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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】モータ制御システム及びモータ制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02P 29/00 20160101AFI20240919BHJP
   H02P 27/06 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
H02P29/00
H02P27/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022540434
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 CN2020131440
(87)【国際公開番号】W WO2021135738
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-06-29
(31)【優先権主張番号】201911417122.X
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】杜智勇
(72)【発明者】
【氏名】徐▲魯▼▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲喩▼▲軼▼▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼阿喜
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-260981(JP,A)
【文献】国際公開第2012/077187(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/010225(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 29/00
H02P 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧バッテリから提供される電圧を制御してモータの回転を制御するモータ制御システムであって、
制御ユニット、駆動ユニット、バックアップ制御ユニット及びパワーユニットを含み、
前記制御ユニットは、前記駆動ユニットに電気的に接続され、前記駆動ユニットに低圧モータ駆動信号を出力し、
前記駆動ユニットは、トランスを含み、前記パワーユニットに電気的に接続され、前記駆動ユニットは、受信した低圧モータ駆動信号を高圧モータ駆動信号に変換して前記パワーユニットに出力し
前記パワーユニットは、前記高圧モータ駆動信号に基づいて、高圧バッテリから出力されるモータ駆動電圧制御、前モータ駆動電圧は、前記パワーユニットに接続されたモータの回転を駆動するためのものであり、
前記バックアップ制御ユニットは前記駆動ユニットに電気的に接続され、前記駆動ユニットは、前記駆動ユニットの運転状態を示す診断信号を前記バックアップ制御ユニットに出力し、前記バックアップ制御ユニットの受信した前記診断信号が前記駆動ユニットが故障状態にある旨を示していれば、前記バックアップ制御ユニットは、前記駆動ユニットが動作を停止するように制御することにより、前記駆動ユニットが前記高圧モータ駆動信号を前記パワーユニットへ出力するのを停止させて、前記モータが回転を停止するように制御する、ことを特徴とするモータ制御システム。
【請求項2】
記制御ユニットは、前記駆動ユニットに電気的に接続され、前記低圧モータ駆動信号とイネーブル信号とを前記駆動ユニットに出力し、前記イネーブル信号は、前記駆動ユニットによる前記低圧モータ駆動信号の前記高圧モータ駆動信号への変換の起動又は停止を制御し、
前記駆動ユニットは、故障したとき、前記駆動ユニットが故障状態にある旨を示す故障信号を前記制御ユニットに出力し、前記制御ユニットは、前記故障信号に基づいて前記低圧モータ駆動信号の出力を停止し、前記イネーブル信号の電位を調整して、前記駆動ユニットが前記高圧モータ駆動信号の出力を停止するように制御する、ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御システム。
【請求項3】
前記駆動ユニットは、第1の一次側電源、第1の二次側電源及び三相上ブリッジアーム駆動ユニットを含み、
前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットは、第1のトランスを含み、
前記第1の一次側電源は、前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットに電気的に接続され、受信した第1の電源電圧を処理した後に、第1の一次側電源電圧を前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットに出力し、更に、前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットから出力された前記故障信号における上ブリッジアーム故障信号を受信すると、前記第1の一次側電源電圧の前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットへの出力を停止し、
前記第1の二次側電源は、前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットに電気的に接続され、受信した第1の電源電圧を処理した後に、第1の二次側電源電圧を前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットに出力し、更に、前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットから出力された前記診断信号における上ブリッジアーム診断信号を受信し、前記上ブリッジアーム診断信号が、前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットが故障状態にある旨を示す場合、前記第1の二次側電源電圧の前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットへの出力を停止し、前記上ブリッジアーム診断信号は、前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットの故障状態及び非故障状態を示すためのものである、ことを特徴とする請求項2に記載のモータ制御システム。
【請求項4】
前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットは、前記第1の一次側電源電圧及び前記第1の二次側電源電圧の駆動作用下に、前記制御ユニットから出力されたイネーブル信号と前記低圧モータ駆動信号における上ブリッジアーム低圧モータ駆動信号とを受信し、かつ前記上ブリッジアーム低圧モータ駆動信号を前記高圧モータ駆動信号における上ブリッジアーム高圧モータ駆動信号に変換し
記三相上ブリッジアーム駆動ユニットは、更に、前記上ブリッジアーム故障信号を前記第1の一次側電源に出力し、前記第1の一次側電源は、前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットが故障した旨を示す上ブリッジアーム故障信号を受信すると、前記第1の一次側電源電圧の前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットへの出力を停止し、前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットは、前記制御ユニットから出力されたイネーブル信号及び上ブリッジアーム低圧モータ駆動信号の受信を停止し、
