(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240919BHJP
C23C 14/04 20060101ALI20240919BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240919BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20240919BHJP
H10K 50/81 20230101ALI20240919BHJP
H10K 50/826 20230101ALI20240919BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240919BHJP
H10K 71/16 20230101ALI20240919BHJP
H10K 71/60 20230101ALI20240919BHJP
【FI】
G09F9/00 342
C23C14/04 A
G09F9/30 338
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
G09F9/302 Z
H10K50/81
H10K50/826
H10K59/10
H10K71/16
H10K71/60
(21)【出願番号】P 2023122276
(22)【出願日】2023-07-27
(62)【分割の表示】P 2022502299の分割
【原出願日】2020-03-24
【審査請求日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】201910704909.8
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515179325
【氏名又は名称】昆山国顕光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN GO-VISIONOX OPTO-ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone Kunshan, Jiangsu, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】彭 兆基
(72)【発明者】
【氏名】劉 明星
(72)【発明者】
【氏名】甘 帥燕
(72)【発明者】
【氏名】張 志遠
(72)【発明者】
【氏名】李 偉麗
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0198067(US,A1)
【文献】特開2019-075229(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108277473(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110018610(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108866476(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C14/00-14/58
G09F9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の製造方法であって、
ベース基板を提供し、ベース基板にアレイ回路、陽極層、及び発光層を順に製造して形成するステップS1と、
発光層に陰極材料の蒸着により第1陰極層を形成するステップS2と、
非表示領域に取付孔をエッチングによって形成するステップS3と、
マスクアセンブリを利用して、取付孔の位置する領域を遮蔽し、且つ陰極材料の蒸着により第2陰極層を形成し、第2陰極層が遷移表示領域及び
主表示領域を被覆するステップS4とを含み、
前記ステップS4で利用される前記マスクアセンブリは、
開口領域を有し、前記ステップS4で蒸着する間は前記ベース基板の表面に支持されるマスクフレームと、
前記開口領域内に位置し
て前記取付孔の位置する領域を遮蔽し、前記ステップS4で蒸着する間は前記ベース基板の表面に接触
し、前記ベース基板の表面が前記ステップS3でエッチングされていない前記アレイ回路の部品、前記陽極層、前記発光層、および、前記第1陰極層を備える、複数の離島型遮蔽部と、
