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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】収納装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/04 20060101AFI20240920BHJP
   A47F 10/02 20060101ALI20240920BHJP
   A47F 3/04 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F25D21/04 P
A47F10/02
A47F3/04 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020168343
(22)【出願日】2020-10-05
(65)【公開番号】P2022060713
(43)【公開日】2022-04-15
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 樹
(72)【発明者】
【氏名】奥長 宏章
(72)【発明者】
【氏名】根岸 正樹
(72)【発明者】
【氏名】山中 匠
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-127941(JP,A)
【文献】特開平11-086121(JP,A)
【文献】特開2011-190979(JP,A)
【文献】特開2005-016894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 21/04
A47F 10/02
A47F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒回路と、
前記冷媒回路によって温度調整され、前面に開口する開口部を有する貯蔵室と、
前記開口部を開閉可能に閉塞する複数の貯蔵室扉とを有する収納装置であって、
前記貯蔵室の内部には、前記開口部を閉塞した状態の複数の前記貯蔵室扉の間に位置する仕切り体と、
電気部品と、前記電気部品を加温するヒータとが設けられ、
前記電気部品と前記ヒータとは、いずれも前記仕切り体の近傍に配置され
前記貯蔵室の内部には、物品を収容可能な収容室が設けられ、
前記収容室には、前記収容室の前面に開口する収容室開口部を開閉可能に閉塞する収容室の扉が設けられ、
前記電気部品は、前記収容室の扉を所定位置に固定するロック機構を駆動させる部品である
ことを特徴とする収納装置。
【請求項2】
前記貯蔵室の内部には、前記ヒータを覆う被覆部材が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の収納装置。
【請求項3】
前記貯蔵室の内部には、複数の前記電気部品が設けられ、
前記仕切り体は、所定の長さ寸法を備え、
前記電気部品は、前記仕切り体の長手方向に沿って並べて配置され、
前記ヒータは、前記仕切り体に沿って延びる線状に形成される
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の収納装置。
【請求項4】
前記ヒータは、前記仕切り体に沿って2つが設けられ、前記仕切り体を挟んで位置する各前記貯蔵室扉に対向するように配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、物品を冷蔵、冷凍保存可能な自動販売機を開示する。この自動販売機は、本体の前面に設けられた開口部を開閉する外扉と、本体の内部に設けられ、前面が開口した物品収納室と、外扉の内側に配置され、各物品収納室の前面を開閉可能に閉塞する小扉とを備える。これらの小扉には、当該小扉を所定位置に固定するロック機構を駆動させる電気部品が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-86121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、貯蔵室の内部で結露が生じることを抑制できる収納装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における収納装置は、冷媒回路と、前記冷媒回路によって温度調整され、前面に開口する開口部を有する貯蔵室と、前記開口部を開閉可能に閉塞する複数の貯蔵室扉とを有する収納装置であって、前記貯蔵室の内部には、前記開口部を閉塞した状態の複数の前記貯蔵室扉の間に位置する仕切り体と、電気部品と、前記電気部品を加温するヒータとが設けられ、前記電気部品と前記ヒータとは、いずれも前記仕切り体の近傍に配置され、前記貯蔵室の内部には、物品を収容可能な収容室が設けられ、前記収容室には、前記収容室の前面に開口する収容室開口部を開閉可能に閉塞する収容室の扉が設けられ、前記電気部品は、前記収容室の扉を所定位置に固定するロック機構を駆動させる部品であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示における収納装置は、貯蔵室で生じる結露を抑制できる。