(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】撮像品質を改良するために生検組織取り扱いシステムにおける流体を低減させるための装置および関連付けられる方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/04 20060101AFI20240919BHJP
G01N 1/28 20060101ALI20240919BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
G01N1/04 G
G01N1/28 J
G01N33/48 S
(21)【出願番号】P 2022530233
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(86)【国際出願番号】 US2020062181
(87)【国際公開番号】W WO2021108515
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2023-11-24
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501214292
【氏名又は名称】ホロジック, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Hologic, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 Campus Drive, 01752 Marlborough, MA,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】デフレイタス, ケネス エフ.
(72)【発明者】
【氏名】スタンゴ, ティム
(72)【発明者】
【氏名】ファルビジオ, トム
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-518806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00-1/44
G01N 33/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織保持器アセンブリであって、前記組織保持器アセンブリは、
基部を備え、前記基部は、底部部材と、前記底部部材から上向きに延びている中心ハブと、前記ハブから半径方向に間隔を置かれた前記底部部材から上向きに延びている円周側壁とを備え、前記円周側壁は、前記ハブを包囲し、円筒形組織保持器を収容するために構成された内部領域を画定し、
前記基部は、前記底部部材から上向きに間隔を置かれた隆起したプラットフォームをさらに備え、前記中心ハブの上側部分は、前記プラットフォームの中心開口部を通して延び、前記ハブは、前記組織保持器を支持するために構成され、
前記底部部材、前記ハブ、および前記円周側壁は、前記プラットフォームの下にある環状流体チャネルを集合的に画定し、前記流体チャネルは、プラットフォーム開口部と流体連通し、
前記流体チャネルは、前記ハブの周りで前記プラットフォーム開口部から前記円周側壁内の流体退出ポートまで延び、
前記基部は、前記プラットフォーム開口部の下にあり、前記流体チャネルの中に延びている流動コームをさらに備えている、組織保持器アセンブリ。
【請求項2】
前記流動コームは、弓形形状を有する、請求項1に記載の組織保持器アセンブリ。
【請求項3】
前記流動コームは、複数の流動チャネルを備えている、請求項1に記載の組織保持器アセンブリ。
【請求項4】
前記流動コームは、疎水性コーティングを備えている、請求項1に記載の組織保持器アセンブリ。
【請求項5】
前記流動コームは、抗凝血性コーティングを備えている、請求項1に記載の組織保持器アセンブリ。
【請求項6】
前記流体チャネルは、少なくとも30°である角度範囲を通した前記ハブの周りの一方向性流体流動を提供するように構成されている、請求項1に記載の組織保持器アセンブリ。
【請求項7】
前記基部の
前記ハブは、前記組織保持器を受け取るように構成されたスピンドルを備えている、請求項1に記載の組織保持器アセンブリ。
【請求項8】
前記プラットフォームは、前記ハブと前記円周側壁との間の空間の少なくとも大部分の周りに円周方向に延びている、請求項1に記載の組織保持器アセンブリ。
【請求項9】
前記流体チャネルと流体連通しているプレナムと、前記プレナム内に吸引を提供するように構成された吸引ポートとをさらに備えている、請求項1に記載の組織保持器アセンブリ。
【請求項10】
前記プレナムは、前記基部の前記円周側壁の高さより大きい高さを有する、請求項9に記載の組織保持器アセンブリ。
【請求項11】
前記内部領域内での設置のために構成された前記組織保持器をさらに備え、前記組織保持器は、複数の組織貯蔵コンパートメントを有し、前記組織保持器の底部は、フィルタを備え、前記フィルタは、前記組織貯蔵コンパートメントのうちの1つ以上のものの中の流体がそれを通過することを可能にする、請求項1に記載の組織保持器アセンブリ。
【請求項12】
前記基部に取り外し可能に取り付くように構成されたカバーをさらに備え、前記カバーは、前記プラットフォーム開口部の上方の場所において組織サンプルを送達するように構成された組織進入ポートを備えている、請求項1に記載の組織保持器アセンブリ。
【請求項13】
前記流動コームは、前記流体チャネルの縦方向軸に沿って測定された前記プラットフォーム開口部の寸法より大きい長さを有する、請求項1に記載の組織保持器アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2019年11月27日に出願された米国仮出願第62/941,395号の35 U.S.C.§119に基づく優先権の利益を主張する。
(技術分野)
【0002】
本開示は、概して、撮像のための生検組織試料の調製に関し、より具体的には、流体が組織取り扱い装置における組織サンプルの撮像に干渉しないように、生検組織取り扱い装置の撮像フィールド内の流体を低減させるためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
生検は、生体からの組織の除去、および診断研究のために組織を検査すること(疾患の存在、原因、または程度を決定すること等)を伴う周知の医療手技である。例えば、ヒト乳房組織の生検が、乳癌または他の疾患を診断するために実施され得る。一般に、生検は、開放手技または経皮的方法のいずれかによって実施されることができる。開放外科的生検手技は、開放切開部を着目組織の部位に作製することと、組織のサンプルを切断することと、開放切開部を通して組織を除去することとを伴う。経皮的生検は、小さい切開部を通して針および切断デバイスを有する生検デバイスを挿入し、針および切断デバイスを着目組織の部位に前進させることによって実施される。次いで、切断デバイスは、組織のサンプルを切断し、生検デバイスは、組織サンプルを捕捉し、小さい切開部を通してサンプルを除去する。経皮的生検デバイスは、捕捉された組織サンプルと一緒に切開部を通して外にデバイスを単純に除去すること、または、(例えば、サンプルを吸引するために真空を使用して)デバイスを通して外に組織サンプルを輸送すること(その場合、組織サンプルは、管を通して容器に除去され得るか、または引き込まれ得る)等、組織サンプルを除去するための種々の手段を使用している。生検デバイスから組織サンプルを除去する1つの利点は、複数のサンプルが生検デバイスを除去する必要性なく採取され得ることである。
【0004】
組織サンプルは、次いで、X線(以前のX線撮像システムは、フィルム上に記録していたが、より最近のX線撮像システムは、デジタルであり、半導体レセプタを使用して記録する)、MRI(磁気共鳴撮像)、または他の好適な撮像デバイスを使用して組織サンプルを撮像することによって、診断のために検査される。例えば、組織サンプルは、組織スライドまたはフィルム等の撮像基板上に設置され、次いで、画像を取得するために撮像デバイスの中に設置され得る。
【0005】
