(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】エアーマッサージ装置
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A61H7/00 322E
(21)【出願番号】P 2021126853
(22)【出願日】2021-08-02
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】弘田 利光
(72)【発明者】
【氏名】河本 実
(72)【発明者】
【氏名】倉田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】小川 進
(72)【発明者】
【氏名】吉川 元彬
(72)【発明者】
【氏名】児島 猛
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3087746(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0082591(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0276283(US,A1)
【文献】国際公開第2019/230060(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の右脚又は左脚に装着されるアタッチメントを備え、
前記アタッチメントは、前記使用者の下腿部に装着される下腿部用アタッチメントと、前記使用者の足に装着される足用アタッチメントと、を備え、
前記下腿部用アタッチメントは、外布と内布とで袋状に形成されて前記下腿部に巻き付けられる脚帯部と、前記脚帯部に内蔵されるエアバッグと、を有し、
前記脚帯部が筒状に巻かれた前記下腿部用アタッチメントと前記足用アタッチメントとがブーツ形状を形成し、
前記脚帯部において前記使用者の脹脛
及び踵に被さる部位に、前記使用者の脹脛に沿って配置される支柱部品が設けら
れ、
前記支柱部品の下面は、前記支柱部品が自立可能な形状である、
エアーマッサージ装置。
【請求項2】
前記支柱部品は、前記使用者の踵から膝下までの範囲内に設けられている、
請求項1に記載のエアーマッサージ装置。
【請求項3】
前記支柱部品の前記内布側の面は、後ろ向きに凸となる曲面部分を含む、
請求項1又は2に記載のエアーマッサージ装置。
【請求項4】
前記支柱部品の下部に、前記使用者の踵との干渉を避けるための凹部が設けられている、
請求項1~3のいずれか1項に記載のエアーマッサージ装置。
【請求項5】
前記下腿部用アタッチメントと前記足用アタッチメントとは、前記使用者の前記足の踵側で連結されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載のエアーマッサージ装置。
【請求項6】
前記支柱部品には、マッサージに関する操作を行うための操作器が取り付けられており、
前記操作器は前記外布の表面に露出している、
請求項1~5のいずれか1項に記載のエアーマッサージ装置。
【請求項7】
前記操作器の上部が、上側ほど厚みが薄くなる先細りの形状に形成されている、
請求項6に記載のエアーマッサージ装置。
【請求項8】
前記操作器は、前記脚帯部において前記使用者の脹脛に被さる部位のうちの内側に配置されている、
請求項6又は7に記載のエアーマッサージ装置。
【請求項9】
前記アタッチメントは、前記使用者の右脚に装着される右脚用アタッチメントと、前記使用者の左脚に装着される左脚用アタッチメントと、を含み、
前記右脚用アタッチメント及び前記左脚用アタッチメントのうち前記操作器が設けられている前記アタッチメントの前記支柱部品には、前記エアバッグに空気を送り込むエアポンプが設けられ、
前記右脚用アタッチメント及び前記左脚用アタッチメントのうち、前記エアポンプが設けられている前記アタッチメントと、前記エアポンプが設けられていない前記アタッチメントとは、前記エアポンプから空気が供給されるエアホースを介して接続されている、
請求項6~8のいずれか1項に記載のエアーマッサージ装置。
【請求項10】
前記操作器の筐体に、前記エアホースを接続するコネクタが設けられている、
請求項9に記載のエアーマッサージ装置。
【請求項11】
前記コネクタは前記操作器の筐体の下面に設けられ、前記コネクタに対して前記エアホースが下側から接続される、
請求項10に記載のエアーマッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアーマッサージ装置に関する。より詳細には、本開示は、脚をマッサージするためのエアーマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ユーザの脚(大腿部及び下腿部)に装着されて、脚のマッサージを行うエアーマッサージ装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなエアーマッサージ装置においては、着脱の手間を低減することが望まれている。
【0005】
本開示の目的は、着脱の手間を低減可能なエアーマッサージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様のエアーマッサージ装置は、使用者の右脚又は左脚に装着されるアタッチメントを備える。前記アタッチメントは、前記使用者の下腿部に装着される下腿部用アタッチメントと、前記使用者の足に装着される足用アタッチメントと、を備える。前記下腿部用アタッチメントは、外布と内布とで袋状に形成されて前記下腿部に巻き付けられる脚帯部と、前記脚帯部に内蔵されるエアバッグと、を有する。前記脚帯部が筒状に巻かれた前記下腿部用アタッチメントと前記足用アタッチメントとがブーツ形状を形成する。前記脚帯部において前記使用者の脹脛及び踵に被さる部位に、前記使用者の脹脛に沿って配置される支柱部品が設けられている。前記支柱部品の下面は、前記支柱部品が自立可能な形状である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、着脱の手間を低減可能なエアーマッサージ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態1に係るエアーマッサージ装置を前側から見た外観図である。
【
図2】
図2は、同上のエアーマッサージ装置を後側から見た外観図である。
【
図3】
図3は、同上のエアーマッサージ装置が備える右脚用アタッチメントの展開図である。
【
図4】
図4は、同上のエアーマッサージ装置が備える下腿部用アタッチメントに内蔵されたエアバッグの平面図である。
【
図5】
図5は、同上のエアーマッサージ装置が備える足用アタッチメントに内蔵されたエアバッグの平面図である。
【
図6】
図6は、同上のエアーマッサージ装置が備える支柱部品及び操作器を後側から見た外観斜視図である。
【
図7】
図7は、同上のエアーマッサージ装置が備える支柱部品及び操作器を前側から見た外観斜視図である。
【
図8】
図8は、同上のエアーマッサージ装置の概略的な機能ブロック図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施形態2に係るエアーマッサージ装置を前側から見た外観図である。
【
図10】
図10は、同上のエアーマッサージ装置を後側から見た外観図である。
【
図11】
図11は、同上のエアーマッサージ装置が備える右脚用アタッチメントの展開図である。
【
図12】
図12は、同上のエアーマッサージ装置が備える左脚用アタッチメントの展開図である。
【
図13】
図13は、同上のエアーマッサージ装置の収納状態を前側から見た図である。
【
図14】
図14は、同上のエアーマッサージ装置の収納状態を上側から見た図である。
【
図15】
図15は、同上のエアーマッサージ装置が備える下腿部用アタッチメントに内蔵されたエアバッグの平面図である。
【
図16】
図16は、同上のエアーマッサージ装置が備える大腿部用アタッチメントに内蔵されたエアバッグの平面図である。
【
図17】
図17は、同上のエアーマッサージ装置が備える足用アタッチメントに内蔵されたエアバッグの平面図である。
【
図18】
図18は、同上のエアーマッサージ装置の概略的な機能ブロック図である。
【
図19】
