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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20240920BHJP
   D06F 58/38 20200101ALI20240920BHJP
【FI】
D06F58/02 D
D06F58/38
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022508093
(86)(22)【出願日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 JP2021001969
(87)【国際公開番号】W WO2021186887
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】P 2020045504
(32)【優先日】2020-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020168159
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大輔
(72)【発明者】
【氏名】西村 誠
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-318264(JP,A)
【文献】特許第5217993(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0219737(US,A1)
【文献】特許第3664260(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/50,33/52,58/02,58/38
F26B 11/04
H05B 6/64,6/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥対象物を収容する槽と、
電磁波を照射する照射部と、
前記照射部から照射された前記電磁波を複数の電磁波に分岐する分岐部と、
前記分岐部から前記槽へ前記複数の電磁波をそれぞれ伝送する複数の導波管と、
前記複数の導波管から前記槽内へ前記複数の電磁波をそれぞれ照射する複数の照射口と、前記照射部を制御する制御部と、を備え、
前記槽内に前記複数の電磁波が照射されるように構成され、
前記複数の導波管の長さ、断面形状、又は誘電率の少なくとも1つを異ならせて、前記槽内に照射する前記複数の電磁波に所定の位相差が生じるように構成され、
前記複数の電磁波が重なり合うことで前記槽内での最大電界強度が低くなるように構成される、
乾燥機。
【請求項2】
乾燥対象物を収容する槽と、
複数の電磁波をそれぞれ照射する複数の照射部と、
前記複数の照射部から前記槽へ前記複数の電磁波を伝送する導波管と、
前記複数の照射部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記複数の照射部を制御して、前記槽内に照射する前記複数の電磁波に所定の位相差が生じるように構成され
前記複数の電磁波が重なり合うことで前記槽内での最大電界強度が低くなるように構成される、
乾燥機。
【請求項3】
前記最大電界強度が、前記槽内に収容される乾燥対象物に含まれる金属によるスパークの発生を抑制するように構成される、
請求項1又は2に記載の乾燥機。
【請求項4】
前記所定の位相差が、0度を超え180度未満となるように構成される、
請求項1又は2に記載の乾燥機。
【請求項5】
記複数の照射口から前記槽内に照射する前記複数の電磁波の角度がそれぞれ異なるように構成される、
請求項に記載の乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衣類等の乾燥対象物を乾燥する乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、衣類乾燥機及び洗濯乾燥機等の乾燥性能の高速化を図る方法として、衣類の水分を加熱する熱源にマイクロ波、すなわち電磁波を用いる方法を開示する。この方法によれば、衣類にマイクロ波を照射し、衣類の水分を直接加熱することにより、すばやく衣類の水分を蒸発させることができる。したがって、従来のヒータ及びヒートポンプ等を用いた温風乾燥と比較して、短時間で衣類を乾燥させることができる。
【0003】
図17は、特許文献1に記載された従来の衣類乾燥機のブロック図である。この衣類乾燥機は、衣類にマイクロ波を照射するマイクロ波照射手段101と、衣類を収納する衣類庫102と、衣類庫102内に外気を取り込み衣類庫102内の空気を送り出す送風機103と、衣類を乾燥するためのヒータ104とを備える。また、この衣類乾燥機は、マイクロ波照射手段101を制御するマイクロ波制御手段105と、マイクロ波の反射の状態を感知するマイクロ波反射検知手段106と、マイクロ波制御手段105を制御する制御回路107とを備える。
【0004】
この構成の衣類乾燥機は、マイクロ波により、衣類繊維に付着した水を直接加熱することにより、衣類の含水率が約30%以下の場合において、衣類の乾燥時間を短縮することができる。また、衣類に金属ボタン等がついている場合、マイクロ波の反射波に異常が生じたことを検知することにより、マイクロ波の照射を停止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-000249号公報
【発明の概要】
【0006】
上記従来の衣類乾燥機において、衣類庫102内に収納された衣類にボタン及びファスナー等の金属がついている場合、衣類庫102内のマイクロ波の電界強度が強くなってスパークが生じると危険である。このため、金属がついた衣類が収納されている場合であってもスパークの発生をより低減させることが可能な技術が不可欠である。
【0007】
本開示は、前記従来の課題を解決するもので、電磁波を照射することにより乾燥対象物を乾燥する乾燥機をより適切に制御する技術を提供する。
【0008】
本開示の乾燥機は、乾燥対象物を収容する槽と、電磁波を照射する照射部と、照射部から照射された電磁波を複数の電磁波に分岐する分岐部と、分岐部から槽へ複数の電磁波をそれぞれ伝送する複数の導波管と、照射部を制御する制御部と、を備える。槽内に複数の電磁波が照射されるように構成される。複数の電磁波が重なり合うことで槽内での最大電界強度が低くなるように構成される。
【0009】
本開示によれば、電磁波を照射することにより乾燥対象物を乾燥する乾燥機をより適切に制御する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態1における洗濯乾燥機の構成を概略的に示す縦断面図である。
図2図2は、実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の構成を示す図である。
図3図3は、実施の形態1におけるマイクロ波制御装置の構成を示す図である。
図4図4は、マイクロ波検知部により検知された反射波の強度の例を示す図である。
図5図5は、出力調整部によるマイクロ波照射部の出力の調整の例を示す図である。
図6図6は、実施の形態2におけるマイクロ波加熱装置の構成を示す図である。
図7図7は、実施の形態2におけるマイクロ波制御装置の構成を示す図である。
図8図8は、位相差を設けた場合の回転槽内の電界強度の例を示す図である。
図9図9は、実施の形態2における別のマイクロ波加熱装置の構成を示す図である。
図10図10は、実施の形態3における洗濯乾燥機の構成を概略的に示す縦断面図である。
図11図11は、実施の形態3におけるマイクロ波照射口の配置を示す図である。
図12図12は、実施の形態3における洗濯乾燥機の電磁波シールドの構成及びマイクロ波照射の様子を概略的に示す要部断面図である。
図13図13は、実施の形態3における他の洗濯乾燥機の電磁波シールドの構成及びマイクロ波照射の様子を概略的に示す要部断面図である。
図14図14は、実施の形態4における衣類乾燥機の電磁波シールドの構成及びマイクロ波照射の様子を概略的に示す要部断面図である。
図15図15は、実施の形態5におけるマイクロ波照射口の配置を示す図である。
図16図16は、他の実施の形態におけるマイクロ波照射口の配置を示す図である。
図17図17は、従来の衣類乾燥機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0012】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0013】
(実施の形態1)
以下、図1図5を用いて、実施の形態1を説明する。本実施の形態において、乾燥機の一例として、衣類等の洗濯物を加熱して乾燥させるドラム式の洗濯乾燥機50で説明する。
【0014】
図1は、実施の形態1に係る洗濯乾燥機50の構成を概略的に示す縦断面図である。本実施の形態の洗濯乾燥機50は、衣類等の洗濯物を洗濯して乾燥する機能を有する。本実施の形態の洗濯乾燥機50は、洗濯機能のみを実行する洗濯機としても、乾燥機能のみを実行する乾燥機としても、洗濯機能と乾燥機能とを実行する洗濯乾燥機としても機能する。なお、図1の左方向を洗濯乾燥機50の前面側と定義する。
【0015】
図1に示されるように、洗濯乾燥機50は、被洗浄物、すなわち洗濯物と、液体である洗濯水とを収容する洗濯槽(槽)として、外槽3と、回転槽1とを有する。
【0016】
