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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】一次荷電粒子ビーム電流の測定
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/244 20060101AFI20240920BHJP
   H01J 37/147 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01J37/244
H01J37/147 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023540489
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2021084013
(87)【国際公開番号】W WO2022144143
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-09-11
(31)【優先権主張番号】17/138,326
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501493587
【氏名又は名称】アイシーティー インテグレーテッド サーキット テスティング ゲゼルシャフト フィーア ハルプライタープリーフテヒニック エム ベー ハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ブロイアー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ドローズ クリスティアン
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-176984(JP,A)
【文献】特開昭63-224135(JP,A)
【文献】特開2002-050314(JP,A)
【文献】特開2005-167133(JP,A)
【文献】米国特許第04101771(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/00-37/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビーム装置の一次荷電粒子ビームの電流を測定する方法であって、
前記荷電粒子ビーム装置のビームダンプの導電性表面への前記一次荷電粒子ビームの衝突時に放出される二次荷電粒子および後方散乱荷電粒子のうちの少なくとも1つを検出するステップ(400)と、
二次荷電粒子および後方散乱荷電粒子のうちの前記検出された少なくとも1つの大きさに基づいて、前記一次荷電粒子ビームの前記電流を示す値を決定するステップ(550)とを含み、
前記ビームダンプ(140)が、前記一次荷電粒子ビーム(123)がブランキングされる期間中および/または前記一次荷電粒子ビーム(123)が試料位置以外の位置に衝突する期間中に前記一次荷電粒子ビーム(123)が衝突するように配置されている、方法。
【請求項2】
前記一次荷電粒子ビームを前記荷電粒子ビーム装置の前記ビームダンプの前記導電性表面に偏向させるステップ(510)
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記一次荷電粒子ビームが、前記ビームダンプ(140)の前記導電性表面(142)に対して45度未満の角度で前記荷電粒子ビーム装置の前記ビームダンプの前記導電性表面に偏向される(510)、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記一次荷電粒子ビームが、前記ビームダンプの前記導電性表面(142)に対して30度未満の角度で前記荷電粒子ビーム装置の前記ビームダンプの前記導電性表面に偏向される(510)、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記荷電粒子ビーム装置の前記ビームダンプの前記導電性表面への前記一次荷電粒子ビームの衝突時に放出される二次荷電粒子および後方散乱荷電粒子のうちの少なくとも1つを検出するステップ(400)が、
二次荷電粒子および後方散乱荷電粒子のうちの前記放出された少なくとも1つを光子に変換するステップ(520)、
二次荷電粒子および後方散乱荷電粒子のうちの前記放出された少なくとも1つから変換された光子を前記一次荷電粒子ビーム(530)から離れるように誘導するステップ、ならびに
二次荷電粒子および後方散乱荷電粒子のうちの前記放出された少なくとも1つから導出された光子を、二次荷電粒子および後方散乱荷電粒子のうちの前記検出された少なくとも1つの大きさを示す値を有する電気信号に変換するステップ(540)
のうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
二次荷電粒子および後方散乱荷電粒子のうちの前記検出された少なくとも1つに基づいて調整を行うステップ(560)
をさらに含む、請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記調整を行うステップ(560)が、
二次荷電粒子信号のグレーレベルを調整するステップ、
二次荷電粒子および後方散乱荷電粒子のうちの前記検出された少なくとも1つの変化とは反対の方向に二次荷電粒子信号のグレーレベルを変化させるステップ、