前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットは、更に、前記上ブリッジアーム診断信号を前記第1の二次側電源に出力し、前記第1の二次側電源は、前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットの故障状態を示す上ブリッジアーム診断信号を受信すると、前記第1の二次側電源電圧の前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットへの出力を停止し、前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットは、前記上ブリッジアーム低圧モータ駆動信号の上ブリッジアーム高圧モータ駆動信号への変換を停止する、ことを特徴とする請求項3に記載のモータ制御システム。
【請求項5】
前記駆動ユニットは、第2の一次側電源、第2の二次側電源及び三相下ブリッジアーム駆動ユニットを更に含み、
前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットは、第2のトランスを含み、
前記第2の一次側電源は、前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットに電気的に接続され、受信した第1の電源電圧を処理した後に第2の一次側電源電圧を前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットに出力し、更に、前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットから出力された前記故障信号における下ブリッジアーム故障信号を受信すると、前記第2の一次側電源電圧の前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットへの出力を停止し、
前記第2の二次側電源は、前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットに電気的に接続され、受信した第2の電源電圧を処理した後に、第2の二次側電源電圧を前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットに出力し、更に、前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットから出力された前記診断信号における下ブリッジアーム診断信号を受信し、前記下ブリッジアーム診断信号が、前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットが故障状態にある旨を示す場合、前記第2の二次側電源電圧の前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットへの出力を停止し、前記下ブリッジアーム診断信号は、前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットの故障状態及び非故障状態を示すためのものである、ことを特徴とする請求項3に記載のモータ制御システム。
【請求項6】
前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットは、前記第2の一次側電源電圧及び前記第2の二次側電源電圧の駆動作用下に、前記制御ユニットから出力された、イネーブル信号と前記低圧モータ駆動信号における下ブリッジアーム低圧モータ駆動信号とを受信し、前記下ブリッジアーム低圧モータ駆動信号を前記高圧モータ駆動信号における下ブリッジアーム高圧モータ駆動信号に変換し
記三相下ブリッジアーム駆動ユニットは、更に、前記下ブリッジアーム故障信号を前記第2の一次側電源に出力し、前記第2の一次側電源は、前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットが故障した旨を示す下ブリッジアーム故障信号を受信すると、前記第2の一次側電源電圧の前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットへの出力を停止し、前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットは、前記制御ユニットから出力されたイネーブル信号及び下ブリッジアーム低圧モータ駆動信号の受信を停止し、
前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットは、更に、前記下ブリッジアーム診断信号を前記第2の二次側電源に出力し、前記第2の二次側電源は、前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットの故障状態を示す下ブリッジアーム診断信号を受信すると、前記第2の二次側電源電圧の前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットへの出力を停止し、前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットは、前記下ブリッジアーム低圧モータ駆動信号の前記下ブリッジアーム高圧モータ駆動信号への変換を停止する、ことを特徴とする請求項5に記載のモータ制御システム。
【請求項7】
前記バックアップ制御ユニットは第1のバックアップ制御ユニットを含み、
前記第1の二次側電源は、前記第1のバックアップ制御ユニットに電気的に接続され、前記第1の電源電圧について検出した後に、前記診断信号における第1の電源診断信号を前記バックアップ制御ユニットに出力し、前記第1の電源診断信号は前記第1の電源電圧の動作状態を示すためのものであり、前記第1の電源電圧の動作状態は故障状態及び非故障状態を含み
記第1のバックアップ制御ユニットは、更に、前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットに電気的に接続され、前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットから出力された前記上ブリッジアーム診断信号を受信し、前記上ブリッジアーム診断信号又は前記第1の電源診断信号が、非故障状態から故障状態に変化すれば、前記第1のバックアップ制御ユニットは、第1のバックアップ制御信号を出力し、前記三相上ブリッジアーム駆動ユニットが前記上ブリッジアーム低圧モータ駆動信号の前記上ブリッジアーム高圧モータ駆動信号への変換を停止するように制御する、ことを特徴とする請求項4に記載のモータ制御システム。
【請求項8】
前記バックアップ制御ユニットは第2のバックアップ制御ユニットを更に含み
記第2の二次側電源は、前記第2のバックアップ制御ユニットに電気的に接続され、前記第2の電源電圧について検出した後に、前記診断信号における第2の電源診断信号を前記バックアップ制御ユニットに出力し、前記第2の電源診断信号は前記第2の電源電圧の動作状態を示すためのものであり、前記第2の電源電圧の動作状態は故障状態及び非故障状態を含み、
前記第2のバックアップ制御ユニットは、更に、前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットに電気的に接続され、前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットから出力された前記下ブリッジアーム診断信号を受信し、前記下ブリッジアーム診断信号又は前記第2の電源診断信号が非故障状態から故障状態に変化すれば、前記第2のバックアップ制御ユニットは、第2のバックアップ制御信号を出力し、前記三相下ブリッジアーム駆動ユニットが前記下ブリッジアーム低圧モータ駆動信号の前記下ブリッジアーム高圧モータ駆動信号への変換を停止するように制御する、ことを特徴とする請求項6に記載のモータ制御システム。
【請求項9】
給電ユニットを更に含み、
