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特許7557837スペース利用管理システム、スペース利用管理方法、プログラム及び機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】スペース利用管理システム、スペース利用管理方法、プログラム及び機器
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240920BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20240920BHJP
   G16Y 10/45 20200101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/10
G01S5/02 Z
G16Y10/45
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021030824
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131725
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福原 真煕
(72)【発明者】
【氏名】西川 誠
(72)【発明者】
【氏名】椙山 剛
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-021192(JP,A)
【文献】特開2018-078428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01S 5/02
G16Y 10/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の場所の2つ以上のスペースのうち一のスペースに設置され、利用者によって携帯されて前記利用者を特定する利用者特定情報を含む第1信号を無線で送信する携帯端末から前記第1信号を受信すると共に、当該受信した前記第1信号と前記一のスペースを特定するスペース特定情報とを含む第2信号を送信する第1機器と、
前記所定の場所に設けられ、少なくとも前記第1信号を受信する第2機器と、
前記第1機器における前記第1信号の受信信号強度である第1受信強度に少なくとも基づいて、前記一のスペースの前記利用者による利用状況が変化したか否かを判断する利用判断部と、
前記第2機器における前記第1信号の受信信号強度である第2受信強度に少なくとも基づいて前記利用者の位置を推定する位置推定部と、
前記位置推定部の推定結果及び前記利用判断部の判断結果に基づいて、前記一のスペースの前記利用者による利用の状況に関する情報である利用状況情報を更新する更新部と、
を備える、スペース利用管理システム。
【請求項2】
前記第1機器は、前記第1受信強度が予め決められた第1閾値以上である状態が、予め決められた第2閾値以上の時間継続した場合に、前記第2信号を送信する、
請求項1に記載のスペース利用管理システム。
【請求項3】
前記推定結果が前記利用者は前記一のスペースに存在することを示し、かつ前記利用状況情報が前記利用者は前記一のスペースを利用中でないことを示す場合に、前記利用者による前記携帯端末の前記第1機器に対する操作であり、当該一のスペースの利用開始時に行われるべき所定の操作を催促する催促情報を報知する第1報知部を更に備える、
請求項1又は2に記載のスペース利用管理システム。
【請求項4】
前記推定結果が前記利用者は前記一のスペースに存在しないことを示し、かつ前記利用状況情報が前記利用者は前記一のスペースを利用中であることを示す場合に、前記利用者による前記携帯端末の前記第1機器に対する操作であり、当該一のスペースの利用終了時に行われるべき所定の操作を催促する催促情報を報知する第2報知部を更に備える、
請求項1-3のいずれか一項に記載のスペース利用管理システム。
【請求項5】
前記更新部は、前記推定結果が前記利用者は前記一のスペースに存在しないことを示し、かつ前記利用状況情報が前記利用者は前記一のスペースを利用中であることを示す状態が、予め決められた時間以上継続した場合に、当該利用状況情報を前記一のスペースは利用中でないことを示すように更新する、
請求項1-3のいずれか一項に記載のスペース利用管理システム。
【請求項6】
所定の場所の2つ以上のスペースのうち一のスペースに設置され、利用者によって携帯されて前記利用者を特定する利用者特定情報を含む第1信号を無線で送信する携帯端末から前記第1信号を受信すると共に、当該受信した前記第1信号と前記一のスペースを特定するスペース特定情報とを含む第2信号を送信する第1機器と、
前記所定の場所に設けられ、少なくとも前記第1信号を受信する第2機器と、を少なくとも備えるスペース利用管理システムによって行われるスペース利用管理方法であって、
前記第1機器における前記第1信号の受信信号強度である第1受信強度に少なくとも基づいて、前記一のスペースの前記利用者による利用状況が変化したか否かを判断する利用判断ステップと、
前記第2機器における前記第2信号の受信信号強度である第2受信強度に少なくとも基づいて前記利用者の位置を推定する位置推定ステップと、
前記位置推定ステップの推定結果及び前記利用判断ステップの判断結果に基づいて、前記一のスペースの前記利用者による利用の状況に関する情報である利用状況情報を更新する更新ステップとを備える、
スペース利用管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載のスペース利用管理方法を1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項1-5のいずれか一項に記載のスペース利用管理システムに用いられ、
所定の場所の2つ以上のスペースのうち一のスペースに設置され、利用者によって携帯されて前記利用者を特定する利用者特定情報を含む第1信号を無線で送信する携帯端末から前記第1信号を受信すると共に、当該受信した前記第1信号と前記一のスペースを特定するスペース特定情報とを含む第2信号を送信する、
機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スペース利用管理システム、スペース利用管理方法、プログラム及び機器に関し、より詳細には、所定の場所の2つ以上のスペースの利用者による利用を管理するためのスペース利用管理システム、スペース利用管理方法、プログラム及び機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サーバと、当該サーバとネットワークを介して接続される情報処理端末と、を備える会議室予約システムが記載されている。情報処理端末は、所定領域内に送信され、当該所定領域を識別する領域識別情報を含むビーコン信号を検知するビーコン検知部と、ビーコン検知部が同じ領域識別情報を含む所定数のビーコン信号を検知したときに入室を検知し、サーバに、領域識別情報と当該情報処理端末の利用者識別情報と所定数のビーコン信号の検知日時とを含む入室検知通知を送信する入室検知部と、を備える。
【0003】
サーバは、予約処理部と、入退室管理部とを備える。予約処理部は、予約要求を受け付けて、予約の対象である所定領域と、使用日時と、利用者識別情報と、を対応付けて記憶部に予約を登録する。入退室管理部は、入室検知部から入室検知通知を受信すると、当該入室検知通知を含む利用者識別情報により識別される利用者による、当該入室検知通知が含む領域識別情報により識別される所定領域への、検知日時における入室を、記憶部に記憶する。また、サーバは、ビーコン信号の受信強度を用いて、情報処理端末のおおよその位置を算出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-184241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載の会議室予約システムによれば、会議室の利用に関し、予約及び入退室に関する情報を管理することで、利用者による会議室の利用情報の把握が容易となる。しかし、ビーコン信号の受信強度を用いた位置検出では、利用者のおおよその位置しか把握できないため、会議室等の場所における席やブース等のスペースの利用状況の把握は容易でなかった。
【0006】