外槽3は、洗浄水が溜められる有底円筒形状に形成される。外槽3は、外槽3の下方に設けられたダンパ4によって、筐体2(本体)内に揺動自在に支持されている。衣類等の洗濯物が収容される回転槽1は、外槽3内に回転自在に設けられている。なお、乾燥機能に言及する場合、衣類等の洗濯物は、乾燥対象物、ともいう。回転槽1は、有底円筒形状に形成されている。回転槽1は、回転軸が水平に対して前上がり、すなわち洗濯乾燥機50の前方を相対的に上方に傾斜させて設けられている。なお、回転槽1の回転軸は、水平に構成されてもよい。
【0017】
外槽3の背面には、駆動モータ6が取り付けられている。駆動モータ6は、回転槽1を回転軸まわりに正方向及び逆方向に回転させる。洗濯乾燥機50は、駆動モータ6の駆動による回転槽1の回転によって、回転槽1内に収容された洗濯物に対し、撹拌洗浄、すすぎ、脱水及び乾燥を行なう。
【0018】
筐体2の前部には、回転槽1及び外槽3の開口端側に対向させて扉体5が設けられている。使用者は、扉体5を開くことによって、回転槽1に対して洗濯物(衣類)を出し入れすることができる。
【0019】
また、外槽3の前部開口部の縁部には、縁部の全周にわたって、弾性を有するシール部材(図示せず)が備えられている。使用者が扉体5を閉じると、シール部材が扉体5によって押圧され、弾性変形することによって、外槽3の機外に対する水密性及び気密性が確保される。
【0020】
給水管13が外槽3の上部に接続されている。給水弁12が給水管13の途中に設けられている。給水弁12は、給水管13を経由して外槽3内に水を供給する。また、排水管11が外槽3の最下部に接続されている。排水弁10が排水管11の途中に設けられている。排水弁10は、外槽3内の水を、排水管11を経由して機外に排出する。
【0021】
外槽3の下方には、ダンパ4が設けられている。ダンパ4は、外槽3を支えるとともに、脱水時等に、回転槽1内の洗濯物の偏りなどに起因して発生する外槽3の振動を減衰させる。ダンパ4には、布量検知部(図示せず)が取り付けられている。布量検知部は、回転槽1内の洗濯物等による重量変化によって、ダンパ4の軸が上下に変位する変位量を検知する。洗濯乾燥機は、布量検知部によって検知された変位量に基づいて、回転槽1内の洗濯物の量を検知する。
【0022】
また、洗濯乾燥機50は、外槽3及び回転槽1内の空気を循環させる循環風路7と、回転槽1内の洗濯物の水分を加熱するマイクロ波加熱装置30とを備えている。乾燥対象物である衣類を加熱する加熱部を構成するマイクロ波加熱装置30は、外槽3内に設けられたマイクロ波照射口32からマイクロ波を照射し、回転槽1内の洗濯物の水分を加熱する。
【0023】
循環風路7は、乾燥工程において乾燥対象物である洗濯物を乾燥させるための空気循環風路として構成されている。空気循環風路には、外槽3及び回転槽1が含まれる。循環風路7は、外槽3の上部側面に設けられた吹出口8、すなわち乾燥用空気吹出口と、外槽3の後部側面に設けられた排出口9、すなわち乾燥用空気排出口と、外槽3とに接続させて設けられている。
【0024】
送風ファン16が、送風装置として、循環風路7内に設けられている。送風ファン16は、外槽3及び回転槽1内の乾燥用空気を循環風路7内に循環させる。
【0025】
循環風路7には、吸気風路14と排気風路15とが接続されている。吸気風路14は、筐体2内の空気を循環風路7内に取り込む。排気風路15は、循環風路7内の空気を循環風路7外に排出する。吸気風路14及び排気風路15の循環風路7に接続されていない側の端部は、それぞれ循環風路7外に解放されている。排気風路15は、吸気風路14より乾燥用空気の流れの上流側に設けられている。なお、排気風路15を設けずに、排水管11を通して、空気を循環風路7外に排出してもよい。
【0026】
循環風路7には、乾燥用空気を加熱するヒータ17が組み込まれている。ヒータ17は、吸気風路14より下流側において、吹出口8より手前に設けられている。ヒータ17もマイクロ波加熱装置30と同様に、乾燥対象物を加熱する加熱部を構成する。ヒータ17は、マイクロ波加熱装置30と同時に、又はマイクロ波加熱装置30に代えて通電される。
【0027】
なお、加熱部により乾燥対象物を加熱する方法としては、マイクロ波により直接加熱する方法、及び、ヒータ等により循環する空気又は回転槽1の内壁を加熱することにより間接的に加熱する方法等がある。ヒータ17により加熱した空気を回転槽1に供給し循環させることで、乾燥対象物に対して、マイクロ波で加熱された水分を蒸発させ、回転槽1から外へ排出することを促進することができる。なお、乾燥を促進する構成として、特にヒータ17の組み込みに限定するものではない。
【0028】
本実施の形態の洗濯乾燥機50は、マイクロ波加熱装置30からマイクロ波照射口32を介して回転槽1に照射されるマイクロ波により、乾燥対象物を乾燥する。なお、乾燥対象物の衣類等にボタン及びファスナー等の金属がついていることによりスパークが発生した場合、又は、スパークが発生する可能性が高い場合には、マイクロ波加熱装置30から回転槽1に照射するマイクロ波の出力を低減させる、又は停止して、ヒータ17による乾燥に切り替える。
【0029】
次に、乾燥空気の流れについて説明する。送風ファン16が駆動されると、回転槽1内で洗濯物から奪われた水分によって多湿状態となった乾燥用空気は、外槽3の側面下部に設けられた排出口9を通って、循環風路7又は排気風路15に流入する。排気風路15を設けない場合は、循環風路7又は排水管11に流入する。
【0030】
排気風路15に流入した空気は、循環風路7外に排気される。一方、循環風路7に流入した空気は、送風ファン16によってヒータ17に向けて送られ、ヒータ17が動作している場合は、ヒータ17によって加熱される。
【0031】
吸気風路14は、送風ファン16の吸気側の循環風路7に連通するように設けられている。吸気風路14は、また、ヒータ17より上流側の循環風路7に連通するように設けられている。したがって、吸気風路14から吸気された循環風路7外の空気は、循環風路7側へ流れた乾燥用空気と混合された後、ヒータ17を通過する。この際に、ヒータが動作している場合、混合された空気は、ヒータ17によって加熱される。また、循環風路7外の空気が乾燥用空気に混合されることにより、混合前の乾燥用空気の湿度と比較して、混合後の乾燥用空気の湿度は低くなる。
【0032】
ヒータ17を通過した空気は、吹出口8を通過して、再び回転槽1内に吹き出される。なお、洗濯機能を有しない衣類乾燥機においては、洗浄水を溜める外槽3、給水弁12、給水管13及び排水弁10等は備えられていなくてもよい。そして、回転する回転槽1と循環風路7との接続は、フェルト等のシール部材に回転槽1が摺動するように構成されている。
【0033】
流入温度検知部18が、循環風路7内の吹出口8近傍又はヒータ17近傍に設けられている。流入温度検知部18は、回転槽1に流入する乾燥用空気の温度を検知する。流入温度検知部18は、例えば、サーミスタ等によって構成される。
【0034】
制御装置20が、筐体2内に備えられている。制御装置20は、送風ファン16及びマイクロ波加熱装置30等を制御する。制御装置20は、また、駆動モータ6、給水弁12及び排水弁10等を制御し、洗浄、すすぎ及び乾燥の各工程を逐次実行して、洗濯乾燥運転を行う。
【0035】
図2は、実施の形態1に係るマイクロ波加熱装置30の構成を示す。マイクロ波加熱装置30は、マイクロ波を照射するマイクロ波照射部31と、照射されたマイクロ波を導くための伝送経路である導波管34と、導波管34の先端で外槽3内に設けられるマイクロ波照射口32と、マイクロ波照射部31から照射するマイクロ波の出力を調整するマイクロ波制御装置40とを有している。導波管34は、例えば、方形導波管で構成される。
【0036】
さらに、マイクロ波加熱装置30は、反射部33と、マイクロ波検知部36とを有している。反射部33は、導波管34内に設けられ、回転槽1から反射されたマイクロ波の一部又は全部を反射して回転槽1内に照射させる。これにより、エネルギーロスを低減し、乾燥時間を短縮することができる。また、マイクロ波加熱装置30で発生するマイクロ波が回転槽1内に分散されて入射する構成を簡易な構成、すなわちシンプルに実現できる。
【0037】
マイクロ波検知部36は、反射部33とマイクロ波照射口32との間に設けられ、反射部33とマイクロ波照射口32との間におけるマイクロ波の強度を検知する。マイクロ波検知部36は、マイクロ波照射部31が照射する2.45GHz帯の周波数のマイクロ波を検知可能である。マイクロ波検知部36は、回転槽1から反射されてマイクロ波照射部31に戻る反射波の強度を検知する。マイクロ波検知部36は、回転槽1と反射部33との間に設置されているため、マイクロ波照射部31の影響を受けることなく、回転槽1から反射されるマイクロ波の反射波の強度を精度良く検知できる。
【0038】
後述するように、回転槽1内に照射されたマイクロ波の強度と、回転槽1から反射された反射波の強度との比に基づいて、乾燥対象物に含有される水分の量を推定する。この場合、マイクロ波検知部36は、回転槽1内に照射されるマイクロ波の強度も検知する。なお、この場合、マイクロ波検知部36は、一般的な方向性結合器のように、マイクロ波照射部31から回転槽1の方向へ進むマイクロ波の入射波の強度と、回転槽1からマイクロ波照射部31の方向へ進むマイクロ波の反射波の強度とを別々に検知可能であってもよい。また、マイクロ波検知部36を複数個設けて、入射波及び反射波を別々に検知可能であってもよい。
