(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】遮蔽フィルム及び回路基板
(51)【国際特許分類】
H05K 9/00 20060101AFI20240919BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240919BHJP
C09J 7/30 20180101ALI20240919BHJP
C09J 11/04 20060101ALI20240919BHJP
C09J 9/02 20060101ALI20240919BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20240919BHJP
B32B 15/08 20060101ALI20240919BHJP
B32B 7/025 20190101ALI20240919BHJP
【FI】
H05K9/00 W
H05K9/00 R
H05K1/02 R
H05K1/02 P
C09J7/30
C09J11/04
C09J9/02
C09J201/00
B32B15/08 J
B32B7/025
(21)【出願番号】P 2023504656
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 CN2020114440
(87)【国際公開番号】W WO2022016687
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】202010725896.5
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521204482
【氏名又は名称】広州方邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU FANGBANG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.28, Dongzhi Road, Huangpu District Guangzhou,Guangdong 510530 China
(74)【代理人】
【識別番号】100158920
【氏名又は名称】上野 英樹
(72)【発明者】
【氏名】スー,ジー
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-123606(JP,A)
【文献】特開2019-186438(JP,A)
【文献】特開2012-124465(JP,A)
【文献】特開2010-161302(JP,A)
【文献】特開2016-039160(JP,A)
【文献】特開2019-220620(JP,A)
【文献】特開2015-148011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
H05K 1/02
C09J 7/30
C09J 11/04
C09J 9/02
C09J 201/00
B32B 15/08
B32B 7/025
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フィルム層と、コントラスト構造層と、電磁遮蔽層とを含む遮蔽フィルムであって、
前記第1フィルム層は前記電磁遮蔽層の第1側に設置され、
前記コントラスト構造層は前記電磁遮蔽層の第1側に設置され、
前記コントラスト構造層の色のグレースケール値は前記第1フィルム層の色のグレースケール値よりも大き
く、
接着フィルム層をさらに含み、
前記接着フィルム層は、前記電磁遮蔽層の前記第1フィルム層から離れる側に設置され、
前記電磁遮蔽層の前記接着フィルム層に近い側には粗化処理により複数の突起構造が形成され、
前記突起構造は前記接着フィルム層を貫通してプリント回路基板の接地端に接続することに用いられる、遮蔽フィルム。
【請求項2】
前記第1フィルム層は、エポキシ樹脂、ゴム、変性エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリウレタン系樹脂、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー及びインクのうちの少なくとも1つを含み、
前記第1フィルム層の厚さ範囲は0.5μm~40μmである、請求項1に記載の遮蔽フィルム。
【請求項3】
前記コントラスト構造層の色のグレースケール値と前記第1フィルム層の色のグレースケール値との差は第1グレースケール閾値以上であり、前記第1グレースケール閾値は10以上である、請求項1に記載の遮蔽フィルム。
【請求項4】
前記第1グレースケール閾値は50である、請求項
3に記載の遮蔽フィルム。
【請求項5】
前記第1グレースケール閾値は100である、請求項
3に記載の遮蔽フィルム。
【請求項6】
前記コントラスト構造層は前記第1フィルム層の前記電磁遮蔽層から離れる側に設置される、請求項1に記載の遮蔽フィルム。
【請求項7】
前記コントラスト構造層は接着層又はインク層である、請求項
6に記載の遮蔽フィルム。
【請求項8】
前記コントラスト構造層は白色接着層又は白色インク層である、請求項
7に記載の遮蔽フィルム。
【請求項9】
前記第1フィルム層は前記コントラスト構造層の前記電磁遮蔽層から離れる側に設置される、請求項1に記載の遮蔽フィルム。
【請求項10】
前記コントラスト構造層は接着層又はインク層である、請求項
9に記載の遮蔽フィルム。
【請求項11】
前記コントラスト構造層は白色
の接着層であるか、又は、前記コントラスト構造層は白色インク層である、請求項
10に記載の遮蔽フィルム。
【請求項12】
前記コントラスト構造層は金属層である、請求項
6又は
9に記載の遮蔽フィルム。
【請求項13】
前記コントラスト構造層の材料は、ニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも1つの単体であるか、又は、前記コントラスト構造層の材料は、ニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも2つから形成される合金であるか、又は、コントラスト構造層の材料は、ニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも2つから形成される合金間の組み合わせである、請求項
12に記載の遮蔽フィルム。
【請求項14】
前記コントラスト構造層は少なくとも2層の金属層を含む、請求項
12に記載の遮蔽フィルム。
【請求項15】
前記コントラスト構造層は、前記第1フィルム層と前記金属層との間に設置される第2フィルム層をさらに含み、
前記第2フィルム層の色のグレースケール値と前記第1フィルム層の色のグレースケール値との差は第1グレースケール閾値以上であり、前記第1グレースケール閾値は10以上である、請求項
12に記載の遮蔽フィルム。
【請求項16】
前記第2フィルム層は白色
であり、前記第2フィルム層の厚さ範囲は0.5μm~30μmである、請求項
15に記載の遮蔽フィルム。
【請求項17】
前記接着フィルム層内には、複数の導電性粒子が設置され、
前記導電性粒子は、前記接着フィルム層を貫通することで、プリント回路基板の接地端と前記電磁遮蔽層に接続することに用いられる、請求項
1に記載の遮蔽フィルム。
【請求項18】
前記電磁遮蔽層には複数の貫通孔が設けられる、請求項1に記載の遮蔽フィルム。
【請求項19】
第1フィルム層と、コントラスト構造層と、電磁遮蔽層とを含む遮蔽フィルムであって、
前記第1フィルム層は前記電磁遮蔽層の第1側に設置され、
前記コントラスト構造層は前記電磁遮蔽層の第1側に設置され、
前記コントラスト構造層の色のグレースケール値は前記第1フィルム層の色のグレースケール値よりも大きく、前記コントラスト構造層と前記第1フィルム層のうち、前記電磁遮蔽層から遠い方の層には識別コードの中空パターンが形成され
