(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】充電管理装置、充電管理システム及び充電管理方法
(51)【国際特許分類】
B60L 58/16 20190101AFI20240920BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240920BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20240920BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240920BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240920BHJP
B60L 53/66 20190101ALI20240920BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20240920BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B60L58/16
H02J7/00 P
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
B60L50/60
B60L53/66
B60L58/12
H02J7/10 J
(21)【出願番号】P 2020113174
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井口 明彦
(72)【発明者】
【氏名】上田 崇正
(72)【発明者】
【氏名】飯田 琢磨
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-120327(JP,A)
【文献】特開2010-231258(JP,A)
【文献】特開2010-004620(JP,A)
【文献】国際公開第2012/093638(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 - 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送計画から予測される移動体の消費電力と、前記移動体に搭載された電池の特性とに基づいて、前記電池の劣化を抑制する充電計画を作成する充電計画部と、
前記充電計画に従い実施される前記電池への充電において、前記充電計画が示す目標の電力量
を前記電池への充電に使用する充電器の充電電力で除した時間を第1の時間として算出し、前記目標の電力量を達成する目標の時刻までの残り時間が
前記第1の時間より短いとき、
前記残り時間と前記充電器の充電電力との積を算出し、前記目標の電力量と前記積との差分を基準電池電力量として算出し、前記残り時間に応じて算出され
た前記基準電池電力量に基づいて、前記充電計画の再計画の要否を判定
し、現時点での前記電池の電力量が前記基準電池電力量より小さいとき、前記充電計画の再計画を実施すると判定する充電管理部と
、を具備する
充電管理装置。
【請求項2】
前記充電管理部は、前記残り時間が前記第1の時間以上であるとき、前記充電計画の再計画を実施しないと判定する、
請求項
1に記載の充電管理装置。
【請求項3】
前記充電管理部は、前記配送計画により規定される前記電池への充電の終了時刻までの残り時間が所定の第2の時間以上であるとき、前記充電計画の再計画を実施すると判定する、
請求項1
又は請求項
2に記載の充電管理装置。
【請求項4】
前記充電管理部は、前記配送計画に従い実施される配送より前に、前記充電計画に従い前記電池への充電を実施する、
請求項1から請求項
3のうちのいずれか一項に記載の充電管理装置。
【請求項5】
複数の目的地に関する目的地情報及び蓄積された電池データに基づいて、前記電池の劣化を抑制する配送経路を含む前記配送計画を作成する配送計画部をさらに備える、
請求項1から請求項
4のうちのいずれか一項に記載の充電管理装置。
【請求項6】
前記充電計画は、前記配送計画に従い実施される配送の開始前に充電終了する前記電池への充電の計画であり、
充電管理部は、前記充電器の急速充電時の充電電力を用いて前記第1の時間を算出する、
請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載の充電管理装置。
【請求項7】
前記充電計画は、充電する時間と充電を休止する時間とを含む、
請求項1から請求項6のうちのいずれか一項に記載の充電管理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項
7のうちのいずれか一項に記載の充電管理装置と、
前記充電計画が示す電力量の時間変化及び前記電池の実際の電力量の時間変化を表示する表示端末と
を含む充電管理システム。
【請求項9】
前記充電管理装置は、前記充電計画の再計画を実施すると判定したとき、再計画の実施を示す再計画の通知を出力し、
前記表示端末は、前記充電管理装置から出力された前記再計画の通知を表示する、
請求項
8に記載の充電管理システム。
【請求項10】
前記充電管理装置は、前記配送計画により規定される前記電池への充電の終了時刻までの残り時間が所定の第2の時間より短いとき、前記充電計画の再計画を実施しないと判定し、前記電池の電力量が前記目標の時刻までに前記目標の電力量に到達しないことを示す目標未達エラーの通知を出力し、
前記表示端末は、前記充電管理装置から出力された前記目標未達エラーの通知を表示する、
請求項
8又は請求項
9に記載の充電管理システム。
【請求項11】
配送計画から予測される移動体の消費電力と、前記移動体に搭載された電池の特性とに基づいて、前記電池の劣化を抑制する充電計画を作成することと、
前記充電計画に従い実施される前記電池への充電において、前記充電計画が示す目標の電力量
