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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】伸縮性回路基板、及び伸縮性回路実装品
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240920BHJP
   H05K 3/28 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H05K3/28 G
H05K1/02 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021526967
(86)(22)【出願日】2020-06-22
(86)【国際出願番号】 JP2020024350
(87)【国際公開番号】W WO2020262288
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】P 2019120080
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100174827
【弁理士】
【氏名又は名称】治下 正志
(72)【発明者】
【氏名】阿部 孝寿
(72)【発明者】
【氏名】深尾 朋寛
(72)【発明者】
【氏名】澤田 知昭
(72)【発明者】
【氏名】本田 大介
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0028069(US,A1)
【文献】特開2006-093562(JP,A)
【文献】特開2003-008151(JP,A)
【文献】国際公開第2016/114298(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0026213(US,A1)
【文献】特開2017-118109(JP,A)
【文献】国際公開第2018/139655(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0106095(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性絶縁層と、
前記伸縮性絶縁層の表面及び内部の少なくとも何れかに設けられた伸縮性配線とを備える伸縮性回路基板であって
前記伸縮性絶縁層及び前記伸縮性配線は、それぞれ、伸張率が10%以上、且つ25℃における引張弾性率が0.5~500MPaであり、
前記伸縮性絶縁層には、前記伸縮性配線から電気的に絶縁された位置に開口部を有し、且つ、前記伸縮性絶縁層の厚さ方向に通気可能な複数の通気孔が形成されており、
前記複数の通気孔には、前記開口部の形状が異なる通気孔が含まれ
前記伸縮性回路基板の表面には、前記通気孔の開口部の周縁を覆う保護部と、前記通気孔の開口部が前記伸縮性回路基板の表面への接触物によって密封されるのを防止し、通気性を維持する凹部を前記保護部とともに形成する凸部からなる密閉防止手段とを備えていることを特徴とする伸縮性回路基板。
【請求項2】
前記通気孔の開口部は、円形、楕円形、及び多角形から選ばれる少なくとも1つの形状を有する請求項1に記載の伸縮性回路基板。
【請求項3】
前記伸縮性絶縁層の表面における前記通気孔の開口率が、0.001~45%である請求項1又は請求項2に記載の伸縮性回路基板。
【請求項4】
前記開口部の最大径が、100nm以上30mm以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の伸縮性回路基板。
【請求項5】
前記伸縮性絶縁層の表面に前記伸縮性配線と電気的に接続されたランド部をさらに備える請求項1~のいずれか1項に記載の伸縮性回路基板。
【請求項6】
前記伸縮性回路基板を補強する補強手段をさらに備える請求項1~のいずれか1項に記載の伸縮性回路基板。
【請求項7】
前記伸縮性配線は、導電性組成物を用いて形成されている請求項1~のいずれか1項に記載の伸縮性回路基板。
【請求項8】
前記伸縮性配線は、波形状パターンを有する請求項1~のいずれか1項に記載の伸縮性回路基板。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載の伸縮性回路基板に電子部品が実装された伸縮性回路実装品。
【請求項10】
前記伸縮性配線と前記電子部品とを被覆する被覆層をさらに備える請求項に記載の伸縮性回路実装品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮性回路基板、及び伸縮性回路実装品に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス分野の発展に伴い、電子機器等の、小型化、薄型化、軽量化、及び高密度化に関する要求がさらに高まっている。さらに、用途に応じて、曲面及び凹凸面等に配置するために、自由に変形させることや折り曲げることを可能とする柔軟なデバイスが要求されることもある。このような柔軟なデバイスとしては、例えば、人、犬等の動物、及び植物に着用可能なウェアラブル機器、及び、デジタルサイネージ等に用いられるディスプレイ、センサ、及びロボット用人工皮膚等の様々なインターフェイスに用いられるデバイスや導電材料等が挙げられる。ウェアラブル機器及びデジタルサイネージ等に備えられる回路基板としては、伸縮性が求められる。特に、人及び動物に着用するウェアラブル機器の場合には、身体の動きに追従可能な伸縮性が求められる。伸縮性を有する回路基板としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の配線基板が挙げられる。
【0003】
特許文献1には、複数の伸縮性基材と、前記複数の伸縮性基材の対向する各主面に少なくとも一つそれぞれ設けられている複数の伸縮性配線部とを備え、前記各主面に設けられた前記伸縮性配線部同士が、接続部を介して互いに導通している伸縮性配線基板が記載されている。また、特許文献1には、前記伸縮性配線基板において、複数の前記伸縮性基材が第一伸縮性基材及び第二伸縮性基材を含み、前記第一伸縮性基材は、第一開口部及び第一主面に形成された第一の前記伸縮性配線部を備え、前記第二伸縮性基材は、第二開口部及び第二主面に形成された第二の前記伸縮性配線部を備え、前記第一主面と前記第二主面とが対向し、前記第一開口部と前記第二の伸縮性配線部の少なくとも一部が重なり、前記第二開口部と前記第一の伸縮性配線部の少なくとも一部が重なることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、伸縮性樹脂層と、前記伸縮性樹脂層上に設けられ、配線パターンを形成している導体箔と、前記伸縮性樹脂層に設けられたビアホールとを有する配線基板が記載されている。
【0005】
特許文献1によれば、伸長に伴う断線を防ぎつつ多層化を可能とする旨が開示されている。また、特許文献2によれば、高い伸縮性を有すると共に、積層時に層間接続が可能である旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-152687号公報
