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  • 特許-蒸気加湿装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】蒸気加湿装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20240920BHJP
   C02F 5/00 20230101ALI20240920BHJP
   F24F 6/02 20060101ALI20240920BHJP
   F24F 11/32 20180101ALI20240920BHJP
【FI】
F24F6/00 C
C02F5/00 610Z
C02F5/00 620B
C02F5/00 620C
F24F6/00 A
F24F6/00 F
F24F6/00 G
F24F6/02 B
F24F11/32
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022043578
(22)【出願日】2022-03-18
(65)【公開番号】P2023137388
(43)【公開日】2023-09-29
【審査請求日】2024-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000103921
【氏名又は名称】オリオン機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 健二
(72)【発明者】
【氏名】下川 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】北澤 健
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-040141(JP,U)
【文献】国際公開第2014/045668(WO,A1)
【文献】特開昭59-212635(JP,A)
【文献】特開2013-228139(JP,A)
【文献】国際公開第2011/045878(WO,A1)
【文献】中国実用新案第2725766(CN,Y)
【文献】米国特許出願公開第2019/0226704(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101216199(CN,A)
【文献】米国特許第4382173(US,A)
【文献】実開昭48-059154(JP,U)
【文献】特開昭58-168831(JP,A)
【文献】特開2005-121239(JP,A)
【文献】特開平04-136641(JP,A)
【文献】中国実用新案第210951690(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00-6/02
C02F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発させる水が貯留される加湿水槽と、
前記加湿水槽に接続されており、前記加湿水槽に水を給水する給水管と、
前記加湿水槽内の水を加熱する加熱装置と、
前記給水管を流通する水の導電率を測定する導電率測定装置と、
前記給水管を開閉する電磁弁と、
前記加湿水槽の底面又は側面下部に接続されており、所定高さまで立ち上げられた立ち上がり排水管と、
前記導電率測定装置によって測定された水の導電率に基づいて前記電磁弁を制御する制御部と、を具備し、
前記制御部は、
前記導電率測定装置によって測定された水の導電率が予め設定した閾値未満の場合には、純水モードとして蒸気発生中には排水が行われないように前記電磁弁を制御して前記給水管から水を前記加湿水槽へ給水し、
前記導電率測定装置によって測定された水の導電率が予め設定した閾値以上の場合には、軟水モードとして蒸気発生中には常時排水が行われるように前記電磁弁を制御して前記給水管から水を前記加湿水槽へ給水することを特徴とする蒸気加湿装置。
【請求項2】
前記加湿水槽内には、貯留されている水の液面高さを検出する液面高さ検出装置が設けられており、
前記制御部は、
前記純水モードの場合には、前記液面高さ検出装置による液面高さに基づいて、前記立ち上がり排水管の高さ位置よりも低い第1位置と、第1位置よりもさらに低い第2位置との間に液面が位置するように前記電磁弁を制御して蒸気発生中には排水が行われないようにし、
前記軟水モードの場合には、前記液面高さ検出装置による液面高さに基づいて、液面高さが、常時前記立ち上がり排水管の高さ位置と同じ高さか又は高い位置となるように前記電磁弁を制御して蒸気発生中には常時排水が行われるようにすることを特徴とする請求項1記載の蒸気加湿装置。
【請求項3】
前記給水管を流通する水の水圧を測定する水圧測定装置が設けられ、
前記制御部は、
