IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社トキワの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】塗布材繰出容器及び塗布材交換部材
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/20 20060101AFI20240920BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A45D40/20 F
B65D83/00 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021042586
(22)【出願日】2021-03-16
(65)【公開番号】P2022142427
(43)【公開日】2022-09-30
【審査請求日】2024-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100208878
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 弘智
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】石田 行一
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 新
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-177409(JP,U)
【文献】特開2018-140041(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0008559(US,A1)
【文献】実開昭62-100124(JP,U)
【文献】実開昭56-108808(JP,U)
【文献】実開昭56-148313(JP,U)
【文献】実開昭58-169809(JP,U)
【文献】特表2013-512022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 40/20
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布材を把持する把持部、及び第1吸着部材を有する芯チャックと、
前記芯チャックが出入可能な開口部、及び前記開口部から連続する筒孔を有する先筒と、
前記先筒の軸線方向に沿って前記先筒と相対回転可能に係合する容器本体と、
前記容器本体の内部において前記容器本体と同期回転可能とされており、内面に雌螺子を有する筒状の雌螺子部材と、
前記雌螺子部材の前記雌螺子と螺合する雄螺子を有し、前記芯チャックを前記軸線方向に沿って移動させる移動体と、
前記移動体と前記芯チャックとの間に配置され、前記第1吸着部材と吸着する第2吸着部材を有し、前記芯チャックと共に前記軸線方向に沿って移動する吸着体ホルダと、
移動する前記吸着体ホルダを所定の位置で停止させるストッパと、
を備え、
前記塗布材は、前方に繰り出されることによって使用に供され、
前記所定の位置では、前記芯チャックに把持された前記塗布材は、前記塗布材の前進限に位置し、
前記移動体は、前記ストッパによって停止した前記吸着体ホルダに対して前記芯チャックを相対的に変位させて、前記吸着体ホルダから前記芯チャックを分離する、
塗布材繰出容器。
【請求項2】
前記軸線方向から見た前記筒孔の内形形状は、前記軸線方向から見た前記芯チャックの外形形状と相似している、
請求項1に記載の塗布材繰出容器。
【請求項3】
前記吸着体ホルダを支持すると共に、前記吸着体ホルダと前記移動体との間に介在する弾性部材を備える、
請求項1又は2に記載の塗布材繰出容器。
【請求項4】
前記移動体は前記軸線方向に沿って延びる貫通孔を有し、
前記吸着体ホルダは、前記貫通孔に挿通されるシャフトを有し、
前記ストッパは前記シャフトに形成されている、
請求項1又は2に記載の塗布材繰出容器。
【請求項5】
前記第1吸着部材及び前記第2吸着部材は磁性体である、
請求項1~4の何れか一項に記載の塗布材繰出容器。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の塗布材繰出容器に用いられる塗布材交換部材であって、
塗布材と、
前記塗布材を把持する把持部、及び吸着部材を有する芯チャックと、
前記塗布材及び前記芯チャックを収容する交換ケースと、
を備える、
塗布材交換部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、塗布材繰出容器及び塗布材交換部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から塗布材繰出容器については種々のものが知られている。例えば、実公昭57-44892号公報には、カートリッジ本体を交換することで、新規な棒状化粧品を用いることができるカートリッジ式棒状化粧品が記載されている。カートリッジ式棒状化粧品は、ホルダにカートリッジ本体を着脱自在に取り付け可能とする。カートリッジ本体内には、棒状化粧品と、棒状化粧品を把持する尻キャップと、尻キャップを介して棒状化粧品の尻部に取り付けられる複数の磁性体が収容される。棒状化粧品は尻キャップと共にカートリッジ本体の内部を移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公昭57-44892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したカートリッジ式棒状化粧品では、棒状化粧品を交換する場合に、カートリッジ本体、棒状化粧品、尻キャップ、及び複数の磁性体が廃棄される。エコロジーの観点からは、棒状化粧品の交換に伴い廃棄される部品の数を削減することが求められる。
【0005】
本開示は、廃棄される部品の数を減らすと共に塗布材を容易に交換できる塗布材繰出容器及び塗布材交換部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る塗布材繰出容器は、塗布材を把持する把持部、及び第1吸着部材を有する芯チャックと、芯チャックが出入可能な開口部、及び開口部から連続する筒孔を有する先筒と、先筒の軸線方向に沿って先筒と相対回転可能に係合する容器本体と、容器本体の内部において容器本体と同期回転可能とされており、内面に雌螺子を有する筒状の雌螺子部材と、雌螺子部材の雌螺子と螺合する雄螺子を有し、芯チャックを軸線方向に沿って移動させる移動体と、移動体と芯チャックとの間に配置され、第1吸着部材と吸着する第2吸着部材を有し、芯チャックと共に軸線方向に沿って移動する吸着体ホルダと、移動する吸着体ホルダを所定の位置で停止させるストッパと、を備え、移動体は、ストッパによって停止した吸着体ホルダに対して芯チャックを相対的に変位させて、吸着体ホルダから芯チャックを分離する。
【0007】
この塗布材繰出容器では、塗布材を把持する芯チャックは、先筒の開口部に出入りする。先筒は、先筒の軸線方向に沿って容器本体と相対回転可能に係合される。容器本体の内部には雌螺子を有する雌螺子部材が設けられる。移動体は、雌螺子と螺合する雄螺子を有する。移動体は、雌螺子と雄螺子の螺合作用によって芯チャックを軸線方向に沿って移動させる。芯チャックの第1吸着部材と吸着する第2吸着部材を有する吸着体ホルダは、芯チャックと共に軸線方向に沿って移動する。塗布材が開口部から押し出される方向(以下「前方」と記載する)に向かって吸着体ホルダ及び芯チャックが移動する場合、吸着体ホルダ及び芯チャックが所定の位置に移動すると、吸着体ホルダは、ストッパによって移動を停止させられる。塗布材を交換する場合には、移動体は、芯チャックを所定の位置から更に前方に向かって移動させる。これにより、吸着体ホルダから芯チャックが分離して、塗布材繰出容器から塗布材及び芯チャックが取り外される。従って、塗布材及び芯チャックのみを交換できるため、廃棄される部品の数を減らすことができる。また、この塗布材繰出容器では、ストッパによって停止した吸着体ホルダに対し、移動体が芯チャックを相対的に移動させる。このとき、吸着体ホルダの第2吸着部材に対し、芯チャックの第1吸着部材が相対的に変位することにより、芯チャックを更に前方に向かって移動させることができる。従って、移動体の移動によって芯チャックを吸着体ホルダから離間させることにより、塗布材繰出容器から塗布材及び芯チャックを取り外すことができる。よって、塗布材を容易に交換することができる。
【0008】
軸線方向から見た筒孔の内形形状と、軸線方向から見た芯チャックの外形形状とは相似していてもよい。この場合、塗布材を把持する芯チャックの外形形状が筒孔の内形形状と相似することにより、予め指定される純正の塗布材及び芯チャックの交換を促すことができる。
【0009】
吸着体ホルダを支持すると共に、吸着体ホルダと移動体との間に介在する弾性部材を備えてもよい。この場合、塗布材を交換するために塗布材付きの芯チャックを先筒の開口部に入れて芯チャックが吸着体ホルダに当接するときに、吸着体ホルダに加わる衝撃力を弾性部材によって緩和することができる。
【0010】
移動体は軸線方向に沿って延びる貫通孔を有し、吸着体ホルダは、貫通孔に挿通されるシャフトを有し、ストッパはシャフトに形成されていてもよい。
【0011】
第1吸着部材及び第2吸着部材は磁性体であってもよい。この場合、芯チャックの第1吸着部材を吸着体ホルダの第2吸着部材に吸引できる。従って、芯チャック及び吸着体ホルダが互いに非接触であっても近づけることによって容易に吸着させることができる。