【文献】国際公開第2018/123732号
【発明の概要】
【0007】
本発明は、通気性に優れた伸縮性回路基板及び伸縮性回路実装品を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の一局面は、伸縮性絶縁層と、前記伸縮性絶縁層の表面及び内部の少なくとも何れかに設けられた伸縮性配線とを備え、前記伸縮性絶縁層には、前記伸縮性配線から電気的に絶縁された位置に開口部を有し、且つ、前記伸縮性絶縁層の厚さ方向に通気可能な通気孔が形成されていることを特徴とする伸縮性回路基板である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る伸縮性回路基板の一例を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す伸縮性回路基板の、切断面線II-IIから見た断面図である。
図3A図3Aは、本発明の実施形態に係る伸縮性回路基板における通気孔の開口部の形状(伸縮性回路基板を伸縮させていない状態)の例を示す図である。
図3B図3Bは、本発明の実施形態に係る伸縮性回路基板における通気孔の開口部の開口状態(伸縮性回路基板をX軸方向に伸ばしている状態)の例を示す図である。
図3C図3Cは、本発明の実施形態に係る伸縮性回路基板における通気孔の開口部の開口状態(伸縮性回路基板をY軸方向に伸ばしている状態)の例を示す図である。
図3D図3Dは、本発明の実施形態に係る伸縮性回路基板における通気孔の開口部の形状と伸縮性回路基板の伸縮による開口部の開口状態の変化とを説明するための図である。
図3E図3Eは、本発明の実施形態に係る伸縮性回路基板における通気孔の開口部の形状と伸縮性回路基板の伸縮による開口部の開口状態の変化とを説明するための図である。
図3F図3Fは、本発明の実施形態に係る伸縮性回路基板における通気孔の開口部の形状と伸縮性回路基板の伸縮による開口部の開口状態の変化とを説明するための図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る伸縮性回路基板における通気孔の開口部の形状の他の例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る伸縮性回路基板の他の一例を示す断面図である。
図6図6は、図2に示す伸縮性回路基板の一部Aを拡大して示す断面図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る伸縮性回路基板の他の一例を示す断面図である。
図8図8は、図7に示す伸縮性回路基板の一部Aを拡大して示す断面図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る伸縮性回路基板における凸部を説明するための図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る伸縮性回路基板における伸縮性配線を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ウェアラブル機器の中でも、特に人及び動物に着用するウェアラブル機器は、衣服等や身体に貼り付けて使用される等、身体に接触又は近接した状態で使用される。このため、ウェアラブル機器を衣服等に貼り付けた状態で使用する場合には、その着心地が良いことが求められ、ウェアラブル機器を身体に直接貼り付けて使用する場合には、ウェアラブル機器の着用感が良いことが求められる。これらのことから、ウェアラブル機器に備えられる回路基板にも、ウェアラブル機器の着心地及び着用感等を向上させることができることが求められる。
【0011】
本発明者等の検討によれば、従来の回路基板は、伸縮性があって、身体の動きに追従可能であったとしても、これを備えるウェアラブル機器では、着心地及び着用感等が良くない場合があった。具体的には、従来の回路基板を備えるウェアラブル機器では、汗による不快感が生じる場合があった。これは、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の従来の配線基板等では、通気性を向上させることが検討されていないため、汗等の水分が透過しにくいことによると推察した。
【0012】
また、このような回路基板を、ウェアラブル機器に備えて使用すると、上述したような汗等の水分及び油分等が、人や植物に着用したウェアラブル機器の周辺に充満することがある。このことは、回路基板に実装された電子部品等の故障又は動作不良の発生の原因となり得るおそれがあった。
【0013】
一方で、特許文献1及び特許文献2に記載の従来の配線基板等では、例えば、層間接続をさせるためのビア等の孔が形成されていることがある。しかしながら、この孔は、回路基板に実装された電子部品等と電気的に接続された導体を層間接続するためのものであり、通気性を考慮したものではない。そのため、多層化された基板においても、通気性を確保できなかった。
【0014】
本発明者等は、上記のような不具合の発生を抑制するためには、ウェアラブル機器に備えられる回路基板には、通気性が求められると推察した。
【0015】
また、大画面のデジタルサイネージ等には、風に煽られて、破断しにくいこと等が求められる。このことを実現するためには、デジタルサイネージ等に備えられる回路基板には、デジタルサイネージ等にあたった風等を通過させることができるように、ウェアラブル機器に備えられる回路基板と同様、通気性が求められると推察した。
【0016】
本発明者等は、種々検討した結果、以下の本発明により、通気性に優れた伸縮性回路基板及び伸縮性回路実装品を提供するといった上記目的は達成されることを見出した。
【0017】
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することがある。また、以下の説明及び図面において、伸縮性回路基板をXY平面に配置した場合を仮定し、XY平面と直交するZ軸方向(鉛直方向)を上下方向としている。
【0018】
本発明の一実施形態に係る伸縮性回路基板1は、図1及び図2に示すように、伸縮性絶縁層11と、伸縮性絶縁層11の表面及び内部の少なくとも何れかに設けられた伸縮性配線12とを備える。伸縮性絶縁層11には、伸縮性配線12から電気的に絶縁された位置に開口部を有し、且つ、伸縮性絶縁層11の厚さ方向(図1及び図2における、Z軸方向)に通気可能な通気孔13が形成されている。すなわち、通気孔13は伸縮性絶縁層11の一方の面に形成された開口部から、他方の面に形成された開口部まで貫通する通路であり、その開口部はともに解放されている。通気孔13は、伸縮性配線12から電気的に絶縁されている。通気孔13の形成位置は、伸縮性絶縁層11において伸縮性配線12とはと重複しない位置、すなわち、平面視において伸縮性配線12が形成されていない位置が好ましい。なお、伸縮性絶縁層11には必要に応じて層間接続用のビアを形成することができるが、前記ビアが伸縮性絶縁層11と電気的に接続されるのに対して、通気孔13は伸縮性配線12から電気的に絶縁されている点で区別されうる。また、伸縮性回路基板1に電子部品14を実装することによって、伸縮性回路実装品100が得られる。伸縮性回路実装品100において、電子部品14は伸縮性配線12に接続される。