、
接着フィルム層をさらに含み、
前記接着フィルム層は、前記電磁遮蔽層の前記第1フィルム層から離れる側に設置され、
前記電磁遮蔽層の前記接着フィルム層に近い側には粗化処理により複数の突起構造が形成され、
前記突起構造は前記接着フィルム層を貫通してプリント回路基板の接地端に接続することに用いられる、遮蔽フィルム。
【請求項20】
前記コントラスト構造層と前記第1フィルム層のうち、前記電磁遮蔽層に近い方の層には溝パターンが形成され、前記電磁遮蔽層が位置する平面への前記中空パターンの垂直投影は前記溝パターンと完全に重なる、請求項
19に記載の遮蔽フィルム。
【請求項21】
前記コントラスト構造層は前記第1フィルム層の前記電磁遮蔽層から離れる側に設置され、前記コントラスト構造層には前記識別コードの中空パターンが形成される、請求項
19又は
20に記載の遮蔽フィルム。
【請求項22】
前記コントラスト構造層は接着層又はインク層である、請求項
21に記載の遮蔽フィルム。
【請求項23】
前記第1フィルム層は前記コントラスト構造層の前記電磁遮蔽層から離れる側に設置され、前記第1フィルム層には前記識別コードの中空パターンが形成される、請求項
19又は
20に記載の遮蔽フィルム。
【請求項24】
前記コントラスト構造層は、接着層、インク層及び金属層のうちの1種であるか、又は2種以上の組み合わせである、請求項
23に記載の遮蔽フィルム。
【請求項25】
回路基板であって、プリント回路基板と、請求項1~
24のいずれか1項に記載の遮蔽フィルムとを含み、前記遮蔽フィルムの電磁遮蔽層の第1フィルム層から離れる側には接着フィルム層が設置され、
前記遮蔽フィルムの接着フィルム層の一側には前記プリント回路基板が貼り付けて設置される、回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電子技術分野に関し、たとえば、遮蔽フィルム及び回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子産業の急速な発展に伴い、電子製品は小型化、軽量化、高密度実装化に向けてさらに発展され、フレキシブル回路基板の発展を大幅に促進し、素子装置と導線の接続一体化が徐々に実現されている。フレキシブル回路基板は携帯電話、液晶表示、通信、航空宇宙等の業界で幅広く適用できる。
【0003】
スマホ等の電子製品のさまざまな機能の統合に伴い、その内部コンポーネントは徐々に高周波化及び高速化されている。たとえば、携帯電話の各機能のうち、既存の音声伝送機能の他、カメラ機能も必須の機能となり、且つ無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Networks、WLAN)、グローバル測位システム(Global Positioning System、GPS)及びインターネットアクセス機能も普及され、また、将来のセンシングコンポーネントは徐々に統合され、スマホの内部コンポーネントの高周波化及び高速化の傾向は回避できない。
【0004】
従来の電子製品において、電子製品の内部にはさまざまな部品が集積されており、該電子製品をよりよく追跡するか、又は電子製品の内部のある部品をよりよく追跡するために、電子製品内に識別コードを設ける場合は多く、当該識別コードをスキャンすることにより、電子製品又はその内部のある部品の情報追跡を行うことができる。従来技術では、識別コード(たとえば二次元コード)をある鋼板にプリントするが、電子製品の薄型化により鋼板のサイズが制限され、その結果、鋼板への二次元コードのプリントは困難である。従来技術において、印刷方式で、識別コードを電子製品のフレキシブル基板に印刷してもよいが、フレキシブル基板のサイズが小さいため、印刷された識別コードは明確ではなく、精度は識別要求を満たすことができず、且つ識別コードがサイズの小さいフレキシブル基板にプリントできない状況も存在している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例は、遮蔽フィルムに識別コードを設けて、それにより識別コードの鮮明度及び解像度を向上させることを実現するように、遮蔽フィルム及び回路基板を提供する。
【0006】
第1態様では、本願の実施例は、第1フィルム層と、コントラスト構造層と、電磁遮蔽層とを含む遮蔽フィルムを提供し、
前記第1フィルム層は前記電磁遮蔽層の第1側に設置され、
前記コントラスト構造層は前記電磁遮蔽層の第1側に設置され、
前記コントラスト構造層の色のグレースケール値は前記第1フィルム層の色のグレースケール値よりも大きい。
【0007】
第2態様では、本願の実施例は、第1フィルム層と、コントラスト構造層と、電磁遮蔽層とを遮蔽フィルムを提供し、
前記第1フィルム層は前記電磁遮蔽層の第1側に設置され、
前記コントラスト構造層は前記電磁遮蔽層の第1側に設置され、
前記コントラスト構造層の色のグレースケール値は前記第1フィルム層の色のグレースケール値よりも大きく、前記コントラスト構造層と前記第1フィルム層のうち、前記電磁遮蔽層から遠い方の層には識別コードの中空パターンが形成される。
【0008】
第3態様では、本願の実施例は回路基板を提供し、前記回路基板は、プリント回路基板と、本願のいずれかの実施例に係る遮蔽フィルムとを含み、前記遮蔽フィルムの電磁遮蔽層の第1フィルム層から離れる側には接着フィルム層が設置され、
前記遮蔽フィルムの接着フィルム層の一側には前記プリント回路基板が貼り付けて設置される。
【0009】
本願では、遮蔽フィルムは電磁干渉を遮蔽するための電磁遮蔽層を含み、電磁遮蔽層の第1側には第1フィルム層及びコントラスト構造層が設置され、第1フィルム層を電磁遮蔽層とコントラスト構造層との間に設置してもよく、コントラスト構造層を電磁遮蔽層と第1フィルム層との間に設置してもよく、コントラスト構造層の色のグレースケール値を第1フィルム層の色のグレースケール値よりも大きくする必要があり、これにより、コントラスト構造層と第1フィルム層との間に明確な明暗明るさのコントラストが形成されることができる。本実施例では、コントラスト構造層と第1フィルム層のうち、電磁遮蔽層から遠い方の層に識別コードの中空パターンを形成することで、コントラスト構造層と第1フィルム層との間の強い明暗又は色のコントラストで、ユーザーは鮮明度の高い識別コードを取得することができ、これにより、識別コードに対する識別精度及び正確性を向上させ、識別コードにより識別される部品又は電子製品を容易に追跡することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は本願の実施例に係る遮蔽フィルムの構造模式図である。
【
図2】
図2は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。
【
図3】
図3は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。
【
図4】
図4は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。
【
図5】
図5は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。
【
図6】
図6は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。
【
図7】
図7は本願の実施例に係る電磁遮蔽層の平面構造模式図である。
【
図8】
図8は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。
【
図9】
図9は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。
【
図10】