前記給電ユニットは、前記制御ユニット及び前記駆動ユニットに電気的に接続され、前記第1の電源電圧を前記制御ユニットに出力し、前記制御ユニットは、前記第1の電源電圧の駆動作用下に、前記駆動ユニットの運転を制御し、そして前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧を前記駆動ユニットに出力し、前記駆動ユニットは、前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧の駆動作用下に、前記高圧モータ駆動信号を前記パワーユニットに出力する、ことを特徴とする請求項5に記載のモータ制御システム。
【請求項10】
前記給電ユニットは、バッテリユニット、高圧ユニット、第1の変圧ユニット、及び、切り替えユニットを含み、
前記バッテリユニットは、前記切り替えユニットに電気的に接続され、第1の直流電圧を前記切り替えユニットに出力し、
前記高圧ユニットは、前記第1の変圧ユニットに電気的に接続され、第2の直流電圧を前記第1の変圧ユニットに出力し、前記第1の変圧ユニットは、前記第2の直流電圧に対して変圧処理を実施した後に第3の直流電圧を、前記第1の変圧ユニットに電気的に接続された切り替えユニットに出力し、
前記切り替えユニットは、前記制御ユニット及び前記駆動ユニットに電気的に接続され、前記第1の直流電圧が閾値範囲にある場合、前記第1の直流電圧を前記第1の電源電圧として前記制御ユニット及び前記駆動ユニットに出力し、更に、前記第1の直流電圧が閾値範囲を超えた場合、前記第3の直流電圧を前記第1の電源電圧として前記制御ユニット及び前記駆動ユニットに出力する、ことを特徴とする請求項9に記載のモータ制御システム。
【請求項11】
前記給電ユニットは第2の変圧ユニットを更に含み、
前記第2の変圧ユニットは、前記高圧ユニットに電気的に接続され、前記高圧ユニットから出力された前記第2の直流電圧を受信し、
前記第2の変圧ユニットは、更に、前記駆動ユニットに電気的に接続され、前記第2の直流電圧に対して変圧処理を実施した後に、前記第2の電源電圧を前記駆動ユニットに出力し、前記第2の電源電圧は前記第1の電源電圧と共に、前記駆動ユニットが前記高圧モータ駆動信号を前記パワーユニットに出力するように駆動する、ことを特徴とする請求項10に記載のモータ制御システム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のモータ制御システムを含む、ことを特徴とするモータ制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2019年12月31日に提出された出願番号201911417122.X、名称「モータ制御システム及びモータ制御装置」の中国特許出願の優先権を主張するものであり、その内容全体は参照によリ本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、モータ制御の分野に関し、特にモータ制御システム及びモータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車の迅速な普及に伴って、電気自動車のコア部品の1つであるモータの駆動制御はますます重視されるようになっている。
【0004】
従来のモータ制御システムでは、モータの機能及び性能について設計することが多く、モータの安全性上の考慮に欠けているため、従来のモータ制御システムは、電気自動車に適用される場合、より高いセキュリティレベルに達することができない。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、関連技術の技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。
【0006】
このため、本開示の第1の態様の実施例に係るモータ制御システムは、駆動ユニット、バックアップ制御ユニット及びパワーユニットを含み、前記駆動ユニットは、前記パワーユニットに電気的に接続され、受信した低圧駆動信号を高圧駆動信号に変換して前記パワーユニットに出力し、前記パワーユニットは、前記高圧駆動信号に基づいて、高圧バッテリから提供される電源駆動信号を出力し、前記電源駆動信号は、前記パワーユニットに接続されたモータの回転を駆動するためのものであり、前記バックアップ制御ユニットは前記駆動ユニットに電気的に接続され、前記駆動ユニットは、前記駆動ユニットの運転状態を示す診断信号を前記バックアップ制御ユニットに出力し、前記バックアップ制御ユニットの受信した前記診断信号が前記駆動ユニットが故障状態にある旨を示していれば、前記バックアップ制御ユニットは、前記駆動ユニットが動作を停止するように制御することにより、前記駆動ユニットに前記高圧駆動信号の前記パワーユニットへの出力を停止させて、前記モータが回転を停止するように制御する。
【0007】
本開示の第2の態様の実施例に係るモータ制御装置は、前述のモータ制御システムを含む。
【0008】
本開示の実施例のモータ制御システムは、給電ユニットに切り替えユニットを追加して、バッテリユニットから出力された第1の直流電圧と第1の変圧ユニットから出力された第3の直流電圧とを切り替えて出力することにより、1つの信号が故障した時に他の信号にタイムリーに切り替えることができ、該モータ制御システムを応用する電動装置の運転中の給電安全性を向上させる。また、モータ制御システムにはバックアップ制御ユニットが更に追加され、駆動ユニットが故障したとき、制御ユニットとで余裕のある故障制御構造を構成することができ、すなわち、制御ユニットが駆動ユニットに動作を停止させることができない場合にも、バックアップ制御ユニットにより駆動ユニットが動作を停止するように制御することができる。以上より、モータ制御システムでは、給電ユニットの改良とバックアップ制御ユニットの追加により、該モータ制御システムを応用する電動装置のセキュリティレベルを向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0010】
図1】本開示の実施例のモータ制御システムの概略構成図である。
図2図1に示されるモータ制御システムの具体的な概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施例における図面を参照しながら、本開示の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本開示の実施例の一部であり、全てではない。本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる他の全ての実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属するものである。
【0012】
以下の各実施例の説明は、添付した図面を参照し、本開示の実施され得る実施例を例示するために用いられる。本開示において言及される方向用語、例えば「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」などは、添付した図面に基づく方向に過ぎず、したがって、使用された方向用語は、本開示をより容易かつより明確に説明し理解するためのものであり、対象としている装置又は部材が特定の方位を有し、特定の方位において構築されて操作されるべきことを示すもの又は実質的に暗示するものではなく、したがって、本開示を限定するものであると理解してはならない。なお、本開示の説明において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよく、機械的接続であってもよく、直接的な接続であってもよく、中間媒体を介した間接的な接続であってもよく、2つの部材の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本開示における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0013】
