(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】光制御システム及び光学反射素子
(51)【国際特許分類】
G02B 26/10 20060101AFI20240920BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20240920BHJP
B81B 7/02 20060101ALI20240920BHJP
B81B 3/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G02B26/10 104Z
G02B26/08 E
B81B7/02
B81B3/00
(21)【出願番号】P 2021561242
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(86)【国際出願番号】 JP2020040603
(87)【国際公開番号】W WO2021106488
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】P 2019214458
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】石田 貴巳
(72)【発明者】
【氏名】小牧 一樹
(72)【発明者】
【氏名】高山 了一
【審査官】小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-082625(JP,A)
【文献】特開2007-310196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/00-26/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を反射して往復動させる光学反射素子と、前記光学反射素子を制御する制御装置とを備えた光制御システムにおいて、
前記光学反射素子は、
基体と、
前記光を反射する反射体と、
それぞれ第一軸に沿って前記反射体を挟む位置に配置され、前記反射体を揺動させるための第一揺動部及び第二揺動部を備え、
前記第一揺動部及び前記第二揺動部の各々は、
前記第一軸に沿って配置され、前記反射体と先端部が連結される第一接続体と、
前記第一軸と交差する方向に延在し、前記第一接続体の基端部に連結される第一振動体と、
前記第一軸に対し前記第一振動体の逆側において前記第一軸と交差する方向に延在し、前記第一接続体の基端部に連結される第二振動体と、
前記第一軸に沿って延在し、基端部が前記第一振動体の先端部に連結され、前記第一振動体を介して前記第一接続体を動作させる第一駆動体と、
前記第一軸に沿って延在し、基端部が前記第二振動体の先端部に連結され、前記第二振動体を介して前記第一接続体を動作させる第二駆動体と、
前記基体に対し前記第一振動体及び前記第二振動体を振動自在に接続する第二接続体とを備え、
前記制御装置は、前記第一揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相で振動させる場合に、前記第二揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相であって、前記第一揺動部とは逆位相で振動させ
、
前記制御装置は、前記第一揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体が前記第一揺動部の前記第一接続体とは逆位相となるように、前記第一揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相で振動させる場合に、前記第二揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体が前記第二揺動部の前記第一接続体とは逆位相となるように、前記第二揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相で振動させる
光制御システム。
【請求項2】
前記光学反射素子は、
前記第一軸に交差する第二軸にそれぞれ沿って前記反射体を挟む位置に配置され、前記反射体を揺動させるための第三揺動部及び第四揺動部と、を備え、
前記第三揺動部及び前記第四揺動部の各々は、
前記第二軸に沿って配置され、前記反射体と先端部が連結される第三接続体と、
前記第二軸と交差する方向に延在し、前記第三接続体の基端部に連結される第三振動体と、
前記第二軸に対し前記第三振動体の逆側において前記第二軸と交差する方向に延在し、前記第三接続体の基端部に連結される第四振動体と、
前記第二軸に沿って延在し、基端部が前記第三振動体の先端部に連結され、前記第三振動体を介して前記第三接続体を動作させる第三駆動体と、
前記第二軸に沿って延在し、基端部が前記第四振動体の先端部に連結され、前記第四振動体を介して前記第三接続体を動作させる第四駆動体と、
前記基体に対し前記第三振動体及び前記第四振動体を振動自在に接続する第四接続体とを備える
請求項
1に記載の光制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第一揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相で振動させるとともに、前記第二揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相であって、前記第一揺動部とは逆位相で振動させる際に、前記反射体の揺動が増幅されるように、前記第三揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を逆位相で振動させるとともに、前記第四揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を逆位相で振動させる
請求項
2に記載の光制御システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第三揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を同位相で振動させるとともに、前記第四揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を同位相であって、前記第三揺動部とは逆位相で振動させる際に、前記反射体の揺動が増幅されるように、前記第一揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を逆位相で振動させるとともに、前記第二揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を逆位相で振動させる
請求項
3に記載の光制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第一揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相で振動させるとともに、前記第二揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相であって、前記第一揺動部とは逆位相で振動させる際には、前記第三揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体と、前記第四揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体とに対する電圧供給を停止し、
前記第三揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を同位相で振動させるとともに、前記第四揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を同位相であって、前記第三揺動部とは逆位相で振動させる際には、前記第一揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体と、前記第二揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体とに対する電圧供給を停止する
請求項
2に記載の光制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記第一揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相で振動させるとともに、前記第二揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相であって、前記第一揺動部とは逆位相で振動させる際には、
前記第三揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を第一揺動部と同位相で振動させるとともに、前記第四揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を、前記第二揺動部と同位相で振動させる場合と、
前記第三揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を第二揺動部と同位相で振動させるとともに、前記第四揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を、前記第一揺動部と同位相で振動させる場合とを切り替える
請求項
2に記載の光制御システム。
【請求項7】
前記制御装置は、
前記第一揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相で振動させ、かつ前記第二揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相であって前記第一揺動部とは逆位相で振動させる場合には、
前記第一揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体が前記第一揺動部の前記第一接続体とは逆位相となるように、前記第一揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相で振動させるとともに、前記第二揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体が前記第二揺動部の前記第一接続体とは逆位相となるように、前記第二揺動部の前記第一駆動体及び前記第二駆動体を同位相で振動させて、
前記第三揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を同位相で振動させ、かつ前記第四揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を同位相であって前記第三揺動部とは逆相で振動させる場合には、
前記第三揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体が前記第三揺動部の前記第三接続体とは逆位相となるように、前記第三揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を同位相で振動させるとともに、前記第四揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体が前記第四揺動部の前記第三接続体とは逆位相となるように、前記第四揺動部の前記第三駆動体及び前記第四駆動体を同位相で振動させる