二次荷電粒子および後方散乱荷電粒子のうちの前記検出された少なくとも1つの変化に比例して二次荷電粒子信号のグレーレベルを変化させるステップ、
前記一次荷電粒子ビームの前記電流を調整するステップ、ならびに
前記一次荷電粒子ビームの前記電流を示す値に基づいて調整するステップであって、前記一次荷電粒子ビームの前記電流を示す前記値が、二次荷電粒子および後方散乱荷電粒子のうちの前記検出された少なくとも1つに基づいて決定される、ステップ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記荷電粒子ビーム装置の前記ビームダンプの前記導電性表面への前記一次荷電粒子ビームの衝突時に放出される二次荷電粒子および後方散乱荷電粒子のうちの前記少なくとも1つが、前記一次荷電粒子ビームがブランキングされる期間および前記一次荷電粒子ビームが試料位置以外の位置に衝突する時間のうちの少なくとも1つの間に検出される(400)、請求項のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、一次荷電粒子ビームの電流を測定する電流測定モジュールおよび方法に関する。詳細には、本発明は、走査型電子顕微鏡などの荷電粒子ビーム装置の一次荷電粒子ビームの電流を測定するための電流測定モジュール、および荷電粒子ビーム装置の一次荷電粒子ビームの電流を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
荷電粒子ビーム装置は、製造中の半導体デバイスの検査、リソグラフィのための露光システム、検出装置、および試験システムを含むが、これらに限定されることなく、複数の産業分野において多くの機能を有する。したがって、マイクロメートルおよびナノメートルスケール以内の試料の構造化および検査に対する高い需要がある。
【0003】
荷電粒子ビームは、その短い波長のために、例えば光子ビームと比較して優れた空間分解能を提供する。したがって、マイクロメートルおよびナノメートルスケールのプロセス制御、検査または構造化は、多くの場合、電子顕微鏡または電子ビームパターン発生器などの荷電粒子ビーム装置内で生成され集束される荷電粒子ビーム、例えば電子ビームを用いて行われる。
【0004】
荷電粒子ビーム装置、特にチップ産業におけるCD測定システム、材料分析におけるEDXなどのような正確な測定のためのシステムでは、規定されたビーム電流が望まれる。定量的測定には、ビーム電流が安定しているのが有益である。定期的にビーム電流を測定するために、標準的なシステムは、電位計に接続されたファラデーカップを使用する。
【0005】
したがって、定期的なメンテナンス中、例えば、毎日、ビーム電流が測定され、所定の値に再調整される。このプロセスは時間がかかり、荷電粒子ビーム装置の動作を長時間中断すべきではない場合、またはビーム電流測定をより頻繁に行うべきである場合は理想的ではない。特に冷電界エミッタの場合、電流ノイズ、電流ジャンプ、および電流ドリフトが比較的短い時間スケールで発生することがある。
【0006】
したがって、現在の測定装置および方法を改善するという課題がある。
【発明の概要】
【0007】
上記に鑑みて、荷電粒子ビーム装置の一次荷電粒子ビームの電流を測定するための電流測定モジュール、および荷電粒子ビーム装置の一次荷電粒子ビームの電流を測定する方法が提供される。
【0008】
一態様によると、荷電粒子ビーム装置の一次荷電粒子ビームの電流を測定するための電流測定モジュールが提供される。電流測定モジュールは、荷電粒子ビーム装置のビームダンプの導電性表面への一次荷電粒子ビームの衝突時に放出される二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子を検出するように構成された検出ユニットを含む。
【0009】
さらなる態様によると、荷電粒子ビーム装置の一次荷電粒子ビームの電流を測定する方法が提供される。本方法は、荷電粒子ビーム装置のビームダンプの導電性表面への一次荷電粒子ビームの衝突時に放出される二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子を検出するステップを含む。
【0010】
上記の実施形態と組み合わせることができるさらなる利点、特徴、態様および詳細は、従属請求項、説明および図面から明らかである。
【0011】
実施形態はまた、開示された方法を実行するための装置であって、記載された各方法ステップを実行するための装置部品を含む装置を対象とする。これらの方法ステップは、ハードウェア構成要素によって、適切なソフトウェアによってプログラムされたコンピュータによって、両者の任意の組合せによって、または任意の他のやり方で実行されてもよい。さらに、実施形態はまた、記載される装置が動作する方法を対象とする。これには、装置の各機能を実行するための、または装置の各部品を製造するための方法ステップが含まれる。
【0012】
本発明の上記のおよび他のより詳細な態様の一部は、以下の説明に記載され、図面を参照して部分的に示される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本明細書に記載される実施形態による電流測定モジュールを示す概略図である。
図2】本明細書に記載される実施形態による荷電粒子ビーム装置および電流測定モジュールを示す概略図である。
図3】本明細書に記載される実施形態による荷電粒子ビーム装置を示す概略図である。
図4】本明細書に記載される実施形態による一次荷電粒子ビームの電流を測定する方法を示す概略図である。
