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特許7557579制御システム、制御装置、管理装置、制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】制御システム、制御装置、管理装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/445 20180101AFI20240919BHJP
【FI】
G06F9/445
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023114751
(22)【出願日】2023-07-12
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】509064417
【氏名又は名称】株式会社NTTデータMSE
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 稔
(72)【発明者】
【氏名】宮川 輝征
【審査官】久々宇 篤志
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-118848(JP,A)
【文献】特開2004-238941(JP,A)
【文献】特開2010-128639(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0038342(US,A1)
【文献】特開2019-148928(JP,A)
【文献】特開2021-197178(JP,A)
【文献】特開2013-156790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/445
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得部と、
制御装置の識別情報を取得する制御識別情報取得部と、
ハードウェアの識別情報を取得するハードウェア識別情報取得部と、
前記ユーザの識別情報と、前記制御装置の識別情報と、前記ハードウェアの識別情報と、に基づいて、前記ハードウェアをアクティベーションするアクティベーション部と、
アプリケーションリストを取得するアプリケーションリスト取得部と、
前記アクティベーションされたことに基づいて、前記ユーザの識別情報に対応する設定情報と、前記ユーザの識別情報に対応する制約情報と、前記アプリケーションリストに対応するアプリケーションデータと、を取得する設定情報取得部と、
前記設定情報と、前記制約情報と、前記アプリケーションリストに対応するアプリケーションごとの実行有無、実行可能な機能の範囲または実行不可能な機能の範囲の少なくともいずれかと、に基づいて、前記ハードウェアを制御するハードウェア制御部と、
を備える制御システム。
【請求項2】
前記ハードウェア制御部は、前記ハードウェアにおける表示態様の変更、前記アプリケーションの機能制限、前記ハードウェアにおける駆動部、前記ハードウェアにおいて実行されるアプリケーションのうちの少なくともいずれかを制御する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記ハードウェアにおける前記駆動部の制御は、前記ハードウェアが備える駆動部の出力を制御することである、
請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
ユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得部と、
制御装置の識別情報を取得する制御識別情報取得部と、
ハードウェアの識別情報を取得するハードウェア識別情報取得部と、
アプリケーションリストを取得するアプリケーションリスト取得部と、
前記ユーザの識別情報と、前記制御装置の識別情報と、前記ハードウェアの識別情報と、に基づいて、前記ハードウェアがアクティベーションされたことに基づいて、前記ユーザの識別情報に対応する設定情報と、前記ユーザの識別情報に対応する制約情報と、前記アプリケーションリストに対応するアプリケーションデータと、を取得する設定情報取得部と、
前記設定情報と、前記制約情報と、前記アプリケーションリストに対応するアプリケーションごとの実行有無、実行可能な機能の範囲または実行不可能な機能の範囲の少なくともいずれかと、に基づいて、前記ハードウェアを制御するハードウェア制御部と、
を備える制御装置。
【請求項5】
ユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得部と、
制御装置の識別情報を取得する制御識別情報取得部と、
ハードウェアの識別情報を取得するハードウェア識別情報取得部と、
前記ユーザの識別情報と、前記制御装置の識別情報と、前記ハードウェアの識別情報と、に基づいて、前記ハードウェアをアクティベーションするアクティベーション部と、
アプリケーションリストを取得するアプリケーションリスト取得部と、
前記アクティベーションされたことに基づいて、前記ユーザの識別情報に対応する設定情報と、前記ユーザの識別情報に対応する制約情報と、前記アプリケーションリストに対応するアプリケーションごとの実行有無、実行可能な機能の範囲または実行不可能な機能の範囲の少なくともいずれかと、に基づく、前記ハードウェアの操作ログと取得するログ情報取得部と、
を備える管理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する制御方法であって、
ユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得過程と、
制御装置の識別情報を取得する制御識別情報取得過程と、
ハードウェアの識別情報を取得するハードウェア識別情報取得過程と、
前記ユーザの識別情報と、前記制御装置の識別情報と、前記ハードウェアの識別情報と、に基づいて、前記ハードウェアをアクティベーションするアクティベーション過程と、
アプリケーションリストを取得するアプリケーションリスト取得過程と、
前記ユーザの識別情報に対応する設定情報と、前記ユーザの識別情報に対応する制約情報と、前記アプリケーションリストに対応するアプリケーションデータと、を取得する設定情報取得過程と、
前記設定情報と、前記制約情報と、前記アプリケーションリストに対応するアプリケーションごとの実行有無、実行可能な機能の範囲または実行不可能な機能の範囲の少なくともいずれかと、に基づいて、前記ハードウェアを制御するハードウェア制御過程と、
を有する制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
ユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得ステップと、