図19は、同上のエアーマッサージ装置を収納するときの手順を説明する図である。
【
図20】
図20は、同上のエアーマッサージ装置を装着するときの手順を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)実施形態1
(1.1)概要
以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0010】
本実施形態に係るエアーマッサージ装置1は、
図1~
図3に示すように、使用者U1の右脚900R又は左脚900Lに装着されるアタッチメント10を備える。アタッチメント10は、使用者U1の下腿部910に装着される下腿部用アタッチメント11と、使用者U1の足930に装着される足用アタッチメント13と、を備える。下腿部用アタッチメント11は、脚帯部21と、脚帯部21に内蔵されるエアバッグ31(
図4参照)と、を有する。脚帯部21は、外布211と内布212とで袋状に形成されて、下腿部910に巻き付けられる。脚帯部21が筒状に巻かれた下腿部用アタッチメント11と足用アタッチメント13とがブーツ形状を形成する。脚帯部21において使用者U1の脹脛に被さる部位に、使用者U1の脹脛に沿って配置される支柱部品70(
図6及び
図7参照)が設けられている。
【0011】
本実施形態の説明において、脚900の膝から足首までの部分を下腿部910と言い、下腿部910の後側の部位を脹脛と言う。脚900は下腿部910と大腿部を含み、脚の付け根から膝までの部分(太もも)を大腿部と言う。また、足首からつま先までの部位を足930と言う。また、「ブーツ形状を形成する」とは、足用アタッチメント13を床等の載置面に置いた状態で、下腿部用アタッチメント11が載置面から上方に突出した状態を維持することを言い、足用アタッチメント13と下腿部用アタッチメント11とが一体のブーツのような形状を維持していることを言う。
【0012】
下腿部用アタッチメント11の脚帯部21には支柱部品70が配置されているので、脚帯部21が形状を保ち易くなる。したがって、下腿部用アタッチメント11と足用アタッチメント13とでブーツ形状を維持しやすくなり、エアーマッサージ装置1を装着する手間を軽減できる。また、エアーマッサージ装置1を装着する際には、支柱部品70に沿って脚帯部21内に脚を入れることができ、装着の手間を軽減可能なエアーマッサージ装置1を実現できる。
【0013】
(1.2)詳細
(1.2.1)構成
以下、本実施形態に係るエアーマッサージ装置1について図面を参照して詳しく説明する。なお、以下の説明では、使用者U1がアタッチメント10を脚900に装着した状態で、使用者U1からアタッチメント10を見たときの方向を基準として上下、左右、前後の各方向を規定する。
【0014】
本実施形態のエアーマッサージ装置1では、アタッチメント10が、右脚用アタッチメント10Rと、左脚用アタッチメント10Lと、を含んでいる。使用者U1は、右脚900Rに右脚用アタッチメント10Rを装着し、左脚900Lに左脚用アタッチメント10Lを装着することで、右脚900R及び左脚900Lのマッサージを同時に行うことができる。
【0015】
右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lの各々は、下腿部用アタッチメント(以下では第1アタッチメントと言う場合もある)11と足用アタッチメント(以下では第3アタッチメントと言う場合もある)13とを備えている。つまり、右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lは使用者U1の脚900及び足930に装着される。足用アタッチメント13は、足930に巻き付けられる脚帯部23と、脚帯部23に内蔵されるエアバッグ33(
図5参照)と、を備えている。以下の説明において、下腿部用アタッチメント11が備える脚帯部21を第1脚帯部21と言い、足用アタッチメント13が備える脚帯部23を第3脚帯部23と言う場合もある。また、第1脚帯部21に内蔵されたエアバッグ31を第1のエアバッグ31と言い、第3脚帯部23に内蔵されたエアバッグ33を第3のエアバッグ33と言う場合もある。
【0016】
また、本実施形態のエアーマッサージ装置1は、操作部53及び表示部54が設けられた操作器50(
図1、
図2及び
図6参照)を、更に備えており、操作器50は左脚用アタッチメント10Lに設けられている。また、エアーマッサージ装置1は、
図8に示すように、エアポンプ74と、複数の三方電磁弁75と、制御部57と、ヒータ駆動部58と、電源回路59と、ヒータブロック76R,76Lと、を更に備えている。制御部57、ヒータ駆動部58、及び電源回路59は操作器50の筐体51に収容されている。また、エアポンプ74及び複数の三方電磁弁75は、左脚用アタッチメント10Lに取り付けられている。ヒータブロック76R,76Lは、使用者U1の足930を加温するために設けられている。ヒータブロック76Rは、右脚用アタッチメント10Rの足用アタッチメント13に配置され、ヒータブロック76Lは、左脚用アタッチメント10Lの足用アタッチメント13に配置されている。
【0017】
ヒータ駆動部58は、制御部57からの制御信号に応じて、ヒータブロック76R,76Lに給電することで、ヒータブロック76R,76Lを発熱させる。
【0018】
エアポンプ74は、例えばダイヤフラムポンプである。エアポンプ74は、制御部57からの制御信号に応じて、モータでダイヤフラムを往復させることによって空気を移送する。エアポンプ74は、右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lに設けられたエアバッグ31,33に空気を送り込む。エアポンプ74は、右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lのうち操作器50が設けられているアタッチメント10(本実施形態では左脚用アタッチメント10L)に設けられている。右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lのうち、エアポンプ74が設けられているアタッチメント10(本実施形態では左脚用アタッチメント10L)と、エアポンプ74が設けられていないアタッチメント10(本実施形態では右脚用アタッチメント10R)とは、エアポンプ74から空気が供給されるエアホース(ホースモジュール60)を介して接続されている。したがって、右脚用アタッチメント10Rと左脚用アタッチメント10Lとを一束のエアホース(ホースモジュール60)で接続するだけでよく、エアポンプ74が右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lとは別の筐体に収容されている場合に比べて、エアホースの数を削減できる。
【0019】
複数の三方電磁弁75は、制御部57からの制御信号に応じて、エアーマッサージ装置1が備える複数のエアバッグの各々をエアポンプ74又は排気口に接続することで、複数のエアバッグを膨張又は収縮させる。なお、右脚用アタッチメント10Rからは、右脚用アタッチメント10Rに内蔵された複数のエアバッグと、左脚用アタッチメント10Lに内蔵された複数の三方電磁弁75との間を接続するためのホースモジュール60が導出されている。ホースモジュール60は、複数本(例えば3本)のエアホース61,62,66を束ねて構成されている。なお、ホースモジュール60には、右脚用アタッチメント10Rに設けられたヒータブロック76Rに給電するための電源コードも、エアホース61,62,66と一緒に束ねられている。ホースモジュール60の先端には、操作器50に設けられたコネクタ55に接続可能なプラグ68が設けられている。
【0020】
操作部53は、エアーマッサージ装置1を用いて行うマッサージに関する操作を行うために設けられている。操作部53は、操作器50の筐体51に設けられた3つの操作ボタン53A~53Cを含む。操作部53は、例えば、マッサージの開始及び停止の操作とマッサージの強さを設定する操作とに兼用される操作ボタン53Aと、マッサージのコースを切り替えるための操作ボタン53Bと、ヒータブロック76R,76Lによる加熱温度を設定するための操作ボタン53Cと、を含む。なお、操作部53が備える操作ボタンの個数及び用途は適宜変更が可能である。
【0021】
