(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】電子機器、制御装置、制御プログラムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04817 20220101AFI20240919BHJP
【FI】
G06F3/04817
(21)【出願番号】P 2022561284
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(86)【国際出願番号】 JP2021030481
(87)【国際公開番号】W WO2022102195
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】P 2020188926
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】高橋 由美子
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-177761(JP,A)
【文献】「Androidスマホ」疑問と悩みをズバリ解消!,特選街 ,日本,(株)特選街出版 (株)マキノ出版,2019年12月28日,第42巻 第2号 ,第46ページ
【文献】太田 百合子,今すぐ使えるかんたんPLUS+ Androidアプリ完全大事典 ,第1版,日本,株式会社技術評論社,2017年12月25日,第233ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04817
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの表示装置と、少なくとも1つの制御装置と、を備える電子機器であって、
前記制御装置は、
実行中の第1アプリケーションから、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションへの最初の遷移を検知する遷移検知処理と、
前記遷移検知処理において前記最初の遷移を検知することにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間での遷移を指示する遷移指示を受け付ける遷移アイコンを、前記表示装置の表示画面に表示させるアイコン表示処理と、を実行
し、
前記制御装置は、前記表示画面に表示された前記遷移アイコンが前記遷移指示を受け付けることにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間で遷移させる遷移処理をさらに実行し、かつ、前記第1アプリケーションまたは前記第2アプリケーションが実行中の間は、前記遷移アイコンを前記表示画面に表示させ続けることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記第1アプリケーションの実行中に、複数の候補アプリケーションの中から特定の前記候補アプリケーションを前記第2アプリケーションとして選択するための候補メニューを前記表示画面に表示させるメニュー表示操作を検知することにより、前記候補メニューを前記表示画面に表示させるメニュー表示処理と、
前記表示画面に表示された前記候補メニューが特定の前記候補アプリケーションの選択を受け付けることにより、実行中の前記第1アプリケーションから、前記第2アプリケーションとして選択された特定の前記候補アプリケーションに前記最初の遷移をさせる初期遷移処理と、をさらに実行することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御装置は、前記表示画面に表示された前記遷移アイコンが前記遷移指示を受け付けることなく、実行中の前記第1アプリケーションまたは実行中の前記第2アプリケーションから他のアプリケーションに遷移した場合、前記アイコン表示処理において、前記表示画面に表示された前記遷移アイコンを表示終了させることを特徴とする請求項1
または2に記載の電子機器。
【請求項4】
少なくとも1つの表示装置と、少なくとも1つの制御装置と、を備える電子機器であって、
前記制御装置は、
実行中の第1アプリケーションから、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションへの最初の遷移を検知する遷移検知処理と、
前記遷移検知処理において前記最初の遷移を検知することにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間での遷移を指示する遷移指示を受け付ける遷移アイコンを、前記表示装置の表示画面に表示させるアイコン表示処理と、を実行し、
さらに、前記制御装置は、
前記表示画面に表示された前記遷移アイコンが、当該遷移アイコンを表示終了させるための表示終了アイコンの前記表示画面への表示を指示する表示終了UI表示指示を受け付けた場合、前記アイコン表示処理において、前記表示終了アイコンを前記表示画面に表示させ、
前記遷移アイコンまたは前記表示終了アイコンの一方の前記表示画面における位置が変位し、前記遷移アイコンと前記表示終了アイコンとが前記表示画面上で重なり合った場合、前記アイコン表示処理において、前記遷移アイコンおよび前記表示終了アイコンの両方を表示終了させることを特徴とす
る電子機器。
【請求項5】
少なくとも1つの表示装置を備える電子機器を制御する制御装置であって、
実行中の第1アプリケーションから、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションへの最初の遷移を検知する遷移検知部と、
前記遷移検知部が前記最初の遷移を検知することにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間での遷移を指示する遷移指示を受け付ける遷移アイコンを、前記表示装置の表示画面に表示させるアイコン表示部と、を備え
、
前記表示画面に表示された前記遷移アイコンが前記遷移指示を受け付けることにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間で遷移させる遷移処理をさらに実行し、
前記アイコン表示部は、前記第1アプリケーションまたは前記第2アプリケーションが実行中の間は、前記遷移アイコンを前記表示画面に表示させ続けることを特徴とする制御装置。
【請求項6】
少なくとも1つの表示装置を備える電子機器を制御する制御方法であって、
実行中の第1アプリケーションから、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションへの最初の遷移を検知する遷移検知ステップと、
前記遷移検知ステップにて前記最初の遷移を検知することにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間での遷移を指示する遷移指示を受け付ける遷移アイコンを、前記表示装置の表示画面に表示させるアイコン表示処理ステップと、
