IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社テレワークマネジメントの特許一覧

特許7557811バーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法
<>
  • 特許-バーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法 図1
  • 特許-バーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法 図2
  • 特許-バーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法 図3
  • 特許-バーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法 図4
  • 特許-バーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法 図5
  • 特許-バーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法 図6
  • 特許-バーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法 図7
  • 特許-バーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法 図8
  • 特許-バーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法 図9
  • 特許-バーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】バーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024052527
(22)【出願日】2024-03-27
【審査請求日】2024-03-28
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和5年度、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期「ポストコロナ時代の学び方・働き方を実現するプラットフォームの構築」委託研究(研究推進法人:JST)、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509347675
【氏名又は名称】株式会社テレワークマネジメント
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】田澤 由利
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-024879(JP,A)
【文献】特開2001-142850(JP,A)
【文献】特開平06-044170(JP,A)
【文献】特開2001-186490(JP,A)
【文献】特開2001-160959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーチャルオフィスの環境を提供するバーチャルオフィス提供装置であって、
バーチャルオフィスの空間を示す地図情報、前記空間における一以上のユーザの位置を示す位置情報及び前記一以上のユーザの前記空間に表示される状態を示す状態情報を記憶する記憶部と、
通信路を介して前記一以上のユーザが使用する一以上の端末装置と通信する通信部と、
前記地図情報が示す空間に対して前記位置情報で示される位置に前記一以上のユーザに対応するアイコンを配置した状態を示す配置情報及び前記状態情報を前記一以上の端末装置に送信する情報処理部と、を備え、
前記情報処理部は、
前記通信部を介して前記一以上のユーザのうちの第1ユーザから、前記第1ユーザの前記空間に表示される状態を変更する状態変更指示を取得する取得部と、
前記取得部が前記状態変更指示を取得した場合に、前記状態変更指示に従って前記第1ユーザの前記空間に表示される状態を変更するように前記状態情報を更新するとともに、前記第1ユーザの前記空間における位置を変更後の前記状態に対応づけられた位置に変更するように前記位置情報を更新する情報更新部と、
前記地図情報が示す空間に対して前記情報更新部によって変更された後の前記位置情報で示される位置に前記第1ユーザに対応するアイコンを配置した状態を示す配置情報及び前記情報更新部によって変更された後の前記状態情報を前記一以上の端末装置に送信する表示制御部と、を有する、
バーチャルオフィス提供装置。
【請求項2】
さらに、前記取得部は、前記第1ユーザの前記空間における位置を変更する位置変更指示を取得し、
前記情報更新部は、前記取得部が前記位置変更指示を取得した場合に、前記位置変更指示に従って前記第1ユーザの前記空間における位置を変更するように前記位置情報を更新するとともに、前記第1ユーザの前記空間に表示される状態を変更後の前記位置に対応づけられた状態に変更するように前記状態情報を更新し、
前記表示制御部は、前記地図情報が示す空間に対して前記情報更新部によって変更された後の前記位置情報で示される位置に前記第1ユーザに対応するアイコンを配置した状態を示す配置情報及び前記情報更新部によって変更された後の前記状態情報を前記一以上の端末装置に送信する、
請求項1記載のバーチャルオフィス提供装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記空間において前記ユーザがとり得る位置のそれぞれについて、ユーザの前記空間に表示される状態との対応関係を示す対応関係情報を記憶しており、
前記情報更新部は、前記対応関係情報を参照することで、変更後の前記位置に対応づけられた状態を特定する又は変更後の前記状態に対応づけられた位置を特定する、
請求項1又は2記載のバーチャルオフィス提供装置。
【請求項4】
前記対応関係情報には、一の前記状態に対して、複数の異なる前記位置が対応づけられた対応関係が含まれ、
前記情報更新部は、前記対応関係情報を参照したときに、変更後の前記状態に対応づけられた前記位置が複数である場合に、複数の前記位置からの選択を前記第1ユーザから受け付け、選択された前記位置に変更する、
請求項3記載のバーチャルオフィス提供装置。
【請求項5】
コンピュータによって実行されるバーチャルオフィスの環境を提供するバーチャルオフィス提供方法であって、
前記コンピュータは、
