特許 7557637 掃除機用床ブラシアッセンブリ及び掃除機

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-09-18

(45)【発行日】2024-09-27

(54)【発明の名称】掃除機用床ブラシアッセンブリ及び掃除機

(51)【国際特許分類】

   A47L 9/04 20060101AFI20240919BHJP

【ＦＩ】

A47L9/04 A

【請求項の数】 10

(21)【出願番号】P 2023569981

(86)(22)【出願日】2022-02-23

(65)【公表番号】

(43)【公表日】2024-04-19

(86)【国際出願番号】 CN2022077462

(87)【国際公開番号】W WO2022237270

(87)【国際公開日】2022-11-17

【審査請求日】2023-11-10

(31)【優先権主張番号】202110506521.4

(32)【優先日】2021-05-10

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(73)【特許権者】

【識別番号】514236854

【氏名又は名称】江蘇美的清潔電器股▲ふん▼有限公司

(73)【特許権者】

【識別番号】512237419

【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司

【氏名又は名称原語表記】ＭＩＤＥＡ ＧＲＯＵＰ ＣＯ．， ＬＴＤ．

【住所又は居所原語表記】Ｂ２６－２８Ｆ， Ｍｉｄｅａ Ｈｅａｄｑｕａｒｔｅｒ Ｂｕｉｌｄｉｎｇ， Ｎｏ．６ Ｍｉｄｅａ Ａｖｅｎｕｅ， Ｂｅｉｊｉａｏ， Ｓｈｕｎｄｅ， Ｆｏｓｈａｎ， Ｇｕａｎｇｄｏｎｇ ５２８３１１ Ｃｈｉｎａ

(74)【代理人】

【識別番号】100112656

【弁理士】

【氏名又は名称】宮田 英毅

(74)【代理人】

【識別番号】100089118

【弁理士】

【氏名又は名称】酒井 宏明

(72)【発明者】

【氏名】邱智泓

(72)【発明者】

【氏名】王亞坤

(72)【発明者】

【氏名】黄建明

(72)【発明者】

【氏名】魏敏

(72)【発明者】

【氏名】程福萍

【審査官】葛谷 光平

(56)【参考文献】

【文献】中国実用新案第２１１９６１９２５（ＣＮ，Ｕ）

【文献】特開昭５９－５３１２０（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開昭６２－１３０１２３（ＪＰ，Ａ）

【文献】中国実用新案第２０２３１３１１５（ＣＮ，Ｕ）

【文献】中国実用新案第２１１７０４４４５（ＣＮ，Ｕ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ａ４７Ｌ ９／０４

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

ロールブラシ組立体と駆動機構とを含み、
前記ロールブラシ組立体は、スリーブと、前記スリーブ内に回動可能に取り付けられ且つブラシ毛が設けられているローラブラシ体とを含み、
前記駆動機構は動力源と伝動組立体とを含み、前記伝動組立体は駆動輪と第１駆動部材と第２駆動部材とを含み、前記駆動輪は前記動力源に連結され、
前記駆動輪は、伝動軸を介して前記第１駆動部材に連結されて前記ローラブラシ体の回動を駆動することに使用され、前記駆動輪はリンク構造を介して前記第２駆動部材に連結されて前記スリーブの回動を駆動することに使用され、前記第１駆動部材と前記第２駆動部材とは、前記ブラシ毛が前記スリーブ内から選択的に伸出又は後退するように偏心配置されている
ことを特徴とする掃除機用床ブラシアッセンブリ。

【請求項2】

前記駆動輪には、第１伝動孔と、前記第１伝動孔の径方向外側に位置する第２伝動孔とが設けられ、前記第２駆動部材には、逃がし孔と、前記逃がし孔の径方向外側に位置する第３伝動孔とが設けられ、
前記伝動軸は、前記第１伝動孔に挿設され且つ前記駆動輪と周方向において相対的に固定され、前記伝動軸は、前記逃がし孔に挿設されて前記第１駆動部材と連結され、前記リンク構造の一端は、前記第２伝動孔まで延びて前記駆動輪と回動嵌合され、前記リンク構造の他端は、前記第３伝動孔内まで延びて前記第２駆動部材と回動嵌合される
ことを特徴とする請求項１に記載の掃除機用床ブラシアッセンブリ。

【請求項3】

前記第１伝動孔の軸線が前記駆動輪の回動軸線と一致し、前記逃がし孔の軸線が前記第２駆動部材の回動軸線と一致し、前記伝動軸の軸線が前記逃がし孔の軸線とずれて設置されている
ことを特徴とする請求項２に記載の掃除機用床ブラシアッセンブリ。

【請求項4】

前記リンク構造は、第１連結棒と、連結ブロックと、第２連結棒とを含み、前記第１連結棒と前記第２連結棒とは前記連結ブロックの両端にそれぞれ連結され、且つそれぞれ前記連結ブロックの両側から互いに離反する方向に向かって延在し、前記第１連結棒が前記第２伝動孔内まで延在し、前記第２連結棒が前記第３伝動孔内まで延在する
ことを特徴とする請求項３に記載の掃除機用床ブラシアッセンブリ。

【請求項5】

前記第２伝動孔及び前記第３伝動孔はいずれも複数であり、複数の前記第２伝動孔は前記第１伝動孔の周りに間隔をおいて分布し、複数の前記第３伝動孔は前記逃がし孔の周りに間隔をおいて分布しており、
前記リンク構造は複数であり、複数の前記リンク構造と複数の前記第２伝動孔と複数の前記第３伝動孔とが１対１に対応して設けられている
ことを特徴とする請求項３または４に記載の掃除機用床ブラシアッセンブリ。

【請求項6】

複数の前記第２伝動孔が前記第１伝動孔の周方向において均等に間隔をあけて配置され、複数の前記第３伝動孔が前記逃がし孔の周方向において均等に間隔をあけて配置されている
ことを特徴とする請求項５に記載の掃除機用床ブラシアッセンブリ。

【請求項7】

前記伝動組立体は、前記第２駆動部材に回動可能に支持された軸受支持ブロックをさらに含み、前記軸受支持ブロックには軸線が前記逃がし孔の軸線とずれて設置された偏心孔が設けられ、前記伝動軸が前記偏心孔に回動可能に支持されている
ことを特徴とする請求項３～６のいずれか一項に記載の掃除機用床ブラシアッセンブリ。

【請求項8】

前記動力源に接続されたモータブラケットと、前記モータブラケットに取外可能に取り付けられた駆動側エンドキャップと、をさらに含み、
前記伝動軸の前記ローラブラシ体から遠い側の一端は前記駆動側エンドキャップに回動可能に支持され、前記第２駆動部材は前記モータブラケットに回動可能に支持されている
ことを特徴とする請求項１に記載の掃除機用床ブラシアッセンブリ。