本開示の目的は、所定の場所におけるスペース利用状況の把握を容易化するスペース利用管理システム、スペース利用管理方法、プログラム及び機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るスペース利用管理システムは、第1機器と、第2機器と、利用判断部と、位置推定部と、更新部とを備える。前記第1機器は、所定の場所の2つ以上のスペースのうち一のスペースに設置され、利用者によって携帯されて前記利用者を特定する利用者特定情報を含む第1信号を無線で送信する携帯端末から前記第1信号を受信する。そして、前記第1機器は、当該受信した前記第1信号と前記一のスペースを特定するスペース特定情報とを含む第2信号を送信する。前記第2機器は、前記所定の場所に設けられ、少なくとも前記第1信号を受信する。前記利用判断部は、前記第1機器における前記第1信号の受信信号強度である第1受信強度に少なくとも基づいて、前記一のスペースの前記利用者による利用状況が変化したか否かを判断する。前記位置推定部は、前記第2機器における前記第1信号の受信信号強度である第2受信強度に少なくとも基づいて、前記利用者の位置を推定する。前記更新部は、前記位置推定部の推定結果及び前記利用判断部の判断結果に基づいて、前記一のスペースの前記利用者による利用の状況に関する情報である利用状況情報を更新する。
【0008】
本開示の一態様に係るスペース利用管理方法は、スペース利用管理システムによって行われるスペース利用管理方法である。前記スペース利用管理システムは、第1機器と、第2機器とを少なくとも備える。前記第1機器は、所定の場所の2つ以上のスペースのうち一のスペースに設置され、利用者によって携帯されて前記利用者を特定する利用者特定情報を含む第1信号を無線で送信する携帯端末から、前記第1信号を受信する。そして、前記第1機器は、当該受信した前記第1信号と前記一のスペースを特定するスペース特定情報とを含む第2信号を送信する。前記第2機器は、前記所定の場所に設けられ、少なくとも前記第1信号を受信する。スペース利用管理方法は、利用判断ステップと、位置推定ステップと、更新ステップとを備える。前記利用判断ステップでは、前記第1機器における前記第1信号の受信信号強度である第1受信強度に少なくとも基づいて、前記一のスペースの前記利用者による利用状況が変化したか否かを判断する。前記位置推定ステップでは、前記第2機器における前記第2信号の受信信号強度である第2受信強度に少なくとも基づいて、前記利用者の位置を推定する。前記更新ステップでは、前記位置推定ステップの推定結果及び前記利用判断ステップの判断結果に基づいて、前記一のスペースの前記利用者による利用の状況に関する情報である利用状況情報を更新する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記スペース利用管理方法を1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0010】
本開示の一態様に係る機器は、前記スペース利用管理システムに用いられる機器である。前記機器は、所定の場所の2つ以上のスペースのうち一のスペースに設置され、利用者によって携帯されて前記利用者を特定する利用者特定情報を含む第1信号を無線で送信する携帯端末から前記第1信号を受信すると共に、当該受信した前記第1信号と前記一のスペースを特定するスペース特定情報とを含む第2信号を送信する。
【発明の効果】
【0011】
本開示のスペース利用管理システム、スペース利用管理方法、プログラム及び機器は、所定の場所におけるスペース利用状況の把握を容易化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施形態に係るスペース利用管理システムのブロック図である。
図2図2は、同上のスペース利用管理システムを構成する第1機器の動作を説明するためのフローチャートである。
図3図3は、同上のスペース利用管理システムを構成する第2機器の動作を説明するためのフローチャートである。
図4図4は、同上のスペース利用管理システムを構成するスペース利用管理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、同上のスペース利用管理システムの動作例を説明するための概念図である。
図6図6Aは、同上のスペース利用管理システムのメモリに格納される推定位置情報の具体例を示すデータ構造図であり、図6Bは、同上のスペース利用管理システムのメモリに格納される利用状況情報の具体例を示すデータ構造図である。
図7図7Aは、同上のスペース利用管理システムのメモリに格納される推定位置情報の具体例を示すデータ構造図であり、図7Bは、同上のスペース利用管理システムのメモリに格納される利用状況情報の具体例を示すデータ構造図である。
図8図8は、同上のスペース利用管理システムにおける催促情報の出力例を示す概念図である。
図9図9は、同上のスペース利用管理システムの動作例を説明するための概念図である。
図10図10Aは、同上のスペース利用管理システムのメモリに格納される推定位置情報の具体例を示すデータ構造図であり、図10Bは、同上のスペース利用管理システムのメモリに格納される利用状況情報の具体例を示すデータ構造図である。
図11図11は、同上のスペース利用管理システムにおける催促情報の出力例を示す概念図である。
図12図12Aは、同上のスペース利用管理システムのメモリに格納される推定位置情報の具体例を示すデータ構造図であり、図12Bは、同上のスペース利用管理システムのメモリに格納される利用状況情報の具体例を示すデータ構造図である。
図13図13は、同上のスペース利用管理システムの変形例1を示すブロック図である。
図14図14は、同上のスペース利用管理システムの変形例2を示すブロック図である。
図15図15は、同上のスペース利用管理システムの変形例3を示すブロック図である。
図16図16は、同上のスペース利用管理システムの変形例4を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0014】
(1)スペース利用管理システム
本開示の実施形態に係るスペース利用管理システム200は、図1に示すように、スペース利用管理装置1と、1つ以上の第1機器2と、1つ以上の第2機器3と、1つ以上の第1携帯端末4と、1つ以上の第2携帯端末5とを備える。
【0015】
スペース利用管理装置1は、1つ以上の第2機器3及び1つ以上の第2携帯端末5の各々と、ネットワーク300を介して通信可能に接続される。ネットワーク300は、例えば、無線又は有線のLAN、インターネット、電話回線網などであるが、これに限らない。第1機器2、第2機器3及び第1携帯端末4の間は、無線通信が可能である。無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)、無線LAN等の近距離無線通信であるが、少なくとも数m-数十m先まで電波が到達する方式であれば、その種類は問わない。
【0016】
スペース利用管理装置1は、各種の処理、ネットワーク300を介した通信、及び情報の入出力を行う機能を有する。このようなスペース利用管理装置1の機能は、プロセッサ、メモリ、ネットワーク通信モジュール、入力デバイス及び出力デバイス等によって実現される。
【0017】
プロセッサは、CPU、MPU、GPU、又はこれらを含むチップセットなどである。メモリは、プロセッサの内蔵メモリに限らず、ハードディスクやSSD等のストレージでも、メモリカードや光ディスク等の着脱可能な記録媒体でもよい。記録媒体は、非一時的記録媒体が好適であるが、一時的記録媒体でもよい。入力デバイスは、キーボードやタッチパネル等であり、出力デバイスは、ディスプレイやスピーカ等であるが、これに限らない。
【0018】
なお、スペース利用管理装置1は、本実施形態ではサーバであるが、後述するスキャナ等でもよい。
【0019】
第1機器2は、第1携帯端末4からの信号を受信し、受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)等の情報を取得し、取得した情報を送信する機能を有する。このような第1機器2の機能は、プロセッサ、メモリ及び各種の通信モジュールによって実現される。
【0020】