制御装置の識別情報を取得する制御識別情報取得ステップと、
ハードウェアの識別情報を取得するハードウェア識別情報取得ステップと、
前記ユーザの識別情報と、前記制御装置の識別情報と、前記ハードウェアの識別情報と、に基づいて、前記ハードウェアをアクティベーションするアクティベーションステップと、
アプリケーションリストを取得するアプリケーションリスト取得ステップと、
前記ユーザの識別情報に対応する設定情報と、前記ユーザの識別情報に対応する制約情報と、前記アプリケーションリストに対応するアプリケーションデータと、を取得する設定情報取得ステップと、
前記設定情報と、前記制約情報と、前記アプリケーションリストに対応するアプリケーションごとの実行有無、実行可能な機能の範囲または実行不可能な機能の範囲の少なくともいずれかと、に基づいて、前記ハードウェアを制御するハードウェア制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、制御装置、管理装置、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カーシェアなどのように、ハードウェアを複数のユーザで共有するサービスがある。このような中で、ユーザがハードウェアを利用する際に、ユーザに適した設定がなされることが望まれている。
例えば、特許文献1には、利用者に車両情報を提供する表示手段と、表示手段における車両情報の少なくとも表示に関する仕様の各種設定内容を利用者の好みに応じて少なくとも登録するカスタマイズモードを有する制御手段と、カスタマイズモードによる各種設定内容を設定する入力手段と、入力手段によって設定された各種設定内容を記憶するための記憶手段と、を備える車両用表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-14659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、ユーザに応じて表示装置の表示態様を変更することはできても、ユーザに適した機能を選択することができなかった。また、特許文献1に記載の技術は、ハードウェアを共有する場合におけるセキュリティが十分でなかった。
このように、ハードウェアを共有する場合におけるセキュリティおよびユーザの利便性が十分でないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、ハードウェアを共有する場合におけるセキュリティおよびユーザの利便性を向上させることができる制御システム、制御装置、制御方法、およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、制御システムであって、ユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得部と、制御装置の識別情報を取得する制御識別情報取得部と、ハードウェアの識別情報を取得するハードウェア識別情報取得部と、前記ユーザの識別情報と、前記制御装置の識別情報と、前記ハードウェアの識別情報と、に基づいて、前記ハードウェアをアクティベーションするアクティベーション部と、前記アクティベーションされたことに基づいて、前記ユーザの識別情報に対応する設定情報と、前記ユーザの識別情報に対応する制約情報とを取得する設定情報取得部と、前記設定情報と、前記制約情報に基づいて、前記ハードウェアを制御するハードウェア制御部と、を備える制御システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、制御装置であって、ユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得部と、制御装置の識別情報を取得する制御識別情報取得部と、ハードウェアの識別情報を取得するハードウェア識別情報取得部と、前記ユーザの識別情報と、前記制御装置の識別情報と、前記ハードウェアの識別情報と、に基づいて、前記ハードウェアがアクティベーションされたことに基づいて、前記ユーザの識別情報に対応する設定情報と、前記ユーザの識別情報に対応する制約情報とを取得する設定情報取得部と、前記設定情報と、前記制約情報とに基づいて、前記ハードウェアを制御するハードウェア制御部と、を備える制御装置である。
【0008】
また、本発明の一態様は、管理装置であって、ユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得部と、制御装置の識別情報を取得する制御識別情報取得部と、ハードウェアの識別情報を取得するハードウェア識別情報取得部と、前記ユーザの識別情報と、前記制御装置の識別情報と、前記ハードウェアの識別情報と、に基づいて、前記ハードウェアをアクティベーションするアクティベーション部と、前記アクティベーションされたことに基づいて、前記ユーザの識別情報に対応する設定情報と、前記ユーザの識別情報に対応する制約情報とに基づく、前記ハードウェアの操作ログと取得するログ情報取得部と、を備える管理装置である。
【0009】
また、本発明の一態様は、コンピュータが実行する制御方法であって、ユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得過程と、制御装置の識別情報を取得する制御識別情報取得過程と、ハードウェアの識別情報を取得するハードウェア識別情報取得過程と、前記ユーザの識別情報と、前記制御装置の識別情報と、前記ハードウェアの識別情報と、に基づいて、前記ハードウェアをアクティベーションするアクティベーション過程と、前記ユーザの識別情報に対応する設定情報と、前記ユーザの識別情報に対応する制約情報とを取得する設定情報取得過程と、前記設定情報と、前記制約情報とに基づいて、前記ハードウェアを制御するハードウェア制御過程と、を有する制御方法である。
【0010】
また、本発明の一態様は、プログラムであって、コンピュータに、ユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得ステップと、制御装置の識別情報を取得する制御識別情報取得ステップと、ハードウェアの識別情報を取得するハードウェア識別情報取得ステップと、前記ユーザの識別情報と、前記制御装置の識別情報と、前記ハードウェアの識別情報と、に基づいて、前記ハードウェアをアクティベーションするアクティベーションステップと、前記ユーザの識別情報に対応する設定情報と、前記ユーザの識別情報に対応する制約情報とを取得する設定情報取得ステップと、前記設定情報と、前記制約情報とに基づいて、前記ハードウェアを制御するハードウェア制御ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ハードウェアを共有する場合におけるセキュリティおよびユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る制御システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