【請求項9】

前記第１駆動部材は前記ローラブラシ体に面した側に第１駆動歯が設けられ、前記ローラブラシ体は前記第１駆動部材に面した側に第１従動歯が設けられ、前記第１駆動歯は前記第１従動歯と噛み合い、
前記第２駆動部材は前記スリーブに面した側に第２駆動歯が設けられ、前記スリーブは前記第２駆動部材に面した側に第２従動歯が設けられ、前記第２駆動歯は前記第２従動歯と噛み合う
ことを特徴とする請求項１に記載の掃除機用床ブラシアッセンブリ。

【請求項10】

請求項１～９のいずれか一項に記載の掃除機用床ブラシアッセンブリが設置されていることを特徴とする掃除機。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本出願は、出願番号２０２１１０５０６５２１.４、出願日２０２１年５月１０日、「掃除機用床ブラシアッセンブリ及び掃除機」という出願の名称の中国特許出願の優先権が主張されており、当該中国特許出願の全内容がここで引用により本出願に組み込まれている。

【0002】

本出願は、家電製品の製造技術分野に関し、特に掃除機用床ブラシアッセンブリ及び当該床ブラシアッセンブリを備えた掃除機に関する。

【背景技術】

【0003】

現在、掃除機は徐々に広く使用され、家庭の清掃作業を便利にし、人々の家事の負担を軽減した。しかし、掃除機は除塵作業の後に自身のほこり掃除を行う必要がある。このとき、毛髪や細い糸などの細長い物がロールブラシ体に絡まり、ロールブラシ体の回動を妨げることが多いため、手動で掃除する必要がある。関連技術において、掃除機のロールブラシ体とスリーブの駆動構造は歯車伝動構造を採用しており、組み立て精度の要求が高く、かつロールブラシの回動が詰まった場合ベルトの振れが発生すると引っ掛かりが生じやすく、ロールブラシ体とスリーブの組み立て関係もずれてしまい、改善の余地がある。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

本出願は、先行技術に存在する技術的課題の少なくとも１つを解決することを目的とする。このため、本出願の１つの目的は、駆動輪及び対応する駆動部材がそれぞれ伝動軸及びリンク構造を介してローラブラシ体及びスリーブに対する偏心駆動を実現し、構造が簡単であり、構造配置がコンパクトすぎるという問題が生じず、組立精度の要求が低い掃除機用床ブラシアッセンブリを提案することである。

【課題を解決するための手段】

【0005】

本出願の実施例による掃除機用床ブラシアッセンブリは、ロールブラシ組立体と駆動機構とを含み、前記ロールブラシ組立体は、スリーブと、前記スリーブ内に回動可能に取り付けられ且つブラシ毛が設けられているローラブラシ体とを含み、前記駆動機構は動力源と伝動組立体とを含み、前記伝動組立体は駆動輪と第１駆動部材と第２駆動部材とを含み、前記駆動輪は前記動力源に連結され、前記駆動輪は、伝動軸を介して前記第１駆動部材に連結されて前記ローラブラシ体の回動を駆動することに使用され、前記駆動輪はリンク構造を介して前記第２駆動部材に連結されて前記スリーブの回動を駆動することに使用され、前記第１駆動部材と前記第２駆動部材とは、前記ブラシ毛が前記スリーブ内から選択的に伸出又は後退するように偏心配置されている。

【0006】

本出願の実施例による掃除機用床ブラシアッセンブリによれば、第１駆動部材と第２駆動部材とは、ブラシ毛がスリーブ内から選択的に伸出又は後退するように偏心配置されていることで、毛髪や細線等の細長い物がロールブラシ体に絡みつく問題を効果的に解決することができ、プーリと２つの駆動部材とがそれぞれ伝動軸、リンク構造の形態で伝動嵌合することにより、組立精度の要求を低減することに寄与し、取付効率を向上させ、伝動過程における部品の摩損が少なく、ベルトの振れが発生する時回動の引っ掛かりもなく、ロールブラシ体とスリーブとの組立関係のずれの発生を防止し、床ブラシアッセンブリの全体性能を向上させることができる。

【0007】

本出願のいくつかの実施例による掃除機用床ブラシアッセンブリによれば、前記駆動輪には、第１伝動孔と、前記第１伝動孔の径方向外側に位置する第２伝動孔とが設けられ、前記第２駆動部材には、逃がし孔と、前記逃がし孔の径方向外側に位置する第３伝動孔とが設けられ、前記伝動軸は、前記第１伝動孔に挿設され且つ前記駆動輪と周方向において相対的に固定され、前記伝動軸は、前記逃がし孔に挿設されて前記第１駆動部材と連結され、前記リンク構造の一端は、前記第２伝動孔まで延びて前記駆動輪と回動嵌合され、前記リンク構造の他端は、前記第３伝動孔内まで延びて前記第２駆動部材と回動嵌合される。

【0008】

本出願のいくつかの実施例による掃除機用床ブラシアッセンブリによれば、前記第１伝動孔の軸線が前記駆動輪の回動軸線と一致し、前記逃がし孔の軸線が前記第２駆動部材の回動軸線と一致し、前記伝動軸の軸線が前記逃がし孔の軸線とずれて設置されている。

【0009】

本出願のいくつかの実施例による掃除機用床ブラシアッセンブリによれば、前記リンク構造は、第１連結棒と、連結ブロックと、第２連結棒とを含み、前記第１連結棒と前記第２連結棒とは前記連結ブロックの両端にそれぞれ連結され、且つそれぞれ前記連結ブロックの両側から互いに離反する方向に向かって延在し、前記第１連結棒が前記第２伝動孔内まで延在し、前記第２連結棒が前記第３伝動孔内まで延在する。

【0010】

本出願のいくつかの実施例による掃除機用床ブラシアッセンブリによれば、前記第２伝動孔及び前記第３伝動孔はいずれも複数であり、複数の前記第２伝動孔は前記第１伝動孔の周りに間隔をおいて分布し、複数の前記第３伝動孔は前記逃がし孔の周りに間隔をおいて分布しており、前記リンク構造は複数であり、複数の前記リンク構造と複数の前記第２伝動孔と複数の前記第３伝動孔とが１対１に対応して設けられている。

【0011】

本出願のいくつかの実施例による掃除機用床ブラシアッセンブリによれば、複数の前記第２伝動孔が前記第１伝動孔の周方向において均等に間隔をあけて配置され、複数の前記第３伝動孔が前記逃がし孔の周方向において均等に間隔をあけて配置されている。

【0012】

本出願のいくつかの実施例による掃除機用床ブラシアッセンブリによれば、前記伝動組立体は第２駆動部材に回動可能に支持された軸受支持ブロックをさらに含み、前記軸受支持ブロックには軸線が前記逃がし孔の軸線とずれて設置された偏心孔が設けられ、前記伝動軸が前記偏心孔に回動可能に支持されている。