請求項
3~6のいずれか一項に記載の光制御システム。
【請求項8】
前記反射体は、反射体本体と、前記反射体本体の周縁から周方向に所定の間隔をあけて突出した複数の柱部と、前記複数の柱部に連結された枠体とを備え、
前記枠体には、前記第一接続体の先端部が連結されている
請求項1~
7のいずれか一項に記載の光制御システム。
【請求項9】
基体と、
光を反射する反射体と、
それぞれ第一軸に沿って前記反射体を挟む位置に配置され、前記反射体を揺動させるための第一揺動部及び第二揺動部と、
前記第一軸に交差する第二軸にそれぞれ沿って前記反射体を挟む位置に配置され、前記反射体を揺動させるための第三揺動部及び第四揺動部と、を備え、
前記第一揺動部及び前記第二揺動部の各々は、
前記第一軸に沿って配置され、前記反射体と先端部が連結される第一接続体と、
前記第一軸と交差する方向に延在し、前記第一接続体の基端部に連結される第一振動体と、
前記第一軸に対し前記第一振動体の逆側において前記第一軸と交差する方向に延在し、前記第一接続体の基端部に連結される第二振動体と、
前記第一軸に沿って延在し、基端部が前記第一振動体の先端部に連結され、前記第一振動体を介して前記第一接続体を動作させる第一駆動体と、
前記第一軸に沿って延在し、基端部が前記第二振動体の先端部に連結され、前記第二振動体を介して前記第一接続体を動作させる第二駆動体と、
前記基体に対し前記第一振動体及び前記第二振動体を振動自在に接続する第二接続体とを備え、
前記第三揺動部及び前記第四揺動部のそれぞれは、
前記第二軸に沿って配置され、前記反射体と先端部が連結される第三接続体と、
前記第二軸と交差する方向に延在し、前記第三接続体の基端部に連結される第三振動体と、
前記第二軸に対し前記第三振動体の逆側において前記第二軸と交差する方向に延在し、前記第三接続体の基端部に連結される第四振動体と、
前記第二軸に沿って延在し、基端部が前記第三振動体の先端部に連結され、前記第三振動体を介して前記第三接続体を動作させる第三駆動体と、
前記第二軸に沿って延在し、基端部が前記第四振動体の先端部に連結され、前記第四振動体を介して前記第三接続体を動作させる第四駆動体と、
前記基体に対し前記第三振動体及び前記第四振動体を振動自在に接続する第四接続体とを備える光学反射素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光制御システム及び光学反射素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザ光を掃引させる光学反射素子は、例えば特許文献1に示されるように、反射体と、接続体と、振動体と、駆動体とを備えている。反射体は、レーザ光などを反射する。接続体は、反射体に接続されて自らがねじれることにより反射体を回転揺動させる。振動体は二本あり、それぞれアーム形状を有し、接続体に往復のねじれを発生させるために反射体の回転軸と交差する方向に延在する。駆動体は、二本の振動体をそれぞれ振動させる圧電素子などを備えている。このような光学反射素子は、接続体のねじれ方向にのみ反射体が回転するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本開示は、光学反射素子の性能を高めることを目的とする。
【0005】
本開示の一態様に係る光制御システムは、光学反射素子と、制御装置とを備えている。光学反射素子は、光を反射して往復動させる。制御装置は、光学反射素子を制御する。光学反射素子は、第一軸と、基体と、反射体と、第一揺動部と、第二揺動部とを備える。反射体は、光を反射する。第一揺動部及び第二揺動部は、それぞれ第一軸に沿った位置に配置される。また、第一揺動部と第二揺動部とは、互いに反射体を挟む位置に配置される。また、第一揺動部及び第二揺動部は、ともに反射体を揺動させる。第一揺動部及び第二揺動部の各々は、第一接続体と、第一振動体と、第二振動体と、第一駆動体と、第二駆動体と、第二接続体とを備える。第一接続体は、第一軸に沿って配置される。また、第一接続体の先端部は、反射体と連結される。第一振動体は、第一軸と交差する方向に延在する。また、第一振動体は、第一接続体の基端部に連結される。第二振動体は、第一軸に対し第一振動体の逆側において第一軸と交差する方向に延在する。また、第二振動体は、第一接続体の基端部に連結される。第一駆動体は、第一軸に沿って延在する。第一駆動体の基端部は、第一振動体の先端部に連結される。また、第一駆動体は、第一振動体を介して第一接続体を動作させる。第二駆動体は、第一軸に沿って延在する。第二駆動体の基端部は、第二振動体の先端部に連結される。また、第二駆動体は、第二振動体を介して第一接続体を動作させる。第二接続体は、基体に対し第一振動体及び第二振動体を振動自在に接続する。制御装置は、第一揺動部の第一駆動体及び第二駆動体を同位相で振動させる。制御装置は、第二揺動部の第一駆動体及び第二駆動体を同位相で振動させる。また、制御装置は、第二揺動部と第一揺動部とを、互いに逆位相で振動させる。
【0006】
また、本開示の別の一態様に係る光学反射素子は、第一軸と、第二軸と、基体と、反射体と、第一揺動部と、第二揺動部と、第三揺動部と、第四揺動部とを有する。第二軸は、第一軸と交差する。反射体は、光を反射する。第一揺動部及び第二揺動部は、それぞれ第一軸に沿った位置に配置される。また、第一揺動部及び第二揺動部は、互いに反射体を挟む位置に配置される。第一揺動部及び第二揺動部は、ともに反射体を揺動させる。第三揺動部及び第四揺動部はそれぞれ、第二軸に沿った位置に配置される。また、第三揺動部及び第四揺動部は、反射体を挟む位置に配置される。第三揺動部及び第四揺動部は、ともに反射体を揺動させる。第一揺動部及び第二揺動部の各々は、第一接続体と、第一振動体と、第二振動体と、第一駆動体と、第二駆動体と、第二接続体とを備える。第一接続体は、第一軸に沿って配置される。また、第一接続体の先端部は、反射体と連結される。第一接続体は、第一軸と交差する方向に延在する。また、第一振動体は、第一接続体の基端部に連結される。第二振動体は、第一軸に対し第一振動体の逆側において第一軸と交差する方向に延在する。また、第二振動体は、第一接続体の基端部に連結される。第一駆動体は、第一軸に沿って延在する。第一駆動体の基端部は、第一振動体の先端部に連結される。また、第一駆動体は、第一振動体を介して第一接続体を動作させる。第二駆動体は、第一軸に沿って延在する。第二駆動体の基端部は、第二振動体の先端部に連結される。また、第二駆動体は、第二振動体を介して第一接続体を動作させる。第二接続体は、基体に対し第一振動体及び第二振動体を振動自在に接続する。第三揺動部及び第四揺動部の各々は、第三接続体と、第三振動体と、第四振動体と、第三駆動体と、第四駆動体と、第四接続体とを備える。第三接続体は、第二軸に沿って配置される。また、第三接続体の先端部は、反射体と連結される。第三振動体は、第二軸と交差する方向に延在する。また、第三振動体は、第三接続体の基端部に連結される。第四振動体は、第二軸に対し第三振動体の逆側において第二軸と交差する方向に延在する。また、第四振動体は、第三接続体の基端部に連結される。第三駆動体は、第二軸に沿って延在する。また、第三駆動体の基端部は、第三振動体の先端部に連結される。第三駆動体は、第三振動体を介して第三接続体を動作させる。第四駆動体は、第二軸に沿って延在する。第四駆動体の基端部は、第四振動体の先端部に連結される。また、第四駆動体は、第四振動体を介して第三接続体を動作させる。第四接続体は、基体に対し第三振動体及び第四振動体を振動自在に接続する。
【0007】
本開示の技術により、光学反射素子の性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】実施の形態1に係る光学反射素子を示す平面図である。
【
図1B】同光学反射素子の
図1Aの1B-1B断面を示す断面図である。
【
図1C】同光学反射素子の
図1Aの1C-1C断面を示す断面図である。
【
図2】実施の形態1に係る光制御システムの制御構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る光学反射素子を動作させるための駆動信号の一例を示す説明図である。
【
図4】実施の形態1に係る光学反射素子において第二モードでの各部の動作を示す模式図である。
【
図5】実施の形態2に係る光学反射素子において第二モードでの各部の動作を示す模式図である。
【
図6】実施の形態3に係る光学反射素子を示す平面図である。
【
図7】実施の形態5に係る光学反射素子の回転軸を示す平面図である。
【
図8】実施の形態6に係る反射体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本開示に係る光制御システム及び光学反射素子の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示にかかる技術を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、図面は、本開示にかかる技術を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
【0011】
また、以下の説明及び図面中において、光学反射素子の厚み方向をZ軸方向と定義する。光学反射素子の第一軸と平行な方向をY軸方向と定義する。光学反射素子の第二軸と平行な方向をX軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(以下実施の形態では、直交)する方向である。さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0012】
[実施の形態1]
(光学反射素子)
まず、本開示に係る光学反射素子100について説明する。
図1Aは、実施の形態1に係る光学反射素子100を示す平面図である。
図1Bは、
図1Aに示す光学反射素子100の1B-1B断面を示す断面図である。
図1Cは、
図1Aに示す光学反射素子100の1C-1C断面を示す断面図である。
【0013】
光学反射素子100は、レーザ光などの光の反射角度を周期的に変更して光の照射位置を周期的に掃引する装置である。
図1Aに示すように、光学反射素子100は、矩形枠状の基体105と、反射体110と、第一揺動部210及び第二揺動部220とを備えている。第一揺動部210及び第二揺動部220は、基体105の内部にあり、ともに反射体110を揺動させるために設けられている。本実施の形態では、反射体110の一部と、第一揺動部210の一部と、第二揺動部220の一部と、基体105とは、1つの基板から不要部分を除去することにより一体的に成形される。具体的に例えば、半導体製造過程で用いられるエッチング技術を用いてシリコン基板の不要部分を除去することで、反射体110の一部と、第一揺動部210の一部と、第二揺動部220の一部と、基体105とが一体的に形成されている。光学反射素子100は、いわゆるMEMS(メムス:Micro Electro Mechanical Systems)である。
【0014】
ここで、基板を構成する材料は、特に限定されるものではないが、金属、結晶体、ガラス、樹脂など機械的強度及び高いヤング率を有する材料が好ましい。具体的には、シリコン、チタン、ステンレス、エリンバー、黄銅合金などの金属や合金などが例示される。これら金属、合金などを用いれば、振動特性、加工性に優れた光学反射素子100を実現できる。
