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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】塵埃除去装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20240920BHJP
   B65G 45/10 20060101ALI20240920BHJP
   B65G 27/08 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B65G47/14 101C
B65G45/10 Z
B65G27/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022077993
(22)【出願日】2022-05-11
(65)【公開番号】P2023167091
(43)【公開日】2023-11-24
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】599069507
【氏名又は名称】株式会社ダイシン
(73)【特許権者】
【識別番号】591009705
【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100100055
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 弘明
(72)【発明者】
【氏名】神戸 祐二
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 和紀
(72)【発明者】
【氏名】小寺 克義
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204384290(CN,U)
【文献】特開平07-257725(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113510116(CN,A)
【文献】特開2012-250188(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113443364(CN,A)
【文献】特開平10-137685(JP,A)
【文献】特開2014-000537(JP,A)
【文献】特開平05-096243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/14
B65G 45/10
B65G 27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動式搬送装置に搭載される塵埃除去装置であって、振動式搬送装置に着脱自在に取り付けられ、上面が搬送面となるように構成されたブロックと、
前記ブロックに圧縮空気を供給する空気供給手段と、
前記ブロックの上側に所定間隔を空けて配置された吸気可能な第1の吸気手段と、
前記ブロックから外側へ吸引排出するように構成された第2の吸気手段と、を有し、
前記ブロックは上層部材と下層部材とを上下に積層してなる少なくとも二層からなり、前記上層部材は上面から底面まで上下方向に貫通する複数の孔を備えており、前記下層部材は前記複数の孔の形成領域に対応する範囲内に配置された凹部と噴射孔とが設けられ、前記ブロックの中には前記上層部材の底面と前記下層部材における前記凹部の内面と底面とで囲まれ、前記複数の孔から落下したごみを収容可能に構成された内部空間が設けられ、
前記空気供給手段から供給された圧縮空気は前記噴射孔から噴射されて前記複数の孔を通って前記ブロックの上部から吹き上がるように構成され、
前記第1の吸気手段は前記空気供給手段によって吹き上げられたごみを吸引排出するように構成され、
前記第2の吸気手段はごみを前記内部空間から前記ブロックの外側へ吸引排出するように構成されることを特徴とする塵埃除去装置。
【請求項2】
前記上層部材の前記複数の孔は開口径が前記上層部材の上面から底面まで順次拡径していることを特徴とする請求項1に記載の塵埃除去装置。
【請求項3】
前記噴射孔は前記凹部の底部に形成されており、前記内部空間の内部は前記噴射孔の内径より大きく構成されており、前記噴射孔と前記内部空間と前記複数の孔とは下側から上側に向かって上下方向に順次連通しており、前記空気供給手段から供給された圧縮空気は前記噴射孔から前記内部空間の中に噴射されるように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の塵埃除去装置。
【請求項4】
前記噴射孔は複数設けられていることを特徴とする請求項3に記載の塵埃除去装置。
【請求項5】
前記ブロックには前記上層部材と前記下層部材の間に中層部材をさらに有し、前記中層部材は前記下層部材の前記凹部に対応する範囲内に配置され、上面から底面まで上下方向に貫通する開口を備えており、前記ブロックの前記内部空間は前記上層部材の底面と前記中層部材における前記開口の内面と前記下層部材における前記凹部の内面と底面とで囲まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の塵埃除去装置。
【請求項6】
前記噴射孔は前記凹部の底部に形成されており、前記内部空間の内部は前記噴射孔の内径より大きく構成されており、前記噴射孔と前記内部空間と前記複数の孔とは下側から上側に向かって上下方向に順次連通しており、前記空気供給手段から供給された圧縮空気は前記噴射孔から前記内部空間の中に噴射されるように構成されることを特徴とする請求項5に記載の塵埃除去装置。
【請求項7】