【0039】
また、マイクロ波検知部36は、回転槽1内に照射される入射波と回転槽1から反射された反射波との合成波の強度を検知してもよい。この場合、方向性結合器を設けなくてもよいので、洗濯乾燥機50の製造コスト及びサイズ等を抑えることができる。なお、導波管34の先端部であるマイクロ波照射口32は、導波管34と一体としてもよい。
【0040】
マイクロ波照射部31は、マグネトロン等のマイクロ波発振器であり、マイクロ波加熱装置が使用可能な2.45GHz帯の周波数の電磁波を発振する。なお、マイクロ波照射部31が発信する電磁波は、ISM(Industry Science Medical)バンドとして割り当てられた2.45GHz帯の周波数の電磁波に限られるものではなく、同様に割り当てられた915MHz帯等の周波数の電磁波でもよい。
【0041】
マイクロ波制御装置40により任意の出力に調整されたマイクロ波がマイクロ波照射部31から照射される。照射されたマイクロ波は、導波管34及びマイクロ波照射口32を通じて、回転する回転槽1内に照射され、衣類等の乾燥対象物に含有される水分を加熱する。この際、送風ファン16から回転槽1内の乾燥対象物に乾燥用空気を送風することにより、乾燥対象物から蒸発した水分は、乾燥用空気とともに、排出口9から排気風路15を通じて外槽3外へ排出される。これにより、乾燥対象物の乾燥が促進される。
【0042】
回転槽1内に照射されたマイクロ波のうち、乾燥対象物に含有される水分により吸収されなかったマイクロ波の一部は、反射波として、回転槽1からマイクロ波照射口32を通じてマイクロ波照射部31に戻る。なお、マイクロ波照射部31に戻ったマイクロ波は、熱に変換され、排熱として処理されるように構成してもよい。
【0043】
図3は、実施の形態1に係るマイクロ波制御装置40の構成を示す。マイクロ波制御装置40は、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ及び集積回路等のハードウエアにより実現される。
【0044】
マイクロ波制御装置40は、強度取得部41、出力調整部42及び水分量推定部43を備える。これらの構成は、ハードウエアとして、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ及びその他のLSI(Large Scale Integration)等により実現される。ソフトウエアとしては、メモリにロードされたプログラム等によって実現される。本実施の形態においては、それらの連携によって実現される機能ブロックを説明する。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ又はハードウエアとソフトウエアとの組合せ等、様々な構成にて実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0045】
マイクロ波制御装置40は、制御装置20により制御される洗浄工程、すすぎ工程又は乾燥工程において、制御装置20からの指示にしたがって、マイクロ波照射部31を制御する。なお、マイクロ波制御装置40は、洗浄工程において洗浄水を加熱したり、すすぎ工程においてすすぎ水を加熱したりしてもよい。また、乾燥工程において乾燥対象物に含有される水分を加熱したり、洗濯物又は乾燥対象物に付着している菌を加熱殺菌したりしてもよい。このように、マイクロ波制御装置40は、乾燥工程以外にも洗浄及びすすぎ等の工程において、マイクロ波照射部31から回転槽1へマイクロ波を照射させてもよい。なお、洗浄水又はすすぎ水を加熱するときには、これらが溜められる外槽3にマイクロ波を照射させてもよい。
【0046】
強度取得部41は、マイクロ波検知部36により検知されたマイクロ波の強度を取得する。
【0047】
出力調整部42は、強度取得部41により取得された反射波の強度に応じて、マイクロ波照射部31から照射するマイクロ波の出力を調整する。具体的には、出力調整部42は、強度取得部41により取得された反射波の強度が所定値を超えないようにマイクロ波照射部31から照射するマイクロ波の出力を維持する。出力調整部42は、強度取得部41により取得された反射波の強度が所定値を超えた場合に、マイクロ波の出力を下げる。これにより、回転槽1内における電界強度の上昇を的確に検知して、マイクロ波照射部31からの出力を下げることができる。つまり、回転槽1内の乾燥対象物に金属等が付属する場合にも、スパークの発生を抑制してマイクロ波により効果的に乾燥を促進させることができる。なお、強度取得部41は、マイクロ波の強度を回転槽1の回転周期よりも短い時間間隔で取得することが望ましい。
【0048】
水分量推定部43は、回転槽1から反射された反射波の強度に基づいて、又は、回転槽1内に照射された入射波の強度と回転槽1から反射された反射波の強度との比に基づいて、乾燥対象物に含有される水分の量を推定する。例えば、入射波及び反射波の強度の比に基づく場合、マイクロ波検知部36は、入射波の強度と反射波の強度とを独立して検知可能である。強度取得部41は、マイクロ波検知部36から入射波の強度と反射波の強度とを取得する。
【0049】
水分量推定部43は、強度取得部41で取得された入射波の強度と反射波の強度との比を変数とする数式、及び、強度比と水分量の対応関係を示すテーブル又はグラフ等を使用して、入射波と反射波の強度比から残存している水分量を推定する。入射波と反射波の強度比から水分量を推定するための数式、テーブル又はグラフは、マイクロ波制御装置40に備えられた記憶装置に予め格納される。なお、水分量推定部43は、反射波の強度の平均値に基づいて水分量を推定することが望ましい。これによって、水分量の推定精度を向上させることができる。
【0050】
出力調整部42は、水分量推定部43により推定された水分の量が所定値を下回った場合に、マイクロ波照射部31の出力を下げてもよい。回転槽1内の乾燥対象物に含有される水分の量が少なくなると、水分により吸収されるマイクロ波の量が減少する。この場合、同じ強度のマイクロ波を回転槽1内に照射し続けると、回転槽1内の電界強度が高くなって、スパークが生じやすくなる。このような場合であっても、マイクロ波照射口32から回転槽1内に照射するマイクロ波の出力を下げることにより、スパークが生じる可能性を低減させることができる。水分の量は、強度取得部41により取得された反射波の強度に基づいて算出される。したがって、この場合も、出力調整部42は、強度取得部41により取得された反射波の強度に応じて、マイクロ波照射部31の出力を調整している。
【0051】
図4は、マイクロ波検知部36により検知された反射波の強度と含水量との例を示す。なお、照射するマイクロ波の出力は一定としている。含水量は、例えば、回転槽1に設けられたロードセル等により測定された乾燥対象物の重量から求めることができる。
【0052】
乾燥対象物の含水量が減少するにつれて、回転槽1内に照射されたマイクロ波を吸収する水分が減少する。これにより、回転槽1内の電界強度が上昇するとともに、反射波の強度も上昇する。回転槽1内の電界強度が上昇すると、回転槽1内に存在する金属によりスパークが発生する可能性も上昇する。したがって、出力調整部42は、回転槽1内の電界強度がスパークを生じるほど高くなる前に、回転槽1内に照射するマイクロ波の出力を下げる。これにより、乾燥の効率を維持しつつ、スパークの発生を抑制することができる。なお、水分量推定部43は、乾燥対象物の乾燥の度合いを算出し、出力調整部42がこの度合いに基づいてマイクロ波の出力を調整してもよい。
【0053】
図5は、乾燥対象物と乾燥時間において、出力調整部42によるマイクロ波照射部31の出力の調整の例を示す。乾燥工程が開始されてから、乾燥対象物に比較的多くの水分が含有されている間は、回転槽1に照射された電磁波の多くが水分に吸収されて加熱に寄与する。したがって、回転槽1内の電界強度は過度に高くならず、反射波の強度も低い。このとき、乾燥対象物に金属のボタン及びファスナー等がついていたとしても、スパークが発生する可能性は低い。このため、任意の出力の電磁波がマイクロ波照射部31から照射されてもよい。なお、マイクロ波照射部31の出力は、乾燥対象物に含有されると推定される水分量、回転槽1に設けられたロードセル等により測定された乾燥対象物の重量、使用者により設定された乾燥時間、室温、及び、湿度等に応じて決定されてもよい。
【0054】
乾燥工程の後半等において、水分量推定部43により推定された水分の量が所定値を下回った場合、出力調整部42は、マイクロ波照射部31の出力を下げる。出力調整部42は、図5に示すように、複数の閾値を用いて段階的にマイクロ波照射部31の出力を下げてもよい。また、出力調整部42は、水分量が少なくなるにつれて連続的にマイクロ波照射部31の出力を下げてもよい。
【0055】
さらに、出力調整部42が反射波の強度に応じてマイクロ波照射部31の出力を調整する場合も、同様に、反射波の強度が所定値を上回った場合に、マイクロ波照射部31の出力を下げてもよい。また、出力調整部42は、複数の閾値を用いて段階的にマイクロ波照射部31の出力を下げてもよい。また、出力調整部42は、反射波の強度が上昇するにつれて連続的にマイクロ波照射部31の出力を下げてもよい。一方、乾燥工程の途中で湿った乾燥対象物が追加された場合、又は、回転する回転槽1内で乾燥対象物の偏り方が変化して、反射波の強度が減少した場合には、出力調整部42は、反射波の強度の変化に応じて、マイクロ波照射部31の出力を上げることにより照射するマイクロ波のエネルギーを高く維持して、乾燥効率を向上させてもよい。