【0019】
伸縮性回路基板1及び伸縮性回路実装品100は、例えばその一方の表面側に存在する水分(湿気)を、通気孔13を通じて他方の表面側に移動させることが可能である。つまり、伸縮性回路基板1及び伸縮性回路実装品100は、通気孔13が水分を逃がすことができるので、通気性に優れ、片側の表面に水分が滞留したままになることを防止できる。
【0020】
したがって、伸縮性回路基板1及び伸縮性回路実装品100は、何かの対象物に被着させて用いるウェアラブルデバイス、特に人の生体に直接あるいは衣服等に貼り付けて使用するパッチデバイスに適用すると、汗等の水分を発散させることができるため、有用性が高い。
【0021】
また、例えば、本実施形態に係る伸縮性回路基板にLED素子等を備えた発光シートを、競技場等で用いられる巨大なデジタルサイネージ等の表示装置に使用する場合等には、このような通気孔があることによって、破断したり、風に煽られたりすることを抑制できるといった利点もある。また、この通気孔は、LED素子の冷却にも寄与する。
【0022】
[伸縮性の定義]
本実施形態における伸縮性絶縁層11、伸縮性配線12、伸縮性回路基板1、及び伸縮性回路実装品100は、それぞれ伸縮性を有する。ここで「伸縮性を有する」とは、弾性変形可能であることを指し、より具体的には、10%以上の伸張率を有し、且つ、25℃室温における引張弾性率が0.5~500MPaであることを指す。
【0023】
前記伸張率は、10%以上であり、25%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、100%以上であることがさらに好ましい。また、前記伸張率は、高ければ高いほど好ましいが、必要以上に伸張した場合、塑性変形が発生し、元の形状を損なう傾向があるという観点から、500%以下であることが好ましい。また、25℃室温における引張弾性率は、0.5~500MPaであり、1~300MPaであることが好ましく、2~200MPaであることがより好ましく、5~100MPaであることがさらに好ましい。前記伸張率及び前記引張弾性率が前記範囲内であれば、任意の形へ変形しやすく、例えば、伸縮性回路基板を衣服等に貼り付けた場合、衣服の変形に対する追従性に優れている。なお、前記引張弾性率は、動的粘弾性測定装置を用いて引張試験で温度依存性測定を行うことにより測定された25℃における貯蔵弾性率を指す。前記動的粘弾性測定装置としては、例えば、セイコーインスツル株式会社製のDMS6100等が挙げられる。
【0024】
[構造的特徴]
通気孔13は、図1及び図2に示すように、伸縮性絶縁層11の一方の面に形成された開口部から、他方の面に形成された開口部まで貫通する通路であり、伸縮性配線12とは重複しない位置に設けられている。伸縮性絶縁層11に形成される通気孔13の個数は、特には限定されないが、通気孔13は通気性向上の観点から、図3A図3Fに示すように、伸縮性絶縁層11に複数形成されていることが好ましい。
【0025】
開口部の形状は、伸縮性絶縁層11を面方向(図1及び図2におけるX及びYで指示された矢印の方向)に伸縮した際に、破断しにくい形状であることが好ましく、さらに閉じにくい(大きく開いた状態を維持しやすい)形状であることが好ましい。そのような開口部の形状(伸縮性絶縁層11の面方向における形状)としては、円形、楕円形、及び多角形等が挙げられる。通気孔13が複数形成される場合、それぞれの通気孔における開口部の形状が、全て同じ形状でもよいが、異なる形状の組合せであってもよい。伸縮性回路基板1及び伸縮性回路実装品100としては、具体的には、図3A図3Fに示すように、様々な形状の開口部が前記伸縮性絶縁層11に複数形成されている伸縮性回路基板1及び伸縮性回路実装品100が挙げられる。なお、図3A図3Fには、前記伸縮性絶縁層11及び前記通気孔13のみを示し、伸縮性配線等は省略する。図3A図3Fには、開口部の形状が、円形(形状13-1)、楕円形(形状13-2)、及び多角形(形状13-3)である通気孔13の一例が示されている。
【0026】
図3Aは、伸縮性回路基板1を伸縮させていない状態を示す。図3Bは、伸縮性回路基板1をX軸方向に伸ばしている状態を示す。図3Cは、伸縮性回路基板1をY軸方向に伸ばしている状態を示す。図3A図3Cに示されたように、X軸方向及びY軸方向に伸縮性回路基板1を伸縮させた時に、いくつかの通気孔13の開口部は略完全に閉じているが、いくつか他方の通気孔13の開口部は大きく開いた状態を維持していることがわかる。なお、本実施形態において、開口部の形状とは、伸縮性回路基板を、伸縮させるための応力を、特に付与していない状態(例えば、図3Aの状態)での開口部の形状のことである。
【0027】
[開口部の形状と伸縮性回路基板の伸縮による開口部の開口状態の変化]
(ケース1)
図3Dに示したように、開口部の形状が形状13-1である通気孔13が複数並んだ伸縮性回路基板1は、X軸方向にもY軸方向にも伸長していない状態(例として、図3Dの(1)の状態:伸縮前の状態)であれば、通気孔13によって、通気性が確保されている。しかしながら、X軸方向又はY軸方向へ伸縮した時、伸縮性回路基板1の伸長率に応じて全ての通気孔13の開口部が同じように閉じ、最終的に、例として、図3Dの(2)及び(3)に示された状態のように、通気孔13の開口部の全てが略同時に完全に閉じる可能性があると考えられる。
【0028】
(ケース2)
次に、開口部の形状が形状13-1である通気孔13と、開口部の形状が形状13-2である通気孔13との組み合わせからなる伸縮性回路基板1について、伸縮時の状況を図3Eに示す。伸縮性回路基板1をX軸方向に伸長した時、図3Eの(1)の状態(伸縮前)から図3Eの(2)の状態への伸長による変化に見られるように、形状13-1の開口部と形状13-2の開口部とが、異なる開口状態の開口部に変化する。図3Eの(2)に示されたように、形状13-1の開口部が略閉じた状態となっても、形状13-2の開口部は、形状13-1の通気孔13の開口部に比べて、大きく開いた状態を維持している。つまり、ケース2の通気孔13の開口部の形状の組み合わせの方が、ケース1よりも、伸縮性回路基板1が伸縮した場合に、伸縮性絶縁層11の表面における通気孔13の開口率を高く維持できることがわかる。このことから、複数の通気孔13には、開口部の形状が異なる通気孔13が含まれていることが好ましい。
【0029】
(ケース3)
