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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ピッキング装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 13/02 20060101AFI20240920BHJP
   B65G 1/08 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B65G13/02
B65G1/08 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020036357
(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公開番号】P2021123501
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2020015383
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】中村 竜彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幸治
(72)【発明者】
【氏名】横矢 重治
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】実用新案登録第2579486(JP,Y2)
【文献】特開2013-216452(JP,A)
【文献】特公昭56-018482(JP,B1)
【文献】特開平10-120125(JP,A)
【文献】実公平08-001202(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 13/02
B65G 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容可能な収容体を搬送する搬送路を構成する
搬送手段と、
記搬送路を跨ぐように配されてなる物品保管機構であって、
前記搬送路の、一方側及び他方側に、配置される保管棚であって、
互いに、上側ほど接近し下側ほど離間するように傾斜して、
前記搬送路方向に沿って並置される、
保管棚を有し、
外観すると略Aの字形を呈する
物品保管機構と、
前記物品保管機構に保管された物品を前記搬送路側に排出する物品排出手段を有し、
前記搬送手段は、搬送方向に沿って延びる走行体、又は搬送方向に間隔を置いて複数の回転体が配置された回転体列を有し、
前記搬送路は、前記走行体又は回転体列が、搬送方向と直交する方向に離間して対向配置されて構成されており、
前記走行体同士の間隔、又は前記回転体列同士の間隔は、前記収容体の搬送方向と直交する方向の幅寸法よりは狭く、且つ、作業者が通過可能な大きさであることを特徴とするピッキング装置。
【請求項2】
作業者が、侵入することができる、請求項1に記載のピッキング装置。
【請求項3】
前記搬送路の上流側または下流側から、前記侵入することができる、請求項2に記載のピッキング装置。
【請求項4】
前記各走行体又は各回転体列は、同一の駆動源から動力が伝達されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のピッキング装置。
【請求項5】
前記駆動源は、モータ内蔵ローラであることを特徴とする請求項に記載のピッキング装置。
【請求項6】
搬送路上の収容体を検出するセンサを有し、
前記センサによる収容体の検出情報に基づいて、物品排出手段を制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のピッキング装置。
【請求項7】
前記物品保管機構は、同種の物品を積み重ねて保管する保管棚を有し、
前記保管棚の所定の高さ位置まで物品が積み重なっていることを検出する物品検出センサを有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のピッキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫等に保管されている物品をピッキングするためのピッキング装置に関するものであり、特にA字形フレームを有するピッキング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な形態のピッキング装置が発案されている。その中には、A字形フレームを有するピッキング装置がある。A字形フレームとは、物品を搬送する搬送装置の両側に物品を収容する保管棚が対向配置されており、各保管棚の下部側から上部側へいくほど対向する相手側に接近するように傾斜しており、外観すると、あたかもアルファベットのAの字の形態を呈するピッキング装置である。
【0003】
このようなピッキング装置が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された従来のピッキング装置は、物品を搬送するベルトコンベヤと、A字形を形成してベルトコンベヤを跨ぐように配置されたラック(保管棚)を備えている。
【0004】