そのため、貯蔵室内部に設けられた電気部品に結露が付着することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態におけるショーケースの斜視図
図2】ショーケースから外扉の図示を省略した斜視図
図3】ショーケースの内部構造の斜視図
図4】右側の内扉ユニットの斜視図であり、内扉が閉塞位置に移動した状態を示す図
図5】収納装置の内部構造を当該収納装置の前後方向における略中央で切断した縦断面図
図6図5のVIで示す領域を拡大した図
図7】収納装置の内部構造を当該収納装置の前後方向における略中央で切断した縦断面図
図8】収納装置の構成を示すブロック図
図9】収納装置管理システムの概略構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、物品を冷蔵、冷凍保存可能な収納装置が開示された。この収納装置には、本体の前面に設けられた開口部を開閉する外扉と、本体の内部に設けられ、前面が開口した物品収納室と、外扉の内側に配置され、各物品収納室の前面を開閉可能に閉塞する小扉とを備える。これらの小扉には、当該小扉を所定位置に固定するロック機構が設けられる。これによって、所定の利用者Uが小扉を開閉させることが可能となり、各物品収納室に収められた物品を所定の利用者Uが取り出すことができる。このような収納装置では、物品を冷蔵、冷凍保存可能なように温度調整された本体の内部に、ロック機構を駆動させる電気部品が配置される。
【0009】
しかしながら、このような収納装置では、外扉の開閉に伴う温度変化などによって、結露が生じ、当該結露によって、電気部品の駆動を阻害する虞があると言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、貯蔵室の内部で結露が生じることを抑制できる収納装置を提供する。
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図しない。
【0011】
(実施の形態)
以下、図1図9を用いて、実施の形態を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1.収納装置の構成]
図1は、実施の形態における収納装置1の斜視図である。
収納装置1は、内部に収められた物品を所定温度下で保管可能な冷蔵・冷凍用の収納装置である。収納装置1は、物品を陳列して販売するための販売用ショーケースや、物品受け取り用のロッカーとして使用可能である。収納装置1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗等に設置される。
【0012】
収納装置1は、断熱壁を備えた箱状の筐体2を備える。筐体2は、下部の機械室3と、機械室3の上方の貯蔵室4とを備える。
機械室3には、圧縮機31(図8)や、凝縮器、膨張器、蒸発器等の冷凍回路(冷媒回路)を構成する装置と、蒸発器と熱交換した冷気を貯蔵室4に送り出す送風機32(図8)が収められる。これらの装置が駆動することによって、貯蔵室4の温度調整が行われる。
【0013】
貯蔵室4の前面には、前方に開口する開口部4Aが形成される。この開口部4Aの幅方向の略中央には、仕切り体4Bが設けられる。この仕切り体4Bは、開口部4Aの上下方向に沿って伸びる柱状の部材である。仕切り体4Bの両端は、それぞれが開口部4Aの上縁と下縁とに連結される。
【0014】
開口部4Aは、幅方向一対の外扉(貯蔵室扉)5、6で開閉可能に閉塞される。外扉5、6は、それぞれ、開口部4Aの左右外端で、上下端がヒンジで回動可能に支持される。外扉5、6は、いわゆる、観音開きである。
外扉5、6は、矩形状の枠体5A、6Aと、枠体5A、6Aに嵌め込まれた透明板5B、6Bと、外扉5、6が閉じた際に外扉5、6同士の近接する部位に設けられた取っ手5C、6Cとを備える。
【0015】
