(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】バックオフィス業務の支援装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240920BHJP
G06Q 40/12 20230101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q40/12
(21)【出願番号】P 2024129701
(22)【出願日】2024-08-06
【審査請求日】2024-08-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522279438
【氏名又は名称】グランサーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】奥村 悠也
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 憲行
(72)【発明者】
【氏名】筧 智家至
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第8239233(US,B1)
【文献】特開2004-030537(JP,A)
【文献】事務・管理部門のアウトソーシング、契約前に検討したいこと,[online],株式会社顧問バンク,2023年06月08日,https://web.archive.org/web/20230608042536/https://common-bank.com/column/officework-outsourcing/,[検索日 2024.08.26]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
企業の属性と当該企業で行われるバックオフィス業務とが関連付けられた業務情報を管理する業務情報管理部と、
対象企業の属性である対象属性を取得する対象属性取得部と、
前記業務情報管理部において管理される複数の業務情報及び前記対象属性に基づいて、バックオフィス業務を前記対象企業に提案する業務提案部と、
を備え、
前記業務情報管理部は、企業の規模を含む企業の属性に係る業務情報の管理及び企業の決算月を含む企業の属性に係る業務情報の管理を行うよう構成され、
前記対象属性取得部は、企業の規模を含む企業の対象属性の取得及び企業の決算月を含む企業の対象属性の取得を行うよう構成され、
前記業務提案部は、前記業務情報において前記対象属性と一致する前記属性が関連付けられた前記バックオフィス業務を提案する、
バックオフィス業務の支援装置。
【請求項2】
バックオフィス業務と当該バックオフィス業務を行う人材とが関連付けられた人材情報を管理する人材情報管理部と、
前記業務提案部により提案された複数のバックオフィス業務及び前記人材情報管理部において管理される複数の人材情報に基づいて、前記複数のバックオフィス業務のうち前記人材に割り当てられるバックオフィス業務を前記対象企業に提案する割当提案部と、
をさらに備え、
前記人材情報管理部は、前記対象企業内の社内人材に係るバックオフィス業務の貢献度を含む人材情報の管理を行うよう構成され、
前記割当提案部は、前記貢献度に基づいて前記バックオフィス業務を提案する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記業務提案部により提案されたバックオフィス業務及び前記人材情報管理部において管理される複数の人材情報に基づいて、前記バックオフィス業務を担当する人材を前記対象企業に提案する人材提案部をさらに備え、
前記人材情報管理部は、前記対象企業外の社外人材に係るバックオフィス業務の貢献度を含む人材情報の管理をさらに行うよう構成され、
前記人材提案部は、前記貢献度に基づいて前記人材を提案する、
請求項2に記載の支援装置。
【請求項4】
前記人材提案部は、前記社外人材を提案する場合に、前記社外人材を雇用するための雇用情報を提供する、請求項3に記載の支援装置。
【請求項5】
財務状況と当該財務状況の企業への経営上の助言とが関連付けられた助言情報を管理する助言情報管理部と、
前記対象企業に係る財務状況を取得する財務状況取得部と、
前記助言情報管理部において管理される複数の助言情報及び前記財務状況に基づいて、前記対象企業に対する経営上の助言を提供する助言提供部と、
をさらに備える、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項6】
対象企業に係る支払いに関するデータを管理し、当該支払いの代行に係る指示を当該代行に係る事業者に送信し、当該代行に係る当該事業者の報告を当該対象企業に送信する資金調達連携部をさらに備え、
前記助言は、対象企業が与信を得るための助言、資金調達を進めるための助言、及びキャッシュフローを改善するための助言を含む、
請求項5に記載の支援装置。
【請求項7】
前記バックオフィス業務に係るデータを検査するデータ検査部をさらに備え、
前記データ検査部は、前記データを説明変数として含み、前記データの検査結果を目的変数として含む学習データによる事前学習が行われた機械学習モデルを用いた処理により、前記データの検査結果を出力する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項8】
前記バックオフィス業務に係るデータを生成するデータ生成部をさらに備え、
前記データ生成部は、前記バックオフィス業務を説明変数として含み、前記データを目的変数として含む学習データによる事前学習が行われた大規模言語モデルを用いた処理により、前記データを生成する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項9】
前記対象企業の社内人材から提供されたデータを前記対象企業に係る他の社内人材又は前記対象企業に係る社外人材に送信する情報連携部をさらに備える、請求項1に記載の支援装置。
【請求項10】
外部装置に係るAPIを介して前記外部装置からデータを取得するAPI部をさらに備える、請求項1に記載の支援装置。
【請求項11】
前記業務情報管理部において管理される業務情報の分析結果を生成する業務状況分析部をさらに備える、請求項1に記載の支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックオフィス業務の支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
経理・総務等によって例示されるバックオフィス業務は、企業の規模等を問わず必要となる業務である。しかしながら、バックオフィス業務は、煩雑となりやすい。また、バックオフィス業務では、しばしば、業務が属人化して規模・フェーズの変化への対応が困難となる。そのため、組織力を強化し、持続可能な企業成長を果たすためには、企業の規模、フェーズ等に合わせたバックオフィス業務の最適な運用が求められる。そこで、バックオフィス業務の運用最適化を支援する技術の開拓が進められてきた。
【0003】
従来のサービス及び従来技術等における、バックオフィス業務の運用最適化を支援する技術等に関し、特許文献1は、ユーザのバックオフィス業務を支援する情報処理システムであって、制御部を備え、前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、第1の表示制御ステップでは、前記バックオフィス業務に関連する雛形を前記ユーザが視認可能に表示させ、ここで、前記雛形は、前記ユーザから業務関連データを入力することが可能となるように構成され、第1の受付ステップでは、前記雛形の内容に基づくタスク生成要求を前記ユーザから受け付け、生成ステップでは、前記タスク生成要求に基づき、前記バックオフィス業務に関連するタスクを生成し、ここで、前記タスクの少なくとも一部は、登録された発注先に対して発注することが可能に構成される、情報処理システムを開示している。
【0004】
特許文献1に記載の技術は、ユーザがバックオフィス業務をより効率化させやすい情報処理システムを提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、企業において必要とされるバックオフィス業務の具体的な内容は、企業の属性(例えば、規模、決算月等)によって様々である。そのため、バックオフィス業務に係る知識(ナリッジ)の蓄積途上であるユーザは、様々な企業の属性に対応する数多くの業務から、自らの企業に必要な業務を選択し、適切に運用することに困難を覚え得る。特許文献1に記載の技術は、バックオフィス業務に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、ユーザがバックオフィス業務を全体俯瞰して、必要なバックオフィス業務を選んで適切に運用できるよう支援する点において、さらなる改良の余地がある。
【0007】
本発明の課題は、バックオフィス業務に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、ユーザが必要なバックオフィス業務を選んで適切に運用できるよう支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、企業の属性を踏まえてバックオフィス業務を提案すること等によって、上記の目的を達成できることを見いだした。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明の一態様は、企業の属性と当該企業で行われるバックオフィス業務とが関連付けられた業務情報を管理する業務情報管理部と、対象企業の属性である対象属性を取得する対象属性取得部と、前記業務情報管理部において管理される複数の業務情報及び前記対象属性に基づいて、バックオフィス業務を前記対象企業に提案する業務提案部と、を備え、前記業務情報管理部は、企業の規模を含む企業の属性に係る業務情報の管理及び企業の決算月を含む企業の属性に係る業務情報の管理を行うよう構成され、前記対象属性取得部は、企業の規模を含む企業の対象属性の取得及び企業の決算月を含む企業の対象属性の取得を行うよう構成され、前記業務提案部は、前記業務情報において前記対象属性と一致する前記属性が関連付けられた前記バックオフィス業務を提案する、バックオフィス業務の支援装置を提供する。
