(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0875 20230101AFI20240919BHJP
【FI】
G06Q10/0875
(21)【出願番号】P 2022006973
(22)【出願日】2022-01-20
【審査請求日】2024-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 豪
(72)【発明者】
【氏名】栗焼 洋介
(72)【発明者】
【氏名】西山 英峰
(72)【発明者】
【氏名】貫井 茂
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-117469(JP,A)
【文献】特開2008-269541(JP,A)
【文献】特開2020-107246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つのセット品の基本構成となる一つ又は複数の基本構成品、及び、前記セット品の範疇として追加可能な一つ又は複数
の、前記セット品と同一品種の追加構成品の一覧を示す一覧表示画面を表示する一覧表示部と、
前記基本構成品のうち、前記セット品から除外する除外構成品を指定する除外構成品指定入力、及び、前記追加構成品のうち、前記セット品に追加する追加構成品を指定する追加構成品指定入力を取得する取得部と、を備え、
前記一覧表示部は、前記除外構成品指定入力により指定された除外構成品を示す除外構成品情報、及び、前記追加構成品指定入力により指定された
、前記セット品と同一品種の追加構成品を示す追加構成品情報を、前記一覧表示画面に反映させて表示すること、
を特徴とする業務支援装置。
【請求項2】
前記一覧表示部は、前記基本構成品、前記除外構成品、及び、前記追加構成品の、売上単価、原価単価、売上金額及び原価金額のうち、いずれか一つ又は複数を、前記一覧表示画面に含めて表示すること、
を特徴とする
請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記セット品の出荷指示入力時において、前記セット品の前記基本構成品から前記除外構成品指定入力により指定された前記除外構成品を除外し、前記追加構成品指定入力により指定された前記追加構成品を追加した構成品情報を印刷するための出荷指示印刷データを生成するデータ生成部を、さらに備えること、
を特徴とする
請求項1又は請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記データ生成部は、前記セット品の売上入力時において、前記セット品の前記基本構成品、前記除外構成品指定入力により指定された前記除外構成品を特定して示す情報である除外構成品特定情報、前記追加構成品指定入力により指定された前記追加構成品、及び前記追加構成品を特定して示す情報である追加構成品特定情報を含む構成品情報を印刷するための売上印刷データを生成すること、
を特徴とする
請求項3に記載の業務支援装置。
【請求項5】
前記セット品の売上入力時において、前記除外構成品を除外した前記基本構成品、及び、前記追加構成品の各売上金額の合計金額を算出する算出部を、さらに備え、
前記データ生成部は、算出された前記合計金額を含む前記売上印刷データを生成すること、
を特徴とする
請求項4に記載の業務支援装置。
【請求項6】
一覧表示部が、一つのセット品の基本構成となる一つ又は複数の基本構成品、及び、前記セット品の範疇として追加可能な一つ又は複数
の、前記セット品と同一品種の追加構成品の一覧を示す一覧表示画面を表示する一覧表示ステップと、
取得部が、前記基本構成品のうち、前記セット品から除外する除外構成品を指定する除外構成品指定入力、及び、前記追加構成品のうち、前記セット品に追加する追加構成品を指定する追加構成品指定入力を取得する取得ステップと、を備え、
前記一覧表示ステップでは、前記一覧表示部が、前記除外構成品指定入力により指定された除外構成品を示す除外構成品情報、及び、前記追加構成品指定入力により指定された
、前記セット品と同一品種の追加構成品を示す追加構成品情報を、前記一覧表示画面に反映させて表示すること、
を特徴とする業務支援方法。
【請求項7】
コンピュータを、
一つのセット品の基本構成となる一つ又は複数の基本構成品、及び、前記セット品の範疇として追加可能な一つ又は複数
の、前記セット品と同一品種の追加構成品の一覧を示す一覧表示画面を表示する一覧表示部と、
前記基本構成品のうち、前記セット品から除外する除外構成品を指定する除外構成品指定入力、及び、前記追加構成品のうち、前記セット品に追加する追加構成品を指定する追加構成品指定入力を取得する取得部として機能させ、
前記一覧表示部は、前記除外構成品指定入力により指定された除外構成品を示す除外構成品情報、及び、前記追加構成品指定入力により指定された
、前記セット品と同一品種の追加構成品を示す追加構成品情報を、前記一覧表示画面に反映させて表示すること、
を特徴とする業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2020-107246号公報)には、取引に係る集合体を構成し得る構成品候補を精度良く抽出して管理可能とした構成品管理装置が開示されている。この構成品管理装置は、制御部が、取引に係る集合体に関し指定された分類に関する分類情報に基づき、分類情報に関連付けられた一種又は複数種の条件情報パターンに属する構成品を、集合体を構成し得る構成品候補として抽出する。これにより、例えば、医療用の箱(医療品セット)中に収納される医療品を高精度で管理できる。このため、医療品の管理に要するユーザの手間を軽減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば上述の医療品セット等のセット品は、このセット品単位で各種取引が行われ、セット品を構成する構成品単位での取引は、通常は行われない。