外扉5、6が閉じた際に外扉5、6同士の近接する部位は、いずれも仕切り体4Bに当接す。このため、外扉5、6が閉じた際には、仕切り体4Bは、収納装置1の正面視で外扉5、6の間に位置する。
収納装置1は、外扉5、6を閉じた状態で、透明板5B、6Bを介して外部から貯蔵室4の内部を視認可能に構成される。
【0016】
外扉5、6には、電子錠9(図8)と、外扉開閉センサ10(図8)とが設けられる。電子錠9は、電気的に施解錠をする機構である。この電子錠9が施錠されるときには、外扉5、6が開放できない状態に保たれる。
外扉開閉センサ10は、例えば、外扉5、6の付近に設けられた近接センサ等のセンサ部品である。
【0017】
右側の外扉6の前面には、作業者S、利用者Uへの入力部及び表示部として機能するタッチパネル7が設けられる。タッチパネル7は、各種の情報が表示されると共に、表示された情報の部位に触れることによって、収納装置1の設定情報など、各種の情報を入力することが可能に構成される。
タッチパネル7の下方には、作業者S、利用者Uの認証処理を実行するための認証情報を取得する取得部8が設けられる。取得部8は、例えば、作業者Sなどが所持する携帯情報端末(スマートフォン等)から作業者Sの認証情報を取得する。認証情報に基づいて、外扉5、6の電子錠9が開錠、施錠される。
【0018】
図2は、実施の形態における収納装置1から外扉5、6の図示を省略した斜視図である。
筐体2は、背面の断熱壁20と、左右の断熱壁21、22と、上下の断熱壁23、24と、上下の前面壁25、26とを有する。
下側の前面壁26の上部には、板状のデッキパン27が配置される。デッキパン27により、筐体2内が上下に区分けされる。筐体2内において、デッキパン27の下方に、機械室3が形成される。また、デッキパン27の上方に貯蔵室4が形成される。左右の断熱壁21、22と、上下の前面壁25、26との囲み形状により、貯蔵室4の前面で開口する開口部4Aが形成される。
【0019】
デッキパン27の後部には、上方に延びる不図示の冷気送風用パイプと空気回収用パイプとが設けられる。機械室3で冷却された冷気は、冷気送風用パイプで貯蔵室4の上方に送られ、上方のファン(図示せず)で貯蔵室4に導入される。貯蔵室4に導入された冷気は貯蔵室4を冷却した後に空気回収用パイプで機械室3に戻る。冷気は筐体2内を循環可能である。
【0020】
図3は、収納装置1の内部構造の斜視図である。
貯蔵室4の四隅には、図3に示すように、上下方向に延びる支柱フレーム41がそれぞれ配置される。貯蔵室4の幅方向中央部には、上下方向に延びる支柱フレーム、いわゆる、センターピラー42が配置される。センターピラー42は貯蔵室4の前後に一対配置される。センターピラー42により、貯蔵室4は、左側の貯蔵室4L(図2参照)と、右側の貯蔵室4R(図2参照)に区分けされる。
このため、外扉5は、左側の貯蔵室4Lの前面を閉塞し、外扉6は、右側の貯蔵室4Rを閉塞する。
【0021】
左右の貯蔵室4L、4Rにおいて、センターピラー42と支柱フレーム41との間には、網板状の複数の網棚43(図3参照)が支持される。網棚43は、上下方向に所定の間隔を空けて配置される。これにより、各貯蔵室4L、4Rには、網棚43を底部とする複数の収容室44(図3参照)が形成される。収容室44には、物品を配置可能である。本実施形態では、収容室44は、左右方向(幅方向)に2列、上下方向に6段、形成されるが、収容室44の数は適宜の数に構成可能である。
【0022】
センターピラー42には、各収容室44に応じて、厚み方向に貫通する案内孔42Aが形成される。案内孔42Aは、三角形状に形成されており、その先端が収容室44側に向いて収容室44を指し示す形状に形成される。
また、貯蔵室4の前方側に配置されるセンターピラー42は、仕切り体4Bの背面に位置し、当該仕切り体4Bに沿って延びる。
【0023】
図4は、実施の形態における右側の内扉ユニット51の斜視図であり、内扉61が閉塞位置に移動した状態を示す図である。
左右の貯蔵室4L、4Rの各収容室44には、内扉ユニット51が配置される。内扉ユニット51は、左側の貯蔵室4Lと右側の貯蔵室4Rとでその構成が略左右対称に構成されるが、基本的な構成は同様であるため、以下では、右側の内扉ユニット51について説明する。
【0024】
図4に示すように、内扉ユニット51は、左右方向に延びる板状のトッププレート52を有する。トッププレート52の左右両端には、矩形板状のサイドプレート53、54が支持される。左右のサイドプレート53、54には、前後方向に延びる連結フレーム56、57が接続される。図3に示すように、左右内側の連結フレーム56は、前後のセンターピラー42に支持される。左右外側の連結フレーム57は、前後の支柱フレーム41に支持される。これにより、内扉ユニット51が収容室44に配置される。トッププレート52、左右のサイドプレート53、54、及び、網棚43が形成する囲み形状により、収容室44の前面開口44A(収容室開口部)が形成される。