生検を実施し、組織サンプルを撮像するための自動化生検および撮像システムも、開示されている。例えば、米国特許第9,492,130 B2号(特許文献1)は、生検切除ツールと、切除された組織サンプルを生検切除ツールから分析/撮像ユニットに自動的に輸送するための組織サンプル輸送機構と、X線撮像デバイスを使用する撮像等の組織サンプルを自動的に分析するための分析/撮像システムとを有する統合生検分析システムを開示している。米国特許第9,492,130 B2号は、本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。開示されるシステムは、組織サンプルを切除し、複数の異なる組織サンプルを設置するための複数の組織受け取りスロットを有する試料保持器の中に切除された組織サンプルを移送および設置する。撮像ユニットは、そのそれぞれの組織受け取りスロット内の各組織サンプルの個々の画像を入手することによって等、組織保持器内の組織サンプルの画像を入手するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上で説明される生検を実施するための統合生検システムは、生検を行うための生検装置、および生検された組織サンプルの各々に関する画像を入手するための撮像システムを含む。切除された組織サンプルは、組織サンプル取り扱い装置のサンプル容器に個々に移送され、次いで、組織容器内にある間に撮像システムによって撮像される。種々の流体が、組織サンプルを切除し、組織サンプルを患者上の生検部位から組織サンプル取り扱い装置に輸送するプロセス中に存在する。例えば、血液等の体液および生理食塩水、麻酔剤、生物流体等の外科的溶液が、組織サンプルを採取するとき、および/または組織サンプルを生検装置から引き込むとき、生検の場所に存在し得る(または、生検装置を通して流動さえする)。生検サンプルは、真空によって流体通路(例えば、管類、流路等)を通して生検部位から組織サンプル取り扱い装置に輸送されるので、これらの流体は、組織サンプルと一緒に組織サンプル取り扱い装置の中に堆積させられる。
【0008】
撮像フィールド(撮像デバイスによって撮像されるエリア)内の流体が、撮像プロセスに干渉し、それによって、撮像フィールド内に流体を伴わずに入手される画像と比較して、画像の品質を低減させることが見出されている。例えば、X線撮像デバイス等の撮像デバイスを使用して画像を入手するとき、組織サンプル保持器の底部に、組織サンプル保持器を保持する筐体の底部に、またはさらには組織サンプル保持器の上方のカバーの表面上に接着する流体等の撮像フィールド内の流体液滴は、着目組織の画像を遮断するアーチファクトとして現れる。試料組織の画像は、試料組織が、容器または周辺流体の任意の周辺構造から最適なコントラストおよび鮮明性で際立ち、石灰化等の癌を示す特性を有するその任意の組織が、正常組織から際立つ場合、診断のためにより効果的に使用されることができる。例えば、画像内のアーチファクトは、組織サンプルが撮像されている容器および組織サンプルと一緒に伝達される流体等の他の背景を含み得る。効果的な診断に加えて、高品質画像が、任意の病変の正確な標的化および任意の追加のサンプルが採取される必要があるかどうかの決定を含む手技の即時の評価のために入手されることを確認することが、重要である。高品質画像を取得することは、患者が生検手技の間に圧迫されたままである時間を低減させることによって、患者快適性を増進し、画像が不適正であった、または誤った組織が回収されていたので、手技を繰り返すために患者が戻ることを必要とする可能性をさらに低減させる。
【0009】
故に、本明細書に開示される発明の種々の実施形態は、流体が撮像フィールドに進入しないように保つことおよび/または撮像フィールドに進入する流体を除去することを含む、組織取り扱い装置の撮像フィールドから流体を低減させるためのデバイスおよび方法を対象とする。
【0010】
組織保持器アセンブリは、基部を含み、基部は、底部部材と、底部部材から上向きに延びている中心ハブと、ハブから半径方向に間隔を置かれた底部部材から上向きに延びている円周側壁であって、円周側壁は、ハブを包囲し、円筒形組織保持器を収容するために構成された内部領域を画定する円周側壁とを備え、基部は、底部部材から上向きに間隔を置かれた隆起したプラットフォームをさらに備え、中心ハブの上側部分は、プラットフォームの中心開口部を通して延び、ハブは、組織保持器を支持するために構成され、底部部材、ハブ、および円周側壁は、プラットフォームの下にある環状流体チャネルを集合的に画定し、流体チャネルは、プラットフォーム開口部と流体連通し、流体チャネルは、ハブの周りでプラットフォーム開口部から円周側壁内の流体退出ポートまで延び、基部は、プラットフォーム開口部の下にあり、流体チャネルの中に延びている流動コームをさらに備えている。
【0011】
随意に、流動コームは、弓形形状を有する。
【0012】
随意に、流動コームは、少なくとも4つの流動チャネルを備えている。
【0013】
随意に、流動コームは、疎水性コーティングおよび/または抗凝血性コーティングを備えている。
【0014】
随意に、流体チャネルは、少なくとも180°である角度範囲を通したハブの周りの一方向性流体流動を提供するように構成される。
【0015】
随意に、流体チャネルは、270°±20°である角度範囲を通したハブの周りの一方向性流体流動を提供するように構成される。
【0016】
随意に、基部のハブは、組織保持器を受け取るように構成されたスピンドルを備え、プラットフォームは、ハブと円周側壁との間の空間の少なくとも大部分の周りに円周方向に延びている。
【0017】
随意に、組織保持器アセンブリは、流体チャネルと流体連通しているプレナムと、プレナム内に吸引を提供するように構成された吸引ポートとをさらに含む。
【0018】
随意に、プレナムは、基部の円周側壁より高い。
【0019】
随意に、組織保持器アセンブリは、内部領域内での設置のために構成された組織保持器をさらに含み、組織保持器は、複数の組織貯蔵コンパートメントを有し、組織保持器の底部は、組織貯蔵コンパートメントのうちの1つ以上のものの中の流体がそれを通過することを可能にするフィルタを備えている。
【0020】
随意に、組織保持器アセンブリは、基部に取り外し可能に取り付くように構成されたカバーをさらに含み、カバーは、プラットフォーム開口部の上方の場所において組織サンプルを送達するように構成された組織進入ポートを備えている。
【0021】
随意に、流動コームは、流体チャネルの縦方向軸に沿って測定されたプラットフォーム開口部の寸法より大きい長さを有する。
【0022】
組織保持器アセンブリは、基部を含み、基部は、底部部材と、底部部材から上向きに延びている中心ハブと、ハブから半径方向に間隔を置かれた底部部材から上向きに延びている円周側壁であって、円周側壁は、ハブを包囲し、円筒形組織保持器を収容するために構成された内部領域を画定する、円周側壁とを備え、基部は、底部部材から上向きに間隔を置かれた隆起したプラットフォームをさらに備え、中心ハブの上側部分は、プラットフォームの中心開口部を通して延び、ハブは、組織保持器を支持するために構成され、底部部材、ハブ、および円周側壁は、プラットフォームの下にある環状流体チャネルを集合的に画定し、流体チャネルは、プラットフォーム開口部と流体連通し、流体チャネルは、ハブの周りでプラットフォーム開口部から円周側壁内の流体退出ポートまで延び、組織保持器アセンブリは、円周側壁の外側に位置しているプレナムをさらに備え、プレナムは、流体チャネルと流体連通し、プレナム内に吸引を提供するように構成された吸引ポートと流体連通する。
【0023】
随意に、吸引ポートは、プレナムの一方の端部において位置する。
【0024】
随意に、プレナムは、基部の円周側壁より高い。
【0025】
随意に、吸引ポートは、流体チャネル内に吸引を提供するようにも構成される。
【0026】
随意に、流体チャネルは、少なくとも180°である角度範囲を通したハブの周りの一方向性流体流動を提供するように構成される。
【0027】
随意に、流体チャネルは、270°±20°である角度範囲を通したハブの周りの一方向性流体流動を提供するように構成される。
【0028】
随意に、基部のハブは、組織保持器を受け取るように構成されたスピンドルを備え、プラットフォームは、ハブと円周側壁との間の空間の少なくとも大部分の周りに円周方向に延びている。
【0029】
随意に、組織保持器アセンブリは、プラットフォーム開口部の下方の流動コームをさらに含み、流動コームは、流体チャネルの内側に延びている。
【0030】
随意に、流動コームは、流体チャネルの縦方向軸に沿って測定されるプラットフォーム開口部の寸法より大きい長さを有する。
【0031】
組織保持器アセンブリは、基部を含み、基部は、底部部材と、底部部材から上向きに延びている中心ハブと、ハブから半径方向に間隔を置かれた底部部材から上向きに延びている円周側壁であって、円周側壁は、ハブを包囲し、円筒形組織保持器を収容するために構成された内部領域を画定する、円周側壁とを備え、基部は、底部部材から上向きに間隔を置かれた隆起したプラットフォームをさらに備え、中心ハブの上側部分は、プラットフォームの中心開口部を通して延び、ハブは、組織保持器を支持するために構成され、底部部材、ハブ、および円周側壁は、プラットフォームの下にある環状流体チャネルを集合的に画定し、流体チャネルは、プラットフォーム開口部と流体連通し、流体チャネルは、ハブの周りでプラットフォーム開口部から円周側壁内の流体退出ポートまで延び、それによって、基部のハブの周りの一方向性流体流動を提供する。
