IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アクトリーの特許一覧

<>
  • 特許-移動式折畳み太陽光発電装置 図1
  • 特許-移動式折畳み太陽光発電装置 図2
  • 特許-移動式折畳み太陽光発電装置 図3
  • 特許-移動式折畳み太陽光発電装置 図4
  • 特許-移動式折畳み太陽光発電装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】移動式折畳み太陽光発電装置
(51)【国際特許分類】
   H02S 10/40 20140101AFI20240920BHJP
   H02S 30/20 20140101ALI20240920BHJP
【FI】
H02S10/40
H02S30/20
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021075788
(22)【出願日】2021-04-28
(65)【公開番号】P2022169993
(43)【公開日】2022-11-10
【審査請求日】2023-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】392019857
【氏名又は名称】株式会社アクトリー
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】水越 裕治
(72)【発明者】
【氏名】澤守 忠
(72)【発明者】
【氏名】今井 美里
(72)【発明者】
【氏名】柴垣 浩明
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101572513(CN,A)
【文献】特開2005-101103(JP,A)
【文献】特開平10-125945(JP,A)
【文献】特開2010-212405(JP,A)
【文献】中国実用新案第212463107(CN,U)
【文献】特開2003-224288(JP,A)
【文献】登録実用新案第3194013(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0186450(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0042306(KR,A)
【文献】国際公開第2020/157556(WO,A1)
【文献】特開2014-207298(JP,A)
【文献】実開平02-069600(JP,U)
【文献】特開平09-177175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 10/40-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動輪を有する平面視コ字形状の可動フレームと、該可動フレームに搭載するモータと、該モータの駆動で折り畳み可能に収納される複数の太陽光パネルとを有し、前記複数の太陽光パネルは前記可動フレームから一方向へ展開され
前記複数の太陽光パネルは互いにヒンジで連結した下部に地面を走行する展開輪を有し、前記展開輪は互いに紐状部材で連結され、前記紐状部材がモータに巻取られることで、前記太陽光パネルが可動フレームの内側に折り畳み収納されることを特徴とする移動式折畳み太陽光発電装置。
【請求項2】
連結した前記太陽光パネルの先端側に走行輪を有し、収納状態において、前記太陽光パネル側の走行輪と前記可動フレーム側の可動輪とが平行に移動可能であることを特徴とする請求項に記載の移動式折畳み太陽光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動や運搬が可能で、複数の太陽光パネルを折り畳んで収納可能な太陽光発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光パネルを用いて電力を得るのに、移動可能な太陽光発電装置が開発されている。
例えば特許文献1、2には、走行輪を有する架台に蝶番あるいはヒンジにより折り畳み開閉自在に連結する2枚の太陽光パネルを搭載した移動式太陽光発電装置を開示する。
特許文献3には、キャスターを有する大型、小型の架台それぞれに太陽光パネルを有し、大型の架台内に小型の架台を挿入可能な可搬式太陽光発電装置を開示する。
このような移動可能な太陽光発電装置は使用場所の変更が可能であり、震災等の災害発生時においても発電が可能である。
しかし、特許文献1~3に開示する装置は太陽光パネルの総受光面が小さい、あるいは大きな受光面を確保することが難しく、必要な電力を得にくい。
例えば住宅用としては4.5kW程の太陽光発電が好ましいが、このような発電容量を確保するには装置が大型化しやすく、これに伴い移動性が悪くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-191728号公報
【文献】実用新案登録第3169441号公報
【文献】特開2014-207298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、必要な電力が得やすく、移動性に優れる移動式折畳み太陽光発電装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る移動式折畳み太陽光発電装置は、可動輪を有する可動フレームと、該可動フレームに搭載するモータと、該モータの駆動で折り畳み可能に収納される複数の太陽光パネルとを有し、前記複数の太陽光パネルは前記可動フレームから一方向へ展開されることを特徴とする。
ここで複数の太陽光パネルとは、例えば6枚~40枚程度の太陽光パネルであり、この太陽光パネルを互いに電気的接続するが、一方向に並列するように接続配列する。
本発明は、使用時には太陽光パネルを一方向へ展開し、使用後には太陽光パネルを折り重ねるように可動フレーム側に収納するので、太陽光発電装置がコンパクトである。
また、収納状態の太陽光パネルは、可動フレームの可動輪を走行させてそのまま移動できる。