なお、第1機器2は、本実施形態では検知用デバイスである。検知用デバイスとは、利用者によるスペース利用の開始時及び終了時に行われる所定の操作を検知するための機器である。検知用デバイスは、例えば、読取機と考えてもよい。読取機とは、利用者が第1携帯端末4をかざす(読取機に接触するほど近づける)ことで、第1携帯端末4から送信される信号に含まれる情報を読み取る機器である。
【0021】
第2機器3は、第1携帯端末4からの信号を受信して、RSSI等の情報を取得し、取得した情報を送信する機能を有する。このような第2機器3の機能は、例えば、プロセッサ、メモリ、及び各種の通信モジュール等によって実現される。
【0022】
なお、第2機器3は、本実施形態ではスキャナであるが、スキャナと同様の機能を有する機器であれば何でもよい。第2機器3は、例えば、場所301に配置される各種のセンサ(温度センサの環境センサ、監視カメラ等)に、スキャナの機能を付加したものでもよい。
【0023】
第1携帯端末4は、情報を含む信号を無線で送信する機能を有する携帯型の端末である。このような第1携帯端末4の機能は、プロセッサ、メモリ、及び各種の通信モジュール等によって実現される。なお、第1携帯端末4は、本実施形態ではビーコンである。ここでいうビーコンは、位置情報又は位置情報と関連付けられた各種の情報を含む信号(ビーコン信号)を送信する送信機である。ただし、第1携帯端末4は、ビーコンと同様の機能をソフトウェア等で実現可能なスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末でもよい。
【0024】
第2携帯端末5は、情報の受信及び出力を行う機能を有する。このような第2携帯端末5の機能は、プロセッサ、メモリ、各種の通信モジュール及び出力デバイス等によって実現される。
【0025】
なお、第2携帯端末5は、本実施形態ではスマートフォンであるが、情報の受信及び出力を行う機能を有する携帯機器であれば、何でもよい。
【0026】
また、第2携帯端末5は、第1携帯端末4と一体化されてもよい。つまり、本実施形態における第1携帯端末4と第2携帯端末5は、変形例1-4で説明するように、一の携帯端末6(図13図16参照)に置き換わってもよい。
【0027】
なお、スペース利用管理装置1、第1機器2及び第2機器3の各々が有するプロセッサ等の連携によって、後述するコンピュータシステムが構成される。
【0028】
(2)第1機器
第1機器2は、所定の場所301の2つ以上のスペースのうち、一のスペース(例えば、スペースAA,スペースBB等:図5参照)に設置される。所定の場所301は、通常、部屋の内部(室内)であるが、屋外の所定範囲(野外会場等)でもよい。スペースは、室内の座席、ブース等であるが、野外会場の区画等でもよい。
【0029】
基本的に、第1機器2は、第1携帯端末4から第1信号を受信すると共に、当該受信した第1信号とスペース特定情報とを含む第2信号を送信するように構成されている。
【0030】
第1信号とは、第1携帯端末4から送信される信号である。第1信号は、無線で送信される。無線は、本実施形態ではBluetoothであるが、Bluetooth以外の近距離無線(例えば、無線LAN等)でもよいし、その方式は問わない。
【0031】
第2信号とは、第1機器2から送信される信号である。第2信号は、本実施形態では無線で送信されるが、ネットワーク300を介して送信されてもよい。
【0032】
第2信号は、本実施形態では、無線で第2機器3に送信される。ただし、第2信号の通信媒体は、有線でもよい。また、第2信号の送信先は、後述する変形例2-4のように、スペース利用管理装置1でもよい。
【0033】
スペース特定情報とは、スペースを特定する情報である。第2信号に含まれるスペース特定情報は、第1機器2が設置されているスペース(上記一のスペース)を特定する情報である。
【0034】
スペース特定情報は、例えば、席番号やブースID等のスペース識別子であるが、スペース識別子に対応付いた座標(例えば、矩形や円形等の各種の形状のスペースの中心座標、矩形のスペースの始点及び終点に対応する2つの座標の組等)でもよく、スペースを特定し得る情報であれば何でもよい。
【0035】
特に、本開示の実施形態に係る第1機器2は、図1に示されるように、無線受信部21と、利用判断部22とを含む。
【0036】
無線受信部21は、無線信号を受信する。無線信号とは、無線で送信された信号であり、例えば、第1信号又は第2信号である。無線受信部21が受信する無線信号は、第1携帯端末4から送信された第1信号である。
【0037】
無線受信部21は、第1信号を受信した場合に、第1受信強度を取得する。第1受信強度とは、第1機器2における第1信号の受信信号強度を示す情報である。
【0038】
利用判断部22は、無線受信部21が取得した第1受信強度に少なくとも基づいて、当該一のスペースの当該利用者による利用状況が変化したか否かを判断する。
【0039】
本実施形態における利用判断部22は、第1受信強度と、第1受信強度が第1閾値以上である状態の継続時間とに基づいて、利用状況が変化したか否かの判断を行う。
【0040】
詳しくは、利用判断部22は、第1受信強度が第1閾値以上であるか否かを判断し、第1受信強度が第1閾値以上である場合に、第1受信強度が第1閾値以上である状態の継続時間を取得する。そして、利用判断部22は、当該取得した継続時間が第2閾値以上であるか否かを判断し、第2閾値以上であると判断した場合に、利用状況が変化したことを示す判断結果情報(例えば“変化あり”)を取得する。
【0041】
なお、継続時間が第2閾値以上でない(第2閾値未満である)と判断された場合は、利用状況が変化していないことを示す判断結果情報(例えば“変化なし”)が取得される。ただし、利用状況が変化していないことを示す判断結果情報は、必ずしも取得されなくてもよい。
【0042】
または、利用判断部22は、第1受信強度の変化に基づいて、利用中か否かの判断を行ってもよい。この場合、利用判断部22は、例えば、第1受信強度の単位時間(例えば1秒)当たりの変化量を求め、当該求めた変化量が予め決められた閾値(例えば“-20dB”)を超えた場合に、利用状況が変化したことを示す判断結果情報を取得する。
【0043】
第1機器2は、利用判断部22が上記のようにして取得した判断結果情報を、第2信号に含めて送信する。従って、第1機器2から送信される第2信号には、第1信号、スペース特定情報及び判断結果情報が含まれる。
【0044】
本実施形態における第1機器2は、第1受信強度が予め決められた第1閾値以上である状態が、予め決められた第2閾値以上の時間継続した場合に、第2信号を送信する。
【0045】
つまり、本実施形態では、第1機器2が利用判断部22を備えているため、第1機器2は、利用判断部22が、スペースの利用状況が変化したと判断した場合に(例えば、利用判断部22から“変化あり”を示す判断結果情報の引き渡しを受けたことに応じて)、第2信号の送信を実行することができる。これによって、第2信号の送信先(第2機器3又はスペース利用管理装置1)において、スペースの利用状況が変化したか否かの判断が不要となるので、スペース利用の開始及び終了の判別が簡易化される。
【0046】
なお、第2機器3又はスペース利用管理装置1が利用判断部22を備える場合でも、第1機器2は、第2機器3又はスペース利用管理装置1から判断結果を受信することで、第2信号を上記のように送信できる。
【0047】
ただし、第2機器3又はスペース利用管理装置1が利用判断部22を備える場合には、通常、第1機器2は、第1携帯端末4から第1信号を受信したことに応じて、第1受信強度を含む第2信号を送信し、第2信号の送信先において利用判断部22が判断を行う。
【0048】
(3)第2機器
第2機器3は、上記所定の場所301に設けられ、少なくとも第1信号を受信する。本実施形態における第2機器3は、第1機器2からの第2信号も受信する。
【0049】
第2機器3は、図1に示されるように、無線受信部31を備える。第2機器3が備える無線受信部31は、第1信号及び第2信号を受信する。無線受信部31は、第1信号を受信した場合に、第2受信強度を取得する。第2受信強度とは、第2機器3における第1信号の受信信号強度を示す情報である。
【0050】
第2機器3は、無線受信部31が受信した第1信号及び第2信号と、当該第1信号に関する第2受信強度とを含む第3信号をスペース利用管理装置1に送信する。第3信号とは、第2機器3から送信される信号である。第3信号は、ネットワーク300を介して送信される。
【0051】