【0032】
随意に、流体チャネルは、少なくとも180°である角度範囲を通したハブの周りの一方向性流体流動を提供するように構成される。
【0033】
随意に、流体チャネルは、270°±20°である角度範囲を通したハブの周りの一方向性流体流動を提供するように構成される。
【0034】
随意に、組織保持器アセンブリはさらに、プラットフォーム開口部の下方の流動コームを含み、流動コームは、流体チャネルの内側に延びている。
【0035】
随意に、流動コームは、弓形形状を有する。
【0036】
随意に、流動コームは、少なくとも4つの流動チャネルを備えている。
【0037】
随意に、流動コームは、流体チャネルの縦方向軸に沿って測定されたプラットフォーム開口部の寸法より大きい長さを有する。
【0038】
随意に、組織保持器アセンブリは、プレナムをさらに含み、流体チャネルは、プレナムと流体連通する。
【0039】
他のおよびさらなる側面および特徴が、以下の詳細な説明を熟読することから明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
組織保持器アセンブリであって、前記組織保持器アセンブリは、
基部を備え、前記基部は、底部部材と、前記底部部材から上向きに延びている中心ハブと、前記ハブから半径方向に間隔を置かれた前記底部部材から上向きに延びている円周側壁とを備え、前記円周側壁は、前記ハブを包囲し、円筒形組織保持器を収容するために構成された内部領域を画定し、
前記基部は、前記底部部材から上向きに間隔を置かれた隆起したプラットフォームをさらに備え、前記中心ハブの上側部分は、前記プラットフォームの中心開口部を通して延び、前記ハブは、前記組織保持器を支持するために構成され、
前記底部部材、前記ハブ、および前記円周側壁は、前記プラットフォームの下にある環状流体チャネルを集合的に画定し、前記流体チャネルは、プラットフォーム開口部と流体連通し、
前記流体チャネルは、前記ハブの周りで前記プラットフォーム開口部から前記円周側壁内の流体退出ポートまで延び、
前記基部は、前記プラットフォーム開口部の下にあり、前記流体チャネルの中に延びている流動コームをさらに備えている、組織保持器アセンブリ。
(項目2)
前記流動コームは、弓形形状を有する、項目1に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目3)
前記流動コームは、複数の流動チャネルを備えている、項目1に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目4)
前記流動コームは、疎水性コーティングを備えている、項目1に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目5)
前記流動コームは、抗凝血性コーティングを備えている、項目1に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目6)
前記流体チャネルは、少なくとも30°である角度範囲を通した前記ハブの周りの一方向性流体流動を提供するように構成されている、項目1に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目7)
前記基部のハブは、前記組織保持器を受け取るように構成されたスピンドルを備えている、項目1に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目8)
前記プラットフォームは、前記ハブと前記円周側壁との間の空間の少なくとも大部分の周りに円周方向に延びている、項目1に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目9)
前記流体チャネルと流体連通しているプレナムと、前記プレナム内に吸引を提供するように構成された吸引ポートとをさらに備えている、項目1に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目10)
前記プレナムは、前記基部の前記円周側壁の高さより大きい高さを有する、項目9に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目11)
前記内部領域内での設置のために構成された前記組織保持器をさらに備え、前記組織保持器は、複数の組織貯蔵コンパートメントを有し、前記組織保持器の底部は、フィルタを備え、前記フィルタは、前記組織貯蔵コンパートメントのうちの1つ以上のものの中の流体がそれを通過することを可能にする、項目1に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目12)
前記基部に取り外し可能に取り付くように構成されたカバーをさらに備え、前記カバーは、前記プラットフォーム開口部の上方の場所において組織サンプルを送達するように構成された組織進入ポートを備えている、項目1に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目13)
前記流動コームは、前記流体チャネルの縦方向軸に沿って測定された前記プラットフォーム開口部の寸法より大きい長さを有する、項目1に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目14)
組織保持器アセンブリであって、前記組織保持器アセンブリは、
基部を備え、前記基部は、底部部材と、前記底部部材から上向きに延びている中心ハブと、前記ハブから半径方向に間隔を置かれた前記底部部材から上向きに延びている円周側壁とを備え、前記円周側壁は、前記ハブを包囲し、円筒形組織保持器を収容するために構成された内部領域を画定し、
前記基部は、前記底部部材から上向きに間隔を置かれた隆起したプラットフォームをさらに備え、前記中心ハブの上側部分は、前記プラットフォームの中心開口部を通して延び、前記ハブは、前記組織保持器を支持するために構成され、
前記底部部材、前記ハブ、および前記円周側壁は、前記プラットフォームの下にある環状流体チャネルを集合的に画定し、前記流体チャネルは、プラットフォーム開口部と流体連通し、
前記流体チャネルは、前記ハブの周りで前記プラットフォーム開口部から前記円周側壁内の流体退出ポートまで延び、
前記組織保持器アセンブリは、前記円周側壁の外側に位置しているプレナムをさらに備え、前記プレナムは、前記流体チャネルと流体連通し、前記プレナム内に吸引を提供するように構成された吸引ポートと流体連通している、組織保持器アセンブリ。
(項目15)
前記吸引ポートは、前記プレナムの一方の端部に位置している、項目14に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目16)
前記プレナムは、前記基部の前記円周側壁の高さより大きい高さを有する、項目14に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目17)
前記吸引ポートは、吸引源を前記流体チャネルと連通させるように構成されている、項目14に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目18)
前記流体チャネルは、少なくとも30°である角度範囲を通した前記ハブの周りの一方向性流体流動を提供するように構成されている、項目14に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目19)
前記流体チャネルは、300°である角度範囲を通した前記ハブの周りの一方向性流体流動を提供するように構成されている、項目18に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目20)
前記基部のハブは、前記組織保持器を受け取るように構成されたスピンドルを備え、前記プラットフォームは、前記ハブと前記円周側壁との間の空間の少なくとも大部分の周りに円周方向に延びている、項目14に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目21)
前記プラットフォーム開口部の下方の流動コームをさらに備え、前記流動コームは、前記流体チャネルの内側に延びている、項目14に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目22)
