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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 19/00 20060101AFI20240920BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20240920BHJP
   F04B 39/12 20060101ALI20240920BHJP
   F04B 39/14 20060101ALI20240920BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F25D19/00 540E
F04B39/00 102Q
F04B39/12 H
F04B39/14
F16F15/08 V
F25D19/00 540B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020117609
(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公開番号】P2022015025
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2023-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 拓也
(72)【発明者】
【氏名】望月 修
(72)【発明者】
【氏名】森 治
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-023078(JP,U)
【文献】実開昭55-114468(JP,U)
【文献】実開昭52-155213(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 19/00
F04B 39/00
F16F 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱箱体に区画形成され、機械室開口を有する機械室と、
前記機械室の底面を形成する底板と、
前記機械室に収納される圧縮機と、
前記圧縮機の底部に設けられる脚部と、を具備し、
前記脚部の前方側部分は、押圧部を介して前記底板に固定され、
前記脚部の後方側部分は、締結手段を介して前記底板に固定され、
前記脚部には、防振弾性体が配設され、
前記脚部の前方部分に配設された前記防振弾性体は、前記押圧部を介して前記底板に固定され、
前記脚部の後方部分に配設された前記防振弾性体は、前記締結手段を介して前記底板に固定され、
前記押圧部は、前記底板を切り起こして形成された部位であり、
前記押圧部と前記底板との接続部は、前記断熱箱体の幅方向において、前記脚部の外側のみに形成され、
前記脚部の前端部は、前記押圧部よりも前方側に突出することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記防振弾性体は、
前記圧縮機の幅方向一方側であって前方側に配置される第1防振弾性体と、
前記圧縮機の幅方向他方側であって前方側に配置される第2防振弾性体と、
前記圧縮機の幅方向一方側であって後方側に配置される第3防振弾性体と、
前記圧縮機の幅方向他方側であって後方側に配置される第4防振弾性体と、を有し、
前記第1防振弾性体および前記第2防振弾性体は、前記押圧部により固定され、
前記第3防振弾性体および前記第4防振弾性体は、前記締結手段により固定されることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記押圧部は、前記接続部から上方に向かって伸びる第1部分と、前記第1部分の上端から前記防振弾性体の上面に向かって伸びる第2部分と、を有し、
前記第2部分の下面が、前記防振弾性体を押圧することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関し、特に、冷凍サイクルを構成する圧縮機が機械室に収納される冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な冷蔵庫では、断熱箱体の内部に冷蔵室等の貯蔵室が形成され、この貯蔵室は、貯蔵される被貯蔵物を冷却保存するために好適な温度帯域となるように、冷凍サイクルにより冷却される。冷凍サイクルは、圧縮機、凝縮器、膨張手段および蒸発器から成る。
【0003】
以下の特許文献1では、断熱箱体の機械室に、圧縮機および凝縮器を配置する冷蔵庫が記載されている。具体的には、断熱箱体の後側最下部に機械室を形成し、この機械室の内部に圧縮機および凝縮器を配置している。また、圧縮機と凝縮器との間には、送風機が配置されている。冷凍サイクルが運転される際に、送風機が凝縮器に送風することで、凝縮器に於ける熱交換を積極的に行うことができ、冷凍サイクルを効果的に運転することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-1344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した冷蔵庫では、圧縮機を据え付ける構造に関して、改善の余地があった。