図2】本実施形態に係る制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る管理サーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係るシェアリングボディの構成の一例を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係る制御システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6】本実施形態に係る制御システムにおける制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態]
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<制御システムの構成>
まず、制御システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る制御システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
制御システムSYSは、ユーザの識別情報を取得し、制御装置の識別情報を取得し、ハードウェアの識別情報を取得し、ユーザ識別情報と、制御装置の識別情報と、ハードウェア識別情報と、に基づいて、ハードウェアをアクティベーションするシステムである。また、制御システムSYSは、アクティベーションされたことに基づいて、ユーザ識別情報に対応する設定情報と、ユーザ識別情報に対応する制約情報とを取得し、設定情報と、制約情報とに基づいて、ハードウェアにおける出力を制御する制御システムである。
【0014】
より詳細に制御システムSYSについて説明する。
制御システムSYSは、ユーザの識別情報を取得する。ユーザの識別情報は、例えば、運転免許証、マイナンバーカード、交通系ICカードなどのICカードや、アプリケーションに紐づけられた個人情報などに含まれるユーザの識別情報である。
【0015】
なお、ユーザの識別情報は、ユーザの虹彩、指紋、静脈、顔などのユーザの生体情報であってもよいし、電話番号、メールアドレス、SNS、他サービスログイン情報などを用いてもよいし、所定規則に従って生成される文字列やコードなどであってもよい。
【0016】
制御システムSYSは、制御装置の識別情報を取得する。制御装置の識別情報は、例えば、製造番号、個体識別番号などの制御装置に固有の識別情報である。
【0017】
なお、制御装置の識別情報は、制御装置に固有の識別情報であれば、所定規則によって生成された文字列やコードであってもよい。また、制御装置の識別情報は、制御装置で実行される各種アプリケーションの識別情報であってもよい。
【0018】
制御システムSYSは、ハードウェアの識別情報を取得する。ハードウェアは、複数ユーザで共有する車両、工作機械、医療機器などである。車両には、電動自転車、小型自動車、二輪自動車、四輪自動車などが含まれる。また、ハードウェアには、車両の内部に配置される音響装置、表示装置、空調装置などのハードウェアも含まれる。ハードウェアの識別情報は、ハードウェアを識別する識別情報である。制御システムSYSは、ハードウェアの制御アプリケーションリストを取得する。ハードウェアの制御アプリケーションは、ハードウェアを制御するために用いられるアプリケーションである。制御アプリケーションは、例えば、表示装置の入力および出力を制御するアプリケーションや、音響装置の入力および出力を制御するアプリケーションや、ハードウェアに備えられる駆動部の出力を制御するアプリケーションなどである。
【0019】
制御システムSYSは、ユーザの識別情報、制御装置の識別情報、ハードウェアの識別情報をペアリング情報として、当該ペアリング情報が事前登録されていればハードウェアをアクティベーションする。一方、制御システムSYSは、ペアリング情報が事前登録されていなければハードウェアをアクティベーションしない、またはディアクティベーションする。
【0020】
なお、ハードウェアをアクティベーションするか否かは、ユーザの識別情報と、制御装置の識別情報と、ハードウェアの識別情報との登録状況に応じてハードウェアの利用できる機能や範囲を予め設定しておき、当該設定と、ユーザ情報、制御装置の識別情報、ハードウェアの識別情報の登録状況に応じて段階的にアクティベーションする段階的なアクティベーションであってもよい。
【0021】
また、制御システムSYSは、アクティベーションされたことに基づいて、ユーザの識別情報に対応する設定情報と、ユーザの識別情報に対応する制約情報とを取得し、設定情報と、制約情報とに基づいて、ハードウェアを制御する。設定情報は、ハードウェアの表示部における表示態様に関する各種設定、ハードウェアにおいて使用可能に制御する各種設定、ハードウェアにおける各種設定などの情報である。制約情報は、ユーザごとの設定に関連する制約の情報である。
【0022】
より具体的に制御システムSYSについて説明する。
【0023】
制御システムSYSは、制御装置100と、管理サーバ装置200と、シェアリングボディ300と、を含んで構成される。制御装置100と、管理サーバ装置200とは、優先または無線通信可能に、ネットワークを介して接続される。制御装置100と、シェアリングボディ300とは、有線または無線により通信可能に直接接続される。シェアリングボディ300は、複数ユーザで共有するハードウェアである。本実施形態では、一例として、シェアリングボディ300が車両である場合について説明する。
【0024】
制御装置100は、例えば、ICカードリーダなどによりICカードからユーザの識別情報を取得する。制御装置100は、例えば、記憶部に記憶された自装置の識別情報あるいは生成した自装置の識別情報を取得する。制御装置100は、自装置に接続されたハードウェアからハードウェアの識別情報を取得する。制御装置100は、ユーザの識別情報と、制御装置の識別情報と、ハードウェアの識別情報と、をペアリング情報として、管理サーバ装置200に送信し、事前登録済みであるか否かを照会する。制御装置100は、照会結果に基づいて、ペアリング情報が事前登録済みであればハードウェアの利用をアクティベーションする。一方、制御装置100は、照会結果に基づいて、ユーザの識別情報と、制御装置の識別情報と、ハードウェアの識別情報と、のいずれか、または全部が事前登録済出ない場合にはハードウェアの利用をアクティベーションしない。制御装置100は、ハードウェアの利用をアクティベーションすると、ネットワークを介して管理サーバ装置200から、設定情報、プロファイル情報を取得し、ユーザの識別情報に対応する制御アプリケーションリストに基づいて制御アプリケーションを取得する。