前記軟水モードの場合、前記加熱装置の出力と前記水圧測定装置で測定した水の水圧とに基づいて給水量を制御し、予め設定した量が常時排水されるように制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の蒸気加湿装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記液面高さ検出装置が、加湿水槽内の液面が予め設定した満水位置に到達したことを検出した場合、及び前記液面高さ検出装置が、加湿水槽内の液面が予め設定した渇水位置に到達したことを検出した場合には、警報出力するように制御することを特徴とする請求項2記載の蒸気加湿装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記純水モード又は前記軟水モードのいずれかにかかわらず、前記電磁弁の開閉を繰り返すように制御し、前記電磁弁の開時間を一定として閉時間を変更することで給水量の制御を行うことを特徴とする請求項1~請求項4のうちのいずれか1項記載の蒸気加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加湿水槽内の水を加熱して蒸気を発生させる蒸気加湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気加湿装置は、加湿水槽内に水を貯留し、加湿水槽内の水を加熱することによって蒸気を発生させて室内等を加湿する装置である。
しかし、加湿水槽内で水を加熱することで水は蒸発するが、水に含まれるカルシウム、マグネシウム、シリカ等の不純物は蒸発しないため、これらの不純物は加湿水槽内で濃縮されていくこととなる。濃縮された不純物は、加湿水槽内で析出してスケールとして付着することになり、加湿性能の低下や蒸気加湿装置の故障の原因になる。
【0003】
このため、例えば特許文献1に示す蒸気加湿装置では、加湿水槽内の水の不純物濃度が高くならないように、加湿水槽内の水を定期的に排水するような構成を採用している。
【0004】
しかし、加湿水槽内の水を定期的に排水するだけでは、加熱源の発熱量を下げ加湿量を低くしている状態のときに多量の水を排水してしまうと、新たに補充された水が蒸発温度まで加熱されるまで時間がかかってしまうという課題がある。
このため、特許文献2に示す蒸気加湿装置では、加湿水槽内の水の排水量を加熱源の発熱量に応じて増減するように制御できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-141269号公報
【文献】特開2014-129903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した各引用文献1、2においては、不純物濃度が高くならないように加湿水槽から排水をしているが、加湿水槽に供給される水がどの程度の不純物を含んでいるかを判断していない。
このため、従来の蒸気加湿装置では、不純物がほとんど含まれていない水が加湿水槽に供給される場合であっても、加湿水槽から排水する制御を行っているため、本来排水しなくてもよい水が無駄に排水され、また新たに補充された水を加熱するまでの時間がかかり加熱源のエネルギーも無駄であるという課題がある。
【0007】
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、水に含まれている不純物を導電率に基づいて測定して排水の制御を実行できる蒸気加湿装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る蒸気加湿装置によれば、蒸発させる水が貯留される加湿水槽と、前記加湿水槽に接続されており、前記加湿水槽に水を給水する給水管と、前記加湿水槽内の水を加熱する加熱装置と、前記給水管を流通する水の導電率を測定する導電率測定装置と、前記給水管を開閉する電磁弁と、前記加湿水槽の底面又は側面下部に接続されており、所定高さまで立ち上げられた立ち上がり排水管と、前記導電率測定装置によって測定された水の導電率に基づいて前記電磁弁を制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、前記導電率測定装置によって測定された水の導電率が予め設定した閾値未満の場合には、純水モードとして蒸気発生中には排水が行われないように前記電磁弁を制御して前記給水管から水を前記加湿水槽へ給水し、前記導電率測定装置によって測定された水の導電率が予め設定した閾値以上の場合には、軟水モードとして蒸気発生中には常時排水が行われるように前記電磁弁を制御して前記給水管から水を前記加湿水槽へ給水することを特徴としている。
この構成を採用することによって、水の導電率が低い場合には不純物が少なく、不純物濃度が高くならないために常時排水せずに済むため、水の無駄な排水を無くし、また加熱時間を長くすることもないので、ランニングコストの軽減に寄与する。そして水の導電率が高い場合には不純物が多いため常時排水することによって不純物濃度が高くなることによるスケールの付着を防止できる。
【0009】
また、前記加湿水槽内には、貯留されている水の液面高さを検出する液面高さ検出装置が設けられており、前記制御部は、前記純水モードの場合には、前記液面高さ検出装置による液面高さに基づいて、前記立ち上がり排水管の高さ位置よりも低い第1位置と、第1位置よりもさらに低い第2位置との間に液面が位置するように前記電磁弁を制御して蒸気発生中には排水が行われないようにし、前記軟水モードの場合には、前記液面高さ検出装置による液面高さに基づいて、液面高さが、常時前記立ち上がり排水管の高さ位置と同じ高さか又は高い位置となるように前記電磁弁を制御して蒸気発生中には常時排水が行われるようにすることを特徴としてもよい。
この構成によれば、立ち上がり排水管の高さ位置を基準として液面の制御をすることにより、液面高さが立ち上がり排水管の高さ位置と同じかそれ以上の高さ位置であれば常時排水でき、液面高さが立ち上がり排水管の高さ位置よりも低い位置であえば排水しないようにできる。
【0010】
また、前記給水管を流通する水の水圧を測定する水圧測定装置が設けられ、前記制御部は、前記軟水モードの場合、前記加熱装置の出力と前記水圧測定装置で測定した水の水圧とに基づいて給水量を制御し、予め設定した量が常時排水されるように制御することを特徴としてもよい。