前記流動コームは、前記流体チャネルの縦方向軸に沿って測定された前記プラットフォーム開口部の寸法より大きい長さを有する、項目21に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目23)
組織保持器アセンブリであって、前記組織保持器アセンブリは、
基部を備え、前記基部は、底部部材と、前記底部部材から上向きに延びている中心ハブと、前記ハブから半径方向に間隔を置かれた前記底部部材から上向きに延びている円周側壁とを備え、前記円周側壁は、前記ハブを包囲し、円筒形組織保持器を収容するために構成された内部領域を画定し、
前記基部は、前記底部部材から上向きに間隔を置かれた隆起したプラットフォームをさらに備え、前記中心ハブの上側部分は、前記プラットフォームの中心開口部を通して延び、前記ハブは、前記組織保持器を支持するために構成され、
前記底部部材、前記ハブ、および前記円周側壁は、前記プラットフォームの下にある環状流体チャネルを集合的に画定し、前記流体チャネルは、プラットフォーム開口部と流体連通し、
前記流体チャネルは、前記ハブの周りで前記プラットフォーム開口部から前記円周側壁内の流体退出ポートまで延び、それによって、前記基部のハブの周りの一方向性流体流動を提供する、組織保持器アセンブリ。
(項目24)
前記流体チャネルは、少なくとも30°である角度範囲を通した前記ハブの周りの一方向性流体流動を提供するように構成されている、項目23に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目25)
前記流体チャネルは、300°である角度範囲を通した前記ハブの周りの一方向性流体流動を提供するように構成されている、項目24に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目26)
前記プラットフォーム開口部の下方の流動コームをさらに備え、前記流動コームは、前記流体チャネルの内側に延びている、項目23に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目27)
前記流動コームは、弓形形状を有する、項目26に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目28)
前記流動コームは、少なくとも4つの流動チャネルを備えている、項目26に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目29)
前記流動コームは、前記流体チャネルの縦方向軸に沿って測定された前記プラットフォーム開口部の寸法より大きい長さを有する、項目26に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目30)
プレナムをさらに備え、前記流体チャネルは、前記プレナムと流体連通している、項目23に記載の組織保持器アセンブリ。
(項目31)
組織保持器から流体を除去する方法であって、前記方法は、
前記組織保持器によって、組織サンプルおよび流体を受け取ることであって、前記組織保持器は、フィルタを伴う底部を備え、前記組織保持器は、組織保持器アセンブリの基部に回転可能に結合され、前記基部は、ハブを有する、ことと、
吸引を印加し、前記組織保持器の前記底部から前記流体を除去することであって、前記吸引は、前記組織保持器の下方の前記組織保持器アセンブリのプラットフォームの下にある流体チャネルを通して印加される、ことと、
前記流体チャネルを介して前記除去された流体を輸送することと
を含み、
前記除去された流体は、前記流体チャネルによって一方向性様式で前記基部のハブの周りで輸送される、方法。
(項目32)
前記除去された流体は、プレナムに輸送される、項目31に記載の方法。
(項目33)
流動コームを介して前記流体を分割することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目34)
前記組織保持器は、プラットフォーム開口部を備え、前記流動コームは、前記プラットフォーム開口部の下方にあり、前記流体チャネル内に延びている、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記組織保持器アセンブリは、基部部材を有する基部を備え、前記基部部材および前記プラットフォームは、前記流体チャネルを一緒に画定し、前記流体は、前記基部部材と前記プラットフォームとの間で輸送される、項目31に記載の方法。
(項目36)
前記除去された流体は、円弧経路に沿って輸送される、項目31に記載の方法。
(項目37)
前記組織保持器は、プラットフォーム開口部を備え、前記組織保持器アセンブリは、組織進入ポートを伴うカバーを備え、前記方法は、前記プラットフォーム開口部の上方の場所において前記組織保持器上に前記組織進入ポートを介して前記組織サンプルを送達することをさらに含む、項目31に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図面は、類似する要素が共通の参照番号によって参照される実施形態の設計および有用性を図示する。これらの図面は、必ずしも縮尺通りに描かれない。上記に列挙される、および他の利点および目的が取得される方法をより深く理解するために、実施形態のより具体的な説明が、与えられ、付随の図面に図示される。これらの図面は、例示的実施形態のみを描写し、したがって、請求項の範囲における限定であると見なされるものではない。
【0041】
【
図1】
図1は、基部と、カバーと、組織保持器とを有する組織保持器アセンブリの構成要素を図示する。
【0042】
【
図2】
図2は、組み立てられたものとして
図1の組織保持器アセンブリを図示する。
【0043】
【0044】
【
図4】
図4は、
図1の組織保持器アセンブリを備えている生検システムの概略図である。
【0045】
【
図5】
図5は、
図1の組織保持器アセンブリの部分的透明図を図示する。
【0046】
【
図6】
図6は、組織保持器アセンブリのカバーを伴わない
図1の組織保持器アセンブリを図示する。
【0047】
【
図7】
図7は、
図1の組織保持器アセンブリの基部の部分的透明図を図示する。
【0048】
【
図8】
図8は、
図1の組織保持器アセンブリの基部を図示し、特に、プラットフォームを有する基部を示す。
【0049】
【
図9】
図9は、
図8の基部を図示し、特に、基部のプラットフォームが除去されたものを示す。
【0050】
【
図10】
図10は、組織保持器アセンブリのカバーを伴わない
図1の組織保持器アセンブリの部分的切り取り図を図示する。
【0051】
【
図11】
図11は、
図1の組織保持器アセンブリの別の部分的切り取り図を図示する。
【0052】
【
図12】
図12は、
図11の組織保持器アセンブリの部分的切り取り図を図示し、特に、流体流動方向を示す。
【0053】
【
図13】
図13は、
図1の組織保持器アセンブリを使用するためのおよび/または動作させるための方法のフローチャートを図示する。
【0054】
【
図14】
図14は、基部と、カバーと、組織保持器とを有する別の組織保持器アセンブリを図示する。
【0055】
【
図15】
図15は、
図14の組織保持器アセンブリを図示し、特に、組織保持器アセンブリのカバーが除去されたものを示す。
【0056】
【
図16】
図16は、別の組織保持器アセンブリの基部の部分的透明図を図示する。
【0057】
【
図17】
図17は、組織保持器を伴わずカバーが部分的に示された
図16の組織保持器アセンブリを図示する。
【0058】
【
図18】
図18は、組織保持器から流体を除去する方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0059】
種々の実施形態が、図を参照して以降で説明される。図が、縮尺通りに描かれず、類似する構造または機能の要素が、図全体を通して同一の参照番号によって表されることに留意されたい。図が実施形態の説明を促進することのみを意図していることにも留意されたい。それらは、本発明の網羅的説明として、またはその範囲に対する限定として意図されない。加えて、図示される実施形態は、示される全ての側面または利点を有する必要はない。特定の実施形態と併せて説明される側面または利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、そのように例証されない場合、またはそのように明示的に説明されない場合であっても、任意の他の実施形態において実践されることができる。