前記表示画面に表示された前記遷移アイコンが前記遷移指示を受け付けることにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間で遷移させる遷移処理をさらに実行する遷移処理ステップと、を含
み、
前記第1アプリケーションまたは前記第2アプリケーションが実行中の間は、前記遷移アイコンを前記表示画面に表示させ続けることを特徴とする制御方法。
【請求項7】
少なくとも1つの表示装置を備える電子機器を制御する制御装置であって、
実行中の第1アプリケーションから、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションへの最初の遷移を検知する遷移検知部と、
前記遷移検知部が前記最初の遷移を検知することにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間での遷移を指示する遷移指示を受け付ける遷移アイコンを、前記表示装置の表示画面に表示させるアイコン表示部と、を備え
さらに、前記アイコン表示部は、前記表示画面に表示された前記遷移アイコンが、当該遷移アイコンを表示終了させるための表示終了アイコンの前記表示画面への表示を指示する表示終了UI表示指示を受け付けた場合、前記表示終了アイコンを前記表示画面に表示させ、
前記遷移アイコンまたは前記表示終了アイコンの一方の前記表示画面における位置が変位し、前記遷移アイコンと前記表示終了アイコンとが前記表示画面上で重なり合った場合、前記遷移アイコンおよび前記表示終了アイコンの両方を表示終了させることを特徴とする制御装置。
【請求項8】
請求項5または7に記載の制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記遷移検知部および前記アイコン表示部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項9】
少なくとも1つの表示装置を備える電子機器を制御する制御方法であって、
実行中の第1アプリケーションから、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションへの最初の遷移を検知する遷移検知ステップと、
前記遷移検知ステップにて前記最初の遷移を検知することにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間での遷移を指示する遷移指示を受け付ける遷移アイコンを、前記表示装置の表示画面に表示させるアイコン表示処理ステップと、を含み、
さらに、前記アイコン表示処理ステップの後において、
前記表示画面に表示された前記遷移アイコンが、当該遷移アイコンを表示終了させるための表示終了アイコンの前記表示画面への表示を指示する表示終了UI表示指示を受け付けた場合、前記表示終了アイコンを前記表示画面に表示させるステップと、
前記遷移アイコンまたは前記表示終了アイコンの一方の前記表示画面における位置が変位し、前記遷移アイコンと前記表示終了アイコンとが前記表示画面上で重なり合った場合、前記遷移アイコンおよび前記表示終了アイコンの両方を表示終了させるステップと、を含むことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、制御装置、制御プログラムおよび制御装置に関する。本出願は、2020年11月12日に日本に出願された特願2020-188926号に優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲームアプリケーション、音楽再生アプリケーションなどの特定のアプリケーションの実行中あるいは実行後、当該特定のアプリケーションに関連するウェブサイトなどにユーザを誘導する技術が研究開発されている。以下、本明細書では、アプリケーションを「アプリ」と略記する場合もある。
【0003】
例えば特許文献1には、ゲームアプリの起動中にユーザが閲覧動作を行うことにより、当該ゲームアプリと対応付けられた複数のウェブページのリンクが纏められたアクセス操作ページを画面に表示させる情報処理装置が開示されている。この情報処理装置は、前記の複数のリンクを表示する際、当該複数のリンクのうち、ユーザの嗜好に合うと推定した特定のウェブページのリンクを他のリンクよりも強調表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された情報処理装置は、強調表示されたリンクのリンク先となる特定のウェブページに一旦遷移した後に、ゲームアプリのゲーム画面と特定のウェブページとの間の遷移を簡易かつ確実に行うための機能を有していない。そのため、ゲーム画面と特定のウェブページとの間の遷移に手間が掛かるとともに、ゲームアプリの意図しない実行終了、他のウェブページへの遷移などの誤操作が生じてしまう。これらの問題点は、ゲームアプリとウェブページとの間の遷移に限らず、実行中の任意のアプリと、そのアプリの実行により提供されるコンテンツと関連する他のアプリとの間での遷移において、共通して存在する。
【0006】
本発明の一態様は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、実行中のアプリと、当該アプリの実行により提供されるコンテンツと関係する他のアプリとの間の遷移を簡易かつ確実に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子機器は、少なくとも1つの表示装置と、少なくとも1つの制御装置と、を備える電子機器であって、前記制御装置は、実行中の第1アプリケーションから、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションへの最初の遷移を検知する遷移検知処理と、前記遷移検知処理において前記最初の遷移を検知することにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間での遷移を指示する遷移指示を受け付ける遷移アイコンを、前記表示装置の表示画面に表示させるアイコン表示処理と、を実行する。
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御装置は、少なくとも1つの表示装置を備える電子機器を制御する制御装置であって、実行中の第1アプリケーションから、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションへの最初の遷移を検知する遷移検知部と、前記遷移検知部が前記最初の遷移を検知することにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間での遷移を指示する遷移指示を受け付ける遷移アイコンを、前記表示装置の表示画面に表示させるアイコン表示部と、を備える。
