(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】路面施工装置、及び路面施工方法
(51)【国際特許分類】
E01C 23/00 20060101AFI20240919BHJP
E01C 19/12 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
E01C23/00 A
E01C19/12
(21)【出願番号】P 2023185984
(22)【出願日】2023-10-30
【審査請求日】2024-07-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000201515
【氏名又は名称】前田道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上原 研二
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 知
(72)【発明者】
【氏名】谷中 哲
【審査官】坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-000405(JP,A)
【文献】特開2020-143469(JP,A)
【文献】米国特許第05362178(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0104537(US,A1)
【文献】実公昭48-038270(JP,Y1)
【文献】中国特許出願公開第111321649(CN,A)
【文献】中国実用新案第214245185(CN,U)
【文献】特開平10-204820(JP,A)
【文献】特開2008-101361(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0260525(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 1/00-23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形枠形状を有する本体部と、
前記本体部に設けられたブラシ部と、を備え、
前記本体部は、
第1の方向に沿って配置された2つの第1の板状部材と、
前記第1の板状部材と交差して、第2の方向に沿って配置された2つの第2の板状部材と、を含み、
前記ブラシ部は、複数の線状部材と、前記線状部材を保持する保持部と、を備え、
前記線状部材は、前記本体部の下端から突出しており、
前記ブラシ部は、前記第1の板状部材に設けられた第1のブラシ部
と、前記第2の板状部材に設けられた第2のブラシ部を含む路面施工装置。
【請求項2】
前記本体部は、2つの前記第1の板状部材の間に、2つの前記第2の板状部材と接続して前記第1の方向に沿って設けられた第3の板状部材を備え、
前記ブラシ部は、前記第3の板状部材に設けられた第3のブラシ部を含む請求項
1に記載の路面施工装置。
【請求項3】
前記本体部は、前記第1の板状部材に設けられた第1の補助部材を備え、
前記第1のブラシ部の前記線状部材は、前記第1の板状部材及び前記第1の補助部材に挟み込まれている請求項1または2に記載の路面施工装置。
【請求項4】
前記本体部は、前記第2の板状部材に設けられた第2の補助部材を備え、
前記第2のブラシ部の前記線状部材は、前記第2の板状部材及び前記第2の補助部材に挟み込まれている請求項
1または2に記載の路面施工装置。
【請求項5】
前記本体部は、前記第3の板状部材に設けられた第3の補助部材を備え、
前記第3のブラシ部の前記線状部材は、前記第3の板状部材及び前記第3の補助部材に挟み込まれている請求項
2に記載の路面施工装置。
【請求項6】
前記第2の補助部材の下端が、鉛直方向において、前記第2の板状部材の下端よりも下方に位置している請求項
4に記載の路面施工装置。
【請求項7】
前記第2の補助部材は、前記第2の補助部材の長手方向における端部から突出する板状の突起部を備えた請求項
4に記載の路面施工装置。
【請求項8】
前記突起部は、曲面形状を備えている請求項
7に記載の路面施工装置。
【請求項9】
前記線状部材の前記本体部からの突出長さが5~50mmである請求項1または2に記載の路面施工装置。
【請求項10】
請求項1または2に記載の路面施工装置を用いた路面施工方法であって、
前記本体部の内部に表面処理混合物を配置する準備工程と、
前記路面施工装置を牽引して前記表面処理混合物を路面上に塗布する塗布工程と、を備えた路面施工方法。
【請求項11】
請求項
10に記載の路面施工方法であって、
