(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】血糖管理デバイス、血糖管理システム、血糖管理方法及び血糖管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/60 20180101AFI20240919BHJP
G16Y 10/60 20200101ALI20240919BHJP
G16Y 20/40 20200101ALI20240919BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20240919BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20240919BHJP
【FI】
G16H20/60
G16Y10/60
G16Y20/40
G16Y40/20
G16Y40/30
(21)【出願番号】P 2021554102
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(86)【国際出願番号】 JP2020031554
(87)【国際公開番号】W WO2021084859
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】P 2019196828
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】武田 芽衣
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-028625(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0103881(US,A1)
【文献】国際公開第2014/162549(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第102028542(CN,A)
【文献】特開2011-206486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G16Y 10/60
G16Y 20/40
G16Y 40/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定値を含む血糖情報を取得する血糖情報取得部と、被検者の食事画像を含む食事情報を取得する食事情報取得部とを有する血糖管理デバイスであって、
前記血糖情報及び前記食事情報を記憶する記憶部と、
前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定部と、
前記記憶部に記憶された前記食事情報を整理する情報整理部と、を備え、
前記情報整理部は、前記血糖判定部の判定に基づき、前記測定値が所定の範囲内にあると前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部に保持する、血糖管理デバイス。
【請求項2】
請求項1記載の血糖管理デバイスであって、
前記血糖判定部は、前記測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定し、
前記情報整理部は、前記測定値が前記高血糖閾値よりも高いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部に保持する、血糖管理デバイス。
【請求項3】
請求項2記載の血糖管理デバイスであって、
前記血糖判定部は、前記測定値が低血糖閾値よりも低いか否かを判定し、
前記情報整理部は、前記測定値が前記低血糖閾値よりも低いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部に保持する、血糖管理デバイス。
【請求項4】
請求項3記載の血糖管理デバイスであって、
前記血糖管理デバイスは、測定値と共に、前記記憶部に保持された前記食事画像が表示される表示部を備える、血糖管理デバイス。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の血糖管理デバイスであって、
前記血糖情報の測定日時から遡って所定時間内の食事日時の前記食事画像が前記記憶部にあるか否かを判定する画像判定部と、
前記食事画像が前記記憶部にないと前記画像判定部が判定した場合に、前記被検者に対して前記測定値に対応する食事の文字情報の入力を促す報知制御を行う報知制御部と、を有する、血糖管理デバイス。
【請求項6】
測定値を含む血糖情報を取得する血糖情報取得部と、被検者の食事画像を含む食事情報を取得する食事情報取得部とを有する血糖管理デバイスと、
前記血糖情報及び前記食事情報を前記血糖管理デバイスからネットワークを通じてアップロード可能な血糖管理サーバと、を備える血糖管理システムであって、
前記血糖管理デバイスは、
前記血糖情報及び前記食事情報を記憶する記憶部と、
前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定部と、
前記記憶部に記憶されている前記食事情報を整理する情報整理部と、
前記記憶部に記憶されている前記食事情報を前記血糖管理サーバにアップロードする通信部と、を備え、
前記通信部は、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記血糖管理サーバにアップロードし、
前記情報整理部は、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除する、血糖管理システム。
【請求項7】
請求項6記載の血糖管理システムであって、
前記血糖判定部は、前記測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定し、
前記通信部は、前記測定値が前記高血糖閾値よりも高いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記血糖管理サーバにアップロードする、血糖管理システム。
【請求項8】
請求項7記載の血糖管理システムであって、
前記情報整理部は、前記測定値が前記高血糖閾値よりも高いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報が前記血糖管理サーバにアップロードされた後で当該食事情報を前記記憶部から削除する、血糖管理システム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の血糖管理システムであって、
前記血糖判定部は、前記測定値が低血糖閾値よりも低いか否かを判定し、
前記通信部は、前記測定値が前記低血糖閾値よりも低いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記血糖管理サーバにアップロードする、血糖管理システム。
【請求項10】
請求項9記載の血糖管理システムであって、
前記情報整理部は、前記測定値が前記低血糖閾値よりも低いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報が前記血糖管理サーバにアップロードされた後で当該食事情報を前記記憶部から削除する、血糖管理システム。
【請求項11】
測定値を含む血糖情報を取得する血糖情報取得部と、被検者の食事画像を含む食事情報を取得する食事情報取得部とを有する血糖管理デバイスと、
前記血糖情報及び前記食事情報を前記血糖管理デバイスからネットワークを通じてアップロード可能な血糖管理サーバと、を備える血糖管理システムであって、
前記血糖管理デバイスは、
前記血糖情報及び前記食事情報を記憶する記憶部と、
前記血糖管理デバイスから前記血糖管理サーバにアップロード済みの前記食事情報を前記記憶部から削除する情報整理部と、を有し、
前記血糖管理サーバは、
前記血糖管理デバイスからアップロードされた前記血糖情報及び前記食事情報を記憶するサーバ記憶部と、
前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定部と、
前記サーバ記憶部に記憶されている前記食事情報を整理するサーバ情報整理部と、を有し、
前記サーバ情報整理部は、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部に保持する、血糖管理システム。
【請求項12】
請求項11記載の血糖管理システムであって、
前記血糖判定部は、前記測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定し、
前記サーバ情報整理部は、前記測定値が前記高血糖閾値よりも高いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部に保持する、血糖管理システム。
【請求項13】
請求項12記載の血糖管理システムであって、
前記血糖判定部は、前記測定値が低血糖閾値よりも低いか否かを判定し、
前記サーバ情報整理部は、前記測定値が前記低血糖閾値よりも低いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部に保持する、血糖管理システム。
【請求項14】
測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理方法であって、
前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、
前記記憶部に記憶されている前記食事情報を整理する情報整理ステップと、を含み、
前記情報整理ステップでは、前記測定値が前記所定の範囲内にある場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にない場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部に保持する、
コンピュータが行う血糖管理方法。
【請求項15】
測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理方法であって、
前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記記憶部に記憶された前記血糖情報の測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、
前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を血糖管理サーバにアップロードする通信ステップと、
前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除する情報整理ステップと、を含む、
コンピュータが行う血糖管理方法。
【請求項16】
測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理方法であって、
前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記記憶部に記憶された前記血糖情報及び前記食事情報を血糖管理サーバにアップロードする通信ステップと、
血糖管理デバイスから前記血糖管理サーバにアップロード済みの前記食事情報を前記記憶部から削除する情報整理ステップと、
前記血糖管理デバイスからアップロードされた前記血糖情報及び前記食事情報をサーバ記憶部に記憶するサーバ記憶ステップと、
前記サーバ記憶部に記憶された前記血糖情報の測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、
前記サーバ記憶部に記憶されている前記食事情報を整理するサーバ情報整理ステップと、を含み、
前記サーバ情報整理ステップでは、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部に保持する、
コンピュータが行う血糖管理方法。
【請求項17】
測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理プログラムであって、