【0025】
前面開口44Aには、内扉(収容室の扉)61が配置される。内扉61は、左右方向に矩形状に延びる扉本体部62を備える。扉本体部62の左右内端には後方に延びる内側の側壁部(図5参照)63が形成される。扉本体部62の左右外端には、後方に延びる外側の側壁部(図4参照)64が形成される。
内側の側壁部63及び外側の側壁部64は、台形板状に形成されており、内扉61が閉じた状態で下縁63A、64Aが後方に進むにしたがって上方に傾斜する。内側の側壁部63及び外側の側壁部64の後端部は、左右に延びる回動軸53A(図6)、54Aに回動可能に支持される。回動軸53A、54Aはサイドプレート53、54に支持される。回動軸53A、54Aは同一の軸線上に配置される。内扉61は回動軸53A、54Aを回動中心L0として回動可能に支持される。
【0026】
よって、内扉61は、前面開口44Aを閉塞する図4に示す閉塞位置と、前面開口44Aを開放する図5に示す開放位置との間を移動する。内扉61は、径方向に延びる内側の側壁部63及び外側の側壁部64で回動可能に支持されるため、開放位置に移動した場合には収容室44の上方に内扉61が配置され、内扉61がトッププレート52の下面に対向した状態で収容室44に収容可能である。
【0027】
内扉ユニット51のサイドプレート53、54の内面には、回動軸53A、54Aの前下方に対応して、ストッパピン53B(図6)、54Bが支持される。ストッパピン53B、54Bは、側壁部63、64に対して収容室44の内側に向かって突出する。ストッパピン53B、54Bは、同一の軸線上に配置される。ストッパピン53B、54Bは、内扉61の下縁63A、64Aに接触した場合に、内扉61が自重で回動することを規制する。これにより、内扉61は、収容室44の前面開口44Aを閉塞する閉塞位置に保持される。
【0028】
扉本体部62の下部には、幅方向に延びる把持部62Aが形成される。図6に示すように、把持部62Aは、側面視で、下方に進むに連れて前方に傾斜する。把持部62Aは、図6の下段で示されるように、閉塞位置では前面開口44Aよりも前方に突出す。把持部62Aは、左右方向に矩形状に形成されており、その左右中央部には凹むように切り欠かれた切り欠き部62A1が形成される。切り欠き部62A1を通じて把持部62Aの内面側に触れることが可能である。
把持部62Aは、収容室44の前面開口44Aの下方まで十分に長く延びており、前面開口44Aを閉塞する。
【0029】
左右内側のサイドプレート53には、サイドプレート53を厚み方向に貫通する弧状孔53Cが形成される。弧状孔53Cは、回動軸53Aを中心とする円弧状に形成される。弧状孔53Cには、左右方向に延びる接続軸が挿通される。接続軸は、弧状孔53Cを通じて、内扉61の内側の側壁部63に固定される。
【0030】
接続軸の左右方向内端側には、屈曲板状のロック部材66が固定される。ロック部材66は、後端部が回動軸53Aに回動可能に支持される。また、ロック部材66は、前端部では接続軸に接続される。したがって、ロック部材66は、回動軸53Aを回動中心L0として回動可能であると共に、接続軸を介して内扉61と一体に回動可能である。
【0031】
ロック部材66の後上方側には、電動ロック機構71が配置される。電動ロック機構71は、電装フレーム81を介してセンターピラー42に固定される(図7図8参照)。電動ロック機構71は、電気部品である電磁石体と平板状部材であるストッパ板とを備える。
ストッパ板は、例えばばね部材等の付勢部材によって付勢され、ロック部材66の回動領域に突出する。
ストッパ板は、電磁石体に通電されると、当該電磁石体に引き付けられ、ロック部材の回動領域から退避する。
このように、本実施形態の電動ロック機構71は、ストッパ板をばね部材と電磁石体とで移動させる、所謂ソレノイドである。
【0032】
電動ロック機構71は、電装フレーム81に固定される。電装フレーム81は、折り曲げ板状のフレームである。
この電装フレーム81の下方には、案内灯92が支持される。案内灯92は、例えば、電気部品であるLED(Light Emitting Diode)光源により構成される。案内灯92は、センターピラー42の背面に配置され、前面視で案内孔42Aに重複して配置される。例えば、物品受け取り時に、物品の収容された収容室44の案内灯92が点灯することにより、案内孔42Aを通じて案内灯92の光が作業者Sに届いて、対象の物品の収容室44を作業者Sに示すことが可能である。