【0056】
水分量推定部43により推定された水分量は、制御装置20が洗濯乾燥機50の運転を制御するために使用されてもよい。例えば、制御装置20は、水分量が乾燥完了とされる所定値まで少なくなったときに、マイクロ波照射部31の出力を停止し、乾燥工程を終了させてもよい。乾燥工程を終了させるか否かを判定するための水分量の閾値は、乾燥対象物の種類に応じて定められてもよいし、使用者による設定を受け付けてもよい。
【0057】
例えば、含有される水分の量を比較的多めに残して、しっとりとした肌触りに仕上げたい乾燥対象物は、水分量の閾値を高めに設定し、乾燥対象物に含有される水分の量が比較的多い状態で乾燥を終了させてもよい。また、例えば、制御装置20は、マイクロ波照射部31の出力を停止した後、ヒータ17による追加の乾燥運転を実行し、水分量を極力減少させた後、乾燥工程を終了させてもよい。
【0058】
このように、反射波の強度から推定される回転槽1内の電界強度、及び、入射波と反射波との強度比から推定される回転槽1内の含水量に応じて、マイクロ波照射部31から照射するマイクロ波の出力を調整する。これにより、回転槽1内の電界強度が過度に高くなるのを抑制できる。したがって、スパークの発生を抑えることができる。
【0059】
また、乾燥工程の全域において、乾燥対象物に付いている金属からのスパークを適切に抑えつつ、マイクロ波により乾燥対象物に含有された水分を直接加熱することができる。したがって、乾燥効率が向上し、乾燥時間を短縮することができる。そして、乾燥対象物に含有される水分量が乾燥完了とされる所定値まで少なくなったときに、マイクロ波照射部31の出力を停止し、乾燥工程を終了させることができる。
【0060】
以上のように、本実施の形態において、洗濯乾燥機50は、乾燥対象物を収容する回転槽1と、回転槽1に収容された乾燥対象物に含有される水分を加熱して乾燥対象物を乾燥するために回転槽1にマイクロ波(電磁波)を照射するマイクロ波照射部31と、マイクロ波照射部31と回転槽1の間に設けられ、マイクロ波の強度を検知するマイクロ波検知部36と、を備える。
【0061】
これにより、マイクロ波照射部31と回転槽1の間におけるマイクロ波の強度をより正確に検出することができる。したがって、回転槽1の内部のマイクロ波の強度をより的確に制御することができる。
【0062】
また、本実施の形態のように、マイクロ波検知部36は、回転槽1から反射された反射波の強度を検知するように構成されてもよい。
【0063】
これにより、マイクロ波照射部31と回転槽1の間におけるマイクロ波の強度をより正確に検出することができる。したがって、回転槽1の内部のマイクロ波の強度をより的確に制御することができる。
【0064】
また、本実施の形態のように、マイクロ波照射部31は、2.45GHz帯又は915MHz帯の周波数のマイクロ波を回転槽1に照射し、マイクロ波検知部は、2.45GHz帯又は915MHz帯の周波数の反射波の強度を検知するように構成されてもよい。
【0065】
これにより、マイクロ波加熱装置30が利用可能な周波数帯のマイクロ波を利用して、回転槽1の内部のマイクロ波の強度を正確に検出することができる。
【0066】
また、本実施の形態のように、回転槽1から反射された反射波を回転槽1へ反射する反射部33を更に備え、マイクロ波検知部36は、反射部33と回転槽1の間に設けられるように構成されてもよい。
【0067】
これにより、エネルギーロスを低減し、乾燥効率を向上させることができる。
【0068】
また、本実施の形態のように、マイクロ波照射部31を制御するマイクロ波制御装置40(制御部)を更に備え、マイクロ波制御装置40は、マイクロ波検知部36により検知された反射波の強度を取得する強度取得部41と、強度取得部41により取得された反射波の強度に応じて、マイクロ波照射部31の出力を調整する出力調整部42と、を備えるように構成されてもよい。
【0069】
これにより、回転槽1の内部のマイクロ波の強度をより的確に制御し、スパークの発生を抑えることができる。
【0070】
また、本実施の形態のように、出力調整部42は、強度取得部41により取得された反射波の強度が所定値を超えた場合に、マイクロ波照射部31の出力を下げるように構成されてもよい。
【0071】
これにより、回転槽1の内部のマイクロ波の強度をより的確に制御し、スパークの発生を抑えることができる。
【0072】
また、本実施の形態のように、マイクロ波制御装置40は、回転槽1に照射されたマイクロ波の強度と、回転槽1から反射された反射波の強度との比に基づいて、乾燥対象物に含有される水分の量を推定する水分量推定部43を更に備えるように構成されてもよい。
【0073】
これにより、乾燥対象物に含有される水分の量をより正確に推定することができる。
【0074】
また、本実施の形態のように、出力調整部42は、水分量推定部43により推定された水分の量が所定値を下回った場合に、マイクロ波照射部31の出力を下げるように構成されてもよい。
【0075】
これにより、回転槽1の内部のマイクロ波の強度をより的確に制御し、スパークの発生を抑えることができる。また、水分の量が乾燥完了とされる所定値まで少なくなったときに、マイクロ波照射部31の出力を停止し、マイクロ波制御装置40は、乾燥工程を終了させることができる。
【0076】
また、本実施の形態のように、回転槽1は、洗濯物を収容し、収容された洗濯物を洗浄水で洗濯可能に設けられ、マイクロ波照射部31は、回転槽1に収容された洗濯物を洗濯する際には、洗浄水を加熱するために回転槽1にマイクロ波を照射し、回転槽1に収容された乾燥対象物を乾燥する際には、乾燥対象物に含有される水分を加熱するために回転槽1にマイクロ波を照射するように構成されてもよい。
【0077】
これにより、洗濯及び乾燥の効率及び効果を向上させることができる。
【0078】
また、本実施の形態のように、マイクロ波照射部31から回転槽1にマイクロ波を照射して回転槽1に収容された洗濯物又は乾燥対象物に含有される水分を加熱することにより、洗濯物又は乾燥対象物を加熱殺菌する機能を有するように構成されてもよい。
【0079】
これにより、乾燥機の付加価値を向上させることができる。
【0080】
また、本実施の形態のように、マイクロ波制御装置40は、回転槽1に収容された乾燥対象物に含有される水分を加熱して乾燥対象物を乾燥するために回転槽1にマイクロ波が照射されたときに、回転槽1から反射された反射波の強度を取得する強度取得部41と、強度取得部41により取得された反射波の強度に応じて、回転槽1にマイクロ波を照射するマイクロ波照射部31の出力を調整する出力調整部42と、を備えてもよい。
【0081】
これにより、回転槽1の内部のマイクロ波の強度をより的確に制御し、スパークの発生を抑えることができる。また、水分の量が乾燥完了とされる所定値まで少なくなったときに、マイクロ波照射部31の出力を停止し、乾燥工程を終了させることができる。
【0082】
また、本実施の形態のように、制御プログラムは、コンピュータを、回転槽1に収容された乾燥対象物に含有される水分を加熱して乾燥対象物を乾燥するために回転槽1にマイクロ波が照射されたときに、回転槽1から反射された反射波の強度を取得する強度取得部41、強度取得部41により取得された反射波の強度に応じて、回転槽1にマイクロ波を照射するマイクロ波照射部31の出力を調整する出力調整部42、として機能させてもよい。
【0083】
これにより、回転槽1の内部のマイクロ波の強度をより的確に制御し、スパークの発生を抑えることができる。
【0084】
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係るマイクロ波加熱装置30の構成を示す。実施の形態2に係る図6のマイクロ波加熱装置30は、実施の形態1の図2に示したマイクロ波加熱装置30の構成に加えて、第2のマイクロ波照射部37を備える。実施の形態1と同じ構成及び動作は、実施の形態1と同じ番号を付与し、詳細な説明を省く。実施の形態1と異なる点について主に説明する。
【0085】
図7は、実施の形態2に係るマイクロ波制御装置40の構成を示す。実施の形態2に係るマイクロ波制御装置40は、マイクロ波照射部31と第2のマイクロ波照射部37とから照射するマイクロ波の位相差を変更する位相変更部44を備える。
【0086】
実施の形態2に係るマイクロ波制御装置40において、第2のマイクロ波照射部37がマイクロ波照射部31とは別に設けられている。第2のマイクロ波照射部37の設置場所は、回転槽1にマイクロ波を照射できる場所であれば、特に限定されない。
【0087】
位相変更部44は、洗浄、すすぎ又は乾燥運転中の任意のタイミングにおいて、マイクロ波照射部31と第2のマイクロ波照射部37とから回転槽1に照射されるマイクロ波の位相差を変化させる。これにより、マイクロ波照射部31と第2のマイクロ波照射部37とから回転槽1内に照射されたマイクロ波により生じる合成波の電界強度が変化する。それにより、回転槽1内のマイクロ波の強度の分布が変化する。
【0088】