【0006】
具体的には、圧縮機を機械室の底部に据え付ける構造として、圧縮機の脚部の四隅をボルトなどの締結手段を介して機械室底部に固定するものがある。しかしながら、機械室の奥側においてボルト締結作業を行うことは簡単ではないので、圧縮機を機械室に取りつける際の作業効率が低下してしまう課題があった。
【0007】
また、圧縮機の取付作業を簡略化するために、圧縮機の脚部の対向する角部である2箇所のみを、ボルトなどの締結手段を介して機械室底部に固定する固定構造も存在する。しかしながら、圧縮機の脚部の対向する角部のみを固定すると、圧縮機を安定して機械室底部に固定することが難しい。よって、冷凍サイクルを運転する際に、圧縮機から、振動や騒音が発生する課題があった。更に、圧縮機の側面にカバーが装着されている場合があり、係る場合において、圧縮機の奥側部分を機械室底部に締結することは、取付工程が複雑になる課題もあった。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧縮機の機械室への据え付けが容易であり、且つ、運転時に圧縮機から発生する振動および騒音を抑制できる冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の冷蔵庫は、断熱箱体に区画形成され、機械室開口を有する機械室と、前記機械室の底面を形成する底板と、前記機械室に収納される圧縮機と、前記圧縮機の底部に設けられる脚部と、を具備し、前記脚部の前方側部分は、押圧部を介して前記底板に固定され、前記脚部の後方側部分は、締結手段を介して前記底板に固定され、前記脚部には、防振弾性体が配設され、前記脚部の前方部分に配設された前記防振弾性体は、前記押圧部を介して前記底板に固定され、前記脚部の後方部分に配設された前記防振弾性体は、前記締結手段を介して前記底板に固定され、前記押圧部は、前記底板を切り起こして形成された部位であり、前記押圧部と前記底板との接続部は、前記断熱箱体の幅方向において、前記脚部の外側のみに形成され、前記脚部の前端部は、前記押圧部よりも前方側に突出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の冷蔵庫によれば、圧縮機の機械室への据え付けが容易であり、且つ、運転時に圧縮機から発生する振動および騒音を抑制できる冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、冷蔵庫を後側上方から見た斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す側方断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、機械室を後側上方から見た斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)は圧縮機が取りつけられる部分を抜き出して示す斜視図であり、(B)は圧縮機が底板に据え付けられる部分を示す断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)は圧縮機が底板に取りつけられる構造を示す分解斜視図であり、(B)は防振弾性体を示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)は機械室およびその近傍の構成を示す斜視図であり、(B)は圧縮機を示す斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)、(B)および(C)は、圧縮機を底板に組み込む方法を示す側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。本実施形態は、上下前後左右の各方向を用いて説明するが、上下とは冷蔵庫10の上下方向をいい、前後とは冷蔵庫10の前後方向をいい、左右とは冷蔵庫10を後方から見た場合の左右である。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を、後方上方から見た斜視図である。冷蔵庫10は、断熱箱体11と、断熱箱体11の内部に形成された貯蔵室とを有している。貯蔵室として、冷蔵室12、野菜室114および冷凍室13を有している。冷蔵室12の前方開口は、回転式の断熱扉18で閉鎖され、野菜室114の前方開口は引出式の断熱扉19で閉鎖され、冷凍室13の前面開口は引出式の断熱扉20で閉鎖されている。
【0020】
冷蔵庫10の後側最下部には、空洞としての機械室14が形成されている。機械室14は、断熱箱体11の左端から右端まで連続して形成されている。図1では、機械室14に内蔵される各構成機器を図示していない。機械室14には、後方に向かって開口する機械室開口15が形成されている。機械室開口15は、蓋部材で塞がれても良い。