を前記電池への充電に使用する充電器の充電電力で除した時間を第1の時間として算出し、前記目標の電力量を達成する目標の時刻までの残り時間が
前記第1の時間より短いとき、
前記残り時間と前記充電器の充電電力との積を算出し、前記目標の電力量と前記積との差分を基準電池電力量として算出し、前記残り時間に応じて算出され
た前記基準電池電力量に基づいて、前記充電計画の再計画の要否を判定
し、現時点での前記電池の電力量が前記基準電池電力量より小さいとき、前記充電計画の再計画を実施すると判定することと
、を含む
充電管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電管理装置、充電管理システム及び充電管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車やハイブリッド自動車などの電池を利用する各種の移動体が、例えば宅配便などの各種の配送に使用されている。また、例えば電池の劣化抑制の観点から推奨される充電計画を提案する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、充電計画に従って電池の充電が行われる際に、電池の状態や充電の環境などの要因によって、所定の時刻までに電池の実際の電力量が目標の電力量に達しない場合があった。
【0005】
本開示は、電池の劣化抑制を考慮した充電における電池の実際の電力量を適切に管理することができる充電管理装置、充電管理システム及び充電管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る充電管理装置は、充電計画部と、充電管理部とを備える。充電計画部は、配送計画から予測される移動体の消費電力と、前記移動体に搭載された電池の特性とに基づいて、前記電池の劣化を抑制する充電計画を作成する。充電管理部は、前記充電計画に従い実施される前記電池への充電において、前記充電計画が示す目標の電力量を前記電池への充電に使用する充電器の充電電力で除した時間を第1の時間として算出し、前記目標の電力量を達成する目標の時刻までの残り時間が前記第1の時間より短いとき、前記残り時間と前記充電器の充電電力との積を算出し、前記目標の電力量と前記積との差分を基準電池電力量として算出し、前記残り時間に応じて算出された前記基準電池電力量に基づいて、前記充電計画の再計画の要否を判定し、現時点での前記電池の電力量が前記基準電池電力量より小さいとき、前記充電計画の再計画を実施すると判定する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る充電管理装置、充電管理システム及び充電管理方法によれば、電池の劣化抑制を考慮した充電における電池の実際の電力量を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る表示端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る表示端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る管理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る充電管理について説明するための図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る充電残時間に応じて設定される基準電池電力量について説明するための図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る管理装置で実行される充電管理処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る表示端末で実行される充電管理処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態に係る表示端末の表示画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る表示端末の表示画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る表示端末の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る充電管理装置、充電管理システム及び充電管理方法の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態において、「時刻」は、ある一点の時を示すとする。また、「時間」は、ある時刻から当該時刻の後のある時刻までの間の幅、すなわち範囲を示すとする。
【0010】
以下、本開示に係る技術が、例えば宅配便などの各種の配送に適用される場合を例として説明する。なお、本開示に係る技術は、例えばライドシェア、乗り合いタクシー、乗り合いバスのように、荷物に限らず、人を輸送する場合にも適用することができる。また、本開示に係る技術は、例えばレンタカーやレンタルサイクルのように、同一の移動体を複数のユーザが使用する場合にも適用することができる。
【0011】
図1は、実施形態に係る管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。実施形態に係る管理システム1は、複数の配送先への各種の物品の配送を管理する配送管理システムであり、また、配送に使用される移動体6に搭載された電池への充電を管理する充電管理システムである。ここで、複数の配送先は、複数の目的地の一例である。なお、
図1は、1つの移動体6を含む管理システム1を例示するが、これに限らない。管理システム1は、2つ以上の移動体6を含んでいてもよい。
【0012】
管理システム1は、