【0060】
図1-3は、複数の組織サンプルを受け取るための組織保持器アセンブリ10の一実施形態を図示する。組織保持器アセンブリ10は、基部14と、基部14上に除去可能に取り付けられるカバー16とを有する筐体12を含む。基部14および取り付けられたカバー16は、組織保持器18が封入される内部またはチャンバを形成する。基部14は、組織保持器18が、軸20の周りを筐体12に対して回転可能であるように、組織保持器18のハブ38を受け取るスピンドル36を伴うハブ35を有する。言い換えると、基部14およびカバー16は、静止したままであり、組織保持器18は、基部14およびカバー16によって形成されるチャンバ内で回転する。組織保持器18は、任意の好適なアクチュエータを使用して回転させられ得、組織フィルタが定位置にあるときを識別するために、ホール効果センサによって検出される磁石を含み得る。
【0061】
基部14は、底部部材43と、底部部材43から上向きに延びている円周側壁41とを有する。底部部材43は、実質的に平坦な板を備え得る。底部部材43は、組織生検システム50のシャーシ、フレーム、筐体等上の篏合保持具に除去可能に取り付けられる複数の保持クリップ45a、45bを有する(
図1および4参照)。スピンドル36が、底部部材43に取り付けられ、底部部材43から上向きに延びている。組織保持器18は、底部21と、底部21から上向きに延びている円周側壁25とを有する。組織保持器18は、組織保持器18の周りに角度的に配置された複数の組織貯蔵コンパートメント22を有する(この場合、組織保持器18は、13個の組織貯蔵コンパートメント22を有するが、任意の数のコンパートメント22が、使用されることができる)。組織貯蔵コンパートメント22は、ハブ38から側壁25まで半径方向に延びている半径方向分割壁23によって画定される。組織貯蔵コンパートメント22(組織容器22とも称される)は、半径方向に延びているコンパートメント壁23によって分離され、部分的に形成される。この例示的実施形態では、組織保持器18は、組織貯蔵コンパートメント22が楔形(すなわち、パイ形、円の扇形)であるか、または、各組織貯蔵コンパートメント22の中心部分が軸20に至るまで延びていない場合に環状形状の扇形であるように、円形形状を有する。組織容器22は、軸20において中心に位置する組織保持器18のハブ38に接続する。ハブ38は、円形であり、基部14のスピンドル36が開口部を通して嵌まることを可能にする開口部を有する。
【0062】
組織保持器18の底部21は、多孔性フィルタ材料を備えている組織フィルタ24を有する。組織フィルタ24は、組織保持器18の底部全体を覆うフィルタシート等の単一のフィルタであり得る。代替として、組織フィルタ24は、各組織貯蔵コンパートメント22の底部上に配置された個々のフィルタであり得る。
【0063】
組織保持器アセンブリ10は、プラットフォーム開口部72を伴うプラットフォーム70と、プラットフォーム70の下方に位置する流体チャネル78(プラットフォーム70の下方の流体チャネル78に向く破線矢印参照)とも含む。プラットフォーム70は、平面水平面を有する。いくつかの実施形態では、組織保持器18の底部は、組織保持器18が、基部14に対して回転するとき、プラットフォーム70の平面水平面上に置かれ得る。他の実施形態では、組織保持器18の底部は、0.5mm未満、0.2mm未満、0.1mm未満、または0.05mm未満等のわずかな距離だけプラットフォーム70の平面水平面から間隔を置かれ得る。プラットフォーム70は、ハブ35の周囲に延びている。特に、プラットフォームは、中心開口部を有し、中心開口部は、ハブの上側部分がそれを通して延びていることを可能にする。流体チャネル78は、プラットフォーム70の下で基部14のハブ35の周囲に円周方向に延び、基部14におけるプレナム80と流体連通する。吸引ライン48が、プレナム80および流体チャネル78の内側に吸引を印加するために、プレナム80に結合される。組織保持器アセンブリ10は、プラットフォーム開口部72の下方の流動コーム74も含む。いくつかの実施形態では、流動コーム74は、プラットフォーム開口部72から流体チャネル78の中に延び得る。使用中、組織保持器18からの流体は、吸引ライン48によって印加される流体チャネル78内の吸引に起因して、プラットフォーム開口部72の中に引き込まれる。流動コーム74は、流体を分割し、流体は、流体チャネル78によってハブ35の周りで輸送され、プレナム80に到達する。プレナム80は、流体が、出口ポート44(真空ポート44とも称される)を介してプレナム80から外に吸引ライン48によって吸引されている間にある量の流体が収集されることを可能にする。いくつかの実施形態では、出口ポート44は、0.26インチの内径を有する。他の実施形態では、出口ポート44は、0.26インチより大きい、または0.26インチより小さくあり得る他の寸法の内径を有し得る。
【0064】
流体チャネル78は、ハブ35の周りで円周方向に延び得、それによって、基部14の流体チャネル78内の流体は、ハブ35の周りで円周方向に角距離を進行し、プレナム80に到達するであろう。
図1に示されるように、流体チャネル78は、ハブ35の周りを円周方向に約270°延び、約270°の角距離を進行し、プレナム80に到達する。プレナムが、流体経路に沿った任意の他の点において位置し得、流体チャネル78が、他の角度範囲を通して延び得ることを理解されたい。例えば、他の実施形態では、流体チャネル78は、少なくとも30°であり、多くても300°である角度を通してハブ35の周囲に延び得る。図示される実施形態では、プラットフォーム70も、ハブ35と円周側壁41との間の空間の大部分の周りに円周方向に延びている。他の実施形態では、プラットフォーム70は、図示されるものと異なる範囲だけハブ35の周囲に延び得、および/または、液体がプラットフォーム70を通して流体チャネルの中に通過することを可能にするために、穿孔、孔、および/またはスリットを含み得る。
【0065】
図1に示されるように、組織保持器アセンブリ10はまた、組織サンプルを撮像するための撮像位置と対応する、撮像プラットフォーム71を含む。組織保持器アセンブリ10は、撮像プラットフォーム71の下に位置するイメージャを含む。特に、組織保持器18内の組織サンプルが、撮像プラットフォーム71の上方に設置されるとき、撮像が、次いで、組織サンプルを撮像するために、撮像プラットフォーム71の真下のイメージャによって実施され得る。いくつかの実施形態では、撮像プラットフォーム71は、固体壁を有する成型部品であり、固体壁は、流体が撮像エリア内およびその周りに集まることを防止するために、底部部材43の上方に隆起している。使用中、撮像されるべき組織サンプルを含む組織貯蔵コンパートメント22のうちの1つは、撮像プラットフォーム71の上方に設置される。ある場合、組織保持器18の底部におけるフィルタ24は、撮像プラットフォーム71上にじかに位置し得る。撮像プラットフォーム71がプラットフォーム70とは別個の部品であり、いずれの流体チャネルも画定しないことに留意されたい。
【0066】
図1に示されるように、カバー16は、組織サンプルの撮像位置に対応する丸天井コンパートメントを画定する隆起部分92も含む。特に、組織サンプルを含む組織貯蔵コンパートメント22のうちの1つが、隆起部分92の下方に、かつ表面71の上方に設置されると、撮像が、次いで、組織サンプルを撮像するために実施され得る。カバー92は、基部14の円周側壁41における突出部99と係合するように構成されたアンカ98も含む。基部14に対してカバー16を係止するために、カバー16は、基部14の上に設置され、円周側壁41を覆い得、カバー16は、次いで、基部14に対して回転させられ、突出部99の周囲にアンカ98を設置し、それによって、基部14に対してカバー16を係止し得る。図示される実施形態では、円周側壁41の反対側のそれぞれの突出部99と篏合するために、カバー16の反対側に2つのアンカ98が、存在する。他の実施形態では、3つ以上のアンカ98または1つのみのアンカ98が、存在し得る。同様に、他の実施形態では、3つ以上の突出部99または1つのみの突出部99が、存在し得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、プラットフォーム開口部72、流体チャネル78、および流動コーム74は、流体除去機構の一部と見なされ得る。流体除去機構は、組織貯蔵コンパートメント内の組織サンプルから入手される画像の品質を改良するために、複数の組織貯蔵コンパートメント22の底部の下にあるフィルタ24から流体を除去するために構成される。他の実施形態では、流体チャネル78を画定することに関与する構造も、流体除去機構の一部であると見なされ得る。例えば、流体チャネル78の上方のプラットフォーム78、流体チャネル78の下方の基部14の底部部材、または両方は、流体除去機構の一部であると見なされ得る。さらなる実施形態では、プレナム80、吸引ライン48、または両方は、流体除去機構の一部であると見なされ得る。
