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特許7557819施設内システム、情報端末、制御方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】施設内システム、情報端末、制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20240920BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H04M9/00 D
H04M9/00 H
G08B25/04 J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020183923
(22)【出願日】2020-11-02
(65)【公開番号】P2022073746
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】森田 卓也
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-136111(JP,A)
【文献】特開2017-092721(JP,A)
【文献】特開2016-208412(JP,A)
【文献】特開2018-056960(JP,A)
【文献】特開2004-126272(JP,A)
【文献】特開2002-123791(JP,A)
【文献】特開2001-309363(JP,A)
【文献】特開2015-022578(JP,A)
【文献】特開2020-149542(JP,A)
【文献】特開2017-085492(JP,A)
【文献】特開2017-152971(JP,A)
【文献】特開2003-198739(JP,A)
【文献】特開2017-224343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
3/048-3/04895
G06K7/00-7/14
G08B25/04
G09F9/00-9/46
H04M1/00
1/24-1/82
9/00-9/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターホンシステムに使用され、かつ施設内に設置される施設内システムであって、
入力部と、表示部と、通信部とを備え、
前記入力部は、端末装置を前記インターホンシステムに関連付けるための操作入力を受けつけ、
前記通信部は、前記入力部が操作入力を受けつけた場合に、前記端末装置をサーバに登録するために使用させる登録情報を要求するための信号をサーバに送信した後、前記登録情報を前記サーバから受信し、
前記表示部は、前記施設内システムに関する第1情報と、前記登録情報との組合せを2次元コード情報として表示することによって、前記2次元コード情報を端末装置に撮像により読み取らせ、
前記端末装置は、前記2次元コード情報の読み取りにより取得した前記登録情報と前記第1情報とともに前記端末装置に関する第2情報も前記サーバに送信し、前記サーバは、前記端末装置から受信した前記登録情報と前記第1情報と前記第2情報のうちの前記登録情報をもとに前記端末装置を登録してから前記第1情報と前記第2情報とを記憶しており、前記通信部は、前記サーバでの登録後に前記第1情報と前記第2情報を前記サーバから受信し、
前記表示部は、ユーザが操作すべき画面、またはユーザへの通知を示す画面である第1の画面を第1の明るさで表示し、前記2次元コード情報を含む第2の画面を、前記第1の明るさよりも明るい第2の明るさまたは前記表示部の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさで表示する施設内システム。
【請求項2】
前記第1の明るさを設定する設定部をさらに備える請求項1に記載の施設内システム。
【請求項3】
前記表示部は、前記第2の画面の表示を終了した場合、前記第2の明るさよりも暗くする請求項1または2に記載の施設内システム。
【請求項4】
前記表示部は、前記第2の画面の表示を開始してから所定期間経過後に、前記第2の明るさよりも暗くする請求項1または2に記載の施設内システム。
【請求項5】
インターホンシステムに使用され、かつ施設内に設置される施設内システムの情報端末であって、
入力部と、表示部と、通信部とを備え、
前記入力部は、端末装置を前記インターホンシステムに関連付けるための操作入力を受けつけ、
前記通信部は、前記入力部が操作入力を受けつけた場合に、前記端末装置をサーバに登録するために使用させる登録情報を要求するための信号をサーバに送信した後、前記登録情報を前記サーバから受信し、
前記表示部は、前記施設内システムに関する第1情報と、前記登録情報との組合せを2次元コード情報として表示することによって、前記2次元コード情報を端末装置に撮像により読み取らせ、
前記端末装置は、前記2次元コード情報の読み取りにより取得した前記登録情報と前記第1情報とともに前記端末装置に関する第2情報も前記サーバに送信し、前記サーバは、前記端末装置から受信した前記登録情報と前記第1情報と前記第2情報のうちの前記登録情報をもとに前記端末装置を登録してから前記第1情報と前記第2情報とを記憶しており、前記通信部は、前記サーバでの登録後に前記第1情報と前記第2情報を前記サーバから受信し、
前記表示部は、ユーザが操作すべき画面、またはユーザへの通知を示す画面である第1の画面を第1の明るさで表示し、前記2次元コード情報を含む第2の画面を、前記第1の明るさよりも明るい第2の明るさまたは前記表示部の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさで表示する情報端末。
【請求項6】
インターホンシステムに使用され、かつ施設内に設置される施設内システムの制御方法であって、
端末装置を前記インターホンシステムに関連付けるための操作入力を受けつけるステップと、
操作入力を受けつけた場合に、前記端末装置をサーバに登録するために使用させる登録情報を要求するための信号をサーバに送信した後、前記登録情報を前記サーバから受信するステップと、
前記施設内システムに関する第1情報と、前記登録情報との組合せを2次元コード情報として表示することによって、前記2次元コード情報を端末装置に撮像により読み取らせるステップと、
前記端末装置は、前記2次元コード情報の読み取りにより取得した前記登録情報と前記第1情報とともに前記端末装置に関する第2情報も前記サーバに送信し、前記サーバは、前記端末装置から受信した前記登録情報と前記第1情報と前記第2情報のうちの前記登録情報をもとに前記端末装置を登録してから前記第1情報と前記第2情報とを記憶しており、前記サーバでの登録後に前記第1情報と前記第2情報を前記サーバから受信するステップとを備え、
前記操作入力を受けつけるステップにおいて、ユーザが操作すべき画面である第1の画面を第1の明るさで表示
前記読み取らせるステップにおいて、前記2次元コード情報を含む第2の画面を、前記第1の明るさよりも明るい第2の明るさまたは表示部の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさで表示する、
制御方法。
【請求項7】
インターホンシステムに使用され、かつ施設内に設置される施設内システムの情報端末の制御方法であって、
端末装置を前記インターホンシステムに関連付けるための操作入力を受けつけるステップと、
操作入力を受けつけた場合に、前記端末装置をサーバに登録するために使用させる登録情報を要求するための信号をサーバに送信した後、前記登録情報を前記サーバから受信するステップと、
前記施設内システムに関する第1情報と、前記登録情報との組合せを2次元コード情報として表示することによって、前記2次元コード情報を端末装置に撮像により読み取らせるステップと、
前記端末装置は、前記2次元コード情報の読み取りにより取得した前記登録情報と前記第1情報とともに前記端末装置に関する第2情報も前記サーバに送信し、前記サーバは、前記端末装置から受信した前記登録情報と前記第1情報と前記第2情報のうちの前記登録情報をもとに前記端末装置を登録してから前記第1情報と前記第2情報とを記憶しており、前記サーバでの登録後に前記第1情報と前記第2情報を前記サーバから受信するステップとを備え、
前記操作入力を受けつけるステップにおいて、ユーザが操作すべき画面である第1の画面を第1の明るさで表示
前記読み取らせるステップにおいて、前記2次元コード情報を含む第2の画面を、前記第1の明るさよりも明るい第2の明るさまたは表示部の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさで表示する、