図8は、洗濯乾燥機50において、マイクロ波照射部31と第2のマイクロ波照射部37とから照射されるマイクロ波を、位相変更部44によって位相差を設けて、同時に回転槽1へ照射した場合のマイクロ波の1周期の間における回転槽1内の電界強度を示す。例えば、マイクロ波照射部31と第2のマイクロ波照射部37とから照射されるマイクロ波の位相差が0度の場合と90度の場合との2つを図8に示す。グラフの縦軸は、回転槽1内の電界強度を示す。グラフの横軸は、マイクロ波照射部31から照射されるマイクロ波を基準とした位相を示す。ここで、マイクロ波照射部31と第2のマイクロ波照射部37とから照射されるマイクロ波の出力値は同一であり、1周期の間において一定値である。また、位相差0度のときと位相差90度のときとにおいて、マイクロ波照射部31と第2のマイクロ波照射部37とから照射されるマイクロ波の出力値は同一である。
【0089】
図8に示すように、マイクロ波照射部31と第2のマイクロ波照射部37とから照射されるマイクロ波の位相差に応じて、回転槽1内の電界強度の最大値が変化する。なお、回転槽1内の電界強度の最大値を、最大電界強度、ともいう。位相差0度の場合、すなわち、マイクロ波照射部31と第2のマイクロ波照射部37とから照射されるマイクロ波が同じ位相の場合と比較して、マイクロ波の位相差が0度を超え180度未満において、回転槽1内の最大電界強度は低くなる。
【0090】
これは、マイクロ波に位相差を設けることで、回転槽1内において、複数のマイクロ波の電界強度が最大となるタイミングを異ならせ、それらのマイクロ波が重なり合うことによる合成波の最大電界強度が低くなるためである。回転槽1内の乾燥対象物に含まれる金属等によるスパークは、回転槽1内の電界強度の強さに比例して発生する。したがって、この場合、スパークの発生を抑制することができる。
【0091】
特に、マイクロ波の位相差が45度から135度の範囲、望ましくはマイクロ波の約1/4波長分に相当する、位相差が90度付近において、回転槽1内の最大電界強度は低くなる。このことから、マイクロ波照射部31と第2のマイクロ波照射部37とから照射される位相差を変化させることにより、回転槽1内の電界強度を制御できる。
【0092】
なお、図8に示すように、位相差を変化させることにより、回転槽1内の電界強度の最小値は大きくなる。したがって、位相差を変化させても、電界強度の時間積分値であるマイクロ波の出力の低下は少ない。
【0093】
このように、本実施の形態によれば、マイクロ波の出力を低下させることなく、回転槽1内の最大電界強度を低減することができる。これにより、回転槽1内の電界強度が過度に高くなるのを防ぎ、スパークの発生を抑えることができる。また、乾燥工程において、乾燥対象物に付いている金属からのスパークを適切に抑えつつ、マイクロ波により乾燥対象物に含有された水分を直接加熱することができる。したがって、乾燥効率が向上し、乾燥時間を短縮することができる。
【0094】
なお、マイクロ波照射部31と第2のマイクロ波照射部37とについて説明したが、異なる複数の位相を持つマイクロ波を回転槽1内に照射するのであれば、マイクロ波照射部は3個以上でも構わない。
【0095】
また、マイクロ波制御装置40の位相変更部44を用いない別の構成で、回転槽1に照射される複数のマイクロ波の位相を異ならせてもよい。例えば、図9に別のマイクロ波加熱装置30の構成を示す。図9のマイクロ波加熱装置30は、図2に示したマイクロ波加熱装置30の構成に加えて、マイクロ波照射部31から照射されたマイクロ波を導く第2の導波管34aと、第2の導波管34aの先端で外槽3内に設けられる第2のマイクロ波照射口32aとを備える。また、導波管34には、導波管分岐部35が設けられる。導波管分岐部35は、マイクロ波照射部31から照射されたマイクロ波を、マイクロ波照射口32と第2のマイクロ波照射口32aとに分配可能にする。
【0096】
導波管34と第2の導波管34aとの長さの差異、及び、導波管34と第2の導波管34aとにおける電波進行方向に対する断面形状の寸法の差異によって、マイクロ波照射口32と第2のマイクロ波照射口32aとから照射されるマイクロ波に位相差を設ける。
【0097】
なお、導波管34と第2の導波管34a、及び、マイクロ波照射口32と第2のマイクロ波照射口32aとについて説明したが、異なる複数の位相を持つマイクロ波を回転槽1内に照射するのであれば、導波管及びマイクロ波照射口は、3個以上でも構わない。また、複数のマイクロ波照射部、複数の導波管及び複数のマイクロ波照射口を組み合わせる構成でもよい。
【0098】
そして、複数の位相を持つマイクロ波を回転槽1内に照射する場合、各マイクロ波の位相差は、位相差が異なるマイクロ波の数で180度を除した値の近傍であることが望ましい。例えば、n個の異なる位相を持つマイクロ波を照射する場合、N番目に照射するマイクロ波の位相(度)は、1番目に照射するマイクロ波に対して、(数1)で表せる。
【0099】
【数1】
【0100】
また、この位相の範囲は、上記の位相θ(N)に対して±(180/n)/2以内の範囲であれば、特に限定されない。なお、N番目に照射するマイクロ波の位相(度)は、1番目に照射するマイクロ波に対して-θ(N)でも構わない。
【0101】
本実施の形態のように、洗濯乾燥機50は、乾燥対象物を収容する回転槽1と、マイクロ波を照射するマイクロ波照射部31と、マイクロ波照射部31から照射されたマイクロ波を複数のマイクロ波に分岐する導波管分岐部35と、導波管分岐部35から回転槽1へ複数のマイクロ波をそれぞれ伝送する複数の導波管(34及び34a)と、マイクロ波照射部31を制御するマイクロ波制御装置40と、を備え、回転槽1内に複数のマイクロ波が照射されるように構成され、複数のマイクロ波が重なり合うことで回転槽1内での最大電界強度が低くなるように構成される。
【0102】
これにより、回転槽1内の電界強度が過度に高くなるのを防ぎ、スパークの発生を抑えることができる。
【0103】
また、本実施の形態のように、洗濯乾燥機50は、乾燥対象物を収容する回転槽1と、複数のマイクロ波をそれぞれ照射する複数のマイクロ波照射部(31及び37)と、複数のマイクロ波照射部(31及び37)から回転槽1へ複数のマイクロ波を伝送する導波管34と、複数のマイクロ波照射部(31及び37)を制御するマイクロ波制御装置40と、を備えてもよい。マイクロ波制御装置40は、複数のマイクロ波照射部(31及び37)を制御して、回転槽1内に照射する複数のマイクロ波に所定の位相差が生じるように構成されてもよい。なお、複数のマイクロ波照射部は3個以上でも構わない。導波管及びマイクロ波照射口は複数としても構わない。
【0104】
これにより、回転槽1内の電界強度が過度に高くなるのを防ぎ、スパークの発生を抑えることができる。
【0105】
また、本実施の形態のように、洗濯乾燥機50は、乾燥対象物を収容する回転槽1と、マイクロ波を照射するマイクロ波照射部31と、マイクロ波照射部31から照射されたマイクロ波を複数のマイクロ波に分岐する導波管分岐部35と、導波管分岐部35から回転槽1へ複数のマイクロ波をそれぞれ伝送する複数の導波管(34及び34a)と、マイクロ波照射部31を制御するマイクロ波制御装置40と、を備えてもよい。複数の導波管(34及び34a)の長さ又は断面形状を異ならせて、回転槽1内に照射する複数のマイクロ波に所定の位相差が生じるように構成されてもよい。
【0106】
また、後述の実施の形態5に記載した、複数の導波管(34及び34a)の誘電率を組み合わせて、複数の導波管(34及び34a)の長さ、断面形状、又は誘電率の少なくとも1つを異ならせて、回転槽1内に照射する複数のマイクロ波に所定の位相差が生じるように構成されてもよい。なお、複数の導波管は3個以上でも構わない。マイクロ波照射部は複数でも構わない。
【0107】
これにより、回転槽1内の電界強度が過度に高くなるのを防ぎ、スパークの発生を抑えることができる。
【0108】
また、本実施の形態のように、洗濯乾燥機50は、回転槽1に照射する複数のマイクロ波の位相差が、0度を超え180度未満となるように構成されてもよい。
【0109】
これにより、回転槽1内の電界強度が過度に高くなるのを防ぎ、スパークの発生を抑えることができる。
【0110】
(実施の形態3)
以下、図10図13を用いて、実施の形態3を説明する。図10は、実施の形態3における洗濯乾燥機50の構成を概略的に示す縦断面図である。なお、マイクロ波加熱装置の構成は、実施の形態1の図2と同じである。また、マイクロ波制御装置の構成は、図3と同じである。実施の形態1と同じ構成及び動作は、実施の形態1と同じ番号を付与し、詳細な説明を省く。
【0111】
洗濯乾燥機50において、筐体2の前面には、回転槽1の開口部1a及び外槽3の外槽開口部3aに対向させて、洗濯物が出し入れされる投入口60が設けられる。投入口60には、投入口60を開閉する扉体5が設けられている。また、投入口60と開口部1aとの間に、筒状の連通部65が設けられる。連通部65は、投入口60で出し入れされる洗濯物が筐体2内の下部に落下することを防止する。本実施の形態において、連通部65は、外槽開口部3aから投入口60の方向に、外槽3と一体に形成される。しかし、この構成に限られるものではなく、例えば、投入口60側に固定されてもよい。
【0112】
また、投入口60と連通部65との隙間には、全周にわたって、弾性を有するシール部材55が備えられている。シール部材55は、投入口60と外槽3とを弾性的に接続するとともに、扉体5をシールする。つまり、使用者が扉体5を閉じると、シール部材55が扉体5によって押圧され、弾性変形することによって、外槽3の機外に対する水密性及び気密性が確保される。
【0113】
また、マイクロ波加熱装置30で発生するマイクロ波は、マイクロ波の伝送路である導波管34によって送られ、導波管34の終端で連通部65に設けられるマイクロ波照射口32から、回転槽1内に照射される。これにより、回転槽1内の洗濯物の水分が加熱されて蒸発する。