【0010】
本発明の当該態様は、業務提案部により、対象属性取得部によって取得された対象企業の属性及び業務情報管理部によって管理される業務情報に基づいて、企業の規模、決算月等の属性が一致するバックオフィス業務を提案できる。
【0011】
これにより、本発明は、企業の属性を踏まえてバックオフィス業務を提案することを介して、バックオフィス業務に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、当該ユーザが必要なバックオフィス業務を選んで適切に運用できるよう支援することに寄与する。
【0012】
その他、本発明は、貢献度に基づいて社内人材に割り当てるバックオフィス業務を提案する態様、貢献度に基づいてバックオフィス業務を担当する社内人材又は社外人材を提案する態様、財務状況に基づいて経営上の助言(財務指標の提示、助成金等の提案)を行う態様、バックオフィス業務に関する書類を検査する態様、バックオフィス業務に関する書類を自動生成する態様等の各種態様を取り得る。これらの各種態様は、それぞれ特有の構成によって、バックオフィス業務に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、当該ユーザが必要なバックオフィス業務を選んで適切に運用できるよう支援することに寄与する。
【発明の効果】
【0013】
以上より、本発明は、バックオフィス業務に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、ユーザが必要なバックオフィス業務を選んで適切に運用できるよう支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、業務情報データベース131の一例である。
【
図3】
図3は、人材情報データベース132の一例である。
【
図4】
図4は、助言情報データベース133の一例である。
【
図5】
図5は、支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず初めに、以下の開示、図表、及び/又は請求項等が、単独であるか、又は1つ以上の他の側面との組み合わせとして記述されていると説明されているものの、即時開示の主題はそのように限定されることを意図していない。つまり、即時開示、図表、及び請求項は、ここで記載されている様々な側面を、それぞれ単独であるか、又はお互いと1つ以上の組み合わせで包含することを意図する。例えば、即時開示が第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態を、第1実施形態が特に第2実施形態に関連して記述及び図示されるか、第2実施形態が第3実施形態に関連してのみ記述及び図示されるような方法で記述及び図示する場合でも、即時開示と図示はそのように限定されるものではなく、第1実施形態のみ、第2実施形態のみ、第3実施形態のみ、又は第1、第2及び/又は第3実施形態の1つ以上の組み合わせ、例えば第1実施形態と第2実施形態、第1実施形態と第3実施形態、第2実施形態と第3実施形態、又は第1、第2、及び第3実施形態が含まれることがある。
【0016】
本文中でのフレーズ「又は」の使用は、明示的に指定されていない限り、「排他的ではない」取り決めを意味するものとする。例えば、「項目xがA又はBである」と言う場合、次のいずれかを意味するものとする:(1)項目xがA又はBのどちらか一方のみである、(2)項目xがAとBの両方である。言い換えれば、単語「又は」は、「排他的」な取り決めを定義するために使用されない。
【0017】
また、本文中で用いられるフレーズ「少なくとも1つを含む」や「以下の少なくとも1つを含む」は、システム又は要素と組み合わせて使用される場合、そのシステム又は要素がフレーズの後に列挙された要素の1つ以上を含むことを意味する。例えば、要素が第1要素から第3要素の3種類である場合、フレーズ「少なくとも1つを含む」や「以下の少なくとも1つを含む」は、次のような構造的配置のいずれかとして解釈する:第1要素を含むデバイス、第2要素を含むデバイス、第3要素を含むデバイス、第1要素と第2要素を含むデバイス、第1要素と第3要素を含むデバイス、第2要素と第3要素を含むデバイス、又は第1要素、第2要素、第3要素を含むデバイス。
【0018】
本文中で「以下の少なくとも1つで使用されている」というフレーズが使用される場合も同様の解釈が意図されている。さらに、本文中で使用される「及び/又は」は、言語的な接続詞として用いられ、記載された要素や条件の1つ以上が含まれるか発生することを示すために使用されている。例えば、第1要素、第2要素、及び/又は第3要素を含むデバイスは、次の構造的配置のいずれかとして解釈される:第1要素を含むデバイス、第2要素を含むデバイス、第3要素を含むデバイス、第1要素と第2要素を含むデバイス、第1要素と第3要素を含むデバイス、第2要素と第3要素を含むデバイス、又は第1要素、第2要素、第3要素を含むデバイス。
【0019】
なお、本文中でのフレーズ「及び/又は」の使用が「排他的ではない」取り決めを意味することは、日本産業規格(JIS)の「規格票の様式及び作成方法 JIS Z 8301」にも規程されている。
【0020】
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0021】
<システムS>
図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のシステムSは、バックオフィス業務の支援システムである。システムSは、少なくとも、バックオフィス業務の支援装置1を含んで構成される。支援装置1は、ネットワークNを介して、対象企業に係るユーザが利用する端末Tと通信するよう構成されることが好ましい。
【0022】
〔支援装置1〕
支援装置1は、制御部11、記憶部13、及び通信部14を含んで構成される。支援装置1の種類は、特に限定されず、例えば、サーバ装置、クラウドサーバ等で良い。
【0023】
[制御部11]
制御部11は、Central Processing Unit(CPU)、Random Access Memory(RAM)、及びRead Only Memory(ROM)等を備える。
【0024】
制御部11は、必要に応じて、記憶部13又は通信部14のうち、少なくともいずれか一方と協働する。そして、制御部11は、支援装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、業務情報管理部111、人材情報管理部112、助言情報管理部113、対象属性取得部114、業務提案部115、割当提案部116、人材提案部117、財務状況取得部118、助言提供部119、データ検査部120、又はデータ生成部121等を実現する。また、制御部11は、支援装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素として、情報連携部、API部、又は業務状況分析部等をさらに実現してもよい(図示省略)。
【0025】
[記憶部13]
記憶部13は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によってデータを非一時的に格納するストレージ部を有する。記憶部13には、マイクロコンピューターで実行されるプログラム、業務情報データベース131、人材情報データベース132、助言情報データベース133、企業の財務状況、業務マニュアル等の業務ナレッジ、大規模言語モデルに係るデータ等が格納されている。これにより、支援装置1は、本実施形態を介して集積・更新されたナレッジ、マニュアル、及び独自のコンテンツ、並びに、本実施形態を用いて登録された人材、士業タレント等の情報が一元的に蓄積された統合プラットフォームを提供できる。
【0026】
(業務情報データベース131)
業務情報データベース131には、企業の属性と当該企業で行われるバックオフィス業務とが関連付けられた業務情報が格納される。これにより、支援装置1は、対象企業の属性に基づいて業務情報データベース131を参照することにより、対象企業に提案されるべきバックオフィス業務を特定できる。以下では、事業情報が企業を特定する情報と関連付けられて格納されているものとする。「企業を特定する情報」は、例えば、企業ごとに固有の企業IDである。
【0027】
企業の属性は、例えば、対象企業の規模(従業員数等)、対象企業の決算月、対象企業の業種等を含む。バックオフィス業務は、例えば、振込業務、記帳業務、経費精算業務、補助金等の申請業務等を含む。時期を含めたバックオフィス業務の提案を可能とすべく、バックオフィス業務は、当該業務が行われるべき時期を含むことが好ましい。
【0028】
需要又は緊急度に応じたバックオフィス業務の割り当てを可能とすべく、バックオフィス業務は、当該バックオフィス業務の需要又は緊急度を含むことが好ましい。
【0029】
図2は、業務情報データベース131の一例である。当該例には、企業ID「C0001」で特定され、規模が従業員数「20人」であり、決算月「5月」であり、業種「情報通信業」である小規模企業者である企業と、「棚卸作業(5月△日あたりから)」「減価償却資産の処理作業(5月△日あたりから)」「経過勘定の処理作業(5月△△日あたりから)」「小規模事業者△△△補助金申請準備(4月-5月27日)」「IT△△補助金申請準備(1月-)」等の当該企業で行われるバックオフィス業務とが関連付けられている。