バーチャルオフィスの空間を示す地図情報、前記空間における一以上のユーザの位置を示す位置情報及び前記一以上のユーザの前記空間に表示される状態を示す状態情報を記憶する記憶部と、
通信路を介して前記一以上のユーザが使用する一以上の端末装置と通信する通信部と、
前記地図情報が示す空間に対して前記位置情報で示される位置に前記一以上のユーザに対応するアイコンを配置した状態を示す配置情報及び前記状態情報を前記一以上の端末装置に送信する情報処理部と、を備え、
前記バーチャルオフィス提供方法は、
前記情報処理部が、前記通信部を介して前記一以上のユーザのうちの第1ユーザから、前記第1ユーザの前記空間に表示される状態を変更する状態変更指示を取得する取得ステップと、
前記情報処理部が、前記取得ステップで前記状態変更指示を取得した場合に、前記状態変更指示に従って前記第1ユーザの前記空間に表示される状態を変更するように前記状態情報を更新するとともに、前記第1ユーザの前記空間における位置を変更後の前記状態に対応づけられた位置に変更するように前記位置情報を更新する情報更新ステップと、
前記情報処理部が、前記地図情報が示す空間に対して前記情報更新ステップで変更された後の前記位置情報で示される位置に前記第1ユーザに対応するアイコンを配置した状態を示す配置情報及び前記情報更新ステップで変更された後の前記状態情報を前記一以上の端末装置に送信する表示制御ステップと、を含む、
バーチャルオフィス提供方法。
【請求項6】
請求項5記載のバーチャルオフィス提供方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
前記状態情報は、「応対可能」、「離席中」、「取り込み中」又は「通話中」のいずれか1つである、
請求項1又は2に記載のバーチャルオフィス提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現実のオフィスで働く人の位置情報を、バーチャルオフィスでの対応する位置情報に変換して、バーチャルオフィス上で表示する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-103906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現実のオフィスとは異なり、バーチャルオフィスでは、コミュニケーションをとろうとする相手が何をしているかを直接目で見て確認することができないため、話しかけるきっかけを得にくい。これにより、円滑なコミュニケーションが図れないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、バーチャルオフィスのユーザ同士のコミュニケーションをより円滑にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るバーチャルオフィス提供装置は、バーチャルオフィスの環境を提供するバーチャルオフィス提供装置であって、バーチャルオフィスの空間を示す地図情報、前記空間における一以上のユーザの位置を示す位置情報及び前記一以上のユーザの前記空間に表示される状態を示す状態情報を記憶する記憶部と、通信路を介して前記一以上のユーザが使用する一以上の端末装置と通信する通信部と、前記地図情報が示す空間に対して前記位置情報で示される位置に前記一以上のユーザに対応するアイコンを配置した状態を示す配置情報及び前記状態情報を前記一以上の端末装置に送信する情報処理部と、を備え、前記情報処理部は、前記通信部を介して前記一以上のユーザのうちの第1ユーザから、前記第1ユーザの前記空間に表示される状態を変更する状態変更指示を取得する取得部と、前記取得部が前記状態変更指示を取得した場合に、前記状態変更指示に従って前記第1ユーザの前記空間に表示される状態を変更するように前記状態情報を更新するとともに、前記第1ユーザの前記空間における位置を変更後の前記状態に対応づけられた位置に変更するように前記位置情報を更新する情報更新部と、前記地図情報が示す空間に対して前記情報更新部によって変更された後の前記位置情報で示される位置に前記第1ユーザに対応するアイコンを配置した状態を示す配置情報及び前記情報更新部によって変更された後の前記状態情報を前記一以上の端末装置に送信する表示制御部と、を有する。
【0007】
また、本開示の一態様に係るバーチャルオフィス提供方法は、コンピュータによって実行されるバーチャルオフィスの環境を提供するバーチャルオフィス提供方法であって、前記コンピュータは、バーチャルオフィスの空間を示す地図情報、前記空間における一以上のユーザの位置を示す位置情報及び前記一以上のユーザの前記空間に表示される状態を示す状態情報を記憶する記憶部と、通信路を介して前記一以上のユーザが使用する一以上の端末装置と通信する通信部と、前記地図情報が示す空間に対して前記位置情報で示される位置に前記一以上のユーザに対応するアイコンを配置した状態を示す配置情報及び前記状態情報を前記一以上の端末装置に送信する情報処理部と、を備え、前記バーチャルオフィス提供方法は、前記情報処理部が、前記通信部を介して前記一以上のユーザのうちの第1ユーザから、前記第1ユーザの前記空間に表示される状態を変更する状態変更指示を取得する取得ステップと、前記情報処理部が、前記取得ステップで前記状態変更指示を取得した場合に、前記状態変更指示に従って前記第1ユーザの前記空間に表示される状態を変更するように前記状態情報を更新するとともに、前記第1ユーザの前記空間における位置を変更後の前記状態に対応づけられた位置に変更するように前記位置情報を更新する情報更新ステップと、前記情報処理部が、前記地図情報が示す空間に対して前記情報更新ステップで変更された後の前記位置情報で示される位置に前記第1ユーザに対応するアイコンを配置した状態を示す配置情報及び前記情報更新ステップで変更された後の前記状態情報を前記一以上の端末装置に送信する表示制御ステップと、を含む。
【0008】
なお、本発明は、上記バーチャルオフィス提供方法として実現できるだけでなく、バーチャルオフィス提供方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実現できる。さらに、そのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても実現できる。
【発明の効果】
【0009】
これにより、バーチャルオフィスのユーザ同士のコミュニケーションをより円滑にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係るバーチャルオフィスシステムの機能構成を示すブロック図
図2】実施の形態に係るバーチャルオフィスの地図情報の一例を示す図