制御方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御技術に関し、特に施設に設置可能な施設内システム、情報端末、制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターホンシステムにおいて、玄関子機からの呼び出しに対して携帯情報端末による応答を可能にするために、インターネットを利用してSIP(Session Initiation Protocol)通信機能を備えた携帯情報端末との間で呼出/応答がなされる。このような呼出/応答を実現するために、携帯情報端末は定期的に自身のIPアドレスを、施設内の装置へ通知して登録する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-176005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インターホンシステムでは施設内に居室親機が設置され、居室親機がサーバに接続されることによって、玄関子機と携帯情報端末との間の通信が可能にされている。施設内に設置された機器が機器制御装置に接続され、機器制御装置がサーバに接続される場合、携帯情報端末から機器の状態を確認したり、機器を操作したりすることが可能になる。しかしながら、このようなシステムのセキュリティに問題があると、本来のユーザに気づかれずに悪意の第三者に接続されて、居室親機あるいは機器を操作されてしまうおそれがある。これを避けるためにセキュリティを向上させるための設定が必要とされるが、そのような設定は簡易になされる方が好ましい。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、設定のしやすさを向上する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の施設内システムは、インターホンシステムに使用され、かつ施設内に設置される施設内システムであって、入力部と、表示部と、通信部とを備える。入力部は、端末装置をインターホンシステムに関連付けるための操作入力を受けつけ、通信部は、入力部が操作入力を受けつけた場合に、端末装置をサーバに登録するために使用させる登録情報を要求するための信号をサーバに送信した後、登録情報をサーバから受信し、表示部は、施設内システムに関する第1情報と、登録情報との組合せを2次元コード情報として表示することによって、2次元コード情報を端末装置に撮像により読み取らせ、端末装置は、2次元コード情報の読み取りにより取得した登録情報と第1情報とともに端末装置に関する第2情報もサーバに送信し、サーバは、端末装置から受信した登録情報と第1情報と第2情報のうちの登録情報をもとに端末装置を登録してから第1情報と第2情報とを記憶しており、通信部は、サーバでの登録後に第1情報と第2情報をサーバから受信し、表示部は、ユーザが操作すべき画面、またはユーザへの通知を示す画面である第1の画面を第1の明るさで表示し、2次元コード情報を含む第2の画面を、第1の明るさよりも明るい第2の明るさまたは表示部の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさで表示する。
【0007】
本開示の別の態様は、情報端末である。この情報端末は、インターホンシステムに使用され、かつ施設内に設置される施設内システムの情報端末であって、入力部と、表示部と、通信部とを備える。入力部は、端末装置をインターホンシステムに関連付けるための操作入力を受けつけ、通信部は、入力部が操作入力を受けつけた場合に、端末装置をサーバに登録するために使用させる登録情報を要求するための信号をサーバに送信した後、登録情報をサーバから受信し、表示部は、施設内システムに関する第1情報と、登録情報との組合せを2次元コード情報として表示することによって、2次元コード情報を端末装置に撮像により読み取らせ、端末装置は、2次元コード情報の読み取りにより取得した登録情報と第1情報とともに端末装置に関する第2情報もサーバに送信し、サーバは、端末装置から受信した登録情報と第1情報と第2情報のうちの登録情報をもとに端末装置を登録してから第1情報と第2情報とを記憶しており、通信部は、サーバでの登録後に第1情報と第2情報をサーバから受信し、表示部は、ユーザが操作すべき画面、またはユーザへの通知を示す画面である第1の画面を第1の明るさで表示し、2次元コード情報を含む第2の画面を、第1の明るさよりも明るい第2の明るさまたは表示部の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさで表示する。
【0008】
本開示のさらに別の態様は、制御方法である。この方法は、インターホンシステムに使用され、かつ施設内に設置される施設内システムの制御方法であって、端末装置をインターホンシステムに関連付けるための操作入力を受けつけるステップと、操作入力を受けつけた場合に、端末装置をサーバに登録するために使用させる登録情報を要求するための信号をサーバに送信した後、登録情報をサーバから受信するステップと、施設内システムに関する第1情報と、登録情報との組合せを2次元コード情報として表示することによって、2次元コード情報を端末装置に撮像により読み取らせるステップと、端末装置は、2次元コード情報の読み取りにより取得した登録情報と第1情報とともに端末装置に関する第2情報もサーバに送信し、サーバは、端末装置から受信した登録情報と第1情報と第2情報のうちの登録情報をもとに端末装置を登録してから第1情報と第2情報とを記憶しており、サーバでの登録後に第1情報と第2情報をサーバから受信するステップとを備える。操作入力を受けつけるステップにおいて、ユーザが操作すべき画面である第1の画面を第1の明るさで表示読み取らせるステップにおいて、2次元コード情報を含む第2の画面を、第1の明るさよりも明るい第2の明るさまたは表示部の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさで表示する
【0009】
本開示のさらに別の態様もまた、制御方法である。この方法は、インターホンシステムに使用され、かつ施設内に設置される施設内システムの情報端末の制御方法であって、端末装置をインターホンシステムに関連付けるための操作入力を受けつけるステップと、操作入力を受けつけた場合に、端末装置をサーバに登録するために使用させる登録情報を要求するための信号をサーバに送信した後、登録情報をサーバから受信するステップと、施設内システムに関する第1情報と、登録情報との組合せを2次元コード情報として表示することによって、2次元コード情報を端末装置に撮像により読み取らせるステップと、端末装置は、2次元コード情報の読み取りにより取得した登録情報と第1情報とともに端末装置に関する第2情報もサーバに送信し、サーバは、端末装置から受信した登録情報と第1情報と第2情報のうちの登録情報をもとに端末装置を登録してから第1情報と第2情報とを記憶しており、サーバでの登録後に第1情報と第2情報をサーバから受信するステップとを備える。操作入力を受けつけるステップにおいて、ユーザが操作すべき画面である第1の画面を第1の明るさで表示読み取らせるステップにおいて、2次元コード情報を含む第2の画面を、第1の明るさよりも明るい第2の明るさまたは表示部の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさで表示する
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、設定のしやすさを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1(a)-(b)は、実施例に係る通信システムの構成を示す図である。
図2図1(a)-(b)の玄関子機、居室親機、通信装置の構成を示す図である。
図3図1(a)-(b)の携帯情報端末の構成を示す図である。
図4図3のモニタに表示される画面を示す図である。
図5図5(a)-(b)は、暗証番号を設定する際に居室親機のモニタに表示される画面を示す図である。
図6図1(a)-(b)の施設内システム、サーバ、携帯情報端末による登録処理の概要を示す図である。
図7図7(a)-(d)は、携帯情報端末を登録する際に居室親機のモニタに表示される画面を示す図である。
図8図1(a)-(b)のサーバの構成を示す図である。
図9図9(a)-(d)は、携帯情報端末を登録する際に居室親機のモニタに表示される続きの画面を示す図である。
図10図1(a)-(b)の施設内システム、サーバ、携帯情報端末による通信処理の概要を示す図である。
図11図1(a)-(b)の施設内システム、サーバ、携帯情報端末による登録の処理手順を示すシーケンス図である。
図12】居室親機のモニタに表示される画面を示す図である。
図13】居室親機のモニタに表示される別の画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示を具体的に説明する前に、概要を述べる。実施例は、集合住宅、戸建住宅等の施設に設置されたインターホンシステムにおける玄関子機から居室親機への呼出要求に応じて、玄関子機と携帯情報端末との通信を実行させる通信システムに関する。また、通信システムには、施設内の家電機器、設備機器等の機器が接続された機器制御装置が含まれる。そのため、通信システムは、携帯情報端末から機器の状態を確認したり、機器を操作したりすることも可能にする。このような通信システムに対して、前述のごとく、施設外からの通信に対するセキュリティを向上することが求められる。例えば、居住者以外の携帯情報端末におけるアプリケーションプログラム(以下、「アプリケーション」という)の登録、居住者以外の携帯情報端末からの不正操作を防止することが求められる。これを避けるためにセキュリティを向上させるための設定が必要とされるが、そのような設定は簡易になされる方が好ましい。
【0014】
本実施例に係る通信システムでは、携帯情報端末におけるアプリケーションを登録するために、居室親機の操作を必要とする。具体的には、居室親機の操作により、携帯情報端末をサーバに登録するために携帯情報端末に使用させる登録情報がサーバにおいて生成され、携帯情報端末とサーバ間において登録情報が照合される。一方、第三者は、居室親機を操作できないので、携帯情報端末におけるアプリケーションを登録できない。ここで、居室親機において生成された登録情報は2次元コード情報としてモニタに表示され、携帯情報端末は2次元コード情報を撮像することによって登録情報を取得する。居室親機は、モニタに2次元コード情報を表示する際、それまでよりも画面を明るくする。
