小さい、半導体装置。
【請求項2】
前記第1主面金属層、前記第2主面金属層、前記第1裏面金属層および前記第2裏面金属層はそれぞれ、前記第1方向に見て、各々が前記第3方向に延びる一対の第1端縁を有しており、
前記第1主面金属層の前記一対の第1端縁と前記第1裏面金属層の前記一対の第1端縁とは、前記第1方向に見て互いに重なり、
前記第2主面金属層の前記一対の第1端縁と前記第2裏面金属層の前記一対の第1端縁とは、前記第1方向に見て互いに重なる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1裏面金属層および前記第2裏面金属層はそれぞれ、前記第1方向に見て、各々が前記第2方向に延びる一対の第2端縁を有しており、
前記第1裏面金属層の前記一対の第2端縁は、前記第1方向に見て、前記第1主面金属層に重なり、
前記第2裏面金属層の前記一対の第2端縁は、前記第1方向に見て、前記第2主面金属層に重なる、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第3方向において前記第1半導体素子に並んで配置された追加の第1半導体素子と、
前記第3方向において前記第2半導体素子に並んで配置された追加の第2半導体素子と、をさらに備え、
前記追加の第1半導体素子は、前記第1導電層上に配置され、かつ、前記第1方向に見て、前記第1裏面金属層の前記一対の第2端縁のいずれかに重なり、
前記追加の第2半導体素子は、前記第2導電層上に配置され、かつ、前記第1方向に見て、前記第2裏面金属層の前記一対の第2端縁のいずれかに重なる、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1導電層および前記第2導電層はそれぞれ、前記第1方向に離間する両面にそれぞれ表面金属層が形成されている、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1方向における前記表面金属層の寸法は、前記第1方向における前記第1導電層および前記第2導電層の各寸法よりも小さい、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1方向において、前記第1導電層と前記第1主面金属層との間に介在する第1導電性接合層と、
前記第1方向において、前記第2導電層と前記第2主面金属層との間に介在する第2導電性接合層と、をさらに備えている、請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記絶縁基板、前記第1主面金属層、前記第2主面金属層、前記第1導電層、前記第2導電層、前記第1半導体素子、および、前記第2半導体素子を覆う封止部材をさらに備えている、請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項9】
前記封止部材に覆われた接続部材をさらに備えており、
前記第1半導体素子は、前記第1導電層に導通する第1裏面電極と、前記第1方向において前記第1裏面電極から離間する第1主面電極とを含み、
前記第1主面電極と前記第2導電層とは、前記接続部材を介して互いに導通する、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2半導体素子は、前記第2導電層に導通する第2裏面電極と、前記第1方向において前記第2裏面電極から離間する第2主面電極とを含む、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1導電層を介して、前記第1裏面電極に導通する第1入力端子と、
前記第2主面電極に導通する第2入力端子と、
前記第2導電層に導通する出力端子と、をさらに備えており、
前記第1入力端子、前記第2入力端子、および、前記出力端子はそれぞれ、一部が前記封止部材から露出している、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1導電層および前記第2導電層は、グラファイトから構成される、請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項13】
前記絶縁基板は、セラミックから構成される、請求項1ないし請求項12のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記絶縁基板は、線膨張係数に異方性がある樹脂材料から構成され、
前記絶縁基板の相対的に線膨張係数の大きい方向と、前記第1導電層および前記第2導電層の各々の相対的に線膨張係数の大きい方向とが略一致する、請求項1ないし請求項12のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項15】
第1方向において離間する第1主面および第1裏面を有する絶縁基板と、
各々が前記第1主面に配置され、かつ、互いに離間した第1主面金属層および第2主面金属層と、
前記第1裏面に配置された裏面金属層と、
前記第1主面金属層上に配置された第1導電層と、
前記第2主面金属層上に配置された第2導電層と、
前記第1導電層上に配置され、前記第1導電層に導通する第1半導体素子と、
前記第2導電層上に配置され、前記第2導電層に導通する第2半導体素子と、を備えており、
前記第1主面金属層および前記第2主面金属層は、前記第1方向に直交する第2方向に並んでおり、かつ、各々が前記第1方向に見て前記裏面金属層に重なっており、
前記第1導電層および前記第2導電層はそれぞれ、線膨張係数に異方性があり、相対的に線膨張係数の大きい方向が、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿っており、
前記絶縁基板は、線膨張係数に異方性がある樹脂材料から構成され、相対的に線膨張係数の大きい方向が前記第3方向に沿っている、半導体装置。
【請求項16】
前記第1方向における前記絶縁基板の寸法は、前記第1方向における前記第1主面金属層、前記第2主面金属層および前記裏面金属層の各寸法と略同じである、請求項15に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記絶縁基板を構成する樹脂材料は、ヤング率が50GPa以下である、請求項14ないし請求項16のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項18】
第1方向において離間する第1主面および第1裏面を有する第1絶縁基板と、
前記第1方向において離間する第2主面および第2裏面を有する第2絶縁基板と、
前記第1主面に配置された第1主面金属層と、
前記第2主面に配置された第2主面金属層と、
前記第1裏面に配置された第1裏面金属層と、
前記第2裏面に配置された第2裏面金属層と、
前記第1主面金属層上に配置された第1導電層と、
前記第2主面金属層上に配置された第2導電層と、
前記第1導電層上に配置され、前記第1導電層に導通する第1半導体素子と、
前記第2導電層上に配置され、前記第2導電層に導通する第2半導体素子と、
を備えており、
前記第1絶縁基板および前記第2絶縁基板は、前記第1方向に直交する第2方向に離間して並んでおり、
前記第1主面金属層と前記第1裏面金属層とは、前記第1方向に見て互いに重なり、
前記第2主面金属層と前記第2裏面金属層とは、前記第1方向に見て互いに重なり、
前記第1導電層および前記第2導電層はそれぞれ、線膨張係数に異方性があり、相対的に線膨張係数の大きい方向が、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿っており、
前記第1絶縁基板および前記第2絶縁基板はそれぞれ、ヤング率が50GPa以下である樹脂材料から構成されている、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置(パワーモジュール)の一例が特許文献1に開示されている。この半導体装置は、半導体素子と、支持基板(セラミック基板)と、放熱部材とを備えている。支持基板は、半導体素子を支持する。支持基板は、絶縁性の基材と、基材の両面にそれぞれ積層された銅製の導体層とを含む。一方の導体層には、半導体素子が接合され、他方の導体層には放熱部材が接合されている。
【0003】
近年、半導体素子を備える半導体装置において、高放熱化(低熱抵抗化)が求められている。たとえば特許文献2に示すように、半導体装置の厚さ方向において半導体素子と支持基板との間にヒートスプレッダと呼ばれる部材が設けられる場合がある。ヒートスプレッダは、半導体素子が発する熱を拡散させる熱拡散板である。このヒートスプレッダとしては、一般的に銅やアルミニウムが用いられるが、銅やアルミニウムよりも熱伝導率が高いグラファイトが注目されている。銅の熱伝導率は約398W/mKであり、アルミニウムの熱伝導率は約236W/mKであるのに対して、グラファイトの熱伝導率は、約1500W/mKである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-220382号公報
【文献】特開2010-153639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
グラファイトは、六方晶系の結晶構造であって層状になっており、層に平行な方向への熱伝導率が相対的に高く、層に垂直な方向への熱伝導率が相対的に低い。たとえば、層に平行な方向の熱伝導率は約1500W/mkであり、層に直交する方向の熱伝導率は約5W/mKである。つまり、グラファイトは、熱伝導率に異方性がある。そのため、層に平行な方向が、熱を伝達させる方向に向くように配置される。熱を伝達させる方向とは、たとえば、従来の半導体装置において、半導体素子から支持基板に向かう方向(厚さ方向)である。
【0006】
グラファイトは、線膨張係数にも異方性があり、層に直交する方向の線膨張係数が、層に平行な方向の線膨張係数よりも大きい。たとえば、層に直交する方向の線膨張係数は約25ppm/Kであり、層に平行な方向の線膨張係数は約0ppm/Kである。したがって、厚さ方向に直交する平面において線膨張係数に差があり、この差によって支持基板に反りが発生することがあった。この支持基板の反りは、たとえば、半導体装置の製造時や半導体装置の動作時の熱サイクルにより発生しうる。支持基板の反りは、たとえば、半導体装置の各部材間の接合不良および導通不良の原因であり、半導体装置の信頼性を低下させる虞があった。
【0007】