【0021】
図2は、冷蔵庫10の側方断面図である。この図を参照して、断熱箱体11は、所定形状に曲折加工された鋼板からなる外箱111と、外箱111と離間した内側に配置された合成樹脂板から成る内箱112と、外箱111と内箱112との間に充填された断熱材113とから構成されている。
【0022】
冷凍室13の奥側には冷却室115が区画形成され、冷却室115には蒸発器116が収納されている。冷却室115の上方には送風路118が形成されている。冷却室115において蒸発器116で冷却された空気は、ここでは図示しない冷気送風用ファンにより、送風路118に送風される。蒸発器116が冷却した空気は、冷凍室13にも送風される。
【0023】
冷却室115の内部であって蒸発器116の下方には除霜ヒータ117が配置される。除霜ヒータ117は通電により発熱するヒータであり、除霜行程に於いて通電されることで発熱し、発生した熱により蒸発器116の霜が溶融される。除霜により発生した除霜水は、図3を参照して後述する蒸発皿27に至り、高温な圧縮冷媒や圧縮機22と熱交換することで蒸発する。
【0024】
図3は、機械室14を後側上方から見た斜視図である。機械室14には底板24が形成している。底板24は所定形状に曲折加工された鋼板から成る。機械室14の内部には、圧縮機22、ターミナルカバー16、電装ボックス17および蒸発皿27が配置されている。図3では、機械室14に収納される他の部材、例えば冷媒パイプ等は図示していない。
【0025】
圧縮機22の底部には、脚部23が一体的に取りつけられている。脚部23は、所定形状に曲折加工された鋼板から成る。脚部23の前方部分、即ち、機械室開口15から離れる部分は、後述するように、押圧手段である押圧部261等を介して底板24に固定される。一方、脚部23の後方部分、即ち機械室開口15に接近する部分は、締結手段であるボルト263を介して底板24に固定される。圧縮機22を底板24に固定する構成は、図4および図5等を参照して後述する。
【0026】
ターミナルカバー16は、所定形状に成形された合成樹脂板から成り、圧縮機22の左方側に配置され、圧縮機22に形成される各電極を被覆している。
【0027】
電装ボックス17は、機械室14の左方側面に固定されており、制御用基板、圧縮機22用のコンデンサ等が収納されている。
【0028】
蒸発皿27は、圧縮機22の上方に配置されており、除霜行程で発生する除霜水が貯留される。
【0029】
図4(A)は圧縮機22が取りつけられる部分を抜き出して示す斜視図であり、図4(B)は圧縮機22が底板24に据え付けられる部分を示し、図4(A)のA-A切断面線における断面図である。
【0030】
図4(A)を参照して、脚部23の前方右側部分は押圧部261により押圧されることで底板24に固定されており、脚部23の前方右側部分と押圧部261との間には第1防振弾性体251が介装されている。また、脚部23の前方左側部分は押圧部262により押圧されることで底板24に固定されており、脚部23の前方左側部分と押圧部262との間には押圧部262が介装されている。
【0031】
また、脚部23の後方右側部分は、ボルト263により底板24に固定されており、脚部23の後方右側部分とボルト263との間には第3防振弾性体253が介装されている。図4(A)には現れていないが、脚部23の後方左側部分は、ボルト264により底板24に固定されており、脚部23の後方左側部分とボルト264との間には第4防振弾性体254が介装されている。ボルト264は図5を参照して後述する。
【0032】
このように、脚部23の前方部分は押圧固定する一方、底板24の後方部分を締結固定することで、脚部23の四隅を介して圧縮機22を底板24に安定的に固定できる。更には、冷蔵庫10の製造工程において、圧縮機22を容易に底板24に据え付けることができる。
【0033】
図4(B)を参照して、脚部23の前方左側部分が底板24に固定される構成を説明する。脚部23の前方左側部分を開口することで第2挿入孔部282が形成されており、第2挿入孔部282に第2防振弾性体252が嵌め込まれている。第2防振弾性体252の下端は底板24の上面に当接しており、第2防振弾性体252の上端は押圧部262により押圧されている。また、第2防振弾性体252は、押圧部262の下面と底板24の上面との間で、若干圧縮されている。このように、底板24と脚部23との間に第2防振弾性体252が介在することで、圧縮機22が運転することで発生する振動が、第2防振弾性体252により吸収され、当該振動が底板24に伝達することを抑制できる。
【0034】
図5(A)は圧縮機22が底板24に取りつけられる構造を示す分解斜視図であり、図5(B)は第1防振弾性体251を示す斜視図である。
【0035】
図5(A)を参照して、脚部23の四隅近傍を略円形に開口することで、脚部23の前方右側部分に第1挿入孔部281が形成され、脚部23の前方左側部分に第2挿入孔部282が形成され、脚部23の後方右側部分に第3挿入孔部283が形成され、脚部23の後方左側部分に第4挿入孔部284が形成されている。図5(A)では、脚部23の前方左側部分に形成される第2挿入孔部282は、圧縮機22で隠れており、図示されていない。
