(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】室内環境制御システム、及び、室内環境制御方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/58 20180101AFI20240920BHJP
F24F 7/007 20060101ALI20240920BHJP
F24F 11/30 20180101ALI20240920BHJP
F24F 11/38 20180101ALI20240920BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20240920BHJP
【FI】
F24F11/58
F24F7/007 B
F24F11/30
F24F11/38
F24F11/64
(21)【出願番号】P 2021522212
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(86)【国際出願番号】 JP2020019384
(87)【国際公開番号】W WO2020241297
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-09-02
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】P 2019098896
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】野村 建太朗
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】水野 治彦
【審判官】飯星 潤耶
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-125687(JP,A)
【文献】特開2016-125675(JP,A)
【文献】特開2010-198362(JP,A)
【文献】特開2003-111157(JP,A)
【文献】特開2005-135196(JP,A)
【文献】特開2005-98043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F11/58
F24F11/38
F24F11/30
F24F11/61
F24F7/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器を制御するための室内環境プロファイルが複数記憶される記憶部と、
センシングされた前記建物の中の環境、及び、ユーザが望む前記建物の中の環境の少なくとも一方を示す室内環境情報と、前記1つ以上の機器に関する機器情報とを取得する取得部と、
取得された前記室内環境情報に基づいて、複数の前記室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供する情報処理部とを備え、
前記情報処理部は、取得された前記機器情報によって示される前記1つ以上の機器によって前記対象プロファイルが再現できるか否かを判定し、前記1つ以上の機器によって前記対象プロファイルが再現できると判定した場合に、前記対象プロファイルを提供することで、前記建物の中の室内環境を前記対象プロファイルによって定まる室内環境に近づけ、
前記取得部は、さらに、前記建物の外の室外環境情報を取得し、
前記情報処理部は、取得された前記室内環境情報及び前記室外環境情報に基づいて、複数の前記室内環境プロファイルの一部を選択的に前記対象プロファイルとして提供する
室内環境制御システム。
【請求項2】
建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器を制御するための室内環境プロファイルが複数記憶される記憶部と、
センシングされた前記建物の中の環境、及び、ユーザが望む前記建物の中の環境の少なくとも一方を示す室内環境情報を取得する取得部と、
取得された前記室内環境情報に基づいて、複数の前記室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供する情報処理部とを備え、
前記取得部は、さらに、前記1つ以上の機器に関する機器情報を取得し、
前記情報処理部は、取得された前記室内環境情報に基づいて選択される前記室内環境プロファイルが前記機器情報によって示される前記1つ以上の機器によって再現できない場合に、前記建物の中を前記対象プロファイルに近づけるための、当該1つ以上の機器の制御アルゴリズムを提供する
室内環境制御システム。
【請求項3】
建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器を制御するための室内環境プロファイルが複数記憶される記憶部と、
センシングされた前記建物の中の環境、及び、ユーザが望む前記建物の中の環境の少なくとも一方を示す室内環境情報を取得する取得部と、
取得された前記室内環境情報に基づいて、複数の前記室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供する情報処理部とを備え、
前記取得部は、さらに、前記1つ以上の機器に関する機器情報を取得し、
前記情報処理部は、取得された前記室内環境情報に基づいて選択される前記室内環境プロファイルが前記機器情報によって示される前記1つ以上の機器によって再現できない場合に、当該対象プロファイルを再現するために必要な機器を提示する
室内環境制御システム。
【請求項4】
建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器を制御するための室内環境プロファイルが複数記憶される記憶部と、
センシングされた前記建物の中の環境、及び、ユーザが望む前記建物の中の環境の少なくとも一方を示す室内環境情報を取得する取得部と、
取得された前記室内環境情報に基づいて、複数の前記室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供する情報処理部とを備え、
前記取得部は、さらに、前記1つ以上の機器に関する機器情報を取得し、
前記情報処理部は、前記室内環境情報に基づいて選択される前記室内環境プロファイルを、前記機器情報に含まれる前記1つ以上の機器の使用履歴情報に基づいてカスタマイズし、カスタマイズされた前記室内環境プロファイルを前記対象プロファイルとして提供する
室内環境制御システム。
【請求項5】
前記情報処理部は、提供される前記対象プロファイルを用いた前記室内環境の調整前における室内環境を示す情報と、提供される前記対象プロファイルを用いた前記室内環境の調整後における室内環境を示す情報とを前記ユーザに提示する
請求項1~
4のいずれか1項に記載の室内環境制御システム。
【請求項6】
前記取得部は、さらに、前記建物の外の室外環境情報を取得し、
前記情報処理部は、提供される前記対象プロファイルを用いた前記室内環境の調整後における室内環境を示す情報と、前記室外環境情報が示す室外環境を示す情報とを前記ユーザに提示する
請求項1~
5のいずれか1項に記載の室内環境制御システム。
【請求項7】
前記建物は、住宅である
請求項1~
6のいずれか1項に記載の室内環境制御システム。
【請求項8】
前記住宅の中には、複数の空間が含まれ、
前記室内環境の調整は、前記複数の空間ごとに行われる
請求項
7に記載の室内環境制御システム。
【請求項9】
建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器を制御するための室内環境プロファイルが複数記憶される記憶部と、
センシングされた前記建物の中の環境、及び、ユーザが望む前記建物の中の環境の少なくとも一方を示す室内環境情報と、前記1つ以上の機器に関する機器情報とを取得する取得部と、
取得された前記室内環境情報に基づいて、複数の前記室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供する情報処理部とを備え、
前記情報処理部は、取得された前記機器情報によって示される前記1つ以上の機器によって前記対象プロファイルが再現できるか否かを判定し、前記1つ以上の機器によって前記対象プロファイルが再現できると判定した場合に、前記対象プロファイルを提供することで、前記建物の中の室内環境を前記対象プロファイルによって定まる室内環境に近づけ、
前記建物は、住宅であり、
前記記憶部に記憶された複数の前記室内環境プロファイルのそれぞれは、住宅以外の建物において使用される室内環境プロファイルであって、前記取得部が外部機器から取得した室内環境プロファイルであり、定期的に更新される
室内環境制御システム。
【請求項10】
コンピュータによって実行される室内環境制御方法であって、
建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器を制御するための室内環境プロファイルを複数記憶し、
センシングされた前記建物の中の環境、及び、ユーザが望む前記建物の中の環境の少なくとも一方を示す室内環境情報と、前記1つ以上の機器に関する機器情報と、前記建物の外の室外環境情報とを取得し、
取得された前記室内環境情報及び前記室外環境情報に基づいて、複数の前記室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供し、
取得された前記機器情報によって示される前記1つ以上の機器によって前記対象プロファイルが再現できるか否かを判定し、