前記噴射孔は複数設けられていることを特徴とする請求項6に記載の塵埃除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塵埃除去装置に関する。特に、部品を搬送する振動式搬送装置、いわゆるパーツフィーダに搭載するのに好適な塵埃除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送装置の搬送路上の塵や埃等のごみを除去するために、搬送路の表面上に除塵筒やクリーナを配置して、ごみを搬送路から上側へ吸い上げて排出するように構成されてなる塵埃除去装置が考案されており、例えば、特許文献1~2に記載されている。
【0003】
また、振動式搬送装置の搬送路やパーツフィーダのボウル底部を金網状やパンチングメタル状に形成し、ごみを搬送路やボウル底部から下側へ落下させて吸引排出するように構成されてなる塵埃除去装置が考案されており、例えば、特許文献3~5に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭64-014719号公報
【文献】実開昭55-117417号公報
【文献】特開平10-029719号公報
【文献】特開平05-138681号公報
【文献】実開昭53-053770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1~2に記載の塵埃除去装置は、ごみを搬送路から上側へ吸い上げて吸引排出するので、重量のあるごみを吸い上げることができないという問題がある。また、特許文献3~5に記載の塵埃除去装置は、ごみを搬送路やボウル底部の孔や溝から下側へ落下させて吸引排出するので、軽量なごみや、搬送物の上にあるごみや、孔や溝の開口より大きい寸法のごみなどを孔や溝から下側へ落下させにくいという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、軽量なごみと重量のあるごみとの両方を除去できる塵埃除去装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、振動式搬送装置に搭載される塵埃除去装置であって、振動式搬送装置に着脱自在に取り付けられ、上面が搬送面となるように構成されたブロックと、前記ブロックに圧縮空気を供給する空気供給手段と、前記ブロックの上側に所定間隔を空けて配置された吸気可能な第1の吸気手段と、前記ブロックから外側へ吸引排出するように構成された第2の吸気手段と、を有し、前記ブロックは上層部材と下層部材とを上下に積層してなる少なくとも二層からなり、前記上層部材は上面から底面まで上下方向に貫通する複数の孔を備えており、前記下層部材は前記複数の孔の形成領域に対応する範囲内に配置された凹部と噴射孔とが設けられ、前記ブロックの中には前記上層部材の底面と前記下層部材における前記凹部の内面と底面とで囲まれ、前記複数の孔から落下したごみを収容可能に構成された内部空間が設けられ、前記空気供給手段から供給された圧縮空気は前記噴射孔から噴射させて前記複数の孔を通って前記ブロックの上部から吹き上がるように構成され、前記第1の吸気手段は前記空気供給手段によって吹き上げられたごみを吸引排出するように構成され、前記第2の吸気手段はごみを前記内部空間から前記ブロックの外側へ吸引排出するように構成されることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、振動式搬送装置に搭載される塵埃除去装置は、振動式搬送装置に着脱自在に取り付けられ、上面が搬送面となるように構成されたブロックと、前記ブロックに圧縮空気を供給する空気供給手段と、前記ブロックの上側に所定間隔を空けて配置された吸気可能な第1の吸気手段と、前記ブロックから外側へ吸引排出するように構成された第2の吸気手段と、を有し、前記ブロックは上層部材と下層部材とを上下に積層してなる少なくとも二層からなり、前記上層部材は上面から底面まで上下方向に貫通する複数の孔を備えており、前記下層部材は前記複数の孔の形成領域に対応する範囲内に配置された凹部と噴射孔とが設けられ、前記ブロックの中には前記上層部材の底面と前記下層部材における前記凹部の内面と底面とで囲まれ、前記複数の孔から落下したごみを収容可能に構成された内部空間が設けられ、前記空気供給手段から供給された圧縮空気は前記噴射孔から噴射させて前記複数の孔を通って前記ブロックの上部から吹き上がるように構成され、前記第1の吸気手段は前記空気供給手段によって吹き上げられたごみを吸引排出するように構成され、前記第2の吸気手段はごみを前記内部空間から前記ブロックの外側へ吸引排出するように構成されることにより、前記ブロック上の軽量なごみを前記空気供給手段の圧縮空気によって吹き上げてから前記第1の吸気手段によって吸引排出させるとともに、前記ブロック上の重量のあるごみを前記複数の孔から前記内部空間の中に落下させてから前記第2の吸気手段によって前記ブロックの外側へ吸引排出させるので、軽量なごみと重量のあるごみとの両方を除去できるとともに、前記上層部材と前記下層部材とを上下に積み重ねることによって前記ブロックの中に前記内部空間が形成されるので、1つのかたまりからなるブロック(部材)の中に内部空間を形成する場合に比べて、前記内部空間を容易かつ低コストに形成できる。
【0009】
本発明において、前記上層部材の前記複数の孔は開口径が前記上層部材の上面から底面まで順次拡径していることが好ましい。この発明によれば、前記上層部材の前記複数の孔は開口径が前記上層部材の上面から底面まで順次拡径していることにより、前記複数の孔は前記上層部材の底面側の開口が上面側の開口より大きくなるので、前記上層部材の上面側から前記複数の孔の中に入ったごみを前記複数の孔の中に詰まらせることなく、前記上層部材の底面側から確実に排出できる。
【0010】
本発明において、前記噴射孔は前記凹部の底部に形成されており、前記内部空間の内部は前記噴射孔の内径より大きく構成されており、前記噴射孔と前記内部空間と前記複数の孔とは下側から上側へ向かって上下方向に順次連通しており、前記空気供給手段から供給された圧縮空気は前記噴射孔から前記内部空間の中に噴射されることが好ましい。
【0011】