【0033】
電装フレーム81は、前後のセンターピラー42の間に配置されるため、デッドスペースとなり易い前後のセンターピラー42間、すなわち仕切り体4Bの後方のスペースを有効利用できる。
【0034】
図5は、収納装置1の内部構造を当該収納装置1の前後方向における略中央で切断した縦断面図である。図5では、収納装置1の内部構造を背面側から見る。なお、図5では、被覆部材47を省略して示す。
図6は、図5のVIで示す領域を拡大した図である。
図5に示すように、各収容室44に設けられた電装フレーム81は、収納装置1の前面側に位置するセンターピラー42の背面において、当該センターピラー42の長手方向に沿って並ぶように配置される。
【0035】
これらの電装フレーム81の上面には、温度センサ97が設けられる。
温度センサ97は、電動ロック機構71や案内灯92の近傍の温度を測定するセンサである。
本実施の形態では、貯蔵室4Lに位置する電装フレーム81の上面に一つと、貯蔵室4Rに位置する電装フレーム81の上面に一つとの2つが設けられている。なお、これらの温度センサ97は、収納装置1の上下方向において、どの位置に配置されてもよい。
【0036】
これらの電装フレーム81の内、左側の貯蔵室4Lに位置する各電装フレーム81は、連結部材45Lによって連結される。同様に、右側の貯蔵室4Rに位置する各電装フレーム81は、連結部材45Rによって連結される。
これらの連結部材45L、45Rは、板金を断面コ字状に折り曲げて形成された長尺の部材である。これらの連結部材45L、45Rは、収納装置1の前面側に位置するセンターピラー42の背面において、収納装置1の上下方向に沿って延び、互いに対向して配置される。
【0037】
連結部材45L、45Rの互いに対向する面には、いずれもヒータ46が設けられる。ヒータ46は、所謂電熱線である。ヒータ46は、通電されることで発熱し、接触する部材や周囲の空気を加温する。
各ヒータ46は、各連結部材45L、45Rの長手方向全体に亘って、ループ状に配置される。
これによって、ヒータ46は、貯蔵室4Lと、貯蔵室4Rとのそれぞれに設けられる。また、各ヒータ46は、仕切り体4B、及び収納装置1の前面側に位置するセンターピラー42の背面において、外扉5、6のそれぞれに対向する位置に配置される。
【0038】
図7は、収納装置1の内部構造を当該収納装置1の前後方向における略中央で切断した縦断面図である。図7では、収納装置1の内部構造を背面側から見る。
図7に示すように、連結部材45L、45Rの互いに対向する面は、長手方向全体に亘って被覆部材47によって覆われる。
被覆部材47は、長尺の平板が断面コ字状となるように成形された部材であり、当該被覆部材47の長手方向全体が解放された箇所は、連結部材45L、45Rの互いに対向する面によって閉塞される。
【0039】
各ヒータ46は、各被覆部材47と、各連結部材45L、45Rとによって囲まれている。すなわち、各ヒータ46は、貯蔵室4の内部において、各被覆部材47と、各連結部材45L、45Rとによって区画される。これによって、各ヒータが発熱した場合に、貯蔵室4の全体が加温されることが抑制される。
【0040】
各被覆部材47は、上端と下端とがいずれも解放されている。これによって、各被覆部材47と、各連結部材45L、45Rとで区画され、各ヒータ46が配置された空間の内部の空気が循環可能となる。このため、各ヒータ46によって加温された当該空間内の温度の偏りが抑制される。
【0041】
図8は、収納装置1の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、収納装置1は、制御装置95を備えている。
制御装置95は、CPUやMPUなどのプロセッサと、ROMやRAMなどのメモリデバイスとを有したコンピュータを備え、収納装置1の各部を制御する。
制御装置95は、メモリデバイスに記録されたプログラムをプロセッサが実行することで、収納装置1の各部を制御する制御部として機能する。
制御装置95は、圧縮機31や送風機32の回転数の制御等、冷凍回路を構成する各装置の運転を制御し、貯蔵室4の庫内温度を所定の温度に保たせる。
【0042】
制御装置95には、電子錠9が電気的に接続される。制御装置95は、この電子錠9に施錠させることで、外扉5、6が開放できない状態に保つ。
【0043】