【0009】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御方法は、少なくとも1つの表示装置を備える電子機器を制御する制御方法であって、実行中の第1アプリケーションから、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションへの最初の遷移を検知する遷移検知ステップと、前記遷移検知ステップにて前記最初の遷移を検知することにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間での遷移を指示する遷移指示を受け付ける遷移アイコンを、前記表示装置の表示画面に表示させるアイコン表示処理ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、第1アプリケーションと、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションとの間の遷移を、簡易かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係るスマートフォンの要部の機能的構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】符号301~303で示す図は、最初の遷移の過程における、前記スマートフォンの表示画面の表示態様の変遷を示す図である。符号304で示す図は、検索サイトから攻略サイトに遷移したときに、前記スマートフォンの表示画面に表示される攻略サイトのホーム画面を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態の第1変形例に係る制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】符号501~504で示す図は、表示終了UI表示指示の受付からフローティングボタンおよびマークの表示が終了するまでの過程における、本発明の一実施形態の第1変形例に係るスマートフォンの表示画面の表示態様の変遷を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態の第2変形例に係る制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】符号701および702で示す図は、最初の遷移の過程における、本発明の一実施形態の第2変形例に係るスマートフォンの表示画面の表示態様の変遷を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図7を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明の一態様に係る電子機器がスマートフォンであるものとして説明する。本発明の一態様に係る電子機器の適用対象としては、スマートフォンの他、タブレット端末、据え置き型のパーソナルコンピュータ、インターネットへの接続が可能な家電製品(スマート家電)などが想定される。また、本実施形態では、前記電子機器に備わっている表示装置および制御装置の個数がいずれも1つの場合を想定しているが、これらがともに複数備わっていてもよい。
【0013】
〔スマートフォン100の要部の機能的構成〕
まず、
図1を用いて、本発明の一実施形態に係るスマートフォン100の要部の機能的構成について説明する。スマートフォン100は、パーソナルコンピュータ・PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)などの機能を併せ持った多機能の携帯電話機である。スマートフォン100は、
図1に示すように、タッチパネル1、制御装置2および記憶装置3を備えている。
【0014】
タッチパネル1は、本発明に係る表示装置の一例であり、表示画面11を有する表示部と、操作入力部とが一体化されたものである。表示部は、例えば液晶パネル、または自発光型の有機EL(electroluminescence)で構成された表示パネルである。表示部が液晶パネルの場合、スマートフォン100の筐体内かつタッチパネル1の背面側に、バックライトがタッチパネル1と重なるように配置される。「タッチパネル1の背面」は、タッチパネルにおける表示画面11と反対側の面である。操作入力部は、例えば公知のタッチセンサである。なお、タッチパネル1以外の、例えば表示部と操作入力部とが別体になった表示装置が、本発明の一態様に用いられてもよい。
【0015】
制御装置2は、スマートフォン100の各装置および各部を統括的に制御する。また、制御装置2は、記憶装置3から各種のプログラムを呼び出して実行するとともに、スマートフォン100にインストールされた各種アプリを起動させ、実行する。本実施形態において「アプリ」とは、スマートフォン100にて実行可能なアプリケーションを意味する。また、本実施形態において「起動」とは、アプリの実行を開始することを意味する。制御装置2は、
図1に示すように、操作入力検知部21、表示制御部22、アプリ制御部23、メニュー表示部24、遷移検知部25およびアイコン表示部26を備えている。制御装置2に備えられた前記各部の詳細については後述する。
【0016】
本実施形態では、アプリ制御部23、メニュー表示部24、遷移検知部25およびアイコン表示部26が制御装置2に含まれているが、この構成に限定されない。例えば、制御装置2とは別の制御装置により、アプリ制御部23、メニュー表示部24、遷移検知部25およびアイコン表示部26の機能を実現してもよく、この場合、当該別の制御装置はスマートフォン100の内部かつ制御装置2の外部に配置されてもよい。また、例えば、前記別の制御装置が、スマートフォン100の外部に配置されてもよい。
【0017】
記憶装置3には、スマートフォン100が動作するのに必要な各種のプログラムおよびデータが記憶されている。各種のプログラムおよびデータは、例えば、スマートフォン100の製造過程で予め記憶装置3に記憶されてもよい。あるいは、ユーザ等が各種のプログラムおよびデータを記憶装置3に記憶させてもよい。また、記憶装置3には、スマートフォン100にインストールされた各種アプリが一旦記憶される。なお、各種アプリは、制御装置2内のメモリ(不図示)に記憶されてもよい。
【0018】
〔制御装置2の処理の流れ〕
次に、
図2および
図3を用いて、本発明の一実施形態に係る制御装置2の処理の流れについて説明する。なお、本実施形態では、本発明の一態様に係る第1アプリケーションがゲームアプリであるものとし、かつ、本発明の一態様に係る第2アプリケーションが検索アプリであるものとする。検索アプリとしては、Google(登録商標)アプリなどが挙げられる。本実施形態の検索アプリは、ゲームアプリのゲームの攻略サイトを検索できるとともに、検索結果であるサイトの一覧を表示画面11に表示させることができる。サイトの一覧には、攻略サイトの他、攻略サイトに関連するサイトも含まれる。また、前記の検索アプリは、所定の選択操作によってサイトの一覧から選択された特定の攻略サイトを、表示画面11に表示させることができる。
【0019】
本発明の一態様に係る第1アプリケーションの適用対象について、特段の限定はなく、例えば音楽再生アプリ、動画配信アプリなども適用対象となる。一方、本発明の一態様に係る第2アプリケーションは、第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連するアプリである必要がある。