図3】実施の形態に係る位置情報を示す図
図4】実施の形態に係る状態情報を示す図
図5】実施の形態に係るバーチャルオフィスの模式図
図6】実施の形態に係るバーチャルオフィス提供装置の動作例1の動作を示すフローチャート
図7】実施の形態に係るバーチャルオフィス提供装置の動作例1における状態情報の更新を示す図
図8】実施の形態に係るバーチャルオフィス提供装置の動作例2の動作を示すフローチャート
図9】実施の形態に係るバーチャルオフィス提供装置の動作例2で表示される画像を示す図
図10】実施の形態に係るバーチャルオフィス提供装置の動作例2で表示される他の画像を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態)
以下、本発明に係るの実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0013】
[構成]
最初に、本実施の形態に係るバーチャルオフィスシステム10の構成について説明する。図1は、実施の形態に係るバーチャルオフィスシステム10の機能構成を示すブロック図である。
【0014】
バーチャルオフィスシステム10は、仮想空間(バーチャルオフィス)を介して遠隔にいるユーザ同士のコミュニケーションを促進するための情報処理システムである。バーチャルオフィスシステム10は、複数のユーザが共有する仮想空間におけるさまざまな情報を各ユーザの端末装置30に表示することで、視覚的に情報を共有させることができる。仮想空間におけるさまざまな情報とは、仮想空間の地図情報、ユーザの仮想空間における位置情報及び状態情報等である。バーチャルオフィスシステム10は、バーチャルオフィス提供装置20及び複数のユーザが使用する複数の端末装置30を備える。
【0015】
バーチャルオフィス提供装置20は、バーチャルオフィスを複数のユーザに共有させるための情報処理等を行う。バーチャルオフィス提供装置20は、通信部21、情報処理部22及び記憶部23を備える。
【0016】
通信部21は、バーチャルオフィス提供装置20が、複数の端末装置30とインターネット等の公衆ネットワーク50を介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。通信部21によって行われる通信は、例えば、無線通信である。通信部21によって行われる通信の通信規格は特に限定されない。
【0017】
情報処理部22は、バーチャルオフィスに関する情報を更新するための処理及び複数の端末装置30の表示部35へ画像を表示させるための処理等を行う。情報処理部22は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部22の機能は、たとえば、情報処理部22を構成するマイクロコンピュータ又はプロセッサ等が記憶部23に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。情報処理部22は、具体的には、取得部221、表示制御部222及び情報更新部223を備える。
【0018】
取得部221は、ユーザによる情報の変更指示等を取得する。
【0019】
表示制御部222は、ユーザの端末装置30へバーチャルオフィスを表示させるための処理を行う。
【0020】
情報更新部223は、取得部221が取得した情報に基づいて、記憶部23に記憶される仮想空間に関する情報を更新する。
【0021】
記憶部23は、バーチャルオフィス情報40及び情報処理部22によって実行されるコンピュータプログラム等が記憶される記憶装置である。記憶部23は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0022】
バーチャルオフィス情報40は、記憶部23に記憶されるバーチャルオフィスに関する情報である。バーチャルオフィス情報40は、地図情報41、位置情報42及び状態情報43を含む。
【0023】
地図情報41は、バーチャルオフィスを構築するための情報である。図2は、実施の形態に係るバーチャルオフィスの地図情報41の一例を示す図である。図2に示すように、地図情報41は、複数の区画データの集合情報である。区画データは、区画の名称、区画の座標及び区画にいるときのユーザの状態を含むデータである。区画データは、管理ユーザによって作成及び更新される。管理ユーザは、バーチャルオフィスシステム10を利用するユーザのうち、地図情報41を作成及び更新するための権限を有するユーザである。「区画の名称」は、バーチャルオフィスの画像上に表示される区画の名前である。「区画の座標」は、バーチャルオフィスにおける区画の占める範囲を示す座標である。「ユーザの状態」は、区画にいるときのユーザの状態を示す情報であり、あらかじめ定められた状態を示す情報の候補の中から1つを選択して設定する。状態を示す情報の候補は、例えば、「応対可能」、「取り込み中」、「離席中」及び「作業中」の4つである。この地図情報41における「区画の名称」と「ユーザの状態」との対応づけは、ユーザがとり得る位置のそれぞれについて、バーチャルオフィスにおけるユーザの状態との対応関係を示す対応関係情報に相当する。つまり、本実施の形態における地図情報41は、バーチャルオフィスの空間を示す地図情報と、ユーザがとり得る位置のそれぞれについてバーチャルオフィスにおけるユーザの状態との対応関係を示す対応関係情報とを合体した情報である。
【0024】
例えば、図2に示される地図情報41では、11個の区画が設定されている。区画の名称「オフィス1」は、バーチャルオフィスにおいて座標(0、15、20、10)を占める区画であり、「オフィス1」にいるときのユーザの状態は「対応可能」と設定されている。区画の名称「会議室1」は、バーチャルオフィスにおいて座標(0、0、20、10)を占める区画であり、「会議室1」にいるときのユーザの状態は「取り込み中」と設定されている。
【0025】
ここでは、座標を(起点のX座標、起点のY座標、区画の幅、区画の高さ)と表しているが、座標の設定方法等はあくまで例示であり、この形式に限定しない。
【0026】
なお、ここであげた区画の名称、位置、種類及び数等はあくまで一例である。区画の名称、位置、種類及び数等は、管理ユーザが任意に設定することができる。管理ユーザは、地図情報41を任意のタイミングで更新することができる。
【0027】
位置情報42は、バーチャルオフィスを使用する各ユーザについてユーザの名前と当該ユーザのアイコンの表示位置を示す座標を対応付けた情報の集合情報である。図3は、実施の形態に係る位置情報42を示す図である。例えば、図3の「Aさん」のアイコンの表示位置を示す座標は(5、22)である。各ユーザは、位置情報42のうち自身のアイコンの表示位置を示す座標を変更することができる。なお、各ユーザは、位置情報42のうち自身のアイコンの表示位置を示す座標以外のデータを変更することができなくてもよい。
