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特許7557691ストレージ運用支援装置およびストレージ運用支援方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ストレージ運用支援装置およびストレージ運用支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022203662
(22)【出願日】2022-12-20
(65)【公開番号】P2024088467
(43)【公開日】2024-07-02
【審査請求日】2023-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】524132520
【氏名又は名称】日立ヴァンタラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】久木田 将太
(72)【発明者】
【氏名】中野 隆裕
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10235062(US,B1)
【文献】国際公開第2014/024251(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストレージ装置を評価するストレージ運用支援装置であって、
ストレージ装置の状態の情報を格納するストレージ装置情報を格納する記憶部と、
評価対象の評価対象ストレージ装置を評価する評価部と、
ストレージ候補評価部と、
を有し、
前記評価部は、前記ストレージ装置情報を参照して、
前記評価対象ストレージ装置の環境への負荷の大きさを表す環境スコアの算出と、
前記評価対象ストレージ装置のコストの大きさを表すコストスコアの算出と、
前記評価対象ストレージ装置のデータの読み書きの速度の遅さを表す性能スコアの算出と、
前記環境スコア、前記コストスコアおよび前記性能スコアを用いた総合スコアの算出と、を実行
前記記憶部は、未使用ストレージ装置を特定する未使用ストレージ装置特定情報と、前記未使用ストレージ装置の仕様とを対応づけて保存する未使用ストレージ装置仕様情報と、を対応づけた未使用ストレージ装置使用情報を格納し、
前記ストレージ候補評価部は、
新たに使用する予定の新規ストレージ装置に対する要件情報が入力されると、
前記未使用ストレージ装置使用情報を参照して、前記未使用ストレージ装置のうちで、前記要件情報に含まれる要件を満たす候補ストレージ装置を特定できる候補ストレージ装置特定情報を取得し、
前記評価部は、前記候補ストレージ装置特定情報に対応づけられた候補ストレージ装置を、前記評価対象ストレージ装置とし、
前記評価対象ストレージ装置の前記環境スコアと、前記コストスコアと、前記性能スコアと、前記総合スコアと、を算出して、
算出した前記環境スコアと、前記コストスコアと、前記性能スコアと、前記総合スコアと、前記候補ストレージ装置特定情報と、を対応づけた候補ストレージ装置評価情報を、生成する、
ストレージ運用支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載のストレージ運用支援装置であって、
前記ストレージ装置情報は、前記ストレージ装置の単位時間あたりの消費電力の情報を含み、
前記評価部は、
前記評価対象ストレージ装置に電力を供給する電力供給元から二酸化炭素排出係数を取得し、
前記ストレージ装置情報を参照して、前記評価対象ストレージ装置の前記単位時間あたりの消費電力を取得し、
取得した前記二酸化炭素排出係数と、取得した前記評価対象ストレージ装置の前記単位時間あたりの消費電力と、に基づいて、前記環境スコアを算出する、
ストレージ運用支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載のストレージ運用支援装置であって、
前記評価部は、
環境スコア重みと前記環境スコアの積と、コストスコア重みと前記コストスコア重みの積と、性能スコア重みと前記性能スコアの積と、の総和を前記総合スコアとして算出する、
ストレージ運用支援装置。
【請求項4】
請求項1に記載のストレージ運用支援装置であって、
所定の時間毎に、
前記評価部は、使用中のストレージ装置それぞれを、前記評価対象ストレージ装置とし、
前記使用中のストレージ装置それぞれの前記環境スコアと、前記コストスコアと、前記性能スコアと、前記総合スコアと、を算出して、
算出した前記使用中のストレージ装置それぞれの前記環境スコアと、前記コストスコアと、前記性能スコアと、前記総合スコアと、前記使用中のストレージ装置それぞれを特定できる使用中ストレージ装置特定情報と、前記総合スコアを算出した日時と、を対応づけたストレージ装置評価情報を生成して、前記記憶部に保存する、
ストレージ運用支援装置。
【請求項5】
請求項4に記載のストレージ運用支援装置であって、
前記評価部は、
前記使用中のストレージ装置それぞれに対する、前記環境スコアと、前記コストスコアと、前記性能スコアと、前記総合スコアとの少なくとも1つのスコアの時系列変化を示すストレージ装置時系列評価グラフのデータを生成する、
ストレージ運用支援装置。
【請求項6】
請求項1に記載のストレージ運用支援装置であって、
前記評価対象ストレージ装置は、少なくとも1つの、オンプレミス環境のストレージ装置およびクラウド環境のストレージ装置である、
ストレージ運用支援装置。
【請求項7】
請求項に記載のストレージ運用支援装置であって、
前記評価部は、
前記候補ストレージ装置それぞれに対する、前記環境スコアと、前記コストスコアと、前記性能スコアと、前記総合スコアとの少なくとも1つのスコアの大きさを示すスコア比較グラフのデータを生成して、出力する、
ストレージ運用支援装置。
【請求項8】
請求項に記載のストレージ運用支援装置であって、
前記未使用ストレージ装置使用情報は、前記未使用ストレージ装置特定情報と、前記未使用ストレージ装置の記憶容量と、前記未使用ストレージ装置がデータを圧縮して保存できる場合の圧縮率と、を対応づけた情報を含み、
前記ストレージ候補評価部は、
前記要件情報が、前記新たに使用する予定の新規ストレージ装置に対する記憶容量下限値を含む場合には、前記未使用ストレージ装置仕様情報を参照して、前記未使用ストレージ装置の記憶容量を前記圧縮率で割った値を換算記憶容量として算出し、
算出した前記換算記憶容量が前記記憶容量下限値よりも大きいか否かを判定し、
前記換算記憶容量が前記記憶容量下限値よりも大きくないと判定した場合に、前記未使用ストレージ装置が前記要件情報に含まれる要件を満たさないとする、
ストレージ運用支援装置。
【請求項9】
ストレージ装置を評価するストレージ運用支援装置であって、
ストレージ装置の状態の情報を格納するストレージ装置情報を格納する記憶部と、
評価対象の評価対象ストレージ装置を評価する評価部と、
行支援部
を有し、
前記評価部は、前記ストレージ装置情報を参照して、
前記評価対象ストレージ装置の環境への負荷の大きさを表す環境スコアの算出と、
前記評価対象ストレージ装置のコストの大きさを表すコストスコアの算出と、
前記評価対象ストレージ装置のデータの読み書きの速度の遅さを表す性能スコアの算出と、
前記環境スコア、前記コストスコアおよび前記性能スコアを用いた総合スコアの算出と、を実行し、
前記移行支援部は、
移行元ボリュームを特定できる移行元ボリューム特定情報と、前記移行元ボリュームに格納された移行データを保存する予定の移行先ボリュームを特定できる移行先ボリューム特定情報とを取得すると、
前記移行元ボリュームのデータ読出速度と、前記移行先ボリュームのデータ書込速度と、前記移行データの移行データ量とを、取得し、
取得した前記移行元ボリュームのデータ読出速度と、前記移行先ボリュームのデータ書込速度と、に基づいて、前記移行元ボリュームから前記移行先ボリュームに直ちに移行可能か否かを判定し、
前記移行元ボリュームから前記移行先ボリュームに直ちに移行可能と判定した場合には、
取得した前記移行元ボリュームのデータ読出速度および前記移行先ボリュームのデータ書込速度に基づいて算出した、前記移行元ボリュームから移行データを読み出して前記移行先ボリュームに保存するためにかかる移行時間と、前記移行元ボリューム特定情報と、前記移行先ボリューム特定情報と、を対応づけた移行可能ボリューム情報を生成する、
ストレージ運用支援装置。
【請求項10】
請求項に記載のストレージ運用支援装置であって、
前記移行支援部は、
前記移行元ボリューム特定情報と、前記移行先ボリューム特定情報と
前記移行元ボリューム特定情報と、前記移行先ボリューム特定情報と、前記移行元ボリュームから前記移行先ボリュームへの見かけ移行時間短縮機能の有無の情報と、を取得した場合には、
取得した前記移行元ボリュームから前記移行先ボリュームへの見かけ移行時間短縮機能の有無の情報が、見かけ移行時間短縮機能が有ることを表す場合に、前記移行時間を所定の移行短縮時間とする、
ストレージ運用支援装置。
【請求項11】
請求項10に記載のストレージ運用支援装置であって、
前記記憶部は、
前記移行元ボリュームが作成されている移行元ストレージの読出速度の時間変化の情報を格納する移行元ストレージ読出速度情報と、
前記移行先ボリュームが作成されている移行先ストレージの書込速度の時間変化の情報を格納する移行先ストレージ書込速度情報と、を格納し、
前記移行支援部は、
前記移行元ボリュームから前記移行先ボリュームに直ちに移行可能ではないと判定した場合には、前記移行元ストレージ読出速度情報および移行先ストレージ書込速度情報を参照して、前記移行元ボリュームから前記移行先ボリュームへの移行データの移行が可能になると推定できる移行可能時刻を算出し、
前記移行元ボリューム特定情報と、前記移行先ボリューム特定情報と、算出した前記移行可能時刻と、を対応づけた移行保留情報を生成する、
ストレージ運用支援装置。
【請求項12】
ストレージ装置の状態の情報を格納するストレージ装置情報、および、未使用ストレージ装置を特定する未使用ストレージ装置特定情報と、前記未使用ストレージ装置の仕様とを対応づけて保存する未使用ストレージ装置仕様情報と、を対応づけた未使用ストレージ装置使用情報を格納する記憶装置およびプロセッサを備え、前記プロセッサがストレージ装置を評価するストレージ運用支援装置におけるストレージ運用支援方法であって、
前記プロセッサに、
評価対象の評価対象ストレージ装置を評価する評価処理およびストレージ候補評価処理を実行させ、
前記評価処理は、前記記憶装置に格納されている前記ストレージ装置情報を参照して、
前記評価対象ストレージ装置の環境への負荷の大きさを表す環境スコアの算出と、
前記評価対象ストレージ装置のコストの大きさを表すコストスコアの算出と、
前記評価対象ストレージ装置のデータの読み書きの速度の遅さを表す性能スコアの算出と、
前記環境スコア、前記コストスコアおよび前記性能スコアを用いた総合スコアの算出と、を実行する処理を含
前記ストレージ候補評価処理は、新たに使用する予定の新規ストレージ装置に対する要件情報が入力されると、
前記未使用ストレージ装置使用情報を参照して、前記未使用ストレージ装置のうちで、前記要件情報に含まれる要件を満たす候補ストレージ装置を特定できる候補ストレージ装置特定情報を取得し、
前記候補ストレージ装置特定情報に対応づけられた候補ストレージ装置を、前記評価対象ストレージ装置とし、
前記評価対象ストレージ装置の前記環境スコアと、前記コストスコアと、前記性能スコアと、前記総合スコアと、を算出して、
算出した前記環境スコアと、前記コストスコアと、前記性能スコアと、前記総合スコアと、前記候補ストレージ装置特定情報と、を対応づけた候補ストレージ装置評価情報を、生成する処理を含む、
ストレージ運用支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージ装置を評価するストレージ運用支援装置およびストレージ運用支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データを容易に共有できるように、コンピューターネットワークを介して接続されたストレージ装置にデータを保存することが広く行われている。ここで、ストレージ装置として、数多くのオンプレミス環境のストレージ装置だけでなく、数多くのクラウド環境のストレージ装置も用いられている。そして、適切なストレージ装置を選択して使用できるように、ストレージ装置を評価する技術がある。例えば、特許文献1には、クラウド環境のストレージ装置の性能およびコストを評価する技術が記載されている。特許文献1に記載されている技術を用いれば、新規に導入するクラウド環境のストレージ装置の性能およびコストを評価して、好ましいクラウド環境のストレージ装置を選択することが容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2014/024251号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されている技術では、オンプレミス環境のストレージ装置を評価できない。そして、オンプレミス環境のストレージ装置とクラウド環境のストレージ装置との両方のストレージ装置に対して、評価および比較検討を行って、適切なストレージ装置を選択して使用する場合がある。この場合、特許文献1に記載されている技術を用いたとしても、オンプレミス環境のストレージ装置とクラウド環境のストレージ装置との両方のストレージ装置に対して、評価および比較検討を行うことは容易にはできない。
【0005】
また、環境への負荷、コスト、性能のバランスのとれたストレージ装置を選択して使用することが求められている。そのために、ストレージ装置に対して多様な評価を行うことが求められている。例えば、ストレージ装置に対する二酸化炭素排出量などの環境への負荷を評価することが求められている。
【0006】
そして、古いストレージ装置や高いコストのストレージ装置の使用を中止して、代わりに新たにストレージ装置を使用することが行われている。その際に、ストレージ装置に作成したボリュームに保存されたデータを、別のストレージ装置のボリュームにコピーする、移行の作業を効率よく行う必要がある。ストレージ装置の移行元のボリュームに保存されているデータが、必要な時に使用できなくなることを抑制するために、移行元のストレージ装置のデータを読み出す性能や、移行先のストレージ装置のデータを書き込む性能を評価して、適切なタイミングでボリュームを移行することも求められている。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ストレージ装置に対する多様な評価を容易にできるようにすることで、ストレージ装置の運用を容易にするストレージ運用支援装置およびストレージ運用支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のストレージ運用支援装置の一態様は、ストレージ装置を評価するストレージ運用支援装置であって、ストレージ装置の状態の情報を格納するストレージ装置情報を格納する記憶部と、評価対象の評価対象ストレージ装置を評価する評価部と、を有し、前記評価部は、前記ストレージ装置情報を参照して、前記評価対象ストレージ装置の環境への負荷の大きさを表す環境スコアの算出と、前記評価対象ストレージ装置のコストの大きさを表すコストスコアの算出と、前記評価対象ストレージ装置のデータの読み書きの速度の遅さを表す性能スコアの算出と、前記環境スコア、前記コストスコアおよび前記性能スコアを用いた総合スコアの算出と、を実行する。
【0009】
また、本発明のストレージ運用支援装置のストレージ運用支援方法の一態様は、ストレージ装置の状態の情報を格納するストレージ装置情報を格納する記憶装置およびプロセッサを備え、前記プロセッサがストレージ装置を評価するストレージ運用支援装置におけるストレージ運用支援方法であって、前記プロセッサに、評価対象の評価対象ストレージ装置を評価する評価処理を実行させ、前記評価処理は、前記記憶装置に格納されている前記ストレージ装置情報を参照して、前記評価対象ストレージ装置の環境への負荷の大きさを表す環境スコアの算出と、前記評価対象ストレージ装置のコストの大きさを表すコストスコアの算出と、前記評価対象ストレージ装置のデータの読み書きの速度の遅さを表す性能スコアの算出と、前記環境スコア、前記コストスコアおよび前記性能スコアを用いた総合スコアの算出と、を実行する処理を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の代表的な形態によれば、ストレージ装置に対する多様な評価を容易にできるようにすることで、ストレージ装置の運用を容易にする。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施例のストレージ運用支援装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図2図2は、実施例のストレージ運用支援装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3図3は、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231の一例を示す図である。
図4図4は、クラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232の一例を示す図である。
図5図5は、ボリューム稼働情報テーブル233の一例を示す図である。
図6図6は、CO排出係数取得場所テーブル234の一例を示す図である。
図7図7は、ボリューム評価テーブル235の一例を示す図である。
図8図8は、ストレージ装置評価テーブル236の一例を示す図である。
図9図9は、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237の一例を示す図である。
図10図10は、クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238の一例を示す図である。
図11図11は、要件情報テーブル239の一例を示す図である。
図12図12は、要件充足ストレージ装置テーブル240の一例を示す図である。
図13図13は、移行可能テーブル241の一例を示す図である。
図14図14は、移行保留テーブル242の一例を示す図である。
図15図15は、移行元ストレージ読出速度テーブル243の一例を示す図である。
図16図16は、移行先ストレージ書込速度テーブル244の一例を示す図である。
図17図17は、圧縮率および換算容量を説明する説明図である。
図18図18は、見かけ移行時間短縮機能を説明する説明図である。
図19図19は、評価画面の一例を示す説明図である。
図20図20は、評価画面の一例を示す説明図である。
図21図21は、実施例の評価処理の例を示すフローチャートである。
図22図22は、スコアを算出する式の一例を示す図である。
図23図23は、評価画面の一例を示す説明図である。
図24図24は、実施例のストレージ候補評価処理の例を示すフローチャートである。
図25図25は、スコアを算出する式の一例を示す図である。
図26図26は、評価画面の一例を示す説明図である。
図27図27は、評価画面の一例を示す説明図である。
図28図28は、実施例の移行支援処理の例を示すフローチャートである。
図29図29は、安定読出時間帯Tprの算出方法を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
【0013】
以下に説明する発明の構成において、同一又は類似する構成又は機能には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数又は順序を限定するものではない。
【0015】
本明細書等において、各種情報の例として、「XXテーブル」との表現にて説明することがあるが、「XXリスト」、「XXキュー」等のデータ構造で表現されてもよい。また、「XXテーブル」は、「XX情報」としてもよい。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
【実施例
【0016】
図1は、実施例のストレージ運用支援装置1の機能ブロック図の一例を示す図である。図1に示すように、ストレージ運用支援装置1は、オンプレミス環境のストレージ装置や、クラウド環境のストレージ装置に、ネットワークを介して接続されている。図1の例では、ストレージ運用支援装置1は、オンプレミス環境のストレージ装置100o1と、クラウド環境のストレージ装置100c1と、ユーザ端末500と、サプライヤ情報サーバ510と、電力供給元情報サーバ520とに、ネットワークNWL、NWを介して接続されている。また、オンプレミス環境のストレージ装置100o2と、クラウド環境のストレージ装置100c2とは、新たに使用する予定の新規ストレージ装置である。