複数の接続ブリッジであって、
複数の前記離島型遮蔽部の各々は複数の前記接続ブリッジ
の1つを介して前記マスクフレーム又は隣接する離島型遮蔽部に接続され、
複数の前記接続ブリッジは前記ステップS4で蒸着する間は前記ベース基板の表面との間に隙間を形成するように前記ベース基板の表面から離間し且つ前記ベース基板の表面の上方に懸架される、
複数の接続ブリッジと、を備え、
前記ステップS2で製造された前記第1陰極層及び前記ステップS4で製造された前記第2陰極層は前記表示装置の陰極層を構成する、
表示装置の製造方法。
【請求項2】
ステップS2で得られた前記第1陰極層の厚さ≦50nmである、請求項1に記載の
表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記製造方法によって製造された表示装置は、
静止画像又は動的画像を表示する
主表示領域と、
前記
主表示領域によって取り囲まれた少なくとも1つの非表示領域と、
前記非表示領域及び前記
主表示領域にそれぞれ隣接し、静止画像又は動的画像を表示する遷移表示領域を含み、
前記遷移表示領域の陰極層の厚さが前記
主表示領域の陰極層の厚さ以下である、
請求項1に記載の表示装置
の製造方法。
【請求項4】
前記
主表示領域の陰極層は前記遷移表示領域の陰極層に接続されて表面電極が形成される、請求項3に記載の表示装置
の製造方法。
【請求項5】
前記遷移表示領域の陰極層には厚さ差がある、請求項3に記載の表示装置
の製造方法。
【請求項6】
前記遷移表示領域の縁部の陰極層の厚さは前記遷移表示領域の中央部の陰極層の厚さよりも大きい、請求項5に記載の表示装置
の製造方法。
【請求項7】
前記遷移表示領域の陰極層の厚さh≧50nmであり、前記
主表示領域の陰極層の厚さHは100nm≦H≦180nmである、請求項3に記載の表示装置
の製造方法。
【請求項8】
前記遷移表示領域の陽極層の厚さは前記
主表示領域の陽極層の厚さ以下であり、
前記遷移表示領域の陽極層には厚さ差がある、請求項3に記載の表示装置
の製造方法。
【請求項9】
前記遷移表示領域の縁部の陽極層の厚さは前記遷移表示領域の中央部の陽極層の厚さよりも大きい、請求項8に記載の表示装置
の製造方法。
【請求項10】
前記製造方法によって製造された表示装置はデバイスユニットをさらに含み、前記デバイスユニットは、前記非表示領域内に掘られた取付孔と、前記取付孔内に設けられた機能素子とを含み、前記機能素子は感光素子、カメラ、イヤピースのうちのいずれか1つ又は複数を含む、請求項3~9のいずれか1項に記載の表示装置
の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は表示の技術分野に関し、具体的には、マスクアセンブリ及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示パネルの製造プロセスにおいて、通常、蒸着プロセスを用いて、表示パネルの各膜層、たとえば、薄膜トランジスタのゲート層、ソース及びドレイン層、有機発光素子の発光層、陰極層、及び絶縁層、バッファ層等の無機層を形成する。蒸着する基板にある膜層を形成する場合、1枚のマスク板を利用して蒸着する基板上での蒸着不要の領域を遮蔽し、特定のパターンを有する膜層を形成するようにする。
【0003】
従来技術における表示装置は、カメラ、スピーカ、マイク等の他の電子デバイスの取り付け空間を残しておくために、表示領域に、対応するデバイスを取り付けるための開口部を掘る必要があり、材料層の一部の材料が除去しにくいため、蒸着前に開口部を遮蔽する必要があり、従って、蒸着用のマスクには、開口部を遮蔽するための遮蔽部を設ける必要があり、通常、開口部は表示画面の縁部に近く設けられず、表示画面の縁部から一定の距離だけ離れるため、従来技術における遮蔽部はカンチレバー(支持棒)を介してマスクのフレームに接続され、カンチレバーの存在により、蒸着プロセスで正常の表示領域が遮蔽され、それにより、蒸着材料がカンチレバーにより遮蔽された領域に形成できず、黒い線が形成され、表示画面の正常の表示効果に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本願が解決しようとする技術課題は、従来技術における表示パネルが、製造プロセスにおいて遮蔽部を有するマスクを使用することにより、正常の表示領域に黒い線を形成するという欠陥を克服するために、マスク板及び表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これに対して、本願の技術案は以下のとおりである。