【0015】
反射体110は、揺動することで光を反射する部分である。反射体110の形状は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、反射体110は円形の板状であり、反射対象の光を高い反射率で反射することができる反射部111を表面に備えている。反射部111の材質は、任意に選定することができ、例えば、金、銀、銅、アルミニウムなどの金属や金属化合物などが挙げられる。また、反射部111は複数層で構成されたものでもよい。さらに、反射部111は、反射体110の表面を平滑に磨くことにより形成されてもかまわない。反射部111は、平面ばかりでなく曲面であってもよい。第一軸11及び第二軸12は、互いに直交し、反射体110の中心を通過する中心軸である。
【0016】
第一揺動部210及び第二揺動部220は、それぞれ第一軸に沿って反射体110を挟む位置に配置されている。具体的には、第一揺動部210は、反射体110よりもY軸マイナス方向に配置されており、第二揺動部220は、反射体110よりもY軸プラス方向に配置されている。
【0017】
第一揺動部210と第二揺動部220とは、基本的な構成は同様であり、光学反射素子100の中心点を基準とした点対称となるように配置されている。このため、第一揺動部210の具体的構成について詳細に説明し、第二揺動部220の具体的構造については簡単に説明する。
【0018】
第一揺動部210は、第一接続体211と、第一振動体212と、第二振動体213と、第一駆動体214と、第二駆動体215と、第二接続体216とを備えている。
【0019】
第一接続体211は、第一軸11に沿って延設された長尺棒状の部位である。第一接続体211の先端部には、反射体110が連結されている。第一接続体211の基端部には、第一振動体212の基端部及び第二振動体213の基端部が連結されている。第一接続体211は、先端部で保持した反射体110に対して、動力を伝達するための部位である。具体的には、第一接続体211が第一軸11を中心にねじれた場合には、反射体110に対して第一軸11を中心とした回転揺動を伝達する。一方、第一接続体211がZ軸プラス方向-マイナス方向で振動した場合には、
図4の(a)、(b)に示すように第一接続体211がZ軸マイナス方向-プラス方向で振動する。その結果、反射体110に対して第二軸12を中心とした回転揺動を伝達する。
【0020】
第一接続体211の形状は、特に限定されるものではないが、自身がねじれることにより反射体110を回転揺動させる部材であるため、反射体110よりも幅(図中X軸方向の長さ)の狭い細い棒状となっている。
【0021】
「第一軸11に沿う」とは、本実施の形態のように、第一接続体211が真っ直ぐに沿う場合に限られない。第一接続体211が蛇行状に湾曲したり、ジグザグに屈曲したりしていても、仮想的に真っ直ぐな第一軸11に全体として沿う場合は、「第一軸11に沿う」に含まれるものとしている。
【0022】
また、本明細書、及び請求の範囲において「交差」とは、二本の線が接触する交差ばかりでなく二本の線が接触しない立体交差も含むものとして用いている。
【0023】
第一振動体212及び第二振動体213を含む振動体は、X軸方向に延在する部位であり、振動することにより反射体110を動作させるためのアーム状の部位である。具体的には、第一振動体212及び第二振動体213は、第一軸11を中心とする周方向に振動することにより、第一軸11を中心に反射体110を回転揺動させるためのトルクを発生させる。また、第一振動体212及び第二振動体213は、Z軸方向に振動することにより、第二軸12を中心に反射体110を回転揺動させるためのトルクを発生させる。
【0024】
第一振動体212は、第一軸11と交差する方向に配置され、第一接続体211の基端部に連結されている。第二振動体213は、第一軸11に対し第一振動体212の逆側において第一軸11と交差する方向に配置され、第一接続体211の基端部に連結されている。
【0025】
本実施の形態の場合、第一振動体212は、X軸方向に延在する矩形棒状の部材であり、第二振動体213は、X軸方向において第一振動体212の逆方向に延在する矩形棒状の部材である。
【0026】
また、第一振動体212の基端部と第二振動体213の基端部とは連結体217により一体に連結されている。これにより、第一振動体212と第二振動体213とは、第一軸11を中心にして、第一軸11に対し直交する方向に延在する真っ直ぐな棒状となっている。
【0027】
第一駆動体214及び第二駆動体215を含む駆動体は、振動体を振動させるための駆動力を発生させる部材である。第一駆動体214は、第一振動体212の先端部に連結される。また、第一駆動体214は、第一振動体212を振動させる部材である。第二駆動体215は、第二振動体213の先端部に連結される。また、第二駆動体215は、第二振動体213を振動させる部材である。
【0028】
第一駆動体214は、第一駆動本体部2141と、第一圧電素子2142とを備えている。第一駆動本体部2141は、基端部が第一振動体212の先端部に一体に連結される。また、第一駆動本体部2141は、第一軸11に沿って反射体110に向かって延在した棒状体である。第一駆動本体部2141の表面には、第一圧電素子2142が設けられている。
【0029】
第一圧電素子2142は、第一駆動本体部2141の表面に第一軸11に沿って配置された細長い板形状の圧電素子である。この第一圧電素子2142に周期的に変動する電圧を印加することにより第一圧電素子2142が伸縮を繰り返す。この第一圧電素子2142の動きに対応して第一駆動本体部2141が湾曲と復帰とを繰り返す。第一駆動本体部2141は、第一振動体212に連結している基端部よりも突出している先端部が大きく振動し、第一駆動体214全体の振動エネルギーが第一振動体212の先端に伝達する。
【0030】
第二駆動体215も第一駆動体214と同様に、第二駆動本体部2151と第二圧電素子2152とを備える。第二駆動体215は、第一軸11を含み反射体110の表面に直交する仮想的な面に対し第一駆動体214と対称の位置に配置されている。第二駆動体215は、基端部が第二振動体213の先端に接続されている。また、第二駆動体215の動作も第一駆動体214の動作と同様である。
【0031】
本実施の形態の場合、圧電素子は、例えば、薄膜積層型圧電アクチュエータである。薄膜積層型圧電アクチュエータは、駆動体本体部の表面に形成された、電極と圧電体とを厚さ方向に積層した積層体構造からなる。これによって、駆動体をより薄型にすることができる。
【0032】
なお、駆動体は、圧電素子の歪により振動するものばかりでなくともよい。その他の駆動体としては、例えば、磁場、電場との相互作用により力が発生する部材または装置などを備えてもよい。当該部材または装置として、外部装置により発生させた磁場及び電場の少なくとも一方を変化させ、また自身が発生させる磁場及び電場の少なくとも一方を変化させることにより振動する部材または装置でもかまわない。また、圧電体を構成する材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの高い圧電定数を有する圧電体材料を例示することができる。
【0033】
基体105は、光学反射素子100を外部の構造部材などに取り付けるための部材であり、Y軸方向に長尺な矩形枠状を有している。具体的には、基体105は、それぞれX軸方向に延在し、かつY軸方向で対向する第一辺部51及び第二辺部52を有している。また、基体105は、それぞれY軸方向に延在し、かつX軸方向で対向する第三辺部53及び第四辺部54を有している。
【0034】
第一辺部51の内方中央部には、第一振動体212及び第二振動体213を振動自在に接続する第二接続体216が連結されている。第二接続体216は、第一軸11に沿って配置されている。第二接続体216の基端部は、第一辺部51に連結される。第二接続体216の先端部は、連結体217を介して第一振動体212の基端部及び第二振動体213の基端部に連結されている。
【0035】
第二接続体216の形状は、特に限定されるものではないが、第一振動体212及び第二振動体213の振動により自身がねじれることにより、第一辺部51に対して第一接続体211のねじれを許容する部材である。そのため、第二接続体216の形状は棒状であり、第二接続体216のねじり剛性の値は、第一接続体211のねじり剛性の値よりも大きくしている。
【0036】
なお、第二接続体216も第一接続体211と同様、第一軸11に真っ直ぐに沿う場合ばかりでなく、蛇行状に湾曲したり、ジグザグに屈曲したりしていてもかまわない。このような場合も、第一接続体211における第一軸11周りのねじり剛性の値を、第二接続体216における第一軸11周りのねじり剛性の値よりも小さくしている。なお、ここで「ねじり剛性」とは、例えば棒をねじったときのねじりに対する抵抗を示す。ねじり剛性の値が大きいほど、棒をねじるときにねじりにくいことを示す。例えば、上の例では、第二接続体216のほうが第一接続体211よりもねじりにくいことを示す。
【0037】
次に、第二揺動部220の具体的構造について説明する。上述したように、第二揺動部220は、第一揺動部210と基本的な構成は同様である。第二揺動部220は、第一揺動部210に対して、光学反射素子100の中心点を基準とした点対称となるように配置されている。このため、第二揺動部220の各部と、第一揺動部210の各部との対応関係を中心に説明する。
【0038】
第二揺動部220は、第一接続体221と、第一振動体222と、第二振動体223と、第一駆動体224と、第二駆動体225と、第二接続体226とを備えている。
【0039】
第一接続体221は、第一揺動部210の第一接続体211に対応する部位である。第一振動体222は、第一揺動部210の第一振動体212に対応する部位である。第二振動体223は、第一揺動部210の第二振動体213に対応する部位である。第一振動体222及び第二振動体223は、第一揺動部210の第一振動体212及び第二振動体213に対してX軸方向における位置関係が逆となっている。第一振動体222の基端部と第二振動体223の基端部とは連結体227により一体に連結されている。
【0040】
第一駆動体224は、第一揺動部210の第一駆動体214に対応する部位である。第二駆動体225は、第一揺動部210の第二駆動体215に対応する部位である。第一駆動体224及び第二駆動体225は、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体225に対してX軸方向における位置関係が逆となっている。第一駆動体224は、第一駆動本体部2241と第一圧電素子2242とを有しており、これらが第一駆動体214の第一駆動本体部2141と第一圧電素子2142に対応している。第二駆動体225は、第二駆動本体部2251と第二圧電素子2252とを有しており、これらが第二駆動体215の第二駆動本体部2151と第二圧電素子2152に対応している。
【0041】
第二接続体226は、第一揺動部210の第二接続体216に対応する部位である。第二接続体226は、第一軸11に沿って配置されている、基端部が第二辺部52に連結され、先端部が連結体227を介して第一振動体222の基端部及び第二振動体223の基端部に連結されている。
【0042】
(光制御システム)
次に、上記の光学反射素子100を備えた光制御システム10について説明する。
