IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許7557616弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁
<>
  • 特許-弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁 図1
  • 特許-弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁 図2
  • 特許-弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁 図3
  • 特許-弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁 図4
  • 特許-弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁 図5
  • 特許-弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁 図6
  • 特許-弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁 図7
  • 特許-弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁 図8
  • 特許-弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁 図9
  • 特許-弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/065 20060101AFI20240919BHJP
【FI】
F16K11/065 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023510482
(86)(22)【出願日】2021-08-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 CN2021112125
(87)【国際公開番号】W WO2022037461
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】202010844928.3
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021756472.7
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011635625.7
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202023340807.X
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】張 飛
(72)【発明者】
【氏名】杜 飛龍
(72)【発明者】
【氏名】朱 佳峰
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106321937(CN,A)
【文献】特開2002-022315(JP,A)
【文献】特開昭63-067472(JP,A)
【文献】実開昭54-165324(JP,U)
【文献】実開昭56-082362(JP,U)
【文献】特開2015-021578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/00-11/24
F25B 41/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドフレーム(10)及びスライダ(20)を含む弁芯アセンブリであって、前記ガイドフレーム(10)は前記スライダ(20)に駆動接続され、前記スライダ(20)の一方側には空洞を有し、前記スライダ(20)の他方側には入口通路(41)を閉塞するための閉塞部(30)が設けられており、
前記スライダ(20)における閉塞部を有する側が前記入口通路(41)に向かって設けられ、前記閉塞部(30)は、前記入口通路を閉塞する閉塞位置及び前記入口通路を導通する導通位置を有し、