【0114】
マイクロ波照射口32は、マイクロ波加熱装置30で発生するマイクロ波が回転槽1の開口部1aの近傍から回転槽1内に入射するように構成される。これによって、開口部1aを介して回転槽1内に、マイクロ波を効率よく入射させることができる。また、マイクロ波照射口32が回転槽1の周側面の外側、又は、底面の後側に設けられる場合のように、回転槽1を構成する壁面の材料をマイクロ波が透過可能にする必要がない。したがって、回転槽1をステンレス鋼板等の導電性材料で構成することにより、照射されるマイクロ波が筐体から外部へ漏洩することを抑制できる。
【0115】
このように、マイクロ波が回転槽1の壁面を透過して入射する構成に比べ、洗濯乾燥機50の筐体2もマイクロ波を遮蔽するための構成を特別に設ける必要がない。したがって、洗濯乾燥機50の小型化が可能であり、また洗濯物を収容する回転槽1内部の空間容積も比較的大きく構成できる。特に、衣類乾燥機であれば、外槽3を有しない構成があるが、マイクロ波の漏洩を抑制する構成を簡易な構成、すなわちシンプルに実現できる。
【0116】
図11は、回転槽1内から投入口60を見たときの、マイクロ波照射口32の配置を示す模式図である。マイクロ波照射口32は、開口部1aの近傍で、例えば、連通部65に設けられている。なお、図11に示すように、マイクロ波照射口32は、連通部65の上側に設けられ、回転槽1の回転中心を含めた回転中心より下側に向けて、回転槽1内の下側にある乾燥対象物(衣類)にマイクロ波を照射するように構成されてもよい。
【0117】
マイクロ波照射口32を、連通部65の上側に設ける構成であれば、衣類が多い場合、又は、衣類が少なくても撹拌による回転で衣類が上部に持ち上げられた場合に、回転槽1内の上部近傍で衣類を乾燥させることができる。衣類を撹拌した状態でマイクロ波を照射して洗濯物の水分を加熱するため、衣類の局所加熱を避けることができる。なお、マイクロ波照射口32を、連通部65の下側に設ける構成でもよい。乾燥工程のタンブリング中であっても、重力の影響により、衣類は概ね回転するドラム内の下部で撹拌されるため、ドラム内下部に存在する割合が高い。これにより、衣類を効率的に乾燥させることができる。
【0118】
このとき、後述するように、外槽3の上部側面に、乾燥用空気の吹出口8が設けられる。したがって、回転槽1の開口部1aは、投入口60の開口部よりも大きい。そのため、開口部1aと投入口60との接続部分にて段差が発生する。ここで、投入口60を介して回転槽1内に衣類を出し入れする際の使い勝手を考慮して、回転槽1の下側にて段差が小さくなるように構成する。すなわち、投入口60の中心は、開口部1aの中心より下側に設けられる。その結果、図11に示すように、回転槽1内から投入口60を見たとき、連通部65は、投入口60の下側より上側が広くなる。したがって、ここにマイクロ波照射口32を配置することができる。
【0119】
これにより、マイクロ波が開口部1aから回転槽1内に効率的に入射するマイクロ波照射口32の配置構成を簡易な構成、すなわちシンプルに実現できる。また、回転槽1の下部で撹拌される洗濯物に的確にマイクロ波を照射できる。
【0120】
なお、開口部1aから回転槽1内の下側にある洗濯物にマイクロ波を照射する際に、駆動モータ6によって回転槽1内の洗濯物をタンブルさせてもよい。これにより、マイクロ波の照射する向きを可変させるような複雑な構成、例えばスタラーをマイクロ波照射口32に備える必要がない。そのため、洗濯物の乾燥度合のムラを抑制しつつ乾燥時間を短縮することができる。
【0121】
洗濯乾燥機50は、マイクロ波加熱装置30からマイクロ波照射口32を介して回転槽1に照射されるマイクロ波により、乾燥対象物を乾燥する。マイクロ波は、回転槽1の開口部1aから回転槽1内に入射するので、マイクロ波は直接乾燥対象物に向けて照射される。したがって、洗濯乾燥機50は、マイクロ波が乾燥対象物に含まれる水分に吸収されて効率よく加熱することができる構造となっている。これにより、マイクロ波加熱装置30で発生させる、加熱に必要なマイクロ波を維持したうえで、マイクロ波を回転槽1内に照射して乾燥時間の短縮を図ることができる。ヒータ17の出力を組み合わせて加熱する場合にも、水分を直接加熱することができるマイクロ波の出力の割合を、乾燥工程における電力の制約の中で高く維持することもできる。これにより、乾燥時間を短縮することができる。
【0122】
洗濯乾燥機50では、回転槽1内にマイクロ波が照射される。したがって、洗濯乾燥機50の外部に漏洩する電磁波の強度が、使用される地域において定められた基準値以下になるように構成する必要がある。そのため、洗濯乾燥機50は、マイクロ波照射口32から照射された電磁波の漏洩を抑制するための電磁波シールドを備えてもよい。
【0123】
図12は、洗濯乾燥機50の給排水機構に関わる構成及び送風装置に関わる構成を省略し、電磁波シールドの構成及びマイクロ波照射口32からのマイクロ波照射の様子を概略的に示す。図12にハッチングで示すように、電磁波シールドは、少なくとも扉体5、投入口60及び回転槽1を含んで構成される。さらに、外槽3の水密性を確保するシール部材55及び連通部65の外側にカバー部24を含んで構成される。
【0124】
カバー部24は、シール部材55と同様に、洗濯乾燥機50の脱水工程における大きな振動を許容するように設けられる。なお、電磁波シールドは、連通部65を含んで構成されてもよい。
【0125】
電磁波シールドは、マイクロ波を反射又は吸収することが可能な金属等の電磁波遮蔽材料を含む材料で形成される。また、扉体5と投入口60の間隙から漏洩する電磁波を遮蔽又は減衰させるために、扉体5と投入口60との接点にチョーク構造が構成されてもよい。チョーク構造としては、電子レンジ等の技術分野において知られている任意のチョーク構造を採用可能である。
【0126】
回転槽1内に照射されるマイクロ波は、開口部1aから入射するように構成される。このため、乾燥対象物を収容してマイクロ波が照射される空間を形成する回転槽1の壁面をマイクロ波が透過するように、例えば、樹脂材料等と組み合わせて構成したり、マイクロ波を照射させるため特別に開口を備える必要性がない。回転槽1を、洗濯乾燥機の回転槽に一般的に用いられている、例えばステンレス鋼板のような金属材料で構成すればよく、回転槽1の外側の周囲において、特別にマイクロ波を遮蔽する構成も必要がなく、簡易な構成、すなわちシンプルな構成が実現する。これにより、洗濯乾燥機50本体が大型化することなく、乾燥対象物を収容する容積を確保することができる。
【0127】
なお、電磁波シールドの構成は、特に限定されるものではない。図13は、洗濯乾燥機50の給排水機構に関わる構成及び送風装置に関わる構成を省略し、他の電磁波シールドの構成及びマイクロ波照射口32からのマイクロ波照射の様子を概略的に示す。外槽3が電磁波遮蔽材料を含む材料で形成されるように構成してもよい。また、外槽3、又は、筐体2の一部或いは全部が、電磁波遮蔽材料を含む材料で形成されるように構成してもよいし、これらの組み合わせにより洗濯乾燥機の外側への電磁波を安全なレベルに減衰させるように構成にしてもよい。
【0128】
漏洩電磁波に関する規格として、例えば、周波数が2.45GHz帯の電磁波(マイクロ波)によって食品の加熱を行う定格高周波出力2kW以下の電子レンジ、及びそれに付加装置をもつ電子レンジについて規定した日本工業規格「JIS C9250」がある。同規格の5.8には、「同規格の8.2.12に規定される漏れ電波の電力密度試験により測定された漏れ電波の電力密度が、(1)扉を閉めているときは、1mW/cm以下であること、(2)発振管の発振停止装置が動作する直前の最大の位置まで扉を開いて固定したときは、5mW/cm以下であること、(3)主たる発振停止装置以外の発振停止装置を拘束した状態で5mW/cm以下であること」と規定されている。また、電気用品安全法第八条第一項に規定された、経済産業省令で定める技術上の基準を定める「電気用品の技術上の基準を定める省令」の解釈についての通達の別表第八の2(95)ト項にも、ほぼ同様の内容が規定されている。洗濯乾燥機についても、電子レンジと同様の基準が妥当すると考えられる。
【0129】
また、各国の専門家による科学的根拠に基づいて作成された国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインを人体防護の暴露限度値として採用することがWHO(世界保健機関)により推奨されている。このガイドラインでは、曝露制限値が0.08W/kg(1mW/cm)と規定されている。国際電気標準会議(IEC)により制定された国際規格「IEC62233」及びそれに基づいて制定された日本工業規格「JIS 1912」には、家庭用電気機器及び類似機器からの人体ばく露に関する電磁界の測定方法が規定されている。同規格に規定された測定方法において、電磁界を検知するセンサの信号に対して重みづけを行うことにより、曝露制限値に対する割合として電磁界が測定され、ICNIRPのガイドラインに規定された曝露制限値を超えていなければ、ICNIRPのガイドラインに適合すると判定される。電磁波シールドは、これらの規格に準拠するように構成される。
【0130】
なお、図示しないが、マイクロ波照射口32は、開口部1aを介して回転槽1内にマイクロ波を照射する位置であれば、連通部65以外に設けられても構わない。例えば、マイクロ波照射口32は、扉体5に設けられたり、外槽3と回転槽1との間に設けられたりしても構わない。