前記対象プロファイルの提供は、前記1つ以上の機器によって前記対象プロファイルが再現できると判定された場合に行われ、
前記対象プロファイルを提供することで、前記建物の中の室内環境を前記対象プロファイルによって定まる室内環境に近づける
室内環境制御方法。
【請求項11】
コンピュータによって実行される室内環境制御方法であって、
建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器を制御するための室内環境プロファイルを複数記憶し、
センシングされた前記建物の中の環境、及び、ユーザが望む前記建物の中の環境の少なくとも一方を示す室内環境情報と、前記1つ以上の機器に関する機器情報とを取得し、
取得された前記室内環境情報に基づいて、複数の前記室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供し、
取得された前記室内環境情報に基づいて選択される前記室内環境プロファイルが前記機器情報によって示される前記1つ以上の機器によって再現できない場合に、前記建物の中を前記対象プロファイルに近づけるための、当該1つ以上の機器の制御アルゴリズムを提供する
室内環境制御方法。
【請求項12】
コンピュータによって実行される室内環境制御方法であって、
建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器を制御するための室内環境プロファイルを複数記憶し、
センシングされた前記建物の中の環境、及び、ユーザが望む前記建物の中の環境の少な
くとも一方を示す室内環境情報と、前記1つ以上の機器に関する機器情報とを取得し、
取得された前記室内環境情報に基づいて、複数の前記室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供し、
取得された前記室内環境情報に基づいて選択される前記室内環境プロファイルが前記機器情報によって示される前記1つ以上の機器によって再現できない場合に、当該対象プロファイルを再現するために必要な機器を提示する
室内環境制御方法。
【請求項13】
コンピュータによって実行される室内環境制御方法であって、
建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器を制御するための室内環境プロファイルを複数記憶し、
センシングされた前記建物の中の環境、及び、ユーザが望む前記建物の中の環境の少なくとも一方を示す室内環境情報と、前記1つ以上の機器に関する機器情報とを取得し、
取得された前記室内環境情報に基づいて、複数の前記室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供し、
前記対象プロファイルの提供においては、前記室内環境情報に基づいて選択される前記室内環境プロファイルを、前記機器情報に含まれる前記1つ以上の機器の使用履歴情報に基づいてカスタマイズし、カスタマイズされた前記室内環境プロファイルを前記対象プロファイルとして提供する
室内環境制御方法。
【請求項14】
コンピュータによって実行される室内環境制御方法であって、
建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器を制御するための室内環境プロファイルを複数記憶し、
センシングされた前記建物の中の環境、及び、ユーザが望む前記建物の中の環境の少なくとも一方を示す室内環境情報と、前記1つ以上の機器に関する機器情報とを取得し、
取得された前記室内環境情報に基づいて、複数の前記室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供し、
取得された前記機器情報によって示される前記1つ以上の機器によって前記対象プロファイルが再現できるか否かを判定し、
前記対象プロファイルの提供は、前記1つ以上の機器によって前記対象プロファイルが再現できると判定された場合に行われ、
前記対象プロファイルを提供することで、前記建物の中の室内環境を前記対象プロファイルによって定まる室内環境に近づけ、
前記建物は、住宅であり、
記憶された複数の前記室内環境プロファイルのそれぞれは、住宅以外の建物において使用される室内環境プロファイルであって、外部機器から取得された室内環境プロファイルであり、定期的に更新される
室内環境制御方法。
【請求項15】
請求項
10~14のいずれか1項に記載の室内環境制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内環境制御システム、及び、室内環境制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内空間の快適性を向上するための技術が提案されている。例えば、特許文献1には、屋外からの入室者を精度よく算出し、在室者の快適性・健康性を保持するための空調制御技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、室内空間の環境を調整するための情報と手段を提供することができる室内環境制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る室内環境制御システムは、建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器を制御するための室内環境プロファイルが複数記憶される記憶部と、センシングされた前記建物の中の環境、及び、ユーザが望む前記建物の中の環境の少なくとも一方を示す室内環境情報を取得する取得部と、取得された前記室内環境情報に基づいて、複数の前記室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供する情報処理部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る室内環境制御方法は、コンピュータによって実行される室内環境制御方法であって、建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器を制御するための室内環境プロファイルを複数記憶し、センシングされた前記建物の中の環境、及び、ユーザが望む前記建物の中の環境の少なくとも一方を示す室内環境情報を取得し、取得された前記室内環境情報に基づいて、複数の前記室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供する。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記室内環境制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の室内環境制御システムは、室内空間の環境を調整するための情報と手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る室内環境制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、室内環境プロファイルの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る室内環境制御システムの動作例1のフローチャートである。
【
図4】
図4は、操作端末の表示部に表示される選択画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る室内環境制御システムの動作例2のフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る室内環境制御システムの動作例3のフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る室内環境制御システムの動作例4のフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る室内環境制御システムの動作例5のフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る室内環境制御システムの動作例6のフローチャートである。
【
図10】
図10は、対象プロファイルを再現するために必要な機器を示す画像の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施の形態に係る室内環境制御システムの動作例7のフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施の形態に係る室内環境制御システムの動作例8のフローチャートである。
【
図13】
図13は、メンテナンスが必要であることを示す画像の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施の形態に係る室内環境制御システムの動作例9のフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施の形態に係る室内環境制御システムの動作例10のフローチャートである。
【
図16】
図16は、実施の形態に係る室内環境制御システムの動作例11のフローチャートである。
【
図17】
図17は、対象プロファイルを用いた室内環境の調整前後における評価値を含む画像の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施の形態に係る室内環境制御システムの動作例12のフローチャートである。