【0017】
以下、オンプレミス環境のストレージ装置の総称を、「オンプレミス環境のストレージ装置100」とする。また、クラウド環境のストレージ装置の総称を、「クラウド環境のストレージ装置100」とする。また、オンプレミス環境のストレージ装置およびクラウド環境のストレージ装置の総称を、「ストレージ装置100」とする。そして、オンプレミス環境のストレージ装置100それぞれには、オンプレミス環境のストレージ装置100の消費電力を計測する消費電力計測器が、設けられている。ストレージ運用支援装置1は、後述するストレージ装置監視プログラム14a(図2参照)を実行して、オンプレミス環境のストレージ装置100にアクセスし、消費電力計測器を用いて計測したオンプレミス環境のストレージ装置100の消費電力を取得し、取得した消費電力を年間消費電力に換算できるようになっている。
【0018】
オンプレミス環境のストレージ装置100o2は、再生可能エネルギー発電装置200に接続されており、再生可能エネルギー発電装置200から電力を供給することができる。オンプレミス環境のストレージ装置100o2に設けられている消費電力計測機器は、オンプレミス環境のストレージ装置100o2が消費する、再生可能エネルギー発電装置200から供給された電力を、1年あたりの電力(単位は[kW/year])に換算した値を算出できる。
【0019】
再生可能エネルギー発電装置200は、太陽光、風力、地熱、中小水力、バイオマスといった再生可能エネルギーを用いて発電する装置(例えば、太陽電池、風力発電装置、バイオマスの発電装置)である。再生可能エネルギー発電装置200が供給する電力による環境負荷がないとみなすと、考えることができる。
【0020】
ユーザ端末500は、ストレージ運用支援装置1にアクセスできる。ユーザ端末500のユーザは、ユーザ端末500を用いて、ストレージ運用支援装置1を操作して、ストレージ運用支援装置1にストレージ装置100を評価させることができる。
【0021】
サプライヤ情報サーバ510は、オンプレミス環境のストレージ装置100の情報およびクラウド環境のストレージ装置100の情報を格納している。ストレージ運用支援装置1は、サプライヤ情報サーバ510にアクセスして、サプライヤ情報サーバ510からストレージ装置100に関する情報を取得できる。また、電力供給元情報サーバ520は、電力を供給する電力会社が管理するサーバである。電力供給元情報サーバ520は、オンプレミス環境のストレージ装置100に供給する電力のCO排出係数(二酸化炭素排出係数)の値を格納している。CO排出係数とは、電力供給1kWhあたりのCO排出量(単位は「kg-CO2/kWh」)である。なお、電力供給元情報サーバ520は、オンプレミス環境のストレージ装置100に供給する電力を発電するために発生するCOの量を見積もるために必要な数値を、ストレージ運用支援装置1が取得できるように構成されていればよい。電力供給元情報サーバ520は、CO排出係数(二酸化炭素排出係数)以外の、オンプレミス環境のストレージ装置100に供給する電力を発電するために発生するCOの量を見積もるために使用できる数値を格納してもよい。例えば、電力供給元情報サーバ520が、電力のCO排出係数(二酸化炭素排出係数)の年間平均や月間平均の数値を格納し、ストレージ運用支援装置1は、電力供給元情報サーバ520からCO排出係数(二酸化炭素排出係数)の年間平均や月間平均の数値を取得して使用してもよい。
【0022】
ネットワークNWLは、構内ネットワーク(LAN:Local Area Network)である。また、ネットワークNWは、グローバルネットワーク(例えば、インターネット)である。ネットワークNWLは、有線のネットワークでもよいし、無線のネットワークでもよいし、USB(Universal Serial Bus)などの有線通信路あるいはBluetooth等の無線通信路を含んでもよい。また、ネットワークNWLおよびネットワークNWの両方をグローバルネットワークにしてもよい。
【0023】
ストレージ運用支援装置1は、評価部11と、ストレージ候補評価部12と、移行支援部13とを備えている。評価部11は、ストレージ装置(オンプレミス環境のストレージ装置100およびクラウド環境のストレージ装置100)に対して、環境への負荷(CO排出量)、コスト、性能を評価する。これにより、環境への負荷などを考慮して、ストレージ装置を運用することが容易になる。
【0024】
ストレージ候補評価部12は、使用する予定の新規ストレージ装置を容易に選択できるように、未使用のストレージ装置のうちで、要件を満たすストレージ装置に対して、環境への負荷、環境への負荷(CO排出量)、コスト、性能を評価する。これにより、ストレージ候補評価部12は、環境への負荷、コスト、性能のバランスが取れた、適切なストレージ装置をユーザが選択することを容易にする。
【0025】
移行支援部13は、移行元のストレージ装置に作成されている移行元のボリュームの移行するデータを、移行元のボリュームから、移行先のストレージ装置に作成されている移行先のボリュームに直ちにコピーを開始した場合、安定してコピーできるか否かを評価し、安定してコピーできない場合には安定してコピーできるようになる時刻を算出する。これにより、安定して移行を行うことが容易になる。
【0026】
なお、移行元のストレージ装置を「移行元ストレージ装置」と称し、移行元のボリュームを「移行元ボリューム」と称し、移行するデータを「移行データ」と称する。また、移行先のストレージ装置を「移行先ストレージ装置」と称し、移行先のボリュームを「移行先ボリューム」と称する。
【0027】
以上で説明したように、ストレージ運用支援装置1のストレージ候補評価部12は、新たにストレージ装置を導入する際に、新規ストレージ装置を選択することを容易にする。また、ストレージ運用支援装置1の移行支援部13は、新規ストレージ装置などに、データを移行する際に、安定して移行することを容易にする。そして、ストレージ運用支援装置1の評価部11は、移行の前後を含めて、環境への負荷を考慮したストレージ装置の運用を容易にする。
【0028】
<ストレージ運用支援装置1のハードウェア構成>
図2は、ストレージ運用支援装置1のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2に示すように、ストレージ運用支援装置1は、プロセッサ21、主記憶装置22、副記憶装置23、入力装置24、出力装置25、ネットワークI/F26、これらを接続するバス27を有している。ストレージ運用支援装置1は、例えばPCやサーバコンピューターのような一般的な情報処理装置で実現できる。
【0029】
プロセッサ21は、副記憶装置23に記憶されたデータやプログラムを主記憶装置22に読み出して、プログラムによって定められた処理を実行する。図1を用いて上述した評価部11は、副記憶装置23に記憶されている評価プログラム11aをプロセッサ21が主記憶装置22に読み出して実行することにより実現される。同様に、ストレージ候補評価部12、移行支援部13それぞれは、プロセッサ21が、ストレージ候補評価プログラム12a、移行支援プログラム13a、それぞれを主記憶装置22に読み出して実行することにより実現される。
【0030】
本明細書では、機能部である評価部11を主語とする文で処理を説明する場合、プロセッサ21が当該機能部を実現するプログラム(評価プログラム11a)を実行していることを示す。同様に、機能部であるストレージ候補評価部12、移行支援部13を主語とする文で処理を説明する場合、プロセッサ21が当該機能部を実現するプログラム(ストレージ候補評価プログラム12a、移行支援プログラム13a)を実行していることを示す。
【0031】
主記憶装置22は、RAMなどで、揮発性記憶素子を有し、プロセッサ21が実行するプログラムや、データを記憶する。
【0032】
副記憶装置23は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで、不揮発性記憶素子を有し、プログラムやデータ等を記憶する装置である。副記憶装置23は、記憶部23(図1参照)である。副記憶装置23は、評価プログラム11aと、ストレージ候補評価プログラム12aと、移行支援プログラム13aと、ストレージ装置監視プログラム14aと、がインストールされている。また、副記憶装置23は、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231と、クラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232と、ボリューム稼働情報テーブル233と、CO排出係数取得場所テーブル234と、ボリューム評価テーブル235と、ストレージ装置評価テーブル236と、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237と、クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238と、要件情報テーブル239と、要件充足ストレージ装置テーブル240と、移行可能テーブル241と、移行保留テーブル242と、移行元ストレージ読出速度テーブル243と、移行先ストレージ書込速度テーブル244と、を格納している。
【0033】
オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231は、詳細は図3を用いて後述するが、使用中のオンプレミス環境のストレージ装置100に関する情報を保存している。
【0034】
クラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232は、詳細は図4を用いて後述するが、使用中のクラウド環境のストレージ装置100に関する情報を保存している。
【0035】
ボリューム稼働情報テーブル233は、詳細は図5を用いて後述するが、使用中のストレージ装置100に作成されているボリュームに関する情報を保存している
CO排出係数取得場所テーブル234は、詳細は図6を用いて後述するが、オンプレミス環境のストレージ装置100に供給する電力のCO排出係数の値を格納している電力供給元情報サーバ520の場所の情報を保存している。
【0036】
ボリューム評価テーブル235は、詳細は図7を用いて後述するが、使用中のボリュームの評価結果の情報を保存している。
【0037】
ストレージ装置評価テーブル236は、詳細は図8を用いて後述するが、使用中のストレージ装置100の評価結果の情報を保存している。
【0038】
オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237は、詳細は図9を用いて後述するが、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置に関する情報を保存している。
【0039】
クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238は、詳細は図10を用いて後述するが、未使用のクラウド環境のストレージ装置に関する情報を保存している。
【0040】
要件情報テーブル239は、詳細は図11を用いて後述するが、新規ストレージ装置の要件に関する情報を保存している。
【0041】
要件充足ストレージ装置テーブル240は、詳細は図12を用いて後述するが、要件を充足する新規ストレージの候補のストレージ装置に対する評価結果の情報を保存している。
【0042】
移行可能テーブル241は、詳細は図13を用いて後述するが、安定した移行が直ちに可能なボリュームに関する情報を保存している。
【0043】
移行保留テーブル242は、詳細は図14を用いて後述するが、安定した移行が直ちに行うことが困難なボリュームの評価の情報を保存している。
【0044】
移行元ストレージ読出速度テーブル243は、詳細は図15を用いて後述するが、移行元ストレージ装置の、データ読出速度の時間変化に関する情報を保存している。
【0045】
移行先ストレージ書込速度テーブル244は、詳細は図16を用いて後述するが、移行先ストレージ装置の、データ書込速度の時間変化に関する情報を保存している。
【0046】
入力装置24は、キーボードやマウスなどのユーザの操作を受け付ける装置であり、ユーザの操作により入力された情報を取得する。出力装置25は、ディスプレイなど情報を出力する装置であり、例えば画面への表示により情報をユーザに提示する。なお、ストレージ運用支援装置1は、入力装置24および出力装置25を兼ねるタッチパネルを備えても良い。
【0047】
ネットワークI/F26は、サプライヤ情報サーバ510や、電力供給元情報サーバ520や、ユーザ端末500等の装置と、ネットワークNWを介してデータを送受信可能なインターフェース(送受信装置)である。ストレージ運用支援装置1は、ネットワークI/F26を用いて、ネットワークNWL、NWに接続されている、サプライヤ情報サーバ510や、電力供給元情報サーバ520や、ユーザ端末500等の装置とデータの送受信を行うことができる。
【0048】
サプライヤ情報サーバ510、電力供給元情報サーバ520、ユーザ端末500は、ストレージ運用支援装置1と同様のハードウェア資源で実現できる。すなわち、サプライヤ情報サーバ510、電力供給元情報サーバ520、ユーザ端末500はストレージ運用支援装置1と同様に、例えばPCやサーバ
コンピューターのような一般的な情報処理装置で実現できる。
【0049】
<各種データ構造>
次に、図3図16を用いてストレージ運用支援装置1で使用される各種データのデータ構成について説明する。なお、図3図16および以下で説明する、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231、クラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232、ボリューム稼働情報テーブル233、CO排出係数取得場所テーブル234、ボリューム評価テーブル235、ストレージ装置評価テーブル236、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237、クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238、要件情報テーブル239、要件充足ストレージ装置テーブル240、移行可能テーブル241、移行保留テーブル242、移行元ストレージ読出速度テーブル243、移行先ストレージ書込速度テーブル244、のフィールドの構成は例であり、適宜変更できる。
【0050】
図3は、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231のデータ構成の一例を示す図である。図3に示すオンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231では、ストレージ装置ID301と、抽出日時302と、設置地域303と、製品名304と、電力供給元305と、電力供給元CO排出係数306と、年間消費電力307と、再生エネルギー年間使用電力308と、ストレージ装置のIOPS309と、容量310と、圧縮率311と、価格312と、耐用年数313と、をフィールドとするレコードを格納している。
【0051】
ストレージ装置ID301は、オンプレミス環境のストレージ装置100のIDを格納するフィールドである。抽出日時302は、レコードを生成した日時を格納するフィールドである。
【0052】
設置地域303は、オンプレミス環境のストレージ装置100が設置されている地域の名前を格納するフィールドである。製品名304は、オンプレミス環境のストレージ装置100の製品名を格納するフィールドである。
【0053】
電力供給元305は、オンプレミス環境のストレージ装置100に電力を供給する電力供給元(例えば電力会社)の名称を格納するフィールドである。
【0054】
電力供給元CO排出係数306は、ストレージ運用支援装置1が電力供給元305の電力供給元から取得した、オンプレミス環境のストレージ装置100に供給される電力のCO排出係数を格納するフィールドである。
【0055】
年間消費電力307は、オンプレミス環境のストレージ装置100の年間消費電力を格納するフィールドである。年間消費電力307の値は、ストレージ運用支援装置1が、ストレージ装置監視プログラム14a(図2参照)を実行して、オンプレミス環境のストレージ装置100にアクセスして取得した、消費電力計測器が計測した、オンプレミス環境のストレージ装置100の単位時間当たりの消費電力の値から算出した、オンプレミス環境のストレージ装置100の年間消費電力の値である。
【0056】
再生エネルギー年間使用電力308は、オンプレミス環境のストレージ装置100が使用している、再生可能エネルギー発電装置200(図1参照)から供給される再生可能エネルギーの電力を、1年あたりに使用する電力(年間使用電力)に換算した値を格納するフィールドである。再生エネルギー年間使用電力308の値は、ストレージ運用支援装置1が、ストレージ装置監視プログラム14a(図2参照)を実行して、オンプレミス環境のストレージ装置100にアクセスして取得する。
【0057】
ストレージ装置のIOPS309は、ストレージ装置のIOPSを格納するフィールドである。ストレージ運用支援装置1は、ストレージ装置監視プログラム14a(図2参照)を実行して、オンプレミス環境のストレージ装置100にアクセスして、ストレージ装置のIOPS309の値を取得できる。
【0058】
容量310は、オンプレミス環境のストレージ装置100の記憶容量を格納するフィールドである。圧縮率311は、オンプレミス環境のストレージ装置100の平均的なデータ圧縮率を格納するフィールドである。オンプレミス環境のストレージ装置100がデータ圧縮機能を有さない場合には、圧縮率311の値は、1である。
【0059】
図17は、圧縮率および換算容量を説明する説明図である。図17に示すように、ストレージ運用支援装置1は、ストレージ装置の物理的な実容量(図17に示す「ストレージ装置実容量」)を圧縮率で割った、ストレージ装置の換算容量(図17に示す「ストレージ装置換算容量」)を算出して、ストレージ装置に実質的に保存できるデータ量(すなわち、換算容量)を算出できる。図3に示すオンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231において、容量310の値は、ストレージ装置の物理的な実容量である。ストレージ装置の換算容量は、容量310の値に、圧縮率311の値を割った値(換算容量=容量310の値/圧縮率311)である。なお、所定の値(例えば、0.9)である換算定数を、容量310の値と、圧縮率とにかけた値を、換算容量の値としてもよい(換算容量=換算定数×容量310の値/圧縮率311)。
【0060】
価格312は、オンプレミス環境のストレージ装置100の価格を格納するフィールドである。価格312の値は、オンプレミス環境のストレージ装置100の購入時の価格が望ましく、オンプレミス環境のストレージ装置100の現時点の価格でもよい。
【0061】
耐用年数313は、オンプレミス環境のストレージ装置100の耐用年数を格納するフィールドである。
【0062】
ストレージ運用支援装置1は、以上で説明したオンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル321のレコードを、例えば、次のように所定のタイミングで作成し、保存する。すなわち、ストレージ運用支援装置1は、電力供給元CO排出係数306、年間消費電力307、ストレージ装置のIOPS309それぞれの値を、所定のタイミング(例えば、1週間毎)で、ストレージ装置監視プログラム14a(図2参照)を実行して取得する。そして、ストレージ運用支援装置1は、取得した日時を抽出日時302の値とし、設置地域303、製品名304、電力供給元305、容量310、圧縮率311、価格M、耐用年数313の値を、以前にオンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル321に作成されたレコードのうちで、ストレージ装置IDが、作成しているレコードのストレージ装置IDと同一のレコードから取得する。このように取得した抽出日時302~耐用年数313の値を、ストレージ装置IDと対応付けた新規レコードを、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル321に保存する。
【0063】
なお、ストレージ装置ID301の値が「Ref1」のレコードは、標準的なオンプレミス環境のストレージ装置(基準ストレージ装置)の情報を保存しているレコードである。基準ストレージ装置を、最低限の性能や容量を備えるオンプレミス環境のストレージ装置とし、ストレージ装置ID301の値が「Ref1」のレコードに、最低限の性能や容量を備えるオンプレミス環境のストレージ装置の情報を保存してもよい。また、基準ストレージ装置を、平均的な性能や容量を備えるストレージ装置とし、ストレージ装置ID301の値が「Ref1」のレコードに、平均的な性能や容量を備えるオンプレミス環境のストレージ装置の情報を保存してもよい。