本開示における「の(英語ではof)」、「関連する(英語ではcorresponding、relevant)」及び「対応する(英語ではcorresponding)」は混用でき、指摘すべきこととして、その相違点を強調しない場合、それらの表現しようとする意味が一致している。また、本開示の実施例の技術手段を明確に説明するために、本開示の実施例において、「第1の」、「第2の」などの文字を用いて、機能と作用が基本的に同じである同じ項又は類似項を区別する。当業者が理解できるように、「第1の」、「第2の」などの文字は、数及び実行順序を限定するものではなく、そして「第1の」、「第2の」などの文字も必ず異なることを限定しない。また、用語「含む」、「有する」及びそれらのいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。
【0014】
従来のガソリン自動車に比べて、電気自動車の移動は純粋な電力でサポートされたモータにより実現され、モータの運転中の回転速度、電流及び電圧などの重要なパラメータは、いずれもモータ制御システムにより監視されて制御される必要があり、したがって、セキュリティレベルの高いモータ制御システムは、電気自動車の運転中の安全性及び安定性を向上させることができる。
【0015】
本開示の実施例のモータ制御システムの概略構成図である図1を参照する。図1に示すように、モータ制御システム100は、給電ユニット101、制御ユニット102、駆動ユニット103、バックアップ制御ユニット104及びパワーユニット105を含む。
【0016】
給電ユニット101は、制御ユニット102及び駆動ユニット103に電気的に接続され、制御ユニット102に第1の電源信号を提供し、制御ユニット102は、第1の電源信号の駆動作用下に、駆動ユニット103を制御し、更に駆動ユニット103に第1の電源信号及び第2の電源信号を提供し、駆動ユニット103は、第1の電源信号及び第2の電源信号の同時駆動作用下に動作する。
【0017】
制御ユニット102は、駆動ユニット103に電気的に接続され、第1の電源信号の駆動作用下に動作するとき、イネーブル信号及び低圧駆動信号を駆動ユニット103に出力する。
【0018】
駆動ユニット103は、パワーユニット105に電気的に接続され、第1の電源信号及び第2の電源信号の同時駆動作用下に動作するとき、イネーブル信号及び低圧駆動信号を受信し、かつイネーブル信号の第1の電位に基づいて低圧駆動信号の高圧駆動信号への変換を起動して高圧駆動信号をパワーユニット105に出力し、そしてイネーブル信号の第2の電位に基づいて低圧駆動信号の高圧駆動信号への変換を停止する。
【0019】
駆動ユニット103は、更に、故障したときに、故障信号を制御ユニット102に出力し、制御ユニット102は、受信した故障信号に基づいて、イネーブル信号を第1の電位から第2の電位に変換し、そして低圧駆動信号の駆動ユニット103への出力を停止する。
【0020】
パワーユニット105は、高圧バッテリ300及びモータ200に電気的に接続され、駆動ユニット103から出力された高圧駆動信号の制御作用下に、高圧バッテリ300から提供される電源駆動信号をモータ200に出力し、電源駆動信号は、モータ200の回転を駆動するためのものである。
【0021】
駆動ユニット103は、バックアップ制御ユニット104に電気的に接続され、駆動ユニット103の、故障及び非故障を含む運転状態を示す診断信号をバックアップ制御ユニット104に出力し、バックアップ制御ユニット104は、診断信号の電位の変化に応じて、駆動ユニット103に出力するバックアップ制御信号の電位を調整することにより、駆動ユニット103に高圧駆動信号をパワーユニット105に出力させるか又はその出力を停止させる。
【0022】
更に、駆動ユニット103が非故障状態にあれば、駆動ユニット103のバックアップ制御ユニット104に出力する診断信号を第1の電位とし、バックアップ制御ユニット104の出力するバックアップ制御信号を第1の電位とすることにより、駆動ユニット103が高圧駆動信号のパワーユニット105への出力を続け、駆動ユニット103が故障状態にあれば、駆動ユニット103のバックアップ制御ユニット104に出力する診断信号を第1の電位から第2の電位に変換し、バックアップ制御ユニット104の出力するバックアップ制御信号を第2の電位とすることにより、駆動ユニット103が高圧駆動信号のパワーユニット105への出力を停止する。
【0023】
本開示の実施例では、駆動ユニット103に自身の運転状態を検出する検出回路が含まれることにより、駆動ユニット103は、故障したときに故障信号を制御ユニット102に出力し、そして診断信号を第1の電位から第2の電位に変換することができる。
【0024】
本開示の実施例では、駆動ユニット103に動作を停止させる少なくとも2種類の方式が存在する。そのうちの1種は、バックアップ制御ユニット104が駆動ユニット103の運転状態をリアルタイムに監視することにより、駆動ユニット103が故障したときに動作を停止するように制御することができることであり、もう一つは、駆動ユニット103が故障したとき、制御ユニット102が駆動ユニット103から出力された故障信号を受信し、該故障信号に基づいて、イネーブル信号及び低圧駆動信号を駆動ユニット103に出力することを停止するにより、駆動ユニット103に動作を停止させることである。この2種類の方式により、駆動ユニット103の故障処理に関して余裕のある制御構造が構成されるため、制御ユニット102は、給電などの原因で駆動ユニット103が動作を停止するようにタイムリーに制御することができない場合、更にバックアップ制御ユニット104により駆動ユニット103に動作を停止させることができ、モータ制御システム100はより高いセキュリティレベルを有する。
【0025】
本開示の実施例では、イネーブル信号は、上ブリッジアームイネーブル信号、下ブリッジアームイネーブル信号及び安全イネーブル信号を含み、低圧駆動信号は、上ブリッジアーム低圧駆動信号及び下ブリッジアーム低圧駆動信号を含み、高圧駆動信号は、上ブリッジアーム高圧駆動信号及び下ブリッジアーム高圧駆動信号を含み、故障信号は、上ブリッジアーム故障信号及び下ブリッジアーム故障信号を含み、診断信号は、上ブリッジアーム診断信号、下ブリッジアーム診断信号、第1の電源診断信号及び第2の電源診断信号を含み、バックアップ制御信号は、第1のバックアップ制御信号及び第2のバックアップ制御信号を含む。
【0026】
具体的には、図1に示されるモータ制御システムの具体的な概略構成図である図2を参照する。図2に示すように、給電ユニット101は、バッテリユニット1011、高圧ユニット1012、第1の変圧ユニット1013、第2の変圧ユニット1014及び切り替えユニット1015を含む。
【0027】
バッテリユニット1011は、切り替えユニット1015に電気的に接続され、第1の直流電圧を切り替えユニット1015に出力する。
【0028】
高圧ユニット1012は、第1の変圧ユニット1013に電気的に接続され、第2の直流電圧を第1の変圧ユニット1013に出力する。
【0029】
第1の変圧ユニット1013は、切り替えユニット1015に電気的に接続され、高圧ユニット1012から出力された第2の直流電圧を受信し、かつ第2の直流電圧に対して変圧処理を実施した後に第3の直流電圧を切り替えユニット1015に出力する。
【0030】
切り替えユニット1015は、制御ユニット102及び駆動ユニット103に電気的に接続され、第1の直流電圧が閾値範囲にある場合、第1の直流電圧を第1の電源信号として制御ユニット102及び駆動ユニット103に出力し、更に、第1の直流電圧が閾値範囲を超えた場合、第3の直流電圧を第1の電源信号として制御ユニット102及び駆動ユニット103に出力する。
【0031】
高圧ユニット1012は、更に、第2の変圧ユニット1014に電気的に接続され、第2の直流電圧を第2の変圧ユニット1014に出力する。
【0032】
第2の変圧ユニット1014は、駆動ユニット103に電気的に接続され、高圧ユニット1012から出力された第2の直流電圧を受信し、かつ第2の直流電圧に対して変圧処理を実施した後に第2の電源信号を駆動ユニット103に出力する。
【0033】
本開示の実施例では、閾値範囲は数値範囲であり、第1の直流電圧の数値がこの範囲内にある限り、切り替えユニット1015は第1の直流電圧を第1の電源信号として出力し、その逆の場合、第3の直流電圧を第1の電源信号として出力する。
【0034】