【0020】
第2アプリケーションの適用対象についても特段の限定はない。例えば、第1アプリケーションが本実施形態のようなゲームアプリである場合、ゲームの攻略方法を紹介するSNS(Social Networking Service)アプリおよび動画配信アプリなども、第2アプリケーションとして想定される。SNSアプリとしてはTwitter(登録商標)、動画配信アプリとしてはYouTube(登録商標)などが挙げられる。
【0021】
また、第1アプリケーションが例えば音楽再生アプリであれば、音楽再生アプリの実行により再生される歌(コンテンツ)の歌詞を紹介するアプリなどが想定される。歌詞を紹介するアプリとしては、SNSアプリ、および歌詞が紹介されたウェブサイトを表示画面11に表示させるブラウザなどが挙げられる。また、第1アプリケーションが例えば動画配信アプリであれば、動画配信アプリで視聴できる映画(コンテンツ)を紹介するアプリなどが第2アプリケーションとして想定される。映画を紹介するアプリとしては、SNSアプリ、映画が紹介されたウェブサイトを表示画面11に表示させるブラウザなどが挙げられる。
【0022】
はじめに、ユーザは、スマートフォン100に予めインストールされたゲームアプリを実行するために、タッチパネル1(より具体的には操作入力部)に対して特定の起動操作を行う。前記特定の起動操作を検知した操作入力検知部21は、当該特定の起動操作を検知した旨の検知結果をアプリ制御部23に出力する。検知結果が入力されたアプリ制御部23は、
図2に示すようにゲームアプリを起動する(S101)。
【0023】
ゲームアプリの起動後、言い換えればゲームアプリの実行中は、当該ゲームアプリがアイドル状態であってもよいし、ユーザがゲームアプリのゲームをプレイしていてもよい。「ゲームアプリがアイドル状態」とは、例えば、ゲームアプリのホーム画面が表示画面11に表示された状態においてユーザが何らの操作も行わないことを指す。本実施形態では、
図3の符号301に示す図のように、ゲームアプリの起動直後、つまりゲームアプリのホーム画面が表示画面11に表示された直後の状態を例に挙げて説明する。
【0024】
次に、操作入力検知部21は、ユーザがタッチパネル1に対してメニュー表示操作を行ったことを検知すると、当該メニュー表示操作を検知した旨の検知結果をメニュー表示部24に出力する。メニュー表示操作は、S101の処理によってゲームアプリが起動した後、
図3の符号302に示す図のようなゲーミングメニュー4を表示画面11に表示させるユーザ操作である。
【0025】
ゲーミングメニュー4は、複数の候補アプリケーションの中から特定の候補アプリケーションを第2アプリケーションとして選択するためのメニュー画面であり、本発明に係る候補メニューの一例である。本実施形態では、ゲーミングメニュー4を表示画面11に表示させるためのプログラムを使用する。このプログラムにより、表示制御部22の諸機能のうち、ゲーミングメニュー4を表示させる機能が実現される。候補アプリケーションは、ゲームアプリのゲーム(コンテンツ)と関連するアプリケーションであって、第2アプリケーションとして選択されるアプリケーションである。
【0026】
複数の候補アプリケーションは、例えば、ゲームアプリの種類毎に当該ゲームアプリと対応付けたデータテーブルの形式で、予め記憶装置3に記憶させておいてもよい。また、例えば、制御装置2が、ゲームアプリの種類毎に、ゲーミングメニュー4からの遷移履歴に基づいて遷移回数の多さが上位の各アプリケーションを、複数の候補アプリケーションとして設定してもよい。
【0027】
本実施形態では、ゲーミングメニュー4に表示された3種類の候補アプリケーションの中から、特定の候補アプリケーションを選択可能となっている。また、本実施形態では、3種類の候補アプリケーションの中の1つが検索アプリであり、当該検索アプリが、第2アプリケーションとして選択されたものとする。
【0028】
さらに、本実施形態では、ゲーミングメニュー4は、
図3の符号302で示す図のように、3つの候補アプリケーションのそれぞれに対応するアイコンが表示画面11に表示される表示態様となっている。但し、この表示態様はあくまで一例であり、ゲーミングメニュー4の構成要素がアイコンである必要は必ずしもない。例えば、3つの候補アプリケーションのそれぞれに対応する名称(商品名など)が、ゲーミングメニュー4の構成要素として表示画面11に表示されてもよい。この場合、ゲーミングメニュー4における各名称の部分が、後述の選択操作を受け付ける部分となる。
【0029】
制御装置2は、スマートフォン100にインストールされたすべてのゲームアプリを、ゲーミングメニュー4を表示可能なゲームアプリとして自動登録してもよい。あるいは、制御装置2は、スマートフォン100にインストールされた複数のゲームアプリのうち、ユーザが選択したゲームアプリのみを、ゲーミングメニュー4を表示可能なゲームアプリとして登録してもよい。
【0030】
メニュー表示操作を検知した旨の検知結果が入力されたメニュー表示部24は、
図2に示すように、表示画面11にゲーミングメニュー4を表示させる(S102)。S102は、本発明に係るメニュー表示処理の一例である。具体的には、メニュー表示部24は、表示画面11にゲーミングメニュー4を表示させる旨のメニュー表示命令を表示制御部22に出力する。メニュー表示命令が入力された表示制御部22は、タッチパネル1を制御して表示画面11にゲーミングメニュー4を表示させる。
【0031】
次に、ユーザが、表示画面11に表示されたゲーミングメニュー4において検索アプリを選択する選択操作を行った場合、操作入力検知部21がその選択操作を受け付ける(S103でYES)。選択操作を受け付けた操作入力検知部21は、選択されたアプリをアプリ制御部23に出力する。
【0032】
本実施形態では、
図3の符号302で示す図のように、ユーザが、表示画面11における検索アプリに対応するアイコンが表示された表示領域をタップする操作を、選択操作の具体的態様とする。勿論、選択操作の具体的態様は前記のタップ操作に限定されず、例えば前記の表示領域をホバーする操作も、選択操作の具体的態様に含めてよい。また例えば、本発明の一態様に係る電子機器が据え置き型のパーソナルコンピュータであれば、マウスなどのポインティングデバイスによって検索アプリに対応するアイコンをクリックする操作も、選択操作の一態様となる。
【0033】
一方、操作入力検知部21が選択操作を受け付けない間は(S103でNO)、
図2に示すように、アプリ制御部23はゲームアプリの実行を継続させる。また、メニュー表示部24は、表示画面11にゲーミングメニュー4を表示させ続ける(S104)。
【0034】
選択されたアプリが入力されたアプリ制御部23は、
図2に示すように、実行中のゲームアプリから検索アプリに最初の遷移をさせる(S105)。この処理は、本発明に係る初期遷移処理の一例である。最初の遷移をさせたアプリ制御部23は、最初の遷移をさせた旨の初期遷移情報を遷移検知部25に出力する。ここで、検索アプリは、ゲームアプリの実行により提供されるゲームを攻略するための様々なサイトを検索できることから、ゲームアプリにとっての第2アプリケーションと言える。