そして多数のラックが、ベルトコンベヤの長手方向に沿って配置されており、各ラックには、異なる種類の物品を収容することができる。
このようなピッキング装置では、ベルトコンベヤの両側のラックから様々な種類の物品をベルトコンベヤに排出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-120125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されているようなA字形フレームを有するピッキング装置は、ピッキングした複数種類の物品を、共通のベルトコンベヤを利用して搬送することができるが、物品がベルトコンベヤから逸脱すると、逸脱した物品がベルトコンベヤのいずれかの部位に噛み込み、物品の搬送に支障を来す恐れがある。
【0007】
仮に、物品がベルトコンベヤから落下したり、物品がピッキング装置のいずれかの部位で噛み込んでしまった場合、ベルトコンベヤの搬送方向に沿って多数のA字形のラック(保管棚)が併設されているため、作業者がベルトコンベヤに近づいて、物品を拾ったり、噛み込んだ物品を取り除くことは困難である。
【0008】
ピッキング装置の内部、すなわち対向するラックの間は、非常に狭い空間であり、しかもベルトコンベヤがあるため、作業者は、ラックの間に侵入することができず、ピッキング装置をメンテナンスすることが困難である。
【0009】
そこで本発明は、このような事情に鑑み、多種類の物品をピッキングすることができると共に、ピッキングした多種類の物品を共通の搬送路で搬送することができ、仮に搬送路上で不具合が生じても、不具合が生じた場所に、作業者が容易に近づいてメンテナンスすることができるピッキング装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための様相は、物品を収容可能な収容体を搬送する搬送する搬送路を構成する搬送手段と、前記搬送路の両脇に配置され、骨格構造体と保管棚を有する物品保管機構と、前記物品保管機構に保管された物品を前記搬送路側に排出する物品排出手段を有し、前記搬送手段は、搬送方向に沿って延びる走行体、又は搬送方向に間隔を置いて複数の回転体が配置された回転体列を有し、前記搬送路は、前記走行体又は回転体列が、搬送方向と直交する方向に離間して対向配置されて構成されており、前記走行体同士の間隔、又は前記回転体列同士の間隔は、前記収容体の搬送方向と直交する方向の幅寸法よりは狭く、且つ、作業者が通過可能な大きさであることを特徴とするピッキング装置である。
【0011】
本様相では、搬送路は、走行体又は回転体列が、搬送方向と直交する方向に離間して対向配置されて構成されており、走行体同士の間隔、又は回転体列同士の間隔は、収容体の搬送方向と直交する方向の幅寸法よりは狭く、且つ、作業者が通過可能な大きさであるので、搬送手段は物品を収容した収容体を搬送することができると共に、搬送路に異常が発生した場合には、搬送手段を停止し、搬送路内に作業者が進入し、メンテナンスを行うことができる。
ここで、「走行体同士の間隔、又は回転体列同士の間隔」とは、離間した走行体の間の空間における搬送方向と直交する方向の幅、又は離間した回転体列の間の空間における搬送方向と直交する方向の幅を意味している。
【0012】
前記各走行体又は各回転体列は、同一の駆動源から動力が伝達されるのが好ましい。
【0013】
この構成によれば、各走行体又は各回転体列は、同一の駆動源から動力が伝達されるので、各走行体又は各回転体列は、同期して動作する。そのため、収容体の搬送が安定する。
【0014】
駆動源は、モータ内蔵ローラであるのが好ましい。
【0015】
搬送路上の収容体を検出するセンサを有し、前記センサによる収容体の検出情報に基づいて、物品排出手段を制御する制御手段を有するのが好ましい。
【0016】
この構成によれば、搬送路上の収容体を検出するセンサを有するので、搬送路上における収容体の位置を検出することができる。また、センサによる収容体の検出情報に基づいて、物品排出手段を制御する制御手段を有するので、物品排出手段によって排出した物品を収容体に確実に収容することができる。
【0017】
前記物品保管機構は、同種の物品を積み重ねて保管する保管棚を有し、前記保管棚の所定の高さ位置まで物品が積み重なっていることを検出する物品検出センサを有するのが好ましい。
【0018】
この構成によれば、物品検出センサによって、物品の在庫が所定量以下になったことを検出することができる。
【0019】
前記保管棚の上部に、当該保管棚に保管された物品と同種の物品のサンプルを載置するサンプル載置部を有するのが好ましい。
【0020】
この構成によれば、保管棚の物品の在庫が無くなり、当該保管棚に物品を補充する際、サンプル載置部のサンプル物品を見ることによって、同種の物品を当該保管棚に補充することができる。すなわち、サンプル載置部にサンプル物品が載置されていると、作業者は、当該保管棚にどのような物品が保管されていたのかがわからなくなる事態を回避することができる。
【0021】
前記保管棚の高さ方向の途中の部位に、物品を載置可能で着脱が可能な中間載置部を有するのが好ましい。
【0022】
