(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】PLMN識別子に関連付けられたコアネットワークタイプに基づくセルアクセス制限
(51)【国際特許分類】
H04W 48/16 20090101AFI20240919BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20240919BHJP
【FI】
H04W48/16 110
H04W48/16 130
H04W48/18 111
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023002588
(22)【出願日】2023-01-11
(62)【分割の表示】P 2020543007の分割
【原出願日】2019-02-14
【審査請求日】2023-01-24
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン,テミン
【審査官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-527190(JP,A)
【文献】特表2013-544478(JP,A)
【文献】特開2001-095034(JP,A)
【文献】特表2016-506156(JP,A)
【文献】特表2017-503428(JP,A)
【文献】Huawei, HiSilicon,Handling on E-UTRA cell where some PLMNs only have access to 5GC[online],3GPP TSG RAN WG2 #100 R2-1713132,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_100/Docs/R2-1713132.zip>,2017年11月17日,[2023年10月06日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器によって実行される方法であって、
複数のワイヤレス通信セルの中から第1のワイヤレス通信セルを選択するステップと、
前記第1のワイヤレス通信セルを提供する第1の基地局から第1のシステム情報ブロック(SIB)を受信するステップとを備え、前記第1のSIBは、第1の入力を含み、前記第1の入力は、前記第1のワイヤレス通信セルに関連付けられた第1のPLMN識別子を備え、前記方法はさらに、
前記ユーザ機器内に格納された1つまたは複数のPLMN識別子のリストの中に前記第1のPLMN識別子が存在しないことを判断するステップと、
前記1つまたは複数のPLMN識別子のリストの中に前記第1のPLMN識別子が存在しないと判断したことに応答して、
前記第1の入力が、前記第1のワイヤレス通信セルが所望のコアネットワークにアクセスできないと示すことに基づいて、前記複数のワイヤレス通信セルの中から第2のワイヤレス通信セルを選択するステップと、
前記第2のワイヤレス通信セルを提供する第2の基地局から第2のSIBを受信するステップとを備え、前記第2のSIBは、第2の入力を含み、前記第2の入力は、前記第2のワイヤレス通信セルに関連付けられた第2のPLMN識別子を備え、前記方法はさらに、
前記ユーザ機器内に格納された前記1つまたは複数のPLMN識別子のリストの中に前記第2のPLMN識別子が存在することを判断するステップと、
前記1つまたは複数のPLMN識別子のリストの中に前記第2のPLMN識別子が存在すると判断したことに応答して、
前記第2のワイヤレス通信セルを提供する前記第2の基地局にアタッチ要求メッセージを送信するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記第1のPLMN識別子は、前記第1のワイヤレス通信セルに接続された第1のタイプのコアネットワークにも関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の入力は、第三世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューション(3GPP(登録商標) LTE)ワイヤレス通信プロトコルに関連付けられたInfoList入力に対応し、前記第1のタイプのコアネットワークが第五世代コア(5GC)ネットワークであることを示す、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のPLMN識別子は、前記第2のワイヤレス通信セルに接続された第2のタイプのコアネットワークにも関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の入力は、第三世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューション(3GPP LTE)ワイヤレス通信プロトコルに関連付けられたInfoList入力に対応し、前記第2のタイプのコアネットワークが進化型パケットコア(EPC)ネットワークであることを示す、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のワイヤレス通信セルは、3GPP LTEエアインターフェイスを使用してアクセス可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のSIBは、システム情報ブロックタイプ1(SIB1)である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のワイヤレス通信セルを選択するステップは、前記ユーザ機器が電源投入されたことに応答する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のSIBは、システム情報ブロックタイプ1(SIB1)である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ユーザ機器であって、
プロセッサと、
セルアクセスマネージャアプリケーションを有するコンピュータ読取可能記憶媒体とを備え、前記セルアクセスマネージャアプリケーションは、命令を備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記ユーザ機器に、請求項1~
9のいずれか1項に記載の方法を実行するように指示する、ユーザ機器。
【請求項11】
前記命令は、非アクセス層(NAS)レイヤおよび無線リソース制御(RRC)レイヤに含まれる、請求項
10に記載のユーザ機器。
【請求項12】
前記ユーザ機器内に格納された前記1つまたは複数のPLMN識別子のリストは、加入者識別モジュール(SIM)内に格納される、請求項
10に記載のユーザ機器。
【請求項13】
命令を備えるプログラムであって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、ユーザ機器に、請求項1~
9のいずれか1項に記載の方法を実行するように指示する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