【0030】
また、当該例には、企業ID「C0002」で特定され、規模が従業員数「50人」であり、決算月「4月」であり、業種「情報通信業」である中小企業者である企業と、「精算表作成作業(4月△△日あたりから)」「勘定科目内訳書の作成作業(4月△△日あたりから)」「中小事業者△△支援補助金申請準備(6月-7月16日)」等の当該企業で行われるバックオフィス業務とが関連付けられている。
【0031】
加えて、当該例には、企業ID「C0003」で特定され、規模が従業員数「100人」であり、決算月「4月」であり、業種「食料品製造業」である中小企業者である企業と、「精算表作成作業(4月△△日あたりから)」「勘定科目内訳書の作成作業(4月△△日あたりから)」「中小事業者△△支援補助金申請準備(6月-7月16日)」「IT△△補助金申請準備(1月-)」等の当該企業で行われるバックオフィス業務とが関連付けられている。
【0032】
業務情報データベース131にこれらの業務情報が格納されることにより、支援装置1は、規模、決算月、又は業種が一致する業務情報を参照して、バックオフィス業務を対象企業に提案できる。例えば、支援装置1は、情報通信業を営む決算月「5月」の小規模企業者であるとの属性を有する対象企業に対し、4月までに補助金申請の準備を始め、5月27日までに申請を完了するよう提案できる。また、例えば、支援装置1は、情報通信業を営む決算月「4月」の中小企業者であるとの属性を有する対象企業に対し、6月までに補助金申請の準備を始め、7月16日までに申請を完了するよう提案できる。加えて、例えば、支援装置1は、食料品製造業を営む決算月「4月」の中小企業者であるとの属性を有する対象企業に対し、6月までに準備を始める補助金申請の他に、1月からIT化に係る別の補助金申請の準備を始めるよう提案できる。
【0033】
このように、支援装置1は、業務情報データベース131にこれらの業務情報が格納されることにより、対象企業の対象属性と一致する属性が業務情報において関連付けられたバックオフィス業務を提案できる。
【0034】
(人材情報データベース132)
人材情報データベース132には、バックオフィス業務と当該バックオフィス業務を行う人材とが関連付けられた人材情報が格納される。以下では、人材情報が人材を特定する情報と関連付けられて格納されているものとする。「人材を特定する情報」は、例えば、人材ごとに固有の人材IDである。
【0035】
人材情報は、当該人材情報に係る人材によるバックオフィス業務の貢献度を含む。これにより、支援装置1は、特定のバックオフィス業務について実績がある人材を絞り込める。また、これにより、支援装置1は、特定の人材に割り当てるべきバックオフィス業務を絞り込める。
【0036】
ここで言う貢献度は、特に限定されず、例えば、バックオフィス業務の貢献度を示す各種指標でよい。当該指標として、当該バックオフィス業務の担当経験を示す指標(担当回数・総作業時間等)、当該バックオフィス業務の時間効率を示す指標(1件当たり作業時間、一定時間当たり作業量等)、当該バックオフィス業務の精度を示す指標(ミス発生率、差戻し回数、差戻し頻度、クレーム数、クレーム発生率等)が挙げられる。
【0037】
対象企業内部における人材とバックオフィス業務との好ましい対応付けを支援装置1が行うべく、人材情報における人材は、対象企業の社内人材を含むことが好ましい。外注すべきバックオフィス業務及びその外注先を支援装置1が特定すべく、人材情報における人材は、対象企業の社外人材を含むことが好ましい。人材情報データベース132において管理される社内人材及び社外人材は、タレントプールとも称される。タレントプールには、例えば、対象企業それぞれにおいてバックオフィス業務を担当するバックオフィス人材、バックオフィス業務に係るサポートを行う人材、士業事務所に係る人材等が含まれる。対象企業それぞれについて社内人材、社外人材を区別できるようにすべく、人材情報は、人材の所属に係る情報を含むことが好ましい。
【0038】
作業状況に応じた将来の貢献度の見積りを可能とすべく、人材情報は、当該人材が現在担当している業務又は業務量等によって例示される、当該人材の作業状況を含むことが好ましい。
【0039】
図3は、人材情報データベース132の一例である。当該例には、人材ID「P0001」で特定される企業「A社」の社内人材「田中 △△」さんと、バックオフィス業務及びその貢献度「振込業務(担当回数:△△△回、総作業時間△△△時間、1件当たり作業時間:△△、クレーム発生率:△%)」、「記帳業務(担当回数:△△△回、総作業時間△△△時間、1件当たり作業時間:△△、クレーム発生率:△%)」とが関連付けられた人材情報が格納されている。
【0040】
また、当該例には、人材ID「P0002」で特定される企業「A社」の社内人材「安倍 △△」さんと、バックオフィス業務及びその貢献度「振込業務(担当回数:△△回、総作業時間△△時間、1件当たり作業時間:△△、クレーム発生率:△%)」、「記帳業務(担当回数:△△△回、総作業時間△△△時間、1件当たり作業時間:△△、クレーム発生率:△%)」とが関連付けられた人材情報が格納されている。
【0041】
加えて、当該例には、当該例には、人材ID「P0003」で特定される企業「B会計事務所」の人材「鈴木 △△」さんと、バックオフィス業務及びその貢献度「補助金申請(担当回数:3回、総作業時間△△△時間、採択数:2)」とが関連付けられた人材情報が格納されている。
【0042】
人材情報データベース132にこれらの人材情報が格納されることにより、支援装置1は、人材情報データベース132を参照して、A社の振込業務を経験豊富な田中さんを優先的に割り当て、A社の安倍さんをクレーム発生率が少ない記帳業務に割り当て、A社の補助金申請業務を実績のある社外人材であるB会計事務所の鈴木さんに割り当てることを提案できる。
【0043】
(助言情報データベース133)
助言情報データベース133には、財務状況と当該財務状況の企業への経営上の助言とが関連付けられた助言情報が格納される。以下では、助言情報が助言を特定する情報と関連付けられて格納されているものとする。「助言を特定する情報」は、例えば、助言ごとに固有の助言IDである。
【0044】
財務状況は、例えば、財務状況を示す各種財務指標(例えば、売上高総利益率、売上高営業利益率、総資産利益率(ROA)、自己資本利益率(ROE)、総資産回転率、売上債権回転期間、損益分岐点、流動比率、当座比率、自己資本比率、手元流動性比率、固定比率、固定長期適合率、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフロー、負債比率、付加価値額、付加価値率、労働分配率、労働生産性、売上高付加価値率、有形固定資産回転率、一人あたり売上高、設備生産性、売上高成長率(増収率)、経常利益成長率、総資本成長率、売上高研究開発費比率、従業員増加率等)のデータである。
【0045】
経営上の助言は、例えば、財務状況を改善するために導入すべきバックオフィス業務を推薦する助言、財務状況を改善するために最適化すべきバックオフィス業務及びその最適化手順を提案する助言、財務状況を改善するために申請すべき補助金等を推薦する助言等である。
【0046】
図4は、助言情報データベース133の一例である。当該例には、助言ID「A0001」に係る助言情報として、自己資本利益率(ROE)が「△%以下」であるとの財務状況と、当該財務状況の企業への経営上の助言「不要な資産の売却や資本再編を通じて、自己資本を最適化する・・・」とが関連付けられた情報が格納されている。
【0047】
また、当該例には、助言ID「A0002」に係る助言情報として、売上債権回転期間が「△以上」であるとの財務状況と、当該財務状況の企業への経営上の助言「売上債権管理システムを導入する・・・」とが関連付けられた情報が格納されている。
【0048】
助言情報データベース133にこれらの助言情報が格納されることにより、支援装置1は、助言情報データベース133を参照して、自己資本利益率(ROE)が「△%以下」であるC社に自己資本の最適化を行うよう助言できる。また、支援装置1は、助言情報データベース133を参照して、売上債権回転期間が△以上であるD社に売上債権管理システムを導入するよう助言できる。
【0049】
(業務ナレッジ)
記憶部13には、業務ナレッジが格納されることが好ましい。業務ナレッジは、例えば、業務フロー、マニュアル、問い合わせ及び問い合わせへの回答、課題及び課題への対応等を含む。また、業務ナレッジは、上記データベースに格納された各種データを含む。
【0050】
利用される範囲を対象企業内部に制限できるようにすべく、業務ナレッジは、対象企業と関連付けられていることが好ましい。業務ナレッジの参照を容易にすべく、業務ナレッジは、インデックス化されていることが好ましい。インデックス化は、例えば、業務ナレッジに係る見出し、カテゴリ、企業等により参照可能な態様でデータベース化されることにより実現される。
【0051】
類似事例に係るナレッジの援用を容易にすべく、業務ナレッジは、カテゴリ分けされていることが好ましい。類似事例又は関連事例に係るナレッジの援用を容易にすべく、業務ナレッジは、ツリー構造等に構造化されていることが好ましい。
【0052】
外部委託業務を含めたナレッジが蓄積・参照されるようにすべく、業務ナレッジは、外部委託(BPO)化された範囲の業務に係るナレッジを含むことが好ましい。人材が対応した業務を明確化し、その貢献度を可視化すべく、業務ナレッジは、人材と対応に当たったバックオフィス業務との対応付けを含むことが好ましい。
【0053】