前記弁芯アセンブリにおける前記入口通路(41)に向かう側が第2側であり、前記入口通路(41)の横断面積がS1であり、前記弁芯アセンブリが前記入口通路(41)の下方に位置するとき、前記入口通路(41)の端部の前記弁芯アセンブリの第2側における投影と前記入口通路(41)の端部との間には排気通路(60)が形成され、前記排気通路(60)の側壁の面積がS2で、S1/S2≧1である、弁芯アセンブリ。
【請求項2】
前記閉塞部(30)の前記入口通路(41)に近接する表面は弧状構造である、請求項1に記載の弁芯アセンブリ。
【請求項3】
前記閉塞部(30)の前記入口通路(41)に近接する表面は平面構造である、請求項1に記載の弁芯アセンブリ。
【請求項4】
前記閉塞部(30)と前記スライダ(20)とは一体に成形された構造である、請求項1に記載の弁芯アセンブリ。
【請求項5】
前記閉塞部(30)は、対向して設けられた頂面及び底面を有し、前記閉塞部(30)の頂面は前記入口通路(41)を閉塞するために用いられ、前記底面が弧状面であり、前記底面と前記スライダ(20)の上面とが整合し、且つ前記閉塞部(30)の底面が前記スライダ(20)に接続される、請求項1に記載の弁芯アセンブリ。
【請求項6】
前記ガイドフレーム(10)に逃げ孔を有し、前記スライダ(20)が前記逃げ孔内に挿設されている、請求項1に記載の弁芯アセンブリ。
【請求項7】
前記スライダ(20)は、本体(21)及び底板(22)を含み、前記本体(21)には空洞を有し、前記閉塞部(30)は前記本体(21)の頂部に設けられ、前記底板(22)は前記本体(21)の底部に環状に設けられ、前記底板(22)は、前記逃げ孔に係合されて前記スライダ(20)と前記ガイドフレーム(10)との相対的な位置を制限し、前記底板(22)は前記ガイドフレーム(10)の一方側に位置し、前記閉塞部(30)は前記ガイドフレーム(10)の他方側に位置する、請求項6に記載の弁芯アセンブリ。
【請求項8】
弁体(40)及び弁芯アセンブリ(50)を含む方向切換弁であって、
前記弁体は、前記入口通路(41)、複数の出口通路(42)及びチャンバ(44)を有し、前記入口通路(41)及び前記出口通路(42)はいずれも前記チャンバ(44)と連通し、
前記弁芯アセンブリ(50)は、請求項1から7のいずれか一項に記載に弁芯アセンブリであり、前記チャンバ(44)内に移動可能に設けられており、前記弁芯アセンブリ(50)のスライダ(20)における空洞を有する側が複数の前記出口通路(42)に向かって設けられ、前記スライダ(20)における前記閉塞部(30)を有する側が前記入口通路(41)に向かって設けられ、前記閉塞部(30)は、前記入口通路(41)を閉塞する閉塞位置及び前記入口通路(41)を導通する導通位置を有する、方向切換弁。
【請求項9】
前記弁体(40)は、2つの前記出口通路(42)及び低圧通路(43)を有し、2つの前記出口通路(42)及び前記低圧通路(43)は前記弁体(40)の一方側に並んで設けられ、前記入口通路(41)は前記弁体(40)の他方側に設けられ、前記低圧通路(43)は2つの前記出口通路(42)の間に位置し、前記入口通路(41)は前記低圧通路(43)に対応して設けられ、前記閉塞部(30)は前記スライダ(20)の中央に位置する、請求項8に記載の方向切換弁。
【請求項10】
前記閉塞部(30)の断面のサイズが前記入口通路(41)のサイズ以上である、請求項8に記載の方向切換弁。
【請求項11】
前記閉塞部(30)の断面のサイズが前記入口通路(41)のサイズより小さい、請求項8に記載の方向切換弁。
【請求項12】
前記弁芯アセンブリ(50)における複数の前記出口通路(42)に向かう側が第1側である、請求項8に記載の方向切換弁。
【請求項13】
前記入口通路(41)の端部の前記閉塞部(30)における投影と前記入口通路(41)の端部との間に前記排気通路(60)が形成される、請求項12に記載の方向切換弁。
【請求項14】
前記閉塞部(30)は、前記スライダ(20)の前記入口通路(41)に向かう側に設けられた遮断カムである、請求項13に記載の方向切換弁。
【請求項15】
前記スライダ(20)の前記入口通路(41)に向かう一部の表面により前記閉塞部(30)を形成する、請求項13に記載の方向切換弁。
【請求項16】
前記入口通路(41)の直径がdであり、前記入口通路(41)の横断面積S1=π・(d/2)2であり、前記入口通路(41)の端部の前記弁芯アセンブリ(50)の第2側における投影と前記入口通路(41)の端部との間の距離がXであり、前記排気通路(60)の側壁の面積S2=π・d・Xである、請求項12に記載の方向切換弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、以下の特許出願の優先権を主張する。