本開示は、上記課題に鑑みて考え出されたものであり、その目的は、線膨張係数に異方性がある場合であっても、支持基板の反りを低減することができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の側面によって提供される半導体装置は、第1方向において離間する第1主面および第1裏面を有する絶縁基板と、各々が前記第1主面に配置され、かつ、互いに離間した第1主面金属層および第2主面金属層と、各々が前記第1裏面に配置され、かつ、互いに離間した第1裏面金属層および第2裏面金属層と、前記第1主面金属層上に配置された第1導電層と、前記第2主面金属層上に配置された第2導電層と、前記第1導電層上に配置され、前記第1導電層に導通する第1半導体素子と、前記第2導電層上に配置され、前記第2導電層に導通する第2半導体素子と、を備えている。前記第1主面金属層と前記第1裏面金属層とは、前記第1方向に見て互いに重なり、前記第2主面金属層と前記第2裏面金属層とは、前記第1方向に見て互いに重なる。前記第1主面金属層と前記第2主面金属層とは、前記第1方向に直交する第2方向に並んでいる。前記第1導電層および前記第2導電層はそれぞれ、線膨張係数に異方性があり、相対的に線膨張係数の大きい方向が、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿っている。前記第3方向における前記第1裏面金属層および前記第2裏面金属層の各寸法は、前記第3方向における前記第1主面金属層および前記第2主面金属層の各寸法よりも小さい。
【0009】
本開示の第2の側面によって提供される半導体装置は、第1方向において離間する第1主面および第1裏面を有する絶縁基板と、各々が前記第1主面に配置され、かつ、互いに離間した第1主面金属層および第2主面金属層と、前記第1裏面に配置された裏面金属層と、前記第1主面金属層上に配置された第1導電層と、前記第2主面金属層上に配置された第2導電層と、前記第1導電層上に配置され、前記第1導電層に導通する第1半導体素子と、前記第2導電層上に配置され、前記第2導電層に導通する第2半導体素子と、を備えている。前記第1主面金属層および前記第2主面金属層は、前記第1方向に直交する第2方向に並んでおり、かつ、各々が前記第1方向に見て前記裏面金属層に重なっている。前記第1導電層および前記第2導電層はそれぞれ、線膨張係数に異方性があり、相対的に線膨張係数の大きい方向が、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿っている。前記絶縁基板は、線膨張係数に異方性がある樹脂材料から構成され、相対的に線膨張係数の大きい方向が、前記第3方向に沿っている。
【0010】
本開示の第3の側面によって提供される半導体装置は、第1方向において離間する第1主面および第1裏面を有する第1絶縁基板と、前記第1方向において離間する第2主面および第2裏面を有する第2絶縁基板と、前記第1主面に配置された第1主面金属層と、前記第2主面に配置された第2主面金属層と、前記第1裏面に配置された第1裏面金属層と、前記第2裏面に配置された第2裏面金属層と、前記第1主面金属層上に配置された第1導電層と、前記第2主面金属層上に配置された第2導電層と、前記第1導電層上に配置され、前記第1導電層に導通する第1半導体素子と、前記第2導電層上に配置され、前記第2導電層に導通する第2半導体素子と、を備えている。前記第1絶縁基板および前記第2絶縁基板は、前記第1方向に直交する第2方向に離間して並んでいる。前記第1主面金属層と前記第1裏面金属層とは、前記第1方向に見て互いに重なる。前記第2主面金属層と前記第2裏面金属層とは、前記第1方向に見て互いに重なる。前記第1導電層および前記第2導電層はそれぞれ、線膨張係数に異方性があり、相対的に線膨張係数の大きい方向が、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿っている。前記第1絶縁基板および前記第2絶縁基板はそれぞれ、ヤング率が50GPa以下である樹脂材料から構成されている。
【発明の効果】
【0011】
本開示の半導体装置によれば、線膨張係数に異方性がある場合であっても、支持基板の反りを低減することができるので、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態にかかる半導体装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1の斜視図において、封止部材を省略した図である。
【
図3】第1実施形態にかかる半導体装置を示す平面図である。
【
図4】
図2に示す平面図において、封止部材を省略したものである。
【
図7】第1実施形態にかかる半導体装置を示す正面図である。
【
図8】第1実施形態にかかる半導体装置を示す底面図である。
【
図9】第1実施形態にかかる半導体装置を示す左側面図である。
【
図10】第1実施形態にかかる半導体装置を示す右側面図である。
【
図12】
図4のXII-XII線に沿う断面図である。
【
図14】
図4のXIV-XIV線に沿う断面図である。
【
図16】第1実施形態の変形例にかかる半導体装置を示す斜視図である。
【
図17】第1実施形態の変形例にかかる半導体装置を示す平面図であって、一部を抜粋した図である。
【
図18】第2実施形態にかかる半導体装置を示す平面図である。
【
図21】第3実施形態にかかる半導体装置を示す平面図である。
【
図22】
図21に示す平面図において、一部を抜粋した図である。
【
図23】
図21のXXIII-XXIII線に沿う断面図である。
【
図24】第4実施形態にかかる半導体装置を示す断面図である。
【
図25】第4実施形態にかかる半導体装置を示す底面図である。
【
図26】第5実施形態にかかる半導体装置を示す断面図である。
【
図27】第5実施形態にかかる半導体装置を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の半導体装置および半導体装置の製造方法について、図面を参照して、以下に説明する。以下では、同一あるいは類似の要素については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0014】
本開示において、「ある物Aがある物Bに形成されている」および「ある物Aがある物B上に形成されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接形成されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに形成されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物Bに配置されている」および「ある物Aがある物B上に配置されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接配置されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに配置されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物B上に位置している」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに接して、ある物Aがある物B上に位置していること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物が介在しつつ、ある物Aがある物B上に位置していること」を含む。また、「ある物Aがある物Bにある方向に見て重なる」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bのすべてに重なること」、および、「ある物Aがある物Bの一部に重なること」を含む。
【0015】
図1~
図15は、本開示の第1実施形態にかかる半導体装置を示している。図示された半導体装置A1は、複数の半導体素子10、支持基板20、2つの入力端子31,32、出力端子33、一対のゲート端子34A,34B、一対の検出端子35A,35B、複数のダミー端子36および一対の側方端子37A,37B、複数の土台部41、複数の線状接続部材51、複数の板状接続部材52および封止部材60を備えている。
【0016】
図1は、半導体装置A1を示す斜視図である。
図2は、
図1の斜視図において封止部材60を省略した図である。
図3は、半導体装置A1を示す平面図である。
図4は、
図3の平面図において封止部材60を想像線(二点鎖線)で示している。
図5は、
図4の一部を拡大した部分拡大図である。
図6は、
図4の平面図において一部の構成要素を抜粋した図である。
図7は、半導体装置A1を示す正面図である。
図8は、半導体装置A1を示す底面図である。
図9は、半導体装置A1を示す側面図(左側面図)である。
図10は、半導体装置A1を示す側面図(右側面図)である。
図11は、
図4のXI-XI線に沿う断面図である。
図12は、
図4のXII-XII線に沿う断面図である。
図13は、
図12の一部を拡大した部分拡大図である。
図14は、
図4のXIV-XIV線に沿う断面図である。
図15は、
図4のXV-XV線に沿う断面図である。
【0017】
便宜上、
図1~
図14において、互いに直交する3つの方向(x方向、y方向、z方向)を参照して説明する。x方向は、半導体装置A1の平面図(
図2および
図3参照)における左右方向である。y方向は、半導体装置A1の平面図(
図2および
図3参照)における上下方向である。必要に応じて、x方向の一方をx1方向、x方向の他方をx2方向とする。同様に、y方向の一方をy1方向、y方向の他方をy2方向とし、z方向の一方をz1方向、z方向の他方をz2方向とする。なお、z1方向を下、z2方向を上という場合もある。また、z方向の寸法を「厚み」あるいは「厚さ」という場合もある。
【0018】
複数の半導体素子10はそれぞれ、SiC(炭化ケイ素)を主とする半導体材料を用いて構成されている。当該半導体材料は、SiCに限定されず、Si(シリコン)、GaAs(ヒ化ガリウム)あるいはGaN(窒化ガリウム)などであってもよい。複数の半導体素子10はそれぞれ、たとえば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。各半導体素子10は、MOSFETに限定されず、MISFET(Metal-Insulator-Semiconductor FET)を含む電界効果トランジスタや、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のようなバイポーラトランジスタ、LSIなどのICチップ、ダイオード、コンデンサなどであってもよい。複数の半導体素子10は、いずれも同一素子であり、かつ、たとえばnチャネル型のMOSFETである。各半導体素子10は、z方向に見て(以下、「平面視」ともいう。)、たとえば矩形状であるが、本開示はこれに限定されない。各半導体素子10は、たとえば、その厚さが50~370μm程度である。