【0006】
本願はマスクアセンブリを提供し、
ベース表面に支持され、その内には開口領域が形成されたマスクフレームと、
前記開口領域内に位置し、前記ベース表面に接触する複数の離島型遮蔽部と、
ブリッジであって、前記離島型遮蔽部は前記ブリッジを介して前記マスクフレーム又は隣接する離島型遮蔽部に接続され、前記ブリッジが前記ベース表面に接触しないブリッジと、を含む。
【0007】
本願は表示装置をさらに提供し、表示領域と、少なくとも1つの非表示領域とを含み、前記表示領域は前記非表示領域を取り囲んで設けられ、
遷移表示領域をさらに含み、前記遷移表示領域は前記非表示領域及び前記表示領域にそれぞれ隣接し、前記表示領域と前記遷移表示領域は、いずれも静止画像又は動的画像を表示するために使用され、前記遷移表示領域の第1電極の厚さが前記表示領域の第1電極の厚さの以下である。
【0008】
本願は上記表示装置の製造方法をさらに提供し、
ベース基板を提供し、ベース基板においてアレイ回路、陽極層、及び発光層を順に製造して形成するステップS1と、
発光層に陰極材料の蒸着により第1陰極層を形成するステップS2と、
非表示領域に取付孔をエッチングして形成するステップS3と、
上記マスクアセンブリを利用して、取付孔の位置する領域を遮蔽し、且つ陰極材料の蒸着により第2陰極層を形成し、第2陰極層が遷移表示領域及び表示領域を被覆するステップS4とを含み、
ステップS2で得られた前記第1陰極層はステップS4で得られた前記第2陰極層とともに表示装置の陰極層を構成する。
【発明の効果】
【0009】
本願の技術案は、以下の利点を有する。
1.本願に係るマスクアセンブリは、ベース表面に支持され、その内には開口領域が形成されたマスクフレームと、前記開口領域内に位置し、前記ベース表面に接触する複数の離島型遮蔽部と、ブリッジであって、前記離島型遮蔽部は前記ブリッジを介して前記マスクフレーム又は隣接する離島型遮蔽部に接続され、前記ブリッジが前記ベース表面に接触しないブリッジとを含み、具体的には、前記ブリッジは、前記ブリッジと前記ベース表面との間に隙間を残すように前記ベース表面の上方に懸架され、さらに、前記ブリッジの厚さは前記離島型遮蔽部の厚さよりも小さい。ブリッジを懸架することにより、蒸着プロセスにおいて蒸着材料が堆積される時にブリッジの両側の堆積層はブリッジの下方の隙間を通して拡散して一体に接続され、ブリッジの下方の堆積層の厚さが基本的な要件を満たすようにし、すなわち、蒸着材料はブリッジの両側からその下方とベースとの間の隙間に入り、それによって、ブリッジの両側の開口領域内に位置する蒸着材料を連通することにより、ブリッジが設けられることでブリッジの下方の領域が蒸着材料によって被覆されず、その原因で表示の完全性を確保するためにブリッジの遮蔽領域に対して二次蒸着を行う必要があるということを回避する。
2.本願に係るマスクアセンブリでは、前記ブリッジは直線棒状であり、前記ブリッジの位置する直線は前記離島型遮蔽部の中心を通り、前記ブリッジは少なくとも2つ設けられる。2つのブリッジを設けることにより、離島型遮蔽部をマスクフレーム内に安定して支持することができ、各ブリッジは全て離島型遮蔽部の中心を通り、それにより、離島型遮蔽部に対する支持強度をさらに向上させる。
3.本願に係る表示装置は、表示領域と、少なくとも1つの非表示領域とを含み、前記表示領域は前記非表示領域を取り囲んで設けられ、遷移表示領域をさらに含み、前記遷移表示領域は前記非表示領域及び前記表示領域にそれぞれ隣接し、前記表示領域と前記遷移表示領域は、いずれも静止画像又は動的画像を表示するために使用され、前記遷移表示領域の第1電極の厚さが前記表示領域の第1電極の厚さの以下である。遷移表示領域の存在により、ブリッジの位置する領域に形成された黒縁表示など、表示装置内の蒸着材料の不完全な被覆による不完全な表示を回避し、表示の完全性を高める。