この発明によれば、前記噴射孔は前記凹部の底部に形成されており、前記内部空間の内部は前記噴射孔の内径より大きく構成されており、前記噴射孔と前記内部空間と前記複数の孔とは下側から上側へ向かって上下方向に順次連通しており、前記空気供給手段から供給された圧縮空気は前記噴射孔から前記内部空間の中に噴射されることにより、前記噴射孔と前記複数の孔とが直接連通する場合に比べて、圧縮空気を前記内部空間の中で拡散させることができるので、圧縮空気をより多くの前記複数の孔に通すことができ、前記ブロック上のより広い範囲にあるごみを吹き上げることができる。
【0012】
本発明において、前記噴射孔は複数設けられていることが好ましい。この発明によれば、前記噴射孔は複数設けられているので、前記噴射孔が1つである場合に比べて、前記ブロック上のより広い範囲のごみを吹き上げることができる。
【0013】
本発明において、前記ブロックには前記上層部材と前記下層部材の間に中層部材をさらに有し、前記中層部材は前記下層部材の前記凹部に対応する範囲内に配置され、上面から底面まで上下方向に貫通する開口を備えており、前記ブロックの前記内部空間は前記上層部材の底面と前記中層部材における前記開口の内面と前記下層部材における前記凹部の内面と底面とで囲まれることが好ましい。
【0014】
この発明によれば、前記ブロックには前記上層部材と前記下層部材の間に中層部材をさらに有し、前記中層部材は前記下層部材の前記凹部に対応する範囲内に配置され、上面から底面まで上下方向に貫通する開口を備えており、前記ブロックの前記内部空間は前記上層部材の底面と前記中層部材における前記開口の内面と前記下層部材における前記凹部の内面と底面とで囲まれることにより、前記ブロックが前記上層部材と前記下層部材とからなる場合に比べて、前記ブロックの前記内部空間を前記中層部材の上下方向の厚み分だけ容易に大きくすることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上、説明したように本発明によれば、空気供給手段によってブロックに圧縮空気を供給してブロック上の軽量なごみを吹き上げてから第1の吸気手段によって吸引排出するとともに、ブロック上の重量のあるごみをブロックの中の内部空間へ落下させてから第2の吸気手段によって吸引排出するので、軽量なごみと重量のあるごみとの両方を除去できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る実施形態の塵埃除去装置を搭載した振動式搬送装置を模式的に示す概略平面図である。
図2】振動式搬送装置のホッパーを省略した状態を示す斜視図である。
図3】振動式搬送装置に搭載された塵埃除去装置を模式的に示す概略部分断面図である。
図4】本実施形態の塵埃除去装置のブロックを示す斜視図である。
図5】ブロックを図4の仮想平面Sで切断した状態を示す断面斜視図である。
図6】ブロックの分解斜視図である。
図7】上層部材の平面図(a)とB-B断面図(b)と一点鎖線Cで囲む範囲内を示す拡大図(c)とである。
図8】搬送物を示す斜視図である。
図9】他の上層部材の平面図(a)とB′-B′断面図(b)と一点鎖線C′で囲む範囲内を示す拡大図(c)とである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施形態の塵埃除去装置について詳細に説明する。図1は本発明に係る実施形態の塵埃除去装置を搭載した振動式搬送装置を模式的に示す概略平面図である。図1に示すように、振動式搬送装置10は循環式搬送装置であり、第1のリニアフィーダ(linear feeder)20と第2のリニアフィーダ30とホッパー(hopper)40とを有する。第1のリニアフィーダ20は一方向に伸びる搬送体21を備えており、この搬送体21は平行に伸びる直線状の2本の搬送路22,23を有する。第2のリニアフィーダ30は一方向に伸びる搬送体31を備えており、この搬送体31は直線状の1本の搬送路32を有する。第1のリニアフィーダ20と第2のリニアフィーダ30とは互いの搬送方向F,Rが反対となるように隣接配置されている。第1のリニアフィーダ20における一方の搬送路22はその下流端22aから正規姿勢の搬送物を他の装置へ受け渡すことができるように構成されており、他方の搬送路23は一方の搬送路22と平行に配列され、一方の搬送路22から姿勢不良によって排除された搬送物を一方の搬送路22と同一の搬送方向Fに搬送するものである。第1のリニアフィーダ20の他方の搬送路23の下流端と第2のリニアフィーダ30の搬送路32の上流端とは搬送物を受け渡し可能に接続されている。第2のリニアフィーダ30の搬送路32の下流端と第1のリニアフィーダ20の一方の搬送路22の上流端とは搬送物を受け渡し可能に接続されている。このため、搬送物は第1のリニアフィーダ20と第2のリニアフィーダ30との間を循環するように構成されている。ホッパー40は搬送物を貯蔵し、第2のリニアフィーダ30の搬送路32へ少しずつ搬送物を供給するものである。
【0018】
図2は振動式搬送装置のホッパーを省略した状態を示す斜視図である。図1図2に示すように、本実施形態の塵埃除去装置50は振動式搬送装置10の一点鎖線Aで囲む位置に設けられている。具体的には、塵埃除去装置50は第2のリニアフィーダ30の搬送路32の下流側に配置されている。すなわち、塵埃除去装置50は第2のリニアフィーダ30から第1のリニアフィーダ20へ搬送物を受け渡す前の位置に配置され、この第1のリニアフィーダ20には空気噴射装置によって搬送物の姿勢を変更する図示しない整列装置が設けられている。このため、整列装置の空気噴射装置によってごみを搬送物とともに巻き上げてしまう前に塵埃除去装置50によってごみを除去できるようになっている。
【0019】
図3は振動式搬送装置における塵埃除去装置を模式的に示す概略部分断面図である。図3に示すように、塵埃除去装置50はブロック51と空気供給手段52と第1の吸気手段53と第2の吸気手段54とを有する。ブロック51は略直方体であり、第2のリニアフィーダ30の搬送体31に着脱可能に取り付けられている。
【0020】