【0019】
複数の半導体素子10は、複数の半導体素子10Aおよび複数の半導体素子10Bを含んでいる。半導体装置A1は、
図2および
図4に示すように、4つの半導体素子10Aおよび4つの半導体素子10Bを含んでいる。半導体素子10の数は、本構成に限定されず、半導体装置A1に要求される性能に応じて適宜変更されうる。半導体装置A1が、たとえばハーフブリッジ型のスイッチング回路である場合、複数の半導体素子10Aは、このスイッチング回路における上アーム回路を構成し、複数の半導体素子10Bは、このスイッチング回路における下アーム回路を構成する。
【0020】
複数の半導体素子10Aの各々は、
図2、
図4、
図5および
図12に示すように、支持基板20(後述する導電部材24A)に搭載されている。複数の半導体素子10Aは、y方向に沿って並んでおり、互いに離間している。各半導体素子10Aは、
図4、
図5および
図1 2に示すように、導電性接合材19Aを介して、支持基板20(導電部材24A)に導通接合されている。導電性接合材19Aは、たとえばはんだあるいは金属ペースト、焼結金属などのいずれかである。
【0021】
複数の半導体素子10Bの各々は、
図2、
図4、
図5および
図11に示すように、支持基板20(後述する導電部材24B)に搭載されている。複数の半導体素子10Bは、y方向に沿って並んでおり、互いに離間している。各半導体素子10Bは、
図4、
図5および
図11に示すように、導電性接合材19Bを介して、支持基板20(導電部材24B)に導通接合されている。導電性接合材19Bは、導電性接合材19Aと同様に、たとえばはんだあるいは金属ペースト、焼結金属などのいずれかである。
図4に示す例では、複数の半導体素子10Aと複数の半導体素子10Bとは、x方向に見て交互に並んで配置されているが、複数の半導体素子10Aと複数の半導体素子10Bとは、x方向に見て重なるように配置されていてもよい。
【0022】
複数の半導体素子10(複数の半導体素子10Aおよび複数の半導体素子10B)はそれぞれ、
図11~
図13に示すように、素子主面101および素子裏面102を有する。
図13においては、半導体素子10Aが示されているが、半導体素子10Bも同等に構成されている。各半導体素子10において、素子主面101および素子裏面102は、z方向において離間している。素子主面101は、z2方向を向き、素子裏面102は、z1方向を向く。各半導体素子10Aの素子裏面102は、導電部材24Aに対向する。各半導体素子10Bの素子裏面102は、導電部材24Bに対向する。
【0023】
複数の半導体素子10の各々は、
図5および
図13に示すように、主面電極11、裏面電極12および絶縁膜13を有する。
【0024】
主面電極11は、素子主面101に設けられている。主面電極11は、
図4および
図11に示すように、第1電極111および第2電極112を含む。第1電極111は、たとえばソース電極であって、ソース電流が流れる。第2電極112は、たとえばゲート電極であって、各半導体素子10を駆動させるためのゲート電圧が印加される。第1電極111は、第2電極112よりも大きい。
図5に示す例においては、第1電極111は、1つの領域で構成されているが、複数の領域に分割されていてもよい。
【0025】
裏面電極12は、
図13に示すように、素子裏面102に設けられている。裏面電極12は、素子裏面102の全体にわたって形成されている。裏面電極12は、たとえばドレイン電極であって、ドレイン電流が流れる。
【0026】
絶縁膜13は、
図5および
図13に示すように、素子主面101に設けられている。絶縁膜13は、電気絶縁性を有する。絶縁膜13は、平面視において主面電極11を囲んでいる。絶縁膜13は、第1電極111と第2電極112とを絶縁する。絶縁膜13は、たとえばSiO
2(二酸化ケイ素)層、SiN
4(窒化ケイ素)層、ポリベンゾオキサゾール層が、素子主面101からこの順番で積層されたものである。絶縁膜13の構成は、上記したものに限定されず、たとえば、ポリベンゾオキサゾール層に代えてポリイミド層を用いてもよい。
【0027】
支持基板20は、複数の半導体素子10を支持する。支持基板20は、絶縁基板21、一対の主面金属層22A,22B、一対の裏面金属層23A,23B、一対の導電部材24A,24B、一対の絶縁層25A,25B、一対のゲート層26A,26Bおよび一対の検出層27A,27Bを含んでいる。絶縁基板21、一対の主面金属層22A,22B、および、一対の裏面金属層23A,23Bは、いわゆるDBC(Direct Bonded Copper)基板によって構成されている。本実施形態においては、DBC基板である場合を示すが、これに限定されず、たとえばDBA(Direct Bonded Aluminum)基板であってもよい。
【0028】
絶縁基板21は、各主面金属層22A,22Bと各裏面金属層23A,23Bとを絶縁する。絶縁基板21の構成材料は、たとえば熱伝導性に優れたセラミックである。このようなセラミックとしては、たとえばAlN(窒化アルミニウム)、SiN(窒化ケイ素)、Al
2O
3(酸化アルミニウム)などが用いられる。絶縁基板21の厚さは、たとえば0.32mm程度である。絶縁基板21は、
図4に示すように、平面視矩形状である。絶縁基板21は、1つの平板状である。
【0029】
絶縁基板21は、
図11、
図12、
図14および
図15に示すように、主面211および裏面212を有している。主面211と裏面212とは、z方向において離間している。主面211は、z2方向を向き、裏面212はz1方向を向く。主面211には、一対の主面金属層22A,22Bが配置されている。裏面212には、一対の裏面金属層23A,23Bが配置されている。
【0030】
一対の主面金属層22A,22Bはそれぞれ、
図11、
図12、
図14および
図15に示すように、絶縁基板21の主面211に配置されている。一対の主面金属層22A,22Bは、互いに離間しており、x方向に並んでいる。各主面金属層22A,22Bの構成材料は、たとえばCu(銅)あるいはCu合金、Al(アルミニウム)である。各主面金属層22A,22Bの厚さは、たとえば0.2mm程度である。各主面金属層22A,22Bは、平面視において略矩形状である。各主面金属層22A,22Bは、たとえば、x方向寸法が20mm程度であり、y方向寸法が30mm程度である。
【0031】
各主面金属層22A,22Bは、
図6および
図8に示すように、一対の端縁221,222および一対の端縁223,224を有している。一対の端縁221,222は、各々が平面視においてy方向に延びている。一対の端縁221,222は、互いにx方向に離間している。端縁222は、端縁221よりもx2方向に位置する。
図6および
図8に示す例では、一対の端縁221,222は、略平行である。一対の端縁223,224は、各々が平面視においてx方向に延びている。一対の端縁223,224は、互いにy方向に離間している。端縁224は、端縁223よりもy2方向に位置する。
図6および
図8に示す例では、各主面金属層22A,22Bが平面視矩形状であるので、一対の端縁221,222および一対の端縁223,224はそれぞれ、略平行である。
【0032】
一対の裏面金属層23A,23Bはそれぞれ、
図11、
図12、
図14および
図15に示すように、絶縁基板21の裏面212に配置されている。一対の裏面金属層23A,23Bは、互いに離間しており、x方向に沿って並んでいる。各裏面金属層23A,23Bは、下面(z1方向を向く面)が封止部材60から露出している。各裏面金属層23A,23Bの下面には、たとえばヒートシンク(図示略)などが接続されうる。各裏面金属層23A,23Bの構成材料は、各主面金属層22A,22Bと同じである。つまり、各裏面金属層23A,23Bの構成材料は、たとえばCuあるいはCu合金、Alである。各裏面金属層23A,23Bの厚さは、たとえば0.2mm程度である。各裏面金属層23A,2 3Bは、平面視において略矩形状である。各裏面金属層23A,23Bは、たとえば、x方向寸法が20mm程度であり、y方向寸法が23mm程度である。各裏面金属層23A,23Bのy方向の寸法は、上記した値(23mm)に限定されず、各主面金属層22A,22Bのy方向の寸法の75~90%程度であることが好ましい。
【0033】
各裏面金属層23A,23Bは、
図6および
図8に示すように、一対の端縁231,232および一対の端縁233,234を有している。一対の端縁231,232は、各々が平面視においてy方向に延びている。一対の端縁231,232は、互いにx方向に離間している。端縁232は、端縁231よりもx2方向に位置する。一対の端縁233,234は、各々が平面視においてx方向に延びている。一対の端縁233,234は、互いにy方向に離間している。端縁234は、端縁233よりもy2方向に位置する。
図6および
図8に示す例では、各裏面金属層23A,23Bが平面視矩形状であるので、一対の端縁231,232および一対の端縁233,234はそれぞれ、略平行である。
【0034】
図6に示すように、裏面金属層23Aの端縁233は、平面視において、複数の半導体素子10Aのうち最もy1方向に位置する半導体素子10Aに重なっている。裏面金属層23Bの端縁234は、平面視において、複数の半導体素子10Bのうち最もy2方向に位置する半導体素子10Bに重なっている。
【0035】
支持基板20において、
図6および
図8に示すように、主面金属層22Aと裏面金属層23Aとは、平面視において重なり、主面金属層22Bと裏面金属層23Bとは、平面視において重なっている。特に、
図6に示す例では、平面視において、各主面金属層22A,22Bのy方向中央と、各裏面金属層23A,23Bのy方向中央とは、重なっている。各裏面金属層23A,23Bの端縁231は、平面視において、各主面金属層22A,22Bの端縁221に重なり、各裏面金属層23A,23Bの端縁232は、平面視において、各主面金属層22A,22Bの端縁222に重なる。また、各裏面金属層23A,23Bの端縁233は、平面視において、各主面金属層22A,22Bに重なっており、各主面金属層22A,22Bの端縁223よりもy2方向に位置する。各裏面金属層23A,23Bの端縁234は、平面視において、各主面金属層22A,22Bに重なっており、各主面金属層22A,22Bの端縁224よりもy1方向に位置する。
【0036】
一対の導電部材24A,24Bは、
図4、
図11および