4.本発明に係る表示装置の製造方法は、ベース基板を提供し、ベース基板にアレイ回路、陽極層、及び発光層を順に製造して形成するステップS1と、発光層に陰極材料の蒸着により第1陰極層を形成するステップS2と、非表示領域に取付孔をエッチングして形成するステップS3と、本発明に係るマスクアセンブリを利用して、取付孔の位置する領域を遮蔽し、且つ陰極材料の蒸着により第2陰極層を形成し、第2陰極層が遷移表示領域及び表示領域を被覆するステップS4とを含み、ステップS2で得られた前記第1陰極層はステップS4で得られた前記第2陰極層とともに表示装置の陰極層を構成する。S2、S4の2つのステップを利用して一緒に陰極層を形成することにより、遷移表示領域に少なくとも第1陰極層が存在することを確保でき、すなわち、遷移表示領域がオンになることを確保し、それにより、製造された表示装置の正常の表示を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本願の具体的な実施形態又は従来技術における技術案をより明瞭に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の記述のために使用された図面を簡単に説明する。明らかに、以下に記述した図面は本願のいくつか実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】本願のマスクアセンブリの構造模式図である。
【
図4】本願の表示装置の加工プロセスの模式図である。
【
図5】本願の表示装置の加工プロセスの模式図である。
【
図6】本願の表示装置の加工プロセスの模式図である。
【
図7】本願の表示装置の加工プロセスの模式図である。
【
図9】
図8における表示装置C-C陰極層の断面図である。
【
図10】別のマスクアセンブリの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本願の技術案を明瞭で、完全に説明する。もちろん、説明される実施例は本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要とせずに得られる全ての他の実施例は、いずれも本願の特許範囲に属する。
【0012】
実施例1
図1に示すように、本実施例はマスクアセンブリを記載しており、具体的には、蒸着用のマスク板1であり、それは、マスクフレーム11と、複数の離島型遮蔽部12と、ブリッジ13とを含み、前記離島型遮蔽部12は前記ブリッジ13を介して前記マスクフレーム11又は隣接する離島型遮蔽部12に接続される。マスクフレーム11はベースの周辺表面に支持され、すなわち、マスクフレーム11は蒸着材料を遮蔽するために使用されず、マスクフレーム11内には材料の入り及び堆積を許可する開口領域14が形成され、離島型遮蔽部12は、開口領域14内に設けられて蒸着材料を遮蔽して遮蔽領域を形成するために使用され、ベースは蒸着対象の基材を指し、本実施例における前記マスクフレーム11は四角枠状の支持板であり、四角枠状の支持板内には、開口領域14と、離島型遮蔽部12及びブリッジ13で構成された遮蔽領域とが形成される。
【0013】
本実施例の離島型遮蔽部12は、前記開口領域14内に位置して開口領域14により取り囲まれるように設けられ、前記離島型遮蔽部12は前記ベース表面に接触し、前記離島型遮蔽部12は円形遮蔽及び/又は方形遮蔽を含む。本実施例において、円形遮蔽が形成された離島型遮蔽部12が設けられ、それはマスクフレーム11内の開口領域14に設けられ、離島型遮蔽部12はブリッジ13を介してマスクフレーム11に接続され、ブリッジ13を介して離島型遮蔽部12をマスクフレーム11内に吊設可能に支持する。もちろん、離島型遮蔽部12は矩形又は円形に限定されず、楕円形、菱形、六角形等の形状であってもよく、同様に、マスクフレーム11は四角枠状に限定されず、円形枠状、楕円形枠状、菱形枠状、六角形枠状等の形状であってもよい。
【0014】
もちろん、1つの離島型遮蔽部12のみに限定されず、2つ又は複数の離島型遮蔽部12が設けられてもよく、四角枠には他の離島型遮蔽部12又は他の遮蔽パターンが設けられる場合に、複数の離島型遮蔽部12の間はブリッジ13を介して接続することができ、離島型遮蔽部12はブリッジ13を介して他の遮蔽パターン又は他の離島型遮蔽部に接続されてもよい。