【0036】
第1挿入孔部281には第1防振弾性体251が嵌め込まれ、ここでは図面に現れない第2挿入孔部282には第2防振弾性体252が嵌め込まれ、第3挿入孔部283には第3防振弾性体253が嵌め込まれ、第4挿入孔部284には第4防振弾性体254が嵌め込まれている。
【0037】
脚部23の前方側に配置された第1防振弾性体251および第2防振弾性体252は、押圧部261および押圧部262により押圧されることで固定される。一方、脚部23の後方側に配置された第3防振弾性体253はボルト263により締結される。具体的には、ボルト263は、第3防振弾性体253の孔部を貫通し、底板24に形成された固定孔部293に螺合している。ボルト263の頭部が、第3防振弾性体253を上方から押圧することで、第3防振弾性体253は、底板24に固定される。第4防振弾性体254が底板24に固定される構成も同様であり、ボルト264の下端部が、第4防振弾性体254を貫通して、底板24に形成された固定孔部294に螺合されている。これにより、ボルト264の頭部が、第4防振弾性体254の上面を押圧している。
【0038】
また、押圧部261および押圧部262は、底板24を切り起こしすることで形成される。
【0039】
図5(B)を参照して、第1防振弾性体251の構成を説明する。第1防振弾性体251は、ゴムなどの弾性材料を略円筒状に射出成形することで製造される。第1防振弾性体251は、上方から、上方円筒部32、縮径部31および下方円筒部30を有している。係る構成は、図5(A)に示した、第2防振弾性体252、第3防振弾性体253および第4防振弾性体254に関しても同様である。
【0040】
第1防振弾性体251を脚部23の第1挿入孔部281に挿入すると、縮径部31が第1挿入孔部281に嵌め込まれ、上方円筒部32は脚部23の上面側に配置され、下方円筒部30は脚部23の下面側に配置される。係る構成も、第2防振弾性体252、第3防振弾性体253および第4防振弾性体254に関して、同様である。
【0041】
図6(A)は機械室14およびその近傍の構成を示す斜視図であり、図6(B)は圧縮機22を示す斜視図である。
【0042】
図6(A)および図6(B)を参照して、断熱箱体11の機械室14には底板24が組み込まれている。また、圧縮機22の下部には脚部23が取り付けられており、脚部23の四隅には第1防振弾性体251、第2防振弾性体252、第3防振弾性体253および第4防振弾性体254が取りつけられている。圧縮機22は、この状態で機械室14の底板24に組み込まれる。
【0043】
図7(A)、図7(B)および図7(C)は、圧縮機22を底板24に組み込む方法を示す側方断面図である。また、図7(A)、図7(B)および図7(C)は、図5(A)に示したB-B切断面線における断面図に対応している。
【0044】
図7(A)を参照して、圧縮機22を、機械室開口15の側から、機械室14の内部に挿入する。
【0045】
次に、図7(B)を参照して、脚部23の前方部分に固定された第1防振弾性体251を、押圧部261と底板24の上面との間に挿入する。ここで、第1防振弾性体251の厚さL10は、底板24の上面と押圧部261の下面との距離L11よりも長い。よって、第1防振弾性体251を、底板24の上面と押圧部261の下面との間に挿入すると、第1防振弾性体251は、縦方向において若干圧縮される。係る構成により、押圧部261により第1防振弾性体251を十分に押圧固定できる。
【0046】
また、図5(A)を参照して、第1防振弾性体251の組み込みと同時に、脚部23の前方左側に取りつけられた第2防振弾性体252も、底板24の上面と押圧部262の下面との間に挿入される。
【0047】
図7(C)を参照して、次に、第3防振弾性体253を底板24の上面に載置し、ボルト263を、第3防振弾性体253の孔部に挿入し、ボルト263の下端を固定孔部293に螺合する。このようにすることで、第3防振弾性体253は、ボルト263の頭部により上部から圧縮された状態で、底板24に固定される。
【0048】
また、図5(A)を参照して、第3防振弾性体253の固定と同時に、第4防振弾性体254も固定する。即ち、第4防振弾性体254の下面を底板24の上面に当接させる。更に、ボルト264を、第4防振弾性体254に貫通させ、更にボルト264の下端を固定孔部294に螺合させる。このようにすることで、第4防振弾性体254は、ボルト264の頭部により圧縮された状態で、底板24の上面に固定される。
【0049】
上記工程により、圧縮機22は底板24に固定される。
【0050】
前述した本実施形態により、以下のような主要な効果を奏することができる。
【0051】