前記塗布工程は、前記ブラシ部を用いて前記表面処理混合物の表面にブラシ仕上げ加工を施すことを含む路面施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路舗装等の路面上に表面処理混合物等を塗布するために用いられる路面施工装置、及び路面施工装置を用いた路面施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アスファルト舗装や、コンクリート舗装などの舗装路面は、一般に、交通荷重が直接作用すると共に、雨や紫外線などに暴露されることから、その表面から荒れやひび割れなどの劣化が生じ、生じた劣化が徐々に内部に進行して、やがて破損に至ることがある。このような劣化による破損等を未然に防ぎ、あるいは、適宜、補修を行うことにより舗装の維持を図るという観点より、予防的維持工法が行われている。
【0003】
このような予防的維持工法として、表面処理混合物を用いた表面処理工法が一般に知られている。たとえば、特許文献1には、アスファルトモルタルを主体とする常温スラリー剤を路面に敷き均すための装置として、タンク、ミキサ、およびスプレッダボックスを備えたトラック車載型の施工装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既設舗装の維持を目的とした予防的維持工法では、低コストで施工できることが求められる。しかしながら、上記の施工装置を用いて表面処理を行うには、一定以上の厚みで表面処理混合物を塗布する必要があり、多くの材料が必要となってコストが高くなってしまうという問題がある。一方、上記の施工装置を用いて表面処理混合物を薄く塗布しようとすると、表面処理層の厚みが不均一となり、舗装の品質が悪くなってしまうという問題がある。本発明が解決しようとする課題は、薄く均一な厚さで表面処理混合物の塗布を可能とする路面施工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明の態様1によれば、矩形枠形状を有する本体部と、前記本体部に設けられたブラシ部と、を備え、前記本体部は、第1の方向に沿って配置された2つの第1の板状部材と、前記第1の板状部材と交差して、第2の方向に沿って配置された2つの第2の板状部材と、を含み、前記ブラシ部は、複数の線状部材と、前記線状部材を保持する保持部と、を備え、前記線状部材は、前記本体部の下端から突出しており、前記ブラシ部は、前記第1の板状部材に設けられた第1のブラシ部を含む路面施工装置が提供される。
【0007】
[2]本発明の態様2によれば、前記ブラシ部は、前記第2の板状部材に設けられた第2のブラシ部を含む態様1の路面施工装置が提供される。
【0008】
[3]本発明の態様3によれば、前記本体部は、2つの前記第1の板状部材の間に、2つの前記第2の板状部材と接続して前記第1の方向に沿って設けられた第3の板状部材を備え、前記ブラシ部は、前記第3の板状部材に設けられた第3のブラシ部を含む態様1または2の路面施工装置が提供される。
【0009】
[4]本発明の態様4によれば、前記本体部は、前記第1の板状部材に設けられた第1の補助部材を備え、前記第1のブラシ部の前記線状部材は、前記第1の板状部材及び前記第1の補助部材に挟み込まれている態様1~3のいずれかの路面施工装置が提供される。
【0010】
[5]本発明の態様5によれば、前記本体部は、前記第2の板状部材に設けられた第2の補助部材を備え、前記第2のブラシ部の前記線状部材は、前記第2の板状部材及び前記第2の補助部材に挟み込まれている態様2の路面施工装置が提供される。
【0011】
[6]本発明の態様6によれば、前記本体部は、前記第3の板状部材に設けられた第3の補助部材を備え、前記第3のブラシ部の前記線状部材は、前記第3の板状部材及び前記第3の補助部材に挟み込まれている態様3の路面施工装置が提供される。
【0012】
[7]本発明の態様7によれば、前記第2の補助部材の下端が、鉛直方向において、前記第2の板状部材の下端よりも下方に位置している態様5の路面施工装置が提供される。
【0013】
[8]本発明の態様8によれば、前記第2の補助部材は、前記第2の補助部材の長手方向における端部から突出する板状の突起部を備えた態様5または7の路面施工装置が提供される。
【0014】
[9]本発明の態様9によれば、前記突起部は、曲面形状を備えている態様8の路面施工装置が提供される。
【0015】
[10]本発明の態様10によれば、前記線状部材の前記本体部からの突出長さが5~50mmである態様1~9のいずれかの路面施工装置が提供される。
【0016】
[11]本発明の態様11によれば、態様1~10のいずれかの路面施工装置を用いた路面施工方法であって、前記本体部の内部に表面処理混合物を配置する準備工程と、前記路面施工装置を牽引して前記表面処理混合物を路面上に塗布する塗布工程と、を備えた路面施工方法が提供される。
【0017】
[12]本発明の態様12によれば、態様11の路面施工方法であって、前記塗布工程は、前記ブラシ部を用いて前記表面処理混合物の表面にブラシ仕上げ加工を施すことを含む路面施工方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の路面施工装置によれば、表面処理混合物を薄く均一な厚さで塗布することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態における路面施工装置の全体構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態における路面施工装置の平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に置ける路面施工装置の底面図である。