【
図19】
図19は、室外環境を示す評価値と室内環境を示す評価値とを含む画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係る室内環境制御システムの概要について説明する。
図1は、実施の形態に係る室内環境制御システムの機能構成を示すブロック図である。室内環境制御システム10は、住宅11などの建物の中の室内環境を調整することができるシステムである。
図1に示されるように、室内環境制御システム10は、プロファイル管理サーバ20と、制御装置30と、1つ以上の機器40と、室内センサ51と、操作端末60と、外部機器71と、外部機器72と、外部機器73と、サーバ装置81と、サーバ装置82とを備える。
【0013】
プロファイル管理サーバ20は、室内環境プロファイルを管理する装置である。室内環境プロファイルは、具体的には、室内環境を示すパラメータの目標値を示す情報である。また、目標値は、具体的には、室内環境を示すパラメータの目標上限値及び目標下限値の少なくとも一方を示す目標範囲である。目標値が目標範囲を示すことは必須ではなく、目標値は、例えば、機器40に設定される設定値であってもよい。
【0014】
室内環境を示すパラメータには、例えば、熱的快適性(例えば、温度、湿度、気流の強さ、または気流の向きなど)、空気質(AQ:Air Quality)、光(照度レベル、照度分布、グレア、色/部屋の雰囲気)、音(暗騒音、音のプライバシー/明瞭度)、においなどが含まれる。空気質は、例えば、ガス濃度であり、ガス濃度には、CO
2の濃度、TVOC(Total Volatile Organic Compounds、総揮発性有機化合物)の濃度、PM(Particulate Matter、粒子状物質)の濃度、NO
X(窒素酸化物)の濃度、SO
X(硫黄酸化物)の濃度、及び、O
3(オゾン)の濃度などが含まれる。また、空気質には、浮遊カビの量なども含まれる。室内環境プロファイルにおいて、これらのパラメータは、例えば、空間に含まれる複数の場所(言い換えれば、複数の領域)のそれぞれについて定められる。
図2は、室内環境プロファイルの一例を示す図である。
【0015】
なお、
図2の例では、室内環境プロファイルには、室内環境を示すパラメータが複数含まれるが、少なくとも1つ含まれればよい。また、室内環境を示すパラメータが空間の場所ごとに定められることも必須ではない。例えば、室内環境プロファイルにおいて、室内環境を示すパラメータが空間全体に対して1つ定められていてもよい。
【0016】
プロファイル管理サーバ20の記憶部23には、複数種類の室内環境プロファイルがあらかじめ記憶されている。プロファイル管理サーバ20は、例えば、学校で使用実績のある室内環境プロファイルを保持する外部機器71から当該室内環境プロファイルを取得し、記憶部23に記憶する。同様に、プロファイル管理サーバ20は、例えば、オフィスで使用実績のある室内環境プロファイルを保持する外部機器72から当該室内環境プロファイルを取得して記憶部23に記憶し、病院で使用実績のある室内環境プロファイルを保持する外部機器73から当該室内環境プロファイルを記憶部23に記憶する。また、一般ユーザが、自身が作成した室内環境プロファイルをプロファイル管理サーバ20にアップロードし、このような室内環境プロファイルが記憶部23に記憶されていてもよい。このように、プロファイル管理サーバ20には、あらかじめ多種多様な室内環境プロファイルが記憶される。プロファイル管理サーバ20に記憶される室内環境プロファイルには、特定の学校において生徒の集中力の向上が実証されているものなど、効果及び効能が実証されたものが含まれてもよい。
【0017】
住宅11に居住するユーザは、操作端末60を操作して室内環境プロファイルをプロファイル管理サーバ20からダウンロードすることができる。制御装置30は、ダウンロードした室内環境プロファイルに基づいて1つ以上の機器40を制御することにより、住宅11の室内環境を調整する。例えば、学校で使用実績のある室内環境プロファイルがダウンロードされれば、制御装置30は、学校と同じ室内環境を住宅11内で再現することができる。
【0018】
[構成:プロファイル管理サーバ]
このような室内環境制御システム10が備える各装置の具体的構成について説明する。まず、プロファイル管理サーバ20について説明する。
【0019】
上述のように、プロファイル管理サーバ20は、室内環境プロファイルを管理する装置である。プロファイル管理サーバ20は、具体的には、通信部21と、情報処理部22と、記憶部23とを備える。
【0020】
通信部21は、プロファイル管理サーバ20がインターネットなどの広域通信ネットワーク90を介して制御装置30、操作端末60、外部機器71、外部機器72、外部機器73、サーバ装置81、及び、サーバ装置82と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部21によって行われる通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。通信部21は、取得部24を含む。
【0021】
情報処理部22は、室内環境プロファイルの管理に関する情報処理を行う。情報処理部22は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または専用回路によって実現される。情報処理部22は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または専用回路のうちの2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。
【0022】
記憶部23は、複数の室内環境プロファイルが記憶される記憶装置である。記憶部23には、情報処理部22が上記情報処理を行うために実行するコンピュータプログラムなども記憶される。記憶部23は、具体的には、半導体メモリまたはHDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。
【0023】
[構成:制御装置]
制御装置30は、プロファイル管理サーバ20から、室内環境プロファイルを取得(ダウンロード)し、取得した室内環境プロファイルに基づいて1つ以上の機器40を制御することにより、住宅11の中の室内環境の調整を行う。制御装置30は、住宅11に設置される。制御装置30は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するEMS(Energy Management System)コントローラであるが、エネルギーマネジメント機能を有しない他のホームコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。制御装置30は、具体的には、第一通信部31と、制御部32と、記憶部33と、第二通信部34とを備える。
【0024】
第一通信部31は、制御装置30がインターネットなどの広域通信ネットワーク90を介してプロファイル管理サーバ20などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第一通信部31によって行われる通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0025】
制御部32は、室内環境プロファイルに基づいて、室内環境を調整するための1つ以上の機器40を制御する。制御部32は、例えば、第二通信部34を用いて制御信号を送信することにより、1つ以上の機器40を制御する。制御部32は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または専用回路によって実現される。制御部32は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または専用回路のうちの2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。
【0026】
記憶部33は、制御部32が室内環境プロファイルに基づいて1つ以上の機器40の制御を行うために実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部33は、具体的には、半導体メモリなどによって実現される。
【0027】
第二通信部34は、制御装置30が、1つ以上の機器40と局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第二通信部34によって行われる通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても、特に限定されない。
【0028】
[構成:機器]
機器40は、制御装置30から送信される制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて、住宅11の中の室内環境の調整を行う。機器40は、住宅11に設置される。機器40には、換気機器41、空気調和機42、照明機器43、空気清浄機44、香り発生機45、及び、スピーカ46などが含まれる。
【0029】