図10は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。
【
図11】
図11は本願の実施例に係る回路基板の構造模式図である。
【
図12】
図12は本願の実施例に係る電子機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願をさらに詳細に説明する。理解できるように、ここで説明される具体的な実施例は本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。また、さらに説明する必要がある点として、記述の便宜上、図面は、すべての構造ではなく、本願に関連する部分のみを示している。
【0012】
フレキシブル回路基板の発展に伴い、フレキシブル回路基板の性能を評価する重要な指標として、電磁遮蔽(Electromagnetic Interference Shielding、EMI Shielding)が挙げられる。高周波化及び高速化の駆動下で発生したコンポーネントの内部及び外部の電磁干渉、及び伝送中の信号の減衰、挿入損失及びジッターは徐々に深刻になり、一般的な電子製品は、電磁干渉の遮蔽を実現するように、プリント回路基板に遮蔽フィルムを貼り付ける必要がある。電子製品のサイズ仕様のため識別コードの設けが困難であるという従来の状況を組み合わせて、本願の実施例は識別コードを遮蔽フィルムに創造的に設け、これにより、識別コードの鮮明度及び解像度を向上させる。
【0013】
具体的には、本願の実施例は、第1フィルム層と、コントラスト構造層と、電磁遮蔽層とを含む遮蔽フィルムを提供し、
第1フィルム層は電磁遮蔽層の第1側に設置され、
コントラスト構造層は電磁遮蔽層の第1側に設置され、
コントラスト構造層の色のグレースケール値は第1フィルム層の色のグレースケール値よりも大きい。
【0014】
本願の実施例では、コントラスト構造層の色のグレースケール値が第1フィルム層の色のグレースケール値よりも大きいことに対して、識別コードが形成された後、機器が両者の色を識別してさらに処理して明確で識別可能な識別コードを形成すればよく、コントラスト構造層の色のグレースケール値が具体的に第1フィルム層の色のグレースケール値よりもどれだけ大きいかについて限定されない。
【0015】
本願の実施例では、遮蔽フィルムは電磁干渉を遮蔽するための電磁遮蔽層を含み、電磁遮蔽層の第1側には第1フィルム層及びコントラスト構造層が設置され、第1フィルム層を電磁遮蔽層とコントラスト構造層との間に設置してもよく、コントラスト構造層を電磁遮蔽層と第1フィルム層との間に設置してもよく、コントラスト構造層の色のグレースケール値が第1フィルム層の色のグレースケール値よりも大きくする必要があり、これにより、コントラスト構造層と第1フィルム層との間の明瞭な明暗明るさのコントラストを形成することができる。本実施例では、コントラスト構造層と第1フィルム層のうち、電磁遮蔽層から遠い方の層に識別コードの中空パターンが形成されることで、コントラスト構造層と第1フィルム層との間の強い明暗又は色のコントラストで、ユーザーは鮮明度の高い識別コードを取得することができ、これにより、識別コードに対する識別精度及び正確性を向上させ、識別コードにより識別される部品又は電子製品を容易に追跡することができる。
【0016】
以上は本願の要旨であり、以下、本願の実施例の図面を参照しながら本願の実施例の技術的解決手段を明確で、完全に記述する。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な作業を必要としない前提において、取得したすべてのその他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0017】
図1は本願の実施例に係る遮蔽フィルムの構造模式図である。
図1に示すように、遮蔽フィルムは第1フィルム層11と、コントラスト構造層12と、電磁遮蔽層13とを含む。電磁遮蔽層13の材料は、優れた遮蔽性能を有する導電性材料であり、効果的な電磁干渉遮蔽を実現することができ、好ましくは、電磁遮蔽層13の材料は銅であってもよく、低いコストを確保すると同時に、電気特性が良く、遮蔽性能が高く、伝送品質が高く、信頼性に優れた等の特性を有し、もちろん、電磁遮蔽層13の材料はさらにアルミニウム、銀等の金属材料であってもよく、本実施例はこれについて限定しない。好ましくは、
図2に示すように、
図2は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。遮蔽フィルムはさらに接着フィルム層14を含んでもよく、接着フィルム層14は電磁遮蔽層13の第1フィルム層11から離れる側に設置され、電磁遮蔽層13と回路基板の接続を実現することに用いられる。
【0018】
第1フィルム層11は電磁遮蔽層13を絶縁及び支持することに用いられ、電磁遮蔽層13への水分や酸素の侵入をある程度まで防ぎ、第1フィルム層11は、黒色、又は濃青色等のグレースケール値が黒色により近い色であることが好ましく、本実施例は第1フィルム層11の具体的な色を限定しない。好ましくは、第1フィルム層11は、エポキシ樹脂、ゴム、変性エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリウレタン系樹脂、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー及びインクのうちの少なくとも1つを含んでもよく、本実施において、上記材料のうちの少なくとも1つにその他の材料を加えて混合することでグレースケール値がより低い暗色を形成する。
【0019】
好ましくは、第1フィルム層11の色は黒色であってもよく、第1フィルム層11は黒色ポリイミドと黒色インクのうちの少なくとも1つを含んでもよく、黒色ポリイミドは水蒸気バリア効果に優れ、黒色インクは難燃効果が高く、第1フィルム層11は黒色ポリイミド材料で設置されてもよく、黒色インク材料で設置されてもよく、また、第1フィルム層11は、電磁遮蔽層13への保護効果を強化するように、黒色ポリイミドと黒色インクを同時に含んでもよい。好ましくは、電子製品の薄型化傾向に適応するために、第1フィルム層11の厚さ範囲は0.5μm~40μmであり、それにより第1フィルム層11の厚さをできるだけ減少させ、好ましくは、第1フィルム層11の厚さは4μmであってもよく、優れた絶縁及び保護性能を有する前提において、第1フィルム層11の薄型化は実現される。
【0020】
コントラスト構造層12は第1フィルム層11との明確な色又は明るさの違いを形成することに用いられ、コントラスト構造層12の色のグレースケール値は第1フィルム層11の色のグレースケール値よりも大きい。本実施例では、グレースケールパラメータでカラー色を高品質のグレースケールグラデーションカラーに変換して、コントラスト構造層12と第1フィルム層11との明るさのコントラストを検出する。グレースケールは黒色色調でさまざまな色を表し、すなわち、黒色を基準色とし、異なる色を異なる飽和率の黒色で表す。黒色と白色を0~255種のグレースケールに分割する。白色のグレースケール値は255であり、黒色のグレースケール値は0であり、本実施例において、コントラスト構造層12の色のグレースケール値が第1フィルム層11の色のグレースケール値よりも大きく限定され、好ましくは、コントラスト構造層12の色のグレースケール値と第1フィルム層11の色のグレースケール値との差がより大きく限定することができる。たとえば、コントラスト構造層12の色は銀色であり、銀色のグレースケール値がより大きいため、コントラスト構造層12の銀色と第1フィルム層11の暗色との明確なコントラストを形成する。
【0021】
コントラスト構造層12及び第1フィルム層11は電磁遮蔽層13の同じ側に位置し、且つコントラスト構造層12と第1フィルム層11の設置順序は可変であり、たとえば、