図5】本明細書に記載される実施形態による一次荷電粒子ビームの電流を測定する方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、様々な実施形態を詳細に参照し、その1つまたは複数の例を各図に示す。各例は、説明のために提供されており、限定を意味するものではない。例えば、一実施形態の一部として図示または説明される特徴は、任意の他の実施形態に、またはそれと併せて使用され、さらなる実施形態をさらにもたらすことができる。本開示は、そのような修正および変形を含むことが意図されている。図面の以下の説明において、同じ参照番号は、同じまたは類似の構成要素を指す。
【0015】
本出願の範囲を限定することなく、荷電粒子ビーム装置またはその構成要素は、以下では、例示的に電子ビーム装置またはその構成要素と呼ばれることがある。電子ビームは、検査またはリソグラフィに特に利用されることがある。本発明の実施形態は、試料画像を得るためにもしくは試料をパターン化するために、荷電粒子および/または他の二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子の他の供給源を使用する装置および構成要素にさらに適用することができる。
【0016】
図1を参照して、実施形態の構成要素を説明する。図1は、電流測定モジュール100を示す。図1に示す実施形態によると、電流測定モジュール100は、ビームダンプ140の導電性表面142への一次荷電粒子ビーム123の衝突時に放出される二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子127を検出するように構成された検出ユニット160を含む。
【0017】
実施形態によると、一次荷電粒子ビーム123は、一次荷電粒子ビーム123がブランキングされる時間中、一次荷電粒子ビーム123が一時的に中断される時間中、および/または例えばフレーム間もしくはライン間の走査中に、ビームダンプ140に向けられる。
【0018】
有益なことに、専用のメンテナンス時間を必要とすることなく、一次荷電粒子ビームの電流を決定またはモニタすることができる。有益なことに、真空および先端部処理などの解決策では最終的に対処することが困難である、荷電粒子ビーム源のプローブ電流のノイズ、ジャンプ、および/またはドリフトに効果的に対処することができる。
【0019】
図2は、本明細書に記載される実施形態による電流測定モジュール100および荷電粒子ビーム装置200を示す。図2において、図1の要素に対応する要素は同じ参照符号を有し、図1の説明は、図2にも適用可能であり、その逆もまた同様である。
【0020】
図2に示す実施形態によると、荷電粒子ビーム装置200を提供することができる。図2に示す実施形態によると、一次荷電粒子ビーム123を放出するように構成された荷電粒子源221を提供することができる。図2に示す実施形態によると、荷電粒子源221は、冷電界エミッタ、例えば、電子ビームを放出するように構成された冷電界エミッタであってもよい。
【0021】
図2に示す実施形態によると、ビーム誘導モジュール232を提供することができる。実施形態によると、ビーム誘導モジュール232は、一次荷電粒子ビーム123をビームダンプ140に偏向させるように構成されている。例えば、ビーム誘導モジュール232は、偏向器ユニットであってもよい。
【0022】
したがって、一次荷電粒子ビーム123がブランキングされる時間中に、一次荷電粒子ビーム123をビームダンプ140に素早く偏向させることができる。したがって、一次荷電粒子ビーム123がビームダンプの導電性表面142に衝突すると、二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子127が放出され、検出ユニット160によって検出される。
【0023】
有益なことに、電流測定モードへの切り替えは、非常に高速である。電流測定をはるかに頻繁に行うことができる。
【0024】
図2に示す実施形態によると、電流測定モジュール100は、シンチレーション素子264、導光体266、および光検出器268を備える。実施形態によると、シンチレーション素子264は、ビームダンプ140内に配置される。実施形態によると、導光体266は、一次荷電粒子ビーム123から離れるように光子を誘導するように構成されている。
【0025】
実施形態によると、シンチレーション素子264は、ビームダンプ140内に配置することができる。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態によると、検出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子127の大きさは、一次荷電粒子ビーム123の電流に直接関連付けることができる。有益なことに、測定の精度が改善される。例えば、シンチレーション素子264をビームダンプ140内に配置することによって、測定は、一次荷電粒子ビーム123の電流に直接関連付けられる。
【0026】
図3は、本明細書に記載される実施形態による荷電粒子ビーム装置を示す。図3において、図1および図2の要素に対応する要素は、同じ参照符号を有し、図1および図2の説明は、図3にも適用され、その逆もまた同様である。
【0027】