【0035】
本実施形態において「遷移」とは、アプリ制御部23が実行する情報処理であり、表示画面11に表示された特定のアプリケーションの画面を、他のアプリケーションを実行させることによって当該他のアプリケーションの画面に切り替えることを意味する。また、本実施形態において「最初の遷移」とは、表示画面11に後述のフローティングボタン5が表示されていない状態でアプリ制御部23がゲームアプリを実行しているときに、実行中のゲームアプリから検索アプリに遷移することを意味する。
【0036】
したがって、例えば一旦最初の遷移をした後、特定の方法(詳細は後述)で検索アプリから再びゲームアプリに遷移してフローティングボタン5の表示が終了した場合において実行中のゲームアプリから再び検索アプリに遷移することも、「最初の遷移」に該当する。このケースの場合、実行中のゲームアプリから再び検索アプリに遷移する過程で、ゲーミングメニュー4の表示および当該ゲーミングメニュー4での検索アプリの選択が行われなくてもよい。
【0037】
次に、遷移検知部25は、アプリ制御部23から初期遷移情報が入力されることにより、最初の遷移を検知する(遷移検知ステップ)。この処理は、本発明に係る遷移検知処理の一例である。最初の遷移を検知した遷移検知部25は、最初の遷移を検知した旨の検知結果をアイコン表示部26に出力する。検知結果が入力されたアイコン表示部26は、
図2および
図3の符号303で示す図のように、フローティングボタン5を表示画面11にさせる(S106;アイコン表示ステップ)。この処理は、本発明に係るアイコン表示処理の一例である。
【0038】
具体的には、アイコン表示部26は、表示画面11にフローティングボタン5を表示させる旨のボタン表示命令を表示制御部22に出力する。ボタン表示命令が入力された表示制御部22は、タッチパネル1を制御して表示画面11にフローティングボタン5を表示させる。
【0039】
フローティングボタン5は、遷移指示を受け付けるアイコンであり、常に、表示画面11に表示される各種アプリの画面よりも前面に表示することが好ましい。フローティングボタン5は、本発明に係る遷移アイコンの一例である。フローティングボタン5の表示態様に特段の限定はないが、表示画面11の表示およびユーザ操作の妨げにならないような形状、表示面積および配置で表示されるのが好ましい。
【0040】
ここで、遷移指示とは、最初の遷移が行われた後において、ユーザが、ゲームアプリと検索アプリとの間での直接の遷移を指示する操作である。本実施形態では、ユーザが、表示画面11におけるフローティングボタン5が表示された表示領域をタップする操作を、遷移指示の具体的態様とする。勿論、遷移指示の具体的態様は前記のタップ操作に限定されず、例えば前記の表示領域をホバーする操作も、遷移指示の具体的態様に含めてよい。また、例えば、本発明の一態様に係る電子機器が据え置き型のパーソナルコンピュータであれば、マウスなどのポインティングデバイスによってフローティングボタン5をクリックする操作も、遷移指示の一態様となる。
【0041】
フローティングボタン5の表示態様として、例えば操作入力検知部21が一定時間(以下、「検知時間」)フローティングボタン5への操作を何ら検知しない場合、アイコン表示部26は、フローティングボタン5の表示面積を変更前より縮小して表示画面11に表示させてもよい。または、アイコン表示部26は、フローティングボタン5の透過度を変更前の0%よりも高くして表示画面11に表示させてもよい。
【0042】
検知時間は任意に設定可能であるが、フローティングボタン5の表示がユーザ操作等の妨げになるのをなるべく早く回避する観点から、3秒程度に設定されるのが好ましい。また、フローティングボタン5における表示面積の縮小率および透過度も、任意に設定可能である。但し、縮小後もフローティングボタン5の操作をスムーズに行えるようにする観点から、縮小率は80%程度に設定されるのが好ましい。同様の理由により、透過度は50%程度、言い換えれば略半透明になるように設定されるのが好ましい。アイコン表示部26は、表示制御部22に対して表示面積を縮小する制御のみ行わせてもよいし、透過度を高くする制御のみ行わせてもよい。あるいは、表示制御部22に対して前述の両方の制御を行わせてもよい。
【0043】
アイコン表示部26が表示制御部22に対して上述のような表示態様の制御を行わせることにより、表示画面11においてフローティングボタン5を目立たなくさせることができる。そのため、表示画面11におけるゲームアプリの表示および検索アプリの表示がフローティングボタン5の表示によって妨げられ難くなり、ユーザがゲーム操作および検索操作をスムーズに行うことができる。
【0044】
さらには、フローティングボタン5が上述のような表示態様で表示されている場合において、フローティングボタン5が原状復帰指示を受け付けた場合、アイコン表示部26は、フローティングボタン5の表示態様を元の状態に戻させてもよい。原状復帰指示は、ユーザがフローティングボタン5の表示態様を元の状態に戻すための操作であり、例えば、表示画面11におけるフローティングボタン5が表示された表示領域をタップする操作を原状復帰指示としてもよい。「元の状態」とは、フローティングボタン5の縮小率が100%であり、かつ透過度が0%の状態を指す。
【0045】
上述したS101~S106の各ステップがすべて終了することにより、制御装置2によるフローティングボタン5の表示処理までの各処理が終了する。次に、ユーザが、表示画面11に表示されたフローティングボタン5に対して遷移指示を行った場合、アプリ制御部23は、実行中の検索アプリから再びゲームアプリに遷移させる。この処理は、本発明に係る遷移処理の一例である。
【0046】
なお、実行中の検索アプリから再びゲームアプリに遷移した後、表示画面11に表示されたフローティングボタン5が再び遷移指示を受け付けると、アプリ制御部23は、実行中のゲームアプリから再び検索アプリに遷移させる。以降、前記のフローティングボタン5が遷移指示を受け付ける毎に、アプリ制御部23はゲームアプリと検索アプリとの間で遷移させる。これらの一連の遷移も、本発明に係る遷移処理の一例である。
【0047】
また、最初の遷移後、
図3の符号304で示す図のように、ユーザが表示画面11に表示された検索アプリの検索画面を操作して特定の攻略サイトを表示させた場合でも、検索アプリが当該特定の攻略サイトを表示させている。したがって、この場合もなお、検索アプリが、第2アプリケーションとなる。
【0048】
このケースのように、表示画面11に表示される画面の遷移が検索アプリの実行中に行われる場合、表示制御部22は、タッチパネル1を制御して表示画面11へのフローティングボタン5の表示を画面の遷移後も維持させる。
【0049】
〔変形例〕
本発明の一実施形態に係るスマートフォン100には、複数の変形例が想定される。以下、
図4~