表示部54は、複数の発光ダイオード54Aを含む。制御部57が複数の発光ダイオード54Aの点灯、消灯、又は発光色などを制御することで、エアーマッサージ装置1の動作状態を表示する。なお、表示部54は、複数の発光ダイオード54Aを含んでいるが、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置を備えるものでもよい。また、操作器50には、エアーマッサージ装置1の動作状態を音声等で報知するためのスピーカ等が設けられてもよい。
【0022】
制御部57は、例えば、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部57の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0023】
制御部57は、使用者U1の操作に応じて操作部53から入力される操作情報に基づいて、エアポンプ74及び三方電磁弁75の動作を制御することで、エアバッグ31,33を膨張又は収縮させて、マッサージを行う。また、制御部57は、使用者U1の操作に応じて操作部53から入力される操作情報に基づいて、ヒータブロック76R,76Lを駆動するヒータ駆動部58の動作を制御し、ヒータブロック76R,76Lによる足930の加温を制御する。
【0024】
電源回路59は、例えば、交流電圧を直流電圧に変換するACアダプタ80から電力供給を受け、制御部57、表示部54、ヒータ駆動部58、エアポンプ74及び三方電磁弁75等に電力を供給する。電源回路59が、制御部57、表示部54、ヒータ駆動部58、エアポンプ74及び三方電磁弁75等に電力を供給することによって、エアーマッサージ装置1が動作可能な状態となる。
【0025】
上述のように、エアーマッサージ装置1は、右脚用アタッチメント10Rと、左脚用アタッチメント10Lと、を備えている。右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lは、左脚用アタッチメント10Lに操作器50が設けられ、右脚用アタッチメント10Rからホースモジュール60が導出されている点で相違しているが、これらの相違点を除いては左右対称の関係を有している。
【0026】
以下では、左脚用アタッチメント10Lを例にアタッチメント10の説明を行う。
【0027】
左脚用アタッチメント10Lの下腿部用アタッチメント11は、使用者U1の左脚900Lの下腿部910に装着される。下腿部用アタッチメント11は、第1脚帯部21と、第1のエアバッグ31とを備える。
【0028】
第1脚帯部21は、合成繊維(例えばポリエステル繊維等)で形成された外布211と、合成繊維(例えばナイロン繊維等)で形成された内布212とを縫製して袋状に形成されている。以下の説明において、第1脚帯部21の外布211を第1の外布211と言い、第1脚帯部21の内布212を第1の内布212と言う場合もある。
【0029】
第1脚帯部21が展開された状態で、第1脚帯部21の縦(上下方向)の寸法は、下腿部910のマッサージ部位を覆うことが可能な程度の寸法に設定されており、第1脚帯部21の横の寸法は、下腿部910の平均的な周囲長よりも長い寸法に設定されている。
【0030】
第1脚帯部21の左側の第1端部21Aの外側面(つまり第1の外布211の左端部)には面状ファスナを構成するフック411が設けられている。第1脚帯部21の右側の第2端部21Bの内側面(つまり第1の内布212の右端部)には、面状ファスナを構成するループ412が設けられている。フック411とループ412とが貼り合わされることで、第1脚帯部21の第1端部21Aと第2端部21Bとが結合される。すなわち、フック411とループ412とで、第1脚帯部21の第1端部21Aと第2端部21Bとを連結する連結部41が構成される。連結部41により第1脚帯部21の第1端部21Aと第2端部21Bとが結合された状態では、第1脚帯部21は筒状に形成される。
【0031】
ここにおいて、第2端部21Bの折り曲げ部位を部分的につまみ縫いしておくことが好ましい。ループ412がフック411から剥がされた場合に、第2端部21Bが外側に折り返された状態で保持されるので、ループ412がフック411に意図せずに貼り付く可能性を低減できる。なお、第2端部21Bを折り返した状態で仮保持するために、第2端部21Bの外側面と、第1の外布211において第2端部21Bの外側面が接触する部位とに仮保持のための面状ファスナを設けてもよい。面状ファスナによって第2端部21Bが折り返された状態で保たれるので、ループ412がフック411に意図せずに貼り付く可能性を低減できる。
【0032】
また、第1脚帯部21の第2端部21Bには、横長の補強部材27が、上下に並んで内蔵されている。補強部材27は、例えば合成樹脂により横長の矩形板状に形成されており、補強部材27の長手方向において第2端部21Bが形状を保ちやすくなっている。なお、補強部材27の数、形状、及び配置位置は適宜変更が可能である。また、第1脚帯部21に補強部材27を設けることは必須ではなく、補強部材27を適宜省略してもよい。
【0033】
第1脚帯部21には、下腿部910をマッサージするための第1のエアバッグ31が内蔵されている。
図4は第1のエアバッグ31の一例を示す平面図である。本実施形態では、第1のエアバッグ31が、足首付近をマッサージするための足首用エアバッグ311と、脹脛付近をマッサージするための脹脛用エアバッグ312と、を含んでいる。第1のエアバッグ31(足首用エアバッグ311又は脹脛用エアバッグ312)にエアポンプ74から空気が送られると、第1のエアバッグ31が膨張し、下腿部910が圧迫される。一方、第1のエアバッグ31に充填された空気が排出されると、第1のエアバッグ31が収縮する。第1のエアバッグ31が膨張及び収縮を繰り返すことで、下腿部910のマッサージが行われる。なお、第1のエアバッグ31が足首用と脹脛用の2つのエアバッグを含むことは必須ではなく、1つのエアバッグを含むものでもよいし、3つ以上のエアバッグを含んでもよい。なお、第1脚帯部21には、足首を覆う部位にクッション材を配置するのが好ましく、第1のエアバッグ31が下腿部910の形状にフィットし、マッサージ効果を高めることができる。
【0034】
第1脚帯部21には、第1脚帯部21において使用者U1の脹脛に被さる部位に、使用者U1の脹脛に沿って配置される支柱部品70が内蔵されている(
図2参照)。支柱部品70は、使用者U1の踵から膝下までの範囲内に設けられている。すなわち、支柱部品70の高さ寸法は、平均的な体格を有する使用者U1の踵から膝下までの寸法と同程度の寸法に設定されており、下腿部用アタッチメント11と足用アタッチメント13とでブーツ形状を保ちやすいという利点がある。
【0035】
支柱部品70は、
図6及び
図7に示すように、それぞれ合成樹脂の成形品からなる外ケース71と内ケース72とを結合して形成される。
【0036】
外ケース71は、上面視の形状が円弧状に形成された板材である。内ケース72は、上面視の形状が円弧状に形成された板材であり、外ケース71の左側辺と右側辺との間に取り付けられる。外ケース71と内ケース72とが結合された状態で、外ケース71と内ケース72との間には、エアポンプ74及び三方電磁弁75等を収納する空間が形成される。内ケース72の内面、つまり支柱部品70の内布212側の面は、後ろ向きに凸となる曲面部分721を含んでおり、使用者U1の脹脛に沿った形状を有しているので、下腿部用アタッチメント11を装着しやすいという利点がある。
【0037】
また、内ケース72の下部には、ドーム状に窪んだ凹部722が設けられており、使用者U1がアタッチメント10を装着した際に、使用者U1の踵が内ケース72の内面に当たりにくくなる。つまり、支柱部品70の下部には、使用者U1の踵との干渉を避けるための凹部722が設けられているので、下腿部用アタッチメント11を装着しやすいという利点がある。
【0038】
ここで、支柱部品70の下面73はC形に形成されているので、支柱部品70を内蔵した下腿部用アタッチメント11が床等に置かれる場合、C形の下面73によって支柱部品70が倒れるのを防止でき、アタッチメント10が自立することができる。
【0039】