ただし、変形例4で説明するように、第2機器3がスペース利用管理装置1を兼ねる場合は、第3信号の送受信は不要である。
【0052】
(4)スペース利用管理装置
本実施形態のスペース利用管理装置1は、処理部11と、出力部12とを備える。処理部11は、位置推定部111と、更新部112と、第1報知部113と、第2報知部114とを備える。
【0053】
処理部11は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、位置推定部111、更新部112、第1報知部113及び第2報知部114などの処理(後述)である。また、処理部11は、フローチャートで説明する各種の判断も行う。なお、その他の処理については、適時説明する。
【0054】
位置推定部111は、第2受信強度に少なくとも基づいて、前記利用者の位置を推定する。第2受信強度とは、第2機器3における第1信号の受信信号強度である。
【0055】
位置推定部111は、例えば、第2受信強度と第2位置情報とに基づいて利用者の位置を推定し、推定位置に対応するスペースを特定するスペース特定情報を含む推定位置情報を取得する。第2位置情報とは、場所301内での第2機器3の位置を示す情報である。第2位置情報は、通常、座標である。
【0056】
詳しくは、スペース利用管理装置1のメモリに、第2機器特定情報と第2位置情報との対の集合が格納されている。第2機器特定情報とは、第2機器3を特定する情報である。
【0057】
第2機器特定情報は、例えば、MACアドレス、IPアドレスなどであるが、MACアドレス等に対応付いたIDでもよく、第2機器3を特定し得る情報あれば何でもよい。なお、このような事項は、後述する第1機器特定情報にも当てはまる。
【0058】
詳しくは、位置推定部111は、第2位置情報及び第2受信強度の組(以下「組情報」と記す)の集合(通常、3つ以上の組情報の集合:以下「組情報群」と記す)に基づいて、利用者の位置を推定し、その推定結果に対応する推定位置情報を取得する。ここで、推定結果は座標であり、推定位置情報はスペース特定情報を含む。
【0059】
詳しくは、スペース利用管理装置1のメモリに、座標とスペース特定情報との対応に関する対応情報が格納されている。対応情報は、例えば、座標とスペース特定情報との対の集合である。位置推定部111は、推定結果に含まれる座標に対応するスペース特定情報を当該対応情報を用いて取得し、当該取得したスペース特定情報を推定結果情報として更新部112に引き渡す。
【0060】
位置推定部111は、通常、1人以上の利用者ごとに、組情報群に基づく位置推定を行い、利用者特定情報とスペース特定情報とを含む推定位置情報を取得する。
【0061】
利用者特定情報とは、利用者を特定する情報である。利用者特定情報は、例えば、メールアドレス、携帯電話番号、氏名及び住所の組などであるが、メールアドレス等に対応付いたID(例えば、アルファベットや数字等の文字、各種記号などを1つ以上配列した文字列)でもよく、利用者を特定し得る情報であれば何でもよい。なお、利用者特定情報は、各種の携帯端末(本実施形態では第1携帯端末4及び第2携帯端末5)のそれぞれのメモリに格納されている。
【0062】
これにより、1人以上の利用者に対応する1つ以上の推定位置情報が取得される。
【0063】
スペース利用管理装置1のメモリには、こうして取得された1つ以上の推定位置情報(図6A等参照:後述)が格納される。
【0064】
なお、スペース利用管理装置1のメモリには、第1機器特定情報と第1位置情報との対の集合も格納されていてもよい。第1機器特定情報とは、第1機器2を特定する情報である。第1位置情報とは、場所301内での第1機器2の位置を示す情報である。第1位置情報は、通常、スペース特定情報である。
【0065】
この場合、第1機器2が送信する第2信号は、スペース特定情報に代えて、第1機器特定情報を含む。スペース利用管理装置1では、第2信号に含まれる第1機器特定情報に対応するスペース特定情報が、メモリから取得される。
【0066】
なお、位置推定部111は、実施形態ではスペース利用管理装置1が備えるが、第2機器3が備えていてもよい。
【0067】
更新部112は、位置推定部111の推定結果及び利用判断部22の判断結果に基づいて、利用状況情報を更新する。なお、利用状況情報は、スペース利用管理装置1のメモリに格納されている。また、ここでの更新には、新たに利用状況情報を生成してメモリに格納する場合も含まれる。
【0068】
利用状況情報とは、当該一のスペースの当該利用者による利用の状況に関する情報である。利用状況情報は、スペース特定情報、状況情報、及び利用者特定情報を含む(図6B等参照:後述)。状況情報とは、利用の状況を示す情報である。利用の状況は、本実施形態では利用中か否かであり、状況情報は、例えば“利用中”,“空き”等である。
【0069】
利用の状況は、利用の開始又は終了に応じて変化する。そこで、更新部112は、第3信号に含まれる判断結果情報に基づいて、状況情報を更新する。
【0070】
詳しくは、更新部112は、位置推定部111によって新たな推定位置情報が取得されるたびに、メモリに格納されている推定位置情報を更新する。なお、更新は、格納されている情報に対する、新たな情報の上書きでもよいし、変化した部分のみの書き換えでもよい。
【0071】
また、更新部112は、スペース利用管理装置1が第2機器3から第3信号を受信した場合に、次の処理を行う。すなわち、更新部112は、メモリに格納されている推定位置情報と、受信された第3信号に含まれる判断結果情報とを用いて、当該一のスペースの当該利用者による利用の状況を判断し、“利用中”又は“空き”を示す状況情報を取得する。
【0072】
具体的には、格納されている推定位置情報が“空き”であり、受信された第3信号に含まれる判断結果情報が“変化あり”の場合、更新部112は、それまで空きであった当該一のスペースの利用が開始されたと判断し、“利用中”を示す新たな状況情報を取得する。
【0073】
一方、格納されている推定位置情報が“利用中”であり、受信された第3信号に含まれる判断結果情報が“変化あり”の場合、更新部112は、それまで利用中であった当該一のスペースの利用が終了されたと判断し、“空き”を示す新たな状況情報を取得する。なお、受信された第3信号に含まれる判断結果情報が“変化なし”の場合、新たな状況情報は取得されない。
【0074】
そして、更新部112は、受信された第3信号に含まれるスペース特定情報及び利用者特定情報と、当該取得した状況情報を含む利用状況情報を取得する。
【0075】
上記の処理は、2つ以上のスペースごとに実行され、スペース利用管理装置1のメモリには、取得された1つ以上の利用状況情報(図6B等参照:後述)が格納される。
【0076】
更新部112は、スペース利用管理装置1が第2機器3から新たな第3信号を受信するたびに、上記の処理を行い、新たな利用状況情報を取得する。そして、更新部112は、メモリに格納されている1つ以上の利用状況情報のうち、対応する利用状況情報を、当該新たな利用状況情報で更新する。
【0077】
なお、更新部112は、実施形態ではスペース利用管理装置1が備えるが、第2機器3が備えていてもよい。
【0078】
出力部12は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、推定位置情報、利用状況情報などである。
【0079】
なお、出力部12による出力は、スペース利用管理装置1が有する出力デバイスを介した出力、またはネットワーク通信モジュールを介した第2携帯端末5への送信である。出力部12が送信した情報は、第2携帯端末5の出力部51によって出力される。
【0080】
出力部12は、例えば、メモリに格納されている1つ以上の利用状況情報を、スペース利用管理装置1のディスプレイを介して出力する。これにより、スペース利用管理装置1のディスプレイには、図7Bに示されるような1つ以上の利用状況情報が表示される。
【0081】
なお、表示される1つ以上の利用状況情報は、図7Bのような表形式の情報に限らない。例えば、場所301の地図の画像上に、2つ以上のスペースの画像を重ね、さらに、各スペースに対応付けて、“利用中”や“空き”等の状況情報と“aa”や“bb”利用者特定情報とを配置した画面(図示しない)が、ディスプレイに表示されてもよい。
【0082】
これにより、所定の場所301におけるスペース利用状況の把握が容易になる。
【0083】