この構成によれば、保管棚に積み重なった物品が、保管棚の途中の部位に引っ掛かって落下しなくなる事態を回避することができる。すなわち、物品を平面視した大きさが、保管棚の設置面積と同程度であると、物品が若干傾くだけで保管棚に対して物品が強く当接する。その結果、摩擦抵抗が過大となり、保管棚内の途中の部位で引っ掛かって物品が落下しなくなる。ところが、この構成によれば、中間載置部によって、物品の積み重なる数量が限定されるので、保管棚内の物品は、円滑に落下することができる。そして、中間載置部を取り外すと、中間載置部上の物品が落下し、搬送路側へ排出可能になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のピッキング装置は、多種類の物品をピッキングして、共通の搬送路で搬送することができると共に、ピッキング装置内の搬送路に作業者が容易に侵入してメンテナンスを実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施形態に係るピッキング装置の全体斜視図である。
図2図1のピッキング装置の正面図である。
図3図1のピッキング装置の上流側と下流側に、それぞれコンベヤ装置が接続された状態を示す斜視図である。
図4図3の上流側コンベヤ装置に空のトレイが搬送されてきた状態を示す斜視図である。
図5図4のトレイが、ピッキング装置の搬送装置に移動し、保管棚に保管された物品がトレイに投入された状態を示す斜視図である。
図6図5のトレイが、下流側コンベヤ装置に移動した状態を示す斜視図である。
図7】搬送装置上のトレイに物品が投入されている状態を示すピッキング装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら説明する。
図1図2に示すように、ピッキング装置1は、搬送装置2(搬送手段)、物品保管機構3、複数の物品排出装置4(物品排出手段)を有する。また、ピッキング装置1の両側には、図3に示すような上流側コンベヤ11、下流側コンベヤ12が配置されている。上流側コンベヤ11、下流側コンベヤ12は、本実施形態ではローラコンベヤである。
【0026】
搬送装置2は、上流側コンベヤ11及び下流側コンベヤ12と共に搬送路2aを構成するローラコンベヤである。
搬送装置2は、全長が比較的短い複数の従動ローラ5、6(回転体)と、全長が比較的長い一つの駆動ローラ8(駆動源)で構成された単位ユニットを少なくとも一つ有する。
【0027】
駆動ローラ8は、ローラの内部にモータが内蔵された周知のモータ内蔵ローラであり、搬送路2aの略全幅に渡る長さを有する。駆動ローラ8の動作は、図示しない制御装置(制御手段)によって制御されている。
【0028】
従動ローラ5、6は、搬送路2aの全幅よりも相当に短い全長を有する短尺ローラである。複数の従動ローラ5、6が搬送方向に沿って並んでいる。複数の従動ローラ5によって、ローラ列7a(回転体列)が構成されており、同様に複数の従動ローラ6によって、ローラ列7b(回転体列)が構成されている。これらローラ列7a、7bが、搬送路2aの両端に配置されている。
【0029】
すなわち、ローラ列7a、7bは、離間して互いに平行に配置されており、両ローラ列7a、7bの間には空間Sが形成されている。空間Sの幅D(ローラ列7a、7b同士の間隔)は、作業者が侵入することができる大きさである。換言すると、各ローラ列7a、7bは、空間Sに作業者が侵入することができるように幅D(間隔)を置いて配置されている。作業者が侵入することができる幅Dは、空間Sに侵入した成人の体躯が搬送方向を向くことができる程度の大きさであるのが好ましく、具体的には40cm以上を確保するのが好ましい。
【0030】
単位ユニット内の各ローラ列7a、7bの各従動ローラ5、6と、駆動ローラ8は、ベルト(図示せず)で動力伝達が可能に接続されている。すなわち、モータ内蔵ローラであある駆動ローラ8(駆動源)の両端付近にベルトが懸架されており、一方のベルトはローラ列7a側の従動ローラ5と動力伝達されており、他方のベルトはローラ列7b側の従動ローラ6と動力伝達されている。よって、駆動ローラ8が駆動されると、当該駆動ローラ8が属する単位ユニット内の各従動ローラ5、6が駆動ローラ8と同期して回転駆動される。
【0031】
各ローラ列7a、7bを構成する各従動ローラ5、6の最上部の高さ位置は、図2に示す同一面9上に配されており、当該同一面9に、後述のトレイ10(収容体)を載置する載置面が形成されている。すなわち、一方のローラ列7aによって構成された一方の載置面と、他方のローラ列7bによって構成された他方の載置面は幅Dだけ離間しており、両載置面の間には空間Sが形成されているが、両載置面は同一面9上に配されている。幅Dは、トレイ10の幅d(幅寸法)よりは小さい。すなわち、ローラ列7a、7bは、トレイ10の両端を載置して支持することができる。
【0032】
対向配置された各ローラ列7a、7bにおける、搬送方向の単位長さ(従動ローラ5、6の単位個数)毎に、駆動ローラ8が配置されている。具体的には、ローラ列7aの複数個(例えば11個)の従動ローラ5と、ローラ列7aの当該各従動ローラ5と対向配置されたローラ列7bの複数個(例えば11個)の従動ローラ6と、一つの駆動ローラ8によって、搬送装置2の単位ユニットが構成されている。