【0012】
本開示に係る塗布材交換部材は、塗布材と、塗布材を把持する把持部及び吸着部材を有する芯チャックと、塗布材及び芯チャックを収容する交換ケースと、を備える。
【0013】
この塗布材交換部材では、上述のように塗布材及び芯チャックのみを交換できるため、廃棄される部品の数を減らすことができると共に塗布材を容易に交換することができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、廃棄される部品の数を減らすと共に塗布材を容易に交換できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の第1実施形態に係る塗布材繰出容器を示す側面図である。
図2図1の塗布材繰出容器からキャップを外した状態を示す側面図である。
図3図1の塗布材繰出容器のA-A線断面図である。
図4】塗布材、及び塗布材を把持する芯チャックの斜視図である。
図5】(a)は、先筒の斜視図である。(b)は、先筒の断面斜視図である。
図6】(a)は、雌螺子部材の斜視図である。(b)は、雌螺子部材の断面斜視図である。
図7】移動体の斜視図である。
図8】吸着体ホルダの斜視図である。
図9】塗布材、塗布材を把持する芯チャック、移動体、吸着体ホルダ及び弾性部材の斜視図である。
図10】塗布材を把持する芯チャックが前方に移動した塗布材繰出容器の断面図である。
図11】塗布材を把持する芯チャックが吸着体ホルダから分離した塗布材繰出容器の断面図である。
図12】本開示の第2実施形態に係る塗布材繰出容器を示す断面図である。
図13】(a)は、先筒の斜視図である。(b)は、先筒の断面斜視図である。
図14】(a)は、容器本体の斜視図である。(b)は、容器本体の断面斜視図である。
図15】(a)は、バネ部材の斜視図である。(b)は、バネ部材の断面斜視図である。
図16】(a)は、雌螺子部材の斜視図である。(b)は、雌螺子部材の断面斜視図である。
図17】(a)は、移動体の斜視図である。(b)は、移動体の断面斜視図である。
図18】吸着体ホルダの斜視図である。
図19】芯チャックの斜視図である。
図20】(a)は、ストッパの斜視図である。(b)は、ストッパの断面斜視図である。
図21】塗布材を把持する芯チャックが前方に移動した塗布材繰出容器の断面図である。
図22】塗布材を把持する芯チャックが吸着体ホルダから分離した塗布材繰出容器の断面図である。
図23】本実施形態に係る塗布材交換部材の側面図である。
図24】塗布材交換部材の断面図である。
図25】(a)、(b)及び(c)は、本実施形態に係る塗布材を交換する工程を示す図である。
図26】(a)、(b)及び(c)は、本実施形態に係る塗布材を交換する工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本開示に係る塗布材繰出容器及び塗布材交換容器の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る塗布材繰出容器100の側面図である。図2は、図1の塗布材繰出容器100からキャップ101を外した状態を示す側面図である。図3は、図1の塗布材繰出容器100のA-A線断面図である。図1図3に示されるように、本実施形態に係る塗布材繰出容器100は、例えば、先筒2の内部に収容された塗布材M1を使用者の操作によって繰り出す筒状の容器である。
【0018】
本開示において、「軸線」とは、筒状体の軸線である。本実施形態では、軸線は、塗布材繰出容器の長手方向に沿って延びる塗布材繰出容器の中心線を示している。「軸線方向」とは、軸線に沿った方向である。本実施形態では、軸線方向は、塗布材繰出容器の長手方向を示している。「前」、「前側」及び「前方」は軸線方向において容器本体から先筒に向かう方向を示しており、「後」、「後側」及び「後方」は軸線方向において先筒から容器本体に向かう方向を示している。「径方向」は軸線に直交する方向を示しており、「周方向」は軸線を中心とする環に沿う方向を示している。但し、これらの方向は、説明の便宜のためのものであり、部品の配置位置及び配置態様はこれらの方向に限定されない。
【0019】
塗布材M1は、例えば、リップスティック、リップグロス、アイライナー、アイブロー、リップライナー、チークカラー、コンシーラー、美容スティック、ヘアカラー、ネイルアート等を始めとした種々の棒状化粧料、又は文房具の棒状の芯等を含む描画材であってもよい。また、塗布材M1は、外径が1.5mm以下である細径棒状物、外径が1.5mm以上且つ3.0mm以下である一般棒状物、又は外径が4.0mm以上である太径棒状物であってもよい。
【0020】
塗布材繰出容器100は、先筒2、及び筒状の容器本体3を備える。先筒2には、塗布材M1を把持する芯チャック1が出入りする。容器本体3は、先筒2の後側に連結されると共に先筒2に相対回転可能に係合する。塗布材繰出容器100は、更に、先筒2を収容するキャップ101を備える。キャップ101が外されて、先筒2及び容器本体3が相対回転されて、先筒2から塗布材M1が押し出されることにより、塗布材M1は使用に供される。
【0021】
塗布材繰出容器100は、筒状の雌螺子部材4、移動体5及び吸着体ホルダ6を備える。雌螺子部材4は、容器本体3の内部において容器本体3と同期回転可能とされ、内面に雌螺子4dを有している。移動体5は、雌螺子部材4の雌螺子4dと螺合する雄螺子5aを有している。移動体5が塗布材M1を把持する芯チャック1を軸線方向に沿って前進させることによって、先筒2から塗布材M1が押し出される。この塗布材繰出容器100では、塗布材M1、及び塗布材M1を把持する芯チャック1のみが交換される。
【0022】
キャップ101は、有底筒状を呈している。キャップ101は、内部に先筒2を収容する。キャップ101は、容器本体3と係合する環状凹部101aを内面に有している。容器本体3が環状凹部101aに係合することによって、先筒2がキャップ101の内部に収容された状態で、塗布材繰出容器100におけるキャップ101の位置が固定される。
【0023】
容器本体3は、前筒3aと、前筒3aより外径が大きい後筒3bと、を有している。容器本体3は、一例として、前筒3aと後筒3bとの間に段差を有する段付き円筒状を呈している。前筒3aは、後側から、複数の突起3c、及び環状凸部3dを外周に有している。突起3cは、前筒3aの外周において周方向に沿って並ぶように配置されている。突起3cの数は、例えば、3つである。環状凸部3dは、前筒3aの外周において周方向に沿って延在している。前筒3aは、先筒2と共にキャップ101に収容される。前筒3aがキャップ101に収容されるとき、キャップ101の環状凹部101aに前筒3aの突起3cが係合する。このとき、環状凸部3dがキャップ101の内周に当接する。環状凸部3dがキャップ101の内周に当接することで、容器本体3の気密が保たれる。図2では、環状凸部3dは、突起3cの前側に配置されている。しかしながら、環状凸部3dが配置される位置は、突起3cの前側に限定されない。環状凸部3dが配置される位置は、前筒3a上であり、且つ、キャップ101の内周に当接する位置であればよい。環状凸部3dに代えて、容器本体3とは別体のOリングが前筒3a上に配置されていてもよい。なお、環状凸部3dは、図2以外の図面では省略される。後筒3bは、溝3eを後筒3bの内面に有している。溝3eは、例えば、容器本体3の後端部において軸線方向に沿って延在している。溝3eの数は、例えば、2つである。溝3eは、容器本体3の軸線を挟んで互いに対向するように設けられている。
【0024】
塗布材繰出容器100は、更に、尾栓104を備える。尾栓104は、容器本体3に係合すると共に、容器本体3の後端を塞いでいる。尾栓104は、後側から、封止部104a、後筒104b及び前筒104cを有している。尾栓104は、例えば、段付き円筒状を呈している。尾栓104の後端には、例えば、軸線方向に直交する平面に沿って延在する板状部(後述する封止部104a)が形成される。
【0025】
封止部104aは、一例として、円板状を呈している。封止部104aの外径は、容器本体3の後筒3bの外径より小さく、且つ後筒3bの内径より大きい。封止部104aの外径は、後筒3bの外径と同程度であってもよい。封止部104aは、後筒3bの後端に当接しており、容器本体3の後端を塞いでいる。容器本体3に尾栓104が係合するとき、後筒104b及び前筒104cは、容器本体3の内部に収容され、封止部104aのみが露出する。
【0026】
後筒104bは、封止部104aの前側に設けられている。後筒104bは、例えば、凸部104d及びOリング支持部104eを外周に有し、凸部104d及びOリング支持部104eが後側から並んでいる。凸部104dの数は、例えば、2つである。凸部104dは、後筒104bの軸線を挟んで互いに対向するように位置している。凸部104dは、容器本体の溝3eに係合している。凸部104dが溝3eに周方向(回転方向)に係合することで、尾栓104は容器本体3と同期回転する。
【0027】
Oリング支持部104eは、凸部104dの前側に設けられている。Oリング支持部104eは、後筒104bの外周から突出していると共に、周方向に沿って環状に延在している。Oリング支持部104eの外周には、Oリング支持部104eの外周から凹んでいると共に、周方向に沿って延在する溝が設けられている。Oリング支持部104eの当該溝はOリング105が入り込む部位である。Oリング105がOリング支持部104eの当該溝に入り込んだ状態で、尾栓104は容器本体3に係合される。
【0028】