第1報知部113は、予め決められた利用開始条件を満たすか否かを判断し、満たさないと判断される場合に、催促情報を報知する。
【0084】
利用開始条件は、例えば「推定結果が当該利用者は当該一のスペースに存在することを示し、かつ利用状況情報が当該利用者は当該一のスペースを利用中でないことを示す」という条件である。
【0085】
第1報知部113が報知する催促情報は、利用者による第1携帯端末4の第1機器2に対する操作であり、当該一のスペースの利用開始時に行われるべき所定の操作を催促する情報である。所定の操作は、第1携帯端末4を第1機器2にかざす操作である。催促情報は、例えば“スペースをご利用される場合は、読取機にビーコンをかざす操作が必要です。操作をお忘れではありませんか?”(図8参照:後述)などである。
【0086】
催促情報は、通常、画像の態様でディスプレイに表示されるが、スピーカから音声の態様で出力されてもよい。なお、このような事項は、第2報知部114による報知にも当てはまる。
【0087】
第1報知部113による報知は、通常、携帯端末(本実施形態では第2携帯端末5)の出力部51を介した催促情報の出力である。これによって、1人以上の利用者に対して個別に催促が行える。ただし、報知は、スペース利用管理装置1の出力部12を介して行われてもよい。後者の場合、例えば、スペース利用管理装置1から催促情報が出力されたことに応じて、場所301を管理する管理者が、1人以上の利用者全員に注意を促してもよい。なお、このような事項は、第2報知部114による報知にも当てはまる。
【0088】
一般に、利用者は、スペースの利用を開始する時に行うべき所定の操作を忘れる可能性があるが、このような操作忘れの可能性が、催促情報の報知によって低減される。
【0089】
第2報知部114は、予め決められた利用終了条件を満たすか否かを判断し、満たさないと判断される場合に、催促情報の報知を行う。
【0090】
利用終了条件は、例えば「推定結果が当該利用者は当該一のスペースに存在しないことを示し、かつ利用状況情報が当該利用者は当該一のスペースを利用中であることを示す」という条件である。
【0091】
当該一のスペースに存在しないことは、場所301に存在しない(場所301から出ている)場合と、場所301の内部であり、かつ当該一のスペースの外部に存在する場合とを含む。なお、以下では、場所301の内部であり、かつ当該一のスペースの外部である範囲を「スペース外」と称する。
【0092】
前述した位置推定部111は、利用判断部22が取得した判断結果情報が、当該利用者は当該一のスペースに存在しないことを示す場合に、当該利用者が場所301に存在するか否かを第2受信強度に基づいて更に判断する。例えば、第2受信強度が、0又は予め決められた閾値未満である場合は、当該利用者は場所301に存在しないと判断され、第2受信強度が当該予め決められた閾値以上である場合は、当該利用者は場所301に存在すると判断される。そして、位置推定部111は、当該利用者が場所301に存在すると判断した場合に、当該利用者は「スペース外」に存在する、と推定してもよい。
【0093】
第2報知部114が報知する催促情報は、利用者による第1携帯端末4の第1機器2に対する操作であり、当該一のスペースの利用終了時に行われるべき所定の操作を催促する情報である。本実施形態において、利用終了時に行われるべき所定の操作は、利用開始時に行われるべき操作と同様、第1携帯端末4を第1機器2にかざす操作である。ただし、所定の操作は、利用終了時と利用終了時とで異なる操作でもよい。
【0094】
第2報知部114が報知する催促情報は、例えば“ご利用を終了される場合は、ご利用になっていたスペースの読取機にビーコンをかざす操作が必要です。操作をお忘れではありませんか?”(図11参照:後述)などである。
【0095】
なお、第2報知部114が報知する催促情報は、利用開始条件を満たさない場合に送信される催促情報と、一部(操作を催促する部分)のみ同じ情報であるが、全部が同じ情報でもよい。例えば、第1報知部113が報知する催促情報と、第2報知部114が報知する催促情報とは、共に“読取機にビーコンをかざす操作をお忘れではありませんか?”であってもよい。
【0096】
一般に、利用者は、スペースの利用を終了する時に行うべき所定の操作を忘れる可能性があるが、このような操作忘れの可能性が、催促情報の報知によって低減される。
【0097】
(5)スペース利用管理システムの動作
次に、スペース利用管理システム200の動作について、図2図4のフローチャートを用いて説明する。なお、以下では、スペース利用管理装置1、第1機器2及び第2機器3の間の連携を中心に説明し、各要素の詳細な動作説明は省略する。
【0098】
図2のフローチャートの処理は、第1機器2の電源オンに応じて開始され、電源オフに応じて終了される。第1機器2のメモリには、タイマの値及び利用判断部22の判断結果が保持されおり、第1機器2のプロセッサは、処理の開始時、タイマの値をリセットし、判断結果に初期値“変化なし”をセットする。また、第1機器2のメモリには、当該第1機器2が配置されているスペースを特定するスペース特定情報が格納されている。
【0099】
第1機器2を構成する無線受信部21は、利用者特定情報を含む第1信号を受信したか否かを判断する(ステップS1)。第1信号を受信していない場合は、同様の判断が繰り返される。第1信号を受信した場合、無線受信部21は、当該第1信号の第1受信強度を取得する(ステップS2)。
【0100】
利用判断部22は、ステップS2で取得された第1受信強度が第1閾値以上であるか否かを判断する(ステップS3)。第1受信強度が第1閾値以上である場合、利用判断部22は、タイマの値をカウントアップする(ステップS4)。
【0101】
次に、利用判断部22は、タイマの値が第2閾値以上であるか否かを判断する(ステップS5)。タイマの値が第2閾値以上である場合、利用判断部22は、判断結果に“変化あり”をセットする(ステップS6)。その後、処理は、後述するステップS9に進む。
【0102】
第1受信強度が第1閾値未満である場合、利用判断部22は、タイマの値をリセットする(ステップS7)。利用判断部22は、判断結果に“変化なし”をセットする(ステップS8)。
【0103】
第1機器2のプロセッサは、メモリに格納されているスペース特定情報及び判断結果と、ステップS1で受信された第1信号と、を含む第2信号を、無線通信モジュールを介して第2機器3に送信する(ステップS9)。その後、処理は、ステップS1に戻る。
【0104】
図3のフローチャートの処理は、第2機器3の電源オンに応じて開始され、電源オフに応じて終了される。第2機器3のメモリには、当該第2機器3の第2位置情報が格納されている。
【0105】
第2機器3を構成する無線受信部31は、第1信号を受信したか否かを判断する(ステップS11)。第1信号を受信していない場合は、同様の判断が繰り返される。第1信号を受信した場合、無線受信部31は、当該第1信号の第2受信強度を取得する(ステップS12)。
【0106】
次に、無線受信部31は、第1機器2から第2信号を受信したか否かを判断する(ステップS13)。第2信号を受信していない場合、処理はステップS11に戻る。
【0107】
第2信号を受信した場合、第2機器3のプロセッサは、ステップS12で取得された第2受信強度及びメモリに格納されている第2位置情報と、ステップS11で受信された第1信号と、ステップS13で受信された第2信号と、を含む第3信号を、ネットワーク通信モジュールを介してスペース利用管理装置1に送信する(ステップS14)。その後、処理は、ステップS11に戻る。
【0108】
図4のフローチャートの処理は、スペース利用管理装置1の電源オンに応じて開始され、電源オフに応じて終了される。スペース利用管理装置1のメモリには、組情報群、推定位置情報及び利用状況情報などが格納されている。
【0109】
スペース利用管理装置1のプロセッサは、第2機器3から第3信号を受信したか否かを判断する(ステップS21)。第3信号を受信していない場合は、同様の判断が繰り返される。
【0110】
第3信号を受信した場合、位置推定部111は、当該第3信号に含まれる第2受信強度及び第2機器位置情報、及びメモリに格納されている組情報群(第2受信強度及び第2機器位置情報の組の集合)に基づく位置推定を行う(ステップS22)。
【0111】