前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、
前記記憶部に記憶されている前記食事情報を整理する情報整理ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記情報整理ステップでは、前記測定値が前記所定の範囲内にある場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にない場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部に保持する、血糖管理プログラム。
【請求項18】
測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理プログラムであって、
前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記記憶部に記憶された前記血糖情報の測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、
前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を血糖管理サーバにアップロードする通信ステップと、
前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除する情報整理ステップと、をコンピュータに実行させる、血糖管理プログラム。
【請求項19】
測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理プログラムであって、
前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記記憶部に記憶された前記血糖情報及び前記食事情報を血糖管理サーバにアップロードする通信ステップと、
血糖管理デバイスから前記血糖管理サーバにアップロード済みの前記食事情報を前記記憶部から削除する情報整理ステップと、
前記血糖管理デバイスからアップロードされた前記血糖情報及び前記食事情報をサーバ記憶部に記憶するサーバ記憶ステップと、
前記サーバ記憶部に記憶された前記血糖情報の測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、
前記サーバ記憶部に記憶されている前記食事情報を整理するサーバ情報整理ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記サーバ情報整理ステップでは、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部に保持する、血糖管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血糖管理デバイス、血糖管理システム、血糖管理方法及び血糖管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2019-28625号公報には、測定値を含む血糖情報と被検者(血糖被測定者)の食事画像を含む食事情報とを血糖管理デバイス(ユーザ端末)に取得し、これら情報を血糖管理デバイスからネットワークを通じて血糖管理サーバにアップロードする血糖管理システムが開示されている。このような血糖管理システムでは、血糖情報及び食事情報が血糖管理デバイスと血糖管理サーバとにそれぞれ記憶される。
【発明の概要】
【0003】
しかしながら、上述した血糖管理システムでは、全ての食事情報を、血糖管理デバイスと血糖管理サーバとのそれぞれに保存している。そのため、食事情報を記憶するために必要な記憶容量が相当大きくなるという問題がある。また、医師や使用者は、血糖管理デバイスと血糖管理サーバとに記憶された膨大な数の食事情報の中から、特定の血糖値状態に関連する食事情報を、効率的に見つけることができない。
【0004】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、食事情報を記憶するために必要な記憶容量を低減することができ、且つ、血糖管理を効果的に行うことができる血糖管理デバイス、血糖管理システム、血糖管理方法及び血糖管理プログラムを提供することを目的とする。
【0005】
本発明の第1の態様は、測定値を含む血糖情報を取得する血糖情報取得部と、被検者の食事画像を含む食事情報を取得する食事情報取得部とを有する血糖管理デバイスであって、前記血糖情報及び前記食事情報を記憶する記憶部と、前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定部と、前記記憶部に記憶された前記食事情報を整理する情報整理部と、を備え、前記情報整理部は、前記血糖判定部の判定に基づき、前記測定値が所定の範囲内にあると前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部に保持する、血糖管理デバイスである。
【0006】
本発明の第2の態様は、測定値を含む血糖情報を取得する血糖情報取得部と、被検者の食事画像を含む食事情報を取得する食事情報取得部とを有する血糖管理デバイスと、前記血糖情報及び前記食事情報を前記血糖管理デバイスからネットワークを通じてアップロード可能な血糖管理サーバと、を備える血糖管理システムであって、前記血糖管理デバイスは、前記血糖情報及び前記食事情報を記憶する記憶部と、前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定部と、前記記憶部に記憶されている前記食事情報を整理する情報整理部と、前記記憶部に記憶されている前記食事情報を前記血糖管理サーバにアップロードする通信部と、を備え、前記通信部は、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記血糖管理サーバにアップロードし、前記情報整理部は、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除する、血糖管理システムである。
【0007】
本発明の第3の態様は、測定値を含む血糖情報を取得する血糖情報取得部と、被検者の食事画像を含む食事情報を取得する食事情報取得部とを有する血糖管理デバイスと、前記血糖情報及び前記食事情報を前記血糖管理デバイスからネットワークを通じてアップロード可能な血糖管理サーバと、を備える血糖管理システムであって、前記血糖管理デバイスは、前記血糖情報及び前記食事情報を記憶する記憶部と、前記血糖管理デバイスから前記血糖管理サーバにアップロード済みの前記食事情報を前記記憶部から削除する情報整理部と、を有し、前記血糖管理サーバは、前記血糖管理デバイスからアップロードされた前記血糖情報及び前記食事情報を記憶するサーバ記憶部と、前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定部と、前記サーバ記憶部に記憶されている前記食事情報を整理するサーバ情報整理部と、を有し、前記サーバ情報整理部は、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部に保持する、血糖管理システムである。
【0008】
本発明の第4の態様は、測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理方法であって、前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、前記記憶部に記憶されている前記食事情報を整理する情報整理ステップと、を含み、前記情報整理ステップでは、前記測定値が前記所定の範囲内にある場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にない場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部に保持する、コンピュータが行う血糖管理方法である。
【0009】
本発明の第5の態様は、測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理方法であって、前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記記憶部に記憶された前記血糖情報の測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を血糖管理サーバにアップロードする通信ステップと、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除する情報整理ステップと、を含む、コンピュータが行う血糖管理方法である。
【0010】
本発明の第6の態様は、測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理方法であって、前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記記憶部に記憶された前記血糖情報及び前記食事情報を血糖管理サーバにアップロードする通信ステップと、血糖管理デバイスから前記血糖管理サーバにアップロード済みの前記食事情報を前記記憶部から削除する情報整理ステップと、前記血糖管理デバイスからアップロードされた前記血糖情報及び前記食事情報をサーバ記憶部に記憶するサーバ記憶ステップと、前記サーバ記憶部に記憶された前記血糖情報の測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、前記サーバ記憶部に記憶されている前記食事情報を整理するサーバ情報整理ステップと、を含み、前記サーバ情報整理ステップでは、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部に保持する、コンピュータが行う血糖管理方法である。
【0011】
本発明の第7の態様は、測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理プログラムであって、前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、前記記憶部に記憶されている前記食事情報を整理する情報整理ステップと、をコンピュータに実行させ、前記情報整理ステップでは、前記測定値が前記所定の範囲内にある場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にない場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部に保持する、血糖管理プログラムである。
【0012】
本発明の第8の態様は、測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理プログラムであって、前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記記憶部に記憶された前記血糖情報の測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を血糖管理サーバにアップロードする通信ステップと、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除する情報整理ステップと、をコンピュータに実行させる、血糖管理プログラムである。
【0013】
本発明の第9の態様は、測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理プログラムであって、前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記記憶部に記憶された前記血糖情報及び前記食事情報を血糖管理サーバにアップロードする通信ステップと、血糖管理デバイスから前記血糖管理サーバにアップロード済みの前記食事情報を前記記憶部から削除する情報整理ステップと、前記血糖管理デバイスからアップロードされた前記血糖情報及び前記食事情報をサーバ記憶部に記憶するサーバ記憶ステップと、前記サーバ記憶部に記憶された前記血糖情報の測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、前記サーバ記憶部に記憶されている前記食事情報を整理するサーバ情報整理ステップと、をコンピュータに実行させ、前記サーバ情報整理ステップでは、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部に保持する、血糖管理プログラムである。