【0015】
図1(a)-(b)は、通信システム1000の構成を示す。通信システム1000は、インターホンシステム10、機器管理システム30、ルータ400、アクセスポイント410、ネットワーク420、サーバ430、基地局装置440、携帯情報端末500を含む。インターホンシステム10は、玄関子機100、居室親機200、通信装置300を含む。ここでは、居室親機200と通信装置300が別の装置として示されるが、居室親機200が通信装置300を含むことによって、これらは一体化されてもよい。このような居室親機200と通信装置300は施設内システム700としてまとめられる。
【0016】
機器管理システム30は、機器制御装置800、機器810と総称される第1機器810a、第2機器810bを含む。機器制御装置800に接続される機器810の数は「2」に限定されない。インターホンシステム10、機器管理システム30、ルータ400、アクセスポイント410は、施設20に設置され、ネットワーク420、サーバ430、基地局装置440は、施設20の外部に設置される。施設20は、例えば戸建て住宅、マンション等の集合住宅、オフィスや工場等の建物である。
【0017】
玄関子機100は、施設20の入口の外側に設置されたインターホンである。玄関子機100は、例えば、戸建住宅の玄関先(住宅の外側)に設置される。また、玄関子機100は、集合住宅におけるロビーインターホンあるいはドアホン子機であってもよい。玄関子機100に備えられた呼出ボタンは、来訪者が来訪した際に押し下げられる。玄関子機100は、有線あるいは無線の専用回線によって居室親機200に接続される。
【0018】
居室親機200は、施設20内に設置される。居室親機200は住宅情報盤とも呼ばれる。居室親機200は、専用回線経由で玄関子機100を接続するとともに、通信装置300を接続する。玄関子機100からの呼出に応じて、居住者等のユーザが居室親機200の応答ボタンを押し下げると、玄関子機100と居室親機200との間において来訪者とユーザの会話が可能になる。本実施例におけるユーザは、玄関子機100からの呼出に応答するために、携帯情報端末500も使用可能である。
【0019】
携帯情報端末500は、例えば、スマートフォン、タブレット端末であり、ユーザに携帯されて施設20の内外を移動可能である。また、携帯情報端末500は、第1通信方式と第2通信方式に対応する無線通信機能を有する。第1通信方式は、例えば、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話システム、無線MAN(Metropolitan Area Network)であり、第2通信方式は、例えば、無線LAN(Local Area Network)である。ここでは、第1通信方式は施設20の内でも外でも使用可能であるが、第2通信方式は施設20内において使用可能であり、施設20外において使用不可能であることを想定する。さらに、携帯情報端末500は、インターホンシステム10における呼出に応答するためのアプリケーションを実行可能である。
【0020】
携帯情報端末500と玄関子機100との通信を可能にするために、居室親機200には通信装置300が接続され、通信装置300にはルータ400が接続される。通信装置300は、居室親機200側の通信インターフェースと、ルータ400側の通信インターフェースとの間の変換を実行する。ルータ400は、施設20内のアクセスポイント410を接続するとともに、施設20外のネットワーク420も接続する。アクセスポイント410は、第2通信方式による通信を実行することによって、施設20内において携帯情報端末500と通信可能な無線装置である。ここで、アクセスポイント410との間で第2通信方式による通信が可能な領域を第1領域と呼ぶ場合、インターホンシステム10が設置される施設20は第2領域と呼ばれる。本実施例において第1領域と第2領域とは一致しているとするが、これらは少なくとも一部が重複していればよい。
【0021】
ネットワーク420は、有線あるいは無線あるいはそれらの組合せにより形成されており、例えば、インターネットである。ネットワーク420には、サーバ430、基地局装置440が接続される。基地局装置440は、第1通信方式による通信を実行することによって、施設20の内外において携帯情報端末500と通信可能な無線装置である。
【0022】
サーバ430は、携帯情報端末500におけるアプリケーションを外部から起動させるためのサーバである。サーバ430は、例えばAPNS(Apple Push Notification Service)あるいはFCM(Firebase Cloud Messaging)の機能を有する。また、サーバ430は、居室親機200と携帯情報端末500との間でセッションを確立したり、あるいは切断したりする機能も有する。サーバ430は、例えば、SIPサーバでもある。サーバ430は、SIPの他にWebRTC(Web Real-Time Communication)を実行してもよい。このようなサーバ430は、施設内システム700と携帯情報端末500と通信可能であるといえる。
【0023】
各機器810は、例えば、照明装置、エアーコンディショナである。各機器810は、HAN(Home Area Network)により機器制御装置800に接続される。機器制御装置800は、例えば、HEMS(Home Energy Management System)コントローラとしての機能を有し、機器810の動作を制御する。機器制御装置800は、1つの装置であってもよいし、複数の装置の接続であってもよい。機器制御装置800は、ルータ400、ネットワーク420を介してサーバ430に接続される。サーバ430は、ネットワーク420、基地局装置440を介して携帯情報端末500と通信可能である。サーバ430は、携帯情報端末500のアプリケーションに対して、携帯情報端末500から機器810の状態を確認したり、携帯情報端末500から機器810を操作したりする機能を提供する。
【0024】
以下では、図1(a)-(b)に加えて、図2図3図4を使用しながら、通信システム1000の構成および動作を説明する。ここでは、(1)インターホンシステム10の基本動作、(2)玄関子機100と施設20外の携帯情報端末500との通信動作、(3)玄関子機100と施設20内の携帯情報端末500との通信動作、(4)携帯情報端末500と機器制御装置800との通信動作、(5)携帯情報端末500の管理動作の順に説明する。
【0025】
(1)インターホンシステム10の基本動作
図2は、玄関子機100、居室親機200、通信装置300の構成を示す。玄関子機100は、処理部110、操作部130、通信部140を含み、処理部110は、撮像部112、マイク114、スピーカ116、モニタ118、IF部120を含む。居室親機200は、処理部210、操作部230、通信部240、制御部250を含み、処理部210は、マイク214、スピーカ216、モニタ218、IF部220を含む。通信装置300は、第1通信部340、第2通信部342、制御部350、記憶部360を含む。居室親機200が通信装置300を含むことによってこれらが一体化されている場合、通信部240と第1通信部340は共通であってもよく、制御部250と制御部350も共通であってもよい。
【0026】
玄関子機100の操作部130は、来訪者の操作を受けつけるためのユーザインターフェースであり、例えば呼出ボタンである。操作部130が来訪者によって押し下げられると、操作部130は、呼出要求を通信部140に出力する。また、操作部130が来訪者によって押し下げられると、処理部110が動作する。
【0027】
撮像部112は、来訪者を撮影するための装置であり、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の固体撮像素子を備える。当該固体撮像素子は光電変換した映像信号をIF部120に出力する。IF部120は、撮像部112からの映像信号に対して種々の信号処理を実行する。種々の信号処理には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。IF部120は、信号処理を実行した映像信号(以下、これもまた「映像信号」という)を通信部140に出力する。
【0028】
マイク114とスピーカ116は、来訪者が居住者と通話するためのユーザインターフェースである。マイク114は来訪者の声を集音し、電気信号に変換してIF部120に出力する。スピーカ116は、IF部120からの電気信号を再生して音声出力する。IF部120は、マイク114からの電気信号を受けつけ、これを伝送するための形式の信号(以下、「音声信号」という)に変換する。IF部120は、音声信号を通信部140に出力する。一方、IF部120は、通信部140から音声信号を入力し、音声信号を電気信号に変換する。IF部120は、電気信号をスピーカ116に出力する。
【0029】