次に、更新部112は、ステップS21で受信された第3信号に含まれる判断結果情報、及びステップS22での推定結果等に基づいて、メモリに格納されている推定位置情報及び利用状況情報を更新する(ステップS23)。
【0112】
次に、第1報知部113は、利用開始条件を満たすか否かを判断する(ステップS24)。ステップS24で利用開始条件を満たすと判断された場合、第2報知部114は、利用終了条件を満たすか否かを判断する(ステップS25)。ステップS25で利用終了条件を満たすと判断された場合、処理はステップS21に戻る。
【0113】
ステップS24で利用開始条件を満たさないと判断された場合、又はステップS25で利用終了条件を満たさないと判断された場合、第1報知部113又は第2報知部114は、第1携帯端末4を第1機器2にかざす操作を行うように催促する情報を、当該判断の対象となった利用者特定情報に対応する第2携帯端末5に送信する(ステップS26)。その後、処理はステップS21に戻る。
【0114】
(6)スペース利用管理システムの動作例
本例におけるスペース利用管理システム200は、図1に示されるように、スペース利用管理装置1と、2つの第1機器2と、3つの第2機器3とを備える。スペース利用管理装置1はサーバ、第1機器2は読取機、第2機器3はスキャナである。
【0115】
所定の場所301は、図5に示すように、部屋の室内であり、2つのスペースAA及びBBを含む。3つの第2機器3は、部屋の天井に分散して配置されている。
【0116】
2つのスペースAA及びBBの各々は、ブースであり、第2機器3が配置されている。場所301内の、2つのスペースAA及びBB以外の範囲(通路等)は、「スペース外」である。
【0117】
いま、2人の利用者aaおよびbbが場所301内に存在しており、利用者aaはスペースAAを、利用者bbはスペースBBを、それぞれ利用している。
【0118】
2人の利用者aaおよびbbはそれぞれ、第1携帯端末4及び第2携帯端末5を携帯している。第1携帯端末4はビーコン、第2携帯端末5はスマホである。
【0119】
各利用者aa,bbは、利用開始時に所定の操作(第1携帯端末4を第1機器2かざす操作)を行ったものとする。
【0120】
このとき、スペース利用管理装置1のメモリには、図2図4の処理の結果として、図6Aに示すような2つの推定位置情報が格納されている。1つ目の推定位置情報は、利用者特定情報“aa”と、スペース特定情報“AA”とを含む。2つ目の推定位置情報は、利用者特定情報“bb”と、スペース特定情報“BB”とを含む。
【0121】
また、スペース利用管理装置1のメモリには、図6Bに示すような2つの利用状況情報が更に格納されている。1つ目の利用状況情報は、スペース特定情報“AA”と、状況情報“利用中”と、利用者特定情報“aa”とを含む。2つ目の利用状況情報は、スペース特定情報“BB”と、状況情報“利用中”と、利用者特定情報“bb”とを含む。
【0122】
図6Aの2つの推定位置情報、及び図6Bの2つの利用状況情報は、スペース利用管理装置1のディスプレイに表示される。表示されている2つの利用状況情報を参照することで、場所301の管理者は、現在のスペースの利用状況を把握できる。また、表示されている2つの推定位置情報も併せて参照することで、管理者は、利用状況をより的確に把握できる。
【0123】
なお、2人の利用者aaおよびbbのうち、例えば、利用者aaが利用開始時の所定の操作を忘れている場合、スペース利用管理装置1のメモリには、図2図4の処理の結果として、図7Aに示すような2つの推定位置情報と、図7Bに示すような2つの利用状況情報とが格納されることになる。
【0124】
図7Aの2つの推定位置情報は、図6Aの2つの推定位置情報と同じである。また、図7Aの2つの利用状況情報のうち、2つ目の利用状況情報は、図6Bの2つ目の利用状況情報と同じであるが、1つ目の利用状況情報が、図6Bの1つ目の利用状況情報とは異なる。
【0125】
図7Bの1つ目の利用状況情報は、スペース特定情報“AA”と、状況情報“空き”と、利用者特定情報“--”とを含む。なお、利用者特定情報“--”は、当該スペースに利用者がいないことを示すフラグである。
【0126】
図7Aの2つの推定位置情報、及び図7Bの2つの利用状況情報がスペース利用管理装置1のディスプレイに表示されることで、場所301の管理者は、現在のスペースの利用状況を把握できると共に、利用者aaが利用開始時の所定の操作を忘れている可能性を把握できる。
【0127】
また、利用者aaが利用開始時の所定の操作を忘れている場合には、図4のステップS24の判断結果がNoとなって、ステップS26が実行される結果、利用者aaの第2携帯端末5のディスプレイに、図8に示すような画面が表示される。この画面は、催促情報“スペースをご利用される場合は、読取機にビーコンをかざす操作が必要です。操作をお忘れではありませんか?”を示す画像を含む。
【0128】
図8の画面を見た利用者aaが、第1携帯端末4を第1機器2かざす操作を行うと、図2図4の処理の結果として、図7Bの1つ目の利用状況情報は、図6Bの1つ目の推定位置情報と同じものに更新される。
【0129】
図7Bの1つ目の利用状況情報から図6Bの1つ目の利用状況情報への変化は、スペース利用管理装置1のディスプレイの表示に反映される。それによって、場所301の管理者は、利用者aaが、利用開始時の所定の操作を忘れており、スペース利用管理システム200の催促に応じて当該所定の操作を実行したことを把握できる。
【0130】
その後、図9に示すように、利用者bbが、スペースBBの利用を終え、スペースBBを出たとする。利用者bbは、利用終了時に所定の操作(第1携帯端末4を第1機器2かざす操作)を行うことを忘れている。
【0131】
この場合、スペース利用管理装置1のメモリには、図2図4の処理の結果として、図10Aに示すような2つの推定位置情報と、図10Bに示すような2つの利用状況情報とが格納されることになる。
【0132】
図10Bの2つの情報利用状況は、図6Bの2つの利用状況情報と同じである。また、図10Aの2つの推定位置情報のうち、1つ目の推定位置情報は、図6Aの1つ目の推定位置情報と同じであるが、2つ目の推定位置情報が、図6Aの2つ目の推定位置情報とは異なる。
【0133】
図10Aの2つ目の推定位置情報は、利用者特定情報“bb”と、スペース特定情報“スペース外”とを含む。
【0134】
図10Aの2つの推定位置情報、及び図10Bの2つの利用状況情報がスペース利用管理装置1のディスプレイに表示されることで、場所301の管理者は、現在のスペースの利用状況を把握できると共に、利用者bbが利用終了時の所定の操作を忘れている可能性を把握できる。
【0135】
また、この場合、図4のステップS25の判断結果がNoとなって、ステップS26が実行される結果、利用者bbの第2携帯端末5のディスプレイに、図11に示すような画面が表示される。この画面は、催促情報“ご利用を終了される場合は、読取機にビーコンをかざす操作が必要です。操作をお忘れではありませんか?”を示す画像を含む。
【0136】
図11の画面を見た利用者bbが、スペースBBに戻り、第1携帯端末4を第1機器2かざす操作を行った後、スペースBBを出て、場所301を離れたとする。この場合、図2図4の処理の結果として、図10Aの2つ目の推定位置情報が、図12Aの2つ目の推定位置情報のように、図10Bの2つ目の利用状況情報が、図12Bの2つ目の利用状況情報のように、それぞれ更新される。
【0137】
図12Aの2つ目の推定位置情報は、利用者特定情報“--”と、スペース特定情報“--”とを含む。なお、スペース特定情報“--”は、当該利用者が場所301にいないことを示すフラグである。図12Bの2つ目の利用状況情報は、スペース特定情報“BB”と、状況情報“空き”と、利用者特定情報“--”とを含む。
【0138】
図7Bの1つ目の利用状況情報から図6Bの1つ目の利用状況情報への変化、及び図7Bの1つ目の利用状況情報から図6Bの1つ目の利用状況情報への変化は、スペース利用管理装置1のディスプレイの表示に反映される。それによって、場所301の管理者は、利用者bbが、利用終了時の所定の操作を忘れており、スペース利用管理システム200の催促に応じて当該所定の操作を実行した後、場所301を出たことを把握できる。
【0139】
(7)変形例1
本実施形態の変形例1に係るスペース利用管理システム200は、図13に示すように、スペース利用管理装置1と、1つ以上の第1機器2と、1つ以上の第2機器3と、1つ以上の携帯端末6とを備える。