図2は、実施の形態1に係る光制御システム10の制御構成を示すブロック図である。
【0043】
図2に示すように、光制御システム10は、光学反射素子100と、光学反射素子100を制御する制御装置20とを備えている。光学反射素子100には、複数のモニタ素子が適切な位置に取り付けられている。モニタ素子は、各振動体の湾曲状態を歪みとして検出する素子である。モニタ素子からの出力を測定することにより反射体110の揺動の状態を正確にモニタリングすることができる。具体的には、第一揺動部210には、第一振動体212の歪みを検出する第一モニタ素子218と、第二振動体213の歪みを検出する第二モニタ素子219とが設けられている。第二揺動部220には、第一振動体222の歪みを検出する第一モニタ素子228と、第二振動体223の歪みを検出する第二モニタ素子229とが設けられている。
【0044】
制御装置20は、角度検出回路21と、駆動回路22と、制御回路23とを備えている。角度検出回路21は、各モニタ素子(第一モニタ素子218、228、第二モニタ素子219、229)からの検出信号を受信し、当該検出信号に基づいて、反射体110の角度情報を検出し、当該角度情報を制御回路23に出力する回路である。
【0045】
駆動回路22は、制御回路23からの駆動信号に基づいて、各圧電素子(第一圧電素子2142、2242、第二圧電素子2152、2252)に周期的な電圧を出力する回路である。
【0046】
制御回路23は、角度検出回路21から入力された反射体110の角度情報に基づき、反射体110が任意の角度となるように、駆動回路22に出力する駆動信号を調整する回路である。
【0047】
なお、ここでは、角度検出回路21と、駆動回路22と、制御回路23とが専用の回路である場合を例示した。しかしながら、制御装置20は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は二つ以上の電子回路によって実行されてもよい。LSI又はICは、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。
【0048】
(動作)
次に、光学反射素子100の動作について説明する。光学反射素子100は、制御装置20の制御に基づき動作する。制御装置20は、反射体110を第一軸11周りに回転揺動させる第一モードと、反射体110を第二軸12周りに回転揺動させる第二モードとを実行することができる。
【0049】
図3は、実施の形態1に係る光学反射素子100を動作させるための駆動信号の一例を示す説明図である。駆動信号は、各圧電素子を周期的に変動させるAC電圧を印加するための信号である。駆動信号の周波数は、各駆動体を振動可能な共振周波数となっている。
図3では、駆動信号の一例として、第一駆動信号W1の波形と、第二駆動信号W2の波形とを一周期だけ図示している。第二駆動信号W2は、第一駆動信号W1に対して逆位相の波形となっている。制御装置20は、各圧電素子に対する第一駆動信号W1と第二駆動信号W2とを組み合わせることで、第一モードと第二モードとを実行している。
【0050】
(第一モード)
第一モードでの動作について説明する。第一モードでは、例えば、制御装置20は、反射体110よりもX軸プラス方向に配置された一対の圧電素子に対して第一駆動信号W1を印加し、反射体110よりもX軸マイナス方向に配置された一対の圧電素子に対して第二駆動信号W2を印加する。具体的には、制御装置20は、第一揺動部210の第一圧電素子2142と、第二揺動部220の第二圧電素子2252とに対して第一駆動信号W1を印加し、第一揺動部210の第二圧電素子2152と、第二揺動部220の第一圧電素子2242とに対して第二駆動信号W2を印加する。これにより、第一揺動部210では、第一駆動体214及び第一振動体212と、第二駆動体215及び第二振動体213とが第一軸11を中心にした周方向で、同一方向に回転揺動する。一方、第二揺動部220においても、第一揺動部210と同様に、第一駆動体224及び第一振動体222と、第二駆動体225及び第二振動体223とが第一軸11を中心にした周方向で、同一方向に回転揺動する。これにより、第一接続体211、221には、第一軸11を中心としたねじれが生じるので、反射体110も第一軸11を中心にして回転揺動することなる(
図1Aにおける矢印Y1参照)。
【0051】
(第二モード)
次に、第二モードの動作について説明する。第二モードでは、例えば、制御装置20は、第一揺動部210の第一圧電素子2142及び第二圧電素子2152に対して第一駆動信号W1を印加し、第二揺動部220の第一圧電素子2242及び第二圧電素子2252に対して第二駆動信号W2を印加する。
【0052】
図4は、実施の形態1に係る光学反射素子100において第二モードでの各部の動作を示す模式図である。
図4では、第一接続体211、221は破線で示している。また、
図4では、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215と、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225と、反射体110とを実線で示している。また、
図4では、光学反射素子100のZ軸方向での中心線を一点鎖線で示している。
【0053】
図4の(a)では、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215の先端がZ軸プラス方向で変位量が最も大きい地点にあり、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225の先端がZ軸マイナス方向で変位量が最も大きい地点にある場合を示している。第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215の先端がZ軸プラス方向にある場合には、第一接続体211はZ軸プラス方向に向けて凸状に湾曲している。一方、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225の先端がZ軸マイナス方向にある場合には、第一接続体221はZ軸マイナス方向に向けて凸状に湾曲している。
【0054】
図4の(b)では、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215の先端がZ軸マイナス方向で変位量が最も大きい地点にあり、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225の先端がZ軸プラス方向で変位量が最も大きい地点にある場合を示している。第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215の先端がZ軸マイナス方向にある場合には、第一接続体211はZ軸マイナス方向に向けて凸状に湾曲している。一方、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225の先端がZ軸プラス方向にある場合には、第一接続体221はZ軸プラス方向に向けて凸状に湾曲している。
【0055】
第二モードの実行時には、
図4の(a)の状態と、
図4の(b)の状態とが繰り返し遷移される。この際、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215は、第一揺動部210の第一接続体211と同位相で振動している。一方、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225は、第二揺動部220の第一接続体221と同位相で振動している。第一接続体211、221は波打つように振動するので、反射体110が第二軸12を中心にして回転揺動をすることになる(
図1Aにおける矢印Y2参照)。
【0056】
(効果など)
以上のように、本実施の形態に係る光制御システム10によれば、光を反射して往復動させる光学反射素子100と、光学反射素子100を制御する制御装置20とを備えている。光学反射素子100は、第一軸11と、光を反射する反射体110と、基体105と、第一揺動部210と、第二揺動部220とを備えている。第一揺動部210及び第二揺動部220は、互いに第一軸11に沿って反射体110を挟む位置に配置される。また、第一揺動部210及び第二揺動部220は、それぞれ反射体110を揺動させる。
【0057】
第一揺動部210は、第一接続体211、第一振動体212、第二振動体213、第一駆動体214、第二駆動体215および第二接続体216を備えている。
【0058】
第一接続体211は、第一軸11に沿って配置される。また、第一接続体の先端部は、反射体110と連結される。
【0059】
第一振動体212は、第一軸11と交差する方向に延在する。また、第一振動体212は、第一接続体211の基端部に連結される。
【0060】
第二振動体213は、第一軸11に対し第一振動体212の逆側において第一軸11と交差する方向に延在する。また、第二振動体213は、第一接続体211の基端部に連結される。
【0061】
第一駆動体214は、第一軸11に沿って延在する。第一駆動体214の基端部は、第一振動体212の先端部に連結される。また、第一駆動体214は、第一振動体212を介して第一接続体211を動作させる。
【0062】
第二駆動体215は、第一軸11に沿って延在する。第二駆動体215の基端部は、第二振動体213の先端部に連結される。また、第二駆動体215は、第二振動体213を介して第一接続体211を動作させる。
【0063】
第二接続体216は、基体105に対し第一振動体212及び第二振動体213を、ともに振動自在に接続する。
【0064】
第二揺動部220は、第一接続体221、第一振動体222、第二振動体223、第一駆動体224、第二駆動体225および第二接続体226を備えている。
【0065】
第一接続体221は、第一軸11に沿って配置される。また、第一接続体221の先端部は、反射体110と連結される。
【0066】
第一振動体222は、第一軸11と交差する方向に延在する。また、第一振動体222は、第一接続体221の基端部に連結される。
【0067】
第二振動体223は、第一軸11に対し第一振動体222の逆側において第一軸11と交差する方向に延在する。また、第二振動体223は、第一接続体221の基端部に連結される。
【0068】
第一駆動体224は、第一軸11に沿って延在する。第一駆動体224の基端部は、第一振動体222の先端部に連結される。また、第一駆動体224は、第一振動体222を介して第一接続体221を動作させる。
【0069】
第二駆動体225は、第一軸11に沿って延在する。第二駆動体225の基端部は、第二振動体223の先端部に連結される。第二駆動体225は、第二振動体223を介して第一接続体221を動作させる。
【0070】
第二接続体226は、基体105に対し第一振動体222及び第二振動体223を、ともに振動自在に接続する。
【0071】
制御装置20は、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215を同位相で振動させるとともに、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225を同位相であって、第一揺動部210とは逆位相で振動させる。
【0072】