【
図4】
図4(a)は、
図2のIVa-IVa線に沿った断面図であり、
図4(b)は、
図2のIVb-IVb線に沿った断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態における路面施工装置の側面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態におけるブラシ部の構成を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態における路面施工装置を用いた路面施工方法における準備工程を示す断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態における路面施工装置を用いた路面施工方法における塗布工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は本実施形態における路面施工装置1の全体構成を示す斜視図であり、
図2は本実施形態における路面施工装置1の平面図であり、
図3は本実施形態における路面施工装置1の底面図である。
【0022】
本実施形態における路面施工装置1は、アスファルト舗装やコンクリート舗装などの舗装路面上に、モルタル材を含有する表面処理混合物を塗布し、薄層の表面処理層を形成するために用いられる装置である。表面処理混合物としては、例えば、セメント及び骨材を含有するモルタル材と、ポリマーエマルションとの混合物(ポリマーセメントモルタル)が挙げられる。セメントとしては、ポルトランドセメントや、混合セメント、エコセメントなどが挙げられる。ポリマーエマルションとしては、例えば、アクリル系重合体のエマルション、酢酸ビニル系重合体のエマルション、ブタジエン系重合体のエマルション、天然ゴムのエマルションなどが挙げられる。表面処理混合物は、舗装路面において通常用いられる添加剤、たとえば、硬化促進剤、流動化剤、消泡剤、遅延剤、フィラー、植物繊維、顔料などをさらに含有していてもよい。
【0023】
表面処理混合物が舗装路面上に塗布されることで、ポリマーエマルションとモルタル材とが反応して硬化反応が起こり、舗装路面上に、接着性および耐久性に優れた表面処理層が形成される。
【0024】
本実施形態における路面施工装置1は、
図1~
図3に示すように、矩形枠形状を有する本体部(装置本体)10と、複数のブラシ部40a~40eとを備える。本体部10は、底部開口11と、上部開口12と、前方板20aと、後方板20bと、側方板20c、20dと、仕切り板20e、とを含んでいる。ブラシ部40a~40eは、前方板20aと、後方板20bと、側方板20c、20dと、仕切り板20eにそれぞれ取り付けられている。以後、前方板20a、後方板20b、側方板20c、20d、及び仕切り板20eを総称して単に板部材20とも称する。また、ブラシ部40a~40eを総称して単にブラシ部40とも呼称する。本実施形態における本体部10が本発明の態様における「本体部」の一例に相当し、本実施形態におけるブラシ部40が本発明の態様における「ブラシ部」の一例に相当し、本実施形態におけるブラシ部40a、40bが本発明の態様における「第1のブラシ部」の一例に相当し、本実施形態におけるブラシ部40c、40dが本発明の態様における「第2のブラシ部」の一例に相当し、本実施形態におけるブラシ部40eが本発明の態様における「第3のブラシ部」の一例に相当する。
【0025】
本体部10は、前方板20aに取り付けられた牽引部13を備えている。本実施形態における路面施工装置1は、後述するように、路面上に載置され、上部開口12から表面処理混合物が本体部10の内部に配置された状態で、牽引部13を保持して牽引して用いられる。路面施工装置1を牽引することにより、本体部10の内部に配置された表面処理混合物が底部開口11を介して本体部10と路面との隙間から路面施工装置1の後方に送り出される。このとき、詳しくは後述するが、ブラシ部40が路面上及び表面処理混合物の上を摺動することで、表面処理混合物が路面上に塗布され、均一な厚さに敷き均されると共に、表面処理混合物の表面にブラシ仕上げ加工が施される本実施形態では、牽引部13が2つの棒状の部材で構成され、前方板20aに回転可能に取り付けられているが、牽引部13の構成は特にこれに限定されない。
【0026】