【0033】
搬送装置2は、単数又は複数の単位ユニットで構成されている。
図3に示すように、搬送装置2の上流側には上流側コンベヤ11が設けられており、搬送装置2の下流側には下流側コンベヤ12が設けられている。上流側コンベヤ11、下流側コンベヤ12は、本実施形態では、搬送装置2と同様の単位ユニットで構成されている。すなわち、上流側コンベヤ11及び下流側コンベヤ12における、少なくとも搬送装置2と隣接している部位は、搬送装置2と同様の単位ユニットで構成されている。図3には、単位ユニットで構成された上流側コンベヤ11及び下流側コンベヤ12の一部が描写されており、上流側コンベヤ11の図示しないさらに上流側の部位は、搬送路2aの全幅に渡る長さを有するローラで構成されたローラコンベヤが配置されている。
【0034】
上流側コンベヤ11、下流側コンベヤ12も、図示しない制御装置によって動作が制御されており、ピッキング装置1の搬送装置2と連携して、図4乃至図6に示すように、トレイ10を搬送路2aに沿って上流側から下流側(搬送方向)に搬送することができるようになっている。
【0035】
上流側コンベヤ11には、トレイ10を検出するセンサ51、52が設けられており、下流側コンベヤ12にもトレイ10を検出するセンサ53、54が設けられている。また、搬送装置2にも、同様のセンサ(図示せず)が設けられている。
【0036】
図1図2に示すように物品保管機構3は、骨格構造体13と保管棚3a、3bを有する。骨格構造体13は、物品保管機構3の骨格を構成する構造体である。図2に示すように骨格構造体13は、台形の枠を構成する枠部材である。
【0037】
骨格構造体13の上部には、一対の上部縦梁14a、14bと一対の上部横梁15a、15bで長方形の上部枠18が構成されている。また、骨格構造体13の下部には、一対の下部縦梁16a、16b(16bは図示せず)と一対の下部横梁17a、17bで長方形の下部枠19が構成されている。下部縦梁16a、16bは、下部横梁17a、17bの途中の部位に接合されている。下部横梁17a、17bは、下部縦梁16a、16bよりも外側に突出している。
上部枠18と下部枠19は、支柱20~23で接続されている。
【0038】
支柱20の上部は、上部枠18の上部縦梁14aと上部横梁15aの交差部に配置されており、支柱20の上部には、上部縦梁14aと上部横梁15aが固定されている。支柱20の下部は、下部枠19の下部横梁17aにおける下部縦梁16aの延長上の部位に固定されている。
【0039】
支柱21の上部は、上部枠18の上部縦梁14aと上部横梁15bの交差部に配置されており、支柱21の上部には、上部縦梁14aと上部横梁15bが固定されている。支柱21の下部は、下部枠19の下部横梁17bにおける下部縦梁16aの延長上の部位(図示せず)に固定されている。
【0040】
支柱22の上部は、上部枠18の上部縦梁14bと上部横梁15aの交差部に配置されており、支柱22の上部には、上部縦梁14bと上部横梁15aが固定されている。支柱22の下部は、下部枠19の下部横梁17aにおける下部縦梁16b(図示せず)の延長上の部位に固定されている。
【0041】
支柱23の上部は、上部枠18の上部縦梁14bと上部横梁15bの交差部に配置されており、支柱23の上部には、上部縦梁14bと上部横梁15bが固定されている。支柱23の下部は、下部枠19の下部横梁17bにおける下部縦梁16b(図示せず)の延長上の部位(図示せず)に固定されている。
【0042】
支柱20、22は、上側へいくほど互いに接近し、下側へいくほど離間しており、正面視すると(搬送方向から見ると)左右対称形に傾斜している。支柱21、23も、支柱20、22と同様に、上側へいくほど互いに接近し、下側へいくほど離間しており、正面視すると(搬送方向から見ると)左右対称形に傾斜している。
【0043】
支柱20、21は、互いに平行であり、鉛直に対して同方向に傾斜している。同様に、支柱22、23も互いに平行であり、鉛直に対して同方向(支柱20、21とは逆方向)に傾斜している。
【0044】
図1に示すように、支柱20、21は、中間梁25a、25bで固定されている。中間梁25a、25bは、上部縦梁14a、下部縦梁16aと平行であり、上部縦梁14a及び下部縦梁16aから離間した位置に配されている。図1に示すように、上部縦梁14a、下部縦梁16a、支柱20、21、中間梁25a、25bは、鉛直面に対して傾斜した同一の傾斜面上に配置されている。
【0045】
同様に、支柱22、23は、中間梁26a、26bで固定されている。中間梁26a、26bは、上部縦梁14b、下部縦梁16b(図示せず)と平行であり、上部縦梁14b及び下部縦梁16b(図示せず)から離間した位置に配されている。図1に示すように、上部縦梁14b、下部縦梁16b(図示せず)、支柱22、23、中間梁26a、26bは、鉛直面に対して傾斜した同一の傾斜面上に配置されている。
【0046】
下部横梁17a、17bにおける下部縦梁16aよりも外側に突出した部位と、下部縦梁16aで三方が囲われた部位には、基台24aが配置されている。同様に、下部横梁17a、17bにおける下部縦梁16b(図示せず)よりも外側に突出した部位と、下部縦梁16b(図示せず)で三方が囲われた部位には、基台24bが配置されている。基台24a、24bは、骨格構造体13と一体化されている。