このため、顧客の要求等により、構成品の組み換えが必要になった場合に対応が困難となる問題があった。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、セット品単位での取引形態を維持しつつ、構成品の組み換えにも柔軟に対応可能とした業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、一つのセット品の基本構成となる一つ又は複数の基本構成品、及び、セット品の範疇として追加可能な一つ又は複数の、前記セット品と同一品種の追加構成品の一覧を示す一覧表示画面を表示する一覧表示部と、基本構成品のうち、セット品から除外する除外構成品を指定する除外構成品指定入力、及び、追加構成品のうち、セット品に追加する追加構成品を指定する追加構成品指定入力を取得する取得部と、を備え、一覧表示部は、除外構成品指定入力により指定された除外構成品を示す除外構成品情報、及び、追加構成品指定入力により指定された、前記セット品と同一品種の追加構成品を示す追加構成品情報を、一覧表示画面に反映させて表示すること、を特徴とする。
【0007】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援方法は、一覧表示部が、一つのセット品の基本構成となる一つ又は複数の基本構成品、及び、セット品の範疇として追加可能な一つ又は複数の、前記セット品と同一品種の追加構成品の一覧を示す一覧表示画面を表示する一覧表示ステップと、取得部が、基本構成品のうち、セット品から除外する除外構成品を指定する除外構成品指定入力、及び、追加構成品のうち、セット品に追加する追加構成品を指定する追加構成品指定入力を取得する取得ステップと、を備え、一覧表示ステップでは、一覧表示部が、除外構成品指定入力により指定された除外構成品を示す除外構成品情報、及び、追加構成品指定入力により指定された、前記セット品と同一品種の追加構成品を示す追加構成品情報を、一覧表示画面に反映させて表示すること、を特徴とする。
【0008】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援プログラムは、コンピュータを、一つのセット品の基本構成となる一つ又は複数の基本構成品、及び、セット品の範疇として追加可能な一つ又は複数の、前記セット品と同一品種の追加構成品の一覧を示す一覧表示画面を表示する一覧表示部と、基本構成品のうち、セット品から除外する除外構成品を指定する除外構成品指定入力、及び、追加構成品のうち、セット品に追加する追加構成品を指定する追加構成品指定入力を取得する取得部として機能させ、一覧表示部は、除外構成品指定入力により指定された除外構成品を示す除外構成品情報、及び、追加構成品指定入力により指定された、前記セット品と同一品種の追加構成品を示す追加構成品情報を、一覧表示画面に反映させて表示すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、セット品単位での取引形態を維持しつつ、構成品の組み換えにも柔軟に対応できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態の業務支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、商品マスタの一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、セット品構成マスタの一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、商品単価マスタの一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、見積入力動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、見積入力画面及び構成変更画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、セット品の基本構成の見積データ、及び、セット品の基本構成の各構成品の構成データの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、セット品の基本構成の構成品の除去操作又は追加操作が行われた場合の見積データ、及び、セット品の各構成品の構成データの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施の形態の業務支援装置1の受注入力動作の流れを示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、セット品の基本構成の受注データ、発注データ、及び、各構成品の構成データを示す図である。
【
図11】
図11は、セット品の基本構成の構成品の除去操作及び追加操作が行われた場合に生成される受注データ、発注データ及び見積データの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、仕入入力動作の流れを示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、セット品の基本構成の仕入データ、及び、セット品の基本構成の各構成品の構成データを示す図である。
【
図14】
図14は、セット品の基本構成の構成品の除去操作及び追加操作に対応して生成された仕入データ、及び、構成データを示す図である。
【
図15】
図15は、出荷指示入力動作の流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、セット品の基本構成の出荷指示データ、及び、セット品Aの基本構成の各構成品の構成データを示す図である。
【
図17】