図9は、2つの離島型遮蔽部12が設けられる様子を示し、2つの離島型遮蔽部12の間はブリッジ13を介して接続され、そのうちの1つ又は2つの離島型遮蔽部12はブリッジを介してマスクフレーム11に接続される。
【0015】
本実施例における前記ブリッジ13は直線棒状であり、且つ前記ブリッジ13の位置する直線は前記離島型遮蔽部12の中心を通る。本実施例における離島型遮蔽部12が円形であるため、ブリッジ13は円形の離島型遮蔽部12の円心を通る直線に沿って設けられてもよく、ブリッジ13を離島型遮蔽部の中心を通るように設けることにより、離島型遮蔽部に対するブリッジ13の支持強度を向上させることができる。
【0016】
図1に示すように、本実施例における前記ブリッジは2つ設けられ、異なる方向に離島型遮蔽部12の周辺に設けられて、離島型遮蔽部12をマスクフレーム11の異なる箇所に接続し、本実施例における2つのブリッジは互いに90°の夾角で設けられ、もちろん、2つのブリッジ13の間の夾角は互いに90°に設定されることに限定されない。2つのブリッジを設けることにより、離島型遮蔽部12をマスクフレーム内に安定して支持することができ、もちろん、ブリッジ13は複数設けられてもよく、各ブリッジ13は全て離島型遮蔽部12の中心を通り、それにより、離島型遮蔽部12に対する支持強度をさらに向上させる。
【0017】
図2~3に示すように、前記ブリッジ13が前記ベース表面に接触せず、本実施例における前記ブリッジ13の厚さは前記離島型遮蔽部12の厚さよりも小さく、ブリッジ13の厚さもマスクフレーム11の厚さよりも小さく、すなわち、ブリッジ13はベース上に懸架され、本実施例におけるブリッジ13の幅Lは0.1mm≦L≦0.5mmを満たし、ブリッジ13を懸架することにより、蒸着プロセスにおいて蒸着材料が堆積される時にブリッジ13の両側の堆積層はブリッジ13の下方の隙間を通して拡散して一体に接続され、ブリッジ13の下方の堆積層の厚さが基本的な要件を満たすようにし、すなわち、蒸着材料はブリッジ13の両側からその下方とベースとの間の隙間に入り、それによって、ブリッジの両側の開口領域内に位置する蒸着材料を連通し、それにより、ブリッジが設けられることによりブリッジの下方の領域が蒸着材料によって被覆されず、その原因で表示の完全性を確保するためにブリッジの遮蔽領域に対して二次蒸着を行う必要があることを回避する。
【0018】
実施例2
図7~8に示すように、本実施例は表示装置を記載しており、それは、表示領域3と、少なくとも1つの非表示領域4と、遷移表示領域5とを含み、前記表示領域3は前記非表示領域4を取り囲んで設けられ、前記遷移表示領域5は前記非表示領域4及び前記表示領域3にそれぞれ隣接し、前記遷移表示領域5は前記非表示領域4及び前記表示領域3の縁部を接続する。非表示領域4が1つ以上設けられる場合、遷移表示領域5は隣接する2つの前記非表示領域4を接続してもよい。
【0019】
本実施例における前記遷移表示領域5の第1電極の厚さは前記表示領域3の第1電極の厚さの以下であり、且つ前記表示領域3の第1電極は前記遷移表示領域5の第1電極に接続されて表面電極が形成される。
【0020】
前記表示領域3と前記遷移表示領域5は全て、基板6、前記基板6に順に積み重ねられたアレイ回路10、陽極層8、OLED発光層7及び陰極層9を含み、すなわち、前記表示領域3と前記遷移表示領域5は、いずれも静止画像又は動的画像を表示するために使用され、相違点は、前記遷移表示領域5の第1電極の厚さが前記表示領域の第1電極層の厚さの以下であることであり、本実施例の前記遷移表示領域5内の第1電極には厚さ差があり、前記遷移表示領域5の縁部に位置する第1電極の厚さは前記遷移表示領域5の中央部に位置する第1電極の厚さよりも大きく、たとえば、遷移表示領域5の前記表示領域3に接続される部分の第1電極の厚さは前記遷移表示領域5の中央部に位置する第1電極の厚さよりも大きく、遷移表示領域5の第1電極の縁部の厚さは表示領域3の第1電極の厚さの以下である。
図7~8に示すように、本実施例における第1電極が陰極であり、すなわち、遷移表示領域5の陰極層9の厚さは表示領域3の陰極層の厚さの以下であり、且つ遷移表示領域5内の陰極層9には厚さ差がある。もちろん、遷移表示領域5の第2電極、たとえば陽極層の厚さは、同様に、表示領域3の陽極層の厚さの以下であり、且つ厚さ差があるように設定されてもよい。
【0021】