図1に示すように、表示端末2及び管理装置3を含む。表示端末2及び管理装置3は、ネットワーク9を介して、通信可能に接続される。ネットワーク9としては、例えばインターネット等の電気通信回線が利用可能である。管理システム1は、一例として、クライアント装置としての表示端末2と、サーバ装置としての管理装置3とを含む、サーバクライアント型のシステムとして構築することができる。表示端末2としては、スマートフォンやタブレットPC、カーナビゲーションシステム等が適宜利用可能である。管理装置3としては、サーバ装置、PC等が適宜利用可能である。
【0013】
表示端末2は、複数の移動体6の各々に関する、配送計画や充電計画、充電実績などの情報を表示する装置である。表示端末2において表示される配送計画や充電計画、充電実績などの情報は、管理装置3から供給される。管理装置3は、複数の配送車両の各々に関する、配送計画及び充電計画を立案する装置である。また、管理装置3は、移動体6の電池の実際の電力量や劣化量などの情報を取得する。ここで、管理装置3は、充電管理装置の一例である。
【0014】
ここで、充電計画とは、電池劣化を抑制する観点から配送計画に応じて立案される、配送車両に搭載された電池を充電するための計画である。充電計画は、例えば夜間など、配送と配送との間に実行される充電の計画である。充電計画は、電池劣化を抑制する観点から、充電する時間と充電を休止する時間とを含む。また、配送計画とは、電池劣化を抑制する観点から立案される、配送ルートを示す情報である。配送計画は、その配送ルートを使用して配送が行われる場合に予測される電力消費量や電池劣化量の値が小さくなるように作成される。また、充電実績とは、充電計画に従って配送車両に搭載された電池の充電が行われる際の実際の電力量の値、すなわち実績値を示す情報である。
【0015】
図2は、実施形態に係る表示端末2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。表示端末2は、
図2に示すように、プロセッサ21、メモリ22、通信回路23、ディスプレイ24及びタッチパネル25を有する。プロセッサ21、メモリ22、通信回路23、ディスプレイ24及びタッチパネル25は、例えばバス29を介して通信可能に接続される。
【0016】
プロセッサ21は、表示端末2の全体の動作を制御する。メモリ22は、表示端末2で使用される各種のデータやプログラムを記憶する。メモリ22に記憶されるデータは、管理装置3から受信したデータを含む。メモリ22に記憶されるプログラムは、後述の端末側の充電管理プログラムを含む。通信回路23は、ネットワーク9を介して、表示端末2の外部と通信するための回路である。ディスプレイ24は、ユーザに表示画面を提示する。ディスプレイ24としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プロジェクタ等が適宜利用可能である。タッチパネル25は、ユーザの入力を受け付ける。タッチパネル25は、ディスプレイ24の表面に設けられ、触れられた位置に応じた情報を出力する。
【0017】
なお、表示端末2は、タッチパネル25に限らず、キーボード等の他の入力装置を備えていても構わない。また、表示端末2は、ユーザの音声入力を受け付けるマイクロフォンや音声データに応じた音声を出力するスピーカ等をさらに備えていても構わない。これらの場合、表示端末2において、後述する再計画の通知や目標未達エラーの通知を含む表示画面の内容が音声によりユーザに提示されてもよいし、これらの通知に対する応答が音声により入力されてもよい。
【0018】
図3は、実施形態に係る管理装置3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。管理装置3は、
図3に示すように、プロセッサ31、メモリ32及び通信回路33を有する。プロセッサ31、メモリ32及び通信回路33は、例えばバス39を介して通信可能に接続される。
【0019】
なお、管理装置3は、ネットワーク9を介して、配送情報4を格納するデータベース、データベース5及び移動体6のうちの少なくとも1つにアクセス可能に接続されていてもよい。また、管理装置3は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体や可搬型の外部記憶装置を介して、配送情報4を格納するデータベース、データベース5及び移動体6のうちの少なくとも1つにアクセス可能に構成されていても構わない。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、CD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等が適宜利用可能である。また、可搬型の外部記憶装置としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、Flashメモリ等が適宜利用可能である。
【0020】
プロセッサ31は、管理装置3の全体の動作を制御する。メモリ32は、管理装置3で使用される各種のデータやプログラムを記憶する。メモリ32に記憶されるデータは、表示端末2、配送情報4を格納するデータベース、データベース5及び移動体6から受信したデータを含む。メモリ32に記憶されるプログラムは、後述のサーバ側の充電管理プログラムを含む。通信回路33は、管理装置3の外部と通信するための回路である。
【0021】
なお、管理装置3は、例えばタッチパネルやキーボード等のユーザの入力を受け付ける入力装置を備えていても構わない。また、管理装置3は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、プロジェクタ等のユーザに表示画面を提示する表示装置を備えていても構わない。
【0022】
また、管理システム1は、