換気機器41は、制御装置30から受信した制御信号に基づいて、住宅11の中の換気を行う。換気機器41は、住宅11の外から住宅11の中への給気、及び、住宅11の中から住宅11の外への排気の両方を行う機能を有していてもよいし、給気及び排気のいずれかのみの機能を有していてもよい。換気機器41は、例えば、送風機(ファン)によって実現される。
【0030】
空気調和機42は、制御装置30から受信した制御信号に基づいて、住宅11の中の温度及び湿度を調整する。
【0031】
照明機器43は、制御装置30から受信した制御信号に基づいて、住宅11の中の照度(明るさ)を調整する。照明機器43は、調光機能を有するシーリングライトなどである。照明機器43は、調色機能を有していてもよい。
【0032】
空気清浄機44は、制御装置30から受信した制御信号に基づいて、室内空間におけるPM、NOX、SOX、O3、及び、VOCの少なくとも1つの濃度、または、室内空間における浮遊カビの量を低下させる機能を有する。空気清浄機44は、例えば、ファン式の空気清浄機であり、エアフィルタを備え、室内空間の空気を取り込んでエアフィルタによって濾過して室内空間に放出する。エアフィルタとしては、例えば、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタなどが例示される。また、空気清浄機44は、次亜塩素酸を用いて脱臭または除菌を行う空気清浄機であってもよい。
【0033】
香り発生機45は、制御装置30から受信した制御信号に基づいて、香りを発する。香り発生機45は、例えば、アロマディフューザであるが、その他の香り発生機であってもよい。
【0034】
スピーカ46は、制御装置30から受信した制御信号に基づいて、ノイズキャンセルのためのキャンセル音、または、音楽などを出力する。
【0035】
[構成:室内センサ及び室外センサ]
室内センサ51は、住宅11の中の環境をセンシングし、センシング結果として住宅11の中の環境を示す情報(センシング情報と記載される場合もある)を出力する。室内センサ51は、制御装置30と通信可能であり、環境状態を示す情報を制御装置30に送信することができる。室内センサ51には、上述のガス濃度をセンシング可能な半導体ガスセンサ、温度センサ、湿度センサ、気流センサ、照度センサ、人感センサ、マイクロフォン、及び、カメラなどが含まれる。また、室内センサ51には、住宅11の中の人の行動をセンシングするセンサ(カメラを含む)、及び、住宅11の状態をセンシングするセンサ(窓センサまたは電気錠など)も含まれる。
【0036】
室内センサ51には、住宅11の中の人のバイタル情報をセンシングするバイタルセンサも含まれる。バイタルセンサは、例えば、人の血圧をセンシングする血圧計または人の心拍数をセンシングする心拍計などである。バイタルセンサは、人の体に接触するウェアラブル型のセンサであってもよいし、非接触型のセンサであってもよい。バイタル情報を用いた室内環境の制御は、例えば、ウェアラブル型のセンサによってセンシングされた心拍数に基づいてストレス診断が行われ、ストレスを感じていると診断された場合に香り発生機45などによって住宅11内をリラックス空間にする制御などである。
【0037】
室外センサ52は、住宅11の外の環境をセンシングし、センシング結果として住宅11の外の環境を示す室外環境情報(センシング情報と記載される場合もある)を出力する。室外センサ52は、制御装置30と通信可能であり、環境状態を示す情報を制御装置30に送信することができる。室外センサ52には、上述のガス濃度をセンシング可能な半導体ガスセンサ、温度センサ、及び、湿度センサなどが含まれる。室外センサ52は、住宅11ごとに設置されるセンサであってもよいし、街の特定の場所に設置されるセンサであってもよい。また、室外環境情報は、気象予報情報などを管理するサーバ装置から広域通信ネットワーク90を介して取得されてもよい。
【0038】
[構成:操作端末]
操作端末60は、住宅11に居住するユーザが所持する情報端末であり、具体的には、スマートフォン、または、タブレット端末などの携帯端末である。操作端末60は、壁に設置される情報端末であってもよいし、ゲートウェイ一体型の情報端末であってもよい。操作端末60は、液晶パネルまたは有機ELパネルなどによって実現される表示部61と、タッチパネルまたはハードウェアキーなどによって実現される操作受付部62とを備える。
【0039】
[構成:外部機器及びサーバ装置]
外部機器71、外部機器72、及び、外部機器73のそれぞれは、室内環境プロファイルを保持する機器であり、例えば、クラウドサーバであるが、パーソナルコンピュータなどの情報端末であってもよい。なお、
図1では、外部機器が3つ図示されているが、外部機器の数は特に限定されない。
【0040】
サーバ装置81は、eコマースサイトを提供するサーバ装置である。サーバ装置82は、機器40のメンテナンス事業者が利用するサーバ装置である。
【0041】
[動作例1]
次に、室内環境制御システム10の動作例1について説明する。
図3は、室内環境制御システム10の動作例1のフローチャートである。
【0042】
まず、プロファイル管理サーバ20の取得部24は、室内環境プロファイルを取得する(S11)。上述のように、取得部24は、例えば、外部機器71、外部機器72、及び、外部機器73のそれぞれから広域通信ネットワーク90を介して室内環境プロファイルを取得する。上述のように、室内環境プロファイルは、住宅11の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器40を制御するための情報である。取得部24によって取得された複数の室内環境プロファイルは、記憶部23に記憶される(S12)。なお、室内環境プロファイルの取得は、定期的に行われ、記憶部23に記憶された室内環境プロファイルは、室内環境プロファイルが取得されるごとに定期的に更新されてもよい。
【0043】
次に、取得部24は、ユーザが望む住宅11の中の環境を示す室内環境情報を取得する(S13)。室内環境情報は、ユーザが操作端末60の操作受付部62を操作することによって操作端末60から送信される。つまり、取得部24は、室内環境情報を操作端末60から取得する。
【0044】
ユーザは、操作端末60の表示部61に表示される選択画面から、当該ユーザが望む住宅11の中の環境を選択することができる。
図4は、操作端末60の表示部61に表示される選択画面の一例を示す図である。
【0045】
図4に示されるように、ユーザは、学校の室内環境(例えば、学習に集中しやすい室内環境)、病院の室内環境(例えば、ウイルス等が発生しにくい室内環境)、及び、オフィスの室内環境(例えば、PCを用いた作業に適した室内環境)などの中から1つを選択することができる。なお、室内環境情報は、ユーザが望む住宅11の中の環境を直接的または間接的に示せばよく、選択画面には、集中モード(ユーザが作業に集中したいときに選択されるモード)、リラックスモード(ユーザがリラックスしたいときに選択されるモード)、及び、就寝モード(ユーザが就寝したいときに選択されるモード)などの環境を間接的に示す選択肢が含まれてもよい。
【0046】
次に、情報処理部22は、取得された室内環境情報に基づいて、記憶部23に記憶された複数の室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして制御装置30に提供する(S14)。例えば、室内環境情報がオフィスの室内環境を示す場合には、記憶部23に記憶された複数の室内環境プロファイルのうちオフィスの室内環境プロファイルが対象プロファイルとして選択される。ステップS14においては、複数の室内環境プロファイルが選択されてもよい。つまり、少なくとも1つの室内環境プロファイルが対象プロファイルとして選択されればよい。対象プロファイルは通信部21によって制御装置30へ送信される。
【0047】
次に、制御装置30の制御部32は、第一通信部31によって受信(言い換えれば、ダウンロード)された対象プロファイル(言い換えれば、環境を示すパラメータの目標値)に基づいて1つ以上の機器40を制御することにより、住宅11の中の室内環境を、対象プロファイルによって定まる室内環境に近づける(S15)。この結果、住宅11においてオフィスの室内環境が再現される。
【0048】
以上説明したように、動作例1では、室内環境制御システム10は、ユーザの操作端末60への操作に基づいて室内環境プロファイルを制御装置30に提供することができる。このような室内環境制御システム10は、住宅11内をユーザの望む室内環境に近づけることができる。
【0049】
[動作例2]
次に、室内環境制御システム10の動作例2について説明する。
図5は、室内環境制御システム10の動作例2のフローチャートである。なお、動作例2では、プロファイル管理サーバ20の記憶部23に複数の室内環境プロファイルがあらかじめ記憶されているものとして説明が行われる。動作例3以降も同様である。
【0050】
まず、プロファイル管理サーバ20の取得部24は、センシングにより得られる住宅11の中の環境を示す室内環境情報を取得する(S21)。つまり、動作例2における室内環境情報は、室内センサ51によって出力されるセンシング結果を示す情報である。この場合、取得部24は、室内センサ51によって出力される室内環境情報を、制御装置30を介して取得するが、室内センサ51が直接広域通信ネットワーク90に接続できる場合、制御装置30を介さずに取得してもよい。
【0051】