図7を用いて、複数の変形例のうちのいくつかについて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0050】
<第1変形例>
まず、
図4および
図5を用いて、スマートフォン100の第1変形例について説明する。第1変形例に係るスマートフォン200は、制御装置2に替えて制御装置2aを備えており、表示画面11に表示されたマーク6を用いてフローティングボタン5を表示終了する点において、スマートフォン100と異なる。また、表示画面11におけるフローティングボタン5の表示位置が変位可能である点においても、スマートフォン200はスマートフォン100と異なる。なお、制御装置2aおよび後述の制御装置2bにおける各要部のハードウェア構成自体は、制御装置2と同様である(
図1参照)。
【0051】
(制御装置2aの処理の流れ)
以下に説明する制御装置2aの処理の流れにおいて、操作入力検知部21が特定の起動操作を検知する処理から、アイコン表示部26が表示画面11にフローティングボタン5を表示させる処理までは、制御装置2の処理と同様である。
【0052】
はじめに、操作入力検知部21が何らの指示および操作も受け付けない間は、
図4および
図5の符号501で示す図のように、アプリ制御部23は検索アプリの実行を継続させる。また、アイコン表示部26は、表示画面11にフローティングボタン5を表示させ続ける(S201)。
【0053】
次に、操作入力検知部21が表示終了UI(User Interface)表示指示を受け付けた場合(S202でYES)、アイコン表示部26は、
図4および
図5の符号502で示す図のように、表示画面11にマーク6を表示させる(S203)。なお、S202における表示終了UI表示指示は、マーク6の表示指示であるとも言える。第1変形例では、ユーザが、表示画面11におけるフローティングボタン5が表示された表示領域を長押しする操作を、表示終了UI表示指示の具体的態様とする。但し、表示終了UI表示指示の具体的態様はこの操作に限定されない。
【0054】
具体的には、アイコン表示部26は、表示画面11にマーク6を表示させる旨のマーク表示命令を表示制御部22に出力する。マーク表示命令が入力された表示制御部22は、タッチパネル1を制御して表示画面11にマーク6を表示させる。一方、操作入力検知部21が表示終了UI表示指示を受け付けない(S202でNO)間は、S201の処理が継続する。
【0055】
マーク6は、フローティングボタン5を表示終了させるためのアイコンであり、本発明に係る表示終了アイコンの一例である。マーク6の表示態様に特段の限定はないが、表示画面11の表示およびユーザ操作の妨げにならないような形状、大きさおよび配置で表示されるのが好ましい。
【0056】
次に、操作入力検知部21が変位操作を受け付けた場合、アイコン表示部26は、フローティングボタン5の表示画面11における表示位置をマーク6の表示位置に向けて変位させる。変位操作は、表示画面11に表示されたフローティングボタン5の表示位置を変位させる操作である。第1変形例に係る操作入力検知部21は、遷移指示のみならず変位操作も受け付ける。第1変形例では、
図5の符号503で示す図のような、ユーザが、表示画面11に表示されたフローティングボタン5をドラッグする操作を、変位操作の具体的態様とする。
【0057】
次に、アイコン表示部26は、変位後のフローティングボタン5の表示位置とマーク6の表示位置とが表示画面11上で重なり合ったか否かを判定する。重なり合っていないと判定された場合(S204でNO)にはS205に進み、フローティングボタン5およびマーク6の表示が継続される。一方、重なり合っていると判定された場合(S204でYES)、アイコン表示部26は、
図4および
図5の符号504で示す図のように、表示画面11に表示されたフローティングボタン5およびマーク6の両方を表示終了させる(S206)。
【0058】
具体的には、アイコン表示部26は、表示画面11にフローティングボタン5およびマーク6の両方を表示終了させる旨の表示終了命令を表示制御部22に出力する。表示終了命令が入力された表示制御部22は、タッチパネル1を制御してフローティングボタン5およびマーク6の両方を表示終了させる。
【0059】
第1変形例では、フローティングボタン5が変位可能になっているが、マーク6が変位可能になっていてもよい。つまり、操作入力検知部21が、マーク6をフローティングボタン5の表示位置までドラッグする操作を検知した場合に、アイコン表示部26が、フローティングボタン5およびマーク6の両方を表示終了させてもよい。上述したS201~S206の各ステップがすべて終了することにより、制御装置2aによるマーク6の表示処理、ならびにフローティングボタン5およびマーク6の表示終了処理が終了する。
【0060】
なお、表示画面11に表示されたフローティングボタン5を表示終了する方法は、第1変形例のようなマーク6(つまり表示終了アイコン)を用いる方法に限定されない。例えば、フローティングボタン5の表示後、ゲームアプリまたは検索アプリのいずれかが実行中の場合において、遷移検知部25がこれらの各アプリと異なる他のアプリに遷移したことを検知することで、アイコン表示部26がフローティングボタン5を表示終了させてもよい。
【0061】
また、例えば、次に示すような方法でもフローティングボタン5を表示終了できる。すなわち、操作入力検知部21がアプリ履歴の表示操作を受け付けた場合には、表示制御部22が最近利用したアプリの画面(複数利用していた場合には複数の画面)を表示させる。この画面はリーセント画面と呼ばれることもある。そして、操作入力検知部21がリーセント画面の中からアプリの画面を選択する操作を受け付けると、アプリ制御部23が選択されたアプリに遷移させる。アイコン表示部26は、このようなリーセント画面経由でのアプリの遷移が行われた場合に、フローティングボタン5を表示終了してもよい。
【0062】
換言すれば、アイコン表示部26は、フローティングボタン5を用いずにアプリの遷移が行われた場合に、フローティングボタン5を表示終了してもよい。
【0063】
なお、第1変形例に係る操作入力検知部21が表示終了UI表示指示を受け付けていない場合であっても、操作入力検知部21が変位操作を受け付けることにより、アイコン表示部26は、表示画面11におけるフローティングボタン5の表示位置を所定位置まで変位させてもよい。その後、操作入力検知部21が位置固定操作を受け付けることにより、アイコン表示部26は、フローティングボタン5の表示位置を前記の所定位置に固定させる処理を行ってもよい。位置固定操作は、ユーザが変位操作でフローティングボタン5の表示位置を所望の位置まで変位させた後、フローティングボタン5の表示位置を当該所望の位置に固定するための操作である。例えば、ユーザがフローティングボタン5を表示画面11の所望の位置までドラッグ(変位操作)した後、当該所望の位置でユーザの指を表示画面11から離す(リリース)操作を、位置固定操作にしてもよい。
【0064】