無線アクセスネットワーク(RAN)の一部である基地局は、RANをサポートするコアネットワークのためのワイヤレス通信セルを提供する。一般に、複数の基地局は、1つ以上のコアネットワークのための複数のそれぞれのワイヤレス通信セルを提供し得る。各々のコアネットワークは、第三世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューション(3GPP(登録商標) LTE)ワイヤレス通信をサポートする進化型パケットコア(EPC)ネットワークまたは第五世代新無線(5G NR)ワイヤレス通信をサポートする第五世代コア(5GC)ネットワークなどの同一タイプのネットワークであってもよい。
【0002】
場合によっては、ユーザ機器は、複数の基地局の伝送範囲内にあって、複数のワイヤレス通信セルにアクセスできる。しかし、このような場合、複数のワイヤレス通信セルの基盤となるコアネットワークは、さまざまである可能性がある。たとえば、ユーザ機器は、EPCネットワークのためのワイヤレス通信セルを提供する基地局の伝送範囲内にあって、同時に、5GCネットワークのためのワイヤレス通信セルを提供する別の基地局の伝送範囲内にあるということがあり得る。
【0003】
そして、ユーザ機器は、ワイヤレス通信セルを選択して、このワイヤレス通信セルを提供する基地局に接続し得る。たとえば、ユーザ機器が電源投入されて、複数のそれぞれのワイヤレス通信セルを提供する複数の基地局を検出すると、ユーザ機器は、これらのワイヤレス通信セルから選択して、ワイヤレス通信を実行する。別の例としては、ユーザ機器がワイヤレス通信セルにアクティブにアクセスしていて、ワイヤレス通信セルによって提供されるサービスがパフォーマンス閾値の基準に反する場合、この基準を満たすサービスを提供する別のワイヤレス通信セルを選択することをユーザ機器に強制することが挙げられる。
【0004】
しかし、ユーザ機器がワイヤレス通信セルを選択することは、受信信号強度インジケータ(RSSI)に頼ることが多い。RSSIに頼るプロセスは、十分な帯域幅を有するワイヤレス通信の継続性を維持しない可能性があり、ユーザ機器とワイヤレス通信セルを提供する基地局とによって共有されるワイヤレスネットワークスタックのレイヤ間のミスマッチにつながる可能性もある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本文献は、ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器に向けられる方法およびシステムを開示する。これらの方法およびシステムは、ユーザ機器が、ワイヤレス通信セルを提供する基地局からシステム情報ブロック(SIB)を受信することを含む。SIBの入力における識別子の存在(または欠如)は、このワイヤレス通信セルに関連付けられた基盤となるコアネットワークのタイプをユーザ機器に対して示す。
【0006】
識別子の有無を判断することを通じて、ユーザ機器は、所望の基盤となるコアネットワークを提供するワイヤレス通信セルにアクセスしてもよい。所望の基盤となるコアネットワークを提供するワイヤレス通信セルにアクセスすることにより、複数の利益が生じ、複数の利益は、(i)ワイヤレス通信が十分な帯域幅を維持することを保証することと、(ii)(ユーザ機器とワイヤレス通信セルを提供する基地局とによって共有される)ワイ
ヤレスネットワークスタックのレイヤ間のコンテンションを生じさせ得るこれらのレイヤ間のミスマッチを回避することとを含む。
【0007】
いくつかの局面は、ユーザ機器によって実行される方法を記載している。上記方法は、上記ユーザ機器が、第1のワイヤレス通信セルを選択するステップを含む。上記第1のワイヤレス通信セルを提供する第1の基地局から第1のシステム情報ブロック(SIB)を受信した後、上記ユーザ機器は、上記第1のSIBの入力に識別子が存在しないことを判断する。上記第1のSIBの上記入力に上記識別子が存在しないと判断したことに応答して、上記ユーザ機器は、第2のワイヤレス通信セルを選択し、上記第2のワイヤレス通信セルを提供する第2の基地局から第2のSIBを受信する。
【0008】
他の局面は、ユーザ機器によって実行される別の方法を記載している。上記他の方法は、上記ユーザ機器が、第1のワイヤレス通信セルを選択するステップと、上記第1のワイヤレス通信セルを提供する第1の基地局から第1のシステム情報ブロック(SIB)を受信するステップとを含む。上記ユーザ機器は、上記第1のSIBの入力に識別子が存在することを判断する。上記第1のSIBの上記入力に上記識別子が存在すると判断したことに応答して、上記ユーザ機器は、上記第1のワイヤレス通信セルへのアクセスを禁止する。
【0009】
さらに他の局面は、ユーザ機器を記載している。上記ユーザ機器は、プロセッサと、セルアクセスマネージャアプリケーションを有するコンピュータ読取可能記憶媒体とを含む。上記セルアクセスマネージャアプリケーションは、命令を含み、上記命令は、上記プロセッサによって実行されると、上記ユーザ機器に、第1のワイヤレス通信セルを選択するように指示し、上記第1のワイヤレス通信セルを提供する第1の基地局から第1のシステム情報ブロック(SIB)を受信するように指示する。上記命令の実行は、さらに、上記ユーザ機器に、上記第1のSIBの入力に識別子が存在しないことを判断するように指示し、それに応答して、第2のワイヤレス通信セルを選択するように指示する。次いで、上記命令の実行は、上記ユーザ機器に、上記第2のワイヤレス通信セルを提供する第2の基地局から第2のSIBを受信するように指示する。
【0010】
1つ以上の実現例の詳細について、添付の図面および以下の説明において説明する。他の特徴および利点は、説明および図面ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。この概要は、詳細な説明および図面においてさらに説明されている主題を紹介するために提供されている。したがって、この概要は、不可欠な特徴を記載していると考えられるべきではなく、クレームされている主題の範囲を限定する目的で使用されるべきでもない。
【0011】
ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器の1つ以上の局面の詳細について以下で説明する。説明および図面中のさまざまな場合における同一の参照番号の使用は、同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器の1つ以上の局面に係る動作環境の一例を示す図である。
【
図2】ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器の1つ以上の局面に係るデバイス図の一例を示す図である。
【
図3】ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器の1つ以上の局面に係るシナリオの詳細の一例を示す図である。
【
図4】ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器のさまざまな局面が実現されるワイヤレスネットワークスタックのレイヤの一例を示す図である。
【
図5】ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器に向けられる1つ以上の局面に係る、ユーザ機器によって実行される方法の一例を示す図である。
【
図6】ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器に向けられる1つ以上の局面に係る、ユーザ機器によって実行される方法の別の例を示す図である。
【