【0013】

本出願のいくつかの実施例による掃除機用床ブラシアッセンブリによれば、前記動力源に接続されたモータブラケットと、前記モータブラケットに取外可能な駆動側エンドキャップと、をさらに含み、前記伝動軸の前記ローラブラシ体から遠い側の一端は前記駆動側エンドキャップに回動可能に支持され、前記第２駆動部材は前記モータブラケットに回動可能に支持されている。

【0014】

本出願のいくつかの実施例による掃除機用床ブラシアッセンブリによれば、前記第１駆動部材は前記ローラブラシ体に面した側に第１駆動歯が設けられ、前記ローラブラシ体は前記第１駆動部材に面した側に第１従動歯が設けられ、前記第１駆動歯は前記第１従動歯と噛み合い、前記第２駆動部材は前記スリーブに面した側に第２駆動歯が設けられ、前記スリーブは前記第２駆動部材に面した側に第２従動歯が設けられ、前記第２駆動歯は前記第２従動歯と噛み合う。

【0015】

本出願は、また、掃除機を提案する。

【0016】

本出願の実施例による掃除機には、上記のいずれかの実施例に記載された掃除機用床ブラシアッセンブリが設置されている。

【0017】

前記掃除機および上記の床ブラシアッセンブリが従来技術に対して有する利点は同じであり、本明細書ではこれ以上言及しない。

【0018】

本出願の追加の方面および利点は、以下の説明において部分的に示され、部分的には以下の説明から明らかになるか、または本出願の実践を通して理解される。

【図面の簡単な説明】

【0019】

本出願の上記のおよび/または追加の方面および利点は、以下の添付図面に関連した実施例の説明から明らかであり、理解しやすくなる。

【0020】

【図1】本出願の実施例による掃除機の構造を示す模式図である。

【図2】本出願の実施例による掃除機の側面図である。

【図3】本出願の実施例による掃除機の床ブラシアッセンブリの断面図である。

【図4】本出願の実施例による床ブラシアッセンブリの構造を示す模式図である。

【図5】本出願の実施例による床ブラシアッセンブリの駆動機構の構造を示す模式図である。

【図6】本出願の実施例による床ブラシアッセンブリの駆動機構の分解図である。

【図7】本出願の実施例による床ブラシアッセンブリの駆動機構のロールブラシ組立体の構造を示す模式図である。

【符号の説明】

【0021】

掃除機…１０００、床ブラシアッセンブリ…１００、ロールブラシ組立体…１、ロールブラシ体…１１、第１従動歯…１１１、ブラシ毛…１１２、ブラシ体構造…１１３、従動軸…１１４、スリーブ…１２、第２従動歯…１２１、逃がし開孔…１２２、駆動機構…２、伝動組立体…２１、駆動輪…２２、第１伝動孔…２２１、第２伝動孔…２２２、第１駆動部材…２３、第１駆動歯…２３１、第２駆動部材…２４、伝動部…２４１、支持連結部…２４２、第２駆動歯…２４３、逃がし孔…２４４、第３伝動孔…２４５、伝動軸…２５、リンク構造…２６、第１連結棒…２６１、連結ブロック…２６２、第２連結棒…２６３、軸受支持ブロック…２７、偏心孔…２７１、駆動ケース…２８、モータブラケット…２８１、駆動側エンドキャップ…２８２、動力源…２９、主動輪…２９１、ベルト…３、軸受…４、従動側エンドキャップ…５、ハウジング…１００１、ロールブラシ上蓋…１００２、底板…１００３。

【発明を実施するための形態】

【0022】

以下では、添付の図面に示される本明細書の実施例を詳細に説明し、ここで、最初から最後まで同一または類似の符号は、同一または類似の要素、または同一または類似の機能を有する要素を示す。図面を参照して以下に説明する実施形態は、本明細書を説明するためにのみ使用される例示的なものであり、本明細書を限定するものとは理解されない。

【0023】

図１～図７を参照して、本出願の実施例に係る掃除機に適用可能な床ブラシアッセンブリ１００について説明する。床ブラシアッセンブリ１００の動力源２９が駆動輪２２から出力する駆動力の一部は、伝動軸２５を介して第１駆動部材２３を駆動してロールブラシ体１１を回動させ、他の一部の駆動力はリンク構造２６を介して第２駆動部材２４を駆動してスリーブ１２を回動させることにより、ロールブラシ体１１とスリーブ１２を別々に駆動することができ、この伝達過程において、従来技術のように２つのプーリによる歯車嵌合構造を介した動力伝達が必要とされないので、各構成要素間の嵌合精度の要求を低減することができ、歯車伝達構造が過度に摩耗するという問題が生じにくく、特に組立ずれの問題が生じにくく、床ブラシアッセンブリ１００の実用性を向上させる。

【0024】

なお、本出願における床ブラシアッセンブリ１００は、掃除機１０００のハウジング１００１内に集積して取り付けられることができ、図１に掃除機１０００の全体構造の概略図を示すように、床ブラシアッセンブリ１００は掃除機１０００の底部に取り付けられ、図２に示すように、床ブラシアッセンブリ１００は掃除機１０００内の前側底部に位置し、図２に示すように、掃除機１０００のハウジング１００１の前側底部が開口して、ハウジング１００１の前側底部領域に掃除口を形成し、床ブラシアッセンブリ１００のロールブラシ組立体１のブラシ毛１１２は、掃除口から伸出し、掃除される表面を掃除することができ、例えば、掃除待ち面は床であり得る。このように、ブラシ毛１１２は、床面上の雑物、毛髪等を掃き上げることができ、掃除機１０００の吸塵組立体と協働して、舞い上がった雑物、毛髪を吸込、収納放置することで、地面の掃除の役割を果たす。

【0025】

また、具体的に取付ける際に、図２に示されるように、掃除機１０００の前部のトップにはロールブラシ上蓋１００２が設けられ、前部のボトムには底板１００３が設けられ、ロールブラシ上蓋１００２と底板１００３とは上下方向に間隔をおいて両者の間に取付空間を画定し、底板１００３には掃除口が形成され、床ブラシアッセンブリ１００は取付空間内に取付けられ、ブラシ毛１１２は底板１００３の掃除口を通って床面を掃除する。