本開示の実施例では、切り替えユニット1015は、バッテリユニット2011から出力された第1の直流電圧を優先的に第1の電源信号として制御ユニット102及び駆動ユニット103に出力する。選択的に、切り替えユニット1015は、第1の変圧ユニット1013から出力された第3の直流電圧を優先的に第1の電源信号として制御ユニット102及び駆動ユニット103に出力してもよい。
【0035】
例えば、正常状態で、閾値範囲は9.5V~10.5Vであり、バッテリユニット1011及び第1の変圧ユニット1013から出力された第1の直流電圧及び第3の直流電圧がいずれも10Vに限定されていれば、切り替えユニット1015は第1の直流電圧を第1の電源信号として出力する。しかしながら、第1の直流電圧が9Vに急変すると、切り替えユニット1015は第3の直流電圧を第1の電源信号として出力する。切り替えユニット1015は、このような方法で第1の直流電圧と第3の直流電圧との切り替えを実現する。第1の直流電圧、第3の直流電圧及び閾値範囲は、実際の需要に応じて他の数値に設定されてもよく、本開示の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0036】
制御ユニット102は、電源ユニット1021、安全論理ユニット1022、情報収集ユニット1023及び主制御ユニット1024を含む。
【0037】
電源ユニット1021は、主制御ユニット1024及び給電ユニット101における切り替えユニット1015に電気的に接続され、切り替えユニット1015から出力された第1の電源信号を受信し、かつ第1の電源信号を処理した後に主制御電源信号を主制御ユニット1024に出力することにより主制御ユニット1024に主制御電源信号の駆動作用下に動作させる。
【0038】
電源ユニット1021は、更に主制御ユニット1024から出力された主制御診断信号を受信し、かつ主制御診断信号に基づいて、主制御電源信号を主制御ユニット1024へ出力するか又はその出力を停止する。主制御診断信号は、主制御ユニット1024の動作状態を示すためのものであり、その動作状態は故障及び非故障を含み、非故障状態であれば、主制御ユニット1024は主制御診断信号における第1の電位を出力することにより電源ユニット1021に主制御電源信号の出力を続けさせ、故障状態であれば、主制御ユニット1024は主制御診断信号における第2の電位を出力することにより電源ユニット1021に主制御電源信号の出力を停止させる。
【0039】
主制御ユニット1024は、駆動ユニット103における三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033及び三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に電気的に接続され、主制御電源信号の駆動作用下に動作するとき、上ブリッジアームイネーブル信号及び上ブリッジアーム低圧駆動信号を三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033に出力し、そして下ブリッジアームイネーブル信号及び下ブリッジアーム低圧駆動信号を三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に出力する。
【0040】
主制御ユニット1024は、更に、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033から出力された上ブリッジアーム故障信号と、三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036から出力された下ブリッジアーム故障信号とを受信し、かつ上ブリッジアーム故障信号の作用下に、上ブリッジアーム低圧駆動信号の出力を停止して上ブリッジアームイネーブル信号を第1の電位から第2の電位に変換することにより三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033に動作を停止させ、そして下ブリッジアーム故障信号の作用下に、下ブリッジアーム低圧駆動信号の出力を停止して下ブリッジアームイネーブル信号を第1の電位から第2の電位に変換することにより三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に動作を停止させる。
【0041】
主制御ユニット1024は、更に、情報収集ユニット1023に電気的に接続され、情報収集ユニット1023から出力された、モータ200の運転中の電流、電圧及び回転速度などの重要なパラメータを含む収集信号を受信し、かつ収集信号に基づいて、出力する上ブリッジアームイネーブル信号、上ブリッジアーム低圧駆動信号、下ブリッジアームイネーブル信号及び下ブリッジアーム低圧駆動信号を調整する。
【0042】
安全論理ユニット1022は、電源ユニット1021及び主制御ユニット1024に電気的に接続され、電源ユニット1021から出力された電源診断信号と、主制御ユニット1024から出力された主制御診断信号とを受信し、かつ電源診断信号及び主制御診断信号がいずれも第1の電位にある場合、安全イネーブル信号における第1の電位を三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033及び三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に出力することにより三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033及び三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に動作させ、そして電源ユニット1021及び主制御ユニット1024のいずれかが故障してそれぞれの診断信号を第1の電位から第2の電位に変換する場合、安全イネーブル信号における第2の電位を三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033及び三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に出力することにより三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033及び三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に動作を停止させる。
【0043】
本開示の実施例では、制御ユニット102が正常に動作するとき、電源ユニット1021が切り替えユニット1015から出力された第1の電源信号を処理した後に主制御電源信号を主制御ユニット1024に出力することにより、主制御ユニット1024は、内部部品が動作するように駆動し、かつ上ブリッジアームイネーブル信号及び上ブリッジアーム低圧駆動信号を三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033に出力し、そして下ブリッジアームイネーブル信号及び下ブリッジアーム低圧駆動信号を三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に出力する。
【0044】
本開示の実施例では、電源ユニット1021が故障したとき、電源ユニット1021は、電源故障信号を安全論理ユニット1022に出力することにより安全論理ユニット1022に安全イネーブル信号を第1の電位から第2の電位に変換させて、駆動ユニット103における三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033及び三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に動作を停止させる。
【0045】