モニタ118は、メッセージ等を表示する。メッセージは、LED(Light Emitting Diode)等で表示されてもよい。例えば、予めメッセージ毎にLED等の発光部が配置されており、いずれかが点灯することによって、メッセージが伝えられる。IF部120は、通信部140からメッセージ信号を入力し、メッセージ信号をモニタ118に出力する。メッセージ信号は、玄関子機100において生成されてもよい。通信部140は、専用回線による通信機能を有し、居室親機200との間の通信を実行する。具体的に説明すると、通信部140は、前述の呼出要求、映像信号、音声信号、メッセージ信号を居室親機200との間で送受信するが、送受信される信号はこれらに限定されない。
【0030】
居室親機200の通信部240は、専用回線による通信機能を有し、玄関子機100の通信部140との間の通信を実行する。また、通信部240は、通信装置300の第1通信部340との間の通信も実行する。そのため、通信部240は、玄関子機100と通信装置300との間の通信を中継可能である。通信部240には制御部250が接続され、制御部250は居室親機200の動作を制御する。制御部250にはIF部220、操作部230が接続され、IF部220にはマイク214、スピーカ216、モニタ218が接続される。ここで、マイク214、スピーカ216、IF部220、操作部230は、マイク114、スピーカ116、IF部120、操作部130と同様に構成される。モニタ218は、玄関子機100の撮像部112において撮像された映像を表示する。
【0031】
制御部250は、通信部240を介して玄関子機100からの呼出要求、映像信号、音声信号を受けつける。制御部250は、呼出要求を受けつけると、IF部220を介してスピーカ216から呼出音を出力させる。これに続いて、制御部250は、IF部220を介してモニタ218に、映像信号を再生した映像を表示させるとともに、IF部220を介してスピーカ216から、音声信号を再生した音声を出力させる。呼出音を聞いたユーザが操作部230を操作することによって呼出に応答した場合、制御部250は、通信部240に対して、玄関子機100との間の通信を実行させる。その結果、通信部140と通信部240との間で、映像信号、音声信号が通信されることによって、玄関子機100を操作する来訪者と、居室親機200を操作するユーザとの間の通話が実行される。
【0032】
(2)玄関子機100と施設20外の携帯情報端末500との通信動作
これまでの説明において、ユーザは居室親機200を操作して、玄関子機100からの呼出に応答している。一方、ユーザは携帯情報端末500を操作して、玄関子機100からの呼出に応答することも可能である。玄関子機100を第1端末装置と呼ぶ場合、携帯情報端末500は第2端末装置と呼ばれる。玄関子機100と携帯情報端末500との通信を実行するために、通信装置300は、居室親機200と携帯情報端末500との接続処理を実行する。居室親機200の制御部250は、通信部240を介して玄関子機100からの呼出要求、映像信号、音声信号を受けつけると、通信部240を介して通信装置300に呼出要求を送信させる。
【0033】
通信装置300の第1通信部340は、居室親機200の通信部240と通信可能である。第1通信部340は、呼出要求を通信部240から受信する。これは、玄関子機100からの呼出要求を受信することに相当する。第1通信部340は制御部350に接続されており、制御部350には第2通信部342も接続される。第2通信部342は図1(a)のルータ400と通信可能であるとともに、ルータ400を介して、アクセスポイント410、ネットワーク420とも通信可能である。
【0034】
制御部350は、通信装置300の動作を制御するとともに、第1通信部340と第2通信部342との間において信号のフォーマットを変換する。制御部350は、第1通信部340から呼出要求を受けつけると、携帯情報端末500において実行されるアプリケーションの起動を要求するための信号(以下、「起動要求」という)を生成する。起動要求には、通信装置300を識別するための識別情報が含まれるとともに、アプリケーションを識別するための識別情報が含まれる。また、起動要求の宛先は、サーバ430に設定される。ここで、識別情報、宛先とされるサーバ430の情報は、記憶部360に記憶される。制御部350は、起動要求を第2通信部342に出力し、第2通信部342は、制御部350から受けつけた起動要求を送信する。
【0035】
起動要求は、図1(a)の経路P1に沿って、ルータ400、ネットワーク420を経由してサーバ430に送られる。サーバ430は、通信装置300からの起動要求を受信する。サーバ430は、PUSHサーバの機能(以下、「第1機能」という)を有するとともに、APNSあるいはFCMの機能(以下、「第2機能」という)を有する。サーバ430は、機能毎に別のサーバであってもよいし、1つのサーバであってもよい。
【0036】
サーバ430は、第1機能として、通信装置300の識別情報と携帯情報端末500の識別情報との対応関係が示されたテーブルを有する。これは、施設20に設置された通信装置300と、呼出の転送対象となる携帯情報端末500との対応関係が示されたテーブルといえる。テーブルでは、1つの通信装置300の識別情報に対して、複数の携帯情報端末500の識別情報が対応づけられてもよい。サーバ430は、起動要求から、通信装置300の識別情報を抽出し、テーブルを参照することによって、通信装置300の識別情報に対応づけられた携帯情報端末500の識別情報を取得する。
【0037】
サーバ430は、第2機能として、起動要求から、アプリケーションの識別情報を抽出する。サーバ430は、第1機能において取得した識別情報の携帯情報端末500におけるアプリケーションを起動させるための信号(以下、これもまた「起動要求」という)を送信する。起動要求は、インターホンシステム10における呼出に応じてアプリケーションを起動させるための信号であり、起動要求には、アプリケーションの識別情報が含まれる。起動要求は、図1(a)の経路P2に沿って、ネットワーク420、基地局装置440を介して携帯情報端末500に送られる。
【0038】
図3は、携帯情報端末500の構成を示す。携帯情報端末500は、処理部510、第1通信方式通信部540、第2通信方式通信部542、制御部550、記憶部560を含み、処理部510は、撮像部512、マイク514、スピーカ516、モニタ518、IF部520、操作部530を含む。第1通信方式通信部540は、第1通信方式による通信を実行し、図1(a)の基地局装置440と通信可能である。第2通信方式通信部542は、第2通信方式による通信を実行し、図1(a)のアクセスポイント410と通信可能である。第1通信方式通信部540と第2通信方式通信部542には制御部550が接続され、制御部550は携帯情報端末500の動作を制御する。制御部550にはIF部520と記憶部560が接続され、IF部520には撮像部512、マイク514、スピーカ516、モニタ518、操作部530が接続される。ここで、マイク514、スピーカ516、IF部520は、マイク114、スピーカ116、IF部120と同様に構成される。モニタ518と操作部530は、例えば、タッチパネルディスプレイとして一体的に構成されてもよい。
【0039】
第1通信方式通信部540は、第1通信方式によりサーバ430からの起動要求を受信する。制御部550は、第1通信方式通信部540から起動要求を受けつけると、起動要求に含まれたアプリケーションの識別情報を抽出する。制御部550は、アプリケーションの識別情報をもとに、記憶部560に記憶されたアプリケーションを起動させる。制御部550において実行されるアプリケーションは、携帯情報端末500をサーバ430に登録させるための信号(以下、「SIP登録信号」という)を第1通信方式通信部540から送信させる。SIP登録信号には、携帯情報端末500の識別情報と、携帯情報端末500のアドレスとが含まれる。アドレスの一例はIP(Internet Protocol)アドレスである。SIP登録信号は、図1(a)の経路P3に沿って、基地局装置440、ネットワーク420を介してサーバ430に送られる。
【0040】
図1(a)のサーバ430は、携帯情報端末500からのSIP登録信号を受信する。サーバ430は、SIP登録信号をもとに、サーバ430によりアプリケーションが起動された携帯情報端末500を登録する。その際、サーバ430は、例えば、SIP登録信号に含まれた携帯情報端末500の識別情報と携帯情報端末500のアドレスとの組合せを記憶する。
【0041】
図2の通信装置300の制御部350は、携帯情報端末500を呼び出すための信号(以下、「呼出信号」という)を生成する。呼出信号には、携帯情報端末500の識別情報が含まれる。また、呼出信号の宛先は、サーバ430に設定される。制御部350は、呼出信号を第2通信部342に出力し、第2通信部342は、制御部350から受けつけた呼出信号を送信する。呼出信号は、図1(a)の経路P4に沿って、ルータ400、ネットワーク420を介してサーバ430に送られる。
【0042】
図1(a)のサーバ430は、通信装置300からの呼出信号を受信する。サーバ430は、受信した呼出信号から携帯情報端末500の識別情報を抽出する。サーバ430は、記憶した組合せから、抽出した携帯情報端末500の識別情報に対応した携帯情報端末500のアドレスを取得する。サーバ430は、取得したアドレスを宛先として、呼出信号を携帯情報端末500に転送する。呼出信号には、通信装置300の識別情報、通信装置300のアドレスが含まれる。呼出信号は、図1(a)の経路P5に沿ってネットワーク420、基地局装置440を介して携帯情報端末500に送られる。
【0043】