【0014】
本発明によれば、測定値が所定の範囲内にある場合に当該測定値に対応する食事情報を記憶部(サーバ記憶部)から削除するため、食事情報を記憶するために必要な記憶容量を低減することができる。また、測定値が所定の範囲内にない場合に、当該測定値に対応する食事情報を記憶部(サーバ記憶部)に保持する(血糖管理サーバにアップロードする)。これにより、血糖管理に特に必要と考えられる食事情報のみが記憶部(サーバ記憶部)に記憶される。よって、所定の範囲内にないグルコース濃度に関連する食事情報を効率的に見つけることができるため、血糖管理を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る血糖管理システムのブロック図である。
【
図2】
図1の血糖管理システムを用いた血糖管理方法を説明する第1のフローチャートである。
【
図3】
図1の血糖管理システムを用いた血糖管理方法を説明する第2のフローチャートである。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る血糖管理システムのブロック図である。
【
図8】
図7の血糖管理システムを用いた血糖管理方法を説明する第1のフローチャートである。
【
図9】
図7の血糖管理システムを用いた血糖管理方法を説明する第2のフローチャートである。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る血糖管理システムのブロック図である。
【
図11】
図10の血糖管理システムを用いた血糖管理方法を説明する第1のフローチャートである。
【
図12】
図10の血糖管理システムを用いた血糖管理方法を説明する第2のフローチャートである。
【
図13】
図10の血糖管理システムを用いた血糖管理方法を説明する第3のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る血糖管理デバイス、血糖管理システム、血糖管理方法及び血糖管理プログラムについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0017】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る血糖管理システム10Aは、測定値を含む血糖情報と食事画像を含む食事情報とに基づいて被検者の血糖管理を行うためのものである。
【0018】
図1に示すように、血糖管理システム10Aは、血糖測定装置12及び血糖管理デバイス14を備える。
【0019】
血糖測定装置12としては、例えば、連続グルコースモニタ(CGM)が用いられる。連続グルコースモニタは、例えば、被検者(ユーザ)の皮下に装着されたセンサによって一定の間隔(例えば、5分間隔)で連続的に間質液中のグルコース濃度を測定する。血糖測定装置12は、指先を穿刺して血液を流出させ、その血液を測定用チップに取り込むことにより血糖値(血漿中のグルコース濃度)を測定する血糖計でもよい。このように、本発明でいう血糖情報は、被検者から得られる測定値である。より具体的には、測定値は、被検者の血液から得た血糖値そのものや、血糖値と相関するグルコース濃度値を測定値として含む。
【0020】
血糖測定装置12は、血糖管理デバイス14と通信可能に構成されている。すなわち、血糖測定装置12で得られた血糖情報(測定値及び測定日時等)は、血糖管理デバイス14に送信される。
【0021】
血糖管理デバイス14は、被検者が操作するデバイスである。血糖管理デバイス14としては、例えば、スマートフォン、ラップトップ、タブレット等が挙げられるが、これらに限定されない。血糖管理デバイス14は、血糖情報取得部16、食事情報取得部18、表示部20及び制御部22を備える。
【0022】
血糖情報取得部16は、血糖測定装置12から送信された血糖情報を取得する。この際、血糖管理デバイス14と血糖測定装置12とは、無線で接続されてもよいし有線で接続されてもよい。また、血糖情報取得部16は、血糖測定装置12の血糖情報をフラッシュメモリ等の補助記憶装置を介して取得してもよい。血糖情報取得部16が取得するデータは、血糖測定装置12が得た測定値である。血糖測定装置12が連続グルコースモニタの場合は、連続的に観測されたグルコース濃度のプロファイル情報を含む。
【0023】
食事情報取得部18は、被検者の食事情報を取得する。食事情報は、被検者の食事画像(食事写真)、食事日時及び食事文字情報(食事内容メモ)を含む。食事情報取得部18は、食事画像を取得するためのカメラ24と、文字情報等を取得するための入力部26(タッチパネル、キーボード、マウス等)とを有する。
【0024】
表示部20は、LEDディスプレイ、LCDディスプレイ、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ等で構成することができるが、これらに限定されない。表示部20は、例えば、タッチスクリーンディスプレイとして構成することにより入力部26を兼ねてもよい。表示部20には、測定値と共に、後述する記憶部36に保持された食事画像を表示する。
【0025】
制御部22は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、CPU(中央処理装置)、メモリであるROM、RAM等を有しており、CPUがROMに記憶されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部(機能実現手段)として機能する。なお、各種機能実現部は、ハードウエアとしての機能実現器により構成することもできる。制御部22には、血糖値を管理するための血糖管理アプリケーションソフト(血糖管理アプリ)がインストールされている。
【0026】
制御部22は、血糖判定部28、情報整理部30、画像判定部32、報知制御部34、記憶部36及びグラフ作成部38を有する。
【0027】
血糖判定部28は、血糖情報取得部16に入力された血糖情報に基づき、測定値が所定の範囲内(正常範囲内)にあるか否かを判定する。具体的に、血糖判定部28は、測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定する。また、血糖判定部28は、測定値が低血糖閾値よりも低いか否かを判定する。高血糖閾値及び低血糖閾値のそれぞれは、記憶部36に予め記憶されている。なお、血糖測定装置12が、連続グルコースモニタの場合、血糖判定部28は、測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定したうえで、ピーク値を検出する構成としてもよい。
【0028】
情報整理部30は、記憶部36に記憶されている食事情報を整理する。画像判定部32は、記憶部36に所定の食事画像があるか否かを判定する。報知制御部34は、被検者に食事文字情報の入力を促す報知制御を行う。
【0029】
記憶部36は、共通フォルダ40、高血糖フォルダ42及び低血糖フォルダ44を有する。共通フォルダ40には、血糖情報取得部16が取得した血糖情報と、食事情報取得部18が取得した食事情報とが記憶される。高血糖フォルダ42には、高血糖(高血糖閾値よりも高いグルコース濃度)に関連する食事情報が記憶される。低血糖フォルダ44には、低血糖(低血糖閾値よりも低いグルコース濃度)に関連する食事情報が記憶される。記憶部36は、上述以外に、判定に必要な情報や値を保持することができる。
【0030】
グラフ作成部38は、記憶部36に記憶されている血糖情報及び食事情報に基づいて血糖情報と食事情報との関係を示す血糖管理グラフを作成する。
【0031】
次に、血糖管理システム10Aを用いた血糖管理方法について説明する。
【0032】
図2に示すように、まず、被検者は、血糖管理デバイス14の血糖管理アプリを起動する(ステップS1)。制御部22は、食事情報取得部18が食事画像及び食事日時を取得したか否かを判定する(ステップS2)。食事画像は、被検者が自分の食事内容をカメラ24で撮影することにより取得される。食事日時は、被検者が入力部26から実際に食事をした日時(食事開始日時)を入力して血糖管理アプリに登録することにより取得される。或いは、食事日時は、当該食事画像の撮影日時とみなしてもよく、当該食事画像の撮影日時を自動的に取得してもよい。この場合、被検者が食事日時を入力する手間を省くことができる。
【0033】
食事画像及び食事日時を取得したと制御部22が判定した場合(ステップS2:YES)、情報整理部30は、該当する食事画像及び食事日時を共通フォルダ40に記憶する(ステップS3)。この際、食事画像が複数枚ある場合には、最新の1枚以外を削除する。また、食事画像が複数枚ある場合には、複数枚の食事画像のうちの最適な1枚を被検者に選択させ、選択された食事画像を共通フォルダ40に残すとともに選択されなかった食事画像を削除してもよい。或いは、食事画像が複数枚ある場合には、これら食事画像を全て削除した上で、被検者に食事画像の撮り直しを促してもよい。このように、1回の食事に対して1枚の食事画像のみを記憶部36に記憶することで、記憶部36の記憶容量が不要な食事画像によって圧迫されることが抑えられる。これらの例に限らず、1回の食事に対応する複数枚の食事画像を記憶部36に記憶してもよい。また、1回の食事時間の中で、被写体が異なる写真を、皿の形状や大きさに基づいてグループ化し、それぞれのグループにつき1枚の食事画像を、1回の食事に対応する複数の写真として記憶部36に記憶してもよい。その後、ステップS4に進む。
【0034】
一方、食事画像及び食事日時を取得していないと制御部22が判定した場合(ステップS2:NO)、制御部22は、血糖情報取得部16が血糖情報(測定値及び測定日時)を取得したか否かを判定する(ステップS4)。具体的に、被検者が血糖測定装置12を用いてグルコース濃度を測定すると、当該グルコース濃度を測定値として含む血糖情報が血糖測定装置12から血糖情報取得部16に送信される。ここで、血糖情報取得部16が血糖情報を取得したと判定する。なお、血糖測定装置12が連続グルコースモニタである場合は、観測されたグルコーストレンドを血糖情報として含む。
【0035】
血糖情報の取得がない場合(ステップS4:NO)、
図3のステップS13に進む。ステップS13の処理の説明については後述する。一方、血糖情報取得部16が血糖情報を取得したと判定部が判定した場合(ステップS4:YES)、情報整理部30は、血糖情報を共通フォルダ40に記憶する(ステップS5)。
【0036】
続いて、画像判定部32は、血糖情報の測定日時から遡って所定時間(例えば、2時間)以内の食事日時の食事画像が記憶部36にあるか否かを検索し、判定する(ステップS6)。なお、ステップS6の所定時間は、2時間に限定されず適宜設定可能である。
【0037】
食事画像がないと画像判定部32が判定した場合(ステップS6:NO)、報知制御部34は、食事文字情報(食事内容メモ及び食事日時)の入力を被検者に促す報知制御を行う(ステップS7)。具体的に、報知制御部34は、例えば、「測定日時から2時間前以内の食事内容を入力して下さい」との音声を血糖管理デバイス14のスピーカから出力する。また、報知制御部34は、例えば、「測定日時から2時間前以内の食事内容を入力して下さい」との文字を表示部20に表示させることもできる。
【0038】
そして、食事情報取得部18が食事文字情報を取得すると(ステップS8)、情報整理部30は、食事文字情報を共通フォルダ40に保存する(ステップS9)。その後、
図3のステップS10に進む。
【0039】
一方、食事画像があると画像判定部32が判定した場合(
図2のステップS6:YES)、