図12に示すように、互いに離間しており、x方向に並んでいる。導電部材24Aは、主面金属層22A上に配置され、導電部材24Bは、主面金属層22B上に配置されている。導電部材24Aには、複数の半導体素子10Aが配置されており、導電部材24Bには、複数の半導体素子10Bが配置されている。導電部材24Aは、導電層241Aおよび2つの金属層242A,243Aを含んでおり、導電部材24Bは、導電層241Bおよび2つの金属層242B,243Bを含んでいる。
【0037】
各導電層241A,241Bは、たとえばグラファイトから構成される。グラファイトは、上述のとおり、六方晶系の結晶構造であって層状になっており、層に平行な方向と層に直交する方向とでは熱伝導率に異方性がある。層に平行な方向の熱伝導率は約1500W/mKであり、層に直交する方向の熱伝導率は約5W/mKである。各導電層241A,241Bは、層に平行な方向がz方向に沿って配置されている。また、グラファイトは、上述のとおり、線膨張係数に異方性がある。層に平行な方向の線膨張係数は約0ppm/Kであり、層に直交する方向の線膨張係数は約25ppm/Kである。各導電層241 A,241Bは、層に直交する方向がy方向に沿って配置されている。よって、各導電層241A,241Bは、y方向の線膨張係数が約25ppm/Kとなり、x方向の線膨張係数が約0ppm/Kとなる向きに配置されている。つまり、各導電層241A,241Bは、相対的に線膨張係数の大きい方向がy方向に沿って配置されている。各導電層241A,241Bの厚さは、たとえば2.0mm程度である。
【0038】
各金属層242A,242Bは、
図11~
図15に示すように、各導電層241A,241Bの上面(z2方向を向く面)に配置されている。各金属層242A,242Bの構成材料は、たとえばCuあるいはCu合金である。各金属層242A,242Bは、各導電部材24A,24Bと各半導体素子10A,10Bとの接合を良好にするために設けられている。各金属層242A,242Bの厚さは、たとえば0.1~0.5mm程度である。
【0039】
各金属層243A,243Bは、
図11~
図15に示すように、各導電層241A,241Bの下面(z1方向を向く面)に配置されている。各金属層243A,243Bの構成材料は、たとえばCuあるいはCu合金である。各金属層243A,243Bは、各導電部材24A,24Bと各主面金属層22A,22Bとの接合を良好にするために設けられている。各金属層243A,243Bの厚さは、たとえば0.1~0.5mm程度である。
【0040】
図11~
図14に示すように、導電部材24A(金属層243A)と主面金属層22Aとの間には、導電性接合層29Aが介在している。導電部材24Aは、導電性接合層29Aによって主面金属層22Aに接合されている。
図11、
図12および
図15に示すように、導電部材24B(金属層243B)と主面金属層22Bとの間には、導電性接合層29Bが介在している。導電部材24Bは、導電性接合層29Bによって主面金属層22Bに接合されている。各導電性接合層29A,29Bは、たとえばはんだあるいは金属ペースト、焼結金属などのいずれかである。
【0041】
一対の絶縁層25A,25Bは、電気絶縁性を有しており、その構成材料は、たとえばガラスエポキシ樹脂である。一対の絶縁層25A,25Bは、
図4に示すように、各々がy方向に延びる帯状である。絶縁層25Aは、
図4、
図5および
図12に示すように、導電部材24Aに接合されている。絶縁層25Aは、複数の半導体素子10Aよりもx2方向に位置する。絶縁層25Bは、
図4、
図5および
図11に示すように、導電部材24Bに接合されている。絶縁層25Bは、複数の半導体素子10Bよりもx1方向に位置する。
【0042】
一対のゲート層26A,26Bは、導電性を有しており、その構成材料は、たとえばCuあるいはCu合金である。一対のゲート層26A,26Bは、
図4に示すように、各々がy方向に延びる帯状である。ゲート層26Aは、
図4、
図5および
図12に示すように、絶縁層25A上に配置されている。ゲート層26Aは、線状接続部材51(後述するゲートワイヤ511)を介して、各半導体素子10Aの第2電極112(ゲート電極)に導通する。ゲート層26Bは、
図4、
図5および
図11に示すように、絶縁層25B上に配置されている。ゲート層26Bは、線状接続部材51(後述するゲートワイヤ511)を介して、各半導体素子10Bの第2電極112(ゲート電極)に導通する。
【0043】
一対の検出層27A、27Bは、導電性を有しており、その構成材料は、たとえばCuあるいはCu合金である。一対の検出層27A,27Bは、
図4に示すように、各々がy方向に延びる帯状である。検出層27Aは、
図4、
図5および
図12に示すように、ゲート層26Aとともに絶縁層25A上に配置されている。検出層27Aは、平面視において、絶縁層25A上において、ゲート層26Aの隣に位置し、ゲート層26Aから離間している。
図4、
図5および
図12に示す例では、検出層27Aは、ゲート層26Aよりもx1方向に位置しており、ゲート層26Aよりも複数の半導体素子10Aの近くに配置されている。ゲート層26Aと検出層27Aとのx方向における配置は、反対であってもよい。検出層27Aは、線状接続部材51(後述する検出ワイヤ512)を介して、各半導体素子10Aの第1電極111(ソース電極)に導通する。検出層27Bは、
図4、
図5および
図11に示すように、ゲート層26Bとともに絶縁層25B上に配置されている。検出層27Bは、平面視において、絶縁層25B上において、ゲート層26Bの隣に位置し、ゲート層26Bから離間している。
図4、
図5および
図11に示す例では、検出層27Bは、ゲート層26Bよりもx2方向に位置しており、ゲート層26Bよりも複数の半導体素子10Bの近くに配置されている。ゲート層26Bと検出層27Bとのx方向における配置は、反対であってもよい。検出層27Bは、線状接続部材51(後述する検出ワイヤ512)を介して、各半導体素子10Bの第1電極111(ソース電極)に導通する。
【0044】
2つの入力端子31,32はそれぞれ、金属板である。当該金属板の構成材料は、CuまたはCu合金である。2つの入力端子31,32はともに、z方向の寸法がたとえば0.8mm程度であるが、これに限定されない。2つの入力端子31,32はともに、
図1、
図4、
図11および
図12に示すように、半導体装置A1においてx2方向寄りに位置する。2つの入力端子31,32の間には、たとえば電源電圧が印加される。入力端子31,32には、図示しない電源(図示略)から直接電源電圧が印加されてもよいし、入力端子31,32を挟み込むようにバスバー(図示略)を接続し、当該バスバーを介して、印加されてもよい。また、スナバ回路などを並列に接続してもよい。入力端子31は、正極(P端子)であり、入力端子32は、負極(N端子)である。入力端子32は、z方向において、入力端子31および支持基板20(導電部材24A)の双方に対して離間して配置されている。
【0045】
入力端子31は、
図4および
図11に示すように、パッド部311および端子部312を有する。
【0046】
パッド部311は、入力端子31のうち、封止部材60に覆われた部分である。
図4に示す例では、パッド部311のx1方向側の端部は、平面視櫛歯状であるが、櫛歯状ではなく、たとえば平面視矩形状であってもよい。パッド部311は、この櫛歯状の部分が導電部材24A(金属層242A)に導通接合されている。パッド部311と導電部材24Aとの接合は、レーザ接合、超音波接合、あるいは、導電性接合材を用いた接合のいずれであってもよい。
【0047】
端子部312は、入力端子31のうち、封止部材60から露出した部分である。端子部312は、
図4、
図7、
図8、
図10および
図11に示すように、平面視において、封止部材60からx2方向に延びている。
【0048】
入力端子32は、
図4および
図11に示すように、パッド部321および端子部322を有する。
【0049】
パッド部321は、入力端子32のうち、封止部材60に覆われた部分である。パッド部321は、
図4に示すように、連結部321aおよび複数の延出部321bを含んでいる。連結部321aは、y方向に延びる帯状である。連結部321aは、端子部322に繋がっている。複数の延出部321bは、連結部321aからx1方向に向けて延びる帯状である。複数の延出部321bは、互いに離間しており、かつ、平面視においてy方向に並んでいる。各延出部321bは、その先端部分が平面視において各土台部41に重なり、各土台部41に接合されている。当該接合は、レーザ光を用いたレーザ溶接であってもよいし、超音波接合であってもよいし、接合材を用いた接合であってもよい。上記先端部分は、延出部321bのうち、x方向において連結部321aに繋がる側と反対側であって、x1方向側の端縁部分である。
【0050】
端子部322は、入力端子32のうち、封止部材60から露出した部分である。端子部322は、
図3、
図4および
図8に示すように、平面視において、封止部材60からx2方向に延びている。端子部322は、平面視矩形状である。端子部322は、
図3、
図4および
図8に示すように、平面視において、入力端子31の端子部312に重なっている。端子部322は、端子部312に対して、z2方向に離間している。端子部322の形状は、たとえば端子部312の形状と同一である。
【0051】
出力端子33は、金属板である。当該金属板の構成材料は、たとえばCuまたはCu合金である。出力端子33は、
図1、
図3、
図4、
図7、
図8および
図11に示すように、半導体装置A1においてx1方向寄りに位置する。複数の半導体素子10により電力変換された交流電力(電圧)は、この出力端子33から出力される。
【0052】
出力端子33は、
図4および
図11に示すように、パッド部331および端子部332を含んでいる。
【0053】
パッド部331は、出力端子33のうち、封止部材60に覆われた部分である。
図4に示す例では、パッド部331のx2方向側の部分は、平面視櫛歯状であるが、櫛歯状ではなく、たとえば平面視矩形状であってもよい。パッド部331は、この櫛歯状の部分が導電部材24B(金属層242B)に導通接合されている。パッド部331と導電部材24Bとの接合は、レーザ接合、超音波接合、あるいは、導電性接合材を用いた接合のいずれであってもよい。
【0054】
端子部332は、出力端子33のうち、封止部材60から露出した部分である。端子部332は、
図3、
図4、
図7、
図8、
図11および
図12に示すように、封止部材60からx1方向に延び出ている。
【0055】
一対のゲート端子34A,34Bは、
図2、
図4および