次に、情報処理部22は、取得された室内環境情報に基づいて、記憶部23に記憶された複数の室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして制御装置30に提供する(S22)。例えば、室内センサ51がカメラであり、室内環境情報(この場合、画像情報など)が、ユーザが住宅11内のデスクに座ったことを示す場合には、記憶部23に記憶された複数の室内環境プロファイルのうち学習に適した室内環境プロファイルが対象プロファイルとして選択される。ステップS22においては、複数の室内環境プロファイルが選択されてもよい。つまり、少なくとも1つの室内環境プロファイルが対象プロファイルとして選択されればよい。対象プロファイルは通信部21によって制御装置30へ送信される。
【0052】
次に、制御装置30の制御部32は、第一通信部31によって受信された対象プロファイルに基づいて1つ以上の機器40を制御することにより、住宅11の中の室内環境を、対象プロファイルによって定まる室内環境に近づける(S23)。この結果、住宅11においてユーザがデスクに座ると、住宅11の中の室内環境は、自動的に学習に適した室内環境に調整される。
【0053】
以上説明したように、動作例2では、室内環境制御システム10は、室内センサ51のセンシング結果に基づいて室内環境プロファイルを制御装置30に提供することができる。
【0054】
なお、動作例1及び動作例2は組み合わされてもよく、例えば、センシングされた住宅11の中の環境、及び、ユーザが望む住宅11の中の環境の両方を示す室内環境情報が取得されてもよい。この場合、ユーザの希望する環境であって、かつ、現在の住宅11の中の環境に適した室内環境プロファイルが制御装置30に提供される。
【0055】
[動作例3]
次に、室内環境制御システム10の動作例3について説明する。
図6は、室内環境制御システム10の動作例3のフローチャートである。
【0056】
まず、プロファイル管理サーバ20の取得部24は、ユーザが望む住宅11の中の環境を示す室内環境情報を取得する(S31)。取得部24は、例えば、室内環境情報を操作端末60から取得する。
【0057】
次に、取得部24は、1つ以上の機器40に関する機器情報を取得する(S32)。機器情報は、機器の固有の情報であり、言い換えれば、属性情報である。機器情報には、機器40の型番、機器40の種別(換気機器であるか空調機器であるかなど)、及び、機器40の能力(設定可能な温度範囲、最大風量など)などの情報を含む。制御装置30は、複数の機器40のそれぞれから当該機器40の機器情報を取得し、機器情報をプロファイル管理サーバ20に送信する。つまり、取得部24は、機器情報を制御装置30から取得する。
【0058】
次に、情報処理部22は、取得された室内環境情報、及び、取得された機器情報に基づいて、記憶部23に記憶された複数の室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして制御装置30に提供する(S33)。
【0059】
例えば、室内環境情報がオフィスの室内環境を示す場合、記憶部23に記憶された複数の室内環境プロファイルのうち1以上のオフィスの室内環境プロファイルがいったん選択される。次に、選択された1以上のオフィスの室内環境プロファイルのうち機器情報が示す機器40によって再現できる室内環境プロファイルのみが対象プロファイルとして選択される。例えば、住宅11に空気調和機42及び照明機器43が設置されているが、空気清浄機44が設置されていないような場合、空気清浄機44を動作させる必要のない室内環境プロファイルのみが対象プロファイルとして選択される。つまり、住宅11において再現可能な室内環境プロファイルのみが対象プロファイルとして選択される。対象プロファイルは通信部21によって制御装置30へ送信される。
【0060】
次に、制御装置30の制御部32は、第一通信部31によって受信された対象プロファイルに基づいて1つ以上の機器40を制御することにより、住宅11の中の室内環境を、対象プロファイルによって定まる室内環境に近づける(S34)。この結果、住宅11においてオフィスの室内環境が再現される。
【0061】
以上説明したように、動作例3では、室内環境制御システム10は、ユーザが希望する室内環境プロファイルであって、住宅11に設置された機器40によって再現できる室内環境プロファイルを制御装置30に選択的に提供することができる。
【0062】
なお、動作例3において、室内環境情報は、ユーザが望む住宅11の中の環境を示す情報ではなく、センシングされた住宅11の中の環境を示す情報であってもよい。つまり、動作例3において、動作例1で用いられた室内環境情報に代えて、動作例2で用いられた室内環境情報が用いられてもよい。動作例4以降も同様である。
【0063】
また、動作例3では、対象プロファイルを選択するために、室内環境情報による絞り込みが行われた後、機器情報による絞り込みが行われたが、機器情報による絞り込みが行われた後、室内環境情報により絞り込みが行われてもよい。
【0064】
[動作例4]
次に、室内環境制御システム10の動作例4について説明する。
図7は、室内環境制御システム10の動作例4のフローチャートである。
【0065】
まず、プロファイル管理サーバ20の取得部24は、ユーザが望む住宅11の中の環境を示す室内環境情報を取得する(S41)。取得部24は、例えば、室内環境情報を操作端末60から取得する。
【0066】
次に、取得部24は、センシングにより得られる住宅11の外の環境を示す室外環境情報を取得する(S42)。室外環境情報は、具体的には、住宅11の外の気温、湿度、及び、空気質などを示す情報である。取得部24は、例えば、室外センサ52によって出力される室内環境情報を、制御装置30を介して取得するが、室外センサ52が直接広域通信ネットワーク90に接続できる場合、制御装置30を介さずに取得してもよい。
【0067】
また、取得部24は、室外環境情報を、住宅11の外の気温、湿度、及び、空気質などを管理するサーバ装置(例えば、気象情報を管理するサーバ装置など。
図1で図示せず。)から広域通信ネットワーク90を介して取得してもよい。サーバ装置から提供される室外環境情報としては、その他に、渋滞情報(つまり、住宅11の外の空気質を間接的に示す情報)、及び、インフルエンザウィルスなどの病原体が流行している地域を示す情報なども考えられる。その他の室外環境情報として、医療情報(レセプトなど)、及び、日没時間を示す情報なども考えられる。医療情報は、症状または疾患に応じた個人の好み特定に利用できる。日没時間を示す情報は、住宅11の中の照度のコントロールなどに利用できる。
【0068】
次に、情報処理部22は、取得された室内環境情報、及び、取得された室外環境情報に基づいて、記憶部23に記憶された複数の室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして制御装置30に提供する(S43)。
【0069】
例えば、室内環境情報がオフィスの室内環境を示し、かつ、室外環境情報が住宅11の外の空気質が比較的悪い(例えば、PM濃度が高い)ことを示す場合が考えられる。住宅11の外の空気質が比較的悪い場合には、換気機器41を動作させて住宅11の外の空気を住宅11内に取り込むことは住宅11内の空気質の悪化につながる。
【0070】
そこで、このような場合、情報処理部22は、記憶部23に記憶された複数の室内環境プロファイルのうち1以上のオフィスの室内環境プロファイルをいったん選択した後、選択された1以上のオフィスの室内環境プロファイルのうち、換気機器41を動作せずに再現できる室内環境プロファイルのみを対象プロファイルとして選択する。つまり、住宅11の中の室内環境を悪化させないと考えられる室内環境プロファイルのみが対象プロファイルとして選択される。対象プロファイルは通信部21によって制御装置30へ送信される。
【0071】
次に、制御装置30の制御部32は、第一通信部31によって受信された対象プロファイルに基づいて1つ以上の機器40を制御することにより、住宅11の中の室内環境を、対象プロファイルによって定まる室内環境に近づける(S44)。この結果、住宅11においてオフィスの室内環境が再現される。
【0072】
以上説明したように、動作例4では、室内環境制御システム10は、ユーザが希望する室内環境プロファイルであって、住宅11の中の室内環境を悪化させないと推定される室内環境プロファイルを制御装置30に選択的に提供することができる。
【0073】
また、動作例4では、対象プロファイルを選択するために、室内環境情報による絞り込みが行われた後、室外環境情報による絞り込みが行われたが、室外環境情報による絞り込みが行われた後、室内環境情報により絞り込みが行われてもよい。
【0074】
[動作例5]
次に、室内環境制御システム10の動作例5について説明する。
図8は、室内環境制御システム10の動作例5のフローチャートである。なお、動作例5では、対象プロファイルが提供された後、制御装置30によって行われる1つ以上の機器40の制御については動作例1~4と同様であるため説明が省略される。動作例6以降も同様である。
【0075】
まず、プロファイル管理サーバ20の取得部24は、ユーザが望む住宅11の中の環境を示す室内環境情報を取得する(S51)。取得部24は、例えば、室内環境情報を操作端末60から取得する。
【0076】
次に、取得部24は、1つ以上の機器40に関する機器情報を取得する(S52)。取得部24は、例えば、機器情報を制御装置30から取得する。