図17は、セット品の基本構成の構成品の除去操作及び追加操作に対応して生成された出荷指示データ、及び、セット品の基本構成の構成品の除去操作及び追加操作が行われた場合に生成される構成データを示す図である。
【
図18】
図18は、セット品の情報及び基本構成品の情報の印刷例を示す図である。
【
図19】
図19は、出荷入力動作の流れを示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、セット品の基本構成の出荷データ、及び、セット品の基本構成に構成品の変更(除外又は追加)があった場合の出荷データの一例を示す図である。
【
図21】
図21は、売上入力動作の流れを示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、セット品の基本構成の売上データ、及び、セット品の基本構成の各構成品の構成データを示す図である。
【
図24】
図24は、セット品の基本構成の構成品の除去操作及び追加操作に対応して生成された売上データ、及び、セット品の基本構成の構成品の除去操作及び追加操作が行われた場合に生成される構成データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した実施の形態となる業務支援装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の業務支援装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この業務支援装置1としては、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置の他、ノート型のパーソナルコンピュータ装置又はタブレット型のパーソナルコンピュータ装置を用いることができる。また、業務支援装置1としては、PDA(Personal Digital Assistants)装置又はスマートフォン等携帯型情報処理装置を用いることができる。このような業務支援装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。
【0013】
入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部を用いることができる。また、出力装置7としては、シール部材等の印刷用紙に印刷を行う印刷装置、又は、セット品の箱に対して直接印字を行う、ハンディタイプの印刷装置を用いることができる。
【0014】
入力装置6としては、キーボード装置及びマウス装置、及びマイクロホン装置の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置を用いることができる。また、入力装置6としては、バーコードの読み取り機能を備えたハンディターミナル装置を用いることができる。
【0015】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、それぞれ所定の情報が記憶された記憶領域である商品マスタ11、セット品構成マスタ12及び商品単価マスタ13が設けられている。
【0016】
また、記憶部2には、セット品単位での取引形態を維持しつつ、構成品の組み換えにも柔軟に対応可能とするための業務支援プログラムが記憶されている。また、記憶部2には、セット品の基本となる基本構成品及び追加可能な追加構成品を一覧表示する一覧表示画面の一覧表示画面データが記憶されている。また、記憶部2には、見積入力及び受注入力等の各種操作に応じて生成されるデータである見積データ、構成データ、発注データ、受注データ、仕入データ、出荷指示データ、出荷データ、売上データ、出荷指示印刷データ、及び、納品書印刷データ等が記憶される。
【0017】
図2は、商品マスタ11の模式図である。この
図2に例示するように、商品マスタ11には、セット品の品種が関連付けされて記憶されており、また、各構成品の品種が関連付けされて記憶されている。この
図2の例は、セット品Aの品種は、「品種A」であることを示している。また、構成品A~構成品Eは、それぞれセット品Aと同じ「品種A」であることを示している。なお、構成品Fは、「品種B」であるため、セット品Aの品種とは異なる品種であることを示している。
【0018】
図3は、セット品構成マスタ12の模式図である。この
図3に例示するように、セット品構成マスタ12は、セット品名と構成品名とが関連付けされて記憶されている。この
図3の例は、構成品A~構成品Dが、セット品Aの基本構成であることを示している。なお、後述するが、この構成品A~構成品Dの基本構成に対しては、同じ品種の構成品であれば追加可能となっている。
図2の例では、セット品Aの品種と同じ品種Aの構成品は構成品Eである。このため、構成品Eは、セット品Aに対する追加構成品として追加可能となっている。これに対して、構成品Fは、セット品Aの品種とは異なる品種Bの構成品である。このため、構成品Fは、セット品Aに対する追加構成品として追加不可となっている。
【0019】
図4は、商品単価マスタ13の模式図である。この
図4に例示するように、商品単価マスタ13には、各構成品、各構成品の売上単価、及び、各構成品の原価が、それぞれ関連付けされて記憶されている。この
図4の例は、構成品Aの売上単価は「6000円」で、原価は「3000円」であることを示している。また、この
図4の例は、構成品Eの売上単価は「2500円」で、原価は「1500円」であることを示している。
【0020】
(機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、取引部21、表示制御部22、データ生成部23、算出部24,出力制御部25、及び、記憶制御部26として機能する。
【0021】