【0064】
図4は、クラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232のデータ構成の一例を示す図である。図4に示すクラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232では、ストレージ装置ID401と、抽出日時402と、サービス名403と、容量あたり年間CO排出量404と、容量あたり月額使用料405と、ボリューム使用容量406と、ストレージ最大容量407と、をフィードとするレコードを格納している。
【0065】
ストレージ装置ID401は、クラウド環境のストレージ装置100のIDを格納するフィールドである。抽出日時402は、レコードを生成した日時を格納するフィールドである。
【0066】
サービス名403は、クラウド環境のストレージ装置100のクラウドサービスの名称を格納するフィールドである。容量あたり年間CO排出量404は、クラウド環境のストレージ装置100を管理する組織(会社等)が公表している容量あたりの年間CO排出量を格納するフィールドである。
【0067】
容量あたり月額使用料405は、クラウド環境のストレージ装置100を管理する組織(会社等)が公表している容量あたりの月額使用料を格納するフィールドである。ボリューム使用容量406は、クラウド環境のストレージ装置100に作成されているボリュームの合計の使用容量を格納するフィールドである。
【0068】
ストレージ最大容量407は、ラウド環境のストレージ装置100を管理する組織(会社等)が公表しているオンプレミス環境のストレージ装置100の最大の容量を格納するフィールドである。
【0069】
なお、ストレージ装置ID401の値が「Ref1」のレコードは、標準的なクラウド環境のストレージ装置(基準ストレージ装置)の情報を保存しているレコードである。基準ストレージ装置を、最低限の性能や容量を備えるクラウド環境のストレージ装置とし、ストレージ装置ID401の値が「Ref1」のレコードに、最低限の性能や容量を備えるクラウド環境のストレージ装置の情報を保存してもよい。また、基準ストレージ装置を、平均的な性能や容量を備えるストレージ装置とし、ストレージ装置ID401の値が「Ref1」のレコードに、平均的な性能や容量を備えるクラウド環境のストレージ装置の情報を保存してもよい。
【0070】
図5は、ボリューム稼働情報テーブル233のデータ構成の一例を示す図である。図5に示すボリューム稼働情報テーブル233では、ボリュームID501と、抽出日時502と、ストレージ装置ID503と、ボリュームIOPS504と、ボリューム容量505と、をフィードとするレコードを格納している。
【0071】
ボリュームID501は、オンプレミス環境のストレージ装置100またはクラウド環境のストレージ装置100に作成されたボリュームのIDを格納するフィールドである。抽出日時502は、レコードを生成した日時を格納するフィールドである。
【0072】
ストレージ装置ID503は、ボリュームが作成されているストレージ装置のIDを格納するフィールドである。ボリュームIOPS504は、ボリュームのIOPSを格納するフィールドである。ボリュームIOPS504の値は、ストレージ運用支援装置1が、ストレージ装置監視プログラム14a(図2参照)を実行して、ストレージ装置にアクセスして取得できるようになっている。
【0073】
ボリューム容量505は、ボリュームの容量を格納するフィールドである。
【0074】
図6は、CO排出係数取得場所テーブル234のデータ構成の一例を示す図である。図6に示すCO排出係数取得場所テーブル234では、電力供給元601と、場所602と、をフィードとするレコードを格納している。電力供給元601は、オンプレミス環境のストレージ装置100に電力を供給する組織(例えば会社)の名称を格納するフィールドである。場所602は、オンプレミス環境のストレージ装置100に電力を供給する組織(例えば会社)のネットワークNW上の場所(URLやIPアドレス)を格納するフィールドである。
【0075】
図7は、ボリューム評価テーブル235のデータ構成の一例を示す図である。図7に示すボリューム評価テーブル235では、ボリュームID701と、評価日時702と、製品名・サービス名703と、総合スコア704と、前回総合スコア705と、CO排出量706と、コスト707と、IOPS708と、環境スコア709と、コストスコア710と、性能スコア711と、をフィードとするレコードを格納している。
【0076】
ボリュームID701は、ボリュームのIDを格納するフィールドである。評価日時702は、レコードを生成した日時を格納するフィールドである。
【0077】
製品名・サービス名703は、ボリュームが作成されているストレージ装置の製品名(ボリュームが作成されているストレージ装置がオンプレミス環境の場合)またはサービス名(ボリュームが作成されているストレージ装置がクラウド環境の場合)を格納するフィールドである。
【0078】
総合スコア704と、前回総合スコア705と、環境スコア709と、コストスコア710と、性能スコア711と、は、ストレージ運用支援装置1がボリュームを評価した評価の値である。
【0079】
総合スコア704は、ストレージ運用支援装置1が算出した環境スコア709の値、コストスコア710の値、性能スコア711の値を用いて算出した、ボリュームに対する総合スコアを格納するフィールドである。
【0080】
前回総合スコア705は、総合スコア704を算出する前に、直近に算出されたボリュームに対する総合スコアを格納するフィールドである。
【0081】
CO排出量706は、ボリュームの1年あたりに換算したCO排出量を格納するフィールドである。コスト707は、ボリュームの1年あたりのコストを格納するフィールドである。IOPS708は、ボリュームのIOPSを格納するフィールドである。IOPS708の値は、ストレージ運用支援装置1が、ストレージ装置監視プログラム14a(図2参照)を実行して、ボリュームにアクセスして、例えば所定量のデータを読み書きすることで取得できる。
【0082】
環境スコア709は、ストレージ運用支援装置1がCO排出量706の値を用いて算出した環境スコアを格納するフィールドである。コストスコア710は、ストレージ運用支援装置1がコスト707の値を用いて算出したコストスコアを格納するフィールドである。性能スコア711は、ストレージ運用支援装置1がIOPS708の値を用いての算出した性能スコアの値を格納するフィールドである。
【0083】
図8は、ストレージ装置評価テーブル236のデータ構成の一例を示す図である。図8に示すストレージ装置評価テーブル236では、ストレージ装置ID801と、評価日時802と、製品名・サービス名803と、総合スコア804と、前回総合スコア805と、CO排出量806と、コスト807と、IOPS808と、環境スコア809と、コストスコア710と、性能スコア711と、をフィールドとするレコードを格納している。
【0084】
ストレージ装置ID801は、ストレージ装置のIDを格納するフィールドである。評価日時802は、レコードを生成した日時を格納するフィールドである。ここで、レコードを生成した日時は、総合スコア804が算出された日時と、ほぼ同じ日時であるため、評価日時802の値は、総合スコア804の値が算出された日時と同じとみなす。
【0085】
製品名・サービス名803は、ストレージ装置の製品名(ストレージ装置がオンプレミス環境の場合)またはサービス名(ストレージ装置がクラウド環境の場合)を格納するフィールドである。
【0086】
総合スコア804と、前回総合スコア805と、環境スコア809と、コストスコア810と、性能スコア811と、は、ストレージ運用支援装置1がストレージ装置を評価した評価の値である。
【0087】
総合スコア804は、ストレージ運用支援装置1が算出した環境スコア809の値、コストスコア810の値、性能スコア811の値を用いて算出した、ストレージ装置に対する総合スコアを格納するフィールドである。
【0088】
前回総合スコア805は、総合スコア804を算出する前に、直近に算出されたストレージ装置に対する総合スコアを格納するフィールドである。
【0089】
CO排出量806は、ストレージ装置の1年あたりに換算したCO排出量を格納するフィールドである。コスト807は、ストレージ装置の1年あたりのコストを格納するフィールドである。IOPS808は、ストレージ装置のIOPSを格納するフィールドである。IOPS808の値は、ストレージ運用支援装置1が、ストレージ装置監視プログラム14a(図2参照)を実行して、ストレージ装置にアクセスして、例えば所定量のデータを読み書きすることで取得できる。
【0090】
環境スコア809は、ストレージ運用支援装置1がCO排出量806の値を用いて算出した環境スコアを格納するフィールドである。コストスコア810は、ストレージ運用支援装置1がコスト807の値を用いて算出したコストスコアを格納するフィールドである。性能スコア811は、ストレージ運用支援装置1がIOPS808の値を用いての算出した性能スコアの値を格納するフィールドである。
【0091】
図9は、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237のデータ構成の一例を示す図である。オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237は、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置に関する情報を保存している。図9に示すオンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237では、候補ストレージID901と、ベンダ名902と、製品名903と、価格904と、耐用年数905と、ストレージ年間消費電力906と、IOPS907と、最大容量908と、圧縮率909と、冗長データ数910と、短縮機能911、をフィードとするレコードを格納している。
【0092】
候補ストレージID901は、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置のIDを格納するフィールドである。ベンダ名902は、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置のベンダ名を格納するフィールドである。製品名903は、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置の製品名を格納するフィールドである。
【0093】
価格904は、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置の価格を格納するフィールドである。耐用年数905は、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置の耐用年数を格納するフィールドである。ストレージ年間消費電力906は、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置の年間消費電力を格納するフィールドである。IOPS907は、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置のIOPSを格納するフィールドである。最大容量908は、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置の最大容量を格納するフィールドである。圧縮率909は、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置のデータの圧縮率を格納するフィールドである。冗長データ数910は、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置の取りうる冗長データコピー数を格納するフィールドである。冗長データコピー数とは、設定可能なRaid等の種類に関連するバックアップのミラーの数である。
【0094】
短縮機能911は、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置の「見かけ移行時間短縮機能」の対応の有無を格納するフィールドである。「見かけ移行時間短縮機能」に対応しているストレージ装置は、短縮機能911の値は「有」である。一方、「見かけ移行時間短縮機能」に対応していないストレージ装置は、短縮機能911の値は「無」である。
【0095】
図18は、見かけ移行時間短縮機能を説明する説明図である。見かけ移行時間短縮機能とは、図18に示すように、移行前ボリューム300oaから、移行先ボリューム300obにデータをコピーして、移行する際に、コピーを実行する装置が、移行先ボリューム300obにアクセスする装置(例えばユーザ端末500)に、コピー(移行)するデータの存在を表示する表示情報(例えばアイコンやファイル名)を、コピー(移行)するデータそれぞれに対して、移行先ボリューム300obにコピーする。そして、移行先ボリューム300obにアクセスする装置(例えばユーザ端末500)が、コピー(移行)するデータを使用するために表示情報にアクセスした際に、コピー(移行)を実行する装置が、コピー(移行)するデータのコピー(移行)が完了していない場合に、他のデータのコピーよりも優先して、アクセスされた表示情報に対するデータを、コピー(移行)する機能である。見かけ移行時間短縮機能により、移行先ボリューム300obにアクセスする装置(例えばユーザ端末500)のユーザからは、データのコピー(移行)が、所定の移行短縮時間以内に、完了したように見える。そこで、ストレージ運用支援装置1は、ストレージ装置が、見かけ移行時間短縮機能に対応している場合には、移行前ボリュームから、移行先ボリュームへのデータの移行(コピー)にかかる時間を、移行短縮時間とみなすことができる。移行短縮時間とは、見かけ移行時間短縮機能により、コピー(移行)するデータの存在を表示する表示情報(例えばアイコンやファイル名)のコピーが完了したと考えることができる所定長さの時間(例えば、1分)である。
【0096】
図10は、クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238のデータ構成の一例を示す図である。クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238は、未使用のクラウド環境のストレージ装置に関する情報を保存している。図10に示すクラウド環境ストレージ候補情報テーブル238では、候補ストレージID1001、ベンダ名1002、サービス名1003、容量あたり月額使用料1004、容量あたり年間CO排出量1005、IOPS1006、最大容量1007、をフィードとするレコードを格納している。
【0097】
候補ストレージID1001は、未使用のクラウド環境のストレージ装置のIDを格納するフィールドである。ベンダ名1002は、未使用のクラウド環境のストレージ装置のベンダ名を格納するフィールドである。サービス名1003は、未使用のクラウド環境のストレージ装置のサービス名を格納するフィールドである。
【0098】
容量あたり月額使用料1004、容量あたり年間CO排出量1005、IOPS1006、最大容量1007それぞれは、図4に示すクラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232のフィールドと同様のフィールドであり、未使用のクラウド環境のストレージ装置に対する値を格納する。
【0099】
図11は、要件情報テーブル239のデータ構成の一例を示す図である。図11に示す要件情報テーブル239では、設定日時1101と、タイプ1102と、重要性バランス1103と、想定容量1104と、IOPS1105と、応答時間1106と、スループット1107と、見かけ移行短縮機能1108と、信頼性1109と、目標CO削減量1110と、CO排出量上限1111と、消費電力上限1112と、をフィードとするレコードを格納している。これらのフィールドの値は、ストレージ運用支援装置1が、図24を用いて後述する、ストレージ候補評価処理を実行する前に、図23を用いて後述する評価画面に入力された値である。これらのフィールドは、新たに導入を検討している新規ストレージ装置に対する要件の情報(「要件情報」と称する場合もある)である。
【0100】
図12は、要件充足ストレージ装置テーブル240のデータ構成の一例を示す図である。要件充足ストレージ装置テーブル240は、未使用のストレージ装置のうちで、要件を満たすストレージ装置(「候補ストレージ装置」と称する)に対する評価の情報を格納している。図12に示す要件充足ストレージ装置テーブル240では、候補ストレージID1201と、製品名・サービス名1202と、評価日時1203と、CO排出量1204と、コスト1205と、IOPS1206と、総合スコア1207と、環境スコア1208と、コストスコア12090と、性能スコア1210と、をフィードとするレコードを格納している。これらのフィールドは、図8に示すストレージ装置評価テーブル236のフィールド(ストレージ装置ID801と、評価日時802と、製品名・サービス名803と、総合スコア804と、CO排出量806と、コスト807と、IOPS808と、環境スコア809と、コストスコア710と、性能スコア711)と同様のフィールドであるため、これらのフィールドの説明を省略する。
【0101】
図13は、移行可能テーブル241のデータ構成の一例を示す図である。移行可能テーブル241には、ストレージ運用支援装置1の移行支援処理で、ストレージ運用支援装置1が直ちに移行可能と判定した、ボリュームの移行の情報が格納されている。図13に示す移行可能テーブル241では、移行ID1301と、移行元ストレージID1302と、移行元ボリュームID1302と、移行先ストレージID1304と、移行先ボリュームID1305と、移行時間短縮機能1306と、推定移行時間1307と、実行指示1308と、をフィードとするレコードを格納している。
【0102】
移行ID1301は、移行元ボリュームと移行先ボリュームの組を識別するIDを格納するフィールドである。
【0103】
移行元ストレージID1302は、移行元ストレージ装置のストレージ装置IDを格納するフィールドである。移行元ボリュームID1303は、移行元ボリュームのボリュームIDを格納するフィールドである。
【0104】
移行先ストレージID1304は、移行先ストレージ装置のストレージ装置IDを格納するフィールドである。移行先ボリュームID1305は、移行先ボリュームのボリュームIDを格納するフィールドである。
【0105】
移行時間短縮機能1306は、レコードの移行に対して、見かけ移行時間短縮機能を使用できるか否かの情報を格納するフィールドである。移行時間短縮機能1303の値が「有」の場合には、レコードの情報の移行に対して見かけ移行時間短縮機能を使用できる。一方、移行時間短縮機能1303の値が「無」の場合には、レコードの移行に対して見かけ移行時間短縮機能を使用できない。
【0106】
推定移行時間1307は、ストレージ運用支援装置1が算出した、レコードの情報の移行にかかる時間を格納するフィールドである。
【0107】
実行指示1308は、レコードの情報の移行を実行する指示の有無の情報を格納するフィールドである。
【0108】
図14は、移行保留テーブル242のデータ構成の一例を示す図である。移行保留テーブル242には、ストレージ運用支援装置1の移行支援処理で、ストレージ運用支援装置1が直ちに移行可能できないと判定した、ボリュームの移行の情報が格納されている。図14に示す移行保留テーブル242では、移行ID1401と、移行元ストレージID1402と、移行元ボリュームID1402と、移行先ストレージID1404と、移行先ボリュームID1405と、移行時間短縮機能1406と、移行可能時刻1407と、実行指示1408と、をフィードとするレコードを格納している。
【0109】
移行ID1401は、移行元ボリュームと移行先ボリュームの組を識別するIDを格納するフィールドである。
【0110】
移行元ストレージID1402は、移行元ストレージ装置のストレージ装置IDを格納するフィールドである。移行元ボリュームID1403は、移行元ボリュームのボリュームIDを格納するフィールドである。
【0111】
移行先ストレージID1404は、移行先ストレージ装置のストレージ装置IDを格納するフィールドである。移行先ボリュームID1405は、移行先ボリュームのボリュームIDを格納するフィールドである。