【0140】
スペース利用管理装置1は、1つ以上の第2機器3、及び1つ以上の携帯端末6の各々と、ネットワーク300を介して通信可能に接続される。第1機器2、第2機器3及び携帯端末6の間は、無線通信が可能である。
【0141】
携帯端末6は、無線送信部41と、出力部51とを含む。スペース利用管理装置1、第1機器2及び第2機器3は、実施形態と同様の構成を有する。
【0142】
すなわち、変形例1のスペース利用管理システム200は、実施形態のスペース利用管理システム200(図1参照)において、第1携帯端末4と第2携帯端末5とが一体化されたものである。
【0143】
スペース利用管理装置1からの催促情報は、ネットワーク300を介して携帯端末6に送信され、当該携帯端末6の出力部51を介して出力される。
【0144】
(8)変形例2
本実施形態の変形例2に係るスペース利用管理システム200は、図14に示すように、スペース利用管理装置1と、1つ以上の第1機器2と、1つ以上の第2機器3と、1つ以上の携帯端末6とを備える。
【0145】
スペース利用管理装置1は、1つ以上の第1機器2、1つ以上の第2機器3、及び1つ以上の携帯端末6の各々と、ネットワーク300を介して通信可能に接続され、携帯端末6は、第1機器2及び第2機器3の各々と無線通信が可能である。
【0146】
すなわち、変形例2のスペース利用管理システム200は、変形例1のスペース利用管理システム200(図13参照)において、スペース利用管理装置1と第1機器2とが、無線に代えてネットワーク300を介して通信可能に接続されたものである。
【0147】
変形例2における第1機器2は、無線通信モジュールに代えて、ネットワーク通信モジュールを有する。第1機器2からの第2信号は、無線で第2機器3に送信される代わりに、ネットワーク300を介してスペース利用管理装置1に送信される。
【0148】
(9)変形例3
本実施形態の変形例3に係るスペース利用管理システム200は、図15に示すように、スペース利用管理装置1と、1つ以上の第1機器2と、1つ以上の第2機器3と、1つ以上の携帯端末6とを備える。
【0149】
スペース利用管理装置1は、1つ以上の第1機器2、1つ以上の第2機器3、及び1つ以上の携帯端末6の各々と、ネットワーク300を介して通信可能に接続され、携帯端末6は、第1機器2及び第2機器3の各々と無線通信が可能である。
【0150】
スペース利用管理装置1は、処理部11と、出力部12とを備え、処理部11は、位置推定部111と、更新部112と、第1報知部113と、第2報知部114と、利用判断部22とを備える。第1機器2は、無線受信部21を含む。第2機器3及び携帯端末6は、変形例2と同様の構成を有する。
【0151】
すなわち、変形例3のスペース利用管理システム200は、変形例2のスペース利用管理システム200(図13参照)において、利用判断部22が、第1機器2に代えてスペース利用管理装置1に備わるものである。
【0152】
変形例3において、第1機器2からスペース利用管理装置1に送信される第2信号は、判断結果に代えて第1受信強度を含む。第1機器2は、第1携帯端末4からの第1信号の受信に応じて、エリア特定情報及び第1受信強度を含む第2信号をスペース利用管理装置1に送信する。スペース利用管理装置1の利用判断部22は、第1機器2からの第2信号を基に利用判断を行う。
【0153】
(10)変形例4
本実施形態の変形例4に係るスペース利用管理システム200は、図16に示すように、スペース利用管理装置1と、1つ以上の第1機器2と、1つ以上の第2機器3と、1つ以上の携帯端末6とを備える。
【0154】
スペース利用管理装置1は、1つ以上の第1機器2及び1つ以上の携帯端末6の各々と、ネットワーク300を介して通信可能に接続され、携帯端末6は、第1機器2及びスペース利用管理装置1の各々と無線通信が可能である。
【0155】
すなわち、変形例4のスペース利用管理システム200は、変形例3のスペース利用管理システム200(図14参照)において、スペース利用管理装置1と第2機器3とを一体化したものである。なお、変形例4のスペース利用管理システム200は、第1機器2と、スペース利用管理装置1の機能を兼ね備える第2機器3と、で構成されていると考えてもよい。
【0156】
なお、実施形態において、利用終了条件は「推定結果が当該利用者は当該一のスペースに存在しないことを示し、かつ利用状況情報が当該利用者は当該一のスペースを利用中であることを示す」であった。そして、第2報知部114が、当該利用終了条件を満たすか否かを判断し、満たすと判断した場合に催促情報の報知を行った。しかし、利用終了時の所定の操作忘れについては、利用者に対する催促情報の報知は行わなくてもよい。代わりに、次の変形例5のように、更新部112が、利用終了条件に関する判断を行い、判断結果を基に利用状況情報の更新を行ってもよい。
【0157】
(11)変形例5
変形例5における利用終了条件は、「推定結果が当該利用者は当該一のスペースに存在しないことを示し、かつ利用状況情報が当該利用者は当該一のスペースを利用中であることを示す状態の継続時間が、予め決められた閾値を超えたこと」である。更新部112は、例えば、メモリに格納されている推定位置情報及び利用状況情報に基づいて、当該利用終了条件を満たすか否かを判断し、満たすと判断した場合に、当該利用状況情報を“利用中”から“空き”に更新する。
【0158】
前述した動作例では、図10Aの2つ目の推定位置情報が“bb,スペース外”であり、かつ図10Bの2つ目の利用状況情報が“BB,利用中,bb”である状態が、予め決められた時間(例えば、1時間、5時間等)以上継続した場合に、更新部112は、当該利用終了条件を満たすと判断し、当該2つ目の利用状況情報を“BB,空き,--”に更新する。
【0159】
これにより、利用者が利用終了時に所定の操作を忘れても、スペース利用管理システム200が自動的に利用状況情報を更新できる。
【0160】
(12)その他の変形例
なお、変形例4のスペース利用管理システム200において、利用判断部22は、第1機器2でなくスペース利用管理装置1(第2機器3)が備えていてもよい。
【0161】
また、実施形態では、第2機器3は、所定の場所301の各スペースに予め配置されているが、スペース間を移動可能であってもよい。その場合、第2機器3が、第2信号の受信信号強度等を基に、第2機器3の位置(例えば、スペース特定情報)を推定してもよい。この場合、第1機器2から送信される第2信号にスペース特定情報は含まれておらず、第2機器3は、こうして推定したスペース特定情報を第3信号に含めて送信してもよい。
【0162】
なお、上記実施形態に係るスペース利用管理システム200と同様の機能は、スペース利用管理方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。なお、スペース利用管理方法は、上記各種ステップのうち、少なくとも、ステップS3-S8(利用判断ステップ)、ステップS22(位置推定ステップ)、及びステップS23(更新ステップ)を含む方法である。また、プログラムは、同上のスペース利用管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0163】
なお、本開示におけるスペース利用管理システム200は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示におけるスペース利用管理システム200としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0164】
また、スペース利用管理システム200における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることはスペース利用管理システム200に必須の構成ではなく、スペース利用管理システム200の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、スペース利用管理システム200の少なくとも一部の機能、例えば、スペース利用管理装置1の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0165】