板部材20を構成する材料としては、特に限定されないが、鉄板、鋼材などの金属材料を用いることができる。板部材20の厚みは、好ましくは2~9mmであり、より好ましくは3~6mmである。前方板20a及び後方板20bは、図中X方向に沿って略平行に配置されており、側方板20c、20dは、前方板20a及び後方板20bと交差して、図中Y方向に沿って略平行に配置されている。すなわち、前方板20a、後方板20b、側方板20c、20dによって、本体部10の矩形枠形状が構成されている。本実施形態では、前方板20a及び後方板20bの長手方向の長さが、側方板20c、20dの長手方向の長さより長くなっているが、特にこれに限定されず、側方板20c、20dの方が前方板20a及び後方板20bより長くなっていてもよい。
【0027】
なお、特に限定されないが、板部材20の下方(Z方向下側)側面には、板状の厚み調整部21が設けられている(
図4(a)及び
図4(b)参照)。厚み調整部21は、板部材20と同様の材料で構成することができる。厚み調整部21の下端は、板部材20の下端と一致するように構成されている。
【0028】
本実施形態における前方板20a及び後方板20bが本発明における「第1の板状部材」の一例に相当し、本実施形態における側方板20c、20dが本発明における「第2の板状部材」の一例に相当する。
【0029】
仕切り板20eは、前方板20a及び後方板20bの間に、側方板20c、20dの内面に接続するように図中X方向に沿って配置されている。仕切り板20eの位置は、特に限定されないが、前方板20aから仕切り板20eまでの距離D1と後方板20bから仕切り板20eまでの距離D2との比(D1:D2)が1:1~10:1となる位置が好ましく、3:1~8:1となる距離がより好ましい。本実施形態における仕切り板20eが本発明における「第3の板状部材」の一例に相当する。
【0030】
特に限定されないが、路面施工装置1において、前方板20aと仕切り板20eの間の領域S1は、表面処理混合物を配置するための領域(配置領域)である。また、路面施工装置1において、仕切り板20eと後方板20bとの間の領域S2は、表面処理混合物が敷き均される領域(調整領域)である。後に詳述するが、路面施工装置1が、仕切り板20e及びブラシ部40eを備えていることにより、調整領域S2において、表面処理混合物の路面幅方向(X方向)の厚みを均一に均すことができ、表面処理層の厚みをより均一にすることができる。
【0031】
本体部10は、前方板20a及び後方板20bを接続するように設けられた天板14と、天板14上に設けられた調節棒15と、をさらに備えている。天板14及び調節棒15を構成する材料としては、板部材20を構成する材料と同様のものを用いることができる。後述するように、調節棒15に重りを取り付けることにより、路面施工装置1を牽引する際に、路面施工装置1の姿勢を制御することが可能となっている。なお、路面施工装置1が天板14及び調節棒15を備えていなくてもよい。
【0032】
本体部10は、
図1及び
図2に示すように、前方板20a、後方板20b、側方板20c、20d、及び仕切り板20eの下方側面に取り付けられた補助部材30a~30eをそれぞれ備えている。以降、補助部材30a~30eを総称して単に補助部材30とも呼称する。補助部材30は、いずれも板状の形状を有しており、対応する板部材20に対して略平行に配置されている。本実施形態における補助部材30a、30bが本発明の態様における第1の補助部材の一例に相当し、本実施形態における補助部材30c、30dが本発明の態様における「第2の補助部材」の一例に相当し、本実施形態における30eが本発明の態様における「第3の補助部材」の一例に相当する。
【0033】
図4(a)は
図2のIVa-IVa線に沿った断面図であり、
図4(b)は
図2のIVb-IVb線に沿った断面図である。
【0034】
図4(a)及び
図4(b)に示すように、補助部材30は、本体部31と、本体部31において板部材20と対向する面に設けられた厚み調整部32と、を備えている。本体部31及び厚み調整部32は、いずれも、対応する板部材20の長手方向の長さと同等の長さを有する板状の部材である。本体部31及び厚み調整部32は、特に限定されないが、ステンレス等の金属製の材料で構成されている。本体部31の厚みは、好ましくは2~9mmであり、より好ましくは3~6mmである。
【0035】
補助部材30の本体部31は、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、スペーサー50を介して板部材20との間でブラシ部40の接続部43(後述)を挟み込むようにして板部材20に取り付けられている。これにより、補助部材30、スペーサー50、及び板部材20との間に空間が形成され、この空間にブラシ部40が配置されている。スペーサー50は、板部材20の長手方向の長さと同等の長さを有する板状の部材であり、特に限定されないが、板部材20と同様の材料で構成されている。本体部31及びスペーサー50には、それぞれ貫通孔が形成されており、本体部31及びスペーサー50は、ボルト60によって板部材20の側面にねじ止めされている。
【0036】