【0077】
次に、情報処理部22は、取得された室内環境情報に基づいて、記憶部23に記憶された複数の室内環境プロファイルの1つを対象プロファイルとして選択する(S53)。続いて、情報処理部22は、選択した対象プロファイルが、機器情報が示す1つ以上の機器40によって再現できるか否かを判定する(S54)。動作例5では、複数の室内環境プロファイルのそれぞれは、当該室内環境プロファイルの再現に必要な機器と対応付けられて記憶部23に記憶されている。したがって、情報処理部22は、記憶部23を参照することにより、選択した対象プロファイルを機器情報が示す1つ以上の機器40によって再現することができるか否かを判定することができる。
【0078】
情報処理部22は、選択した対象プロファイルを、機器情報が示す1つ以上の機器40によって再現することができると判定した場合(S54でYes)、対象プロファイルを制御装置30に提供する(S55)。一方、情報処理部22は、選択した対象プロファイルを機器情報が示す1つ以上の機器40によって再現不可能であると判定した場合(S54でNo)、住宅11の中を対象プロファイルに近づけるための制御アルゴリズムを制御装置30に提供する(S56)。つまり、情報処理部22は、機器40の制御によって対象プロファイルが再現できない場合には、これに近い室内環境プロファイルを再現するための具体的な制御アルゴリズム(例えば、機器40の設定値など)を制御装置30に提供する。提供される制御アルゴリズムは、適宜生成されてもよいし、あらかじめ準備されデータベースとして記憶部23に記憶されていてもよい。
【0079】
以上説明したように、動作例5では、室内環境制御システム10は、ユーザが希望する室内環境プロファイルが住宅11に設置された機器40によって再現できない場合に、住宅の中をユーザが希望する室内環境プロファイルに近い環境にするための具体的な制御アルゴリズムを制御装置30に提供することができる。
【0080】
[動作例6]
次に、室内環境制御システム10の動作例6について説明する。
図9は、室内環境制御システム10の動作例6のフローチャートである。
【0081】
まず、プロファイル管理サーバ20の取得部24は、ユーザが望む住宅11の中の環境を示す室内環境情報を取得する(S61)。取得部24は、例えば、室内環境情報を操作端末60から取得する。
【0082】
次に、取得部24は、1つ以上の機器40に関する機器情報を取得する(S62)。取得部24は、例えば、機器情報を制御装置30から取得する。
【0083】
次に、情報処理部22は、取得された室内環境情報に基づいて、記憶部23に記憶された複数の室内環境プロファイルの1つを対象プロファイルとして選択する(S63)。続いて、情報処理部22は、選択した対象プロファイルが、機器情報が示す1つ以上の機器40によって再現できるか否かを判定する(S64)。動作例6では、複数の室内環境プロファイルのそれぞれは、当該室内環境プロファイルの再現に必要な機器と対応付けられて記憶部23に記憶されている。したがって、情報処理部22は、記憶部23を参照することにより、選択した対象プロファイルを機器情報が示す1つ以上の機器40によって再現することができるか否かを判定することができる。
【0084】
情報処理部22は、選択した対象プロファイルを、機器情報が示す1つ以上の機器40によって再現することができると判定した場合(S64でYes)、対象プロファイルを制御装置30に提供する(S65)。一方、情報処理部22は、選択した対象プロファイルを機器情報が示す1つ以上の機器40によって再現不可能であると判定した場合(S64でNo)、対象プロファイルを再現するために必要な機器を提示する(S66)。情報処理部22は、例えば、対象プロファイルを再現するために必要な機器を提示するための情報(例えば、画像情報)を通信部21に送信させる。画像情報が操作端末60によって受信されると、表示部61には対象プロファイルを再現するために必要な機器を示す画像が表示される。
図10は、このような画像の一例を示す図である。ユーザは、表示された機器を購入するなどして住宅11に設置することで、次回から対象プロファイルを再現することができる。
【0085】
以上説明したように、動作例6では、室内環境制御システム10は、ユーザが希望する室内環境プロファイルが住宅11に設置された機器40によって再現できない場合に、再現に必要な機器をユーザに提示することができる。
【0086】
[動作例7]
次に、室内環境制御システム10の動作例7について説明する。
図11は、室内環境制御システム10の動作例7のフローチャートである。
【0087】
まず、プロファイル管理サーバ20の取得部24は、ユーザが望む住宅11の中の環境を示す室内環境情報を取得する(S71)。取得部24は、例えば、室内環境情報を操作端末60から取得する。
【0088】
次に、取得部24は、1つ以上の機器40の動作履歴情報を取得する(S72)。動作履歴情報は、制御装置30の記憶部33にあらかじめ記憶される。つまり、取得部24は、動作履歴情報を制御装置30から取得する。動作履歴情報によれば、ユーザの機器40の使用頻度、及び、設定の好みなどが把握できる。
【0089】
次に、情報処理部22は、取得された室内環境情報に基づいて、記憶部23に記憶された複数の室内環境プロファイルの1つを選択する(S73)。続いて、情報処理部22は、選択した室内環境プロファイルを動作履歴情報に基づいてカスタマイズする(S74)。
【0090】
例えば、動作履歴情報が示す空調機器の冷房の設定温度が、平均的な冷房の設定温度よりも低い場合、ユーザは通常のよりもやや低めの温度環境を好むと考えられる。そこで、情報処理部22は、選択した室内環境プロファイルによって定められている温度の目標値を所定値だけ下げるカスタマイズを行う。室内環境プロファイルのカスタマイズの具体的方法は特に限定されず、例えば、機械学習モデルなどが利用されてもよい。その後、情報処理部22は、カスタマイズされた室内環境プロファイルを対象プロファイルとして制御装置30に提供する(S75)。
【0091】
以上説明したように、動作例7では、室内環境制御システム10は、ユーザが希望する室内環境プロファイルをさらにユーザの嗜好(より詳細には、ユーザの機器の利用傾向)に基づいてカスタマイズして提供することができる。
【0092】
[動作例8]
次に、室内環境制御システム10の動作例8について説明する。
図12は、室内環境制御システム10の動作例8のフローチャートである。
【0093】
制御装置30の制御部32は、対象プロファイルを用いて1以上の機器40を制御することにより、住宅11の中の室内環境の調整を行う(S81)。
【0094】
プロファイル管理サーバ20の取得部24は、対象プロファイルを用いた室内環境の調整中または調整後のタイミングにおける住宅11の中のセンシングされた環境を示すセンシング情報を取得する(S82)。センシング情報は、住宅11の中の温度、湿度、照度、気流の強さ、気流の向き、におい、及び、空気質などの少なくとも1つを示す情報であり、室内センサ51によって出力される。
【0095】
情報処理部22は、取得されたセンシング情報に基づいて1つ以上の機器40のメンテナンスの要否を判定する。情報処理部22は、例えば、室内環境の調整が開始されてから一定期間経過後に対象プロファイルが再現されたか否かを判定する(S83)。情報処理部22は、一定期間経過後に対象プロファイルが再現されたと判定すると(S83でYes)、機器40のメンテナンスは不要であると判定する(S84)。
【0096】
一方、情報処理部22は、一定期間経過後も対象プロファイルが再現されないと判定すると(S83でNo)、機器40のメンテナンスが必要であると判定する(S85)。例えば、対象プロファイルによって規定されるPM濃度が再現されない(PM濃度が一定期間経過後も所定濃度以上である)場合、PM濃度を低下させることができる能力を有する機器40(例えば、換気機器41、空気清浄機44など)が正常に動作していないと考えられる。つまり、機器40のメンテナンスが必要であると判定できる。
【0097】
情報処理部22は、機器40のメンテナンスが必要であると判定すると、メンテナンスが必要であることをユーザに通知する(S86)。情報処理部22は、例えば、メンテナンスが必要であることをユーザに通知するための通知情報を通信部21に送信させる。通知情報が操作端末60によって受信されると、表示部61にはメンテナンスが必要であることを示す画像が表示される。
図13は、このような画像の一例を示す図である。ユーザは、このような画像によりメンテナンスが必要であることを認識することができる。なお、プロファイル管理サーバ20の記憶部23には、再現されない環境パラメータと、当該環境パラメータが再現されない原因と考えられる機器40とを対応付けたデータベースが記憶され、どの機器のメンテナンスが必要であるかは、このデータベースに基づいて特定される。
【0098】
以上説明したように、動作例8では、室内環境制御システム10は、ユーザが希望する対象プロファイルが再現できない場合に、機器40のメンテナンスが必要であると推定し、メンテナンスが必要であることをユーザに通知することができる。
【0099】
[動作例9]
次に、室内環境制御システム10の動作例9について説明する。
図14は、室内環境制御システム10の動作例9のフローチャートである。
【0100】