図7】ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器のさまざまな局面に関連付けられた信号および制御トランザクションの一例を示す図である。
【
図8】ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器のさまざまな局面に関連付けられた信号および制御トランザクションの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
動作環境
図1は、UE111,UE112およびUE113として示されている複数のユーザ機器110(UE110)を含む環境100の一例を示す。各UE110は、ワイヤレスリンク131および132として示されているワイヤレス通信のための1つ以上のリンク(ワイヤレスリンク130)を介して1つ以上の基地局120(基地局121,122,123および124として示されている)と通信することができる。ワイヤレスリンク130,131および132などのワイヤレスリンクは、本明細書では、無線周波数伝送を含む場合には「無線リンク」と称されることもあり、制御通信またはデータ通信またはこれら両方を含む。この例では、UE110はスマートフォンである。UE110は、スマートフォンとして示されているが、移動体通信デバイス、モデム、セルラーフォン、ゲーミングデバイス、ナビゲーションデバイス、メディアデバイス、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートアプライアンス、車両ベースの通信システムなどの任意の好適なコンピューティングまたは電子デバイスであってもよい。基地局120(たとえば、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワークノードB、E-UTRANノードB、進化型ノードB、eNodeB、eNB、次世代ノードB、gNodeB、gNBなど)は、マクロセル、マイクロセル、スマートセル、ピコセルなど、またはそれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。
【0014】
基地局120は、ワイヤレスリンク131および132を介してUE110と通信し、ワイヤレスリンク131および132は、任意の好適なタイプのワイヤレスリンクであってもよい。ワイヤレスリンク131および132は、基地局120からUE110に通信されるデータおよび制御情報のダウンリンク、UE110から基地局120に通信される他のデータおよび制御情報のアップリンク、またはそれら両方を含み得る。ワイヤレスリンク130は、第三世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューション(3GPP LTE)、第五世代新無線(5G NR)などの任意の好適な通信プロトコルもしくは規格、または通信プロトコルもしくは規格の組み合わせを使用して実現される1つ以上のワイヤレスリンクまたはベアラを含んでもよい。複数のワイヤレスリンク130は、キャリアアグリゲーションに集約されて、UE110に対してより高いデータレートを提供してもよい。複数の基地局120からの複数のワイヤレスリンク130は、UE110との協調マルチポイント(CoMP)通信用に構成されてもよい。
【0015】
基地局120は、ひとまとめにして、無線アクセスネットワーク140(RAN、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク、E-UTRAN、5G NR RANまたはNR RAN)である。RAN140は、NR RAN141およびE-UTRAN142として示されている。NR RAN141における基地局121および123は、第五世代コア150(5GC150)ネットワークに接続される。E-UTRAN142における基地局122および124は、進化型パケットコア160(EPC160)に接続される。任意にまたは加えて、基地局122は、5GC150ネットワークにもEPC160ネットワークにも接続してもよい。
【0016】
基地局121および123は、それぞれインターフェイス102およびインターフェイス104で5GC150に接続する。第1のインターフェイス102および第2のインターフェイス104の各々は、コントロールプレーンシグナリングのためのNG2インターフェイスと、ユーザプレーンデータ通信のためのNG3インターフェイスとを含む。基地局122および124は、それぞれ106および108で、コントロールプレーンシグナリングおよびユーザプレーンデータ通信のためのS1インターフェイスを介してEPC160に接続する。任意にまたは加えて、基地局122が5GC150ネットワークおよびEPC160ネットワークに接続する場合、基地局122は、180において、コントロールプレーンシグナリングのためのNG2インターフェイスおよびユーザプレーンデータ通信のためのNG3インターフェイスを介して5GC150に接続する。
【0017】
コアネットワークへの接続に加えて、基地局120は互いに通信してもよい。基地局121および123は、112におけるXnインターフェイスを介して通信する。基地局122および124は、114におけるX2インターフェイスを介して通信する。
【0018】
5GC150は、5G NRネットワークにおいて複数のUE110の登録および認証、認可、モビリティ管理などのコントロールプレーン機能を提供するアクセスおよびモビリティ管理機能152(AMF152)を含む。EPC160は、E-UTRAネットワークにおいて複数のUE110の登録および認証、認可、モビリティ管理などのコントロールプレーン機能を提供するモビリティ管理エンティティ162(MME162)を含む。AMF152およびMME162は、RAN140における基地局120と通信し、基地局120を介して複数のUE110とも通信する。
【0019】
動作環境100内において、基地局121は、NR RAN141に関連付けられたワイヤレス通信セルを提供してもよく、基地局123は、NR RAN141に関連付けられた別のセルを提供してもよく、NR RAN141の各セルは、規定の地理的領域をカバーする。さらに、基地局121および基地局123は、同一タイプのコアネットワーク(たとえば、5GC150)に接続される。
【0020】
また、動作環境100内において、基地局122は、E-UTRAN142に関連付けられたワイヤレス通信セルを提供してもよく、基地局124は、E-UTRAN142に関連付けられた別のセルを提供してもよく、E-UTRAN142の各セルは、規定の地理的領域をカバーする。さらに、基地局122および基地局124は、別の同一タイプのコアネットワーク(たとえば、EPC160)に接続する。
【0021】
いくつかの局面では、3GPP TS 36.331 V15.0.1(2018-01)セクション5.2.2.7におけるワイヤレス通信プロトコルによれば、無線アクセスネットワーク(たとえば、NR RAN141またはE-UTRAN142)は、地上波公共移動通信ネットワーク(PLMN)識別子として知られる識別子を使用して、UE110に対してそれら自体を識別してもよい。それぞれの場合において、基地局の各々(たとえば、各基地局121,122,123または124)は、基地局の各々によってブロードキャストされるシステム情報ブロック(SIB)内の入力を介して、それぞれの関連付けられたPLMN識別子をUE110に提供してもよい。場合によっては、SIBは、システム情報ブロックタイプ1(SIB1)であってもよい。