【0047】
基台24a、24bは、後述の物品排出装置4を載置する載置面27a、27bを備えている。本実施形態では、載置面27a、27bは、搬送路2aに近い側が低く、搬送路2aから遠い側が高くなる傾斜面を構成しているが、載置面27a、27bは、水平面であっても差し支えない。また、載置面27a、27bは、中間梁25b、26bよりも低い高さ位置に設けられている。
【0048】
骨格構造体13の支柱20、21には、板状のガイド部材28aが固定されている。ガイド部材28aは、一枚の板状の部材を屈曲させて構成されており、ガイド部材28aの一方側の端辺が固定されている。具体的には、ガイド部材28aの端辺付近が屈曲しており、この屈曲した部位が支柱20、21に固定されている。さらにガイド部材28aは、本実施形態では、載置面27aと略平行に傾斜した斜面29aと、斜面29aと連続し斜面29aよりも急勾配の斜面30aを有している。斜面30aは、斜面29aと同一面上にあっても差し支えない。
【0049】
同様に、骨格構造体13の支柱22、23には、板状のガイド部材28bの一方側の端辺が固定されている。ガイド部材28bは、載置面27bと略平行に傾斜した斜面29bと、斜面29bと連続し斜面29bよりも急勾配の斜面30bを有する部材である。
【0050】
図2に示すように、ガイド部材28a、28bの自由端側(他方側)の端辺は、搬送路2aの上方に配置されている。
【0051】
図1図2に示すように、骨格構造体13には、複数の保管棚3a、3bが取り付けられている。
保管棚3aは、一対の板状の支持部材31a、32aで構成されている。
支持部材31aは、固定部33aと起立部34aを有している。固定部33aは、支持部材31aを上部縦梁14a、中間梁25a、25bに固定するための部位である。
支持部材32aは、固定部33bと起立部34bを有している。固定部33bと起立部34bは、L字形に直交している。固定部33bは、上部縦梁14a、中間梁25a、25bに固定されている。また、固定部33bは、物品Pを載置する傾斜した載置面を構成している。
支持部材31aの起立部34aと支持部材32aの起立部34bは平行であり、両起立部34a、34bの間隔は、物品Pをちょうど収容できる大きさに設定されており、両起立部34a、34bは、物品Pの両側面をガイドする機能を有する。
保管棚3aの下端は開放されている。保管棚3aの下端は、基台24aの載置面27a上に載置された後述の物品排出装置4付近に配置されている。
【0052】
保管棚3aの支持部材32aの固定部33bの所定の高さ位置には、物品検出センサ45a、45bが設置されている。物品検出センサ45a、45bは、赤外線センサ等の光電センサである。本実施形態では、固定部33b(保管棚3a)の2箇所(異なる高さ位置)に物品検出センサ45、45bが設置されているが、物品検出センサは、1箇所のみ又は3箇所以上に設けてもよい。
【0053】
保管棚3aの固定部33bの起立部34bの二つの異なる高さ位置(高さ方向の途中の部位)には、長孔で構成された取付部36a、36bが設けられている。取付部36a、36bには、平板状の中間載置部材38a又は中間載置部材38b(中間載置部)を取り付けることができる。すなわち、中間載置部材38a(38bも同じ)には、取付部36a(36b)にちょうど挿通可能な差込部39が設けられており、差込部39を取付部36aに差し込むことにより、中間載置部材38a(38b)を取付部36a(36b)に取り付けることができる。中間載置部材38a(38b)は、取付部36a(36b)に対して着脱が可能である。各保管棚3aに保管する物品の大きさに応じて、物品の載置部分の大きさが相違する中間載置部材38a、38bのいずれかを取付部36a、36bに取り付ける。
【0054】
また、保管棚3aの最上部には、サンプル設置部37が設けられている。サンプル設置部37は、保管棚3aに保管される物品と同種の一つの物品を載置することができる。すなわち、サンプル設置部37に設置された物品と同じ物品が、当該保管棚3aに保管される物品である。
【0055】
図1に示すように、複数の保管棚3aが、骨格構造体13に固定されている。各保管棚3aにおける支持部材31aの起立部34aと、支持部材32aの起立部34bの間隔は、収容する物品Pの大きさに応じて設定されている。
【0056】
保管棚3bも保管棚3aと同様の構造を有しており、重複する説明は省略する。
【0057】
図1図2に示すように、骨格構造体13の上部には、表示灯41が設置されている。表示灯41は、図2に示すように、赤黄青の三色の発光部を有している。図示していないが、表示灯41と前述の物品検出センサ45a、45bは、有線通信又は無線通信が可能である。
【0058】
表示灯41の表示の仕方の一例としては、以下のように設定することができる。すなわち、物品検出センサ45a、45bが物品を検出している間は、表示灯41は青色の発光部が発光する。また、物品検出センサ45aが物品を検出せず、物品検出センサ45bは物品を検出しているときには、表示灯41の黄色の発光部が発光する。さらに、物品検出センサ45a、45b共に物品を検出しないときには、表示灯41の赤色の発光部が発光する。