本発明の冷蔵庫10によれば、圧縮機22の機械室開口15から離れる部分を押圧部261および押圧部262を介して底板24に固定し、脚部23の機械室開口15に接近する部分を締結手段であるボルト263およびボルト264を介して底板24に固定することで、底板24に対して圧縮機22を容易に組み込むことができる。更に、圧縮機22の脚部23は、機械室開口15に接近する側、および、離間する側の両方で、底板24に固定されるので、圧縮機22を底板24に対して安定して固定できる。更に、冷凍サイクルを運転する際には、圧縮機22に対して、前方向に向かうモーメントが作用するが、脚部23の前方部分および後方部分を底板24に固定することで、当該モーメントにより圧縮機22が大きく変位したり、騒音や振動が発生することを抑止できる。
【0052】
更に、脚部23と底板24との間に第1防振弾性体251等を配設することで、冷蔵庫10の運転時に圧縮機22から発生する振動を第1防振弾性体251等で吸収でき、冷蔵庫10の低振動および低騒音を実現できる。
【0053】
更に、機械室開口15から離れる第1防振弾性体251および第2防振弾性体252を押圧部261および押圧部262で固定し、機械室開口15に接近する第3防振弾性体253および第4防振弾性体254を締結手段であるボルト263およびボルト264で固定することで、圧縮機22を更に安定して支持することができる。
【0054】
更に、押圧部261および押圧部262を切り起こしで形成することで、冷蔵庫10に要する部品点数を削減できる。
【0055】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
前述した実施形態から把握できる発明を、その効果と共に下記する。
本発明の冷蔵庫は、断熱箱体に区画形成され、機械室開口を有する機械室と、前記機械室の底面を形成する底板と、前記機械室に収納される圧縮機と、前記圧縮機の底部に設けられる脚部と、を具備し、前記脚部のうち、前方側部分は、押圧部を介して前記底板に固定され、前記脚部のうち、後方側部分は、締結手段を介して前記底板に固定されることを特徴とする。従って、本発明の冷蔵庫によれば、圧縮機の機械室への据え付けが容易であり、且つ、運転時に圧縮機から発生する振動および騒音を抑制できる冷蔵庫を提供することができる。具体的には、圧縮機の機械室開口から離れる部分を、押圧部を介して底板に固定している。更に、脚部の機械室開口に接近する部分を、締結手段を介して底板に固定している。よって、底板に対して圧縮機を容易に組み込むことができる。更に、圧縮機の脚部は、機械室開口に接近する側、および、離間する側の両方で、底板に固定されるので、圧縮機を底板に対して安定して固定できる。
また、本発明の冷蔵庫では、前記脚部と前記底板との間には防振弾性体が設けられ、前記防振弾性体は、前記脚部のうち、前方側部分には、前記押圧部を介して前記底板に固定され、前記脚部のうち、後方側部分は、前記締結手段を介して前記底板に固定されることを特徴とする。従って、本発明の冷蔵庫によれば、脚部と底板との間に防振弾性体を配設することで、冷蔵庫の運転時に圧縮機から発生する振動を防振弾性体で吸収でき、冷蔵庫の低振動および低騒音を実現できる。
また、本発明の冷蔵庫では、前記防振弾性体は、前記圧縮機の幅方向一方側であって前方側に配置される第1防振弾性体と、前記圧縮機の幅方向他方側であって前方側に配置される第2防振弾性体と、前記圧縮機の幅方向一方側であって後方側に配置される第3防振弾性体と、前記圧縮機の幅方向他方側であって後方側に配置される第4防振弾性体と、を有し、前記第1防振弾性体および前記第2防振弾性体は、前記押圧部により固定され、前記第3防振弾性体および前記第4防振弾性体は、前記締結手段により固定されることを特徴とする。従って、本発明の冷蔵庫によれば、機械室開口から離れる第1防振弾性体および第2防振弾性体を押圧部で固定し、機械室開口に接近する第3防振弾性体および第4防振弾性体を締結手段で固定することで、圧縮機を更に安定して支持することができる。
また、本発明の冷蔵庫では、前記押圧部は、前記底板を切り起こして形成されることを特徴とする。従って、本発明の冷蔵庫によれば、押圧部を切り起こしで形成することで、冷蔵庫に要する部品点数を削減できる。
【符号の説明】
【0056】
10 冷蔵庫
11 断熱箱体
111 外箱
112 内箱
113 断熱材
114 野菜室
115 冷却室
116 蒸発器
117 除霜ヒータ
118 送風路
12 冷蔵室
13 冷凍室
14 機械室
15 機械室開口
16 ターミナルカバー
17 電装ボックス
18 断熱扉
19 断熱扉
20 断熱扉
22 圧縮機
23 脚部
24 底板
25 防振弾性体
251 第1防振弾性体
252 第2防振弾性体
253 第3防振弾性体
254 第4防振弾性体
261 押圧部
262 押圧部
263 ボルト
264 ボルト
27 蒸発皿
281 第1挿入孔部
282 第2挿入孔部
283 第3挿入孔部
284 第4挿入孔部
293 固定孔部
294 固定孔部
30 下方円筒部
31 縮径部
32 上方円筒部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7