(1)2020年8月20日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202010844928.3であり、発明の名称が「弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁」である特許出願の優先権、
(2)2020年8月20日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202021756472.7であり、発明の名称が「弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁」である特許出願の優先権、
(3)2020年12月31日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202011635625.7であり、発明の名称が「方向切換弁」である特許出願の優先権、
(4)2020年12月31日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202023340807.Xであり、発明の名称が「方向切換弁」である特許出願の優先権。
【0002】
本出願は方向切換弁の技術分野に関し、具体的には、弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁に関する。
【背景技術】
【0003】
図1に示すように、従来の四方弁の構造は、主に弁チャンバ、並びに弁チャンバと連通する入口配管2、第1出口配管3及び第2出口配管4を含み、スライダ1が弁チャンバ内に移動可能に設けられ、スライダ1を移動させることにより、弁チャンバと第1出口配管3又は第2出口配管4とを連通させることができる。方向切換の過程において、スライダ1が中間位置まで移動されたとき、第1出口配管3、第2出口配管4及び低圧配管が互いに連通して、弁チャンバ内の圧力開放が比較的速くなってしまい、入口配管2と連通する毛細管への圧力供給が足りなくなって、ピストンバッフルの左右両側の推力を低下させ、深刻な場合はスライダ1が途中で止まって引き続き移動することができないことが発生し、四方弁の作動故障につながる。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、関連技術における方向切換弁に方向切換の故障が発生しやすい問題を解決するために、弁芯アセンブリ及びそれを有する方向切換弁を提供する。
【0005】
本出願の一態様によれば、ガイドフレーム及びスライダを含む弁芯アセンブリであって、ガイドフレームはスライダに駆動接続され、スライダの一方側には空洞を有し、スライダの他方側には入口通路を閉塞するための閉塞部が設けられている、弁芯アセンブリを提供する。
【0006】
更に、閉塞部の入口通路に近接する表面は弧状構造である。
【0007】
更に、閉塞部の入口通路に近接する表面は平面構造である。
【0008】
更に、閉塞部とスライダとは一体に成形された構造である。
【0009】
更に、閉塞部は、対向して設けられた頂面及び底面を有し、閉塞部の頂面は入口通路を閉塞するために用いられ、底面が弧状面であり、底面とスライダの上面とが整合し、且つ閉塞部の底面がスライダに接続される。
【0010】
更に、ガイドフレームに逃げ孔を有し、スライダが逃げ孔内に挿設されている。
【0011】
更に、スライダは、本体及び底板を含み、本体には空洞を有し、閉塞部は本体の頂部に設けられ、底板は本体の底部に環状に設けられ、底板は、逃げ孔に係合されてスライダとガイドフレームとの相対的な位置を制限し、底板はガイドフレームの一方側に位置し、閉塞部はガイドフレームの他方側に位置する。
【0012】
本出願の他の態様によれば、弁体及び弁芯アセンブリを含む方向切換弁であって、弁体は、入口通路、複数の出口通路及びチャンバを有し、入口通路及び出口通路はいずれもチャンバと連通し、弁芯アセンブリは、上記で提供された弁芯アセンブリであり、チャンバ内に移動可能に設けられており、弁芯アセンブリのスライダにおける空洞を有する側が複数の出口通路に向かって設けられ、スライダにおける閉塞部を有する側が入口通路に向かって設けられ、閉塞部は、入口通路を閉塞する閉塞位置及び入口通路を導通する導通位置を有する。
【0013】