記憶部13には、ツリー構造等への構造化後に格納されたナレッジによって例示される型化した雛形に基づくナレッジ、又は、カテゴリを付与可能な態様かつ自由な書式のナレッジが、業務情報管理部111において管理される情報として格納されることが好ましい。記憶部13は、型化した雛形に基づくナレッジを格納することにより、類似事例又は関連事例に係るナレッジの援用を容易にできる。記憶部13は、カテゴリを付与可能な態様かつ自由な書式でナレッジを格納することにより、当該ナレッジにカテゴリを付与し、カテゴリに応じた自動処理を行うことを可能とする。当該自動処理は、例えば、リマインドの要素であるとのカテゴリ付与に対して、一定期間後にリマインダーを送付する処理である。
【0054】
(大規模言語モデル)
本実施形態の大規模言語モデルは、バックオフィス業務に係る書類の内容の検査結果、又は、バックオフィス業務に係る書類を生成するよう構成される。
【0055】
バックオフィス業務に係る書類の内容の検査結果を生成すべく、当該大規模言語モデルは、バックオフィス業務に係る書類を説明変数として含み、かつ、当該書類の検査結果を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われていることが好ましい。
【0056】
バックオフィス業務に係る書類を生成すべく、当該大規模言語モデルは、バックオフィス業務に係る書類の仕様及び内容の要旨を説明変数として含み、かつ、当該仕様及び要旨に沿った書類を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われていることが好ましい。
【0057】
当該大規模言語モデルに係るデータは、記憶部13に格納される態様、外部のサーバに格納される態様のいずれでもよい。外部のサーバにデータが格納される態様の大規模言語モデルは、例えば、API等を経由して生成されたテキスト等を支援装置1に提供する。
【0058】
[通信部14]
通信部14は、支援装置1をネットワークNに接続して通信可能にする部材を含んで構成されていれば、特に限定されない。当該部材として、例えば、イーサネット規格に対応したネットワークカード、無線LANに対応した通信機器等が挙げられる。
【0059】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、支援装置1等を通信可能にするものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0060】
〔端末T〕
端末Tは、対象企業においてバックオフィス業務を行うユーザ、士業のタレント等により利用される。端末Tの種類は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等の携帯端末、デスクトップパソコン等の据置端末等である。
【0061】
〔支援処理のメインフローチャート〕
図5は、支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図6は、前図から続く図である。
図6は、前図から続く図である。
図7は、前図から続く図である。
図8は、前図から続く図である。
図9は、前図から続く図である。以下は、
図5から
図9を用いて、本実施形態の支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例を示すものである。
【0062】
[ステップS1:業務情報を更新するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、業務情報管理部111を実行する。そして、制御部11は、業務情報管理部111により、業務情報を更新するか判別する処理を実行する(業務情報更新判別ステップ)。更新すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS2に移す。更新すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS3に移す。
【0063】
業務情報更新判別ステップにおいて更新の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、業務情報の更新に係るデータ及び指示を受信した場合に、業務情報を更新すると判別する手順を含む。
【0064】
[ステップS2:業務情報を更新]
制御部11は、業務情報管理部111により、業務情報を更新する処理を実行する(業務情報更新ステップ)。制御部11は、処理をステップS3に移す。業務情報更新ステップにおいて、業務情報管理部111は、業務情報データベース131等に格納された業務情報を更新する業務情報の管理を行う。
【0065】
[ステップS3:人材情報を更新するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、人材情報管理部112を実行する。そして、制御部11は、人材情報管理部112により、人材情報を更新するか判別する処理を実行する(人材情報更新判別ステップ)。更新すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS4に移す。更新すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS5に移す。
【0066】
人材情報更新判別ステップにおいて更新の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、人材情報の更新に係るデータ及び指示を受信した場合に、人材情報を更新すると判別する手順を含む。
【0067】
[ステップS4:人材情報を更新]
制御部11は、人材情報管理部112により、人材情報を更新する処理を実行する(人材情報更新ステップ)。制御部11は、処理をステップS5に移す。人材情報更新ステップにおいて、人材情報管理部112は、人材情報データベース132等に格納された人材情報を更新する人材情報の管理を行う。
【0068】
[ステップS5:助言情報を更新するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、助言情報管理部113を実行する。そして、制御部11は、助言情報管理部113により、助言情報を更新するか判別する処理を実行する(助言情報更新判別ステップ)。更新すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS6に移す。更新すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS7に移す。
【0069】
助言情報更新判別ステップにおいて更新の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、助言情報の更新に係るデータ及び指示を受信した場合に、助言情報を更新すると判別する手順を含む。
【0070】
[ステップS6:助言情報を更新]
制御部11は、助言情報管理部113により、助言情報を更新する処理を実行する(助言情報更新ステップ)。制御部11は、処理をステップS7に移す。助言情報更新ステップにおいて、助言情報管理部113は、助言情報データベース133等に格納された助言情報を更新する助言情報の管理を行う。
【0071】
[ステップS7:バックオフィス業務を提案するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、バックオフィス業務を提案するか判別する処理を実行する(業務提案判別ステップ)。提案すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS8に移す。提案すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS10に移す。
【0072】
業務提案判別ステップにおいて提案の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、バックオフィス業務の提案に係る指示を受信した場合に、提案すると判別する手順を含む。
【0073】
[ステップS8:対象属性を取得]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、対象属性取得部114を実行する。そして、制御部11は、対象属性取得部114により、対象企業の属性である対象属性を取得する処理を実行する(対象属性取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS9に移す。
【0074】
対象属性取得ステップにおいて、対象属性取得部114は、企業の規模を含む企業の対象属性の取得及び企業の決算月を含む企業の対象属性の取得を行うよう構成される。これにより、支援装置1は、企業の規模、決算月等の属性が一致するバックオフィス業務を提案できる。よって、支援装置1は、企業の規模、決算月等の企業の属性を踏まえてバックオフィス業務を提案することを介して、バックオフィス業務に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、当該ユーザが必要なバックオフィス業務を選んで適切に運用できるよう支援することに寄与する。
【0075】
対象属性取得ステップにおいて対象属性を取得する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、業務提案判別ステップにおいて指示と共に受信した対象属性を示すデータから対象属性を取得する手順、指示と共に受信した対象企業を特定するデータに基づいて業務情報データベース131から対象企業に対応する対象属性を取得する手順等により実現される。
【0076】
[ステップS9:バックオフィス業務を提案]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、業務提案部115を実行する。そして、制御部11は、業務提案部115により、バックオフィス業務を提案する処理を実行する(対象属性取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS10に移す。すなわち、対象属性取得ステップにおいて、業務提案部115は、業務情報管理部111において管理される複数の業務情報及び対象属性取得ステップにおいて取得された対象属性に基づいて、バックオフィス業務を対象企業に提案する。このとき、業務提案部115は、上述の業務情報において上述の対象属性と一致する属性が関連付けられたバックオフィス業務を提案する。