図5に示すように、y方向において、各導電部材24A,24Bの隣に位置する。ゲート端子34Aには、複数の半導体素子10Aを駆動させるためのゲート電圧が印加される。ゲート端子34Bには、複数の半導体素子10Bを駆動させるためのゲート電圧が印加される。
【0056】
一対のゲート端子34A,34Bはともに、
図5に示すように、パッド部341および端子部342を有する。各ゲート端子34A,34Bにおいて、パッド部341は、封止部材60に覆われている。これにより、各ゲート端子34A,34Bは、封止部材60に支持されている。パッド部341の表面には、たとえば銀めっきが施されていてもよい。端子部342は、パッド部341に繋がり、かつ、封止部材60から露出している。端子部342は、x方向に見て、L字状をなしている。
【0057】
一対の検出端子35A,35Bは、
図2、
図4および
図5に示すように、x方向において一対のゲート端子34A,34Bの隣に位置する。検出端子35Aから、複数の半導体素子10Aの各主面電極11(第1電極111)に印加される電圧(ソース電流に対応し た電圧)が検出される。検出端子35Bから、複数の半導体素子10Bの各主面電極11(第1電極111)に印加される電圧(ソース電流に対応した電圧)が検出される。
【0058】
一対の検出端子35A,35Bはともに、
図5に示すように、パッド部351および端子部352を有する。各検出端子35A,35Bにおいて、パッド部351は、封止部材60に覆われている。これにより、各検出端子35A,35Bは、封止部材60に支持されている。パッド部351の表面には、たとえば銀めっきが施されていてもよい。端子部352は、パッド部351に繋がり、かつ、封止部材60から露出している。端子部352は、x方向に見て、L字状をなしている。
【0059】
複数のダミー端子36は、
図2、
図4および
図5に示すように、x方向において一対の検出端子35A,35Bに対して一対のゲート端子34A,34Bとは反対側に位置する。半導体装置A1では、ダミー端子36の数は6つである。このうち3つのダミー端子36は、x方向の一方側(x2方向)に位置する。残り3つのダミー端子36は、x方向の他方側(x1方向)に位置する。複数のダミー端子36の数および配置は、上記した構成に限定されない。また、複数のダミー端子36を備えない構成としてもよい。
【0060】
複数のダミー端子36の各々は、
図5に示すように、パッド部361および端子部362を有する。各ダミー端子36において、パッド部361は、封止部材60に覆われている。これにより、複数のダミー端子36は、封止部材60に支持されている。パッド部361の表面には、たとえば銀めっきが施されていてもよい。端子部362は、パッド部361に繋がり、かつ、封止部材60から露出している。端子部362は、x方向に見て、L字状をなしている。なお、端子部362の形状は、一対のゲート端子34A,34Bの各端子部342の形状、および、一対の検出端子35A,35Bの各端子部352の形状と同一である。
【0061】
一対の側方端子37A,37Bは、
図2および
図4に示すように、平面視において、封止部材60のy1方向側の端縁部分であり、かつ、封止部材60のx方向の各端縁部分に重なっている。側方端子37Aは、導電部材24Aに接合されており、x2方向を向く端面を除いて、封止部材60に覆われている。側方端子37Bは、導電部材24Bに接合されており、x1方向を向く端面を除いて封止部材60に覆われている。各側方端子37A,37Bは、平面視において、そのすべてが封止部材60に重なる。側方端子37A,37Bの接合方法は、接合材を用いた接合、レーザ接合、あるいは、超音波接合のいずれであってもよい。各側方端子37A,37Bは、一部が平面視において屈曲しており、また、他の一部がz方向に屈曲している。なお、各側方端子37A,37Bの構成は、これに限定されず、平面視において封止部材60からそれぞれ突き出るまで延びていてもよい。また、半導体装置A1は、各側方端子37A,37Bを備えていなくてもよい。
【0062】
一対のゲート端子34A,34B、一対の検出端子35A,35Bおよび複数のダミー端子36は、
図1~5、
図7および
図8に示すように、平面視において、x方向に沿って配列されている。半導体装置A1において、一対のゲート端子34A,34B、一対の検出端子35A,35B、複数のダミー端子36および一対の側方端子37A,37Bは、いずれも同一のリードフレームから形成される。
【0063】
絶縁板39は、電気絶縁性を有しており、その構成材料は、たとえばシート状の絶縁部材である。絶縁板39の一部は、平板であって、
図4、
図7、
図10、
図11および
図12に示すように、z方向において入力端子31の端子部312と、入力端子32の端子部322とに挟まれている。平面視において、入力端子31は、その全部が絶縁板39に重なっている。また、平面視において、入力端子32は、パッド部321の一部と端子部322の全部とが絶縁板39に重なっている。絶縁板39により、2つの入力端子31,32が互いに絶縁されている。絶縁板39の一部(x1方向側の部分)は、封止部材60に覆われている。
【0064】
絶縁板39は、
図11に示すように、介在部391および延出部392を有する。介在部391は、z方向において、入力端子31の端子部312と、入力端子32の端子部322との間に介在する。介在部391は、その全部が端子部312と端子部322とに挟まれている。延出部392は、介在部391から端子部312および端子部322よりもさらに、x2方向に向けて延びている。
【0065】
複数の土台部41の各々は、電気絶縁性を有しており、その構成材料は、たとえばセラミックである。各土台部41は、
図11に示すように、導電部材24Aの表面に接合されている。各土台部41は、たとえば平面視矩形状である。複数の土台部41は、y方向に並んでおり、互いに離間している。各土台部41のz方向の寸法は、入力端子31のz方向の寸法と絶縁板39のz方向の寸法との合計と略同じである。各土台部41には、入力端子32のパッド部321の各延出部321bが接合されている。各土台部41は、入力端子32が支持基板20に略平行となるように、入力端子32を支持している。
【0066】
複数の線状接続部材51は、いわゆるボンディングワイヤである。複数の線状接続部材51はそれぞれ、導電性を有しており、その構成材料は、たとえばAl、Cu、クラッド材、またはこれら1つ以上を有する合金のいずれかである。複数の線状接続部材51は、
図4および
図5に示すように、複数のゲートワイヤ511、複数の検出ワイヤ512、一対の第1接続ワイヤ513、および、一対の第2接続ワイヤ514を含んでいる。
【0067】
複数のゲートワイヤ511はそれぞれ、
図4および
図5に示すように、各半導体素子10の第2電極112(ゲート電極)と、一対のゲート層26A,26Bのいずれかとに接合されている。複数のゲートワイヤ511には、各半導体素子10Aの第2電極112とゲート層26Aとを導通させるものと、各半導体素子10Bの第2電極112とゲート層26Bとを導通させるものとがある。
【0068】
複数の検出ワイヤ512はそれぞれ、
図4、
図5、
図11および
図12に示すように、各半導体素子10の第1電極111(ソース電極)と、一対の検出層27A,27Bのいずれかとに接合されている。複数の検出ワイヤ512には、各半導体素子10Aの第1電極111と検出層27Aとを導通させるものと、各半導体素子10Bの第1電極111と検出層27Bとを導通させるものとがある。
【0069】
一対の第1接続ワイヤ513は、
図4および
図5に示すように、その一方がゲート層26Aとゲート端子34Aとを導通させ、その他方がゲート層26Bとゲート端子34Bとを導通させる。一方の第1接続ワイヤ513は、ゲート層26Aと、ゲート端子34Aのパッド部341とに接合されている。他方の第1接続ワイヤ513は、ゲート層26Bと、ゲート端子34Bのパッド部341とに接続されている。
【0070】
一対の第2接続ワイヤ514は、
図4および
図5に示すように、その一方が検出層27Aと検出端子35Aとを導通させ、その他方が検出層27Bと絶縁層25Bとを導通させる。一方の第2接続ワイヤ514は、検出層27Aと、検出端子35Aのパッド部351とに接合されている。他方の第2接続ワイヤ514は、検出層27Bと、検出端子35Bのパッド部351とに接合されている。
【0071】
複数の板状接続部材52はそれぞれ、導電性を有しており、その構成材料は、たとえばCu、Cu合金、CuMo(銅モリブデン)の複合材、CIC(Copper-Inver-Copper)の複合材などである。各板状接続部材52は、板状の金属板が折り曲げられて形成されうる。複数の板状接続部材52は、
図4および
図5に示すように、複数の第1リード521および複数の第2リード522を含んでいる。半導体装置A1において、複数の板状接続部材52の代わりに、線状接続部材51と同様のボンディングワイヤを用いてもよい。
【0072】
複数の第1リード521はそれぞれ、
図4、
図5および
図12に示すように、各半導体素子10Aと導電部材24Bとを導通させる。各第1リード521は、各半導体素子10Aの第1電極111(ソース電極)と、導電部材24Bの金属層242Bとに接合されている。各第1リード521は、たとえば、はんだおよび銀ペーストなどの導電性接合材による接合であるが、超音波接合やレーザ接合などであってもよい。各第1リード521は、部分的にz方向に屈曲している。
【0073】
複数の第2リード522はそれぞれ、
図4、
図5および
図11に示すように、各半導体素子10Bと入力端子32とを接続する。各第2リード522は、各半導体素子10Bの第1電極111(ソース電極)と、入力端子32のパッド部321の各延出部321bとに接合されている。各第2リード522は、たとえば、はんだおよび銀ペーストなどの導電性接合材による接合であるが、超音波接合やレーザ接合などであってもよい。各第2リード522は、部分的にz方向に屈曲している。
【0074】
封止部材60は、
図1、
図3~
図5および
図7~
図15に示すように、複数の半導体素子10、支持基板20の一部、2つの入力端子31,32の一部ずつ、出力端子33の一部、一対のゲート端子34A,34Bの一部ずつ、一対の検出端子35A,35Bの一部ずつ、複数のダミー端子36の一部ずつ、一対の側方端子37A,37Bの一部ずつ、複数の土台部41、複数の線状接続部材51および複数の板状接続部材52を覆っている。封止部材60の構成材料は、絶縁性の樹脂材であり、たとえばエポキシ樹脂である。封止部材60は、たとえばトランスファモールド成形によって形成されうる。封止部材60のz方向の寸法は、たとえば10mm程度である。封止部材60は、