【0025】
ここで、設定情報およびプロファイル情報は、いずれもユーザの識別情報に対応する情報である。また、プロファイル情報は、制約情報のことである。例えば、プロファイル情報は、ユーザの運転履歴に基づく、速度上限の設定、機能やアプリケーションの利用制限設定などの情報である。また、制御アプリケーションは、制御アプリケーションリストに対応する各種アプリケーションである。
【0026】
なお、制御アプリケーションリストに基づく制御アプリケーションの取得は、制御アプリケーションを管理装置などからダウンロードすることであってもよいし、プリインストールまたは事前ダウンロードされた制御アプリケーションに対する実行の有無の権限の取得であってもよいし、制御アプリケーションで実行可能な機能の範囲を設定する権限の取得であってもよいし、制御アプリケーションで実行不可能な機能の範囲を設定する権限の取得などであってもよい。
【0027】
制御装置100は、設定情報、制約情報、制御アプリケーションに基づいて、ハードウェアを制御する。ハードウェアの制御は、ハードウェアにおける表示、ハードウェアが備える駆動部、ハードウェアにおいて利用可能な機能、表示装置などにおいて実行されるアプリケーションの制御などである。
制御装置100は、アクティベーションしたハードウェアやソフトウェア(実行されるアプリケーション)のそれぞれについて、ユーザの利用ログを記憶し、利用ログをログ情報として管理サーバ装置200に送信する。
【0028】
管理サーバ装置200は、ペアリング情報を記憶する。ペアリング情報は、ユーザによって事前登録される。ペアリング情報は、例えば、ユーザがシェアカーを予約することで、予約したユーザの識別情報と、予約に用いたあるいはユーザが選択した制御装置の識別情報と、予約したシェアカーの識別情報とがペアリング情報として事前登録される。
【0029】
管理サーバ装置200は、制御装置100からペアリング情報の照会依頼を受け付けると、照会依頼に含まれるペアリング情報が、自装置に事前登録されているか否かを確認する。管理サーバ装置200は、ペアリング情報が自装置に事前登録されている場合、事前登録済みであることを示す照会結果を制御装置100に送信する。また、管理サーバ装置200は、自装置が管理する、照会依頼に含まれるペアリング情報に対応する設定情報、プロファイル情報、制御アプリケーションを制御装置100に送信する。一方、管理サーバ装置200は、ペアリング情報が自装置に事前登録されていない場合、事前登録済みでないことを示す照会結果を制御装置100に送信する。管理サーバ装置200は、制御装置100からログ情報を受信すると、当該ログ情報に基づいてプロファイル情報を更新し、更新したプロファイル情報を記憶する。
【0030】
シェアリングボディ300は、複数ユーザで共有するハードウェアである。シェアリングボディ300は、計器を表示する表示装置、地図などを表示する表示装置、空調設備(空調機器)、音響装置などの各種ハードウェアを含み、また、モータ、エンジンなどの駆動部などを備える。なお、駆動部には、ステアリングの位置や座席シート位置やミラー位置や角度を調整するために駆動させる各種モータなども含まれる。シェアリングボディ300は、表示装置による表示、駆動部による駆動などのシェアリングボディ300の入出力が制御装置100の制御によって制御される。
【0031】
このように、制御システムSYSは、ユーザの識別情報を取得し、制御装置の識別情報を取得し、ハードウェアの識別情報を取得し、制御アプリケーションリストを取得し、ユーザ識別情報と、制御装置の識別情報と、ハードウェア識別情報と、に基づいて、ハードウェアをアクティベーションし、ユーザ識別情報に対応する設定情報と、ユーザ識別情報に対応する制約情報と、制御アプリケーションリストに対応する制御アプリケーションに基づいて、ハードウェアを制御する。
【0032】
このようにすることで、制御システムSYSは、ハードウェアを共有する場合におけるセキュリティおよびユーザの利便性を向上させることができる。
【0033】
次いで、制御装置100の構成について説明する。
【0034】
<制御装置100の構成>
図2は、本実施形態に係る制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、制御装置100は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、制御部15と、を含んで構成される。
通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、制御部15とは、バスを介して相互に接続される。
【0035】
<通信部11>
通信部11は、サーバ通信部111と、ボディ通信部112と、を含んで構成される。
【0036】
<サーバ通信部111>
サーバ通信部111は、ネットワークを介して管理サーバ装置200と通信する機能を有する。サーバ通信部111は、ネットワークを介して管理サーバ装置200から受信した各種情報を制御部15に出力する。また、サーバ通信部111は、制御部15から入力される各種情報を、ネットワークを介して管理サーバ装置200に送信する。
【0037】
<ボディ通信部112>
ボディ通信部112は、シェアリングボディ300と通信する機能を有する。ボディ通信部112は、シェアリングボディ300から受信した各種情報を制御部15に出力する。また、ボディ通信部112は、制御部15から入力される情報を、シェアリングボディ300に送信する。
【0038】
<記憶部12>
記憶部12は、各種データ、アプリケーション、プログラムを記憶する機能を有する。
また、記憶部12は、設定情報121と、ログ情報122と、を一時記憶する。
【0039】
<設定情報121>
設定情報121は、ユーザの識別情報ごとの設定情報や、ユーザ識別情報ごとのプロファイル情報や、制御アプリケーションリストに対応する制御アプリケーションデータである。
【0040】
<ログ情報122>
ログ情報122は、ユーザの識別情報ごとのハードウェアの利用ログの情報である。利用ログは、例えば、車両における、最高速度、最低速度、平均速度、急減速回数、急加速回数、方向指示器の操作タイミング、ステアリングの操作ログなどの運転履歴の情報、表示装置や音響装置などのオーディオ機器の利用履歴、空調機器の利用履歴など、各種ハードウェアの利用履歴である。
【0041】
<入力部13>
入力部13は、入力を受け付ける機能を有する。入力部13は、例えば、制御装置100がハードウェアとして備えるマウス、キーボード、タッチパネル、マイク、カメラなどの入力装置によってユーザが入力した情報を受け付ける。入力部13は、入力に応じた信号を制御部15に出力する。
【0042】
<出力部14>