これによれば、制御装置20が、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215を同位相で振動させながら、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225を同位相であって、第一揺動部210とは逆位相で振動させている。これにより、第二軸12を中心にして反射体110を回転揺動させることができる。従来では、第一接続体211、221をねじることで、第一軸11を中心に反射体110を回転揺動させることしかできなかった。一方、本実施の形態に係る光制御システム10であれば、圧電素子を増やさなくとも、第二軸12を中心に反射体110を回転揺動させることが可能である。したがって、反射体110の揺動範囲を広げることができ、光学反射素子100の性能を高めることが可能である。
【0073】
[実施の形態2]
次に、実施の形態2について説明する。なお、以降の説明において、上記実施の形態1と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0074】
実施の形態2では、第二モードでの制御装置20の制御方法が実施の形態1とは異なる。具体的には、第二モードにおいて、制御装置20は、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215が第一揺動部210の第一接続体211とは逆位相となるように、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215を同位相で振動させる。この際、制御装置20は、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225が第二揺動部220の第一接続体221とは逆位相となるように、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225を同位相で振動させる。
【0075】
実施の形態2における第二モードでは、例えば、制御装置20は、第一揺動部210の第一圧電素子2142及び第二圧電素子2152に対して第一駆動信号を印加し、第二揺動部220の第一圧電素子2242及び第二圧電素子2252に対して第二駆動信号を印加する。このとき、第一駆動信号と第二駆動信号とは、逆位相である。また、第一駆動信号及び第二駆動信号は、ともに実施の形態1における第一駆動信号W1及び第二駆動信号W2よりも高い周波数を有する駆動信号となっている。第一駆動信号と第二駆動信号とは、光学反射素子100の素材、形状、大きさなどに依存して決定されるため、各種実験、シミュレーションなどを行うことにより求めることができる。
【0076】
図5は、実施の形態2に係る光学反射素子100において第二モードでの各部の動作を示す模式図である。
図5では、第一接続体211、221は破線で示している。また、
図5では、光学反射素子100のZ軸方向での中心線を一点鎖線で示している。
【0077】
図5の(a)では、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215の先端がZ軸プラス方向で変位量が最も大きい地点にあり、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225の先端がZ軸マイナス方向で変位量が最も大きい地点にある場合を示している。第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215の先端がZ軸プラス方向にある場合には、第一接続体211はZ軸マイナス方向に向けて凸状に湾曲している。一方、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225の先端がZ軸マイナス方向にある場合には、第一接続体221はZ軸プラス方向に向けて凸状に湾曲している。
【0078】
図5の(b)では、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215の先端がZ軸マイナス方向で変位量が最も大きい地点にあり、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225の先端がZ軸プラス方向で変位量が最も大きい地点にある場合を示している。第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215の先端がZ軸マイナス方向にある場合には、第一接続体211はZ軸プラス方向に向けて凸状に湾曲している。一方、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225の先端がZ軸プラス方向にある場合には、第一接続体221はZ軸マイナス方向に向けて凸状に湾曲している。
【0079】
第二モードの実行時には、
図5の(a)の状態と、
図5の(b)の状態とが繰り返し遷移される。この際、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215は、第一揺動部210の第一接続体211とは逆位相で振動している。一方、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225は、第二揺動部220の第一接続体221とは逆位相で振動している。このように、第一駆動体214、224及び第二駆動体215、225と、第一接続体211、221との変位方向が相反することとなるので、第一揺動部210及び第二揺動部220内で振動の閉じ込め効果が発生する。したがって、反射体110を回転させるための共振モード、つまり光学反射素子100が有する共振モード(駆動モード)の共振尖鋭度(Q値)が高くなる。共振尖鋭度(Q値)が高くなれば、反射体110の振れ角特性を高くすることができる。つまり、実施の形態2では、第二モードにおいて実施の形態1の反射体110よりも大きな範囲で反射体110を回転揺動させることが可能である。ここで、振動の閉じ込め効果とは、第一揺動部210および第二揺動部220を駆動(振動)させた際、その構造体の内部で、振動が完結し(振動が第二接続体等の固定端側に伝わらない)、揺動部を固定するための第二接続体や基体に振動が伝わらないことをいう。その結果、振動子として理想的な共振モードでの駆動が可能になる。すなわち、高いQ値で第一揺動部210および第二揺動部220を振動させることが可能になる。
【0080】
(効果など)
以上のように、本実施の形態によれば、制御装置20は、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215が第一揺動部210の第一接続体211とは逆位相となるように、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215を同位相で振動させる。それとともに、制御装置20は、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225が第二揺動部220の第一接続体221とは逆位相となるように、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225を同位相で振動させる。
【0081】
このように、第一駆動体214、224及び第二駆動体215、225の各々の変位方向と、対応する第一接続体211または221の変位方向が相反することとなるので、第一揺動部210及び第二揺動部220内で振動の閉じ込め効果を発生させることができる。したがって、反射体110の振れ角特性を高くすることができ、結果的に光学反射素子100の性能が高められる。
【0082】
[実施の形態3]
次に、実施の形態3について説明する。なお、以降の説明において、上記実施の形態1と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0083】
実施の形態3では、第一揺動部210と第二揺動部220とに加えて、第三揺動部230と第四揺動部240とを備えた光学反射素子100Aについて説明する。
【0084】
図6は、実施の形態3に係る光学反射素子100Aを示す平面図である。具体的には、
図6は
図1Aに対応する図である。
図6に示すように、光学反射素子100Aは、略正方形状の基体105aを有しており、その内方に第一揺動部210、第二揺動部220、第三揺動部230及び第四揺動部240が設けられている。
【0085】
第三揺動部230及び第四揺動部240は、第一揺動部210及び第二揺動部220とともに反射体110を揺動させるための部位である。第三揺動部230及び第四揺動部240は、第二軸12にそれぞれ沿って反射体110を挟む位置に配置されている。
【0086】
第三揺動部230及び第四揺動部240は、第一揺動部210と基本的な構成は同様である。例えば、第三揺動部230は、光学反射素子100Aの中心点を基準として、第一揺動部210を反時計回りに90度回転させた位置に配置されている。一方、第四揺動部240は、光学反射素子100Aの中心点を基準として、第一揺動部210を時計回りに90度回転させた位置に配置されている。
【0087】
次に、第三揺動部230の具体的構造について説明する。上述したように、第三揺動部230は、第一揺動部210と基本的な構成は同様である。このため、第三揺動部230の各部と、第一揺動部210の各部との対応関係を中心に説明する。
【0088】
第三揺動部230は、第三接続体231と、第三振動体232と、第四振動体233と、第三駆動体234と、第四駆動体235と、第四接続体236とを備えている。
【0089】
第三接続体231は、第三接続体の一例であり、第一揺動部210の第一接続体211に対応する部位である。第三接続体231は、第二軸12に沿って配置されている。
【0090】
第三振動体232は、第三振動体の一例であり、第一揺動部210の第一振動体212に対応する部位である。第四振動体233は、第四振動体の一例であり、第一揺動部210の第二振動体213に対応する部位である。第三振動体232及び第四振動体233は、Y軸方向に延在している。第三振動体232は、第二軸12よりもY軸プラス方向に配置されており、第四振動体233は、第二軸12よりもY軸マイナス方向に配置されている。第三振動体232の基端部と第四振動体233の基端部とは連結体237により一体に連結されている。
【0091】
第三駆動体234は、第三駆動体の一例であり、第一揺動部210の第一駆動体214に対応する部位である。第四駆動体235は、第四駆動体の一例であり、第一揺動部210の第二駆動体215に対応する部位である。第三駆動体234及び第四駆動体235は、第二軸12に沿って延在している。第三駆動体234は、第二軸12よりもY軸プラス方向に配置されており、第四駆動体235は、第二軸12よりもY軸マイナス方向に配置されている。
【0092】
第三駆動体234は、第三駆動本体部2341と第三圧電素子2342とを有しており、これらが第一駆動体214の第一駆動本体部2141と第一圧電素子2142に対応している。第四駆動体235は、第四駆動本体部2351と第四圧電素子2352とを有しており、これらが第二駆動体215の第二駆動本体部2151と第二圧電素子2152に対応している。図示は省略するが、第三圧電素子2342と第四圧電素子2352は、制御装置20の駆動回路22に電気的に接続されている。
【0093】
第四接続体236は、第四接続体の一例であり、第一揺動部210の第二接続体216に対応する部位である。第四接続体236は、第二軸12に沿って配置されており、基端部が第三辺部53に連結され、先端部が連結体237を介して第三振動体232の基端部及び第四振動体233の基端部に連結されている。