図1、
図3~
図5、
図7~
図12、
図14および
図15に示すように、樹脂主面61、樹脂裏面62および複数の樹脂側面631~634を有している。
【0075】
樹脂主面61および樹脂裏面62は、
図7、
図9~
図12、
図14および
図15に示すように、z方向において、離間している。樹脂主面61は、z1方向を向き、樹脂裏面62は、z2方向を向く。樹脂裏面62は、
図8に示すように、平面視において、一対の裏面金属層23A,23Bを囲む枠状である。複数の樹脂側面631~634はそれぞれ、樹脂主面61および樹脂裏面62の両方に繋がり、かつ、z方向においてこれらに挟まれている。
図3、
図4、
図7、
図8、
図11および
図12に示すように、2つの樹脂側面631,632は、x方向において離間している。樹脂側面631は、x1方向を向き、樹脂側面632は、x2方向を向く。
図3、
図4、
図8~
図10、
図14および
図15に示すように、2つの樹脂側面633,634は、y方向において離間している。樹脂側面633は、y1方向を向き、樹脂側面634は、y2方向を向く。
【0076】
封止部材60は、
図1、
図7、
図8、
図11および
図12に示すように、各々が樹脂裏面62からz方向に窪んだ複数の凹部65を含んでいる。複数の凹部65はそれぞれ、y方向に延びており、平面視において、樹脂裏面62のy1方向側の端縁からy2方向側の端縁まで繋がっている。複数の凹部65は、x方向において、一対の裏面金属層23A,23Bを挟んで、それぞれ3つずつ形成されている。封止部材60に複数の凹部65が形成されていなくてもよい。
【0077】
第1実施形態にかかる半導体装置A1の作用効果は、次の通りである。
【0078】
半導体装置A1では、2つの導電層241A,241Bはそれぞれ、相対的に線膨張係数の大きい方向がy方向に沿って配置されている。また、y方向における裏面金属層23A,23Bの各寸法は、y方向における主面金属層22A,22Bの各寸法よりも小さい。この構成によると、半導体装置A1の製造時の熱サイクルや各半導体素子10A,10Bの動作時の熱サイクルによって、各構成部材が熱膨張および熱収縮した場合であっても、y方向における裏面金属層23A,23Bの各寸法とy方向における主面金属層22A,22Bの各寸法とが同じであるときよりも、裏面金属層23A,23Bによる絶縁基板21の拘束力が低減される。これにより、支持基板20(特に絶縁基板21)の反りを低減することができる。したがって、半導体装置A1の信頼性が向上する。支持基板20における熱抵抗の増加の抑制と、支持基板20の反りの低減との2つの点を考慮すると、各裏面金属層23A,23Bのy方向の寸法は、各主面金属層22A,22Bのy方向の寸法の75~90%程度であることが好ましい。
【0079】
半導体装置A1では、絶縁基板21の構成材料はセラミックである。セラミックの線膨張係数は小さいので、上記熱サイクルによる絶縁基板21の熱膨張および熱収縮は小さい。また、主面金属層22A,22Bおよび裏面金属層23A,23Bの各構成材料はCuあるいはCu合金である。Cuの線膨張係数は大きいので、主面金属層22A,22Bおよび裏面金属層23A,23Bはそれぞれ、上記熱サイクルによる熱膨張および熱収縮は大きい。つまり、上記熱サイクルによって絶縁基板21に加わる熱応力が大きい。仮にy方向における裏面金属層23A,23Bの各寸法がy方向における主面金属層22A,22Bの各寸法と同じである場合、支持基板20の反りが大きくなる。そのため、上述のように、y方向における裏面金属層23A,23Bの各寸法を、y方向における主面金属層22A,22Bの各寸法よりも小さくすることは、支持基板20の反りを低減させる上で有効である。
【0080】
半導体装置A1では、各導電層241A,241B(各導電部材24A,24B)が1つの絶縁基板21上に配置されている。この構成では、上記熱サイクルにおいて絶縁基板21に加わる熱応力が高くなる。仮にy方向における裏面金属層23A,23Bの各寸法が、y方向における主面金属層22A,22Bの各寸法と同じである場合、支持基板20の反りが大きくなる。そのため、上述のように、y方向における裏面金属層23A,23Bの各寸法を、y方向における主面金属層22A,22Bの各寸法よりも小さくすることは、支持基板20の反りを低減させる上で有効である。
【0081】
半導体装置A1では、各裏面金属層23A,23Bの一対の端縁233,234は、平面視において、各主面金属層22A,22Bにそれぞれ重なっている。また、各裏面金属層23A,23Bの一対の端縁231,232は、平面視において、各主面金属層22A,22Bの一対の端縁221,222にそれぞれ重なっている。本願発明者の研究では、各裏面金属層23A,23Bにおいて、各導電層241A,241Bの線膨張係数の大きい方向、すなわち、y方向の寸法を小さくすれば、支持基板20の反りを低減する効果が得られることが分かった。つまり、x方向の寸法を小さくすることなく、支持基板20の反りを低減する効果が得られる。各裏面金属層23A,23Bは、封止部材60から露出しており、たとえばヒートシンクなどが接続されうる。よって、各裏面金属層23A,23Bの平面視面積が大きいほど放熱性が大きくなるので、各裏面金属層23A,23Bの平面視面積が小さいと放熱性が低下する。よって、半導体装置A1においては、各裏面金属層23A,23Bのx方向の寸法を、各主面金属層22A,22Bのx方向の寸法と略同じにし、各裏面金属層23A,23Bのy方向の寸法を、各主面金属層22A,22Bのy方向の寸法よりも小さくすることで、不要に各裏面金属層23A,23Bの平面視面積が小さくなることを抑制している。したがって、半導体装置A1は、支持基板20の反りを低減するとともに、放熱性の低下を抑制することができる。
【0082】
第1実施形態において、絶縁基板21がセラミックである場合を示したが、セラミックの代わりに、絶縁性樹脂材を用いてもよい。このような絶縁性樹脂材としては、エポキシ系樹脂材およびPDMS(ポリジメチルシロキサン)系樹脂材などがある。これらの樹脂材は、セラミックよりもヤング率が小さいので、支持基板20の反りがさらに低減される。たとえば、セラミックであるSiN(窒化ケイ素)のヤング率は約300GPaであり、エポキシ系樹脂材のヤング率は約14GPaである。また、PDMS系樹脂材のヤング率は、約5MPaである。ヤング率は、その値が大きいほど剛性が高い。つまり、上記絶縁性樹脂材はセラミックよりも剛性が低い(軟らかい)。そのため、上記熱サイクルによる熱膨張時に、膨張差があっても、絶縁基板21の柔らかさによって、支持基板20にかかる熱応力が緩和される。これにより、支持基板20の反りをさらに低減させることが可能となる。本願発明者の研究によれば、絶縁基板21に用いる絶縁性樹脂材は、ヤング率が約50GPa以下(好ましくは約10GPa以下)であると、支持基板20の反りを低減する効果がさらに得られる。
【0083】
第1実施形態において、封止部材60の形状は、上記したものに限定されない。
図16は、このように封止部材60の形状が異なる半導体装置を示す斜視図である。
図16に示す封止部材60は、平面視において、y方向の各端縁部分が、x方向に延び出ている。封止部材60のうち、x2方向に延び出た部分によって、2つの入力端子31,32および絶縁板39の各々の一部が覆われている。また、封止部材60のうち、x1方向に延び出た部分によって、出力端子33の一部が覆われている。このような変形例によれば、たとえば、半導体装置A1において、封止部材60から突き出た、2つの入力端子31,32、出力端子33および絶縁板39の一部を保護することができる。
【0084】
第1実施形態において、各裏面金属層23A,23Bをそれぞれ分割してもよい。
図17は、このように各裏面金属層23A,23Bが分割された半導体装置を示す平面図(一部の構成要素を抜粋)である。
図17に示す例では、各裏面金属層23A,23Bが4つに分割された場合を示しているが、分割数は、これに限定されない。この場合、
図17に示す寸法Da,Dbがそれぞれ、半導体装置A1における各裏面金属層23A,23Bの端縁233から端縁234までのy方向寸法と略同じにすればよい。
【0085】
図18~
図20は、第2実施形態にかかる半導体装置A2を示している。
図18は、半導体装置A2を示す平面図であって、封止部材60を想像線(二点鎖線)で示している。
図19は、
図18のXIX-XIX線に沿う断面図である。
図20は、
図18のXX-XX線に沿う断面図である。
【0086】
半導体装置A2(
図18)は、半導体装置A1(
図4)と比較して、第1リード521の形状が異なる。また、半導体装置A2は、第2リード522(
図4)を含んでいない。
【0087】
半導体装置A2の各第1リード521は、半導体装置A1の各第1リード521と異なり、屈曲しておらず、
図20に示すように、導電部材24Bに接合される部分の厚みが大きい。このようにして、各第1リード521を屈曲させることなく、各第1リード521を導電部材24Bに接合することを可能にしている。なお、半導体装置A2において、半導体装置A2の各第1リード521の代わりに、半導体装置A1の各第1リード521を用いてもよい。また、半導体装置A1において、半導体装置A1の各第1リード521の代わりに、半導体装置A2の各第1リード521を用いてもよい。
【0088】
半導体装置A2の入力端子32は、
図18に示すように、パッド部321の各延出部321bが、平面視において、各半導体素子10Bに重なるまで延びている。そして、各半導体素子10Bと各延出部321bとの間にはそれぞれ、
図18および
図19に示すよう に、導電性のブロック材42が介在している。各ブロック材42は、各延出部321bおよび各半導体素子10B(第1電極111)にそれぞれ接合されている。各延出部321bと各ブロック材42との接合、および、各ブロック材42と各半導体素子10B(第1電極111)との接合は、導電性接合材を用いた接合、レーザ接合あるいは超音波接合などのいずれであってもよい。各ブロック材42の構成材料は、特に限定されないが、たとえばCu、Cu合金、CuMoの複合材、CICの複合材などが用いられる。半導体装置A2においては、このようにして、各第2リード522を用いることなく、入力端子32と各半導体素子10Bとを導通させている。
【0089】
半導体装置A2のその他の構成については、半導体装置A1と同様である。
【0090】
半導体装置A2においても、半導体装置A1と同様に、各裏面金属層23A,23Bのy方向の寸法が、各主面金属層22A,22Bよりも小さい。したがって、半導体装置A2は、半導体装置A1と同様に、支持基板20の反りを低減することができる。