また、制御装置95には、外扉開閉センサ10が電気的に接続される。外扉開閉センサ10は、外扉5、6の開扉、及び閉扉を検知する制御装置95の扉開閉検知手段として機能する。
なおこれに限らず、外扉開閉センサ10は、例えば、電子錠9の施解錠を実行させる信号を受信することで外扉5、6の開扉、及び閉扉を検知するものであってもよい。
【0044】
制御装置95には、温度センサ97が電気的に接続される。制御装置95は、温度センサ97が測定した温度を電動ロック機構71や案内灯92の近傍の温度として取得する。
制御装置95には、ヒータ46が電気的に接続される。制御装置95は、ヒータ46に通電を実行または停止する通電制御を行うことで、ヒータ46による加温を制御する。
【0045】
制御装置95は、温度センサ97が検知した温度に基づいて、ヒータ46の通電制御を行う。この通電制御において、制御装置95は、電動ロック機構71や案内灯92の近傍の温度が所定温度の範囲内となるようにヒータ46に通電する。この所定温度の範囲は、例えば、電動ロック機構71や案内灯92等の電気部品が駆動可能で、かつ露点温度以上の範囲である。本実施の形態では、制御装置95は、温度センサ97が測定する温度が例えば25℃以上35℃以下となるようにヒータ46に通電する。
なお、これに限らず、制御装置95は、所定時間の経過毎に、ヒータ46に所定の時間だけ通電する制御を行ってもよい。
【0046】
制御装置95は、各内扉ユニット51の電動ロック機構71に電気的に接続される。制御装置95は、電動ロック機構71に対する通電、非通電を制御可能に構成される。制御装置95は、収容室44の内扉61を施錠、開錠を制御する。
また、制御装置95は、各内扉ユニット51の案内灯92に電気的に接続される。制御装置95は案内灯92の点灯を制御する。
【0047】
制御装置95は、受信回路、及び送信回路を有した送受信機のような通信部としての機能を有する。
制御装置95は、例えばタッチパネル7が操作されることで入力された情報や、取得部8が取得した認証情報に基づいて、当該タッチパネル7や取得部8を操作した操作者が所定の作業者Sや利用者Uであるか否かを判別する認証処理を実行する。本実施の形態では、認証情報は、QRコード(登録商標)等の二次元コードである。
さらに、制御装置95は、タッチパネル7の表示制御を行う。
【0048】
[1-1-2.収納装置管理システムの構成]
図9は、実施の形態における収納装置管理システム100の概略構成を示す図である。
収納装置管理システム100は、収納装置1を管理するための情報を処理するシステムである。収納装置管理システム100は、収納装置1と、収納装置管理サーバ110と、決済ゲートウェイサーバ112とを備える。本実施形態では、これらの収納装置1と各サーバとがそれぞれ1台ずつ設けられる場合を説明するが、これに限らず、収納装置管理システム100が管理する機器は、いずれも複数設けられてもよい。
【0049】
本実施の形態の収納装置管理システム100において、収納装置1は、コンビニエンスストアや売店といった店舗施設105に設置される。
収納装置管理サーバ110は、各収容室44に物品が収められるか否か、すなわち収納装置1の在庫状況を保存するサーバである。また、収納装置管理サーバ110は、価格や各収容室44に収められた日付等といった収容室44に収められる物品に関わる各種の情報、及び収納装置1を操作可能な資格情報等を保存する。
【0050】
また、サーバ110は、ショーケース1における温度情報を監視することも可能である。例えば、サーバ110は、長時間に亘って外扉5、6が開放された場合には、貯蔵室4に収められた物品の劣化を予測し、収納装置1による販売の停止や、管理者や作業者Sに対するアラート(例えば、メール)の発信、あるいはタッチパネル7に所定の表示をすることによる報知等が可能である。
【0051】
決済ゲートウェイサーバ112は、金融機関や決済サービス事業者等が運営する決済サーバであり、当該決済ゲートウェイサーバ112は、例えば、銀行口座からの引き落とし、クレジットカード決済、電子マネーや仮想通貨による物品の対価の決済等を実行する。
【0052】
収納装置管理システム100は、収納装置1の内部に収められた物品を購入する利用者Uが所持する利用者所持端末114や作業者Sが所持する作業者所持端末116が接続可能に構成される。利用者所持端末114と作業者所持端末116とは、データ通信機能を備え、収納装置1、及び上述した各サーバとの間でデータ通信を実行する。