補助部材30の厚み調整部32は、ブラシ部40の線状部材41(後述)の束に接触しており、板部材20の厚み調整部21との間で線状部材41の束を挟み込んでいる。なお、特にこれに限定されず、補助部材30が厚み調整部32を備えておらず、板部材20が厚み調整部21を備えていなくてもよい。すなわち、本体部31と板部材20との間で線状部材41の束を挟み込むようにしてもよい。
【0037】
図4(a)に示すように、前方板20a、後方板20b、及び仕切り板20eに設けられた補助部材30a、30b、30eの下面は、いずれも、前方板20a、後方板20b、及び仕切り板20eの下面と鉛直方向における高さがそれぞれ一致するように構成されている。一方、
図4(b)に示すように、側方板20c、20dに設けられた補助部材30c、30dの下面は、いずれも、側方板20c、20dの下面よりも鉛直方向において下方に位置するように構成されている。すなわち、本実施形態では、補助部材30c、30dの下端が、本体部10において最も下方に位置している。従って、路面施工装置1を路面に載置した際、補助部材30c、30dの下面が路面に接触し、補助部材30c、30dによって路面施工装置1全体が支持される。補助部材30c、30dは、側方板20c、20dとそれぞれ平行に配置され、路面施工装置1の牽引方向に沿って延在する部材である。このため、補助部材30c、30dによって路面施工装置1を支持するように構成することにより、路面施工装置1を牽引しやすくなるとともに、表面処理混合物により形成される表面処理層の幅をより均一にすることができる。また、補助部材30c、30dが路面に接触することにより、路面施工装置1の内部に配置された表面処理混合物が幅方向において本体部10の外側に漏れ出すことを抑制することができるため、表面処理層の端部を補助部材30c、30dに沿った形状に整え、端部の仕上がりを向上することができる。
【0038】
本実施形態では、
図4(b)に示すように、本体部31c、31dの下面と、厚み調整部32c、32dの下面の高さが一致しているが、特にこれに限定されない。例えば、厚み調整部32c、32dの下面が、本体部31c、31dの下面よりも下方に位置し、路面施工装置1全体が、厚み調整部32c、32dによって支持されるように構成してもよい。
【0039】
図5は本実施形態における路面施工装置1の側面図である。
【0040】
図1及び
図5に示すように、側方板20c、20dに設けられた補助部材30c、30dは、本体部31c、31dの長手方向の一端から突出する突起部33c、33dをそれぞれさらに備えている。突起部33c、33dは、特に限定されないが、本体部31c、31dと同一の厚さの板状部材で構成されている。突起部33c、33dの下面は、本体部31c、31dの下面と連続するように構成されている。また、突起部33c、33dの下面は、本体部31c、31dから離れるにしたがって当該下面の位置が高くなるように湾曲した一定の曲率半径Rの曲面形状を有している。突起部33c、33dの下面の形状は、本体部31c、31dから離れるにしたがって位置が高くなるような形状であれば特にこれに限定されない。例えば、突起部33c、33dの下面の形状は、一定の曲率半径を有さない曲面形状であってもよく、テーパー形状であってもよい。
【0041】
本実施形態では、突起部33c、33dが本体部31c、31dの一端に設けられているが、突起部33c、33dの位置は特にこれに限定されない。例えば、突起部33c、33dが、厚み調整部32c、32dの長手方向の一端に設けられていてもよい。
【0042】
補助部材30c、30dが、突起部33c、33dを備えていることにより、路面施工装置1を牽引した際に、補助部材30c、30dの角部などが路面と接触することが抑制される。これにより、路面施工装置1を路面上で牽引しやすくすることができると共に、補助部材30c、30dと路面の接触による路面の損傷の発生を抑制することができる。
【0043】
図6は本実施形態におけるブラシ部40の構成を示す図である。
【0044】
ブラシ部40a~40eは、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、それぞれ、前方板20a、後方板20b、側方板20c、20d、及び仕切り板20eの側面に取り付けられている。ブラシ部40は、
図6に示すように、複数の線状部材41と、保持部42と、接続部43と、を備えている。線状部材41は、特に限定されないが、ポリプロピレン等の樹脂材料で構成されている。線状部材41の線幅は、特に限定されないが、好ましくは0.1~1mmであり、より好ましくは0.3~0.6mmである。また、線状部材41の長さは、特に限定されないが、好ましくは30~100mmである。複数の線状部材41は、互いに束ねられて保持部42に保持されている。
【0045】
図6等に示すように、線状部材41は、直線状の部材であるが、路面施工装置1を路面上に載置した際、線状部材41における本体部10からの突出部分は、路面に沿ってしなるように変形する(