【0112】
移行時間短縮機能1406は、レコードの移行に対して、見かけ移行時間短縮機能を使用できるか否かの情報を格納するフィールドである。移行時間短縮機能1403の値が「有」の場合には、レコードの情報の移行に対して見かけ移行時間短縮機能を使用できる。一方、移行時間短縮機能1403の値が「無」の場合には、レコードの移行に対して見かけ移行時間短縮機能を使用できない。
【0113】
移行可能時刻1407は、ストレージ運用支援装置1が算出した、レコードの情報の移行が可能になると推定できる時刻の情報である。
【0114】
実行指示1408は、レコードの情報の移行を実行する指示の有無の情報を格納するフィールドである。
【0115】
図15は、移行元ストレージ読出速度テーブル243のデータ構成の一例を示す図である。移行元ストレージ読出速度テーブル243は、移行元ストレージ装置のIDと、時刻と、移行元ストレージ装置のデータ読出速度とを対応づけた情報を保存している。図15に示す移行元ストレージ読出速度テーブル243では、移行元ストレージID1501と、時刻1502と、読出速度1503と、をフィードとするレコードを格納している。
【0116】
移行元ストレージID1501は、移行元ストレージ装置のIDを格納するフィールドである。
【0117】
時刻1502は、時刻(24時制)を格納するフィールドである。読出速度1503は、時刻1502における移行元ストレージ装置のデータ読出速度を格納するフィールドである。読出速度1503の値は、ストレージ運用支援装置1が、時刻1502に、ストレージ装置監視プログラム14a(図2参照)を実行して、ストレージ装置にアクセスして、例えば所定量のデータを読み出すことで取得した値である。読出速度1503は、所定の日毎に計測した値の平均値を用いてもよい。また、ストレージ運用支援装置1は、毎日、時刻1502に、ストレージ装置監視プログラム14a(図2参照)を実行して、ストレージ装置にアクセスして、例えば所定量のデータを読み出すことで、時刻1502のデータ読出速度を取得し、直近の数日間に取得したデータ読出速度の値の平均値を読出速度1503の値にしてもよい。
【0118】
図16は、移行先ストレージ書込速度テーブル244のデータ構成の一例を示す図である。移行先ストレージ書込速度テーブル244は、移行先ストレージ装置のIDと、時刻と、移行先ストレージ装置のデータ書込速度とを対応づけた情報を保存している。図16に示す移行先ストレージ書込速度テーブル244では、移行先ストレージID1601と、時刻1602と、書込速度1603と、をフィードとするレコードを格納している。
【0119】
移行先ストレージID1601は、移行先ストレージ装置のIDを格納するフィールドである。時刻1602は、時刻(24時制)を格納するフィールドである。
【0120】
書込速度1603は、時刻1602における移行先ストレージ装置のデータ書込速度を格納するフィールドである。書込速度1603の値は、ストレージ運用支援装置1が、時刻1602に、ストレージ装置監視プログラム14a(図2参照)を実行して、ストレージ装置にアクセスして、例えば所定量のデータを読み出すことで取得した値である。書込速度1603は、所定の日毎に計測した値の平均値を用いてもよい。また、ストレージ運用支援装置1は、毎日、時刻1602に、ストレージ装置監視プログラム14a(図2参照)を実行して、ストレージ装置にアクセスして、例えば所定量のデータを読み出すことで、時刻1602のデータ書込速度を取得し、直近の数日間に取得したデータ書込速度の値の平均値を書込速度1603の値にしてもよい。
【0121】
なお、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231と、クラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232と、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237と、クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238とが、ストレージ装置の状態の情報を格納する「ストレージ装置情報」である。
【0122】
「使用中ストレージ装置特定情報」は、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231と、クラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232とに保存されているストレージ装置IDである。
【0123】
要件充足ストレージ装置テーブル240に保存されている候補ストレージIDは、要件情報に含まれる要件を満たす候補ストレージ装置を特定できる「候補ストレージ装置特定情報」である。
【0124】
オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237(図9参照)と、クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238(図10参照)とが、未使用ストレージ装置を特定する「未使用ストレージ装置特定情報」と、未使用ストレージ装置の仕様とを対応づけて保存する「未使用ストレージ装置仕様情報」と、を対応づけた「未使用ストレージ装置使用情報」である。ここで、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237(図9参照)の候補ストレージID901の値は、未使用のオンプレミス環境のストレージ装置のIDであり、「未使用ストレージ装置特定情報」である。また、クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238(図10参照)の候補ストレージID1001の値は、未使用のクラウド環境のストレージ装置のIDであり、「未使用ストレージ装置特定情報」である。
【0125】
そして、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237のベンダ名902~短縮機能911と、クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238のベンダ名1002~最大容量1007とが、未使用ストレージ装置の仕様とを対応づけて保存する「未使用ストレージ装置仕様情報」である。
【0126】
また、要件充足ストレージ装置テーブル240(図12参照)は、候補ストレージ装置評価情報である。要件充足ストレージ装置テーブル240の候補ストレージID1201の値が、候補ストレージ特定情報である。
【0127】
<<処理手順>>
次に、ストレージ運用支援装置1の処理手順について説明する。ユーザは、ユーザ端末500を操作して、ユーザ端末500に、ストレージ運用支援装置1にアクセスさせる。ストレージ運用支援装置1は、ユーザ端末500からアクセスされると、評価画面情報をユーザ端末500に送信する。評価画面情報は、評価画面の構成の情報と、ユーザ端末500に評価画面を表示させる旨の情報と、を含む。以下に説明するように、評価画面は、新たに使用するストレージ装置に対する条件を入力できるように構成されている。なお、ストレージ運用支援装置1のユーザが、入力装置24から評価画面を表示させる指示をストレージ運用支援装置1に入力し、ストレージ運用支援装置1が出力装置25(モニタ)に評価画面を表示させてもよい。
【0128】
図19は、ユーザ端末500またはストレージ運用支援装置1の出力装置25(モニタ)に表示される評価画面1900の一例を示す説明図である。図19に示す評価画面1900は、ストレージ評価タブ1901、新規ストレージ候補タブ1902と、移行支援タブ1903と、の3つのタブと、これらのタブのうちでクリックなどにより選択されたタブに応じて中に描かれる内容が変更される表示領域1905と、を有している。
【0129】
ストレージ評価タブ1901が選択された場合には、表示領域1905には、現在使用中のストレージを評価する評価処理を実行する際の条件の入力欄等が描かれる。新規ストレージ候補タブ1902が選択された場合(図23参照)には、表示領域1905には、新規ストレージの要件の入力を受け付ける入力欄等が描かれる。また、移行支援タブ1903が選択された場合(図27参照)には、表示領域1905には、移行元ストレージの移行元ボリュームに含まれる情報を、移行先ストレージの移行先ボリュームにコピーしてする移行の操作の際に、移行元ボリュームの移行に関する情報が描かれる。
【0130】
図19には、ストレージ評価タブ1901が選択されている場合の評価画面1900の一例を示した。図19のストレージ評価タブ1901は、選択されていること示すために、背景が黒色に塗られている。
【0131】
図19に示すように、ストレージ評価タブ1901が選択されている場合の評価画面1900の表示領域1905には、評価対象ストレージ装置選択ボタン1911と、スコア重み設定テーブル1912と、基準日選択ボタン1913と、相対スコア表示テーブル1914と、ストレージ装置時系列評価グラフ1915と、値切り替えボタン1916と、ストレージ装置ボリューム切り替えボタン1917と、評価実行ボタン1918と、横棒グラフ1921と、バランスグラフ1922と、を備えている。
【0132】
評価対象ストレージ装置選択ボタン1911は、評価の対象のストレージ装置を選択するボタンである。評価対象ストレージ装置選択ボタン1911が押されると、使用中のストレージ装置のIDのリストが表示されて、使用中のストレージ装置のIDを選択できるようになっている。ここで、使用中のストレージ装置のIDとは、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231およびクラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232に保存されているレコードのストレージ装置のIDである。なお、使用中のストレージ装置のIDのリストの使用中のストレージ装置のIDからは、基準ストレージ装置のID「Ref1」は除かれている。
【0133】
スコア重み設定テーブル1912は、スコア重み(環境スコア重み、コストスコア重みおよび性能スコア重み)の値の入力に用いるテーブルである。詳細は後述するが、ストレージ運用支援装置1は、「総合スコア=環境スコア重み×環境スコア+コストスコア重み×コストスコア+性能スコア重み×性能スコア」の式に値をあてはめて総合スコアを算出する。スコア重み設定テーブル1912の列1912aには、環境スコア重みを示す「環境」、コストスコア重みを示す「コスト」、性能スコア重みを示す「性能(IOPS)」が描かれている。そして、列1912bは、列1912aに対する値を入力する値入力欄が描かれている。値入力欄は、クリックすると、スコア重みの値を入力できるようになっている。
【0134】
基準日選択ボタン1913は、相対スコア表示テーブル1914に示す、ストレージ運用支援装置1が評価処理を実行して算出した評価対象ストレージ装置の評価値(環境を評価する値としてCO排出量、コストを評価する値として評価対象ストレージ装置の1年あたりの価格、性能を評価する値として対象ストレージ装置のIOPS)の相対値を算出するための基準日を設定するボタンである。ストレージ運用支援装置1は、「相対値=評価処理で算出した評価値/基準日に評価処理で算出した評価値 × 100」の式で相対値を算出する。
【0135】
相対スコア表示テーブル1914は、相対値を示すテーブルである。相対スコア表示テーブル1914の列1914aには、環境の相対値を表す「環境」、コストの相対値を表す「コスト」、性能の相対値を示す「性能(IOPS)」が描かれている。そして、列1914bは、列1914aに対する相対値が描かれている。列1914bには、デフォルトとして前回算出された相対値が示される。評価実行ボタン1918が押されると、評価処理が実行されて算出される値に基づいて、列1914bの値は、算出される相対値に更新される。
【0136】
ストレージ装置時系列評価グラフ1915とは、時間に対する、評価対象のストレージ装置を評価する値(縦軸は、次の2種類。1、評価値である、環境スコアに対する値としてCO排出量、コストおよびIOPS。2、スコアである、環境スコア、コストスコアおよび性能スコア)の折れ線グラフである。図19の例では、ストレージ装置時系列評価グラフ1915の縦軸は、2、スコアとなっている。
【0137】
値切り替えボタン1916は、ストレージ装置時系列評価グラフ1915を、縦軸が1、評価値のグラフと、縦軸が2、スコアのグラフと、の切り替えを入力するボタンである。値切り替えボタン1916が押される毎に、ストレージ装置時系列評価グラフ1915が切り替わるようになっている。
【0138】
ストレージ装置ボリューム切り替えボタン1917は、押されると、ストレージ装置時系列評価グラフ1915の表示と、評価対象ストレージ装置に作成されているボリュームを評価する値が保存されているストレージ装置評価テーブル236(図8参照)の表示(図20参照)と、の切り替えを入力するボタンである。ストレージ装置ボリューム切り替えボタン1917が押される毎に、これらの表示が切り替わるようになっている。
【0139】
評価実行ボタン1918は、評価対象ストレージ装置選択ボタン1911を用いて選択された評価の対象のストレージ装置のIDと、スコア重み設定テーブル1912に入力されたスコア重み(環境スコア重み、コストスコア重みおよび性能スコア重み)の値と、を入力として、ストレージ運用支援装置1が、以下に説明する評価処理を実行する指示を入力するボタンである。
【0140】
評価実行ボタン1918が押されると、評価対象ストレージ装置選択ボタン1911を用いて選択された評価の対象のストレージ装置のIDと、スコア重み設定テーブル1912に入力されたスコア重み(環境スコア重み、コストスコア重みおよび性能スコア重み)の値と、を入力として、評価処理を実行する旨が、ストレージ運用支援装置1に送信される。ストレージ運用支援装置1は、受信すると、受信した評価の対象のストレージ装置(評価対象ストレージ装置)のIDと、スコア重み(環境スコア重み、コストスコア重みおよび性能スコア重み)の値とを、入力として、以下に説明する評価処理を実行する。評価処理の説明において、「評価対象ストレージ装置」とは、評価(環境スコア、コストスコア、性能スコア、総合スコア)を算出する対象のストレージ装置である。
【0141】
横棒グラフ1921は、後述する、環境スコア重みと、コストスコア重みと、性能スコア重みとの比率を示す横棒グラフである。また、バランスグラフ1922は、環境スコア重みと、コストスコア重みと、性能スコア重みとの比率を示すグラフである。
【0142】
図20は、ユーザ端末500またはストレージ運用支援装置1の出力装置25(モニタ)に表示される、ストレージ装置評価テーブル236(図8参照)を表示する評価画面2000の一例を示す説明図である。図20に示す評価画面2000は、図19の評価画面1900において、ストレージ装置ボリューム切り替えボタン1917が押されたことで評価画面1900から、表示が切り替わった、評価画面2000の例である。図20に示すように、評価画面2000は、ストレージ装置評価テーブル236の一部を表示するストレージ装置評価テーブル2015と、ストレージ装置ボリューム切り替えボタン2016と、評価実行ボタン1918とを備えている。ここで、ストレージ装置評価テーブル1711の構成は、ストレージ装置評価テーブル236(図8参照)の構成と同様である。また、評価画面2000のストレージ装置ボリューム切り替えボタン2016は、図19に示す評価画面1900の値切り替えボタン1916と同様である。ストレージ装置ボリューム切り替えボタン2016は、図19に示す評価画面1900の表示に切り替える指示を入力するボタンである。ストレージ装置ボリューム切り替えボタン2016が押されると、評価画面の表示が図20に示す評価画面2000から、図19に示す評価画面1900に切り替わるようになっている。評価実行ボタン1918は、図19に示す評価画面1900の評価実行ボタン1918と同様である。
【0143】
<A、評価処理、図21
図21は、実施例の評価処理の例を示すフローチャートである。図21に一例を示す評価処理は、ストレージ運用支援装置1の評価部31(図1参照)が実行する。上述したが、図19に示す評価画面1900または図20に示す評価画面2000の評価実行ボタン1918が押されると、評価部31は、評価対象ストレージ装置選択ボタン1911を用いて選択された評価の対象のストレージ装置のIDと、スコア重み設定テーブル1912に入力されたスコア重み(環境スコア重み、コストスコア重みおよび性能スコア重み)の値と、を入力として、評価処理を実行するようになっている。
【0144】
ストレージ運用支援装置1は、使用中のストレージ装置の状態の情報を格納するストレージ装置情報(オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231またはクラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232)と、ボリューム稼働情報テーブル233と、を参照して、評価画面1900に入力された評価の対象ストレージ装置ID(「評価対象ストレージ装置ID」とも称する)に対応づけられているストレージ装置(「評価対象ストレージ装置」とも称する)の情報および評価対象ストレージ装置に作成されているすべてのボリュームのIDを取得し、保存する(ステップS101)。
【0145】
ここで、ストレージ運用支援装置1は、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231およびクラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232を参照して、入力のストレージ装置のID(評価対象ストレージ装置選択ボタン1911を用いて選択された評価の対象のストレージ装置のID)を保存しているレコード(評価対象レコードとする)を少なくとも1つ取得する。
【0146】
評価対象レコードが、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231に保存されている場合(すなわち、評価対象ストレージ装置が、オンプレミス環境のストレージ装置の場合)には、ストレージ運用支援装置1は、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231(図3参照)を参照して、評価画面1900に入力された評価対象ストレージ装置IDに対応づけられている、直近のレコードから、設置地域303の値と、製品名304の値と、電力供給元305の値と、容量310の値と、圧縮率311の値と、価格312の値と、耐用年数313の値と、を取得する。
【0147】
そして、ストレージ運用支援装置1は、CO排出係数取得場所テーブル234(図6参照)を参照して、取得した電力供給元305の値に対応づけられた場所602(すなわち、図1に示す電力供給元情報サーバ520の場所)を取得する。ストレージ運用支援装置1は、取得した場所602にアクセスして、既存のテキストマイニング技術などを用いてCO排出係数[kg-CO2/kWh]の値を取得する。
【0148】
また、ストレージ運用支援装置1は、ストレージ装置監視プログラム14aを実行して、オンプレミス環境にある評価対象ストレージ装置から、評価対象ストレージ装置の消費電力と、評価対象ストレージ装置の再生可能エネルギー発電装置200から供給された電力を1年あたりの電力(単位は[kW/year])に換算した値(再生エネルギー年間使用電力)と、評価対象ストレージ装置のIOPSの値と、を取得する。ストレージ運用支援装置1は、取得した評価対象ストレージ装置の消費電力を、評価対象ストレージ装置の年間消費電力[kW/year](以下、「評価対象ストレージ装置換算年間消費電力」と称する)に換算する。
【0149】
ストレージ運用支援装置1は、以上の様に取得した、設置地域303の値と、製品名304の値と、電力供給元305の値と、容量310の値(以下、「評価対象ストレージ容量」と称する)と、圧縮率311の値と、価格312の値(以下、「評価対象ストレージ装置価格」と称する)と、耐用年数313の値と、CO排出係数[kg-CO2/kW]の値(電力供給元CO排出係数306)と、評価対象ストレージ装置のIOPSの値(ストレージ装置のIOPS309)と、評価対象ストレージ装置の年間消費電力(年間消費電力307)と、評価対象ストレージ装置の再生エネルギー年間使用電力(再生エネルギー年間使用電力308)と、評価対象ストレージ装置ID(ストレージ装置ID301)と、現在の時刻(抽出日時302)とを、対応付けた新規のレコード(「評価対象ストレージ装置レコード」と称する)を、主記憶装置22およびオンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231に保存する。