図1に示すように、配送情報4を格納するデータベース、データベース5及び移動体6を含む。管理システム1において、管理装置3は、配送情報4を格納するデータベース、データベース5及び移動体6の各々にアクセス可能に接続される。
【0023】
配送情報4を格納するデータベースは、例えば、配送ドライバーの所属する会社などが管理するコンピュータやデータサーバ等に記憶されているとする。配送情報4は、ドライバー又は移動体6ごとに設定される情報であり、複数の荷物の各々に関する配送先の名称又は住所と、その配送先への配送時刻や配送時間を示す情報である。配送情報4は、配送経路の算出に用いられる地図データ、道路上で発生する渋滞に関する情報などを含んでいてもよい。また、配送情報4は、配送先の階層やエレベータの有無、配送先へ配送する物品の大きさや重さ、数などの情報を含んでいてもよい。ここで、配送情報4は、目的地情報の一例である。
【0024】
データベース5は、配送結果データ51及び電池データ52を格納するデータベースである。データベース5は、例えば、配送ドライバーの所属する会社などが管理するコンピュータやデータサーバ等に記憶されているとする。配送結果データ51は、例えば移動体6の操作者であるドライバーごとに蓄積される履歴データである。配送結果データ51は、例えば、実施された配送に関する配送情報、使用された配送ルート及び使用された移動体6の特性などを示す情報を含む。移動体6の特性としては、例えば移動体6が車両である場合には、車両の重量、電気自動車であるかハイブリッド自動車であるかなどの車両の種別、搭載している電池の種類、回生ブレーキの有無等が挙げられる。電池データ52は、配送車両などの移動体6に搭載されている電池の特性を示す情報である。電池の特性を示す情報は、一例として、電池の容量や最大出力、定格出力、負荷に応じた出力変動などを示す情報である。
【0025】
移動体6は、複数の配送先への各種の物品の輸送を行うための移動体である。移動体6としては、電池を利用して駆動する各種の移動体が適宜利用可能である。移動体6は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車などの電池を利用する配送用の車両であるとする。移動体6は、
図3に例示する管理装置3と同様に、プロセッサ、メモリ及び通信回路を有する。移動体6のプロセッサは、移動体6の全体の動作を制御する。移動体6のメモリは、移動体6で使用される各種のデータやプログラムを記憶する。移動体6のメモリに記憶されるデータは、電池データ61を含む。移動体6の通信回路は、移動体6の外部と通信するための回路である。
【0026】
電池データ61は、移動体6に搭載されている電池の状態を示す情報である。なお、電池データ61は、電池の特性を示す情報を含んでいてもよい。電池の状態を示す情報は、一例として、その時点での容量、すなわち充電状態を示すSOC(States Of Charge)や劣化状態を示すSOH(States Of Health)、温度、通電時間などを示す情報である。SOHとしては、初期と比べた容量の劣化状態を示す容量維持率が利用されてもよいし、初期と比べた抵抗の劣化状態を示す抵抗上昇率が利用されてもよいし、これらの両方が利用されても構わない。
【0027】
なお、移動体6としては、自転車、自動二輪車、自動車、電車などの各種の車両が適宜利用可能である。また、移動体6は、これらの車両に限らず、船舶、航空機などの電池を利用する各種の移動体であってもよい。また、移動体6は、有人で移動する移動体であってもよいし、無人で移動する移動体であってもよい。また、移動体6の移動は、ユーザにより制御されてもよいし、設定された配送経路などに応じて自律的に制御されてもよい。
【0028】
プロセッサ21、プロセッサ31及び移動体6のプロセッサとしては、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の各種のプロセッサが適宜利用可能である。
【0029】
メモリ22、メモリ32及び移動体6のメモリとしては、ぞれぞれ、ROM(Read Only Memory)やHDD、SSD、Flashメモリ等の各種の記憶媒体や記憶装置が適宜利用可能である。また、メモリ22、メモリ32及び移動体6のメモリには、それぞれ、一時的に作業中のデータを記憶するRAM(Random Access Memory)がさらに設けられる。
【0030】
通信回路23、通信回路33及び移動体6の通信回路としては、それぞれ、有線通信用の通信回路、無線通信用の通信回路及びこれらの組合せが適宜利用可能である。無線通信用の通信回路としては、3Gや4G、5G、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の各種の規格に対応した通信回路が適宜利用可能である。
【0031】
なお、配送情報4を格納するデータベース及びデータベース5は、1つのサーバ等に記憶されていてもよいし、複数のサーバ等に分散して記憶されていてもよい。また、配送情報4を格納するデータベース及びデータベース5のうちの少なくとも一方は、表示端末2、管理装置3又は移動体6の内部に記憶されていてもよい。
【0032】
なお、配送結果データ51を格納するデータベースと、電池データ52を格納するデータベースとは、1つのデータベース5として構成される場合に限らず、異なるデータベースとして構成されてもよい。
【0033】
図4は、実施形態に係る表示端末2の機能構成の一例を示すブロック図である。表示端末2は、例えばメモリ22にロードされた端末側の充電管理プログラムをプロセッサ21が実行することにより、送受信部201、表示部202及び入力部203としての機能を実現する。
【0034】