なお、右脚用アタッチメント10Rの第1脚帯部21からはホースモジュール60が導出されている。ホースモジュール60は、右脚用アタッチメント10Rに設けられた第1及び第3のエアバッグ31,33にそれぞれ繋がる複数本のエアホース61,62,66を含んでいる。ホースモジュール60の先端には、操作器50に設けられたコネクタ55に接続可能なプラグ68が設けられている。ここにおいて、右脚用アタッチメント10Rの下腿部用アタッチメント11を使用者U1が装着した状態で、第1脚帯部21において下腿部910の左側に当たる部位からホースモジュール60が引き出されている。
【0040】
また、左脚用アタッチメント10Lが備える下腿部用アタッチメント11に内蔵された支柱部品70の上部には、操作器50が取り付けられている。具体的には、内ケース72の上部には上向きに突出する取付片723が設けられており、この取付片723に操作器50がネジ等を用いて固定されている。支柱部品70は、第1脚帯部21の内部に大部分が収容されているが、支柱部品70の取付片723に固定された操作器50は、第1脚帯部21に設けられた開口を通して外部に露出している。つまり、マッサージに関する操作を行うための操作器50が支柱部品70に取り付けられており、操作器50は外布211の表面に露出している。なお、本実施形態では、左脚用アタッチメント10Lの支柱部品70に操作器50が取り付けられているが、右脚用アタッチメント10Rの支柱部品70に操作器50が取り付けられてもよい。このように、支柱部品70に操作器50が取り付けられているので、操作器50を右脚用アタッチメント10R又は左脚用アタッチメント10Lと一体化することができ、エアーマッサージ装置1の小型化を図ることができる。
【0041】
操作器50は、合成樹脂により扁平な直方体状に形成された筐体51を有している。操作器50(筐体51)は、支柱部品70と対向する面と反対側に操作面52を有している。操作面52は平面視の形状が矩形状であり、操作面52には、複数(例えば3つ)の操作ボタン53A~53Cと、複数の発光ダイオード54Aとが配置されている。また、操作器50の筐体51には、エアホース(ホースモジュール60)を接続するコネクタ55が設けられている。エアホース(ホースモジュール60)を接続するコネクタ55が操作器50の筐体51に一体化されているので、部品数を減らすことができる。なお、コネクタ55は操作器50の筐体51の下面に設けられており、コネクタ55に対してエアホース(ホースモジュール60)が下側から接続される。これにより、コネクタ55に接続されたエアホース(ホースモジュール60)は、コネクタ55から下向きに延びているので、エアホース(ホースモジュール60)が脚900に当たる可能性を低減できる。
【0042】
また、操作器50の下面には、例えばACアダプタ80の電源コード81に設けられたピンプラグ82が接続可能なピンジャック56が設けられている。
【0043】
本実施形態では、ホースモジュール60は、第1及び第3のエアバッグ31,33に繋がる3本のエアホースと、右脚用アタッチメント10Rに設けられたヒータブロック76Rに給電するための電源コードと、を束ねて構成されている。プラグ68には、3本のエアホースにそれぞれ接続された3個の第1接続口と、電源コードに電気的に接続されたピンプラグと、が設けられている。コネクタ55には、プラグ68に設けられた複数の第1接続口にそれぞれ接続される複数の第2接続口と、プラグ68に設けられたピンプラグに接続されるピンジャックとが設けられている。ここで、プラグ68がコネクタ55に接続された状態では、右脚用アタッチメント10Rが備える第1及び第3のエアバッグ31,33が、左脚用アタッチメント10Lに設けられた複数の三方電磁弁75に接続される。また、右脚用アタッチメント10Rに設けられたヒータブロック76Rが左脚用アタッチメント10Lに設けられたヒータ駆動部58に電気的に接続される。
【0044】
ここで、操作器50(筐体51)の上部は、横から見て、上側ほど厚みが薄くなる先細りの形状に形成されている。筐体51の上部の厚み寸法D1は、筐体51の下部の厚み寸法D2に比べて小さい寸法に形成されているので、操作面52に配置された操作ボタン53A~53Cの操作がしやすくなり、また発光ダイオード54Aによる表示が見やすくなる。
【0045】
ところで、取付片723は、内ケース72の上部の右端部分から上向きに突出しているので、使用者U1が左脚用アタッチメント10Lを装着した状態で、操作器50が左脚の脹脛の真後ろよりもやや右側(内股より)に配置されることになる。つまり、操作器50は、第1脚帯部21において使用者U1の脹脛に被さる部位のうちの内側に配置されているので、操作器50に設けられた操作部53の操作がしやすくなり、また表示部54の表示が見やすくなる、という利点がある。また、ホースモジュール60のプラグ68を操作器50のコネクタ55に接続した場合、ホースモジュール60は、右脚用アタッチメント10Rの第1脚帯部21の左側の部位と、左脚用アタッチメント10Lの第1脚帯部21の右側の部位との間に配置される。したがって、エアーマッサージ装置1を装着した使用者U1が足を動かす際にホースモジュール60に引っ掛かる可能性を低減できる。また、ホースモジュール60の長さを短くできるので、エアーマッサージ装置1を収納する際に収納スペースを小さくできるという利点もある。
【0046】
左脚用アタッチメント10Lの足用アタッチメント13は、使用者U1の左脚900Lの足930に装着される。足用アタッチメント13は、脚帯部(第3脚帯部)23と、エアバッグ(第3のエアバッグ)33と、を含んでいる。
【0047】
第3脚帯部23は、合成繊維(例えばポリエステル繊維等)で形成された外布231と、合成繊維(例えばナイロン繊維等)で形成された内布232とを縫製して袋状に形成されている。以下の説明において、第3脚帯部23の外布231を第3の外布231と言い、第3脚帯部23の内布232を第3の内布232と言う場合もある。下腿部用アタッチメント11(第1脚帯部21)と足用アタッチメント13(第3脚帯部23)とは、使用者U1の足930の踵側で連結されており、第3脚帯部23と第1脚帯部21とは一体に形成されている。ここで、第1脚帯部21が筒状に巻かれた下腿部用アタッチメント11と足用アタッチメント13とがブーツ形状を形成しているので、アタッチメント10を自立した状態で床等に置くことができる。また、下腿部用アタッチメント11(第1脚帯部21)と足用アタッチメント13(第3脚帯部23)とは足首の前側では分離されているので、足を動かす際にアタッチメント10が邪魔になりにくいという利点がある。
【0048】
第3脚帯部23の大きさは、使用者U1の足930を覆うことが可能な程度の大きさに設定されている。第3脚帯部23は、使用者U1の足930が載せられる中央部23Cと、第1端部23Aと、第2端部23Bと、を備える。第1端部23Aは、中央部23Cの左端部から折り返されて足930の表側の一部を覆う。第2端部23Bは、中央部23Cの右端部から折り返されて第1端部23Aの上面に貼付けられる。ここで、第1端部23Aのつま先部分を中央部23Cに縫い合わせることによって、足先が挿入されるポケット部分が設けられている。
【0049】
第3脚帯部23の中央部23Cには、足930の踵を載せる受け皿が設けられているのが好ましい。中央部23Cに設けられた受け皿に踵を載せ、第3脚帯部23の先端のポケット部分に足先を入れることで、足930の位置決めが容易になり、足930に第3脚帯部23を装着する作業がやり易くなる。また、第3脚帯部23の中央部23Cには、ヒータブロック76Lが配置されており、ヒータブロック76Lにより足930を加温することができる。また、第3脚帯部23の中央部23Cには、上向きの突起を有する足裏用パッドを収容するポケットが設けられている。ポケット内に足裏用パッドを入れておくことによって、足930のマッサージを行う際に、足裏用パッドの突起によって足930に刺激を与えることができる。
【0050】
第3脚帯部23の左側の第1端部23Aの外側面には面状ファスナを構成するフック431が設けられている。第3脚帯部23の右側の第2端部23Bの内側面には、面状ファスナを構成するループ432が設けられている。フック431とループ432とが貼り合わされることで、第3脚帯部23の第1端部23Aと第2端部23Bとが結合される。すなわち、フック431とループ432とで、第3脚帯部23の第1端部23Aと第2端部23Bとを連結する連結部43が構成される。
【0051】