【0022】
一例として、進化したワイヤレス通信プロトコルによれば、PLMN識別子は、第五世代新無線(5G NR)ワイヤレス通信プロトコル(たとえば、cellAccessRelatedInfoList-5GC)に関連付けられたInfoList入力に対応し、ネットワークが第五世代コ
ア(5GC)ネットワークであることを示す入力に含まれてもよい。別の例として、進化したワイヤレス通信プロトコルによれば、PLMN識別子は、第三世代パートナーシップ
プロジェクトロングタームエボリューション(3GPP LTE)ワイヤレス通信プロトコル(たとえば、cellAccessRelatedInfoList)に関連付けられたInfoList入力
であって、コアネットワークがEPCネットワークであることを示す入力に含まれてもよい。さらに別の例として、進化したワイヤレス通信プロトコルによれば、PLMN識別子は、第六世代(6G)ワイヤレス通信プロトコル(たとえば、cellAccessRelatedInfoList-6G)に関連付けられたInfoList入力であって、ネットワークが第六世代コア(6GC)ネットワークであることを示す入力に含まれてもよい。
【0023】
また、PLMN識別子は、PLMNに関連付けられたコアネットワークのタイプが、InfoList入力に関連付けられたワイヤレス通信プロトコルと一致しないことを示すために使用されてもよい。第1の例として、InfoList入力は、3GPPワイヤレス通信プロトコルに関連付けられて、ネットワークが5GCネットワークであることを示してもよい。第2の例として、InfoList入力は、5G NRワイヤレス通信プロトコルに関連付けられて、コアネットワークが6GCネットワークであることを示してもよい。
【0024】
デバイスの例
図2は、複数のUE110および基地局120のデバイス
図200の一例を示す。分かりやすくするために、複数のUE110および基地局120は、
図2から省略されている追加の機能およびインターフェイスを含んでもよい。UE110は、アンテナ202と、無線周波数フロントエンド204(RFフロントエンド204)と、LTEトランシーバ206と、NR RAN141および/またはE-UTRAN142における基地局120と通信するための5G NRトランシーバ208とを含む。UE110のRFフロントエンド204は、さまざまなタイプのワイヤレス通信を容易にするために、LTEトランシーバ206および5G NRトランシーバ208をアンテナ202に結合または接続することができる。UE110のアンテナ202は、互いに類似しているようにまたは互いに異なっているように構成された複数のアンテナのアレイを含んでもよい。アンテナ202およびRFフロントエンド204は、3GPP LTEおよび5G NR通信規格によって規定されて、LTEトランシーバ206および/または5G NRトランシーバ208によって実現される1つ以上の周波数帯域にチューニングされ得る、および/または、チューニング可能であり得る。さらに、アンテナ202、RFフロントエンド204、LTEトランシーバ206および/または5G NRトランシーバ208は、基地局120との通信の送受信のためにビームフォーミングをサポートするように構成されてもよい。限定ではなく例示として、アンテナ202およびRFフロントエンド204は、3GPP
LTEおよび5G NR通信規格によって規定されるサブギガヘルツ帯域、サブ6GHZ帯域および/または6GHzを超える帯域で動作するように実現可能である。
【0025】
UE110は、プロセッサ210およびコンピュータ読取可能記憶媒体212(CRM212)も含む。プロセッサ210は、シリコン、ポリシリコン、high-K誘電体、銅などのさまざまな材料で構成された単一のコアプロセッサまたは複数のコアプロセッサであってもよい。本明細書に記載されているCRM212は、伝搬信号を除外する。CRM212は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、不揮発性RAM(NVRAM)、リードオンリメモリ(ROM)またはフラッシュメモリなどの任意の好適なメモリまたは記憶装置を含んでもよい。
【0026】
CRM212は、セルアクセスマネージャ214の形式の実行可能なコードおよび命令も含む。代替的にまたは加えて、セルアクセスマネージャ214は、全体または一部が、UE110の他のコンポーネントと一体化されるかまたはそれらから分離されたハードウェアロジックまたは回路として実現されてもよい。少なくともいくつかの局面では、セル
アクセスマネージャ214のコードを実行するプロセッサ210は、1つ以上の動作を実行するようにUE110に指示する。このような動作は、第1のワイヤレス通信セルにアクセスするUE110に関連付けられ得るワイヤレス通信状況(信号強度の劣化、混乱または干渉)を検出し、それに応答して、第2のワイヤレス通信セルを選択することに決定することを含んでもよい。このような動作は、継続してもよく、第2のワイヤレス通信セルを提供する基地局にアクセス要求を送信し、第2のワイヤレス通信セルを提供する基地局からSIBを受信し、SIB内の入力に見られるPLMN識別子から、基地局が接続されるコアネットワーク(たとえば、第2のワイヤレス通信セルに関連付けられたコアネットワーク)が、第1のワイヤレス通信セルによってサポートされるものと同一タイプのコアネットワークであるコアネットワークのタイプであると判断することを含んでもよい。
【0027】
図2に示される基地局120のデバイス図は、ワイヤレス通信セルを提供する基地局に対応する。基地局120の機能は、複数のネットワークノードまたはデバイスにわたって分散されてもよく、本明細書に記載されている機能を実行するのに好適な任意の態様で分散されてもよい。基地局120は、UE110と通信するために、アンテナ252、無線周波数フロントエンド254(RFフロントエンド254)、1つ以上のLTEトランシーバ256および/または1つ以上の5G NRトランシーバ258を含む。基地局120のRFフロントエンド254は、さまざまなタイプのワイヤレス通信を容易にするために、LTEトランシーバ256および5G NRトランシーバ258をアンテナ252に結合または接続することができる。基地局120のアンテナ252は、互いに類似しているようにまたは互いに異なっているように構成された複数のアンテナのアレイを含んでもよい。アンテナ252およびRFフロントエンド254は、3GPP LTEおよび5G
NR通信規格によって規定されて、LTEトランシーバ256および/または5G NRトランシーバ258によって実現される1つ以上の周波数帯域にチューニングされ得る、および/または、チューニング可能であり得る。さらに、アンテナ252、RFフロントエンド254、LTEトランシーバ256および/または5G NRトランシーバ258は、UE110との通信の送受信のためにMassive-MIMOなどのビームフォーミングをサポートするように構成されてもよい。
【0028】
基地局120は、プロセッサ260およびコンピュータ読取可能記憶媒体262(CRM262)も含む。プロセッサ260は、シリコン、ポリシリコン、high-K誘電体、銅などのさまざまな材料で構成された単一のコアプロセッサまたは複数のコアプロセッサであってもよい。CRM262は、基地局120のデバイスデータの格納に使用可能な、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、不揮発性RAM(NVRAM)、リードオンリメモリ(ROM)またはフラッシュメモリなどの任意の好適なメモリまたは記憶装置を含んでもよい。