取引部21は、例えば見積入力時又は受注入力時等に入力装置6を介して入力された情報を取得する。表示制御部22は、業務オペレータ等により入力操作される見積入力画面、受注入力画面等を出力装置7の一例である表示部に表示制御する。データ生成部23は、取得部21により取得された情報に基づいて、見積データ、構成データ等の各種データを生成する。
【0022】
算出部22は、出荷指示入力時、出荷入力時及び売上入力時等に売上金額の合計金額を算出する。出力制御部25は、出荷指示入力時に、セット品の情報及びセット品を構成する構成品の情報を印刷する出荷指示印刷データを、出力装置7の一例である印刷装置に出力して印刷制御する。また、出力制御部25は、売上入力時に、セット品の情報及びセット品を構成する構成品の情報を含む納品書印刷データを、出力装置7の一例である印刷装置に出力して印刷制御する。
【0023】
(実施の形態の動作)
次に、実施の形態の業務支援装置1の動作説明をする。
【0024】
(見積入力動作)
まず、
図5は、見積入力時における実施の形態の業務支援装置1の動作の流れを示すフローチャートである。制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムに基づいて、この
図5のフローチャートの各処理を実行する。
図5のフローチャートにおいて、業務オペレータにより入力装置6を介して見積入力を指示する操作が行われると、表示制御部22は、
図6(a)に例示する見積入力画面を出力装置7(表示部)に表示する(ステップS1)。
【0025】
この
図6(a)に示すように、見積入力画面には、明細のレコードの行番号、商品名、品種、数量、売上単価及び原価単価が表示される。行番号は、デフォルトで1行目を示す「1」が表示される。この行番号としては、業務オペレータが所望の行番号を選択可能となっている。業務オペレータは、行番号を選択し、例えば「セット品A」の商品名及び「1」等の所望の数量を入力する。
【0026】
表示制御部22は、入力された商品名に基づいて商品マスタ11を参照し、セット品Aの品種である「品種A」を検出する。また、表示制御部22は、セット品構成マスタ12を参照することで、セット品Aの基本構成となる構成品A~構成品Dを検出する。さらに、表示制御部22は、セット品Aの基本構成に基づいて商品単価マスタ13を参照し、構成品A~構成品Dの売上単価及び原価を検出する。
【0027】
そして、表示制御部22は、
図6(a)に示すように品種の表示欄に、商品マスタ11から検出したセット品Aの「品種A」を表示する。また、表示制御部22により、セット品構成マスタ12及び商品単価マスタ13からセット品Aの基本構成となる構成品A~構成品Dの売上金額及び原価単価がそれぞれ検出されると、算出部24は、構成品A~構成品Dの売上金額の合計金額及び原価単価の合計金額を、それぞれ算出する。表示制御部22は、算出部24により算出された売上金額の合計金額(
図6(a)の例は12000円)及び原価単価の合計金額(
図6の例は6000円)を、
図6(a)に示す売上単価の表示欄及び原価金額の表示欄にそれぞれ表示する。
【0028】
また、算出部24は、構成品A~構成品Dの売上単価の合計金額及び原価単価の合計金額を、それぞれ算出する。表示制御部22は、算出部24により算出された売上単価の合計金額(=売上金額:
図6(a)の例は12000円)及び原価単価の合計金額(=原価金額:
図6の例は6000円)を、
図6(a)に示す売上金額の表示欄及び原価金額の表示欄にそれぞれ表示する。
【0029】
ここで、実施の形態の業務支援装置1では、セット品の構成品を除外又は追加することで、セット品の構成を変更可能となっている。すなわち、表示制御部22は、
図6(a)に示すように、見積入力画面に対して、「構成品変更」と表記された構成品変更ボタン50を表示する。
図5のフローチャートのステップS2では、表示制御部22が、業務オペレータによる構成品変更ボタン50の操作の有無を監視している。
【0030】
構成品変更ボタン50が操作されない場合、セット品を構成する構成品の除外又は追加は、されないことを意味するため、ステップS6に処理が進む。この場合、ステップS6において、データ生成部23が、
図7(a)に例示するセット品の基本構成の見積データ、及び、
図7(b)に例示するセット品の基本構成の各構成品の構成データを生成する。そして、記憶制御部26が、生成された見積データ及び構成データを記憶部2に記憶制御する。
【0031】
図7(a)に例示するセット品の基本構成の見積データは、見積番号、行番号、商品名、数量、売上金額及び原価金額を含んで構成される。例えば「MM001」等の見積番号は、自動採番されて付加される。「セット品A」等の商品名及び「1」等の数量は、業務オペレータにより見積入力画面に入力された商品名及び数量である。また、「12000円」等の売上金額は、上述の算出部24により算出された基本構成の各構成品の売上金額の合計金額である。また、「6000円」等の原価金額は、上述の算出部24により算出された基本構成の各構成品の原価金額の合計金額である。
【0032】
図7(b)に例示するセット品の基本構成となる各構成品の構成データは、伝票番号、行番号、構成品行番号、構成品名、数量、追加フラグ、除外フラグ、売上金額及び原価金額を含んで構成される。各構成品の伝票番号には、見積データに対して付された見積番号と同じ、例えば「MM001」等の伝票番号が付加される。また、一例として、セット品Aの場合、構成品A~構成品Dによる構成を基本構成としている。このため、後述する構成品の除外又は追加を行われない場合は、この
図7(b)示すように、構成品A~構成品Dによる構成データが生成される。
【0033】
なお、追加フラグは、基本構成に対して追加された構成品である場合に立つ情報である。具体的には、データ生成部23は、その構成品が基本構成の構成品である場合には、追加フラグを「0」とし、その構成品が基本構成の構成品に対して追加された構成品である場合には、追加フラグを「1」とする。
【0034】