【0068】
組織保持器アセンブリ10は、カバー16における組織サンプル進入ポート42(入口ポート42とも称される)を有し、入口管46が、組織サンプル進入ポート42に接続される(
図1および4参照)。入口管46の他方の端部は、生検切除ツール60(
図4参照)に接続され、生検切除ツール60によって切除された組織サンプルが、生検切除ツール60から、入口管46を通して組織保持器アセンブリ10の中に、組織貯蔵コンパートメント22のうちの1つの中に輸送される。組織保持器アセンブリ10の出口ポート44は、吸引管48に接続される。吸引管48の他方の端部は、吸引キャニスタ62または別の好適な真空源(
図4参照)に接続される。真空ポート44は、基部14から外に、流体チャネル78およびプレナム80を介して、液体および/または他の物質を引き込み、真空ポート44は、組織保持器18のそれぞれの組織貯蔵コンパートメント22内に堆積させられるように入口ポート42を通して組織サンプルを引き込むために、筐体12によって形成されるチャンバ内に真空を提供することも行う。
【0069】
図4を参照すると、組織生検システム50の概略図が、示される。
図4の概略図は、生検システム50のある特徴のみを示すが、生検システム50は、上で参照される米国特許第9,492,130 B2号に開示されるような生検システムであり得、それにおいて開示される特徴のうちのいずれかを含み得る。生検システム50は、生検切除ツール60および吸引キャニスタ62に取り付けられた組織保持器アセンブリ10を含む。生検システム50は、組織貯蔵コンパートメント22の各々の中に含まれる組織サンプルの画像を捕捉するように構成された撮像ユニット64も含む。撮像ユニット64は、X線撮像デバイス66または画像を捕捉するための他の好適な撮像デバイス等の撮像デバイス66を有する。撮像デバイス66は、撮像デバイス66が撮像フィールド内に位置付けられる物質の画像を入手し得る撮像フィールドを有する。
【0070】
組織保持器アセンブリ10は、ここで、
図5-12を参照してさらに詳細に説明されるであろう。
図5は、
図1-2の組織保持器アセンブリ10の部分的透明図を図示する。図に示されるように、カバー16は、カバー14の下の組織保持器18が見られ得るように、部分的に透明なものとして図示される。
図6は、カバー16が除去された組織保持器アセンブリ10を図示する。図に示されるように、基部14の円周側壁41は、組織保持器18を収容するための空間を画定する。組織保持器18が、基部14に回転可能に結合されると、組織保持器18は、間隙90だけ基部14の円周側壁41から分離されている。これは、組織保持器18が干渉を伴わずに基部14に対して回転することを可能にする。
図7は、カバー16および組織保持器18が除去された組織保持器アセンブリ10の基部14を図示する。図に示されるように、組織保持器アセンブリ10の基部14のプラットフォーム70は、プラットフォーム70の下の流動コーム74の一部を図示するために、部分的透明フォーマットにおいて提示される。
【0071】
図8は、プラットフォーム70の部分的透明表現を伴わない組織保持器アセンブリ10の基部14を図示する。図示される実施形態では、プラットフォーム開口部72は、プラットフォーム70の一方の端部と撮像プラットフォーム71との間に形成される。他の実施形態では、プラットフォーム開口部72は、撮像プラットフォーム71を利用することなく、プラットフォーム70内に形成され得る。
【0072】
図9は、組織保持器アセンブリ10の基部14を図示し、特に、プラットフォーム70が基部14から除去されたものを示す。撮像プラットフォーム71および流動コーム74の範囲が、見られることができる。図に示されるように、基部14は、基部14の円周側壁41によって包囲される、底部部材76を含む。底部部材76は、流動コーム74のそれより低い高さを有する。いくつかの実施形態では、撮像プラットフォーム71および/または流動コーム74は、基部14の底部部材76と一緒に成型され得る。図に示されるように、流動コーム74は、弓形形状を有し、これは、流体が曲線経路に沿ってプラットフォーム開口部72から流体チャネル78の中に輸送されることを可能にする。図示される実施形態では、流動コーム74は、6つの平行な流動チャネル75を有する。他の実施形態では、流動コーム74は、6つを上回る平行な流動チャネル75(例えば、7つ、8つ、9つのチャネル等)または6つより少ない流動チャネル75(例えば、5つ、4つ、3つ、2つのチャネル)を有し得る。ある場合、流動コーム74は、少なくとも4つの流動チャネルを含み得る。図示される実施形態では、流動コーム74は、流体チャネル78の縦方向軸に沿って測定されるプラットフォーム開口部72の寸法より大きい長さを有する。他の実施形態では、流動コーム74は、流体チャネル78の縦方向軸に沿って測定されるプラットフォーム開口部72の寸法より短い、またはそれと同一の長さを有する。さらに、図示される実施形態では、プラットフォーム開口部72に隣接する流動コーム74の第1の部分は、ほぼ垂直(例えば、90°±20°)である第1の傾斜を有し得、第1の部分に続く流動コーム74の第2の部分は、約45°±20°である第2の傾斜を有し得、第2の部分に続き、流体チャネル78の内側に延びている流動コーム74の第3の部分は、約0°±20°である第3の傾斜を有し得る。他の実施形態では、流動コーム74は、他の傾斜外形を有し得る。いくつかの実施形態では、表面処理が、流動コーム74にわたる流体の流動を補助するために、流動コーム74に適用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、抗凝血性コーティング、疎水性コーティング、または他の処理が、流動コーム74の表面上に適用され得る。
【0073】
図10に示されるように、底部部材76およびプラットフォーム70は、流体チャネル78を一緒に画定する。プラットフォーム70および流体チャネル78は、組織保持器18が、基部14に結合されているとき、組織保持器18の下方に位置する。流体チャネル78は、流体チャネル78を通して流体を輸送するための吸引を提供するように構成される。本明細書に使用されるように、用語「流体チャネル」は、ガス(例えば、空気)および/または液体等の流体を輸送することが可能である任意の通路であり得る。
【0074】
図11は、組織保持器アセンブリ10の部分的切り取り図を図示し、特に、組織保持器18が基部14およびカバー16によって画定される内部の内側に装填されていることを示す。組織保持器アセンブリ10のカバー16は、組織保持器18のハブ38における開口部96と篏合するように構成された突出部94を含む。組織保持器18のハブ38の下側部分は、基部14のハブ35を受け取るための開口部を有する。ハブ38は、基部14のスピンドル36を受け取るためのスロットも有する。スピンドル38の回転は、組織保持器18に基部14に対して回転させるであろう。カバー16からの突出部94および基部14のハブ35は、反対方向から組織保持器18のハブ38の中に延び、それによって、組織保持器18がスピンドル36によって回転させられている間、組織保持器18を安定させる。故に、組織保持器18は、基部14におけるスピンドル36(駆動部材)に除去可能に結合され、底部部材76に対して実質的に直交する(例えば、90°±10°)軸の周りをスピンドル36によって選択的に回転させられるように構成される。
【0075】
図11に示されるように、カバー16における入口ポート42は、それぞれの組織貯蔵コンパートメント22と半径方向に整列させられ、少なくとも部分的にプラットフォーム70と一緒に形成されるプラットフォーム開口部72とも半径方向に整列させられる。故に、流体を伴う組織サンプルが、入口ポート42の中に送達されると、組織サンプルおよび流体は、それぞれの組織貯蔵コンパートメント22の中に堆積させられるであろう。組織サンプルは、組織保持器18の底部におけるフィルタ24によって阻止されるであろう一方、流体は、フィルタ24を通して退出し、プラットフォーム70のプラットフォーム開口部72を通して進むであろう。組織保持器アセンブリ10の使用中、吸引が、流体チャネル78の内側に提供され、組織保持器18の底部からプラットフォーム開口部72の中に流体を引き込むことに役立つであろう。