図3に示すように、血糖判定部28は、測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定する(ステップS10)。なお、ステップS10において、血糖測定装置12が連続グルコースモニタである場合、測定値は、観測されるグルコース濃度をいう。この場合は、観測されたグルコース濃度が高血糖閾値を超えた場合に、血糖判定部28は測定値が高血糖閾値よりも高いと判断する。さらに、血糖判定部28は、該高血糖閾値を超えた時間範囲において最も高いグルコース濃度(ピーク値)を特定し、血糖情報として保持してもよい。なお、血糖判定部28は、高血糖閾値や低血糖閾値として、高血糖閾値を超えた状況や低血糖閾値を下回る状況が持続した時間が、各々の所定値を超えた場合に、食事情報が記憶されるようにしてもよい。後述するステップS14についても同様である。
【0040】
測定値が高血糖閾値よりも高いと血糖判定部28が判定した場合(ステップS10:YES)、情報整理部30は、最新の食事情報(当該測定値に対応する食事情報)を共通フォルダ40から高血糖フォルダ42にコピーし、保持する(ステップS11)。
【0041】
そして、情報整理部30は、第1削除設定を行う(ステップS12)。具体的に、情報整理部30は、共通フォルダ40に記憶されている最新の食事情報の削除設定を行う。すなわち、情報整理部30は、共通フォルダ40に記憶されている最新の食事情報の食事日時から所定時間(例えば、12時間)経過後に、当該食事情報が削除されるように設定する。なお、ステップS12の所定時間は、12時間に限定されず適宜設定可能である。
【0042】
その後、制御部22は、血糖管理アプリが終了したか否かを判定する(ステップS13)。血糖管理アプリが終了した場合、今回の動作フローを終了する。血糖管理アプリが終了していない場合、
図2のステップS2に戻る。
【0043】
一方、測定値が高血糖閾値以下であると血糖判定部28が判定した場合(ステップS10:NO)、血糖判定部28は、測定値が低血糖閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS14)。測定値が低血糖閾値以上であると血糖判定部28が判定した場合(ステップS14:NO)、情報整理部30は、第2削除設定を行う(ステップS15)。
【0044】
具体的に、ステップS15において、情報整理部30は、共通フォルダ40に記憶されている最新の食事情報の削除設定を行う。すなわち、情報整理部30は、共通フォルダ40に記憶されている最新の食事情報の食事日時から所定時間(例えば、12時間)経過後に、当該食事情報が削除されるように設定する。なお、ステップS15の所定時間は、12時間に限定されず適宜設定可能である。その後、ステップS13に進む。
【0045】
一方、測定値が低血糖閾値よりも低いと血糖判定部28が判定した場合(ステップS14:YES)、情報整理部30は、最新の血糖情報に対応する食事情報を共通フォルダ40から低血糖フォルダ44にコピーし、保持する(ステップS16)。具体的に、情報整理部30は、最新の測定日時から遡って過去所定時間分(例えば、12時間分)の食事情報(例えば、2回分の食事情報)を共通フォルダ40から低血糖フォルダ44にコピーし、保持する。なお、ステップS16の所定時間は、12時間に限定されず適宜設定可能である。そして、情報整理部30は、最新の食事情報を共通フォルダ40から削除する(ステップS17)。その後、ステップS13に進む。なお、ステップS17から所定時間以内に再び低血糖閾値よりも低い血糖情報が観測された場合は、低血糖フォルダ44に保持済みのデータと、最新の血糖情報とを関連づけてもよい。
【0046】
このような血糖管理方法は、血糖情報及び食事情報を取得する情報取得ステップ(ステップS2、ステップS4)と、情報取得ステップで取得された血糖情報及び食事情報を記憶部36に記憶する記憶ステップ(ステップS3、ステップS5)と、測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップ(ステップS10、ステップS14)と、記憶部36に記憶されている食事情報を整理する情報整理ステップ(ステップS11、ステップS12、ステップS15、ステップS16)とを含む。情報整理ステップでは、測定値が所定の範囲内にある場合に、当該測定値に対応する食事情報を記憶部36から削除し、測定値が所定の範囲内にない場合に、当該測定値に対応する食事情報を記憶部36に保持する。
【0047】
次に、グラフ作成部38が作成する血糖管理グラフについて説明する。グラフ作成部38は、例えば、被検者が血糖管理アプリのグラフ作成のアイコンを操作することにより血糖管理グラフを作成する。
【0048】
グラフ作成部38は、上述した血糖管理方法によって記憶部36に記憶された測定値及び食事情報に基づいて血糖管理グラフを作成する。具体的に、グラフ作成部38は、例えば、
図4に示す血糖管理グラフ46を作成する。
図4に示すように、この血糖管理グラフ46は、測定値の時間変化を示すグルコース濃度線48に、食事画像を重ねて表示したものである。なお、血糖管理グラフ46において、横軸は時間を示し、縦軸は測定値(グルコース濃度又は血糖値)を示している。
【0049】
具体的に、血糖管理グラフ46において、グルコース濃度は、食事画像P1を取得時(時点t1)の後の時点t2で第1ピークに達し、時点t2から時点t3まで下がっている。その後、グルコース濃度は、時点t3から上昇し、次の食事画像P2を取得した時(時点t4)の食事後の時点t5で第2ピークに達し、時点t5から時点t6まで下がっている。そして、グルコース濃度は、時点t6から上昇し、食事画像P3を取得した時(時点t7)の食事後の時点t8で第3ピークに達し、時点t8から下がっている。
【0050】
このような血糖管理グラフ46において、時点t1の食事後の第1ピーク(時点t2のグルコース濃度)は、高血糖閾値Guよりも低く且つ低血糖閾値Glよりも高い。また、グルコース濃度は、時点t1から所定時間(例えば、12時間)経過するまでの間に低血糖閾値Glを下回っていない。そのため、時点t1の食事画像P1は、時点t1から所定時間経過後に記憶部36(共通フォルダ40)から削除される。従って、血糖管理グラフ46において、時点t1には、食事画像P1が表示されない。
【0051】
時点t4の食事後の第2ピーク(時点t5のグルコース濃度G2)は、高血糖閾値Guよりも高い。そのため、時点t4の食事画像P2は、高血糖フォルダ42に保存されている。従って、血糖管理グラフ46上において、時点t4には、食事画像P2が表示される。
【0052】
時点t7の食事後の第3ピーク(時点t8のグルコース濃度G1)は、高血糖閾値Guよりも低く且つ低血糖閾値Glよりも高い。そして、グルコース濃度は、時点t7から所定時間(例えば、12時間)経過するまでの間に低血糖閾値Glを下回らなかったとすると、時点t7の食事画像P3は、時点t7から所定時間経過後に共通フォルダ40から削除される。従って、時点t7には、食事画像P3が表示されないこととなる。
【0053】
このような血糖管理グラフ46では、時点t1の食事画像P1と時点t7の食事画像P3が表示されず、時点t4の食事画像P2が表示される。そのため、高血糖の原因であると推測される食事画像P2を効率的に知ることができる。換言すれば、高血糖の原因であると推測される食事画像P2を、膨大な数の食事画像の中から探す手間を省くことができる。
【0054】
また、グラフ作成部38は、例えば、
図5に示す血糖管理グラフ50を作成する。この血糖管理グラフ50は、上述した血糖管理グラフ46と同様に作成される。つまり、
図5に示すように、血糖管理グラフ50は、グルコース濃度の時間変化を示すグルコース濃度線52に、食事画像を重ねて表示したものである。
【0055】
血糖管理グラフ50において、グルコース濃度は、時点t10の食事後の時点t11で第1ピークに達し、時点t11から時点t12まで緩やかに下がっている。その後、グルコース濃度は、時点t12から上昇し、時点t13の食事後の時点t14で第2ピークに達し、時点t14から時点t15まで下がっている。そして、グルコース濃度は、時点t15から略一定になり、時点t16の食事後に再び下がっている。そして、時点t17において、下限値に達している。
【0056】
このような血糖管理グラフ50において、時点t10の食事後の第1ピーク(時点t11のグルコース濃度G4)は、高血糖閾値Guよりも低く且つ低血糖閾値Glよりも高い。また、グルコース濃度G4は、時点t10から所定時間(例えば、12時間)経過するまでの間に低血糖閾値Glを下回っていない。そのため、時点t10の食事画像P4は、時点t10から所定時間経過後に共通フォルダ40から削除される。従って、時点t10には、食事画像P4が表示されない。
【0057】
時点t13の食事後の第2ピーク(時点t14のグルコース濃度G5)は、高血糖閾値Guよりも低く且つ低血糖閾値Glよりも高い。また、時点t16の食事後の時点t17の下限値(時点t17のグルコース濃度G6)は、低血糖閾値Glよりも低い。なお、時点t17は、時点t13から所定時間(例えば、12時間)経過する前である。
【0058】
この場合、時点t17から遡って所定時間(例えば、12時間)分の全ての食事画像(時点t13の食事画像P5と時点t16の食事画像P6)が低血糖フォルダ44に保存されている。従って、時点t13には食事画像P5が表示され、時点t16には食事画像P6が表示される。
【0059】
このような血糖管理グラフ50では、時点t17よりも所定時間以上前である時点t10の食事画像P4が表示されず、時点t13の食事画像P5と時点t16の食事画像P6とが表示される。低血糖は、低血糖発生直前の状態だけでなく、それ以前の血糖状態によって発生する。すなわち、低血糖が発生した時点から遡って所定時間前(例えば、12時間前)の影響を考慮する必要がある。そのため、血糖管理グラフ50では、低血糖の原因であると推測される食事画像P5、P6を効率的に取得する。これにより、低血糖値が観測された時点の直前の食事情報に加えて、更に長い時間遡った食事情報を取得、表示できるため、低血糖の発生原因を検討することができる。
【0060】
グラフ作成部38は、例えば、
図6に示す血糖管理グラフ54を作成してもよい。
図6に示すように、この血糖管理グラフ54は、所定日数(例えば、1ヶ月)分のグルコース濃度に基づいて作成した1日(24時間)の血糖値の変動を示す血糖値プロファイル55(AGP:Ambulatory Glucose Profile)に、食事画像を重ねて表示したものである。
【0061】
血糖値プロファイル55は、中央線L0、第1上方ラインL1、第1下方ラインL2、第2上方ラインL3及び第2下方ラインL4を有する。中央線L0は、各時間帯における所定日数のグルコース濃度の中央値を示す。第1上方ラインL1と第1下方ラインL2との間の帯域は、各時間帯における所定日数のグルコース濃度の第1の割合が存在する領域を示す。例えば、第1の割合が存在する領域は、25パーセンタイル~75パーセンタイルである。第2上方ラインL3と第2下方ラインL4との間の帯域は、各時間帯における所定日数のグルコース濃度の第2の割合(例えば、10パーセンタイル~95パーセンタイル)が存在する領域を示す。なお、第1の割合と第2の割合とは、適宜設定可能である。
【0062】
この血糖管理グラフ54では、1日のうち時点t20において、グルコース濃度がピークになり易いことがわかる。そして、血糖管理グラフ54では、時点t20から所定時間前(例えば、2時間前)までの食事画像P7~P9がランキング形式で表示されている。
【0063】
第1位の食事画像P7は、データ取得期間において、時点t20から所定時間前までの食事画像群のうち時点t20で最も高いグルコース濃度となった日の食事画像である。第2位の食事画像P8は、時点t20から所定時間前までの食事画像群のうち時点t20で2番目に高いグルコース濃度となった日の食事画像である。第3位の食事画像P9は、時点t20から所定時間前までの食事画像群のうち時点t20で3番目に高いグルコース濃度となった日の食事画像である。なお、この場合、時点t20は、特定の時間ではなく、所定の時間幅としてもよい。このように、食事と関連するグルコース濃度が高い順に食事画像を表示することで、食事内容が及ぼすグルコース濃度への影響を把握しやすくなる。