同様に、除外フラグは、基本構成から除外された構成品である場合に立つ情報である。具体的には、データ生成部23は、その構成品が基本構成の構成品である場合には、除外フラグを「0」とし、その構成品が基本構成から除外された構成品である場合には、除外フラグを「1」とする。
【0035】
一方、表示制御部22は、ステップS2で構成変更ボタン50の操作を検出すると(ステップS2:Yes)、ステップS3において、セット品の基本構成に対して、構成品の除外又は追加を行うための構成変更画面を表示する。
図6(b)は、比較例となる画面例であり、セット品Aの基本構成となる構成品A~構成品Dの構成を表示した例である。
【0036】
これに対して、構成品変更ボタン50が操作された場合、表示制御部22は、
図6(c)に示すように、基本構成の各構成品と共に、そのセット品に対して追加可能とされている同じ品種の構成品を、
図2に示した商品マスタ11及び
図4に示した商品単価マスタ13から検出する。そして、表示制御部22は、検出した構成品を、基本構成の各構成品と共に構成変更画面に一覧表示する。例えば、セット品Aの場合、品種は「品種A」である。このため、表示制御部22は、商品マスタ11に登録されている基本構成の構成品A~構成品D以外の構成品の中から、「品種A」の構成品Eを検出する。また、表示制御部22は、商品単価マスタ13から、「品種A」の構成品Eの売上単価(2500円)及び原価(1500円)を検出する。そして、表示制御部22は、
図6(c)に示すように、セット品Aの基本構成となる構成品A~構成品Dと共に、この基本構成に追加可能な構成品として構成品Eを表示する。
【0037】
なお、
図6(c)に示す構成品Fの品種は、
図2に示すように「品種B」であり、セット品Aの「品種A」とは異なる品種である。このため、表示制御部22は、このような異なる品種の構成品は、構成変更画面の一覧中には表示せず、又は、表示したとしても、追加の選択は不可とする。
【0038】
業務オペレータは、このような構成変更画面に基づいて、所望の構成品の除外操作、又は(及び)、追加操作を行う。表示制御部22は、
図5のフローチャートのステップS4において、業務オペレータによる構成品の除外操作及び追加操作の有無を監視している。業務オペレータにより構成品の除外操作又は追加操作が行われない場合は(ステップS4:No)、ステップS6に処理が進み、データ生成部23により、
図7(a)及び
図7(b)を用いて説明した見積データ及び構成データが生成され、記憶制御部26により、記憶部2に記憶される。
【0039】
これに対して、業務オペレータにより構成品の除外操作又は追加操作が行われた場合(ステップS4:Yes)、ステップS5に処理が進み、表示制御部22が、
図6(c)に示すように、除外操作又は追加操作された構成品に対して除外フラグ又は追加フラグを立てる。
図6(c)の例は、基本構成となっている構成品Cが除外操作され、セット品Aに追加可能な構成品Eを追加操作された例である。この場合、表示制御部22は、除外操作された構成品Cに対して除外されたことを示す「除外」の文字を構成変更画面に表示し、構成品Eに対して追加されたことを示す「追加」の文字を構成変更画面に表示する。
【0040】
これと共に、データ生成部23は、
図8(b)に示すように、追加フラグ及び除外フラグが付された構成データを生成する。
図8(b)の例「は、除外された構成品Cに対して除外フラグが立ち、また、追加された構成品Eに対して追加フラグが立てられて構成データが生成された例である。データ生成部23は、このように除外操作及び追加操作を反映させた見積データを生成する。また、算出部24は、除外操作及び追加操作に基づいて売上金額の合計金額、及び、原価金額の合計金額を算出する。データ生成部23は、算出された売上金額の合計金額、及び、原価金額の合計金額に基づいて、
図8(a)に例示する見積データを生成する。記憶制御部26は、このような除外操作及び追加操作に対応する見積データ及び構成データを記憶部2に記憶する。
【0041】
また、表示制御部22は、算出された見積データに基づいて、
図6(d)に例示するように見積入力画面の売上単価、原価単価、売上金額及び原価金額の各表示欄の金額を更新して表示する。すなわち、表示制御部22は、除外操作及び追加操作に基づいて、見積入力画面の売上単価、原価単価、売上金額及び原価金額を更新して表示する。
【0042】
このように、実施の形態の業務支援装置1は、セット品単位での取引形態を維持しつつ、構成品の組み換えにも柔軟に対応できる。
【0043】
(受注入力動作)
次に、上述の見積に基づいて受注した場合、業務オペレータにより受注入力が行われる。
図9は、実施の形態の業務支援装置1における受注入力動作の流れを示すフローチャートである。まず、業務オペレータにより受注入力が指定されると、表示制御部22は、受注入力画面を表示する(ステップS11)。この受注入力画面は、
図6(a)に例示した見積入力画面と同様の入力画面である。ただし、表示制御部22は、受注入力画面に対しては、
図6(a)に示した構成品変更ボタン50は表示しない。すなわち、受注入力画面に対する構成品の除外及び追加等の変更操作は、受け付けないようになっている(見積入力の内容の変更は不可)。なお、製造手配の場合、発注の代わりに製造指示の登録を行い、購買と同様に構成品の組み換えを可能としてもよい。
【0044】
データ生成部23は、受注入力画面の入力内容に基づいて(=見積入力に基づいて)、受注データ、発注データ及び構成データを生成する。記憶制御部26は、これらのデータを記憶部2に記憶する(ステップS12)。
図10(a)は、セット品Aの基本構成の受注データ、
図10(b)は、セット品Aの基本構成の発注データ、及び、
図10(c)は、セット品Aの基本構成の各構成品の構成データを示す図である。
【0045】
これに対して、