実施形態によると、シンチレーション素子264は、ビームダンプ140の導電性表面142の凹部144に配置することができる。有益なことに、一次荷電粒子ビームに近接した空間などの空間が効率的に使用される。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態によると、電流測定モジュールは、電気的に絶縁することができる。例えば、シンチレーション素子264および導光体266を使用することによって、ビームダンプ140が高電圧であっても、電流測定モジュール100を電気的に絶縁することができる。
【0028】
図3に示す実施形態によると、荷電粒子ビーム装置200を提供することができる。図3に示す実施形態によると、荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子源221、コンデンサレンズ310、ビーム誘導モジュール232、ビームダンプ140、検出ユニット160、対物レンズ392、試料支持体284、および二次荷電粒子信号検出器394のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0029】
実施形態によると、一次荷電粒子ビーム123は、試料282に衝突して二次荷電粒子信号(図示せず)を生成することができる。二次荷電粒子信号検出器394は、二次荷電粒子信号を検出するために使用および/または構成することができる。
【0030】
実施形態によると、ビームダンプ140は、凹部144を含むことができる。実施形態によると、凹部144は、検出ユニット160の一部、例えばシンチレーション素子264の一部を収容するように構成されてもよい。
【0031】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態によると、検出ユニット160(のシンチレーション素子264)は、ビームダンプ140の導電性表面142への一次荷電粒子ビーム123の衝突時に放出される二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子127を検出するために、ビームダンプ140の凹部144に少なくとも部分的に配置されてもよい。有益なことに、検出ユニット160(のシンチレーション素子264)の配置は、(導電性表面142から)放出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子127の最適な検出のために構成される。
【0032】
図4は、一次荷電粒子ビームの電流を測定する方法を示す。実施形態によると、本方法は、動作400に示すように、荷電粒子ビーム装置のビームダンプの導電性表面への一次荷電粒子ビームの衝突時に放出される二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子を検出するステップを含む。
【0033】
実施形態によると、荷電粒子ビーム装置のビームダンプの導電性表面への一次荷電粒子ビームの衝突時に放出される二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子は、一次荷電粒子ビームがブランキングされる期間中および/または一次荷電粒子ビームが試料位置以外の位置に衝突する期間中に動作400に示すように検出される。
【0034】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態によると、一次ビームの電流の測定は、一次荷電粒子ビームがブランキングまたはダンプされる時間中に行われる。例えば、動作400に示すように、ビームダンプの導電性表面への一次荷電粒子ビームの衝突時に放出される二次荷電を検出することによって、専用のメンテナンス時間を必要とすることなく、一次荷電粒子ビームの電流を決定および/またはモニタすることができる。有益なことに、グレーレベルマッチングおよび精度に影響を及ぼし、真空および先端部処理などの解決策によって解決することができない、プローブ電流のノイズ、ジャンプ、およびドリフトなどの冷電界放出の基本的な欠点に効果的に対処することができる。有益なことに、プローブ電流の変動は、例えば、ブランキング時間中および/またはフレーム間もしくはライン間に、プローブ電流の読み取り値を、例えば、グレーレベル補正のためのフィードバックとして使用することによって、オンラインでモニタすることができる。
【0035】
図5は、いくつかの実施形態を含む一次荷電粒子ビームの電流を測定する方法を示す。
【0036】
図5に示す一実施形態によると、本方法は、動作550に示すように、検出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子の大きさに基づいて、一次荷電粒子ビームの電流を示す値を決定するステップを含む。したがって、動作560に示すように、検出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子に基づいて調整を行うことができる。例えば、二次荷電粒子信号のグレーレベルの調整は、一次荷電粒子ビームの電流を示す決定値に基づいて行うことができる。
【0037】
次に、実施形態の装置の個々の態様をより詳細に説明する。これらの態様のそれぞれは、任意選択であり、別段の定めがない限り、本明細書に開示される任意の実施形態または他の態様と組み合わせることができる。
【0038】
電流測定モジュール
実施形態によると、電流測定モジュールは、検出ユニット160を含む。一次荷電粒子ビーム123を供給する荷電粒子ビーム装置は、試料位置280、例えば試料支持体284の近傍にファラデーカップを含むことができる。このようなファラデーカップは、典型的には、作業領域、例えば、測定領域、または一次荷電粒子ビーム123の邪魔にならないように出し入れされなければならない。