出力部14は、各種情報を出力する機能を有する。出力部14は、例えば、制御装置100がハードウェアとして備えるディスプレイなどの表示装置、スピーカなどの音声出力装置によって実現される。出力部14は、制御部15による制御によって、例えば画像や音声などを出力する。
【0043】
<制御部15>
制御部15は、制御装置100の動作全般を制御する機能を有する。制御部15は、例えば、制御装置100がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)に、記憶部12が記憶するプログラムを実行させることによって実現される。
【0044】
より詳細に制御部15の処理について説明する。
制御部15は、制御アプリケーションリスト取得部150と、識別情報取得部151と、ボディ識別情報取得部152と、ペアリング情報認証部153と、アクティベーション部154と、設定情報取得部155と、制約情報取得部156と、ボディ制御部157と、ログ情報生成部158と、を含んで構成される。
【0045】
<制御アプリケーションリスト取得部150>
制御アプリケーションリスト取得部150は、アクティベーション部154からユーザの識別情報が入力されると、ユーザから制御アプリケーションリストの入力を受け付ける。制御アプリケーションリスト取得部150は、取得した制御アプリケーションリストを通信部11およびネットワークを介して管理サーバ装置200に出力する。
【0046】
<識別情報取得部151>
識別情報取得部151は、ユーザの識別情報を取得する。具体的には、識別情報取得部151は、ICカードリーダを備え、ユーザのICカードから識別情報を取得する。識別情報取得部151は、取得したユーザの識別情報を、ペアリング情報認証部153に出力する。
また、識別情報取得部151は、自装置の識別情報を取得する。具体的には、識別情報取得部151は、記憶部12に記憶された自装置の識別情報を取得する。識別情報取得部151は、取得した制御装置100の識別情報を、ペアリング情報認証部153に出力する。
【0047】
<ボディ識別情報取得部152>
ボディ識別情報取得部152は、ボディ通信部112を介して自装置に接続されたシェアリングボディ300から、シェアリングボディ300の識別情報を取得する。ボディ識別情報取得部152は、取得したシェアリングボディ300の識別情報を、ペアリング情報認証部153に出力する。ここで、シェアリングボディ300の識別情報には、車体識別番号等の識別情報の他に、シェアリングボディ300と接続される入力装置や手中力装置などのハードウェアの識別情報が含まれる。
【0048】
<ペアリング情報認証部153>
ペアリング情報認証部153は、ユーザの識別情報と、制御装置100の識別情報と、シェアリングボディ300の識別情報と、が入力されると、ユーザの識別情報と、制御装置100の識別情報と、シェアリングボディ300の識別情報と、をペアリング情報として、当該ペアリング情報を含むペアリング情報の照会依頼を生成する。ペアリング情報認証部153は、生成した照会依頼を、サーバ通信部111およびネットワークを介して管理サーバ装置200に送信する。ペアリング情報認証部153は、照会依頼に対する照会結果を、ネットワークおよびサーバ通信部111を介して管理サーバ装置200から取得する。ペアリング情報認証部153は、取得した照会結果を、アクティベーション部154に出力する。
【0049】
<アクティベーション部154>
アクティベーション部154は、照会結果に基づいてシェアリングボディ300を利用可能に設定する。具体的には、アクティベーション部154は、ペアリング情報が事前登録済であることを示す照会結果である場合、シェアリングボディ300を利用可能に設定する。また、アクティベーション部154は、照会結果に含まれるペアリング情報に基づいて、ペアリング情報に含まれるユーザの識別情報を制御アプリケーションリスト取得部150、設定情報取得部155、および制約情報取得部156に出力する。一方、アクティベーション部154は、ペアリング情報が事前登録済でないことを示す照会結果である場合、シェアリングボディ300を利用可能に設定せず、すなわち、利用不可能に設定し、認証エラーであることを示すメッセージを生成して出力部14に出力させる。
【0050】
<設定情報取得部155>
設定情報取得部155は、アクティベーション部154からユーザの識別情報が入力されると、ユーザの識別情報に対応する設定情報を、ネットワークを介して管理サーバ装置200から取得する。また、設定情報取得部155は、制御アプリケーションリストに対応する制御アプリケーションデータを、ネットワークを介して管理サーバ装置200から取得する。設定情報取得部155は、取得した設定情報および制御アプリケーションデータをボディ制御部157に出力する。
【0051】
<制約情報取得部156>
制約情報取得部156は、アクティベーション部154からユーザの識別情報が入力されると、サーバ通信部111およびネットワークを介して管理サーバ装置200からプロファイル情報を、制約情報として取得する。制約情報取得部156は、取得した制約情報を、ボディ制御部157に出力する。
【0052】
<ボディ制御部157>
ボディ制御部157は、入力された設定情報、制御アプリケーションデータ及び制約情報に応じてシェアリングボディ300における機能、入出力態様、駆動部による駆動を制御する。具体的には、ボディ制御部157は、制御アプリケーションを実行し、設定情報、制約情報に基づいて機能、入出力態様、駆動部による駆動など、各種ハードウェアを制御する。シェアリングボディ300における機能は、例えば、計器表示アプリケーション、オーディオなどのエンタテインメントアプリケーション、ナビゲーションアプリケーション、空調制御アプリケーションなどである。なお、機能の制御には、機能を有効にするか無効にするかなどの制御も含まれる。
【0053】
<ログ情報生成部158>
ログ情報生成部158は、シェアリングボディ300の利用ログを、ボディ制御部157から取得する。ログ情報生成部158は、取得した利用ログと、ユーザの識別情報とを対応付けたログ情報を生成する。ログ情報生成部158は、生成したログ情報を、記憶部12に一時記憶させる。ログ情報生成部158は、例えばユーザによるシェアリングボディ300の利用終了時に、記憶部12からログ情報122を取得する。ログ情報生成部158は、ログ情報122を、サーバ通信部111およびネットワークを介して管理サーバ装置200に送信する。
【0054】
次いで、管理サーバ装置200の構成について説明する。
【0055】
<管理サーバ装置200の構成>
図3は、本実施形態に係る管理サーバ装置200の構成の一例を示すブロック図である。
管理サーバ装置200は、通信部21と、記憶部22と、入力部23と、出力部24と、制御部25と、を含んで構成される。
【0056】
<通信部21>