後筒104bは、溝104fを後筒104bの内面に有している。溝104fの数は、例えば、4つである。溝104fは、後筒104bの内面において周方向に沿って並ぶように配置されている。一例として、溝104fは、周方向に沿って等間隔に並ぶように配置されている。溝104fは、例えば、後筒104bの前側に配置されている。溝104fは、軸線方向に沿って延在している。
【0029】
前筒104cは、後筒104bの前側に設けられている。前筒104cの外径及び内径は、後筒104bの外径及び内径より大きい。尾栓104の内面には、前筒104cと後筒104bとを互いに接続する段差104gが設けられている。段差104gは、前筒104cと後筒104bとの間において径方向に延在している。
【0030】
前筒104cの内面には、先筒2が係合する係合部104hが設けられている。係合部104hは、前筒104cの前側に位置する。係合部104hは、前筒104cの内面において凹んでいると共に、周方向に沿って延在している。さらに、係合部104hは、前筒104cの前端から後方に延在している。係合部104hにより、前筒104cの前側部分の一部の内径が拡径している。
【0031】
図4は、塗布材M1、及び塗布材M1を把持する芯チャック1の斜視図である。塗布材M1は、例えば、軸線方向に延在すると共に塗布材M1の幅方向の両側が外側に張り出すように湾曲した直方体状を呈している。芯チャック1は、把持部1b、第1吸着部材保持部1a、及び第1吸着部材A1(図3参照)を有している。把持部1bは、軸線方向に延在する塗布材M1の角を押さえるように把持している。第1吸着部材保持部1aは、第1吸着部材A1を保持している。
【0032】
軸線方向から見た塗布材M1の形状は、互いに対向する長辺と、互いに対向する短辺とを含む矩形状を呈する。互いに対向する短辺は、塗布材M1の外側に向かって膨らむように湾曲している。本実施形態において、矩形状とは、厳密な矩形だけでなく矩形の短辺が外側に湾曲している形状を含む。
【0033】
把持部1bは、複数の爪1cを有している。複数の爪1cは、塗布材M1に沿って軸線方向に延在している。例えば、爪1cの数は4つである。4つの爪1cは、それぞれ塗布材M1の角に沿って延在している。4つの爪1cは、軸線方向と直交する塗布材M1の断面において、塗布材M1の断面の対角線の延長線上に位置している。周方向に沿って互いに隣り合う一対の爪1cの間には、スリット1dが形成されている。一例として、スリット1dの数は、4つである。各スリット1dでは、芯チャック1に把持される塗布材M1が露出している。スリット1dは、塗布材M1が露出する貫通孔とされている。
【0034】
第1吸着部材保持部1aは、把持部1bの後側に配置されている。第1吸着部材保持部1aは、例えば、有底筒状を呈している。第1吸着部材保持部1aは、内部に第1吸着部材A1を保持している。第1吸着部材保持部1aの穴(有底筒状をなす第1吸着部材保持部1aの内面を画成する穴)は、第1吸着部材保持部1aの後端から前方に延びている。第1吸着部材A1は、当該穴の内部に入り込んだ状態で固定されている。例えば、第1吸着部材A1は、芯チャック1の後端に配置されている。
【0035】
第1吸着部材A1は、例えば、磁性体であるが、面ファスナーであってもよい。第1吸着部材A1に適用される磁性体は、例えば、金属部材(一例として鉄)又は磁石である。第1吸着部材A1に適用される磁石は、例えば、ネオジム磁石である。第1吸着部材A1が磁性体であるとき、後述される第2吸着部材A2も磁性体である。第2吸着部材A2として用いられる磁性体は、第1吸着部材A1の磁性体と同様である。第1吸着部材A1及び第2吸着部材A2が磁性体であるとき、第1吸着部材A1及び第2吸着部材A2は互いに吸着するように配置される。
【0036】
図5(a)は、先筒2の斜視図である。図5(b)は、先筒2の断面斜視図である。図5(a)及び図5(b)に示されるように、先筒2は、開口部2a及び筒孔2bを有している。開口部2aには、芯チャック1、及び芯チャック1に把持される塗布材M1が出入りする。筒孔2bは、開口部2aから軸線方向に沿って連続している。塗布材M1を把持する芯チャック1は、軸線方向に沿って筒孔2bに収容される。軸線方向から見て、筒孔2bの内形形状は、例えば、矩形状を呈している。筒孔2bは、軸線方向に沿って延在する4つの面によって画成されている。
【0037】
筒孔2bは、複数の突条2cを有している。複数の突条2cは、筒孔2bの内面において軸線方向に沿って延在している。突条2cの数は、例えば、4つである。突条2cは、例えば、筒孔2bを画成している4つの面のそれぞれに設けられている。筒孔2bに芯チャック1が収容されるとき、芯チャック1のスリット1d(図4参照)が突条2cに沿って摺動する。軸線方向から見て、筒孔2bの内形形状は、軸線方向から見た芯チャック1の外形形状と相似している。
【0038】
筒孔2bは、複数の溝2dを有している。溝2dは、軸線方向に沿って延在している。溝2dの数は、例えば、4つである。例えば、筒孔2bを画成すると共に互いに対向する一対の面のそれぞれに2つの溝2dが設けられている。溝2dは、突条2cに隣接しており、一対の溝2dが突条2cを挟むように配置されている。
【0039】
筒孔2bは、後述する吸着体ホルダ6の前進を規制するストッパ8を有している。ストッパ8は、例えば、開口部2aの後側(筒孔2bの内面)に形成されている。一例として、ストッパ8は、それぞれの溝2dに設けられている。すなわち、ストッパ8の数は、4つである。ストッパ8は、溝2dにおいて、溝2dの前側の部分に位置している。ストッパ8は、溝2dの底面から、突出している。ストッパ8は、溝2dの延在している方向(軸線方向)と交差する段差を形成している。ストッパ8は、吸着体ホルダ6に当接する当接面を有している。当該当接面は、例えば、軸線方向と直交している。当該当接面は、例えば、平坦面である。
【0040】
先筒2の外周の前側には、傾斜面2eが形成されている。傾斜面2eは、前方に向かうに従って先細りとなるように傾斜している。傾斜面2eは、先筒2の前端において開口部2aに接続されている。傾斜面2eの後側には、湾曲面2f、及び容器本体3に係合する係合面2gが外周に形成されている。係合面2gは、湾曲面2fの後側に形成されている。係合面2gの外径は、例えば、湾曲面2fの外径よりも小さい。係合面2gには、前側から、第1環状凹部2h、第2環状凹部2i、第3環状凹部2j及び環状凸部2kが形成されている。
【0041】
第1環状凹部2hはOリング102(図3参照)が入り込む部位である。Oリング102が第1環状凹部2hに入り込んだ状態で、先筒2は、係合面2gにおいて、容器本体3及び尾栓104に係合している。係合面2gの第1環状凹部2h及び第2環状凹部2iは、容器本体3に係合する部位である。第3環状凹部2j及び環状凸部2kは、尾栓104の係合部104hに係合する部位である。尾栓104の前筒104cは、先筒2の後側を収容していると共に、容器本体3に収容されている。すなわち、前筒104cは、前筒104cの径方向に沿って先筒2と容器本体3の間に挟み込まれている。
【0042】
図6(a)は、雌螺子部材4の斜視図である。図6(b)は、雌螺子部材4の断面斜視図である。図6(a)及び図6(b)に示されるように、雌螺子部材4は、前側から、前筒4a、鍔部4b及び後筒4cを有している。鍔部4bは、前筒4aと後筒4cの間において雌螺子部材4の径方向外側に突出すると共に、周方向に沿って延在している。
【0043】
雌螺子部材4は、雌螺子4d及び突条4eを有している。雌螺子4dは、前筒4aの内面に設けられている。雌螺子4dは、前筒4aの軸線を中心とする螺旋状に形成されている。突条4eは、後筒4cの外周において軸線方向に延在している。突条4eの数は、例えば、4つである。突条4eは、周方向に沿って並ぶように配置されている。
【0044】
図3に示されるように、先筒2と雌螺子部材4との間には、弾性部材103が介在している。弾性部材103は、例えば、コイルスプリングである。弾性部材103の一端は雌螺子部材4の鍔部4bに当接しており、弾性部材103の他端は先筒2の後端に当接している。雌螺子部材4は、尾栓104と係合している。雌螺子部材4は、弾性部材103によって軸線方向に沿って尾栓104に押し当てられるように付勢されている。弾性部材103は、雌螺子部材4の鍔部4bを段差104gに向けて付勢している。弾性部材103は、雌螺子部材4の突条4eが尾栓104の溝104fに係合している状態を維持している。雌螺子部材4の突条4eが尾栓104の溝104fに周方向に係合することで、雌螺子部材4は、尾栓104と同期回転可能に係合している。尾栓104は、容器本体3と同期回転可能に係合しているため、雌螺子部材4は、容器本体3と同期回転する。雌螺子部材4と先筒2との間に弾性部材103が介在することによって、先筒2の内部において芯チャック1に保持されている塗布材M1が衝撃及び振動から保護される。
【0045】
図7は、移動体5の斜視図である。図7に示されるように、移動体5は、雌螺子4dと螺合する雄螺子5a、及び芯チャック1に接触する接触片5bを有する。雄螺子5aは、軸線方向に延在する棒状を呈しており、接触片5bの後側に位置している。接触片5bは、例えば、軸線方向に延在する爪5cを有している。爪5cの数は、例えば、2つである。軸線方向から見て、爪5cはU字状(一例として円弧状)を呈する。
【0046】
爪5cは、外周に溝5dを有している。溝5dは、爪5cの外周において軸線方向に沿って延在している。爪5cの溝5dは、先筒2の突条2c(図5参照)に係合すると共に、突条2cに対して軸線方向に沿って摺動する。溝5dは、先筒2に対して移動体5が軸線方向に沿って移動するように案内するガイド溝である。