図4は本実施形態の塵埃除去装置のブロックを示す斜視図である。図5はブロックを図4の仮想平面Sで切断した状態を示す断面斜視図である。図4図5に示すように、ブロック51は上層部材511と中層部材512と下層部材513と最下層部材514とを有する。
【0021】
ここで、図3図7図9の中において、矢印Upで示す方向を上側とし(図3図6図7(b)~(c)と図9(b)~(c)とでは紙面の上側であり、図7(a)と図9(a)とでは紙面の正面側である。)、矢印Dwで示す方向を下側とし(図3図6図7(b)~(c)と図9(b)~(c)とでは紙面の下側であり、図7(a)と図9(a)とでは紙面の背面側である。)、矢印Upと矢印Dwで示す方向を上下方向とする。矢印Inで示す方向を奥側とし(図3図7(b)~(c)と図9(b)~(c)とでは紙面の背面側であり、図4図6では紙面の左上側であり、図7(a)と図9(a)とでは紙面の上側である。)、矢印Otで示す方向を手前側とし(図3図7(b)~(c)と図9(b)~(c)とでは紙面の正面側であり、図4図6では紙面の右下側であり、図7(a)と図9(a)とでは紙面の下側である。)、矢印Inと矢印Otで示す方向を幅方向とする。矢印Usで示す方向を上流側とし(図3図7図9とでは紙面の右側であり、図4図6では紙面の右上側である。)、矢印Dsで示す方向を下流側とし(図3図7図9では紙面の左側であり、図4図6では紙面の左下側である。)、矢印Usと矢印Dsで示す方向を長手方向とする。これら方向は相対的な位置関係を示すものであり、重力方向に対する絶対的な位置関係を示すものではない。
【0022】
図6はブロックの分解斜視図である。図7は上層部材の平面図(a)とB-B断面図(b)と一点鎖線Cで囲む範囲内を示す拡大図(c)である。図6図7に示すように、上層部材511は矩形状の板状であり、矢印Usと矢印Dsで示す長手方向に伸びており、複数の孔511aと締結孔511pとが設けられている。この複数の孔511aは円形であり、上層部材511の矢印Upで示す上側の上面511Aから矢印Dwで示す下側の底面511Bまで矢印Upと矢印Dwで示す上下方向に貫通している。
【0023】
図7(a)と図7(b)に示すように、複数の孔511aは上層部材511の矢印Otで示す手前側に寄った位置に配置されている。具体的には、複数の孔511aの一点鎖線で囲む形成領域SAは、上層部材511の矢印Inと矢印Otで示す幅方向において、手前側の端縁511oから矢印Inで示す奥側の端縁511iへ向かって上層部材511の幅長Wの約3分の2の位置までの間と、上層部材511の長手方向において、矢印Usで示す上流側の端縁511uから矢印Dsで示す下流側の端縁511dまでの間とで囲まれる範囲である。複数の孔511aはこの形成領域SAの中に分散するように配置されている。図示例では、複数の孔511aは合計224個ある。すなわち、上層部材511の幅方向に伸びる1つの列の中に複数の孔511aが7個あり、この列が長手方向に32列ある(7個×32列=224個)。
【0024】
図7(c)に示すように、この複数の孔511aは開口径が上層部材511の上面511Aから底面511Bまで順次拡径しており、底面511Bの開口が上面511Aの開口より大きくなっている。言い換えると、複数の孔511aは、上面511Aの開口径r1が底面511Bの開口径r2より小さいとともに(r1<r2)、底面511Bの開口径r2が上面511Aの開口径r1より大きい(r2>r1)。この複数の孔511aは内面511fが円錐面状に形成されている。これにより、ごみが複数の孔511aの中へ上側(上面511Aの側)から入ると、複数の孔511aの中に詰まってしまうことなく、複数の孔511aを通って下側(底面511Bの側)から排出できるようになっている。
【0025】
ここで、図8は搬送物を模式的に示す斜視図である。図8に示すように、搬送物CNは特に限定されるものではないが、略直方体であり、長手方向の長さlと幅wと厚みtとが順次小さくなるものを想定している(l>w>t)。すなわち、搬送物CNの辺のうち、長手方向の長さlが一番大きい最大辺となり、幅wが中間の大きさである中間辺となり、厚みtが一番小さい最小辺となっている。この場合、搬送物CNの長手方向両端の端面Sc,Scが搬送物CNの六面のうちの一番小さい面である最小面となる。この端面Sc,Scの対角線の長さdは搬送物CNの最小面の対角線の長さなっている。なお、搬送物CNは長手方向両端部が丸められていてもよい。一例として、搬送物CNは電気抵抗、積層セラミックコンデンサ、インダクタ、ダイオード、トランジスタなどの電子部品であり、長手方向の両端部に電極が設けられている。この搬送物の寸法は特に限定されず、0604(l=0.6mm×w=0.4mm)でもよいし、0402(l=0.4mm×w=0.2mm)でもよいし、0201(l=0.25mm×w=0.125)でもよい。
【0026】
図7(c)と図8に示すように、複数の孔511aはなるべく大きいごみを通すことができるように構成されている。具体的には、複数の孔511aにおける上面511Aの開口径r1は、搬送物CNの端面Sc,Scの対角線の長さdより小さくなるように設定されている(r1<d)。すなわち、複数の孔511aの開口径r1は搬送物CNの最小面の対角線の長さより小さくなるように設定されている。又は、複数の孔511aにおける上面511Aの開口径r1は、搬送物CNの厚みtとほぼ同じとなるように設定されている(r1≒t)。つまり、複数の孔511aの開口径r1は搬送物CNの最小辺の長さとほぼ同じとなるように設定されている。これにより、複数の孔511aは搬送物CNが入ってしまうことを防止しつつ、比較的大きいごみを通すことができるようになっている。
【0027】
また、上層部材511の締結孔511pは円形であり、ボルトやネジ等の締結具を挿通可能に構成されており、上層部材511の奥側に配置され、上層部材511の上面511Aから底面511Bまで上下方向に貫通している。図示例では、締結孔511pは4個あり、上層部材511の長手方向に互いに間隔を空けて一列に配列されている。
【0028】