【0006】
本発明において、前記可動フレームは略コ字形状であり、前記複数の太陽光パネルは互いにヒンジで連結した下部に展開輪を有し、前記展開輪は互いに紐状部材で連結され、前記紐状部材がモータに巻取られることで、前記太陽光パネルが可動フレームの内側に折り畳み収納されることが好ましい。
このように太陽光パネルが展開輪を有することで、太陽光パネルの展開及び/又は折り畳み収納がしやすく、モータの駆動により太陽光パネルを折畳み収納するので操作性に優れる。
【0007】
本発明において、連結した前記太陽光パネルの先端側に走行輪を有し、収納状態において、前記太陽光パネル側の走行輪と前記可動フレーム側の可動輪とが平行に移動可能であってもよい。
連結した太陽光パネルの先端側(可動フレームと反する側)に、可動フレームの可動輪と平行走行可能な走行輪を設けることで、収納状態の太陽光発電装置は可動輪と走行輪を用いた安定した移動ができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、複数の太陽光パネルで総受光面を大きく確保し、未使用時には太陽光パネルを折り畳んで収納するためコンパクトで、移動性に優れる太陽光発電装置である。
また、モータ駆動を利用することで操作性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る移動式折畳み太陽光発電装置の構造例を示す。
図2】(a)は太陽光パネルの展開状態例を、(b)は収納操作例を説明するための側面図を示す。
図3】展開状態の太陽光パネルと可動フレームの部分平面図を示す。
図4】収納状態の太陽光発電装置の正面図を示す。
図5】実施例2を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る移動式折畳み太陽光発電装置の構造例を、以下、図に基づいて説明する。
なお、本明細書においては、図に明示する左方向を太陽光パネルの展開方向とし、前方向を可動フレームの移動方向として説明するが、移動方向に限定はない。
【0011】
図1に、収納状態の太陽光発電装置10を示す。
太陽光発電装置10は、可動フレーム11の内側に複数の太陽光パネル20を折り畳んで収納してある。
可動フレーム11は、例えば図3に示すように正面フレーム11aと側面フレーム11b、11cからなる略コ字形状であり、正面フレーム11aの下部に可動輪13を2つ有する。
なお、可動フレームの形状や素材、可動輪の数に制限はない。
複数の太陽光パネル20はそれぞれ複数の電池セルの集合体であり、隣り合う太陽光パネル20、20の間に上部ヒンジ21又は下部ヒンジ22が取り付けてある。
複数の太陽光パネル20は、複数の上部ヒンジ21と下部ヒンジ22が左右方向に交互になるように連結され、互いの受光面が対向するように折り畳まれる。
複数の下部ヒンジ22側には、それぞれ展開輪23を設けてある。
複数の展開輪23は太陽光パネル20の展開や収納を補助し、ワイヤーなどの紐状部材16で各展開輪が連結されている。
複数の太陽光パネル20のうち、展開方向先端側の太陽光パネル20は下部ヒンジ22を有して展開取手パネル24と連結しており、収納時にはその受光面を対向する展開取手パネル24で保護する。
この展開取手パネル24の下部ヒンジ22側に、可動輪13と同径の走行輪25を設けることで、収納状態の太陽光発電装置10が左右両側に車輪を有して安定走行できる。
本実施例においては、例えば図4に示すように可動フレーム11にモータ14を搭載し、このモータ14の駆動で回転する巻取ドラム15がシャフト17で前後逆側の巻取ドラム15と連結されてある。
この巻取ドラム15が紐状部材16を巻取ることで、紐状部材16で連結する展開輪23が可動フレーム11側に回収される。
なお、本実施例は前後方向に2つの太陽光パネル20、20aを有する例であるが、図5に示すように前後方向に1つの太陽光パネル20を有するコンパクトなものであってもよい。
また、本実施例は可動フレーム11等を利用してバッテリ18を搭載させた例であるが、バッテリの搭載場所等に制限はない。
【0012】
図2に基づいて、太陽光パネル20の展開状態や収納操作について説明する。
本実施例においては可動フレーム11に固定具19を設けて地面に固定可能とした。
これにより、可動フレームの走行を抑えるので太陽光パネルの展開操作がしやすく、太陽光発電装置の未使用時にも安定した保管が可能である。
図2(a)は、走行輪25及び展開輪23を走行させながら展開取手パネル24を左方向に引っ張り、折り畳まれた複数の太陽光パネル20を徐々に展開した状態である。
このように展開した複数の太陽光パネル20は、その上部ヒンジ21と下部ヒンジ22が交互に左右所定間隔で整列し、紐状部材16で連結された各展開輪23は所定間隔で地面に停止した状態となる。
各太陽光パネル20の連結は、回転角度を制限したヒンジ21、22により折畳み方向を一定方向に制限したものであることが好ましい。
なお、上部ヒンジ21と下部ヒンジ22を別ワイヤーなどで予め連結し、折畳み方向を規制してもよい。
このようにすると、図2(b)に示すようにモータ14により巻取ドラム15が紐状部材16を巻取り、展開輪23が可動フレーム11側に回収される際に、太陽光パネル20の折り畳み方向が制限されながら可動フレーム11の内側に収納されていく。
【0013】
図3に、展開状態の太陽光パネル20、20aと可動フレーム11を、上側から見た部分平面図を示す。
このように、本発明の太陽光発電装置は展開時に大きな受光面を確保しやすい。
また、収納状態においては、可動フレーム11に設けた握持部12を把持して図4、5に示すように移動できる。
太陽光パネルの総受光面の大きさは、必要とする電力に合わせて設定できるが、本発明は4.5kW程の太陽光発電を確保するのにも有効である。
【符号の説明】
【0014】
10 太陽光発電装置
11 可動フレーム
13 可動輪
14 モータ
16 紐状部材
20 太陽光パネル
22 下部ヒンジ
23 展開輪
25 走行輪
図1
図2
図3
図4
図5