【0047】
爪5cは、内周面を有している。爪5cの内周面は、例えば、移動体5の軸線を中心として円弧状に湾曲していると共に、軸線方向に沿って延在している。爪5cは、スリット5e及び突起5fを有している。スリット5eは、爪5cの内周から外周まで貫通していると共に、軸線方向に延在している。スリット5eが貫通している方向から見て、スリット5eは、例えば、軸線方向に延びる長辺を有する矩形状を呈している。突起5fは、スリット5eの前側に形成されている。突起5fは、爪5cの内周において突出している。
【0048】
図8は、吸着体ホルダ6の斜視図である。図8に示されるように、吸着体ホルダ6は、吸着体ホルダ本体6a及び第2吸着部材A2を有している。第2吸着部材A2は、第1吸着部材A1に吸着する。第2吸着部材A2は、例えば、磁性体である。軸線方向から見て、吸着体ホルダ本体6aの形状は、互いに対向すると共に互いに平行に延びる直線状の辺と、互いに対向すると共に湾曲する辺を含む矩形状を呈する。当該湾曲する辺は、吸着体ホルダ本体6aの外側に向かって膨らむように湾曲している。すなわち、吸着体ホルダ本体6aは、例えば、互いに対向する平坦面と、互いに対向すると共に外側に湾曲する湾曲面を含む直方体状を呈している。吸着体ホルダ本体6aは、第2吸着部材A2が固定される穴を前端に有し、後述される弾性部材7を支持する支持部6bを後端に有している。
【0049】
吸着体ホルダ本体6aは、例えば、吸着体ホルダ6の前端から後方に延びる筒穴を有する。第2吸着部材A2は、吸着体ホルダ本体6aの当該筒穴に入り込んだ状態で固定されている。第2吸着部材A2は、例えば、吸着体ホルダ本体6aの前端よりも前方に突出している。
【0050】
吸着体ホルダ本体6aは、外周に溝6cを有している。溝6cは、吸着体ホルダ本体6aの外周において軸線方向に沿って延在している。吸着体ホルダ本体6aは、例えば、複数の溝6cを有する。溝6cの数は、一例として、2つである。溝6cは、吸着体ホルダ本体6aの互いに対向する湾曲面のそれぞれに設けられている。吸着体ホルダ本体6aの溝6cには、移動体5の爪5cの突起5f(図7参照)が係合する。吸着体ホルダ本体6aは、突起5fに対して軸線方向に沿って摺動する。溝6cの後側には、溝6cの底面から突出する突起6dが形成されている。
【0051】
吸着体ホルダ本体6aは、外周に複数の羽根部6eを有している。羽根部6eは、吸着体ホルダ本体6aの外周において突出していると共に、吸着体ホルダ6の前端から後方に向かって延在している。羽根部6eの数は、例えば、4つである。羽根部6eは、吸着体ホルダ本体6aの互いに対向する湾曲面のそれぞれに2つずつ設けられている。羽根部6eは、吸着体ホルダ本体6aの平坦面が互いに対向している方向に沿って突出している。吸着体ホルダ本体6aの羽根部6eは、先筒2の溝2d(図5(b)参照)に係合すると共に、先筒2に対して軸線方向に沿って摺動する。吸着体ホルダ6が軸線方向に沿って所定の位置まで移動(前進)したときには、吸着体ホルダ本体6aの羽根部6eが、先筒2のストッパ8に当接する。
【0052】
図9は、塗布材M1、塗布材M1を把持する芯チャック1、移動体5、吸着体ホルダ6及び弾性部材7の斜視図である。図3及び図9に示されるように、後側から、移動体5、弾性部材7、吸着体ホルダ6、芯チャック1及び塗布材M1が軸線方向に沿って並ぶように配置されている。吸着体ホルダ6は第2吸着部材A2が前方を向くように配置されており、芯チャック1は第1吸着部材A1が後方を向くように配置されている。第1吸着部材A1及び第2吸着部材A2は、互いに接触すると共に、互いに吸着する。
【0053】
弾性部材7は、吸着体ホルダ6を支持すると共に、吸着体ホルダ6と移動体5との間に介在している。弾性部材7は、例えば、コイルスプリングである。弾性部材7の一端は吸着体ホルダ6の支持部6bに係合しており、弾性部材7の他端は移動体5の接触片5bに当接している。弾性部材7は、複数の爪5cの径方向内側に形成された接触片5bの内側の空間に収容されている。弾性部材7は、吸着体ホルダ6を前方に付勢している。
【0054】
弾性部材7及び吸着体ホルダ6は、接触片5bの一対の爪5cの間に配置されている。吸着体ホルダ6は、吸着体ホルダ6の溝6c(図8参照)と爪5cの突起5f(図7参照)が係合した状態で軸線方向に沿って摺動する。吸着体ホルダ6は、吸着体ホルダ6の突起6dが爪5cの突起5fに当接するように、弾性部材7によって付勢されている。吸着体ホルダ6の羽根部6eは、例えば、一対の爪5cの間から突出している。軸線方向から見て、吸着体ホルダ6の羽根部6eは、移動体5の外形から径方向の外側に突出している。
【0055】
芯チャック1は、移動体5の前端に当接している。より詳細には、芯チャック1の爪1cの後端に接触片5bの爪5cの前端が当接している。芯チャック1のスリット1dと移動体5の溝5dとは、軸線方向に沿って連続している。スリット1d及び溝5dは、筒孔2bの突条2cに係合すると共に、突条2cに対して軸線方向に沿って摺動する。移動体5は、芯チャック1を前方に押すように移動させる。
【0056】
以上のように構成された塗布材繰出容器100の使用手順について説明する。まず、先筒2からキャップ101を外し、先筒2と容器本体3とを一方向に相対回転させる。先筒2と容器本体3が一方向に相対回転すると、容器本体3と雌螺子部材4が同期回転し、雌螺子部材4の雌螺子4dと移動体5の雄螺子5aとの螺合作用が働いて、移動体5が前方に移動する。前方に移動する移動体5は、塗布材M1を把持する芯チャック1を前方に移動させる。以上のように、先筒2と容器本体3とが一方向に相対回転することによって、塗布材M1が繰り出されて塗布材M1が先筒2の開口部2aから前方に突出する。先筒2の開口部2aから前方に突出した塗布材M1は、被塗布部(例えば、塗布材M1が化粧料である場合は使用者の肌)に塗布されることによって、使用に供される。
【0057】
塗布材M1が使用に供された後に、先筒2と容器本体3とを上記一方向の反対方向に相対回転すると、移動体5は後方に移動する。移動体5が後方に移動すると、移動体5と共に吸着体ホルダ6が後方に移動する。芯チャック1の第1吸着部材A1と吸着体ホルダ6の第2吸着部材A2とは互いに吸着しているため、吸着体ホルダ6が後方に移動すると芯チャック1が後方に移動する。従って、先筒2の開口部2aから前方に突出していた塗布材M1は、筒孔2bの内部に没入する。
【0058】
図10は、塗布材M1を把持する芯チャック1が前方に移動した塗布材繰出容器100の断面図である。図10では、塗布材M1は、塗布材M1の前進限に位置している。このとき、芯チャック1は、芯チャック1と共に移動する吸着体ホルダ6が所定の位置で移動を停止するまで移動している。本開示において、「所定の位置」とは、移動体の前進は許容されるもののストッパによって吸着体ホルダの前進が規制される吸着体ホルダの位置を示している。本実施形態において、「所定の位置」は、吸着体ホルダ6の羽根部6e(図8参照)が先筒2のストッパ8(図5参照)に接触する位置である。すなわち、ストッパ8は所定の位置に位置する吸着体ホルダ6の前方に向かう移動を停止させる。
【0059】
図11は、塗布材M1を把持する芯チャック1が吸着体ホルダ6から離間した塗布材繰出容器100の断面図である。図11では、芯チャック1は、図10の芯チャック1の位置より前方に位置している。移動体5は、ストッパ8によって停止した吸着体ホルダ6に対して相対的に前進する。具体的には、羽根部6eがストッパ8に当接して停止した吸着体ホルダ6に対し、移動体5及び芯チャック1が前進する。この前進に伴って、吸着体ホルダ6と移動体5の間に介在する弾性部材7が収縮する。移動体5は、芯チャック1が吸着体ホルダ6から離間するように芯チャック1を前方に押し出している。
【0060】
芯チャック1に保持された第1吸着部材A1が、吸着体ホルダ6に保持された第2吸着部材A2から離間すると、第1吸着部材A1と第2吸着部材A2との距離に応じて第1吸着部材A1と第2吸着部材A2との間の磁力が変化する。第1吸着部材A1が第2吸着部材A2から離間すると、第1吸着部材A1と第2吸着部材A2との間の磁力が徐々に弱まり、先筒2から芯チャック1を分離させることが可能な状態となる。例えば、第1吸着部材A1及び第2吸着部材の一方が金属部材(一例として鉄)で他方が磁石であるとき、第1吸着部材A1と第2吸着部材A2との距離が4.5mm以上であれば、第1吸着部材A1と第2吸着部材A2との間の磁力が十分に弱まり、先筒2から芯チャック1を分離させることができる。
【0061】
以上、塗布材M1は、先筒2と容器本体3とを一方向に相対回転させる動作で前方に繰り出されることによって使用に供される。塗布材M1、及び塗布材M1を把持する芯チャック1は、吸着体ホルダ6が所定の位置まで移動した後(すなわち、塗布材M1が前進限まで移動した後)に更に先筒2と容器本体3とが一方向に相対回転することによって吸着体ホルダ6から離間して先筒2から外される。塗布材M1、及び塗布材M1を把持する芯チャック1が先筒2から外された塗布材繰出容器100に、新たな塗布材M1、及び新たな塗布材M1を把持する芯チャックが装着されることにより、塗布材M1の交換が完了する。なお、塗布材M1の交換方法については後で更に詳述する。
【0062】
次に、本実施形態に係る塗布材繰出容器100から得られる作用効果について詳細に説明する。塗布材繰出容器100では、塗布材M1を把持する芯チャック1は、先筒2の開口部2aに出入りする。先筒2は、先筒2の軸線方向に沿って容器本体3と相対回転可能に係合される。容器本体3の内部には雌螺子4dを有する雌螺子部材4が設けられる。移動体5は、雌螺子4dと螺合する雄螺子5aを有する。移動体5は、雌螺子4dと雄螺子5aの螺合作用によって芯チャック1を軸線方向に沿って移動させる。芯チャック1の第1吸着部材A1と吸着する第2吸着部材A2を有する吸着体ホルダ6は、芯チャック1と共に軸線方向に沿って移動する。