【0039】
実施形態によると、一次荷電粒子ビームのビーム電流測定は、試料282の交換中、ビームがブランキングされている期間(例えば、0ms~3s)中、および/または約5s未満の短い非撮像期間(例えば、試料282の交換)中に行われる。
【0040】
ビームダンプ
実施形態によると、ビームダンプ140が提供される。実施形態によると、ビームダンプ140は、導電性表面142を含む。実施形態によると、二次粒子および/または後方散乱粒子127は、ビームダンプ140の導電性表面142への一次荷電粒子ビーム123の衝突時に放出される。
【0041】
実施形態によると、ビームダンプ140は、荷電粒子ビーム装置200のものである。実施形態によると、ビームダンプ140の導電性表面142は、一次荷電粒子ビームがビームダンプ140の導電性表面142に対して45度未満、30度未満、または15度未満の角度で衝突するように配置される。有益なことに、一次ビームから二次荷電粒子、例えば後方散乱電子への変換効率を改善することができる。あるいは、ビームの偏向がかなり小さいため、ビームダンプ140の導電性表面142は、一次荷電粒子ビームが荷電粒子ビーム装置200の軸線225に対して45度未満、30度未満、または15度未満の角度で衝突するように配置されてもよい。
【0042】
検出ユニット
実施形態によると、検出ユニット160が提供される。実施形態によると、検出ユニット160は、二次粒子および/または後方散乱粒子127を検出するように構成されている。実施形態によると、検出ユニット160は、シンチレータ、例えば、シンチレーション素子264と、導光体266と、光検出器268とを含む。一例では、光検出器268は、光電子増倍管である。
【0043】
実施形態によると、検出ユニット160は、二次粒子および/または後方散乱粒子127が衝突するように構成されている。例えば、検出ユニット160のシンチレーション素子264は、ビームダンプ140の導電性表面142への一次荷電粒子ビーム123の衝突時に放出される二次粒子および/または後方散乱粒子127が衝突するように配置される。
【0044】
実施形態によると、検出ユニット160のシンチレーション素子264は、二次粒子および/または後方散乱粒子127を光子に変換するように構成されている。実施形態によると、シンチレーション素子264は、ビームダンプ140内に配置される。実施形態によると、シンチレーション素子264は、二次粒子および/または後方散乱粒子127の伝播方向に対して(実質的に)垂直な角度で配置される。
【0045】
有益なことに、一次荷電粒子ビーム123の電流の測定のために一次荷電粒子ビーム123をビームダンプ140内で受け取ることによって、荷電粒子の望ましくない散乱、発生などを適切に封じ込めることができる。一例では、ビームダンプ140から漏れる二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子の量は、1%未満である。
【0046】
実施形態によると、導光体266は、シンチレーション素子264によって生成された光子を光検出器268に誘導するように構成されている。実施形態によると、導光体266は、第1の端部でシンチレーション素子264に取り付けられている。実施形態によると、導光体266は、第2の端部で光検出器268に取り付けられている。
【0047】
一例では、導光体266は、ビームダンプ140からの光子を誘導するように構成されている。一例では、導光体266は、ビームダンプから離れるように光子を誘導するように構成されている。一例では、導光体266は、荷電粒子ビーム装置200の軸線225から離れるように光子を誘導するように構成されている。
【0048】
一例では、導光体266は、一次荷電粒子ビーム123から離れるように光子を誘導するように構成されている。一例では、導光体266は、光子を光電子増倍管に誘導するように構成されている。
【0049】
「離れる(away)」という用語は、基準に対して垂直な、基準から離れる成分が支配的な成分である方向として理解することができる。一例では、基準は、一次荷電粒子ビーム123または荷電粒子ビーム装置200の軸線225である。
【0050】
実施形態によると、光検出器268は、光電子増倍管またはフォトダイオードである。実施形態によると、光検出器268は、光子を電気信号に変換するように構成されている。実施形態によると、電気信号の大きさは、光子、二次粒子および/または後方散乱粒子127、および/または一次荷電粒子ビーム123のうちの少なくとも1つの大きさを示す(例えば、その大きさに相関または比例する)。
【0051】
実施形態によると、検出ユニット160、例えば光検出器268は、電流決定ユニット272と通信するように構成されている。実施形態によると、検出ユニット160、例えば光検出器268は、電流決定ユニット272に信号を提供するように構成されている。実施形態によると、信号は、光検出器268によって生成された電気信号であるか、または光検出器268によって生成された電気信号に基づく。実施形態によると、信号は、検出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子127の大きさを示す。
【0052】