【0150】
一方、評価対象レコードが、クラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232に保存されている場合(すなわち、評価対象ストレージ装置が、クラウド環境のストレージ装置の場合)には、ストレージ運用支援装置1は、クラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232(図4参照)を参照して、評価画面1900に入力された評価対象ストレージ装置IDに対応づけられている、直近のレコードから、サービス名403と、を取得する。
【0151】
そして、ストレージ運用支援装置1は、サービス名403のクラウド環境から、容量あたり年間CO排出量[kg-CO2/TB]と、容量あたり月額使用料[¥/TB/month]と、評価対象ストレージ装置IDのボリューム容量[TB]と、ストレージ最大容量[TB]と、を取得する。ストレージ運用支援装置1は、取得したこれらの値と、抽出日時402として現在の時刻と、を対応付けて保存する新規のレコード(「評価対象ストレージ装置レコード」と称する)を生成し、主記憶装置22およびクラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232(図4参照)に保存する。以上では、ストレージ運用支援装置1は、評価対象ストレージ装置の情報を取得し、保存した。
【0152】
ストレージ運用支援装置1は、ボリューム稼働情報テーブル233を参照して、評価画面1900に入力された評価対象ストレージ装置IDに対応づけられている、直近(抽出日時502が最近)のすべてのレコードのボリュームID501(すべての「評価対象ボリュームID」と称する)を取得し、主記憶装置22に保存する。ここで、取得したボリュームID501は、評価対象ストレージ装置に作成されたすべてのボリュームのボリュームIDである。
【0153】
また、ストレージ運用支援装置1は、ストレージ装置監視プログラム14aを実行して、オンプレミス環境またはクラウド環境の評価対象ストレージ装置から、取得したボリュームID501(評価対象ボリュームID)のボリュームそれぞれに対する、ボリュームのIOPSと、ボリューム容量とを取得する。そして、ストレージ運用支援装置1は、取得したボリュームID501(評価対象ボリュームID)それぞれと、取得したボリュームのIOPSと、ボリューム容量と、評価対象ストレージ装置IDと、抽出日時502として現在の時刻とを、対応付けて保存する新規のレコード(「評価対象ボリュームレコード」と称する)を生成し、主記憶装置22およびボリューム稼働情報テーブル233に保存する。
【0154】
次に、ストレージ運用支援装置1は評価対象ストレージ装置に作成されたすべてのボリュームに対する、環境スコア、コストスコア、性能スコアおよび総合スコアを算出するループ処理を開始する(ステップS102)。ループ開始のステップS102からループ終了のステップS104の間に示す処理は、ステップS101にて取得した評価対象ストレージ装置に作成されているボリュームのボリュームID毎(すなわち、評価対象ボリュームID毎)に繰り返し行う。ステップS102にて、ストレージ運用支援装置1は、価対象ストレージ装置に作成されたすべてのボリュームのボリュームID(評価対象ボリュームID)のうちで、未処理の評価対象ボリュームIDの中から1つの評価対象ボリュームIDを選択する。
【0155】
次に、ストレージ運用支援装置1は、ステップS102にて選択した評価対象ボリュームIDに対する、環境スコア、コストスコア、性能スコアおよび総合スコアを算出し、ボリューム評価テーブル235(図7参照)に保存する(ステップS103)。ここで、ストレージ運用支援装置1は、図22に示す式を用いて、環境スコア、コストスコア、性能スコアおよび総合スコアを算出する。
【0156】
図22は、ストレージ装置に作成されているボリュームに対するスコアを算出する式の一例を示す図である。まず、ボリュームの環境スコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(1A1)に、評価対象ボリュームレコードのボリューム容量の値と、評価対象ストレージ装置レコードの圧縮率、評価対象ストレージ容量(ストレージ装置容量)と、評価対象ストレージ装置の年間消費電力(ストレージの年間消費電力)と、評価対象ストレージ装置の再生エネルギー年間使用電力(再生エネルギーの年間使用電力)と、CO排出係数と、を代入して得られる値を、ボリュームのCO排出量として算出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、図22の式(1A2)に、算出したボリュームのCO排出量と、環境係数(規定値)と、を代入して得られる値を、ボリュームの環境スコアとして算出する。
【0157】
ここで、式(1A1)の「ボリューム容量×圧縮率/ストレージ装置容量」の項は、評価対象ボリュームが、評価対象ストレージ装置に占める記憶領域の割合を表す。ここで、「ボリューム容量」を「評価対象ストレージの換算容量= 評価対象ストレージ装置容量 / 圧縮率」で割ることで、「評価対象ストレージ容量」の代わりに「評価対象ストレージの換算容量」(図18参照)を用いて、「ボリュームのCO排出量」および「環境スコア」を算出している。これにより、より正確に環境スコアを算出できる。
【0158】
以上では、ボリュームのCO排出量に環境係数を掛けた値を環境スコアとしたが、ボリュームの環境スコアは、ボリュームの環境への負荷を表す値であればよく、環境スコアの算出方法は、適宜変更できる。例えば、以下の様に、ストレージ装置の廃棄による環境への負荷を表す値を、環境スコアに加えてもよい。ストレージ装置は、通常、廃棄する際に、廃棄処分で生じる廃棄物や、廃棄処分により二酸化炭素が発生する。そして、廃棄処分で生じる廃棄物の量や、廃棄処分により発生する二酸化炭素の量は、ストレージ装置の重量が重いほど大きくなり、ストレージ装置の重量が軽いほど小さくなる。そこで、ストレージ装置の重量を、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231の列と、評価対象ストレージ装置レコードのフィールドに加える。
【0159】
そして、ストレージ装置の重量に、評価対象ボリュームレコードのボリューム容量の値と、評価対象ストレージ装置レコードの圧縮率と、重量定数(設定した値)とを掛け、評価対象ストレージ装置容量で割った値を、ボリュームの廃棄負荷量(ボリュームの廃棄負荷量=ストレージ装置の重量×ボリューム容量×圧縮率×重量定数/評価対象ストレージ装置容量)とする。そして、ボリュームの廃棄負荷量と、上記のボリュームのCO排出量との和に、環境係数を掛けた値を、ボリュームの環境スコア(ボリュームの環境スコア=(ボリュームの廃棄負荷量+ボリュームのCO排出量)×環境係数)とする。
【0160】
次に、ボリュームのコストスコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(1B1)に、評価対象ボリュームレコードのボリューム容量の値と、評価対象ストレージ装置レコードの圧縮率、評価対象ストレージ容量(ストレージ装置容量)と、評価対象ストレージ装置価格(ストレージ装置価格)と、評価対象ストレージ装置の耐用年数(ストレージ耐用年数)と、を代入して得られる値を、ボリュームの年間コストとして算出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、図22の式(1B2)に、算出したボリュームの年間コストと、コスト係数(規定値)と、を代入して得られる値を、ボリュームのコストスコアとして算出する。
【0161】
以上では、ボリュームの年間コストから、ボリュームのコストスコアを算出したが、ボリュームのコストスコアは、ボリュームのコストの大きさを表す値であればよく、コストスコアの算出方法は、適宜変更できる。例えば、以下の様に、ストレージ装置の廃棄にかかるコストを、コストスコアに加えてもよい。ストレージ装置は、通常、ストレージ装置の重量が重いほど、ストレージ装置の廃棄にかかるコストは大きくなり、ストレージ装置の重量が軽いほどストレージ装置の廃棄にかかるコストは小さくなる。そこで、ストレージ装置の重量を、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231の列と、評価対象ストレージ装置レコードのフィールドに加える。
【0162】
そして、ストレージ装置の重量に、評価対象ボリュームレコードのボリューム容量の値と、評価対象ストレージ装置レコードの圧縮率と、コスト定数(設定した値)とを掛け、評価対象ストレージ装置容量で割った値を、ボリュームの廃棄コスト(ボリュームの廃棄コスト=ストレージ装置の重量×ボリューム容量×圧縮率×コスト定数/評価対象ストレージ装置容量)とする。そして、ボリュームの廃棄コストと、上記のボリュームの年間コストとの和に、コスト係数を掛けた値を、ボリュームのコストスコア(ボリュームのコストスコア=(ボリュームの廃棄コスト+ボリュームの年間コスト)×環境係数)とする。
【0163】
次に、ボリュームの性能スコアの算出について説明する。式(1C1)に示すように、ボリュームのIOPSを、ボリュームの性能とみなす。そして、ストレージ運用支援装置1は、図22の式(1C2)に、算出したボリュームの性能(ボリュームのIOPS)と、性能係数(規定値)と、性能基準値(規定値、理想とみなせる大きなボリュームの性能の値)を代入して得られる値を、ボリュームの性能スコアとして算出する。ボリュームの性能スコアは、ボリュームのIOPSに応じた値となる。ボリュームの性能スコアは、ボリュームからのデータの読み書きの速度の遅さを表せばよい。ボリュームのIOPSを用いる代わりに、ボリュームの応答時間(ms)や、ボリュームのスループット(MB/s)を用いて、ボリュームの性能スコアを算出してもよい。
【0164】
また、式(1C2)では、ボリュームの性能(ボリュームのIOPS)が大きいほど、ボリュームの性能スコアは小さくなる。すなわち、ボリュームの性能スコアが小さいほど、好適な値となる。これは、以下の様に、ボリュームの性能スコアの値の大きさに対する評価を、ボリュームの環境スコアおよびコストスコアと、同様にするためである。ボリュームのCO排出量が小さい(CO排出量がより好適な値)ほど、ボリュームの環境スコアは小さな値なる。また、ボリュームの年間コストが小さい(年間コストがより好適な値)ほど、ボリュームのコストスコアは小さな値になる。この様に、ボリュームの環境スコアも、ボリュームのコストスコアも、ボリュームの性能スコアも、すべて値が小さくなるほど、好適な値となる。これにより、ユーザが、ボリュームの環境スコアも、ボリュームのコストスコアも、ボリュームの性能スコアが、より好ましい値か否かを判断することが容易になる。
【0165】
次に、ボリュームの総合スコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(D)に、上記の様に算出した、環境スコア、コストスコア、性能スコアと、スコア重み設定テーブル1912に入力されたスコア重み(環境スコア重み、コストスコア重みおよび性能スコア重み)の値と、を代入して得られる値を、ボリュームの総合スコアとして算出する。ボリュームの環境スコアも、ボリュームのコストスコアも、ボリュームの性能スコアも、すべて値が小さくなるほど、好適な値となる。その結果、総合スコアの値が小さくなるほど、好適な値となる。また、上述した、式(1A2)の環境係数、式(1B2)のコスト係数、式(1C2)の性能係数は、評価対象ストレージ装置の、環境負荷(CO排出量)、コスト、性能を、同等に扱って評価できるように調整する係数である。
【0166】
一方、評価対象ストレージ装置が、クラウドのストレージ装置の場合は、次の様に、算出する。まず、ボリュームの環境スコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(2A1)に、評価対象ボリュームレコードのボリューム容量の値と、評価対象ストレージ装置レコードの容量あたり年間CO排出量と、を代入して得られる値を、ボリュームのCO排出量として算出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、図22の式(2A2)に、算出したボリュームのCO排出量と、環境係数(規定値)と、を代入して得られる値を、ボリュームの環境スコアとして算出する。なお、以上では、ボリュームのCO排出量に環境係数を掛けた値を環境スコアとしたが、ボリュームの環境スコアは、ボリュームの環境への負荷を表す値であればよく、環境スコアの算出方法は、適宜変更できる。
【0167】
次に、ボリュームのコストスコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(2B1)に、評価対象ボリュームレコードのボリューム容量の値と、評価対象ストレージ装置レコードの容量あたり月額使用料と、を代入して得られる値を、ボリュームの年間コストとして算出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、図22の式(2B2)に、算出したボリュームの年間コストと、コスト係数(規定値)と、を代入して得られる値を、ボリュームのコストスコアとして算出する。なお、ボリュームのコストスコアは、ボリュームのコストの大きさを表す値であればよく、コストスコアの算出方法は、適宜変更できる。
【0168】
次に、ボリュームの性能スコアの算出について説明する。式(2C1)に示すように、ボリュームのIOPSを、ボリュームの性能とみなす。そして、ストレージ運用支援装置1は、図22の式(2C2)に、算出したボリュームの性能(ボリュームのIOPS)と、性能係数(規定値)と、性能基準値(規定値、理想とみなせる大きなボリュームの性能の値)を代入して得られる値を、ボリュームの性能スコアとして算出する。ボリュームの性能スコアは、ボリュームのIOPSに応じた値となる。ボリュームの性能スコアは、ボリュームからのデータの読み書きの速度の遅さを表せばよい。ボリュームのIOPSを用いる代わりに、ボリュームの応答時間(ms)や、ボリュームのスループット(MB/s)を用いて、ボリュームの性能スコアを算出してもよい。
【0169】
次に、ボリュームの総合スコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(D)に、上記の様に算出した、環境スコア、コストスコア、性能スコアと、スコア重み設定テーブル1912に入力されたスコア重み(環境スコア重み、コストスコア重みおよび性能スコア重み)の値と、を代入して得られる値を、ボリュームの総合スコアとして算出する。ボリュームの環境スコアも、ボリュームのコストスコアも、ボリュームの性能スコアも、ボリュームの総合スコアも、すべて値が小さくなるほど、好適な値となる。
【0170】
さらに、ストレージ運用支援装置1は、以上の様に算出した環境スコア、コストスコア、性能スコア、総合スコアと、ボリュームIDと、を対応づけた新規のレコードを、ボリューム評価テーブル235(図7参照)に保存する。ここで、ストレージ運用支援装置1は、ボリューム評価テーブル235の、ボリュームIDに対応づけられたレコードのうちで、直近のレコードの総合スコアの値を取得し、取得した総合スコアの値を新規レコードの前回総合スコア705の値とする。
【0171】
次に、ストレージ運用支援装置1は、ステップS101にて取得した、評価対象ストレージ装置に作成されたすべてのボリュームのボリュームID(すなわち、評価対象ボリュームID)について処理が完了したか否かを判定する(ステップS104)。ストレージ運用支援装置1が、ステップS104にて、ステップS101にて取得した価対象ストレージ装置に作成されたすべてのボリュームのボリュームID(評価対象ボリュームID)について処理が完了していないと判定した場合は、ストレージ運用支援装置1はステップS102に戻り、処理を継続する。一方、ストレージ運用支援装置1が、ステップS101にて取得した評価対象ストレージ装置に作成されたすべてのボリュームのボリュームID(評価対象ボリュームID)について処理が完了したと判定した場合には、ストレージ運用支援装置1は、ステップS105の処理を実行する。
【0172】
次に、ストレージ運用支援装置1は、評価対象ストレージ装置に対する、環境スコア、コストスコア、性能スコアおよび総合スコアを算出し、ストレージ装置評価テーブル236(図8参照)に保存する(ステップS105)。ここで、ストレージ運用支援装置1は、図22に示す式を用いて、環境スコア、コストスコア、性能スコアおよび総合スコアを算出する。
【0173】
まず、環境スコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(3A1)に、評価対象ストレージ装置レコードの評価対象ストレージ装置の年間消費電力(ストレージの年間消費電力)と、評価対象ストレージ装置の再生エネルギー年間使用電力(再生エネルギーの年間使用電力)と、CO排出係数と、を代入して得られる値を、ストレージ装置のCO排出量として算出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、図22の式(3A2)に、算出したストレージ装置のCO排出量と、環境係数(規定値)と、を代入して得られる値を、環境スコアとして算出する。
【0174】
以上では、ストレージ装置のCO排出量に環境係数を掛けた値を環境スコアとした。ストレージ装置の環境スコアは、ボリュームの環境への負荷を表す値であればよく、環境スコアの算出方法は、適宜変更できる。例えば、ストレージ装置の廃棄による環境への負荷を表す値を、環境スコアに加えてもよい。ストレージ装置は、通常、廃棄処分で生じる廃棄物の量や、廃棄処分により発生する二酸化炭素の量は、ストレージ装置の重量が重いほど大きくなる。そこで、ストレージ装置の重量を、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231の列と、評価対象ストレージ装置レコードのフィールドに加える。
【0175】
そして、ストレージ装置の重量に、重量定数(設定した値)を掛けた値を、ストレージ装置の廃棄負荷量(ストレージ装置の廃棄負荷量=ストレージ装置の重量×重量定数)とする。そして、ストレージ装置の廃棄負荷量と、上記のストレージ装置のCO排出量との和に、環境係数を掛けた値を、ストレージ装置の環境スコア(ストレージ装置の環境スコア=(ストレージ装置の廃棄負荷量+ストレージ装置のCO排出量)×環境係数)とする。
【0176】
次に、コストスコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(3B1)に、評価対象ストレージ装置価格(ストレージ装置価格)と、評価対象ストレージ装置の耐用年数(ストレージ耐用年数)と、を代入して得られる値を、ストレージ装置の年間コストとして算出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、図22の式(3B2)に、算出したストレージ装置の年間コストと、コスト係数(規定値)と、を代入して得られる値を、ストレージ装置のコストスコアとして算出する。
【0177】
ストレージ装置のコストスコアは、ストレージ装置のコストの大きさを表す値であればよく、コストスコアの算出方法は、適宜変更できる。例えば、以下の様に、ストレージ装置の廃棄にかかるコストを、コストスコアに加えてもよい。ストレージ装置は、通常、ストレージ装置の重量が重いほど、ストレージ装置の廃棄にかかるコストは大きくなる。そこで、ストレージ装置の重量を、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231の列と、評価対象ストレージ装置レコードのフィールドに加える。そして、ストレージ装置の重量に、コスト定数(設定した値)を掛けた値を、ストレージ装置の廃棄コスト(ストレージ装置の廃棄コスト=ストレージ装置の重量×コスト定数)とする。そして、ストレージ装置の廃棄コストと、上記のストレージ装置の年間コストとの和に、コスト係数を掛けた値を、ストレージ装置のコストスコア(ストレージ装置のコストスコア=(ストレージ装置の廃棄コスト+ストレージ装置の年間コスト)×環境係数)とする。
【0178】