【0063】
塗布材M1が開口部2aから押し出される方向に向かって吸着体ホルダ6及び芯チャック1が移動するとき、吸着体ホルダ6及び芯チャック1が所定の位置に移動すると、吸着体ホルダ6は、ストッパ8によって移動を停止させられる。塗布材M1を交換するときには、移動体5は、芯チャック1を所定の位置から更に前方に向かって移動させる。これにより、吸着体ホルダ6から芯チャック1が分離して、塗布材繰出容器100から塗布材M1、及び塗布材M1を把持する芯チャック1が取り外される。
【0064】
従って、塗布材M1、及び塗布材M1を把持する芯チャック1のみを交換できるため、廃棄される部品の数を減らすことができる。また、この塗布材繰出容器100では、ストッパ8によって停止した吸着体ホルダ6に対し、移動体5が芯チャック1を相対的に移動させる。このとき、吸着体ホルダ6の第2吸着部材A2に対し、芯チャック1の第1吸着部材A1が相対的に変位することにより、芯チャック1を更に前方に向かって移動させることができる。従って、移動体5の移動によって芯チャック1を吸着体ホルダ6から離間させることにより、塗布材繰出容器100から塗布材M1及び芯チャック1を取り外すことができる。よって、塗布材M1を容易に交換することができる。
【0065】
前述したように、軸線方向から見た筒孔2bの内形形状と、軸線方向から見た芯チャック1の外形形状とは相似していてもよい。この場合、塗布材M1を把持する芯チャック1の外形形状が筒孔2bの内形形状と相似することにより、予め指定される純正の塗布材M1及び芯チャック1の交換を促すことができる。
【0066】
本実施形態に係る塗布材繰出容器100は、吸着体ホルダ6を支持すると共に、吸着体ホルダ6と移動体5との間に介在する弾性部材7を備えてもよい。この場合、塗布材M1を交換するために塗布材M1付きの芯チャック1を先筒2の開口部2aに入れて芯チャック1が吸着体ホルダ6に当接するときに、吸着体ホルダ6に加わる衝撃力を弾性部材7によって緩和することができる。
【0067】
第1吸着部材A1及び第2吸着部材A2は磁性体であってもよい。この場合、芯チャック1の第1吸着部材A1を吸着体ホルダ6の第2吸着部材A2に吸引できる。従って、芯チャック1及び吸着体ホルダ6が互いに非接触であっても近づけることによって容易に吸着させることができる。
【0068】
以上、本開示に係る塗布材繰出容器の第1実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、前述した第1実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載された要旨を変更しない範囲において変形されてもよい。すなわち、塗布材繰出容器100を構成する各部品の形状、大きさ、数、材料及び配置態様は、上記の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0069】
(第2実施形態)
図12は、本開示の第2実施形態に係る塗布材繰出容器200を示す断面図である。塗布材繰出容器200の構成の一部は、前述した塗布材繰出容器100の構成の一部と重複するため、以下では、前述した内容と重複する説明を適宜省略する。
【0070】
塗布材繰出容器200は、先筒22、及び筒状の容器本体23を備える。先筒22には、塗布材M2を把持する芯チャック21が出入りする。容器本体23は、先筒22の後端部に連結されると共に先筒22に相対回転可能に係合される。塗布材繰出容器200は、更に、先筒22を収容するキャップ201を備えている。塗布材繰出容器200は、筒状の雌螺子部材24、及び移動体25を備えている。雌螺子部材24は、容器本体23の内部において容器本体23に同期回転可能に係合している。雌螺子部材24は、内面に雌螺子24dを有している。移動体25は、雌螺子部材24の雌螺子24dに螺合する雄螺子25bを有している。
【0071】
図13(a)は、先筒22の斜視図である。図13(b)は、先筒22の断面斜視図である。図13(a)及び図13(b)に示されるように、先筒22は、開口部22c及び筒孔22dを有している。開口部22cには、芯チャック21、及び芯チャック21に把持される塗布材M2が出入りする。筒孔22dは、開口部22cから軸線方向に沿って連続している。先筒22は、一例として、外径が互いに異なる2つの円筒が前後に連結された形状を呈している。先筒22は、前筒22aと、前筒22aよりも外径が小さい後筒22bとを有している。先筒22は、一例として、前筒22aと後筒22bとの間に段差を有する段付き円筒状を呈している。後筒22bは、容器本体23の内部に収容された状態で容器本体23に係合する。
【0072】
筒孔22dは、前筒22aに設けられている。後筒22bには、筒孔22dと連通する貫通孔22eが設けられている。軸線方向から見た、筒孔22d及び貫通孔22eの形状は、例えば、円形状である。貫通孔22eの内径は、筒孔22dの内径より小さい。よって、先筒22には、筒孔22dと貫通孔22eとを互いに接続すると共に、径方向に延在する段差が形成される。
【0073】
筒孔22dは、突条22gを有している。突条22gは、筒孔22dの内面において軸線方向に沿って延在している。突条22gの数は、例えば、4つである。突条22gは、周方向に沿って並ぶように配置されている。一例として、突条22gは周方向に沿って等間隔に並んでいる。軸線方向から見て、筒孔22dの内形形状は、例えば、4つの突条22gによって形成される凸部が設けられた円形状を呈している。なお、筒孔22dはストッパを有していない。
【0074】
貫通孔22eは、突起22hを有している。突起22hは、貫通孔22eを画成する後筒22bの内面から突出している。突起22hの数は、例えば、2つである。例えば、一対の突起22hが先筒22の軸線を挟んで互いに対向するように配置されている。突起22hの後側には、環状凹部22i及び環状凸部22jが形成されている。環状凹部22i及び環状凸部22jは、貫通孔22eを画成する後筒22bの内面において周方向に延在している。環状凹部22i及び環状凸部22jは、雌螺子部材24に係合する部位である。
【0075】
図14(a)は、容器本体23の斜視図である。図14(b)は、容器本体23の断面斜視図である。容器本体23は、例えば、有底筒状を呈している。一例として、容器本体23は、外周面に段差を有しない円筒状を呈している。容器本体23の後端は、底面23aによって塞がれている。底面23aには、軸線方向に沿って貫通する貫通孔が設けられている。容器本体23の内面は、一例として、段付き円筒状を呈している。容器本体23は、内面に、前側から、前筒面23b、及び後筒面23cを有している。
【0076】
前筒面23bは、前側から、係合部23d、環状凸部23e及びローレット面23fを有している。係合部23dは、容器本体23の前端に位置する。係合部23dは、前筒面23bにおいて凹んでいると共に、周方向に沿って延在している。係合部23dは、前筒面23bの前端から後方に延在している。係合部23dにより、前筒面23bの前側部分の一部が拡径している。環状凸部23eは、係合部23dの後側に配置されている。環状凸部23eは、前筒面23bにおいて周方向に沿って延在している。ローレット面23fは、環状凸部23eの後側に配置されている。ローレット面23fは、前筒面23bにおいて凹んでいると共に、軸線方向に沿って延在している複数の溝によって形成されている。
【0077】
後筒面23cは、複数の突条23gを有している。複数の突条23gは、後筒面23cの内面において軸線方向に沿って延在している。突条23gの数は、例えば、4つである。
【0078】
図12に示されるように、容器本体23の内部には、バネ部材202が係合している。図15(a)は、バネ部材202の斜視図である。図15(b)は、バネ部材202の断面斜視図である。図15(a)及び図15(b)に示されるように、バネ部材202は、一例として、円筒状を呈している。バネ部材202は、後側から、バネ部202a、後筒202b、鍔部202c及び前筒202dを有している。バネ部材202が容器本体23に係合するとき、バネ部材202のバネ部202a及び後筒202bが容器本体23に収容されている。
【0079】
バネ部202aは、軸線方向に伸縮可能とされた樹脂バネを構成している。バネ部202aは、本体部202eと、本体部202eの周面に沿うと共に本体部202eの内外を連通するスリット202fとを有している。スリット202fは、バネ部材202の周方向に沿って延びる第1延在部202gと、第1延在部202gの周方向の端部から斜め後方に延びる傾斜部202hと、傾斜部202hの後端からバネ部材202の周方向に沿って延びる第2延在部202iとを有している。
【0080】
後筒202bは、容器本体23と係合する部位である。後筒202bは、突条202j、環状凸部202k及び環状凹部202mを有している。突条202jは、バネ部202aの前側に位置している。突条202jは、後筒202bの外周において軸線方向に沿って延在している。突条202jの数は、例えば、4つである。突条202jは、後筒202bの周方向に沿って並ぶように配置されている。突条202jは、容器本体23のローレット面23f(図14参照)に係合する。
【0081】