【0026】

図３および図４に示すように、本出願の実施例に係る掃除機用床ブラシアッセンブリ１００は、ロールブラシ組立体１と、駆動機構２とを含み、そのうち、駆動機構２およびロールブラシ組立体１の両方がハウジング１００１内に取り付けられ、駆動機構２がハウジング１００１に固定的に連結され、ロールブラシ組立体１はハウジング１００１内に回動可能に支持されて駆動機構２の出力端に連結し、駆動機構２における駆動力がロールブラシ組立体１に出力でき、駆動機構２はロールブラシ組立体１がハウジング１００１に対して回動するように駆動し、このように、ロールブラシ組立体１の回動中に、ロールブラシ組立体１のブラシ毛１１２が掃除口から伸出して掃除待ち面を洗浄処理する。

【0027】

図３に示すように、ロールブラシ組立体１は、スリーブ１２とロールブラシ体１１とを含み、そのうち、スリーブ１２の左端は掃除機１０００のハウジング１００１内に回動可能に支持され、且つ、スリーブ１２の右端（図３に示す右端は、説明を容易にするためだけであり、実際の取り付けには限定されない）は、駆動機構２の出力端に取り付けられて嵌合し、駆動機構２がスリーブ１２の右端からハウジング１００１に対してスリーブ１２を回動させることができるようになっている。そのうち、スリーブ１２には内部に取付空間が形成されており、ロールブラシ体１１は、スリーブ１２内に回動可能に取付られており、図３に示すように、ロールブラシ体１１は、外側のブラシ体構造１１３と、ブラシ体構造１１３内に一体化された従動軸１１４とを有し、且つブラシ体構造１１３は、従動軸１１４と一体化されてスリーブ１２に対して共に回動し、そのうち、図３に示すように、従動軸１１４の左端は、スリーブ１２の左端位置に軸受４を介して回動可能に支持されており、図７に示すように、スリーブ１２の左端には、従動側エンドキャップ５が設けられており、従動軸１１４の左端は、軸受４を介して従動側エンドキャップ５に支持され、ブラシ体構造１１３の右端が駆動機構２に動力連結され、駆動機構２がロールブラシ体１１を駆動できる。

【0028】

そのうち、図４及び図７に示すように、ロールブラシ体１１にブラシ毛１１２が設置され、ブラシ毛１１２がロールブラシ体１１の外周壁に設けられ、ブラシ毛１１２がロールブラシ体１１の外周壁から径方向外方に突出して延伸し、スリーブ１２の外周壁に逃がし開孔１２２が設けられ、逃がし開孔１２２は、スリーブ１２の外周壁をスリーブ１２の径方向に貫通する。そのうち、ロールブラシ体１１はスリーブ１２内で回動する過程で、ブラシ毛１１２は逃がし開孔１２２から伸出して掃除面に対して掃除処理を行う。

【0029】

駆動機構２は動力源２９と伝動組立体２１とを含み、伝動組立体２１は駆動輪２２、第１駆動部材２３、第２駆動部材２４を含み、駆動輪２２は動力源２９に連結する。ここで、動力源２９を駆動モータとし、駆動輪２２をプーリとし、駆動モータのモータ軸に主動輪２９１を設け、プーリの回動軸線を主動輪２９１の回動軸線と平行とし、プーリと主動輪２９１とを径方向に正対させて設置することで、主動輪２９１とプーリとはベルト３を介して伝動嵌合され、駆動モータが出力する駆動力を主動輪２９１でベルト３を介してプーリに伝達し、プーリを介して第１駆動部材２３及び第２駆動部材２４に分配する。

【0030】

ここで、駆動輪２２は、伝動軸２５を介して第１駆動部材２３と連結し、ロールブラシ体１１の回動を駆動することに使用され、駆動輪２２はリンク構造２６を介して第２駆動部材２４に連結され、スリーブ１２の回動を駆動することに使用され、図６に示すように、第１駆動部材２３は、第１駆動部材２３が自身の回動軸線を有し、自身の回動軸線の周りを回動できるように円形ブロックとして構成され、第２駆動部材２４は、第２駆動部材２４が自身の回動軸線を有し、自身の回動軸線の周りを回動できるように円形ブロックとして構成されている。且つ、図３に示すように、第１駆動部材２３はロールブラシ体１１の右端に直接に接触して嵌合し、第１駆動部材２３はロールブラシ体１１を回動させることができ、且つ、第２駆動部材２４はスリーブ１２の右端に直接に接触して嵌合し、第２駆動部材２４はスリーブ１２を回動させることができる。つまり、プーリにおいて、駆動モータからの駆動力の一部は伝動軸２５を介して第１駆動部材２３に出力してロールブラシ体１１をスリーブ１２内で回動させ、駆動力他の一部はリンク構造２６を介して第２駆動部材２４に出力してスリーブ１２をハウジング１００１に対して回動させる。

【0031】

したがって、本出願におけるプーリと２つの駆動部材とは、それぞれ伝動軸２５とリンク構造２６の形式で伝動嵌合を行い、すなわち、本出願におけるプーリと２つの駆動部材との間の伝動構造は、従来の歯車伝動の構造設計を採用していないので、このように設定することにより、プーリと２つの駆動部材との間の組立精度の要求が低減され、組立難度が低減されるだけでなく、歯車伝動に伴う過度の摩損の問題がなく、駆動機構２の寿命を延長することに寄与するとともに、伝動軸２５とリンク構造２６との取付嵌合により、１つの駆動輪２２で駆動することができ、２つのプーリの設置スペースに対する需要が大き過ぎる問題がなく、ベルト３の振れ時の回動の引っ掛かりの問題が生じにくく、従って、ロールブラシとスリーブ１２との組立関係がずれるという問題を回避でき、床ブラシアッセンブリ１００の信頼性と安全性がかなり向上する。

【0032】

このうち、第１駆動部材２３と第２駆動部材２４とは、ブラシ毛１１２がスリーブ１２内から選択的に伸出又は後退するように偏心して配置されており、すなわち、第１駆動部材２３によってロールブラシ体１１の回動を駆動する時及び第２駆動部材２４によってスリーブ１２を駆動する時に、ロールブラシ体１１の軸線とスリーブ１２の軸線とが離間している。なお、図３に示すように、ロールブラシ体１１の回動軸線はスリーブ１２の回動軸線よりも低く、ロールブラシ体１１の外周壁の複数の異なる位置にブラシ毛１１２が設けられているとともに、スリーブ１２の外周壁には複数の異なる逃がし開孔１２２が設けられ、ロールブラシ体１１の外周壁のブラシ毛１１２とスリーブ１２の逃がし開孔１２２とがいずれも下方領域に位置する場合、この箇所におけるブラシ毛１１２は逃がし開孔１２２から下方に伸出して掃除待ち面の掃除作用を行い、ロールブラシ体１１の外周壁のブラシ毛１１２とスリーブ１２の逃がし開孔１２２とがいずれも上方領域に位置する場合、この箇所におけるブラシ毛１１２は逃がし開孔１２２からスリーブ１２内に収縮する。