送受信部201は、管理装置3から充電計画、充電実績及び通知を受信する。送受信部201は、再計画の通知や目標未達エラーの通知に対する、入力部203が受け付けたユーザの応答を管理装置3へ送信してもよい。表示部202は、充電計画及び充電実績を含む表示画面を表示する。また、表示部202は、通知を含む表示画面を表示する。入力部203は、再計画の通知や目標未達エラーの通知に対するユーザの応答の入力又は選択を受け付けてもよい。
【0035】
図5は、実施形態に係る管理装置3の機能構成の一例を示すブロック図である。管理装置3は、例えばメモリ32にロードされたサーバ側の充電管理プログラムをプロセッサ31が実行することにより、配送計画部301、電力消費予測部302、充電計画部303、充電管理部304、データ蓄積部305及び送受信部306としての機能を実現する。
【0036】
配送計画部301は、複数の配送先に関する配送情報4、蓄積された配送結果データ51及び蓄積された電池データ52に基づいて、電池劣化を抑制する配送経路を作成する。電力消費予測部302は、配送計画部301により作成された配送計画に従って配送が行われる場合に予測される電力消費量を算出する。充電計画部303は、電力消費予測部302により算出された電力消費量の予測に基づいて、充電計画を作成する。一例として、充電計画部303は、配送計画、予測された電力消費量、充電開始時の電池電力量、充電器の単位時間あたりの充電電力量及び電池データ61に基づいて、充電計画を作成する。充電計画は、例えば、充電の開始時刻、充電終了時の目標時刻、目標の電池電力量を含む。充電管理部304は、充電計画に従う移動体6の電池の充電を管理する。具体的には、充電管理部304は、目標時刻と現在時刻との差分、すなわち充電残時間に応じて設定される基準電池電力量に基づいて、充電計画の再計画の要否を判定する。充電の管理の詳細については、後述する。データ蓄積部305は、配送結果データ51及び電池データ52を蓄積する。送受信部306は、配送情報4を格納するデータベースから配送情報を受信する。送受信部306は、配送計画及び充電計画の作成前にデータベース5から配送結果データ51及び電池データ52を受信し、配送の完了後にデータベース5へ配送結果データ51及び電池データ52を送信する。送受信部306は、移動体6から電池データ61を受信する。送受信部306は、表示端末2へ配送計画や充電計画、充電実績、通知を送信する。送受信部306は、表示端末2から再計画の通知や目標未達エラーの通知に対するユーザの応答を受信する。
【0037】
なお、管理システム1において、管理装置3の実現する機能の一部又は全部は、表示端末2や移動体6において実現されてもよい。
【0038】
ここで、図面を参照して、実施形態に係る充電管理について、より詳細に説明する。
【0039】
従来、電気自動車やハイブリッド自動車などの電池を利用する各種の移動体が、例えば宅配便などの各種の配送に使用されている。また、例えば電池の劣化抑制の観点から推奨される充電計画を提案する技術が知られている。しかしながら、充電計画に従って電池の充電が行われる際に、電池の状態や充電の環境などに起因して、所定の時刻までに電池の実際の電力量が目標の電力量に達しない場合があった。充電の環境としては、周囲温度や電池温度、充電器又は充電ケーブルの劣化、停電、供給電圧の不安定性、移動体6における電力消費などがあり得る。充電計画に対して充電実績が不十分である場合には、不足している電池の電力量を補うために充電計画の再計画が必要となる。
【0040】
そこで、実施形態に係る管理システム1は、充電残時間に応じて設定される基準電池電力量に基づいて、充電計画の再計画の要否を判定することにより、電池の劣化抑制を考慮した充電において、電池の実際の電力量を適切に管理することができるように構成される。
【0041】
図6は、実施形態に係る充電管理について説明するための図である。
図6に例示するグラフにおいて、縦軸及び横軸は、それぞれ、電池電力量p[kWh]及び時刻t[hour]を示す。
図6は、電池電力量に関する充電計画PP及び充電実績PAの一例を示す。
【0042】
図6に例示する充電計画PPは、時刻Ts[hour]で充電を開始し、時刻Tf[hour]を充電終了の目標時刻とする計画であるとする。なお、充電開始の時刻Tsにおける電池電力量は、電力量Ps[kWh]であるとする。また、充電終了の目標の時刻Tfにおける電池電力量、すなわち目標電池電力量は、電力量Pf[kWh]であるとする。ここで、充電終了の目標の時刻Tfは、充電の終了時刻より前の時刻で適宜に設定可能である。充電の終了時刻とは、充電可能な限界の時刻であり、例えば配送の開始時間である。一例として、充電を開始する時刻Tsから目標の時刻Tfまでの間の時間は、充電を開始可能な時刻から、充電の終了時刻までの間の90%の時間である。別の一例として、充電終了の目標の時刻Tfは、充電の終了時刻の所定時間だけ前の時刻である。
【0043】
図6に例示する充電実績PAは、移動体6に搭載された電池の充電が充電計画に従って充電される際の実績値の推移の一例を示す。なお、充電は、時刻Tsに電力量Psの状態で開始されているとする。また、任意の時刻Txにおいて、電池電力量が電力量Px[kWh]に到達した状態にあるとする。
【0044】
ここで、急速充電時の充電器の充電電力をCw[kW]とする。
図6に示す例において、充電電力Cwの充電器による最大の電力量の推移は、傾きCwの直線L1,L2,L3,L4により表現することができる。例えば、時刻Ts以降、充電電力Cwにより充電できる最大の電力量は、直線L1に沿って推移する電力量である。同様に、時刻Tx以降、充電電力Cwにより充電できる最大の電力量は、直線L3に沿って推移する電力量である。このとき、時刻Tx以降、目標の時刻Tfまでに充電できる最大の電力量p´[kWh]は、式(1)により表現される。
【0045】
【0046】