【0029】
CRM262は、基地局マネージャ264も含む。代替的にまたは加えて、基地局マネージャ264は、全体または一部が、基地局120の他のコンポーネントと一体化されるかまたはそれらから分離されたハードウェアロジックまたは回路として実現されてもよい。少なくともいくつかの局面では、基地局マネージャ264は、UE110との通信およびコアネットワークとの通信のためにLTEトランシーバ256および5G NRトランシーバ258を構成する。いくつかの局面では、基地局マネージャ264は、PLMN識別子を含む入力を有するSIBに対応するデータまたは情報も格納してもよい。基地局120は、別の基地局120との間でユーザプレーンおよびコントロールプレーンデータをやりとりするように基地局マネージャ264によって構成される、基地局120とUE110との通信を管理するためのXnおよび/またはX2インターフェイスなどの基地局間インターフェイス266を含む。基地局120は、コアネットワーク機能およびエンティティを有するユーザプレーンおよびコントロールプレーンデータをやりとりするように基地局マネージャ264によって構成されるコアネットワークインターフェイス268を含
む。
【0030】
図3は、ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器の1つ以上の局面に係るシナリオ300の詳細の一例を示す。ユーザ機器は、
図1のUE110であって、
図1の基地局121,122または123に接続することによってそれぞれのワイヤレス通信セルにアクセスしてもよい。
【0031】
図3に示されるように、基地局121は、ワイヤレス通信セル302(たとえば、インターフェイス102を使用して5GCネットワーク150にアクセスすることができる)を提供し、基地局122は、別のワイヤレス通信セル304(たとえば、インターフェイス180を使用して5GC150にアクセスし、インターフェイス106を使用してEPC160にアクセスすることができる)を提供し、基地局124は、さらに別のワイヤレス通信セル306(インターフェイス108を使用してEPC160にアクセスすることができる)を提供する。
【0032】
UE110は、基地局120から受信したSIBに含まれる入力を介してワイヤレス通信セルの基盤となるコアネットワークのタイプを確認してもよい。選択されたワイヤレス通信セルに関連付けられた基盤となるネットワークのタイプがワイヤレス通信ニーズを満たすことを上記の入力がUE110に対して示す場合、UE110は、このワイヤレス通信セルを提供するそれぞれの基地局に接続することを進めてもよい。選択されたワイヤレス通信セルに関連付けられた基盤となるネットワークのタイプがワイヤレス通信ニーズを満たさないことを上記の入力がUE110に対して示す場合、UE110は、このワイヤレス通信セルを禁止して、このワイヤレス通信セルを提供するそれぞれの基地局に接続しなくてもよい。SIB内のこのような入力は、地上波公共移動通信ネットワーク(PLMN)識別子をコアネットワークの基盤となるタイプに関連付けてもよい。
【0033】
図4は、ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器のさまざまな局面が実現されるワイヤレスネットワークスタック400のレイヤの一例を示す図である。一般に、UE110および基地局120の各々は、ワイヤレスネットワークスタック400の対応するピアレイヤを参照してもよい。ワイヤレスネットワークスタック400の対応するレイヤが同一タイプのコアネットワーク(たとえば、5GCネットワークまたはEPCネットワーク)と同期しない場合には、コンテンションが存在し得て、UE110と基地局120との間のワイヤレス通信に影響を及ぼす。さらに、UE110に関しては、ワイヤレスネットワークスタック400の1つ以上のレイヤ(たとえば、ピアレイヤ)は、セルアクセスマネージャ214の一部として含まれてもよい。このような場合、セルアクセスマネージャ214の一部として含まれる1つ以上のレイヤは、UE110によって実行されるワイヤレスセル選択技術のためのコードを含んでもよい。
【0034】
ワイヤレスネットワークスタック400は、ユーザプレーン402と、コントロールプレーン404とを含む。ユーザプレーン402およびコントロールプレーン404の上部レイヤは、ワイヤレスネットワークスタック400における共通の下部レイヤを共有する。UE110または基地局120などのワイヤレスデバイスは、各レイヤを、このレイヤのために規定されるプロトコルを使用して別のデバイスと通信するためのエンティティとして実現する。たとえば、UE110は、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)エンティティを使用して、PDCPを用いて基地局120におけるピアPDCPエンティティと通信する。
【0035】
共有される下部レイヤは、物理レイヤ406(PHYレイヤ406)と、メディアアクセス制御レイヤ408(MACレイヤ408)と、無線リンク制御レイヤ410(RLCレイヤ410)と、パケットデータコンバージェンスプロトコルレイヤ412(PDCP
レイヤ412)とを含む。物理レイヤ406は、互いに通信するデバイスのハードウェア仕様を提供する。したがって、物理レイヤ406は、デバイスがどのように互いに接続するかを規定したり、通信リソースがデバイス間でどのように共有されるかを管理することを支援したりする。
【0036】
MACレイヤ408は、データがデバイス間でどのように転送されるかを指定する。一般に、MACレイヤ408は、伝送されているデータパケットを伝送プロトコルの一部としてビットに符号化および復号化する方法を提供する。
【0037】
RLCレイヤ410は、ワイヤレスネットワークスタック400における上位レイヤへのデータ転送サービスを提供する。一般に、RLCレイヤ410は、誤り訂正、パケットセグメンテーションおよび再構築、ならびに、確認モード、非確認モードまたは透過モードなどのさまざまなモードでのデータ転送の管理を提供する。
【0038】
PDCPレイヤ412は、ワイヤレスネットワークスタック400における上位レイヤへのデータ転送サービスを提供する。一般に、PDCPレイヤ412は、ユーザプレーン402およびコントロールプレーン404データの転送、ヘッダ圧縮、暗号化および整合性保護を提供する。
【0039】