【0033】

従って、床ブラシアッセンブリ１００の底部において常に逃がし開孔１２２からブラシ毛１１２が伸出するように、ブラシ毛１１２と逃がし開孔１２２との組み合わせを多く設置でき、床面に対して継続的に掃除し、掃除機１０００の清浄度を保証する。

【0034】

なお、ブラシ毛１１２がスリーブ１２から伸出している場合、床面を掃除することができ、また、ブラシ毛１１２がスリーブ１２から退避している場合、ブラシ毛１１２の異物が逃がし開孔１２２の孔壁の作用によりブラシ毛１１２から離脱することができるので、ブラシ毛１１２に絡みついた異物がロールブラシ体１１の正常な回動に影響を与えすぎることを避けることができ、ブラシ毛１１２の掃除の困難性を低減することに寄与でき、ユーザが手で掃除する必要がなく、実用性を高めることができ、毛や細線等の細長いものがロールブラシ体１１に絡みついてしまうという問題を解決することができる。

【0035】

本出願の実施例における掃除機用床ブラシアッセンブリ１００により、第１駆動部材２３と第２駆動部材２４とは、ブラシ毛１１２がスリーブ１２内から選択的に伸出又は後退するように偏心して配置されていることで、毛や細線等の細長い物がロールブラシ体１１に絡みつく問題を効果的に解決することができ、プーリと２つの駆動部材とがそれぞれ伝動軸２５、リンク構造２６の形態で伝動嵌合することにより、組立精度の要求を低減することに寄与し、取付効率を向上させ、伝動過程における部品の摩耗が少なく、ベルト３の振れが発生する時の引っ掛かりもなく、ロールブラシとスリーブ１２との組立関係のずれの発生を防止し、床ブラシアッセンブリ１００の全体性能を向上させることができる。

【0036】

いくつかの実施例では、駆動輪２２はプーリとして構成され、駆動輪２２に第１伝動孔２２１と第２伝動孔２２２とが設置され、図６に示すように、駆動輪２２の外周壁には、駆動モータの主動輪２９１と伝動嵌合するベルト３が取り付けられており、駆動輪２２の中心位置には、駆動輪２２の軸方向に貫通する第１伝動孔２２１が設けられており、第１伝動孔２２１の軸線はプーリの軸線と一致しており、プーリの回動時にプーリが第１伝動孔２２１の軸線を周って回動するようになっている。第２駆動部材２４には逃がし孔２４４と第３伝動孔２４５とが設けられ、逃がし孔２４４は第２駆動部材２４の中心位置に位置して第２駆動部材２４の軸方向に貫通し、逃がし孔２４４の軸線と第２駆動部材２４の軸線は一致する。

【0037】

このうち、伝動軸２５は第１伝動孔２２１に挿設されて駆動輪２２と周方向において相対的に固定され、伝動軸２５は逃がし孔２４４に挿設されて第１駆動部材２３と連結される。すなわち、伝動軸２５は第１伝動孔２２１においてプーリに周方向に固定され、プーリが伝動軸２５を回動させることができる。具体的に設計される場合、第１伝動孔２２１に多角形面を設計し、第１伝動孔２２１と嵌合する位置で伝動軸２５を多角柱構造とすることで、伝動軸２５が第１伝動孔２２１の内周壁の作用下で回動可能とすることができる。例えば、第１伝動孔２２１は、内側六角孔とされ、伝動軸２５の対応する位置は六角柱状とされている。もちろん、伝動軸２５と第１伝動孔２２１とをスプライン構造により制限嵌合させてもよいし、伝動軸２５の外周壁と第１伝動孔２２１の内周壁との一方に制限ボスを設け、他方に制限凹溝を設け、制限ボスを制限凹溝内に径方向に延在させて、伝動軸２５とプーリとの周方向拘束作用を実現してもよい。

【0038】

図６に示すように、第２伝動孔２２２は、プーリ上で第１伝動孔２２１よりも径方向外側に位置し、すなわち、第２伝動孔２２２の軸線はプーリの回動軸線からずれて配置し、第３伝動孔２４５は、第２駆動部材２４上で逃がし孔２４４よりも径方向外側に位置し、すなわち、第３伝動孔２４５の軸線は第２駆動部材２４の回動軸線からずれて分布している。このうち、リンク構造２６の一端が第２伝動孔２２２まで延びて駆動輪２２に回動嵌合するとともに、リンク構造２６の他端が第３伝動孔２４５内まで延びて第２駆動部材２４に回動嵌合する。

【0039】

具体的に、図６に示されるように、リンク構造２６の右端は第２伝動孔２２２とプーリの軸方向に正対して配置され、リンク構造２６の右端は第２伝動孔２２２内に伸長可能であり、リンク構造２６の右端の外周壁は第２伝動孔２２２の内周壁と回動嵌合するとともに、リンク構造２６の左端は第３伝動孔２４５と第２駆動部材２４の軸方向に正対して配置され、リンク構造２６の左端は第３伝動孔２４５内に伸長し、リンク構造２６の両端は第２駆動部材２４の軸方向への投影をずらしてプーリの回動軸線を第２駆動部材２４の回動軸線からずらすことができる。

【0040】

なお、図６に示すように、逃がし孔２４４は第２駆動部材２４の中心孔であり、第１伝動孔２２１はプーリの中心孔であり、逃がし孔２４４の径は第１伝動孔２２１の径よりも大きいので、伝動軸２５を逃がし孔２４４から通過させる際に伝動軸２５の軸線を逃がし孔２４４の軸線からずらして配置することができ、伝動軸２５を第２駆動部材２４から偏心させて配置することができる。ここで、図３に示すように、伝動軸２５の左端が第１駆動部材２３に連結され、第１駆動部材２３はロールブラシ体１１の右端に動力的に連結され、伝動軸２５が逃がし孔２４４内の下方領域に位置することで、第１駆動部材２３の回動軸線が第２駆動軸の回動軸線に対して下方にオフセットされ、ロールブラシ体１１の回動中にロールブラシ体１１のブラシ毛１１２がスリーブ１２の下方逃がし開孔１２２から伸出するようになっている。

【0041】

即ち、本出願において、リンク構造２６と伝動軸２５の設計により、第１伝動孔２２１の軸線が駆動輪２２の回動軸線に一致し、逃がし孔２４４の軸線が第２駆動部材２４の回動軸線に一致し、伝動軸２５の軸線が逃がし孔２４４の軸線からずれて配置されている。