【0028】
ここでは、座標を(アイコンの中心点のX座標、アイコンの中心点のY座標)と表しているが、座標の設定形式等はあくまで例示であり、この形式に限定しない。
【0029】
状態情報43は、バーチャルオフィスを利用する各ユーザについて、ユーザの名前と当該ユーザの状態を示す情報を対応付けた情報である。図4は、実施の形態に係る状態情報43を示す図である。例えば、図4の「Aさん」の状態を示す情報は「応対可能」である。各ユーザは、状態情報43のうち自身の状態を示す情報を変更することができる。なお、各ユーザは、状態情報43のうち自身の状態を示す情報以外のデータを変更することができなくてもよい。
【0030】
ここで、本実施の形態においては、状態を示す情報は、「応対可能」、「離席中」、「取り込み中」又は「作業中」のいずれか一つである。つまり、状態を示す情報は、ユーザごとに必ず一つに特定される。
【0031】
なお、状態を示す情報は、外部のアプリケーションプログラムと連動していてもよく、この時、状態を示す情報の候補は外部のアプリケーションプログラムにおける状態を示す情報の候補と同一であってもよい。
【0032】
端末装置30は、例えば、ユーザが使用するスマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等の情報端末装置である。端末装置30のユーザは、バーチャルオフィスシステム10の利用者であり、共通のバーチャルオフィスで働く人及びバーチャルオフィスに来訪した人等である。ユーザは、端末装置30を用いて、バーチャルオフィスのユーザ同士でコミュニケーションをとることができる。端末装置30は、具体的には、通信部31、情報処理部32、記憶部33、操作受付部34及び表示部35を備える。
【0033】
通信部31は、端末装置30が、バーチャルオフィス提供装置20とインターネット等の公衆ネットワーク50を介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。通信部31によって行われる通信は、例えば、無線通信である。通信部31によって行われる通信の通信規格は特に限定されない。
【0034】
情報処理部32は、表示制御部222から取得した指示に応じて表示部35へ画像を表示する処理等を行う。情報処理部32は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部32の機能は、例えば、情報処理部32を構成するマイクロコンピュータ又はプロセッサ等が記憶部33に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0035】
記憶部33は、情報処理部32によって実行されるコンピュータプログラム等が記憶される記憶装置である。記憶部33に記憶されるコンピュータプログラムには、端末装置30がバーチャルオフィス提供装置20にアクセスするための専用のアプリケーションプログラムが含まれる。記憶部33は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0036】
操作受付部34は、ユーザの操作を受け付ける。操作受付部34は、例えば、マウス、キーボード又はタッチパネル等によって実現される。
【0037】
表示部35は、画像を表示する。表示部35は、例えば、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示パネルによって実現される。
【0038】
[バーチャルオフィスの構築]
まず、最初に、管理ユーザが地図情報41を作成することによって、バーチャルオフィスを構築する。
【0039】
表示制御部222は、地図情報41に基づいてバーチャルオフィスの地図画像を作成する。作成されたバーチャルオフィスの地図画像は、あらかじめ通信部21を介して端末装置30に送信され、端末装置30の記憶部33に記憶されていてもよい。また、端末装置30の記憶部33には、地図情報41が記憶され、情報処理部32が、地図情報41に基づいてバーチャルオフィスの地図画像を作成してもよい。
【0040】
次に、管理ユーザは、バーチャルオフィスシステム10を利用するユーザ全員の名簿を作成する。この名簿は、位置情報42及び状態情報43に複写される。
【0041】
最後に、各ユーザは、バーチャルオフィスシステム10の利用を開始するときに、自身のアイコンの表示位置を示す座標を選択する。これにより、位置情報42が更新され、地図情報41を参照することで、各ユーザの状態が特定され、状態情報43が更新される。
【0042】
また、各ユーザは、事前にバーチャルオフィスシステム10の利用開始時にアイコンを表示する位置(つまり、初期位置)を登録しておくことができる。例えば、各ユーザは、バーチャルオフィスにおける自身の席を登録することができる。この時、各ユーザはバーチャルオフィスシステム10の利用を開始するときに自身のアイコンの表示位置を選択しなくてもよい。さらに、各ユーザは事前に所定の状態を取ったときにアイコンの表示位置を移動させる所定の区画(又は座標)を登録することができる。
【0043】
図5は、実施の形態に係るバーチャルオフィスの模式図である。図5に示すように、地図情報41に基づいてバーチャルオフィスの区画分けがされる。位置情報42に基づいてユーザの位置を示すアイコンが区画の中に表示される。状態情報43の表示は、ユーザの位置を示すアイコンに状態を示すアイコンが重畳表示されていてもよいし、バーチャルオフィスとは別の画面に一覧表示されていてもよい。ここでは、状態情報43の表示方法は限定しない。
【0044】
[動作例1]
従来のバーチャルオフィスでは、バーチャルオフィスにおけるユーザのアイコンの表示位置及びユーザの状態は、独立して管理されている。つまり、ユーザが部屋を移動する場合は、ユーザはアイコンの表示位置と状態とを別々に変更する必要があり、手間がかかるだけでなく、どちらかを変更することを忘れることが多発する。すると、バーチャルオフィスにいる人についての状態の表示が誤っていることがあるため、密なコミュニケーションが抑制されることがある。
【0045】