PDCPレイヤ412の上方で、ワイヤレスネットワークスタックは、ユーザプレーンスタック402とコントロールプレーンスタック404とに分割される。ユーザプレーン402レイヤは、任意のサービスデータアダプテーションプロトコルレイヤ414(SDAPレイヤ414)と、インターネットプロトコルレイヤ416(IPレイヤ416)と、伝送制御プロトコル/ユーザデータグラムプロトコルレイヤ418(TCP/UDPレイヤ418)と、データを転送するアプリケーション420とを含む。任意のSDAPレイヤ414は、5G NRネットワークに存在しており、各データ無線ベアラについてクオリティ・オブ・サービス(QoS)フローをマッピングし、各パケットデータセッションについてアップリンクおよびダウンリンクデータパケットの中のQoSフローアイデンティティに印を付ける。IPレイヤ416は、アプリケーション420からのデータが宛先ノードにどのように転送されるかを指定する。TCP/UDPレイヤ418は、アプリケーション420によるデータ転送のためのTCPまたはUDPを使用して、宛先ノードに転送される予定のデータパケットが宛先ノードに到着したことを確認するために使用される。いくつかの実現例では、ユーザプレーン402は、ウェブブラウジングコンテンツ、映像コンテンツ、画像コンテンツ、音声コンテンツ、ソーシャルメディアコンテンツなどを含むIPパケットなどのアプリケーションデータを移送するためのデータ移送サービスを提供するデータサービスレイヤも含んでもよい。
【0040】
コントロールプレーン404は、無線リソース制御レイヤ422(RRCレイヤ422)と、非アクセス層レイヤ424(NASレイヤ424)とを含む。RRCレイヤ422は、接続および無線ベアラを構築および解放したり、システム情報をブロードキャストしたり、電力制御を実行したりする。RRCレイヤ422は、3GPP LTEアクセスをサポートするが、非3GPP LTEアクセス(たとえば、Wi-Fi)をサポートしない。NASレイヤ424は、3GPP LTEアクセスおよび非3GPP LTEアクセスをサポートする。
【0041】
UE110では、ワイヤレスネットワークスタック400のユーザプレーン402およびコントロールプレーン404の両方のプレーンにおける各レイヤは、基地局120における対応するピアレイヤもしくはエンティティ、コアネットワークエンティティもしくは機能、および/または、リモートサービスと対話して、NR RAN141またはE-UTRAN142でのUE110のユーザアプリケーションおよび制御動作をサポートする
。
【0042】
方法の例
図5および
図6を参照して、方法500および600の例について説明する。方法ブロックが記載されている順序は、限定として解釈されることを意図しておらず、方法または代替方法を実現するために、記載されている方法ブロックをいくらでも任意の順序で組み合わせたり、省略したりすることができる。一般に、本明細書に記載されている構成要素、モジュール、方法および動作はいずれも、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア(たとえば、固定論理回路)、手動処理またはそれらの任意の組み合わせを使用して実現可能である。これらの方法の例のいくつかの動作は、コンピュータ処理システムにローカルおよび/またはリモートであるコンピュータ読取可能記憶メモリに格納された実行可能な命令の一般的文脈の中で説明されてもよく、実現例は、ソフトウェアアプリケーション、プログラム、機能などを含み得る。代替的にまたは加えて、本明細書に記載されている機能はいずれも、少なくとも一部が、1つ以上のハードウェアロジックコンポーネントによって実行可能であり、1つ以上のハードウェアロジックコンポーネントは、入力プログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準品(ASSP)、システムオンチップシステム(SoC)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)などであるが、それらに限定されるものではない。
【0043】
図5は、ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器に向けられた1つ以上の局面に係る、ユーザ機器によって実行される方法500の一例を示す図である。ユーザ機器は、セルアクセスマネージャ214のコードおよび命令を実行するプロセッサ210を介して方法を実行する
図1、
図2および
図3のUE110であってもよい。
【0044】
動作502において、ユーザ機器は、第1のワイヤレス通信セル(たとえば、ワイヤレス通信セル306)を選択する。ユーザ機器は、ユーザ機器の電源投入中に第1のワイヤレス通信セルの選択をトリガしてもよく、第1のワイヤレス通信セルは、電源投入中にユーザ機器が検出するそれぞれの基地局(たとえば、基地局121,123および122)によって提供される複数のワイヤレス通信セル(たとえば、ワイヤレス通信セル302,304および306)のうちの1つであってもよい。
【0045】
動作504において、ユーザ機器は、第1のワイヤレス通信セルを提供する第1の基地局から第1のSIBを受信する。第1の基地局は、たとえば物理ブロードキャストチャネル(PBCH)を使用して第1のSIBをアクティブにブロードキャストしてもよい。動作506において、ユーザ機器は、第1のSIBの入力に識別子(たとえば、第1の基地局に関連付けられたPLMN識別子)が存在しないことを判断する。場合によっては、この入力は、第1のワイヤレス通信セルに接続されたコアネットワークのタイプが第五世代コア(5GC)ネットワークであることを示すInfoListに対応してもよく、他の場合には、この入力は、第1のワイヤレス通信セルに接続されたコアネットワークのタイプがEPCネットワークであることを示す別のInfoList入力に対応してもよい。識別子が存在しないことの判断は、NASレイヤ424およびRRCレイヤ422に対応するセルアクセスマネージャ214に含まれるレイヤ内に含まれるコードをプロセッサ210が実行することを含んでもよい。さらに、動作506において、SIBは、システム情報ブロックタイプ1(SIB1)であってもよい。
【0046】
動作508において、第1のSIBの入力に識別子が存在しないと判断したことに応答して、ユーザ機器は、第2のワイヤレス通信セル(たとえば、ワイヤレス通信セル302)を選択して、第2のワイヤレス通信セルを提供する第2の基地局(たとえば、ワイヤレス通信セル302を提供する基地局121)から第2のSIBを受信する。
【0047】
方法500の一例は、さらなる動作を含むように拡張してもよく、さらなる動作は、(i)第2のシステム情報ブロックの入力に第2のPLMN識別子が存在することを確認する動作と、(ii)アタッチ要求メッセージを第2の基地局に送信して、ユーザ機器と第2の基地局との間の接続を開始する動作とを含む。一般に、ユーザ機器は、所望の基盤となるコアネットワークを有するワイヤレス通信セルが選択されたことを確認するまで、(第1および第2のワイヤレス通信セルを超えて)さらなるワイヤレス通信セルを「検索」し続けてもよい。
【0048】
方法500の一例は、基盤となるコアネットワークのタイプのさまざまな組み合わせを有する1つ以上のワイヤレス通信セルに適用されてもよい。第1の非限定的な例として、および方法500の一例の一部として、第1のワイヤレス通信セルは、基盤となる進化型パケットコア(EPC)ネットワークを有してもよく、第2のワイヤレス通信セルは、基盤となる第五世代コア(5GC)ネットワークを有してもよい。第2の非限定的な例として、第1のワイヤレス通信セルまたは第2のワイヤレス通信セルのいずれかが、基盤となる第六世代コア(6GC)ネットワークを有してもよい。
【0049】
図6は、ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器に向けられる1つ以上の局面に係る、ユーザ機器によって実行される方法600の一例を示す。ユーザ機器は、セルアクセスマネージャ214のコードおよび命令を実行するプロセッサ200を介して方法を実行する