次に、ストレージ装置の性能スコアの算出について説明する。式(3C1)に示すように、ストレージ装置のIOPSを、ストレージ装置の性能とみなす。そして、ストレージ運用支援装置1は、図22の式(3C2)に、ストレージ装置の性能(ストレージ装置のIOPS)と、性能係数(規定値)と、性能基準値(規定値、理想とみなせる大きなストレージ装置の性能の値)を代入して得られる値を、ストレージ装置の性能スコアとして算出する。ストレージ装置のIOPSに応じて、ストレージ装置の性能スコアは、ストレージ装置のIOPSに応じた値となる。ストレージ装置の性能スコアは、ストレージ装置のデータの読み書きの速度の遅さを表せばよい。評価対象ストレージ装置のIOPSを用いる代わりに、評価対象ストレージ装置の応答時間(ms)や、ボリュームのスループット(MB/s)を用いて、ストレージ装置の性能スコアを算出してもよい。
【0179】
次に、総合スコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(D)に、上記の様に算出した、環境スコア、コストスコア、性能スコアと、スコア重み設定テーブル1912に入力されたスコア重み(環境スコア重み、コストスコア重みおよび性能スコア重み)の値と、を代入して得られる値を、評価対象ストレージ装置の総合スコアとして算出する。また、評価対象ストレージ装置に対する、環境スコアも、コストスコアも、性能スコアも、総合スコアも、すべて値が小さくなるほど、好適な値となる。これにより、ユーザが、評価対象ストレージ装置の環境スコア、コストスコア、性能スコア、総合スコアのすべてが、より好ましい値か否かを判断することが容易になる。
【0180】
一方、評価対象ストレージ装置が、クラウドのストレージ装置の場合は、次の様に、算出する。まず、環境スコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(4A1)に、評価対象ストレージ装置レコードの、ボリューム使用容量の値と、容量あたり年間CO排出量と、を代入して得られる値を、ストレージ装置のCO排出量として算出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、図22の式(4A2)に、算出したボストレージ装置のCO排出量と、環境係数(規定値)と、を代入して得られる値を、ストレージ装置の環境スコアとして算出する。なお、以上では、ストレージ装置のCO排出量に環境係数を掛けた値を環境スコアとしたが、ストレージ装置の環境スコアは、ボリュームの環境への負荷を表す値であればよく、環境スコアの算出方法は、適宜変更できる。
【0181】
次に、コストスコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(4B1)に、評価対象ストレージ装置レコードの、ボリューム使用容量の値と、の容量あたり月額使用料と、を代入して得られる値を、ストレージ装置の年間コストとして算出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、図22の式(4B2)に、算出したストレージ装置の年間コストと、コスト係数(規定値)と、を代入して得られる値を、ストレージ装置のコストスコアとして算出する。なお、ストレージ装置のコストスコアは、ストレージ装置のコストの大きさを表す値であればよく、コストスコアの算出方法は、適宜変更できる。
【0182】
次に、性能スコアの算出について説明する。式(4C1)に示すように、ストレージ装置のIOPSを、ストレージ装置の性能とみなす。そして、ストレージ運用支援装置1は、図22の式(4C2)に、ストレージ装置の性能(ストレージ装置のIOPS)と、性能係数(規定値)と、性能基準値(規定値、理想とみなせる大きなストレージ装置の性能の値)を代入して得られる値を、ストレージ装置の性能スコアとして算出する。ストレージ装置の性能スコアは、ストレージ装置のデータの読み書きの速度の遅さを表せばよい。ストレージ装置のIOPSを用いる代わりに、ストレージ装置の応答時間(ms)や、ストレージ装置のスループット(MB/s)を用いて、ストレージ装置の性能スコアを算出してもよい。
【0183】
次に、総合スコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(D)に、上記の様に算出した、環境スコア、コストスコア、性能スコアと、スコア重み設定テーブル1912に入力されたスコア重み(環境スコア重み、コストスコア重みおよび性能スコア重み)の値と、を代入して得られる値を、ボリュームの総合スコアとして算出する。ボリュームの環境スコアも、ボリュームのコストスコアも、ボリュームの性能スコアも、ボリュームの総合スコアも、すべて値が小さくなるほど、好適な値となる。
【0184】
さらに、ストレージ運用支援装置1は、以上の様に算出した、評価対象ストレージ装置に対する、環境スコア、コストスコア、性能スコア、総合スコアと、評価対象ストレージ装置IDと、評価日時802として現在の時刻と、対応付けた新規のレコードを、主記憶装置22およびストレージ装置評価テーブル236(図8参照)に保存する。ここで、ストレージ運用支援装置1は、ストレージ装置評価テーブル236の、評価対象ストレージ装置IDに対応づけられたレコードのうちで、直近のレコードの総合スコアの値を取得し、取得した総合スコアの値を新規レコードの前回総合スコア805の値とする。
【0185】
次に、ストレージ運用支援装置1は、ステップS105で算出した、評価対象ストレージ装置に対する、環境スコア、コストスコア、性能スコア、総合スコアと、を、含む、ストレージ装置時系列評価グラフ(図19のストレージ装置時系列評価グラフ1915参照)等の各種のグラフ(図19に示す例に関しては、横棒グラフ1921およびバランスグラフ1922を含む)のデータを生成して、出力し、処理を終了する(ステップS106)。ここで、出力先は、ユーザ端末500またはストレージ運用支援装置1の出力装置25である。ストレージ装置時系列評価グラフのデータが出力されると、ユーザ端末500またはストレージ運用支援装置1の出力装置25に表示された評価画面1900(図19)のストレージ装置時系列評価グラフ1915は、出力されたデータのストレージ装置時系列評価グラフに更新される。同様に、図19の評価画面1900の横棒グラフ1921およびバランスグラフ1922も、出力されたデータに基づいて更新されるようになっている。
【0186】
ユーザ端末500またはストレージ運用支援装置1の出力装置25に表示された評価画面のストレージ装置ボリューム切り替えボタン1917(図19参照)が押されると、図20の評価画面2000が表示されて、ストレージ装置評価テーブル236に保存した新規レコードが表示されるようになっている。
【0187】
<評価処理による定期的なストレージ装置の評価>
ストレージ運用支援装置1は、自動的に、所定の期間毎(例えば一か月毎)に、使用中の全てのストレージ装置のIDと、上記の、スコア重み設定テーブル1912に直近に入力されたスコア重み(環境スコア重み、コストスコア重みおよび性能スコア重み)の値を入力として、上記の評価処理を実行するようになっている。
【0188】
すなわち、ストレージ運用支援装置1は、所定の期間毎(例えば一か月毎)に、使用中のストレージ装置の状態の情報を格納するストレージ装置情報(オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231(図3参照)またはクラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232(図4参照))に保存されているすべてのストレージ装置IDを抽出する。そして、抽出したスレージ装置IDのうちで、「Ref1」の以外のストレージ装置IDそれぞれと、スコア重み設定テーブル1912に直近に入力されたスコア重み(環境スコア重み、コストスコア重みおよび性能スコア重み)の値と、を入力として、上記の評価処理を実行する。
【0189】
その結果、所定の期間毎に、使用中の全てのストレージ装置に対して環境スコア、コストスコア、性能スコア、総合スコアが算出されて、ストレージ装置評価テーブル326(図8参照)に保存される。また、所定の期間毎に、使用中の全てのストレージ装置に生成されたボリュームに対して環境スコア、コストスコア、性能スコア、総合スコアが算出されて、ボリューム装置評価テーブル325(図7参照)に保存される。
【0190】
また、ストレージ運用支援装置1は、使用中のストレージ装置それぞれに対する、少なくとも1つのスコア(環境スコア、コストスコア、性能スコア、総合スコア)の時系列変化を示すストレージ装置時系列評価グラフ(図19のストレージ装置時系列評価グラフ1915参照)の情報を生成する。これにより、ユーザは、使用中のストレージ装置に対して、ストレージ装置時系列評価グラフを参照して、使用中のストレージ装置に対して時系列の評価をすることが容易になる。
【0191】
<B、ストレージ候補評価処理、図24
図23には、新規ストレージ候補タブ1902が選択されている場合の評価画面2300を示した。図23の新規ストレージ候補タブ1902は、選択されていること示すために、背景が黒色に塗られている。図23に示す、新規ストレージ候補タブ1902が選択されている場合の評価画面2300を用いて、新たに使用する予定の新規ストレージ装置に対する要件が入力され、さらに、ストレージ候補評価処理を実行する旨の指示が入力されると、ストレージ運用支援装置1がストレージ候補評価処理を実行する。
【0192】
図23に示すように、新規ストレージ候補タブ1902が選択されている場合の評価画面2300の表示領域1905には、ボリュームタイプ選択チェックボタン2311と、複数の要求項目チェックボックス2312aと、複数の要求値入力欄2312bと、スコア重みグラフ欄2313と、環境重み入力欄2313aと、コスト重み入力欄2313bと、性能重み入力欄2313cと、候補算出開始ボタン2314と、を含む。
【0193】
ボリュームタイプ選択チェックボタン2311は、新たに使用する予定の新規ストレージ装置に作成するボリュームのタイプを選択するボタンである。要求項目チェックボックス2312aは、新たに使用する予定の新規ストレージ装置に対する要件の項目を設定する欄であり、クリックなどでチェックされるとチェックのマークが表示される。要求値入力欄2312bは、要求値入力欄2312bの左に描かれている要件の項目に対する値を入力する欄である。
【0194】
スコア重みグラフ欄2313は、環境重みの入力に用いる環境重み入力欄2313aと、コスト重みの入力に用いるコスト重み入力欄2313bと、性能重みの入力に用いる性能重み入力欄2313cと、入力された環境重み、コスト重み、性能重みのバランスを示すグラフ2313dと、を含む。
【0195】
図23に示す評価画面2300の例では、要求項目チェックボックス2312aおよび要求値入力欄2312bを用いて、要件として以下の要件を設定できる。
要件1、容量の下限;「想定容量」のチェックおよび「TB以上」の値。
要件2、読み書き速度の下限;「IOPS」のチェックおよび「以上」の値。(「応答時間」)のチェックおよび「 ~ ms」の値、(「スループット」)のチェックおよび「 ~ MB/s」の値は、これらの値が、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237、クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238に、対応する値が保存されている場合には、要件として用いられる。
要件3、見かけ移行時間短縮機能;「見かけ移行時間短縮機能」のチェック、「Y/N」の値。「Y/N」の値が「Y」に場合には、要件として、「見かけ移行時間短縮機能」が必要である。「Y/N」の値が「N」に場合には、要件として、「見かけ移行時間短縮機能」はあってもなくてもよい。
要件4、冗長データコピー数;「信頼性」のチェック、「点障害を許容」の値(設定可能な、Raid等の種類に関連するバックアップのミラーの数)。
要件5、CO排出量目標値;「現行システムと比較して」のチェック、「%削減したい」の値。なお、「CO排出量」のチェック、「kg/year」の値および「消費電力」のチェック、「kWh以内」の値は、これらの値が、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237、クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238に、対応する値が保存されている場合には、要件として用いられる。
【0196】
要求項目チェックボックス2312aおよび要求値入力欄2312b、スコア重みグラフ欄2313の環境重み入力欄2313a、コスト重み入力欄2313b、性能重み入力欄2313cに値が入力されていない場合には、後述するように、デフォルトの要件が適用される。
【0197】
候補算出開始ボタン2314は、ストレージ候補評価処理を実行する旨の指示を入力するボタンである。候補算出開始ボタン2314が押されると、ストレージ候補評価処理を実行する旨の指示が、ストレージ運用支援装置1に入力される。
【0198】
図24は、実施例のストレージ候補評価処理の例を示すフローチャートである。図24に一例を示すストレージ候補評価処理は、ストレージ運用支援装置1のストレージ候補評価部32(図1参照)が実行する。ただし、ステップS204の処理は、評価部31が実行する。上述したが、図23に示す評価画面2300の候補算出開始ボタン2314が押されると、ストレージ運用支援装置1は、図23に示す評価画面2300で設定された要件の情報(上述した要件1~要件5)を取得して、ストレージ候補評価部32は、ストレージ候補評価処理を実行するようになっている。
【0199】
ストレージ運用支援装置1は、基準ストレージ装置の仕様を参照して、要件を設定し、設定した要件を保存する(ステップS201)。ここで、ストレージ運用支援装置1は、
図23に示す評価画面2300で設定された要件の情報(上述した要件1~要件5)と、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231でストレージ装置IDが基準ストレージのIDを表す「Ref1」を保存しているレコードと、クラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232でストレージ装置IDが基準ストレージのIDを表す「Ref1」を保存しているレコードと、を用いて、オンプレミス環境の要件と、クラウド環境の要件と、を設定する。
【0200】
オンプレミス環境の要件の設定では、ストレージ運用支援装置1は、オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル231(図3参照)でストレージ装置IDが基準ストレージのIDを表す「Ref1」を保存しているレコード(オンプレミス環境基準レコードと称する)を取得する。そして、ストレージ運用支援装置1は、オンプレミス環境基準レコードの値を、図23に示す評価画面2300で設定された要件の情報(上述した要件1~要件5)で、設定されている要件の値で置き換えたレコードを、オンプレミス環境の要件情報として、主記憶装置22に保存する。
【0201】
一方、クラウド環境の要件の設定では、ストレージ運用支援装置1は、クラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル232(図4参照)でストレージ装置IDが基準ストレージのIDを表す「Ref1」を保存しているレコード(クラウド環境基準レコードと称する)を取得する。そして、ストレージ運用支援装置1は、クラウド環境基準レコードの値を、図23に示す評価画面2300で設定された要件の情報(上述した要件1~要件5)で、設定されている要件の値で置き換えたレコードを、クラウド環境の要件情報として、主記憶装置22に保存する。
【0202】
次に、ストレージ運用支援装置1は、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237(図9参照)およびクラウド環境ストレージ候補情報テーブル238(図10参照)に保存されているすべてのレコードの候補ストレージ装置IDに対して、候補ストレージが要件を満たす場合に、候補ストレージの環境スコア、コストスコア、性能スコアおよび総合スコアを算出するループ処理を開始する(ステップS202)。ループ開始のステップS202からループ終了のステップS205の間に示す処理は、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237およびクラウド環境ストレージ候補情報テーブル238に保存されているレコードの候補ストレージID毎に繰り返し行う。ステップS202にて、ストレージ運用支援装置1は、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237およびクラウド環境ストレージ候補情報テーブル238に保存されているレコードの候補ストレージIDのうちで、未処理の候補ストレージIDの中から1つの候補ストレージIDを選択する。
【0203】
次に、ストレージ運用支援装置1は、候補ストレージIDに対応付けられている候補ストレージが、要件を満たすか否かを判定する(ステップS203)。ストレージ運用支援装置1は、候補ストレージ装置IDに対応付けられている候補ストレージが、要件を満たすと判定した場合(ステップS202:Yes)はステップS204に進む。一方、ストレージ運用支援装置1は候補ストレージIDに対応付けられている候補ストレージが、要件を満たさないと判定した場合(ステップS202:No)はステップS205に進む。ここで、ストレージ運用支援装置1は、候補ストレージIDに対応付けられている候補ストレージが、要件を満たすか否かの判定を次の様に行う。
【0204】
候補ストレージ装置IDに対応付けられている候補ストレージが、オンプレミス環境のストレージ装置の場合(候補ストレージ装置IDが、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237に保存されているレコード(以下、「候補レコード」と称する)の候補ストレージ装置IDの場合)、ストレージ運用支援装置1は、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237から候補レコードを取得する。ストレージ運用支援装置1は、候補レコードの値が、オンプレミス環境の要件情報の要件をすべて満たす場合には、候補ストレージIDに対応付けられている候補ストレージが、要件を満たすと判定する。一方、ストレージ運用支援装置1は、候補レコードの値が、オンプレミス環境の要件情報の要件を少なくとも1つ満たさない場合には、候補ストレージIDに対応付けられている候補ストレージが、要件を満さないと判定する。
【0205】
また、候補ストレージ装置IDに対応付けられている候補ストレージが、クラウド環境のストレージ装置の場合(候補ストレージ装置IDが、クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238に保存されているレコード(以下、「候補レコード」と称する)の候補ストレージ装置IDの場合)、ストレージ運用支援装置1は、クラウド環境ストレージ候補情報テーブル238から候補レコードを取得する。ストレージ運用支援装置1は、候補レコードの値が、クラウド環境の要件情報の要件をすべて満たす場合には、候補ストレージIDに対応付けられている候補ストレージが、要件を満たすと判定する。一方、ストレージ運用支援装置1は、候補レコードの値が、クラウド環境の要件情報の要件を少なくとも1つ満たさない場合には、候補ストレージIDに対応付けられている候補ストレージが、要件を満さないと判定する。
【0206】
ここで、ストレージ運用支援装置1は、ステップS201にて設定した要件(要件情報)報が、候補ストレージ装置(新たに使用する予定の新規ストレージ装置)の記憶容量下限値(図23を用いて上述した要件1の値)を含む場合には、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237の候補レコード(未使用ストレージ装置仕様情報)を参照して、オンプレミス環境の候補ストレージ装置(未使用ストレージ装置)のストレージ装置実容量(記憶容量)を圧縮率で割った値をストレージ装置換算容量(換算記憶容量)として算出(図17参照)する。そして、算出したストレージ装置換算容量(換算記憶容量)が記憶容量下限値(図23を用いて上述した要件1の値)よりも大きいか否かを判定し、ストレージ装置換算容量(換算記憶容量)が記憶容量下限値(図23を用いて上述した要件1の値)よりも大きくないと判定した場合に、オンプレミス環境の候補ストレージ装置(未使用ストレージ装置)が、要件(要件情報)に含まれる要件を満たさないとし、候補ストレージIDに対応付けられている候補ストレージ装置(未使用ストレージ装置)が、要件を満さないと判定する。
【0207】