図11(a)は、セット品Aの基本構成の構成品の除去操作及び追加操作が行われた場合に生成される受注データ、
図11(b)は、セット品Aの基本構成の構成品の除去操作及び追加操作が行われた場合に生成される発注データ、及び、
図11(c)は、セット品Aの基本構成の構成品の除去操作及び追加操作が行われた場合に生成される構成データを示す図である。各データの内容は、上述の見積データと同様である。
【0046】
(仕入入力動作)
次に、
図12は、実施の形態の業務支援装置1における仕入入力動作の流れを示すフローチャートである。仕入入力の場合も上述の受注入力の場合と同様であり、業務オペレータにより仕入入力が指定されると、表示制御部22は、仕入入力画面を表示する(ステップS21)。この仕入入力画面も、
図6(a)に例示した見積入力画面と同様の入力画面である。ただし、表示制御部22は、仕入入力画面に対しては、
図6(a)に示した構成品変更ボタン50は表示しない。すなわち、仕入入力画面に対する構成品の除外及び追加等の変更操作は、受け付けないようになっている(見積入力の内容の変更は不可)。なお、製造手配の場合、仕入の代わりに製造実績の登録を行う。
【0047】
データ生成部23は、受注入力画面の入力内容に基づいて(=見積入力に基づいて)、仕入データ及び構成データを生成する。記憶制御部26は、これらのデータを記憶部2に記憶する(ステップS22)。
図13(a)は、セット品Aの基本構成の仕入データ、
図13(b)は、セット品Aの基本構成の各構成品の構成データを示す図である。
【0048】
これに対して、
図14(a)は、セット品Aの基本構成の構成品の除去操作及び追加操作に対応して生成された仕入データ、
図14(b)は、セット品Aの基本構成の構成品の除去操作及び追加操作が行われた場合に生成される構成データを示す図である。各データの内容は、上述の見積データと同様である。
【0049】
(出荷指示入力動作)
次に、
図15は、実施の形態の業務支援装置1における出荷指示入力動作の流れを示すフローチャートである。出荷指示入力の場合も上述の受注入力の場合と同様であり、業務オペレータにより出荷指示入力が指定されると、表示制御部22は、出荷指示入力画面を表示する(ステップS31)。この出荷指示入力画面も、
図6(a)に例示した見積入力画面と同様の入力画面である。ただし、表示制御部22は、出荷指示入力画面に対しては、
図6(a)に示した構成品変更ボタン50は表示しない。すなわち、出荷指示入力画面に対する構成品の除外及び追加等の変更操作は、受け付けないようになっている(見積入力の内容の変更は不可)。
【0050】
データ生成部23は、出荷指示入力画面の入力内容に基づいて(=見積入力に基づいて)、出荷指示データ及び構成データを生成する。記憶制御部26は、これらのデータを記憶部2に記憶する(ステップS32)。
図16(a)は、セット品Aの基本構成の出荷指示データ、
図16(b)は、セット品Aの基本構成の各構成品の構成データを示す図である。
【0051】
これに対して、
図17(a)は、セット品Aの基本構成の構成品の除去操作及び追加操作に対応して生成された出荷指示データ、
図17(b)は、セット品Aの基本構成の構成品の除去操作及び追加操作が行われた場合に生成される構成データを示す図である。各データの内容は、上述の見積データと同様である。
【0052】
ここで、実施の形態の業務支援装置1は、このような出荷指示データ及び構成データを、シール部材に印刷し、又は、出荷するセット品の箱等に直接印刷するようになっている。データ生成部23は、
図15のフローチャートのステップS33において、業務オペレータによる、出荷指示データの印刷指定操作の有無を監視している。印刷指定操作を検出すると(ステップS33:Yes)、ステップS34に処理が進み、データ生成部23が、
図16(b)及び
図17(b)に示した構成データを参照し、構成品の除外又は追加により、セット品の基本構成が変更されているか否かを判別する。
【0053】
セット品の基本構成が変更されていない場合(ステップS34:No)、データ生成部23は、
図16(b)に例示したセット品の基本構成の構成データに基づいて、セット品の情報及び基本構成品の情報の出荷印刷データを生成する。出力制御部25は、この場合、印刷装置となる出力装置7に対して出荷印刷データを供給する。これにより、出力装置7が据え置き型の印刷装置であった場合、出荷印刷データに基づいて、セット品の情報及び基本構成品の情報がシール部材に印刷される。セット品の情報及び基本構成品の情報が印刷されたシール部材は、セット品の箱等に張り付けされる。また、出力装置7がハンディタイプの印刷装置であった場合、出荷印刷データに基づいて、セット品の箱等に、セット品の情報及び基本構成品の情報が直接印刷される。
【0054】
このようなセット品の情報及び基本構成品の情報の印刷例を、
図18に示す。
図18(a)は、セット品の基本構成に変更がない場合に印刷されるセット品の情報及び基本構成品の情報の印刷例である。セット品の基本構成に変更がない場合、この
図18(a)に示すように、「SS0001-1」等の出荷指示番号及び行番号、「セット品A」とのセット品名、及び、「1」との数量を含むセット品の情報が印刷される。また、セット品の基本構成に変更がない場合、
図18(a)に示すように、構成品A~構成品Dの各構成品名、及び、「1」との数量を含む基本構成品の情報が印刷される。また、セット品の情報及び基本構成品の情報のうち、セット品の情報のみがバーコード化(二次元コード等でもよい)されて印刷される。セット品の情報のみをバーコード化する理由は、出荷等の取り扱いは、セット品単位での取り扱いを維持するためのである。
【0055】
一方、
図15のフローチャートのステップS34において、基本構成品の変更ありと判別された場合(ステップS34:Yes)、処理がステップS35に進む。ステップS35では、データ生成部23が、