第3脚帯部23には、足930をマッサージするための第3のエアバッグ33が内蔵されている。
図5は第3のエアバッグ33の一例を示す平面図である。第3のエアバッグ33にエアポンプ74から空気が送られると、第3のエアバッグ33が膨張し、足930が圧迫される。一方、第3のエアバッグ33に充填された空気が排出されると、第3のエアバッグ33が収縮する。第3のエアバッグ33が膨張及び収縮を繰り返すことで、足930のマッサージが行われる。なお、第3のエアバッグ33は1つのエアバッグを含んでいるが、第3のエアバッグ33は2つ以上のエアバッグを含んでもよい。
【0052】
(1.2.2)使用方法の説明
本実施形態のエアーマッサージ装置1の使用方法を説明する。
【0053】
本実施形態では、第1脚帯部21に下面73がC形の支柱部品70が内蔵されているので、支柱部品70によって第1脚帯部21が倒れるのを防止でき、第1脚帯部21と第3脚帯部23とでブーツ形状を形成して自立することができる。収納状態のアタッチメント10は、ブーツのように自立した状態で床等に置いておくことができるので、アタッチメント10をコンパクトに収納できる。
【0054】
次に、アタッチメント10を装着する手順について説明する。
【0055】
使用者U1は、下腿部用アタッチメント11の第1脚帯部21に設けられたループ412をフック411から剥がし、第1脚帯部21及び第3脚帯部23に足930を入れる。ここで、第1脚帯部21には支柱部品70が内蔵されているので、支柱部品70が配置されている部位を持って足930を入れることができ、また支柱部品70が靴篦として機能するので、足930をスムーズに入れることができる。
【0056】
使用者U1は、自身の下腿部910の太さに合わせて、第1脚帯部21の第1端部21Aと第2端部21Bとの結合位置を調整し、フック411をループ412に貼付けることによって第1端部21Aと第2端部21Bとを結合する。
【0057】
次に、使用者U1は、自身の足930の大きさに合わせて、第3脚帯部23の第1端部23Aと第2端部23Bとの結合位置を調整し、フック431をループ432に貼付けることによって第1端部23Aと第2端部23Bとを結合する。
【0058】
これにより、使用者U1は、第1脚帯部21と第2脚帯部22とを自身の脚900及び足930に装着できる。使用者U1は左右の脚900及び足930に左脚用アタッチメント10L及び右脚用アタッチメント10Rをそれぞれ装着すると、右脚用アタッチメント10Rから引き出されたホースモジュール60を、左脚用アタッチメント10Lに設けられた操作器50のコネクタ55に接続する。また、使用者U1は、ACアダプタ80のピンプラグ82を操作器50のピンジャック56に接続した後、ACアダプタ80をコンセントに接続して、エアーマッサージ装置1を使用可能な状態とする。
【0059】
その後、使用者U1は、操作器50の操作ボタン53A~53Cを操作することで、所望の部位及び強度で脚900のマッサージを行うことができる。
【0060】
次に、エアーマッサージ装置1を用いたマッサージを終了した後に、使用者U1がアタッチメント10を脱いで、エアーマッサージ装置1を収納する手順について説明する。
【0061】
使用者U1がアタッチメント10を脱ぐ場合、使用者U1は、下腿部用アタッチメント11の第1脚帯部21に設けられたループ412をフック421から剥がし、第2端部21Bを外側に折り返した状態とする。第2端部21Bの折り返し部分にはつまみ縫いが施されているので、第2端部21Bは外側に折り返された状態で保持される。このとき、第1脚帯部21は、閉じた筒状とはなっていないが、ほぼ筒状に形成されている。
【0062】
次に、使用者U1は、下腿部用アタッチメント11から足を引き抜き、ACアダプタ80をコンセントから抜き、プラグ68及びピンプラグ82をコネクタ55及びピンジャック56から抜く。そして、使用者U1は、第1脚帯部21の第2端部21Bを第1端部21Aの前側に重ねて、第2端部21Bを第1端部21Aと結合した状態とする。
【0063】
ここで、アタッチメント10はブーツ形状に形成され、第1脚帯部21に内蔵された支柱部品70によって自立する。したがって、エアーマッサージ装置1を使用しない状態では、ブーツのように、右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lを床等の上に置いておくことができ、コンパクトに収納できる。
【0064】
(2)実施形態2
実施形態2に係るエアーマッサージ装置1について
図9~
図20を参照して説明する。
【0065】
実施形態2に係るエアーマッサージ装置1は、
図9~
図12に示すように、右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lが、それぞれ、使用者U1の大腿部920に装着される大腿部用アタッチメント12を更に備える点で実施形態1と相違する。なお、実施形態1に係るエアーマッサージ装置1と共通する構成要素については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0066】
(2.1)構成
以下、本実施形態に係るエアーマッサージ装置1について図面を参照して詳しく説明する。
【0067】
右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lの各々は、下腿部用アタッチメント11及び足用アタッチメント13に加え、使用者U1の大腿部920に装着される大腿部用アタッチメント(以下では第2アタッチメントと言う場合もある)12を更に備えている。大腿部用アタッチメント12は、収納状態では、下腿部用アタッチメント11の外周に重ねて配置可能である。また、右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lの各々は、下腿部用アタッチメント11と大腿部用アタッチメント12とが相対的に移動可能なように下腿部用アタッチメント11と大腿部用アタッチメント12とを連結する連結帯14を更に備えている。
【0068】
なお、大腿部用アタッチメント12及び連結帯14を備える点を除いては実施形態1と共通するので、実施形態1と共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0069】
大腿部用アタッチメント12は、大腿部920に巻き付けられる脚帯部22と、脚帯部22に内蔵されたエアバッグ32(
図16参照)と、を備える。以下では、大腿部用アタッチメント12が備える脚帯部22を第2脚帯部22と言い、第2脚帯部22に内蔵されたエアバッグ32を第2のエアバッグ32と言う場合もある。
【0070】
図16は第2のエアバッグ32の一例を示す平面図である。本実施形態では、第2のエアバッグ32が、膝上付近をマッサージするための膝上用エアバッグ321と、膝裏及び太もも裏付近をマッサージするための膝裏/太もも裏用エアバッグ322と、太ももの上側をマッサージするための太腿上用エアバッグ323と、を含んでいる。なお、第2のエアバッグ32が3つのエアバッグを含むことは必須ではなく、1つ又は2つのエアバッグを含んでもよいし、4つ以上のエアバッグを含んでもよい。また、
図15は第1のエアバッグ31の一例を示す平面図であり、第1のエアバッグ31は、足首付近をマッサージするための足首用エアバッグ311と、脹脛付近をマッサージするための脹脛用エアバッグ312と、を含んでいる。また、
図17は第3のエアバッグ33の一例を示す平面図であり、第3のエアバッグ33は、足930をマッサージするための1つのエアバッグを含む。
【0071】
本実施形態では右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lが第1~第3のエアバッグ31~33を備えているので、エアポンプ74は、右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lに設けられた第1~第3のエアバッグ31~33に空気を送り込む。
【0072】
また、エアーマッサージ装置1は、