【0091】
図21~
図23は、第3実施形態にかかる半導体装置A3を示している。
図21は、半導体装置A3を示す平面図であって、封止部材60を想像線(二点鎖線)で示している。
図22は、
図21の平面図において、一部を抜粋した図である。
図23は、
図21のXXIII-XXIII線に沿う断面図である。
【0092】
半導体装置A3は、半導体装置A1と異なり、
図21および
図22に示すように、複数の半導体素子10Aと複数の半導体素子10Bとが、x方向に見て重なるように配置されている。このような半導体装置A3では、
図22に示すように、半導体装置A1と同様に、裏面金属層23Aの端縁233が、平面視において、複数の半導体素子10Aのうち最もy1方向側に位置する半導体素子10Aに重なるとともに、裏面金属層23Aの端縁234が、平面視において、複数の半導体素子10Aのうち最もy2方向側に位置する半導体素子10Aに重なっている。また、
図22に示すように、裏面金属層23Bの端縁233が、平面視において、複数の半導体素子10Bのうち最もy1方向側に位置する半導体素子10Bに重なるとともに、裏面金属層23Bの端縁234が、平面視において、複数の半導体素子10Bのうち最もy2方向側に位置する半導体素子10Bに重なっている。
【0093】
また、半導体装置A3は、半導体装置A1と比較して、
図21および
図23に示すように、2つの入力端子31,32および出力端子33の構成が異なる。たとえば、半導体装置A3では、2つの入力端子31,32が、半導体装置A1のようにz方向に重なるのではなく、
図21および
図23に示すように、y方向に見て重なるように配置されている。
【0094】
半導体装置A3の入力端子31において、パッド部311は、
図21および
図23に示すように、導電性のブロック材43を介して、導電部材24Aに導通接合されている。パッド部331は、ブロック材43に接合され、ブロック材43は、導電部材24Aに接合されている。パッド部331とブロック材43との接合、および、ブロック材43と導電部材24Aとの接合は、導電性接合材を用いた接合であってもよいし、レーザ接合や超音波接合などであってもよい。ブロック材43の構成材料は、特に限定されないが、たとえばCu、Cu合金、CuMoの複合材、CICの複合材などが用いられる。
【0095】
半導体装置A3の入力端子32において、パッド部321は、
図21および
図23に示すように、半導体装置A2と同様に、各延出部321bが、平面視において各半導体素子10Bに重なるまで、x方向に延びている。そして、半導体装置A2と同様に、各延出部321bの先端部分(x1方向の端部)が、ブロック材42を介して、各半導体素子10B(第1電極111)に導通している。
【0096】
半導体装置A3の出力端子33において、パッド部331は、
図21および
図23に示すように、その一部において、導電性のブロック材44を介して、導電部材24Bに導通接合されている。パッド部331は、ブロック材44に接合され、ブロック材44は、導電部材24Bに接合されている。パッド部331とブロック材44との接合、および、ブロック材44と導電部材24Bとの接合は、導電性接合材を用いた接合であってもよいし、レーザ接合や超音波接合などであってもよい。ブロック材44の構成材料は、特に限定されないが、たとえばCu、Cu合金、CuMoの複合材、CICの複合材などが用いられる。
【0097】
半導体装置A3のその他の構成については、半導体装置A1と同様である。
【0098】
半導体装置A3においても、半導体装置A1と同様に、各裏面金属層23A,23Bのy方向の寸法が、各主面金属層22A,22Bよりも小さい。したがって、半導体装置A2は、半導体装置A1と同様に、支持基板20の反りを低減することができる。
【0099】
図24および
図25は、第4実施形態にかかる半導体装置A4を示している。
図24は、半導体装置A4を示す断面図であって、第1実施形態の
図11に示す断面に相当する。
図25は、半導体装置A4を示す底面図である。
【0100】
半導体装置A4は、半導体装置A1と比較して、主に支持基板20の構成が異なる。
【0101】
半導体装置A4の支持基板20では、絶縁基板21の構成材料が、セラミックではなく、たとえば、BN(窒化ホウ素)樹脂である。BN樹脂は、BNをフィラーとした混ぜた樹脂材料であり、グラファイトと同様に、線膨張係数に異方性がある。絶縁基板21は、相対的に線膨張係数の大きい方向がy方向に沿って配置されている。絶縁基板21は、x方向の線膨張係数が約2ppm/Kであり、y方向の線膨張係数が約27ppm/Kであり、z方向の線膨張係数が約2ppm/Kである。
【0102】
半導体装置A4の支持基板20は、一対の裏面金属層23A,23Bを含まず、1つの裏面金属層23を含んでいる。裏面金属層23は、
図25に示すように、平面視矩形状である。各主面金属層22A,22Bは、平面視において、裏面金属層23に重なる。裏面金属層23のy方向の寸法は、各主面金属層22A,22Bのy方向の寸法、および、絶縁基板21のy方向の寸法とそれぞれ略同じである。また、絶縁基板21、各主面金属層22A,22Bおよび各裏面金属層23のz方向の寸法はそれぞれ、たとえば0.1mm程度である。
【0103】
半導体装置A4では、絶縁基板21が、線膨張係数に異方性があるBN樹脂で構成されている。絶縁基板21は、相対的に線膨張係数の大きい方向がy方向に沿っている。つまり、絶縁基板21の相対的に線膨張係数の大きい方向と、各導電層241A,241Bの相対的に線膨張係数の大きい方向とが略一致している。本願発明者の研究では、このようにすることで、支持基板20の反りが低減されることが分かった。したがって、半導体装置A4は、裏面金属層23を2つに分割したり、y方向の寸法を小さくしたりすることなく、支持基板20の反りを低減することができる。
【0104】
第4実施形態においては、裏面金属層23のy方向の寸法が、各主面金属層22A,22Bのy方向の寸法と略同じである場合を説明したが、裏面金属層23のy方向の寸法を、各主面金属層22A,22Bのy方向の寸法よりも小さくしてもよい。また、半導体装置A4においては、支持基板20が1つの裏面金属層23を含んでいる場合を示したが、 半導体装置A1と同様に、2つの裏面金属層23A,23Bを含んでいてもよい。このとき、各裏面金属層23A,23Bのy方向の寸法は、各主面金属層22A,22Bのy方向の寸法と同じであってもよいし、各主面金属層22A,22Bのy方向の寸法よりも小さくてもよい。
【0105】
図26および
図27は、第5実施形態にかかる半導体装置A5を示している。
図26は、半導体装置A5を示す断面図であって、第1実施形態の
図11に示す断面に対応する。
図27は、半導体装置A5を示す底面図である。
【0106】
半導体装置A5は、半導体装置A1と異なり、
図26および
図27に示すように、1つの絶縁基板21の代わりに、互いに離間した一対の絶縁基板21A,21Bを備えている。つまり、半導体装置A5は、絶縁基板21を2つに分割した構成である。一対の絶縁基板21A,21Bは、x方向に離間しており、かつ、x方向に並んでいる。各絶縁基板21A,21Bは、平面視矩形状である。各絶縁基板21A,21Bの構成材料は、セラミックでもよいし、ヤング率が50GPa以下の絶縁性樹脂材であってもよい。また、各絶縁基板21A,21Bの構成材料は、BN樹脂であってもよい。この場合、各絶縁基板21A,21Bは、相対的に線膨張係数の大きい方向がy方向に沿って配置されている。
【0107】
絶縁基板21Aは、
図26に示すように、主面211Aおよび裏面212Aを有する。主面211Aおよび裏面212Aは、z方向において離間している。主面211Aは、z2方向を向き、裏面212Aは、z1方向を向く。
【0108】
主面211Aには、主面金属層22Aが配置され、裏面212Aには、裏面金属層23Aが配置されている。絶縁基板21A、主面金属層22A、および、裏面金属層23Aは、平面視において重なっている。特に、主面金属層22Aおよび裏面金属層23Aのy方向の各寸法は略同じであり、主面金属層22Aと裏面金属層23Aとは、平面視において略一致している。つまり、平面視において、主面金属層22Aの各端縁221~224はそれぞれ、裏面金属層23Aの各端縁231~234に重なっている。
【0109】
絶縁基板21Bは、
図26に示すように、主面211Bおよび裏面212Bを有する。主面211Bおよび裏面212Bは、z方向において離間している。主面211Bは、z2方向を向き、裏面212Bは、z1方向を向く。
【0110】
主面211Bには、主面金属層22Bが配置され、裏面212Bには、裏面金属層23Bが配置されている。絶縁基板21B、主面金属層22B、および、裏面金属層23Bは、平面視において重なっている。特に、主面金属層22Bおよび裏面金属層23Bのy方向の各寸法は略同じであり、各主面金属層22Bと裏面金属層23Bとは、平面視において略一致している。つまり、平面視において、主面金属層22Bの各端縁221~224はそれぞれ、裏面金属層23Bの各端縁231~234に重なっている。
【0111】
半導体装置A5では、互いに離間した2つの絶縁基板21A,21Bを設け、導電層241Aが絶縁基板21A上に配置され、導電層241Bが絶縁基板21B上に配置されている。つまり、半導体装置A5は、半導体装置A1と異なり、1つの絶縁基板21上に、2つの導電層241A,241Bが配置されていない。この構成によると、上記熱サ イクル時において、1つの絶縁基板21で構成した場合よりも各絶縁基板21A,21Bに加わる熱応力が低減される。これにより、各絶縁基板21A,21Bの反りが低減されるので、半導体装置A5は、支持基板20の反りを低減することができる。なお、各絶縁基板21A,21Bの構成材料が、ヤング率が50GPa以下の絶縁性樹脂材である場合、各絶縁基板21A,21Bの柔らかさによって各絶縁基板21A,21Bにかかる熱応力が緩和されるため、支持基板20の反りを低減する上で好ましい。
【0112】
第5実施形態においては、各裏面金属層23A,23Bのy方向の寸法が、各主面金属層22A,22Bのy方向の寸法と略同じである場合を説明したが、各裏面金属層23A,23Bのy方向の寸法を、各主面金属層22A,22Bのy方向の寸法よりも小さくしてもよい。
【0113】
本開示にかかる半導体装置は、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示の半導体装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、本開示は、以下の付記に記載された半導体装置を含む。
付記1.