更に、弁体は、2つの出口通路及び低圧通路を有し、2つの出口通路及び低圧通路は弁体の一方側に並んで設けられ、入口通路は弁体の他方側に設けられ、低圧通路は2つの出口通路の間に位置し、入口通路は低圧通路に対応して設けられ、閉塞部はスライダの中央に位置する。
【0014】
更に、閉塞部の断面のサイズが入口通路のサイズ以上である。
【0015】
更に、閉塞部の断面のサイズが入口通路のサイズより小さい。
【0016】
更に、弁芯アセンブリにおける複数の出口通路に向かう側が第1側であり、弁芯アセンブリにおける入口通路に向かう側が第2側であり、入口通路の横断面積がS1であり、弁芯アセンブリが入口通路の下方に位置するとき、入口通路の端部の弁芯アセンブリの第2側における投影と入口通路の端部との間には排気通路が形成され、排気通路の側壁の面積がS2で、S1/S2≧1である。
【0017】
更に、入口通路の端部の閉塞部における投影と入口通路の端部との間に排気通路が形成される。
【0018】
更に、閉塞部は、スライダの入口通路に向かう側に設けられた遮断カムである。
【0019】
更に、スライダの入口通路に向かう一部の表面により閉塞部が形成される。
【0020】
更に、入口通路の直径がdであり、入口通路の横断面積S1=π・(d/2)であり、入口通路の端部の弁芯アセンブリの第2側における投影と入口通路の端部との間の距離がXであり、排気通路の側壁の面積S2=π・d・Xである。
【0021】
本出願の技術態様を適用すると、この弁芯アセンブリは、ガイドフレーム及びスライダを含み、スライダはガイドフレームに駆動接続され、スライダの一方側には閉塞部が設けられており、この閉塞部によって入口通路を閉塞すると、スライダが中間位置まで移動したとき、入口通路内で十分な圧力を有する流体が入口通路と連通する毛細管内に流れ込むことを確保するために閉塞部によって入口通路を閉塞することができ、更にピストンを押し進めて引き続き移動するのに十分な圧力を確保して、スライダを方向切換位置まで移動させることができる。以上の構造により、方向切換の過程におけるスライダが停止することを回避し、方向切換の正常な作動を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は本出願を解釈するためのもので、本出願を不当に限定するものではない。
【0023】
図1】関連技術の方向切換弁で提供された構造模式図を示す。
図2】本出願による実施例で提供された方向切換弁の構造模式図を示す。
図3】本出願による実施例で提供された方向切換弁の他の構造模式図を示す。
図4図2におけるスライダの実施例1の構造模式図を示す。
図5図2におけるスライダの実施例2の構造模式図を示す。
図6】本出願による実施例で提供された閉塞部の構造模式図を示す。
図7】本出願の実施例3で提供された方向切換弁の構造模式図を示す。
図8】本出願の実施例3で提供された方向切換弁の部分断面図を示す。
図9】本出願の実施例3で提供された方向切換弁のサイズ模式図を示す。
図10】本出願の実施例4で提供された方向切換弁の部分断面図を示す。
【0024】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
1 スライダ、2 入口配管、3 第1出口配管、4 第2出口配管、10 ガイドフレーム、20 スライダ、21 本体、22 底板、30 閉塞部、40 弁体、41 入口通路、42 出口通路、43 低圧通路、44 チャンバ、50 弁芯アセンブリ、60 排気通路、d 入口通路の直径、X 入口通路の端部の弁芯アセンブリの第2側における投影と入口通路の端部との間の距離。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様を明確且つ完全に説明するが、説明した実施例は本出願の実施例の一部にすぎず、実施例の全部ではないことは明らかである。以下の少なくとも1つの例示的な実施例に対する説明は、実際には単なる説明のためのものであり、本出願及びその適用又は使用に対するいかなる制限をなすものでもない。当業者が、本出願における実施例に基づいて、創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例はいずれも本出願の保護範囲に属する。
【0026】