図18に示すように、制御部57からの制御信号に応じて、複数のエアバッグの各々をエアポンプ74又は排気口に接続することで、複数のエアバッグを膨張又は収縮させる複数の三方電磁弁75を備えている。なお、右脚用アタッチメント10Rからは、右脚用アタッチメント10Rに内蔵された複数のエアバッグと、左脚用アタッチメント10Lに内蔵された複数の三方電磁弁75との間を接続するためのホースモジュール60が導出されている。ホースモジュール60は、複数本(例えば6本)のエアホース61~66を束ねて構成されている。なお、ホースモジュール60には、右脚用アタッチメント10Rに設けられたヒータブロック76Rに給電するための電源コードも、エアホース61~66と一緒に束ねられている。ホースモジュール60の先端には、操作器50に設けられたコネクタ55に接続可能なプラグ68が設けられている。
【0073】
次に、右脚用アタッチメント10Rを例にアタッチメント10の説明を行う。なお、下腿部用アタッチメント11及び足用アタッチメント13は実施形態1と同様の構成を有しているので、その説明は省略し、主として大腿部用アタッチメント12について説明を行う。
【0074】
右脚用アタッチメント10Rの大腿部用アタッチメント12は、使用者U1の右脚900Rの大腿部920に装着される第2脚帯部22を備える。
【0075】
第2脚帯部22は、合成繊維(例えばポリエステル繊維等)で形成された外布221と、合成繊維(例えばナイロン繊維等)で形成された内布222とを縫製して袋状に形成されている。以下の説明において、第2脚帯部22の外布221を第2の外布221と言い、第2脚帯部22の内布222を第2の内布222と言う場合もある。
【0076】
第2脚帯部22の縦の寸法は、大腿部920のマッサージ部位を覆うことが可能な程度の寸法に設定されている。第2脚帯部22が展開された状態で、第2脚帯部22の横の寸法は、大腿部920の平均的な周囲長よりも長い寸法に設定されている。
【0077】
第2脚帯部22の右側の第1端部22Aの外側面(つまり第2の外布221の右端部)には面状ファスナを構成するフック421が設けられている。第2脚帯部22の左側の第2端部22Bの内側面(つまり第2の内布222の左端部)には、面状ファスナを構成するループ422が設けられている。フック421とループ422とが貼り合わされることで、第2脚帯部22の第1端部22Aと第2端部22Bとが結合される。すなわち、フック421とループ422とで、第2脚帯部22の第1端部22Aと第2端部22Bとを連結する第1連結部42が構成される。第1連結部42により第2脚帯部22の第1端部22Aと第2端部22Bとが連結された状態では、第2脚帯部22は筒状に形成される。
【0078】
ここにおいて、第2端部22Bの折り曲げ部位を部分的につまみ縫いしておくことが好ましい。ループ422がフック421から剥がされた場合に、第2端部22Bが外側に折り返された状態で保持されるので、ループ422がフック421に意図せずに貼り付く可能性を低減できる。なお、第2端部22Bを折り返した状態で仮保持するために、第2端部22Bの外側面と、第2の外布221において第2端部22Bの外側面が接触する部位とに仮固定のための面状ファスナを設けてもよい。面状ファスナによって第2端部22Bの外側面が折り返された状態が保たれるので、ループ422がフック421に意図せずに貼り付く可能性を低減できる。
【0079】
また、第2脚帯部22において、第1端部22Aの上部と、第2端部22Bの上部とは、第2連結部44を介して連結されている。すなわち、第2連結部44が、第1端部22Aの上部と、第2端部22Bの上部とを連結することによって、第2脚帯部22の上部が環状に形成されている。したがって、第1連結部42による連結が解除された状態でも、第2脚帯部22の一部(本実施形態では第2脚帯部22の上部)は第2連結部44によって環状に保たれている。ここで、第2連結部44によって環状に形成された第2脚帯部22の環状部分22Cよりも、筒状に巻かれた第1脚帯部21が小さいので、筒状に巻かれた第1脚帯部21の外周に第2脚帯部22を配置することができる。なお、第2連結部44は、伸縮性を有する材料で形成されている。第2連結部44は、例えばポリエステル繊維、又はポリウレタン系合成繊維で形成された織りゴムで実現されており、第2連結部44が伸張することで、第2脚帯部22の環状部分22Cの大きさを拡げることができ、第2脚帯部22の環状部分22Cを第1脚帯部21の外周に配置する作業を容易に行うことができる。なお、第2連結部44は、捻れにくいようにある程度の幅を有していることが好ましく、第2連結部44の幅は、例えば30~60mmであることが好ましく、本実施形態では例えば50mmである。また、第2連結部44は、第2脚帯部22において、使用者U1が握る部位を除いた最小の範囲に設けられるのが好ましく、第2脚帯部22の中心位置が大腿部920の中心からずれにくくすることができる。また、第2連結部44は、第1端部22A及び第2端部22Bの少なくとも一方に対して着脱可能に構成されていてもよい。
【0080】
第2脚帯部22の上端部(大腿部920の付け根側の端部)の周長は、第2脚帯部22の下端部(大腿部920の膝側の端部)の周長に比べて大きい寸法に設定されており、第2脚帯部22が大腿部920にフィットしやすくなっている。
【0081】
また、第2脚帯部22の内部には、第1端部22Aの先端部と、第2端部22Bの折れ曲がり部位とに、縦長の補強部材25が内蔵されている。また、第2端部22Bには、横長の補強部材26が、上下に並んで内蔵されている。補強部材25は、例えば合成樹脂により縦長の矩形板状に形成されており、補強部材25の長手方向において第2脚帯部22が形状を保ちやすくなっている。また、2つの補強部材26の各々は、例えば合成樹脂により横長の矩形板状に形成されており、補強部材26の長手方向において第2脚帯部22の第2端部22Bが形状を保ちやすくなっている。このように、本実施形態では、右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lの各々には、第2脚帯部22において使用者U1の大腿部920に被さる部位に補強部材25,26が内蔵されている。補強部材25,26により第2脚帯部22の形状が保たれるので、第2脚帯部22の着脱の手間を低減でき、また第1脚帯部21の外周に第2脚帯部22を配置する作業を容易に行えるという利点がある。なお、補強部材25,26の数、形状、及び配置位置は適宜変更が可能である。また、第2脚帯部22に補強部材25,26を設けることは必須ではなく、補強部材25,26を適宜省略してもよい。
【0082】
ここで、大腿部用アタッチメント12の第2脚帯部22の下部は、連結帯14を介して、下腿部用アタッチメント11の第1脚帯部21に繋がっている。連結帯14は、下腿部用アタッチメント11と大腿部用アタッチメント12とが相対的に移動可能なように下腿部用アタッチメント11と大腿部用アタッチメント12とを連結している。具体的には、連結帯14は、使用者U1の脚900の後側で、第1脚帯部21と第2脚帯部22とを連結している。連結帯14は、外布と内布とを袋状に縫製して形成されており、第1脚帯部21と連結帯14と第2脚帯部22とは一体に形成されている。下腿部用アタッチメント11と大腿部用アタッチメント12とが連結帯14で連結されているので、下腿部用アタッチメント11と大腿部用アタッチメント12とがばらばらにならず、また連結帯14が捻れているか否かで大腿部用アタッチメント12が適切な位置に取り付けられているか否かを判断することができる。
【0083】
連結帯14の内部には、大腿部用アタッチメント12が備える第2のエアバッグ32に空気を送るためのエアホースが通されているので、第1脚帯部21の外周に第2脚帯部22を重ねる際にエアホースが邪魔にならず、作業がやりやすいという利点がある。また、連結帯14の内部にエアホースが通されているので、外観の見栄えが向上するという利点もある。
【0084】
連結帯14の長さは、第1脚帯部21が下腿部910に巻き付けられ、かつ、第2脚帯部22が大腿部920に巻き付けられた状態で、第1脚帯部21と第2脚帯部22との間を連結可能な寸法に設定されている。したがって、ブーツ形状を形成する足用アタッチメント13及び下腿部用アタッチメント11に使用者U1の足930及び下腿部910が挿入された状態から、下腿部用アタッチメント11の外周に配置された大腿部用アタッチメント12を使用者U1の大腿部920に移動させることで、大腿部用アタッチメント12が使用者U1の大腿部920に装着される。
【0085】