次に、ストレージ運用支援装置1は、候補ストレージID(候補ストレージ装置特定情報)に対応付けられている候補ストレージに対する、環境スコア、コストスコア、性能スコアおよび総合スコアを算出し、候補ストレージIDと、算出した環境スコアと、コストスコアと、性能スコアと、総合スコアとを対応付けた要件充足ストレージ装置情報を、主記憶装置22に保存する(ステップS204)。
【0208】
ここで、候補ストレージ装置IDに対応付けられている候補ストレージが、オンプレミス環境のストレージ装置の場合には、上述した評価処理のステップS105と同様に、候補レコードの値を、図25の式(5A1)~式(5C2)及び図22の式(D)にあてはめて、候補ストレージに対する、環境スコア、コストスコア、性能スコアおよび総合スコアを算出する。
【0209】
まず、環境スコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図25の式(5A1)に、候補レコードのストレージ装置年間消費電力(ストレージの年間消費電力)と、CO排出係数と、を代入して得られる値を、候補ストレージ装置のCO排出量として算出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、図25の式(5A2)に、算出した候補ストレージ装置のCO排出量と、環境係数(規定値)と、を代入して得られる値を、環境スコアとして算出する。
【0210】
以上では、ストレージ装置のCO排出量に環境係数を掛けた値を環境スコアとした。候補ストレージ装置の環境スコアは、ボリュームの環境への負荷を表す値であればよく、環境スコアの算出方法は、適宜変更できる。例えば、候補ストレージ装置の廃棄による環境への負荷を表す値を、環境スコアに加えてもよい。候補ストレージ装置の重量に、重量定数(設定した値)を掛けた値を、候補ストレージ装置の廃棄負荷量(候補ストレージ装置の廃棄負荷量=候補ストレージ装置の重量×重量定数)とする。そして、候補ストレージ装置の廃棄負荷量と、上記の候補ストレージ装置のCO排出量との和に、環境係数を掛けた値を、候補ストレージ装置の環境スコア(候補ストレージ装置の環境スコア=(候補ストレージ装置の廃棄負荷量+ストレージ装置のCO排出量)×環境係数)とする。
【0211】
次に、コストスコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図25の式(5B1)に、候補レコードの価格(ストレージ装置価格)と、耐用年数(ストレージ耐用年数)と、を代入して得られる値を、候補ストレージ装置の年間コストとして算出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、図25の式(5B2)に、算出した候補ストレージ装置の年間コストと、コスト係数(規定値)と、を代入して得られる値を、候補ストレージ装置のコストスコアとして算出する。
【0212】
ストレージ装置のコストスコアは、ストレージ装置のコストの大きさを表す値であればよく、コストスコアの算出方法は適宜変更できる。例えば、ストレージ装置の廃棄にかかるコストを見積もって、コストスコアを算出する式に含めてもよい。
【0213】
次に、ストレージ装置の性能スコアの算出について説明する。式(5C1)に示すように、候補レコードのIOPSの値を、候補ストレージ装置の性能とみなす。そして、ストレージ運用支援装置1は、図25の式(5C2)に、ストレージ装置の性能(候補ストレージ装置のIOPS)と、性能係数(規定値)と、性能基準値(規定値、理想とみなせる大きなストレージ装置の性能の値)を代入して得られる値を、ストレージ装置の性能スコアとして算出する。ストレージ装置の性能スコアは、ストレージ装置のIOPSに応じた値となる。ストレージ装置の性能スコアは、ストレージ装置のデータの読み書きの速度の遅さを表せばよい。ボリュームのIOPSを用いる代わりに、ストレージ装置の応答時間(ms)や、ボリュームのスループット(MB/s)を用いて、ストレージ装置の性能スコアを算出してもよい。
【0214】
次に、ボリュームの総合スコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(D)に、上記の様に算出した、環境スコア、コストスコア、性能スコアと、スコア重みグラフ欄2313に入力されたスコア重み(環境スコア重み、コストスコア重みおよび性能スコア重み)の値と、を代入して得られる値を、ボリュームの総合スコアとして算出する。また、候補ストレージ装置に対する、環境スコアも、コストスコアも、性能スコアも、総合スコアも、すべて値が小さくなるほど、好適な値となる。これにより、ユーザが、候補ストレージ装置の環境スコア、コストスコア、性能スコア、総合スコアが、より好ましい値か否かを判断することが容易になる。
【0215】
一方、候補ストレージ装置が、クラウドのストレージ装置の場合は、次の様に、算出する。まず、環境スコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図25の式(6A1)に、クラウド環境基準レコードのボリューム使用容量(ボリューム容量)と、候補レコードの容量あたり年間CO排出量と、を代入して得られる値を、ストレージ装置のCO排出量として算出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、図25の式(5A2)に、算出した候補ストレージ装置のCO排出量と、環境係数(規定値)と、を代入して得られる値を、候補ストレージ装置の環境スコアとして算出する。なお、以上では、候補ストレージ装置のCO排出量に環境係数を掛けた値を環境スコアとしたが、候補ストレージ装置の環境スコアは、ボリュームの環境への負荷を表す値であればよく、環境スコアの算出方法は、適宜変更できる。
【0216】
次に、コストスコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図25の式(6B1)に、クラウド環境基準レコードのボリューム使用容量(ボリューム容量)と、候補レコードの容量あたり月額使用料と、を代入して得られる値を、候補ストレージ装置の年間コストとして算出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、図25の式(6B2)に、算出した候補ストレージ装置の年間コストと、コスト係数(規定値)と、を代入して得られる値を、候補ストレージ装置のコストスコアとして算出する。なお、ストレージ装置のコストスコアは、ストレージ装置のコストの大きさを表す値であればよく、コストスコアの算出方法は、適宜変更できる。
【0217】
次に、性能スコアの算出について説明する。式(6C1)に示すように、候補レコードのIOPS(ボリュームのIOPS)を、ストレージ装置の性能とみなす。そして、ストレージ運用支援装置1は、図25の式(6C2)に、算出した候補ストレージ装置の性能(IOPS)と、性能係数(規定値)と、性能基準値(規定値、理想とみなせる大きなストレージ装置の性能の値)を代入して得られる値を、候補ストレージ装置の性能スコアとして算出する。候補ストレージ装置の性能スコアは、候補ストレージ装置のデータの読み書きの速度の遅さを表せばよい。ストレージ装置のIOPSを用いる代わりに、ストレージ装置の応答時間(ms)や、ストレージ装置のスループット(MB/s)を用いて、ストレージ装置の性能スコアを算出してもよい。
【0218】
次に、総合スコアの算出について説明する。ストレージ運用支援装置1は、図22の式(D)に、上記の様に算出した、環境スコア、コストスコア、性能スコアと、スコア重みグラフ欄2313に入力されたスコア重み(環境スコア重み、コストスコア重みおよび性能スコア重み)の値と、を代入して得られる値を、候補ストレージ装置の総合スコアとして算出する。候補ストレージ装置の環境スコアも、コストスコアも、性能スコアも、総合スコアも、すべて値が小さくなるほど、好適な値となる。
【0219】
さらに、ストレージ運用支援装置1は、以上の様に算出した、候補ストレージ装置(候補ストレージ装置が、オンプレミス環境か、クラウド環境かを問わず)に対する、環境スコア、コストスコア、性能スコア、総合スコアと、候補ストレージ装置IDと、現在の時刻を評価日時802として、対応付けた新規のレコードを、主記憶装置22に要件充足ストレージ装置情報として保存する。
【0220】
次に、ストレージ運用支援装置1は、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237およびクラウド環境ストレージ候補情報テーブル238に保存されているすべてのレコードの候補ストレージIDについて処理が完了したか否かを判定する(ステップS205)。ストレージ運用支援装置1が、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237およびクラウド環境ストレージ候補情報テーブル238に保存されているすべてのレコードの候補ストレージIDについて処理が完了していないと判定した場合は、ストレージ運用支援装置1はステップS202に戻り、処理を継続する。一方、ストレージ運用支援装置1が、オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル237およびクラウド環境ストレージ候補情報テーブル238に保存されているすべてのレコードの候補ストレージIDについて処理が完了したと判定した場合には、ストレージ運用支援装置1は、ステップS206の処理を実行する。
【0221】
次に、ストレージ運用支援装置1は、主記憶装置22に保存した要件充足ストレージ装置情報において、レコードを総合スコアの高い順に並べかえて、並べかえたレコード(候補ストレージ装置 IDと、総合スコアと、環境スコアと、コストスコアと、性能スコア等と、を対応付けた情報)を、要件充足ストレージ装置テーブル240(図12参照)に、保存する(ステップS206)。
【0222】
次に、ストレージ運用支援装置1は、主記憶装置22に保存した要件充足ストレージ装置情報(要件充足ストレージ装置テーブル)および各種のグラフのデータを、出力し、処理を終了する(ステップS207)。ここで、ストレージ運用支援装置1は、要件充足ストレージ装置テーブルに基づいて、各種のグラフのデータを生成し、生成した各種のグラフの構成の情報を出力する。また、出力先は、ユーザ端末500またはストレージ運用支援装置1の出力装置25である。要件充足ストレージ装置情報(要件充足ストレージ装置テーブル)が出力されると、ユーザ端末500またはストレージ運用支援装置1の出力装置25に表示された評価画面に、要件充足ストレージ装置情報(要件充足ストレージ装置テーブル)が表示されるようになっている。
【0223】
なお、このステップS207にて、ストレージ運用支援装置1が生成した情報は、「候補ストレージ装置それぞれに対する、環境スコアと、コストスコアと、性能スコアと、総合スコアとの少なくとも1つのスコアの大きさを示すスコア比較グラフのデータ」を含む。
【0224】
図26は、要件充足ストレージ装置情報(要件充足ストレージ装置テーブル)を表示する評価画面2600の例である。図26に示すように、評価画面2600の表示領域1905には、要件充足ストレージ装置テーブル2611と、縦軸をスコアの値(環境スコア、コストスコア、性能スコア)とし、横軸を候補ストレージ装置の製品名またはサービス名とする棒グラフ2612と、ストレージ装置それぞれを評価するチャート2613と、スコア値切り替えボタン2614と、が表示されている。
【0225】
棒グラフ(スコア比較グラフ)2612およびチャート(スコア比較グラフ)2613のグラフのデータは、図24のストレージ候補評価処理のステップS207にて、ストレージ運用支援装置1が生成した、「候補ストレージ装置それぞれに対する、環境スコアと、コストスコアと、性能スコアと、総合スコアとの少なくとも1つのスコアの大きさを示すスコア比較グラフのデータ」である。
【0226】
このように、ステップS207にて、ストレージ運用支援装置1が「候補ストレージ装置それぞれに対する、環境スコアと、コストスコアと、性能スコアと、総合スコアとの少なくとも1つのスコアの大きさを示すスコア比較グラフの情報」を生成することで、棒グラフ(スコア比較グラフ)2612およびチャート(スコア比較グラフ)2613を、ユーザに容易に提示できる。そして、ユーザは、棒グラフ2612およびチャート2613を参照すれば、新規に使用するストレージ装置の候補のストレージ装置(候補ストレージ装置)の間で、環境スコア、コストスコア、性能スコアを容易に比較できる。その結果、環境への負荷、コスト、性能のバランスが取れた、適切ストレージ装置を選択することを容易にする。従って、ストレージ運用支援装置1は、環境への負荷、コスト、性能のバランスが取れた、適切なストレージ装置を選択することを容易にする。
【0227】
また、図26に示す例では、棒グラフ2612およびチャート2613は、スコアの大きさを示す例を示したが、スコア値切り替えボタン2614が押されると、スコアの代わりに量(CO排出量、コスト、ストレージ装置のIOPS)を示すようになっている(図示省略)。さらに、スコア値切り替えボタン2614が押されると、量の代わりにスコアを示す表示に戻るようになっている。
【0228】
<C、移行支援処理、図28
図27には、移行支援タブ1903が選択されている場合の評価画面2700を示した。図27の移行支援タブ1903は、選択されていること示すために、背景が黒色に塗られている。
【0229】
図27に示すように、移行支援タブ2702が選択されている場合の評価画面2700の表示領域1905は、移行可能テーブル2711と移行保留テーブル2712と、移行登録ボタン2713と、見積開始ボタン2714と、を含む。
【0230】
移行可能テーブル2711および移行保留テーブル2712は、移行予定の移行前のボリューム(「移行前ボリューム」と称する)および移行先のボリューム(「移行先ボリューム」と称する)に関する情報が保存されている。移行可能テーブル2711は、ストレージ運用支援装置1が移行支援処理をして、直ちに移行可能だと判定されたボリュームに関する情報を示すテーブルである。
【0231】
移行可能テーブル2711および移行保留テーブル2712は、ストレージ運用支援装置1が、移行可能テーブル241(図13参照)および移行保留テーブル242(図14参照)を読み出して作成したテーブルである。
【0232】
移行可能テーブル2711の実行指示の列2711aは、押される毎に、「有」と「無」とが切り替わる。「有」が入力された行の、「移行元ストレージIDボリュームID」の「ストレージID」のストレージ装置に作成されている、「ボリュームID」のボリュームから、「移行先ストレージIDボリュームID」の「ストレージID」のストレージ装置に作成されている、「ボリュームID」のボリュームに、データを移行するように設定される。一方、「無」が入力されている場合には、移行の指示が入力(「有」の入力)されるまで、移行しないように設定される。実行指示の列2711aの値が変更されると、変更されたセルに対応する、移行可能テーブル241(図13参照)のセルが、変更された値に上書きされるようになっている。
【0233】
移行保留テーブル2712は、ストレージ運用支援装置1が移行支援処理をして、直ちに移行可能ではないと判定された移行の、移行元ボリュームおよび移行先ボリュームに関する情報を示すテーブルである。移行保留テーブル2712の実行指示の列2712aは、押される毎に、「有」と「無」とが切り替わる。「有」が入力された行の、「移行元ストレージIDボリュームID」の「ストレージID」のストレージ装置に作成されている、「ボリュームID」のボリュームから、「移行先ストレージIDボリュームID」の「ストレージID」のストレージ装置に作成されている、「ボリュームID」のボリュームに、データを移行するように設定される。一方、「無」が入力されている場合には、移行の指示が入力(「有」の入力)されるまで、移行しないように設定される。実行指示の列2712aの値が変更されると、変更されたセルに対応する、移行保留テーブル242(図14参照)のセルが、変更された値に上書きされるようになっている。
【0234】
移行登録ボタン2713は、移行保留テーブル2712および移行保留テーブル242(図14参照)に対する、移行元ボリュームと移行先ボリュームの組の登録に用いるボタンである。移行登録ボタン2713が押されると、移行保留テーブル2712に新たに追加の行が表示される。追加の行の、移行元ストレージID、移行元ボリュームID、移行先ストレージID、移行先ボリュームIDのセルは、押されると、ストレージ装置のIDのリストまたはボリュームのIDのリストが表示されて、それぞれのIDを選択できるようになっている。選択されたIDは、新たに追加の行のセルの値として入力される。これらのIDのセルがすべて入力されると、自動的に、移行時間短縮機能が使用可能か否かが判定され、判定結果に基づいて、移行時間短縮機能の有無が、移行時間短縮機能のセルに表示されるとともに、移行IDが自動的に付与されて移行IDのセルに表示されるようになっている。このように、セルの情報が確定すると、確定したセルの値の情報を含む移行保留テーブル2712のレコード(新たに追加した行)の情報が、移行保留テーブル2712に新規レコードとして保存されるようになっている。
【0235】
見積開始ボタン2714は、移行支援処理を実行する旨の指示を入力するボタンである。見積開始ボタン2714が押されると、移行支援処理を実行する旨の指示が、ストレージ運用支援装置1に入力される。
【0236】
図28は、実施例の移行支援処理の例を示すフローチャートである。図28に一例を示す移行支援処理は、ストレージ運用支援装置1の移行支援部33(図1参照)が実行する。上述したが、図27に示す評価画面2700の見積開始ボタン2714が押されると、移行支援部33は、移行支援処理を実行するようになっている。
【0237】
ストレージ運用支援装置1は、移行可能テーブル241(図13参照)および移行保留テーブル242(図14)に保存されているすべてのレコードの移行IDに対して、移行に関する情報を算出するループ処理を開始する(ステップS301)。ループ開始のステップS301からループ終了のステップS309の間に示す処理は、移行可能テーブル241および移行保留テーブル242に保存されているレコードの移行ID毎に繰り返し行う。ステップS301にて、ストレージ運用支援装置1は、移行可能テーブル241および移行保留テーブル242に保存されているレコードの移行IDのうちで、未処理の移行IDの中から1つの移行IDを選択する。
【0238】
次に、ストレージ運用支援装置1は、移行IDが保存されているレコード(移行情報レコードと称する)を、移行可能テーブル241または移行保留テーブル242から取得して主記憶装置22に保存し、移行情報レコードに保存されている移行元ボリュームIDに対応づけられている移行元ボリュームのデータ読出速度および移行データ量を取得する(ステップS302)。移行データ量とは、移行元ボリュームから移行先ボリュームへコピーするデータ(「移行データ」と称する)の量である。移行データ量は、例えば、移行ボリュームの容量である。ストレージ運用支援装置1は、移行情報レコードから、移行元ストレージ装置IDおよび移行元ボリュームIDを抽出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、ストレージ装置監視プログラム14aを実行して、抽出した移行元ストレージ装置IDおよび移行元ボリュームIDに対応付けられている移行元ボリュームのデータ読出速度および移行データ量を取得する。
【0239】
次に、ストレージ運用支援装置1は、移行情報レコードに保存されている移行先ボリュームIDに対応づけられている移行先ボリュームのデータ書込速度を取得する(ステップS303)。ストレージ運用支援装置1は、移行情報レコードから、移行先ストレージ装置IDおよび移行先ボリュームIDを抽出する。そして、ストレージ運用支援装置1は、ストレージ装置監視プログラム14aを実行して、抽出した移行先ストレージ装置IDおよび移行先ボリュームIDに対応付けられている移行先ボリュームのデータ書込速度を取得する。
【0240】
次に、ストレージ運用支援装置1は、ステップS302にて取得した移行元ボリュームのデータ読出速度およびテップS303にて取得した移行先ボリュームのデータ書込速度に基づいて、移行元ボリュームから移行先ボリュームに直ちに移行可能か否かを判定する(ステップS304)。ストレージ運用支援装置1は、移行元ボリュームから移行先ボリュームに直ちに移行可能と判定した場合(ステップS304:Yes)はステップS305に進む。一方、ストレージ運用支援装置1は、移行元ボリュームから移行先ボリュームに直ちに移行可能ではないと判定した場合(ステップS304:No)はステップS306に進む。
【0241】