【0077】
上述の一連の処理によれば、業務提案部115は、対象属性取得部114によって取得された対象企業の属性及び業務情報管理部111によって管理される業務情報に基づいて、企業の規模、決算月等の属性が一致するバックオフィス業務を提案できる。これにより、支援装置1は、企業の属性を踏まえてバックオフィス業務を提案することを介して、バックオフィス業務に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、当該ユーザが必要なバックオフィス業務を選んで適切に運用できるよう支援することに寄与する。
【0078】
(公的なバックオフィス知識の活用について)
公的なバックオフィス知識を活用すべく、業務提案部115は、上述の属性及び業務情報の他に、公的機関に係るサーバからバックオフィス業務に係る知識(公的なバックオフィス知識)を取得し、当該知識を添えたバックオフィス業務の提案を行うことが好ましい。これにより、支援装置1は、公的なバックオフィス知識を収集して顧客に直接提供できる。
【0079】
また、支援装置1は、取得された公的なバックオフィス知識を業務情報管理部111において管理される情報に加え、業務情報と同様に利用することが好ましい。このとき、業務提案部115は、例えば、業務情報管理部111において管理される複数の業務情報及び公的なバックオフィス知識、並びに、対象属性取得ステップにおいて取得された対象属性に基づいて、バックオフィス業務を対象企業に提案する。これにより、支援装置1は、公的なバックオフィス知識などを収集して、業務提案部115において活用できる。
【0080】
得意とするバックオフィス業務を人材に割り当て、バックオフィス業務の効率化を図るべく、支援処理は、人材に割り当てる業務を提案する一連の処理を含むことが好ましい。ステップS10からステップS12は、当該処理の一例である。社内における人材へのバックオフィス業務割り当てを適切に運用することを支援すべく、これら一連の処理における人材は、少なくとも、対象企業に係る社内人材を含む。
【0081】
[ステップS10:人材に割り当てる業務を提案するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、割当提案部116を実行する。そして、制御部11は、割当提案部116により、人材に割り当てる業務を提案するか判別する処理を実行する(割当業務提案判別ステップ)。提案すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS11に移す。提案すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS13に移す。
【0082】
割当業務提案判別ステップにおいて提案の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、人材に割り当てる業務の提案に係る指示を受信した場合に、提案すると判別する手順を含む。
【0083】
[ステップS11:人材に係る貢献度を取得]
制御部11は、人材情報管理部112により、割当業務提案判別ステップにおいて人材に割り当てる業務を提案すると判別された当該人材に係る貢献度を取得する処理を実行する(第1貢献度取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS12に移す。第1貢献度取得ステップにおいて、人材情報管理部112は、例えば、人材情報管理部112が人材情報データベース132等において管理する、バックオフィス業務と当該バックオフィス業務を行う人材とが関連付けられた人材情報から、上述の人材に係る貢献度を取得する。
【0084】
[ステップS12:割り当てる業務を提案]
制御部11は、割当提案部116により、業務提案部115により提案された複数のバックオフィス業務及び人材情報管理部112において管理される複数の人材情報に基づいて、複数のバックオフィス業務のうち、上述の人材に割り当てられるバックオフィス業務を上述の対象企業に提案する処理を実行する(割当提案ステップ)。制御部11は、処理をステップS13に移す。
【0085】
割当提案ステップにおいて、割当提案部116は、上述の貢献度に基づいてバックオフィス業務を提案する。すなわち、割当提案部116は、複数のバックオフィス業務のうち、当該人材においてより高い貢献度が認められるバックオフィス業務が当該人材に割り当てられるよう、上述の提案を行う。なお、割当提案部116は、複数のバックオフィス業務それぞれに係る、現在の需要又は緊急度等を上述の貢献度に加味した将来的な貢献度に基づいて上述の提案を行ってもよい。ここで言う将来的な貢献度は、例えば、より多くの担当者を必要とする業務又は納期が迫り緊急性が高い業務においてはより高く見積もられ、少人数で進められる業務又は納期まで時間がある業務においてはより低く見積もられる貢献度である。
【0086】
支援処理は、業務を割り当てる人材を提案する一連の処理を含むことが好ましい。ステップS13からステップS15は、当該処理の一例である。社内人材のみならず、外部の専門家へのバックオフィス業務割り当てを適切に運用することを支援すべく、これら一連の処理における人材は、対象企業に係る社内人材に加え、外部の専門家(例えば、士業事務所の専門家)等によって例示される社外人材を含む。これにより、支援装置1は、タレントプールに蓄積された社外人材等とのマッチングを行うマッチングアプリを提供できる。そして、支援装置1は、マッチングによって組織間連携による分業を促進し、バックオフィス業務の属人化を解消する。
【0087】
[ステップS13:業務を割り当てる人材を提案するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、人材提案部117を実行する。そして、制御部11は、人材提案部117により、業務を割り当てる人材を提案するか判別する処理を実行する(割当人材提案判別ステップ)。提案すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS14に移す。提案すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS16に移す。
【0088】
割当人材提案判別ステップにおいて提案の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、業務を割り当てる人材の提案に係る指示を受信した場合に、提案すると判別する手順を含む。
【0089】
[ステップS14:人材に係る貢献度を取得]
制御部11は、人材情報管理部112により、割当人材提案判別ステップにおいて業務を割り当てる人材を提案すると判別された当該業務に関する貢献度が記録された各人材に係る貢献度を取得する処理を実行する(第2貢献度取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS15に移す。第2貢献度取得ステップにおいて、人材情報管理部112は、例えば、人材情報管理部112が人材情報データベース132等において管理する、バックオフィス業務と当該バックオフィス業務を行う人材とが関連付けられた人材情報から、上述の各人材に係る貢献度を取得する。
【0090】
[ステップS15:割り当てる人材を提案]
制御部11は、人材提案部117により、業務提案部115により提案されたバックオフィス業務及び人材情報管理部112において管理される複数の人材情報に基づいて、上述のバックオフィス業務を担当する人材を対象企業に提案する処理を実行する(人材提案ステップ)。制御部11は、処理をステップS16に移す。
【0091】
人材提案ステップにおいて、人材提案部117は、上述の貢献度に基づいて人材を提案する。すなわち、人材提案部117は、複数の人材のうち、当該バックオフィス業務においてより高い貢献度が認められる人材が当該バックオフィス業務に割り当てられるよう、上述の提案を行う。なお、人材提案部117は、複数の人材それぞれに係る現在の作業状況等を上述の貢献度に加味した将来的な貢献度に基づいて上述の提案を行ってもよい。ここで言う将来的な貢献度は、例えば、他の作業で忙しく、着手が遅れると見込まれる人材においてはより低く見積もられ、現在担当している作業が少なく、すぐ着手できると見込まれる人材においてはより高く見積もられる貢献度である。
【0092】
人材提案ステップにおいて、人材提案部117は、貢献度に基づいて1人の人材を提案する態様を取り得る。貢献度に基づいて並べられたタレントプールの一覧を提供すべく、人材提案部117は、貢献度に基づいて並べられた複数の人材を提案することが好ましい。
【0093】
(AIによる最適化について)
バックオフィス業務を実行する人材に係る多種多様な要望に適切に応じるべく、人材提案部117は、AIによる最適化を行うことが好ましい。人材提案部117は、例えば、機械学習モデルを用いた処理によって上述のバックオフィス業務を担当する人材を選出する手順により、AIによる最適化を行う。
【0094】
当該機械学習モデルは、例えば、業務提案部115により提案されたバックオフィス業務及び人材情報管理部112において管理される複数の人材情報が入力されたときに、入力された複数の人材情報から1以上の人材を、上述のバックオフィス業務を担当する人材として出力する機械学習モデルである。
【0095】