図9は他の上層部材の平面図(a)とB′-B′断面図(b)と一点鎖線C′で囲む範囲内を示す拡大図(c)である。図9(a)から図9(c)までに示すように、他の実施形態の上層部材511′は複数の孔511a′が図7の上層部材511における複数の孔511aと異なっており、その他の部分は上層部材511と同一である。上層部材511と同一部分は同一符号を付し、その説明を省略する。この上層部材511′の複数の孔511a′は上層部材511の複数の孔511aより開口径が小さいとともに、一点鎖線で囲む形成領域SAの中により多く形成されている(図9(a)参照)。図示例では、複数の孔511a′は378個ある。すなわち、上層部材511′の幅方向に伸びる1つの列の中に複数の孔511a′が9個あり、この列が長手方向に42列ある(9個×42列=378個)。これにより、この上層部材511′は上層部材511より小さい寸法の搬送物CNを搬送させることができるようになっている。
【0029】
図9(c)に示すように、この複数の孔511a′は図7の複数の孔511aと同様に、上層部材511′の上面511A′から底面511B′まで上下方向に貫通しており、開口径が上層部材511′の上面511A′から底面511B′まで順次拡径しており、底面511B′の開口が上面511A′の開口より大きい。言い換えると、複数の孔511a′は、上面511A′の開口径r3が底面511B′の開口径r4より小さいとともに(r3<r4)、底面511B′の開口径r4が上面511A′の開口径r3より大きい(r4>r3)。この複数の孔511a′は内面511f′が円錐面状に形成されている。これにより、ごみが複数の孔511a′の中へ上側(上面511A′の側)から入ると、複数の孔511a′の中に詰まってしまうことなく、下側(底面511B′の側)から排出できるようになっている。なお、この上層部材511′の締結孔511pは上層部材511の締結孔511pと同じである。
【0030】
図6に戻って、中層部材512は上層部材511と同様に長手方向に伸びる矩形状の板状であり、開口512aと締結溝512pとが設けられている。この開口512aは略矩形状であり、複数の孔511aの形成領域SAに対応する範囲内に配置されており、中層部材512の上面512Aから底面512Bまで上下方向に貫通している。開口512aは幅方向の幅長が形成領域SAの幅長Wsと略同一又はより小さいとともに、長手方向に伸びている。図示例では、開口512aは2個あり、長手方向に間隔を空けて配置されている。これにより、開口512aとして大きい開口が1個設けられている場合に比べて中層部材512の強度を補強できるようになっている。
【0031】
中層部材512の締結溝512pは上層部材511の締結孔511pと同様に、ボルトやネジ等の締結具を挿通可能に構成されており、中層部材512の上面512Aから底面512Bまで上下方向に貫通している。この締結溝512pは円弧部512p1と矩形部512p2とを有する。円弧部512p1は円形であり、上層部材511の締結孔511pに対応する位置に配置されている。矩形部512p2は略矩形であり、円弧部512p1から中層部材512の奥側の端縁512iまで伸びている。このため、円弧部512p1と矩形部512p2は連通しており、締結溝512pは中層部材512の奥側に開口している。図示例では、締結溝512pは上層部材511の締結孔511pと同様に4個あり、中層部材512の長手方向に互いに間隔を空けて一列に配列されている。
【0032】
次に、下層部材513は上層部材511と同様に長手方向に伸びる矩形状の板状であり、凹部513aと締結孔513pとが設けられている。凹部513aは略矩形状であり、複数の孔511aの形成領域SAに対応する範囲内に配置されており、下層部材513の上面513Aから下側に向かって凹んでいる。凹部513aは幅方向の幅長が形成領域SAの幅長Wsと略同一又はより小さいとともに、下層部材513の下流側の端縁513dから上流側の端縁513uの近くまで長手方向に伸びている。図示例では、凹部513aは1個設けられている。
【0033】
この凹部513aには噴気孔513sと吸気孔513rとが設けられている。この噴気孔513sと吸気孔513rとは円形であり、凹部513aの底部に形成されており、凹部513aの底面から下層部材513の底面513Bまで上下方向に貫通している。噴気孔513sは凹部513aの上流側に配置されており、吸気孔513rは凹部513aの下流側に配置されている。図示例では、噴気孔513sは10個あり、長手方向に5つ間隔を空けて配置された列が幅方向に二列に配置されている。吸気孔513rは1個ある。
【0034】
下層部材513の締結孔513pは上層部材511の締結孔511pと同様に、ボルトやネジ等の締結具を挿通可能に構成されており、上層部材511の締結孔511pに対応する位置に配置されており、下層部材513の上面513Aから底面513Bまで上下方向に貫通している。図示例では、締結孔513pは上層部材511の締結孔511pと同様に4個あり、下層部材513の長手方向に互いに間隔を空けて一列に配列されている。
【0035】
また、最下層部材514は上層部材511と同様に長手方向に伸びる矩形状の板状であり、凹溝514aと吸気孔514rと締結孔514pとが設けられている。この凹溝514aは最下層部材514の上流側に寄った中央部分に配置されている。凹溝514aは長手方向に伸びており、最下層部材514の上面514Aから下側へ向かって凹んでいる。凹溝514aの上流側部分は下層部材513の噴気孔513sと対応する位置に配置されている。凹溝514aの下流側の端部には導入孔514sが形成されている。この導入孔514sは円形であり、凹溝514aの底面から最下層部材514の底面514Bまで上下方向に貫通している。図示例では、凹溝514aと導入孔514sとは1個ずつ設けられている。
【0036】