これに対し、バーチャルオフィス提供装置20では、ユーザがバーチャルオフィスにおける自身のアイコンの表示位置を変更すると、自動的にユーザの状態がアイコンの表示位置に対応付けられた状態に変更される。これにより、ユーザはアイコンの表示位置のみを変更すればよくなり、手間が削減され、状態の変更を忘れることがなくなる。したがって、ユーザの状態が不正確なものになることを抑制することができるため、バーチャルオフィスのユーザ同士のコミュニケーションをより円滑にすることができる。以下、このような動作例1について説明する。図6は、実施の形態に係るバーチャルオフィス提供装置20の動作例1の動作を示すフローチャートである。
【0046】
まず、取得部221は、ユーザによってされた位置変更指示を取得する(S11)。位置変更指示は、ユーザが自身のバーチャルオフィスにおけるアイコンの表示位置を変更するための指示である。位置変更指示は、ユーザの端末装置30の操作受付部34によって受け付けられる。操作受付部34によって受け付けられた位置変更指示は、通信部31、公衆ネットワーク及び通信部21を介してバーチャルオフィス提供装置20に送信される。位置変更指示は、例えば、ユーザが移動しようとするバーチャルオフィスにおける区画を、マウスの右クリックによって選択することで受け付けられる。
【0047】
取得部221がユーザの位置変更指示を取得すると、情報更新部223は、取得した位置変更指示に基づいて位置情報42を更新する(S12)。つまり、情報更新部223は、記憶部33に記憶される位置情報42におけるユーザに対応付けられたアイコンの位置を示す座標を変更する。
【0048】
次に、情報更新部223は、地図情報41及び更新された位置情報42に基づいて、ユーザが変更した位置に対応する区画にいるときの状態を特定する(S13)。具体的には、情報更新部223は、位置情報42に含まれるユーザが変更したアイコンの位置を示す座標が、地図情報41に設定された複数の「区画の名称」のうちどの区画に含まれるかを特定し、特定した区画に対応する「ユーザの状態」を特定する。
【0049】
そして、情報更新部223は、特定した「ユーザの状態」に基づいて、状態情報43を更新する(S14)。つまり、記憶部33に記憶される状態情報43におけるユーザの名前に対応付けられた状態を変更する。なお、特定した「区画の名称」を、位置情報42における追加的な項目として登録してもよい。
【0050】
最後に、表示制御部222は、更新された位置情報42及び状態情報43に基づいて、端末装置30の表示部35に表示されるバーチャルオフィスの画像を変更する(S15)。表示制御部222は、具体的には、地図情報41が示すバーチャルオフィスに対して更新後の位置情報42で示される位置にユーザに対応するアイコンを配置した配置情報及び更新された後の状態情報43を表示するための処理を行う。
【0051】
例えば、表示制御部222は、変更後の画像を作成し、端末装置30へ作成した画像を送信する。なお、表示制御部222は、更新前の位置情報42及び状態情報43と更新後の位置情報42及び状態情報43との差分を示す情報を端末装置30へ送信し、情報処理部32によってバーチャルオフィスの画像を変更する処理が行われてもよい。
【0052】
なお、ステップS11においてユーザが選択した座標に対して、地図情報41で区画が設定されていない場合(例えば、バーチャルオフィスの画像における「廊下」の位置をユーザが選択した場合)は、座標を変更せずにユーザに警告表示を提示してもよいし、選択された座標から最も近い区画にユーザのアイコンを移動させてもよい。
【0053】
このような動作例1によれば、ユーザがバーチャルオフィスにおける自身のアイコンの表示位置を変更すると、自動的にユーザの状態がアイコンの表示位置に対応付けられた状態に変更されるので、バーチャルオフィスのユーザ同士のコミュニケーションをより円滑にすることができる。
【0054】
[動作例1の具体例]
例えば、図3の「Aさん」がアイコンの表示位置を「会議室1」に変更した場合のバーチャルオフィス提供装置20の動作について説明する。
【0055】
最初に、「Aさん」がアイコンの表示位置を変更する前の状況を説明する。図3に示される位置情報42において、「Aさん」の位置を示す座標は(5、22)である。図2に示される地図情報41を参照することで、「Aさん」は区画の名称「オフィス1」にいて、対応付けられた状態は「応対可能」であることが分かる。
【0056】
まず、「Aさん」がアイコンの表示位置を「会議室1」に変更する操作を行う。この操作は、「Aさん」の端末装置30の操作受付部34によって受け付けられる。取得部221が取得した「Aさん」の位置変更指示に基づいて、情報更新部223は、位置情報42における「Aさん」の座標を変更する。
【0057】
変更先の座標は、「会議室1」に予め設定されたアイコンを表示するための位置の候補のうち、他のユーザのアイコンが表示されていない箇所を示す座標である。この時、地図情報41を参照することで、「Aさん」の変更後の位置を示す座標が区画の名称「会議室1」内にあることが分かる。ここで、地図情報41は、区画の名称「会議室1」におけるアイコンを表示するための位置の候補を示す情報を含んでおり、位置情報42を参照することで、この候補のうち使用されていない位置を特定する。
【0058】
また、変更先の座標は、「Aさん」の位置変更指示が直接指し示す座標、例えば、「Aさん」がマウスを用いて右クリックをした座標であってもよい。
【0059】
情報更新部223は、地図情報41を参照することで「会議室1」にいるユーザの状態が「取り込み中」であることを特定する。図7は、実施の形態に係るバーチャルオフィス提供装置20の動作例1における状態情報43の更新を示す図である。図7に示すように、状態情報43のうち「Aさん」の状態を示す情報を「応対可能」から「取り込み中」へと更新する。最後に、表示制御部222は、「Aさん」の位置を「会議室1」に、状態を「取り込み中」に変更したバーチャルオフィスの画像をすべてのユーザの端末装置30へ送信する。
【0060】
以上のように、バーチャルオフィス提供装置20によれば、「Aさん」がバーチャルオフィスにおける「Aさん」のアイコンの表示位置を「会議室1」に変更すると、自動的に「Aさん」の状態が「取り込み中」に変更される。
【0061】
[動作例2]
バーチャルオフィス提供装置20では、ユーザがバーチャルオフィスにおける自身の状態を変更すると、自動的にユーザのアイコンの表示位置が状態に対応付けられたアイコンの表示位置に変更される。したがって、ユーザのアイコンの表示位置が不正確なものになることを抑制することができる。以下、このような動作例2について説明する。図8は、実施の形態に係るバーチャルオフィス提供装置20の動作例2の動作を示すフローチャートである。
【0062】