通信部21は、ネットワークを介して制御装置100と通信する機能を有する。通信部21は、ネットワークを介して制御装置100から受信した各種情報を、制御部25に出力する、また、通信部21は、制御部25から入力される各種情報を、ネットワークを介して制御装置100に送信する。
【0057】
<記憶部22>
記憶部22は、各種データ、制御アプリケーションデータ、プログラムを記憶する機能を有する。
また、記憶部22は、ペアリング情報221と、プロファイル情報222と、を記憶する。
【0058】
<ペアリング情報221>
ペアリング情報221は、ユーザの識別情報と、制御装置の識別情報と、シェアリングボディ等の識別情報と、が対応付けられた情報である。
【0059】
<プロファイル情報222>
プロファイル情報222は、ユーザの識別情報ごとの、ユーザの運転履歴に基づく、速度上限の設定、機能やアプリケーションの利用制限設定などの情報である。また、プロファイル情報222には、ユーザの識別情報ごとの設定情報も含まれる。
【0060】
<入力部23>
入力部23は、入力を受け付ける機能を有する。入力部23は、例えば、管理サーバ装置200がハードウェアとして備えるマウス、キーボード、タッチパネルなどの入力装置によってユーザが入力した情報を受け付ける。入力部23は、入力に応じた信号を制御部25に出力する。
【0061】
<出力部24>
出力部24は、各種情報を出力する機能を有する。出力部24は、例えば、管理サーバ装置200がハードウェアとして備えるディスプレイなどの表示装置、スピーカなどの音声出力装置によって実現される。出力部24は、制御部25による制御によって、例えば画像や音声などを出力する。
【0062】
<制御部25>
制御部25は、管理サーバ装置200の動作全般を制御する機能を有する。制御部25は、例えば、管理サーバ装置200がハードウェアとして備えるCPUに、記憶部22が記憶するプログラムを実行させることによって実現される。
【0063】
より詳細に制御部25の処理について説明する。
制御部25は、照会依頼取得部251と、ペアリング情報認証部252と、プロファイル情報特定部253と、ログ情報取得部254と、プロファイル情報更新部255と、を含んで構成される。
【0064】
<照会依頼取得部251>
照会依頼取得部251は、通信部21およびネットワークを介して、制御装置100からペアリング情報の照会依頼を取得する。当該ペアリング情報の照会依頼には、照会対象のペアリング情報が含まれる。照会依頼取得部251は、取得したペアリング情報の照会依頼を、ペアリング情報認証部252に出力する。
【0065】
<ペアリング情報認証部252>
ペアリング情報認証部252は、ペアリング情報の照会依頼が入力されると、ペアリング情報の照会依頼に含まれるペアリング情報が記憶部22に記憶されているか否かを判定する。ペアリング情報認証部252は、ペアリング情報の照会依頼に含まれるペアリング情報が記憶部22に記憶されている場合には、事前登録済であること、すなわちアクティベーションすることを示す照会結果を、通信部21及びネットワークを介して制御装置100に送信する。また、ペアリング情報認証部252は、ペアリング情報の照会依頼に含まれるペアリング情報を、プロファイル情報特定部253に出力する。
一方、ペアリング情報認証部252は、ペアリング情報の照会依頼に含まれるペアリング情報が記憶部22に記憶されていない場合には、事前登録済でないこと、すなわちアクティベーションしないことを示す照会結果を、通信部21及びネットワークを介して制御装置100に送信する。
【0066】
<プロファイル情報特定部253>
プロファイル情報特定部253は、ペアリング情報が入力されると、ペアリング情報に含まれるユーザの識別情報に対応するプロファイル情報、設定情報を、記憶部22が記憶するプロファイル情報の中から特定する。プロファイル情報特定部253は、特定したプロファイル情報、設定情報を、通信部21およびネットワークを介して制御装置100に送信する。また、プロファイル情報特定部253は、制御アプリケーションリストを制御装置100から取得すると、制御アプリケーションリストに対応する制御アプリケーションデータを記憶部22がから取得する。プロファイル情報特定部253は、制御アプリケーションデータを、通信部21およびネットワークを介して制御装置100に送信する。
【0067】
<ログ情報取得部254>
ログ情報取得部254は、ネットワークおよび通信部21を介してログ情報を取得する。ログ情報取得部254は、取得したログ情報をプロファイル情報更新部255に出力する。
【0068】
<プロファイル情報更新部255>
プロファイル情報更新部255は、ログ情報が入力されると、ログ情報に含まれるユーザの識別情報に対応するプロファイル情報を記憶部22から取得する。プロファイル情報更新部255は、ログ情報と、プロファイル情報とに基づいて、プロファイル情報を更新する。プロファイル情報更新部255は、更新したプロファイル情報を記憶部22に記憶させる。
【0069】
次いで、シェアリングボディについて説明する。
【0070】
<シェアリングボディ300の構成>
図4は、本実施形態に係るシェアリングボディ300の構成の一例を示すブロック図である。
シェアリングボディ300は、通信部31と、記憶部32と、入力部33と、出力部34と、制御部35と、駆動部36と、を含んで構成される。
【0071】
<通信部31>
通信部31は、制御装置100と通信する機能を有する。
<記憶部32>
記憶部32は、各種データ、アプリケーション、プログラムを記憶する機能を有する。記憶部32は、ボディ情報を記憶する。ボディ情報は、シェアリングボディ300の識別情報である。
【0072】
<入力部33>
入力部33は、入力を受け付ける機能を有する。入力部33は、例えば、シェアリングボディ300がハードウェアとして備える操作ボタンなどの入力装置によってユーザが入力した情報を受け付ける。入力部33は、入力に応じた信号を制御部35に出力する。
【0073】
<出力部34>
出力部34は、各種情報を出力する機能を有する。出力部34は、例えば、シェアリングボディ300がハードウェアとして備えるディスプレイなどの表示装置、スピーカなどの音声出力装置によって実現される。出力部34は、制御部35による制御によって、例えば画像や音声などを出力する。
【0074】
<制御部35>
制御部35は、シェアリングボディ300の動作全般を制御する機能を有する。制御部35は、例えば、シェアリングボディ300がハードウェアとして備えるCPUに、記憶部32が記憶するプログラムを実行させることによって実現される。
制御部35は、制御装置100からの要求に応じて記憶部32が記憶するボディ情報321を、通信部31を介して制御装置100に送信する。
【0075】
<駆動部36>
駆動部36は、制御部35による制御により駆動する機能を有する。駆動部36は、例えば、エンジン、モータなどの車両として駆動する。