【0042】

また、上記の設置によれば、第１駆動部材２３がロールブラシ体１１をスリーブ１２に対して相対的に回動させる過程で、第１駆動部材２３の回動軸線と第２駆動部材２４の回動軸線とがずれて、スリーブ１２の回動軸線とロールブラシ体１１の回動軸線とがずれるようにして、ロールブラシ体１１をスリーブ１２に対して偏心回動させることができる。これにより、本出願の伝動構造は、二重駆動構造を設けて二組の歯車構造に合わせることなく、スリーブ１２に対するロールブラシ体１１の偏心回動を実現することができ、構造が簡単で、取付が容易であり、特に取付精度の要求が極めて低くなり、組立効率が向上する。

【0043】

いくつかの実施例では、リンク構造２６は、第１連結棒２６１、連結ブロック２６２および第２連結棒２６３を含み、第１連結棒２６１、連結ブロック２６２および第２連結棒２６３は、一体的に成形されてもよく、３つが固定的に連結されてもよい。図６に示すように、第１連結棒２６１は丸棒であり、第２連結棒２６３も丸棒であり、第１連結棒２６１の長さは第２連結棒２６３の長さと同じであり、連結ブロック２６２は矩形ブロックであり、連結ブロック２６２の上端及び下端には連結ブロック２６２を第２駆動部材２４の軸方向に貫通する円形孔が形成されており、即ち、円形孔は連結ブロック２６２の左側から右側まで貫通している。

【0044】

第１連結棒２６１及び第２連結棒２６３は、連結ブロック２６２の両端にそれぞれ連結され、それぞれ連結ブロック２６２の両側から互いに離反する方向に延び、第１連結棒２６１は第２伝動孔２２２内まで延び、第２連結棒２６３は第３伝動孔２４５内まで延びている。図６に示すように、第１連結棒２６１が連結ブロック２６２の下端に連結され、連結ブロック２６２の右側面から右方に延びて配置され、第１連結棒２６１の右端が第２伝動孔２２２内まで延びてプーリと伝動嵌合するとともに、第２連結棒２６３が連結ブロック２６２の上端に連結され、連結ブロック２６２の左側面から左方に延びて配置され、第２連結棒２６３の左端が第３伝動孔２４５内まで延びて第２駆動部材２４と伝動嵌合する。

【0045】

すなわち、本出願では、プーリと第２駆動部材２４との間にリンク構造２６を設け、リンク構造２６の第１連結棒２６１と第２連結棒２６３との軸線が一致しない構造特性を利用して、異なる軸線での動力伝達を可能にすることで、プーリと第２駆動部材２４とをそれぞれ異なる回動軸線回りに回動させることができ、プーリの駆動下で第１駆動部材２３を第２駆動部材２４に対して偏心回動させることができ、ひいてはロールブラシ体１１をスリーブ１２に対して偏心回動させることができる。

【0046】

なお、本出願におけるリンク構造２６の配置により、従来の設計における２組の異なる大きさの歯車構造の噛み合いを利用して実現される偏心伝動に比べて、取付構造がより簡単であり、組立精度がより低い。また、リンク構造２６による伝動の設計により、騒音が大きくて摩耗しやすいリスクが生じにくく、特に歯車の輪郭間の相対的な摺動摩擦による伝動効率の低下及び過度の摩耗の問題を回避することができ、実用性がより優れている。

【0047】

いくつかの実施例では、第２伝動孔２２２は複数であり、複数の第２伝動孔２２２は第１伝動孔２２１の周りに間隔をおいて分布しており、リンク構造２６は複数であり、複数のリンク構造２６、複数の第２伝動孔２２２及び複数の第３伝動孔２４５は１対１に対応して配置されており、これにより、複数のリンク構造２６の第１連結棒２６１及び第２連結棒２６３は、それぞれ１対１に対応して複数の第２伝動孔２２２及び複数の第３伝動孔２４５内に延びることができ、これにより、プーリ及び第２駆動部材２４が複数の位置で動力的に連結嵌合を達成し、両者間の動力伝達の安定性を向上させ、より大きな動力トルクの伝達に寄与する。

【0048】

ここで、図６に示すように、第１伝動孔２２１はプーリの中心位置にあり、第２伝動孔２２２は６個であり、６個の第２伝動孔２２２は、第１伝動孔２２１を囲むようにプーリの周方向に間隔をあけて配置されている。第３伝動孔２４５は複数であり、複数の第３伝動孔２４５は、図６に示すように、プーリの中心位置に位置する逃がし孔２４４の周りに間隔をおいて配置されており、第３伝動孔２４５は６個であり、６個の第３伝動孔２４５は、プーリの周方向に間隔をおいて逃がし孔２４４の周りに配置されている。

【0049】

また、図６に示すように、リンク構造２６は６個であり、６個のリンク構造２６は第２駆動部材２４の周方向において間隔をおいて分布され、そのうち、６個のリンク構造２６のうちの第１連結棒２６１の右端とプーリの６個の第２伝動孔２２２とが、それぞれ１対１でプーリ軸方向において正対して配置され、プーリが６個の第２伝動孔２２２の内壁を介して６個のリンク構造２６に駆動力を部分的に伝達するとともに、６個のリンク構造２６のうちの第２連結棒２６３の左端と第２駆動部材２４の６個の第３伝動孔２４５とが、１対１で第２駆動部材２４の軸方向において正対して配置され、６個のリンク構造２６が６個の第２連結棒２６３を介して第２駆動部材２４にそれぞれ駆動力を伝達することにより、プーリが周方向の６箇所で６個のリンク構造２６を介して第２駆動部材２４にそれぞれ動力的に連結し、これにより、プーリと第２駆動部材２４との間の動力伝達の安定性が極めて有利に確保され、動力源２９が第２駆動部材２４を効率よく回動駆動することが保証される。

【0050】

いくつかの実施例では、複数の第２伝動孔２２２は、第１伝動孔２２１の周方向において均等に間隔をおいて配置され、すなわち、複数の第２伝動孔２２２のうちのいずれかの隣接する２つの第２伝動孔２２２の間の角度はプーリの周方向に同じであり、図６に示すように、６つの第２伝動孔２２２は、第１伝動孔２２１の周方向において均等に間隔をおいて配置され、すなわち、隣接する２つの第２伝動孔２２２の間の角度は６０°であり、６つの第２伝動孔２２２は、プーリの周方向に３対に分布し、各対の２つの第２伝動孔２２２はプーリの半径方向に正対して配置されている。

【0051】

これにより、６つのリンク構造２６を介してプーリに伝動嵌合する際に、６つのリンク構造２６のプーリの周方向における付勢力が比較的均等になり、局部的な位置で過大な力を受けて局部的な位置で過小な力を受ける問題が発生せず、局部的な位置で過大な力を受けて厳重な破損が発生する問題が回避されるとともに、６つのリンク構造２６がプーリの周方向に分布した後、各対のリンク構造２６の２つのリンク構造２６がプーリの径方向に正対して配置され、プーリの径方向両側領域の受力も比較的均等になるので、プーリの径方向及び周方向の双方の力が比較的均等になることが保証され、プーリとリンク構造２６との間の伝動の安定性を向上させることができる。