次に、開口部の形状が形状13-2である通気孔13について、長径方向をY軸方向とした列と、長径方向をX軸方向とした列との組み合わせからなる伸縮性回路基板1について、伸縮時の状況を図3Fに示す。伸縮性回路基板1をX軸方向に伸長した時、図3Fの(1)の状態(伸縮前)から図3Fの(2)への変化に見られるように、伸縮前の状態において、長径方向をX軸方向とした通気孔13の開口部と、Y軸方向とした通気孔13の開口部とが、異なる開口状態の開口部に変化する。また、図3Fの(2)に示されたように、伸縮前の状態において、長径方向をX軸方向とした列の通気孔13の開口部が略閉じた状態となっても、伸縮前の状態において、長径方向をY軸方向とした列の通気孔13の開口部は、伸縮前の状態において、長径方向をX軸方向とした列の通気孔13の開口部に比べて、大きく開いた状態を維持している。さらに、図3Fの(1)の状態から図3Fの(3)への変化にも同様の状態変化が見られ、図3Fの(3)に示されたように、伸縮前の状態において、長径方向をY軸方向とした列の通気孔13の開口部が略閉じた状態となっても、伸縮前に長径方向をX軸方向とした列の通気孔13の開口部は、伸縮前に長径方向をX軸方向とした列の通気孔13の開口部に比べて、大きく開いた状態を維持している。つまり、伸縮性回路基板1をX軸方向に伸長した時や、Y軸方向に伸長した時に、いずれかの通気孔13の開口部が閉じる方向に変形しても、いずれか他方の通気孔13の開口部が開らく方向に変形させることが可能となる。それによって、ケース1よりも複数の伸縮方向に対して伸縮性絶縁層11の表面における通気孔13の開口率を高く維持できることがわかる。このことから、複数の通気孔13には、開口部の長径の向きが異なる通気孔13が含まれていることが好ましく、前記長径の異なる通気孔13は、長径方向を異なる方向に配列させて伸縮性絶縁層11に施されていることが好ましい。
【0030】
(ケース4)
開口部の形状が形状13-3である通気孔13の場合は、ケース3で示したように、開口部の形状が形状13-2である通気孔13の組み合わせと同様に、伸縮性回路基板1が伸縮した場合の伸縮性絶縁層11の表面における通気孔13の開口率を高く維持しやすい。開口部の形状が形状13-3の矩形に代表される多角形である場合には、伸縮性回路基板1が伸縮する際に、角の部位から破断が起きやすくなるため、前記多角形の角の部位にはR加工が施されていることが好ましい。これによって、伸縮性回路基板1が伸縮した場合にも通気孔13の特定箇所(特に、多角形の角)に応力が集中することを低減できるため、破断に対する強度を向上することができると考えられる。R加工の度合いについては、開口部の大きさ、形状、伸縮性回路基板1の伸縮率に応じて、適宜選択してもよい。
【0031】
その他、先に示したケース1(形状13-1の開口部の場合)であっても、大きさが異なる開口部の組み合わせであれば、伸縮性回路基板1の伸縮に伴って、通気孔13の開口部の全てが略同時に閉口する可能性を回避できると考えられる(図示無)。
【0032】
[通気孔13の他の実施形態]
通気孔13の開口部は、図4に示すように、複雑な形状であってもよい。具体的には、開口部は、図4(a)~(c)に示すように、多角形であってもよいし、さらには、図4(d)に示すように、切り込みであってもよい。開口部が、図4(d)に示すような切り込みであっても、伸縮性回路基板1を伸ばすことにより、その開口部を有する通気孔13は、伸縮性絶縁層11の厚さ方向に通気可能な孔になる。
【0033】
通気孔13は、図5に示すような形状であってもよい。図5に示すような形状の場合には、通気孔13が大きく施されているため、通気性を十分に確保することができる。
【0034】
[開口部の開口率]
伸縮性絶縁層11の表面における通気孔13の開口率(通気孔13の開口部の総面積を含む伸縮性絶縁層11の面方向の総面積に対する、通気孔13の開口部の総面積)は、通気性が確保できていれば、特には限定されない。前記開口率は、0.001~45%であることが好ましく、0.01~20%であることがより好ましい。前記開口率が低すぎると、通気性が低下する傾向がある。また、前記開口率が高すぎると、通気性が確保できても、伸縮性回路基板としての強度が低下する傾向がある。前記開口率が、上記のような割合であると、伸縮性回路基板としての強度を維持しつつ、優れた通気性を発揮できるため、より優れた通気性を発揮できる。なお、通気孔13の開口部の総面積は、伸縮性絶縁層11の面方向において、複数形成されている開口部の面積を全て加算した面積である。
【0035】
[開口部の大きさ]
通気孔13の開口部の大きさは、通気孔13が伸縮性絶縁層11の厚さ方向に通気可能な大きさであれば、特に限定されない。開口部の大きさとしては、例えば、開口部の最大径(開口部の、伸縮性絶縁層11の面方向における最大径)が、100nm以上30mm以下であることが好ましく、500nm以上5mm以下であることがより好ましい。なお、ここで、最大径とは、開口部の形状が形状13-1のように円形であるときは直径であり、開口部の形状が形状13-2のような楕円形であるときは開口部の径のうち最も長くなる径(長径)である。また、開口部の形状が形状13-3のように矩形であるときは、長辺の長さである。開口部の形状がそれ以外のときは、開口部に内接させた楕円の長径となる線上の長さである。
【0036】
前記長径(最大径)が短すぎると、通気性が低下する傾向がある。また、前記長径が長すぎると、通気性が確保できても、伸縮性回路基板としての強度が低下する傾向がある。これらのことから、長径が上記範囲内の長さである開口部の通気孔であれば、伸縮性回路基板としての強度を維持しつつ、優れた通気性を発揮できる。また、伸縮性回路基板1を伸ばした方向にかかわらず、通気孔13による通気が維持されやすいため、より優れた通気性を発揮できる。
【0037】
長径(最大径)の具体例としては、図3Aにおいては、D1(D2)、D3、D5、D7、D9で示し、図4においては、D11(D12)、D13(D14)、D15(D16)、D17(D18)で示す。なお、短径(長径に直交する長さ:例えば、図3Aにおいては、D2、D4、D6、D8、D10)は、100nm以上30mm以下であることが好ましく、500nm以上5mm以下であることがより好ましい。
【0038】
[通気孔13の形成方法]
前記通気孔13の形成方法は、特に限定されないが、例えば、前記伸縮性絶縁層11にドリルやレーザーを用いて前記通気孔13を形成する方法等が挙げられる。
【0039】
[通気孔13の保護]
伸縮性回路基板1には、伸縮性絶縁層11の表面において、通気孔13の開口部の周縁を覆う保護部をさらに備えることが好ましい。具体的には、前記保護部としては、図6(a)に示すような、伸縮性絶縁層11の損傷(通気孔13を起点として発生する伸縮性絶縁層11の割れ等)を防ぐための保護層21等が挙げられる。図2のAの部分の拡大図を図6(a)に示す。通気孔13の開口部の周縁とは、例えば、図6(a)に示すように、伸縮性絶縁層11の通気孔13の開口部に接する部分(保護層21cが形成された部分)、通気孔13の通路の周面(保護層21aが形成された部分)、及び保護層21aと保護層21cを繋ぐ部分(保護層21bが形成された部分)である。前記保護部が保護層21である場合、保護層21は、保護層21a、保護層21b及び保護層21cのいずれかを備えてもよいし、それらを組み合わせて備えていてもよい。保護層21a、保護層21b、及び保護層21cのいずれかが別体である保護層21でもよいし、全てが一体となった保護層21でもよいし、いずれか2つが一体であって、残りの1つが他の2つとは別体である保護層21であってもよい。上記のような保護層21を備えることによって、伸縮性回路基板1は、通気孔13による優れた通気性を発揮しつつ、伸縮性回路基板1の伸縮による伸縮性絶縁層11の損傷の発生を抑制することができる。保護層21cの大きさは、図6(a)に示す通気孔13の径R13に対する、保護層21cの伸縮性絶縁層上の形成距離D21(伸縮性回路基板の割合(D21/R13)が0.05~20の範囲であることが好ましく、0.10~10の範囲であることがより好ましい。D21は、10μm~20mmの範囲であることが好ましく、20μm~10mmの範囲であることが好ましい。保護層21の厚み(t211、t212)は、2μm~30μmの範囲であることが好ましく、5μm~15μmの範囲であることがより好ましい。