【0076】
図12は、
図11の組織保持器アセンブリ10の部分的切り取り図を図示し、特に、流体流動方向を示す。示されるように、生検デバイス60(
図4に示される)からの組織サンプルおよび流体が、入口ポート42を介して組織保持器アセンブリ10の中に進入する。組織サンプルは、組織保持器18内の組織貯蔵コンパートメント22のうちの1つの中に堆積させられる。組織保持器18の底部におけるフィルタ24は、流体がそれを通過することを可能にしながら、組織サンプルが組織保持器18の底部を通して退出することを防止する。流体チャネル78内に提供される吸引に起因して、流体は、プラットフォーム70におけるプラットフォーム開口部72の中に進入し、流体チャネル78の内側の流動コーム74によって分割される。流体は、次いで、流体チャネル78の内側の吸引力に起因して、流体チャネル78を通して輸送され、基部の円周側壁41における退出ポート97を介してプレナム80の中に退出する。プレナム80は、流体が出口ポート44(
図1に示される)を介してプレナム80から外に吸引ライン48の中に吸引されている間、ある量の流体が収集されることを可能にする。
【0077】
図13を参照すると、組織保持器アセンブリ10を使用するおよび動作させる方法100が、ここで、説明されるであろう。項目102において、組織保持器アセンブリ10が、上で説明される米国特許第9,492,130 B2号に説明されるようなシステム等の自動化生検システム50の中に据え付けられ、生検切除ツール60が、入口管46に接続され、真空源が、吸引管48に接続される。組織保持器アセンブリ10または組織保持器18のみ(例えば、組織保持器18は、システム50内に据え付けられた組織保持器アセンブリの中に据え付けられ得る)が、自動化生検システム50内に手動で据え付けられ得るか、または、システム50が、システム50の中に組織保持器アセンブリ10または組織保持器18のみを自動的に据え付けるように構成されるロボットを含み得る。
【0078】
項目104において、組織保持器18は、入口ポート42を通して輸送される組織サンプルが、組織保持器18の第1の組織貯蔵コンパートメント22の中に堆積させられるであろうように、組織フィルタ保持器18の装填位置に第1の組織貯蔵コンパートメント22を位置付けるように回転させられる。第1の組織貯蔵コンパートメント22が、装填位置にあるとき、それは、プラットフォーム開口部72の上方にもある。
【0079】
項目106において、第1の組織サンプルが、生検切除ツール60を使用して切除され、第1の組織サンプルは、入口管46および入口ポート42を通して輸送され、組織保持器18の第1の組織貯蔵コンパートメント22の中に堆積させられる。
【0080】
項目108において、第1の組織貯蔵コンパートメント22の下にあるフィルタ24の底面上に蓄積された流体残留物が、除去される。特に、吸引が、流体チャネル78内に印加され、第1の組織貯蔵コンパートメント22の底部における流体をプラットフォーム開口部72の中に引き込む。流体は、次いで、流体チャネル78を介してプレナム80に輸送され、吸引ライン48を介してプレナム80から外に吸引される。項目108における流体の流動は、
図12に示される様式で起こり得る。図示される実施形態では、流体は、チャネル開口部72から流体チャネル78内に反時計回りに輸送され、プレナム80に到達する。他の実施形態では、プラットフォーム開口部72に対するプレナム80の位置は、変更され得、流動コーム74の構成は、流体が、チャネル開口部72から流体チャネル78内に時計回りに輸送され、プレナム80に到達するように、反転され得る。
【0081】
図13に再び目を向けると、項目110において、第1の組織貯蔵コンパートメント22は、第1の組織貯蔵コンパートメント22内の第1の組織サンプルの画像を入手するために、撮像ユニット64の撮像フィールド内に位置付けられる。撮像フィールドは、プラットフォーム開口部72に隣接して位置し得る。図示される実施形態では、第1の組織貯蔵コンパートメント22の底部における流体を除去するために、吸引が印加された後(第1の組織貯蔵コンパートメント22が装填位置にあるとき)、組織保持器18は、第1の組織貯蔵コンパートメント22をプラットフォーム開口部72の上方にある装填位置から、表面71の上方にある撮像位置に移動させるために、時計回りに回転させられ得る。したがって、いくつかの実施形態では、流体は、流体チャネル78内で反時計回り方向に進行し、組織保持器18は、時計回り方向に回転する。代替として、組織保持器18は、反時計回り方向に回転し得る。
【0082】
項目112において、第1の組織サンプルの画像が、撮像ユニット64を使用して入手される。
【0083】
項目114において、組織保持器18は、入口ポート42を通して輸送される組織サンプルが、第2の組織貯蔵コンパートメント22の中に堆積させられ得るように、組織保持器18の装填位置に第2の組織貯蔵コンパートメント22を位置付けるように回転させられる。本位置付けは、項目110と同一の移動中に起こり得る。言い換えると、第1の組織貯蔵コンパートメント22が、撮像位置に移動させられる際、第2の組織貯蔵コンパートメント22は、装填位置に位置付けられ得る。第2の組織貯蔵コンパートメント22が、装填位置にあるとき、これは、プラットフォーム開口部72の上方にある。
【0084】
項目116において、第2の組織サンプルが、生検切除ツール62を使用して切除され、第2の組織サンプルは、入口管46および入口ポート42を通して輸送され、組織保持器18の第2の組織貯蔵コンパートメント22の中に堆積させられる。
【0085】
項目118において、第2の組織貯蔵コンパートメント22の下にあるフィルタ24の底面上に蓄積された流体残留物が、除去される。特に、吸引が、流体チャネル78内に印加され、第2の組織貯蔵コンパートメント22の底部における流体をプラットフォーム開口部72の中に引き込む。流体は、次いで、流体チャネル78を介してプレナム80に輸送され、吸引ライン48を介してプレナム80から外に吸引される。項目108における流体の流動は、
図12に示される様式で起こり得る。
【0086】
図13に再び目を向けると、項目120において、第2の組織貯蔵コンパートメント22は、第2の組織貯蔵コンパートメント22内の第2の組織サンプルの画像を入手するために、撮像ユニット64のための撮像フィールド内に位置付けられる。再び、撮像フィールドは、プラットフォーム開口部72をわずかに過ぎて位置し得る。
【0087】
項目122において、第2の組織サンプルの画像が、撮像ユニット64を使用して入手される。このプロセスは、所望の組織サンプルが全て取得され、組織貯蔵コンパートメント22の中に堆積させられ、組織貯蔵コンパートメント22の各々の中のそれぞれの組織サンプルの全てに関する画像が入手されるまで繰り返される。
【0088】
代替として、組織貯蔵コンパートメント22内の組織サンプルの画像は、全てのサンプルが入手された後に入手され得る。最初に、組織サンプルの全てが、各組織貯蔵コンパートメント22を装填位置に回転させ、組織サンプルを切除し、組織サンプルをそのそれぞれの組織貯蔵コンパートメント22の中に堆積させることによって、取得され、それぞれの組織貯蔵コンパートメント22の中に堆積させられる。次いで、組織保持器18は、組織保持器18内の組織容器22の各々から流体を除去するように回転させられ、組織保持器アセンブリ10内の組織サンプルは、撮像される。組織サンプルは、組織保持器18内の全ての組織容器22の単一の画像を取得し、個々の容器22を識別するように画像を処理し、各容器22から各画像を分離することによって、全て一度に撮像され得る。代替として、組織保持器18は、組織容器22の各々の中のそれぞれの組織サンプルの全ての画像が取得されるまで、容器の各々の別個の画像を入手するように回転させられ得る。また別の実施形態では、組織保持器アセンブリ10は、X線撮像デバイス等の撮像ユニット内に設置される。手動システムでは、フィルタアセンブリ10は、撮像ユニット54内に手動で据え付けられ得る。
【0089】
上で説明されるシステム等の自動化および統合システムでは、組織保持器アセンブリ10は、生検切除を実施する間に撮像ユニット64内にすでに位置しているか、または、ロボットが、組織保持器アセンブリ10を撮像ユニット64内に設置し得る。組織保持器18は、次いで、流体除去のためにプラットフォーム開口部72を横断して組織貯蔵コンパートメント22を移動させるように回転させられ、組織貯蔵コンパートメント22は、撮像位置に位置付けられ、画像が、撮像ユニット64を使用して入手される。このプロセスは、撮像されるべき組織サンプルを有する組織貯蔵コンパートメント22の各々に関して繰り返される。