まず、取得部221は、ユーザによってされた状態変更指示を取得する(S21)。状態変更指示は、ユーザが自身のバーチャルオフィスにおけるユーザの状態を変更するための指示である。状態変更指示は、ユーザの端末装置30の操作受付部34によって受け付けられる。操作受付部34によって受け付けられた状態変更指示は、通信部31、公衆ネットワーク及び通信部21を介してバーチャルオフィス提供装置20に送信される。図9は、実施の形態に係るバーチャルオフィス提供装置20の動作例2で表示される画像を示す図である。図9に示すように、ユーザが状態を変更しようとした時、ユーザがとりうる状態の候補が一覧表示されてもよい。状態変更指示は、例えば、ユーザがとりうる状態の候補の中から、ユーザが変更しようとする状態をマウスの右クリックによって選択することで受け付けられる。
【0063】
取得部221がユーザの状態変更指示を取得すると、情報更新部223は、取得した状態変更指示に基づいて状態情報43を更新する(S22)。つまり、記憶部33に記憶される状態情報43におけるユーザに対応付けられた状態を変更する。
【0064】
次に、情報更新部223は、地図情報41及び更新された状態情報43に基づいて、ユーザが変更した状態に対応する区画にいるときの位置を示す座標を特定する(S23)。具体的には、情報更新部223は、状態情報43に含まれるユーザが変更した状態が、地図情報41に設定された複数の区画のうちどの区画に対応付けられているかを特定し、特定された区画にいるユーザの位置を示す座標を特定する。
【0065】
この時、情報更新部223は、特定された区画が一つであるかどうか判定する(S24)。
【0066】
特定された区画が一つであると判定された場合(S24でYes)、情報更新部223は、特定された区画に基づいて、ユーザの変更後のアイコンの表示位置を示す座標を決定し、位置情報42を更新する(S25)。つまり、記憶部23に記憶される位置情報42におけるユーザの名前に対応付けられた座標を変更する。
【0067】
特定された区画が二以上の数であると判定された場合(S24でNo)、情報更新部223は、所定の区画(又は座標)が登録されているかどうか判定する(S26)。ユーザは事前に所定の状態を取ったときにアイコンの表示位置を移動させる所定の区画(又は座標)を登録することができるが、情報更新部223は、これがユーザの変更後の状態について登録されているかどうか判定する。
【0068】
所定の区画が登録されていると判定された場合(S26でYes)、情報更新部223は、特定された区画(又は座標)に基づいて、ユーザの変更後のアイコンの表示位置を示す座標を決定し、位置情報42を更新する(S25)。
【0069】
所定の区画が登録されていないと判定された場合(S26でNo)、情報更新部223は、地図情報41に基づいて、区画の候補を特定する。表示制御部222は、通信部21、公衆ネットワーク50及び通信部31を介して、端末装置30に特定された区画の候補を送信し、情報処理部32に区画の候補を表示部35に表示させる処理を行わせることで、ユーザに区画の候補を提示する(S27)。
【0070】
次に、取得部221は、ユーザによってされた区画選択指示を取得する(S28)。区画選択指示は、ユーザが提示された区画の候補からアイコンを表示しようとする区画を選択する指示である。区画選択指示は、ユーザの端末装置30の操作受付部34によって受け付けられ、通信部31、公衆ネットワーク及び通信部21を介してバーチャルオフィス提供装置20に送信される。図10は、実施の形態に係るバーチャルオフィス提供装置20の動作例2で表示される他の画像を示す図である。図10に示すように、ユーザのアイコンが表示される区画の候補が一覧表示されてもよい。区画選択指示は、例えば、ユーザのアイコンが表示される区画の候補の中から1つをマウスの右クリックによって選択することで受け付けられる。
【0071】
取得部221が、区画選択指示を取得すると、情報更新部223は、区画選択指示に基づいて、ユーザの変更後のアイコンの表示位置を示す座標を決定し、位置情報42を更新する(S25)。
【0072】
最後に、表示制御部222は、更新された位置情報42及び状態情報43に基づいて、端末装置30の表示部35に表示されるバーチャルオフィスの画像を変更する(S29)。表示制御部222は、具体的には、地図情報41が示すバーチャルオフィスに対して更新後の位置情報42で示される位置にユーザに対応するアイコンを配置した配置情報及び更新された後の状態情報43を表示するための処理を行う。
【0073】
このような動作例2によれば、ユーザがバーチャルオフィスにおける自身の状態を変更すると、ユーザの状態に対応づけられたアイコンの表示位置が一つである場合には、自動的にユーザのアイコンの表示位置が状態に対応付けられたアイコンの表示位置に移動される。したがって、バーチャルオフィスのユーザ同士のコミュニケーションをより円滑にすることができる。
【0074】
[動作例2の具体例1]
例えば、「Bさん」が状態情報を「作業中」に変更した場合のバーチャルオフィス提供装置20の動作について説明する。図2に示される地図情報41で構築されるバーチャルオフィスでは、「作業中」に対応付けられた区画は「集中作業室」のみである。
【0075】
最初に、「Bさん」が状態を変更する前の状況を説明する。図4に示される状態情報43において、「Bさん」の状態は「応対可能」である。図2に示される地図情報41及び図3に示される位置情報42を参照することで、「Bさん」は区画の名称「オフィス1」にいて、対応付けられた座標は(9、18)であることが分かる。
【0076】
まず、「Bさん」が状態を「作業中」に変更する操作を行う。この操作は、「Bさん」の端末装置30の操作受付部34によって受け付けられる。取得部221が取得した「Bさん」の状態変更指示に基づいて、情報更新部223は、状態情報43における「Bさん」の状態を「作業中」に変更する。
【0077】
情報更新部223は、地図情報41を参照することで状態が「作業中」であるユーザのアイコンが表示される区画が「集中作業室」の1つだけであることを特定し、「集中作業室」内の座標を1つ決定する。情報更新部223は、位置情報42のうち「Bさん」のアイコンの表示位置を示す座標を、決定された座標へと更新する。最後に、表示制御部222は、「Bさん」の位置を「集中作業室」に、状態を「作業中」に変更したバーチャルオフィスの画像をすべてのユーザの端末装置30へ送信する。
【0078】
以上のように、バーチャルオフィス提供装置20によれば、「Bさん」がバーチャルオフィスにおける「Bさん」の状態を「作業中」に変更すると、自動的に「Bさん」のアイコンの表示位置が「集中作業室」に変更される。