利用者所持端末114と作業者所持端末116とは、決済ゲートウェイサーバ112と通信して物品の決済処理が可能な携帯端末であり、当該利用者所持端末114、及び作業者所持端末116は、例えば、携帯電話やスマートホン、タブレット等である。これらの利用者所持端末114、及び作業者所持端末116では、収納装置管理システム100に係る所定のアプリケーションプログラムが実行可能となる。本実施の形態では、これらの利用者所持端末114、及び作業者所持端末116は、認証情報である二次元コードを表示可能に構成される。
なお、収納装置管理システム100が含む利用者所持端末114、及び作業者所持端末116の数は、特に制限されない。
【0053】
通信ネットワーク120は、収納装置1や収納装置管理サーバ110等の収納装置管理システム100が含む各機器を相互にデータ通信可能に接続する。通信ネットワーク120は、公衆回線網、専用線、各種の無線通信回線を含んでもよく、サーバ、ルータ、無線通信アクセスポイント等の機器を含んでもよい。収納装置管理システム100が含む各機器と通信ネットワーク120との接続は、無線であってもよいし、有線であってもよい。
【0054】
上述の通り、収納装置1は、通信部として機能する制御装置95を備える。すなわち、制御装置95は、通信ネットワーク120を介して収納装置管理システム100が有する各サーバや端末に情報を送受可能に構成されている。
制御装置95は、収納装置管理サーバ110と通信を行うことによって、各収容室44に収められた物品に関する情報や、貯蔵室4における物品の在庫状況を送受する。
制御装置95は、物品が購入される場合に、決済ゲートウェイサーバ112に決済要求をし、また、決済ゲートウェイサーバ112から送られた各種の信号を処理する。
【0055】
[1-2.動作]
以上のように構成された収納装置1について、その動作を以下説明する。
【0056】
[1-2-1.収納装置の主に外扉、内扉の動作]
収納装置1では、冷凍回路を構成する装置や、送風機32等の装置が駆動することによって、貯蔵室4の温度調整が行われる。本実施の形態では、貯蔵室4の内部は、所定温度以下となるように調整される。
【0057】
収納装置1には、外扉5、6が閉じた状態で物品が収容される。取得部8を介して作業者Sの認証情報が認証されると、外扉5、6が開錠され、外扉5、6が開放可能となる共に、作業者Sや利用者Uが対象とする物品の内扉ユニット51が制御される。
すなわち、対象の物品の内扉ユニット51では、案内灯92が点灯して対象の収容室44が作業者Sに案内される。また、電動ロック機構71が作動して、対象の内扉61が開錠される。
【0058】
内扉ユニット51では、内扉61は閉塞位置に保持される。作業者Sが内扉61の把持部62Aを掴むなどして、内扉61を上方に回動させることにより開放位置に移動可能となる。これによって、作業者S、または利用者Uは、物品を取り出すことが可能となる。
【0059】
上述の通り、貯蔵室4の内部は、温度調整されている。このため、外扉5、6の開閉に伴って、貯蔵室4の内部において、結露が生じる虞がある。
本実施の形態では、内扉ユニット51に関わる各種の電気部品が設けられた電装フレーム81が仕切り体4B、及び収納装置1の前面側に位置するセンターピラー42の背面に並べて設けられている。そして、これら電装フレーム81を連結する連結部材45L、Rには、発熱体であるヒータ46が設けられる。
【0060】
制御装置95は、これらのヒータ46に所定温度の範囲内で通電させることでヒータ46を発熱させる。ヒータ46は、各連結部材45L、Rを介して、電磁石体やLED等の電装フレーム81に設けられた電気部品に加温することができる。
これによって、外扉5、6の開閉に伴って、電装フレーム81に設けられた電気部品やこれらの周辺を結露が発生しない温度に保つことができる。このため、内扉ユニット51に関わる各種の電気部品に結露が付着することを抑制できる。
【0061】
上述の通り、各電装フレーム81は、いずれも収納装置1の前面側のセンターピラー42、すなわち仕切り体4Bの後方のスペースに設けられている。このため、収納装置1の前面側のセンターピラー42に沿って延びる2つのヒータ46を設けることで、内扉ユニット51に関わる全ての電気部品に結露が付着することが抑制できる。
【0062】
上述の通り、各ヒータ46は、各外扉5、6のそれぞれに対向する位置に配置される。これによって、外扉5、6のいずれか一方が開閉された場合であっても、貯蔵室4L、Rのそれぞれにヒータ46が設けられているため、各ヒータ46は、当該貯蔵室4L、Rのそれぞれに配置された電装フレーム81に設けられた電気部品を確実に加温し、結露の付着を抑制できる。