【0059】
物品保管機構3は、複数の保管棚3a、3bを有しており、各保管棚3a、3bに物品検出センサ45a、45bが設けられている。本実施形態では、表示灯41の青色の発光部が発光するのは、利用されていない保管棚3a、3bは除き、利用されている全ての保管棚3a、3bが満載状態から満載の七割程度までの物品が保管されている場合である。
【0060】
各保管棚3a、3bが利用されているか否かは、サンプル設置部37に物品Pのサンプルが載置されているか否かで判断することができる。
【0061】
表示灯41の黄色の発光部が発光するのは、いずれかの保管棚3a、3bの物品の保管量が、満載の七割を下回った場合である。すなわち、ほとんどの保管棚3a、3bの物品の保管量が満載状態であったとしても、一つでも満載の七割を切った保管棚3a、3bがあった場合には、表示灯41の黄色の発光部が発光する。
【0062】
そして、表示灯41の赤色の発光部が発光するのは、いずれかの保管棚3a、3bの物品の保管量が、満載の二割を下回った場合である。すなわち、ほとんどの保管棚3a、3bの物品の保管量が満載状態であったとしても、一つでも満載の二割を切った保管棚3a、3bがあった場合には、表示灯41の赤色の発光部が発光する。
【0063】
ここで、上述の七割、二割は、任意に選定可能である。
【0064】
また、中間載置部材38a、38bの近傍に物品検出センサを設け、利用されている全ての保管棚3a、3bの中間載置部材38a、38b上に物品が載置されていれば、青色の発光部を発光させるようにすることもできる。その上で、いずれかの保管棚3a、3bの中間載置部材38a(38b)よりも下方で保管されている物品の保管量が一割を切ると、赤色の発光部を発光させることもできる。すなわち、このときには、青色の発光部と赤色の発光部を同時に発光させる。
【0065】
このように、表示灯41の表示(発光)のさせ方には制限がなく、作業者の都合に合わせて任意に設定することができる。
【0066】
各物品検出センサ45a、45bによる検出信号は、図示しない制御装置に有線又は無線通信で送信される。図示しない制御装置は、検出信号を元に、表示灯41のいずれの色の発光部を発光させるかを判定すると共に、表示灯41に発光指示を出す。
【0067】
本実施形態では、表示灯41はピッキング装置1に一つだけ設ける例を示したが、別の実施形態として、各保管棚3a、3b毎に表示灯を設けてもよい。
【0068】
物品排出装置4(ディスペンサー)は、筐体の内部に環状のベルト35と、ベルト35を走行させる駆動モータ(図示せず)を有する。図1では、ベルト35の上側の走行部が物品排出装置4の外部に露出している状態を示している。ベルト35の外周面には、係合部35aが設けられている。係合部35aは、ベルト35の外周面から突出した突起である。すなわち、ベルト35が走行すると、係合部35aは、ベルト35と共に周回移動する。
【0069】
物品排出装置4は、載置面27a、27bに載置された結果、図2に示すように、ベルト35の走行部が傾斜する。すなわち、ベルト35の走行部は、搬送路2aに近づくほど低くなるように傾斜している。ベルト35は、保管棚3a、3bと直交している。すなわち、保管棚3a、3bに保管された物品P(P1、P2)は、保管棚3a、3bにガイドされながらベルト35まで移動し、ベルト35上に載置される。
【0070】
前述の保管棚3aの支持部材31a、32aの起立部34a、34bは、物品排出装置4の環状のベルト35の上方の走行部の高さ位置付近まで至っており、支持部材32aの固定部33bの下端は、ベルト35の上方の走行部よりも物品Pの高さ寸法程度だけ高い位置に配置されている。すなわち、支持部材32aは、固定部33bが切り欠かれていて、固定部33bの下端は、起立部34bの下端よりも高い位置にある。
【0071】
換言すると、複数の物品P(P1、P2)が上下に重なった状態で保管棚3a、3bに保管されており、起立部34a、34bが各物品P(P1、P2)の両側をガイドしており、固定部33bが最も下の物品P(P1、P2)以外の各物品P(P1、P2)を支持している。
【0072】
そのため、ベルト35が走行すると、積み重なった物品P(P1、P2)のうちの最も下のベルト35上に載置された物品Pが、両側を起立部34a、34bにガイドされながら搬送路2a側へ移動する。
【0073】
図1図2に示すように、物品保管機構3は、搬送路2aを跨ぐように配されている。すなわち、物品保管機構3の各保管棚3aが搬送路2aの一方側に配置されており、各保管棚3bが搬送路2aの他方側に配置されている。各保管棚3aと各保管棚3bは、上側ほど互いに接近し、下側ほど離間するように傾斜しており、外観すると略Aの字形を呈している。そして、複数の保管棚3a、3bが、搬送路2a方向に沿って並置されており、各保管棚3a、3bには、同種又は異種の物品P(P1、P2)を収容(保管)することができる。
【0074】
次に、ピッキング装置1の動作について説明する。