図7参照)。すなわち、路面施工装置1を路面上に載置した際に、ブラシ部40の線状部材41が路面の凸部に追従して変形することができると共に、路面の凹部に入り込むことができる。これにより、路面の凹凸形状に応じて適切に表面処理混合物を塗布することができるため、表面処理混合物からなる層の厚みを均一にすることができる。また、ブラシ部40が路面の凹凸形状に追従して変形することで、路面施工装置1と路面との間に隙間が生じないため、路面施工装置1の内部に配置された表面処理混合物が外部に漏れだすことを抑制して、表面処理混合物からなる層の厚みを均一にすることができる。
【0046】
各ブラシ部40a~40eの線状部材41は、下端の高さ位置が他のブラシ部40a~40eの線状部材41の下端の高さ位置と互いに一致するように構成されている。また、各ブラシ部40a~40eの線状部材41は、本体部10の下端から突出している。各ブラシ部40a~40eの線状部材41の本体部10の下端からの突出長さは、好ましくは5~50mmであり、より好ましくは10~30mmである。上述のように、本実施形態における本体部10の下端は、補助部材30c、30dの下端(下面)である。すなわち、本実施形態では、
図4(b)に示すように、補助部材30c、30dの下端からの突出長さLが5~50mmとなるようにブラシ部40c、40dの線状部材41の長さ及びブラシ部40c、40dの取り付け位置が調整されている。また、ブラシ部40a、40bは、ブラシ部40a、40bの線状部材41の下端の位置がブラシ部40c、40dの線状部材41の下端の位置と一致するようにそれぞれ構成されている。線状部材41の本体部10からの突出長さを上記範囲内とすることにより、表面処理混合物からなる層の厚さを薄く(1~2mm程度に)制御することがより容易となる。
【0047】
なお、後方板20bに取り付けられたブラシ部40bは、後述するように、表面処理混合物からなる層の表面にブラシ仕上げ加工を施す機能も有している。ブラシ部40bが表面処理混合物からなる層の上を摺動することにより、表面処理混合物からなる層の表面にブラシ仕上げ加工が施され、施工後の路面の外観が向上する。ブラシ部40bの長さは、他のブラシ部よりも10~30mm程度長くしてもよい。これにより、表面処理混合物からなる層の厚さ及び仕上がりをより適切に制御することができる。
【0048】
図4(a)及び
図4(b)に示すように、本実施形態では、ブラシ部40の線状部材41の束が、補助部材30と板部材20との間で挟み込まれている。これにより、線状部材41の束の下端の幅Wは、板部材20の表面に対して垂直な方向における長さで、5~20mm程度に制御されている。線状部材41の束の下端の幅Wは、好ましくは5~20mmであり、より好ましくは10~15mmである。線状部材41の束の下端の幅Wを上記範囲内とすることにより、路面施工装置1を用いて表面処理混合物を路面上に塗布する際に、線状部材41の束が表面処理混合物を含んだ場合であっても、線状部材41の束が膨らんでしまうことを抑制することができる。従って、線状部材41の束が膨らむことにより表面処理混合物が路面上の意図しない箇所に塗布されてしまうことを抑制することができ、表面処理混合物からなる層の表面の仕上がりを向上することができる。
【0049】
保持部42は、ステンレス等の金属製の板状部材を折り曲げて構成されており、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、複数の線状部材41の上方を挟み込んで保持している。線状部材41を保持することができる構造であれば、保持部42の構造は特にこれに限定されない。
【0050】
接続部43は、特に限定されないが、金属製の板状部材によって保持部42と一体的に構成されている。接続部43には、複数の貫通孔44が形成されており、
図4(a)及び
図4(b)に示すように貫通孔44を介してボルト60で接続部43をねじ止めすることにより、各ブラシ部40全体が本体部10に取り付けられている。なお、
図6に示すように、貫通孔44は、線状部材41の延在する方向に沿って縦長の形状を有している。貫通孔44の縦方向の長さは、特に限定されないが、ボルト60の直径の2~5倍程度である。貫通孔44をこのような縦長の形状とすることにより、貫通孔44におけるボルト60の位置を調整することができるため、本体部10に対する上下方向のブラシ部40の取り付け位置を調整することが可能となっている。特に、中央のブラシ部40eの上下方向における取り付け位置を調整することにより、表面処理混合物の塗布厚みをより適切に調整することができる。また、後方のブラシ部40bの上下方向における取り付け位置を調整することにより、表面処理混合物からなる層に対するブラシ仕上げ加工の強弱を調整し、施工後の路面の外観を調整することができる。
【0051】
次に、本実施形態における路面施工装置1を用いた表面処理混合物の施工方法について説明する。本実施形態における表面処理混合物の施工方法は、本体部10の内部に表面処理混合物を配置する準備工程と、路面施工装置1を牽引して表面処理混合物を路面上に塗布する塗布工程とを備える。なお、後述するように、塗布工程は、ブラシ部40を用いて表面処理混合物の表面にブラシ仕上げ加工を施すことを含む。