図3の携帯情報端末500の第1通信方式通信部540は、サーバ430からの呼出信号を受信する。制御部550は、第1通信方式通信部540から呼出信号を受けつけると、呼出信号に含まれた通信装置300の識別情報、通信装置300のアドレスを抽出する。制御部550において実行されるアプリケーションは、通信装置300からの呼出をユーザに知らせるための画面を生成し、画面をモニタ518に表示させる。
【0044】
図4は、モニタ518に表示される画面を示す。表示領域600には、例えば、「呼出がありました」のような呼出を知らせるためのメッセージが表示される。また、表示領域600の下方には、通話ボタン610と終了ボタン620が示される。通話ボタン610は、通話を開始する場合にユーザが選択すべきボタンであり、終了ボタン620は、通話を開始しない場合あるいは通話を終了する場合にユーザが選択すべきボタンである。図3に戻る。ユーザが通話ボタン610あるいは終了ボタン620に触れることによって、操作部530は、ユーザからの指示を受けつける。具体的に説明すると、操作部530は、通話ボタン610が触れられた場合に呼出に対する応答の指示を受けつけ、終了ボタン620が触れられた場合に呼出に対する応答拒否の指示を受けつける。操作部530は、受けつけた指示を制御部550に出力する。
【0045】
制御部550は、応答の指示を受けつけた場合、応答信号を生成する。応答信号の宛先は、サーバ430に設定される。制御部550は応答信号を第1通信方式通信部540に出力し、第1通信方式通信部540は応答信号を送信する。応答信号は、図1(a)の経路P6に沿って基地局装置440、ネットワーク420を介してサーバ430に送られる。図1(a)のサーバ430は、携帯情報端末500からの応答信号を受信すると、応答信号を通信装置300に送信する。その際、応答信号には携帯情報端末500のアドレスが含まれる。応答信号は、図1(a)の経路P7に沿ってネットワーク420、ルータ400を介して通信装置300に送られる。
【0046】
図2の通信装置300の第2通信部342は、サーバ430からの応答信号を受信する。第2通信部342は、応答信号を制御部350に出力する。制御部350は、第2通信部342から応答信号を受けつけると、応答信号から携帯情報端末500のアドレスを抽出する。その結果、通信装置300と携帯情報端末500は互いのアドレスを取得するので、制御部350は、携帯情報端末500との接続が完了したと判定する。制御部350は、携帯情報端末500との接続完了を知らせるための通知(以下、「完了通知」という)を第1通信部340から居室親機200に送信させる。
【0047】
居室親機200の通信部240は、通信装置300からの完了通知を受信する。通信部240は、完了通知を制御部250に出力する。制御部250は、通信部240からの完了通知を受けつけると、居室親機200と携帯情報端末500との接続完了を認識する。制御部250は、接続完了を認識した後、通信部240に対して、玄関子機100からの映像信号、音声信号を通信装置300へ送信させるとともに、通信装置300からの音声信号を玄関子機100へ送信させる。つまり、制御部250は、通信部240に対して、玄関子機100と通信装置300との間の中継処理を実行させる。
【0048】
これに続いて、通信装置300の制御部350は、第2通信部342と携帯情報端末500との間で、ルータ400、ネットワーク420、基地局装置440を経由する経路を設定する。つまり、制御部350は、玄関子機100と携帯情報端末500との通信に第1通信方式を使用させる。図1(a)のように、玄関子機100からの音声信号、映像信号は、経路P8に沿って、居室親機200、通信装置300、ルータ400、ネットワーク420、基地局装置440を介して携帯情報端末500に送られる。また、携帯情報端末500からの音声信号は、経路P8に沿って、基地局装置440、ネットワーク420、ルータ400、通信装置300、居室親機200を介して玄関子機100に送られる。その結果、玄関子機100を操作する来訪者と、携帯情報端末500を操作するユーザとの第1通信方式を使用した通信が可能になる。
【0049】
(3)玄関子機100と施設20内の携帯情報端末500との通信動作
図2の通信装置300の第1通信部340は、これまでと同様に呼出要求を通信部240から受信する。制御部350は、図1(a)のサーバ430の機能を備え、第1通信部340から呼出要求を受けつけると、起動要求を生成する。この起動要求は、サーバ430から送信される起動要求と同様である。そのため、起動要求には、アプリケーションの識別情報が含まれるとともに、起動要求の宛先は、携帯情報端末500に設定される。記憶部360は、携帯情報端末500の識別情報等を記憶する。制御部350は起動要求を第2通信部342に出力し、第2通信部342は起動要求を送信する。起動要求は、図1(b)の経路P2に沿って、ルータ400、アクセスポイント410を介して携帯情報端末500に送られる。
【0050】
図3の携帯情報端末500の第2通信方式通信部542は、通信装置300からの起動要求を受信する。制御部550は、これまでと同様の処理を実行することによってアプリケーションを起動し、アプリケーションによりSIP登録信号を第2通信方式通信部542に送信させる。通信装置300からの起動要求によって起動されるアプリケーションと、サーバ430からの起動要求によって起動されるアプリケーションは、別のアプリケーションであってもよい。SIP登録信号は、図1(b)の経路P2に沿って、アクセスポイント410、ルータ400を介して通信装置300に送られる。図2の通信装置300の第2通信部342は、携帯情報端末500からのSIP登録信号を受信する。制御部350は、第2通信部342から受けつけたSIP登録信号をもとに、アプリケーションが起動された携帯情報端末500を登録する。
【0051】
制御部350は、呼出信号を生成する。この呼出信号は、サーバ430から送信される呼出信号と同様である。そのため、呼出信号の宛先は、携帯情報端末500に設定される。制御部350は呼出信号を第2通信部342に出力し、第2通信部342は呼出信号を送信する。呼出信号は、図1(b)の経路P3に沿って、ルータ400、アクセスポイント410を介して携帯情報端末500に送られる。
【0052】
図3の携帯情報端末500の第2通信方式通信部542は、通信装置300からの呼出信号を受信する。制御部550は、呼出信号に対してこれまでと同様の処理を実行する。制御部550は、応答の指示を受けつけた場合、応答信号を生成する。応答信号の宛先は、通信装置300に設定される。制御部550は応答信号を第2通信方式通信部542に出力し、第2通信方式通信部542は応答信号を送信する。応答信号は、図1(b)の経路P4に沿ってアクセスポイント410、ルータ400を介して通信装置300に送られる。
【0053】
図2の通信装置300の第2通信部342は、携帯情報端末500からの応答信号を受信する。制御部350は、第2通信部342から応答信号を受けつけると、応答信号から携帯情報端末500のアドレスを抽出する。その結果、通信装置300と携帯情報端末500は互いのアドレスを取得するので、制御部350は、携帯情報端末500との接続が完了したと判定する。制御部350は完了通知を第1通信部340から居室親機200に送信させる。
【0054】
居室親機200の通信部240は、通信装置300からの完了通知を受信する。制御部250は、通信部240からの完了通知を受けつけると、居室親機200と携帯情報端末500との接続完了を認識する。制御部250は、接続完了を認識した後、通信部240に対して、玄関子機100からの映像信号、音声信号を通信装置300へ送信させるとともに通信装置300からの音声信号を玄関子機100へ送信させる。つまり、制御部250は、通信部240に対して、玄関子機100と通信装置300との間の中継処理を実行させる。
【0055】
これに続いて、通信装置300の制御部350は、第2通信部342と携帯情報端末500との間で、ルータ400、アクセスポイント410を経由する経路を設定する。つまり、制御部350は、玄関子機100と携帯情報端末500との通信に第2通信方式を使用させる。図1(b)のように、玄関子機100からの音声信号、映像信号は、経路P5に沿って、居室親機200、通信装置300、ルータ400、アクセスポイント410を介して携帯情報端末500に送られる。また、携帯情報端末500からの音声信号は、経路P5に沿って、アクセスポイント410、ルータ400、通信装置300、居室親機200を介して玄関子機100に送られる。その結果、玄関子機100を操作する来訪者と、携帯情報端末500を操作するユーザとの第2通信方式を使用した通信が可能になる。
【0056】
携帯情報端末500が施設20外に存在する場合、アクセスポイント410と携帯情報端末500との間の通信がなされない。そのため、図1(b)の経路P1に沿った起動要求が携帯情報端末500に受信されずに、これに続く処理も実行されない。その結果、(2)の動作にしたがって、第1通信方式を使用した通信が玄関子機100と携帯情報端末500の間で実行される。一方、携帯情報端末500が施設20内に存在する場合、(2)の動作と(3)の動作とがいずれも実行され、先に接続が確立した方の通信方式を使用した通信が玄関子機100と携帯情報端末500の間で実行される。
【0057】
(4)携帯情報端末500と機器制御装置800との通信動作