有益なことに、例えば一次荷電粒子ビームが試料上に誘導される撮像モードと、一次荷電粒子ビーム123をダンピングするために、ならびに/または二次粒子および/もしくは後方散乱粒子127を検出するために、一次荷電粒子ビームがビームダンプ140に誘導されるモードとの間の切り替えを非常に高速に行うことができる。有益なことに、一次荷電粒子ビーム123の電流をより頻繁に検証および/または調整することができる。
【0053】
(シンチレータの代わりに)PINダイオード検出器(図示せず)が使用されてもよいことを理解されたい。実施形態によると、PINダイオード検出器は、二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子127を(電気)信号に(直接)変換するように構成することができる。実施形態によると、信号は、検出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子127の大きさを示す。
【0054】
シンチレータは、ビームダンプが高電圧で浮いている場合に特に有益であることを理解されたい。しかしながら、シンチレータの代わりにPINダイオード検出器を使用することもできる。
【0055】
電流決定ユニット
実施形態によると、電流決定ユニット272を提供することができる。実施形態によると、電流決定ユニット272は、検出ユニット160、例えば光検出器268と通信することができる。実施形態によると、電流決定ユニット272は、検出ユニット160、例えば光検出器268から信号を受信するように構成されてもよい。実施形態によると、電流決定ユニット272は、検出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子127の大きさを示す信号を受信するように構成されてもよい。
【0056】
実施形態によると、電流決定ユニット272は、検出ユニット160、例えば光検出器268から、検出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子127の大きさを示す信号を受信するように構成されてもよい。
【0057】
有益なことに、本明細書に記載される実施形態を用いて、多くの荷電粒子ビーム用途、特に一般的な定量的測定、CD測定およびEDX測定の電流安定性を改善することができる。多くの用途では、1%以下の荷電粒子ビーム電流の精度が必要とされる。したがって、ビーム電流の頻繁な検証および/または適合が有益である。
【0058】
本明細書に記載される実施形態は、高速で頻繁なビーム電流測定を提供することができる。例えば、一部の実施形態によると、ビーム電流測定および対応する再校正は、数十秒ほどの短い間隔(例えば、30~100秒ごと)で、またはさらには数秒ほどの間隔(例えば、3~10秒ごと)で、またはさらには数分の1秒ほどの間隔(例えば、30~100ミリ秒)で行われることがある。
【0059】
実施形態によると、一次荷電粒子ビーム123の電流を示す値を使用して、一次荷電粒子ビーム123の電流の変動またはジャンプを補償することができる。有益なことに、冷電界エミッタ(CFE)のフラッシングプロセス中にまたはCFE表面上の原子吸着に起因してもたらされる可能性があるビーム電流のジャンプまたは変動が補償される。実施形態によると、補償は、抽出器電圧、抑制器電圧、アノード電圧、エミッタ先端部電圧を調整することによって、および/または他の方法によって行うことができる。
【0060】
実施形態によると、電流決定メモリ274を提供することができる。実施形態によると、電流決定メモリ274は、一次荷電粒子ビーム123の電流を示す値を校正するためのデータを記憶するように構成されている。実施形態によると、電流決定ユニット272は、電流決定メモリ274と通信することができる。実施形態によると、電流決定ユニット272は、電流決定メモリ274を備えることができる。
【0061】
ファラデーカップ電位計
実施形態によると、検出ユニット160の校正を提供することができる。実施形態によると、電流決定ユニット272は、電位計と通信することができる。実施形態によると、電位計は、一次荷電粒子ビーム123の電流を測定するように構成することができる。実施形態によると、電位計は、ファラデーカップに接続されてもよい。実施形態によると、ファラデーカップは、一次荷電粒子ビーム123が衝突可能であるように構成することができる。
【0062】
実施形態によると、電流決定ユニット272によって決定された一次荷電粒子ビーム123の電流を示す値の校正を行うために、電流決定ユニット272は、ファラデーカップ電位計装置と通信することができる。実施形態によると、ファラデーカップ電位計装置は、荷電粒子ビーム装置200内に設けることができる。
【0063】
実施形態によると、電流決定ユニット272によって決定された一次荷電粒子ビーム123の電流を示す値は、(ファラデーカップに接続された)電位計によって得られた一次荷電粒子ビーム123の電流の値と比較することができる。電流決定ユニット272によって決定された一次荷電粒子ビーム123の電流を示す値は、(ファラデーカップに接続された)電位計によって決定された一次荷電粒子ビーム123の電流の値に校正することができる。
【0064】
実施形態によると、電流決定ユニット272によって決定された一次荷電粒子ビーム123の電流を示す値の関数としての一次荷電粒子ビーム123の電流の校正曲線(例えば、線形校正曲線)を実現することができるように、校正中に異なるビーム電流を生成することができる。
【0065】
