(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】製氷機
(51)【国際特許分類】
F25C 1/00 20060101AFI20240920BHJP
B08B 3/08 20060101ALI20240920BHJP
F25C 1/147 20180101ALN20240920BHJP
【FI】
F25C1/00 Z
B08B3/08 Z
F25C1/147 M
(21)【出願番号】P 2020024460
(22)【出願日】2020-02-17
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川田 将嗣
(72)【発明者】
【氏名】河野 俊明
(72)【発明者】
【氏名】森沢 拓矢
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-210238(JP,A)
【文献】実開昭60-091297(JP,U)
【文献】特開平09-079716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 1/00 ~ 5/20
B08B 3/08
C02F 1/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を供給する給水部と、
前記給水部から供給された前記水を用いてオゾン水を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記オゾン水を貯留する第1タンク部と、
前記給水部から供給された前記水を貯めて、前記給水部と前記第1タンク部との間を水封する水封部と、
前記給水部から前記水が前記水封部に供給されることによって前記水封部から流出した前記水を貯留する第2タンク部と、
一端が前記第2タンク部に接続され、前記第2タンク部を介して前記水封部に貯められた前記水を前記第1タンク部に供給する供給管と、を備え、
前記生成部は、前記供給管に配置されている製氷機。
【請求項2】
前記第2タンク部は、前記第1タンク部と並べて配置され、前記第2タンク部の水位が所定水位より高くなった場合に前記水を前記第1タンク部に放流する堰部を有している、
請求項
1に記載の製氷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製氷機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、貯水タンクに貯留された水を用いてオゾン水を生成し、このオゾン水を用いて貯水タンク内を洗浄する製氷機が記載されている。貯水タンクに貯留される水は、例えば水道管などの一次側の配管から供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した製氷機においては、貯水タンクに貯留されたオゾン水からオゾンガスが発生する。しかしながら、このオゾンガスが一次側の配管に漏出した場合、オゾンに対して腐食しやすい金属に影響を及ぼすことが考えられる。
【0005】
本開示は、オゾンガスの漏出を抑制することができる製氷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本開示における製氷機は、水を供給する給水部と、給水部から供給された水を用いてオゾン水を生成する生成部と、生成部によって生成されたオゾン水を貯留する第1タンク部と、給水部から供給された水を貯めて、給水部と第1タンク部との間を水封する水封部と、給水部から水が水封部に供給されることによって水封部から流出した水を貯留する第2タンク部と、一端が第2タンク部に接続され、第2タンク部を介して水封部に貯められた水を第1タンク部に供給する供給管と、を備え、生成部は、供給管に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の製氷機によれば、オゾンガスの漏出を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る製氷機の構成を示す概要図である。
【
図3】本開示の第2実施形態の製氷機に係る貯水タンクの断面図である。
【