図3に示すように、物品保管機構3の保管棚3a、3bには物品P(P1、P2)が保管されている。図3に示す例では、一部の保管棚3a、3bのみが使用されており、物品Pが保管されていない保管棚3a、3bも存在する。物品Pの種類に応じて、必要な数の保管棚3a、3bが使用される。物品保管機構3には、必要な物品P(P1、P2)が保管されており、物品排出装置4は、ピッキング装置1内にトレイ10が搬送されてくるまで待機している。
【0075】
図4に示すように、上流側コンベヤ11にトレイ10が搬送されてきたことを、センサ51、52が検出すると、検出信号(検出情報)が、図示しない制御装置に送信される。
【0076】
図示しない制御装置は、搬送装置2を駆動し、図5に示すように、トレイ10を搬送装置2(ピッキング装置1)の所定の位置で停止させる。また、搬送装置2に設置された図示しないセンサによってトレイ10が検出されると、検出信号が制御装置に送信される。そして、検出信号を受信した制御装置は、物品排出装置4を駆動する。物品排出装置4が駆動されると、ベルト35が走行し、ベルト35上の係合部35aが移動して物品Pを搬送路2a側へ押圧し、物品Pは搬送路2a上のトレイ10内に排出される。
【0077】
その際、物品排出装置4のベルト35が連続的に走行し、係合部35aが周回した回数に相当する数の物品Pが排出される。具体的には、係合部35aが2回周回すると、2つの物品Pが搬送路2a側に排出される。すなわち、制御装置によって、物品Pの排出数を容易に設定することができる。
【0078】
本実施形態では、ベルト35に一つの係合部35aを設けた例を示したが、ベルト35に複数の係合部35aを設けてもよい。この場合には、係合部35aは、ベルト35の走行方向に等間隔で配置する。例えば、二つの係合部35aを設けた場合には、ベルト35が一回周回すると、各係合部35aが一回ずつ周回し、二つの物品Pをトレイ10へ排出することができる。すなわち、係合部35aの数を増やすことによって、物品排出装置4は、短時間に多数の物品Pを排出することができる。
【0079】
物品排出装置4から排出された各物品P(P1、P2)は、図7に示すように、ガイド部材28a、28b(斜面29a、30a、29b、30b)上を滑ってトレイ10内に落下し、トレイ10内に収容される。物品P1と物品P2は、異なる種類の物品である。
【0080】
各保管棚3a、3bから物品Pが排出されると、各保管棚3a、3bに保管されている物品Pの量が減少する。本実施形態では、保管棚3a、3bには着脱が可能な中間載置部材38a、38bが設けられており、中間載置部材38a、38bより下方に保管された物品Pがなくなる、又は僅かな数量になると、作業者は、中間載置部材38a、38bを取外し、中間載置部材38a、38b上に積み重なって保管されていた物品P1、P2を物品排出装置4上に落下させる。表示灯41の表示によって、この動作を行うためのきっかけをつくることもできる。すなわち、物品検出センサ45を物品排出装置4の高さ位置に設け、この物品検出センサ45が物品Pを検出しなくなると、表示灯41の赤色の表示部が発光するように設定し、作業者に中間載置部材38aを取り外すことを促すこともできる。
【0081】
中間載置部材38aは、保管棚3aの高さ方向の途中の位置に設けられており、当該高さ位置よりも上側の物品Pを支持する。そのため、保管棚3a内の物品を保管する空間が、中間載置部材38aを境に上下に分断されている。
【0082】
その結果、保管棚3a内における物品Pの連続して積み重なる数量が限定される。そして、下方の物品Pが搬送路2aに排出されると、当該排出された物品Pの上に積み重なっていた各物品Pは、支持を失い、排出された物品Pの高さに相当する距離だけ落下する。その際、たとえ物品Pの大きさ(平面視したときの大きさ)が保管棚3aの大きさ(物品が通過する空間の横断面の大きさ)とほぼ同じであっても、物品Pの積み重なり量が限定されているので、物品Pは保管棚3aの内壁(物品Pとの摺動面)に引っ掛かることがなく、円滑に落下する。そして、中間載置部材38aよりも下方に物品Pが無くなる、又は僅かになると、作業者は中間載置部材38aを取外し、中間載置部材38aで支持されていた物品Pが物品排出装置4まで円滑に落下する。
【0083】
また、保管棚3a(3b)から物品Pがなくなると、同じ種類の物品Pが当該保管棚3a(3b)に補充される。ここで、各保管棚3a(3b)には、サンプル設置部37が設けられており、サンプル設置部37には、当該保管棚3a(3b)に保管するべき物品Pのサンプルが設置されている。よって、作業者は、このサンプルの物品Pを見ることによって、補充するべき物品Pを特定することができ、保管棚3a(3b)に品切れとなった物品Pを適切に補充することができる。
【0084】
物品Pがトレイ10に収容されると、制御装置は搬送装置2を駆動し、図6に示すように、トレイ10を下流側コンベヤ12へ移動させる。そしてトレイ10は、下流側コンベヤ12を介して所定の搬送先へ搬送される。
【0085】
多数の同種の物品Pをトレイ10に収容する場合には、同種の物品Pを複数の保管棚3a、3bから排出すると、短時間で必要な数の物品Pをトレイ10に収容することができる。また、複数種類の物品P(P1、P2、・・・)をトレイ10に収容する場合には、保管棚3a、3b毎に異なる物品P(P1、P2、・・・)を保管し、各保管棚3a、3bから同時に物品P(P1、P2、・・・)をトレイ10に排出することもできる。