ステップS81~ステップS85は動作例8と同様である。情報処理部22は、機器40のメンテナンスが必要であると判定すると(S85)、メンテナンスに使用される部材の発注処理を行う(S87)。情報処理部22は、例えば、メンテナンスに使用される部材(例えば、エアフィルタ)の発注情報を通信部21に送信させる。eコマースサイトを提供するサーバ装置81によって発注情報が受信されると、メンテナンスに使用される部材が住宅11宛てに送付される。なお、プロファイル管理サーバ20の記憶部23には、機器と、当該機器のメンテナンスに使用される部材とを対応付けたメンテナンス部材データベースが記憶される。メンテナンスに使用される部材は、このデータベースに基づいて特定される。
【0101】
以上説明したように、動作例9では、室内環境制御システム10は、機器40のメンテナンスが必要であると判定された場合に、メンテナンスに使用される部材の発注処理を行うことができる。
【0102】
[動作例10]
次に、室内環境制御システム10の動作例10について説明する。
図15は、室内環境制御システム10の動作例10のフローチャートである。
【0103】
ステップS81~ステップS85は動作例8と同様である。情報処理部22は、機器40のメンテナンスが必要であると判定すると(S85)、メンテナンスが必要であることをメンテナンス事業者に通知する(S88)。情報処理部22は、例えば、メンテナンスが必要であることをメンテナンス事業者に通知するための通知情報を通信部21に送信させる。メンテナンス事業者によって利用されるサーバ装置82によって通知情報が受信されると、メンテナンスの手配(例えば、人員及び部材の手配)などが行われる。なお、プロファイル管理サーバ20の記憶部23には、機器と、当該機器のメンテナンス事業者を対応付けたメンテナンス事業者データベースが記憶され、メンテナンス事業者は、このデータベースに基づいて特定される。
【0104】
以上説明したように、動作例10では、室内環境制御システム10は、機器40のメンテナンスが必要であると判定された場合に、メンテナンスが必要であることをメンテナンス事業者に通知することができる。
【0105】
[動作例11]
次に、室内環境制御システム10の動作例11について説明する。
図16は、室内環境制御システム10の動作例11のフローチャートである。
【0106】
まず、プロファイル管理サーバ20の取得部24は、対象プロファイルを用いた室内環境の調整前のタイミングにおける住宅11の中のセンシングされた環境を示すセンシング情報を取得する(S91)。センシング情報は、住宅11の中の温度、湿度、照度、気流の強さ、気流の向き、におい、及び、空気質などの少なくとも1つを示す情報であり、室内センサ51によって出力される。
【0107】
次に、情報処理部22は、ステップS91において取得されたセンシング情報に基づいて、対象プロファイルを用いた室内環境の調整前の室内環境を示す評価値を算出する(S92)。この評価値は、特に限定されないが、例えば、対象プロファイルの目的に応じた評価値が採用される。例えば、対象プロファイルが学校の室内環境プロファイルであるような場合には、学習に集中することが目的である。そこで、評価値として、学習への集中しやすさを示す集中度を示す評価値が用いられる。集中度を示す評価値は、例えば、CO2の濃度(濃度が低いほど集中しやすい)、及び、光の色温度(色温度が高いほど集中しやすい)などによって算出することができる。
【0108】
次に、取得部24は、対象プロファイルを用いた室内環境の調整後のタイミングにおける住宅11の中のセンシングされた環境を示すセンシング情報を取得する(S93)。情報処理部22は、ステップS93において取得されたセンシング情報に基づいて、対象プロファイルを用いた室内環境の調整後の室内環境を示す評価値(例えば、集中度を示す評価値)を算出する(S94)。
【0109】
そして、情報処理部22は、対象プロファイルを用いた室内環境の調整前における室内環境を示す評価値と、対象プロファイルを用いた室内環境の調整後における室内環境を示す評価値とをユーザに提示する(S95)。情報処理部22は、例えば、これら2つの評価値を比較可能に(例えば、同時に)提示するための情報(例えば、画像情報)を通信部21に送信させる。画像情報が操作端末60によって受信されると、表示部61には対象プロファイルを用いた室内環境の調整前後における評価値を含む画像が表示される。
図17は、このような画像の一例を示す図である。
【0110】
以上説明したように、動作例11では、室内環境制御システム10は、住宅11において対象プロファイルが再現されることで得られる効果をユーザに提示することができる。
【0111】
[動作例12]
次に、室内環境制御システム10の動作例12について説明する。
図18は、室内環境制御システム10の動作例12のフローチャートである。
【0112】
まず、プロファイル管理サーバ20の取得部24は、住宅11の外のセンシングされた環境を示すセンシング情報を取得する(S101)。センシング情報は、住宅11の外の温度、湿度、及び、空気質などの少なくとも1つを示す情報であり、室外センサ52によって出力される。取得部24は、センシング情報に代えて、気象予報情報、または、PM2.5濃度予報情報などの屋外情報を管理するサーバ装置(例えば、気象予報情報を管理するサーバ装置など。)から広域通信ネットワーク90を介して屋外情報を取得してもよい。
【0113】
次に、情報処理部22は、ステップS101において取得されたセンシング情報に基づいて、室外環境を示す評価値を算出する(S102)。
【0114】
次に、取得部24は、対象プロファイルを用いた室内環境の調整後のタイミングにおける住宅11の中のセンシングされた環境を示すセンシング情報を取得する(S103)。情報処理部22は、ステップS103において取得されたセンシング情報に基づいて、対象プロファイルを用いた室内環境の調整後の室内環境を示す評価値を算出する(S104)。
【0115】
そして、情報処理部22は、室外環境を示す評価値と、対象プロファイルを用いた室内環境の調整後における室内環境を示す評価値とをユーザに提示する(S105)。情報処理部22は、例えば、これら2つの評価値を比較可能に(例えば、同時に)提示するための情報(例えば、画像情報)を通信部21に送信させる。画像情報が操作端末60によって受信されると、表示部61には、室外環境を示す評価値と対象プロファイルを用いた室内環境の調整後における室内環境を示す評価値とを含む画像が表示される。
図19は、このような画像の一例を示す図である。
【0116】
以上説明したように、動作例12では、室内環境制御システム10は、住宅11において対象プロファイルが再現されることで得られる効果をユーザに提示することができる。
【0117】
[変形例]
上記実施の形態では、ユーザインターフェースとして操作端末60が使用されたが、操作端末60に代えて制御装置30がユーザインターフェースとして使用されてもよい。
【0118】
例えば、ユーザが望む住宅11の中の環境を示す室内環境情報は、操作端末60の操作受付部62ではなく、制御装置30の操作受付部(図示せず)をユーザが操作することによって制御装置30からプロファイル管理サーバ20へ送信されてもよい。同様に、
図4、
図10、
図13、
図17、及び、
図19のような画像は、操作端末60の表示部61ではなく、制御装置30の表示部(図示せず)に表示されてもよい。
【0119】
また、上記実施の形態において、プロファイル管理サーバ20が備える構成要素の一部または全部は、制御装置30によって備えられてもよい。例えば、情報処理部22及び取得部24は、制御装置30によって備えられてもよい。言い換えれば、情報処理部22が行う処理、及び、取得部24が行う処理をプロファイル管理サーバ20ではなく制御装置30が行ってもよい。
【0120】
また、上記実施の形態では、室内環境制御システム10は、住宅11の中の室内環境を調整したが、オフィス、病院、または、学校などの住宅11以外の建物の中の室内環境を調整してもよい。また、室内環境の制御は、住宅11などの建物に含まれる複数の空間(リビング、ダイニングなど)ごとに行われてもよい。この場合、1つの制御装置30によって複数の空間のそれぞれの室内環境の制御が行われてもよいし、複数の空間に対応して複数の制御装置30が設置され、複数の制御装置30のそれぞれが当該制御装置30に対応する空間の室内環境を制御してもよい。1つの制御装置30によって複数の空間のそれぞれの室内環境の制御が行われる場合、機器40の属性情報には、当該機器の設置場所(リビング、子供部屋など)を示す情報が含まれ、この情報は、ユーザまたは機器40の施工者によって登録される。
【0121】
[効果等]
以上説明したように、室内環境制御システム10は、建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器40を制御するための室内環境プロファイルが複数記憶される記憶部23と、センシングされた建物の中の環境、及び、ユーザが望む建物の中の環境の少なくとも一方を示す室内環境情報を取得する取得部24と、取得された室内環境情報に基づいて、複数の室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供する情報処理部22とを備える。
【0122】
このような室内環境制御システム10は、室内空間の環境を調整するための情報及び手段として、対象プロファイルを提供することができる。