【0076】
次いで、制御システムの情報の流れについて説明する。
【0077】
<シーケンス図>
図5は、本実施形態に係る制御システムSYSの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
ステップST101において、制御装置100は、ユーザのICカードからユーザの識別情報を取得する。また、制御装置100は、制御装置100の識別情報を記憶部12から取得する。
ステップST102において、制御装置100は、シェアリングボディ300からシェアリングボディ300の識別情報をボディ情報として取得する。
ステップST103において、制御装置100は、ユーザの識別情報と、制御装置100の識別情報と、シェアリングボディ300の識別情報と、をペアリング情報として、ペアリング情報の照会依頼を管理サーバ装置200に送信する。
【0078】
ステップST104において、制御装置100は、ペアリング情報の照会依頼に対する応答として、シェアリングボディ300をアクティベーションするか否かを示す照会結果を管理サーバ装置200から取得する。
ステップST105において、制御装置100は、照会結果に応じてシェアリングボディ300を利用可能(または利用不可能)に設定する。
ステップST106において、制御装置100は、ユーザの識別情報に対応する設定情報を管理サーバ装置200から取得し、ボディ制御部157に出力する。
【0079】
ステップST107において、制御装置100は、ユーザの識別情報に対応するプロファイル情報を、管理サーバ装置200から取得し、ボディ制御部157に出力する。
ステップST108において、制御装置100は、制御アプリケーションリストに対応する制御アプリケーションデータを管理サーバ装置200から取得し、ボディ制御部157に出力する。
ステップST109において、制御装置100は、ユーザによるシェアリングボディ300の利用ログを、ログ情報として生成する。
【0080】
ステップST110において、制御装置100は、ログ情報を、管理サーバ装置200に送信する。
【0081】
次いで、制御システムにおける制御処理について説明する。
【0082】
<フローチャート>
図6は、本実施形態に係る制御システムSYSにおける制御処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS100において、制御装置100は、ユーザの識別情報を取得する。また、制御装置100は、制御装置100の識別情報を取得する。その後、制御装置100は、ステップS102の処理を実行する。
ステップS102において、制御装置100は、シェアリングボディ300の識別情報をボディ情報として取得する。その後、制御装置100は、ステップS104の処理を実行する。
【0083】
ステップS104において、制御装置100は、ペアリング情報を管理サーバ装置200に送信し、ペアリング情報の認証依頼を生成する。その後、管理サーバ装置200は、ステップS106の処理を実行する。
ステップS106において、管理サーバ装置200は、ペアリング情報が記憶部22に記憶されているか否かに応じて、シェアリングボディ300の利用を認証するか否か、すなわち、シェアリングボディ300の利用をアクティベーションするか否かを判定する。ペアリング情報が記憶部22に記憶されている場合(ステップS106;YES)、制御装置100は、ステップS108の処理を実行する。一方、ペアリング情報が記憶部22に記憶されていない場合(ステップS106;NO)、制御装置100は、図6に係る処理を終了する。
【0084】
ステップS108において、制御装置100は、設定情報を含むプロファイル情報を管理サーバ装置200から取得する。また、制御装置100は、制御アプリケーションリストに基づいて制御アプリケーションを管理サーバ装置200から取得する。その後、制御装置100は、ステップS110の処理を実行する。
ステップS110において、制御装置100は、ユーザの識別情報に対応する設定情報と制約情報と制御アプリケーションデータをボディ制御部157に送信する。その後、制御装置100は、ステップS112の処理を実行する。
【0085】
ステップS112において、制御装置100は、制御アプリケーションと設定情報と制約情報とに基づいて、シェアリングボディ300におけるハードウェアを制御する。例えば、制御装置100は、各種表示の表示態様を変更する制御を行う。具体的には、制御装置100は、ユーザに応じて計器表示の表示態様、エンタテインメントアプリケーションの表示有無や表示態様、ナビゲーションアプリケーションの表示態様を変更する。このとき、制御装置100は、制約情報に含まれるログ情報を参照し、例えば、ユーザがスピードを出しすぎる傾向にあれば、スピードメーターの上限値の表示を、車両の性能上の上限値よりも低い値を上限値とする表示態様に変更する。その後、制御装置100は、ステップS114の処理を実行する。
【0086】
ステップS114において、制御装置100は、ログ情報を、管理サーバ装置200に送信する。そして、制御装置100は、図6に係る処理を終了する。
【0087】
なお、ステップS112において、制御装置100は、スピードメーターの上限値の変更に合わせて、駆動部による駆動、たとえば最高速度を、車両の性能上の上限値よりも低い速度に制限させてもよい。
また、ステップS112において、制御装置100は、制約情報に含まれるログ情報を参照し、文字の表示サイズを変更してもよい。
【0088】
なお、ステップS100において、制御装置100は、ユーザの識別情報に加えて、ユーザの年齢、運転免許証の種類などを取得してもよい。この場合、ステップS112において、年齢に応じて文字の表示サイズを変更したり、運転免許証の種類に応じて起動可能なアプリケーションの実行有無、あるいは一部機能を制限したりしてもよい。
【0089】
このように、本実施形態に係る制御システムSYSは、ユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得部(識別情報取得部151)と、制御装置100の識別情報を取得する制御識別情報取得部(識別情報取得部151)と、ハードウェアの識別情報を取得するハードウェア識別情報取得部(ボディ識別情報取得部152)と、ユーザ識別情報と、制御装置100の識別情報と、ハードウェア識別情報と、に基づいて、ハードウェアをアクティベーションするアクティベーション部154と、ユーザ識別情報に対応する設定情報と、ユーザ識別情報に対応する制約情報とに基づいて、ハードウェアにおける出力を制御するハードウェア制御部(ボディ制御部157)と、を備える。
【0090】