【0052】

複数の第３伝動孔２４５は、逃がし孔２４４の周方向に均等に間隔をおいて配置され、すなわち、複数の第３伝動孔２４５のうちのいずれかの隣接する２つの第３伝動孔２４５の間の角度は第２駆動部材２４の周方向に同じであり、図６に示すように、６つの第３伝動孔２４５は、逃がし孔２４４の周方向に均等に間隔をおいて配置され、すなわち、隣接する２つの第３伝動孔２４５の間の角度は６０°であり、６つの第３伝動孔２４５は、第２駆動部材２４の周方向に３対に分布し、各対の２つの第３伝動孔２４５は第２駆動部材２４の半径方向に正対して配置されている。

【0053】

これにより、６つのリンク構造２６を介して第２駆動部材２４に伝動嵌合する際に、６つのリンク構造２６の第２駆動部材２４の周方向における付勢力が比較的均等になり、局部的な位置で過大な力を受けて局部的な位置で過小な力を受ける問題が発生せず、局部的な位置で過大な力を受けて厳重な摩耗が発生する問題が回避されるとともに、６つのリンク構造２６が第２駆動部材２４の周方向に分布した後、各対のリンク構造２６の２つのリンク構造２６が第２駆動部材２４の径方向において正対して配置され、第２駆動部材２４の径方向両側領域の受力も比較的均等になるので、第２駆動部材２４の径方向及び周方向の双方の力が比較的均等になることが保証され、第２駆動部材２４とリンク構造２６との間の伝動の安定性を向上させることができる。

【0054】

このように、第２駆動部材２４とプーリとの間の６本のリンク構造２６の特別な位置での配置態様により、第２駆動部材２４とプーリとの間の伝動を安定して行うことができ、局部的な位置での過大な摩耗や伝動変形の問題が生じにくく、構造設計上の安全性及び信頼性を向上させることができる。

【0055】

いくつかの実施例では、伝動組立体２１は、第２駆動部材２４に回動可能に支持される軸受支持ブロック２７をさらに含み、第２駆動部材２４は、図３に示すように、伝動部２４１と支持連結部２４２とを含み、伝動軸２５が順に伝動部２４１と支持連結部２４２とを貫通して連結し、そのうち、第３伝動孔２４５は、支持連結部２４２に設けられ、伝動部２４１から離れた側に向かって開いて第２連結棒２６３と連結嵌合する。

【0056】

ここで、伝動部２４１の径方向寸法は支持連結部２４２の径方向寸法よりも大きく、伝動部２４１の中間部はロールブラシ体１１に向かって開口して中間取付空間を形成し、逃がし孔２４４は支持連結部２４２に設けられて伝動部２４１の中間取付空間に貫通している。ここで、中間取付空間の径方向寸法は逃がし孔２４４の径方向寸法よりも大きく、図３に示すように、中間取付空間内に軸受４が取り付けられ、軸受支持ブロック２７が第２駆動部材２４内で回動可能に軸受４を介して中間取付空間内に回動支持されている。

【0057】

また、軸受支持ブロック２７には、その軸線を逃がし孔２４４の軸線とずらして配置された偏心孔２７１が設けられ、偏心孔２７１に伝動軸２５が回動可能に支持されている。ここで、軸受支持ブロック２７は、図６に示すように円形ブロックであり、軸受支持ブロック２７の下部領域に偏心孔２７１を設けて、すなわち、偏心孔２７１の軸線は軸受支持ブロック２７の軸線よりも低くて、軸受４を介して伝動軸２５が軸受支持ブロック２７の下部位置に回動可能に支持される。

【0058】

なお、第２駆動部材２４内の下方位置に軸受支持ブロック２７を設け、軸受支持ブロック２７を第２駆動部材２４と伝動軸２５とに軸受４を介して同時に回動嵌合させることにより、実走行時に、プーリはリンク構造２６を介して第２駆動部材２４を軸受支持ブロック２７に対して回動駆動してスリーブ１２を回動させるとともに、プーリは伝動軸２５を介して第１駆動部材２３を軸受支持ブロック２７に対して回動駆動してロールブラシ体１１を回動させることにより、ロールブラシ体１１をスリーブ１２に対して偏心回動させることができる。

【0059】

すなわち、本出願では、軸受支持ブロック２７の設計により、第１駆動部材２３及び第２駆動部材２４が合理的に偏心して取り付けられると同時に、リンク構造２６と伝動軸２５との嵌合により第１駆動部材２３及び第２駆動部材２４の合理的に偏心した回動を実現することができ、これにより、同一プーリが２本の異なる経路でそれぞれロールブラシ体１１及びスリーブ１２を回動駆動することを容易に実現することができ、これにより、床ブラシアッセンブリ１００が走行する過程において、ブラシ毛１１２がスリーブ１２から効果的に伸出又は後退することができ、床面の掃除及びブラシ毛１１２上の細長いものの除去を実現し、構造設計の合理性を高め、床ブラシアッセンブリ１００の実用性の向上を実現することができる。

【0060】

いくつかの実施例では、動力源２９に接続されたモータブラケット２８１と、モータブラケット２８１に取外可能に取り付けられた駆動側エンドキャップ２８２とをさらに含み、図６に示すように、モータブラケット２８１の外周壁及び駆動側エンドキャップ２８２の外周壁には、伝動軸２５の軸方向に貫通する連結孔が設けられた３本の連結柱が設けられており、これにより、モータブラケット２８１の周方向に３本のボルトを介して連結柱の連結孔を貫通することができ、モータブラケット２８１と駆動側エンドキャップ２８２との連結固定が可能となり、両者が柔軟に着脱可能であり、構造が簡単で、着脱が容易であり、後に内部の部品を容易に取外・交換することができる。

【0061】

図４に示すように、モータブラケット２８１と駆動側エンドキャップ２８２とが取付けて嵌合されて伝動組立体２１の駆動ケース２８を形成し、モータブラケット２８１を駆動モータのハウジングに固定的に連結して、伝動組立体２１と動力源２９とを一体構造に連結する。モータブラケット２８１と駆動側とが連結されて取付空間を画成し、この取付空間内にプーリ及びリンク構造２６が取り付けられて、モータブラケット２８１及び駆動側エンドキャップ２８２がプーリ及びリンク構造２６と他の部品との嵌合構造を保護するようになっている。また、図６に示すように、モータブラケット２８１には、駆動モータの主動輪２９１に向かって開放されたガイドチャンバーが設けられており、ベルト３の一端はプーリの外にはめ込まれ、ベルト３の他端はガイドチャンバーを通って主動輪２９１に延びて主動輪２９１の外にはめ込まれ、ベルト３がプーリと主動輪２９１との間で伝達として機能することができるようになっている。