【0040】
保護層21に用いる材料は、特に限定されず、例えば、樹脂シートで覆うことで形成したり、各種の樹脂組成物を用いて形成することができる。前記各種の樹脂組成物に用いる樹脂としては、伸縮性回路基板1の伸長性や引張弾性を阻害しないものであることが好ましい。また、保護層21は、ハトメ等であってもよい。すなわち、通気孔13は、ハトメ等で保護されていてもよい。
【0041】
なお、前記保護部は、伸縮性絶縁層11の損傷を防ぐことができるものであれば、保護層21のような層状のものに限定されず、例えば、通気孔13の開口部の周縁だけに局所的に設けられる保護片であってもよい。
【0042】
[通気性を確保するのに好適な伸縮性回路基板の構造]
伸縮性回路基板1は、ウェアラブルデバイスに適用する場合、人体や物品等の対象物と接触させて用いることとなる。このような場合、対象物が伸縮性回路基板1に対する接触物となる。このような対象物が伸縮性回路基板1に接触する際、伸縮性回路基板1の表面には、伸縮性回路基板1への接触物によって通気孔13の開口部が密封されるのを防止するための密閉防止手段が設けられていることが好ましい。前記密閉防止手段の具体例としては、図6(a)に示すような、伸縮性絶縁層11の人体や物品等の対象物(接触物)に被着させる側の表面(被着面)に備えられる、凸部22等が挙げられる。具体的には、前記対象物と伸縮性絶縁層11とを離間させるための凸部22を、伸縮性絶縁層11の表面上に備えることが好ましい。それによって、伸縮性回路基板1を対象物と接触させて用いる場合に、凸部22がスペーサーの役割となり、少なくとも凸部22周辺部には伸縮性絶縁層11の表面と対象物被着面との間に空間が生まれる。凸部22が複数あれば、隣り合う凸部22、22の間には上記空間が好適に形成される。仮に伸縮性回路基板1の被着面が平坦であれば、通気孔13の開口部が対象物により密閉されてしまう恐れがあるが、凸部22の存在により空間(隙間)が確保され、通気孔13の開口部が塞がれることを抑制できる。したがって、伸縮性回路基板1の好適な通気性が確保される。凸部22は通気孔13の開口部の近傍に形成されるのが好ましい。なお、前記密閉防止手段としては、接触物によって通気孔13の開口部が密封されるのを防止することができるものであれば、前記凸部22に限定されない。
【0043】
なお、保護部(保護層21(21b、21c))が密閉防止手段(凸部22)としての機能を有してもよい。すなわち、凸部22及び保護層21と、それによって形成される凹部23とによって、伸縮性回路基板1の通気性を維持してもよい。
【0044】
[凸部22の大きさ]
凸部22の厚みt22(Z軸方向)は、10μm~10mmの範囲であることが好ましく、100μmから5mmの範囲であることがより好ましい。t22が小さすぎる場合には、通気孔13の開口部が前記対象物によって塞がれることを抑制する効果が得られにくく、t22が大きすぎる場合には、前記対象物と伸縮性回路基板1の接触面積が著しく低下して、伸縮性回路基板1が対象物から剥がれやすくなる恐れがある。また、凸部22の面方向(X,Y方向)の長さL22(X軸方向及びY軸方向)は、特に限定されないが、100μm~10mmの範囲であることが好ましく、500μm~5mmの範囲であることがより好ましい。L22が小さすぎる場合には、通気孔13の開口部が前記対象物によって塞がれることを抑制する効果が得られにくく、L22が大きすぎる場合には、伸縮性絶縁層11を占める凸部22の割合が大きくなり、伸縮性絶縁層11に形成できる通気孔13の数及び面積が制約を受けて減少するため、通気性が低下することが想定される。
【0045】
[伸縮性回路実装品100]
伸縮性回路実装品100は、伸縮性回路基板1にセンサ素子等の電子部品14を実装することで構成される。伸縮性回路基板1への実装形態としては、伸縮性配線12に接続された電子部品14を実装されていればよく、特に限定されない。伸縮性回路実装品100において、図7に示すように、電子部品14がランド部18及びはんだ19を介して実装されていることが好ましい。なお、図7には、電子部品14が実装された伸縮性回路基板1が示されているので、図7には、伸縮性回路基板1及び伸縮性回路実装品100の両方が示されているとも言える。
【0046】
伸縮性回路基板1が伸縮性配線12に接続されるランド部18を備えることによって、電子部品14等をはんだ19でランド部18に接続して実装することができる。すなわち、伸縮性回路基板1は、図7に示すように、伸縮性配線12と接しているランド部18を伸縮性絶縁層11の表面に備えることが好ましい。ランド部18は、特に限定されないが、例えば、パターニングされた金属箔、金属粒子を含む導電性インクで印刷されたもの等が挙げられる。
【0047】
伸縮性回路実装品100は、他の部材をさらに備えていてもよい。伸縮性回路実装品100は、例えば、図7に示すように、伸縮性配線12と、電子部品14とを被覆する被覆層15をさらに備えることが好ましい。被覆層15は、伸縮性配線12と、電子部品14とを被覆していればよく、他の部分も被覆してもよく、伸縮性絶縁層11全面を被覆してもよい。被覆層15は、伸縮性絶縁層11の全面を被覆する場合等のときは、通気孔13による通気を阻害しないように、通気孔13と連続する通気孔が設けられていることが好ましい。このように被覆層15を設けることによって、電子部品14の損傷等を抑制することができる。また、被覆層15に用いる材料は、特に限定されず、例えば、樹脂シートで覆うことで形成したり、ポッティング用の樹脂組成物を用いて形成することができる。
【0048】
伸縮性回路基板1には、伸縮性回路基板1を補強する補強手段をさらに備えることが好ましい。前記補強手段としては、例えば、図7に示すような、伸縮性回路基板1を補強する補強層16等が挙げられる。前記補強手段としては、伸縮性回路基板1を補強するための部材であれば、前記補強層16のような層状に限定されず、それ以外の形態の補強片等であってもよい。前記補強手段が補強層16である場合、補強層16は、伸縮性絶縁層11の全面を被覆してもよいし、一部を被覆してもよい。補強層16は、前記伸縮性回路基板1の補強のために設けるので、電子部品14が実装されている領域に設けることが好ましい。
【0049】