図2に示すように、コントラスト構造層12は第1フィルム層11と電磁遮蔽層13との間に設置されてもよく、又は、
図3に示すように、
図3は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。第1フィルム層11はコントラスト構造層12と電磁遮蔽層13との間に設置されてもよい。コントラスト構造層12と第1フィルム層11とが互いに重なって明確なコントラストを形成すればよい。コントラスト構造層12と第1フィルム層11の設置順序が
図1の設置順序であっても、
図3の設置順序であっても、最外側に位置する1層は識別コードの中空パターンを形成することに用いられ、且つ該中空パターンから露出された他の層の色は、該最外側の層と大きな明るさの差を形成することができ、これにより、識別コードがより明確になり、ユーザーが正確に識別することができる。具体的には、
図2に示すように、第1フィルム層11が最外側に設置される場合、第1フィルム層11に識別コードの中空パターンを形成する必要があり、第1フィルム層11の中空パターンから薄い色(高い明るさ)のコントラスト構造層12を露出させ、より明確な識別コードを形成する。
図3に示すように、コントラスト構造層12が最外側に設置される場合、コントラスト構造層12に識別コードの中空パターンを形成する必要があり、コントラスト構造層12における中空パターンから暗色の第1フィルム層11を露出させ、明確な識別コードを形成する。好ましくは、上記中空パターンはレーザアブレーションにより形成可能であり、たとえば、紫外線レーザ及び二酸化炭素レーザで中空パターンのアブレーションを行うことができる。
【0022】
好ましくは、コントラスト構造層12の色のグレースケール値と第1フィルム層11の色のグレースケール値との差は第1グレースケール閾値以上であり、第1グレースケール閾値が10以上である場合、コントラスト構造層12の色のグレースケール値と第1フィルム層11の色のグレースケール値との差は少なくとも10であり、これにより、コントラスト構造層12と第1フィルム層11との間に明確な明暗の差を形成し、コントラスト構造層12と第1フィルム層11に形成された識別コードに対する識別コード識別装置の識別正確率が向上される。
【0023】
コントラスト構造層12と第1フィルム層11との明るさの差をさらに大きくするために、上記第1グレースケール閾値を50に限定することができ、それにより、コントラスト構造層12の色のグレースケール値と第1フィルム層11の色のグレースケール値との差は少なくとも50になり、コントラスト構造層12の色の明るさがより大きく、第1フィルム層11の色の明るさがより小さく、その結果、コントラスト構造層12と第1フィルム層11との間の明暗コントラストが大きくなり、識別コードに対する識別精度及び正確性が向上される。
【0024】
上記実施例を基礎として、本実施例では、第1グレースケール閾値を100にさらに限定することができ、それにより、コントラスト構造層12の色のグレースケール値と第1フィルム層11の色のグレースケール値との差は少なくとも100であり、たとえば、第1フィルム層11の色のグレースケール値が0であれば、コントラスト構造層12の色のグレースケール値と第1フィルム層11の色のグレースケール値との差は、少なくとも100、ひいては255になり、コントラスト構造層12のグレースケール値は、100以上であってもよい。グレースケール値の差が255である場合、コントラスト構造層12と第1フィルム層11のうちの一方は、純粋な黒色であり、他方は、純粋な白色であり、すなわち、両者のうちの一方のグレースケール値は、255であり、他方のグレースケール値は、0であり、明るさ又は色の違いが大きく、さらに識別コードの鮮明度が高くなる。
【0025】
注意すべきこととして、本実施例において、遮蔽フィルムは接着フィルム層14が設置された側を介してプリント回路基板に粘着され、電子機器で生じた干渉信号を電磁遮蔽層13によってプリント回路基板の接地板又は接地線に迅速に導出することに用いられる。
図4は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。好ましくは、電磁遮蔽層13の接着フィルム層14に近い側には粗化処理により複数の突起構造131を形成することができ、突起構造131は接着フィルム層14を貫通してプリント回路基板の接地端に接続することに用いられ、突起構造131は電磁遮蔽層13と接地端との間の接続を実現可能であり、且つ突起構造131により電磁遮蔽層13と接着フィルム層14との間を緊密に粘着し、電磁遮蔽層13と接着フィルム層14との分離が回避され、また、接着フィルム層14の接着剤量が不足である場合、遮蔽フィルムとプリント回路基板との分離が発生し、接着フィルム層14の接着剤量が多すぎる場合、プリント回路基板のエッジに接着剤のはみ出しが発生しやすく、本実施例では、突起構造131の設置により、遮蔽フィルムとプリント回路基板とを圧着する場合、突起構造131によって持ち上げられてはみ出した接着剤を接着フィルム層14の凹部に押すことができ、これにより、電磁遮蔽層13とプリント回路基板との間の接着剤収容量を増加させ、遮蔽フィルムとプリント回路基板との間の剥離を回避することができる。
【0026】
注意すべきこととして、上記遮蔽フィルムの生産過程において、上記第1フィルム層11、コントラスト構造層12、電磁遮蔽層13及び接着フィルム層14はすべてキャリアフィルム上に設置され、キャリアフィルムは上記各フィルム層を支持し、キャリアフィルム上に第1フィルム層11、コントラスト構造層12及び電磁遮蔽層13を形成した後、電磁遮蔽層13に粗化処理を行い、突起構造131を形成し、且つ接着フィルム層14を電磁遮蔽層13の突起構造131上に圧着して遮蔽フィルムのベースフィルム材料を形成する。その後、遮蔽フィルムのベースフィルム材料をキャリアフィルムから剥離し、且つ遮蔽フィルムの接着フィルム層14から離れる側にアブレーションにより識別コードの中空パターンを形成する必要がある。
【0027】
図5は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。本実施例では、電磁遮蔽層13の接着フィルム層14に近い側を粗化処理することを選択しなくてもよく、好ましくは、接着フィルム層14内に複数の導電性粒子141を設置してもよく、導電性粒子141は接着フィルム層14を貫通し、プリント回路基板の接地端と電磁遮蔽層13に接続することに用いられる。
図4と比較すると、
図5に示される接着フィルム層14内に複数の導電性粒子141を含み、導電性粒子141が凝集してより大きな粒子を形成し、より大きな粒子が接着フィルム層14を貫通して、これにより、プリント回路基板の接地端と電磁遮蔽層13との接続を構築することができ、この場合、本実施例は製造過程において、電磁遮蔽層13に粗化処理を行わずに、接着フィルム層14と電磁遮蔽層13とを緊密に粘着することができ、それにより遮蔽フィルムのベースフィルム材料を形成する。
【0028】
また、まず電磁遮蔽層13の接着フィルム層14に近い側を粗化処理することにより突起構造を形成した後、導電性粒子141を有する接着フィルム層14をコーティングしてもよく、
図6に示すように、
図6は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。本実施例では、電磁遮蔽層13に粗化処理により突起構造131を形成すると同時に、接着フィルム層14内に複数の導電性粒子141を設置することができ、導電性粒子141は接着フィルム層14を貫通して突起構造131に電気的に接続することができ、それにより電磁遮蔽層14と回路基板の接地層との導通性をさらに高め、及び接着剤収容量の不足による遮蔽フィルムと回路基板層との間の剥離という既存の問題を解決する。
【0029】
好ましくは、
図7に示すように、