【0131】
以上のように、本実施の形態において、洗濯乾燥機50は、乾燥対象物が投入される投入口60を有する筐体2と、投入口60を開閉する扉体5と、開口部1aを有して乾燥対象物を収容する回転槽1と、マイクロ波を照射するマイクロ波照射部31と、マイクロ波を開口部1aから回転槽1に照射するマイクロ波照射口32と、マイクロ波をマイクロ波照射部31からマイクロ波照射口32に伝送する導波管34と、を備える。マイクロ波照射口32は、開口部1aの近傍に設けられる。
【0132】
これにより、開口部1aを介して回転槽1内にマイクロ波を効率よく入射させることができる。そのため、乾燥対象物の乾燥度合のムラを抑制しつつ乾燥時間を短縮することができる。
【0133】
また、本実施の形態のように、洗濯乾燥機50は、投入口60と開口部1aとの間に設けられる連通部65を備え、マイクロ波照射口32は、連通部65に設けられてもよい。
【0134】
これにより、マイクロ波が開口部1aから回転槽1内に効率的に入射するマイクロ波照射口32を簡易な構成、すなわちシンプルな配置構成で実現できる。
【0135】
また、本実施の形態のように、洗濯乾燥機50は、筐体2から外部への電磁波の漏洩を抑えるための電磁波シールドを備え、電磁波シールドは、扉体5、並びに、回転槽1及び外槽3の少なくとも一方を含んで構成されてもよい。
【0136】
これにより、例えば、回転槽1の壁面の材質において、マイクロ波を透過可能に構成するための制約はない。すなわち、回転槽1を金属等の導電性材料で構成することで、照射されるマイクロ波の漏洩を抑える構成を容易に実現できる。そのため、回転槽1の外側周囲においてマイクロ波を遮蔽する遮蔽手段を特に設ける必要がなく、洗濯乾燥機50の筐体2を小型化できる。また、乾燥対象物を収容する回転槽1内の空間容積を比較的大きくできる。
【0137】
(実施の形態4)
以下、図14を用いて、実施の形態4を説明する。図14は、実施の形態4における衣類乾燥機の電磁波シールドの構成及びマイクロ波照射の様子を概略的に示す。実施の形態3と同じ構成は、実施の形態3と同じ番号を付与し、詳細な説明を省く。
【0138】
衣類乾燥機は、一般的に、外槽3内に回転槽1を備える構成、例えば、実施の形態3で説明した洗濯乾燥機50から給排水に関わる構成及び脱水工程の振動対策に関わる構成を取り除いた構成の他に、外槽3を備えず回転槽1が風路として構成されるものがある。本実施の形態では、外槽3を備えない衣類乾燥機51について説明する。
【0139】
洗濯機能を有しない衣類乾燥機51においては、実施の形態3で説明した洗濯乾燥機50の洗浄水を溜める外槽3、給水弁12、給水管13及び排水弁10は備えられていない。そして、回転する回転槽1と循環風路7との接続は、フェルト等のシール部材に回転槽1が摺動するように構成されている。
【0140】
図14は、衣類乾燥機51の送風装置に関わる構成を省略し、電磁波シールドの構成及びマイクロ波照射口32からのマイクロ波照射の様子を概略的に示す。図14に示すように、電磁波シールドは、少なくとも扉体5、投入口60、連通部65及び回転槽1を含んで構成される。なお、連通部65は、投入口60に固定されている。
【0141】
さらに、電磁シールドは、図14にハッチングで示すように、連通部65と回転槽1との間に設けられる固定壁70及び回転シールド部71を含んで構成される。固定壁70は、連通部65の回転槽1側の全周に隙間がないように固定される。回転シールド部71は、固定壁70と摺動するようにして回転槽1の前端に設けられ、マイクロ波をシールドするとともに、空気の漏れを抑制する。
【0142】
回転シールド部71の材料及び構成は、電磁波遮蔽材料を含むフェルト状のものとしてもよく、金属製のボールベアリング状のものとしてもよく、マイクロ波及び空気の漏れを一体で抑制するものでもよい。また、これに限られるものではなく、マイクロ波の漏れ及び空気の漏れをそれぞれ別体で抑制するものでもよい。例えば、マイクロ波をシールドするために回転体に対応した非接触のチョーク構造を備え、これとは別体で、空気の漏れを抑制するために従来と同様のフェルトが設けられてもよい。
【0143】
以上のように構成される衣類乾燥機51は、実施の形態3で説明した洗濯乾燥機50の乾燥工程と同様に動作し、作用効果を発揮する。
【0144】
つまり、本実施の形態において、衣類乾燥機51は、乾燥対象物が投入される投入口60を有する筐体2と、投入口60を開閉する扉体5と、開口部1aを有して乾燥対象物を収容する回転槽1と、マイクロ波を照射するマイクロ波照射部31と、マイクロ波を開口部1aから回転槽1に照射するマイクロ波照射口32と、マイクロ波をマイクロ波照射部31からマイクロ波照射口32に伝送する導波管34と、を備える。マイクロ波照射口32は、開口部1aの近傍に設けられる。
【0145】
これにより、開口部1aを介して回転槽1内にマイクロ波を効率よく入射させることができる。このため、乾燥対象物の乾燥度合のムラを抑制しつつ、乾燥時間を短縮することができる。
【0146】
また、本実施の形態のように、衣類乾燥機51は、投入口60と開口部1aとの間に設けられる連通部65を備え、マイクロ波照射口32は、連通部65に設けられてもよい。
【0147】
これにより、マイクロ波が開口部1aから回転槽1内に効率的に入射するマイクロ波照射口32を簡易な構成、すなわちシンプルな配置構成で実現できる。
【0148】
また、本実施の形態のように、衣類乾燥機51の筐体2は、筐体2から外部への電磁波の漏洩を抑えるための電磁波シールドを備え、電磁波シールドは、回転槽1と扉体5とを含んで構成されてもよい。
【0149】
これにより、回転槽1の壁面の材質において、マイクロ波を透過可能に構成するための制約はない。すなわち、回転槽1を金属等の導電性材料で構成することで、照射されるマイクロ波の漏洩を抑える構成を容易に実現できる。このため、回転槽1の外側周囲においてマイクロ波を遮蔽する遮蔽手段を特に設ける必要がなく、衣類乾燥機51の筐体2を小型化できる。また、乾燥対象物を収容する回転槽1内の空間容積を比較的大きくできる。
【0150】
(実施の形態5)
以下、図15を用いて、実施の形態5を説明する。図15は、回転槽1内から投入口60を見たときのマイクロ波照射口32の配置を示す。マイクロ波加熱装置30の構成は実施の形態2の図9と同様である。実施の形態2と同じ構成及び動作は、実施の形態2と同じ番号を付与し、詳細な説明を省く。実施の形態2と異なる点について主に説明する。
【0151】
本実施の形態の洗濯乾燥機50は、マイクロ波照射口32が複数設けられる。例えば、図15に示すように、第1のマイクロ波照射口32及び第2のマイクロ波照射口32aが設けられている。第1のマイクロ波照射口32及び第2のマイクロ波照射口32aは、開口部1a近傍の連通部65の上側の左右に設けられて相互干渉を回避してもよい。
【0152】
また、図9に示すように、導波管34には、導波管分岐部35が設けられる。導波管分岐部35は、マイクロ波照射部31から照射されたマイクロ波を第1のマイクロ波照射口32と第2のマイクロ波照射口32aとに分配可能にする。
【0153】
第1のマイクロ波照射口32と第2のマイクロ波照射口32aとを形成する導波管34は、第1のマイクロ波照射口32及び第2のマイクロ波照射口32aから照射されるマイクロ波の照射方向が、筒状の連通部65の中心方向になるとともに、向き合わないように構成される。換言すると、第1のマイクロ波照射口32と第2のマイクロ波照射口32aとから照射されるマイクロ波の照射方向が平行にならないように構成される。これにより、一方のマイクロ波照射口から回転槽1内に照射されたマイクロ波が反射して他方のマイクロ波照射口からマイクロ波照射部31に戻ることを抑制できる。
【0154】
例えば、図15に示すように、第1のマイクロ波照射口32及び第2のマイクロ波照射口32aは、連通部65の上側に設けられ、回転槽1の回転中心を含めた回転中心より下側に向けてマイクロ波を照射するように構成されてもよい。また、図示しないが、第1のマイクロ波照射口32から回転槽1の底面方向にマイクロ波が入射する角度と、第2のマイクロ波照射口32aから回転槽1の底面方向にマイクロ波が入射する角度とを異ならせてもよい。
【0155】
これにより、マイクロ波が分散されて開口部1aから回転槽1内に効率的に入射するマイクロ波照射口32の配置構成を簡易な構成、すなわちシンプルに実現できる。また、回転槽1の下部で撹拌される乾燥対象物に効率的にマイクロ波を照射できる。
【0156】
なお、マイクロ波検知部36は、図9に示すように、反射部33と第1のマイクロ波照射口32と第2のマイクロ波照射口32aとの間に設けられ、反射部33と第1のマイクロ波照射口32と第2のマイクロ波照射口32aと間の位置におけるマイクロ波の強度を検知してもよい。あるいは、図示しないが、回転槽1内の複数の位置にマイクロ波検知部36を設け、回転槽1内の複数の位置におけるマイクロ波の強度を検知してもよい。これにより、回転槽1内に定在波が発生している状況においても、回転槽1内のマイクロ波の強度を的確に把握して、マイクロ波照射部31から照射するマイクロ波の出力を調整することができる。その他の構成及び動作は、実施の形態2と同様である。
【0157】