【0063】
各ヒータ46は、被覆部材47によって覆われている。これによって、温度調整された貯蔵室4の内部の空気が各ヒータ46によって加温されることが抑制される。
【0064】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、収納装置1は、冷凍回路と、当該冷凍回路によって温度調整され、前面に開口する開口部4Aを有する貯蔵室4と、開口部4Aを開閉可能に閉塞する複数の外扉5、6とを有する。貯蔵室4の内部には、開口部4Aを閉塞した状態の複数の外扉5、6の間に位置する仕切り体4Bと、内扉ユニット51に関わる各種の電気部品と、当該電気部品を加温するヒータ46とが設けられる。そして、電気部品とヒータ46とは、いずれも仕切り体4Bの近傍に配置される。
これにより、ヒータ46は、電磁石体やLED等の電装フレーム81に設けられた電気部品に加温することができる。そのため、内扉ユニット51に関わる各種の電気部品に結露が付着することを抑制できる。
【0065】
また、電装フレーム81と、各ヒータ46とは、前後のセンターピラー42の間に配置されるため、貯蔵室4の内部において、デッドスペースとなり易い前後のセンターピラー42間、すなわち仕切り体4Bの後方のスペースを有効利用できる。
【0066】
本実施の形態のように、貯蔵室4の内部には、ヒータ46を覆う被覆部材47が設けられるようにしてもよい。これにより、貯蔵室4の内部において、ヒータ46が被覆部材47で区画される。そのため、温度調整された貯蔵室4の内部の空気が各ヒータ46によって加温されることが抑制される。
【0067】
本実施の形態のように、貯蔵室4の内部には、内扉ユニット51に関わる複数の電気部品が設けられ、仕切り体4Bは、所定の長さ寸法を備え、電気部品は、仕切り体4Bの長手方向に沿って並べて配置され、ヒータ46は、仕切り体4Bに沿って延びる線状に形成されるようにしてもよい。これにより、仕切り体4Bに沿って延びる2つのヒータ46を設けることで、内扉ユニット51に関わる全ての電気部品に結露が付着することが抑制される。そのため、収納装置1では、各内扉ユニット51に関わる各種の電気部品を仕切り体4Bの近傍に集中して配置することで、設けられるヒータ46の増加を抑制し、収納装置1の作成コストを低減できる。
また、電熱線で形成されたヒータ46を仕切り体4Bの長さ寸法の略全体に亘って設けることで、列状に並べられた各電気部品をむらなく加温することができる。
【0068】
本実施の形態のように、ヒータ46は、仕切り体4Bに沿って2つが設けられ、仕切り体4Bを挟んで位置する各外扉5、6に対向するように配置されるようにしてもよい。これにより、貯蔵室4L、Rのそれぞれにヒータ46が設けられる。そのため、外扉5、6のいずれか一方が開閉された場合であっても、各ヒータ46は、当該貯蔵室4L、Rのそれぞれに配置された電装フレーム81に設けられた電気部品を確実に加温し、結露の付着を抑制できる。
【0069】
本実施の形態のように、貯蔵室4の内部には、物品を収容可能な収容室44が設けられ、収容室44には、収容室44の前面に開口する前面開口44Aを開閉可能に閉塞する内扉61が設けられ、電気部品は、内扉61を所定位置に固定する電動ロック機構71を駆動させる電磁石体であるようにしてもよい。これにより、電動ロック機構71に結露が付着することが抑制できる。そのため、所定温度に調整された収納装置1において、解施錠可能な内扉61を備えた収容室44を設けることができる。
【0070】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0071】
実施の形態では、外扉5、6を左右に一対有する収納装置1を説明したが、外扉の数は1つや3つ以上でもよい。
実施の形態では、ヒータ46の一例として、所謂電熱線を適用したものを説明したが、他の発熱体を利用してもよい。
【0072】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本開示は、貯蔵室の内部で結露が生じることを抑制できる収納装置に適用可能である。具体的には、販売用収納装置や物品受け取り用のロッカー等に、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 収納装置
2 筐体
3 機械室
4、4L、4R 貯蔵室
4A 開口部
4B 仕切り体
5、6 外扉(貯蔵室扉)
46 ヒータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9