図17(b)に示した構成データの除外フラグに基づいて、基本構成品の除外がされているか否かを判別する。
【0056】
基本構成品から構成品の除外がされている場合(ステップS35:Yes)、ステップS36において、データ生成部23が、セット品の情報、及び、除外した構成品を除く構成品の出荷指示印刷データを生成する。出力制御部25は、この出荷指示印刷データにより、出力装置7を印刷制御する。
【0057】
また、基本構成品が変更されており(ステップS34:Yes)、その変更が構成品の除外ではない場合(ステップS35:No)、ステップS38において、データ生成部23が、セット品の情報、基本構成品及び追加構成品の出荷指示印刷データを生成する。出力制御部25は、この出荷指示印刷データにより、出力装置7を印刷制御する。
【0058】
図18(b)は、セット品Aの構成品Cが除外され、代わりに構成品Eが追加された場合の印字例である。データ生成部23は、除外された構成品である構成品Cのデータは、出荷印刷データに含めない。換言すると、除外された構成品Cのデータは、出荷印刷データから除外する。これにより、
図18(b)に示すように、除外された構成品Cはセット品Aの構成品として印字されないため、誤出荷の発生を防止できる。また、
図18(b)に示すように、除外された構成品Cはセット品Aの構成品として印字は行わず、追加された構成品Eは印字するため、セット品Aの構成品を一目で認識可能とすることができ、誤出荷等を防止できる。また、セット品の情報及び基本構成品の情報のうち、セット品の情報のみがバーコード化されて印刷されるため、セット品単位での取り扱いの維持を図ることができる。
【0059】
(出荷入力動作)
次に、
図19は、実施の形態の業務支援装置1における出荷入力動作の流れを示すフローチャートである。一例ではあるが、出荷は、ハンディターミナル装置(HT)を用いて、
図18(a)又は
図18(b)に示したセット品の情報のバーコードを読み込む。取得部21は、このハンディターミナル装置で読み込まれたセット品の情報を出荷入力として取得する(ステップS41)。データ生成部23は、取得された出荷入力に基づいて
図20に示す出荷データを生成する。記憶制御部26は、生成された出荷データを記憶部2に記憶する(ステップS42)。
【0060】
図20(a)は、セット品Aの基本構成の出荷データの一例である。この例の場合、売上金額は「12000円」、原価金額は「6000円」となっている。
【0061】
これに対して、
図20(b)は、セット品Aの基本構成に構成品の変更(除外又は追加)があった場合の出荷データの一例である。この例の場合、追加された構成品により、売上金額が「12500円」となり、原価金額が「6500円」となった例である。
【0062】
(売上入力動作)
次に、
図21は、実施の形態の業務支援装置1における売上入力動作の流れを示すフローチャートである。業務オペレータにより売上入力が指定されると、表示制御部22は、売上入力画面を表示する(ステップS51)。この売上入力画面も、
図6(a)に例示した見積入力画面と同様の入力画面である。ただし、表示制御部22は、売上入力画面に対しては、
図6(a)に示した構成品変更ボタン50は表示しない。すなわち、売上入力画面に対する構成品の除外及び追加等の変更操作は、受け付けないようになっている(見積入力の内容の変更は不可)。
【0063】
データ生成部23は、売上入力画面の入力内容に基づいて(=見積入力に基づいて)、売上データ及び構成データを生成する。記憶制御部26は、これらのデータを記憶部2に記憶する(ステップS52)。
図22(a)は、セット品Aの基本構成の売上データ、
図22(b)は、セット品Aの基本構成の各構成品の構成データを示す図である。
【0064】
これに対して、
図24(a)は、セット品Aの基本構成の構成品の除去操作及び追加操作に対応して生成された売上データ、
図24(b)は、セット品Aの基本構成の構成品の除去操作及び追加操作が行われた場合に生成される構成データを示す図である。各データの内容は、上述の見積データと同様である。
【0065】
ここで、実施の形態の業務支援装置1は、このような売上データ及び構成データを印刷した納品書を作成可能となっている。データ生成部23は、
図21のフローチャートのステップS53において、業務オペレータによる、納品書の作成指定操作の有無を監視している。納品書の作成指定操作を検出すると(ステップS53:Yes)、ステップS54に処理が進み、データ生成部23が、
図22(b)及び
図24(b)に示した構成データを参照し、構成品の除外又は追加により、セット品の基本構成が変更されているか否かを判別する。
【0066】
セット品の基本構成が変更されていない場合(ステップS54:No)、データ生成部23は、
図22(b)に例示したセット品の基本構成の構成データに基づいて、セット品の情報、基本構成品の情報、及び、合計金額(算出部24が各構成品の売上金額に基づいて算出)を含む納品書印刷データを生成する。出力制御部25は、この場合、印刷装置となる出力装置7に対して納品書印刷データを供給する。これにより、セット品の情報、基本構成品の情報、及び、合計金額を含む納品書が印刷される。
【0067】
具体的には、セット品の基本構成に変更がない場合、
図23(a)に示すように、「001」等の行番号、「セット品A」とのセット品名、「1」との数量、及び、セット品Aの基本構成の構成品A~構成品Dの売上金額の合計金額が、納品書に印刷される。また、セット品の基本構成に変更がない場合、
図23(a)に示すように、セット品Aの構成品A~構成品Dの各構成品名、及び、「1」との数量が、納品書に印刷される。なお、各構成品の売上金額は、納品書には表示されない。これにより、セット品単位での取り扱いであることを明確化している。
【0068】
一方、