図4】本開示の第3実施形態の製氷機に係る貯水タンクの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、本開示の製氷機の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、製氷機1の構成を示す概要図である。なお、本明細書においては説明の便宜上、
図1における上側および下側をそれぞれ製氷機1の上方および下方とし、左側および右側をそれぞれ製氷機1の左方および右方として説明する。製氷機1は、アイスディスペンサである。
【0010】
製氷機1は、冷媒サイクル部10、製氷部20、水を貯留する貯水タンク30、オゾン水生成部40、ドレインパン50および制御装置60を備えている。
【0011】
冷媒サイクル部10は、冷凍サイクルによって貯水タンク30から供給される水を冷却して、氷を製造するものである。冷媒サイクル部10は、圧縮機11、凝縮器12、膨張弁13、および、冷却器14(蒸発器)、並びに、製氷時に圧縮機11が駆動することにより、この順に冷媒が循環する冷媒配管15を備え、冷凍サイクルを構成するものである。冷却器14は、製氷部20の一部を構成する。
【0012】
製氷部20は、氷を製造するものである。製氷部20は、冷却円筒21、冷却器14、オーガ22、駆動装置23、ホッパ24、シャッタ25、および、シュータ26を備えている。
【0013】
冷却円筒21は、ステンレスによって円筒状に形成されている。冷却円筒21の外周には、製氷時に冷媒が流れる管状の冷却器14が巻き付けられている。冷却円筒21の内側には、オーガ22(回転刃)が冷却円筒21と同軸に、かつ、冷却円筒21に対して相対的に回転可能に配置されている。
【0014】
オーガ22の下端部は、下部軸受22aによって回転可能に支持されている。一方、オーガ22の上端部は、上部軸受22bによって回転可能に支持されている。駆動装置23は、オーガ22を回転させるものである。
【0015】
ホッパ24は、冷却円筒21から導出された氷を貯留するものである。ホッパ24は、中空の箱状に形成されている。ホッパ24の底面には、冷却円筒21の上端が接続されている。また、ホッパ24の底部において、上部軸受22bが保持されている。この上部軸受22bには、冷却円筒21の内側とホッパ24の内側とを接続し、通過する氷を圧縮する通路(不図示)が設けられている。また、ホッパ24には、ホッパ24に貯留された氷を放出する放出口24aが形成されている。
【0016】
冷却円筒21の内側に貯水タンク30に貯留された水が供給されて、冷却器14によって冷却されることにより、冷却円筒21の内周面に氷が生成される。この氷が、回転駆動するオーガ22によって削り取られるとともに、下方から上方に向けて移送される。さらに、この氷が上部軸受22bの通路を通過するときに圧縮されることにより、氷片が生成される。この氷片がホッパ24内に導出されて貯留される。
【0017】
シャッタ25は、ホッパ24の放出口24aを開閉するものである。シャッタ25によって放出口24aが開放されたとき、ホッパ24に貯留された氷が放出口24aから放出される。シャッタ25によって放出口24aが閉鎖されたとき、ホッパ24に貯留された氷の放出が規制される。シャッタ25は、ソレノイド25aによって駆動される。
【0018】
シュータ26は、筒状に形成され、放出口24aから放出された氷を下方に案内するものである。
【0019】
貯水タンク30は、
図1および
図2に示すように、給水部31、タンク部32、および、フロートスイッチ33を備えている。給水部31とタンク部32とは一体的に形成されている。
【0020】
給水部31は、タンク部32に水を供給するものである。給水部31は、タンク部32の上側にて、中空の箱状に形成されている。給水部31の上壁には、第1配管51の第1端が接続されている。第1配管51の第2端は、給水栓51aを介して、水道管(不図示)が接続されている。第1配管51には、ノーマルクローズ型の第1電磁弁51bが配置されている。
【0021】
第1電磁弁51bが通電されることにより開状態になった場合、水道管の水が第1配管51を介して給水部31内に供給される。第1電磁弁51bの通電状態は、制御装置60によって制御される。
【0022】
また、給水部31の右側部には、給水部31の内外を連通させる開口部31aが形成されている。また、給水部31の右側部には、開口部31aと連通する第2配管52の第1端が接続されている。第2配管52の第2端は、後述する第5配管55に接続されている。