以上のように、マイクロ波照射口32を複数備える構成により、マイクロ波が第1のマイクロ波照射口32と第2のマイクロ波照射口32aとに分配されて回転槽1内に放射され、回転槽1内における電力密度が分散される。また、広い範囲からマイクロ波が照射されるため、第1のマイクロ波照射口32及び第2のマイクロ波照射口32aの近傍におけるマイクロ波の強度を低くできる。
【0158】
これにより、回転槽1内の乾燥対象物の位置の違いによって乾燥対象物に含まれる水分が偏って加熱されるのを抑制して、乾燥対象物の乾燥度合にムラが生じることを抑制できる。また、乾燥対象物にボタン及びファスナー等の金属がついていた場合等、乾燥対象物とともに金属類が混入した場合でも、スパークの発生を抑制できる。
【0159】
なお、導波管分岐部35を含む導波管34の構成は、第1のマイクロ波照射口32と第2のマイクロ波照射口32aとから、互いに位相差をつけてマイクロ波が回転槽1内に照射されるようにしてもよい。位相差を有する複数のマイクロ波が回転槽1内に照射されることにより、それぞれのマイクロ波の電界強度が最大となるタイミングが異なり、これらのマイクロ波が重なり合うことによる合成波の最大電界強度が低くなる。これにより、回転槽1内におけるマイクロ波の分布の偏りをさらに抑制できる。つまり、乾燥対象物に含まれる水分の加熱度合のムラを抑えることができる。
【0160】
また、回転槽1内の乾燥対象物に含まれる金属等によるスパークは、回転槽1内の電界強度の強さに比して発生する。したがって、マイクロ波に位相差を設けて最大電界強度を低くすることで、スパークの発生を抑制できる。
【0161】
回転槽1内に照射されるマイクロ波に位相差をつけるために、例えば、マイクロ波照射部31から第1のマイクロ波照射口32までの導波管34の長さと、マイクロ波照射部31から第2のマイクロ波照射口32aまでの導波管34の長さとを異ならせてもよい。また、2つの導波管34内を伝送するマイクロ波の波長を異ならせてもよい。その方法として、例えば、導波管内に樹脂等を挿入して、導波管34内と第2の導波管34a内とで誘電率を異ならせてもよい。なお、マイクロ波に位相差をつける方法はこれに限られないし、またそれらを組み合わせてもよい。
【0162】
これにより、筐体2内の配置上の制約において、所望の位相差になるようにマイクロ波を伝送する導波管34の配置が実現できる。なお、第1のマイクロ波照射口32と第2のマイクロ波照射口32aとからマイクロ波を回転槽1内に照射するとき、その位相差は、およそ90度に設定されることが好ましい。
【0163】
なお、図示しないが、第1のマイクロ波照射口32及び第2のマイクロ波照射口32aの少なくとも1つは、連通部65に設けられてもよい。つまり、第1のマイクロ波照射口32は、連通部65に設けられ、第2のマイクロ波照射口32aは、例えば、開口部1aを介して回転槽1内にマイクロ波を照射する位置であれば、扉体5に設けられたり、外槽3と回転槽1との間に設けられたりしても構わない。また、第2のマイクロ波照射口32aは、回転槽1の側壁面又は底部(後部)に設けられて回転槽1内にマイクロ波を照射しても構わない。
【0164】
このように、本実施の形態において、洗濯乾燥機50は、マイクロ波を回転槽1に照射するためのマイクロ波照射口32が、第1のマイクロ波照射口32及び第2のマイクロ波照射口32aのように複数設けられる。
【0165】
この構成により、マイクロ波照射部31で発生するマイクロ波が、第1のマイクロ波照射口32と第2のマイクロ波照射口32aとに分配されて回転槽1内に照射される。これにより、マイクロ波照射口32が1つの場合と比較して、第1のマイクロ波照射口32及び第2のマイクロ波照射口32aの近傍におけるマイクロ波の強度を低くできる。このため、乾燥対象物とともに金属類が混入した場合でも、スパークの発生を抑制できる。また、乾燥対象物に含まれる水分が偏って加熱されるのを抑制して、乾燥度合いにムラが生じることを抑制できる。
【0166】
また、乾燥対象物に含まれる水分を加熱するのに必要なマイクロ波のエネルギーを確保したうえで、回転槽1内の電界強度が過度に高くなるのを防ぎ、安全で使い勝手のよい洗濯乾燥機を提供できる。
【0167】
以上のように、本実施の形態において、洗濯乾燥機50は、乾燥対象物を収容する回転槽1と、マイクロ波を照射するマイクロ波照射部31と、マイクロ波照射部31から照射されたマイクロ波を複数のマイクロ波に分岐する導波管分岐部35と、導波管分岐部35から回転槽1へマイクロ波を伝送する複数の導波管(34及び34a)と、マイクロ波照射部31を制御するマイクロ波制御装置40と、を備える。複数の導波管(34及び34a)における誘電率を異ならせて、複数の導波管(34及び34a)内を伝送するマイクロ波の波長を異ならせ、回転槽1内に照射する複数のマイクロ波に所定の位相差が生じるように構成される。なお、複数の導波管は3個以上でも構わない。マイクロ波照射部31は複数でも構わない。
【0168】
また、実施の形態2に記載した、複数の導波管(34及び34a)の長さ又は断面形状と、誘電率とを組み合わせて、そのうちの少なくとも1つを異ならせて、回転槽1内に照射する複数のマイクロ波に所定の位相差が生じるように構成されてもよい。
【0169】
これにより、回転槽1内の電界強度が過度に高くなるのを防ぎ、スパークの発生を抑えることができる。
【0170】
また、本実施の形態において、洗濯乾燥機50は、回転槽1内へマイクロ波をそれぞれ照射する複数のマイクロ波照射口(32及び32a)を備え、回転槽1内に照射する角度が異なるように構成されてもよい。これにより、回転槽1内の電界強度が過度に高くなるのを防ぎ、スパークの発生を抑えることができる。
【0171】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1~5を説明した。しかしながら、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、これに限定されず、請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。また、上記実施の形態1~5で説明した構成要素を組合せて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0172】
実施の形態1では、乾燥機の一例として、洗濯乾燥機50を説明した。このとき、回転槽1の回転軸が水平又は前上がり傾斜に構成されるドラム式洗濯乾燥機で説明したが、これに限られない。例えば、回転槽1の回転軸が垂直に構成される縦型洗濯乾燥機でもよい。
【0173】
また、実施の形態5において、マイクロ波照射口32が複数設けられる構成として、第1のマイクロ波照射口32及び第2のマイクロ波照射口32aの2個として説明したが、これに限られない。
【0174】
例えば、図16に示すように、マイクロ波照射口32が3個設けられてもよい。このとき、それぞれのマイクロ波照射口32から照射されるマイクロ波に位相差を付ける場合、第1のマイクロ波照射口32に対して第2のマイクロ波照射口32aから照射されるマイクロ波の位相差は、およそ60度に設定され、第1のマイクロ波照射口32に対して第3のマイクロ波照射口32bから照射されるマイクロ波の位相差は、およそ120度に設定されてもよい。
【0175】
さらに、マイクロ波照射口32が4個以上設けられても構わない。なお、マイクロ波照射口32を複数設ける場合に、マイクロ波照射部31から照射されたマイクロ波を導波管分岐部35によって分配する構成を説明したが、マイクロ波照射口32のそれぞれにマイクロ波照射部31を備える構成でも構わない。
【0176】
なお、以上の実施の形態で説明した構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラム等の間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【産業上の利用可能性】
【0177】
なお、本開示の適用範囲は、上記実施の形態において説明されたドラム式の衣類乾燥機及び衣類乾燥機に限定されるものではない。例えば、ドラム式以外の吊り干し乾燥方式及びパルセータ方式の縦型洗濯乾燥機等に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0178】
1 回転槽(槽)
1a 開口部
2 筐体
3 外槽(槽)
3a 外槽開口部
4 ダンパ
5 扉体
6 駆動モータ
7 循環風路
8 吹出口
9 排出口
10 排水弁
11 排水管
12 給水弁
13 給水管
14 吸気風路
15 排気風路
16 送風ファン
17 ヒータ
18 流入温度検知部
20 制御装置
30 マイクロ波加熱装置
31 マイクロ波照射部(照射部)
32 マイクロ波照射口(照射口)
32a 第2のマイクロ波照射口(第2の照射口)
32b 第3のマイクロ波照射口(第3の照射口)
33 反射部
34 導波管
34a 第2の導波管
35 導波管分岐部(分岐部)
36 マイクロ波検知部
37 第2のマイクロ波照射部(第2の照射部)
40 マイクロ波制御装置(制御部)
41 強度取得部
42 出力調整部
43 水分量推定部
44 位相変更部
50 洗濯乾燥機
51 衣類乾燥機(乾燥機)
55 シール部材
60 投入口
65 連通部
70 固定壁
71 回転シールド部
101 マイクロ波照射手段
102 衣類庫
103 送風機
104 ヒータ
105 マイクロ波制御手段
106 マイクロ波反射波検知手段
107 制御回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17