【0064】
なお、血糖管理グラフ54では、1日のうちグルコース濃度が下限値になり易い時点(図示しない)において、当該時点から所定時間前までの食事画像をランキング形式で表示してもよい。
【0065】
本実施形態に係る血糖管理システム10Aは、以下の効果を奏する。
【0066】
血糖管理デバイス14は、血糖情報及び食事情報を記憶する記憶部36と、測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定部28と、記憶部36に記憶されている食事情報を整理する情報整理部30とを備える。情報整理部30は、当該測定値が所定の範囲内にあると血糖判定部28が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を記憶部36から削除し、測定値が所定の範囲内にないと血糖判定部28が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を記憶部36に保持する。すなわち、測定値の種類と食事情報を関連づけたうえで、分類できる。
【0067】
このような構成によれば、測定値が所定の範囲内にある場合に当該測定値に対応する食事情報を記憶部36から削除するため、食事情報を記憶するために必要な記憶部36の記憶容量を低減することができる。また、測定値が所定の範囲内にない場合に、当該測定値に対応する食事情報を記憶部36に保持する。これにより、血糖管理に特に必要と考えられる食事情報のみが記憶部36に記憶されることになる。よって、所定の範囲内(例えば、正常範囲内)にないグルコース濃度に関連する食事情報を効率的に見つけることができるため、血糖管理を効果的に行うことができる。
【0068】
血糖判定部28は、測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定し、情報整理部30は、測定値が高血糖閾値よりも高いと血糖判定部28が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を記憶部36に保持する。
【0069】
このような構成によれば、高血糖に関連する食事情報を効率的に知ることができる。
【0070】
血糖判定部28は、測定値が低血糖閾値よりも低いか否かを判定し、情報整理部30は、当該測定値が低血糖閾値よりも低いと血糖判定部28が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を記憶部36に保持する。
【0071】
このような構成によれば、低血糖に関連する食事情報を効率的に知ることができる。
【0072】
血糖管理デバイス14は、測定値と共に、記憶部36に保持された食事画像が表示される表示部20を備える。
【0073】
このような構成によれば、被検者は、表示部20に表示された測定値と食事画像とにより血糖管理を効果的に行うことができる。
【0074】
血糖管理デバイス14は、血糖情報の測定日時から遡って所定時間内の食事日時の食事画像が記憶部36にあるか否かを判定する画像判定部32と、当該食事画像が記憶部36にないと画像判定部32が判定した場合に、被検者に対して測定値に対応する食事の文字情報(食事文字情報)の入力を促す報知制御を行う報知制御部34とを有する。
【0075】
このような構成によれば、被検者が、測定値に対応する食事の写真を撮影し忘れた場合であっても、当該測定値に対応する食事文字情報を取得することができる。すなわち、測定値と食事文字情報とを関連づけることができる。
【0076】
上述した血糖管理システム10Aを用いた血糖管理方法では、測定値が所定の範囲内(高血糖閾値以下或いは低血糖閾値以上)にない場合に、共通フォルダ40の食事情報を高血糖フォルダ42又は低血糖フォルダ44にコピーしている。しかしながら、血糖管理方法において、測定値が所定の範囲内にない場合に、当該測定値に対応する食事情報にフラグを立てるようにしてもよい。このようにフラグを立てるようにした場合、高血糖フォルダ42及び低血糖フォルダ44が不要になる。
【0077】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る血糖管理システム10Bについて説明する。なお、上述した実施形態に係る血糖管理システム10Aの構成要素と同一の構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0078】
図7に示すように、血糖管理システム10Bは、血糖測定装置12、血糖管理デバイス60、血糖管理サーバ62及び指導用デバイス64を備える。血糖管理デバイス60、血糖管理サーバ62及び指導用デバイス64は、インターネット等のネットワーク66を通じて相互に通信可能である。
【0079】
血糖管理デバイス60は、被検者が操作するデバイスである。血糖管理デバイス60としては、例えば、スマートフォン、ラップトップ、タブレット等が挙げられるが、これらに限定されない。血糖管理デバイス60は、血糖情報取得部16、食事情報取得部18、表示部20、第1通信部68及び第1制御部70を備える。第1通信部68は、ネットワーク66を通じて血糖管理サーバ62に血糖情報及び食事情報をアップロード(送信)する。
【0080】
第1制御部70は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、CPU(中央処理装置)、メモリであるROM、RAM等を有しており、CPUがROMに記憶されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部(機能実現手段)として機能する。なお、各種機能実現部は、ハードウエアとしての機能実現器により構成することもできる。第1制御部70は、血糖判定部28、情報整理部30、画像判定部32、報知制御部34及び第1記憶部72を有する。第1記憶部72は、血糖情報及び食事情報を記憶する。なお、第1制御部70は、第1実施形態における制御部22に相当し、第1記憶部72は、第1実施形態における記憶部36に相当する。
【0081】
血糖管理サーバ62は、サーバ通信部74及びサーバ記憶部76を備える。サーバ通信部74は、第1通信部68からアップロードされた血糖情報及び食事情報を受信する。サーバ記憶部76は、サーバ通信部74が受信した血糖情報及び食事情報を記憶する。
【0082】
指導用デバイス64は、医療従事者(医師や管理栄養士等)が操作するデバイスであって、被検者の血糖管理(治療指導や健康指導等)を行うために使用される。指導用デバイス64は、表示部90、第2通信部92及び第2制御部94を備える。表示部90は、上述した血糖管理デバイス60の表示部20と同様に構成される。第2通信部92は、ネットワーク66を通じて血糖管理サーバ62から血糖情報及び食事情報をダウンロードする。
【0083】
第2制御部94は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、CPU(中央処理装置)、メモリであるROM、RAM等を有しており、CPUがROMに記憶されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部(機能実現手段)として機能する。なお、各種機能実現部は、ハードウエアとしての機能実現器により構成することもできる。
【0084】
第2制御部94は、第2記憶部96及びグラフ作成部98を有する。第2記憶部96は、第2通信部92が血糖管理サーバ62からダウンロードした血糖情報及び食事情報を記憶する。グラフ作成部98は、第2記憶部96に記憶されている血糖情報及び食事情報に基づいて血糖管理グラフを作成する。
【0085】
次に、本実施形態に係る血糖管理システム10Bを用いた血糖管理方法について説明する。
図8に示す動作フローのステップS20~ステップS28までの処理は、上述した血糖管理システム10Aの
図2に示す動作フローのステップS1~ステップS9までの処理と同様である。そのため、ステップS20~ステップS28の処理の説明については省略する。
【0086】
図8のステップS25において、第1記憶部72に食事画像があると第1制御部70が判定した場合(ステップS25:YES)、
図9に示すように、血糖判定部28は、測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定する(ステップS29)。なお、ステップS29において、血糖測定装置12が連続グルコースモニタである場合、測定値として、連続的にグルコース濃度が取得される。血糖測定装置12が血糖計の場合は、食後所定時間(例えば、食後2時間)以内に測定された測定値を意味する。後述するステップS34についても同様である。
【0087】
測定値が高血糖閾値よりも高いと血糖判定部28が判定した場合(ステップS29:YES)、第1通信部68は、最新の血糖情報と当該血糖情報に対応する食事情報(最新の食事情報)とを血糖管理サーバ62にアップロードする(ステップS30)。ステップS30で血糖管理サーバ62にアップロードされた血糖情報及び食事情報は、サーバ記憶部76に記憶される。なお、血糖測定装置12が、連続グルコースモニタの場合は、観測されたグルコース濃度が高血糖閾値を超えた場合、血糖判定部28は、測定値が高血糖閾値よりも高いと判断する。さらに、血糖判定部28は、該高血糖閾値を超えた時間範囲において最も高いグルコース濃度を、血糖情報としてもよい。
【0088】
その後、情報整理部30は、第1記憶部72に記憶されている最新の血糖情報を削除する(ステップS31)。また、情報整理部30は、第1削除設定を行う(ステップS32)。具体的に、情報整理部30は、第1記憶部72に記憶されている最新の食事情報の削除設定を行う。すなわち、情報整理部30は、第1記憶部72に記憶されている最新の食事情報の食事日時から所定時間(例えば、12時間)経過後に、当該食事情報が削除されるように設定する。なお、ステップS32の所定時間は、12時間に限定されず適宜設定可能である。
【0089】
その後、第1制御部70は、血糖管理アプリが終了したか否かを判定する(ステップS33)。血糖管理アプリが終了した場合、今回の動作フローを終了する。血糖管理アプリが終了していない場合、
図8のステップS21に戻る。
【0090】
測定値が高血糖閾値以下であると血糖判定部28が判定した場合(ステップS29:NO)、血糖判定部28は、測定値が低血糖閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS34)。測定値が低血糖閾値以上であると血糖判定部28が判定した場合(ステップS34:NO)、第1通信部68は、最新の血糖情報を血糖管理サーバ62にアップロードする(ステップS35)。ステップS35で血糖管理サーバ62にアップロードされた血糖情報は、サーバ記憶部76に保存される。
【0091】
続いて、情報整理部30は、第1記憶部72に記憶されている最新の血糖情報を削除する(ステップS36)。また、情報整理部30は、第2削除設定を行う(ステップS37)。具体的に、情報整理部30は、第1記憶部72に記憶されている最新の食事情報の削除設定を行う。すなわち、情報整理部30は、第1記憶部72に記憶されている最新の食事情報の食事日時から所定時間(例えば、12時間)経過後に、当該食事情報が削除されるように設定する。なお、ステップS37の所定時間は、12時間に限定されず適宜設定可能である。その後、ステップS33に進む。
【0092】
測定値が低血糖閾値よりも低いと血糖判定部28が判定した場合(ステップS34:YES)、第1通信部68は、最新の血糖情報と当該血糖情報に対応する食事情報とを血糖管理サーバ62にアップロードする(ステップS38)。なお、ここで、血糖測定装置12が、連続グルコースモニタの場合は、血糖判定部28は、観測されたグルコース濃度が低血糖閾値よりも低くなったときに、血糖判定部28は、測定値が低血糖閾値よりも低いと判断する。ステップS38で血糖管理サーバ62にアップロードされた血糖情報及び食事情報は、サーバ記憶部76に保存される。そして、情報整理部30は、第1記憶部72に記憶されている最新の血糖情報と最新の食事情報とを削除する(ステップS39)。その後、ステップS33に進む。