したがって、充電電力Cwの充電器を用いて目標の時刻Tfまでに目標の電力量Pfに到達するためには、実際の電力量Pxは、(Tf,Pf)を通る傾きCwの直線L4以上の電力量で推移することが要求される。このことから、実施形態に係る充電管理は、式(2)に示す条件、すなわち目標の時刻Tfまでに充電できる最大の電力量p´と、それまでに充電されている実際の電力量Pxとの和が、目標の電力量Pfと等しくなる条件を再計画の要否に係る判断基準として使用する。
【0047】
【0048】
ここで、式(2)において(Tf-Tx)は、目標時刻と現在時刻との差分、すなわち充電可能な残り時間を示す。充電可能な残り時間を充電残時間Δt[hour]とすると、式(2)は、以下の式(3)のように整理することができる。
【0049】
【0050】
したがって、任意の時刻Txから充電終了の目標の時刻Tfまでに目標の電力量Pfまで充電するためには、任意の時刻Txにおける実際の電力量Pxが式(4)を満たすことが要求される。なお、式(4)が示す条件において、実際の電力量Pxが充電残時間Δtで充電できる最大の電力量に等しい場合が除外されてもよい。
【0051】
【0052】
図7は、実施形態に係る充電残時間Δtに応じて設定される基準電池電力量について説明するための図である。ここで、基準電池電力量とは、充電終了の目標の時刻Tfに目標電池電力量まで到達するために充電残時間Δtの時点で要求される電力量「Pf-CwΔt」[kWh]である。基準電池電力量は、充電残時間Δtが、目標の電力量Pfを電池への充電に使用する充電器の充電電力Cwで除した第1の時間より短い時間の期間において設定される。なお、当該期間までの他の期間において、基準電池電力量の値として、ゼロ「0」が設定されても構わない。基準電池電力量は、充電残時間Δtが第1の時間に等しいときに設定されても構わない。
図7は、一例として、目標の電力量Pf=40[kWh]及び充電器の充電電力Cw=20[kW]の条件における充電残時間Δtと基準電池電力量との関係を示す。なお、目標の電力量Pf=40[kWh]は、例えば最大の電池電力量を50[kWh]とした場合の80[%]のSOCに相当する電力量である。
【0053】
この条件においては、実際の電力量Pxによらず、2.0[hour]で目標の電力量Pfの40[kWh]まで充電することができる。したがって、
図7に示すように、充電残時間が3.0[hour]、2.5[hour]及び2.0[hour]であるとき、基準電池電力量は、設定されない。つまり、
図7に示す例において、第1の時間は、2.0[hour]である。一方で、充電残時間が1.5[hour]、1.0[hour]及び0.5[hour]であるとき、充電残時間で充電できる最大の電力量p´は、それぞれ、30[kWh]、20[kWh]及び10[kWh]である。したがって、充電残時間が1.5[hour]、1.0[hour]及び0.5[hour]であるとき、基準電池電力量は、それぞれ、10[kWh]、20[kWh]及び30[kWh]の電力量が設定される。
【0054】
このように、実施形態に係る充電管理は、任意の時刻Txにおける実際の電力量Pxが、目標の電力量Pfと、以降に充電可能な最大の電力量p´との差分以上となる条件を再計画の要否に係る判断基準として使用する。つまり、再計画の要否に係る判断基準としての基準電池電力量は、充電残時間Δtに応じて変化する。実施形態に係る充電管理では、充電残時間Δtの時点で実際の電力量Pxが基準電池電力量以上であるとき、再計画が不要であると判断される。一方で、実施形態に係る充電管理では、充電残時間Δtの時点で実際の電力量Pxが基準電池電力量未満であるとき、再計画が必要であると判断される。なお、充電残時間Δtの時点で実際の電力量Pxが基準電池電力量に等しいとき、再計画が必要であると判断されても構わない。
【0055】
以下、図面を参照して、実施形態に係る管理システム1の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の流れは一例であり、処理順序の変更や一部の処理の削除、他の処理の追加も可能である。
【0056】
管理システム1では、管理装置3により実行されるサーバ側の処理と、表示端末2により実行されるクライアント側の処理とにより実現される、サーバクライアント処理が実行される。
【0057】
図8は、実施形態に係る管理装置3で実行されるサーバ側の充電管理処理の一例を示すフローチャートである。
【0058】
なお、
図8に例示する流れは、配送計画部301により配送計画が作成され、電力消費予測部302により当該配送計画に基づいて電力消費量が算出され、充電計画部303により当該電力消費量に応じた充電計画が作成された後に実行されるとする。また、
図8に例示する流れは、充電管理部304が充電計画を送受信部306により表示端末2へ送信した後に実行されるとする。
【0059】
また、充電管理部304は、
図8に例示する流れにおいて、移動体6から受信した充電の実績値を送受信部306により表示端末2へ送信し続けているとする。なお、実績値は、予め設定された一定の周期で送信されてもよいし、電力量の変化が所定の閾値を超えたとき又は前回の送信から所定の時間が経過したときに送信されてもよい。
【0060】
充電管理部304は、目標の時刻Tfと実績の時刻Txとの差、すなわち充電残時間Δtを計算する(S101)。充電管理部304は、時刻差を示す充電残時間Δtから、目標値、すなわち充電残時間Δtでの最大の電力量p´を演算する(S102)。
【0061】
充電管理部304は、計画値、すなわち目標の電力量Pfと、実績値、すなわち実際の電力量Pxとの差が目標値以上か否かを判定する(S103)。換言すれば、充電管理部304は、実際の電力量Pxが基準電池電力量未満であるか否かを判定する。
【0062】
計画値と実績値との差が目標値未満であるとき(S103:No)、
図8の流れは、S107の処理へ進む。計画値と実績値との差が目標値未満であるときは、実際の電力量Pxが基準電池電力量以上である場合を含む。