最下層部材514の吸気孔514rは円形であり、下層部材513の吸気孔513rに対応する位置、すなわち、最下層部材514の下流側に配置されている。この吸気孔514rは最下層部材514の上面514Aから底面514Bまで上下方向に貫通している。図示例では、吸気孔514rは1個設けられている。このため、最下層部材514の凹溝514aと吸気孔514rとは長手方向に間隔を空けて上流側と下流側とにそれぞれ配置されている。
【0037】
最下層部材514の締結孔514pは上層部材511の締結孔511pと同様に、ボルトやネジ等の締結具を挿通可能に構成されており、上層部材511の締結孔511pに対応する位置に配置されており、最下層部材514の上面514Aから底面514Bまで上下方向に貫通している。この締結孔514pは下側部分の開口径が上側部分の開口径より拡径している、いわゆるザグリ加工が施されている。このため、締結孔514pの下側部分には締結具Btの頭部を収納できるようになっている(図3参照)。図示例では、締結孔514pは上層部材511の締結孔511pと同様に4個あり、長手方向に互いに間隔を空けて一列に配列されている。
【0038】
図3図5図6に示すように、最下層部材514と下層部材513と中層部材512と上層部材511とは下側から上側へ上下方向に順次積層されてブロック51が形成される。つまり、ブロック51は上下方向に四層構造を備えている。この状態において、最下層部材514の締結孔514pと下層部材513の締結孔513pと中層部材512の締結溝512pと上層部材511の締結孔511pとが上下方向に連通しており、ボルトやネジ等の締結具Btがブロック51の下側から締結孔514pと締結孔513pと締結溝512pと締結孔511pとに順次挿通されて締め付けられる。このとき、締結具Btの頭部は最下層部材514の締結孔514pのザグリ加工部分に収容される。これにより、上層部材511と中層部材512と下層部材513と最下層部材514とが締結されている(図3参照)。
【0039】
図5図6に示すように、ブロック51の上側の三層部分において、すなわち、上層部材511と中層部材512と下層部材513との積層状態において、上層部材511の底面511Bと中層部材512における開口512aの内面と下層部材513における凹部513aの内面と底面とで囲まれる内部空間51iが構成される。この内部空間51iは複数の孔511aの形成領域SAに対応する範囲内に配置される。すなわち、内部空間51iは複数の孔511aの形成領域SAの下側に配置される。複数の孔511aと内部空間51iとは上下方向に連通している。言い換えると、内部空間51iはブロック51の中に形成され、内部空間51iの上側は複数の孔511aによって開口している。上層部材511の上面511Aはブロック51の上面51Aを構成する。これにより、ブロック51の上から比較的重量のあるごみを複数の孔511aを通して内部空間51iの中に落下させることができるようになっている。
【0040】
ブロック51の下側の二層部分において、すなわち、下層部材513と最下層部材514との積層状態において、下層部材513の底面513Bと最下層部材514における凹溝514aの内面と底面とで囲まれる気流路51rが構成される。この気流路51rは凹溝514aと同様に長手方向に伸びている。気流路51rの上流側部分は下層部材513の噴気孔513sと上下方向に連通している。気流路51rの下流側の端部は導入孔514sと上下方向に連通している。このため、導入孔514sと気流路51rと噴射孔513sとが順次連通する。これにより、圧縮空気を導入孔514sに投入すると気流路51rを通して噴気孔513sへ供給することができるようになっている。
【0041】
ブロック51の上流側部分において、噴気孔513sが内部空間51iの底部に設けられており、噴射孔513sと内部空間51iと複数の孔511aとが下側から上側まで上下方向に順次連通している。このため、噴射孔513sは圧縮空気を内部空間51iの中へ噴射するようになっている。このとき、内部空間51iの内部は噴射孔513sの内径より大きく形成されており、噴射孔513sから噴射された圧縮空気は、内部空間51iの中で拡散するようになっている。これにより、噴射孔513sと複数の孔511aとが直接連通する場合に比べて、噴射孔513sから噴出した圧縮空気をより多くの複数の孔511aに通すことができ、より広い範囲にあるごみを吹き上げることができるようになっている。
【0042】
ブロック51の内部では、導入孔514sと気流路51rと噴射孔413sとが連通しており、前記噴射孔513sと内部空間51iと複数の孔511aとが連通している。このため、ブロック51の下側から上側まで導入孔514sと気流路51rと噴射孔513sと内部空間51iと複数の孔511aとが順次連通している。したがって、圧縮空気をブロック51の底部にある導入孔513sに投入すると、圧縮空気が導入孔513sと気流路51rと噴射孔513sと内部空間51iと複数の孔511aとを順次通ってブロック51の上部から上側に向かって吹き上がるようになっている。
【0043】
また、ブロック51の下流側部分において、内部空間51iと下層部材513の吸気孔513rと最下層部材514の吸気孔514rとが上下方向に連通している。言い換えると、内部空間51iの下流側の底部は吸気孔513rと吸気孔514rとによってブロック51の底面51Bまで上下方向に貫通している。最下層部材514の底面514Bはブロック51の底面51Bを構成する。これにより、内部空間51iの中のごみを吸気孔513rと吸気孔514rとを通してブロック51の外側へ排出できるようになっている。
【0044】
図3に戻って、このように構成されたブロック51は締結具Btによって第2のリニアフィーダ30の搬送体31に着脱自在に取り付けられる。具体的には、搬送体31にはブロック51を嵌入可能な図示しない切り欠き部が形成されており、この切り欠き部の中にブロック51を嵌め入れることによって、ブロック51の上層部材511と中層部材512と下層部材513と最下層部材514とが位置決めされ、この状態で、ブロック51が搬送体31と一体化される。このとき、ブロック51の上面51A、すなわち、上層部材511の上面511Aが搬送路32の搬送面の一部を構成するようになっている。より具体的には、上層部材511の上面511Aのうち、複数の孔511aの形成領域SAが搬送路32の搬送面の一部となる。このため、搬送物CNが第2のリニアフィーダ30の搬送路32の上を搬送方向Rに移送されると、搬送物CNはブロック51における複数の孔511aの形成領域SAの上を通過するようになっている。