本開示の実施例では、主制御ユニット1024が故障したとき、主制御ユニット1024は、電源ユニット1021及び安全論理ユニット1022に入力する主制御診断信号を第1の電位から第2の電位に変換することにより電源ユニット1021に主制御電源信号の出力を停止させ、そして安全論理ユニット1022に安全イネーブル信号を第1の電位から第2の電位に変換させて、駆動ユニット103における三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033及び三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に動作を停止させる。
【0046】
駆動ユニット103は第1の一次側電源1031、第1の二次側電源1032、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033、第2の一次側電源1034、第2の二次側電源1035及び三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036を含む。
【0047】
第1の一次側電源1031は、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033及び給電ユニット101における切り替えユニット1015に電気的に接続され、切り替えユニット1015から出力された第1の電源信号を受信し、かつ第1の電源信号の作用に基づいて第1の一次側電源信号を三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033に出力する。
【0048】
第1の二次側電源1032は、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033及び給電ユニット101における切り替えユニット1015に電気的に接続され、切り替えユニット1015から出力された第1の電源信号を受信し、かつ第1の電源信号の作用に基づいて第1の二次側電源信号を三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033に出力する。
【0049】
第1の二次側電源1032は、更にバックアップ制御ユニット104における第1のバックアップ制御ユニット1041に電気的に接続され、切り替えユニット1015から出力された第1の電源信号について検出した後に第1の電源診断信号を第1のバックアップ制御ユニット1041に出力する。第1の電源診断信号は、切り替えユニット1015から出力された第1の電源信号の動作状態を示すためのものであり、第1の電源診断信号は、非故障状態を表す第1の電位と、故障状態を表す第2の電位とを含み、故障は信号無し、過電圧、過電流及び低圧などの状況を含む。
【0050】
三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033は、第1の一次側電源1031から出力された第1の一次側電源信号を受信し、かつ第1の一次側電源信号の作用に基づいて三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033の一次側における部品が動作するように駆動する。
【0051】
三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033は、更に、第1の二次側電源1032から出力された第1の二次側電源信号を受信し、かつ第1の二次側電源信号の作用に基づいて三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033の二次側における部品が動作するように駆動する。
【0052】
三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033は、更にパワーユニット105に電気的に接続され、制御ユニット102における主制御ユニット1024から出力された上ブリッジアームイネーブル信号及び上ブリッジアーム低圧駆動信号を受信し、そして安全論理ユニット1022から出力された安全イネーブル信号を受信し、かつ第1の一次側電源信号及び第1の二次側電源信号の同時駆動作用下に、上ブリッジアームイネーブル信号における第1の電位を受信して、上ブリッジアーム低圧駆動信号の上ブリッジアーム高圧駆動信号への変換を起動し、上ブリッジアーム高圧駆動信号をパワーユニット105に出力し、そして第1の一次側電源信号及び第1の二次側電源信号の同時駆動作用下に、上ブリッジアームイネーブル信号における第2の電位を受信して、上ブリッジアーム低圧駆動信号の上ブリッジアーム高圧駆動信号への変換を停止する。
【0053】
三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033は、更に、バックアップ制御ユニット104における第1のバックアップ制御ユニット1041に電気的に接続され、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033の動作状態を示す上ブリッジアーム診断信号を出力し、上ブリッジアーム診断信号は、非故障状態を表す第1の電位と、故障状態を表す第2の電位とを含む。
【0054】
三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033は、更に、第1のバックアップ制御ユニット1041から出力された第1のバックアップ制御信号を受信し、かつ第1のバックアップ制御信号の第1の電位に基づいて動作し、そして第1のバックアップ制御信号の第2の電位に基づいて動作を停止する。
【0055】
三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033は、更に上ブリッジアーム故障信号を第1の一次側電源1031に出力し、第1の一次側電源1031は、上ブリッジアーム故障信号を受信すると、第1の一次側電源信号を三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033の一次側に出力することを停止する。
【0056】
三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033は、更に上ブリッジアーム診断信号を第1の二次側電源1032に出力し、第1の二次側電源1032は、受信した上ブリッジアーム診断信号が非故障状態を示す第1の電位から故障状態を示す第2の電位に急変すると、第1の二次側電源信号を三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033の二次側に出力することを停止する。
【0057】
本開示の実施例では、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033は、上ブリッジアーム一次側(図示せず)、鉄心(図示せず)及び上ブリッジアーム二次側(図示せず)で構成される。上ブリッジアーム一次側は、第1の一次側電源信号、上ブリッジアームイネーブル信号、上ブリッジアーム低圧駆動信号及び安全イネーブル信号を受信し、更に上ブリッジアーム故障信号を主制御ユニット1024に出力する。上ブリッジアーム二次側は、第1の二次側電源信号及び第1のバックアップ制御信号を受信し、更に上ブリッジアーム診断信号を第1のバックアップ制御ユニット1041に出力し、上ブリッジアーム高圧駆動信号をパワーユニット105に出力する。
【0058】
第2の一次側電源1034は、三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036及び給電ユニット101における切り替えユニット1015に電気的に接続され、切り替えユニット1015から出力された第1の電源信号を受信し、かつ第1の電源信号の作用に基づいて第2の一次側電源信号を三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に出力する。
【0059】
第2の二次側電源1035は、三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036及び給電ユニット101における第2の変圧ユニット1014に電気的に接続され、第2の変圧ユニット1014から出力された第2の電源信号を受信し、かつ第2の電源信号の作用に基づいて第2の二次側電源信号を三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に出力する。