また、ブーツ形状を形成する足用アタッチメント13及び下腿部用アタッチメント11に使用者U1の足930及び下腿部910が挿入され、大腿部用アタッチメント12が使用者U1の大腿部920に装着された状態から、大腿部用アタッチメント12を使用者U1の下腿部910に移動させることで、大腿部用アタッチメント12が下腿部用アタッチメント11の外周に配置される。このとき、連結帯14は、第1脚帯部21と、第1脚帯部21の外周に配置された第2脚帯部22との間に配置されている。ここで、連結帯14の下端が、エアーマッサージ装置1が置かれている床等に擦れないように、連結帯14の長さは設定されている。また、第2脚帯部22の環状部分22Cを脚900に通した状態で第2脚帯部22を移動させるので、第2脚帯部22を移動させる際に第2脚帯部22が脚900から外れにくくなり、第2脚帯部22を移動させる作業がやりやすいという利点がある。
【0086】
(2.2)使用方法の説明
本実施形態のエアーマッサージ装置1の使用方法を
図13,
図14、
図19及び
図20等に基づいて説明する。
【0087】
図13及び
図14は、右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lの収納状態を示している。収納状態では、第3脚帯部23の第1端部23Aの上に第2端部23Bが被せられ、フック431をループ432に貼付けられている。第1脚帯部21の第2端部21Bに設けられたループ412が第1端部21Aに設けられたフック411から剥がされ、第2端部21Bが外側に折り返されている。なお、第1端部21Aの先端が第2端部21Bに連結されていないため、第1脚帯部21は、完全な筒状に形成されていないが、筒状に巻かれた状態で保持されている。そして、筒状に巻かれた第1脚帯部21の外周には、第2脚帯部22が配置されている。ここで、第2脚帯部22のループ422はフック421から外されており、第2連結部44によって第2脚帯部22の上部のみが環状に形成され、第2脚帯部22は下側が拡げられた状態となっている。この第2脚帯部22を第1脚帯部21の外周に被せると、第2脚帯部22が第1脚帯部21の外周に配置された状態で保持される。
【0088】
なお、第1脚帯部21には、下面73がC形の支柱部品70が内蔵されているので、支柱部品70によって第1脚帯部21が倒れるのを防止でき、第1脚帯部21と第3脚帯部23とでブーツ形状を形成して自立することができる。収納状態のアタッチメント10は、ブーツのように自立した状態で床等に置いておくことができるので、アタッチメント10をコンパクトに収納できる。
【0089】
次に、アタッチメント10を装着する手順について説明する。
図19に示すように、使用者U1は、収納状態のアタッチメント10(図示例は左脚用アタッチメント10L)の第1脚帯部21に足930を入れ、足930を第3脚帯部23まで差し込み、下腿部910を第1脚帯部21に挿入する。ここで、第1脚帯部21には支柱部品70が内蔵されているので、支柱部品70が配置されている部位を持って足930を入れることができ、また支柱部品70が靴篦として機能するので、足930をスムーズに入れることができる。
【0090】
その後、使用者U1は、第1脚帯部21の外周に配置された第2脚帯部22を大腿部920に向かって引き上げて、第2脚帯部22を大腿部920に移動させる(
図20参照)。
【0091】
ここで、第2脚帯部22の第2の内布222には、第2の内布222の中央部に半球状の突起が設けられており、使用者U1は、この突起が大腿部920の中心に一致するように第2脚帯部22の位置を合わせる。使用者U1は、自身の大腿部920の太さに合わせて、第2脚帯部22の第1端部22Aと第2端部22Bとの結合位置を調整し、フック421をループ422に貼付けることによって第1端部22Aと第2端部22Bとを結合する。
【0092】
また、使用者U1は、自身の下腿部910の太さに合わせて、第1脚帯部21の第1端部21Aと第2端部21Bとの結合位置を調整し、フック411をループ412に貼付けることによって第1端部21Aと第2端部21Bとを結合する。ここで、第1端部21Aの先端部分には、上下方向における中央位置に目印のタグ24(
図11及び
図12参照)が設けられており、使用者U1は第1端部21Aのタグ24付近を持って、第2端部21Bに貼付ける。これにより、第1端部21Aと第2端部21Bとが適正な位置で貼付けられるから、フック411とループ412とを強固に結合でき、第1端部21Aと第2端部21Bとが外れにくくなるという利点がある。
【0093】
最後に、使用者U1は、自身の足930の大きさに合わせて、第3脚帯部23の第1端部23Aと第2端部23Bとの結合位置を調整し、フック431をループ432に貼付けることによって第1端部23Aと第2端部23Bとを結合する。
【0094】
これにより、使用者U1は、第1脚帯部21と第2脚帯部22と第3脚帯部23とを自身の脚900及び足930に装着できる。使用者U1は左右の脚900及び足930に左脚用アタッチメント10L及び右脚用アタッチメント10Rをそれぞれ装着すると、右脚用アタッチメント10Rから引き出されたホースモジュール60を、左脚用アタッチメント10Lに設けられた操作器50のコネクタ55に接続する。また、使用者U1は、ACアダプタ80のピンプラグ82を操作器50のピンジャック56に接続した後、ACアダプタ80をコンセントに接続して、エアーマッサージ装置1を使用可能な状態とする。
【0095】
その後、使用者U1は、操作器50の操作ボタン53A~53Cを操作することで、所望の部位及び強度で脚900のマッサージを行うことができる。
【0096】
次に、エアーマッサージ装置1を用いたマッサージを終了した後に、使用者U1がアタッチメント10を脱いで、エアーマッサージ装置1を収納する手順について説明する。
【0097】
使用者U1がアタッチメント10を脱ぐ場合、使用者U1は、まず大腿部用アタッチメント12の第2脚帯部22に設けられたループ422をフック421から剥がし、第2脚帯部22の上部のみが第2連結部44によって環状に形成された状態とする。ループ422をフック421から剥がして、第2端部22Bを外側に折り返すと、第2端部22Bの折り返し部分にはつまみ縫いが施されているので、第2端部22Bは外側に折り返された状態で保持される。また、第2脚帯部22は上部のみが第2連結部44で連結されているので、第2脚帯部22の下側を拡げることができる。
【0098】
次に、使用者U1は、下腿部用アタッチメント11の第1脚帯部21に設けられたループ412をフック411から剥がし、第2端部21Bを外側に折り返した状態とする。第2端部21Bの折り返し部分にはつまみ縫いが施されているので、第2端部21Bは外側に折り返された状態で保持される。このとき、第1脚帯部21は、閉じた筒状とはなっていないが、ほぼ筒状に形成されている。
【0099】
その後、使用者U1は、大腿部920に装着されている第2脚帯部22を下腿部910に移動させ、筒状に巻かれた第1脚帯部21の外周に、上部が環状に形成された第2脚帯部22を配置する。
【0100】
そして、使用者U1は、足用アタッチメント13の第3脚帯部23の第2端部23Bを第1端部23Aから剥がし、第3脚帯部23を緩めた状態で、アタッチメント10から脚900及び足930を引き抜く。使用者U1は、アタッチメント10から脚900及び足930を引き抜くと、第3脚帯部23の第2端部23Bを第1端部23Aの上に重ねて連結部43により連結し、第2脚帯部22の第2端部22Bを第1端部22Aの上に重ねて第2連結部44により連結する。これにより、アタッチメント10はブーツ形状に形成され、第1脚帯部21に内蔵された支柱部品70によって自立する。
【0101】
使用者U1は、右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lを脱ぐと、ACアダプタ80をコンセントから抜き、プラグ68及びピンプラグ82をコネクタ55から抜いて、エアーマッサージ装置1を収納状態とする。
【0102】
以上のように、エアーマッサージ装置1を使用しない状態では、ブーツのように、右脚用アタッチメント10R及び左脚用アタッチメント10Lを床等の上に置いておくことができ、コンパクトに収納できる。
【0103】
(3)変形例
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0104】