実施形態によると、電流決定ユニット272によって決定された一次荷電粒子ビーム123の電流を示す値の校正は、一次荷電粒子ビームの電流の測定値のドリフトを回避するために、規則的なまたは不規則な間隔で、例えば、24時間の規則的な間隔で、規則的な定期メンテナンスなどの規則的な間隔で、メンテナンス中などの不規則な間隔で、または他の時間間隔で行うことができる。
【0066】
荷電粒子ビーム装置
実施形態によると、荷電粒子ビーム装置200が提供される。実施形態によると、一次荷電粒子ビーム123を放出する荷電粒子源221が提供される。実施形態によると、荷電粒子ビーム装置200は、軸線225を有する。実施形態によると、一次荷電粒子ビーム123は、軸線225に沿って誘導される。
【0067】
実施形態によると、荷電粒子源221は、冷電界放出型、例えば冷電界エミッタである。一例では、一次荷電粒子ビーム123は、冷電界エミッタ(CFE)によって放出される。一次荷電粒子ビームの電流の変動(放出ノイズ)は、エミッタの表面を汚染する残留ガスに起因する可能性があることを理解されたい。有益なことに、フラッシング(洗浄)プロセス後に、および/またはエミッタの表面の汚染(例えば、エミッタ表面上の原子/分子の吸着)に起因して、最大10%の一次ビーム電流の上方または下方ジャンプをこうむる可能性がある一次荷電粒子ビームの電流を定期的に測定し、補償することができる。
【0068】
実施形態によると、荷電粒子源221は、熱電界エミッタ型、例えば熱電界エミッタである。一例では、一次荷電粒子ビーム123は、熱電界エミッタ(TFE)によって放出される。したがって、熱電界エミッタの電流変動は、典型的には、冷電界エミッタの電流変動よりも小さいが、本明細書に記載される実施形態は、熱電界エミッタにも有益である。
【0069】
実施形態によると、荷電粒子源221は、冷電界放出型または熱電界エミッタ型であるか、あるいは冷電界エミッタまたは熱電界エミッタである。
【0070】
実施形態によると、一次荷電粒子ビーム123は、試料位置280に向けて誘導される。実施形態によると、例えば試料位置280に試料282を支持するための試料支持体284が提供される。実施形態によると、一次荷電粒子ビーム123は、対物レンズによって試料282上に集束される。
【0071】
実施形態によると、一次荷電粒子ビーム123が試料282に衝突することで、二次信号および/または後方散乱信号が生じる。実施形態によると、二次信号および/または後方散乱信号は、センサユニットに向けて誘導される。実施形態によると、センサユニットは、二次信号および/または後方散乱信号の衝突時に信号を生成し、この信号が荷電粒子ビーム装置200の通常動作中に画像生成に使用される。
【0072】
ビーム誘導モジュール
実施形態によると、ビーム誘導モジュール232が提供される。実施形態によると、ビーム誘導モジュール232は、一次荷電粒子ビーム123を少なくともビームダンプ140に偏向させるよう構成されている。例えば、ビーム誘導モジュール232は、一次荷電粒子ビーム123をビームダンプ140内に偏向させるよう構成されている。
【0073】
一例では、ビーム誘導モジュール232は、一次荷電粒子ビーム123を偏向させてビームダンプ140の導電性表面142に衝突させるように構成されている。有益なことに、一次荷電粒子ビーム123の電流を測定することができる。
【0074】
実施形態によると、ビーム誘導モジュール232は、一次荷電粒子ビーム123を試料位置280に偏向させるように構成されている。実施形態によると、ビーム誘導モジュール232は、一次荷電粒子ビーム123をビームダンプ140および試料位置280に個別に偏向させるように構成されている。
【0075】
実施形態によると、ビーム誘導モジュール232は、荷電粒子源221と検出ユニット160との間に配置される。実施形態によると、ビーム誘導モジュール232は、例えば撮像動作中に一次荷電粒子ビーム123が侵入するための開口部を有する電極要素を含む。実施形態によると、ビーム誘導モジュール232は、少なくとも1つの静電偏向ユニット、磁気偏向ユニット、または静電-磁気複合偏向ユニットを含む。
【0076】
実施形態によると、ビーム誘導モジュール232は、電極要素をバイアスするように構成された電圧供給ユニットを含む。実施形態によると、ビーム誘導モジュール232の電極要素は、一次荷電粒子ビーム123をビームダンプ140(の導電性表面142)に偏向させるように構成されている。
【0077】
実施形態によると、一次ビーム電流を測定するために一次荷電粒子ビームをビームダンプ140に誘導するビーム誘導モジュール232の制御値を記憶する記憶要素234が提供される。実施形態によると、一次荷電粒子ビーム123を誘導することができるビーム誘導モジュール232に関するさらなる制御値を記憶要素234に記憶することができる。典型的には、制御値は、誘導(例えば偏向)に対応する電圧および/または電流とすることができる。
【0078】
一次荷電粒子ビームの電流の測定
実施形態によると、一次荷電粒子ビームの電流を測定する方法は、動作400に示すように、二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子を検出するステップを含む。実施形態によると、二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子は、荷電粒子ビーム装置のビームダンプの導電性表面への一次荷電粒子ビームの衝突時に放出される。
【0079】