図7は本願の実施例に係る電磁遮蔽層の平面構造模式図である。電磁遮蔽層13には複数の貫通孔132が設けられ、高温時の接着フィルム層の揮発性物質が電磁遮蔽層13の貫通孔132を通して排気することに有利であり、これにより、高温時に接着フィルム層の揮発性物質が排出されにくいことを回避し、それにより、電磁遮蔽層13の発泡や層間剥離による電磁遮蔽フィルムと回路基板の接地層との間の剥離を回避し、さらに電磁遮蔽フィルムが接地することを確保し且つ干渉電荷を導出する。
【0030】
好ましくは、貫通孔132は電磁遮蔽層13に規則的又は不規則的に分布することができ、
図7に示すように、貫通孔132が電磁遮蔽層13に規則的に分布することは、各貫通孔132の形状が同じであり且つ電磁遮蔽層13に均一に分布することを意味し、貫通孔132が電磁遮蔽層13に不規則的に分布することは、各貫通孔132の形状が異なり且つ電磁遮蔽層13に不規則的に分布することを意味する。好ましくは、
図7に示すように、各貫通孔132の形状は、同じであり、各貫通孔132は、電磁遮蔽層13に均一に分布する。また、貫通孔132は円形の貫通孔であってもよく、他の任意の形状の貫通孔であってもよく、
図7は貫通孔132が円形の貫通孔であることのみを例として説明するが、その他の任意の形状の貫通孔132はいずれも本願の実施例の保護範囲内に属する。
【0031】
以下、第1フィルム層11とコントラスト構造層12の配置順序に基づいて遮蔽フィルムを2種のタイプに分けて詳細に記述する。
第1種については、引き続き
図3を参照し、好ましくは、本実施では、コントラスト構造層12は第1フィルム層11の電磁遮蔽層13から離れる側に設置されてもよく、コントラスト構造層12には識別コードの中空パターンが形成される。
図3に示すように、本実施例では、コントラスト構造層12の材料は金属であってもよく、当該金属の色のグレースケール値は第1フィルム層11の色のグレースケール値よりも大きく、且つその差は10以上であることが好ましい。注意すべきこととして、上記金属層は金属元素と金属合金のうちの少なくとも1つを含んでもよく、本実施例はこれについて限定しない。コントラスト構造層12が金属層である場合、ユーザーが金属層に中空パターンを形成した後、好ましくは、金属層の電磁遮蔽層13から離れる側には絶縁フィルムが設置され、且つ識別コードを露出させてユーザーが識別するように、識別コードの中空パターンに対応する該絶縁フィルムの位置には開口部が形成され、それにより、金属層と外部電子部品との接触による短絡を防止することができる。また、上記絶縁フィルムが無色透明な絶縁フィルムである場合、該絶縁フィルムには上記開口部が設置されなくても、同様にユーザーが識別するように識別コードを露出させることができる。
【0032】
また、好ましくは、コントラスト構造層12はグレースケール値が第1フィルム層11よりも大きい接着層又はインク層であってもよい。電磁遮蔽層13に対して保護作用を果たすとともに、コントラスト構造層12は中空パターンから露出された第1フィルム層11と明確な識別コードを形成する。本実施例では、上記接着層は熱硬化性接着剤であってもよい。
【0033】
好ましくは、コントラスト構造層12は白色接着層又は白色インク層であってもよい。本実施例では、コントラスト構造層12は白色接着層又は白色インク層であり、コントラスト構造層12の色のグレースケール値が255であり、第1フィルム層11の色は好ましくは黒色であり、第1フィルム層11の色のグレースケール値が0であり、黒色と白色のコントラストが強く、より明確な識別コードを容易に形成する。また、接着層又はインク層はさらに灰色、黄色等、グレースケール値が高い他の色であってもよく、本実施例はこれについて限定しない。
【0034】
第2種については、引き続き
図2を参照し、好ましくは、第1フィルム層11はコントラスト構造層12の電磁遮蔽層13から離れる側に設置されてもよく、第1フィルム層11には識別コードの中空パターンが形成される。好ましくは、コントラスト構造層12は接着層又はインク層であってもよく、且つ接着層又はインク層の色のグレースケール値は第1フィルム層11の色のグレースケール値よりも大きく、且つ当該接着層又はインク層の色のグレースケール値は160以上であることが好ましい。
【0035】
好ましくは、コントラスト構造層12は白色又は無色の接着層であるか、又は、コントラスト構造層12は白色インク層である。コントラスト構造層12の材料は、変性エポキシ樹脂類、変性アクリル酸類、変性ゴム類、変性熱可塑性ポリイミド類、変性ポリエステル類、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、感圧接着剤のうちの少なくとも1つを選択することができる。本実施例では、コントラスト構造層12は白色接着層又は白色インク層であり、コントラスト構造層12の色のグレースケール値が255であり、第1フィルム層11の色のグレースケール値は0であることが好ましく、黒色と白色のコントラストが強く、より明確な識別コードを容易に形成する。また、接着層又はインク層はさらに灰色、黄色等の高いグレースケール値を有する他の色であってもよく、本実施例はこれについて限定しない。注意すべきこととして、コントラスト構造層12が第1フィルム層11と電磁遮蔽層13との間に設置される場合、コントラスト構造層12は無色の接着層を選択することができ、無色の接着層は電磁遮蔽層13を効果的に保護し、電磁遮蔽層13が中空パターンに露出することを防止する。コントラスト構造層12が無色であるため、電磁遮蔽層13は中空パターンを通して露出され、これにより、第1フィルム層11の黒色は同様に電磁遮蔽層13の色とコントラストを形成し、より明確な識別コードを形成し、電磁遮蔽層13の材料として銅を選択する場合、電磁遮蔽層13の色が赤銅色であり、赤銅色と黒色を容易に区別できるため、無色のコントラスト構造層12で銅を効果的に保護し、空気に露出されて酸化されることに起因する後続で第1フィルム層11との色が容易に区別できないことを防止する。
【0036】
好ましくは、コントラスト構造層12はさらに金属層であってもよい。当該金属の色のグレースケール値は第1フィルム層11の色のグレースケール値よりも大きく、且つ当該金属の色のグレースケール値は10以上であることが好ましい。
【0037】
好ましくは、コントラスト構造層12の材料は、ニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも1つの単体であるか、又は、コントラスト構造層の材料は、ニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも2つから形成される合金であるか、又は、コントラスト構造層の材料は、ニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも2つから形成される合金間の組み合わせである。容易に理解できるように、識別コードは白と黒がはっきりしている方が良いので、コントラスト構造層12の金属材料の色は十分に明るい必要があり、銀色、銀白色の金属材料を用いることが好ましい。本実施例では、ニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも1つの単体、又はニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも2つから形成される合金を選択してコントラスト構造層12を形成し、又は、コントラスト構造層の材料は、ニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも2つから形成される合金間の組み合わせである。上記材料はいずれも白色、銀色又は銀色に近い色であり、例示的に、本実施例では、ニッケルをコントラスト構造層12の材料として選択してもよいし、又はニッケルクロム合金をコントラスト構造層12の材料として選択してもよい。また、コントラスト構造層12はさらにグレースケール値がより低い他の明るい色の金属であってもよく、本実施例はこれについて限定しない。