【0062】

ここで、伝動軸２５のロールブラシ体１１から遠い側の一端は駆動側エンドキャップ２８２に回動可能に支持され、第２駆動部材２４はモータブラケット２８１に回動可能に支持されている。図３に示すように、伝動軸２５の右端部は、モータブラケット２８１及び駆動側エンドキャップ２８２に対して伝動軸２５が回動可能に軸受４を介して駆動側エンドキャップ２８２に回動可能に支持されており、モータブラケット２８１の側壁には取付用貫通孔が設けられており、第２駆動部材２４は軸受４を介してモータブラケット２８１の側壁に回動可能に支持されており、図６に示すように、第２駆動部材２４の支持連結部２４２には軸受４が外嵌し、即ち、当該軸受４の内輪が支持連結部２４２の外周壁に固定連結され、当該軸受４の外周壁が取付貫通孔の内周壁に固定されて支持されている。

【0063】

これにより、伝動組立体２１の内部への構造的な取り付けが可能となり、構造が簡単で取り付けが容易となる。ここで、図６に示すように、プーリの外周壁に外凸歯を設けると共に、ベルト３の内周壁に内凸歯を設けて、内凸歯と外凸歯とを噛合させて伝動可能とすることで、ベルト３とプーリとの嵌合作用を向上させ、プーリ伝動時にベルト３との間でスリップが発生する問題を回避し、ベルト３伝動の信頼性を向上させることができる。

【0064】

いくつかの実施例では、第１駆動部材２３のロールブラシ体１１に面した側に第１駆動歯２３１が設置され、ロールブラシ体１１の第１駆動部材２３に面した側に第１従動歯１１１が設置され、第１駆動歯２３１と第１従動歯１１１とは噛合し、図５及び図６に示すように、第１駆動歯２３１は第１駆動部材２３の外周壁に形成されて第１駆動部材２３の外周壁から径方向外方に突出し、第１駆動歯２３１は第１駆動部材２３のロールブラシ体１１に面した側面まで延びて、図７に示すように、第１従動歯１１１はロールブラシ体１１の右端の内周壁に形成され、第１従動歯１１１はロールブラシ体１１の内壁面から径方向内方に突出し、第１従動歯１１１がロールブラシ体１１の第１駆動部材２３に面した側面まで延びて、第１従動歯１１１と第１駆動歯２３１とを軸方向に装着して嵌合して、第１従動歯１１１と第１駆動歯２３１とは周方向に制限嵌合され、第１駆動部材２３は第１駆動歯２３１を介して第１従動歯１１１とロールブラシ体１１と回動させることができる。

【0065】

いくつかの実施例では、第２駆動部材２４のスリーブ１２に面した側に第２駆動歯２４３が設置され、スリーブ１２の第２駆動部材２４に面した側に第２従動歯１２１が設置され、第２駆動歯２４３と第２従動歯１２１とは噛合し、図５及び図６に示すように、第２駆動歯２４３は第２駆動部材２４の外周壁に形成されて第２駆動部材２４の外周壁から径方向外方に突出し、第２駆動歯２４３は第２駆動部材２４のスリーブ１２に面した側面まで延びて、図７に示すように、第２従動歯１２１はスリーブ１２の右端の内周壁に形成され、第２従動歯１２１はスリーブ１２の内壁面から径方向内方に突出し、第２従動歯１２１がスリーブ１２の第２駆動部材２４に面した側面まで延びて、第２従動歯１２１と第２駆動歯２４３とを軸方向に装着して嵌合して、第２従動歯１２１と第２駆動歯２４３とは周方向に制限嵌合され、第２駆動部材２４は第２駆動歯２４３を介して第２従動歯１２１とスリーブ１２と回動させることができる。

【0066】

これにより、第１駆動部材２３とロールブラシ体１１との間、第２駆動部材２４とスリーブ１２との間を歯構造により噛み合わせて伝達し、動力源２９が伝動組立体２１を介してロールブラシ体１１とスリーブ１２との回動を良好に駆動することができ、床面に対する清掃作用を実現する。

【0067】

本出願はまた、掃除機１０００を提案する。

【0068】

本出願の実施例における掃除機により、上記いずれか一種の掃除機用床ブラシアッセンブリ１００が設置され、第１駆動部材２３と第２駆動部材２４とは、ブラシ毛１１２がスリーブ１２内から選択的に伸出又は後退するように偏心して配置されていることで、毛や細線等の細長い物がロールブラシ体１１に巻き付く問題を効果的に解決することができ、プーリと２つの駆動部材とがそれぞれ伝動軸２５、リンク構造２６の形態で伝動嵌合することにより、組立精度の要求を低減することに寄与し、取付効率を向上させ、伝動過程における部品の摩耗が少なく、ベルト３の振れが発生する時の引っ掛かりもなく、ロールブラシ体１１とスリーブ１２との組立関係のずれの発生を防止し、床ブラシアッセンブリ１００の全体性能を向上させることができる。

【0069】

本願の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の用語が示す方位または位置関係は、図面に基づいて示される方位または位置関係であり、本出願の記述を容易して記述を簡単化するためだけのものであり、言及された装置または要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成され、操作しなければならないことを示すまたは暗示するものでもなく、したがって、本出願を限定するものとして理解できない。

【0070】

本出願の記載において、「第１特徴」、「第２特徴」は、１つまたはより多くの当該特徴を含むことが可能である。

【0071】

本出願の記載では、「複数」とは、２つまたは２つ以上を意味する。

【0072】

本出願の記載では、第１特徴は第２特徴の「上」または「下」にあることは、第１特徴及び第２特徴が直接接触すること、または第１特徴及び第２特徴が直接接触することなくこれら以外の特徴を介して接触することを含む。

【0073】

本出願の記載では、第１特徴が第２特徴の「上」、「上方」、及び「上面」にあることは、第１特徴が第２特徴の真上または斜め上にあること、及び単に第１特徴が第２特徴よりもレベルの高さが高いことを含む。

【0074】

本願の説明において、参照用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」、または「いくつかの例」などの説明は、本願の少なくとも１つの実施例または例に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、または特点が本願の少なくとも１つの実施例または例に含まれることを意味する。本願の明細書では、上述の用語の概略的な表現は、同じ実施例または例を示していなければならないものではない。さらに、記述された特定の特徴、構造、材料、または特点は、任意の１つまたは複数の実施例または例において、適切な方法で組み合わされてもよい。
本出願の実施例が示されて説明されているが、当業者であれば、本願の範囲内で上記の実施例を様々な変更、修正、置換、及び変形することができ、本出願の範囲が請求の範囲及びその同等物によって定義されることが理解されるであろう。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】