環状凸部202kは、突条202jの前方に位置している。環状凸部202kは、後筒202bの外周において周方向に沿って延在している。環状凹部202mは、後筒202bの外周において周方向に沿って延在している。環状凹部202mは、容器本体23の環状凸部23eと軸線方向に係合する。
【0082】
鍔部202cは、後筒202bと前筒202dとの間においてバネ部材202の径方向外側に突出すると共に、周方向に延在している。鍔部202cは、容器本体23の係合部23dに前方から当接する。
【0083】
前筒202dは、先筒22を収容すると共に、キャップ201に収容される部位である。前筒202dは、後側から、突起202n、突条202p及び傾斜面202qを有している。突起202nは、前筒202dの外周において周方向に沿って並ぶように配置されている。突起202nの数は、例えば、3つである。突条202pは、前筒202dの外周において軸線方向に沿って延在している。突条202pの数は、例えば、3つである。突条202pは、突起202nと軸線方向に沿って並んでいる。突条202pは、前筒202dの外周において周方向に沿って並ぶように配置されている。傾斜面202qは、前筒202dの外周において周方向に沿って延在している。傾斜面202qは、前筒202dの前端に近づくほど、前筒202dの外径が小さくなるように傾斜している。
【0084】
前筒202dの内面には、面取り202r及び環状凹部202sが形成されている。面取り202rは環状凹部202sの前側に設けられる。面取り202rは、前筒202dの前端に近づくほど、前筒202dの内径が大きくなるように傾斜している。環状凹部202sは、前筒202dの内面において周方向に沿って延在している。
【0085】
図12に示されるように、容器本体23の内部には、筒状の雌螺子部材24が設けられる。図16(a)は、雌螺子部材24の斜視図である。図16(b)は、雌螺子部材24の断面斜視図である。図16(a)及び図16(b)に示されるように、雌螺子部材24は、前側から、前筒24a、鍔部24b及び後筒24cを有している。鍔部24bは、前筒24aと後筒24cとの間において雌螺子部材24の径方向外側に突出すると共に、周方向に沿って延在している。
【0086】
雌螺子部材24は、雌螺子24d、突条24e、環状凸部24f及び環状凹部24gを有している。雌螺子24dは、前筒24aの内面に設けられている。突条24eは、後筒24cの外周において軸線方向に沿って延在している。突条24eの数は、例えば、8である。突条24eは、雌螺子部材24の周方向に沿って並ぶように配置されている。前筒24aは、先筒22の内部に収容される。先筒22の前筒24aを収容している部分は、バネ部材202の内部に収容される。環状凸部24f及び環状凹部24gのそれぞれは、前筒24aの外周に設けられており、先筒22の環状凹部22i及び環状凸部22jのそれぞれに軸線方向に係合する。図12に示されるように、バネ部材202は、雌螺子部材24の鍔部24bを容器本体23(突条23g)に向けて付勢している。雌螺子部材24の突条24eは、容器本体23の突条23gに周方向に係合している。
【0087】
図17(a)は、移動体25の斜視図である。図17(b)は、移動体25の断面斜視図である。図17(a)及び図17(b)に示されるように、移動体25は、接触筒25a及び雄螺子25bを有している。接触筒25aは、鍔部25c及び穴25dを有している。雄螺子25bは、貫通孔25e及び溝25fを有している。雄螺子25bは、例えば、複数の溝25fを有している。穴25dは、接触筒25aの前端から軸線方向に沿って延在している。穴25dは、吸着体ホルダ26及び弾性部材27を収容する。軸線方向から見て、穴25dの形状は、例えば、円形状である。
【0088】
接触筒25aは、例えば、有底筒状を呈している。鍔部25cは、接触筒25aの前端に配置される。鍔部25cは、接触筒25aの外周において径方向外側に突出すると共に、周方向に沿って延在している。鍔部25cには、複数の凹部25gが設けられている。凹部25gは、鍔部25cの外周において径方向内側に窪んでいる。凹部25gの数は、例えば、4つである。凹部25gは、鍔部25cの周方向に沿って並ぶように配置されている。凹部25gは、先筒22の突条22g(図13(b)参照)に係合する。凹部25gは、先筒22に対して移動体25が軸線方向に沿って移動するように案内するガイドとして機能する。
【0089】
雄螺子25bは、軸線方向に延在する棒状を呈しており、接触筒25aの後側に位置している。雄螺子25bの外径は、接触筒25aの外径より小さい。雄螺子25bには、貫通孔25eが設けられている。貫通孔25eは、例えば、軸線方向に沿って雄螺子25bの全体を貫通している。貫通孔25eは、接触筒25aの穴25dの底面から雄螺子25bの後端まで貫通している。貫通孔25eには、後述される吸着体ホルダ26のシャフト26bが挿通される。
【0090】
溝25fは、雄螺子25bの外周において軸線方向に沿って延在している。溝25fは、例えば、雄螺子25bの全体に延在すると共に、接触筒25aの後端に形成された凹部に連続している。溝25fの数は、例えば、2つである。一対の溝25fが雄螺子25bの径方向に沿って互いに対向するように配置されている。溝25fは、先筒22の突起22h(図13(b)参照)に係合すると共に、突起22hに沿って摺動する。溝25fは、先筒22に対する移動体25の回り止めとして機能する。
【0091】
図18は、吸着体ホルダ26の斜視図である。図18に示されるように、吸着体ホルダ26は、吸着体ホルダ本体26a、シャフト26b及び第2吸着部材A2を有している。吸着体ホルダ本体26aは、例えば、円柱状を呈している。吸着体ホルダ本体26aは、移動体25の穴25d(図17(a)及び図17(b)参照)に収容される。移動体25の穴25dにおける吸着体ホルダ本体26aの後側には、弾性部材27が収容されている(図12参照)。弾性部材27には、シャフト26bが挿通されている。弾性部材27の一端は吸着体ホルダ本体26aの後端に当接しており、弾性部材27の他端は穴25dの底面に当接している。吸着体ホルダ本体26aは、第2吸着部材A2を保持する穴を前端に有している。第2吸着部材A2は、吸着体ホルダ26の当該穴の内部に入り込んだ状態で固定されている。シャフト26bは、吸着体ホルダ本体26aの後端から後方に延在している。シャフト26bは、例えば、丸棒状を呈している。シャフト26bの外径は、吸着体ホルダ本体26aの外径よりも小さい。シャフト26bの後端部(後端から一定範囲を含む領域)には、環状凹部26cが設けられている。環状凹部26cは、シャフト26bの周方向に沿って延在している。
【0092】
図19は、芯チャック21の斜視図である。芯チャック21は、一例として、筒状を呈している。芯チャック21は、把持部21b、第1吸着部材保持部21a及び第1吸着部材A1(図12参照)を有している。把持部21bは、塗布材M2を径方向に挟んで把持する。第1吸着部材保持部21aは、第1吸着部材A1を保持している。
【0093】
把持部21bは、複数の爪21cを有している。複数の爪21cは、軸線方向に延在している。例えば、爪21cの数は4つである。爪21cは、芯チャック21の周方向に沿って並ぶように配置されている。例えば、爪21cは、周方向に沿って等間隔に並ぶように配置されている。軸線方向から見て、爪21cの内面は、一例として、芯チャック21の周方向に沿って円弧状に湾曲している。爪21cの内面には、突条21d及び傾斜面21eが設けられている。
【0094】
傾斜面21eは、爪21cの内面の一部を構成している。傾斜面21eは、前方に向かうに従って芯チャック21の径方向の外側に広がるように傾斜している。爪21cの内面の内径は、傾斜面21eの前後で異なっている。爪21cの前側の内径は、爪21cの後側の内径より大きい。傾斜面21eは、傾斜面21eの前側の内面(前側内面)と、当該前側内面より内径が小さい傾斜面21eの後側の内面と、を互いに接続している。
【0095】
突条21dは、爪21cの内面において軸線方向に沿って延在している。爪21cの内面における突条21dの高さは一定である。すなわち、径方向における突条21dの高さは、爪21cの後側の内面、傾斜面21e及び爪21cの前側の内面において、一定である。更に換言すれば、各突条21dの天面が軸線方向、及び芯チャック21の周方向に延在する平滑面とされている。把持部21bが塗布材M2を把持するときに、突条21dは塗布材M2に食い込む。これにより、把持部21bに塗布材M2が強固に保持される。
【0096】
周方向に沿って互いに隣り合う一対の爪21cの間には、それぞれスリット21fが形成されている。一例として、スリット21fの数は、4つである。各スリット21fでは、芯チャック21に把持される塗布材M2が露出する。スリット21fは、塗布材M2が露出する貫通孔とされている。スリット21fは、先筒22の筒孔22dの突条22g(図13(b)参照)に沿って摺動する。軸線方向から見た芯チャック21の形状は、軸線方向から見た筒孔22dの形状に相似している。
【0097】
図20(a)は、ストッパ28の斜視図である。図20(b)は、ストッパ28の断面斜視図である。図20(a)及び図20(b)に示されるように、ストッパ28は、前筒28aと、前筒28aより外径が大きい後筒28bとを有している。ストッパ28は、一例として、段付き円筒状を呈している。ストッパ28は、軸線方向に沿って延びる貫通孔28cを有している。貫通孔28cは、例えば、軸線方向に沿ってストッパ28の全体(前筒28a及び後筒28b)を貫通している。
【0098】