図1、
図2および
図3のUE110であってもよい。
【0050】
動作602において、ユーザ機器は、第1のワイヤレス通信セル(たとえば、ワイヤレス通信セル306)を選択する。ユーザ機器は、ユーザ機器の電源投入中に第1のワイヤレス通信セルの選択をトリガしてもよく、第1のワイヤレス通信セルは、電源投入中にユーザ機器が検出するそれぞれの基地局(たとえば、基地局121,123および122)によって提供される複数のワイヤレス通信セル(たとえば、ワイヤレス通信セル302,304および306)のうちの1つであってもよい。
【0051】
動作604において、ユーザ機器は、第1のワイヤレス通信セルを提供する第1の基地局から第1のSIBを受信する。第1の基地局は、たとえば物理ブロードキャストチャネル(PBCH)を使用して第1のSIBをアクティブにブロードキャストしてもよい。動作606において、ユーザ機器は、SIBの入力に識別子(たとえば、第1の基地局に関連付けられたPLMN識別子)が存在することを判断する。場合によっては、この入力は、コアネットワークがEPCネットワークであることを示すInfoList入力に対応してもよい。SIBの入力に識別子が存在することを判断することは、NASレイヤ424およびRRCレイヤ422に対応するセルアクセスマネージャ214に含まれるコードをプロセッサ210が実行することを含んでもよい。さらに、動作606において、SIBは、システム情報ブロックタイプ1(SIB1)であってもよい。動作608において、SIBの入力に識別子が存在すると判断したことに応答して、ユーザ機器は、第1のワイヤレス通信セルへのアクセスを禁止する。
【0052】
方法600の一例は、さらなる動作を含むように拡張してもよく、さらなる動作は、(i)第2のワイヤレス通信セルを選択する動作と、(ii)第2のワイヤレス通信セルを提供する第2の基地局から第2のSIBを受信する動作とを含む。
【0053】
方法600の一例は、基盤となるコアネットワークのタイプのさまざまな組み合わせを有する1つ以上のワイヤレス通信セルに適用されてもよい。第1の非限定的な例として、および方法600の一例の一部として、第1のワイヤレス通信セルは、進化型パケットコア(EPC)ネットワークである基盤となるコアネットワークのタイプを有してもよく、第2のワイヤレス通信セルは、EPCネットワーク以外の基盤となるコアネットワークの
タイプを有してもよい。
【0054】
方法500および600の順列は、ワイヤレス通信セルの「切り替え」に向けられるユーザ機器によって実行される他の動作を向上させ得る。このような向上させた動作は、ユーザ機器が、ワイヤレス通信の効率または効果に影響を及ぼすワイヤレス通信状態を検出して、前のワイヤレス通信セルと同一タイプの基盤となるコアネットワークを有するワイヤレス通信セルを検索することを含んでもよい。さらに、方法500および600の動作が記載されている順序は、限定として解釈されることを意図しておらず、記載されている動作をいくらでも、ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器の一部として、任意の順序でまたはさらなる判断基準と組み合わせることができる。
【0055】
シグナリングおよび制御トランザクションの例
図7は、ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器のさまざまな局面に関連付けられた信号および制御トランザクションの一例を示す。ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器の複数のシナリオが可能であるが、
図7は、ユーザ機器110が電源投入して
図3のワイヤレス通信セル302などのワイヤレス通信セルを選択する文脈において示されている。シグナリングおよび制御トランザクションは、UE110のRRCレイヤ422とNASレイヤ424との間の情報のやりとりを含む。
【0056】
705において、NASレイヤ424(たとえば、NASレイヤ424を含むセルアクセスマネージャ214のコードを実行するプロセッサ120)は、基地局121によって提供されるワイヤレス通信セル302を選択する。710において、NASレイヤ424は、選択トリガ情報をRRCレイヤ422に送信する。715において、RRCレイヤ422は、基地局121からブロードキャストされるSIBを受信する。
【0057】
720において、RRCレイヤ422は、それがSIBから導き出す入力(たとえば、InfoList入力)をNASレイヤ424に送信する。725において、NASレイヤ424は、入力の内容に基づいて、ワイヤレス通信セル302の選択を確認する。725におけるワイヤレス通信セル302の選択の確認は、入力の中のデータ(たとえば、ワイヤレス通信セル302に関連付けられたPLMN識別子の有無)と、UE110の一部である加入者識別モジュール(SIM)またはコンピュータ読取可能記憶媒体(たとえば、CRM212)内に格納された他のデータ(たとえば、1つ以上のPLMN識別子のリスト)とを比較することを含んでもよい。730において、NASレイヤ424は、アタッチトリガ情報をRRCレイヤ422に送信する。次いで、735において、RRCレイヤ422は、アタッチ要求メッセージを基地局121に送信するようにUE110に指示する。
【0058】
図8は、ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器のさまざまな局面に関連付けられた信号および制御トランザクションの一例を示す。ワイヤレス通信セルにアクセスするユーザ機器の複数のシナリオが可能であるが、
図8は、UE110が
図3のワイヤレス通信セル306と304との間の選択を行っているワイヤレス通信セル選択プロセスをユーザ機器110が実行する文脈において示されている。シグナリングおよび制御トランザクションは、ユーザ機器110のRRCレイヤ422とNASレイヤ424との間の情報のやりとりを含む。
【0059】
805において、NASレイヤ424(たとえば、NASレイヤ424を含むセルアクセスマネージャ214のコードを実行するプロセッサ120)は、基地局124によって提供される第1のワイヤレス通信セル306を選択する。810において、NASレイヤ424は、選択トリガ情報をRRCレイヤ422に送信する。815において、RRCレイヤ422は、基地局124からブロードキャストされる第1のSIBを受信する。
【0060】
820において、RRCレイヤ422は、それが第1のSIBから導き出す第1の入力(たとえば、InfoList入力)をNASレイヤ424に送信する。825において、NASレイヤ424は、第1の入力の内容(ワイヤレス通信セル306がEPC160にはアクセスできるが、5GC150にはアクセスできないことを示す)に基づいて、第2のワイヤレス通信セル、たとえば基地局122によって提供されるワイヤレス通信セル304を選択することに決定する。825における第2のワイヤレス通信セル304を選択することに決定することは、第1の入力のデータ(たとえば、第1のワイヤレス通信セル306に関連付けられたPLMN識別子の有無)と、UE110の一部である加入者識別モジュール(SIM)またはコンピュータ読取可能記憶媒体(たとえば、CRM212)内に格納された他のデータ(たとえば、1つ以上のPLMN識別子のリスト)とを比較することを含んでもよい。
【0061】