反対に、実施形態において、複数の装置に分散されているスペース利用管理システム200の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、スペース利用管理装置1と第1機器2と第2機器3とに分散されているスペース利用管理システム200の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0166】
(12)まとめ
第1の態様に係るスペース利用管理システム(200)は、第1機器(2)と、第2機器(3)と、利用判断部(22)と、位置推定部(111)と、更新部(112)とを備える。前記第1機器(2)は、所定の場所(301)の2つ以上のスペースのうち一のスペースに設置され、利用者によって携帯されて前記利用者を特定する利用者特定情報を含む第1信号を無線で送信する携帯端末(第1携帯端末4,携帯端末6)から、前記第1信号を受信する。そして、第1機器(2)は、当該受信した前記第1信号と前記一のスペースを特定するスペース特定情報とを含む第2信号を送信する。第2機器(3)は、前記所定の場所(301)に設けられ、少なくとも前記第1信号を受信する。
【0167】
前記利用判断部(22)は、前記第1機器(2)における前記第1信号の受信信号強度である第1受信強度に少なくとも基づいて、前記一のスペースの前記利用者による利用状況が変化したか否かを判断する。前記位置推定部(111)は、前記第2機器(3)における前記第1信号の受信信号強度である第2受信強度に少なくとも基づいて、前記利用者の位置を推定する。更新部(112)は、前記位置推定部(111)の推定結果及び前記利用判断部(22)の判断結果に基づいて、前記一のスペースの前記利用者による利用の状況に関する情報である利用状況情報を更新する。
【0168】
この態様によれば、利用者のスペース利用に関する、第1信号の第1機器(2)での第1受信強度に基づく判断結果と、利用者の位置に関する、第1信号の第2機器(3)での第2受信強度に基づく推定結果と、を用いて利用状況情報を更新することで、所定の場所(301)におけるスペース利用状況の把握を容易化できる。
【0169】
第2の態様に係るスペース利用管理システム(200)は、第1の態様において、前記第1機器(2)は、前記第1受信強度が予め決められた第1閾値以上である状態が、予め決められた第2閾値以上の時間継続した場合に、前記第2信号を送信する。
【0170】
この態様によれば、第2信号の送信先(第2機器3又はスペース利用管理装置1)において、利用状況が変化したか否かの判断が不要となり、スペース利用の開始及び終了の判断を簡易化できる。
【0171】
第3の態様に係るスペース利用管理システム(200)は、第1又は第2の態様において、第1報知部(113)を更に備える。第1報知部(113)は、前記推定結果が前記利用者は前記一のスペースに存在することを示し、かつ前記利用状況情報が前記利用者は前記一のスペースを利用中でないことを示す場合に、所定の操作を催促する催促情報を報知する。所定の操作は、前記利用者による前記携帯端末(第1携帯端末4,携帯端末6)の前記第1機器(2)に対する操作であり、当該一のスペースの利用開始時に行われるべき操作である。
【0172】
この態様によれば、利用開始時の操作忘れの可能性を低減できる。
【0173】
第4の態様に係るスペース利用管理システム(200)は、第1-第3のいずれかの態様において、第2報知部(114)を更に備える。第2報知部(114)は、前記推定結果が前記利用者は前記一のスペースに存在しないことを示し、かつ前記利用状況情報が前記利用者は前記一のスペースを利用中であることを示す場合に、所定の操作を催促する催促情報を報知する。催促情報は、前記利用者による前記携帯端末(第1携帯端末4,携帯端末6)の前記第1機器(2)に対する操作であり、当該一のスペースの利用終了時に行われるべき操作である。
【0174】
この態様によれば、利用終了時の操作忘れの可能性を低減できる。
【0175】
第5の態様に係るスペース利用管理システム(200)では、第1-第3のいずれかの態様において、更新部(112)は、前記推定結果が前記利用者は前記一のスペースに存在しないことを示し、かつ前記利用状況情報が前記利用者は前記一のスペースを利用中であることを示す状態が、予め決められた時間以上継続した場合に、当該利用状況情報を前記一のスペースは利用中でないこと(例えば“空き”)を示すように更新する。
【0176】
この態様によれば、利用終了時の操作忘れがあっても自動的に利用状況情報を更新できる。
【0177】
第6の態様に係るスペース利用管理方法は、スペース利用管理システム(200)によって行われるスペース利用管理方法である。スペース利用管理システム(200)は、第1機器(2)と、第2機器(3)とを少なくとも備える。第1機器(2)は、所定の場所(301)の2つ以上のスペースのうち一のスペースに設置され、利用者によって携帯されて前記利用者を特定する利用者特定情報を含む第1信号を無線で送信する携帯端末(第1携帯端末4,携帯端末6)から、前記第1信号を受信する。そして、第1機器(2)は、当該受信した前記第1信号と前記一のスペースを特定するスペース特定情報とを含む第2信号を送信する。第2機器(3)は、前記所定の場所(301)に設けられ、少なくとも前記第1信号を受信する。
【0178】
スペース利用管理方法は、利用判断ステップと、位置推定ステップと、更新ステップとを備える。利用判断ステップでは、前記第1機器(2)における前記第1信号の受信信号強度である第1受信強度に少なくとも基づいて、前記一のスペースの前記利用者による利用状況が変化したか否かを判断する。位置推定ステップでは、前記第2機器(3)における前記第2信号の受信信号強度である第2受信強度に少なくとも基づいて、前記利用者の位置を推定する。更新ステップでは、前記位置推定ステップの推定結果及び前記利用判断ステップの判断結果に基づいて、前記一のスペースの前記利用者による利用の状況に関する情報である利用状況情報を更新する。
【0179】
この態様によれば、利用者のスペース利用に関する、第1信号の第1機器(2)での第1受信強度に基づく判断結果と、利用者の位置に関する、第1信号の第2機器(3)での第2受信強度に基づく推定結果と、を用いて利用状況情報を更新することで、所定の場所(301)におけるスペース利用状況の把握を容易化できる。
【0180】
第7の態様に係るプログラムは、第6の態様に係るスペース利用管理方法を1つ以上のコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0181】
この態様によれば、所定の場所(301)におけるスペース利用状況の把握を容易化できる。
【0182】
第8の態様に係る機器(第1機器2)は、第1-第5のいずれかの態様のスペース利用管理システムに用いられる機器である。前記機器(第1機器2)は、所定の場所(301)の2つ以上のスペースのうち一のスペースに設置され、利用者によって携帯されて前記利用者を特定する利用者特定情報を含む第1信号を無線で送信する携帯端末(第1携帯端末4,携帯端末6)から、前記第1信号を受信する。そして、前記機器(第1機器2)は、当該受信した前記第1信号と前記一のスペースを特定するスペース特定情報とを含む第2信号を送信する。
【0183】
この態様によれば、第2機器(3)又はスペース利用管理装置(1)が、利用者のスペース利用に関する、第1信号の第1機器(2)での第1受信強度に基づく判断結果と、利用者の位置に関する、第1信号の第2機器(3)での第2受信強度に基づく推定結果と、を用いて利用状況情報を更新することで、所定の場所(301)におけるスペース利用状況の把握を容易化できる。
【0184】
また、第1機器(2)が、利用者のスペース利用に関する判断を行い、その判断結果を、利用者の位置推定を行う第2機器(3)又はスペース利用管理装置(1)に送信することで、第2機器(3)又はスペース利用管理装置(1)において、スペース利用の開始及び終了の判断を簡易化できる。
【符号の説明】
【0185】
1 スペース利用管理装置
2 第1機器
3 第2機器
4 第1携帯端末
5 第2携帯端末
6 携帯端末
11 処理部
12,51 出力部
21,31 無線受信部
22 利用判断部
41 無線送信部
111 位置推定部
112 更新部
113 第1報知部
114 第2報知部
200 スペース利用管理システム
300 ネットワーク
301 場所
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