【0060】
第2の二次側電源1035は、更に、バックアップ制御ユニット104における第2のバックアップ制御ユニット1042に電気的に接続され、第2の変圧ユニット1014から出力された第2の電源信号について検出した後に第2の電源診断信号を第2のバックアップ制御ユニット1042に出力する。第2の電源診断信号は、第2の変圧ユニット1014から出力された第2の電源信号の動作状態を示すためのものであり、第2の電源診断信号は、非故障状態を表す第1の電位と、故障状態を表す第2の電位とを含み、故障は信号無し、過電圧、過電流及び低圧などの状況を含む。
【0061】
三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036は、第2の一次側電源1034から出力された第2の一次側電源信号を受信し、かつ第2の一次側電源信号の作用に基づいて三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036の一次側における部品が動作するように駆動する。
【0062】
三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036は、更に、第2の二次側電源1035から出力された第2の二次側電源信号を受信し、かつ第2の二次側電源信号の作用に基づいて三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036の二次側における部品が動作するように駆動する。
【0063】
三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036は、更にパワーユニット105に電気的に接続され、制御ユニット102における主制御ユニット1024から出力された下ブリッジアームイネーブル信号及び下ブリッジアーム低圧駆動信号を受信し、そして安全論理ユニット1022から出力された安全イネーブル信号を受信し、かつ第2の一次側電源信号及び第2の二次側電源信号の同時駆動作用下に、下ブリッジアームイネーブル信号における第1の電位を受信して、下ブリッジアーム低圧駆動信号の下ブリッジアーム高圧駆動信号への変換を起動し、下ブリッジアーム高圧駆動信号をパワーユニット105に出力し、そして第2の一次側電源信号及び第2の二次側電源信号の同時駆動作用下に、下ブリッジアームイネーブル信号における第2の電位を受信して、下ブリッジアーム低圧駆動信号の下ブリッジアーム高圧駆動信号への変換を停止する。
【0064】
三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036は、更に、バックアップ制御ユニット104における第2のバックアップ制御ユニット1042に電気的に接続され、三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036の動作状態を示す下ブリッジアーム診断信号を出力し、下ブリッジアーム診断信号は、非故障状態を表す第1の電位と、故障状態を表す第2の電位とを含む。
【0065】
三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036は、更に、第2のバックアップ制御ユニット1042から出力された第2のバックアップ制御信号を受信し、かつ第2のバックアップ制御信号の第1の電位に基づいて動作をし、そして第2のバックアップ制御信号の第2の電位に基づいて動作を停止する。
【0066】
三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036は、更に、下ブリッジアーム故障信号を第2の一次側電源1034に出力し、第2の一次側電源1034は、下ブリッジアーム故障信号を受信すると、第2の一次側電源信号を三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036の一次側に出力することを停止する。
【0067】
三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036は、更に、下ブリッジアーム診断信号を第2の二次側電源1035に出力し、第2の二次側電源1035は、受信した下ブリッジアーム診断信号が第1の電位から第2の電位に急変すると、第2の二次側電源信号を三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036の二次側に出力することを停止する。
【0068】
本開示の実施例では、三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036は、下ブリッジアーム一次側(図示せず)、鉄心(図示せず)及び下ブリッジアーム二次側(図示せず)で構成される。下ブリッジアーム一次側は、第2の一次側電源信号、下ブリッジアームイネーブル信号、下ブリッジアーム低圧駆動信号及び安全イネーブル信号を受信し、更に下ブリッジアーム故障信号を主制御ユニット1024に出力する。下ブリッジアーム二次側は、第2の二次側電源信号及び第2のバックアップ制御信号を受信し、更に下ブリッジアーム診断信号を第2のバックアップ制御ユニット1042に出力し、下ブリッジアーム高圧駆動信号をパワーユニット105に出力する。
【0069】
バックアップ制御ユニット104は、第1のバックアップ制御ユニット1041及び第2のバックアップ制御ユニット1042を含む。
【0070】
第1のバックアップ制御ユニット1041は、駆動ユニット103における第1の二次側電源1032、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033及び第2の二次側電源1035に電気的に接続され、第1の二次側電源1032から出力された第1の電源診断信号と、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033から出力された上ブリッジアーム診断信号と、第2の二次側電源1035から出力された第2の電源診断信号とを受信し、かつ第1の電源診断信号、上ブリッジアーム診断信号及び第2の電源診断信号の電位に基づいて、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033に出力する第1のバックアップ制御信号の電位を調整する。
【0071】
更に、第1の電源信号、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033及び第2の電源信号がいずれも非故障状態にある旨を示すように、第1の電源診断信号、上ブリッジアーム診断信号及び第2の電源診断信号がいずれも第1の電位にあれば、第1のバックアップ制御ユニット1041は、第1のバックアップ制御信号における第1の電位を出力することにより、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033に動作を続けさせる。
【0072】
更に、第1の電源診断信号又は上ブリッジアーム診断信号又は第2の電源診断信号の電位が第1の電位から第2の電位に急変すれば、それらが故障したと意味し、第1のバックアップ制御ユニット1041は、第1のバックアップ制御信号における第2の電位を出力することにより、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033に動作を停止させる。
【0073】
第2のバックアップ制御ユニット1042は、駆動ユニット103における第1の二次側電源1032、三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036及び第2の二次側電源1035に電気的に接続され、第1の二次側電源1032から出力された第1の電源診断信号と、三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036から出力された下ブリッジアーム診断信号と、第2の二次側電源1035から出力された第2の電源診断信号を受信し、かつ第1の電源診断信号、下ブリッジアーム診断信号及び第2の電源診断信号の電位に基づいて、三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に出力する第2のバックアップ制御信号の電位を調整する。