図1(a)-(b)の機器制御装置800は、機器810の動作の指示をユーザから受けつけ、受けつけた指示をもとに、機器810の動作を指示するための制御コマンドを生成する。ユーザからの指示は、例えばユーザインターフェース(図示せず)を介して受けられる。機器制御装置800は、機器810に対して制御コマンドを送信する。機器810は、機器制御装置800からの制御コマンドを受信すると、制御コマンドに応じた動作を実行する。例えば、制御コマンドに応じて機器810は電源オンされたり、電源オフされたりする。
【0058】
また、機器制御装置800は、スマートメータ(図示せず)に接続され、施設20において消費された電力を示す電力情報を受信してもよい。機器制御装置800は、受信した電力情報をもとに制御コマンドを生成する。例えば、電力がしきい値よりも大きくなった場合に、エアーコンディショナにおける冷房時の設定温度を高くするような制御コマンドが生成される。機器制御装置800は、機器810に対して制御コマンドを送信する。機器810は、機器制御装置800からの制御コマンドを受信すると、制御コマンドに応じた動作、例えば、冷房時の設定温度を高くする動作を実行する。
【0059】
携帯情報端末500の制御部550において実行されるアプリケーションは、機器810に対する操作を受けつけたり、機器810の状態を確認したりするための機能を有する。このアプリケーションは、インターホンシステム10における呼出に応答するためのアプリケーションと一体的に構成されてもよいし、別のアプリケーションであってもよい。制御部550は、アプリケーションを実行することによって、機器810に対する操作を受けつける操作画面をモニタ518に表示する。操作部530は、モニタ518に表示した操作画面に対するユーザの指示を受けつける。操作部530は、受けつけた指示を制御部550に出力する。
【0060】
制御部550は、操作部530から受けつけた指示をもとに、機器810の動作を指示するための指示信号を生成する。制御部550は、指示信号を第1通信方式通信部540に出力する。第1通信方式通信部540は、ネットワーク420を介してサーバ430に指示信号を送信する。サーバ430は、機器制御装置800に指示信号を送信する。指示信号はネットワーク420を介してルータ400に受信され、ルータ400は指示信号を機器制御装置800に送信する。
【0061】
機器制御装置800は、指示信号を受信する。機器制御装置800は、指示信号に含まれた指示をもとに、機器810の動作を指示するための制御コマンドを生成する。これに続く処理はこれまでと同様であり、携帯情報端末500からの制御によって機器810が動作する。
【0062】
(5)携帯情報端末500の管理動作
携帯情報端末500を携帯するユーザが施設20の外に移動している場合であっても、ユーザは携帯情報端末500を使用することによって、施設20内の施設内システム700あるいは機器制御装置800を利用可能である。施設20外からの通信に対するセキュリティを向上するために、通信システム1000は次の処理を実行する。ここでは、(5-1)施設内システム700における暗証番号の設定、(5-2)携帯情報端末500の登録、(5-3)携帯情報端末500の通信の順に説明する。
【0063】
(5-1)施設内システム700における暗証番号の設定
携帯情報端末500をサーバ430に登録するための処理を実行する際に、ユーザは、図2の居室親機200の操作部230を操作する。その際、正当なユーザのみの操作を受けつけるようにするために、居室親機200において暗証番号が設定される。ユーザは、図2の居室親機200の操作部230を操作して、設定画面をモニタ218に表示させる。図5(a)-(b)は、暗証番号を設定する際に居室親機200のモニタ218に表示される画面を示し、特に、図5(a)が設定画面を示す。以下の説明において、各画面は制御部250により生成されるが、そのことが省略されることもある。
【0064】
上段に、設定対象を選択するための「Language」、「宅内LAN」、「スマートフォン」、「機器制御装置」、「時計」、「SD」のボタンが表示される。ユーザが操作部230を操作して「スマートフォン」のボタンを選択すると、それらのボタンの下に「登録」、「照会」、「暗証番号」、「初期化」のボタンが表示される。ユーザは、暗証番号を設定するために、操作部230を操作して「暗証番号」のボタンを選択する。
【0065】
図5(b)は、「暗証番号」のボタンを選択したときに表示される暗証番号設定画面を示す。右側に数字「0」から「9」を選択するためのボタンが選択される。ユーザは操作部230を操作して、例えば4桁の数字となるように、「0」から「9」のボタンを順次選択する。それらのボタンの下に「決定」のボタンが表示される。ユーザは、4桁の数字を入力した状態において、操作部230を操作して「決定」のボタンを選択すると、設定部254は暗証番号を設定する。
【0066】
(5-2)携帯情報端末500の登録
図6は、施設内システム700、サーバ430、携帯情報端末500による登録処理の概要を示す。ここでは、図1(a)-(b)の通信システム1000のうち、施設内システム700、サーバ430、携帯情報端末500だけを示し、それら以外の装置を省略する。これらは制御システムとも呼ばれる。ユーザは、図2の居室親機200の操作部230を操作して、携帯情報端末500をサーバ430に登録するための処理を開始する。その際、図5(a)の設定画面が表示される。ユーザは、携帯情報端末500をサーバ430に登録するために、操作部230を操作して「スマートフォン」のボタンを選択した後に「登録」のボタンを選択する。
【0067】
図7(a)-(d)は、携帯情報端末500を登録する際に居室親機200のモニタ218に表示される画面を示す。図7(a)は、「登録」のボタンを選択したときに表示される暗証番号入力画面を示す。ユーザは操作部230を操作して、「0」から「9」のボタンを順次選択することによって暗証番号を入力する。その後、ユーザは、操作部230を操作して「決定」のボタンを選択すると、制御部250は、入力された暗証番号と、予め設定された暗証番号とが一致するか否かを確認する。それとともに、モニタ218には、図7(b)の画面が表示される。制御部250は、暗証番号の一致を確認した場合、図7(c)の画面をモニタ218に表示させる。図7(c)に示される画面には注意事項が示される。ユーザは、操作部230を操作して「登録」ボタンを選択する。
【0068】
図2の制御部250は、操作部230における操作を受けつけると、登録情報の発行を要求するための信号(以下、「発行要求」という)を生成する。通信部240は、発行要求900をサーバ430に送信する。これは、登録情報の発行をサーバ430に要求することに相当する。その際、モニタ218には、図7(d)の画面が表示される。
【0069】
図8は、サーバ430の構成を示す。サーバ430は、通信部432、制御部434、記憶部436を含む。通信部432は、施設20内に設置される施設内システム700、特に通信装置300と通信するとともに、施設20の内外を移動可能な携帯情報端末500とも通信する。通信部432は、発行要求900を施設内システム700から受信する。制御部434は、通信部432の動作を制御する。制御部434は、通信部432が発行要求900を受信した場合、登録情報を生成する。前述のごとく、登録情報は、携帯情報端末500をサーバ430に登録するために使用させる情報である。登録情報は、例えば、サーバ430のみが知る任意のランダムパターンで構成される。登録情報には、有効期限が例えば15分に設定される。制御部434は、登録情報を記憶部436に記憶する。通信部432は、登録情報902を施設内システム700に送信する。
【0070】
図2の居室親機200の通信部240は、登録情報902をサーバ430から受信する。制御部250の入力部252は、通信部240から登録情報902を受けつける。登録情報902は、携帯情報端末500をインターホンシステム10に関連付けるための操作入力に相当する。入力部252が登録情報902を受けつけると、制御部250は、予め記憶した施設内システム700に関する情報(以下、「第1情報」という)と登録情報902との組合せを生成し、組合せを二次元コード情報としてモニタ218に表示する。第1情報は、例えば、機器コード(10ケタ)、住宅情報盤機器ID、部屋番号を含む。二次元コード情報の一例は、QR(Quick Response)コード(登録商標)である。
【0071】
図9(a)-(d)は、携帯情報端末500を登録する際に居室親機200のモニタ218に表示される続きの画面を示し、図9(a)は、モニタ218に表示されるQRコードを示す。ここで、図7(a)-(d)に示される画面を「第1の画面」と呼ぶ場合、図9(a)に示される画面は「第2画面」と呼ばれる。第1の画面は、ユーザが操作すべき画面、あるいはユーザへの通知を示す画面であり、第2の画面は、QRコードを示す画面である。QRコードは、携帯情報端末500が撮像により読み取るための情報であるといえる。また、第1の画面に含まれる情報を「第1の情報」と呼ぶ場合、第2の画面に含まれる情報は「第2の情報」と呼ばれる。
【0072】