また、補強層16は、伸縮性絶縁層11の全面を被覆する場合等のときは、通気孔13による通気を阻害しないように、通気孔13と連続する通気孔を設けることが好ましい(図示無)。補強層16は、伸縮性回路基板1に備えられる伸縮性絶縁層11の、電子部品14が実装される実装面とは反対側に設けられる。そうすることによって、機械的強度にも優れた伸縮性回路基板が得られる。補強層16に用いる材料は、特に限定されず、例えば、樹脂シートで覆うことで形成したり、ポッティング用の樹脂組成物を用いて形成することができる。
【0050】
ポッティング用の樹脂組成物に用いる樹脂としては、伸縮性回路基板1の伸長性や引張弾性を阻害しないものであることが好ましい。
【0051】
[電子部品を実装している場合の通気孔13の保護]
図7のAの部分の拡大図を図8に示す。伸縮性回路実装品100は、図8に示すように、通気孔13を起点として発生する伸縮性絶縁層11や被覆層15の割れ等の損傷を防ぐための保護層21を、通気孔13の開口部の周縁に備えることが好ましい。また、補強層16を有する伸縮性回路基板1及び伸縮性回路実装品100の場合も、補強層16を貫通する通気孔13を起点として発生する伸縮性絶縁層11や補強層16の割れ等の損傷を防ぐための保護層21を、通気孔13の開口部の周縁に備えることが好ましい(図示無)。
【0052】
[伸縮性回路実装品の、人体又は物品と伸縮性回路基板を離間させる構造]
伸縮性回路実装品100は、伸縮性回路基板1と同様に、伸縮性回路実装品100を人体や物品等の対象物と接触させて用いることができる。この場合、伸縮性絶縁層11の被着面に、凸部22をさらに備えることが好ましい。具体的には、前記対象物と伸縮性絶縁層11とを離間させるための凸部22を、伸縮性絶縁層11の表面上に備えることが好ましい。それによって、通気孔13の開口部が閉塞されるのが防止され好適な通気性を確保することができる。
【0053】
[凸部22と電子部品との位置関係]
凸部22の実施形態の一例を図9に示す。図9(a)に示したように、凸部22は、伸縮性絶縁層11の電子部品14の実装面の背面に形成されることが好ましい。図9(b)に示したように、凸部22を、伸縮性絶縁層11の電子部品14の実装面と同じ面に形成する場合には、凸部22の厚みt22は、凸部22を備える伸縮性絶縁層11の同一平面から単数又は複数の電子部品14までの高さの内、最大である高さt14よりも大きいことが好ましい。それによって、伸縮性回路実装品100における伸縮性絶縁層11の電子部品14の実装面を対象物に接触させて用いる場合であっても、通気孔13の開口部が対象物によって塞がれることを抑制し、且つ、電子部品14が対象物に直接接触することを抑制することができる。t22は、好ましくはt14の1.1倍以上5倍以下であることが好ましく、1.3倍以上3倍以下であることがより好ましい。
【0054】
凸部22は、図9(c)に示したように、被覆層15の表面に備えてもよいし、図9(d)に示したように補強層16の表面に備えてもよい。さらに、図9(e)に示したように、凸部22は、補強層16や被覆層15(図示無)、並びに伸縮性絶縁層11(図示無)に埋没するように備えてもよい。
【0055】
[本実施形態に係る伸縮性回路基板の各部材に用いる材料]
(伸縮性絶縁層)
伸縮性絶縁層11に使用する樹脂組成物は、その硬化物が、前記伸張率及び前記引張弾性率のような特性を備えていれば、その組成について特に限定されるものではない。
【0056】
好ましくは、前記樹脂組成物は、熱硬化性樹脂及びその硬化剤を含む。より具体的な前記樹脂組成物の一例として、例えば、ポリロタキサン(A)、熱硬化性樹脂(B)及び硬化剤(C)を含む樹脂組成物が挙げられる。以下に、各成分についてより具体的に説明する。
【0057】
前記ポリロタキサン(A)は、具体的には、例えば、特許第4482633号又は国際公開WO2015/052853号パンフレットに記載されているようなポリロタキサンが挙げられる。前記ポリロタキサン(A)としては、市販のものを使用してもよく、具体的には、アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社製のセルムスーパーポリマーA1000等を使用することができる。
【0058】
前記熱硬化性樹脂(B)としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂が特に制限なく挙げられるが、なかでもエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0059】
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、アラルキルエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、状況に応じて、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0060】
前記エポキシ樹脂としては、例えば、1つの分子中に2つ以上のエポキシ基を含み、かつ分子量が500以上であるエポキシ樹脂が好適に例示される。このようなエポキシ樹脂としては、市販のものを使用してもよく、例えば、JER1003(三菱化学株式会社製、分子量1300、2官能)、EXA-4816(DIC株式会社製、分子量824、2官能)、YP50(新日鉄住金化学株式会社製、分子量60000~80000、2官能)等が挙げられる。
【0061】
前記エポキシ樹脂とは別のエポキシ樹脂としては、例えば、炭素数が2~3のアルキレンオキサイド変性された変性基を有し且つその変性基がエポキシ1mol分子中に4mol以上含まれること、2mol以上のエポキシ基を有すること、及びエポキシ当量が450eq/mol以上であるエポキシ樹脂等が挙げられる。前記熱硬化性樹脂(B)として、このエポキシ樹脂を含み、前記硬化剤(C)を含むことによっても、その硬化物が、前記伸張性及び前記引張弾性率を有する樹脂組成物を得ることが可能である。このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、プロピレンオキサイド付加型ビスフェノールA型エポキシ樹脂(株式会社ADEKA製、EP4003S)、エチレンオキサイド付加型ヒドロキシフェニルフルオレン型エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル株式会社製、EG-280)等が挙げられる。また、上述するようなエポキシ樹脂は、1種類を単独で用いてもよいが、2種以上を併用してもよい。
【0062】
前記ポリロタキサン(A)と前記熱硬化性樹脂(B)との、いずれか単独の成分と前記硬化剤(C)とを含む樹脂組成物としてもよいが、両方の成分((A)且つ(B))と前記硬化剤(C)とを含む樹脂組成物とすることが、その硬化物が、前記伸張性及び前記引張弾性率を有する樹脂組成物を得やすい点で好ましい。
【0063】