具体的には、表示画面11にフローティングボタン5が表示されているときに、操作入力検知部21が変位操作を受け付けた場合、アイコン表示部26はフローティングボタン5の表示画面11における表示位置を、フローティングボタン5がドラッグされた位置に変位させる。その後、操作入力検知部21が位置固定操作を受け付けた場合、アイコン表示部26はフローティングボタン5の表示画面11における表示位置を、リリースされた位置に固定させる。
【0065】
なお、フローティングボタン5の表示位置は、表示画面11にフローティングボタン5の少なくとも一部が表示されていれば、特に限定されない。例えば、フローティングボタン5の一部が表示画面11の表示範囲外に出るように、フローティングボタン5を表示画面11の端部領域にドラッグした後、リリースしてもよい。このように、フローティングボタン5の表示位置をユーザが指定できることによって、表示画面11におけるゲームアプリの表示および検索アプリの表示がフローティングボタン5の表示によって妨げられ難くなり、ユーザがゲーム操作および検索操作をスムーズに行うことができる。
【0066】
<第2変形例>
次に、
図6および
図7を用いて、スマートフォン100の第2変形例について説明する。第2変形例に係るスマートフォン300は、制御装置2に替えて制御装置2bを備えており、ゲーミングメニュー4を用いることなく検索アプリに遷移させる点において、スマートフォン100および200と異なる。
【0067】
(制御装置2bの処理の流れ)
はじめに、
図6のS301に示す、特定の起動操作を検知した操作入力検知部21が検知結果をアプリ制御部23に出力し、検知結果が入力されたアプリ制御部23がゲームアプリを起動させるまで処理は、
図1のS101の処理と同様である。次に、操作入力検知部21は、後述のトリガー操作を検知する(S302でYES)。一方、操作入力検知部21がトリガー操作を検知しない間は(S302でNO)、アプリ制御部23はゲームアプリの実行を継続させる(S303)。
【0068】
トリガー操作は、実行中のゲームアプリから検索アプリにゲーミングメニュー4の表示を介することなく遷移する態様で、最初の遷移をさせる操作である。トリガー操作の操作態様に特段の限定はなく、第2変形例では、検索アプリをはじめとする複数の候補アプリのそれぞれについて、対応するトリガー操作を予め決めておき、データテーブルの形式で記憶装置3に記憶させている。具体的には、
図7の符号701で示す図のように、検索アプリに対応するトリガー操作としてジェスチャが対応付けられている。なお、ジェスチャに替えて例えばスワイプであってもよい。
【0069】
候補アプリは、ゲームアプリに対して第2アプリケーションとなり得るアプリであり、例えばゲーミングメニュー4に表示される候補アプリケーションである。なお、候補アプリは1つでもよく、特定のトリガー操作が行われた場合にのみ、実行中のゲームアプリから第2アプリケーションとしての候補アプリに遷移させてもよい。また、トリガー操作を検知してアプリを遷移させる処理は、上述の実施形態で説明した、ゲーミングメニュー4を表示画面11に表示させるプログラム(アプリ)に実行させてもよい。この場合、当該アプリをゲームアプリのバックグラウンドで起動させておけばよい。
【0070】
次に、所定のトリガー操作を検知した操作入力検知部21は、検知したトリガー操作がどの候補アプリに対応付けられたトリガー操作であるかを判定する(以下、「判定処理」)。具体的には、操作入力検知部21は、記憶装置3から候補アプリとトリガー操作とが対応付けられたデータテーブルを呼び出して、検知したトリガー操作をデータテーブルの各トリガー操作と順次対比することにより、判定処理を行う。第2変形例では、操作入力検知部21は、検索アプリに対応付けられたトリガー操作であると判定する。判定処理を終えた操作入力検知部21は、検索アプリに対応付けられたトリガー操作が検知された旨の判定結果をアプリ制御部23に出力する。
【0071】
検索アプリに対応付けられたトリガー操作が検知された旨の判定結果が入力されたアプリ制御部23は、
図6に示すように、実行中のゲームアプリから検索アプリに最初の遷移をさせる(S304)。最初の遷移をさせたアプリ制御部23は、初期遷移情報を遷移検知部25に出力する。
【0072】
この処理以降、アイコン表示部26が表示画面11にフローティングボタン5を表示させる(S306)までの処理は、実施形態1に係る制御装置2の処理における、遷移検知ステップからアイコン表示ステップ(
図1のS106)までの処理と同様である。アイコン表示部26がS306の処理を実行すると、表示画面11は
図7の符号702で示す図のような表示態様になる。
【0073】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御装置2の制御ブロック(特に遷移検知部25およびアイコン表示部26)は、集積回路(ICチップ)などに形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0074】
後者の場合、制御装置2は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、前記コンピュータにおいて、前記プロセッサが前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。
【0075】
前記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)などの他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波など)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0076】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る電子機器(スマートフォン100、200、300)は、少なくとも1つの表示装置(タッチパネル1)と、少なくとも1つの制御装置(2、2a、2b)と、を備える電子機器であって、前記制御装置は、実行中の第1アプリケーションから、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションへの最初の遷移を検知する遷移検知処理と、前記遷移検知処理において前記最初の遷移を検知することにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間での遷移を指示する遷移指示を受け付ける遷移アイコン(フローティングボタン5)を、前記表示装置の表示画面(11)に表示させるアイコン表示処理と、を実行する。
【0077】
前記構成によれば、電子機器の制御装置は、最初の遷移を検知すると表示装置の表示画面に遷移アイコンを表示させる。そのため、最初の遷移後は、表示画面に表示された遷移アイコンが遷移指示を受け付けるだけで、第1アプリケーションと第2アプリケーションとの間で遷移させることができる。よって、第1アプリケーションと、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションとの間での遷移を、簡易かつ確実に行うことができる。