このとき、当該機械学習モデルは、バックオフィス業務及び複数の人材情報を説明変数として含み、入力に基づいてバックオフィス業務の担当に相応しいと判別される複数の人材情報のうち、1以上の人材を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われていることが好ましい。
【0096】
バックオフィス業務が明示的に又は暗示的に示す要件と、人材情報に含まれる貢献度又は担当中の作業との間の関係は、単純な比例関係等の多項式によって定式化することが難しい関係をしばしば含む。当該関係は、例えば、緊急性が高く、特定の業務に係る貢献度が高い人材が連続した一定期間を費やす必要があるとの背景を有するバックオフィス業務において、当該業務より緊急性が高いバックオフィス業務が一定期間に渡って割り当てられておらず、当該特定の業務に係る貢献度が高い人材を割り当てるべきであるとの関係等を含む。上述の事前学習が行われた機械学習モデルを用いた処理は、このような定式化困難な関係を加味して、バックオフィス業務を担当する人材を選出できる。
【0097】
(運営者による支援について)
人材提案ステップにおいて提案された人材は、支援装置1の運営者との合意を形成した後に、当該運営者が提供するサービス上での支援を受けた状態で業務を遂行することが好ましい。これにより、当該人材は、支援装置1による直接的な支援に加え、運営者を介した間接的な支援を受けた状態で業務を遂行できる。
【0098】
(社外人材の雇用を支援することについて)
社外人材の雇用を支援すべく、人材提案部117は、支援装置1の利用者である顧客から専門家パートナー等の人材に対するダイレクトリクルーティングを支援する手順を含むことが好ましい。当該手順において、人材提案部117は、例えば、上述の社外人材を提案する場合に、当該社外人材を雇用するための雇用情報を提供する処理を実行する。ここで言う雇用情報は、当該社外人材の雇用に係る連絡先又は雇用条件等を含む。これにより、支援装置1は、利用者(顧客)が当該雇用情報を利用して、専門家パートナー等を直接雇用する、いわゆるダイレクトリクルーティングを行うことを支援できる。
【0099】
財務及び経営に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、ユーザが必要な経営に係るバックオフィス業務を選んで適切に運用できるよう支援すべく、支援処理は、経営上の助言を提供する一連の処理を含むことが好ましい。ステップS16からステップS18は、当該処理の一例である。
【0100】
[ステップS16:経営上の助言を提供するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、経営上の助言を提供するか判別する処理を実行する(助言提供判別ステップ)。提供すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS17に移す。提供すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS19に移す。
【0101】
助言提供判別ステップにおいて提供の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、経営上の助言の提供に係る指示を受信した場合に、提案すると判別する手順を含む。
【0102】
[ステップS17:財務状況を取得]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、財務状況取得部118を実行する。そして、制御部11は、財務状況取得部118により、対象企業に係る財務状況を取得する処理を実行する(財務状況取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS18に移す。財務状況取得部118は、例えば、記憶部13、端末T、外部のサーバ等から財務状況を取得する。
【0103】
(経理業務との関係について)
財務状況取得部118は、上述の手順の他、経理業務の結果として得られた情報を財務的な管理情報に整理し、分析する手順をさらに含むことが好ましい。これにより、財務状況取得部118は、経理業務の結果を財務状況及びその分析結果に反映させ、後述する助言の提供等に活用する情報として提供できる。
【0104】
[ステップS18:助言を提供]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、助言提供部119を実行する。そして、制御部11は、助言提供部119により、助言情報管理部113において管理される複数の助言情報及び財務状況取得部118により取得された上述の財務状況に基づいて、上述の対象企業に対する経営上の助言を提供する処理を実行する(助言提供ステップ)。制御部11は、処理をステップS19に移す。
【0105】
助言提供ステップにおいて、助言提供部119は、例えば、助言情報管理部113において管理される助言情報データベース133に格納された複数の助言情報から、上述の財務状況と対応付けられた助言情報を抽出する手順等により、上述の経営上の助言を提供する。
【0106】
(経営上の助言について)
助言提供部119に係る助言は、例えば、対象企業が与信を得るための助言、資金調達を進めるための助言、及びキャッシュフローを改善するための助言を含む。このとき、助言提供部119は、例えば、財務的な観点で与信を得るための仕組みの提案、直接的な資金調達手段の提案、又は給与の前払い等によって例示されるキャッシュフロー改善手段の提案に係る助言を含む助言を提案する処理を実行する。
【0107】
助言提供部119は、財務的な観点で与信を得るための仕組みの提案に係る助言を提供することにより、いわゆるリスクモンスター型の支援を行える。助言提供部119は、直接的な資金調達手段の提案に係る助言を提供することにより、いわゆるスマートラウンド型の支援を行える。助言提供部119は、キャッシュフロー改善手段の提案に係る助言を提供することにより、いわゆるタイミーモデルの支援を行える。助言提供部119は、これらの支援を組み合わせることにより、多種多様な手段で総合的に顧客を支援できる。
【0108】
書類、請求書から月次記帳されるデータ等によって例示されるデータの検査に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、書類検査を適切に運用できるよう支援すべく、支援処理は、バックオフィス業務に係るデータを検査する一連の処理を含むことが好ましい。ステップS19からステップS21は、当該処理の一例である。
【0109】
[ステップS19:データを検査するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、データ検査部120を実行する。そして、制御部11は、データ検査部120により、バックオフィス業務に係るデータを検査するか判別する処理を実行する(データ検査判別ステップ)。検査すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS20に移す。検査すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS22に移す。
【0110】
データ検査判別ステップにおいて検査の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、バックオフィス業務に係るデータの検査に係る指示を受信した場合に、検査すると判別する手順を含む。
【0111】
[ステップS20:データを検査]
制御部11は、データ検査部120により、データ検査判別ステップで検査すると判別された、バックオフィス業務に係るデータの内容を検査する処理を実行する(データ検査ステップ)。制御部11は、処理をステップS21に移す。データ検査ステップにおいて、データ検査部120は、データの内容を説明変数として含み、データの検査結果を目的変数として含む学習データによる事前学習が行われた機械学習モデルを用いた処理により、上述の検査に係るデータの検査結果を出力する処理を実行する。
【0112】
データ検査ステップに係る機械学習モデルは、特に限定されない。当該機械学習モデルは、例えば、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)に係る機械学習モデルである。RPAに係る機械学習モデルは、例えば、複数の記載欄が設けられた書類及び記載欄への記載内容を説明変数として含み、記載内容それぞれに係る記載の有無、記載事項の文字種、記載事項の長さ、記載事項のフォーマット等に基づく検査結果を目的変数として含む学習データによる事前学習が行われている。
【0113】
事前学習の学習データに含まれるデータに加え、類似するデータに対する検査をも実現すべく、データ検査ステップに係る機械学習モデルは、大規模言語モデルであることが好ましい。このとき、自然言語で記載された多種多様なデータの内容に対して適切な検査結果を出力すべく、当該大規模言語モデルは、データの内容を説明変数として含み、データの検査結果を目的変数として含む学習データによる事前学習が行われていることが好ましい。これにより、当該大規模言語モデルは、学習データに含まれるデータの内容のみならず、大規模言語モデルそのものが備える創発的能力によって、当該内容及びこれに対応する検査結果から検査結果を類推できる他の内容についても、適切な検査結果を出力し得る。
【0114】
書類に限定されない幅広いデータの検査に係る支援を行うべく、データ検査ステップに係るデータの検査は、請求書から月次記帳されるデータ等によって例示される、手作業で行われているデータ入力作業に係るデータの検査を含むことが好ましい。
【0115】
[ステップS21:検査結果を提供]
制御部11は、データ検査部120により、データ検査ステップに係る検査結果を端末T等に提供する処理を実行する(データ検査結果提供ステップ)。制御部11は、処理をステップS22に移す。
【0116】