【0038】
図8は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。好ましくは、コントラスト構造層12は第1金属層121及び第2金属層122を含んでもよく、第1金属層121はスパッタリングプロセスにより第1フィルム層11の電磁遮蔽層13に近い側に形成され、第2金属層122はめっきプロセスにより第1金属層121の第1フィルム層11から離れる側に形成される。
【0039】
グレースケール値に対する限定の他、本実施例はコントラスト構造層12の平坦度に対して所定の要求がある。コントラスト構造層12の表面が粗いほど、コントラスト構造層12の表面の光が暗くなり、第1フィルム層11との間の解像度が低くなるため、本実施では、コントラスト構造層12を2層に分割することができ、すなわち、まず、第1フィルム層11とコントラストを形成しやすいために、第1フィルム層11上にスパッタリングプロセスにより1層の第1金属層121を形成し、スパッタリングプロセスにより緻密且つ平坦な1層の金属表面を形成し、その後、平坦な第1金属層121上にめっきプロセスにより第2金属層122を形成することができる。好ましくは、第1金属層121の厚さ範囲は10Å~2μmであってもよく、第2金属層122の厚さ範囲は0.1μm~10μmであってもよい。好ましくは、第2金属層122の厚さ範囲が0.2μm~0.4μmである場合、単位面積(1cm×1cm)あたりの第2金属層122の抵抗値の範囲は15mΩ~200mΩに設定されてもよく、30mΩに設定されることが好ましい。
【0040】
また、スパッタリングプロセスの他、第1金属層121は、たとえば、化学めっき、物理気相堆積、化学気相堆積、蒸発めっき、スパッタリングめっき、電気めっき及びハイブリッドめっき等の他のプロセスのうちの1種又は複数種のプロセスで製造して形成されてもよく、本実施例は第1金属層121の製造プロセスを限定せず、好ましくは、第1金属層121はスパッタリングプロセスを使用することが好ましい。
【0041】
図8に示される実施例では、アブレーションによって識別コードを形成する場合、レーザエネルギーは第1フィルム層に中空パターンを形成し、それにより、第1金属層121の色を露出させ、従って、第1金属層121の色に対応するグレースケール値は第2金属層122の色に対応するグレースケール値未満であることが好ましく、たとえば、第1金属層121がAgであることを選択し、第2金属層122がNiであることを選択することができる。
【0042】
図9は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。好ましくは、第1金属層は第1スパッタリング金属層1211及び第2スパッタリング金属層1212を含んでもよく、第1スパッタリング金属層1211は第1フィルム層11と第2スパッタリング金属層1212との間に設置され、第1スパッタリング金属層1211の色のグレースケール値は第2スパッタリング金属層1212の色のグレースケール値よりも大きい。
【0043】
本実施例では、2層のスパッタリング金属層を設置することができ、その原因としては、第1フィルム層11を実際にアブレーションすることにより識別コードの中空パターンを形成する時、レーザエネルギーが第1スパッタリング金属層1211を貫通する可能性があるためであり、第2スパッタリング金属層1212で保証を強化し、中空パターンから露出されたのは平坦度の高いスパッタリング金属層であるように維持する。また、第1スパッタリング金属層1211の色のグレースケール値を第2スパッタリング金属層1212の色のグレースケール値よりも大きくすることができ、たとえば、第1スパッタリング金属層1211を銀にすることができ、第2スパッタリング金属層1212は、ニッケルであり、銀の金属の表面は、暗色の第1フィルム層11と鮮明な色のコントラストを形成するでき、識別コードの鮮明度が向上する。
【0044】
図10は本願の実施例に係る他の遮蔽フィルムの構造模式図である。好ましくは、コントラスト構造層12はさらに第2フィルム層15を含んでもよく、第2フィルム層15は第1フィルム層11と第1金属層121との間に設置され、第2フィルム層15の色のグレースケール値と第1フィルム層11の色のグレースケール値との差は第1グレースケール閾値以上であり、第1グレースケール閾値は10以上である。第2フィルム層15は第1フィルム層11と第1金属層121との間に設置され、第1金属層121が第1スパッタリング金属層及び第2スパッタリング金属層を含む場合、第2フィルム層15は第1フィルム層11と第1スパッタリング金属層との間に設置され、それにより、さらに第1金属層121への保護が強化され、例示的に、第2フィルム層15が設置されるため、レーザエネルギーが第1スパッタリング金属層を貫通する可能性がある状況は完全に回避され、第1スパッタリング金属層は保護される。第2フィルム層15の色のグレースケール値は同様に第1フィルム層11のグレースケール値より大きくする必要があり、且つ第2フィルム層15のグレースケール値と第1フィルム層11の色のグレースケール値との差は第1グレースケール閾値以上であることが好ましく、第1グレースケール閾値は10以上である。第2フィルム層15の色のグレースケール値と第1フィルム層11の色のグレースケール値との差は少なくとも10であり、これにより、第2フィルム層15と第1フィルム層11との間に明確な明暗の差を形成し、第2フィルム層15と第1フィルム層11に形成された識別コードに対する識別コード識別装置の識別正確率が向上される。好ましくは、上記第1グレースケール閾値は50又は100であってもよく、このように、第2フィルム層15と第1フィルム層11との間の明暗コントラストを大きくし、識別コードに対する識別精度及び正確性を向上させることができる。好ましくは、第2フィルム層15は白色又は無色であってもよく、第2フィルム層15の厚さ範囲は0.5μm~30μmであってもよい。白色の第2フィルム層15と暗色の第1フィルム層11とのコントラストが強く、より明確な識別コードを容易に形成する。且つ第2フィルム層15は無色であってもよく、これにより、第1金属層121の色は第2フィルム層15から透過して中空パターンを通して露出することができる。
【0045】
上記実施例を基礎として、本願の実施例は遮蔽フィルムをさらに提供し、
図1を参照し続け、第1フィルム層11と、コントラスト構造層12と、電磁遮蔽層13とを含み、
第1フィルム層11は電磁遮蔽層13の第1側に設置され、
コントラスト構造層12は電磁遮蔽層13の第1側に設置され、
コントラスト構造層12の色のグレースケール値は第1フィルム層11の色のグレースケール値よりも大きく、コントラスト構造層12と第1フィルム層11のうち、電磁遮蔽層13から遠い方の層には識別コードの中空パターンが形成される。
【0046】
本願の実施例では、遮蔽フィルムは電磁干渉を遮蔽するための電磁遮蔽層を含み、電磁遮蔽層の第1側には第1フィルム層及びコントラスト構造層が設置され、第1フィルム層を電磁遮蔽層とコントラスト構造層との間に設置してもよく、コントラスト構造層を電磁遮蔽層と第1フィルム層との間に設置してもよく、コントラスト構造層の色のグレースケール値が第1フィルム層の色のグレースケール値よりも大きくする必要があり、これにより、コントラスト構造層と第1フィルム層との間に明瞭な明暗明るさのコントラストを形成することができる。本実施例では、コントラスト構造層と第1フィルム層のうち、電磁遮蔽層から遠い方の層に識別コードの中空パターンを形成することで、コントラスト構造層と第1フィルム層との間の強い明暗又は色のコントラストで、ユーザーは鮮明度の高い識別コードを取得することができ、これにより、識別コードに対する識別精度及び正確性を向上させ、識別コードにより識別される部品又は電子製品を容易に追跡することができる。