【0023】
また、給水部31の底壁には、給水部31内に供給された水をタンク部32に導出する導出部31bが形成されている。導出部31bの下端は、下方に向けて開口する。
【0024】
タンク部32は、給水部31から供給された水を貯留するものである。タンク部32は中空の箱状に形成され、第1貯留部32aおよび第2貯留部32bが、第1堰部32a1によって仕切られて左右方向に並べて形成されている。第1貯留部32aは、「第2タンク部」の一例である。第2貯留部32bは、「第1タンク部」の一例である。第1堰部32a1は、「堰部」の一例である。
【0025】
第1貯留部32aは、給水部31の下方に配置され、給水部31から導出された水を貯留するものである。第1貯留部32aの上壁に、給水部31の導出部31bが配置されている。また、第1貯留部32aに内側には、水封部32cが設けられている。
【0026】
水封部32cは、給水部31から供給された水を貯めて、給水部31と第2貯留部32bとの間を水封するものである。水封部32cは、導出部31bの下端を囲むように形成されている。水封部32cは、上方を開放する箱状に形成され、底面が導出部31bの下端に対向し、かつ、上端が導出部31bの下端より上方に位置するように配置されている。
【0027】
水封部32cの水位Lcが導出部31bの下端より上方に位置した場合、導出部31bの下端が水封部32cに貯められた水によって塞がれるため、導出部31bが水封される。導出部31bの下端と水封部32cの上端との上下方向の距離は、水封部32cが満水の状態から第1所定時間の間、給水部31から給水されない場合においても、水封部32cの水位Lcが導出部31bの下端より下がらない距離に設定されている。第1所定時間は、オゾン水生成部によって生成されたオゾン水が水に戻る時間およびオゾン水から発生したオゾンガスが分解されて酸素になる時間より長い時間に設定されている。
【0028】
また、水封部32cの水位Lcが、水封部32cの上端より高くなった場合、水封部32cに貯められた水が、水封部32cの上端を乗り越えて、第1貯留部32aに流出する。すなわち、第1貯留部32aは、給水部31から水封部32cに給水されることによって水封部32cから流出した水を貯留する。
【0029】
第1堰部32a1は、第1貯留部32aと第2貯留部32bとの間の側壁である。第1堰部32a1の上端は、水封部32cの上端より下方に位置するように設定されている。第1貯留部32aの上側の空間と、第2貯留部32bの上側の空間とは、第1堰部32a1の上方にて連通している。第1貯留部32aの水位Laが所定水位Lsより高くなった場合、第1堰部32a1は、第1貯留部32aに貯留された水を第2貯留部32bに放流する。所定水位Lsは、第1堰部32a1の上端と同じ高さである。
【0030】
第2貯留部32bは、第1貯留部32aから放流された水を貯留するものである。第2貯留部32bの底壁には、第3配管53の第1端が接続されている。第3配管53の第2端は、貯水タンク30および冷却器14よりも下方にて冷却円筒21に接続されている。
【0031】
また、冷却円筒21には、第4配管54の第1端が、第3配管53の第2端と対向する位置に接続されている。第4配管54の第2端は、ドレインパン50に向けて開口する。第4配管54には、ノーマルクローズ型の第2電磁弁54aが配置されている。
【0032】
第2電磁弁54aが通電されることにより開状態になった場合、第2貯留部32bに貯められた水が、第3配管53、冷却円筒21および第4配管54を介して、ドレインパン50に排出される。一方、第2電磁弁54aが閉状態である場合、第3配管53を介して第2貯留部32bと冷却円筒21とが接続されているため、第2貯留部32bの水位Lbと、冷却円筒21の水位とが同じとなる。第2電磁弁54aの通電状態は、制御装置60によって制御される。
【0033】
また、第2貯留部32bには、第2堰部32b1および排水部32b2が設けられている。第2堰部32b1の高さは、第1堰部32a1の高さより低く形成されている。排水部32b2は、第2堰部32b1と同じ高さにて上方に向けて開口する開口部である。排水部32b2には、第5配管55の第1端が接続されている。第5配管55の第2端は、ドレインパン50に向けて開口する。
【0034】