ストッパ28は、後筒28bの径方向の内側に突出する縮径部28dと、後筒28bにおいて開口するスリット28eとを有している。縮径部28dは、後筒28bの貫通孔28cにおいて径方向の内側に突出している。縮径部28dは、後筒28bの周方向に延在している。縮径部28dは、シャフト26bの環状凹部26cに軸線方向に係合する。ストッパ28は、吸着体ホルダ26(シャフト26b)と共に、軸線方向に沿って移動する。
【0099】
スリット28eは、後筒28bの径方向に沿って後筒28bを貫通している。スリット28eは、例えば、互いに対向すると共に軸線方向に沿って延在する長辺と、互いに対向する短辺を含む矩形状の孔である。スリット28eは、例えば、縮径部28dを貫通している。
【0100】
図21は、塗布材M2を把持する芯チャック21が前方に移動した塗布材繰出容器200の断面図である。図21では、塗布材M2は、塗布材M2の前進限に位置している。芯チャック21は、芯チャック21と共に移動する吸着体ホルダ26が所定の位置で移動を停止するまで移動している。本実施形態において、「所定の位置」とは、吸着体ホルダ26のシャフト26bと軸線方向に係合しているストッパ28が、雌螺子部材24の後端に接触するときにおける吸着体ホルダ26の位置である。ストッパ28は所定の位置に位置する吸着体ホルダ26の前方に向かう移動を停止させている。
【0101】
図22は、塗布材M2を把持する芯チャック21が吸着体ホルダ26から離間した塗布材繰出容器200の断面図である。図22では、芯チャック21は、図21の芯チャック21の位置より前方に位置している。移動体25は、ストッパ28が雌螺子部材24に当接することによって停止したストッパ28及び吸着体ホルダ26に対して相対的に前進する。この前進に伴って、吸着体ホルダ26の第2吸着部材A2から芯チャック21の第1吸着部材A1が離間すると共に、弾性部材27が収縮する。移動体25は、芯チャック21が吸着体ホルダ26から離間するように芯チャック21を前方に押し出している。
【0102】
以上、塗布材M2は、先筒22と容器本体23とを一方向に相対回転させる動作で前方に繰り出されることによって使用に供される。塗布材M2、及び塗布材M2を把持する芯チャック21は、吸着体ホルダ26が所定の位置まで移動した後(すなわち、塗布材M2が前進限まで移動した後)に更に先筒22と容器本体23とが一方向に相対回転することによって吸着体ホルダ26から離間して先筒22から外される。例えば、芯チャック21に保持された第1吸着部材A1が吸着体ホルダ26に保持された第2吸着部材A2から離間して、先筒22から芯チャック21を分離可能な状態となる。そして、先筒22から芯チャック21が外され、芯チャック21が先筒22から外された塗布材繰出容器200に、新たな塗布材M2、及び新たな塗布材M2を把持する芯チャックが装着されることにより、塗布材M2の交換が完了する。
【0103】
次に、本実施形態に係る塗布材繰出容器200から得られる作用効果について説明する。塗布材繰出容器200では、塗布材M2を把持する芯チャック21は、先筒22の開口部22cに出入りする。先筒22は、先筒22の軸線方向に沿って容器本体23と相対回転可能に係合される。容器本体23の内部には雌螺子24dを有する雌螺子部材24が設けられる。移動体25は、雌螺子24dと螺合する雄螺子25bを有する。移動体5は、雌螺子24dと雄螺子25bの螺合作用によって芯チャック21を軸線方向に沿って移動させる。芯チャック21の第1吸着部材A1と吸着する第2吸着部材A2を有する吸着体ホルダ26は、芯チャック21と共に軸線方向に沿って移動する。
【0104】
塗布材M2が開口部22cから押し出される方向に向かって吸着体ホルダ26及び芯チャック21が移動するとき、吸着体ホルダ26及び芯チャック21が所定の位置に移動すると、吸着体ホルダ26は、ストッパ28によって移動を停止させられる。塗布材M2を交換するときには、移動体25は、芯チャック21を所定の位置から更に前方に向かって移動させる。これにより、吸着体ホルダ26から芯チャック21が分離して、塗布材繰出容器200から塗布材M2、及び塗布材M2を把持する芯チャック21が取り外される。
【0105】
従って、塗布材M2、及び塗布材M2を把持する芯チャック21のみを交換できるため、廃棄される部品の数を減らすことができる。また、この塗布材繰出容器200では、ストッパ28によって停止した吸着体ホルダ26に対し、移動体25が芯チャック21を相対的に移動させる。このとき、吸着体ホルダ26の第2吸着部材A2に対し、芯チャック21の第1吸着部材A1が相対的に変位することにより、芯チャック21を更に前方に向かって移動させることができる。従って、移動体25の移動によって芯チャック21を吸着体ホルダ26から離間させることにより、塗布材繰出容器200から塗布材M2及び芯チャック21を取り外すことができる。よって、塗布材M2を容易に交換することができる。
【0106】
塗布材繰出容器200では、ストッパ28が移動体25の後方に配置されている。よって、ストッパ28が移動体25の径方向の外側に配置されている場合と比べて塗布材繰出容器200を小径化させることが可能となる。従って、塗布材繰出容器200のコンパクト化に寄与する。
【0107】
(塗布材交換部材)
図23は、本実施形態に係る塗布材交換部材300の側面図である。図24は、塗布材交換部材300の断面図である。塗布材交換部材300は、例えば、塗布材繰出容器100の塗布材M1、及び塗布材M1を把持する芯チャック1の交換に用いられる。塗布材交換部材300は、塗布材M1と、塗布材M1を把持すると共に第1吸着部材A1(吸着部材)を有する芯チャック1と、交換ケース31とを備えている。塗布材交換部材300は、更に、蓋301を備えている。本実施形態において、「前」は軸線方向において蓋から交換ケースに向かう方向を示しており、「後」は軸線方向において交換ケースから蓋に向かう方向を示している。
【0108】
図24に示されるように、交換ケース31は、例えば、軸線方向を長手方向とする筒状を呈している。一例として、交換ケース31は、軸線方向に延在すると共に、交換ケース31の後側が径方向の外側に広がる拡径部を有する。一例として、軸線方向から見た塗布材交換部材300の形状は、互いに対向する長辺と、互いに対向する短辺とを含む矩形状を呈する。互いに対向する短辺は、交換ケース31の外側に向かって膨らむように湾曲している。交換ケース31は、例えば、透明である。よって、交換ケース31の内部の塗布材M1及び芯チャック1を視認することが可能である。
【0109】
交換ケース31は、収容部31aを有している。収容部31aは、塗布材M1、及び塗布材M1を把持する芯チャック1を収容している。収容部31aは、一例として、交換ケース31の後端から前方に延在している。収容部31aは、交換ケース31の後側に向かうにつれて径方向の外側に広がる段付き状とされている。交換ケース31は、鍔部31b及び板材31cを有している。鍔部31bは、交換ケース31の前端に位置しており、交換ケース31の外周において径方向の外側に突出すると共に、周方向に沿って延在している。板材31cは、鍔部31bの前端を封止している。板材31cは、鍔部31bに沿って交換ケース31の径方向に延在している。
【0110】
交換ケース31の収容部31aには、支持部31d及びテーパ面31fが設けられている。支持部31dは、収容部31aにおいて径方向の外側に凹んでいると共に、周方向に沿って延在している。支持部31dは、軸線方向に沿って延在している。支持部31dにより、収容部31aの後側部分の一部が拡径されている。支持部31dと支持部31dより前側の部分(支持部31dが設けられていない収容部31aの内面)との間には、径方向に延在する段差31eが設けられている。段差31eは、当該前側の部分と支持部31dとを互いに接続している。支持部31dには、塗布材M1を把持する芯チャック1が配置される。芯チャック1は、支持部31dに対して摺動すると共に、軸線方向に沿って移動する。芯チャック1は、芯チャック1の前端が段差31eに当接した状態で、支持部31dに支持される。
【0111】
テーパ面31fは、支持部31dから交換ケース31の後端に向かうにつれて、径方向の外側に広がるように傾斜している。テーパ面31fの傾きは、例えば、先筒2の傾斜面2eの傾きに略一致していてもよい。先筒2の傾斜面2e(図5(a)参照)がテーパ面31fに当接するときに、例えば、先筒2の軸線、交換ケース31の軸線、及び交換ケース31に支持される芯チャック1の軸線が一つの直線上に重なってもよい。
【0112】
蓋301は、一例として、有底筒状を呈している。蓋301は、交換ケース31の後側に係合している。蓋301は、交換ケース31の後端に当接すると共に、交換ケース31の収容部31aを封止する。蓋301は、例えば、径方向に延在している底面と、当該底面から前方に突出していると共に、周方向に延在している外側筒部301a及び内側筒部301bを有している。外側筒部301aは、交換ケース31の外周に係合している。内側筒部301bは、蓋301の軸線と外側筒部301aとの間に位置している。内側筒部301bは、テーパ面31fと芯チャック1(第1吸着部材保持部1a)との間に入り込む。芯チャック1は、蓋301(内側筒部301b)と交換ケース31(段差31e)との間で挟持されている。
【0113】
図25(a)、図25(b)、図25(c)、図26(a)、図26(b)及び図26(c)は、本実施形態に係る塗布材M1の交換方法の工程を示している。図25(a)は、塗布材M1を把持する芯チャック1を塗布材繰出容器100から分離する工程を示す図である。この工程では、塗布材M1が前進限まで移動した後に、更に先筒2と容器本体3が一方向に相対回転される。このとき、移動体5は、ストッパ8によって停止した吸着体ホルダ6に対して、芯チャック1を相対的に前進させて、芯チャック1を吸着体ホルダ6から離間させる。図25(a)に示されるように、塗布材繰出容器100は、先筒2の開口部2aが下方を向くように配置される。芯チャック1は、前述した一方向への相対回転により吸着体ホルダ6から離間していると共に、重力により塗布材繰出容器100(先筒2)から下方に落下する。