この構成によれば、給水管の水圧によって給水量が変化したり、加熱装置の出力によって蒸発量が変化した場合であっても、予め設定した量を常時排水することができる。
【0011】
また、前記制御部は、前記液面高さ検出装置が、加湿水槽内の液面が予め設定した満水位置に到達したことを検出した場合、及び前記液面高さ検出装置が、加湿水槽内の液面が予め設定した渇水位置に到達したことを検出した場合には、警報出力するように制御することを特徴としてもよい。
この構成によれば、満水又は渇水という異常状態に対して作業者等に警報を出力して対応を促すことができる。
【0012】
また、前記制御部は、前記純水モード又は前記軟水モードのいずれかにかかわらず、前記電磁弁の開閉を繰り返すように制御し、前記電磁弁の開時間を一定として閉時間を変更することで給水量の制御を行うことを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、水の導電率が低い場合には不純物が少なく、水の導電率が高い場合には不純物が多いと判定して排水の制御を実行できるため、不純物量が多い場合は常時排水して不純物濃度が高くなってスケールが付着することを防止でき、不純物量が少ない場合は無駄な排水をしなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】蒸気加湿装置の概略構成を示す説明図である。
図2】電磁弁制御の際に開放頻度の傾向を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下本発明に係る蒸気加湿装置の好適な実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における蒸気加湿装置の概略構成図である。
蒸気加湿装置40は、加湿水槽30内に貯留された水を電気ヒータ等の加熱装置32によって加熱して蒸気を発生させる装置である。
加熱装置32によって加熱された水が蒸発した蒸気は蒸気口31から出力され、加湿対象となる空間に移送される。
【0016】
加湿水槽30には、給水口33が設けられ、給水口33には給水管34が接続されている。
給水管34には、給水管34内の水圧を測定する水圧測定装置35と、電磁弁38と、給水管34内の水の導電率を測定する導電率測定装置36が設けられている。
【0017】
また、加湿水槽30の側面下部には常時排水口41が設けられており、この常時排水口41には立ち上がり排水管42が接続されている。立ち上がり排水管42は、常時排水口41から所定高さまで立ち上がり、その後下方に向けて延びるように設けられている。
この立ち上がり排水管42には開閉用の弁が設けられておらず、加湿水槽30内の液面が立ち上がり排水管42の高さと同一又は高い位置にある場合には、常に排水できるように構成されている。
なお、立ち上がり排水管42の頂部には、図示しない大気解放部を設けることにより、サイフォン現象を防止し、また逆流を防止することができる。
【0018】
加湿水槽30の底面には水抜き用排水口45が設けられている。水抜き用排水口45には、水抜き排水管46が接続されており、水抜き排水管46には開閉弁48が設けられている。
開閉弁48は運転中は閉じられており、運転中は水抜き排水管46から排水されることは無いが、加湿水槽30の清掃など運転時以外に必要があれば開閉弁48を開けて加湿水槽30内の水を排水することができる。
【0019】
加湿水槽30の側面上部にはオーバーフロー口51が設けられている。オーバーフロー口51にはオーバーフロー排水管52が接続されている。オーバーフロー排水管52は加湿水槽30のオーバーフローした水を排水する。
【0020】
加湿水槽30内には、液面を検出するための液面高さ検出装置54が設けられている。液面高さ検出装置54はフロートスイッチなどを採用することができる。
【0021】
蒸気加湿装置40は、装置全体の動作を制御する制御部56を備えている。制御部56としては、CPUなどの中央処理装置とメモリから構成され、予め設定された動作プログラムに基づいて制御動作を実行する。
制御部56は、蒸気吹き出し側に設けられている湿度センサ(図示せず)と加熱装置32に接続されており、予め設定された湿度となるように加熱装置32を制御する。すなわち、制御部56は、湿度センサによって測定された湿度が目標湿度に達して無いときは加熱装置32の出力を上昇させ、湿度センサによって測定された湿度が目標湿度に達したときは加熱装置32の出力を減少させるように制御する。
【0022】
制御部56は、導電率測定装置36に接続されており、給水管34をから給水される水の導電率に基づいて、加湿水槽30からの排水モードを純水モードとするか、又は軟水モードとするかを判定する。ここで、純水モードとは運転中は常時排水しない制御方法を指し、軟水モードとは運転中は常時排水する制御方法を指す。
純水モードでは不純物が少ないのでスケール付着の心配がないために常時排水しなくてもよく、軟水モードでは不純物が多いので不純物の濃縮を防止してスケールを付着させないために常時排水するようにする。
【0023】
なお、本実施形態では、制御部56は、導電率測定装置36の測定値が10μS未満の場合は純水と判定して純水モードを実行し、導電率測定装置36の測定値が10μS以上の場合は軟水と判定して軟水モードを実行する。ただし、純水モードと軟水モードの判定基準となる導電率の数値はこの値に限定するものではない。