【0063】
一方で、計画値と実績値との差が目標値以上であるとき(S103:Yes)、
図8の流れは、S104の処理へ進む。計画値と実績値との差が目標値以上であるときは、実際の電力量Pxが基準電池電力量未満であるときを含む。上述したように、実際の電力量Pxが基準電池電力量未満であるときとは、目標の電力量Pfを達成するために充電計画の再計画が必要であるときである。充電管理部304は、実績時刻、すなわち現在の時刻Txと、終了時刻との差が所定の第2の時間以上か否かを判定する(S104)。換言すれば、充電管理部304は、再計画、すなわち終了時刻までに目標の電力量Pfを達成する充電計画の作成が可能であるか否かを判定する。
【0064】
実績時刻と終了時刻との差が所定の第2の時間以上であるとき(S104:Yes)、
図8の流れは、S105の処理へ進む。充電管理部304は、再計画の通知を表示端末2へ送信し、表示端末2に再計画の通知を含む表示画面の表示を指示する。また、充電管理部304は、充電計画部303に充電計画の再計画を指示する(S105)。その後、
図8の流れは、S107の処理へ進む。
【0065】
なお、充電管理部304は、S105の処理において、表示端末2へのユーザの入力結果に応じて充電計画部303に充電計画の再計画を指示するか否かを判断するように構成されていてもよい。
【0066】
一方で、実績時刻と終了時刻との差が所定の第2の時間より短いとき(S104:No)、
図8の流れは、S106の処理へ進む。充電管理部304は、目標未達エラーの通知を表示端末2へ送信し、表示端末2に目標未達エラーの通知を含む表示画面の表示を指示する(S106)。なお、実績時刻と終了時刻との差が所定値に等しい場合に目標未達エラーの通知が表示されても構わない。その後、
図8の流れは、終了する。
【0067】
なお、充電管理部304は、S106の処理の後、終了時刻まで充電を継続してもよい。
【0068】
充電管理部304は、充電終了か否かを判定する(S107)。本判定において、充電管理部304は、例えば、実際の電力量Pxが目標の電力量Pfに達したとき、現在の時刻Txが目標の時刻Tf又は終了時刻に達したとき、充電終了であると判定する。充電終了ではないとき(S107:No)、
図8の流れは、S101の処理に戻る。一方で、充電終了であるとき(S107:Yes)、充電管理部304は、充電終了の通知を表示端末2へ送信する。その後、
図8の流れは、終了する。
【0069】
なお、
図8の流れは、
図7を参照して説明した基準電池電力量が設定される時刻に達したことを契機として開始されてもよい。具体的には、充電管理部304は、充電が開始されてから目標の電力量Pfを充電器の充電電力Cwで除した時間が経過するまで待機した後、S101の処理を開始する。これは、充電が開始されてから目標の電力量Pfを充電器の充電電力Cwで除した時間が経過するまでの間は、実際の電力量Pxによらず、目標の時刻Tfに目標の電力量Pfまで充電することができることに基づく。この場合、管理装置3における処理量を低減することができる。
【0070】
図9は、実施形態に係る表示端末2で実行されるクライアント側の充電管理処理の一例を示すフローチャートである。
【0071】
表示部202は、送受信部201により管理装置3からの充電計画を受信したか否かを判定する(S201)。ここで、管理装置3からの充電計画は、
図9の流れが開始される前に作成された充電計画又は
図8のS105において再計画された充電計画である。
【0072】
管理装置3からの充電計画を受信したとき(S201:Yes)、表示部202は、受信した充電計画を含む表示画面をディスプレイ24に表示する(S202)。その後、
図9の流れは、S203の処理へ進む。また、管理装置3からの充電計画を受信しなかったとき(S201:No)、
図9の流れは、S203の処理へ進む。
【0073】
表示部202は、送受信部201により管理装置3からの充電実績を受信したか否かを判定する(S203)。管理装置3からの充電実績を受信したとき(S203:Yes)、表示部202は、受信した充電実績をさらに含む表示画面810をディスプレイ24に表示する(S204)。その後、
図9の流れは、S205の処理へ進む。また、管理装置3からの充電実績を受信しなかったとき(S203:No)、
図9の流れは、S205の処理へ進む。
【0074】
図10は、実施形態に係る表示端末2の表示画面810の一例を示す図である。
図10に示すように、表示画面810は、充電計画PP及び充電実績PAを含む。表示画面810において、充電計画PP及び充電実績PAは、例えば電池電力量の時間変化を示すグラフにより比較可能に表示される。また、表示画面810は、充電を開始した時刻Ts、時刻Tsにおける電池電力量Ps、現在の時刻Tx、時刻Txにおける電池電力量Px、目標の時刻Tf及び時刻Tfにおける電池電力量Pfを含む。
【0075】
表示部202は、送受信部201により管理装置3からの通知を受信したか否かを判定する(S205)。管理装置3からの通知を受信したとき(S205:Yes)、表示部202は、受信した通知をさらに含む表示画面820,830をディスプレイ24に表示する(S206)。その後、
図9の流れは、S207の処理へ進む。また、管理装置3からの通知を受信しなかったとき(S205:No)、
図9の流れは、S207の処理へ進む。
【0076】
図11は、実施形態に係る表示端末2の表示画面820の一例を示す図である。
図11に示すように、表示画面820は、再計画を実施する旨の通知821をさらに含む。
図11は、「再計画を実施します」という再計画の通知821を例示する。
【0077】