図2及び図3に示すように、本出願の実施例1で提供される弁芯アセンブリは、ガイドフレーム10及びスライダ20を含む。ここで、ガイドフレーム10はスライダ20に駆動接続され、ガイドフレーム10がスライダ20を駆動して弁チャンバ内で移動させるために用いられる。スライダ20の一方側には空洞を有し、スライダ20の他方側には入口通路を閉塞するための閉塞部30が設けられている。ここで、この空洞は、一部の出口通路を離隔して、流体が特定の出口通路から流れ出すために用いられる。
【0027】
本出願で提供された技術態様によれば、スライダ20が移動及び方向切換の過程において、閉塞部30によって入口通路を閉塞するため、出口通路が互いに連通することが発生した場合でも、入口通路が毛細管に十分な流体圧力を供給することを確保することができ、更に方向切換弁のピストンがガイドフレーム10及びスライダ20を押し進めて予め設定した位置まで引き続き移動することを確保し、通路の方向切換が正常に行われるように確保することができる。
【0028】
ここで、図4に示すように、閉塞部30の入口通路に近接する表面は平面構造であってもよく、このように設計すると、その構造が簡単で、加工や製造のコストが低い。
【0029】
ここで、図5に示すように、閉塞部30の入口通路に近接する表面も弧状構造としてもよく、閉塞部30を弧状構造とすることで、この弧状構造によって入口通路の端部とより良好に密着して閉塞効果を向上させる。
【0030】
具体的には、閉塞部30のサイズが、入口通路端部のサイズより大きくてもよく、入口通路端部のサイズと同様に設定されてもよく、入口通路端部のサイズより小さくてもよく、閉塞部30が入口通路の端部位置まで移動したとき、入口通路の流体に対して閉塞、妨害の役割を果たして、入口通路と連通する毛細管の流体圧力を確保することができればよい。
【0031】
図4及び図5に示す構造において、閉塞部30とスライダ20とは一体に成形された構造であり、その構造が簡単で、加工及び取り付けが容易であり、取り付けの効率を高めることができる。
【0032】
当然ながら、閉塞部30とスライダ20とは別体構造としてもよい。図6に示すように、この閉塞部30は、対向して設けられた頂面及び底面を有し、閉塞部30の頂面は入口通路を閉塞するために用いられ、その頂面は平面であってもよく、弧状面であってもよい。閉塞部30の底面が弧状面であり、底面とスライダ20の上面とが整合し、且つ閉塞部30の底面がスライダ20に接続される。具体的には、接着、溶接又は他の接続手段により接続してもよい。以上の構造により、装置の構造を簡素化し、スライダ20及び閉塞部30に対する加工が容易になり、加工効率を向上させ、部品の加工コストを低減させることができる。
【0033】
本出願おいて、このガイドフレーム10には逃げ孔が設けられており、スライダ20が逃げ孔内に挿設されており、上記の構造により、スライダ20をガイドフレーム10内に挿設して固定し、スライダ20の一端がガイドフレーム10の一方側に位置し、スライダ20の他端がガイドフレーム10の他方側に位置するため、ガイドフレーム10がスライダ20を駆動して横方向に移動させることが容易になる。
【0034】
具体的には、このスライダ20は、本体21及び底板22を含み、本体21には空洞を有し、閉塞部30は本体21の頂部に設けられ、底板22は、本体21の底部に環状に設けられ、底板22は逃げ孔に係合されてスライダ20とガイドフレーム10との相対的な位置を制限し、底板22はガイドフレーム10の一方側に位置し、閉塞部30はガイドフレーム10の他方側に位置する。底板22を設けることにより、スライダ20における空洞を有する側の耐摩耗性を向上させることができ、底板22を介してガイドフレーム10とスライダ20との上下位置を制限することができる。底板22は出口通路の一方側に覆設されており、ガイドフレーム10がスライダ20を駆動して平行移動させ、底板22が出口通路の上方で移動する。
【0035】
図2及び図3に示すように、本出願実施例2で提供される方向切換弁は、弁体40及び弁芯アセンブリ50を含む。ここで、弁体40は、入口通路41、複数の出口通路42及びチャンバ44を有し、入口通路41及び出口通路42はいずれもチャンバ44と連通する。以上の実施例で提供された弁芯アセンブリ50は、チャンバ44内に移動可能に設けられており、スライダ20における空洞を有する側が複数の出口通路42に向かって設けられ、スライダ20における閉塞部を有する側が入口通路41に向かって設けられ、閉塞部30は、入口通路41を閉塞する閉塞位置及び入口通路41を導通する導通位置を有する。
【0036】