上記実施形態のエアーマッサージ装置1は、複数のエアバッグを備えているが、エアバッグの個数及び位置は、マッサージを行う部位に応じて適宜変更が可能である。
【0105】
上記実施形態のエアーマッサージ装置1は、使用者U1の足930を加温するためのヒータブロック76R,76Lを備えているが、下腿部910又は大腿部920を加温するためのヒータブロックを備えてもよい。なお、エアーマッサージ装置1において、ヒータブロック76R,76Lは必須の構成ではなく、ヒータブロック76R,76Lは適宜省略が可能である。
【0106】
上記実施形態のエアーマッサージ装置1において、下腿部用アタッチメント11の第1脚帯部21には、脛を押す突起が設けられた脛用パッドを収容するポケットが設けられていてもよい。第1脚帯部21のポケットに脛用パッドを入れた状態でマッサージを行うことで、脛用パッドの突起により脛に刺激を加えることができ、マッサージ効果を高めることができる。
【0107】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様のエアーマッサージ装置(1)は、使用者(U1)の右脚(900R)又は左脚(900L)に装着されるアタッチメント(10)を備える。アタッチメント(10)は、使用者(U1)の下腿部(910)に装着される下腿部用アタッチメント(11)と、使用者(U1)の足(930)に装着される足用アタッチメント(13)と、を備える。下腿部用アタッチメント(11)は、外布(211)と内布(212)とで袋状に形成されて下腿部(910)に巻き付けられる脚帯部(21)と、脚帯部(21)に内蔵されるエアバッグ(31)と、を有する。脚帯部(21)が筒状に巻かれた下腿部用アタッチメント(11)と足用アタッチメント(13)とがブーツ形状を形成する。脚帯部(21)において使用者(U1)の脹脛に被さる部位に、使用者(U1)の脹脛に沿って配置される支柱部品(70)が設けられている。
【0108】
この態様によれば、下腿部用アタッチメント(11)の脚帯部(21)には支柱部品(70)が配置されているので、脚帯部(21)が形状を保ち易くなる。したがって、下腿部用アタッチメント(11)と足用アタッチメント(13)とでブーツ形状を維持しやすくなり、エアーマッサージ装置(1)を装着する手間を軽減できる。また、エアーマッサージ装置(1)を装着する際には、支柱部品(70)に沿って脚帯部(21)内に脚を入れることができ、装着の手間を軽減可能なエアーマッサージ装置(1)を実現できる。
【0109】
第2の態様のエアーマッサージ装置(1)では、第1の態様において、支柱部品(70)は、使用者(U1)の踵から膝下までの範囲内に設けられている。
【0110】
この態様によれば、支柱部品(70)によって脚帯部(21)が形状を保ち易くなり、下腿部用アタッチメント(11)と足用アタッチメント(13)とでブーツ形状を保ちやすいという利点がある。
【0111】
第3の態様のエアーマッサージ装置(1)では、第1又は第2の態様において、支柱部品(70)の内布(212)側の面は、後ろ向きに凸となる曲面部分(721)を含む。
【0112】
この態様によれば、支柱部品(70)が使用者(U1)の脹脛に沿った形状を有しているので、下腿部用アタッチメント(11)を装着しやすいという利点がある。
【0113】
第4の態様のエアーマッサージ装置(1)では、第1~第3のいずれかの態様において、支柱部品(70)の下部に、使用者(U1)の踵との干渉を避けるための凹部(722)が設けられている。
【0114】
この態様によれば、下腿部用アタッチメント(11)を装着しやすいという利点がある。
【0115】
第5の態様のエアーマッサージ装置(1)では、第1~第4のいずれかの態様において、下腿部用アタッチメント(11)と足用アタッチメント(13)とは、使用者(U1)の足(930)の踵側で連結されている。
【0116】
この態様によれば、下腿部用アタッチメント(11)と足用アタッチメント(13)とは足首の前側では互いに分離された形状に形成できるので、足を動かす際にアタッチメント(10)が邪魔になりにくいという利点がある。
【0117】
第6の態様のエアーマッサージ装置(1)では、第1~第5のいずれかの態様において、支柱部品(70)には、マッサージに関する操作を行うための操作器(50)が取り付けられている。操作器(50)は外布(211)の表面に露出している。
【0118】
この態様によれば、支柱部品(70)に操作器(50)が取り付けられているので、操作器(50)を右脚用アタッチメント(10R)又は左脚用アタッチメント(10L)と一体化することができ、エアーマッサージ装置(1)の小型化を図ることができる。
【0119】
第7の態様のエアーマッサージ装置(1)では、第6の態様において、操作器(50)の上部が、上側ほど厚みが薄くなる先細りの形状に形成されている。
【0120】
この態様によれば、アタッチメント(10)を脚に装着した使用者(U1)から、操作器(50)の表面が見えやすくなり、操作器(50)の表面に設けられた操作部(53)を操作しやすくなるという利点がある。
【0121】
第8の態様のエアーマッサージ装置(1)では、第6又は第7の態様において、操作器(50)は、脚帯部(21)において使用者(U1)の脹脛に被さる部位のうちの内側に配置されている。
【0122】
この態様によれば、アタッチメント(10)を脚に装着した使用者(U1)から、操作器(50)の表面が見えやすくなり、操作器(50)の表面に設けられた操作部(53)を操作しやすくなるという利点がある。
【0123】
第9の態様のエアーマッサージ装置(1)では、第6~第8のいずれかの態様において、アタッチメント(10)は、右脚用アタッチメント(10R)と、左脚用アタッチメント(10L)と、を含む。右脚用アタッチメント(10R)は使用者(U1)の右脚(900R)に装着され、左脚用アタッチメント(10L)は使用者(U1)の左脚(900L)に装着される。右脚用アタッチメント(10R)及び左脚用アタッチメント(10L)のうち操作器(50)が設けられているアタッチメント(10)の支柱部品(70)には、エアバッグ(31)に空気を送り込むエアポンプ(74)が設けられる。右脚用アタッチメント(10R)及び左脚用アタッチメント(10L)のうち、エアポンプ(74)が設けられているアタッチメント(10)と、エアポンプ(74)が設けられていないアタッチメント(10)とは、エアポンプ(74)から空気が供給されるエアホース(61~66)を介して接続されている。
【0124】
この態様によれば、右脚用アタッチメント(10R)と左脚用アタッチメント(10L)とをエアホース(61~66)で接続するだけでよく、エアポンプ(74)が右脚用アタッチメント(10R)及び左脚用アタッチメント(10L)とは別の筐体に収容されている場合に比べて、エアホースの数を削減できる。
【0125】
第10の態様のエアーマッサージ装置(1)では、第9の態様において、操作器(50)の筐体(51)に、エアホース(61~66)を接続するコネクタ(55)が設けられている。
【0126】
この態様によれば、エアホース(61~66)を接続するコネクタ(55)が操作器(50)の筐体(51)に一体化されているので、部品数を削減できる。
【0127】
第11の態様のエアーマッサージ装置(1)では、第10の態様において、コネクタ(55)は操作器(50)の筐体(51)の下面に設けられ、コネクタ(55)に対してエアホース(61~66)が下側から接続される。
【0128】
この態様によれば、コネクタ(55)に接続されたエアホース(61~66)は、コネクタ(55)から下向きに導出されるので、エアホース(61~66)が脚に当たる可能性を低減できる。
【0129】
第2~第11の態様に係る構成については、エアーマッサージ装置(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0130】
1 エアーマッサージ装置
10 アタッチメント
10L 左脚用アタッチメント
10R 右脚用アタッチメント
11 下腿部用アタッチメント
13 足用アタッチメント
21 脚帯部
31 エアバッグ
50 操作器
51 筐体
55 コネクタ
61~66 エアホース
70 支柱部品
74 エアポンプ
211 外布
212 内布
721 曲面部分
722 凹部
900L 左脚
900R 右脚
910 下腿部
930 足
U1 使用者