【0079】
[動作例2の具体例2]
例えば、「Cさん」が状態情報を「応対可能」に変更した場合のバーチャルオフィス提供装置20の動作について説明する。図2に示される地図情報41で構築されるバーチャルオフィスでは、「応対可能」に対応付けられた区画は、「オフィス1」、「オフィス2」及び「オフィス3」である。
【0080】
最初に、「Cさん」が状態を変更する前の状況を説明する。図4に示される状態情報43において、「Cさん」の状態は「作業中」である。図2に示される地図情報41及び図3に示される位置情報42を参照することで、「Cさん」は区画の名称「集中作業室」にいて、対応付けられた座標は(49、33)であることが分かる。また、「Cさん」は、事前に状態が「応対可能」であるときにアイコンを区画の名称「オフィス2」に表示させるように登録している。
【0081】
まず、「Cさん」が状態を「応対可能」に変更する操作を行う。この操作は、「Cさん」の端末装置30の操作受付部34によって受け付けられる。取得部221が取得した「Cさん」の状態変更指示に基づいて、情報更新部223は、状態情報43における「Cさん」の状態を「応対可能」に変更する。
【0082】
情報更新部223は、地図情報41を参照することで状態が「応対可能」であるユーザのアイコンが表示される区画が「オフィス1」、「オフィス2」及び「オフィス3」の3つであることを特定する。次に、情報更新部223は、「Cさん」が事前に状態が「応対可能」であるときにアイコンを区画の名称「オフィス2」に表示させるように登録されていることを確認し、「オフィス2」内の座標を1つ決定する。情報更新部223は、位置情報42のうち「Cさん」のアイコンの表示位置を示す座標を、決定された座標へと更新する。最後に、表示制御部222は、「Cさん」の位置を「オフィス2」に、状態を「応対可能」に変更したバーチャルオフィスの画像をすべてのユーザの端末装置30へ送信する。
【0083】
以上のように、バーチャルオフィス提供装置20によれば、「Cさん」がバーチャルオフィスにおける「Cさん」の状態を「応対可能」に変更すると、自動的に「Cさん」のアイコンの表示位置が「オフィス2」に変更される。
【0084】
[動作例2の具体例3]
例えば、「Dさん」が状態情報を「取り込み中」に変更した場合のバーチャルオフィス提供装置20の動作について説明する。図2に示される地図情報41で構築されるバーチャルオフィスでは、「取り込み中」に対応付けられた区画は、「会議室1」、「会議室2」、「会議室3」、「応接室」及び「電話中」である。
【0085】
最初に、「Dさん」が状態を変更する前の状況を説明する。図4に示される状態情報43において、「Dさん」の状態は「応対可能」である。図2に示される地図情報41及び図3に示される位置情報42を参照することで、「Dさん」は区画の名称「オフィス1」にいて、対応付けられた座標は(9、22)であることが分かる。
【0086】
まず、「Dさん」が状態を「取り込み中」に変更する操作を行う。この操作は、「Dさん」の端末装置30の操作受付部34によって受け付けられる。取得部221が取得した「Dさん」の状態変更指示に基づいて、情報更新部223は、状態情報43における「Dさん」の状態を「取り込み中」に変更する。
【0087】
情報更新部223は、地図情報41を参照することで状態が「取り込み中」であるユーザのアイコンが表示される区画が「会議室1」、「会議室2」、「会議室3」、「応接室」及び「電話中」の5つであることを特定する。次に、情報更新部223は、「Dさん」が事前に状態が「取り込み中」であるときにアイコンを表示させる区画(又は座標)が登録されていないことを確認する。そして、表示制御部222は、「会議室1」、「会議室2」、「会議室3」、「応接室」及び「電話中」の5つを区画の候補として「Dさん」に提示する。
【0088】
「Dさん」は、提示された区画の候補の中から、移動しようとする区画の名称「会議室2」を選択する。情報更新部223は、「会議室2」内の座標を1つ決定し、位置情報42のうち「Dさん」のアイコンの表示位置を示す座標を、決定された座標へと更新する。最後に、表示制御部222は、「Dさん」の位置を「会議室2」に、状態を「取り込み中」に変更したバーチャルオフィスの画像をすべてのユーザの端末装置30へ送信する。
【0089】
以上のように、バーチャルオフィス提供装置20は、「Dさん」がバーチャルオフィスにおける「Dさん」の状態を「取り込み中」に変更すると、「Dさん」に区画の候補を提示し、選択を受け付けることで、「Dさん」のアイコンの表示位置を「会議室2」に変更することができる。
【0090】
[効果等]
以下、本明細書の開示内容から得られる発明を例示し、例示される発明から得られる効果等について説明する。
【0091】
発明1は、バーチャルオフィスの環境を提供するバーチャルオフィス提供装置20であって、バーチャルオフィスの空間を示す地図情報41、空間における一以上のユーザの位置を示す位置情報42及び一以上のユーザの空間における状態を示す状態情報43を記憶する記憶部23と、通信路を介して一以上のユーザが使用する一以上の端末装置30と通信する通信部21と、地図情報41が示す空間に対して位置情報42で示される位置に一以上のユーザに対応するアイコンを配置した状態を示す配置情報及び状態情報43を一以上の端末装置30に送信する情報処理部22と、を備え、情報処理部22は、通信部21を介して一以上のユーザのうちの第1ユーザから、第1ユーザの空間における位置を変更する位置変更指示又は第1ユーザの空間における状態を変更する状態変更指示を取得する取得部221と、取得部221が状態変更指示を取得した場合に、状態変更指示に従って第1ユーザの空間における状態を変更するように状態情報43を更新するとともに、第1ユーザの空間における位置を変更後の状態に対応づけられた位置に変更するように位置情報42を更新する情報更新部223と、地図情報41が示す空間に対して情報更新部223によって変更された後の位置情報42で示される位置に第1ユーザに対応するアイコンを配置した配置情報及び情報更新部によって変更された後の状態情報43を一以上の端末装置30に送信する表示制御部222と、を有する、バーチャルオフィス提供装置20である。
【0092】
このようなバーチャルオフィス提供装置20によれば、ユーザがバーチャルオフィスにおける状態を変更すると、自動的に、対応する位置にユーザのアイコンの表示位置が変更される。これにより、ユーザのアイコンの表示位置が不正確なものになることを抑制することができるため、バーチャルオフィスのユーザ同士のコミュニケーションをより円滑にすることができる。