【0086】
ここで、ピッキング装置1のいずれかの部位に、仮に物品Pが噛み込み、ピッキング装置1が正常に動作しなくなった場合には、図示しない制御装置が上流側コンベヤ11、搬送装置2、下流側コンベヤ12を停止させる。または、作業者が手動でこれらのコンベヤを停止させてもよい。
【0087】
そして、作業者が上流側コンベヤ11側、又は下流側コンベヤ12側から搬送装置2の空間Sに侵入し、噛み込んだ物品を取り除く。空間Sの幅Dが広く設定されているため、作業者は空間S内に楽に侵入することができる。すなわち、ピッキング装置1の側方には、保管棚3a、3bが配置されているため、作業者は側方からピッキング装置1内に侵入することはできない。しかし、本実施形態に係るピッキング装置1では、搬送装置2に空間Sを設けたので、作業者は、搬送路2aの上流側または下流側からピッキング装置1内に容易に侵入することができる。
【0088】
また、上流側コンベヤ11、及び/又は、下流側コンベヤ12におけるピッキング装置1と隣接する部位を、搬送装置2のローラ列7a、7bと同様のローラ列で構成することにより、作業者は、まず上流側コンベヤ11内又は下流側コンベヤ12内に侵入し、その後、ピッキング装置1内に容易に侵入することができる。
噛み込んだ物品が取り除かれ、作業者が空間Sから退避すると、再度物品排出装置4、駆動ローラ8等を適宜作動させる。
【0089】
本実施形態では、搬送装置2に平行な二つのローラ列7a、7b(回転体列)を設けた例を示したが、ローラ列7a、7bの代わりに、環状のベルト、チェーン等で構成された走行体を採用することもできる。具体的には、ローラ列7a、7bと同程度の幅の二つのベルトコンベヤを、ローラ列7a、7bの代わりに配置してもよい。走行体も、同一のモータ内蔵ローラ(駆動源)で回転駆動されるのが好ましい。
【0090】
また、図示していないが、ピッキング装置1の周囲(例えば上方又は側方)に、各保管棚3a、3b毎に照明装置を設けてもよい。各照明装置は、それぞれ個々の保管棚3a、3bを照らすものであり、発光色を変更することができる。さらに、各保管棚3a、3bに保管されている物品P(P1、P2)の検出する物品検出センサを、前述のように光電センサとせず、重量センサ(数量検出センサ)を採用することもできる。
【0091】
数量検出センサによって、検出された情報に基づいて、各照明装置の照明の発光色を設定することができる。例えば、十分な数量の物品P(P1、P2)が保管されている場合には、青い発光色で保管棚3a、3bを照射する。保管された物品P(P1、P2)の数量が半分程度であると、照明装置は黄色い発光色で当該保管棚3a、3bを照射する。そして、物品P(P1、P2)が保管されていない場合には、赤い発光色で当該保管棚3a、3bを照射する。
【0092】
このように、各保管棚3a、3bを照明装置で照らすことにより、作業者は、各保管棚3a、3bの在庫状況を容易に把握することができる。
【0093】
搬送装置2の駆動源として、ギヤードモータを採用する場合には、ギヤードモータの高さを低くするために、プラットフォーム形式をとることがある。すなわち、ギヤードモータを設置する箇所(床)に穴(凹み)を設ける場合がある。この場合にはギヤードモータの位置が固定されてしまう上に、ギヤードモータを設置するためのコストが余計に掛かる。
【0094】
一方、本実施形態に係るピッキング装置1では、搬送装置2の駆動源としてモータ内蔵ローラを採用することにより、搬送装置2のローラ列7a、7bと同じ高さ位置に駆動源(モータ内蔵ローラ)を配置することができる。そのため、駆動源としてギヤードモータを採用する場合よりも、搬送装置2の全体の高さ寸法を小さく(低く)することができる。その結果、物品排出装置4(載置面27a、27b)の高さを低くすることができる。よって、比較的低い高さ位置の物品排出装置4(載置面27a、27b)から搬送装置2に物品を投入することができる。また、物品排出装置4の高さ位置が低くなることにより、作業者の手が保管棚3a、3bに届き易くなり、保管棚3a、3bの物品の交換作業や補充作業がし易くなる。また、駆動源としてモータ内蔵ローラを採用することにより、ピッキング装置を容易に別の場所へ移動させることができる。さらに、ギヤードモータを採用した場合と比較して、工費を抑制することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 ピッキング装置
2 搬送装置(搬送手段)
3 物品保管機構
3a、3b 保管棚
4 物品排出装置(物品排出手段)
5、6 従動ローラ(回転体)
7a、7b ローラ列(回転体列)
8 駆動ローラ(駆動源)
10 トレイ(収容体)
11 上流側コンベヤ
12 下流側コンベヤ
13 骨格構造体
36a、36b 取付部
37 サンプル載置部
38a、38b 中間載置部材
41 表示灯
45 物品検出センサ
51~54 センサ
D 幅(ローラ列同士の間隔)
d トレイの幅寸法
P 物品
S ローラ列の間の空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7