ここで、スライダ20は、チャンバ44内に複数の連通位置を有し、スライダ20がいずれかの連通位置に移動したとき、それに対応する出口通路42がチャンバ44と連通し、他の出口通路42はスライダ20を介してチャンバ44から離隔される。スライダ20がいずれかの連通位置から次の連通位置まで移動する過程において、閉塞部30を介して入口通路41を閉塞することができ、これによりスライダ20の移動過程において複数の出口通路が互いに連通してしまって、入口通路41からそれと連通する毛細管への圧力供給が足りないことが発生することを回避することができる。
【0037】
具体的には、本実施例中、弁体40は、2つの出口通路42及び低圧通路43を有し、2つの出口通路42及び低圧通路43は弁体40の一方側に並んで設けられ、入口通路41は弁体40の他方側に設けられ、低圧通路43は2つの出口通路42の間に位置し、入口通路41は低圧通路43に対応して設けられ、閉塞部30はスライダ20の中央に位置する。
【0038】
ここで、閉塞部30の断面のサイズが入口通路41のサイズ以上であるため、この閉塞部30により入口通路41に対する完全閉塞を実現し、閉塞部30が入口通路を閉塞するとき、入口通路41が流体を毛細管内に通すことを確保し、流体圧力によりガイドフレーム10の両側のピストンを押し進めて移動させることを確保し、更にスライダ20を予め設定した位置まで移動させることができる。
【0039】
本実施例において、スライダ20は、対向する第1連通位置及び第2連通位置を有し、スライダ20が第1連通位置と第2連通位置の間で移動する過程において、閉塞部30は入口通路41を閉塞することができる。図2に示すように、このときガイドフレーム10及びスライダ20はチャンバ44の左側に位置し、入口通路41が右側の出口通路42と連通し、スライダ20が第1連通位置に位置し、ガイドフレーム10及びスライダ20を右側へ移動させる必要がある場合に、上方のガイド弁により制御し、入口通路41と連通する毛細管内の流体をチャンバ44の左側に通して、流体がピストンを押し進めて右側へ移動させることができる。図3に示すように、スライダ20が中間位置まで移動したとき、2つの出口通路42及び低圧通路43が互いに連通し、このときチャンバ44内の圧力が比較的低く、閉塞部30を設け且つスライダ20が中央に移動したとき、閉塞部30によって入口通路41を閉塞することにより入口通路41内の流体がチャンバ44内に漏れることを回避することができ、これにより、入口通路41内の流体の全てをチャンバ44の左側に流れ込むようにすることができ、流体が、左側のピストンを押し進めて右側へ移動させるのに十分な圧力を有することを確保し、更にガイドフレーム10及びスライダ20を駆動して右側へ引き続き移動させることができ、スライダ20の空洞により低圧通路43及び右側の出口通路42を覆設し、左側の出口通路42と入口通路41とが連通するとき、スライダ20が第2連通位置に位置し、弁体は方向切換の操作を完了する。
【0040】
本出願で提供された技術態様によれば、構造が簡単で、製造及び加工が容易であり、弁体に方向切換の故障が発生することを回避し、弁体の正常な作動を確保することができる。
【0041】
図7から図9に示すように、本出願の実施例3で提供される方向切換弁は、弁体40及び弁芯アセンブリ50を含み、弁体40は、チャンバ44、入口通路41及び複数の出口通路42を有し、入口通路41及び出口通路42はいずれもチャンバ44と連通し、弁芯アセンブリ50はチャンバ44内に移動可能に設けられている。弁芯アセンブリ50の第1側は、複数の出口通路42に向かって設けられ、弁芯アセンブリ50の第2側は、入口通路41に向かって設けられ、弁芯アセンブリ50がチャンバ44内で移動する過程において、弁芯アセンブリ50によって複数の出口通路42とチャンバ44との連通状態を切り換えることができる。ここで、入口通路41の横断面積がS1であり、弁芯アセンブリ50が入口通路41の下方に位置するとき、入口通路41の端部の弁芯アセンブリ50の第2側における投影と入口通路41の端部との間に排気通路60が形成され、排気通路60の側壁の面積がS2で、S1/S2≧1である。
【0042】
本実施例で提供された方向切換弁を適用すると、S1とS2との比率を上記の範囲に設定することにより、弁芯アセンブリ50が中間位置まで移動したとき、入口通路41内で十分な圧力を有する流体が入口通路41と連通する毛細管内に流れ込むことを確保し、更に弁芯アセンブリ50を押し進めて引き続き移動するのに十分な圧力を確保して、弁芯アセンブリ50を方向切換位置まで移動させることができる。以上の構造により、方向切換の過程におけるスライダが停止することを回避し、方向切換の正常な作動を確保することができる。