実施形態によると、本方法は、動作510に示すように、一次荷電粒子ビームを荷電粒子ビーム装置のビームダンプの導電性表面に偏向させるステップを含む。実施形態によると、一次荷電粒子ビームは、動作510に示すように、ビームダンプの導電性表面に対して45度未満、30度未満、または15度未満の角度で荷電粒子ビーム装置のビームダンプの導電性表面に偏向される。有益なことに、一次荷電粒子ビームの二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子への変換効率は、本明細書の実施形態に記載される角度において改善される。ビームダンプの導電性表面に対する一次荷電粒子ビームの角度は、入射角として理解することができる。
【0080】
一例では、動作400に示すように、荷電粒子ビーム装置のビームダンプの導電性表面への一次荷電粒子ビームの衝突時に放出される二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子を検出するステップは、動作520に示すように、放出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子を光子に変換するステップ、動作530に示すように、放出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子から変換された光子を一次荷電粒子ビームから離れるように誘導するステップ、ならびに動作540に示すように、放出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子から導出された光子を、検出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子の大きさを示す値を有する電気信号に変換するステップのうちの1つまたは複数を含む。
【0081】
ビームダンプの導電性表面への一次荷電粒子ビームの衝突時に放出される二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子を検出するステップは、二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子の大きさを測定するための他のタイプのセンサの使用を含むことができることを理解されたい。
【0082】
実施形態によると、本方法は、動作550に示すように、検出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子の大きさ(を示す電気信号)に基づいて、一次荷電粒子ビームの電流を示す値を決定するステップを含む。
【0083】
実施形態によると、本方法は、動作560に示すように、検出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子に基づいて調整を行うステップを含む。
【0084】
一例では、動作560に示すように調整を行うステップは、(a)二次荷電粒子信号のグレーレベルを調整するステップ、(b)検出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子の変化と反対の方向に二次荷電粒子信号のグレーレベルを変化させるステップ、(c)検出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子の変化に比例して二次荷電粒子信号のグレーレベルを変化させるステップ、(d)一次荷電粒子ビームの電流を調整するステップ、ならびに(e)一次荷電粒子ビームの電流を示す値に基づいて調整するステップであって、一次荷電粒子ビームの電流を示す値が、検出された二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子に基づいて決定される、ステップを含むグループのうちの1つまたは複数を含む。
【0085】
一例では、動作560に示すように調整を行うステップ(例えば、一次荷電粒子ビームの電流を調整するステップ)は、抽出器電圧、抑制器電圧、アノード電圧、およびエミッタ先端部電圧のうちの少なくとも1つを調整するステップを含む。
【0086】
一例では、荷電粒子ビーム装置のビームダンプの導電性表面への一次荷電粒子ビームの衝突時に放出される二次荷電粒子および/または後方散乱荷電粒子は、動作400に示すように、一次荷電粒子ビームがブランキングされる期間中に、および/または一次荷電粒子ビームが試料位置以外の位置に衝突する時間中に検出される。
【0087】
本明細書に記載される実施形態による動作のうちのいずれか1つまたは任意の複数は、図5に示されるような順序で、または異なる順序で、適切に組み合わされ得ることを理解されたい。
【0088】
実施形態はまた、開示された方法を実行するための装置であって、記載された各方法ステップを実行するための装置部品を含む装置を対象とする。これらの方法ステップは、ハードウェア構成要素によって、適切なソフトウェアによってプログラムされたコンピュータによって、両者の任意の組合せによって、または任意の他のやり方で実行されてもよい。
【0089】
さらに、実施形態はまた、記載された装置が動作する方法を対象とする。これには、装置の各機能を実行するための、または装置の各部品を製造するための方法ステップが含まれる。
【0090】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の範囲から逸脱することなく本発明の他の実施形態およびさらなる実施形態を考案することができ、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4
図5