なお、表示部202は、再計画を実施する旨の通知821に限らず、再計画を実施するか否かをユーザに確認するための通知を表示してもよい。一例として、表示部202は、再計画の実施を承認する操作ボタンと、再計画の実施を否認する操作ボタンとを表示しても構わない。この場合、送受信部201は、入力部203により受け付けられたユーザの入力結果又は選択結果を管理装置3へ送信するように構成されていてもよい。
【0078】
図12は、実施形態に係る表示端末2の表示画面830の一例を示す図である。
図12に示すように、表示画面830は、目標未達エラーの通知831をさらに含む。
図12は、「目標の電力量の充電ができません」という目標未達エラーの通知831を例示する。
【0079】
表示部202は、充電終了か否かを判定する(S207)。本判定において、表示部202は、例えば送受信部201により管理装置3からの充電終了の通知を受信したとき、充電終了であると判定する。充電終了ではないとき(S207:No)、
図9の流れはS201の処理に戻る。一方で、充電終了であるとき(S207:Yes)、
図9の流れは、終了する。
【0080】
なお、表示画面810,820,830において、基準電池電力量の時間変化が表示されていてもよい。より具体的には、表示画面810,820,830において、
図6に例示する直線L4が表示されてもよい。この場合、ユーザは、随時、充電実績が十分な値であるか否かを、視覚的に容易に把握できる。
【0081】
なお、表示画面810,820,830において、表示されている充電計画が充電開始前に作成された計画であるか、充電実績に応じて再計画された計画であるかを示す情報がさらに表示されてもよい。また、表示画面810,820,830において、終了時刻がさらに表示されてもよい。また、表示画面820,830において、充電計画及び充電実績が表示されなくてもよい。また、表示画面830において、再計画なしに終了時刻まで充電を継続した場合の見込の電力量がさらに表示されてもよい。
【0082】
なお、表示画面810,820,830のための画像データは、表示部202により生成されてもよいし、管理装置3において生成されてもよい。
【0083】
このように、実施形態の管理装置3において、充電計画部303は、配送計画から予測される移動体6の消費電力と、移動体6に搭載された電池の特性とに基づいて、電池の劣化を抑制する充電計画を作成する。また、充電管理部304は、充電計画に従い実施される移動体6の電池への充電において、充電残時間Δtが所定の第1の時間より短いとき、充電残時間Δtに応じて算出される基準電池電力量に基づいて、充電計画の再計画の要否を判定する。充電残時間Δtは、充電計画が示す目標の電力量Pfを達成する目標の時刻Tfまでの残り時間である。
【0084】
この構成によれば、任意の時刻Txでの電力量Pxにおける再計画の要否の判断基準を充電残時間Δtに応じた設定とすることができる。したがって、実施形態に係る技術によれば、実際の電力量Pxが目標の電力量Pfに到達できない状況になる前に、充電計画の再計画を実施できる。このため、実施形態に係る技術によれば、充電計画に対して充電実績が不十分な場合であっても、充電計画の再計画により、不足している電力量を適切に補うことができる。換言すれば、実施形態に係る管理装置3は、充電残時間Δtに応じて設定される基準電池電力量に基づいて充電計画の再計画の要否を判定することにより、電池の劣化抑制を考慮した充電において、電池の実際の電力量を適切に管理することができる。
【0085】
なお、本開示に係る技術は、以下の構成とすることもできる。
(1)
配送計画から予測される移動体6の消費電力と、移動体6に搭載された電池の特性とに基づいて作成された電池の劣化を抑制する充電計画が示す計画の電力量の時間変化と、
充電計画に従い実施される電池への充電における実際の電力量Pxの時間変化と
を表示する表示端末。
(2)
充電計画に従い実施される電池への充電において、充電残時間Δtが所定の第1の時間より短いとき、かつ、時点での電池の電力量が充電残時間Δtに応じて算出される基準電池電力量より小さいとき、再計画の実施を示す再計画の通知821を表示する、(1)に記載の表示端末。
(3)
配送計画により規定される電池への充電の終了時刻までの残り時間が所定の第2の時間より短いとき、実際の電力量Pxが目標の時刻Tfまでに目標の電力量Pfに到達しないことを示す目標未達エラーの通知831を表示する、(1)又は(2)に記載の表示端末。
【0086】
本実施形態の表示端末2、管理装置3及び移動体6の各々で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、FD、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0087】
また、本実施形態の表示端末2、管理装置3及び移動体6の各々で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の表示端末2、管理装置3及び移動体6の各々で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0088】
また、本実施形態の表示端末2、管理装置3及び移動体6の各々で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0090】
1 管理システム(充電管理システム)
2 表示端末
201 送受信部
202 表示部
203 入力部
21 プロセッサ
22 メモリ
23 通信回路
24 ディスプレイ
25 タッチパネル
3 管理装置(充電管理装置)
301 配送計画部
302 電力消費予測部
303 充電計画部
304 充電管理部
305 データ蓄積部
306 送受信部
31 プロセッサ
32 メモリ
33 通信回路
4 配送情報
5 データベース
51 配送結果データ
52 電池データ
6 移動体
61 電池データ
810,820,830 表示画面
821,831 通知
9 ネットワーク