制御部250は、第1の画面を第1の明るさで表示し、第2の画面を第2の明るさで表示する。ここで、第2の明るさは、QRコードを携帯情報端末500で撮像しやすくするために、第1の明るさよりも明るくされる。例えば、第1の明るさは、設定部254においてユーザにより設定される明るさであり、第2の明るさは、モニタ218の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさである。また、第2の明るさは、第1の明るさと最大の明るさの間の明るさとして定められていてもよく、第1の明るさよりも相対的に明るくなるように定められていてもよい。さらに、第1の明るさが、モニタ218の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさである場合、第2の明るさも、モニタ218の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさであってもよい。この状態で、ユーザは、撮像部512によりモニタ218に表示されたQRコードを撮像する。これにより、登録情報+第1情報904が施設内システム700から携帯情報端末500に送られる。
【0073】
一方、図9(b)は、通信部240が登録情報902をサーバ430から受信せず、かつ入力部252が登録情報902を受けつけない場合においてモニタ218に表示される画面を示す。
【0074】
登録情報+第1情報904を受信した携帯情報端末500の制御部550は、登録情報と第1情報に、携帯情報端末500に関する第2情報を加えて、第1通信方式通信部540に出力する。第2情報は、例えば、携帯情報端末500を識別するための識別情報(以下、「端末ID」という)である。また、第1情報と第2情報は、記憶部560に記憶される。第1通信方式通信部540は、図6のように登録情報+第1情報+第2情報906をサーバ430に送信する。その際、登録情報+第1情報+第2情報906は、施設内システム700を介さずに携帯情報端末500からサーバ430に送信される。
【0075】
図8のサーバ430の通信部432は、施設内システム700を介さず携帯情報端末500から登録情報+第1情報+第2情報906を受信する。制御部434は、受信した登録情報+第1情報+第2情報906のうちの登録情報と、記憶部436に記憶した登録情報とが一致しない場合、あるいは登録情報の有効期限が経過している場合に、処理を終了する。その結果、携帯情報端末500はサーバ430に登録されない。一方、制御部434は、受信した登録情報+第1情報+第2情報906のうちの登録情報と、記憶部436に記憶した登録情報とが一致し、かつこれらの登録情報の有効期限が経過していない場合に、携帯情報端末500を登録する。これは携帯情報端末500のアプリケーションを登録することに相当する。つまり、登録情報の有効期限内に携帯情報端末500の登録を完了させることが必要とさせる。
【0076】
制御部434は、携帯情報端末500を登録した場合、通信情報を生成して記憶部436に記憶する。通信情報は、前述のごとく、通信のために携帯情報端末500に使用させる情報であり、登録情報と同様に、サーバ430のみが知る任意のランダムパターンで構成される。通信情報には、有効期限が例えば30日から1年、特に90日に設定される。そのため、通信情報の有効期限は、登録情報の有効期限よりも長くされる。また、制御部434は、携帯情報端末500を登録した場合、受信した登録情報+第1情報+第2情報906のうちの第1情報と第2情報とを記憶部436に記憶する。通信部432は、図6のごとく、第1情報+第2情報908を施設内システム700に送信するとともに、施設内システム700を介さずに携帯情報端末500に通信情報910を送信する。図3の携帯情報端末500の第1通信方式通信部540は、通信情報910をサーバ430から受信する。制御部550は、通信情報を記憶部560に記憶させる。
【0077】
施設内システム700のうちの居室親機200は、第1情報+第2情報908を受信すると、第1情報と第2情報とを記憶する。その結果、機器コード(10ケタ)、住宅情報盤機器ID、部屋番号、端末IDは、施設内システム700、サーバ430、携帯情報端末500で共有される。居室親機200の通信部240は、第1情報+第2情報908を受信すると、図9(c)のような登録の成功を知らせるための画面をモニタ218に表示する。一方、居室親機200の通信部240は、第1情報+第2情報908を受信しなければ、図9(d)のような登録の失敗を知らせるための画面をモニタ218に表示する。図9(c)-(d)のような画面の明るさは、図9(a)の第2の画面の明るさよりも暗くされる。つまり、制御部250は、第2の画面の表示を終了した場合、モニタ218の明るさを、第2の明るさよりも暗くする。あるいは、制御部250は、第2の画面の表示を開始してから所定期間経過後に、モニタ218の明るさを、第2の明るさよりも暗くしてもよい。
【0078】
(5-3)携帯情報端末500の通信
図10は、施設内システム700、サーバ430、携帯情報端末500による通信処理の概要を示す。これは、図6と同様に示される。図3の携帯情報端末500の制御部550は、データ(以下、「第1データ」という)を送信する際に、記憶部560に記憶した通信情報を付加する。第1データの送信は、前述の(2)玄関子機100と施設20外の携帯情報端末500との通信動作、(4)携帯情報端末500と機器制御装置800との通信動作において発生する。第1データの宛先はサーバ430であるが、第1データの最終的な宛先は施設内システム700あるいは機器制御装置800である。第1通信方式通信部540は、図10のごとく、通信情報+第1データ920をサーバ430に送信する。
【0079】
図8のサーバ430の通信部432は、通信情報+第1データ920を携帯情報端末500から受信する。制御部434は、通信情報+第1データ920に含まれた通信情報と、記憶部436に記憶された通信情報とが一致しない場合、あるいは通信情報の有効期限が経過している場合に、処理を終了する。その結果、携帯情報端末500からの第1データは、施設内システム700あるいは機器制御装置800に送信されない。一方、制御部434は、通信情報+第1データ920に含まれた通信情報と、記憶部436に記憶された通信情報とが一致とが一致し、かつこれらの通信情報の有効期限が経過していない場合に、第1データの送信を決定する。
【0080】
制御部434が第1データの送信を決定した場合、通信部432は、図10のごとく、第1データ922を施設内システム700に送信する。その際、通信情報は付加されず、公知のセキュリティ処理がなされる。第1データ922は機器制御装置800に送信されてもよい。施設内システム700、機器制御装置800は、第1データ922を受信する。
【0081】
一方、施設内システム700あるいは機器制御装置800から携帯情報端末500にデータ(以下、「第2データ」という)が送信される場合、第2データには通信情報が付加されず、公知のセキュリティ処理がなされる。図10に示すように、施設内システム700は、第2データ924をサーバ430に送信し、サーバ430は、第2データ926を携帯情報端末500に送信する。
【0082】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0083】
以上の構成による通信システム1000の動作を説明する。図11は、施設内システム700、サーバ430、携帯情報端末500による登録の処理手順を示すシーケンス図である。施設内システム700は発行要求をサーバ430に送信する(S10)。サーバ430は登録情報を施設内システム700に送信する(S12)。登録情報と第1情報は、QRコードにより施設内システム700から携帯情報端末500に送られる(S14)。携帯情報端末500は、施設内システム700を介さずにサーバ430に登録情報と第1情報と第2情報とを送信する(S16)。サーバ430は、第1情報と第2情報とを施設内システム700に送信する(S18)。サーバ430は、施設内システム700を介さずに携帯情報端末500に通信情報を送信する(S20)。
【0084】
これまでの説明において、第2の画面は、QRコードを表示する際、つまり、携帯情報端末500をインターホンシステム10に関連付けるための操作入力を入力部252が受けつけた場合に表示される。しかしながら、施設内システム700を介してサービスを依頼するための操作入力を入力部252が受けつけた場合に、制御部250は、第2の画面としてのQRコードをモニタ218に表示させてもよい。その際も、第2の画面の明るさは、第1の画面の明るさよりも明るくされる。第1の画面は、施設内システム700を介してサービスを依頼するための操作入力を入力するまでの画面に相当する。
【0085】
第2の画面は、QRコードを示す画面以外の画面であってもよい。図12は、居室親機200のモニタ218に表示される画面を示す。ここで、施設20は、複数の施設20が集合した集合施設、例えばマンションのうちの1つである。入力部252は、サーバ430、あるいはサーバ430とは別のサーバから、集合施設における連絡情報に関する信号の入力を受けつける。集合施設における連絡情報は、例えば、集合施設における掲示板の情報である。制御部250は、図12のように、集合施設における連絡情報が示された第2の画面をモニタ218に表示する。その際、第2の情報は、連絡情報を含む。
【0086】
図13は、居室親機200のモニタ218に表示される別の画面を示す。入力部252は、サーバ430、あるいはサーバ430とは別のサーバから、警報情報に関する信号の入力を受けつける。制御部250は、図13のように、警報情報が示された第2の画面をモニタ218に表示する。その際、第2の情報は、警報情報を含む。
【0087】