【0045】
この状態において、ブロック51の導入孔514sには導入管521が接続され、この導入管521には図示しないホースと空気供給装置とが順次接続される。これらブロック51の導入孔514sと導入管521とホースと空気供給装置とは連通している。ブロック51の内部では導入孔514sと気流路51rと噴射孔513sとが連通している。このため、空気供給装置を駆動することによって、圧縮空気が空気供給装置からホースと導入管521を順次通って導入孔514sからブロック51の中に投入され、導入孔514sと気流路51rとを順次通って噴射孔513sへ供給できるようになっている。上記空気供給手段52は空気供給装置とホースと導入管521とブロック51の導入孔514sと気流路51rとを含む概念に相当する。
【0046】
ブロック51の上流側部分には、上側に所定間隔を空けて中空の第1の中空部材531が配置されている。この第1の中空部材531には中空の第2の中空部材532が接続されている。この第2の中空部材532には図示しないホースとコンプレッサー等の第1の吸気装置とが順次接続されている。これら第1の中空部材531と第2の中空部材532とホースと第1の吸気装置とは順次連通している。この第1の吸気装置を駆動することによって、ブロック51の上のごみが吸引又は真空引きされて、第1の中空部材531と第2の中空部材532とホースとを順次通って第1の吸気装置に吸引排出されるようになっている。このとき、ごみをこし取るために第1の中空部材531と第2の中空部材532とホースと第1の吸気装置とのいずれかの間にフィルター533が介在されていることが好ましい(図2参照)。上記第1の吸気手段53は第1の中空部材531と第2の中空部材532とホースと第1の吸気装置とフィルター533とを含む概念に相当する。
【0047】
ここで、第1の中空部材531は下側が開口した中空部531aを備えている。この中空部531aは円錐面状(末広がり状)の中空部分であり、下側に向かって開いている。第1の中空部材531の中空部531aはブロック51の上流側部分と対向している。換言すると、第1の中空部材531の中空部531aはブロック51の噴射孔513sと対向している。これにより、第1の中空部材531の中空部531aは噴射孔513sから噴射された圧縮空気によって吹き上げられたごみを受け取ることができるようになっている。
【0048】
また、図3に示すように、ブロック51の底部にある吸気孔514rには排出管541が接続されている。この排出管541には図示しないホースとコンプレッサー等の第2の吸気装置とが順次接続されている。これら吸気孔514rと排出管541とホースと第2の吸気装置とは順次連通している。また、ブロック51の吸気孔514rと吸気孔513rと内部空間51iとは連通している。このため、第2の吸気装置を駆動することによって、内部空間51iの中のごみを内部空間51iから吸気孔513rと吸気孔514rと排出管541とホースとを順次通して第2の吸気装置に吸引排出できるようになっている。このとき、ごみをこし取るために排出管541とホースと第2の吸気装置とのいずれかの間にフィルター543が介在されていることが好ましい(図2参照)。上記第2の吸気手段54は吸気孔513rと吸気孔514rと排出管541とホースと第2の吸引装置とフィルター543とを含む概念に相当する。
【0049】
上述のように構成された塵埃除去装置50は、空気供給装置の圧縮空気がホースと導入管521とブロック51の導入孔514sと気流路51rと噴気孔513sと内部空間51iと複数の孔511aとを順次通ってブロック51の上側へ噴出してブロック51の上のごみを吹き上げて、この吹き上げられたごみが第1の中空部材531と第2の中空部材532とホースとを順次通って第1の吸気装置に吸引排出されるとともに、ブロック51の上のごみが複数の孔511aから内部空間51iへ落下し、この内部空間51iから吸気孔513rと吸気孔514rとを順次通ってブロック51の外側へ吸引排出されてから、排出管541とホースとを順次通って第2の吸気装置に吸引排出される。
【0050】
本実施形態においては、空気供給手段52から圧縮空気がブロック51の噴気孔513sへ供給されてブロック51の上側へ噴出した後、ブロック51の上側に配置された第1の吸気手段53が吸引排出するように構成されているとともに、ブロック51の上面51Aが搬送装置の搬送面を構成しており、ブロック51の上部には複数の孔511aが形成され、ブロック51の中には複数の孔511aの下側に内部空間51iが配置され、第2の吸気手段54によって内部空間51iからブロック51の外側へ吸引排出するように構成されていることにより、搬送面上の軽量なごみが空気供給手段52によってブロック51の上側へ吹き上げられてから第1の吸気手段53によって吸引排出されるとともに、搬送面上の重量のあるごみが複数の孔511aから内部空間51iの中に落下してから第2の吸気手段54によって吸引排出されるので、搬送面上の軽量なごみと重量のあるごみとの両方を除去できる。
【0051】
ここで、搬送物CNとして微小な電子部品を用いて実験してみると、軽量なごみとして振動式搬送装置10の近くに配置されたテーピング機から出るテーピングの紙粉が多く集塵され、重量のあるごみとして電子部品の電極屑が多く集塵された。
【0052】
この実施形態においては、ブロック51が上層部材511と中層部材512と下層部材513と最下層部材514とを積み重ねてなる積層構造であり、ブロック51の内部空間51iが上層部材511の底面511Bと中層部材512における開口512aの内面と下層部材513における凹部513aの内面と底面とで囲むように形成されるので、1つのかたまりからなるブロック(部材)の中に内部空間を形成する場合に比べて、ブロック51の中に内部空間51iを容易かつ低コストに製造できる。