【0093】
本実施形態において、医療従事者は、指導用デバイス64を操作して血糖管理サーバ62から血糖情報及び食事情報をダウンロードすることができる。この場合、グラフ作成部98は、上述した血糖管理グラフ46、50、54を作成することができる(
図4~
図6参照)。これにより、医療従事者は、作成された血糖管理グラフ46、50、54に基づいて高血糖に関連する食事情報と低血糖に関連する食事情報とを効率的に知ることができる。そのため、医療従事者は、血糖管理グラフを用いて血糖管理(治療指導や健康指導等)を効果的に行うことができる。
【0094】
このような血糖管理方法は、血糖情報及び食事情報を取得する情報取得ステップ(ステップS21、ステップS23)と、情報取得ステップで取得された血糖情報及び食事情報を第1記憶部72に記憶する記憶ステップ(ステップS22、ステップS24)と、測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップ(ステップS29、ステップS34)と、第1記憶部72に記憶された血糖情報の測定値が所定の範囲内にないと血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を血糖管理サーバ62にアップロードする通信ステップ(ステップS30、ステップS38)と、測定値が所定の範囲内にあると血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を第1記憶部72から削除する情報整理ステップ(ステップS37)とを含む。
【0095】
血糖管理方法では、食事情報の血糖管理デバイス60から血糖管理サーバ62へのアップロードが失敗した場合、当該食事情報を血糖管理デバイス60の第1記憶部72に保持しておき、次回の食事情報を血糖管理サーバ62にアップロードする際に前回の食事情報も一緒にアップロードするようにしてもよい。この場合、血糖管理デバイス60の第1記憶部72に保持しておける食事情報の容量(例えば、食事画像の枚数)の上限値を定めておき、上限値を超えた場合には、古い食事情報から順番に削除してもよい。
【0096】
本実施形態に係る血糖管理システム10Bは、以下の効果を奏する。
【0097】
血糖管理システム10Bは、血糖管理デバイス60と血糖管理サーバ62とを備える。血糖管理デバイス60は、血糖情報及び食事情報を記憶する第1記憶部72と、測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定部28と、第1記憶部72に記憶されている食事情報を整理する情報整理部30と、第1記憶部72に記憶されている食事情報を血糖管理サーバ62にアップロードする第1通信部68とを備える。第1通信部68は、測定値が所定の範囲内にないと血糖判定部28が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を血糖管理サーバ62にアップロードし、情報整理部30は、測定値が所定の範囲内にあると血糖判定部28が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を第1記憶部72から削除する。
【0098】
このような構成によれば、測定値が所定の範囲内にある場合に当該測定値に対応する食事情報を第1記憶部72から削除するため、食事情報を記憶するために必要な第1記憶部72の記憶容量を低減することができる。また、測定値が所定の範囲内にない場合に、当該測定値に対応する食事情報を血糖管理サーバ62にアップロードする。これにより、血糖管理に特に必要と考えられる食事情報のみが血糖管理サーバ62にアップロードされることになる。よって、所定の範囲内(例えば、正常範囲内)にないグルコース濃度に関連する食事情報を効率的に見つけることができるため、血糖管理を効果的に行うことができる。
【0099】
血糖判定部28は、測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定し、第1通信部68は、測定値が高血糖閾値よりも高いと血糖判定部28が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を血糖管理サーバ62にアップロードする。
【0100】
このような構成によれば、高血糖に関連する食事情報を効率的に知ることができる。
【0101】
情報整理部30は、測定値が高血糖閾値よりも高いと血糖判定部28が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報が血糖管理サーバ62にアップロードされた後で当該食事情報を第1記憶部72から削除する。
【0102】
このような構成によれば、食事情報を記憶するための第1記憶部72の記憶容量を削減することができる。
【0103】
血糖判定部28は、測定値が低血糖閾値よりも低いか否かを判定し、第1通信部68は、測定値が低血糖閾値よりも低いと血糖判定部28が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を血糖管理サーバ62にアップロードする。
【0104】
このような構成によれば、低血糖に関連する食事情報を効率的に知ることができる。
【0105】
情報整理部30は、測定値が低血糖閾値よりも低いと血糖判定部28が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報が血糖管理サーバ62にアップロードされた後で当該食事情報を第1記憶部72から削除する。
【0106】
このような構成によれば、食事情報を記憶するための第1記憶部72の記憶容量を一層削減することができる。
【0107】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る血糖管理システム10Cについて説明する。なお、上述した実施形態に係る血糖管理システム10A、10Bの構成要素と同一の構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0108】
図10に示すように、血糖管理システム10Cは、血糖測定装置12、血糖管理デバイス100、血糖管理サーバ102及び指導用デバイス64を備える。血糖管理デバイス100、血糖管理サーバ102及び指導用デバイス64は、インターネット等のネットワーク66を通じて相互に通信可能である。
【0109】
血糖管理デバイス100は、被検者が操作するデバイスである。血糖管理デバイス100としては、例えば、スマートフォン、ラップトップ、タブレット等が挙げられるが、これらに限定されない。血糖管理デバイス100は、血糖情報取得部16、食事情報取得部18、表示部20、第1通信部68及び第1制御部104を備える。第1制御部104は、血糖判定部28及び画像判定部32を有しない点以外は、上述した第1制御部70と同様に構成される。血糖管理デバイス100は、血糖情報及び食事情報をネットワーク66を介して血糖管理サーバ102に送信する。
【0110】
血糖管理サーバ102は、サーバ通信部74及びサーバ制御部106を備える。サーバ制御部106は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、CPU(中央処理装置)、メモリであるROM、RAM等を有しており、CPUがROMに記憶されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部(機能実現手段)として機能する。なお、各種機能実現部は、ハードウエアとしての機能実現器により構成することもできる。
【0111】
サーバ制御部106は、血糖判定部108、サーバ情報整理部110、画像判定部112及びサーバ記憶部114を有する。
【0112】
血糖判定部108は、血糖情報取得部16に入力された血糖情報に基づき、測定値が所定の範囲内(正常範囲内)にあるか否かを判定する。すなわち、血糖判定部108は、測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定する。また、血糖判定部108は、測定値が低血糖閾値よりも低いか否かを判定する。高血糖閾値及び低血糖閾値のそれぞれは、サーバ記憶部114に予め記憶されている。なお、血糖測定装置12が、連続グルコースモニタの場合は、観測されたグルコース濃度が高血糖閾値を超えた場合、血糖判定部108は、測定値が高血糖閾値よりも高いと判断する。さらに、血糖判定部108は、該高血糖閾値を超えた時間範囲において最も高いグルコース濃度を、測定値とし、該最も高いグルコース濃度が観測された日時を測定日時としてもよい。
【0113】
サーバ情報整理部110は、サーバ記憶部114に記憶されている食事情報を整理する。画像判定部112は、サーバ記憶部114に所定の食事画像があるか否かを判定する。
【0114】
サーバ記憶部114は、共通フォルダ116、高血糖フォルダ118及び低血糖フォルダ120を有する。共通フォルダ116には、血糖管理デバイス100からアップロードされた血糖情報と食事情報とが記憶される。高血糖フォルダ118には、高血糖(高血糖閾値よりも高いグルコース濃度)に関連する食事情報が記憶される。低血糖フォルダ120には、低血糖(低血糖閾値よりも低いグルコース濃度)に関連する食事情報が記憶される。
【0115】
次に、血糖管理システム10Cを用いた血糖管理方法について説明する。まず、血糖管理デバイス100の動作フローについて説明する。
【0116】
図11に示すように、被検者が血糖管理デバイス100の血糖管理アプリを起動すると(ステップS40)、第1制御部104は、食事情報取得部18が食事画像及び食事日時を取得したか否かを判定する(ステップS41)。このステップS41の処理は、上述したステップS2の処理と同様である。
【0117】
食事情報取得部18が食事情報を取得したと第1制御部104が判定した場合(ステップS41:YES)、情報整理部30は、食事画像及び食事日時を第1記憶部72に記憶する(ステップS42)。そして、第1通信部68は、第1記憶部72に記憶された食事画像及び食事日時を血糖管理サーバ102にアップロードする(ステップS43)。続いて、情報整理部30は、アップロード済みの食事情報(食事画像及び食事日時)を第1記憶部72から削除する(ステップS44)。その後、ステップS45に進む。
【0118】
一方、食事情報取得部18が食事画像及び食事日時を取得していないと第1制御部104が判定した場合(ステップS41:NO)、第1制御部104は、血糖情報取得部16が血糖情報(測定値及び測定日時)を取得したか否かを判定する(ステップS45)。このステップS45の処理は、上述したステップS4の処理と同様である。
【0119】
血糖情報取得部16が血糖情報を取得していないと第1制御部104が判定した場合(ステップS45:NO)、ステップS49に進む。ステップS49の処理の説明については後述する。
【0120】
一方、血糖情報取得部16が血糖情報を取得したと第1制御部104が判定した場合(ステップS45:YES)、情報整理部30は、血糖情報を第1記憶部72に記憶する(ステップS46)。そして、第1通信部68は、第1記憶部72に記憶された血糖情報を血糖管理サーバ102にアップロードする(ステップS47)。続いて、情報整理部30は、アップロード済みの血糖情報を第1記憶部72から削除する(ステップS48)。
【0121】
その後、第1制御部104は、血糖管理アプリが終了したか否かを判定する(ステップS49)。血糖管理アプリが終了した場合、今回の動作フローを終了する。血糖管理アプリが終了していない場合、ステップS41に戻る。
【0122】
次に、血糖管理サーバ102の動作フローについて説明する。
【0123】