第2貯留部32bの水位Lbが、第2堰部32b1の高さよりも高くなった場合、第2貯留部32bに貯められた水が第2堰部32b1を乗り越えて排水部32b2から流出する。排水部32b2から流出した水は、第5配管55を介して、ドレインパン50に導出される。
【0035】
また、第5配管55には、第6配管56の第1端が接続されている。第6配管56の第2端は、ホッパ24の底部に接続されている。ホッパ24に貯められた氷が溶けることにより生じた水は、第6配管56および第5配管55を介してドレインパン50に導出される。
【0036】
フロートスイッチ33は、第2貯留部32bの水位Lbを検出するものである。フロートスイッチ33によって検出された水位(以下、検出水位と記載する。)は、制御装置60に出力される。検出水位が第2堰部32b1の高さより低く、予め定められた水位である第1水位Lb1以下である場合、制御装置60は、第1電磁弁51bに通電する。これにより、第1電磁弁51bが開状態になるため、給水部31、水封部32cおよび第1貯留部32aを介して第2貯留部32bに水が供給される。
【0037】
第2貯留部32bに水が供給されることによって、検出水位が、予め定められた水位である第2水位Lb2以上となった場合、制御装置60は、第1電磁弁51bを非通電にする。これにより、第1電磁弁51bが閉状態となるため、給水部31への給水が停止する。第2水位Lb2は、第1水位Lb1より高く、かつ第2堰部32b1の高さより低い水位に設定されている。製氷時においては、第2貯留部32bの水位Lbが第1水位Lb1と第2水位Lb2との間となるように制御される(詳細は後述する)。
【0038】
オゾン水生成部40は、第1貯留部32aに貯留された水を用いてオゾン水を生成するものである。オゾン水生成部40は、供給管41、ポンプ42、オゾン水生成装置43および第3電磁弁44を備えている。オゾン水生成装置43は、「生成部」の一例である。
【0039】
供給管41は、第1端(一端)が第1貯留部32aの底部に接続され、第2端が第2貯留部32bの上壁に接続された配管である。供給管41は、第1貯留部32aに貯められた水を第2貯留部32bに供給する。供給管41には、第1貯留部32aから第2貯留部32bに向けて、ポンプ42、オゾン水生成装置43、配管継手41a、および、第3電磁弁44がこの順に配置されている。
【0040】
ポンプ42は、第1貯留部32aから第2貯留部32bに向けて水を送出するものである。ポンプ42は、制御装置60によって制御される。
【0041】
オゾン水生成装置43は、通電されることにより、供給された水を電気分解してオゾン水を生成し、オゾン水を導出するものである。ポンプ42が駆動されることによって第1貯留部32aから供給される水をオゾン水生成装置43が電気分解してオゾン水を導出する。
【0042】
オゾン水生成装置43によって生成されるオゾン水の濃度は、水の流量(単位時間当たりの流量)および通電量(単位時間当たりの通電量)によって制御される。流量は、ポンプ42の駆動量によって制御される。通電量は、制御装置60によって制御される。オゾン水生成装置43から供給管41を介して第2貯留部32bに供給されたオゾン水は、第2貯留部32bにて貯留される。
【0043】
配管継手41aは、オゾン水生成装置43から導出されたオゾン水を、第7配管57に分岐させるものである。第7配管57は、配管継手41aとノズル57aとを接続し、配管継手41aから導出されたオゾン水をノズル57aに供給するものである。ノズル57aは、オゾン水を放出口24aの周辺部に向けて噴出するものである。
【0044】
第3電磁弁44は、ノーマルクローズ型の電磁弁である。第3電磁弁44が通電されることにより開状態である場合、ポンプ42が駆動することにより、オゾン水生成装置43にて生成されたオゾン水が供給管41を介して第2貯留部32bへ導出される。またこの場合、ポンプ42が駆動したときにおいても、オゾン水が第7配管57に導出されることが抑制されるように、配管継手41aの流路抵抗が設定されている。
【0045】
第3電磁弁44が非通電であることにより閉状態である場合、第3電磁弁44から第2貯留部32bへのオゾン水の導出が規制される。またこの場合、ポンプ42が駆動することにより、オゾン水生成装置43にて生成されたオゾン水が第7配管57へ導出される。
【0046】
ドレインパン50は、排水を受け止めて、外部に排出するものである。