【0024】
以下、純水モードの場合の制御について説明する。
制御部56は、上述したように、加熱装置32を湿度センサによって測定された湿度が目標湿度に達して無いときは加熱装置32の出力を上昇させ、湿度センサによって測定された湿度が目標湿度に達したときは加熱装置32の出力を減少させるように制御する。この加熱装置32を制御する方法は、純水モードも軟水モードも共通である。
【0025】
純水モードの場合は、運転中は排水しないため、液面高さ検出装置54によって検出された液面高さが立ち上がり排水管42の高さを超えないように制御部56が電磁弁38を制御する。
例えば、立ち上がり排水管42の高さよりも少しだけ低い高さ位置を第1高さ位置として設定し、第1高さ位置よりも低い高さ位置を第2高さ位置として予め設定しておき、制御部56は、液面が第1高さ位置と第2高さ位置の間に位置するように電磁弁38の開閉を制御する。
【0026】
液面が第1高さ位置に到達したとき、これ以上液面高さを高くしないようにするため、制御部56は電磁弁38を閉じて給水を停止させる。
そして液面が下がって第2高さ位置に到達したとき、制御部56は所定時間間隔で電磁弁38を開閉して給水を行う。本実施形態における電磁弁38の開閉時間の一例としては閉時間を3秒間、開時間を0.5秒間とするよう制御しているが、特にこの開閉時間間隔に限定するものではない。
【0027】
このように制御部56は、純水モードの場合には運転中に排水しないように制御するため、無駄な排水をせずに済み、また新たに補充された水を加熱するまでの時間をかけなくても済むため、ランニングコストの低減に寄与する。
【0028】
次に軟水モードの場合の制御について説明する。
軟水モードの場合は、運転中は常時排水するため、液面高さ検出装置54によって検出された液面高さが、立ち上がり排水管42の高さと同一の高さか又は立ち上がり排水管42の高さを常に超えるように制御部56が電磁弁38を制御する。
例えば、立ち上がり排水管42の高さ位置を基準とし、液面が立ち上がり排水管42の高さ位置よりも低くなった場合には、制御部56は電磁弁38を常時開いて連続給水を行い、液面が立ち上がり排水管42の高さ位置よりも高くなった場合には、制御部56は所定時間間隔で電磁弁38を開閉して給水を行う。
【0029】
また、軟水モードの場合には、常に予め設定した排水量を維持することが好ましい。このため、加熱装置32の出力と、給水管34を流通する水の水圧に基づいて給水量の制御を行い、一定の排水量を維持するようにしている。
【0030】
例えば、図2に示すように、制御部56は、加熱装置32の出力が中間から高い状態であると判定し、また水圧測定装置35により測定した水圧が中間から低い状態であると判定した場合には、給水量が減ってしまい所定の排水量を満たさない状態となるため、電磁弁38の開放頻度を高くなるように制御する。
ここで開放頻度を高くする制御とは、上述したような電磁弁38の開閉時間の開時間をそのままにして閉時間を短くする制御をいう。
【0031】
制御部56は、加熱装置32の出力が中間から低い状態であると判定し、また水圧測定装置35により測定した水圧が中間から高い状態であると判定した場合には、給水量が増えてしまい所定の排水量より多く排水される状態となるため、電磁弁38の開放頻度を低くなるように制御する。
ここで開放頻度を低くする制御とは、上述したような電磁弁38の開閉時間の開時間をそのままにして閉時間を長くする制御をいう。
【0032】
また、制御部56は、加熱装置32の出力が中間から低い状態であると判定し、また水圧測定装置35により測定した水圧が中間から低い状態であると判定した場合、排水量の変化が少ないため、電磁弁38の開放頻度は初期設定の変更頻度からわずかな変更となる制御を行う。
同様に、制御部56は、加熱装置32の出力が中間から高い状態であると判定し、また水圧測定装置35により測定した水圧が中間から高い状態であると判定した場合も、排水量の変化が少ないため、電磁弁38の開放頻度は初期設定の変更頻度からわずかな変更となる制御を行う。
【0033】
また、制御部56には出力部58が接続されている。出力部58としては、音声出力するスピーカー、及び/又は画像出力するモニタ等を含む。
制御部56は、現在の運転状況を出力部58に出力して作業員に運転状況を知らせることができる。
【0034】
なお、制御部56は、加湿水槽30内の液面の高さ位置が異常な状態になったことを検出した場合には、出力部58から警報を出力する。液面の高さ位置が異常な状態とは、オーバーフロー口51よりも液面が高い状態や、加熱装置32が露出してしまうような状態をいう。
そこで、制御部56は、異常な液面位置として満水位置と渇水位置を予め設定しておき、液面が満水位置又は渇水位置に到達したことを液面高さ検出装置54が検出した場合、出力部58から作業者に対して満水又は渇水である警報を出力する。
警報出力としては、音声によって満水又は渇水であることを出力してもよいし、サイレン音のような警告音であってもよい。また、モニタに満水又は渇水であることを表示させてもよい。
【符号の説明】
【0035】
30 加湿水槽
31 蒸気口
32 加熱装置
33 給水口
34 給水管
35 水圧測定装置
36 導電率測定装置
38 電磁弁
40 蒸気加湿装置
41 常時排水口
42 排水管
45 水抜き用排水口
46 水抜き排水管
48 開閉弁
51 オーバーフロー口
52 オーバーフロー排水管
54 液面高さ検出装置
56 制御部
58 出力部
図1
図2