図12に示すように、サーバ制御部106は、食事画像及び食事日時が血糖管理デバイス100からアップロードされたか否かを検知する(ステップS50)。食事画像及び食事日時の血糖管理デバイス100からのアップロードが完了したことをサーバ制御部106が検知した場合(ステップS50:YES)、サーバ情報整理部110は、食事画像及び食事日時を共通フォルダ116に記憶する(ステップS51)。その後、ステップS52に進む。
【0124】
一方、血糖管理デバイス100から、食事画像及び食事日時が、アップロードされていない場合(すなわち、待機状態)(ステップS50:NO)、サーバ制御部106は、血糖情報(測定値及び測定日時)が血糖管理デバイス100からアップロードされたか否かを検知する(ステップS52)。血糖情報が血糖管理デバイス100からアップロードされていないとサーバ制御部106が判定した場合(ステップS52:NO)、今回の動作フローを終了する(
図13参照)。
【0125】
血糖情報が血糖管理デバイス100からアップロードされたことを、サーバ制御部106が検知した場合(ステップS52:YES)、サーバ情報整理部110は、血糖情報を共通フォルダ116に記憶する(ステップS53)。
【0126】
次いで、画像判定部112は、最新の血糖情報の測定日時から遡って所定時間(例えば、2時間)以内の食事日時の食事画像がサーバ記憶部114にあるか否かを判定する(ステップS54)。なお、ステップS54の所定時間は、2時間に限定されず適宜設定可能である。
【0127】
食事画像がないと画像判定部112が判定した場合(ステップS54:NO)、サーバ制御部106は、食事文字情報(食事内容メモ及び食事日時)の入力を被検者に促す報知制御を行うように血糖管理デバイス100に要求する(ステップS55)。
【0128】
この際、血糖管理デバイス100の報知制御部34は、例えば、「測定日時から2時間前以内の食事内容を入力して下さい」との音声を血糖管理デバイス100のスピーカから出力する。また、報知制御部34は、例えば、「測定日時から2時間前以内の食事内容を入力して下さい」との文字を血糖管理デバイス100の表示部20に表示させる。そして、食事文字情報が血糖管理デバイス100に入力されると、第1通信部68は、食事文字情報を血糖管理サーバ102にアップロードする。
【0129】
続いて、サーバ制御部106は、食事文字情報が血糖管理デバイス100からアップロードされたか否かを判定する(ステップS56)。食事文字情報が血糖管理デバイス100からアップロードされなかったとサーバ制御部106が判定した場合(ステップS56:NO)、食事文字情報がアップロードされるまでステップS56に留まる。なお、食事文字情報を収集する必要がない場合は、ステップS55からステップS57の処理を省略することができる。
【0130】
食事文字情報が血糖管理デバイス100からアップロードされたとサーバ制御部106が判定した場合(ステップS56:YES)、サーバ情報整理部110は、食事文字情報を共通フォルダ116に記憶する(ステップS57)。その後、
図13のステップS58に進む。
【0131】
図12において、食事画像があると画像判定部112が判定した場合(ステップS54:YES)、
図13に示すように、血糖判定部108は、測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定する(ステップS58)。なお、ステップS58において、血糖測定装置12が連続グルコースモニタである場合、観測されたグルコース濃度が高血糖閾値を超えた場合に、血糖判定部108は測定値が高血糖閾値よりも高いと判断する。この場合、血糖判定部108は、該高血糖閾値を超えた時間範囲において最も高いグルコース濃度を特定し、血糖情報として保持してもよい。後述するステップS61についても同様である。
【0132】
測定値が高血糖閾値よりも高いと血糖判定部108が判定した場合(ステップS58:YES)、サーバ情報整理部110は、最新の食事情報(当該測定値に対応する食事情報)を共通フォルダ116から高血糖フォルダ118にコピーし、保持する(ステップS59)。
【0133】
そして、サーバ情報整理部110は、第1削除設定を行う(ステップS60)。具体的に、サーバ情報整理部110は、共通フォルダ116に記憶されている最新の食事情報の削除設定を行う。すなわち、サーバ情報整理部110は、共通フォルダ116に記憶されている最新の食事情報の食事日時から所定時間(例えば、12時間)経過後に、当該食事情報が削除されるように設定する。なお、ステップS60の所定時間は、12時間に限定されず適宜設定可能である。その後、今回の動作フローを終了する。
【0134】
測定値が高血糖閾値以下であると血糖判定部108が判定した場合(ステップS58:NO)、血糖判定部108は、測定値が低血糖閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS61)。なお、ここで、血糖測定装置12が、連続グルコースモニタの場合は、血糖判定部108は、観測されたグルコース濃度が低血糖閾値よりも低くなったときに、測定値が低血糖閾値よりも低いと判断する。測定値が低血糖閾値以上であると血糖判定部108が判定した場合(ステップS61:NO)、サーバ情報整理部110は、第2削除設定を行う(ステップS62)。
【0135】
具体的に、サーバ情報整理部110は、共通フォルダ116に記憶されている最新の食事情報の削除設定を行う。すなわち、サーバ情報整理部110は、共通フォルダ116に記憶されている最新の食事情報の食事日時から所定時間(例えば、12時間)経過後に、当該食事情報が削除されるように設定する。なお、ステップS62の所定時間は、12時間に限定されず適宜設定可能である。その後、今回の動作フローを終了する。なお、サーバ情報整理部110の代わりに、情報整理部30が、最新の食事情報の削除設定を行ってもよい。
【0136】
測定値が低血糖閾値よりも低いと血糖判定部108が判定した場合(ステップS61:YES)、サーバ情報整理部110は、最新の血糖情報に対応する食事情報を共通フォルダ116から低血糖フォルダ120にコピーし、保持する(ステップS63)。具体的に、サーバ情報整理部110は、最新の測定日時から遡って過去所定時間分(例えば、12時間分)の食事情報(例えば、2回分の食事情報)を共通フォルダ116から低血糖フォルダ120にコピーし、保持する。なお、ステップS63の所定時間は、12時間に限定されず適宜設定可能である。そして、サーバ情報整理部110は、最新の食事情報を共通フォルダ116から削除する(ステップS64)。その後、今回の動作フローを終了する。なお、サーバ情報整理部110の代わりに、情報整理部30が、最新の食事情報を共通フォルダ116から削除してもよい。
【0137】
このような血糖管理方法は、血糖情報及び食事情報を取得する情報取得ステップ(ステップS41、ステップS45)と、情報取得ステップで取得された血糖情報及び食事情報を第1記憶部72に記憶する記憶ステップ(ステップS42、ステップS46)と、第1記憶部72に記憶された血糖情報及び食事情報を血糖管理サーバ102にアップロードする通信ステップ(ステップS43、ステップS47)と、血糖管理デバイス100から血糖管理サーバ102にアップロード済みの食事情報を第1記憶部72から削除する情報整理ステップ(ステップS44)と、血糖管理デバイス100からアップロードされた血糖情報及び食事情報をサーバ記憶部114に記憶するサーバ記憶ステップ(ステップS51、ステップS53)と、サーバ記憶部114に記憶された血糖情報の測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップ(ステップS58、ステップS61)と、サーバ記憶部114に記憶されている食事情報を整理するサーバ情報整理ステップ(ステップS59、ステップS60、ステップS62、ステップS63、ステップS64)とを含む。サーバ情報整理ステップでは、測定値が所定の範囲内にあると血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報をサーバ記憶部114から削除し、測定値が所定の範囲内にないと血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報をサーバ記憶部114に保持する。
【0138】
本実施形態に係る血糖管理システム10Cは、以下の効果を奏する。
【0139】
血糖管理システム10Cは、血糖管理デバイス100と血糖管理サーバ102とを備える。血糖管理デバイス100は、血糖情報及び食事情報を記憶する第1記憶部72と、血糖管理デバイス100から血糖管理サーバ102にアップロード済みの食事情報を第1記憶部72から削除する情報整理部30とを有する。血糖管理サーバ102は、血糖管理デバイス100からアップロードされた血糖情報及び食事情報を記憶するサーバ記憶部114と、測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定部108と、サーバ記憶部114に記憶されている食事情報を整理するサーバ情報整理部110とを備える。サーバ情報整理部110は、測定値が所定の範囲内にあると血糖判定部108が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報をサーバ記憶部114から削除し、測定値が所定の範囲内にないと血糖判定部108が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報をサーバ記憶部114に保持する。
【0140】
このような構成によれば、血糖管理デバイス100から血糖管理サーバ102にアップロード済みの食事情報を第1記憶部72から削除するため、食事情報を記憶するために必要な第1記憶部72の記憶容量を低減することができる。また、血糖管理サーバ102では、測定値が所定の範囲内にある場合に当該測定値に対応する食事情報をサーバ記憶部114から削除するため、食事情報を記憶するために必要なサーバ記憶部114の記憶容量を低減することができる。さらに、測定値が所定の範囲内にない場合に当該測定値に対応する食事情報をサーバ記憶部114に保持する。これにより、血糖管理に特に必要と考えられる食事情報のみがサーバ記憶部114に記憶されることになる。よって、所定の範囲(例えば、正常範囲)内にないグルコース濃度に関連する食事情報を効率的に見つけることができるため、血糖管理(治療指導や健康指導等)を効果的に行うことができる。
【0141】
血糖判定部108は、測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定し、サーバ情報整理部110は、測定値が高血糖閾値よりも高いと血糖判定部108が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報をサーバ記憶部114に保持する。
【0142】
このような構成によれば、高血糖に関連する食事情報を効率的に見つけることができる。
【0143】
血糖判定部108は、測定値が低血糖閾値よりも低いか否かを判定し、サーバ情報整理部110は、測定値が低血糖閾値よりも低いと血糖判定部108が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報をサーバ記憶部114に保持する。
【0144】
このような構成によれば、低血糖に関連する食事情報を効率的に見つけることができる。
【0145】
上述した血糖管理システム10Cを用いた血糖管理方法では、測定値が所定の範囲内にない(高血糖閾値以下且つ低血糖閾値以上である)場合に、共通フォルダ116の食事情報を高血糖フォルダ118又は低血糖フォルダ120にコピーし、保持している。しかしながら、血糖管理方法において、測定値が所定の範囲内にない場合に、当該測定値に対応する食事情報にフラグを立てるようにしてもよい。このようにフラグを立てるようにした場合、高血糖フォルダ118及び低血糖フォルダ120が不要になる。
【0146】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。
【0147】
以上の実施形態をまとめると、以下のようになる。
【0148】