【0094】
図示は省略するが、第三揺動部230には、第三振動体232の歪みを検出する第一モニタ素子と、第四振動体233の歪みを検出する第二モニタ素子とが設けられている。第三揺動部230の第一モニタ素子及び第二モニタ素子は、制御装置20の角度検出回路21に電気的に接続されている。
【0095】
次に、第四揺動部240の具体的構造について説明する。上述したように、第四揺動部240は、第一揺動部210と基本的な構成は同様である。このため、第四揺動部240の各部と、第一揺動部210の各部との対応関係を中心に説明する。
【0096】
第四揺動部240は、第三接続体241と、第三振動体242と、第四振動体243と、第三駆動体244と、第四駆動体245と、第四接続体246とを備えている。
【0097】
第三接続体241は、第一揺動部210の第一接続体211に対応する部位である。第三接続体241は、第二軸12に沿って配置されている。
【0098】
第三振動体242は、第一揺動部210の第一振動体212に対応する部位である。第四振動体243は、第一揺動部210の第二振動体213に対応する部位である。第三振動体242及び第四振動体243は、Y軸方向に延在している。第三振動体242は、第二軸12よりもY軸マイナス方向に配置されている。第四振動体243は、第二軸12よりもY軸プラス方向に配置されている。第三振動体242の基端部と第四振動体243の基端部とは連結体247により一体に連結されている。
【0099】
第三駆動体244は、第一揺動部210の第一駆動体214に対応する部位である。第四駆動体245は、第一揺動部210の第二駆動体215に対応する部位である。第三駆動体244及び第四駆動体245は、第二軸12に沿って延在している。第三駆動体244は、第二軸12よりもY軸マイナス方向に配置されており、第四駆動体245は、第二軸12よりもY軸プラス方向に配置されている。
【0100】
第三駆動体244は、第三駆動本体部2441と第三圧電素子2442とを有しており、これらが第一駆動体214の第一駆動本体部2141と第一圧電素子2142に対応している。第四駆動体245は、第四駆動本体部2451と第四圧電素子2452とを有しており、これらが第二駆動体215の第二駆動本体部2151と第二圧電素子2152に対応している。図示は省略するが、第三圧電素子2442と第四圧電素子2452は、制御装置20の駆動回路22に電気的に接続されている。
【0101】
第四接続体246は、第一揺動部210の第二接続体216に対応する部位である。第四接続体246は、第二軸12に沿って配置されており、基端部が第四辺部54に連結され、先端部が連結体237を介して第三振動体242の基端部及び第四振動体243の基端部に連結されている。
【0102】
図示は省略するが、第四揺動部240には、第三振動体242の歪みを検出する第一モニタ素子と、第四振動体243の歪みを検出する第二モニタ素子とが設けられている。第四揺動部240の第一モニタ素子及び第二モニタ素子は、制御装置20の角度検出回路21に電気的に接続されている。
【0103】
(動作)
次に、光学反射素子100Aの動作について説明する。光学反射素子100Aは、制御装置20の制御に基づき動作する。制御装置20は、反射体110を第一軸11周りに回転揺動させる第一モードと、反射体110を第二軸12周りに回転揺動させる第二モードとを実行することができる。
【0104】
(第一モード)
第一モードでの動作について説明する。第一モードでは、制御装置20は、第三揺動部230の第三圧電素子2342及び第四圧電素子2352に対して第一駆動信号W1を印加し、第四揺動部240の第三圧電素子2442及び第四圧電素子2452に対して第二駆動信号W2を印加する。これにより、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235は、第三揺動部230の第三接続体231と同位相で振動する。一方、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245は、第四揺動部240の第三接続体241と同位相で振動する。これにより、第三接続体231、241は波打つように振動するので、反射体110が第一軸11を中心にして回転揺動をすることになる(
図6における矢印Y1参照)。
【0105】
このとき、制御装置20は、反射体110の揺動が増幅されるように、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215を逆位相で振動させるとともに、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225を逆位相で振動させている。具体的には、制御装置20は、第一揺動部210の第一圧電素子2142と、第二揺動部220の第二圧電素子2252とに対して第一駆動信号W1を印加し、第一揺動部210の第二圧電素子2152と、第二揺動部220の第一圧電素子2242とに対して第二駆動信号W2を印加する。これにより、第一接続体211、221には、第一軸11を中心としたねじれが生じるので、第一軸11を中心にした反射体110の回転揺動が増幅されることになる。
【0106】
(第二モード)
第二モードでの動作について説明する。第二モードでは、制御装置20は、第一揺動部210の第一圧電素子2142及び第二圧電素子2152に対して第一駆動信号W1を印加し、第二揺動部220の第一圧電素子2242及び第二圧電素子2252に対して第二駆動信号W2を印加する。これにより、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215は、第一揺動部210の第一接続体211と同位相で振動する。一方、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225は、第二揺動部220の第一接続体221と同位相で振動する。これにより、第一接続体211、221は波打つように振動するので、反射体110が第二軸12を中心にして回転揺動をすることになる(
図6における矢印Y2参照)。
【0107】
このとき、制御装置20は、反射体110の揺動が増幅されるように、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235を逆位相で振動させるとともに、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245を逆位相で振動させている。具体的には、制御装置20は、第三揺動部230の第三圧電素子2342と、第四揺動部240の第四圧電素子2452とに対して第一駆動信号W1を印加し、第三揺動部230の第四圧電素子2352と、第四揺動部240の第三圧電素子2442とに対して第二駆動信号W2を印加する。これにより、第三接続体231、241には、第二軸12を中心としたねじれが生じるので、第二軸12を中心にした反射体110の回転揺動が増幅されることになる。
【0108】
(効果など)
以上のように、本実施の形態によれば、制御装置20は、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215を同位相で振動させるとともに、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225を同位相であって第一揺動部210とは逆位相で振動させる。その際、制御装置20は、反射体110の揺動が増幅するように、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235を逆位相で振動させるとともに、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245を逆位相で振動させる。
【0109】
これによれば、第二モードでの反射体110の回転揺動を増幅させることができる。したがって、第二モード時の反射体110の振れ角特性を高くすることができ、結果的に光学反射素子100の性能が高められる。
【0110】
また、本実施の形態によれば、制御装置20は、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235を同位相で振動させるとともに、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245を同位相であって、第三揺動部230とは逆位相で振動させる。その際、制御装置20は、反射体110の揺動が増幅するように、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215を逆位相で振動させるとともに、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225を逆位相で振動させる。
【0111】
これによれば、第一モードでの反射体110の回転揺動を増幅させることができる。したがって、第一モード時の反射体110の振れ角特性を高くすることができ、結果的に光学反射素子100の性能が高められる。
【0112】
[実施の形態4]
次に、実施の形態4について説明する。なお、以降の説明において、上記実施の形態3と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0113】
(第一モード)
第一モードでの動作について説明する。第一モードでは、制御装置20は、第三揺動部230の第三圧電素子2342及び第四圧電素子2352に対して第一駆動信号W1を印加し、第四揺動部240の第三圧電素子2442及び第四圧電素子2452に対して第二駆動信号W2を印加する。これにより、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235は、第三揺動部230の第三接続体231と同位相で振動する。一方、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245は、第四揺動部240の第三接続体241と同位相で振動する。これにより、第三接続体231、241は波打つように振動するので、反射体110が第一軸11を中心にして回転揺動をすることになる(
図6における矢印Y1参照)。
【0114】
このとき、制御装置20は、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215と、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225とに対する電圧供給を停止している。
【0115】
(第二モード)
第二モードでの動作について説明する。第二モードでは、制御装置20は、第一揺動部210の第一圧電素子2142及び第二圧電素子2152に対して第一駆動信号W1を印加し、第二揺動部220の第一圧電素子2242及び第二圧電素子2252に対して第二駆動信号W2を印加する。これにより、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215は、第一揺動部210の第一接続体211と同位相で振動する。一方、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225は、第二揺動部220の第一接続体221と同位相で振動する。これにより、第一接続体211、221は波打つように振動するので、反射体110が第二軸12を中心にして回転揺動をすることになる(