【0043】
説明すべきこととして、本実施例において、排気通路60とは、入口通路41の端部の弁芯アセンブリ50の第2側における投影と入口通路41の端部が共に取り込んで形成した円筒状通路であり、入口通路41内の流体は円筒状通路の側壁を介してチャンバ44に流れることができる。
【0044】
図7及び図8に示すように、弁芯アセンブリ50の第2側に閉塞部30を有し、入口通路41の端部の閉塞部30における投影と入口通路41の端部との間に排気通路60が形成される。弁芯アセンブリ50が移動及び方向切換の過程において、閉塞部30によって入口通路41の一部を閉塞するため、出口通路が互いに連通することが発生した場合でも、入口通路が毛細管に十分な流体圧力を供給することを確保することができ、更に方向切換弁のピストンが芯アセンブリ50を押し進めて予め設定した位置まで引き続き移動することを確保し、通路の方向切換が正常に行われるように確保することができる。
【0045】
ここで、閉塞部30は、弁芯アセンブリ50と一体に成形された構造を含み、閉塞部30は、弁芯アセンブリ50と別体配置とされた構造を更に含む。
【0046】
具体的には、閉塞部30の入口通路41に近接する表面は弧状構造又は平面構造である。本実施例において、閉塞部30の入口通路41に近接する表面は平面構造であり、このようにすると、排気通路60の側壁面積を算出することが容易になり、更にS1とS2との比率を制御することが容易になる。また、平面構造を採用すると、その構造が簡単で加工や製造のコストが低い。
【0047】
他の実施例において、閉塞部30の入口通路41に近接する表面を弧状構造としてもよく、入口通路41の端部が同様に弧状であるため、この弧状構造によって入口通路の端部とより良好に係合して遮断効果を向上させる。
【0048】
図7に示すように、本実施例において、弁芯アセンブリ50は、ガイドフレーム10と、スライダ20とを含み、ガイドフレーム10はスライダ20に駆動接続され、閉塞部30はスライダ20に設けられる。ガイドフレーム10によってスライダ20を駆動してチャンバ44内で移動させることができ、スライダ20により複数の出口通路42とチャンバ44との連通状態を切り換えることができる。閉塞部30をスライダ20に設けることにより、閉塞部30に対する加工が容易になり、加工コストを低減させることができる。
【0049】
具体的には、弁芯アセンブリ50が中間位置まで移動したとき、スライダ20における閉塞部30によって一部の入口通路41の吸気口面積を遮断することができ、スライダ20が中間位置にあるときに漏れる冷媒の質量流量を低下させるだけでなく、冷媒が入口通路41と連通する毛細管に入ることにより、左端のキャビティ又は右端のキャビティに入る圧力を高め、ピストンバッフルの推力を高めて、スライダ20が方向切換を順調に実現することができる。
【0050】
本実施例において、閉塞部30は、スライダ20の入口通路41に向かう側に設けられた遮断カムである。遮断カムを設ける態様を採用すると、スライダ20に対して大きな改良を行う必要がないため、スライダ20に対する加工が容易になり、改良コストが低い。
【0051】
ここで、遮断カムの入口通路41に近接する表面は弧状構造又は平面構造である。
【0052】
本実施例において、閉塞部30とスライダ20とは一体に成形された構造であり、加工及び組み立てが容易であり、コストが低く、取り付けの効率を高めることができる。
【0053】
当然ながら、閉塞部30とスライダ20とは別体構造としてもよい。閉塞部30は、対向して設けられた頂面及び底面を有し、閉塞部30の頂面は入口通路を遮断するために用いられ、その頂面は平面であってもよく、弧状面であってもよい。閉塞部30の底面が弧状面であり、底面とスライダ20の上面とが整合し、且つ閉塞部30の底面がスライダ20に接続される。具体的には、接着、溶接又は他の接続手段により接続してもよい。以上の構造により、装置の構造を簡素化し、スライダ20及び閉塞部30に対する加工が容易になり、加工効率を向上させ、部品の加工コストを低減させることができる。
【0054】
本実施例において、このガイドフレーム10には逃げ孔が設けられており、スライダ20が逃げ孔内に挿設されており、上記の構造により、スライダ20をガイドフレーム10内に挿設して固定し、スライダ20の一端がガイドフレーム10の一方側に位置し、スライダ20の他端がガイドフレーム10の他方側にするため、ガイドフレーム10がスライダ20を駆動して横方向に移動させることが容易になる。