ここで、データ読出速度およびデータ書込速度が両方とも十分速い場合には、移行元ボリュームから移行先ボリュームに直ちに移行可能と考えることができる。また、移行情報レコードの見かけ移行時間短縮機能の値が「有」で、移行に見かけ移行時間短縮機能を使用できる場合には、データを移行元ボリュームから移行先ボリュームに安定して移行できると考えることができる。そこで、次の2つ判定条件のいずれかを満たす場合には、ストレージ運用支援装置1は、移行元ボリュームから移行先ボリュームに直ちに移行可能と判定(ステップS304:Yes)する。
判定条件1、データ読出速度およびデータ書込速度が両方とも十分速い。
判定条件2、見かけ移行時間短縮機能が使用できる。
一方、2つの判定条件のいずれも満たさない場合には、ストレージ運用支援装置1は、移行元ボリュームから移行先ボリュームに直ちに移行可能ではないと判定(ステップS304:No)する。
【0242】
判定条件1(データ読出速度およびデータ書込速度が両方とも十分速い)に関しては、ストレージ運用支援装置1は、データ読出速度が最低速度よりも速く(データ読出速度>最低速度)、かつ、データ書込速度が最低速度よりも早い(データ書込速度>最低速度)場合には、判定条件1を満たすと判定する。ここで、最低速度とは、あらかじめ設定された所定の値である。一方、ストレージ運用支援装置1は、データ読出速度が最低速度以下(データ読出速度≦最低速度)、または、データ書込速度が最低速度以下(データ書込速度≦最低速度)の少なくとも1方の場合には、判定条件1を満さないと判定する。
【0243】
判定条件2(見かけ移行時間短縮機能が使用できる)に関しては、ストレージ運用支援装置1は、移行情報レコードの見かけ移行時間短縮機能の値が「有」の場合には、判定条件2を満たすと判定する。一方、ストレージ運用支援装置1は、移行情報レコードの見かけ移行時間短縮機能の値が「無」の場合には、判定条件2を満たさないと判定する。
【0244】
次に、ストレージ運用支援装置1は、移行時間を算出し、移行に関する情報を移行可能テーブル241に保存する(ステップS305)。ここで、移行情報レコードの見かけ移行時間短縮機能の値が「有」の場合には、ストレージ運用支援装置1は、移行時間を所定の移行短縮時間(例えば、1分)とする。また、ストレージ運用支援装置1は、移行情報レコードの見かけ移行時間短縮機能の値が「無」の場合には、ストレージ運用支援装置1は、データ読出速度と、データ書込速度とのうちで遅い方の速度(転送速度と称する)で、ステップS302にて取得した移行データ量を割った値を、移行時間として算出する(移行時間=移行データ量/転送速度)。
【0245】
従って、ストレージ運用支援装置1は、移行支援処理(移行支援部33)にて、移行可能テーブル241の移行情報レコードの移行時間短縮機能1306の値、または移行保留テーブル242の移行情報レコードの移行時間短縮機能1406の値である、移行元ボリュームから移行先ボリュームへの見かけ移行時間短縮機能の有無の情報が、見かけ移行時間短縮機能が「有」ることを表す場合に、データ移行時間を所定の移行短縮時間とする。これにより、ストレージ運用支援装置1は、移行時間をより好適に算出でき、ひいては、ユーザは、適切にボリュームを移行することが容易になる。
【0246】
さらに、ストレージ運用支援装置1は、移行レコードに対して、移行時間および転送速度の値を、以上で算出した移行時間の値に置き換える。そして、移行レコードが、移行可能テーブル241に保存されていた場合には、ストレージ運用支援装置1は、置き換えた移行レコードで、移行可能テーブル241の移行レコードを置き換える。また、移行レコードが、移行保留テーブル242に保存されていた場合には、ストレージ運用支援装置1は、移行保留テーブル242から、移行可能レコードを削除して、移行可能テーブル241に、上記の移行時間の値を置き換えた移行レコードを、保存する。その結果、ストレージ運用支援装置1は、移行レコードに対応する、移行可能テーブル241のレコードまたは移行可能テーブル241のレコードに含まれる情報は、更新される。
【0247】
次に、ストレージ運用支援装置1は、移行元ボリュームの安定読出時間帯を算出し、算出した安定読出時間帯の情報を主記憶装置22に保存する(ステップS306)。ここで、ストレージ運用支援装置1は、移行元ボリュームの安定読出時間帯Tprを次のように算出する。安定読出時間帯Tprとは、移行元ボリュームから安定してデータを読み出すことができると推定できる時間帯である。
【0248】
図29は、安定読出時間帯Tprの算出方法を説明する説明図である。
まず、現時点で、「最低速度Vmin>現時点の移行元ボリュームの読出速度Rn」となっている場合(場合:最低速度Vmin>読出速度Rn)の算出方法について説明する。
不足読出速度dr = 最低速度Vmin - 現時点の移行元ボリュームの読出速度Rn とする。ストレージ運用支援装置1は、不足読出速度drを算出する。
ストレージ運用支援装置1は、移行元ボリュームが作成されている移行元ストレージの読出速度の時間変化の情報を格納する移行元ストレージ読出速度テーブル243のデータを補完して、移行元ストレージの読出速度―時間曲線Rtを算出する。
ストレージ運用支援装置1は、移行元ストレージの読出速度―時間曲線Rt上の、現在の移行元ストレージの読出速度Rtnを算出する。
そして、十分読出速度Rs=現在の移行元ストレージの読出速度Rtn+不足読出速度dr とする。ストレージ運用支援装置1は、十分読出速度Rsを算出する。
移行元ストレージの読出速度―時間曲線Rt上の移行元ストレージの読出速度Rvが、十分読出速度Rsよりも大きい状態(十分読出速度Rs<移行元ストレージの読出速度Rv)が続く時間間隔のうちで、長さが所定時間間隔Tsよりも長い時間間隔を、安定読出時間帯Tprとする。ストレージ運用支援装置1は、移行元ストレージ読出速度テーブル243を参照して、移行元ストレージの読出速度Rvが、十分読出速度Rsよりも大きい状態(十分読出速度Rs<移行元ストレージの読出速度Rv)が、所定時間間隔Tsよりも長く続く時間間隔を、安定読出時間帯Tprとして算出する。所定時間間隔Tsは、例えば1時間等、適宜設定できる。
【0249】
次に、現時点で、「最低速度Vmin≦現時点の移行元ボリュームの読出速度Rn」となっている場合(場合:最低速度Vmin≦読出速度Rn)の算出方法について説明する。この場合には、不足読出速度dr≦0である(不足読出速度dr = 最低速度Vmin - 現時点の移行元ボリュームの読出速度Rn≦0)。従って、現時点での移行元ボリュームの読出速度は十分大きい。
ストレージ運用支援装置1は、移行元ストレージ読出速度テーブル243を参照して、移行元ストレージの読出速度Rvが、最低速度Vminよりも大きい状態(最低速度Vmin<移行元ストレージの読出速度Rv)が、所定時間間隔Tsよりも長く続く時間間隔を、安定読出時間帯Tprとして算出する。
【0250】
次に、ストレージ運用支援装置1は、移行先ボリュームの安定書込時間帯を算出し、算出した安定書込時間帯の情報を主記憶装置22に保存する(ステップS307)。ここで、ストレージ運用支援装置1は、移行先ボリュームの安定書込時間帯を次のように算出する。
安定書込時間帯Tpwとは、移行先ボリュームから安定してデータを書き込むことができると推定できる時間帯である。安定書込時間帯Tpwは、以下に説明するように、上述した安定読込時間帯Tprと同様に算出する。
【0251】
まず、現時点で、「最低速度Vmin>現時点の移行先ボリュームの書込速度Wn」となっている場合(場合:最低速度Vmin>書込速度Wn)の算出方法について説明する。
不足書込速度dw = 最低速度Vmin - 現時点の移行先ボリュームの書込速度Wn とする。ストレージ運用支援装置1は、不足書込速度dwを算出する。
【0252】
ストレージ運用支援装置1は、移行先ボリュームが作成されている移行先ストレージの書込速度Wvの時間変化の情報を格納する移行先ストレージ書込速度テーブル244のデータを補完して、移行先ストレージの書込速度―時間曲線Wtを算出する。
ストレージ運用支援装置1は、算出した移行先ストレージの書込速度―時間曲線Wt上の、現在の移行先ストレージの書込速度Wtnを算出する。
そして、十分書込速度Ws=現在の移行先ストレージの書込速度Wtn+不足書込速度dw とする。ストレージ運用支援装置1は、十分書込速度Wsを算出する。
移行先ストレージの書込速度Wvが、十分書込速度Wsよりも大きい状態(十分書込速度Ws<移行先ストレージの書込速度Wv)が続く時間間隔のうちで、長さが所定時間間隔Tsよりも長い時間間隔を、安定書込時間帯Tpwとする。ストレージ運用支援装置1は、移行先ストレージ書込速度テーブル244を参照して、移行先ストレージの書込速度Wvが、十分書込速度Wsよりも大きい状態(十分書込速度Ws<移行先ストレージの書込速度Wv)が、所定時間間隔Tsよりも長く続く時間間隔を、安定書込時間帯Tpwとして算出する。
【0253】
次に、現時点で、「最低速度Vmin≦現時点の移行先ボリュームの書込速度Wn」となっている場合(場合:最低速度Vmin≦書込速度Wn)の算出方法について説明する。この場合には、不足書込速度dw≦0である(不足書込速度dw = 最低速度Vmin ― 現時点の移行先ボリュームの書込速度Wn≦0)。従って、現時点での移行先ボリュームのデータ書込速度は十分大きい。
ストレージ運用支援装置1は、移行先ストレージ書込速度テーブル244を参照して、移行先ストレージの書込速度Wvが、最低速度Vminよりも大きい状態(最低速度Vmin<移行先ストレージの書込速度Wv)が、所定時間間隔Tsよりも長く続く時間間隔を、安定読出時間帯Tprとして算出する。
【0254】
次に、ストレージ運用支援装置1は、安定読出時間帯Tprおよび安定書込時間帯Tpwに基づいて、安定移行時間帯Tptを算出し、移行元ボリュームから移行先ボリュームへの移行データの移行が可能になると推定できる移行可能時刻を算出し、移行可能時刻等の移行に関する情報を移行保留テーブル242に保存をする(ステップS308)。
【0255】
安定移行時間帯Tptとは、移行元ボリュームから移行先ボリュームへ、安定してデータをコピーできると推定できる時間帯である。ストレージ運用支援装置1は、安定読出時間帯Tprと、安定書込時間帯Tpwとで、重複している時間帯を安定移行時間帯Tptとして、算出する。定移行時間帯Tptでは、安定して、移行元ボリュームから移行先ボリュームへ、安定してデータをコピーできると推定できる。
【0256】
ストレージ運用支援装置1は、安定移行時間帯Tptの開始時刻(最も早い時刻)を、移行可能時刻として算出する。
【0257】
ストレージ運用支援装置1は、算出した移行可能時刻の値を移行レコードに保存する。このように、算出した移行可能時刻の値を保存した移行レコードを以下、「第2移行レコード」と称する。そして、ストレージ運用支援装置1は、移行レコードが移行保留テーブル242に保存されていた場合には、ストレージ運用支援装置1は、移行保留テーブル242に保存される移行レコードを、第2移行レコードに置き換える。また、移行レコードが、移行可能テーブル241に保存されていた場合には、ストレージ運用支援装置1は、移行可能テーブル241から、移行可能レコードを削除して、移行保留テーブル242に、第2移行レコードを保存する。その結果、ストレージ運用支援装置1は、移行レコードに対応する、移行可能テーブル241のレコードまたは移行可能テーブル241のレコードに含まれる情報は、更新される。
【0258】
次に、ストレージ運用支援装置1は、移行可能テーブル241および移行保留テーブル242に保存されているすべてのレコードの移行IDについて処理が完了したか否かを判定する(ステップS309)。ストレージ運用支援装置1が、移行可能テーブル241および移行保留テーブル242に保存されているすべてのレコードの移行IDについて処理が完了していないと判定した場合は、ストレージ運用支援装置1はステップS202に戻り、処理を継続する。一方、ストレージ運用支援装置1が、移行可能テーブル241および移行保留テーブル242に保存されているすべてのレコードの移行IDについて処理が完了したと判定した場合には、ストレージ運用支援装置1は、ステップS310の処理を実行する。
【0259】
次に、ストレージ運用支援装置1は、移行可能テーブル241および移行保留テーブル242を主記憶装置22に読み出して出力し、処理を終了する(ステップS310)。ここで、出力先は、ユーザ端末500またはストレージ運用支援装置1の出力装置25である。移行可能テーブル241および移行保留テーブル242が出力されると、ユーザ端末500またはストレージ運用支援装置1の出力装置25に表示された評価画面に表示されている移行可能テーブル2711および移行保留テーブル2712は、出力した移行可能テーブル241および移行保留テーブル242に置き換えて表示されるようになっている。
【0260】
<発明の効果>
このように、実施例において、ストレージ運用支援装置1は、評価対象ストレージ装置対して、環境への負荷(CO排出量)、コスト、性能に基づいて総合スコアを算出する。総合スコアには、環境への負荷(CO排出量)を含む値である。従って、ユーザが、総合スコアを参照して、ストレージ装置を、環境への負荷を含めて、総合的に評価することを容易にする。ひいては、ストレージ運用支援装置1は、ユーザのストレージ装置の運用を容易にする。そして、ストレージ運用支援装置1は、企業の社会的責任を果たすために必要とされる、ストレージシ装置のCO排出量および消費電力をより正確に算出でき、企業がCO排出量および消費電力を管理して削減することをより一層容易にする。さらに、ストレージ運用支援装置1は、CO排出量を実際に削減して、サステイナブルな環境を構築することを容易にする。
【0261】
また、ストレージ運用支援装置1は、電力供給元から二酸化炭素排出係数(CO排出係数)を取得して、取得した二酸化炭素排出係数(CO排出係数)に基づいて、環境スコアを算出する。これにより、ストレージ運用支援装置1は、より適切な環境スコアを算出でき、ひいては、ユーザがより適切にストレージ装置を運用できる。
【0262】
また、ストレージ運用支援装置1は、環境スコア重みと環境スコアの積と、コストスコア重みとコストスコア重みの積と、性能スコア重みと性能スコアの積と、の総和を総合スコアとして算出する。これにより、ストレージ運用支援装置1は、より適切な総合スコアを算出でき、ひいては、ユーザがより適切にストレージ装置を運用できる。
【0263】
また、ストレージ運用支援装置1は、所定の時間ごとに、評価部11に、評価処理(図21参照)を実行する。これにより、経時的にストレージ装置の状況を評価して、適切にストレージ装置の状態を検討しることができる。ひいては、ユーザがより適切にストレージ装置を運用できる。
【0264】
また、ストレージ運用支援装置1は、使用中のストレージ装置それぞれに対する、少なくとも1つのスコア(環境スコア、コストスコア、性能スコア、総合スコア)の時系列変化を示すストレージ装置時系列評価グラフ(図19のストレージ装置時系列評価グラフ1915参照)の情報を生成する。これにより、ユーザは、使用中のストレージ装置に対して、ストレージ装置時系列評価グラフを参照して、使用中のストレージ装置に対して時系列の評価をすることが容易になる。
【0265】
また、ストレージ運用支援装置1は、オンプレミス環境のストレージ装置と、クラウド環境のストレージ装置との両方に対して、環境スコア、コストスコア、性能スコア、総合スコアを算出する。これにより、ユーザは、オンプレミス環境のストレージ装置と、クラウド環境のストレージ装置との一方ではなく、両方に対して、評価を容易にすることができる。従って、ユーザは、適切なストレージ装置を運用することが容易になる。
【0266】
また、ストレージ運用支援装置1は、ストレージ候補評価処理(図24参照、ストレージ候補評価部32)において、候補ストレージ装置(未使用ストレージ装置)に対して評価(環境スコア、コストスコア、性能スコアおよび総合スコアの算出)を行うことができる。これにより、ストレージ運用支援装置1は、新たにストレージ装置を導入する際に、新規ストレージ装置を選択することを容易にする。ひいては、ストレージ運用支援装置1は、環境への負荷、コスト、性能のバランスが取れた、適切なストレージ装置を選択することを容易にする。
【0267】
また、図24のストレージ候補評価処理のフローチャートのステップS207にて、ストレージ運用支援装置1が「候補ストレージ装置それぞれに対する、環境スコアと、コストスコアと、性能スコアと、総合スコアとの少なくとも1つのスコアの大きさを示すスコア比較グラフの情報」を生成することで、棒グラフ(スコア比較グラフ)2612およびチャート(スコア比較グラフ)2613を、ユーザに容易に提示できる。そして、ユーザは、棒グラフ2612およびチャート2613を参照すれば、新規に使用するストレージ装置の候補のストレージ装置(候補ストレージ装置)の間で、環境スコア、コストスコア、性能スコアを容易に比較できる。その結果、環境への負荷、コスト、性能のバランスが取れた、適切ストレージ装置を選択することを容易にする。従って、ストレージ運用支援装置1は、環境への負荷、コスト、性能のバランスが取れた、適切なストレージ装置を選択することを容易にする。
【0268】
また、ストレージ運用支援装置1は、ストレージ候補評価処理(図24参照、ストレージ候補評価部32)において、ストレージ装置換算容量(換算記憶容量)に基づいて、候補ストレージ装置(未使用ストレージ装置)が、ストレージ装置の容量に関する要件を満すか否かを判定する。これにより、ストレージ運用支援装置1は、ストレージ候補評価処理(図24参照、ストレージ候補評価部32)において、ストレージ装置の容量に関する要件を満すか否かをより適切に判定できる。ひいては、ユーザは、適切なストレージ装置を運用することが容易になる。
【0269】
また、ストレージ運用支援装置1は、移行支援処理(移行支援部33)にて、移行元ボリュームから移行先ボリュームに直ちに移行可能と判定した場合(図28の移行支援処理のフローチャートのステップS304:Yes)には、ステップS305にて、移行元ボリュームから移行データを読み出して移行先ボリュームに保存するためにかかる移行時間と、移行先ボリュームID(移行元ボリューム特定情報)と、移行元ボリュームID(移行先ボリューム特定情報)と、を対応づけた移行可能テーブル241(移行可能ボリューム情報)を生成する。これにより、ユーザは、移行可能テーブル241(移行可能ボリューム情報)を参照して、安定して移行できるボリュームを移行させることができるため、ユーザは、適切にボリュームを移行することが容易になる。
【0270】
また、ストレージ運用支援装置1は、移行支援処理(移行支援部33)にて、移行可能テーブル241の移行情報レコードの移行時間短縮機能1303、または移行保留テーブル242の移行情報レコードの移行時間短縮機能1403の値である、移行元ボリュームから移行先ボリュームへの見かけ移行時間短縮機能の有無の情報が、見かけ移行時間短縮機能が「有」ることを表す場合に、データ移行時間を所定の移行短縮時間とする。これにより、ストレージ運用支援装置1は、移行時間をより好適に算出でき、ひいては、ユーザは、適切にボリュームを移行することが容易になる。
【0271】
また、ストレージ運用支援装置1は、移行元ボリュームから移行先ボリュームへの移行データの移行が可能になると推定できる移行可能時刻を算出し、移行ボリュームID(移行元ボリューム特定情報)と、移行先ボリュームID(移行先ボリューム特定情報)と、算出した移行可能時刻と、を対応づけた移行保留テーブル242(移行保留情報)を生成する。これにより、ユーザが、容易に適切な移行のスケジュールを策定できる。
【0272】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
【0273】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0274】
1:ストレージ運用支援装置
100:ストレージ装置
11:評価部
12:ストレージ候補評価部
13:移行支援部
21:プロセッサ
22:主記憶装置
23:副記憶装置
231:オンプレミス環境ストレージ装置稼働情報テーブル
232:クラウド環境ストレージ装置稼働情報テーブル
233:ボリューム稼働情報テーブル
234:CO2排出係数取得場所テーブル
235:ボリューム評価テーブル
236:ストレージ装置評価テーブル
237:オンプレミス環境ストレージ候補情報テーブル
238:クラウド環境ストレージ候補情報テーブル
239:要件情報テーブル
240:要件充足ストレージ装置テーブル
241:移行可能テーブル
242:移行保留テーブル
243:移行元ストレージ読出速度テーブル
244:移行先ストレージ書込速度テーブル
24:入力装置
25:出力装置
26:ネットワークI/F
27:バス
NW、NWL:ネットワーク
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