【0047】
制御装置60は、製氷機1を統括制御するものである。
【0048】
次に、製氷時における貯水タンク30の動作について説明する。製氷時において、第2貯留部32bは、水(水道水)を貯留する。
【0049】
検出水位が第1水位Lb1より低い場合、第1電磁弁51bが通電され、第1配管51を介して給水部31に水(水道水)が供給される。給水部31に供給された水は、導出部31bから水封部32cに導出される。これにより、水封部32cの水位Lcが上昇して水封部32cの上端を超えた場合、水封部32cに貯められた水が第1貯留部32aに流出する。
【0050】
さらに、水封部32cから流出した水によって、第1貯留部32aの水位Laが上昇して第1堰部32a1の上端を超えた場合、第1貯留部32aに貯められた水が第1堰部32a1から第2貯留部32bに放流される。これにより、第2貯留部32bの水位Lbが上昇して、検出水位が第2水位Lb2となった場合、第1電磁弁51bの通電が停止され、給水部31への給水が停止する。
【0051】
上述したように、第2貯留部32bの水位Lbと冷却円筒21の水位とは同じである。製氷部にて氷が製造された場合、冷却円筒21の水位が低下するため、第2貯留部32bの水位Lbが低下する。これにより、第2貯留部32bの水位Lbが第1水位Lb1より低くなった場合、第1電磁弁51bが再度通電され、上述したように第2貯留部32bの水位Lbが第2水位Lb2まで上昇する。
【0052】
また、製氷時においては、上述したように給水部31から水封部32cに給水され、水封部32cに貯留された水が、水封部32cの上端から第1貯留部32aに流出する。よって、製氷時においては、水封部32cがおよそ満水状態であるため、導出部31bの下端が水封部32cに貯められた水によって塞がれることにより、導出部31bは水封されている。
【0053】
次に、オゾン水が生成される場合における貯水タンク30の動作について、水封部32cおよび第1貯留部32aが満水であり、第2貯留部32bの水位Lbが第2水位Lb2である状態から説明する。オゾン水の生成は、製氷時以外のときであって、例えば、貯水タンク30および貯水タンク30に接続された配管等を洗浄するときに行われる。
【0054】
はじめに、第2貯留部32bに貯留された水が排出される。具体的には、第2電磁弁54aが第2所定時間だけ通電される。第2所定時間は、第2貯留部32bおよび冷却円筒21に貯留された水が全て排出される時間に設定されている。
【0055】
第2電磁弁54aが第2所定時間だけ開状態となることによって、第2貯留部32bおよび冷却円筒21に貯留されていた水が第3配管53および第4配管54を介してドレインパン50に排出される。
【0056】
続けて、第2貯留部32bの水位Lbが第2水位Lb2となるまでオゾン水が生成される。具体的には、第2電磁弁54aが閉状態にされ、第1電磁弁51bおよび第3電磁弁44が開状態にされる。さらに、ポンプ42が駆動されて、オゾン水生成装置43が通電される。
【0057】
このとき、オゾン水のオゾン濃度が所定濃度となるようにポンプ42およびオゾン水生成装置43が制御される。所定濃度は、貯水タンク30や配管等を十分に除菌できる濃度に設定されている。
【0058】
また、第1電磁弁51bは、第1貯留部32aに貯められた水が第2貯留部32bに導出されないように、第1貯留部32aへ放出される水の流量を制御する。換言すると、制御装置60が第1電磁弁51bを制御して、第1貯留部32aの水位Laが所定水位Lsを超えないように第1配管51から第1貯留部32aへ放出される水の流量を調整する。この際、ポンプ42はオゾン水生成装置43に水を供給するために駆動し続ける。
【0059】
これにより、第1貯留部32aに貯留された水からオゾン水生成装置43によってオゾン水が生成され、オゾン水が第2貯留部32bに供給される。第2貯留部32bの水位Lbが上昇して、検出水位が第2水位Lb2となったときに、オゾン水の生成が停止される。具体的には、第1電磁弁51bおよび第3電磁弁44が閉状態にされる。さらに、ポンプ42およびオゾン水生成装置43への通電が停止される。
【0060】