図7は本実施形態における路面施工装置1を用いた表面処理混合物の施工方法における準備工程を示す断面図であり、
図8は本実施形態における路面施工装置1を用いた表面処理混合物の施工方法における塗布工程を示す断面図である。
【0052】
先ず、準備工程では、
図7に示すように、路面施工装置1を路面Z上に配置する。このとき、補助部材30c、30dの下面が路面Zと接触し、補助部材30c、30dにより路面施工装置1が支持される。次いで、上部開口12から、ミキサ等によりあらかじめ混合した表面処理混合物Mを投入し、前方板20a及び仕切り板20eの間の配置領域S
1に表面処理混合物Mを配置する。なお、路面施工装置1を路面Z上に配置した際に、ブラシ部40の線状部材41が路面Z上の凸部に追従して変形すると共に、路面Z上の凹部に入り込むため、路面施工装置1と路面Zとの間に隙間が形成されない。これにより、表面処理混合物Mは路面施工装置1の外側に漏れ出さずに路面施工装置1の内部に保持される。
【0053】
次いで、塗布工程では、
図8に示すように、路面施工装置1の牽引部13を、手動または自動台車等の移動装置(不図示)に接続することにより保持し、手動または移動装置によって路面施工装置1を前方に(図中Y方向に)牽引する。路面施工装置1が牽引されるに伴い、路面施工装置1内において、表面処理混合物Mの一部が仕切り板20eの下面と路面Zとの隙間から仕切り板20eと後方板20bの間の調整領域S
2に移動する。この際、仕切り板20eに取り付けられたブラシ部40eが路面Z上及び表面処理混合物Mの上を摺動することにより、表面処理混合物Mが路面幅方向において敷き均され、路面Zの幅方向における表面処理混合物Mの厚みが均一(1~2mm程度)に調整される。
【0054】
さらに、調整領域S2内の表面処理混合物Mは、路面施工装置1が牽引されるに伴い、後方板20bの下面と路面Zとの隙間から、路面施工装置1に対して相対的に後方に送り出され、ブラシ部40bによって路面Z上に塗布される。以上のようにして、路面施工装置1が移動した路面Z上に、表面処理混合物Mからなる層が形成される。この際、後方板20bに取り付けられたブラシ部40bが表面処理混合物Mの上を摺動することにより、表面処理混合物Mからなる層の表面にブラシ仕上げ加工が施される。また、側方板20c、20dに取り付けられた補助部材30c、30d及びブラシ部40c、40dが路面Z上を摺動することにより、表面処理混合物Mが本体部10の側方から外側へはみ出すことが抑制される。これにより、表面処理混合物Mからなる層の幅は、補助部材30c及び30dの間の距離と同等の均一な幅に制御される。
【0055】
なお、路面施工装置1を牽引する際、補助部材30c、30dの下面が、路面のZ表面と平行とならないようにすることが好ましい。具体的には、路面施工装置1の進行方向に従って補助部材30c、30dの下面が路面Zから離れるように、路面施工装置1がわずかに傾斜した状態とすることが好ましい。路面施工装置1がわずかに傾斜した状態で牽引するために、特に限定されないが、高さ方向における牽引部13の取り付け位置を調整したり、調節棒15に重りを取り付けたりすることにより、路面施工装置1の重心の位置を予め調整することが好ましい。路面施工装置1が傾斜した状態で路面施工装置1を牽引することにより、路面施工装置1の姿勢を安定させることができると共に、路面施工装置1が路面Z上の凹凸に引っ掛かることを抑制することができるため、施工を安定的に行うことが可能となる。
【0056】
最後に、表面処理混合物Mを養生して硬化させることで、路面上に表面処理層が形成される。
【0057】
以上のように、本実施形態における路面施工装置1では、前方板20a及び後方板20bに取り付けられたブラシ部40a、40bが、路面の凸部に追従して変形すると共に、路面のわだち等の凹部に入り込むことができるため、路面の凹部内部にも表面処理混合物を適切に塗布することができ、表面処理混合物を均一な厚さ(1~2mm程度)に塗布することができる。また、ブラシ部40a、40bが路面の凹凸形状に追従することにより、路面施工装置1と路面との間に隙間が生じないため、表面処理混合物が路面施工装置1の外部へ漏れだすことを抑制することができ、表面処理混合物を均一な厚さに塗布することができる。
【0058】
また、本実施形態における路面施工装置1によれば、ブラシ部40bによって路面上に塗布された表面処理混合物の表面にブラシ仕上げ加工を施すことができる。これにより、表面処理混合物からなる層の外観を向上することができる。特に、ブラシ仕上げ加工を行わない場合、塗布の開始端や終了端の仕上がりが悪くなってしまうところ、本実施形態では、ブラシ仕上げ加工を行うことにより、表面処理混合物の開始端および終了端の仕上がりを向上し、表面処理混合物からなる層全体の外観を優れたものとすることができる。
【0059】