このようにすることで、制御システムSYSは、ハードウェアを共有する場合におけるセキュリティを向上させることができる。また、制御システムSYSは、ユーザに応じてハードウェアの出力を制御することができため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0091】
なお、上記の制御システムSYSにおいて、ハードウェア制御部(ボディ制御部157)は、ハードウェアにおける出力態様の変更、入力態様の変更、ハードウェアの出力制限、ハードウェアへの入力制限のうちの少なくともいずれかを制御してもよい。
【0092】
このようにすることで、ユーザに応じて、出力態様の変更、入力態様の変更、ハードウェアの出力制限、ハードウェアへの入力制限のうちの少なくとも制御することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0093】
なお、上記の制御システムSYSにおいて、ハードウェアの出力制限は、ハードウェアが備える駆動部36の出力を制御することであってもよい。
【0094】
このようにすることで、ハードウェアの利用におけるユーザの安全性を向上させることができる。
【0095】
なお、上記制御システムSYSにおいて、より厳密にペアリング認証を行う場合には、ハードウェアにおいてアクティベーション指示を受信し、受信したアクティベーション指示をハードウェアにおいて検証してもよい。
【0096】
このようにすることで、セキュリティをより向上させることができる。
【0097】
以上、図面を参照してこの発明の各実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0098】
例えば、上述した各実施形態では、制御装置100、管理サーバ装置200、シェアリングボディ300によって構成される一例について説明したが、制御装置100、管理サーバ装置200、シェアリングボディ300の一部を実現可能な他の装置との複数の装置によって本発明の一態様を実現してもよい。
【0099】
なお、本発明の一態様における制御装置100、管理サーバ装置200、シェアリングボディ300で動作するプログラムは、本発明の一態様に関わる上記の各実施形態や変形例で示した機能を実現するように、1つ、または複数の、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)であっても良い。ここでいう、コンピュータは、量子コンピュータも含まれる。そして、これらの各装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM(Random Access Memory)に蓄積され、その後、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等の各種ストレージに格納され、必要に応じてCPU等によって読み出し、修正・書き込みが行われても良い。
【0100】
なお、上述した各実施形態や変形例における制御装置100、管理サーバ装置200、シェアリングボディ300の一部又は全部を1つ、または複数のプロセッサを備えたコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。
【0101】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、制御装置100、管理サーバ装置200、シェアリングボディ300に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0102】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0103】
また、上述した各実施形態や変形例における制御装置100、管理サーバ装置200、シェアリングボディ300の一部、又は全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよいし、チップセットとして実現してもよい。また、上述した各実施形態や変形例における制御装置100、管理サーバ装置200、シェアリングボディ300の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、又は全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法は、LSIに限らず専用回路、および/または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0104】
以上、この発明の一態様として各実施形態や変形例に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は各実施形態や変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態や変形例に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【符号の説明】
【0105】
100 制御装置
11 通信部
111 サーバ通信部
112 ボディ通信部
12 記憶部
121 設定情報
122 ログ情報
13 入力部
14 出力部
15 制御部
150 制御アプリケーションリスト取得部
151 識別情報取得部
152 ボディ識別情報取得部
153 ペアリング情報認証部
154 アクティベーション部
155 設定情報取得部
156 制約情報取得部
157 ボディ制御部
158 ログ情報生成部
200 管理サーバ装置
21 通信部
22 記憶部
221 ペアリング情報
222 プロファイル情報
23 入力部
24 出力部
25 制御部
251 照会依頼取得部
252 ペアリング情報認証部
253 プロファイル情報特定部
254 ログ情報取得部
255 プロファイル情報更新部
300 シェアリングボディ
31 通信部
32 記憶部
321 ボディ情報
33 入力部
34 出力部
35 制御部
36 駆動部
SYS 制御システム
【要約】
【課題】ハードウェアを共有する場合におけるセキュリティおよびユーザの利便性を向上させること。
【解決手段】制御システムは、ユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得部と、制御装置の識別情報を取得する制御識別情報取得部と、ハードウェアの識別情報を取得するハードウェア識別情報取得部と、前記ユーザの識別情報と、前記制御装置の識別情報と、前記ハードウェアの識別情報と、に基づいて、前記ハードウェアをアクティベーションするアクティベーション部と、前記アクティベーションされたことに基づいて、前記ユーザの識別情報に対応する設定情報と、前記ユーザの識別情報に対応する制約情報とを取得する設定情報取得部と、前記設定情報と、前記制約情報に基づいて、前記ハードウェアを制御するハードウェア制御部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6