前記硬化剤(C)としては、前記熱硬化性樹脂(B)の硬化剤として働くものであれば、特に制限はない。特に、エポキシ樹脂の硬化剤として好ましく使用できるとしては、フェノール樹脂、アミン系化合物、酸無水物、イミダゾール系化合物、スルフィド樹脂、ジシアンジアミド、スルホニウム塩の硬化剤等が例として挙げられる。前記硬化剤(C)は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記樹脂組成物は、必要に応じて、硬化促進剤を含有してもよい。前記硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール系化合物等が挙げられる。
【0064】
また、本実施形態の樹脂組成物が、ポリロタキサンを含む樹脂組成物である場合には、さらに架橋剤を添加してもよく、そのような架橋剤としては、前記ポリロタキサンの環状分子の少なくとも一部(ポリロタキサンの環状分子が有する少なくとも一つの反応基)と架橋する構造を作ることができるものであれば特に限定なく用いることができ、具体的には、例えば、イソシアネート、塩化シアヌル等が挙げられる。
【0065】
前記樹脂組成物中の各成分の割合は、本発明の効果を発揮し得る限り特に制限はないが、例えば、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を全て含む場合には、前記(A)~(C)成分の合計を100質量部として、前記ポリロタキサン(A)は10~80質量部、より好ましくは30~50質量部程度;前記熱硬化性樹脂(B)は10~89.9質量部、より好ましくは30~50質量部;前記硬化剤(C)は0.1~30質量部、より好ましくは0.1~20質量部程度である。なお、本実施形態の樹脂組成物が架橋剤としてイソシアネート樹脂を含む場合、イソシアネート樹脂は前記ポリロタキサン(A)成分に対して、0~50質量部を添加することができ、さらには、10~40質量部添加することが好ましい。(B)成分及び(C)成分を含み、(A)成分を含まない場合には、前記樹脂組成物全量を100質量部として、前記熱硬化性樹脂(B)は50~99質量部、より好ましくは60~80質量部程度;前記硬化剤(C)は1~50質量部、より好ましくは1~40質量部程度である。
【0066】
さらに、前記樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲でその他の添加剤、例えば、硬化触媒(硬化促進剤)、難燃剤、難燃助剤、レベリング剤、着色剤等を必要に応じて含有してもよい。
【0067】
前記エポキシ樹脂を含む樹脂組成物の調製方法については、特に限定はなく、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤及び溶媒を均一になるように混合する。使用する溶媒に特に限定はなく、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン等を使用することができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらにここで、必要に応じて、粘度を調整するための有機溶剤や、各種添加剤を配合してもよい。
【0068】
上述のようにして得られた樹脂組成物を加熱乾燥することによって、溶媒を蒸発させながら、硬化させて、本実施形態の伸縮性絶縁層を得ることができる。
【0069】
前記樹脂組成物を加熱乾燥するための方法、装置、それらの条件については、従来と同様の各種手段、あるいはその改良された手段であってよい。具体的な加熱温度と時間は、使用する架橋剤や溶媒等によって適宜設定することができるが、例えば、50~200℃で60~180分間程度加熱乾燥することによって、前記樹脂組成物を硬化させることができる。
【0070】
このようにして得られた伸縮性絶縁層11(前記樹脂組成物等の硬化物である成形体)は、その一方の表面に伸縮性配線(導電層)を安定的に形成するために表面処理をしてもよい。また、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐候安定剤、難燃剤、帯電防止剤等、その特性を損なわない範囲で添加することができる。
【0071】
(伸縮性配線)
伸縮性配線12は、伸縮性を有する配線であれば、特に限定されない。導電性フィラーと、伸縮性バインダーとを含む導電性組成物を用いて形成される伸縮性配線12を構成してもよいし、図10に示したような、波形状パターンを有する伸縮性配線12、例えば、波形状パターンに形成された銅箔等の金属層で伸縮性配線12を構成してもよい。波形状パターンを有する伸縮性配線12としては、図10(a)に示すようなジグザク配線、及び図10(b)に示すようなミアンダ配線等が挙げられる。
【0072】
前記導電性組成物は、具体的には、伸縮性バインダーとなる樹脂(D)と、前記樹脂(D)と反応する硬化剤(E)と、導電性フィラー(F)とを含み、前記樹脂(D)は、官能基当量が400g/eq以上で10000g/eq以下である官能基を有し、且つ、前記樹脂(D)及び前記導電性組成物の硬化物は、そのガラス転移温度(Tg)又は軟化点が40℃以下、あるいは30℃での弾性率が1.0GPa未満であること、並びに、導電性フィラー(F)が、室温での固有体積抵抗率が1×10-4Ω・cm以下の導電物質からなる樹脂組成物等が挙げられる。
【0073】
以下では、その各成分について説明する。
【0074】
前記樹脂(D)の分子構造の構成要素は、単一でもよいし、複数の種類を任意の割合で併用してもよい。樹脂(D)の分子構造が、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、及びニトリルのうちから選択される少なくとも1つを構成要素として含む分子構造であることが好ましい。具体例としては、エポキシ変性(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシル基変性(メタ)アクリル酸エステル、カルボキシル基変性(メタ)アクリル酸エステル等が好ましく例示される。
【0075】
前記樹脂(D)は、重量平均分子量が5万以上であることが好ましい。これにより、前記導電性組成物を用いて導電パターンを印刷した場合等ににじみが発生しにくくなると考えられる。一方、重量平均分子量の上限値については特に限定はないが、分子量が300万を超える場合には粘度が高くなり取り扱い性が低下するおそれがあるため、前記樹脂(D)の重量平均分子量範囲として好ましくは5万以上300万以下、より好ましくは10万以上100万以下である。
【0076】
前記硬化剤(E)としては、上述したような樹脂(D)との反応性を有している限り、特に制限なく様々な硬化剤を用いることができる。硬化剤(E)の具体例としては、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、フェノール系化合物、酸無水物系化合物、イソシアネート系化合物、メルカプト系化合物、オニウム塩、過酸化物等のラジカル発生剤、光酸発生剤等が挙げられる。
【0077】
前記導電性フィラー(F)は、室温での固有体積抵抗率が1×10-4Ω・cm以下である導電物質からなる。室温での固有体積抵抗率が1×10-4Ω・cmを超える材料を用いる場合、導電性組成物とした時に、その体積抵抗率は配合量にもよるが概ね1×10-3Ω・cm~1×10-2Ω・cmとなる。このため、回路にした場合、抵抗値が高くなり電力のロスが大きくなる。