また、本実施形態における路面施工装置1は、側方板20c、20dに取り付けられたブラシ部40c、40dを備えている。これにより、路面施工装置1を牽引することで、ブラシ部40c、40dが路面施工装置1の進行方向に沿って路面上を摺動するため、表面処理混合物が側方板20c、20dから外側へ漏れ出すことを抑制することができる。従って、路面施工装置1によって塗布された表面処理混合物からなる層の幅を均一にすることができる。
【0060】
また、本実施形態における路面施工装置1は、前方板20a及び後方板20bの間に設けられた仕切り板20e及びブラシ部40eを備えている。これにより、路面施工装置1を牽引した際に、ブラシ部40eが表面処理混合物上を摺動することにより、調整領域S2において表面処理混合物の幅方向の厚みを均一に調整したうえで、後方板20bのブラシ部40bにより表面処理混合物を路面上に塗布することができる。従って、表面処理混合物からなる層の厚みをより均一にすることができる。
【0061】
また、本実施形態における路面施工装置1は、板部材20に取り付けられた補助部材30を備えており、補助部材30と板部材20とで、ブラシ部40の線状部材41が挟み込まれている。これにより、路面施工装置1によって表面処理混合物を塗布する際に、線状部材41の束が表面処理混合物を含んで広がり、路面上の意図しない箇所に表面処理混合物が塗布されることを抑制することができる。従って、表面処理混合物からなる層の表面の仕上がりを向上することができる。
【0062】
また、本実施形態における路面施工装置1では、側方板20c、20dに設けられた補助部材30c、30dの下端が、側方板20c、20dの下端よりも下方に位置している。すなわち、本体部10において、補助部材30c、30dの下面が最も下方に位置しており、路面施工装置1を路面上に載置した際に、補助部材30c、30dが路面と接触し、路面施工装置1全体が補助部材30c、30dによって支持されるように構成されている。補助部材30c、30dは、路面施工装置1を牽引した際の進行方向と平行な方向に延在しているため、補助部材30c、30dが路面と接触することにより、路面施工装置1をより牽引しやすくなる。また、路面施工装置1が牽引されることで、補助部材30c、30dが路面上を摺動するため、表面処理混合物が本体部10の側方から外側へ漏れ出すことをより抑制することができ、塗布された表面処理混合物からなる層の幅をより均一にすることができる。
【0063】
また、本実施形態における路面施工装置1は、補助部材30c、30dの一端に設けられた突起部33c、33dをそれぞれ備えている。これにより、路面施工装置1を牽引した際に、補助部材30c、30dの角部などが路面と接触することを抑制し、路面施工装置1を牽引しやすくなると共に、路面の損傷の発生を抑制することができる。
【0064】
さらに、本実施形態における路面施工装置1によって形成された表面処理混合物からなる層は、ブラシ仕上げ加工により外観が向上したものである。このため、表面処理混合物を用いて施工した箇所に、重ねて複数回施工をした際にも、表面処理混合物からなる層が重なった部分の外観を優れたものとすることができる。
【0065】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0066】
例えば、上記の実施形態では、路面施工装置1がモルタル材を含む表面処理混合物の塗布に用いられたが、路面施工装置1の用途は特にこれに限定されない。路面施工装置1は、ブラシ部40によって塗布することができる程度の流動性を持つ物質の施工に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0067】
1…路面施工装置
10…本体部
11…底部開口
12…上部開口
13…牽引部
14…天板
15…調節棒
20…板部材
20a…前方板
20b…後方板
20c、20d…側方板
21…厚み調整部
30、30a、30b、30c、30d、30e…補助部材
31…本体部
32…厚み調整部
33…突起部
40、40a、40b、40c、40d、40e…ブラシ部
41…線状部材
42…保持部
43…接続部
44…貫通孔
50…スペーサー
60…ボルト
S1…配置領域
S2…調整領域
M…表面処理混合物
Z…路面
【要約】
【課題】表面処理混合物を薄く均一な厚さで塗布することが可能な路面施工装置を提供すること。
【解決手段】モルタル材を含有する表面処理混合物を路面上に塗布するために用いられる路面施工装置1は、矩形枠形状を有する本体部10と、本体部10に設けられたブラシ部40と、を備え、本体部10は、第1の方向に沿って配置された2つの第1の板状部材20a、20bと、第1の板状部材20a、20bと交差して、第2の方向に沿って配置された2つの第2の板状部材20c、20dと、を含み、ブラシ部40は、複数の線状部材41と、線状部材41を保持する保持部42と、を備え、線状部材41は、本体部10の下端から突出しており、ブラシ部40は、第1の板状部材20a、20bに設けられた第1のブラシ部40a、40bを含む。
【選択図】
図1