図6における矢印Y2参照)。
【0116】
このとき、制御装置20は、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235と、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245とに対する電圧供給を停止している。
【0117】
(効果など)
以上のように、本実施の形態によれば、制御装置20は、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215を同位相で振動させるとともに、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225を同位相であって、第一揺動部210とは逆位相で振動させることができる。その際には、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235と、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245とに対する電圧供給を停止する。
【0118】
また、制御装置20は、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235を同位相で振動させるとともに、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245を同位相であって、第三揺動部230とは逆位相で振動させることができる。その際には、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215と、第二揺動部220の第一駆動体214及び第二駆動体215とに対する電圧供給を停止する。
【0119】
これによれば、第一モード時には、第一揺動部210及び第二揺動部220のそれぞれの駆動体に対する電圧供給がなく、第二モード時には、第三揺動部230及び第四揺動部240のそれぞれの駆動体に対する電圧供給がない。このため、第一モード及び第二モードの切り替えをスムーズに行うことが可能である。
【0120】
[実施の形態5]
次に、実施の形態5について説明する。なお、以降の説明において、上記実施の形態3と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0121】
上記実施の形態3では、反射体110を第一軸11周りに回転揺動させる第一モードと、反射体110を第二軸12周りに回転揺動させる第二モードとが実行される場合について説明した。この実施の形態5では、第一軸11及び第二軸12とは異なる軸回りに反射体110を回転揺動させる場合について説明する。
【0122】
図7は、実施の形態5に係る光学反射素子100Aの回転軸を示す平面図である。第三軸13は、光学反射素子100Aの中心点を基準として、第一軸11に対して時計回りに45度傾いた軸線である。また、第四軸14は、光学反射素子100Aの中心点を基準として、第一軸11に対して時計回りに45度傾いた軸線である。制御装置20は、反射体110を第三軸13周りに回転揺動させる第三モードと、反射体110を第四軸14周りに回転揺動させる第四モードとを実行することができる。
【0123】
(第三モード)
第三モードでの動作について説明する。第三モードでは、制御装置20は、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215を同位相で振動させるとともに、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225を同位相であって、第一揺動部210とは逆位相で振動させる。このとき、制御装置20は、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235を第一揺動部210と同位相で振動させるとともに、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245を、第二揺動部220と同位相で振動させる。
【0124】
具体的には、制御装置20は、第一揺動部210及び第三揺動部230の各圧電素子に対して第一駆動信号W1を印加し、第二揺動部220及び第四揺動部240の各圧電素子に対して第二駆動信号W2を印加する。これにより、第一揺動部210及び第三揺動部230の各駆動体が同位相で振動する。つまり、第一揺動部210の第一接続体211と、第三揺動部230の第三接続体231とは、同じタイミングでZ軸プラス方向に向かって突出したり、Z軸マイナス方向に向かって突出したりを繰り返す。
【0125】
一方、第二揺動部220及び第四揺動部240の各駆動体は、同位相であって、第一揺動部210及び第三揺動部230の各駆動体とは逆位相で振動する。つまり、第二揺動部220の第一接続体221と、第四揺動部240の第三接続体241とは、同じタイミングでZ軸プラス方向に向かって突出したり、Z軸マイナス方向に向かって突出したりを繰り返す。この繰り返し動作は、第一揺動部210の第一接続体211と、第三揺動部230の第三接続体231との繰り返し動作とは逆の位相となる。これらの繰り返し動作によって、反射体110が第三軸13を中心にして回転揺動をすることになる(
図7における矢印Y3参照)。
【0126】
(第四モード)
第四モードでの動作について説明する。第四モードでは、制御装置20は、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215を同位相で振動させるとともに、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225を同位相であって、第一揺動部210とは逆位相で振動させる。このとき、制御装置20は、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235を第二揺動部220と同位相で振動させるとともに、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245を、第一揺動部210と同位相で振動させる。
【0127】
具体的には、制御装置20は、第一揺動部210及び第四揺動部240の各圧電素子に対して第一駆動信号W1を印加し、第二揺動部220及び第三揺動部230の各圧電素子に対して第二駆動信号W2を印加する。これにより、第一揺動部210及び第四揺動部240の各駆動体が同位相で振動する。つまり、第一揺動部210の第一接続体211と、第四揺動部240の第三接続体241とは、同じタイミングでZ軸プラス方向に向かって突出したり、Z軸マイナス方向に向かって突出したりを繰り返す。
【0128】
一方、第二揺動部220及び第三揺動部230の各駆動体は、同位相であって、第一揺動部210及び第四揺動部240の各駆動体とは逆位相で振動する。つまり、第二揺動部220の第一接続体221と、第三揺動部230の第三接続体231とは、同じタイミングでZ軸プラス方向に向かって突出したり、Z軸マイナス方向に向かって突出したりを繰り返す。この繰り返し動作は、第一揺動部210の第一接続体211と、第四揺動部240の第三接続体241との繰り返し動作とは逆の位相となる。これらの繰り返し動作によって、反射体110が第四軸14を中心にして回転揺動をすることになる(
図7における矢印Y4参照)。
【0129】
(効果など)
以上のように、本実施の形態によれば、制御装置20は、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215を同位相で振動させるとともに、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225を同位相であって、第一揺動部210とは逆位相で振動させる。その際には、第三モードと、第四モードとを切り替える。第三モードは、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235を第一揺動部210と同位相で振動させるとともに、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245を第二揺動部220と同位相で振動させる場合である。第四モードは、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235を第二揺動部220と同位相で振動させるとともに、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245を第一揺動部210と同位相で振動させる場合である。
【0130】
これによれば、第三軸13を中心にした反射体110の回転揺動と、第四軸14を中心にした反射体110の回転揺動とが可能となる。したがって、反射体110の揺動範囲を広げることができ、光学反射素子100の性能を高めることが可能である。
【0131】
また、実施の形態3~5で示した光学反射素子100Aは、第一軸11と、第二軸12と、反射体110と、基体105aと、第一揺動部210と、第二揺動部220と、第三揺動部230と、第四揺動部240と、を備えている。
【0132】
第二軸12は、第一軸11と交差する。
【0133】
反射体110は、光を反射する。
【0134】
第一揺動部210及び第二揺動部220は、それぞれ第一軸11に沿って反射体110を挟む位置に配置される。また、第一揺動部210及び第二揺動部220は、それぞれ反射体110を揺動させる。
【0135】
第三揺動部230及び第四揺動部240は、それぞれ第二軸12に沿って反射体110を挟む位置に配置される。また、第三揺動部230及び第四揺動部240は、それぞれ反射体110を揺動させる。
【0136】
第一揺動部210及び第二揺動部220は、第一軸11に沿って配置される。
【0137】
第一揺動部210は、第一接続体211、第一振動体212、第二振動体213、第一駆動体214、第二駆動体215および第二接続体216を備えている。
【0138】
第一接続体211の先端部は、反射体110と連結される。
【0139】
第一振動体212は、第一軸11と交差する方向に延在する。また、第一振動体212は、第一接続体211の基端部に連結される。
【0140】
第二振動体213は、第一軸11に対し第一振動体212の逆側において第一軸11と交差する方向に延在する。また、第二振動体213は、第一接続体211の基端部に連結される。
【0141】
第一駆動体214は、第一軸11に沿って延在する。第一駆動体214の基端部は、第一振動体212の先端部に連結される。また、第一駆動体214は、第一振動体212を介して第一接続体211を動作させる。
【0142】
第二駆動体215は、第一軸11に沿って延在する。第二駆動体215の基端部は、第二振動体213の先端部に連結される。また、第二駆動体215は、第二振動体213を介して第一接続体211を動作させる。
【0143】
第二接続体216は、基体105aに対し第一振動体212及び第二振動体213を振動自在に接続する。
【0144】
第二揺動部220は、第一接続体221、第一振動体222、第二振動体223、第一駆動体224、第二駆動体225および第二接続体226を備えている。
【0145】
第一接続体221の先端部は、反射体110と連結される。
【0146】