【0047】
好ましくは、識別コードはバーコード、二次元コード及び文字のうちの少なくとも1つを含んでもよい。識別コードは部品又は電子製品を識別するための固有の対応する識別マークである。識別コードは数字やアルファベット等の文字パターンを含んでもよく、バーコード又は二次元コードであってもよく、本実施例の遮蔽フィルムは上記バーコード、二次元コード及び文字のうちの少なくとも1つを含んでもよく、これにより、対応する部品又は電子製品を識別する。例示的に、遮蔽フィルムを電子機器のプリント回路基板に貼り付ける必要があり、遮蔽フィルムの部品に対応する位置に部品の識別コードを設けることができる。複数の部品と一対一で対応して遮蔽フィルムに複数の識別コードを設けることができ、それにより、電子製品の識別コードを設けるに十分なサイズの鋼板がないことに起因した、印刷された識別コードが明確ではないという問題を解決し、識別コードの解像度及び識別精度を効果的に向上させる。好ましくは、中空パターンはレーザアブレーションによって形成される。たとえば、紫外線レーザ及び二酸化炭素レーザで中空パターンのアブレーションを行うことができる。
【0048】
注意すべきこととして、上記中空パターンをアブレーションする時、以下の2つのケースが存在する可能性がある。
第1種については、コントラスト構造層12と第1フィルム層11のうち、電磁遮蔽層13から遠い方の層のみを完全にアブレーションして識別コードの中空パターンを形成するが、電磁遮蔽層13に近い方の層をアブレーションせず、すなわち、中空パターンのアブレーション深さは、コントラスト構造層12と第1フィルム層11のうち、電磁遮蔽層13から遠い方の層の厚さである。中空パターンから、エッチングされていない、電磁遮蔽層13に近い層の構造を露出させ、コントラスト構造層12と第1フィルム層11には識別コードを形成する。
【0049】
第2種については、コントラスト構造層12と第1フィルム層11のうち、電磁遮蔽層13から遠い方の層を完全にアブレーションして識別コードの中空パターンを形成すると同時に、電磁遮蔽層13に近い方の層を部分的にアブレーションする可能性がある。本実施例では、電磁遮蔽層13に近い方の層を部分的にアブレーションするが、完全にアブレーションせず、識別コードのアブレーションが完了した後、中空パターンは同様にコントラスト構造層12と第1フィルム層11のうち、電磁遮蔽層13に近い方の層を露出させることができ、これにより、コントラスト構造層12と第1フィルム層11に識別コードを形成する。具体的には、コントラスト構造層12と第1フィルム層11のうち、電磁遮蔽層13に近い方の層には溝パターンが形成され、電磁遮蔽層が位置する平面への中空パターンの垂直投影は溝パターンと完全に重なる。コントラスト構造層12と第1フィルム層11のうち、電磁遮蔽層13に近い方の層を部分的にアブレーションすることで溝パターンを形成し、且つ上記溝パターンと中空パターンが同じプロセスで形成されるため、電磁遮蔽層が位置する平面への中空パターンの垂直投影は溝パターンと完全に重なる。
【0050】
好ましくは、引き続き
図3を参照し、コントラスト構造層12は第1フィルム層11の電磁遮蔽層13から離れる側に設置されてもよく、コントラスト構造層12には識別コードの中空パターンが形成される。本実施例では、コントラスト構造層12をアブレーションすることで識別コードの中空パターンを形成する時、第1フィルム層11をアブレーションせず、コントラスト構造層12のみをアブレーションしてもよく、又は、コントラスト構造層12をアブレーションすることで識別コードの中空パターンを形成すると同時に、第1フィルム層11を部分的にアブレーションすることで溝パターンを形成してもよく、且つ電磁遮蔽層が位置する平面への中空パターンの垂直投影は溝パターンと完全に重なる。
【0051】
図3に示すように、本実施例では、コントラスト構造層12の材料は金属であってもよく、該金属の色のグレースケール値は第1フィルム層11の色のグレースケール値よりも大きく、且つ該金属の色のグレースケール値と第1フィルム層11の色のグレースケール値との差は10以上であることが好ましい。
【0052】
好ましくは、コントラスト構造層12は接着層又はインク層であってもよい。コントラスト構造層12はグレースケール値が第1フィルム層11よりも大きい接着層又はインク層であってもよい。電磁遮蔽層13に対して保護作用を果たすとともに、コントラスト構造層12は中空パターンから露出された第1フィルム層11と明確な識別コードを形成する。本実施例では、上記接着層は熱硬化性接着剤であってもよい。
【0053】
好ましくは、コントラスト構造層12は白色接着層又は白色インク層であってもよい。本実施例では、コントラスト構造層12が白色接着層又は白色インク層である場合、コントラスト構造層12の色のグレースケール値が255であり、第1フィルム層11の色は黒色であることが好ましく、第1フィルム層11の色のグレースケール値は0であり、黒色と白色のコントラストが強く、より明確な識別コードを容易に形成する。また、接着層又はインク層はさらに灰色、黄色等、グレースケール値が高い他の色であってもよく、本実施例はこれについて限定しない。
【0054】
好ましくは、引き続き
図1を参照し、第1フィルム層11はさらにコントラスト構造層12の電磁遮蔽層13から離れる側に設置されてもよく、第1フィルム層11には識別コードの中空パターンが形成される。本実施例では、第1フィルム層11をアブレーションすることで識別コードの中空パターンを形成する時、コントラスト構造層12をアブレーションせず、第1フィルム層11のみをアブレーションしてもよく、又は、第1フィルム層11をアブレーションすることで識別コードの中空パターンを形成すると同時に、コントラスト構造層12を部分的にアブレーションすることで溝パターンを形成してもよく、且つ電磁遮蔽層が位置する平面への中空パターンの垂直投影は溝パターンと完全に重なる。好ましくは、コントラスト構造層12は、接着層、インク層及び金属層のうちの1種であるか、又は2種以上の組み合わせである。
【0055】
好ましくは、コントラスト構造層12は接着層又はインク層であってもよく、且つ接着層又はインク層の色のグレースケール値は第1フィルム層11の色のグレースケール値よりも大きく、且つ該接着層又はインク層の色のグレースケール値と第1フィルム層11の色のグレースケール値との差は10以上であることが好ましい。好ましくは、コントラスト構造層12は白色又は無色の接着層であってもよく、又は、コントラスト構造層12は白色インク層である。コントラスト構造層12の材料は、変性エポキシ樹脂類、変性アクリル酸類、変性ゴム類、変性熱可塑性ポリイミド類、変性ポリエステル類、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、感圧接着剤のうちの少なくとも1つを選択することができる。本実施例では、コントラスト構造層12は白色接着層又は白色インク層である場合、コントラスト構造層12の色のグレースケール値が255であり、第1フィルム層11の色のグレースケール値は0であることが好ましく、黒色と白色のコントラストが強く、より明確な識別コードを容易に形成する。また、接着層又はインク層はさらに灰色、黄色等、グレースケール値が低い他の色であってもよく、本実施例はこれについて限定しない。注意すべきこととして、コントラスト構造層12が第1フィルム層11と電磁遮蔽層13との間に設置される場合、コントラスト構造層12は無色の接着層を選択することができ、無色接着層は電磁遮蔽層13を効果的に保護し、電磁遮蔽層13が中空パターン中に露出することを防止する。且つコントラスト構造層12は無色であるため、電磁遮蔽層13は中空パターンを通して露出され、第1フィルム層11の黒色は同様に電磁遮蔽層13の色とコントラストを形成し、より明確な識別コードを形成し、電磁遮蔽層13の材料として銅を選択する場合、電磁遮蔽層13の色が赤銅色であり、赤銅色と黒色を容易に区別できるため、無色のコントラスト構造層12によって銅を効果的に保護し、空気に露出されて酸化されることに起因する後続で第1フィルム層11の間の色と容易に区別できないことを防止する。