【0123】
また、例えば、取得部24は、さらに、1つ以上の機器40に関する機器情報を取得する。情報処理部22は、取得された室内環境情報及び機器情報に基づいて、複数の室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供する。
【0124】
このような室内環境制御システム10は、1つ以上の機器40の種別または能力などを考慮して、対象プロファイルを提供することができる。
【0125】
また、例えば、取得部24は、さらに、建物の外の室外環境情報を取得する。情報処理部22は、取得された室内環境情報及び室外環境情報に基づいて、複数の室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供する。
【0126】
このような室内環境制御システム10は、室外環境情報を考慮して、室内環境が悪化しないような対象プロファイルを提供することができる。
【0127】
また、例えば、取得部24は、さらに、1つ以上の機器に関する機器情報を取得する。情報処理部22は、取得された室内環境情報に基づいて選択される室内環境プロファイルが機器情報によって示される1つ以上の機器40によって再現できない場合に、建物の中を対象プロファイルに近づけるための、当該1つ以上の機器40の制御アルゴリズムを提供する。
【0128】
このような室内環境制御システム10は、対象プロファイルが再現できないと考えられる場合に、建物の中の室内環境を対象プロファイルに近づけることができる。
【0129】
また、例えば、取得部24は、さらに、1つ以上の機器40に関する機器情報を取得する。情報処理部22は、取得された室内環境情報に基づいて選択される室内環境プロファイルが機器情報によって示される1つ以上の機器40によって再現できない場合に、当該対象プロファイルを再現するために必要な機器を提示する。
【0130】
このような室内環境制御システム10は、対象プロファイルが再現できないと考えられる場合に、対象プロファイルを再現するための方法をユーザに提示することができる。
【0131】
また、例えば、取得部24は、さらに、1つ以上の機器40に関する機器情報を取得する。情報処理部22は、室内環境情報に基づいて選択される室内環境プロファイルを、機器情報に含まれる前記1つ以上の機器40の使用履歴情報に基づいてカスタマイズし、カスタマイズされた室内環境プロファイルを対象プロファイルとして提供する。
【0132】
このような室内環境制御システム10は、ユーザの嗜好を反映させた対象プロファイルを提供することができる。
【0133】
また、例えば、情報処理部22は、提供される対象プロファイルを用いた室内環境の調整前における室内環境を示す情報と、提供される対象プロファイルを用いた室内環境の調整後における室内環境を示す情報とをユーザに提示する。
【0134】
このような室内環境制御システム10は、調整前の室内環境と調整後の室内環境との違いをユーザに提示することができる。
【0135】
また、例えば、取得部24は、さらに、建物の外の室外環境情報を取得する。情報処理部22は、提供される対象プロファイルを用いた室内環境の調整後における室内環境を示す情報と、室外環境情報が示す室外環境を示す情報とをユーザに提示する。
【0136】
このような室内環境制御システム10は、室外環境と調整後の室内環境との違いをユーザに提示することができる。
【0137】
また、例えば、取得部24は、さらに、提供される対象プロファイルを用いた室内環境の調整中または調整後のタイミングにおける建物の中のセンシングされた環境を示すセンシング情報を取得する。情報処理部22は、センシング情報に基づいて1つ以上の機器40のメンテナンスの要否を判定する。
【0138】
このような室内環境制御システム10は、対象プロファイルが再現されるか否かを利用してメンテナンスの要否を判定することができる。
【0139】
また、例えば、情報処理部22は、1つ以上の機器40のメンテナンスが必要であると判定した場合に、メンテナンスが必要であることをユーザに通知する。
【0140】
このような室内環境制御システム10は、メンテナンスが必要であることをユーザに通知することができる。
【0141】
また、例えば、情報処理部22は、1つ以上の機器40のメンテナンスが必要であると判定した場合に、メンテナンスに使用される部材の発注処理を行う。
【0142】
このような室内環境制御システム10は、メンテナンスに使用される部材を発注することができる。
【0143】
また、例えば、情報処理部22は、1つ以上の機器40のメンテナンスが必要であると判定した場合に、メンテナンスが必要であることをメンテナンス事業者に通知する。
【0144】
このような室内環境制御システム10は、メンテナンスが必要であることをメンテナンス事業者に通知することができる。
【0145】
また、例えば、上記建物は、住宅11である。
【0146】
このような室内環境制御システム10は、住宅11の中の室内空間の環境を調整するための情報として、対象プロファイルを提供することができる。
【0147】
また、例えば、住宅11には、1つ以上の機器40を制御する制御装置30が設けられる。取得部24、及び、情報処理部22は、制御装置30によって備えられる。
【0148】
このような室内環境制御システム10は、住宅11に設けられた制御装置30によって対象プロファイルを提供する処理を実現することができる。
【0149】
また、例えば、住宅11の中には、複数の空間が含まれ、室内環境の調整は、複数の空間ごとに行われる。
【0150】
このような室内環境制御システム10は、住宅11の中の室内空間の環境を当該住宅11に含まれる複数の空間ごとに調整するための情報として、対象プロファイルを提供することができる。
【0151】
また、例えば、記憶部23に記憶された複数の室内環境プロファイルのそれぞれは、住宅11以外の建物において使用される室内環境プロファイルであって、取得部24が外部機器71等から取得した室内環境プロファイルであり、定期的に更新される。
【0152】
このような室内環境制御システム10は、外部機器71等から取得した室内環境プロファイルを記憶し、この中から選択された対象プロファイルを提供することができる。
【0153】
また、室内環境制御システム10などのコンピュータによって実行される室内環境制御方法は、建物の中の室内環境の調整に用いられる1つ以上の機器40を制御するための室内環境プロファイルを複数記憶し、センシングされた建物の中の環境、及び、ユーザが望む建物の中の環境の少なくとも一方を示す室内環境情報を取得し、取得された室内環境情報に基づいて、複数の室内環境プロファイルの一部を選択的に対象プロファイルとして提供する。
【0154】
このような室内環境制御方法は、室内空間の環境を調整するための情報として、対象プロファイルを提供することができる。
【0155】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る室内環境制御システムについて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0156】
例えば、上記実施の形態では、室内環境制御システムは、室内環境プロファイルを提供したが、空気質に重点を置き、空気質プロファイルを提供してもよい。つまり、上記実施の形態における室内環境プロファイルは、空気質プロファイルに読み代えられてもよい。
【0157】
また、上記実施の形態では、室内環境制御システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。室内環境制御システムが複数の装置によって実現される場合、室内環境制御システムが備える各構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0158】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0159】
また、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0160】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、上記実施の形態のプロファイル管理サーバ(または、プロファイル管理サーバに相当するシステム)として実現されてもよい。また、本発明は、上記実施の形態の室内環境制御システムなどのコンピュータによって実行される室内環境制御方法として実現されてもよい。本発明は、このような室内環境制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記憶された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0161】
また、上記実施の形態において説明されたフローチャートにおける複数の処理の順序は一例である。複数の処理の順序は、変更されてもよいし、複数の処理は、並行して実行されてもよい。また、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。
【0162】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0163】
10 室内環境制御システム
11 住宅
22 情報処理部
23 記憶部
24 取得部
30 制御装置
40 機器