【0090】
流体除去システムのプラットフォーム70が、それが流体をその下方に保ち、流体から組織保持器18を遮蔽するので、有利であることに留意されたい。プラットフォーム70を伴わないと、流体が流体保持器アセンブリ10に進入するとき、および流体の輸送中、流体は、画像プラットフォーム70上に飛散し得る。加えて、プラットフォーム70は、それが筐体12が使用中に流体で満杯になることを防止するので、有利である。プラットフォーム70を伴わないと、過剰な流体が、筐体12内に蓄積し得、組織保持器18内の組織サンプルに浮動させるであろうレベルまで上昇し得る。基部14のハブ35の周囲に少なくとも部分的に流体チャネル78を伸ばすことも、それが流体のある程度の集合を可能にし得るチャネル長を提供し、流体の過剰な蓄積を防止し得るので、有利である。加えて、流動コーム74は、それが流体をより微細な液滴に分割し、流体チャネル78の内側の吸引力による流体のより容易な吸引を可能にするので、有利である。流動コーム74はまた、流体がチャネル78の内側でより容易に流動することを可能にする。
【0091】
組織保持器アセンブリ10が上記の例に示される構成に限定されず、組織保持器アセンブリ10が他の実施形態において他の構成を有し得ることに留意されたい。例えば、他の実施形態では、組織保持器アセンブリ10のカバー16は、入口ポート(組織進入ポート)42から遮蔽される丸天井コンパートメントを少なくとも部分的に画定する斜めカバー部分を有し得る。
図14は、他の実施形態による、別の組織保持器アセンブリ10を図示する。組織保持器アセンブリ10は、カバー16が斜めカバー部分200を有することを除いて、
図1-3を参照して説明されるものと同一である。斜めカバー部分200は、少なくとも部分的に、入口ポート42から遮蔽される丸天井コンパートメントを画定する。斜めカバー部分200は、傾斜が、流体流出を可能にするので、有利である。他の実施形態では、カバー部分200は、他の形状を有し得る。例えば、他の実施形態では、撮像空間と対応するカバー部分200は、ドーム形状、ピラミッド形状、台形形状、または他の形状を有し得る。
【0092】
図14の組織保持器アセンブリ10は、プレナム80が異なるサイズおよび形状を有する点において、
図1-3を参照して説明されるものと異なる。特に、
図14のプレナム80は、前述で説明されるものより大きい体積を有する。
図14のプレナム80は、基部14(
図15参照)の円周側壁41より高い高さを有する。
図15は、
図14の組織保持器アセンブリ10を図示し、特に、組織保持器アセンブリ10のカバー16が除去されたものを示す。図に示されるように、プレナム80は、プラットフォーム70の下の流体チャネル78(図示せず)から流体を受け取るための開口部300を有する。開口部300および出口ポート44は、プレナム80の反対の端部において位置する。使用中、組織保持器18の底部からの流体は、プラットフォーム開口部72に進入し、プラットフォーム70の下の流体チャネル78(図示せず)の内側の流動コーム74によって分割される。
図15に示されるように、チャネル78内の吸引は、流体がハブ35の周りで円周方向に延びているチャネル78に沿って輸送されるようにする。流体は、次いで、プレナム80の壁における開口部300の中に進入し、プレナム80内の空洞に到達する。流体は、次いで、出口ポート44を介してプレナム80から外に吸引される。流体の経路は、図の破線矢印210によって表される。
【0093】
図16-17は、他の実施形態による、別の組織保持器アセンブリ10を図示する。組織保持器アセンブリ10は、プレナム80が異なるサイズおよび形状を有することを除いて、
図1-3を参照して説明されるものと同一である。特に、
図16-17のプレナム80は、
図1-3を参照して前述で説明されるものより大きい体積を有する。
図16のプレナム80は、基部41の円周側壁41より高い高さも有する。
図16に示されるように、プレナム80は、プラットフォーム70の下の流体チャネル78と流体連通する第1の開口部300を伴う壁を含む。プレナム80は、出口ポート44と流体連通する第2の開口部302も含む。
図16では、プラットフォーム70は、それの下の構成要素を示すために部分的透明構成において図示される。図に示されるように、組織保持器アセンブリ10は、チャネル78を画定するためにプラットフォーム70および底部部材76(
図17に示される)と協働するチャネル側壁310、312を含む。
【0094】
使用中、流体は、プラットフォーム開口部72に進入し、プラットフォーム70の下の流体チャネル78の内側の流動コーム74によって分割される。
図16に示されるように、チャネル78内の吸引は、流体がハブ35の周りで円周方向に延びているチャネル78に沿って輸送されるようにする。流体は、次いで、プレナム80の壁における第1の開口部300の中に進入し、プレナム80内の空洞に到達する。流体は、次いで、プレナム80における第2の開口部302から外に吸引され、出口ポート44を介して退出する。流体の経路は、図の破線矢印210によって表される。
【0095】
図17に示されるように、組織保持器アセンブリ10は、プレナム80を覆うためのプレナムカバー320も含む。プラットフォーム70およびチャネル側壁310、312は、基部14の底部部材76を示すために、除去される。
【0096】
他の実施形態では、側壁310、312は、随意であり、ハブ35の外壁および円周側壁41の内面は、流体チャネル48の幅を画定し得る。
【0097】
組織保持器アセンブリ10は、他の実施形態において他の構成を有し得、説明される実施形態に限定されるべきではない。例えば、本明細書に説明される1つ以上の実施形態では、流動コーム74は、随意であり、組織保持器アセンブリ10は、流動コーム74を含まないこともある。他の実施形態では、プレナム80も、随意であり、組織保持器アセンブリ10は、プレナム80を含まないこともある。そのような場合、吸引ライン48は、基部14の円周側壁41に結合され得、基部14の円周側壁41は、吸引ライン48と結合するための開口部を含み得る。さらなる実施形態では、プレナム80は、基部14から離れて位置し得る。例えば、吸引ライン48は、基部14から離れたプレナム80に接続され得、プレナム80に結合される別の吸引ラインが、プレナム80の内側の流体を除去するために、吸引を印加し得る。
【0098】
図18は、組織保持器から流体を除去する方法1800を図示する。方法1800は、組織保持器アセンブリ10を使用して実施される。方法1800は、組織保持器によって、組織サンプルおよび流体を受け取ることを含み、組織保持器は、フィルタを伴う底部を備え、組織保持器は、組織保持器アセンブリの基部に回転可能に結合され、基部は、ハブを有する(項目1802)。方法180は、吸引を印加し、組織保持器の底部から流体を除去することを含み、吸引は、組織保持器の下方の組織保持器アセンブリのプラットフォームの下にある流体チャネルを通して印加される(項目1804)。方法1800は、流体チャネルを介して除去された流体を輸送することをさらに含み、除去された流体は、流体チャネルによって一方向性様式で基部のハブの周りで輸送される(項目1806)。
【0099】
随意に、方法1800において、除去された流体は、プレナムに輸送される。随意に、方法1800は、流動コームを介して流体を分割することをさらに含む。随意に、方法1800は、プラットフォーム開口部をさらに含み、流動コームは、プラットフォーム開口部の下方にあり、流体チャネル内に延びている。随意に、方法1800において、組織保持器アセンブリは、基部部材を有する基部を備え、基部部材およびプラットフォームは、流体チャネルを画定し、流体は、基部部材とプラットフォームとの間で輸送される。随意に、方法1800において、除去された流体は、円弧経路に沿って輸送される。随意に、方法1800は、プラットフォーム開口部をさらに含み、組織保持器アセンブリは、組織進入ポートを伴うカバーを備え、方法は、プラットフォーム開口部の上方の場所において組織保持器上に組織進入ポートを介して組織サンプルを送達することをさらに含む。
【0100】
特定の実施形態が、示され、説明されたが、請求される発明を好ましい実施形態に限定することを意図していないことを理解されたく、種々の変更および修正が、請求される発明の精神および範囲から逸脱することなく、行われ得ることが当業者に明白であろう。本明細書および図面は、故に、制限的意味ではなく、例証的意味で見なされるものである。請求される発明は、代替、修正、および均等物を網羅することを意図している。