【0056】
好ましくは、コントラスト構造層12はさらに金属層であってもよい。該金属の色のグレースケール値は第1フィルム層11の色のグレースケール値よりも大きく、且つその差は10以上であることが好ましい。好ましくは、コントラスト構造層12の材料は、ニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも1つの単体であるか、又は、コントラスト構造層の材料は、ニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも2つから形成される合金であるか、又は、コントラスト構造層の材料は、ニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも2つから形成される合金間の組み合わせである。容易に理解できるように、識別コードは白と黒がはっきりしている方が良いので、コントラスト構造層12の金属材料の色は十分に明るい必要があり、銀色、銀白色の金属材料を用いることが好ましい。本実施例では、ニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも1つの単体、又はニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも2つから形成される合金を選択してコントラスト構造層12を形成するか、又は、コントラスト構造層の材料は、ニッケル、銀、白金、チタン、アルミニウム、コバルト、及びクロムのうちの少なくとも2つから形成される合金間の組み合わせである。上記材料はいずれも白色、銀色又は銀色に近い色であり、例示的に、本実施例では、ニッケルをコントラスト構造層12の材料として選択してもよいし、又はニッケルクロム合金をコントラスト構造層12の材料として選択してもよい。また、コントラスト構造層12はさらにグレースケール値がより低い他の明るい色の金属であってもよく、本実施例はこれについて限定しない。
【0057】
好ましくは、コントラスト構造層12は第1金属層121及び第2金属層122を含んでもよく、第1金属層121はスパッタリングプロセスにより第1フィルム層11の電磁遮蔽層13に近い側に形成され、第2金属層122はめっきプロセスにより第1金属層121の第1フィルム層11から離れる側に形成される。
【0058】
グレースケール値に対する限定の他、本実施例はコントラスト構造層12の平坦度に対して所定の要求がある。コントラスト構造層12の表面が粗いほど、コントラスト構造層12の表面の光が暗くなり、第1フィルム層11との間の解像度が低くなるため、本実施では、コントラスト構造層12を2層に分割することができ、すなわち、まず、第1フィルム層11とコントラストを形成しやすいために、第1フィルム層11にスパッタリングプロセスにより1層の第1金属層121を形成し、スパッタリングプロセスにより緻密且つ平坦な1層の金属表面を形成し、その後、平坦な第1金属層121上にめっきプロセスにより第2金属層122を形成する。好ましくは、第1金属層121の厚さ範囲は10Å~2μmであり、第2金属層122の厚さ範囲は0.1μm~10μmである。好ましくは、第2金属層122の厚さ範囲が0.2μm~0.4μmである場合、単位面積(1cm×1cm)あたりの第2金属層122の抵抗値の範囲は15mΩ~200mΩに設定されてもよく、30mΩに設定されることが好ましい。
【0059】
図7に示される実施例において、識別コードをアブレーションによって形成する場合、レーザエネルギーは第1フィルム層に中空パターンを形成し、それにより第1金属層の色を露出させ、従って、第1金属層の色に対応するグレースケール値は第2金属層の色に対応するグレースケール値未満であることが好ましく、たとえば、第1金属層がAgであることを選択することができ、第2金属層がNiであることを選択することができる。
【0060】
図9に示すように、好ましくは、第1金属層は第1スパッタリング金属層1211及び第2スパッタリング金属層1212を含んでもよく、第1スパッタリング金属層1211は第1フィルム層11と第2スパッタリング金属層1212との間に設置され、第1スパッタリング金属層1211の色のグレースケール値は第2スパッタリング金属層1212の色のグレースケール値よりも大きい。
【0061】
本実施例では、2層のスパッタリング金属層を設置することができ、その原因としては、第1フィルム層11を実際にアブレーションすることにより識別コードの中空パターンを形成する時、レーザエネルギーが第1スパッタリング金属層1211を貫通する可能性があるためであり、第2スパッタリング金属層1212で保証を強化し、中空パターンから露出されたのは平坦度の高いスパッタリング金属層であるように維持する。また、第1スパッタリング金属層1211の色のグレースケール値を第2スパッタリング金属層1212の色のグレースケール値よりも大きくすることができ、たとえば、第1スパッタリング金属層1211を銀にすることができ、このように、第2スパッタリング金属層1212は、ニッケルであり、銀の金属の表面は、暗色の第1フィルム層11と鮮明な色のコントラストを形成することができ、識別コードの鮮明度が向上される。
【0062】
同じ発想に基づき、本願の実施例は回路基板をさらに提供し、
図11に示すように、
図11は本願の実施例に係る回路基板の構造模式図である。回路基板はプリント回路基板2及び本願のいずれかの実施例に係る遮蔽フィルム1を含み、遮蔽フィルム1の電磁遮蔽層の第1フィルム層から離れる側には接着フィルム層が設置され、遮蔽フィルム1の接着フィルム層の一側にはプリント回路基板2が貼り付けて設置される。本実施例の回路基板は本願のいずれかの実施例に係る遮蔽フィルムの技術的特徴を含み、本願のいずれかの実施例に係る遮蔽フィルムの有益な効果を有する。
【0063】
プリント回路基板2には異なる機能を有する多くの部品が集積されており、本実施例では、部品に対応する遮蔽フィルム1における位置に該部品の識別コードを設けることができる。遮蔽フィルム1は、全層の電磁遮蔽を実現するように、上記プリント回路基板全体を被覆してもよく、遮蔽フィルム1は小さなサイズの複数のサブ遮蔽フィルムを含んでもよく、各サブ遮蔽フィルムはプリント回路基板の対応する領域を被覆することに用いられ、本実施例はこれについて限定しない。また、該回路基板が位置する電子機器の識別コードは遮蔽フィルム1に設けられてもよく、例示的に、電子機器の識別コードは遮蔽フィルム1のエッジ領域に設けられてもよい。
【0064】
本願の実施例は電子機器をさらに提供する。
図12は本願の実施例に係る電子機器の構造模式図である。
図12に示すように、本願の実施例に係る電子機器は本願のいずれかの実施例に係る回路基板3を含む。電子機器は、
図12に示される携帯電話であってもよく、コンピュータ、テレビ、スマートウェアラブル端末等であってもよく、本実施例はこれについて特に限定しない。
【0065】
なお、上記は本願の好ましい実施例及び用いられる技術原理に過ぎない。当業者が理解できるように、本願はここで説明された特定の実施例に制限されず、当業者にとって、本願の保護範囲から逸脱ことなく、様々な明らかな変更、再調整、及び置換を行うことができる。従って、以上実施例によって本願を詳細に説明したが、本願は以上実施例に制限されず、本願の発想から逸脱ことなく、より多くの他の同等の実施例を含んでもよく、本願の範囲は添付の特許請求の範囲によって決められる。