【0078】
前記導電物質(室温での固有体積抵抗率が1×10-4Ω・cm以下である導電物質)としては、例えば、銀、銅、金等の金属元素から成る単体やこれらの元素を含む酸化物、窒化物、炭化物や合金といった化合物等が挙げられる。前記導電性組成物には、導電性フィラー(F)以外にも、導電性をより改善する目的で、導電性あるいは半導電性の導電助剤を加えることもできる。このような導電性あるいは半導電性の助剤としては、導電性高分子、イオン液体、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブや帯電防止剤に用いられる無機化合物等を用いることができ、1種類で使用しても2種類以上を同時に用いても構わない。
【0079】
前記導電性フィラー(F)は、その形状が扁平形状であることが好ましく、厚みと面内長手方向のアスペクト比が10以上であることが好ましい。前記アスペクト比が10以上である場合には、導電性フィラーの質量比に対する表面積が大きくなり導電性の効率が上がるだけでなく、樹脂成分との密着性もよくなり伸縮性が向上する効果もある。前記アスペクト比は1000以下であれば、より良好な導電性及び印刷性が確保できるという観点から、10以上1000以下であることが好ましく、20以上500以下であることがより好ましい。このようなアスペクト比を有する導電性フィラーの例としては、タップ法により測定したタップ密度で6.0g/cm以下である導電性フィラーが挙げられる。さらに、タップ密度が2.0g/cm以下である場合にはさらにアスペクト比が大きくなるためより好ましい。
【0080】
前記導電性組成物中の導電性フィラー(F)の配合割合については、前記導電性組成物全量に対し、導電性フィラー(F)の配合割合が質量比で40~95質量%であることが導電性、コスト、印刷性において好ましく、より好ましくは60~85質量%である。
【0081】
前記導電性フィラー(F)は、その粒子サイズに特に制限はないが、スクリーン印刷時の印刷性や配合物の混練において適度な粘度となるという観点から、レーザー光散乱方によって測定した平均粒径(体積累積50%における粒径;D50)が0.5μm以上30μm以下であることが好ましく、1.5μm以上20μm以下であることがより好ましい。
【0082】
前記導電性フィラー(F)は、表面をカップリング処理された導電性フィラーであることが好ましい。あるいは、前記導電性組成物にカップリング剤を含有させてもよい。これにより、バインダー樹脂と導電性フィラーの密着性がより向上するという利点がある。
【0083】
前記導電性組成物に添加する、あるいは、前記導電性フィラーをカップリング処理するためのカップリング剤としては、フィラー表面に吸着又はフィラー表面と反応するものであれば特に制限なく用いることができる。前記カップリング剤としては、具体的には、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミ系カップリング剤等が挙げられる。
【0084】
前記導電性組成物において、前記カップリング剤を使用する場合、その添加量は、樹脂組成物全体に対し、1~20質量%程度とすることが好ましい。
【0085】
前記導電性組成物中の各成分の割合は、本発明の効果を発揮し得る限り特に制限はなく、前記樹脂(D):前記硬化剤(E)の配合割合は、樹脂と硬化剤の種類によって、当量比などを考慮して適宜決めることが可能である。
【0086】
前記導電性組成物には、上記成分以外にも、目的に応じて添加剤等を加えることができる。添加剤等については、例えばエラストマー、界面活性剤、分散剤、着色剤、芳香剤、可塑剤、pH調整剤、粘性調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤等が挙げられる。
【0087】
伸縮性配線12を形成する方法は、特に限定されず、例えば、前記導電性組成物を、上述したような伸縮性絶縁層11上に塗布又は印刷することによって、導電性組成物の塗膜を形成し、所望の配線(導電パターン)を形成する方法等が挙げられる。
【0088】
伸縮性配線12による導電パターン等は、以下のような工程によって伸縮性絶縁層11の表面に形成することができる。すなわち、まず、前記導電性組成物を前記伸縮性絶縁層11上に塗布又は印刷することで塗膜を形成し、乾燥により塗膜に含まれる揮発成分を除去する。その後の加熱や電子線、光照射といった硬化工程により、樹脂(D)と硬化剤(E)を硬化させる工程、並びに、カップリング剤と導電性フィラー(F)とを、及び、樹脂(D)と硬化剤(E)とを反応させる工程により、伸縮性配線12による導電性パターンを形成することができる。前記硬化工程や反応工程における各条件は特に限定されず、樹脂、硬化剤、フィラー等の種類や所望の形態によって適宜設定すればよい。
【0089】
前記導電性組成物を基材上(伸縮性絶縁層11上)に塗布する工程は、特に限定されないが、例えば、アプリケーター、ワイヤーバー、コンマロール、グラビアロールなどのコーティング法やスクリーン、平板オフセット、フレキソ、インクジェット、スタンピング、ディスペンス、スキージ等を用いた印刷法を用いることができる。
【0090】
伸縮性配線12が銅箔等の金属層によって構成される場合には、その配線が図10に示す波形状パターンに形成された配線のように、伸縮性配線12の形状変化を伴って伸縮することによって、配線の断線や抵抗値の上昇を抑制できる構造であることが好ましい。
【0091】
[まとめ]
このような構成によれば、通気性に優れ、さらに、前記電子部品の損傷等を抑制したり、通気孔13を通過する水分等による、伸縮性回路基板1及び伸縮性回路実装品100の動作不良等の発生を抑制することができる。また、例えば、本実施形態に係る伸縮性回路基板にLED素子等を備えた発光シートを、競技場等で用いられる巨大なデジタルサイネージ等の表示装置に使用する場合等には、前記通気孔13によって、破断したり、風に煽られたりすることを抑制できるといった利点もある。また、この通気孔は、LED素子等の電子部品の冷却にも寄与する。
【0092】
この出願は、2019年6月27日に出願された日本国特許出願特願2019-120080を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
【0093】
本発明を表現するために、上述において実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明によれば、通気性に優れた伸縮性回路基板及び伸縮性回路実装品が提供される。
図1
図2
図3A
図3B
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図3D
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図3F
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図9
図10