830において、NASレイヤ424は、再選択トリガ情報をRRCレイヤ422に送信する。835において、RRCレイヤ422は、基地局122からブロードキャストされる第2のSIBを受信する。
【0062】
840において、RRCレイヤ422は、それが第2のSIBから導き出す第2の入力(たとえば、別のInfoList入力)をNASレイヤ424に送信する。845において、NASレイヤ424は、第2のワイヤレス通信セル304の選択を確認する。845における第2のワイヤレス通信セル304の選択の確認は、第2の入力のデータ(たとえば、第2のワイヤレス通信セル304に関連付けられたPLMN識別子の有無)と、UE110の一部である加入者識別モジュール(SIM)またはコンピュータ読取可能記憶媒体(たとえば、CRM212)内に格納された他のデータ(たとえば、1つ以上のPLMN識別子のリスト)とを比較することを含んでもよい。850において、NASレイヤ424は、アタッチトリガ情報をRRCレイヤ422に送信する。次いで、855において、RRCレイヤ422は、アタッチ要求メッセージを基地局122に送信するようにUE110に指示する。
【0063】
セルアクセス関連情報を使用したユーザ機器挙動の局面について、特徴および/または方法に特有の言い回しで説明してきたが、添付の特許請求の範囲の主題は、必ずしも記載されている特有の特徴または方法に限定されるものではない。むしろ、これらの特有の特徴および方法は、セルアクセス関連情報を使用したユーザ機器挙動の例示的な実現例として開示されており、他の等価の特徴および方法も添付の特許請求の範囲の範囲内であるように意図されている。さらに、さまざまな異なる局面が記載されており、各々の記載されている局面は独立してまたは1つ以上の他の記載されている局面に関連付けて実現可能であるということが理解される。
【0064】
例
例1
ユーザ機器によって実行される方法であって、
前記ユーザ機器が、第1のワイヤレス通信セルを選択するステップと、
前記第1のワイヤレス通信セルを提供する第1の基地局から第1のシステム情報ブロック(SIB)を受信するステップと、
前記第1のSIBの入力に識別子が存在しないことを判断するステップと、
前記第1のSIBの前記入力に前記識別子が存在しないと判断したことに応答して、
第2のワイヤレス通信セルを選択するステップと、
前記第2のワイヤレス通信セルを提供する第2の基地局から第2のSIBを受信するステップとを備える、方法。
【0065】
例2
前記識別子は、地上波公共移動通信ネットワーク(PLMN)識別子である、例1に記載の方法。
【0066】
例3
前記入力は、コアネットワークのタイプを示す、例2に記載の方法。
【0067】
例4
前記入力は、第五世代新無線(5G NR)ワイヤレス通信プロトコルに関連付けられたInfoList入力に対応し、前記コアネットワークのタイプが第五世代コア(5GC)ネットワークであることを示す、例3に記載の方法。
【0068】
例5
前記入力は、第三世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューション(3GPP LTE)ワイヤレス通信プロトコルに関連付けられたInfoList入力に対応し、前記コアネットワークのタイプが第五世代コア(5GC)ネットワークであることを示す、例3に記載の方法。
【0069】
例6
前記入力は、第三世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューション(3GPP LTE)ワイヤレス通信プロトコルに関連付けられたInfoList入力に対応し、前記コアネットワークのタイプが進化型パケットコア(EPC)ネットワークであることを示す、例3に記載の方法。
【0070】
例7
前記入力は、第六世代ワイヤレス通信プロトコルに関連付けられたInfoList入力に対応し、前記コアネットワークのタイプが6Gコア(6GC)ネットワークであることを示す、例3に記載の方法。
【0071】
例8
前記入力は、第五世代新無線(5G NR)ワイヤレス通信プロトコルに関連付けられたInfoList入力に対応し、前記コアネットワークのタイプが第六世代コア(6GC)ネットワークであることを示す、例3に記載の方法。
【0072】
例9
前記第1のワイヤレス通信セルは、3GPP LTEエアインターフェイスを使用してアクセス可能であり、第五世代コア(5GC)コアネットワークに接続される、例1に記載の方法。
【0073】
例10
前記SIBは、システム情報ブロックタイプ1(SIB1)である、例1に記載の方法。
【0074】
例11
ユーザ機器によって実行される方法であって、
前記ユーザ機器が、第1のワイヤレス通信セルを選択するステップと、
前記第1のワイヤレス通信セルを提供する第1の基地局から第1のシステム情報ブロック(SIB)を受信するステップと、
前記第1のSIBの入力に識別子が存在することを判断するステップと、
前記第1のSIBの前記入力に前記識別子が存在すると判断したことに応答して、前記
第1のワイヤレス通信セルへのアクセスを禁止するステップとを備える、方法。
【0075】
例12
前記識別子は、地上波公共移動通信ネットワーク(PLMN)識別子である、例11に記載の方法。
【0076】
例13
前記第1のSIBは、システム情報ブロックタイプ1(SIB1)である、例11に記載の方法。
【0077】
例14
前記第1のSIBの前記入力は、前記第1のワイヤレス通信セルによってサポートされ、前記第1の基地局が接続されるコアネットワークのタイプを示す、例13に記載の方法。
【0078】
例15
前記コアネットワークのタイプは、進化型パケットコア(EPC)ネットワークまたは第五世代コア(5GC)ネットワークである、例14に記載の方法。
【0079】
例16
前記コアネットワークのタイプは、第六世代コア(6GC)ネットワークである、例14に記載の方法。
【0080】
例17
前記ユーザ機器が前記第1のワイヤレス通信セルにアクセスすることを禁止したことに応答して、
第2のワイヤレス通信セルを選択するステップと、
前記第2のワイヤレス通信セルを提供する第2の基地局から第2のSIBを受信するステップとをさらに備える、例11に記載の方法。
【0081】
例18
前記第2の基地局が接続されるコアネットワークのタイプは、進化型パケットコア(EPC)ネットワーク以外である、例17に記載の方法。
【0082】
例19
ユーザ機器であって、
プロセッサと、
セルアクセスマネージャアプリケーションを有するコンピュータ読取可能記憶媒体とを備え、前記セルアクセスマネージャアプリケーションは、命令を備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記ユーザ機器に、
前記ユーザ機器が第1のワイヤレス通信セルを選択するように指示し、
前記第1のワイヤレス通信セルを提供する第1の基地局から第1のシステム情報ブロック(SIB)を受信するように指示し、
前記第1のSIBの入力に識別子が存在しないことを判断するように指示し、
前記第1のSIBの前記入力に前記識別子が存在しないと判断したことに応答して、
第2のワイヤレス通信セルを選択するように指示し、
前記第2のワイヤレス通信セルを提供する第2の基地局から第2のSIBを受信するように指示する、ユーザ機器。
【0083】
例20
前記命令は、非アクセス層(NAS)レイヤおよび無線リソース制御(RRC)レイヤに含まれる、例19に記載のユーザ機器。