本実施例によれば、第1の情報を含む第1の画面を第1の明るさで表示し、入力部252が所定の入力を受けつけた場合に第2の画面を、第1の明るさよりも明るい第2の明るさで表示するので、第2の画面を認識しやすくできる。また、第2の画面が認識しやすくなるので、設定のしやすさを向上できる。また、第2の明るさは、モニタ218の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさであるので、第2の画面を最も明るく表示できる。また、第2の情報は、携帯情報端末500が撮像により読み取るための情報を含むので、携帯情報端末500に第2の情報を読み取らせやすくできる。また、携帯情報端末500が撮像により読み取るための情報は2次元コード情報を含むので、携帯情報端末500に2次元コード情報を読み取らせやすくできる。また、携帯情報端末500が2次元コード情報を読み取りやすくなるので、設定のしやすさを向上できる。
【0088】
また、入力部252において受けつけられる所定の入力は、携帯情報端末500をインターホンシステム10に関連付けるための操作入力を含むので、設定のしやすさを向上できる。また、入力部252において受けつけられる所定の入力は、施設内システム700を介してサービスを依頼するための操作入力を含むので、ユーザの利便性を向上できる。また、入力部252において受けつけられる所定の入力は、警報情報に関する信号の入力を含み、第2の情報は警報情報を含むので、警報の発生を知らせることができる。また、入力部252において受けつけられる所定の入力は、集合施設における連絡情報に関する信号の入力を含み、第2の情報は連絡情報を含むので、ユーザの利便性を向上できる。また、設定部254は第1の明るさを設定するので、第1の明るさを変更できる。また、モニタ218は、第2の画面の表示を終了した場合、第2の明るさよりも暗くするので、明るすぎる状態の発生を抑制できる。また、モニタ218は、第2の画面の表示を開始してから所定期間経過後に第2の明るさよりも暗くするので、明るすぎる状態の発生を抑制できる。
【0089】
サーバ430からの登録情報は施設内システム700を介して携帯情報端末500に送られるので、施設内システム700の近くで携帯情報端末500は登録情報を受け取ることができる。また、施設内システム700の近くで携帯情報端末500が登録情報を受け取るので、不正な第三者に登録情報を受け取られにくくできる。また、不正な第三者に登録情報が受け取られにくくなるので、施設20外からの通信に対するセキュリティを向上できる。また、第三者が推測不可能な値である登録情報を生成して携帯情報端末500とサーバ430との間で共有するので、未登録の装置からの信号を排除できる。
【0090】
また、施設内システム700から登録情報の発行をサーバ430に要求するので、ユーザの意思により登録情報を発行できる。また、ユーザの意思により登録情報が発行されるので、ユーザが認識していない状態で登録情報が発行されることを防止できる。また、施設内システム700は登録情報を二次元コード情報として表示し、携帯情報端末500は二次元コード情報の撮像により、登録情報を取得するので、施設内システム700の近傍で携帯情報端末500に登録情報を送ることができる。また、登録情報には有効期限が設定されるので、施設内システム700の近傍で、携帯情報端末500からサーバ430に登録情報を送信させることができる。また、施設内システム700の近傍で、携帯情報端末500からサーバ430に登録情報を送信させるので、セキュリティを向上できる。また、登録情報とともに、第1情報と第2情報も送信されるので、サーバ430と施設内システム700と携帯情報端末500の間で第1情報と第2情報とを共有できる。また、サーバ430と携帯情報端末500との間の通信に通信情報を使用するので、施設20外からの通信に対するセキュリティを向上できる。
【0091】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の施設内システム(700)は、インターホンシステム(10)に使用され、かつ施設内に設置される施設内システム(700)であって、入力部(252)と、表示部(218)とを備える。表示部(218)は、第1の情報を含む第1の画面を第1の明るさで表示し、入力部(252)が所定の入力を受けつけた場合に、第1の明るさよりも明るい第2の明るさまたは表示部(218)の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさで、第2の情報を含む第2の画面を表示する。
【0092】
第2の明るさは、表示部(218)の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさであってもよい。
【0093】
第2の情報は、施設の内外を移動可能な端末装置(500)が撮像により読み取るための情報を含んでもよい。
【0094】
端末装置(500)が撮像により読み取るための情報は、2次元コード情報を含んでもよい。
【0095】
入力部(252)において受けつけられる所定の入力は、端末装置(500)をインターホンシステム(10)に関連付けるための操作入力を含んでもよい。
【0096】
入力部(252)において受けつけられる所定の入力は、施設内システム(700)を介してサービスを依頼するための操作入力を含んでもよい。
【0097】
入力部(252)において受けつけられる所定の入力は、警報情報に関する信号の入力を含んでもよい。第2の情報は、警報情報を含んでもよい。
【0098】
施設は、複数の施設が集合した集合施設のうちの1つであり、入力部(252)において受けつけられる所定の入力は、集合施設における連絡情報に関する信号の入力を含んでもよい。第2の情報は、連絡情報を含んでもよい。
【0099】
第1の明るさを設定する設定部をさらに備えてもよい。
【0100】
表示部(218)は、第2の画面の表示を終了した場合、第2の明るさよりも暗くしてもよい。
【0101】
表示部(218)は、第2の画面の表示を開始してから所定期間経過後に、第2の明るさよりも暗くしてもよい。
【0102】
本開示の別の態様は、情報端末である。この情報端末は、インターホンシステム(10)に使用される情報端末であって、入力部(252)と、表示部(218)とを備える。表示部(218)は、第1の情報を含む第1の画面を第1の明るさで表示し、入力部(252)が所定の入力を受けつけた場合に、第1の明るさよりも明るい第2の明るさまたは表示部(218)の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさで、第2の情報を含む第2の画面を表示する。
【0103】
本開示のさらに別の態様は、制御方法である。この方法は、インターホンシステム(10)に使用され、かつ施設内に設置される施設内システム(700)の制御方法であって、第1の情報を含む第1の画面を第1の明るさで表示するステップと、所定の入力を受けつけた場合に、第1の明るさよりも明るい第2の明るさまたは表示部(218)の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさで、第2の情報を含む第2の画面を表示するステップと、を備える。
【0104】
本開示のさらに別の態様もまた、制御方法である。この方法は、インターホンシステムに使用される情報端末の制御方法であって、第1の情報を含む第1の画面を第1の明るさで表示するステップと、所定の入力を受けつけた場合に、第1の明るさよりも明るい第2の明るさまたは表示部(218)の明るさとして設定可能な明るさのうちの最大の明るさで、第2の情報を含む第2の画面を表示するステップと、を備える。
【0105】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0106】
本実施例において、携帯情報端末500を登録するためのQRコードは居室親機200において表示される。しかしながらこれに限らず例えば、当該QRコードは、携帯情報端末500とは別の情報端末であって、かつ既に登録された情報端末に表示されてもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【符号の説明】
【0107】
10 インターホンシステム、 20 施設、 30 機器管理システム、 100 玄関子機、 110 処理部、 112 撮像部、 114 マイク、 116 スピーカ、 118 モニタ(表示部)、 120 IF部、 130 操作部、 140 通信部、 200 居室親機、 210 処理部、 214 マイク、 216 スピーカ、 218 モニタ、 220 IF部、 230 操作部、 240 通信部、 250 制御部、 252 入力部、 254 設定部、 300 通信装置、 340 第1通信部、 342 第2通信部、 350 制御部、 360 記憶部、 400 ルータ、 410 アクセスポイント、 420 ネットワーク、 430 サーバ、 432 通信部、 434 制御部、 436 記憶部、 440 基地局装置、 500 携帯情報端末(端末装置)、 510 処理部、 512 撮像部、 514 マイク、 516 スピーカ、 518 モニタ、 520 IF部、 530 操作部、 540 第1通信方式通信部、 542 第2通信方式通信部、 550 制御部、 560 記憶部、 700 施設内システム、 800 機器制御装置、 810 機器、 1000 通信システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13