これによって、第2貯留部32bには、所定濃度のオゾン水が第2水位Lb2まで貯留される。オゾン水が生成されているときは、給水部31から給水されて水封部32cに貯留された水が水封部32cの上端から第1貯留部32aに流出する。よって、オゾン水が生成されているときは、水封部32cがおよそ満水状態であるため、導出部31bの下端が水封部32cに貯められた水によって塞がれることにより、導出部31bは水封されている。
【0061】
また、第2貯留部32bに貯められたオゾン水が脱気することにより、オゾン水の水面より上方の第2貯留部32bの空間には、オゾンガスが存在する。上述したように、第2貯留部32bの上側の空間と、第1貯留部32aの上側の空間とが連通しているため、第1貯留部32aの上側の空間にもオゾンガスが存在する。
【0062】
これに対して、第1貯留部32aの内側には、第1貯留部32aと給水部31との間を水封する水封部32cが配置されている。水封部32cは、上述したように、オゾンガスが分解されて酸素になる時間より長い第1所定時間、導出部31bを水封する。よって、第1貯留部32aおよび第2貯留部32bに存在するオゾンガスが給水部31から第1配管51側に流出することが規制される。
【0063】
本第1実施形態によれば、製氷機1は、水を供給する給水部31と、給水部31から供給された水を用いてオゾン水を生成するオゾン水生成装置43と、オゾン水生成装置43によって生成されたオゾン水を貯留する第2貯留部32bと、給水部31から供給された水を貯めて、給水部31と第2貯留部32bとの間を水封する水封部32cと、を備える。
【0064】
これによれば、第2貯留部32bに貯留されたオゾン水から発生するオゾンガスが、給水部31から一次側の配管に漏出することが規制される。よって、製氷機1において、オゾンガスの漏出が抑制される。
【0065】
また、水封部32cに貯められた水を第2貯留部32bに供給する供給管41をさらに備えている。オゾン水生成装置43は、供給管41に配置されている。
【0066】
これによれば、オゾン水生成装置43は、給水部31から供給されて水封部32cに貯められた水を用いてオゾン水が生成される。よって、オゾン水生成装置43が、第2貯留部32bに貯留されたオゾン水を用いてオゾン水を生成する場合に比べて、オゾン水のオゾン濃度の精度を向上させることができる。
【0067】
また、製氷機1は、給水部31から水が水封部32cに供給されることによって水封部32cから流出した水を貯留する第1貯留部32aをさらに備えている。供給管41は、第1端が第1貯留部32aに接続され、第1貯留部32aを介して水封部32cに貯められた水を第2貯留部32bに供給する。
【0068】
これによれば、水封部32cに貯められた水が、第1貯留部32aに供給されて、第1貯留部32aに一旦貯留されてから、供給管41に供給される。よって、タンク部32が第1貯留部32aを備えない場合に比べて、水封部32cの容積を小さくすることができる。したがって、水封部32cは、比較的少ない水の量で導出部31bを水封することができる。
【0069】
さらに、例えば、供給管41の第1端が水封部32cに接続された場合、オゾン水が生成されるときには、水封部32cに貯められた水が供給管41に直接供給される。この場合、水封部32cの水位Lcが低下しやすくなるため、導出部31bの下端が大気に開放されやすくなる。
【0070】
これに対して、上述したように、供給管41の第1端が第1貯留部32aに接続されてオゾン水が生成される場合、給水部31から水封部32cに供給された水は、水封部32cの上端から第1貯留部32aに流出し、第1貯留部32aから供給管41に供給される。この場合、水封部32cがおよそ満水状態となるため、導出部31bが確実に水封される。
【0071】
また、第1貯留部32aは、第2貯留部32bと並べて配置され、第1貯留部32aの水位Laが所定水位Lsより高くなった場合に水を第2貯留部32bに放流する第1堰部32a1を有している。
【0072】
これによれば、水封部32cに貯められた水を、第1貯留部32aを介して第2貯留部32bに簡便に供給することができる。
【0073】
<第2実施形態>
次に、本開示の製氷機1の第2実施形態について、主として上述した第1実施形態と異なる部分について、
図3を用いて説明する。
【0074】