データ作成に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、データ作成を適切に行えるよう支援すべく、支援処理は、バックオフィス業務に係るデータを生成する一連の処理を含むことが好ましい。ステップS22からステップS24は、当該処理の一例である。
【0117】
[ステップS22:データを生成するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、データ生成部121を実行する。そして、制御部11は、データ生成部121により、バックオフィス業務に係るデータを生成するか判別する処理を実行する(データ生成判別ステップ)。生成すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS23に移す。生成すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS24の処理を繰り返す。
【0118】
データ生成判別ステップにおいて生成の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、バックオフィス業務に係るデータの生成に係る指示を受信した場合に、生成すると判別する手順を含む。
【0119】
[ステップS23:データを生成]
制御部11は、データ生成部121により、データ生成判別ステップで生成すると判別された、バックオフィス業務に係るデータを生成する処理を実行する(データ生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS24に移す。
【0120】
データ生成ステップにおいて、データ生成部121は、バックオフィス業務(例えば、種類及び関連情報)を説明変数として含み、当該バックオフィス業務に対応するデータを目的変数として含む学習データによる事前学習が行われた大規模言語モデルを用いた処理により、当該データを生成する処理を実行する。これにより、当該大規模言語モデルは、学習データに含まれるバックオフィス業務に対応するデータのみならず、大規模言語モデルそのものが備える創発的能力によって、当該バックオフィス業務及びこれに対応するデータから適切なデータを類推できる他の内容についても、適切なデータを出力し得る。
【0121】
[ステップS24:生成されたデータを提供]
制御部11は、データ生成部121により、データ生成ステップに係る生成されたデータを端末T等に提供する処理を実行する(生成データ提供ステップ)。制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS24の処理を繰り返す。
【0122】
書類に限定されない幅広いデータの提供に係る支援を行うべく、生成データ提供ステップに係るデータの提供は、請求書から月次記帳されるデータの自動入力等によって例示される、手作業で行われているデータ入力作業を自動化する態様で行われることが好ましい。
【0123】
[情報連携ステップ]
利用者の社内における関係者間のコミュニケーション及びワークフロー、データのやり取りに関わる情報連携を支援すべく、支援処理は、対象企業の社内人材から提供されたデータを当該対象企業に係る他の社内人材又は当該対象企業に係る社外人材に送信する情報連携ステップを含むことが好ましい。情報連携ステップは、例えば、制御部11が記憶部13及び通信部14と協働して情報連携部(図示せず)を実行し、情報連携部により、対象企業の社内人材から提供されたデータを当該対象企業に係る他の社内人材又は当該対象企業に係る社外人材に送信する処理を実行する手順により実現される。社内人材と社外人材との間における情報連携を実現すべく、情報連携ステップは、1以上の社内人材及び1以上の社外人材を含む送信先候補から選択された送信先に上述のデータを送信する手順を含むことが好ましい。
【0124】
情報連携部に係る、対象企業の社内人材から提供されたデータは、バックオフィス業務に関するコミュニケーションに係るデータ、バックオフィス業務に関するワークフローに係るデータ、データのやり取りに関わる情報連携に係るデータ等を含む。情報連携部に係る社内人材は、支援装置1を利用する利用者である。情報連携部に係る社外人材は、例えば、支援装置1の運営者、又は、バックオフィス業務に係る業務委託パートナー等を含む。
【0125】
[APIを介したデータの取得について]
支援処理は、外部のサービス(例えば、会計システムその他の支援ツール)とのApplication Programming Interface(API)を用いた連携によって、業務情報管理部111、対象属性取得部114、財務状況取得部118、データ検査部120、データ生成部121等に係るデータを取得するよう構成されることが好ましい。当該構成は、例えば、制御部11が記憶部13及び通信部14と協働してAPI部(図示せず)を実行し、API部により、外部装置に係るAPIを介して当該外部装置からデータを取得する手順により実現される。API部は、APIを介したデータ取得に係る公知の手順等により、外部のサービスから必要なデータを取得する。
【0126】
[業務状況分析ステップ]
支援処理は、業務情報管理部111において管理される業務の状況等を可視化、分析、又はレポートすべく、業務情報管理部111において管理される業務情報の分析結果を生成する業務状況分析ステップを含むことが好ましい。
【0127】
業務状況分析ステップは、例えば、制御部11が記憶部13及び通信部14と協働して業務状況分析部(図示せず)を実行し、業務状況分析部により、業務情報管理部111において管理される業務情報の分析結果を生成する処理により実現される。業務状況分析部が生成する業務情報の分析結果は、例えば、図表等を用いて業務の状況等を可視化したレポート、統計処理又は言語モデルを用いた処理等により業務の状況等を分析したレポート、大規模言語モデル等により業務の状況をまとめたレポート等である。
【0128】
[インデックス化ステップ]
支援処理は、業務ナレッジをインデックス化するインデックス化ステップを含むことが好ましい。インデックス化ステップは、例えば、例えば、業務ナレッジに係る見出し、カテゴリ、企業等により参照可能な態様でデータベース化される手順により実現される。
【0129】
[カテゴリ分けステップ]
類似事例に係るナレッジの援用を容易にすべく、支援処理は、業務ナレッジをカテゴリ分けするカテゴリ分けステップを含むことが好ましい。このとき、類似事例又は関連事例に係るナレッジの援用を容易にすべく、カテゴリ分けステップは、業務ナレッジをツリー構造等に構造化する手順を含むことが好ましい。
【0130】
[BPO化業務登録ステップ]
外部委託業務を含めたナレッジが蓄積・参照されるようにすべく、支援処理は、業務ナレッジが外部委託(BPO)化された範囲の業務に係るナレッジを含むよう業務情報データベース131を更新する手順を含むことが好ましい。
【0131】
[貢献度可視化ステップ]
人材が対応した業務を明確化し、その貢献度を可視化すべく、支援処理は、業務ナレッジが人材と対応に当たったバックオフィス業務との対応付けを含むようにする貢献度可視化ステップを含むことが好ましい。貢献度可視化ステップは、例えば、貢献度を評価する立場の人物からの入力を取得する手順、日報に類する書類又はデータから貢献度を示す記載を自動抽出する手順等により実現される。当該手順は、RPAを用いた手順、大規模言語モデルを用いた手順等により実現される。
【0132】
[マニュアル化ステップ]
バックオフィス業務の属人化を解消すべく、支援処理は、バックオフィス業務に係るナレッジをコンテンツ化又はマニュアル化するマニュアルステップを含むことが好ましい。マニュアル化ステップは、例えば、既存マニュアルでは対応できない曖昧さへのナレッジの蓄積、ナレッジ等を一定の形として確立する型化、型化されたナレッジのマニュアル化、及びマニュアルのインデックス化等により実現される。マニュアル及びナレッジは、文書の態様でもよいが、動画の態様を含むことがより好ましい。マニュアルステップを含む支援処理が実行されることにより、支援装置1は、コンテンツ化又はマニュアル化されたナレッジを表示し、バックオフィス業務を支援できる。
【0133】
[チャットステップ]
社外の専門家の見解を活用して業務を俯瞰すべく、支援処理は、バックオフィス業務を担当する社内人材等と、社外の専門家との間のチャットを提供するチャットステップを含むことが好ましい。
【0134】
[タスク管理ステップ]
ナレッジ不足によるタスク管理の困難を解消すべく、支援処理は、バックオフィス業務に係る進行中タスクを管理し、進捗又は期限等を通知するタスク管理ステップを含むことが好ましい。
【0135】
[会員管理ステップ]
非会員等によって例示される、信頼できない情報源から提供された情報によるデータベース汚染を防ぎ、高品質のサービスを提供して収益化することを図るべく、支援処理は、法人契約に係る会員、個人会員、無料会員等を管理する会員管理ステップを含むことが好ましい。会員管理システムは、従来公知のアカウント管理システム等により実現される。
【0136】
[資金調達連携ステップ]
助言提供部119に係る助言が、対象企業が与信を得るための助言、資金調達を進めるための助言、及びキャッシュフローを改善するための助言を含む場合、支援処理は、当該助言に関して、クライアント稼働の対価の支払いを企業に代行して先に支払うというお金のやり取りとそれに伴う債権管理、資金調達に関連する事業者との連携・仲介の機能を提供することが好ましい。
【0137】
具体的に支援処理は、例えば、対象企業に係る支払いに関するデータを管理し、当該支払いの代行に係る指示を当該代行に係る事業者に送信し、当該代行に係る当該事業者の報告を当該対象企業に送信する資金調達連携ステップを含むことが好ましい。資金調達連携ステップは、例えば、制御部11が記憶部13及び通信部14と協働して資金調達連携部(図示せず)を実行し、資金調達連携部により、対象企業に係る支払いに関するデータを管理し、当該支払いの代行に係る指示を当該代行に係る事業者に送信し、当該代行に係る当該事業者の報告を当該対象企業に送信する処理により実現される。