図21のフローチャートのステップS54において、基本構成品の変更ありと判別された場合(ステップS54:Yes)、処理がステップS55に進む。ステップS55では、データ生成部23が、
図24(b)に示した構成データの除外フラグに基づいて、基本構成品の除外がされているか否かを判別する。
【0069】
基本構成品から構成品の除外がされている場合(ステップS55:Yes)、ステップS56において、データ生成部23が、セット品の情報、除外した構成品の情報、除外構成品特定情報、及び、合計金額を含む納品書印刷データを生成する。出力制御部25は、この納品書印刷データにより、出力装置7を印刷制御する。
【0070】
また、基本構成品が変更されており(ステップS54:Yes)、その変更が構成品の除外ではない場合(ステップS55:No)、ステップS58において、データ生成部23が、セット品の情報、基本構成品の情報、追加構成品の情報、追加構成品特定情報、及び、合計金額を含む納品書印刷データを生成する。出力制御部25は、この納品書印刷データにより、出力装置7を印刷制御する。
【0071】
図23(b)は、セット品Aの構成品Cが除外され、代わりに構成品Eが追加された場合の納品書の一例である。この
図23(b)に示すように、セット品の基本構成が変更された場合、「001」等の行番号、「セット品A」とのセット品名、「1」との数量、及び、セット品Aの除外された構成品及び追加された構成品の売上金額を反映させた、例えば「12500円」等の合計金額が、納品書に印刷される。なお、各構成品の売上金額は、納品書には表示されない。これにより、セット品単位での取り扱いを明確化できる。
【0072】
また、データ生成部23は、除外された構成品である構成品Cのデータを納品書印刷データに含める。また、構成品Cに対して付加する「構成除外」等の除外構成品特定情報を納品書印刷データに含める。この除外構成品特定情報を構成品Cに付加して印刷することで、構成品Cが除外されたことを明確化できる。
【0073】
また、データ生成部23は、追加された構成品である構成品Eに対して付加する「構成追加」等の追加構成品特定情報を納品書印刷データに含める。この追加構成品特定情報を構成品Eに付加して印刷することで、構成品Eが追加されたことを明確化できる。
【0074】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の業務支援装置1は、以下の効果を得ることができる。
【0075】
1.事前に登録したセット品と構成品の組合せに対して、構成品を追加又は除外した形で取引を行うことができる。このため、顧客要求により構成品の組み換え等が必要になった場合に、柔軟な対応ができる。また、セット品単位での取り扱いを維持できる。
【0076】
2.また、出荷指示(ピッキングリスト)又は納品書の印字は、セット品の情報と構成品の組み換え情報の両方を印字する。これにより、出荷業務又は検品業務を用意かできる。
【0077】
まとめると、実施の形態の業務支援装置1は、顧客とはセット品単位で一式の取引を行いつつ、構成品の内容を見える化できる(構成品を容易に視認可能とすることができる)。また、顧客要求に対して柔軟に構成品の組み換えが可能となるため、業務負荷の低減し、顧客満足度の向上を実現できる。
【0078】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0079】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0080】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0081】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0082】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0083】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0084】
また、業務支援装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0085】
例えば、業務支援装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0086】
また、この業務支援装置1の業務支援プログラムは、業務支援装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0087】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための業務支援プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0088】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した業務支援装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0089】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0090】
また、業務支援装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0091】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、物販の受発注業務の他、生産業務における製造手配においても有用である。
【符号の説明】
【0093】
1 業務支援装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 商品マスタ
12 セット品構成マスタ
13 商品単価マスタ
21 取得部
22 表示制御部
23 データ生成部
24 算出部
25 出力制御部
26 記憶制御部