本第2実施形態のタンク部132は、上述した第1実施形態の第1貯留部32aを備えていない。本第2実施形態においては、水封部132cが、上述した第1実施形態の水封部32cと比べて大きく形成されている。また、水封部132cと第2貯留部132bとが第1堰部132a1によって仕切られて、並べられて形成されている。この場合、第1堰部132a1の上端が水封部132cの上端に相当する。また、導出部131bの下端が、第1堰部132a1の上端より下方に位置する。さらに、供給管41は、水封部132cの底部と第2貯留部132bの上壁とを接続する。
【0075】
製氷時において、給水部131から水封部132cに給水されることにより、水封部132cの水位Lcが上昇する。水封部132cの水位Lcが第1堰部132a1の上端を超えた場合、水封部132cに貯められた水が第2貯留部132bに流出する。導出部131bの下端が第1堰部132a1の上端より下方に位置するため、導出部131bの下端が水封部132cに貯められた水によって塞がれる。これにより、導出部131bが水封される。
【0076】
また、オゾン水が生成される場合、給水部131から水封部132cに給水されるとともに、水封部132cに貯められた水が供給管41に供給される。この場合、供給管41に供給される水の流量は、水封部132cの水位Lcが第1堰部132a1の上端と導出部131bの下端との間に位置するように制御される。これにより、水封部132cに貯められた水が第2貯留部132bに流出せず、かつ、導出部131bの下端が大気に開放されずに導出部131bが水封される。
【0077】
<第3実施形態>
次に、本開示の製氷機1の第3実施形態について、主として上述した第1実施形態と異なる部分について、
図4を用いて説明する。
【0078】
本第3実施形態のタンク部232は、上述した第1実施形態の第1貯留部32aおよび第1堰部32a1を備えていない。また、本第3実施形態においては、タンク部232は、上述した第1実施形態のオゾン水生成装置43に代えて、一対の電極270が第2貯留部232bに配置されている。一対の電極270は、通電されることにより、第2貯留部232bに貯留された水を電気分解してオゾン水を生成するものである。一対の電極270の通電量は、制御装置60によって制御される。
【0079】
製氷時において、給水部231から水封部232cに給水されることにより、水封部232cの水位Lcが上昇する。水封部232cの水位Lcが水封部232cの上端を超えた場合、水封部232cに貯められた水が第2貯留部232bに流出する。これにより、第2貯留部232bの水位が上昇する。水封部232cは、上述した第1実施形態と同様に導出部231bを水封する。
【0080】
また、オゾン水が生成される場合、第2貯留部232bの水位が第2水位Lb2であり、水封部232cによって導出部231bが水封されている状態(例えば水封部232cが満水の状態)にて、一対の電極270が通電される。一対の電極270の通電時間は、オゾン水のオゾン濃度が所定濃度となる時間に設定されている。
【0081】
<変形例>
以上、一つまたは複数の態様に係る製氷機1について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0082】
上述した第1実施形態において、タンク部32は、第2堰部32b1および排水部32b2を備えているが、第2堰部32b1および排水部32b2を備えなくてもよい。
【0083】
また、上述した第3実施形態において、タンク部232は、一対の電極270を備えているが、これに代えて、オゾン水生成装置43を備えてもよい。この場合、供給管41が第2貯留部232bの底部と第2貯留部232bの上壁とを接続し、オゾン水生成装置43が第2貯留部232bに貯留された水を用いてオゾン水を生成する。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、製氷機に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 製氷機
10 冷媒サイクル部
20 製氷部
30 貯水タンク
31 給水部
31b 導出部
32 タンク部
32a 第1貯留部(第2タンク部)
32a1 第1堰部(堰部)
32b 第2貯留部(第1タンク部)
32c 水封部
40 オゾン水生成部
41 供給管
42 ポンプ
43 オゾン水生成装置(生成部)
44 第3電磁弁
50 ドレインパン
60 制御装置
La 第1貯留部の水位(第2タンク部の水位)
Lb 第2貯留部の水位
Lc 水封部の水位
Ls 所定水位