【0078】
本発明の態様2に係る電子機器(スマートフォン100、200)は、前記態様1において、前記制御装置は、前記第1アプリケーションの実行中に、複数の候補アプリケーションの中から特定の前記候補アプリケーションを前記第2アプリケーションとして選択するための候補メニュー(ゲーミングメニュー4)を前記表示画面に表示させるメニュー表示操作を検知することにより、前記候補メニューを前記表示画面に表示させるメニュー表示処理と、前記表示画面に表示された前記候補メニューが特定の前記候補アプリケーションの選択を受け付けることにより、実行中の前記第1アプリケーションから、前記第2アプリケーションとして選択された特定の前記候補アプリケーションに前記最初の遷移をさせる初期遷移処理と、をさらに実行してもよい。
【0079】
前記構成によれば、電子機器の制御措置は、メニュー表示操作を検知すると表示装置の表示画面に候補メニューを表示させる。また、制御装置は、表示画面に表示された候補メニューが特定の候補アプリケーションの選択を受け付けると、最初の遷移の遷移元である第1アプリケーションから、第2アプリケーションとしての特定の候補アプリケーションに遷移させる。そのため、最初の遷移において、第1アプリケーションから所望する第2アプリケーションに簡易かつ確実に遷移させることができる。
【0080】
本発明の態様3に係る電子機器(スマートフォン100、200、300)は、前記態様1または2において、前記制御装置は、前記表示画面に表示された前記遷移アイコンが前記遷移指示を受け付けることにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間で遷移させる遷移処理をさらに実行してもよい。前記構成によれば、電子機器の制御装置は、遷移処理を実行することにより、第1アプリケーションと第2アプリケーションとの間での遷移を簡易かつ確実に行うことができる。
【0081】
本発明の態様4に係る電子機器は、前記態様1~3のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記表示画面に表示された前記遷移アイコンが前記遷移指示を受け付けることなく、実行中の前記第1アプリケーションまたは実行中の前記第2アプリケーションから他のアプリケーションに遷移した場合、前記アイコン表示処理において、前記表示画面に表示された前記遷移アイコンを表示終了させてもよい。
【0082】
表示画面に表示された遷移アイコンが遷移指示を受け付けることなく、第1アプリケーションまたは第2アプリケーションから他のアプリケーションに遷移した場合、この遷移は、遷移アイコンを利用した遷移を終了させる意図に基づいて行われた可能性が高い。その点前記構成によれば、表示画面に表示された遷移アイコンが遷移指示を受け付けることなく、第1アプリケーションまたは第2アプリケーションから他のアプリケーションに遷移した場合、電子機器の制御装置は、遷移アイコンを表示終了させる。そのため、遷移アイコンの無駄な表示を低減して遷移アイコンの利用に基づく誤操作を低減することができる。また、消費電力を抑制することもできる。
【0083】
本発明の態様5に係る電子機器(スマートフォン200)は、前記態様1から4のいずれかにおいて、前記制御装置(2a)は、前記表示画面に表示された前記遷移アイコンが、当該遷移アイコンを表示終了させるための表示終了アイコンの前記表示画面への表示を指示する表示終了UI表示指示を受け付けた場合、前記アイコン表示処理において、前記表示終了アイコン(マーク6)を前記表示画面に表示させ、前記遷移アイコンまたは前記表示終了アイコンの一方の前記表示画面における位置が変位し、前記遷移アイコンと前記表示終了アイコンとが前記表示画面上で重なり合った場合、前記アイコン表示処理において、前記遷移アイコンおよび前記表示終了アイコンの両方を表示終了させてもよい。
【0084】
前記構成によれば、遷移アイコンを利用した遷移を終了させたいときには、表示終了アイコンを表示画面に表示させた上で、遷移アイコンと表示終了アイコンとを表示画面上で重なり合わせることにより、遷移アイコンを利用した遷移を終了させることができる。そのため、遷移アイコンの無駄な表示を防止して遷移アイコンの利用に基づく誤操作を防止することができる。また、消費電力を抑制することもできる。
【0085】
本発明の態様6に係る制御装置(2、2a、2b)は、少なくとも1つの表示装置(1)を備える電子機器(スマートフォン100、200、300)を制御する制御装置であって、実行中の第1アプリケーションから、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションへの最初の遷移を検知する遷移検知部(25)と、前記遷移検知部が前記最初の遷移を検知することにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間での遷移を指示する遷移指示を受け付ける遷移アイコン(フローティングボタン5)を、前記表示装置の表示画面(11)に表示させるアイコン表示部(26)と、を備える。前記構成によれば、本発明の態様1に係る電子機器と同様の効果を奏する。
【0086】
本発明の態様7に係る制御方法は、少なくとも1つの表示装置(1)を備える電子機器(スマートフォン100、200、300)を制御する制御方法であって、実行中の第1アプリケーションから、当該第1アプリケーションの実行により提供されるコンテンツと関連する第2アプリケーションへの最初の遷移を検知する遷移検知ステップと、前記遷移検知ステップにて前記最初の遷移を検知することにより、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間での遷移を指示する遷移指示を受け付ける遷移アイコン(フローティングボタン5)を、前記表示装置の表示画面(11)に表示させるアイコン表示処理ステップ(S106)と、を含む。前記構成によれば、本発明の態様1に係る電子機器と同様の効果を奏する。
【0087】
本発明の態様1~5に係る電子機器(スマートフォン100、200、300)が備える制御装置(2、2a、2b)は、コンピュータによって実現してもよい。この場合には、コンピュータを前記制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記制御装置をコンピュータにて実現させる制御装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0088】
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態および各変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態および各変形例のそれぞれに開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、実施形態および各変形例のそれぞれに開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。