上記実施形態は、測定値を含む血糖情報を取得する血糖情報取得部(16)と、被検者の食事画像を含む食事情報を取得する食事情報取得部(18)とを有する血糖管理デバイス(14)であって、前記血糖情報及び前記食事情報を記憶する記憶部(36)と、前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定部(28)と、前記記憶部に記憶された前記食事情報を整理する情報整理部(30)と、を備え、前記情報整理部は、前記血糖判定部の判定に基づき、前記測定値が所定の範囲内にあると前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部に保持する、血糖管理デバイスを開示している。
【0149】
上記の血糖管理デバイスにおいて、前記血糖判定部は、前記測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定し、前記情報整理部は、前記測定値が前記高血糖閾値よりも高いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部に保持してもよい。
【0150】
上記の血糖管理デバイスにおいて、前記血糖判定部は、前記測定値が低血糖閾値よりも低いか否かを判定し、前記情報整理部は、前記測定値が前記低血糖閾値よりも低いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部に保持してもよい。
【0151】
上記の血糖管理デバイスにおいて、前記血糖管理デバイスは、測定値と共に、前記記憶部に保持された前記食事画像が表示される表示部(20)を備えてもよい。
【0152】
上記の血糖管理デバイスにおいて、前記血糖情報の測定日時から遡って所定時間内の食事日時の前記食事画像が前記記憶部にあるか否かを判定する画像判定部(32)と、前記食事画像が前記記憶部にないと前記画像判定部が判定した場合に、前記被検者に対して前記測定値に対応する食事の文字情報の入力を促す報知制御を行う報知制御部(34)と、を有してもよい。
【0153】
上記実施形態は、測定値を含む血糖情報を取得する血糖情報取得部と、被検者の食事画像を含む食事情報を取得する食事情報取得部とを有する血糖管理デバイス(60)と、前記血糖情報及び前記食事情報を前記血糖管理デバイスからネットワーク(66)を通じてアップロード可能な血糖管理サーバ(62)と、を備える血糖管理システム(10B)であって、前記血糖管理デバイスは、前記血糖情報及び前記食事情報を記憶する記憶部(72)と、前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定部と、前記記憶部に記憶されている前記食事情報を整理する情報整理部と、前記記憶部に記憶されている前記食事情報を前記血糖管理サーバにアップロードする通信部(68)と、を備え、前記通信部は、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記血糖管理サーバにアップロードし、前記情報整理部は、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除する、血糖管理システムを開示している。
【0154】
上記の血糖管理システムにおいて、前記血糖判定部は、前記測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定し、前記通信部は、前記測定値が前記高血糖閾値よりも高いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記血糖管理サーバにアップロードしてもよい。
【0155】
上記の血糖管理システムにおいて、前記情報整理部は、前記測定値が前記高血糖閾値よりも高いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報が前記血糖管理サーバにアップロードされた後で当該食事情報を前記記憶部から削除してもよい。
【0156】
上記の血糖管理システムにおいて、前記血糖判定部は、前記測定値が低血糖閾値よりも低いか否かを判定し、前記通信部は、前記測定値が前記低血糖閾値よりも低いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記血糖管理サーバにアップロードしてもよい。
【0157】
上記の血糖管理システムにおいて、前記情報整理部は、前記測定値が前記低血糖閾値よりも低いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報が前記血糖管理サーバにアップロードされた後で当該食事情報を前記記憶部から削除してもよい。
【0158】
上記実施形態は、測定値を含む血糖情報を取得する血糖情報取得部と、被検者の食事画像を含む食事情報を取得する食事情報取得部とを有する血糖管理デバイス(100)と、前記血糖情報及び前記食事情報を前記血糖管理デバイスからネットワークを通じてアップロード可能な血糖管理サーバ(102)と、を備える血糖管理システム(10C)であって、前記血糖管理デバイスは、前記血糖情報及び前記食事情報を記憶する記憶部と、前記血糖管理デバイスから前記血糖管理サーバにアップロード済みの前記食事情報を前記記憶部から削除する情報整理部と、を有し、前記血糖管理サーバは、前記血糖管理デバイスからアップロードされた前記血糖情報及び前記食事情報を記憶するサーバ記憶部(114)と、前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定部(108)と、前記サーバ記憶部に記憶されている前記食事情報を整理するサーバ情報整理部(110)と、を有し、前記サーバ情報整理部は、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部に保持する、血糖管理システムを開示している。
【0159】
上記の血糖管理システムにおいて、前記血糖判定部は、前記測定値が高血糖閾値よりも高いか否かを判定し、前記サーバ情報整理部は、前記測定値が前記高血糖閾値よりも高いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部に保持してもよい。
【0160】
上記の血糖管理システムにおいて、前記血糖判定部は、前記測定値が低血糖閾値よりも低いか否かを判定し、前記サーバ情報整理部は、前記測定値が前記低血糖閾値よりも低いと前記血糖判定部が判定した場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部に保持してもよい。
【0161】
上記実施形態は、測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理方法であって、前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、前記記憶部に記憶されている前記食事情報を整理する情報整理ステップと、を含み、前記情報整理ステップでは、前記測定値が前記所定の範囲内にある場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にない場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部に保持する、血糖管理方法を開示している。
【0162】
上記実施形態は、測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理方法であって、前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記記憶部に記憶された前記血糖情報の測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を血糖管理サーバにアップロードする通信ステップと、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除する情報整理ステップと、を含む、血糖管理方法を開示している。
【0163】
上記実施形態は、測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理方法であって、前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記記憶部に記憶された前記血糖情報及び前記食事情報を血糖管理サーバにアップロードする通信ステップと、血糖管理デバイスから前記血糖管理サーバにアップロード済みの前記食事情報を前記記憶部から削除する情報整理ステップと、前記血糖管理デバイスからアップロードされた前記血糖情報及び前記食事情報をサーバ記憶部に記憶するサーバ記憶ステップと、前記サーバ記憶部に記憶された前記血糖情報の測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、前記サーバ記憶部に記憶されている前記食事情報を整理するサーバ情報整理ステップと、を含み、前記サーバ情報整理ステップでは、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部に保持する、血糖管理方法を開示している。
【0164】
上記実施形態は、測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理プログラムであって、前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、前記記憶部に記憶されている前記食事情報を整理する情報整理ステップと、をコンピュータに実行させ、前記情報整理ステップでは、前記測定値が前記所定の範囲内にある場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にない場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部に保持する、血糖管理プログラムを開示している。
【0165】
上記実施形態は、測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理プログラムであって、前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記記憶部に記憶された前記血糖情報の測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を血糖管理サーバにアップロードする通信ステップと、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記記憶部から削除する情報整理ステップと、をコンピュータに実行させる、血糖管理プログラムを開示している。
【0166】
上記実施形態は、測定値を含む血糖情報と被検者の食事画像を含む食事情報とを管理する血糖管理プログラムであって、前記血糖情報及び前記食事情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得された前記血糖情報及び前記食事情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記記憶部に記憶された前記血糖情報及び前記食事情報を血糖管理サーバにアップロードする通信ステップと、血糖管理デバイスから前記血糖管理サーバにアップロード済みの前記食事情報を前記記憶部から削除する情報整理ステップと、前記血糖管理デバイスからアップロードされた前記血糖情報及び前記食事情報をサーバ記憶部に記憶するサーバ記憶ステップと、前記サーバ記憶部に記憶された前記血糖情報の測定値が所定の範囲内にあるか否かを判定する血糖判定ステップと、前記サーバ記憶部に記憶されている前記食事情報を整理するサーバ情報整理ステップと、をコンピュータに実行させ、前記サーバ情報整理ステップでは、前記測定値が前記所定の範囲内にあると前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部から削除し、前記測定値が前記所定の範囲内にないと前記血糖判定ステップで判定された場合に、当該測定値に対応する食事情報を前記サーバ記憶部に保持する、血糖管理プログラムを開示している。