【0053】
また、ブロック51において、噴気孔513sが凹部513aの底部に配置されており、噴気孔513sと内部空間51iと複数の孔511aとが上下方向に連通しており、内部空間51iの内部が噴気孔513sの内径より大きいことにより、噴気孔513sから噴射された圧縮空気が内部空間51iの中で拡散するので、噴気孔513sと複数の孔511aとが直接連通している場合に比べて、圧縮空気をより多くの複数の孔511aに通すことができ、搬送路上のより広い範囲のごみを吹き上げることができる。
【0054】
さらに、上層部材511,511′の複数の孔511a,511a′は開口径が上面511A,511A′から底面511B,511B′まで順次拡径しており、底面511B,511B′の開口径r2,r4が上面511A,511A′の開口径r1,r3より大きくなっており(r2>r1,r4>r3)、複数の孔511a,511a′の内面511f,511f′が円錐面状に形成されているので、上側(上面511A,511A′の側)から複数の孔511a,511a′の中に入るごみを複数の孔511a,511a′の中に詰まらせてしまうことなく、下側(底面511B,511B′の側)から確実に排出できる。
【0055】
また、複数の孔511aは上面511Aの開口径r1が搬送物CNの最小面の対角線の長さdより小さくなるように設定されていたり(r1<d)、上面511Aの開口径r1が搬送物CNの最小辺の長さ(厚みt)とほぼ同じとなるように設定されていたり(r1≒t)、するので、搬送物CNが複数の孔511aの中に入ってしまうことを防止しつつ、比較的大きいごみを複数の孔511aから落下させることができる。
【0056】
尚、本実施形態の塵埃除去装置50は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本実施形態のブロック51は上層部材511と中層部材512と下層部材513と最下層部材514とを上下方向に積み重ねた四層構造であるが、上層部材511と中層部材513と下層部材514とを積み重ねた三層構造であってもよいし、上層部材511と下層部材513とを積み重ねた二層構造であってもよいし、他の部材を加えた五層以上の構造であってもよい。ブロック51が上層部材511と下層部材513とを積み重ねた二層構造である場合には、内部空間51iは上層部材511の底面511Bと下層部材部材513における凹部513aの内面と底面とで囲まれる。
【0057】
また、本実施形態の噴気孔513sは下層部材513における凹部513aの底部に設けられているが、噴気孔が凹部513aの外側に設けられていてもよい。この場合、噴射孔は下層部材513の上面513Aから底面513Bまで上下方向に貫通しており、噴気孔と複数の孔511aとが直接連通する。なお、噴気孔513sは10個設けられているが、噴気孔513sの数量は特に限定されず、1個でもよいし、2~9個のいずれでもよいし、11個以上でもよい。
【0058】
なお、本実施形態の上層部材511,511′の複数の孔511a,511a′は円形であるが、複数の孔511a,511a′の平面形状は特に限定されず、複数の孔511a,511a′は三角形や四角形や五画形以上の多角形でもよいし、一方向に伸びる溝状(スロット状)でもよい。
【0059】
また、中層部材512の開口512aは2個あるが、開口512aの数量は特に限定されず、開口512aは1個でもよいし、3個以上でもよい。なお、締結孔511p、513p、514pと締結溝512pとはそれぞれ4個あるが、締結孔511p、513p、514pと締結溝512pとの数量は特に限定されず、締結孔511p、513p、514pと締結溝512pはそれぞれ1個でもよいし、2個でもよいし、3個でもよいし、5個以上でもよい。
【0060】
なお、本実施形態の塵埃除去装置50は、循環式搬送装置10の第2のリニアフィーダ30の搬送体31に搭載されているが、第1のリニアフィーダ20の搬送体21に搭載されていてもよいし、循環式搬送装置10ではなく、ボウルフィーダとリニアフィーダを有する振動式搬送装置のリニアフィーダに設けられていてもよいし、リニアフィーダのみからなる振動式搬送装置のリニアフィーダに設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10…搬送装置、20…第1のリニアフィーダ、21,31…搬送体、22a…下流端、22,23,32…搬送路、30…第2のリニアフィーダ、40…ホッパー、50…塵埃除去装置、51…ブロック、51A,511A,511A′,512A,513A,514A…上面、51B,511B,511B′,512B,513B,514B…底面、51i…内部空間、51r…気流路、52…空気供給手段、53…第1の吸気手段、54…第2の吸気手段、511,511′…上層部材、511a,511a′…複数の孔、511d,511i,511o,511u,512i,513d,513u…端縁、511f,511f′…内面、511p,513p,514p…締結孔、512…中層部材、512a…開口、512p…締結溝、512p1…円弧部、512p2…矩形部、513…下層部材、513a…凹部、513r,514r…吸気孔、513s…噴気孔、514…最下層部材、514a…凹溝、514s…導入孔、521…導入管、531…第1の中空部材、531a…中空部、532…第2の中空部材、533,543…フィルター、541…排出管、A,C,C′…一点鎖線、Bt…締結具、CN…搬送物、d,l…長さ、t…厚み、w…幅、r1,r2,r3,r4…開口径、S…仮想平面、SA…形成領域、Sc…端面、W,Ws…幅長、F,R…搬送方向、Ds,Dw,In,Ot,Up,Us…矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9