【0114】
図25(b)は、新たな塗布材M1及び芯チャック1を塗布材繰出容器100に装着させる前工程を示している。図25(b)に示される状態では、先筒2と容器本体3が上記一方向の反対方向に相対回転される。先筒2と容器本体3が上記一方向の反対方向に相対回転されることによって、吸着体ホルダ6及び移動体5が後方に移動する。この工程では、例えば図3に示されるように、吸着体ホルダ6及び移動体5は、塗布材M1を繰り出す前の位置(初期位置)まで移動している。
【0115】
図25(c)は、塗布材交換部材300を準備する工程を示す図である。図25(c)に示されるように、塗布材繰出容器100は、先筒2の開口部2aが下方を向くように配置される。塗布材交換部材300は、蓋301が外されると共に、芯チャック1の第1吸着部材A1が上方を向くように配置される。なお、図25(c)の例では、軸線方向に沿って見た芯チャック1の外形形状が軸線方向に沿って見た先筒2の内形形状に相似していると共に、軸線方向に沿って見た先筒2の外形形状が軸線方向に沿って見た塗布材交換部材300(交換ケース31)の内形形状と相似している。これらの形状は、互いに対向する長辺と、互いに対向すると共に外側に張り出すように湾曲する短辺とを有する形状である。例えば、塗布材交換部材300の当該長辺の直上に先筒2の当該長辺が位置し、且つ塗布材交換部材300の当該短辺の直上に先筒2の当該短辺が位置するように、塗布材交換部材300の上に先筒2を対向させる。
【0116】
図26(a)は、先筒2を交換ケース31に挿入する工程を示す図である。図26(a)に示されるように、塗布材交換部材300に対向させた先筒2が塗布材交換部材300に向かうように下ろされて先筒2が塗布材交換部材300の交換ケース31に挿入される。このとき、先筒2の傾斜面2eが交換ケース31のテーパ面31fに当接している。先筒2を交換ケース31に挿入する工程では、芯チャック1の軸線、交換ケース31の軸線、及び先筒2の軸線が重なるように、芯チャック1及び交換ケース31に対する先筒2の位置が調整されてもよい。この場合、交換ケース31に先筒2を下ろして交換ケース31に先筒2を容易に挿入できるので、先筒2に対する新たな塗布材M1及び芯チャック1の装着を容易に行うことが可能となる。
【0117】
図26(b)は、塗布材繰出容器100及び交換ケース31の上下を反転させる工程を示す図である。図26(b)に示されるように、先筒2が交換ケース31に挿入された状態で、先筒2が交換ケース31の下方に位置するように先筒2と交換ケース31の上下位置を反転させる。このとき、塗布材繰出容器100は、先筒2の開口部2aが上方を向くように配置され、塗布材交換部材300は、芯チャック1の第1吸着部材A1が下方を向くように配置される。
【0118】
図26(c)は、塗布材繰出容器100に塗布材M1、及び塗布材M1を把持する芯チャック1を装着する工程を示す図である。図26(b)及び図26(c)に示されるように、塗布材M1を把持する芯チャック1は、第1吸着部材A1が下方を向くように配置された後に先筒2の内部に進入し、先筒2の筒孔2bにおいて落下する。この装着する工程を経て、図3に示されるように、塗布材M1を把持する芯チャック1が筒孔2bに収容され、第1吸着部材A1が第2吸着部材A2に吸着する。以上の各工程を経て、塗布材M1、及び塗布材M1を把持する芯チャック1の交換が完了する。
【0119】
以上、本実施形態に係る塗布材交換部材300では、上述のように塗布材M1及び芯チャック1のみを交換できるため、廃棄される部品の数を減らすことができると共に塗布材M1を容易に交換することができる。具体的には、先筒2及び容器本体3を一方向に相対回転させると共に先筒2の開口部2aを下に向けることによって塗布材繰出容器100(先筒2)から芯チャック1を外す(落下させる)ことができると共に、先筒2の筒孔2bに芯チャック1を進入させることによって塗布材M1を塗布材繰出容器100に装着することができる。従って、塗布材M1及び芯チャック1の交換作業を容易に行うことができる。
【0120】
以上、本開示に係る塗布材繰出容器及び塗布材交換部材の実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、前述した実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載された要旨を変更しない範囲において変形されてもよい。すなわち、塗布材繰出容器及び塗布材交換部材を構成する各部品の形状、大きさ、数、材料及び配置態様は、上記の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、ストッパは、ストッパ8及びストッパ28に限定されない。すなわち、ストッパの位置、形状及び大きさは、ストッパ8及びストッパ28の位置、形状及び大きさに限定されない。ストッパは、先筒2に設けられなくてもよい。ストッパは、吸着体ホルダ6と当接しなくてもよい。ストッパは、吸着体ホルダ26と共に移動しなくてもよい。ストッパは、吸着体ホルダ6の前進を規制すればよい。例えば、前述した塗布材交換部材300は、塗布材繰出容器200の塗布材M2、及び塗布材M2を把持する芯チャック21の交換に用いられてもよい。
【0121】
前述した各実施形態では、第1吸着部材A1及び第2吸着部材A2が磁性体である例について説明した。しかしながら、第1吸着部材及び第2吸着部材は磁性体以外のものであってもよい。例えば、第1吸着部材及び第2吸着部材は、ゲル状の粘着体であってもよいし、面ファスナーであってもよい。このように、第1吸着部材及び第2吸着部材の材料及び構成は、前述した各実施形態に限られず適宜変更可能である。
【0122】
前述した実施形態では、塗布材交換部材300の交換ケース31が筒状体である例について説明した。このように交換ケース31が筒状体である場合、交換ケース31の内部に芯チャック及び塗布材を安定して配置することができる。従って、交換ケース31の内部において芯チャック及び塗布材をがたつかせずに安定して保持することができる。しかしながら、交換ケースの形状は、筒状体以外の形状であってもよく、適宜変更可能である。前述した実施形態では、交換ケース31が透明である例について説明した。しかしながら交換ケースは透明でなくてもよく、交換ケースの色彩等も適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0123】
1…芯チャック、1a…第1吸着部材保持部、1b…把持部、1c…爪、1d…スリット、2…先筒、2a…開口部、2b…筒孔、2c…突条、2d…溝、2e…傾斜面、2f…湾曲面、2g…係合面、2h…第1環状凹部、2i…第2環状凹部、2j…第3環状凹部、2k…環状凸部、3…容器本体、3a…前筒、3b…後筒、3c…突起、3d…環状凸部、3e…溝、4…雌螺子部材、4a…前筒、4b…鍔部、4c…後筒、4d…雌螺子、4e…突条、5…移動体、5a…雄螺子、5b…接触片、5c…爪、5d…溝、5e…スリット、5f…突起、6…吸着体ホルダ、6a…吸着体ホルダ本体、6b…支持部、6c…溝、6d…突起、6e…羽根部、7…弾性部材、8…ストッパ、21…芯チャック、21a…第1吸着部材保持部、21b…把持部、21c…爪、21d…突条、21e…傾斜面、21f…スリット、22…先筒、22a…前筒、22b…後筒、22c…開口部、22d…筒孔、22e…貫通孔、22g…突条、22h…突起、22i…環状凹部、22j…環状凸部、23…容器本体、23a…底面、23b…前筒面、23c…後筒面、23d…係合部、23e…環状凸部、23f…ローレット面、23g…突条、24…雌螺子部材、24a…前筒、24b…鍔部、24c…後筒、24d…雌螺子、24e…突条、24f…環状凸部、24g…環状凹部、25…移動体、25a…接触筒、25b…雄螺子、25c…鍔部、25d…穴、25e…貫通孔、25f…溝、25g…凹部、26…吸着体ホルダ、26a…吸着体ホルダ本体、26b…シャフト、26c…環状凹部、27…弾性部材、28…ストッパ、28a…前筒、28b…後筒、28c…貫通孔、28d…縮径部、28e…スリット、31…交換ケース、31a…収容部、31b…鍔部、31c…板材、31d…支持部、31e…段差、31f…テーパ面、100…塗布材繰出容器、101…キャップ、101a…環状凹部、102…Oリング、103…弾性部材、104…尾栓、104a…封止部、104b…後筒、104c…前筒、104d…凸部、104e…Oリング支持部、104f…溝、104g…段差、104h…係合部、105…Oリング、200…塗布材繰出容器、201…キャップ、202…バネ部材、202a…バネ部、202b…後筒、202c…鍔部、202d…前筒、202e…本体部、202f…スリット、202g…第1延在部、202h…傾斜部、202i…第2延在部、202j…突条、202k…環状凸部、202m…環状凹部、202n…突起、202p…突条、202q…傾斜面、202r…面取り、202s…環状凹部、300…塗布材交換部材、301…蓋、301a…外側筒部、301b…内側筒部、A1…第1吸着部材、A2…第2吸着部材、M1,M2…塗布材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26