【0138】
対象企業に係る支払いに関するデータの管理は、例えば、上述の助言が受け入れられた場合に当該助言に係るクライアント稼働の対価の支払いの代行に係る指示を記憶部13に格納し、当該代行に係る当該事業者の報告に係るデータを記憶部13に格納する一連の処理によって実現される。
【0139】
支払いの代行に係る指示の送信は、例えば、上述の助言が受け入れられた場合に当該助言に係るクライアント稼働の対価を対象企業に代行して支払うようにとの指令を示すデータを、代行に係る事業者に送信する処理によって実現される。代行に係る事業者の報告の送信は、例えば、上述の代行に係る支払いを行ったことを報告するデータを当該事業者から受信した場合に当該データに基づく報告データを対象企業に送信する処理によって実現される。
【0140】
支援処理が上述の一連の処理を含むことにより、支援装置1は、クライアント稼働の対価の支払いを企業に代行して先に支払うというお金のやり取りとそれに伴う債権管理、資金調達に関連する事業者との連携・仲介の機能を提供できる。これにより、支援装置1は、利用者の資金調達及びキャッシュフローに対して助言を行うのみならず、支払いの代行及び資金調達に関する事業者との連携・仲介という具体的な手段によって支援できる。すなわち、上述の一連の処理を含む支援処理を実行する支援装置1は、支援装置1が介在して業務を担う中でやり取りが発生する対象企業の財務情報を収集・分析する機能を有していることによって、対象企業が資金調達の必要性がある又は資金があれば伸びる可能性があるという判断を行うことにより、投資家がこの装置を介して資金調達の判断やその交渉に関するコンタクトをすることができるように支援し、当該投資家と対象企業との間を仲介するハブとしての役割を担い、対象企業を支援できる。
【0141】
よって、上述の一連の処理を含む支援処理を実行する支援装置1は、バックオフィス業務に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、ユーザが必要なバックオフィス業務を選んで適切に運用できるよう、利用者の資金調達及びキャッシュフローに関する具体的な手段によるさらなる支援を実現できる。
【0142】
[支援処理の効果]
上述の支援処理を実行する支援装置1は、ステップS1からステップS6において、業務情報、人材情報、及び助言情報をそれぞれ管理する処理を実行する。そして、当該支援装置1は、ステップS7からステップS9において、業務提案部115により、対象属性取得部114によって取得された対象企業の属性及び業務情報管理部111によって管理される業務情報に基づいて、企業の規模、決算月等の属性が一致するバックオフィス業務を提案できる。
【0143】
これにより、当該支援装置1は、企業の属性を踏まえてバックオフィス業務を提案することを介して、バックオフィス業務に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、当該ユーザが必要なバックオフィス業務を選んで適切に運用できるよう支援することに寄与する。
【0144】
ステップS10からステップS12において、当該支援装置1は、貢献度に基づいて社内人材に割り当てるバックオフィス業務を提案する処理を実行することにより、得意とするバックオフィス業務を当該社内人材に割り当て、バックオフィス業務を適切に運用できるよう支援できる。
【0145】
ステップS13からステップS15において、当該支援装置1は、貢献度に基づいてバックオフィス業務を担当する社内人材又は社外人材を提案する処理を実行することにより、当該バックオフィス業務を得意とする社内人材又は社外人材に当該業務を割り当て、バックオフィス業務を適切に運用できるよう支援できる。これにより、当該支援装置1は、社内に適切な人材がいないバックオフィス業務であっても、人材情報データベース132を用いて管理されている社外人材から適切な人材を割り当てて当該バックオフィス業務を進めるよう支援できる。
【0146】
ステップS16からステップS18において、当該支援装置1は、財務状況に基づいて経営上の助言(財務指標の提示、助成金等の提案)を行う処理を実行することにより、財務及び経営に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、ユーザが必要な経営に係るバックオフィス業務を選んで適切に運用できるよう支援できる。
【0147】
ステップS19からステップS21において、当該支援装置1は、バックオフィス業務に関する書類を検査する処理を実行することにより、書類の検査に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、書類検査を適切に運用できるよう支援できる。
【0148】
ステップS22からステップS24において、当該支援装置1は、バックオフィス業務に関する書類を自動生成する処理を実行することにより、書類の起案に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、書類起案を適切に行えるよう支援できる。
【0149】
以上より、上述の支援処理を実行する支援装置1は、バックオフィス業務に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、ユーザが必要なバックオフィス業務を選んで適切に運用できるよう支援できる。
【0150】
<本実施形態の支援装置1の使用例>
以下は、本実施形態の支援装置1の使用例である。
【0151】
〔データの更新〕
各企業のユーザは、端末Tを介して、当該企業に係る業務情報及び人材情報を更新するよう、支援装置1に指令する。支援装置1は、業務情報データベース131に格納された業務情報及び人材情報データベース132に格納された人材情報をそれぞれ更新する。また、管理者は、端末Tを介して、助言情報を更新するよう、支援装置1に指令する。支援装置1は、助言情報データベース133に格納された助言情報を更新する。加えて、ユーザは、必要に応じて、業務マニュアル等の業務ナレッジ、企業の財務状況等を更新するよう、支援装置1に指令する。支援装置1は、これらのデータを更新する。
【0152】
〔必要なバックオフィス業務の確認〕
ユーザは、端末Tを介して、企業の属性を添えたバックオフィス業務の提案に係る指令を支援装置1に送信する。支援装置1は、業務情報データベース131を用いて管理されている上述の業務情報を参照して、当該属性に応じたバックオフィス業務を提案する。ユーザは、提案されたバックオフィス業務を参照して、必要なバックオフィス業務を実行する。
【0153】
〔業務/人材の割り当て〕
ユーザは、端末Tを介して、人材に割り当てる業務を支援装置1に尋ねる。支援装置1は、人材情報データベース132を用いて管理されている上述の人材情報を参照して、当該人材に適したバックオフィス業務の割り当てを提案する。また、ユーザは、端末Tを介して、バックオフィス業務に割り当てる人材を支援装置1に尋ねる。支援装置1は、人材情報データベース132を用いて管理されている上述の人材情報を参照して、当該バックオフィス業務に適した社内人材又は社外人材の割り当てを提案する。ユーザは、これらの提案に沿って、バックオフィス業務と人材との割り当てを改善する。
【0154】
〔経営上の助言〕
ユーザは、端末Tを介して、財務状況に応じた経営上の助言を支援装置1に尋ねる。支援装置1は、助言情報データベース133を用いて管理されている上述の助言情報を参照して、当該財務状況に応じた経営上の助言を提供する。ユーザは、当該助言により、経営を改善する。
【0155】
〔書類の検査/下書き〕
ユーザは、端末Tを介して、バックオフィス業務に係る書類の検査を支援装置1に指令する。支援装置1は、機械学習モデルを用いて、当該書類の検査結果を提供する。ユーザは、当該検査結果を用いて、書類を改善する。
【0156】
また、ユーザは、端末Tを介して、バックオフィス業務に係る書類の生成を支援装置1に指令する。支援装置1は、大規模言語モデルを用いて、当該書類を生成し、提供する。ユーザは、当該書類を下書きとして利用し、書類を効率よく作成する。
【0157】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0158】
S システム
1 支援装置
11 制御部
111 業務情報管理部
112 人材情報管理部
113 助言情報管理部
114 対象属性取得部
115 業務提案部
116 割当提案部
117 人材提案部
118 財務状況取得部
119 助言提供部
120 データ検査部
121 データ生成部
13 記憶部
131 業務情報データベース
132 人材情報データベース
133 助言情報データベース
14 通信部
N ネットワーク
T 端末
【要約】
【課題】バックオフィス業務に係る知識(ナリッジ)の蓄積度合いを問わず、ユーザが必要なバックオフィス業務を選んで適切に運用できるよう支援すること。
【解決手段】本発明に係るバックオフィス業務の支援装置1は、対象企業の属性である対象属性を取得する対象属性取得部114と、業務情報管理部111において管理される複数の業務情報及び対象属性に基づいて、バックオフィス業務を対象企業に提案する業務提案部115と、を備え、業務情報管理部111は、企業の規模を含む企業の属性に係る業務情報の管理及び企業の決算月を含む企業の属性に係る業務情報の管理を行うよう構成され、対象属性取得部114は、企業の規模を含む企業の対象属性の取得及び企業の決算月を含む企業の対象属性の取得を行うよう構成され、業務提案部115は、業務情報において対象属性と一致する属性が関連付けられたバックオフィス業務を提案する。
【選択図】
図1