第1方向において離間する第1主面および第1裏面を有する絶縁基板と、
各々が前記第1主面に配置され、かつ、互いに離間した第1主面金属層および第2主面金属層と、
各々が前記第1裏面に配置され、かつ、互いに離間した第1裏面金属層および第2裏面金属層と、
前記第1主面金属層上に配置された第1導電層と、
前記第2主面金属層上に配置された第2導電層と、
前記第1導電層上に配置され、前記第1導電層に導通する第1半導体素子と、
前記第2導電層上に配置され、前記第2導電層に導通する第2半導体素子と、を備えており、
前記第1主面金属層と前記第1裏面金属層とは、前記第1方向に見て互いに重なり、
前記第2主面金属層と前記第2裏面金属層とは、前記第1方向に見て互いに重なり、
前記第1主面金属層と前記第2主面金属層とは、前記第1方向に直交する第2方向に並んでおり、
前記第1導電層および前記第2導電層はそれぞれ、線膨張係数に異方性があり、相対的に線膨張係数の大きい方向が、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿っており、
前記第3方向における前記第1裏面金属層および前記第2裏面金属層の各寸法は、前記第3方向における前記第1主面金属層および前記第2主面金属層の各寸法よりも小さい、半導体装置。
付記2.
前記第1主面金属層、前記第2主面金属層、前記第1裏面金属層および前記第2裏面金属層はそれぞれ、前記第1方向に見て、各々が前記第3方向に延びる一対の第1端縁を有しており、
前記第1主面金属層の前記一対の第1端縁と前記第1裏面金属層の前記一対の第1端縁とは、前記第1方向に見て互いに重なり、
前記第2主面金属層の前記一対の第1端縁と前記第2裏面金属層の前記一対の第1端縁とは、前記第1方向に見て互いに重なる、付記1に記載の半導体装置。
付記3.
前記第1裏面金属層および前記第2裏面金属層はそれぞれ、前記第1方向に見て、各々が前記第2方向に延びる一対の第2端縁を有しており、
前記第1裏面金属層の前記一対の第2端縁は、前記第1方向に見て、前記第1主面金属層に重なり、
前記第2裏面金属層の前記一対の第2端縁は、前記第1方向に見て、前記第2主面金属層に重なる、付記2に記載の半導体装置。
付記4.
前記第3方向において前記第1半導体素子に並んで配置された追加の第1半導体素子と、
前記第3方向において前記第2半導体素子に並んで配置された追加の第2半導体素子と、をさらに備え、
前記追加の第1半導体素子は、前記第1導電層上に配置され、かつ、前記第1方向に見て、前記第1裏面金属層の前記一対の第2端縁のいずれかに重なり、
前記追加の第2半導体素子は、前記第2導電層上に配置され、かつ、前記第1方向に見て、前記第2裏面金属層の前記一対の第2端縁のいずれかに重なる、付記3に記載の半導体装置。
付記5.
前記第1導電層および前記第2導電層はそれぞれ、前記第1方向に離間する両面にそれぞれ表面金属層が形成されている、付記1ないし付記4のいずれかに記載の半導体装置。
付記6.
前記第1方向における前記表面金属層の寸法は、前記第1方向における前記第1導電層および前記第2導電層の各寸法よりも小さい、付記5に記載の半導体装置。
付記7.
前記第1方向において、前記第1導電層と前記第1主面金属層との間に介在する第1導電性接合層と、
前記第1方向において、前記第2導電層と前記第2主面金属層との間に介在する第2導電性接合層と、をさらに備えている、付記1ないし付記6のいずれか1つに記載の半導体装置。
付記8.
前記絶縁基板、前記第1主面金属層、前記第2主面金属層、前記第1導電層、前記第2導電層、前記第1半導体素子、および、前記第2半導体素子を覆う封止部材をさらに備えている、付記1ないし付記7のいずれか1つに記載の半導体装置。
付記9.
前記封止部材に覆われた接続部材をさらに備えており、
前記第1半導体素子は、前記第1導電層に導通する第1裏面電極と、前記第1方向において前記第1裏面電極から離間する第1主面電極とを含み、
前記第1主面電極と前記第2導電層とは、前記接続部材を介して互いに導通する、付記8に記載の半導体装置。
付記10.
前記第2半導体素子は、前記第2導電層に導通する第2裏面電極と、前記第1方向において前記第2裏面電極から離間する第2主面電極とを含む、付記9に記載の半導体装置。
付記11.
前記第1導電層を介して、前記第1裏面電極に導通する第1入力端子と、
前記第2主面電極に導通する第2入力端子と、
前記第2導電層に導通する出力端子と、をさらに備えており、
前記第1入力端子、前記第2入力端子、および、前記出力端子はそれぞれ、一部が前記封止部材から露出している、付記10に記載の半導体装置。
付記12.
前記第1導電層および前記第2導電層は、グラファイトから構成される、付記1ないし付記11のいずれか1つに記載の半導体装置。
付記13.
前記絶縁基板は、セラミックから構成される、付記1ないし付記12のいずれか1つに記載の半導体装置。
付記14.
前記絶縁基板は、線膨張係数に異方性がある樹脂材料から構成され、
前記絶縁基板の相対的に線膨張係数の大きい方向と、前記第1導電層および前記第2導電層の各々の相対的に線膨張係数の大きい方向とが略一致する、付記1ないし付記12のいずれか1つに記載の半導体装置。
付記15.
第1方向において離間する第1主面および第1裏面を有する絶縁基板と、
各々が前記第1主面に配置され、かつ、互いに離間した第1主面金属層および第2主面金属層と、
前記第1裏面に配置された裏面金属層と、
前記第1主面金属層上に配置された第1導電層と、
前記第2主面金属層上に配置された第2導電層と、
前記第1導電層上に配置され、前記第1導電層に導通する第1半導体素子と、
前記第2導電層上に配置され、前記第2導電層に導通する第2半導体素子と、を備えており、
前記第1主面金属層および前記第2主面金属層は、前記第1方向に直交する第2方向に並んでおり、かつ、各々が前記第1方向に見て前記裏面金属層に重なっており、
前記第1導電層および前記第2導電層はそれぞれ、線膨張係数に異方性があり、相対的に線膨張係数の大きい方向が、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿っており、
前記絶縁基板は、線膨張係数に異方性がある樹脂材料から構成され、相対的に線膨張係数の大きい方向が、前記第3方向に沿っている、半導体装置。
付記16.
前記第1方向における前記絶縁基板の寸法は、前記第1方向における前記第1主面金属層、前記第2主面金属層および前記裏面金属層の各寸法と略同じである、付記15に記載の半導体装置。
付記17.
前記絶縁基板を構成する樹脂材料は、ヤング率が50GPa以下である、付記14ないし付記16のいずれか1つに記載の半導体装置。
付記18.
第1方向において離間する第1主面および第1裏面を有する第1絶縁基板と、
前記第1方向において離間する第2主面および第2裏面を有する第2絶縁基板と、
前記第1主面に配置された第1主面金属層と、
前記第2主面に配置された第2主面金属層と、
前記第1裏面に配置された第1裏面金属層と、
前記第2裏面に配置された第2裏面金属層と、
前記第1主面金属層上に配置された第1導電層と、
前記第2主面金属層上に配置された第2導電層と、
前記第1導電層上に配置され、前記第1導電層に導通する第1半導体素子と、
前記第2導電層上に配置され、前記第2導電層に導通する第2半導体素子と、を備えており、
前記第1絶縁基板および前記第2絶縁基板は、前記第1方向に直交する第2方向に離間して並んでおり、
前記第1主面金属層と前記第1裏面金属層とは、前記第1方向に見て互いに重なり、
前記第2主面金属層と前記第2裏面金属層とは、前記第1方向に見て互い委重なり、
前記第1導電層および前記第2導電層はそれぞれ、線膨張係数に異方性があり、相対的に線膨張係数の大きい方向が、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に沿っており、
前記第1絶縁基板および前記第2絶縁基板はそれぞれ、ヤング率が50GPa以下である樹脂材料から構成されている、半導体装置。
【符号の説明】
【0114】
A1~A5:半導体装置
10,10A,10B:半導体素子
101 :素子主面
102 :素子裏面
11 :主面電極
111 :第1電極
112 :第2電極
12 :裏面電極
13 :絶縁膜
19A,19B:導電性接合材
20 :支持基板
21,21A,21B:絶縁基板
211,211A,211B:主面
212,212A,212B:裏面
22A,22B:主面金属層
221~224:端縁
23,23A,23B:裏面金属層
231~234:端縁
24A,24B:導電部材
241A,241B:導電層
242A,242B:金属層
243A,243B:金属層
25A,25B:絶縁層
26A,26B:ゲート層
27A,27B:検出層
29A,29B:導電性接合層
31 :入力端子
311 :パッド部
312 :端子部
32 :入力端子
321 :パッド部
321a :連結部
321b :延出部
322 :端子部
33 :出力端子
331 :パッド部
332 :端子部
34A,34B:ゲート端子
341 :パッド部
342 :端子部
35A,35B:検出端子
351 :パッド部
352 :端子部
36 :ダミー端子
361 :パッド部
362 :端子部
37A,37B:側方端子
39 :絶縁板 391 :介在部
392 :延出部
41 :土台部
42,43,44:ブロック材
51 :線状接続部材
511 :ゲートワイヤ
512 :検出ワイヤ
513 :第1接続ワイヤ
514 :第2接続ワイヤ
52 :板状接続部材
521 :第1リード
522 :第2リード
60 :封止部材
61 :樹脂主面
62 :樹脂裏面
631~634:樹脂側面
65 :凹部