図7~8に示すように、本実施例における前記遷移表示領域5は長棒状であり、前記遷移表示領域5の前記表示領域3に接続される部分の陰極層の厚さは前記遷移表示領域5の中央部の陰極層の厚さよりも大きい。
図9は、前記棒状遷移表示領域5の陰極層9が遷移表示領域5の幅方向(幅方向は、遷移表示領域の長さが短い方の方向に平行な方向を指す)に厚さ差があることを示す。遷移表示領域の存在により、ブリッジの位置する領域に形成された黒縁表示など、表示装置内の蒸着材料の不完全な被覆による不完全な表示を回避し、表示の完全性を高める。
【0022】
本実施例2における陰極層9は、実施例1のマスクアセンブリを利用して蒸着により形成される。表示領域3はマスクアセンブリ上の開口領域14に対応し、すなわち、蒸着材料はマスクアセンブリの開口領域14を介して発光層7に堆積されて
図7に示される陰極層9を形成し、非表示領域4はマスクアセンブリ上の離島型遮蔽部12によって被覆される領域に対応し、遷移表示領域5はマスクアセンブリ上のブリッジ13によって被覆される領域に対応し、本願におけるブリッジ13の底部が基材と接触せず、すなわち、陰極材料の蒸着プロセスにおいて、陰極蒸着材料が堆積される時にブリッジ13の下方の隙間を通して拡散して一体に接続できることで、ブリッジ13の下方に依然として堆積層が付着されることができ、蒸着材料がブリッジ13の両側からその下方と発光層7との間の隙間に入り、それによって、ブリッジの両側の開口領域14内に位置する蒸着材料を連通することにより、ブリッジ13が設けられることによりブリッジ13の下方の領域が蒸着材料によって被覆されないことを回避する。
【0023】
図9に示すように、前記遷移表示領域5の幅方向に沿った陰極層の断面図を示し、遷移表示領域5の陰極層9の表面は窪んでいる円筒面であり、円筒面の両端は遷移表示領域5の幅方向の両側の表示領域3に対応して接続され、遷移表示領域5の中央部の窪んでいる領域は陰極層を形成するマスクアセンブリのブリッジ13に対応する。
【0024】
前記遷移表示領域5の陰極層9は基板6に接近する方向へ窪んでおり、前記窪んでいる両側の前記表示領域3に接続される部分の厚さは前記窪んでいる中央部の厚さよりも大きく、すなわち、
図9の左右両側の厚さは窪んでいる中央部の厚さよりも大きい。具体的には、前記遷移表示領域5の陰極層の厚さがhであり、前記表示領域3の陰極層の厚さがHである、50nm≦h≦Hを満たし、同時に、100nm≦H≦180nmである。
【0025】
本実施例の表示装置はデバイスユニットをさらに含み、デバイスユニットは、非表示領域4内に掘られた取付孔2と、前記取付孔2内に設けられる機能素子とを含み、前記機能素子は感光素子、カメラ、イヤピース、光センサー、発光体のうちのいずれか1つ又は複数を含む。
【0026】
本実施例における表示装置の製造プロセスは、
図4に示すように、ベース基板6を提供し、ベース基板6にアレイ回路10、陽極層8、及びOLED発光層7を順に製造して形成するステップS1と、
図5に示すように、発光層7に陰極層材料の蒸着により第1陰極層91を形成し、第1陰極層91の厚さがhの最小値よりも小さく、すなわち、第1陰極層91の厚さが遷移表示領域5の陰極層の最小の厚さよりも小さいステップS2と、
図6に示すように、非表示領域4に取付孔2をエッチングして形成するステップS3と、
図7に示すように、実施例1におけるマスクアセンブリを利用して、取付孔2の位置する領域を遮蔽し、且つ陰極材料の蒸着により第2陰極層92を形成し、第2陰極層92が遷移表示領域5及び表示領域3を被覆するステップS4と、を含み、
ステップS2での第1陰極層91はステップS4での第2陰極層92とともに表示装置の陰極層9を構成する。
【0027】
2つのステップで陰極層を形成することにより、遷移表示領域5に少なくとも第1陰極層91が存在することを確保でき、すなわち、遷移表示領域5がオンになることを確保し、遷移表示領域5の陰極層9の厚さが不均一であるため、正常の表示に影響をもたらすことを回避して、遷移表示領域5の輝度の均一性及び正常の表示を確保するために、後で外部の駆動回路によって遷移表示領域の表示モジュールに対して外部光学補償、たとえば、光学的に抽出可能なDemura光学補償を行うことができ、それにより、表示装置の全体的な輝度の均一性を向上させて、残像の発生を回避する。