第一振動体222は、第一軸11と交差する方向に延在する。また、第一振動体222は、第一接続体221の基端部に連結される。
【0147】
第二振動体223は、第一軸11に対し第一振動体222の逆側において第一軸11と交差する方向に延在する。また、第二振動体223は、第一接続体221の基端部に連結される。
【0148】
第一駆動体224は、第一軸11に沿って延在する。第一駆動体224は、基端部が第一振動体222の先端部に連結される。また、第一駆動体224は、第一振動体222を介して第一接続体221を動作させる。
【0149】
第二駆動体225は、第一軸11に沿って延在する。第二駆動体225の基端部は、第二振動体223の先端部に連結される。また、第二駆動体225は、第二振動体223を介して第一接続体221を動作させる。
【0150】
第二接続体226は、基体105aに対し第一振動体222及び第二振動体223を振動自在に接続する。
【0151】
第三揺動部230及び第四揺動部240のそれぞれは、第二軸12に沿って配置される。
【0152】
第三揺動部230は、第三接続体231と、第三振動体232と、第四振動体233と、第三駆動体234と、第四駆動体235と、第四接続体236とを備えている。
【0153】
第三接続体231の先端部は、反射体110と連結される。
【0154】
第三振動体232は、第二軸12と交差する方向に延在する。また、第三振動体232は、第三接続体231の基端部に連結される。
【0155】
第四振動体233は、第二軸12に対し第三振動体232の逆側において第二軸12と交差する方向に延在する。また、第四振動体233は、第三接続体231の基端部に連結される。
【0156】
第三駆動体234は、第二軸12に沿って延在する。第三駆動体234の基端部は、第三振動体232の先端部に連結される。また、第三駆動体234は、第三振動体232を介して第三接続体231を動作させる。
【0157】
第四駆動体235は、第二軸12に沿って延在する。第四駆動体235の基端部は、第四振動体233の先端部に連結される。第四駆動体235は、第四振動体233を介して第三接続体231を動作させる。
【0158】
第四接続体236は、基体105aに対し第三振動体232及び第四振動体233を振動自在に接続する。
【0159】
第四揺動部240は、第三接続体241と、第三振動体242と、第四振動体243と、第三駆動体244と、第四駆動体245と、第四接続体246とを備えている。
【0160】
第三接続体241は、反射体110と先端部が連結される。
【0161】
第三振動体242は、第二軸12と交差する方向に延在する。また、第三振動体242は、第三接続体241の基端部に連結される。
【0162】
第四振動体243は、第二軸12に対し第三振動体242の逆側において第二軸12と交差する方向に延在する。また、第四振動体243は、第三接続体241の基端部に連結される。
【0163】
第三駆動体244は、第二軸12に沿って延在する。第三駆動体244の基端部は、第三振動体242の先端部に連結される。また、第三駆動体244は、第三振動体242を介して第三接続体241を動作させる。
【0164】
第四駆動体245は、第二軸12に沿って延在する。第四駆動体245の基端部は、第四振動体243の先端部に連結される。また、第四駆動体245は、第四振動体243を介して第三接続体241を動作させる。
【0165】
第四接続体246は、基体105aに対し第三振動体242及び第四振動体243を振動自在に接続する。
【0166】
このような光学反射素子100Aであるために、例えば実施の形態3~5に示した複数の制御方法を実行可能である。このように反射体110を揺動制御する自由度が高められているので、光学反射素子100Aの性能を高めることが可能である。
【0167】
また、実施の形態3~5においては、制御装置20は、実施の形態2に対応した制御を実行してもよい。具体的には、制御装置20は、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215を同位相で振動させ、かつ第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225を同位相であって第一揺動部210とは逆位相で振動させる場合には、以下の制御を行う。制御装置20は、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215が第一揺動部210の第一接続体211とは逆位相となるように、第一揺動部210の第一駆動体214及び第二駆動体215を同位相で振動させる。それとともに、制御装置20は、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225が第二揺動部220の第一接続体221とは逆位相となるように、第二揺動部220の第一駆動体224及び第二駆動体225を同位相で振動させる。
【0168】
この場合においては、第一駆動体214、224及び第二駆動体215、225の各々の変位方向と、対応する第一接続体211または221の変位方向が相反することとなるので、第一揺動部210及び第二揺動部220内で振動の閉じ込め効果を発生させることができる。したがって、反射体110の振れ角特性を高くすることができ、結果的に光学反射素子100の性能が高められる。
【0169】
また、制御装置20は、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235を同位相で振動させ、かつ第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245を同位相であって第三揺動部230とは逆相で振動させる場合には、以下の制御を行う。制御装置20は、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235が第三揺動部230の第三接続体231とは逆位相となるように、第三揺動部230の第三駆動体234及び第四駆動体235を同位相で振動させる。それととともに、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245が第四揺動部240の第三接続体241とは逆位相となるように、第四揺動部240の第三駆動体244及び第四駆動体245を同位相で振動させる。
【0170】
この場合においては、第三駆動体234、244及び第四駆動体235、245の各々の変位方向と、対応する第三接続体231または241の変位方向が相反することとなるので、第三揺動部230及び第四揺動部240内で振動の閉じ込め効果を発生させることができる。したがって、反射体110の振れ角特性を高くすることができ、結果的に光学反射素子100の性能が高められる。
【0171】
[実施の形態6]
次に、実施の形態6について説明する。なお、以降の説明において、上記実施の形態1と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0172】
上記実施の形態1では、円板状の反射体110を例示したが、この実施の形態6では、円板状の反射体110よりも応力緩和効果の高い反射体110bについて説明する。
【0173】
図8は、実施の形態6に係る反射体110bを示す平面図である。
図8に示すように、反射体110bは、反射体本体114と、複数の柱部115と、枠体116とを備えている。
【0174】
反射体本体114は、円板状であり、その表面に反射部111が設けられている。複数の柱部115は、反射体本体114の周縁から周方向に所定の間隔をあけて配置されている。各々の柱部115は、反射体本体114の外周面から外方に向けて突出している。枠体116は、円環状であり、反射体本体114と同心円上となるように配置されている。枠体116は、複数の柱部115の先端部に連結されている。枠体116の外周面には、第一揺動部210の第一接続体211の先端部と、第二揺動部220の第一接続体221の先端部とが接続されている。このため、第一接続体211、221からのねじれや振動は、枠体116及び複数の柱部115を介して、反射体本体114に伝達される。つまり、反射体本体114には、第一接続体211、221からのねじれや振動が直接的に伝達されないために、反射体本体114に付与される応力が緩和される。
【0175】
(効果など)
以上のように、本実施の形態によれば、反射体110bは、反射体本体114と、反射体本体114の周縁から周方向に所定の間隔をあけて突出した複数の柱部115と、複数の柱部115に連結された枠体116とを備える。枠体116には、第一接続体211、221の先端部が連結されている。
【0176】
これによれば、反射体本体114に付与される応力が緩和され、反射体本体114の反り量、つまり、反射部111の反り量が低減される。
【0177】
なお、実施の形態3で例示した光学反射素子100Aに、本実施の形態6に係る反射体110bを適用することも可能である。この場合、反射体110bの枠体116に対して、各揺動部の第一接続体の先端部を接続すればよい。
【0178】
[その他]
なお、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本開示の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本開示の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本開示は、例えば小型のディスプレイ装置、小型のプロジェクタ、車載用のヘッドアップディスプレイ装置、電子写真方式の複写機、レーザープリンタ、光学スキャナ、光学レーダーなどの光学装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0180】
10 光制御システム
11 第一軸
12 第二軸
13 第三軸
14 第四軸
20 制御装置
21 角度検出回路
22 駆動回路
23 制御回路
51 第一辺部
52 第二辺部
53 第三辺部
54 第四辺部
100、100A 光学反射素子
105、105a 基体
110、110b 反射体
111 反射部
114 反射体本体
115 柱部
116 枠体
210 第一揺動部
211 第一接続体
212 第一振動体
213 第二振動体
214 第一駆動体
215 第二駆動体
216 第二接続体
217 連結体
218 第一モニタ素子
219 第二モニタ素子
220 第二揺動部
221 第一接続体
222 第一振動体
223 第二振動体
224 第一駆動体
225 第二駆動体
226 第二接続体
227 連結体
228 第一モニタ素子
229 第二モニタ素子
230 第三揺動部
231 第三接続体
232 第三振動体
233 第四振動体
234 第三駆動体
235 第四駆動体
236 第四接続体
237 連結体
240 第四揺動部
241 第三接続体
242 第三振動体
243 第四振動体
244 第三駆動体
245 第四駆動体
246 第四接続体
247 連結体
2141 第一駆動本体部
2142 第一圧電素子
2151 第二駆動本体部
2152 第二圧電素子
2241 第一駆動本体部
2242 第一圧電素子
2251 第二駆動本体部
2252 第二圧電素子
2341 第三駆動本体部
2342 第三圧電素子
2351 第四駆動本体部
2352 第四圧電素子
2441 第三駆動本体部
2442 第三圧電素子
2451 第四駆動本体部
2452 第四圧電素子