【0074】
更に、第1の電源信号、三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036及び第2の電源信号がいずれも非故障状態にある旨を示すように、第1の電源診断信号、下ブリッジアーム診断信号及び第2の電源診断信号がいずれも第1の電位にあれば、第2のバックアップ制御ユニット1042は、第2のバックアップ制御信号における第1の電位を出力することにより、三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036に動作を続けさせる。
【0075】
更に、第1の電源診断信号又は下ブリッジアーム診断信号又は第2の電源診断信号の電位が第1の電位から第2の電位に急変すれば、それらが故障したと意味し、第2のバックアップ制御ユニット1042は、第2のバックアップ制御信号における第2の電位を出力することにより、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1036に動作を停止させる。
【0076】
本開示の実施例では、バックアップ制御ユニット104は、駆動ユニット103から出力された診断信号を受信することにより、第1の電源信号、第2の電源信号、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033及び三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036の動作状態をリアルタイムに監視し、そのうちの任意のユニット又は信号の伝送に故障が発生したときに、駆動ユニット103が動作を停止するように制御し、制御ユニット102と共に駆動ユニット103の故障処理を対処する余裕のある構造を構成することができ、モータ制御システム100の耐リスク能力及びセキュリティレベルを向上させる。
【0077】
パワーユニット105は、駆動ユニット103に電気的に接続され、駆動ユニット103から出力された高圧駆動信号の制御を受け、高圧バッテリ300から提供される電源駆動信号をモータ200に出力し、電源駆動信号はモータ200の回転を駆動する。
【0078】
本開示の実施例では、駆動ユニット103が正常に動作するとき、第1の一次側電源1031が三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033の一次側に第1の一次側電源信号を出力し、第1の二次側電源1032が三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033の二次側に第1の二次側電源信号を出力することにより、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033は、制御ユニット102から出力された上ブリッジアームイネーブル信号の第1の電位及び安全イネーブル信号の第1の電位を同時に受信するとき、上ブリッジアーム低圧駆動信号に対して変圧処理を実施した後の上ブリッジアーム高圧駆動信号のパワーユニット105への出力を起動し、パワーユニット105は上ブリッジアーム高圧駆動信号をモータの回転を駆動可能な電源駆動信号に変換することができる。
【0079】
本開示の実施例では、駆動ユニットにおける三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033が故障したとき、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033は上ブリッジアーム故障信号を主制御ユニット1024に出力し、主制御ユニット1024は上ブリッジアームイネーブル信号を第1の電位から第2の電位に変換し、かつ上ブリッジアーム低圧駆動信号の出力を停止して、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033に動作を停止させる。また、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033は第1のバックアップ制御ユニット1041に出力する上ブリッジアーム診断信号を更に第1の電位から第2の電位に変換し、第1のバックアップ制御ユニット1041は、第1のバックアップ制御信号を第1の電位から第2の電位に変換して、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033に動作を停止させる。このような余裕のある故障処理方法は、主制御ユニット1024が給電又は他の故障により駆動ユニット103に動作をタイムリーに停止させることができない場合、バックアップ制御ユニット104により駆動ユニット103が動作を停止するように制御することができ、モータ制御システム100を応用したモータ装置はより高いセキュリティレベルを有する。
【0080】
本開示の実施例では、駆動ユニット103における三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033は三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036と対称的に設置され、三相下ブリッジアーム駆動ユニット1036は、正常に動作するときにも故障したときにも、三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033の方法とは類似するため、説明を省略する。また、モータ制御システム100が正常に動作するとき、同じ時間に三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033又は三相下ブリッジアーム駆動ユニット1037のみが動作し、2つのユニットが同時に動作しない。三相上ブリッジアーム駆動ユニット1033が故障により動作を停止すれば、駆動ユニット103は三相下ブリッジアーム駆動ユニット1037に動作を開始させることにより、電動装置が相対的に安全な運転状態にあることを保証する。
【0081】
本開示の実施例では、更に、前述のモータ制御システム200を含むモータ制御装置が提供される。
【0082】
本開示の実施例のモータ制御システム100は、給電ユニット101に切り替えユニット1015を追加して、バッテリユニット1011から出力された第1の直流電圧と第1の変圧ユニット1013から出力された第3の直流電圧とを切り替えて出力することにより、1つの信号が故障した時に他の信号にタイムリーに切り替えることができ、該モータ制御システム100を応用する電動装置の運転中の給電安全性を向上させる。また、モータ制御システム100にはバックアップ制御ユニット104が更に追加され、駆動ユニット103が故障したとき、制御ユニット102とで余裕のある故障制御構造を構成することができ、すなわち、制御ユニット102が駆動ユニット103に動作を停止させることができない場合にも、バックアップ制御ユニット104により駆動ユニット103が動作を停止するように制御することができる。以上より、モータ制御システム100では、給電ユニット101の改良とバックアップ制御ユニット104の追加は、該モータ制御システム100を応用する電動装置のセキュリティレベルを向上させる。
【0083】
以上、本開示の実施例に係るモータ制御システム及びモータ制御装置を詳細に紹介し、本明細書において具体例を用いて本開示の原理及び実施形態を解説したが、以上の実施例の説明は、本開示の方法及びその核心思想の理解を助けるためのものに過ぎず、また、当業者であれば、本開示の思想に照らし、具体的な実施形態及び適用範囲を変更することが可能であり、要するに、本明細書の内容は、本開示を限定するものと理解すべきではない。
図1
図2