【0093】
発明2は、さらに、取得部221は、第1ユーザの空間における位置を変更する位置変更指示を取得し、情報更新部223は、取得部221が位置変更指示を取得した場合に、位置変更指示に従って第1ユーザの空間における位置を変更するように位置情報42を更新するとともに、第1ユーザの空間における状態を変更後の位置に対応づけられた状態に変更するように状態情報43を更新し、表示制御部222は、地図情報41が示す空間に対して情報更新部223によって変更された後の位置情報42で示される位置に第1ユーザに対応するアイコンを配置した配置情報及び情報更新部223によって変更された後の状態情報43を一以上の端末装置30に送信する、発明1のバーチャルオフィス提供装置20である。
【0094】
このようなバーチャルオフィス提供装置20によれば、ユーザがバーチャルオフィスにおけるアイコンの表示位置を変更すると、自動的に、対応する状態にユーザの状態が変更される。これにより、ユーザの状態が不正確なものになることを抑制することができるため、バーチャルオフィスのユーザ同士のコミュニケーションをより円滑にすることができる。
【0095】
発明3は、記憶部23は、空間においてユーザがとり得る位置のそれぞれについて、空間におけるユーザの状態との対応関係を示す対応関係情報を記憶しており、情報更新部223は、対応関係情報を参照することで、変更後の位置に対応づけられた状態を特定する又は変更後の状態に対応づけられた位置を特定する、発明1又は2のバーチャルオフィス提供装置20である。
【0096】
このようなバーチャルオフィス提供装置20は、ユーザの位置とユーザの状態とを対応付けて管理することで、どちらか一方が変更された場合にもう一方の変更先を特定することができる。
【0097】
発明4は、対応関係情報には、一の状態に対して、複数の異なる位置が対応づけられた対応関係が含まれ、情報更新部223は、対応関係情報を参照したときに、変更後の状態に対応づけられた位置が複数である場合に、複数の位置からの選択を第1ユーザから受け付け、選択された位置に変更する、発明3のバーチャルオフィス提供装置20である。
【0098】
このようなバーチャルオフィス提供装置20は、一つの状態に対して複数の位置が対応付けられている場合でも、ユーザが状態を変更した場合に、連動してユーザのアイコンを表示する位置を変更することができる。
【0099】
発明5は、コンピュータによって実行されるバーチャルオフィスの環境を提供するバーチャルオフィス提供方法であって、コンピュータは、バーチャルオフィスの空間を示す地図情報41、空間における一以上のユーザの位置を示す位置情報42及び一以上のユーザの空間における状態を示す状態情報43を記憶する記憶部23と、通信路を介して一以上のユーザが使用する一以上の端末装置30と通信する通信部21と、地図情報41が示す空間に対して位置情報42で示される位置に一以上のユーザに対応するアイコンを配置した状態を示す配置情報及び状態情報43を一以上の端末装置30に送信する情報処理部22と、を備え、バーチャルオフィス提供方法は、情報処理部22が、通信部21を介して一以上のユーザのうちの第1ユーザから、第1ユーザの空間における位置を変更する位置変更指示又は第1ユーザの空間における状態を変更する状態変更指示を取得する取得ステップと、情報処理部22が、取得ステップで状態変更指示を取得した場合に、状態変更指示に従って第1ユーザの空間における状態を変更するように状態情報43を更新するとともに、第1ユーザの空間における位置を変更後の状態に対応づけられた位置に変更するように位置情報42を更新する情報更新ステップと、情報処理部22が、地図情報41が示す空間に対して情報更新ステップで変更された後の位置情報42で示される位置に第1ユーザに対応するアイコンを配置した配置情報及び情報更新ステップで変更された後の状態情報43を一以上の端末装置30に送信する表示制御ステップと、を含む、バーチャルオフィス提供方法である。
【0100】
このようなバーチャルオフィス提供方法によれば、ユーザがバーチャルオフィスにおける状態を変更すると、対応する位置にユーザのアイコンの表示位置が変更される。これにより、ユーザのアイコンの表示位置が不正確なものになることを抑制することができるため、バーチャルオフィスのユーザ同士のコミュニケーションをより円滑にすることができる。
【0101】
発明6は、発明5のバーチャルオフィス提供方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
【0102】
このようなプログラムによれば、ユーザがバーチャルオフィスにおける状態を変更すると、自動的に、対応する位置にユーザのアイコンの表示位置が変更される。
【0103】
(その他の実施の形態)
以上、本発明に係るバーチャルオフィス提供装置及びバーチャルオフィス提供方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものや、実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、例えば、リモートワークを支援するバーチャルオフィスシステムに有用である。
【符号の説明】
【0105】
10 バーチャルオフィスシステム
20 バーチャルオフィス提供装置
21 通信部
22 情報処理部
221 取得部
222 表示制御部
223 情報更新部
23 記憶部
30 端末装置
31 通信部
32 情報処理部
33 記憶部
34 操作受付部
35 表示部
40 バーチャルオフィス情報
41 地図情報
42 位置情報
43 状態情報
50 公衆ネットワーク
【要約】
【課題】バーチャルオフィスのユーザ同士のコミュニケーションをより円滑にすること。
【解決手段】バーチャルオフィスの環境を提供するバーチャルオフィス提供装置20であって、第1ユーザから、第1ユーザの空間における状態を変更する状態変更指示を取得する取得部221と、取得部221が状態変更指示を取得した場合に、状態変更指示に従って空間における状態を変更するように状態情報43を更新するとともに、空間における位置を変更後の状態に対応づけられた位置に変更するように位置情報42を更新する情報更新部223と、地図情報41が示す空間に対して情報更新部223によって変更された後の位置情報42で示される位置に第1ユーザに対応するアイコンを配置した配置情報及び情報更新部によって変更された後の状態情報43を一以上の端末装置30に送信する表示制御部222と、を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10