【0055】
ここで、スライダ20は、チャンバ44内に複数の連通位置を有し、スライダ20がいずれかの連通位置に移動したとき、それに対応する出口通路42がチャンバ44と連通し、他の出口通路42はスライダ20を介してチャンバ44から離隔される。スライダ20がいずれかの連通位置から次の連通位置まで移動する過程において、閉塞部30を介して入口通路41を遮断することができ、これによりスライダ20の移動過程において複数の出口通路42が互いに連通して入口通路41からそれと連通する毛細管への圧力供給が足りないことが発生することを回避することができる。本実施例において、スライダ20は、対向する第1連通位置及び第2連通位置を有し、スライダ20が第1連通位置と第2連通位置の間で移動する過程において、閉塞部30は入口通路41を遮断することができる。
【0056】
図7に示すように、本実施例において、弁体40は、低圧通路43及び2つの出口通路42を有し、低圧通路43及び2つの出口通路42は弁体40の一方側に並んで設けられ、入口通路41は弁体40の他方側に設けられ、低圧通路43は2つの出口通路42の間に位置し、入口通路41は低圧通路43に対応して設けられ、閉塞部30はスライダ20の中央に位置する。閉塞部30をスライダ20の中央に設けることにより、スライダ20に対する加工が容易になり、加工精度を確保し、更に閉塞部30の遮断効果を確保することができる。
【0057】
図7に示すように、スライダ20が中間位置まで移動したとき、2つの出口通路42及び低圧通路43が互いに連通し、このときチャンバ44内の圧力が比較的低く、閉塞部30を設け且つスライダ20が中央に移動したとき、閉塞部30によって入口通路41を遮断することにより入口通路41内の流体がチャンバ44内に漏れることを減少するか又は回避することができ、これにより、入口通路41内の流体をチャンバ44の左側に流れ込むようにすることができ、流体が、左側のピストンを押し進めて右側へ移動させるのに十分な圧力を有することを確保し、更にガイドフレーム10及びスライダ20を駆動して右側へ引き続き移動させることができ、スライダ20の空洞により低圧通路43及び右側の出口通路42を覆設し、左側の出口通路42と入口通路41とが連通するとき、スライダ20が第2連通位置に位置し、弁体は方向切換の操作を完了する。
【0058】
ここで、閉塞部30の最大断面のサイズが入口通路41のサイズ以上であり、閉塞部30の遮断効果を確保することができ、S1とS2との比率に対する制御が容易になる。
【0059】
具体的には、閉塞部30が入口通路の端部位置まで移動したとき、入口通路の流体に対して遮断の役割を果たして、入口通路と連通する毛細管の流体圧力を確保することができればよい。
【0060】
図9に示すように、本実施例において、入口通路41が円形通路であり、入口通路41の直径がdであり、入口通路41の横断面積S1=π・(d/2)であり、入口通路41の端部の弁芯アセンブリ50の第2側における投影と入口通路41の端部との間の距離がXであり、排気通路60の側壁の面積がS2=π・d・Xである。
【0061】
本実施例において、この方向切換弁は、電磁四方切換弁を含む。
【0062】
図10に示すように、本出願の実施例4で方向切換弁を提供し、実施例4と実施例3との相違点は、実施例4において、スライダ20の入口通路41に向かう一部の表面により閉塞部30が形成されることである。スライダ20の上面により閉塞部30を形成することにより、スライダ20の構造が比較的簡単で、スライダ20に対する加工が容易になり、加工コストを低減させることができる。
【0063】
本出願で提供された技術態様によれば、構造が簡単で、製造及び加工が容易であり、弁体に方向切換の故障が発生することを回避し、弁体の正常な作動を確保することができる。
【0064】
以上の説明は、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を限定するためのものではなく、当業者は本出願に対して各種の修正及び変更を行ってもよい。本出願の趣旨及び原則内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等は、いずれも本出願の保護範囲内に包含されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10